LED化導入

特集
>LED化 導入 0実 施 自治体 の 背景 と実 施 内内
>注 ロメー カ … 10社 の性能 0特 長比較 一 覧
>LED最 新製 品情報
LED特
集
LED照 明/街 路灯・防犯灯
環境省地球環境局地球温暖化対策課土居健太郎課長インタビユー
地域 における街路灯等 へ の LED照 明導入促進事業 がスター トし、すで に 76の 自治体 を採択 しLEDへ の切 り替え
を進 めている。低炭素化社会 を実現するために LED照 明をより身近 に感 じ、関心 を持 つことで 快適性 や省 エ ネ性、
超寿命 などの優 れた点を知 り、家庭 での使用 に結 び付 けて い く。
身近な街路灯で環境意識も向上
いが、オフィスや商業
施 設 などと違 い、 一
低炭素社会 の構築 に向け全国の市町
般家庭や小規模店舗
灯の
を対 象 に実 効性 のあ
`巳
LED化 だ。環境省 では平成 24年
度の
る促 進 策 をなかなか
補正予算 から小規模地方公共団体 を対
打 てない。これまで普
象 に「地域における街路灯等 へ のLED
及の妨げとなつていた
照明導入促進事業」スタートし、その普
LED照 明の性能 は大
及促進 に力を入れる。市町村 が街路灯
幅に改善 され、価格 も
のLED化 を図る際にその計画から設置
廉価 となっており、普
までを支援する事業で、すでに77の 自
及 のための条 件 は揃
治体を採択 し従来 の蛍光灯や水銀灯か
つている。そこで考え
らLEDへ の切 り替えを進 めている。小
たのが公 共 照 明 とし
規模地方公共団体 とは、政令指定都市
てある街路灯のLED
や特例市などを除く人口25万人未満の
化 だ。 日常 的 に接す
地方公共団体のことで、街路灯の LED
る街 路 灯で使 用 して
化 に強 い関心を持 つているものの予算
いれば LED照 明をよ
規模 から計上しにくい市町村の導入ニー
り身近 に感 じ、関心 を
ズの吸収を狙う。環境省地球環境局地
持 つことで快 適 性や
球温暖化対策課課長の土居健太郎氏 は
省エネ性、超寿命など
「水銀灯や蛍光灯の街灯をLED照 明 に
の優れた点を知り、家
村で進 んでいるのが街路灯や防
切 り変 えることで C02を 削 減 できる。
庭での使 用 に結び付
地域と一 体 になり小規模地方公共団体
「C02は 削減量 の
く。
が率先 して取 り組めるよう支 援事 業を
多寡 も大 切 だが、省 エ ネ意 識 を高 めて
管理責任者 が複数に渡 つていることも
実施した」と語る。
低 炭 素 社 会 に向け た意 識 向上 も大 切 」
珍 しくはない。 このため地 域全体 で何
と指摘 する。
本 の街路灯 をどこに設置 しているのか、
じつは街路灯のLED化 にはもう一つ
の背景 がある。低炭素化社会 を実現す
環境省地球環境局地球温暖化対策課長
ただ、 実 施 にあたつては課 題 も多い。
るためには蛍光灯や自熱灯 などの照明
街 路 灯 は防犯 灯のように地 域 の 自治 会
をLED照 明 に切 り替えなけれ ばならな
が設置 しているケースもあり、所有者や
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2ot4.AU
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土居健太郎氏
誰も把握 しておらず、また LED街 路灯
を設 置する際もどの地域からどのよう
に切 り替えれ ば効 果 的 に省エネ化が図
小規模地方公共団体における LED街 路灯等促進事業 導入自治体一覧
北海道 深川市、自老町
富 山県
