ドーピングとは 競技力を向上させるために禁止されてい

埼玉県薬剤師会
ドーピングとは
競技力を向上させるために禁止されてい
る物質・方法を使用すること
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ドーピングが何故いけないのか
スポーツのフェアプレー精神に反する
薬物の習慣性や副作用により選手の健康
を損ねる
次世代を担う青少年への悪影響等社会的
害を生じる
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ドーピング違反となる行為
禁止物質(禁止リスト収載物質)の体内での存在
禁止物質あるいは禁止方法の使用または企て
検査の忌避あるいは拒否
検査の不正操作
禁止物質の所持
禁止物質の不正取引
競技支援要員(コーチ等)による関与
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禁止リストについて
世界アンチ・ドーピング機構(WADA)は、
少なくとも年1回禁止物質・方法で構成さ
れる禁止リストを国際基準として公表す
る
→禁止物質の種類と方法は毎年変わる
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禁止リストに盛り込む際の判断基準
○隠蔽剤であるもの
○次の3要件のうち、2要件をみたしている
競技力を強化している(し得る)
健康上の危険性を及ぼす(し得る)
スポーツ精神に反する
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禁止リストの構成
I.
競技会検査において禁止対象となるもの
II.
競技外検査においても禁止対象となるもの
III. 特定の競技においてのみ禁止対象となるもの
IV.
Ⅰ∼Ⅲのうち、広く医薬品として流通しており、かつドー
ピング物質としての乱用されにくいもの(指定物質)
→ 制裁緩和措置が設けられている
V.
禁止物質でないが、ドーピングの乱用状況等把握する
必要があると判断された物質(監視プログラム)
→失効や資格剥奪等の制裁措置はない
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国体における競技会検査と競技外検査
競技会検査
競技外検査
検 査 日
出場競技開催日
宿泊先到着から
国体開催期間中
検査場所
各競技場
宿泊先や研修先等
対象選手
競技終了後すみやかに 遅くとも検査2日前まで
への通告
目
競技を終了した選手の トレーニング期間中の不
的 体内に禁止物質が存在 正を防ぎ、競技者のク
しないことを証明する
リーンさを証明する
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カフェインについて
昨年の禁止リストでは、カフェインが興奮剤として
禁止物質となっていたが、今年は監視プログラム
に移行している。
種目別の使用状況として検査結果が報告され、使
用頻度が高い場合、来年以降禁止物質になる可能
性がある。
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国体におけるドーピング検査とは
選手自ら採取した尿の提出を受け、これを
WADA公認検査機関で分析すること
→日本では、三菱化学BCLが公認検査機関
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競技会検査の流れ
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
(10)
通
告: 以後エスコートが通告選手に付き添う
受
付: 通告後1時間以内に検査室に入室
水分補給: 待合い場所で密閉された飲料を自由に補給
採尿カップの選択: 複数のものから自ら選択
尿の採取: 同性の係官の監視のもと75ミリットル以上
自ら採取
検体保存用ボトルの選択: 複数のものから自ら選択
尿の分割・封印: 自らボトルに採取尿を分割し、封印
pH及び比重の測定: 比重が一定基準以下は再採尿
使用薬物の申告: 3日以内に使用した薬やサプリメント
の申告
公式記録書の確認・署名・控えの受取り
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競技会検査の流れ(選手必携書から)
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ドーピング違反となった場合
次の処置が行われる
失効
参加競技結果の無効
資格剥奪
競技その他の活動への参加禁止
暫定的資格停止
公聴会において最終的な判断が下されるまで
の暫定的な競技への参加禁止
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ドーピング違反処置の実施条件(検査陽性時)
