冬期間におけるエゾシカの自然死亡発生を予測する試み 東京農業大学

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冬期間におけるエゾシカの自然死亡発生を予測する試み
東京農業大学生物産業学部
植物資源学・生産管理学研究室
北原
理作
はじめに
エゾシカは,北海道を代表する大型野生動物です。しかし,明治時代には,オオカミ(捕食者)の絶滅ならびに乱
獲と大雪により,絶滅の危機に追い込まれたとされます。その後の保護政策により生息数は回復しましたが,農耕地
の拡大などにより栄養状態が好転し,増えたシカが被害をおよぼす害獣とみなされるようになりました。
近年では,農耕地や造林地における被害の軽減,大発生や乱獲を避け生息数を安定したレベルで維持するといった
観点から,エゾシカの保護管理計画が北海道によって策定施行されています(保護管理計画の内容について
はhttp://www.pref.hokkaido.jp/kseikatu/ks-kskky/sika/keikaku/pdf/Plan.pdf を参照)。
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何のために予測するのか?
エゾシカの保護管理はスタートしたばかりで,初期段階では「緊急減少措置」とあるように生息数を減らす試みを
しているので,安定したレベルで維持する段階「漸増・漸減措置」はこれからです。安定したレベルで生息数を維持
するためには,科学的なデータが必要です。ハンターの協力も不可欠です。「全体的にみれば安定」と「各地域別に
みても安定」は違います。前者は,分布に地域的な偏りが生じても構わないとも解釈出来ます。当然理想は後者で
す。
「安定したレベル」の定義は,絶滅しないレベル以上であることは当然ですが,被害を許容できる水準が一般的で
す。ただし,被害タイプにも農作物被害や森林生態系に与える悪影響など一様ではなく,またエゾシカには,資源的
な価値もあるので広域的に持続的な狩猟を保障する必要もあります。ですから地域の特性に見合う目標水準の設定が
個別に必要なのです(現時点のエゾシカ保護管理計画では広域的な目標のみ)。
科学的データは,多くて困ることはなく,野生動物全般に言える事ですが,正確な生息数はわからないので,様々
な角度から増減傾向を把握する必要があります。ただし大雑把なものばかりや一部の地域に偏っていても問題があり
ます。また,科学的データを収集するには,技術的に困難な場合だけでなく,資金不足の場合もあります。限られた
予算の中でいかに効率よくデータを集めるかという観点も重要です。税金で実施される調査の場合は尚更です。さら
に,時間の経過とともに,生息数のみならず,生息地の環境なども変化し,個体群の質の変化にも影響を与えます。
よって計画作成前だけでなく,施行後もモニタリングを継続する必要があります。
北海道によるエゾシカ保護管理計画における個体数管理は,フィードバック管理という手法を採用しています(梶
ほか 1998)。前述のように不確実な情報や非定常的な情報をもとに管理を行う場合,モニタリングによって得られ
た複数の情報を,その後の計画実行に際して速やかにフィードバックすれば(狩猟圧の調整),例え個々の情報が完
璧でなくても大失敗になりにくいというものです。
ですが,現在行われているモニタリングとそれらのフィードバックは,調査データの集計に時間がかかりすぎたり
して速やかさに欠けています。また、予算不足で調査経費が高額なものは出来ない場合もある(例えば北海道が実施
しているヘリコプターセンサス2002年度)。タイムラグが長すぎると,保護しすぎ,撃ちすぎが懸念されます。要す
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るに生息数の変動幅が大きくなりかねません。一番問題な点は,実際の生息数が目標水準を下回っている状況下で
フィードバックにタイムラグが生じる場合です。明治期のように乱獲の後の大雪(多くの自然死亡発生)による絶滅
寸前のリスクが無いとは言えません。3年以上の連続的な豪雪年にも対応できていません。
特に,絶滅は回避出来たとしても質の低下は避けられませんから,禁猟措置をとらざるを得ない状況に至った場合,
エゾシカ保護管理計画は失敗とみなされるでしょう。
そこで,フィードバック管理の欠点を,以下に示す予測で補うことで変動幅を小さくし,絶滅の危機や地域個体群
の低質化(つまり禁猟措置)を回避するのが狙いです。ここで扱う予測は,自然死亡の大発生です。
ですが,出来ればもう一つ予測したいことがあります。それは,ハンターがいつどこでオスかメスを何頭捕獲しよう
としているのか?ということです。しかし,この予測は非常に困難でしょう。その代わり,狩猟可能なハンターを限
定して捕獲頭数を各猟区ごとに規制してしまうことは段階的には可能でしょう。現在の狩猟規制(例えば「狩猟期間
は11月1日から1月31日まで,猟区と保護区もしくは休猟区を指定し,ハンター一人一日当たりオス1頭メス2頭計最大3
頭まで」など)では,登録しているハンター数を考慮した場合,実際の生息数を上回ってしまうような許可を与えて
いる地域が多く存在しています。実際は撃たれないにせよ保護区や休猟区などに高密度な状態でシカが押し込めら
れ,植生が急速に破壊されている疑いもあり,理想的な個体数管理とは言い難いです(密度管理が不十分)。今後の
行政の取り組みに期待したいと思います。
さらに,どのような状況下で捕獲効率が高まるかも重要です。例えば,北海道環境科学研究センター(1997)によれ
ば,1995年度冬期の捕獲効率が積雪により高まったことを報告しています。この場合の積雪とは,狩猟期間中に限定
したものですから,恐らく初冬の積雪量が平年より多かったためと思われます。阿寒湖畔,層雲峡,滝上などは実際
非常に多かったです。後述しますが,ここで紹介する予測では,1995年度の阿寒湖畔周辺や層雲峡周辺における自然
死亡の大発生の危険度を警報レベルとしています。実際1995年度は,阿寒湖周辺では成獣を含む多くの個体が餓死し
ました(宇野ら 1998)。こうなること(ダブルパンチ)が最も懸念すべきことなのです。これでは,明治時代の二
の舞です。
ただし,管理型猟区の設定,捕獲頭数の規制,自然死亡の大発生予測,モニタリングによる検証とフィードバックと
いう体制が整っていれば,記録的な大雪が降っても適切な対応が迅速にとれるのです。フィードバック単独ではリス
クマネジメントが不十分です。逆に,個体数が増える可能性(自然死亡の大発生が長期間生じない)が高いにもかか
わらず(例として1980年代の積雪パターンもしくは少雪地),狩猟圧が弱い地域なども,他の情報(捕獲場所のデー
タなど)と組み合わせれば抽出可能と思われます。いずれにしても地域個体群レベルでまず取り組むべきです。そし
て何よりも,「狩猟圧は,かけるべき時にかけるべきところに限定して」が,保護ありき管理の理想の姿です。ただ
保護区や休猟区を設ければ良いという考えは少なくともエゾシカでは時代遅れです。
予測の仕組み
エゾシカの自然死亡発生は,主に餓死であり,秋までに蓄積した脂肪が冬から春にかけて減少するためと考えられま
す(Yokoyama et al.1996)。
北海道が1998年に施行した道東地域エゾシカ保護管理計画(北海道 1998)の中で定めた成獣を含めた自然死亡大発
生の基準である「釧路平野で最深積雪深80cm以上の場合」(http://www.pref.hokkaido.jp/kseikatu/kskskky/sika/keikaku/pdf/DTdeer.pdf)というものは,科学的根拠が無いに等しく,またこの程度の基準で道東地域の自然
死亡の傾向を把握出来るほど,積雪パターンは道東地域において一様ではないです。
豪雪年の定義は、「道東地域において1月1日時点で積雪深が80cmを超えているような年(地域)においては,成獣を
含む自然死亡大発生を警戒するべき」としたほうがいいのではないでしょうか?
