平成23年7月27日 第4回 環境保全協議会 議題 • 猛禽類(オオタカ)について 猛禽類とは Bつがいのオオタカ状況について 1 猛禽類(Birds of Prey) タカ、ハヤブサ、コンドル、フクロウ 猛禽類とは、獲物を捕らえるために、その体を進化させた鳥の仲間を いう。狩りをするために、よく見える目と、鋭い爪とくちばし、そして強く て丈夫な脚を持っている。 形態: ①踵、爪、嘴、視力、飛翔に適した身体の構造 ②♀>♂ 行動: ①単独行動が多い ②生活環境に応じた効率的なハンティングテク ニック 猛禽類は空中を生活の場とする生物の中で生態ピラミッドの頂点に立つものである。 2 種々の猛禽類 大きさ エサ 生息環境 オオタカ クマタカ ハヤブサ トンビ オス :50 ㎝ メス5 6 ㎝ W1 06 ∼1 3 1㎝ オス :72 ㎝ メス8 0㎝ W1 40 ∼1 65 ㎝ オス :42 ㎝ メス4 9㎝ W8 4 ∼1 20 ㎝ オス:59 ㎝ メス6 9㎝ W15 7 ∼1 62 ㎝ 主にツグミ級の小鳥、ハ ムササビ、ノウサギなどの ヒヨドリ級の中形小鳥、ハ ト 、カモ、シギ、キジなど中 中形哺乳類、ヘビ類、キ ト、カモ、シギ、チドリな ど ∼大形の鳥 ジ、キジバト、ヒヨド リなど の鳥類 の中形以上の鳥類 亜高山( 秋冬は低山) から 亜高山から低山の森 平地の林に棲息 主に屍肉を食べるが、ネ ズミ、ヘビ、カエル、ミミ ズ、鳥などの生きている 小動物も捕食 海岸や海岸に近い山地の 各地の海岸、水田地帯、 断崖や急傾面、広い川 河川、湖沼の周辺 原、原野、広い農耕地 広い森林内のモミやコメツ 海岸や海岸に近い山地の 平地から低山の大木の枝 ガなどの枝上 断崖の岩棚 上 巣の作成場所 林内の大木の枝上 棲息地の課題 森林開発による営巣木及 森林開発による営巣木及 工事等による崖面の消失 び餌場環境の減少。 び餌場環境の減少。 − 準絶滅危惧種(N T) − 絶滅危惧種 絶滅危惧IB類(EN) 滅危惧II類( VU) 3 思川開発事業の保全対象猛禽類 思川開発事業にみられる、猛禽類のなかで、影響の程度を 検討した種(着目すべき種)とそのランク分け オオタカ : 影響予測の結果、事業による影響を受けると考えられた(Aランク) ランク (影響の度合) A B C 科名 タカ科 タカ科 タカ科 ハヤブサ科 タカ科 タカ科 タカ科 タカ科 ハヤブサ科 フクロウ科 和名 オオタカ ハチクマ ハイタカ ハヤブサ ミサゴ オオワシ サシバ クマタカ チョウゲンボウ フクロウ オオタカについて、環境保全対策の検討及び実施を行っている。 4 オオタカ保全対策の方針 工事の実施による負荷を最小限にとどめ、南摩ダム周辺個体群の 繁殖活動の維持を目標とする。 オオタカ オオタカ(幼鳥) ※だ円はオオタカつがい行動範囲イメージ 5 ●オオタカの保全対策 南摩ダム周辺のオオタカ生息地における工事実施時期の配慮 ・繁殖活動が見られる期間中は、巣の近傍での工事を実施し ない。 ・工事期間中の繁殖状況をモニタリングし、専門家の指導・ 助言を得ながら工事実施時期等を順応的に検討する。 採食中心域 ・・・対策期間は通年とする ・低騒音、低振動型建設機械の使用※ ・工事車輌、建設機械の空吹かし等を行わない。むやみにクラク ション等を鳴らさない※ ・走行規制区間においては、自主規制(最高速度40km/h)を行う (走行速度の遵守)※ (※を付けた項目は、これまでの環境対策の継続) ・夜間∼早朝(日没〈但し1月は17時〉∼8時)は極力作業を休止 する ・オオタカ及び営巣地方向を長時間注視しない 6 ●オオタカの保全対策 代替巣 調理場 代替巣の設置 ・代替巣の設置の他、餌を解体するための調理場、 飛翔空間となるコリドーを創出し、事業による 影響を受けない環境へオオタカを誘導する。 ●環境保全対策と併せて実施する対応 狩り場環境の創出 林相改善の イメージ ・間伐等により林内の日射量を増やし、食物となる鳥 類が好む低木や草本が生育する環境を創出する。 ・間伐等によりオオタカの林内飛翔空間を創出する。 周辺個体群の繁殖活動の維持 ・事業用地内においては、オオタカの行動圏以外の範囲でも、営巣環境及び 採食環境の改善策を実施する。 7 オオタカBつがいの繁殖情報 7/22の調査で、幼鳥の巣立ちを確認しました。 抱卵又は抱雛中(5/13撮影) オオタカの生活サイクル 幼鳥が巣立ったことを確認しており、繁殖期が終わるとされる 8月1日(月) より、Bつがい生息環境域内の立入禁止措置の解除を実施します。 8
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