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第2章 既存コンピュータゲームについて

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第 2 章 既存コンピュータゲームについて
既存のコンピュータゲームは、主に「アクションゲーム」「シューティングゲーム」
「挌
闘ゲーム」
「アドベンチャーゲーム」
「ロールプレイングゲーム」
「パズルゲーム」「テーブ
ルゲーム」
「シミュレーションゲーム」「スポーツゲーム」「クイズゲーム」「育成ゲーム」
などに分類されている。7)
しかしこの分類方法はプレイヤーに要求している能力の点から境界線が引かれているも
のもあれば、ゲームのテーマ(主題)によって境界線が引かれている場合もあり、その分
類方法自体がはっきりとしていない。
よって本章では本論文で扱うところのゲームジャンルの定義とその特徴を明らかにする。
2.1 ゲームとは何か 8)9)10)
ここでは、本論文で扱うゲームについて規定するとともに、ゲームの流れを説明する。
まず、ゲームと呼ばれるものには必ず1人以上のプレイヤー(ゲームをプレイする人)
が存在しなければならない。プレイヤーとは自らの意思決定によりゲームを進行させる者
である。テレビとテレビゲームとの違いは、表示されている内容とテレビの前にいる人と
の関係において、画面の内容を操作できるか否かで決定する。11)
次に、ゲームはプレイヤーに対して、そのゲームにおける役割やそこでの目標、活動範
囲などといったⅠ)条件(ルール)を与える。プレイヤーはその条件に応じてⅡ)活動(行
動)を行ない、その活動に対してⅢ)評価がなされる、といった流れを持つ。
図 1ゲームの大きな流れ
以上の点について、例として一般によく知られているゲームである将棋とインベーダー
ゲームを用いて説明を行なう。
将棋は、まず、プレイヤーに対し、Ⅰ)相手の「王の駒」を取る(詰む)ように活動す
るという目標、一回に一手のみ駒を動かすことができるという活動範囲が条件として与え
られ、次に、Ⅱ)その条件に応じて自らの意思決定により駒を動かすという活動を行い、
Ⅲ)最後に自分の駒の動かし方によって勝敗という評価がなされる。これが将棋の流れで
ある。
インベーダーゲームは、まず、Ⅰ)プレイヤーに対し、高得点を得るといった目標、戦
闘機の操縦士という役割、左右にのみ戦闘機を動かすことができるといった活動条件等が
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条件として与えられ、次に、Ⅱ)その条件に応じて自らの意思決定により戦闘機を操縦す
るという活動を行い、最後に、Ⅲ)自らの戦闘機の操縦に対して高得点か否かという結果
が返される。これがインベーダーゲームの流れである。
これらの流れは他のゲームにも当てはまることから、Ⅰ)Ⅱ)Ⅲ)の流れを持つという
ことがゲームの成立条件の一つとして成立する。
以上のように、将棋とインベーダーゲームは共に大きな流れを持っているが、それは次
に示す小さな流れの積み重ねによって成り立っている。
図 2ゲームの小さな流れ
将棋の場合、プレイヤーは最初に与えられた目標である「王の駒を取ること」を目指す
のだが、その目標達成を目指す中で、i)相手に勝つために有効な駒を動かすという目的、
その時点における盤上の駒の配置という活動範囲が条件として与えられ、ii)その条件に
応じて自らの意思決定をして一つの駒を動かすという活動を行い、iii)それに対し局面が
一歩進んだという結果が返される。このi)ii)iii)の流れを将棋では「一手」と呼び、
このi)ii)iii)の流れの積み重ねがⅠ)Ⅱ)Ⅲ)の流れを作ることになる。
インベーダーゲームの場合、プレイヤーは最初に与えられた目標である「敵を多く打ち
落とすこと」を目指すのだが、その目標達成を目指す中で、i)「敵をうまくよけながら
打ち落とす」という目標及び戦闘機をその場所からしか動かせないという活動範囲が条件
として与えられ、ii)その条件に応じて自らの意思決定をして戦闘機を操縦するという活