そこで,ここでは脂肪減少の原因となるであろう樹皮(低い栄養価)食いと関連付けて,地域ごとに予測します。要
するにある年にある場所で樹皮食いが長期間見られるだろうということが,初冬の段階にすばやく察知出来れば,狩
猟圧も場所を限定して,餓死が多く発生する前に弱めることが可能でしょう。
注意すべき点は,「エゾシカは樹皮を食って死亡,樹皮を食わずして生存」という関係なので誤解を招き易いことで
す(以下に示す図の棒グラフの高さが低いほど越冬期における生存率高い傾向で、1980年代〜1990年代前半は道東地
域全体的に顕著な傾向、メスジカ禁猟と合わせて急増した要因か)。農作物の被害は,シカが増えて被害量も増えて
駆除などが行われます。一方,シカがいたにもかかわらず樹皮食いが起きない時ほど生存率が高い(増える)傾向が
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あり,そのような時は狩猟圧を高めに設定するべきです。逆に,樹皮食いが多くみられた(言い換えればその後餓死
した)という理由で狩猟圧を高めると,2重に圧力をかけることになるので問題があるでしょう。
では,エゾシカによる樹皮食いはなぜ起きるのでしょうか?エゾシカの大好物は牧草などの草本類で,木本類のうち
特に樹皮のように堅く栄養価や消化率の低い(増子ら 2001)ものは,本来好みません。しかし,積雪量が多い(こ
こでの目安は70cm以上)と冬期の主食であるササを食べられなくなります(掘り起こせないもしくは効率悪いので
掘らない)(北原ら 2000)。広葉樹の枝やイチイの葉などが豊富にあれば枝葉を良く食べますが(このような段階
では中大径木の樹皮食いは通常あまり見られないと考えられます(梶 2003)。エゾシカが中高密度で毎年のように
越冬地として利用している森林においては,利用可能な枝葉や小径木は枯死して現在ではそれほど多く残っていませ
ん。もしくは後述するように,隔離されているタイプの個体群(例えば洞爺湖中島,知床岬など)において超過密状
態で環境収容力をオーバーしている場合,積雪量が少なくてもササの葉を含む草本類の食いつくしで樹皮食いが発生
するでしょう。よってここでは例外は除いて,70cm以上の積雪深が観測された日数を樹皮食い期間とみなし,樹皮食
い期間(以下期間と表示)の長さ(およそ図の棒グラフの高さ)により自然死亡の発生を予測することにしました。
次に現在道東地域に生息するエゾシカは樹皮をどのくらいの期間食べ続ける、もしくは餌をほとんど食べられない状
態が続くと死んでしまうのでしょうか?
阿寒湖周辺では,1995年度に子の9割程度が餓死などで死亡し,成獣も多く死にました。さらに翌年度における子の生
存率にも影響を与えたとされます(宇野ら 1998)。その1995〜1996年の越冬期間中,樹皮食いが始まって大まかな
目安として50日後〜90日後の間に子の多くが死亡し,90日以降成獣の死亡が多く見られる傾向がありました。もちろ
ん中長期的に見れば,これら日数の基準も栄養状態や生息環境などの条件次第で変化しうるものですからモニタリン
グによる検証やフィードバックによる修正が必要です。そのためには、多くの地域から情報を収集する作業が重要で
す。
ここでは,子がどの程度死ぬかはわからないが最大9割程度死ぬ可能性がある50〜90日を注意報レベルとし,子の大
半はもちろん成獣の多くも死ぬ可能性がある90日以上を警報レベルとしています。
パターンとして,樹皮をほとんど食わず成獣幼獣ともに生存率が高い場合,樹皮食いが見られ,幼獣のみの死亡率
が高い(やや高い)場合,樹皮食いが見られ,成獣幼獣ともに死亡率が高い場合に分類されます。
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肝心の予測ですが,利用するものは観測地点における1/1の午前9時積雪深のみです。1/1は猟期の途中であり,これ
以前ですと予測精度が低下する可能性が高く,これ以降ですと予測すること自体無意味になります。またホームペー
ジを管理更新する程度であれば,コストが抑制出来るメリットがあります。
例えば阿寒湖畔では1/1に40cm以上であれば注意報,80cm以上であれば警報です。過去の積雪パターンに応じて積雪深
の基準値設定にも柔軟な対応が求められます。詳細は後述します。
予測結果(特に生息数が少ない状況下での警報)に応じて狩猟圧を調整するには,頭数規制がある管理猟区内におい
て,許可数を前後半に分割し,1/1の予測に応じて必要あらば規制を強化する。そのほかに猟期終了を繰り上げる,ハ
ンター自身による狩猟自粛,限定的な樹皮食い防止のための(観光客がサルに餌を与えたり、タンチョウを保護する
ために行っている給餌とは異なる)給餌の実施(増子ら 2002,財団法人前田一歩園財団http://www.ippoen.or.jp/),
早春の有害駆除の休止などが考えられます。
マイナス面は,当然ですが精度100%ではないことです。また,2年以上の連続失敗は問題があります。特に連続して
死亡率を過大評価すると増えてしまったり,逆に連続して過小評価して減らしてしまったりする可能性も稀にあると
思われます。ですから予測は,フィードバックの補完的役割になります。
利用する際の注意事項
以下のような状況では,機械的な判断は危険。
・隔離されているタイプの個体群(例えば洞爺湖中島,知床岬など)において超過密状態がしばらく続き,崩壊が起
きる場合(岡田 2000)。
・1996年度の阿寒湖のように前年度の記録的な大雪の影響が翌年も見られる場合(宇野ら
1998)。
・病気(伝染病)などには対応出来ません。
・1ヶ所のデータだけで判断するのではなく,複数の観測地点の傾向から総合的に判断したほうが良いです。
・基準は変化する可能性があり柔軟に対応するべき。その理由として,越冬前の脂肪の蓄積や越冬中の脂肪の消費に
は、齢差や性差があり(Yokoyama et al.1996)、さらに個体群の質(体重や妊娠率など)は生息環境の変化(積
雪、生息密度、森林植生(餌の資源量)、農耕地の存在、防鹿柵設置など)による影響を受けやすい点(北海道環境科
学研究センター2001)には留意しなければならないため。
各地域の特徴
データ解析が終了し、現時点で紹介出来る観測地点は,知床半島の個体群では宇登呂および羅臼,阿寒国立公園一帯
