ACE阻害薬

ア
ACE阻害薬
ACE阻害薬の相互作用のほとんどは薬力学的なものである。つまり
相互作用は体内での薬物動態よりも、薬物の効果に対する変化であり、
個々の薬の相互作用の大半の症例は、同じグループの薬全体にも当て
はまる。
ACE阻害薬 + アルコール
アルコールを参照
page 16 、降圧薬を参照 page 83
ACE阻害薬 + アルデスロイキン
相加的な降圧作用が起こり得る、降圧薬を参照
page 83
ACE阻害薬 + アロプリノール
スティーブンス・ジョンソン症候群が3例(1例は致死的)
、過敏
症が2例、カプトプリルとアロプリノールの併用によるものと考えら
れている。エナラプリルと一緒にアロプリノールを服用した1人の男
性で、アナフィラキシーと心筋梗塞が起こった。ACE阻害薬とアロプ
リノールの併用は、白血球減少と重篤な感染症のリスクを増大させる
ことがある。
両剤の投与患者では、特に腎機能障害がある場合、過敏症(例:
皮膚反応)や白血球数減少(咽喉痛、発熱など)の徴候について
十分綿密にモニタリングすべきである。
ACE阻害薬 + α遮断薬
エナラプリルとブナゾシンを服用した患者の初回投与で、重度の低
血圧や相乗的な降圧効果を起こしたことがあり、健常者でも繰り返し
報告がある。初回投与効果は他のa遮断薬(特にalfuzosin、プラゾシ
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アセタゾラミド
ア
アセタゾラミドがシクロスポリン血清濃度の顕著で急速な上昇(7
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時間で最大6倍)を起こし、腎毒性も伴い得るという限定的な一部の
エビデンスがある。
シクロスポリン濃度およびまたはその作用(例:腎機能への作
用)をルーチンにモニタリングすべきである。ただし、アセタゾ
ラミドを開始または中止する場合は、モニタリングの頻度を上げ
るのが賢明であろう。必要に応じシクロスポリンの用量を調整す
ること。
アセタゾラミド + リチウム製剤
アセタゾラミドによりリチウム製剤の排泄が増加し得ることを示唆
した一部のエビデンスがある。しかし、リチウム毒性は併用投与され
た患者1例でしか見られていない。
この相互作用の一般的意義は不明である。予期せぬ投与への反
応が見られた場合は、この相互作用を考慮すること。
アセタゾラミド + メキシレチン
一部の患者ではアセタゾラミドなどアルカリ化作用を持つ薬剤の併
用により尿pHが大きく変化することがあり、メキシレチンの血漿濃
度に顕著な影響を与え得る。
この作用は予測不可能と思われる。メキシレチンの製造業者は
併用を避けることを推奨している。
アセタゾラミド + オピオイド系薬剤
理論的には、アセタゾラミドなど尿中のアルカリ化作用物質が
methadoneの作用を増強する可能性がある。
この相互作用の臨床的意義は不明だが、methadoneに対し予期
せぬ反応が見られた場合は、この相互作用を考慮すること。
アセタゾラミド + フェノバルビタール
フェノバルビタールまたはプリミドンをアセタゾラミドと併用中の
少数の患者で重症の骨軟化症およびくる病が見られている。ごく小数
の患者で顕著なプリミドンの血清濃度の低下とそれに伴う痙攣発作コ
ントロール不能も報告されている。
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アセタゾラミド
この相互作用の全般的意義は不明であるが、治療にたいし予期
せぬ反応が見られた場合は、この相互作用を考慮すること。
アセタゾラミド + フェニトイン
フェニトインとアセタゾラミドを併用中の少数の患者で重症の骨軟
化症およびくる病が見られている。ごく小数の患者でフェニトイン濃
度の上昇も報告されている。
この相互作用の臨床的意義は不明だが、治療に対し予期せぬ反
応が見られた場合は、この相互作用を考慮すること。フェニトイ
ン毒性の兆候には、霧視、眼振、運動失調、傾眠状態などがある。
アセタゾラミド + キニジン
アセタゾラミドの併用により尿pHが大きく上昇するとキニジンの
貯留が起き、キニジン毒性が生じることがある。また、アセタゾラミ
ドにより低カリウム血症がまれに起こることがあり、キニジンなどQT
延長を起こす薬剤の毒性を増強させ得るので注意すること。
アセタゾラミドを開始または中止する場合はこの作用について
モニタリングし、必要に応じキニジンの用量を調整すること。ま
た、カリウム値が許容範囲内を維持するようモニタリングも考慮
に入れる。
アシクロビル
アシクロビル + シクロスポリン
通常アシクロビルはシクロスポリンの濃度に影響せず、腎機能を悪
化させないと思われるが、併用後にごく少数の症例で腎毒性やシクロ
スポリン濃度の上昇が見られている。アシクロビルのプロドラッグで
あるバラシクロビルも同様に相互作用すると予想される。
少数の症例で問題が生じていることから、両剤を併用する場合
は腎機能について十分にモニタリングすべきであるのは明らかで
ある。バラシクロビルの製造業者は、高用量(1日4g超)をシ
クロスポリンと併用する場合は腎機能を綿密にモニタリングする
よう推奨している。
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