§35 スーパーの便利さと運搬燃料【Blue】

§35 スーパーの便利さと運搬燃料【Blue】
■ 文法的解析
【表記のルール】
□ [
名詞
],(
□ 等位接続詞は
形容詞
),
<
副詞
>
,同形の反復部は*, **, ***などで表現する
□ 関係代名詞節の欠けにはφをうつ
□ 代名詞の対応関係は# [ ~ ] で示す
A modern supermarket is [a thing of wonder]. <Even if *it's snowing outside and *summer is a distant memory>, you can buy **strawberries, **peaches or
**grapes.
<If you want root vegetables in the middle of a heatwave,> you can have them.
熱波
Ex-pat Americans can have their Oreo cookies,
国外在住の
<while homesick New Zealanders can console themselves <with wine and kiwi fruit>>. を元気づける
<Within days <of being picked off the vines>>,
蔓(つる)から取られて
the fruit is in your trolley, <tasting of spring <as the leaves are falling outside>>.
ショッピングカート 分詞構文 taste +形容詞=taste +of 名詞 b It's all great <until you start contemplating the vast mileage (sitting in your shopping basket.)>
をじっくり考える
総走行〔飛行〕マイル数
#Those kiwi fruits have travelled nearly 20,000 kilometres - or 12,000 miles.
#They've* flown in a plane and *travelled by road.
<By the time (they reach the supermarket)>,
they're responsible for five times their own weight in
~に責任がある=~になる
greenhouse gases (being pumped into the atmosphere).
大気中に放出される温室効果ガスの5倍
<Increasingly>, our #food is coming from *further and *further away, and
we're becoming *more and *more dependent on the fuel (#it takes Φ) <to get them to us>.
c This dependence was illustrated very clearly< during the September 2000 fuel price protests in Britain>.
燃料価格抗議
§35 スーパーの便利さと運搬燃料【Blue】
<Inspired by similar actions in France,>
分詞構文:フランスにおける同じような行動に触発されて
[a group of *farmers and *lorry drivers] decided [to blockade* the Stanlow oil refinery* in Cheshire].
トラック
を封鎖する
精製所
*The protest quickly snowballed, and *petrol tankers were unable to leave refineries.
ガソリン
[Panic buying] saw more than 90 per cent of petrol stations run dry.
S
V
O
C:干上がる
And <with supplies unable to get through,> supermarket shelves quickly emptied.
A
+
S
α
V
d #It's estimated #[that *food now accounts for as much as 40 per cent of all UK road freight,
~を占める
運送貨物
and *the international food trade is increasing faster than *the world's population and *food production.]
<In other words,>* food is moving around more than ever, and *the environmental impact could be huge.
e <Despite the UK's cool climate (being perfectly suited for growing apples),>
=Although the UK ’ s climate is perfectly suited for ~
適している
nearly three-quarters of the apples( eaten in the UK )are imported,
and [more than 60 per cent of Britain's apple orchards] have been destroyed <in the past 30 years>.
果樹園
We're now putting more energy into transporting some crops than we get out of eating them. <For every calorie of lettuce (imported to the UK from America's west coast),> [127 calories of fuel] are used
1cal ごと
レタス
<Put it another way>: [flying over a kilogram of Californian lettuce] uses enough energy
別の言い方をすれば,
(to keep a 100-watt light bulb glowing for eight days).
V’
O’
C’
§35 スーパーの便利さと運搬燃料【Blue】
■ 注意事項
●
and (even if) summer is a distant memory「夏が遠い記憶であっても」
「たとえ季節が夏でなくても」をおもしろく表現している。現代は季節はずれのものが購入できる便利な時
代だという文脈。なお,この段落ではその具体例が並べられている。
●
you want root vegetables in the middle of a heatwave「熱波のさなかに根菜類を欲しがる」
根菜類(たとえば大根やニンジン)は本来,真夏には育たないものであるが,北半球が真夏で根菜類が育た
ないならば,真冬の南半球から空輸すればよいという現代人の発想を示している。
●
console A with B「AをBで元気づける」
●
being picked off the vines「つるから摘み取られる(こと)」
the fruit は前文の「キウィフルーツ」と考えられる。
●
tasting of spring「春の味をさせながら〔春の風味で〕」
動詞 taste は,“ taste +形容詞”で「…の味がする」という意味になるのが基本用法であるが,形容詞の代わ
りに名詞を使う場合には,“ taste of +名詞”の形にする。また,この文は分詞構文である。tasting の意味上の
主語は the fruit(=the kiwi fruit)。as the leaves are falling outside「外では木の葉が落ちている時に(=秋だ
というのに)」。
●
the vast mileage sitting in your shopping basket
「あなたの買い物かごにかかっている膨大な総走行マイル数」
何気なく買い物かごに入れた一つ一つの品物が,実は遠くから運ばれたものであるということ。
●
be responsible for~「~に対して責任がある」
「~の原因となっている」と訳してもよい。
●
five times their own weight in greenhouse gases「温室効果ガス量の点では,それ自体の重量の 5 倍」
●
greenhouse gases being pumped into the atmosphere「大気中に排出される温室効果ガス」
●
This dependence「このような依存」
前出の,「私たちは食料を自分たちのもとへ届けるのにかかる燃料に,ますます依存するようになっている」
ということを指している。
●
fuel price protests「燃料価格抗議」
●
Inspired by similar actions in France「フランスにおける同じような行動に触発されて」
過去分詞から始まる分詞構文。
●
petrol tankers were unable to leave refineries「ガソリンタンカーは精製所を出港することができなかった」
抗議行動によってタンカーが身動きがとれなくなった様子を述べている。
●
Panic buying saw more than 90 per cent of petrol stations run dry .