の個体群では,中標津, 川湯,阿寒湖畔,中徹別および津別,大雪山国立公園一帯の個体群では,層雲峡,糠平および
幾寅,日高山系の個体群では上札内および穂別,網走管内北部の個体群では滝上,網走能取岬周辺の個体群では網走
です。それぞれ過去の積雪パターンと1/1時点の積雪深と期間の関係を表示します。使用しているデータは気象庁提供
によるものです。
阿寒湖畔1979年度以降,幾寅1982年度以降,穂別1983年度以降,層雲峡・糠平・滝上・上札内・白滝1984年度以降,
中標津・川湯・羅臼1985年度以降,陸別1986年度以降,津別1987年度以降,宇登呂・中徹別1988年度以降)の各観測
地点における予測(1月1日の積雪深と期間の関係)の成功率は、宇登呂64.7%、滝上90.5%、津別88.9%、阿寒湖
畔80.8%、川湯1997年度以前84.6%(基準を大幅に変更した1998年度以降85.7%)、中徹別100%、羅臼75%、幾
寅95.7%、層雲峡85.7%、糠平81%、上札内85.7%、中標津90%、穂別100%、白滝85%、陸別89.5%でした。また、予
測が2年連続して同様の失敗(2年連続過大評価もしくは2年連続過小評価)をした回数は、宇登呂1回、滝上0回、津
別0回、阿寒湖畔0回、川湯0回、中徹別0回、羅臼1回、幾寅0回、層雲峡0回、糠平1回、上札内0回、中標津0回、穂別0
回、白滝0回、陸別0回でした。
知床半島宇登呂および羅臼地区
知床半島には羅臼岳をはじめとする知床連山が存在するため,保護区の面積は広いものの標高の高い場所は越冬地に
適していません。越冬期には、標高約300m以下の宇登呂側を中心に分布しており,知床岬では100頭/k㎡を超える
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高密度状態で越冬しているとされます(山中ら
2003)。
1999年春には,知床岬において大量死が確認され(岡田
レ類やイチイなどの枯死が目立ちます。
2000),樹皮食いは海岸沿いの低標高域に多く見られ,ニ
積雪パターンの特徴は,
宇登呂と羅臼が必ずしも毎年同様ではないこと。
最深積雪深の値は大きいものの,期間50日以下と50日以上の年が交互に現れやすいこと。
積雪による自然死亡率は低いと思われるが,特に宇登呂側において,期間50日以下の場合でも,子が高密度状況下で
死に至りやすくなっている可能性があります。よってウトロに限り期間の基準を40〜80日注意報レベル、80日以上警
報レベルに設定します。ただし,越冬密度,越冬環境の劣化程度を考慮せず,地形のみを考慮すると,知床半島の海
岸部に見られる傾斜地は逆に採餌に都合が良いとも解釈出来るので,期間の基準値を下げる必要はないかもしれませ
ん。
また、知床半島の海岸部には、急傾斜地が多く存在するので、そのような場所では雪が積もりにくく(エゾシカの採
食場所としては都合がいい,知床岬も同様)、一方強風によって形成される吹き溜りなどでは、気象観測データの積
雪深とは大きく異なる場合があります。
参考までに,宇登呂では1962年から1981年までに観測された最深積雪深の最大値は149cm,平均値は88cmとされ(増
田 1983),1988年度以降の平均値114cmの方が上回っていました。
羅臼では,同じく最深積雪深の最大値は200cm,平均値は98cmとされ(増田
とほぼ同様でした。
1983),1985年度以降の平均値102.3cm
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阿寒国立公園および周辺域
道東地域において阿寒湖畔は積雪量が多い地帯であり,エゾシカにとっては決して好ましい気象条件ではありませ
ん。それにもかかわらず多くの越冬個体が見られるのは,保護区の存在,植生,地形などが越冬に適しているためと
思われます。しかし,エゾシカが中高密度で越冬し尚且つ積雪が多いため,小径木の枯死,ニレ類の消失などが顕著
で森林生態系に悪影響も見られています。摩周・屈斜路地域においても,ニレ類以外にアオダモやナナカマドなどの
樹皮食いが目立ちます。
阿寒湖畔では,地球温暖化というイメージとは対照的に1980年代よりも1990年代以降の方が、エゾシカにとって過酷
な冬が連続的に訪れています。このような地域は、2年連続ではなく3年以上の連続的な子(成獣)の大量死発生にも
備えるべきです。また、阿寒湖周辺のように道東他地域と比べて積雪が多い越冬地において、1980年代および1990年
代前半にエゾシカの越冬に好都合な気象条件(期間50日以下)が続いたことと1980年代後半から道東地域でエゾシカ
が爆発的に増加したこと(梶 1997)の関連性が少なからず示唆されます。
1995年度(期間113日、最深積雪深122cm)が最も過酷な冬であったと考えられます。一方、最深積雪深は、2001年度
に184cmを記録し、1995年度の122cmは、過去24年間のうち11番目の記録です。
特に注目すべき点は、12月から1月の初冬期において、1回当たりの降雪量が20cm以上のドカ雪回数が近年連続的に
多いことです。初冬にドカ雪が降れば、阿寒湖周辺のような内陸の高標高地では春まで雪解けが進まず、積雪期間の
長期化に繋がるでしょう。期間と12月および1月における降雪量が20cm以上のドカ雪回数には相関が見られます(r
=0.6572 p<0.05)。特に12月に40cm以上のドカ雪が降ると期間の長期化に繋がりやすいでしょう。
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川湯では, 1997年度までは、基準値50cmが妥当と考えられましたが、1998年度以降積雪パターンに変化が見られ始
めました。メスジカ狩猟圧を強化した1998年度以降、期間の長期化が顕著で要注意です。2001年度に1月1日の積雪
深33cmで期間67日,さらに2002年度に1月1日の積雪深38cmで期間102日を記録しているので,現在基準値を35cmに設
定しています。
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中徹別は、釧路平野の一部であり、最深積雪深は1999年度から2001年度まで連続的に80cm以上を記録しています。
北海道の基準では、このような年を道東地域における豪雪年と定義しています(北海道 1998)