動を行い、iii)その行動に対し現在の戦闘機と敵の位置関係という結果が返される、とい
った流れを持つ。インベーダーゲームの場合はプレイヤーの操る戦闘機や敵の位置が常に
変化するため、常にi)ii)iii)の流れが繰り返されていることになる。そして、このi)
ii)iii)の流れの積み重ねががⅠ)Ⅱ)Ⅲ)の流を作ることになる。
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以上の点を考慮し、先に延べたⅠ)Ⅱ)Ⅲ)の流れにおける条件を前提条件、目的を大
目的、評価を最終評価と呼ぶことにすると、ゲームの全体の流れとして、
Ⅰ)プレイヤーに対して前提条件提示
Ⅱ)条件に応じて活動( i)ii)iii)の繰り返し)を行う。
i)プレイヤーへの条件提示
ii)その条件に応じ、プレイヤーが活動する
iii)活動に応じて結果が返される
Ⅲ)活動全体を通しての最終評価がなされる
という条件があるといえる。
ここで、このⅠ)Ⅱ)Ⅲ)流れをゲームの大きな流れ、i)ii)iii)の流れをゲームの
小さな流れと呼ぶことにする。
ゲームの中には、小さな流れのみで成立するものも存在する。その例として2人でのジ
ャンケンがある。
じゃんけんは、まず、i)プレイヤーに対し、相手に勝つように活動するという目的、
グウ、チョキ、パアの3手のいづれか一つを「じゃんけんぽん」の掛け声で提示しなけれ
ばならないという活動条件等がルールとして与えられ、次に、ii)その条件に応じて自ら
の意思決定により手を出すという活動をとり、最後に、iii)出した手によって勝敗という
評価がなされる。これがじゃんけんの流れであり、前提条件や評価はなく、小さな流れの
みでゲームとして成立している。
さらに、ゲームの成立条件として重要なものに、プレイヤーの活動と評価との間が一意
に決まらない、ということがある。この一意に決まらない状態を不確定性、その条件を不
確定要素と呼ぶことにする。
例として2人でじゃんけんをする場合を考えると、プレイヤーが事前に相手の出す手(自
分が確実に相手に勝てる手)を知らされていないということである。仮に相手が出す手を
知っていたとしたらゲームとしては成立しないことは明白である。
以上のことから、ゲームの成立条件は
①ゲームにはプレイヤーが存在する。
②ゲームには条件提示、活動、評価という流れを持つ。
③ゲームには活動と評価の間に不確定性を持つ。
ということになる。
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図 3ゲーム全体の流れ
2.2 コンピュータゲームとマニュアルゲーム 12)13)
ゲームには、すごろくやモノポリーといったボードゲーム、トランプやUNOといった
カードゲームから企業経営者育成ゲームといった複雑なものまでいろいろなものが存在す
る。そのゲームの中にコンピュータの能力を利用しているものをコンピュータゲーム、そ
うでないものをマニュアルゲームと呼ぶ。
マニュアルゲームに対して、コンピュータゲームの利点として以下の6点がある。
①ゲームの進行が早くなる。
②複雑なゲームの作成が可能になる。
③美麗なグラフィックスを表示することができる
④音響効果を利用することができる。
⑤一人でプレイすることができる。
⑥プレイすることによって生じた種々のデータを貯えることができる。
①②はコンピュータの計算能力に依存するものである。プレイヤーのへの条件提示、活
動に対する評価がコンピュータの計算によってすばやく処理されれば、結果としてゲーム
の進行は早くなる。また、短時間に計算を多数行うことができることから、ゲームにおけ
るプレイヤーの活動が与える影響を多数設定することが可能となり、結果として複雑なゲ
ームを作成することができるようになるということである。
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③④は、動画やグラフを表示することができたり、ゲームに合わせて効果的な音を出せ
ることから、プレイヤーに多くの視覚的、聴覚的な情報を提供することができるというこ