次の場合処置が行われる
・A検体から禁止物質が検出され、本人がその使用を
認める
・本人がB検体の確認検査を要求し、B検体もA検体と
同様禁止物質が検出されたとき
※ 処置決定の前に弁明の機会(聴取会)が与えられる
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具体的な処置(選手の資格剥奪の期間)
1、違反回数によって異なる
・1回目の違反: 2年間の資格剥奪
・2回目の違反: 一生涯にわたる資格剥奪
2、違反物質によっても異なる
広く医薬品として流通しており、かつドーピング物
質としての乱用されにくいものとして指定された物
質(指定物質)に違反した場合は、競技力向上の
目的で使用したのではないことを証明できれば、
上記剥奪措置が緩和される。
※ この他に競技団体よって異なる場合がある
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禁止物質の治療目的使用の適用措置(TUE)
次の申請を事前に所定の用紙を用いて行い、治療目的
の使用が認定された場合、例外的に禁止物質を使用でき
る。ただし、他に治療法がなく、使用しても競技力を高め
ないものに限定される。
標準申請:
代替薬物がないため、禁止物質を治療目的に使用す
る旨を申請する場合
略式手続:
ベータ2作用薬(喘息予防・処置薬)吸入剤の一部や糖
質コルチコイドの局所使用を治療目的のため使用する
場合
治療目的使用の適用措置(TUE)の申請書類
(申請先および申請期限は、今国体の場合)
作成者
標準申請
略式手続
医師
医師
記載項目 代替薬剤が使えない理由、投与量、 代替薬剤が使えない理由、投
頻度、経路、期間、臨床検査成績等 与量、頻度、経路、期間等
署名者
申請先
作成医師、申請選手
作成医師、申請選手
都道府県体育協会へ郵送
申請期限
夏季:8月10日、秋季:9月21日
大会直前
許可時
送付書類
治療目的使用の承認書
受信証明書
備
考
日本アンチ・ドーピング機構の審査
により、許可されないことがある
不備のない書類が受理された
時点で有効 (審査はない)
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特定競技でTUE申請が認められない物質
体重階級別競技と減量が競技力強化につながる次の
競技は、利尿剤のTUEは認められない。
ボディビルディング、ボクシング、柔道、空手、
パワーリフティング、ボート、スキー、テコンドー
ウエイトリフティング、レスリング、武術
(利尿剤:腎臓に働き尿量を増やす薬)
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治療目的での糖質コルチコイドの局所使用
昨年の国体では糖質コルチコイドを局所使用する
場合、書面による事前申請は必要なかったが、今
年は略式手続を行わなければ使用出来ない。
また、経口、経直腸内、経静脈、筋肉内投与などの
全身投与に該当する場合は、昨年同様標準申請が
必要となる
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治療目的でのインスリンの使用
昨年は略式申請の対象であったインスリンが、今
年は標準申請の対象に変更となっている
申請期日が設けられているため、昨年のような大
会直前の申請は認められないので注意が必要
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ベータ2作用薬(吸入剤)の治療目的使用
昨年同様、次の疾患の予防・処置を目的する場
合、フォルモテロール、サルブタモール、サルメテ
ロール、テルブタリンの吸入剤に限り、略式手続
を行うことで使用が可能となる
喘息
運動誘発性の喘息・気管支収縮
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手続で使用可能となるベータ2作用吸入剤
成分名
日本で販売されている商品
フォルモテロール なし
サルメテロール セレベント50ディスカス(GSK)
セレベント25・50ロタディスク(GSK)
サルブタモール サルタノールインヘラー(GSK)
ベネトリン吸入液(三共)
アイロミール(大日本)
テルブタリン
なし
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TUEによる承認があっても違反となる場合
ベータ2作用薬のうち、サルブタモールはTUEに
より使用が認められても、硫酸塩でないサルブタ
モールの尿中濃度が1,000ng/mLを超えた場合
ドーピング違反となる
ただし、基準値を超えた原因が、治療目的による吸
入である旨競技者が立証した場合はこの限りでない
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「うっかりドーピング」とは
選手がドーピング禁止物質を含有することを