(http://www.pref.hokkaido.jp/kseikatu/ks-kskky/sika/keikaku/pdf/DTdeer.pdf )。しかし、このような客観性に乏しい基準
では、道東地域に生息するエゾシカの自然死亡率を説明出来ないのは明らかでしょう。例えば阿寒湖周辺において成
獣を含む多くの自然死亡が確認された1995年度(宇野ら1998)の中徹別では、最深積雪深61cm、期間0日でした。さら
に、北海道は、釧路平野における1984年の最深積雪深が80cmであり豪雪年であったとしています(北海道 1998)
(http://www.pref.hokkaido.jp/kseikatu/ks-kskky/sika/keikaku/pdf/DTdeer.pdf )。しかし、1984年の釧路管内阿寒湖畔にお
ける最深積雪深は160cmと多いものの、期間は31日と平年以下でした。
中徹別では、1月1日の積雪深の基準値を50cmに設定しています。
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津別町では,1月1日の積雪深の基準値を50cmに設定しています。ただし津別峠周辺は積雪が観測地点より多いの
で,津別町対象地域は,あくまで標高100m前後のエリアを指します。
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参考までに,阿寒湖畔では,1962年から1981年までに観測された最深積雪深の最大値は225cm,平均値は123cmとさ
れ(増田 1983),1979年度以降の平均値121.7cmとほぼ同様でした。川湯では, 1962年から1981年までに観測された
最深積雪深の最大値は155cm,平均値は95cmとされ(増田 1983),1985年度以降の平均値98.2cmとほぼ同様でし
た。津別では,1962年から1981年までに観測された最深積雪深の最大値は145cm,平均値は81cmとされ(増田
1983),1987年度以降の平均値67.8cmをやや上回っていました。最大値にも40cm以上の開きがあり,油断は禁物で
す。中徹別では,1962年から1981年までに観測された最深積雪深の最大値は100cm,平均値は64cmとされ(増田
1983),1988年度以降の平均値67.8cmとほぼ同様でした。
2003年度の川湯、津別、阿寒湖畔の最深積雪深は、記録的であり、樹幹に巻き付けてある樹皮食い防止用ネットの
さらに上部の樹皮に被害がみられました。
中標津では,1月1日の積雪深の基準値を50cmに設定しています。ただし摩周湖周辺は積雪が多いので,中標津対象地
域は,あくまで標高100m以下のエリアを指します。陸別では,1月1日の積雪深の基準値を60cmに設定しています。
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参考までに,中標津では,1962年から1981年までに観測された最深積雪深の最大値は130cm,平均値は67cmとされ
(増田 1983),1985年度以降の平均値72.6cmとほぼ同様でした。陸別では,1962年から1981年までに観測された最
深積雪深の最大値は122cm,平均値は63cmとされ(増田 1983),1986年度以降の平均値68.5cmとほぼ同様でした。
大雪山国立公園および周辺域
大雪山国立公園とはいっても,山岳地帯から農耕地に近接している場所まで,道北側から道東側,十勝側まで植生,
地形,気象条件などは様々です。さらに日本海側,道北側は特に初冬の降雪量が道東地域より多いのが特徴です。
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大雪山国立公園北部に位置する層雲峡は,平均最深積雪深は阿寒湖畔と同じく120cm程度なのですが,期間の平均値
は,阿寒湖畔の51日に対して,80.5日と長いです。100日を超える年も多く連続的に訪れることもしばしばです(3年以
上連続も不思議ではない)。特に警報レベルに相当する1月1日の積雪深が80cmを超えていれば,かなり高い確率で期
間が100日を超えると考えられます。ですが,これでは樹皮食いは起きても,同時に自然死亡率が成獣を含めて高
く,1989年〜1993年のような場合を除けば,個体数の増加率は極めて低いと思われます。また,期間100日を超えた翌
年度にも細心の注意を払うべきでしょう。
また層雲峡一帯では、道東地域に広く分布するクマイザサやミヤコザサではなく、チシマザサが存在しています(チ
シマザサは、多雪地に多く見られ稈高が高い傾向にあり、葉が雪中に埋もれていない場合も見受けらます。よってク
マイザサやミヤコザサが分布する地域に適用している基準をそのまま当てはめるのはやや危険でしょう)。
参考までに,層雲峡では,1962年から1981年までに観測された最深積雪深の最大値は197cm,平均値は146cmとされ
(増田 1983),1984年度以降の平均値124.8cmを上回っていました。
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大雪山国立公園南東部に位置する糠平は,層雲峡と異なり,これまで子は大部分死んだとしても,成獣の死亡はあ
まり見られなかった年が多かったと思われます。また,連続的な少雪年が多く,大雪山=多雪地帯というイメージに
よってメスジカの保護を行いすぎると場合によっては増加率が高くなる可能性があります。しかし,周囲にはさらに
標高が高い地域も多く,糠平の観測値のみで議論するのは危険でしょう。ここでは,初冬の降雪量が多いので,1月1
日の積雪深を50cmに設定しています。
参考までに,糠平では,1962年から1981年までに観測された最深積雪深の最大値は165cm,平均値は108cmとされ
(増田 1983),1984年度以降の平均値97.8cmをやや上回っていました。最大値にも30cmの開きがあり,成獣の大量
死が無いだろうと思い込むのは禁物です。条件次第では,1月1日の積雪深を40cmに設定する必要があるかもしれませ
ん。本年度は、昨年度の越冬条件を考慮して40cmに設定します。2004年度も同様の基準値。
大雪山国立公園からは多少離れていますが,南西部に位置する幾寅は,東京大学富良野演習林にも近いです。幾寅
は、アイヌ語でユク・トラシ(シカが登って行くところ)という意味のようです(俵 1979)。ここでは,期間50日