とである。これによってプレイヤーがゲームの世界を認識することにつながり、プレイヤ
ーをよりゲームに熱中させる要因となるのである
⑤はコンピュータがプレイヤーに対する条件提示、評価を行うことや、プレイヤーの対
戦相手を務めることができるということである。
⑥はコンピュータの情報蓄積・検索能力を利用したもので、ゲームのプレイの経過を保
存しておくことや、数回ゲームをプレイした場合におけるプレイヤーの評価の変化を残し
ておけるということである。
また、マニュアルゲームにも、例えばモノポリーをプレイする場合の、札束を実際に交
換する、他のプレイヤーの表情を読み取る、プレイ中の会話を楽しむといったようなコン
ピュータゲームにはない要素をもっていることを付記しておく。
2.3 コンピュータゲームの面白さ 14)15)16)
2.2 ではコンピュータゲームの特徴を示した。ここでは、それを踏まえた上で、コンピ
ュータゲームのもつ面白さを提示する。一口に「面白さ」といってもそれは様々な意味を
持つことから、ここでは代表的なものを提示するに留めることにする。
また、一つのコンピュータゲームは、ここに提示する面白さの面白さの組み合わせによ
って成立しており、ここに示す要素すべてを持つわけではない。
①自分で操作できる面白さ
テレビのキャラクターに向かって「動け」といっても動かすことはできないが、テレビ
ゲームであれば自らの意志で操作することができる。この対象を自ら操作できることがコ
ンピュータゲームの面白さの一つである。
また、プレイヤーが行った活動に対して、グラフィックスが変化する、音が鳴るなど自
分の行った活動に対して反応が返ってくることも面白さにつながる。
これらは 2.2 で示したコンピュータゲームの特徴の「②複雑なゲームの作成が可能にな
る」ことや「③美麗なグラフィックスを表示することができる」こと、「④音響効果を利
用することができる」ことに関連がある。
②条件を乗り越える面白さ
ゲームの流れは 2.1 で示した通り、その中に不確定要素が存在するため、プレイヤーは
活動に対する評価が見えないでいる。その中でプレイヤーは与えられた条件を乗り越え良
い評価を得ることに面白さを感じるのである。
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③条件を乗り越え続ける面白さ
条件を乗り越えることに面白さを感じるのは②にて述べたが、プレイヤーが連続して乗
り越えてゲームを進行させることも面白さにつながる。
ゲームをプレイしている途中に乗り越えることのできない条件が存在し、ゲームの進行
が妨げられるような場合にプレイヤーは面白さを感じない。言い換えると条件はプレイヤ
ーが乗り越えることができるように設定されているということになる。
これは 2.2 で示したコンピュータゲームの特徴の「①ゲームの進行が早くなる」「②複雑
なゲームの作成が可能になる」ことに関連がある。
④プレイヤーの能力が反映される面白さ
与えられた条件の下でのプレイヤーの活動に対する評価が、プレイヤーの能力に関係な
く、まったくの運だけで決まるとすれば、初めてプレイした場合と、数回プレイした場合
とで同じ結果になる。こういうゲームであればプレイヤーは繰り返しゲームを遊ぶ気には
ならない。つまり、プレイヤーがゲームをプレイする中で、そのゲームにおいてより高い
評価を得る為に必要とされる能力が向上すること。そして複数回プレイすることによって
より高い評価に近づいていくことがゲームの面白さの条件といえる。
⑤自分に挑戦する面白さ
これは、コンピュータゲームにはプレイヤーの能力に応じて初めは易しく、後に難しく
なるといった段階を設定してあるものがある。こういったものは、プレイヤーに対して挑
戦という楽しみを与えることになる。難しい段階へ進んだということはプレイヤーの上達
を意味し、新たな段階への移行は、新たな挑戦を生みだすことになる。これはゲームをプ
レイすることを通して自分に対して競争心を持つということであり
⑥発見の面白さ
コンピュータゲームには、ゲームにかかわる何らかの情報をプレイヤーに対して隠し、
ゲームが進んでいくに連れて新しい情報を与えるようにしておくことで、新しい事実を知