射 水 市 、魚 津 市 、小 矢 部 市 、立 山 町 、砺 波 市 、南 砺 市 、氷 見 市
秋 田県
石川 県
福井 県
仙 北市
輪 島市
山形 県
越 前 市 、鯖 江 市
鶴 岡市
新潟 県
三
岩手県 北上市
福島県 相馬市
:
京都府 京丹後市、宮津市
メ
加東市、 養父市、
兵庫県 猪名川町、
豊岡市
香美町、
大阪府 泉佐野市、貝塚市、熊取町、大阪狭山市、
大阪狭山市、
貝塚市、
守国市、
藤井寺市
群馬県 桐生市、館林市、千代田町、
東吾妻町、吉岡町、
富岡市、
藤岡市、みどり市、渋川市
埼玉県 人潮市、吉川市
茨城県 常陸大宮市、
牛久市
福岡県 飯塚市、
小竹町
千葉県 白子町、匝瑳市、東金市、四街道市、
南房総市、
君津市、大多喜町
東京都 あきる野市、武蔵村山市
州螂
天 草 市 、合 志 市 、
和 水町
日向 市
れ、 また波 及 効 果 があるのか もわか ら
し、補 助 割 合 は取 り付 け工 事 を請 け負
たが、実際に利用するとメンテンスが不
なか った。事 前 調査 には人手 もかか り、
う小規 模 地方公共 団体 の規 模 に応 じた
要 で故 障などの不具合 にもすぐ対応 し、
導 入 計 画 の 策 定 には専 門 のノウハ ウも
ものになっている。人 口 15万人以上 25
これまでより手 間や経 費をかけず に済
必要 だつた。
万人 未 満 は 5分 の 1(上 限 1200万 円 )。
むのも魅力 となった。 また製 品価格が
人 口 5万 人 以 上 15万 人 未 満 は 4分 の 1
低廉 になってきたことでイニ シャルコス
市町の積極的な計画
(上 限 1500万 円)。 人 口 5万人未満 また
トの回収も短期間で済み、たとえば水
LED照 明導入促進事業は補助対象
を二つに分けた。一つはLED街 路灯を
は人 口 5万 人以上 15万 人未満で、財政
銀灯からの切 り替えで 9年 、蛍光灯から
力指数 0.300未 満 の場合 は 3分 の 1(上
の切 り替えで 13年 を見込んでいるケー
導入する際の事前調査と、計画策定に
限 2000万 円)と した。補助金交付 の 申
スが多い。同省ではC02を 削減するだ
関わる費用の一 部 の支援。 もう一つは
請 や問い合 わせ は予 想 以 上 に多 く、市
けでなく、長寿命 と光熱費などの削減で
メンテナンスを含めた取り付け工事費の
町の 関心 の高 さが うかがわれ るという。
コスト軽減を図り、 これを新たにLED
支援だ。 この うち調査および計画策定
採 択 は設置計画の内容 と効 果 、取 組 態
照明の切 り替えに振 り替えるという“
省
費の補助割合 は、人口 15万 人以上 25
勢 などを基 準 に行 つている模様 だが「積
エネの連鎖"に も期待する。市町は全 国
万人未満の小規模地方公共団体で4分
極 的な計画の市や町が多い」とし、 これ
に多くの事例ができたことで LED化 を
の3(上 限 600万 円)、 同 15万人未満で
まで街路 灯の LED化 を進 めたかった市
自治会などに説明しやすくなったともさ
上限 800万 円の定額補助とした。■方、
町村 のニーズ を着実 に吸収 しているとす
れ、これまで不安視 していたことも実際
設置工事 は減価償却など会計処理上の
る。
の使用例で解消 しつつある。同省はこ
課題を解決するため、民間事業者 によ
その 一 例 となったの が設 置 本 数 だ。
れまで導入した76の 市や町の成果を全
るリースで行 い、10年 間のリース契約を
市 によっては申請対象の本数 に加 え、あ
国の市町村 に伝えることに今後注力す
結ぶことでメンテナンスも含めて行 うこ
らたに市 の予 算 で追 加 設 置 するケ ース