S
V
O
C
「パニック買い〔買占め〕により,90 パーセントを超えるガソリンスタンドが干上がった」
動詞 see は,このように無生物を主語にして(擬人法),「~を目撃する」という意味の文を作ることがよく
ある。知覚動詞として使われているのでSVOC(第5文型)のCに動詞の原形がきている。run dry「干上
がる;枯渇する」。
●
with supplies unable to get through
「(スーパーマーケットヘの品物の)供給が不可能になって〔届かなくなって〕」
前置詞 with の付帯状況を表す用法である。“ with A +形容詞〔形容詞相当語句〕”で「Aが…の状況で」。
get through は,ここでは「届く」という意味。
§35 スーパーの便利さと運搬燃料【Blue】
●
accounts for as much as 40 per cent of~「~のうち 40 パーセントをも占める」
account for~「~(の割合)を占める;~を説明する」。as much as~「(数値の大きさを強調して)~も;~
と同じくらい」。
●
roadffeight「道路運送貨物;陸路輸送(量)」
●
the UK's cool climate being perfectly suited for~「イギリスの涼しい気候が~にきわめて適していること」
being は動名詞で「…であること」。動名詞の前に the UK's cool climate(イギリスの涼しい気候)という,意
味上の主語がついている。前置詞(despite)を使わずに接続詞を使って言い換えると,Although the UK's cool
climate is perfectly suited for~となる。be suited for~「~に適している」。
●
put A into B「AをBにつぎ込む」
A=より多くのエネルギー,B=いくつかの農産物を輸送すること。
●
For every calorie of lettuce imported to the UK from America's west coast
「アメリカの西海岸からイギリスへ輸入されるレタスの 1 カロリーごとに」
for every~「~ごとに」。つまり,輸入レタスの 1 カロリー分につき 127 カロリーの輸送燃料が使われている
という計算になる。実に 127 倍である。
●
put it another way(≒ in other words)「別の言い方をすれぼ;言い換えれば」。動詞 put はこのように,「を表
現する;を言い表す」という意味で使われることも多い。
§35 スーパーの便利さと運搬燃料【Blue】
■ 日本語訳
現代のスーパーマーケットとは,不思議なものである。たとえ外には雪が降っていて,夏が遠い記憶で
あっても,イチゴ,モモ,あるいはブドウを買うことができる。もし,熱波のさなかに根菜類を欲しても,
手に入れることが可能だ。国外在住のアメリカ人は,自国のオレオクッキーを手に入れられるし,一方で
故郷が恋しいニュージーランド人は,ワインとキウィフルーツで自分たちを元気づけることができる。そ
の果物は,蔓から摘み取られて数日以内に,外で木の葉が舞い落ちている時に,春の風味で,あなたのシ
ョッピングカートに入っている。
自分の買い物かごにかかっている膨大な総走行マイル数をじっくりと考え始めるまでは,すべては素晴
らしい。それらのキウィフルーツは,20,000 キロメートル近く,すなわち 12,000 マイルを旅してきた。飛
行機に乗って飛び,道路を通って移動してきている。スーパーマーケットに到着するまでには,そのキウ
ィフルーツは,それ自体の重量の 5 倍の重さの,大気中に排出される温室効果ガスに対して責任がある。
ますます,私たちの食物は,もっともっと遠くからやって来るようになっているので,それらを私たちの
もとへ届けるのにかかる燃料に,ますます依存するようになっているのである。
このような依存は,イギリスにおける 2000 年 9 月の燃料価格抗議の中で,非常に明確に実証された。
フランスにおける同じような行動に触発されて,農場経営者とトラック運転手らのグループが,チェシャ
ー州のスタンロー石油精製所を封鎖することを決断した。その抗議はすぐさま加速度的に拡大し,ガソリ
ンタンカーは精製所を出港することができなかった。パニック買いにより,90 パーセントを超えるガソ
リンスタンドが干上がった。さらに供給が届かないために,スーパーマーケットの棚はまたたく間に空に
なった。
現在は,食物がイギリスのすべての道路運送貨物のうち,40 パーセントをも占めていると概算されてお
り,国際的な食物貿易は,世界の人ロや食物生産よりも速い速度で増加している。言い換えれば,食物は
これまで以上にあちこちに移動しており,しかも環境上の影響は莫大なものになり得る。
イギリスの涼しい気候は,リンゴの栽培にきわめて適しているにもかかわらず,イギリスで食されてい
るリンゴのおよそ 4 分の 3 は輸入されており,60 パーセントを上回るイギリスのリンゴ果樹園が,過去 30
年間に破壊されている。私たちは,今や,いくつかの農産物を輸送することに,それらの農産物を食べる
ことから摂取するよりも多くのエネルギーをつぎ込んでいる。アメリカの西海岸からイギリスへ輸入され
るレタスの 1 カロリーごとに,127 カロリーの燃料が使われる。別の言い方をしてみよう。カリフォルニ
ア産レタス 1 キログラムを空輸するには,100 ワットの灯りの電球が 8 日間光り続けるのに十分なエネル
ギーを使うのである。