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未満の年が大半ですので,狩猟圧が弱いと急増の可能性があります。ですが1993年度のような期間50日以上の年も突
発的に訪れると考えられます。
実際,1962年から1981年までに観測された最深積雪深の最大値は241cm,平均値は105cmとされ(増田
1983),1982年度以降の平均値77.7cmを上回っていました。最大値には127cmもの開きがあり,成獣の大量死が無い
だろうと思い込むのは,ここでも禁物であり突発的な豪雪に警戒が必要です。初冬の降雪量が多い割に,1月以降の降
雪量が少ないので,1月1日の積雪深を60cmに設定しています。
日高山系個体群
参考までに東側に位置する上札内のデータを掲載しておきます。十勝管内は、少雪地帯のイメージがありますが、積
雪が多い地域も存在します。
順次データを追加していきます。
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上札内では,1月1日の積雪深の基準値を55cmに設定しています。
参考までに,上札内では,1962年から1981年までに観測された最深積雪深の最大値は258cm,平均値は125cmとされ
(増田 1983),
今後もドカ雪には注意が必要でしょう。
胆振管内
穂別では,1月1日の積雪深の基準値を60cmに設定しています。
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参考までに,穂別では,1962年から1981年までに観測された最深積雪深の最大値は150cm,平均値は59cmとされ(増
田 1983),平均値は1983年度以降とほぼ同様でしたが、最深積雪深の最大値は1983年度以降の約2倍でした。
網走管内北部地域
網走管内には、知床個体群、阿寒個体群、大雪個体群以外にも、能取岬など小規模な地域個体群が存在していま
す。北部地域の評価は、滝上以外に、西興部や白滝などのデータと合わせて総合的に評価するべきだと思います。
よって現時点では参考までにデータを掲載します。
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ここでも、初冬の降雪量が多い割に,1月以降の降雪量が少ないので,1月1日の積雪深を50cmに設定していま
す。1995年度および1998年度は、初冬の積雪量が特に多く、滝上周辺でも捕獲効率が良かったようです(北海道環境
科学研究センター 1997)。
滝上では,1962年から1981年までに観測された最深積雪深の最大値は171cm,平均値は108cmとされ(増田
1983),1984年度以降の平均値89.1cmを上回っていました。最大値にも36cmの開きがあり,成獣の大量死が無いだ
ろうと思い込むのはここでも禁物です。2003年度に、最深積雪深が2mを超え記録更新しました。
白滝では,1962年から1981年までに観測された最深積雪深の最大値は154cm,平均値は105cmとされ(増田
1983),1984年度以降の平均値84.1cmを上回っていました。
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網走能取岬周辺
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網走市の能取岬で越冬する個体群がいます。
ただし、ここでは予測は行いません。
2003〜2004年冬期の予測
1月1日以前に行った予測
たとえ今年度の積雪パターンが平年レベルであっても、前年度期間約90日以上を記録した羅臼,川湯,阿寒湖畔,層
雲峡ならびに糠平周辺の高標高地帯は,子が多く死ぬ可能性があります。
ここ数年の積雪パターンと過去のメスジカ狩猟の影響を考慮すると,阿寒湖周辺(給餌対象個体群除く),層雲峡周
辺ならびに糠平周辺の高標高地帯で越冬する個体群は,減少率が高い傾向と思われます。
幾寅周辺では,1994年度以降自然死亡の大発生は起きていないと推測される積雪パターンを示しており,狩猟圧が弱
すぎると急増の可能性があるので注意が必要です(ここでは示しておりませんが、日高、胆振管内の動態にも注意が
必要でしょう)。
宇登呂周辺では,高密度なので子の死亡率は高いかもしれませんが,期間(図の棒グラフ)の凹凸が激しく,また狩
猟圧がかからない地区も多いので,連続的な成獣の大量死が発生しない限り、急激な減少は見込めないと思われま
す。
2004年1月1日の積雪深を考慮した予測
〜2004年1月1日午前9時における各地の積雪深〜
網走管内:宇登呂23cm、滝上51cm、津別29cm
上川管内:層雲峡56cm、幾寅28cm
釧路管内:川湯36cm、阿寒湖畔31cm、中徹別14cm
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十勝管内:糠平45cm
根室管内:羅臼44cm
−積雪深を示した各地域における予測結果−
警報に該当する地域はありません。
注意報に該当する地域は、層雲峡周辺、羅臼周辺、川湯周辺、滝上周辺、糠平周辺です。
前年度まで(過去4年の積雪パターン)の影響も考慮した場合阿寒湖周辺(給餌対象個体群除く)も注意レベルです。
上記のように、前年度の影響も考慮すると、層雲峡周辺、羅臼周辺、川湯周辺および糠平周辺の高標高地帯では、子
の死亡率はかなり高まる危険性があります。
−1月15日追記−
本年度は、1月上旬から中旬に、低気圧の影響でオホーツク海側を中心とした道東地域に、ドカ雪がわずか1週間の間
に3度も降りました。その規模も観測史上最大です。内陸高標高に位置する阿寒湖畔では昨年度までも1月にドカ雪が
数回降ることは珍しくありませんでしたが、本年度は、網走周辺や釧路平野など平地でも広域的にドカ雪に見舞われ
ました。知床半島でも積雪が多く、昨年度の積雪パターンも加味すると、成獣も自然淘汰されるかもしれませんが、
生態系や食物連鎖のことを考えれば、むしろ良いことかもしれません。
阿寒湖畔で1995年度に見られた成獣を含む大量死の場合と比較すると、本年度は、広域的にドカ雪が降ったこと、半
月遅れでドカ雪が降ったこと(本年度の場合ドカ雪が降る前の餌条件は良好であった)、ドカ雪の規模が異常に大き