るとしており、 リースを行う民間企業も
ととした。補助金 に民間事業者も対象
が 日立 っている。 これまで リースによる
含め普及促進を進める方針だ。
に加えて取 り付 け工事費の一 部を補助
設 置 は前例 もなく馴染 みにくい面 もあっ
●
環境ビジネス2014 AU
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LEDlH藩
長 LED照 明 /衝 路 灯・ 防犯 灯
・ 安心基準の視認性、耐久性に維持管理体市1ま でを整備
絶対の安全
自動車用ヘ ッドライト大手 のスタンレー電気。その照明技術は、世界中の自動車 メーカー に導入 されている。LED開 発
の歴 史は古く、1970年 代初めにはすでに商品化。同社が LED開 発で第一に考えるのが「安心 の光」。その信念は防
犯灯開発にも活かされている。 同社が考える防犯灯に関する考え方や安心安全 について話を聞いた。
LED防 犯灯 他製品との比較
ヘッドライトで実証された視認性
ズを組み合わせ、防犯灯 に必要な配光
を作 り上 げた。近 年 の LED化 に伴 い
スタンレー電気の防犯灯に対する考
不快 なまぶしさ (グ レア)が 顕著 に見受
え方を聞くと「基本 は自動車用 と一 緒。
けられるようになったが、スタンレーの
ヘッドライトやテールランプは一瞬の故
必要な所へ 必要な光量だけを送 り込む
LED防 犯灯
巳
障でも大事故につながる。一方で防な
技術でグ レアを制御することができる。
10VAtt LLM0649A
灯や街路灯でも、街の中で明かりが消
「安全性を高めるため、配光面積を広く
えていると犯 罪や事件 に巻 き込まれる
取ろうとするとLEDの 光が直接人の目
可能性が高まる。そのため、 どちらも
安全 。安心を第一に考 えたモノづくりを
に入 りやすくなる。それは高齢者にとっ
行 つている」と照明応用事業部第 一 営
て眩しい光。あわせて幅広 い年齢層が
奈良昌紀氏。その考え方
見やすい光 にする必 要もあつた」と同営
業 二課係長ライティングコーディネータ
を具現化 したのが同社 の配光 制御技術
ー土谷麻依子氏 。■方、色温度につい
だ。LEDラ ンプーつひとつに光学 レン
ては、ドライバーの視認 しやすい自昼色
業部部門長
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2o14.AU
Et W?7
照明応用事彙部
第―営業部
部門長
奈良日紀氏
5000Kを 採用した。防犯灯 は歩行者 だ
けで はなく道路 を走行する自動車の安
全にも大きな影響を与える。自動車照明
を作る同社ならではの視点 だ。また、樹
脂 レンズで構成 されるカバーレンズは、
長年使用 していると、太 陽光 に含 まれ
るUV光 などの影響で黄色く劣化してく
るが、自動車用ヘ ッドランプに採用され
ている高耐候樹脂を採用することで劣
照明応用事業部
第―営業部 営業二課
ライテイングコーディネーター
係長
土谷麻依子 氏
照明応用事業部
第―営業部 営業二課
照明士
有屋田望 氏
照明応用事業部
第―営業部 営業二課
伊尻安奈 氏
化を抑える。さらに、カバーレンズに光
まま使用することにもなりかねない。ま
調する。防犯灯 に異常が発生 した際、す
の透 過率を落 とさない独 自の加 工を施
た、長期的なスパ ンで見 た場合、硫化
ぐに駆 けつ け、ただちに復 旧 しなければ
すことでグレアを抑えながら光量を確保
対策を施していないと、安全・安心 の観
地域住 民 の安心・安全 を守れない。 この
することに成功、より自然 に近 い光を実
点から暗くなってきた防犯灯そのものを
ため安心 のシステムとして設 置地域 の電