知らずに医療薬を使用することや市販薬等を
購入・使用すること
○ 医療薬:
受診し、医師や歯科医師から交付を受けた薬
○ 市販薬等:
ドラッグストアー等で購入できる薬やサプリメント
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主な疾患治療薬に含まれうる禁止物質(1)
疾患名
含まれうる禁止物質
主な投与方法
感冒(主に咳)
興奮剤(エフェドリンなど)
内服
気管支喘息
興奮剤
ベータ2作用薬
糖質コルチコイド
内服、吸入、貼付
アレルギー、炎症
糖質コルチコイド
(花粉症、蕁麻疹など)
内服、点眼、点鼻、
点耳、塗布
糖尿病
ペプチドホルモン(インスリン)
注射
高血圧
隠蔽剤(利尿剤)
ベータ遮断薬
内服
浮腫
隠蔽剤(利尿剤)
内服
痛風、高尿酸血症
隠蔽剤(プロベネシド)
内服
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主な疾患治療薬に含まれうる禁止物質(2)
疾患名
含まれうる禁止物質
主な投与方法
ネフローゼ症候群
隠蔽剤(利尿剤)
糖質コルチコイド
内服
痔疾
糖質コルチコイド
塗布、直腸内
緑内障
メニエル病
てんかん
睡眠時無呼吸症候群
隠蔽剤
(利尿剤)
アセタゾラミド
イソソルビド
内服
アセタゾラミド
婦人科疾患
蛋白同化男性化剤
抗エストロゲン作用薬
内服、注射
男性不妊症
蛋白同化男性化剤
内服、注射
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禁止物質が含まれる主な市販薬
含有禁止物質
該当分類
かぜ薬・咳止め
エフェドリン類等
胃腸薬 ・ 滋養強壮薬
ストリキニーネ
便秘治療薬
エフェドリン類
鼻炎薬
エフェドリン類
眼薬 (充血改善)
エフェドリン類
痔治療
ヒドロコルチゾン等 糖質コルチコイド類
虫さされ塗布剤
デキサメタゾン等
口内炎治療薬
トリアムシノロン等
皮膚炎治療塗布剤
プレドニゾロン等
滋養県強壮薬(塗布・ドリンク剤等) メチルテストステロ
ン等
毛髪用薬
興奮剤
蛋白同化剤
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サプリメントなどの対応
○ 原則「自己責任」使用
ビタミン単独ならば問題ないが、多くの商品が含
有物質を明らかにしていないため
○ ドーピング検査時に、採尿票に正しく申告
○ JADAオフィシャルスポンサーシッププログラムに
よって認定された商品は、使用可能
詳しくは、JADAホームページ
http://www.anti-doping.or.jp
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「うっかりドーピング」を防止するには
○ コーチ、顧問医に使用前に確認する
→宿泊先で提供を受けた常備薬等にも注意を払う
○ 受診時や市販薬の購入時に、医師・歯科医師
や薬剤師に、次のことを申し出る
国体参加選手であること
参加競技名
○ 海外製のサプリメント等の摂取を控える
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アンチ・ドーピング相談活動協力会員
埼玉県薬剤師会は、「うっかりドーピング」を
防止すべく、責任を持って相談に応じれる薬
局・薬店をアンチ・ドーピング相談活動協力
店舗として認定している
→禁止物質を含まない市販薬は数多くある。市販
薬を購入・使用する際は、必ず店頭薬剤師に相
談すること
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アンチ・ドーピング相談活動協力会員認定証
認定会員には、つぎの認定証が店頭に貼って
ある
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協力会員店舗を探すには
埼玉県薬剤師会
ホームページから
検索可能
http://www.saiyaku.or.jp
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各認定会員店舗の場所が表示される
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ホットラインの開設
埼玉県では、ホットラインを3系統に分け、それぞれ
禁止薬物等の問い合わせに対応する方法を採る
薬局・薬店
埼玉県薬剤師会 情報センター
病院・診療所
埼玉県医師会 地域医療課
顧問医・監督
埼玉県体育協会
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ホットラインの開設期間
彩の国まごころ国体前1週間から大会終了まで、
専用用紙のFAX送信による問い合わせを受付ける
《秋季大会時》
10月18日から10月28日
(秋季大会:10月23日から10月28日)