いことが挙げられます。さらに、前年1994年度の阿寒湖畔は、少雪年で越冬条件が良かったのですが、本年度は、川
湯や阿寒湖畔などで前年度(2002年度)も越冬条件が悪かったので、ドカ雪のダメージが増幅される可能性がありま
す。
いずれにせよ、今年度は子の大量死が避けられそうにありませんが、3月中旬以降雪解けが急速に進み、南向き斜面な
どで餌を容易に採食出来るようになれば、緩和されると思われます。一方4月上旬以降も雪解けがなかなか進まないよ
うだと、成獣の死亡も増加すると思われます。しかし現時点での積雪量が異常に多いので、早春の気温が多少高めで
も平年よりも雪解けは遅れそうです。
このドカ雪が降った後狩猟する場合、エゾシカの逃げ足が遅かったりして狩猟効率が高まるかもしれません。林道が
封鎖され効率が悪いかもしれません。しかし、効率の話はともかく、今年度のような規模のドカ雪は、エゾシカに
とって余命宣告されたといっても過言ではなく、今後雪解けが始まる時期まで、いかに脂肪の消費を抑えるかという
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ことが重要になるはずです。積雪量が異常に多い場所では、雪質が柔らかい間は移動しづらく、動くだけでも辛いは
ずです。
北海道の検討会では、2月まで猟期を延長してはどうかという意見が出ていますが
(http://www.pref.hokkaido.jp/kseikatu/ks-kskky/sika/ken/ken3.htm )、2月の狩猟がエゾシカにとってどういう影響がある
のか(例えば保護区などにおける高密度化と植生破壊、もしくは猟区における乱獲)を科学的に検討せずに、タイム
ラグのあるデータを基にかつ積雪量も考慮せずに提起している点には大きな疑問を抱きます。多くのハンターが、餓
死しそうな個体を選んで撃つこともないでしょうし。さらに猛禽類の繁殖期と重なることから、配慮するのは当然で
すが、仮に営巣区域のみを禁猟にすれば、最悪の場合その営巣区域の植生がエゾシカによる食害を被るかもしれませ
ん。
生息数を減らすことばかりに固執しているのでは?と感じます。防鹿柵が2500km以上張り巡らされ、農林業被害額に
も減少が見られ、メスジカも毎年広域的に捕獲しており、近年積雪も多く餓死も見られる。そういう状況でも、まだ
個体数管理における当初の目的である指数を100から50へ半減させることに固執しているのは、非順応的としか思えま
せん。何を以っていつまでも緊急緊急と騒ぐのか理解出来ません。いずれにせよ、猟期や猟区の設定は相当慎重に行
うべきであり、保護区などでは生け捕りの可能性をむしろ追求するべきでしょう。生息数を減らす必要性があるにせ
よ、重要なことは減らし方とその効果です。
高倉(1962)は、開拓使の御雇外国人エドウィン・ダンの記述を紹介しています。明治時代初期エゾシカは乱獲の
後、2度の大雪で絶滅しかけたとされますが、1度目の明治11年度の大雪の描写として、「1878年から79年へかけての
冬は非常に厳しかった。北海道中、海岸線まですっかり雪が積もった。・・・・鹿は最も良い避難場所の谷や沢へ幾
千頭も集まってきた。そこでは雪が深いために、雪靴をはいたアイヌ人達はやすやすと鹿を襲い、犬と棍棒とで何万
も打ち殺すことができた。縦15マイルに横5マイルくらいの鵡川地区だけでも7万5千もの骸骨が、春に政府から鹿の被
害を確かめるために派遣された人々によって数えられている」とあります。一方俵(1979)によれば、昭和47年、北
見地方に局地的大雪が降ったときは、雪に足をとられるシカの群にハンターが殺到し、メスジカを含むシカが大量に
捕殺され、世間からはハンティング・アニマルと批判された。この事件をきっかけにして、鳥獣保護及び狩猟に関す
る法律は、シカの1人1日あたりの捕獲数を1頭とするように改正されたとされます。
明治11年度の大雪について、最深積雪深や期間など細かな数値などはわかりませんが、ドカ雪が降ったことと広域
的なものであったことは確かなようです。さらに、ドカ雪の後に乱獲したことも事実のようです。私が指摘したいの
は、前述した初冬の積雪深の多さと狩猟効率の良さばかりでなく、ドカ雪の後の乱獲は、エゾシカを一網打尽にして
しまう危険があることをくれぐれも注意して欲しいということです。
1995年度に阿寒湖畔周辺域(保護区)において年末にドカ雪が降った時も、積雪が少ない南方の低標高地に移動しよ
うとするエゾシカを保護区の外でハンターが容易に捕獲出来たと聞きました。これは、前述の狩猟効率が1995年度の
猟期は良かったことと関係しているでしょう(北海道環境科学研究センター 1997)。
一方で、ハンターから逃れようと保護区内に留まった個体もいました。要するに境界域におけるハンターとシカの睨
み合いということです。こういう状態になると、保護区側のシカ密度は上昇するわけですから、ササを食い尽くした
り、積雪が多くササを食えずに樹皮を食べだしたりします。樹皮食いしても、やがて餓死する個体が出てきます。こ
のような現象は、岩手県五葉山における研究でも指摘されています(Takatsuki et al 2000)。木が枯れ生息地が荒廃
し、餓死してシカも減る。どちらにとっても不幸です。ハンターにとっても翌年以降の収穫に影響するわけですから
不幸です。それよりも、給餌しながら、ハンターが一定数を短期間に限られたエリアで駆除する(駆除する場所は、
年によってシフトする)、獲れた獲物は、温泉街などで食材として利用する(もしくはそのような方向性)というの
取り組み(財団法人前田一歩園財団http://www.ippoen.or.jp/)の方がはるかに有効なシステムだと思います。樹皮食い
を防止出来て、持続的狩猟も保障されるのですから。
要するに、初冬のドカ雪によって生じるこのような状況下では、猟期途中でも終了時期を繰り上げる方が得策でしょ
う。
いつの時代も、許可が下りれば獲る、容易に獲れるなら1頭残らず獲る、後のことなんて考えないというハンター
ばかりでは、保護管理計画によるコントロールなど出来ません。こういう考えをハンター自身が改めないと、エゾシ
カだけでなく自らの立場も危うくすることになります。もちろん全てのハンターがこのような考えをしているわけで
はありません。一方、何を言われようが改めないハンターもいるでしょう。ですから、歯止めをかけるシステムが必
要です。それを提起するのが私の役割です。しかし、専門家会議では、積雪期に繁殖期が始まる猛禽類に配慮すれ