りたいという人間がもつ欲求を面白さとして利用しているものがある。隠れキャラや隠し
アイテムなどを発見する喜びであったり、ゲームの先の展開が読めないという感覚がこれ
にあたる。
この面白さはゲームの流れにおける不確定要素の存在が要因となっている。
⑦疑似体験の面白さ
コンピュータゲームにはプレイヤーに物語の主人公になって冒険をさせたり、パイロッ
トになって飛行機を操縦させたりと、プレイヤーに普段と違う自分を体験させるものがあ
る。こういったゲームは、プレイヤーに対して普段の生活では経験できない感覚を与える
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ことになり、それが面白さへとつながるのである。
この面白さは、2.2 で示したコンピュータゲームの特徴である「プレイヤーに対してよ
り多くの情報を提供することができる」ことから、より現実的な情報をプレイヤーに提示
することができることや、「複雑なゲームの作成が可能になる」ことに関連してより現実
的なモデルをゲームに利用することができることの2点が面白さを引き出しているといえ
る。
以上から、コンピュータゲームの面白さは、主にゲームの持つ不確定性とプレイヤーの
自由意志による判断を繰り返すことに因るといえる。通常のゲームの面白さは、そのゲー
ムを一回だけプレイするだけでも与えられるが、④、⑤に関しては、同じゲームを何度も
繰り返しプレイすることによってその面白さが与えられる。
2.4 巧緻性
ここではゲームジャンルの特徴を規定する上で用いる巧緻性について説明を行なう。
コンピュータゲームの中には、プレイヤーに対して連続して条件を与え、その条件に対
するすばやい認知、すばやい判断、すばやい操作を要求するものがある。このようなゲー
ムの場合は判断がすばやくとも(自分の考えは正確であっても)、それに対するすばやい
動作ができない(その動作を正確に、考えた通りの時間で行うことができない)ことによ
って条件を乗り越える(クリア)ことができないというものがある。そのようなゲームを
巧緻性が要求されるゲームと呼ぶことにする。
巧緻性とは 17)、自分が行おうと思った動作に対して
a)その動作を自分の考えたままに正確に行うことができる
b)その動作を自分の考えたままの時間で行うことができる
という能力のことで、その動作を正確に行えるほど「巧緻性が高い」ということになる。 逆
に、巧緻性を要求されないゲームとは、条件が断続的に与えられることによって、一つの
条件に対し、プレイヤーがじっくりと考え、判断し、活動することを要求するゲームとい
うことになる。
2.5 ルート拡散型とルート指定型
ここではゲームジャンルの特徴を規定する上で用いる「ルート拡散型」と「ルート指定
型」とについて説明を行なう。
ゲームの流れは 2.1 で述べたが、その中での「小さな流れ」の組み合わせ方によってコ
ンピュータゲームの種類を2分することができる。一つをルート拡散型、もう一つをルー
ト指定型と呼ぶことにする。
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説明を行なうにあたり、以下に示すゲームの流れを簡素化したモデルを利用する。
ゲームの小さな流れの中で、プレイヤーは与えられる条件に対し、AかBかのどちらか
を選択することとする。Aに対する評価をa、Bに対する評価をbとする。その評価aを
条件とし、活動を行った場合のAに対する評価をaa、Bに対する評価をabとする。同
様にaaに対するAの評価をaaa、Bに対する評価をaabとする。(図 4)
図 4ゲームのモデル
①ルート拡散型
これは、小さな流れの繰り返しが図 5 のような広がりを見せることによって、前提条件
から最終評価までの道のりが無数に設定できるもののことである。ルートが無数にあるこ
とから、このシステムの場合、ゲーム製作者はゲームプレイヤーに対し、ゲームシステム
の中で自由に活動させることを目的としているといえる。そして、プレイするごとに評価
に達するルートが異なることから、繰り返して同じゲームをプレイしてもプレイヤーは常