「LED防 犯灯の開発 は人 間
現 している。
交換する必要も想定される。その時に
気 工 事 業 者 とパ ー トナ ーシップを組み、
工学 に基づいて行われており、周囲との
は、地 方 自治体など大規模で導入した
アフターメンテナンスにいち早 く対 応 で
明暗差 による違 和感 をなくしながら必
場合、コストもばかにならない」(同 営業
きる態 勢 を構 築 する。地 元 の 事 業 者 と
要 な明るさを確保 し、ドライバーや幅広
二課照明士、有屋田望氏)と 指摘する。
組め ば維持 管理 費 が地域 内で循環 する
い年齢層の歩行者の視認性を高めてい
高 い耐久性も自動車用ランプメーカー
ことにな り経済 の活性化 にもつながる。
る」と奈良氏 は語る。
として強みを発揮する。製 品 は 10ヽ ろ
へ、
1920年 の創業以来、自動車用 ランプ
20ヽ ろ
へ、40や ち
へを汎用型としてラインナッ
とともに常 に新 しい光 を創 りつづ けてき
プし塩害地域向けも用意。防塵・防水の
たスタンレー電 気 。 これか らの LED照
自動車用 LED開 発 の視 点から考え
保護等級 は世界基準 の性能を持ち、防
明 に何が求められるか聞くと「LED照
「気ガス
られた画期的な技術革新が「り
犯灯内部への粉塵 の侵入を防ぐだけで
明 は、通 信機 能やセンシング機 能 との
に影 響 され ないLED照 明 」だ。LED
なく水 の直接 噴流 による有害な影響も
融和性が高く、そうした機 能 が複雑 に
は、使われる環境によつて、明るさが急
受けない。
連携 した社会がすぐに到来する。今後、
排 気 ガスに影 響 されない LED照 明
激 に落ちていく事がある。 これは空気
中 に含 まれる硫黄成分 によるものが大
・安心 な光 を届 ける使命
長期 間 、
安全
スマートシティに代表される街 づ くりや
東京オリンピックを見据えた外国人への
きい。この現象が一般のLED照 明にも
同社が、防犯 灯の営 業 方針で重要
情報サービス、社会問題 になりつつある
発生することがあり、硫黄成分の影響
視するのが地域密着型の事業展開であ
高齢者 の位置情報など様 々な分野 に弊
で LED内 部 の効率が下がり、配光や明
る。同営 業 二 課伊尻安奈氏 は「防犯灯
社の技術を応用 していきたいと考えてい
るさに影響を与えてしまう。特に温泉地
を設置する地域にしっかりと根ざした活
る」と、同社が見据える照明と未来のカ
域や交通量 の多い地域などでは、空気
動 に注力する」と語る。実は、防犯灯の
タチについて奈良氏は語つた。
中の硫黄濃度が高く、著 しい影響 とな
ニーズの多くは製品の性能とともに信頼
つて表れることが多い。同社 はLEDラ
性を担保するための維持管理にあると
ンプの表面 に特殊な耐硫化 コーティング
いう。 このため同社は 10年 間のリース
を施すことで黒化を抑え、長期間の使用
契約 でアフターメンテナンスをパッケー
でも明るさのほとんど変わらない防犯
ジにした地 方 自治体 へ の販売 に力を入
「突然点灯 しなくなる蛍
灯を開発 した。
れている。奈良氏は「メーカーは単 に製
光灯と異なり、長寿命のLEDは 経年変
品を提供するだけでなく、導入から少な
化で次第 に照度を落とすため、硫化黒
くとも10年 間 は街を照らし続 け、安心
化 による照度 の低下 は薄暗 い防犯灯の
と安全を住民 に届ける責任がある」と強
●
スタンレー 電気株 式会 社
照明応用事業部
丁EL:045-910-6629
神奈川県横浜市青葉区荏田西 2‐ 14‐ 1
http://wtvw stantey‐ ledlighting com/
Ef,tsy?a 2O14.AU 39