ば、2月の狩猟は構わないといわんばかりの意見が出ています。一番客観的かつ科学的に歯止めをかけるべき専門家
が、まず慎重な姿勢でなければ、ハンターに文句は言えません。
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来年度以降も道東地域では、台風並みの低気圧がもたらすドカ雪には細心の注意が必要です。暖冬だから大雪が降ら
ないと考えるのは誤りですし、気象災害の規模や頻度は年々増加しているのでは?と感じる方もいるでしょう。
偏西風の蛇行に伴う低気圧の通過ルートの変化や回数次第で日本海側や道北地域よりも積雪量が多くなったり、逆に
真冬に雨が降ったりして(雪が完全に溶けるのか,中途半端に溶けて氷となりササなどを掘り起こし難くなるか)、
良かれ悪かれエゾシカに対し様々な影響を与えると考えられます。期間の長期化に繋がり得る12月のドカ雪には特に
厳重な警戒が必要なことは言うまでもありません。
6年連続強い狩猟圧をかけた後の記録的な大雪は、一歩間違えれば明治時代の絶滅の危機再現になることを再度警鐘し
ておきます。
−2004年5月追記−
網走,上札内,中標津,穂別,白滝,陸別は、春以降に図表作成したので、予測は行っておりません。
予測が失敗(やや失敗)したのは、宇登呂、津別、阿寒湖畔です。成功したのは、滝上、川湯、中徹別、羅臼、幾
寅、層雲峡、糠平です。
期間が約90日を超えた地点は、阿寒湖畔、川湯、羅臼であり、そのような場所で越冬した個体群(阿寒湖周辺の給餌
個体群を除く)では、多くの子が餓死している可能性があります。阿寒個体群某モニタリング地区では、予想通り子
の死亡率高いです。知床半島では、子の死亡率が高い場所、低い場所様々のようです。
同時に、樹皮食いもかなり目立つのではないでしょうか。給餌を実施した阿寒湖畔では樹皮食いはわずかであった一
方で、知床半島、網走川上流域や川湯温泉付近における樹皮食いが目立ちます。
メスジカ成獣の大量死には至らなかったのではないでしょうか
一方、データの拡充が追いつかず提示出来ませんが、エゾシカの越冬に都合が良かった地域も存在します。地域個体
群レベルで見ると、一層増減傾向にギャップが生じかねません。
2〜5年連続して過酷な条件が続いている地域も多く、今回生存出来た個体および今春産まれた子が、次の冬も前年度
の影響を受ける可能性がある点には注意すべきでしょう。
−2005年1月1日午前9時の各地積雪深(気象庁提供)と予報−
以下単位cm
網走管内
宇登呂 19
白滝 22
滝上 46
津別 36
網走(参考) 43
釧路管内
阿寒湖畔 46
川湯 49
中徹別 46
十勝管内
上札内 46
糠平 56
陸別 32
上川管内
幾寅 34
層雲峡 54
根室管内
中標津 46
羅臼 50
胆振管内
穂別 13
上記観測地点のうち,
警報該当地域はありません
注意に該当する地域は阿寒湖畔,川湯,糠平,層雲峡,羅臼です。
file:///E¦/Documents and Settings/管理者/My Documents/ビルダー/sikadeer.htm (25/28) [2006/01/20 14:03:38]
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阿寒湖畔の給餌依存個体を除き,注意に該当した地域では,前年度までの積雪パターンの影響を受けやすいと考えら
れる地域に属するので,
子の生存率が特に低くなる可能性があるでしょう。当然樹皮食い発生も懸念されます。
世界遺産登録に注目が集まる知床半島では,半島内で岬,基部,ウトロ側,羅臼側と,生息密度だけでなく,生存率
にも違いがあると考えられ,管理方針も
一律には出来ないと思われます。
相変わらず北海道が行っている個体数管理は,猟期や猟区を試行錯誤で適当にいじり回している程度でお粗末です。
わざわざ,希少猛禽類の営巣場所を図示してまで,2月に猟期を延ばしています。
あとは,ハンターにお任せであり,相変わらずメスとオスの捕獲許可を同一地域で同時に出しています.。もし,生息
数を減らしたいならオスは一時的にせよ,
禁猟にすべきで,それでもメスの捕獲実績が見込み以下ならば,ハンターが撃ちたがらないか生息数が減っているか
警戒心が強く捕獲が難しいか・・・・。
いずれにしても,管理計画の個体数指数100は,93〜94年のもので,その後も管理計画がスタートした98年まで生息数
が増加した地域が多いので,現在指数100
を下回っている地域は,ピーク時に比べればおよそ半減している地域とも言えます。
減らない減ってないという表現がしばしば使われますが,それは,管理目標が道東地域一律で指数25という大した根
拠が無い値に設定されているため,目標が達成出来ないと
騒いでるだけで,猟期をいじる前に,目標設定が間違っていないか再検討する方が先でしょう。
または,保護区に偏在したり,防鹿柵が無い地域に分布域をシフトしている場合もあるでしょう。
そもそも,趣味で狩猟しているハンターから税を徴収し,さらに保護管理に協力しろというのは,無茶な話です。
ハンターも高齢化しており,ハンターだけに頼る手法は限界が見えています。
一方西興部村では,捕獲頭数規制可能な管理猟区を設けるようになりました。市町村境界で区切るのがベストではな
いにせよ,良い取り組みだと思います。
2005年5月
2004年度において,予測が失敗(やや失敗)したのは、宇登呂,羅臼,層雲峡,滝上です。成功したのは、中標
津,穂別,白滝,陸別,津別,阿寒湖畔,川湯,中徹別,上札内,幾寅,糠平です。
阿寒湖畔,川湯,層雲峡,羅臼は,前年度に続き,越冬条件が悪かったと考えられます。宇登呂における予測は2年
連続過小評価してしまいました。知床半島におけるエゾシカの分布は,ウトロ地区側に偏っているとされるため,羅
臼の越冬条件の悪さは,知床半島全体の生息数に大きな影響を与えないでしょう。
2004年度は,全道的にミズナラのドングリが豊作のようでした。全てのエゾシカが秋期にドングリを十分得られる
わけではないでしょう。しかし,ドングリを十分摂取した個体とそうでない個体の体脂肪の蓄積に,もし差異が生じ
れば,越冬期における自然死亡発生にも何らかの影響を与えるかもしれません。
2006年1月
昨年秋は、ドングリ不作のようでした。
今冬は、日本各地で記録的な寒波、降雪、積雪が報じられています。本当に温暖化?って思いたくなる寒さです
ね。
北海道においては、ここ数年続いていた低気圧の発達が道東地域に大雪をもたらすようなタイプとは違い、いわゆ
る冬型の気圧配置が長引き、寒気が次々に南下するような、本来の冬の姿に近いように思います。
後志管内など日本海側では豪雪です。
では、これまで図表化した観測地点の2006年1月1日午前9時の各地積雪深(気象庁提供)を見てみましょう。
以下単位cm
網走管内
宇登呂 73
白滝 65
滝上 81
津別 48
網走(参考) 50
釧路管内
阿寒湖畔 81
川湯 32
中徹別 32
十勝管内
上札内 19
糠平 57
file:///E¦/Documents and Settings/管理者/My Documents/ビルダー/sikadeer.htm (26/28) [2006/01/20 14:03:38]
file:///E¦/Documents and Settings/管理者/My Documents/ビルダー/sikadeer.htm
陸別 54
上川管内
幾寅 34
層雲峡 90
根室管内
中標津 32
羅臼 20
胆振管内
穂別 36
上記観測地点のうち,
警報該当地域は、阿寒湖畔,層雲峡です。
注意に該当する地域は,宇登呂,白滝,滝上,糠平です。
阿寒湖畔の積雪パターンは,現時点までは,1995-96年と似ています。10年前は、成獣もかなり餓死しましたが、近
年は給餌と生け捕りを実施しており、大量死には至らず、むしろ本来死ぬはずの個体を生け捕り(捕獲後養鹿施設
へ)により間引くという形になるでしょう。積雪パターンを予測して、狩猟圧を調整する際に、シカの生息数が多く
厳冬年と予測される場合、樹皮食い防止、資源利用という観点で、初冬期に多めに捕獲するという考え方も出来るで
しょう。一方、シカの生息数が少なく厳冬年と予測される場合には、自然死亡発生を考慮し、休猟や生け捕り休止と
するという考え方があるでしょう。
全体として、道北地域と日本海側およびオホーツク海側や道南の一部では積雪量が多く、太平洋側では積雪量が少な
めの傾向です。阿寒湖畔は、標高が高いことが影響しているでしょう。また、世界遺産となった知床半島では、前年
度まで厳しい冬が続いていた羅臼で積雪が少なく、対照的に宇登呂側で年末からかなりの積雪量となっています。た
だ繰り返しになりますが、傾斜地では、平坦地と比べ採餌しやすいので、宇登呂側で樹皮食いは多く見られると思わ
れますが、大量死に結びつくかどうかはわかりません。
今後さらに観測地点の図表化をしたいと思いますが、気分次第です。
北海道では、養鹿への関心が高まりつつあります。一方、相変わらず、エゾシカの保護管理計画では、個体数管理に
偏重し、ハンターは減れども、シカは思い通り減らない、非常事態だとか言っております。
科学的管理を掲げてスタートしたはずですが、猟期や猟区を拡大しつつ、手探り状態でいじってるだけで、地域個体
群管理という発想やそれに対応できる科学的データは欠落しています。例えば、春のライトセンサスとかそれに準ず
る個体数調査を、主要な地域個体群ごとに、個別に行うくらいのことはするべきと考えます。
養賢堂「畜産の研究」2006年1−3月号に、「北海道における養鹿産業創出の意義と可能性」が掲載されます。
当HPは,引っ越しする可能性があります。行き先未定につき,消えたら「エゾシカの自然死亡発生予測」で検索して
みて下さい。
おわりに
この予測手法は,生物産業学部植物資源学・生産管理学研究室に所属する北原理作が個人的に取り組んでいる研究の
一部紹介にすぎません(社団法人北海道自然保護協会(http://www.jade.dti.ne.jp/%7Enchokkai/)の会誌『北海道の自
然』2004年発行42号と内容が重複していますが、一部印刷ミスがありました:文章p60の中段図9ではなく図8で
す。p64の下段図8はウトロデータ掲載されていますが、このHPにある阿寒湖畔のデータを見て頂いた方がわかりやす
いと思います。予測精度は、データの更新や基準値の変更により更新されます。予定よりも公開が遅れましたことを
お詫び申し上げます)。
研究者による理論は,机上の空論で終わることも少なくありません。しかし、最近では、生態学的な研究が精力的に
行われており、従来の天気予報や地震などの自然災害分野に限らず、漁業資源管理分野や樹木の開花・結実予測など
野生生物保護や環境保全に有効な手法も開発され始めています。
実践的に利用可能なものを紹介しているつもりですが,今後も改良やモニタリングが不可欠です(観測地点の拡充も
段階的に検討します)(今後実施したい予測精度の改善,データの拡充などへの資金的援助も歓迎です)。また,こ
の理論と現場の事象にミスマッチを感じる方がいらっしゃれば,ぜひご助言もしくは情報提供をお願い致します
([email protected])。
特にハンターの方が,この予測方法と御自身の経験や考えとの間に相違無いと判断されれば,ぜひ現場で狩猟をする
file:///E¦/Documents and Settings/管理者/My Documents/ビルダー/sikadeer.htm (27/28) [2006/01/20 14:03:38]
file:///E¦/Documents and Settings/管理者/My Documents/ビルダー/sikadeer.htm
際ご活用いただきたいです。また,本学部は自然科学を学ぶ上で不可欠なフィールドに囲まれており,エゾシカに限
らず創造的な研究をするに相応しい立地条件であることを学生の方に感じていただければ幸いです。
さらに,研究を進めていく上で,東京農業大学生物産業学部,北海道大学地球環境科学研究科,財団法人前田一歩園
財団,財団法人自然保護助成基金(http://www1.biz.biglobe.ne.jp/˜pronat/index.htm ),財団法人世界自然保護基金
(http://www.wwf.or.jp/),財団法人日本自然保護協会(http://www.nacsj.or.jp/),社団法人北海道自然保護協会,北海
道環境科学研究センター,美幌町の協力,支援を受けました。本研究は、プロ・ナトゥーラファンドによる助成に
よって得られた成果を応用したものです。この場を借りて御礼申し上げます。
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