に新鮮さを感じ、飽きることが少ない。よって、このタイプのゲームは繰り返して遊ぶこ
とに面白さの重点をおいているといえる。
また、先に示したモデルではプレイヤーが選択できうる活動範囲は A か B かどちらかと
いう2通りのしかなかった。これが3通り、4通りと増えるにつれてプレイヤーの活動範
囲が広がり、上記のような特徴をもつようになる。よって選択肢の幅が広いこともルート
拡散型の特徴といえる。
2.4 で述べた巧緻性を要求するゲームは、プレイヤーに連続して条件を与えるという特
徴を持つ。つまり小さな流れを繰り返すということである。多数の選択の繰り返しはそれ
だけ評価へ至るルートが多数設定されるということであり、プレイヤーの活動範囲を広げ
ることになる。よってプレイヤーに巧緻性を要求するゲームはルート拡散型に分類される。
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図 5ルート拡散型ゲーム
②ルート指定型
これはゲームの流れの中で、小さな流れの繰り返しが図6のように拡散型と比較してそ
れほど広がりを見せることはなく、前提条件から最終評価までの道筋がおおむね決まって
いるものを指す。このタイプは拡散型に対して比較的選択肢の幅を小さいこと、小さな流
れの繰り返しが少ないことから特徴づける事ができる。あらかじめ評価に至るルートが設
定されていることから、このシステムの場合、ゲーム製作者はプレイヤーに対して設定し
たルートを通って最終評価を得させることを前提としているといえる。
このようなゲームでは、プレイヤーは数回プレイすれば評価に達するルートを理解して
しまうので、繰り返してプレイする面白さを重視せず、他の面白さに重点を置いていると
いえる。
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図 6ルート指定型ゲーム
(灰色に塗られた段階では活動と結果が一意に決まる)
2.6 既存コンピュータゲームジャンルの特徴 18)19)
先に示した観点から既存のコンピュータゲームジャンルを分類し以下のように特徴付け
を行った。
・アクションゲーム
代表的なものとして「スーパーマリオブラザーズ」
「ロックマン」があげられる。
プレイヤーには、ゲーム世界のキャラクターを操作する役割が与えられ、敵のボスを倒
すと言う目標が提示される。連続して与えられる条件に対し、敵を攻撃することであった
り、敵をよけたり、上下左右にある程度自由に動かすことができるキャラクターを操り瞬
時の判断で切り抜けていく。プレイヤーには巧緻性が要求され、ゲームの流れが拡散型で
あることから、繰り返してプレイすることにより面白さが増すゲームであるといえる。他
にキャラクターを自由に操作する楽しみ、様々な動きの敵をかわしていく楽しみなどを与
えることになる。
・シューティングゲーム
代表的なものとして「インベーダーゲーム」
「ゼビウス」があげられる。
プレイヤーには、ゲーム世界で戦闘機やガンマンなど敵を撃ち落とす者としての役割が
与えられ、より多くの敵を撃ち落とすという目標が提示される。プレイヤーは上下左右に
ある程度自由に動かすことや敵を打ち落とす為の弾丸を発射することができるキャラクタ
ーを操り、連続して与えられる条件に対して、敵を攻撃することであったり、敵をよけた
りと、瞬時の判断で切り抜けていく。プレイヤーには巧緻性が要求され、ゲームの流れが
拡散型であることから、繰り返してプレイすることにより面白さが増すゲームであるとい
える。他に破壊の爽快感、スピード感、飛行感覚、弾避けの面白さなどを与えることにな
る。
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・挌闘ゲーム
代表的なものとして「ストリートファイターⅡ」「バーチャファイター」があげられる。
ゲーム中にはプレイヤーキャラクターと敵という二人のキャラクターのみしか存在しな
い。プレイヤーには、ゲーム世界のキャラクターを操作する役割が与えられ、敵を倒すと
いう目標が提示される。プレイヤーはある程度自由に挌闘技を繰り出すことのできるキャ
ラクターを操作し、敵の攻撃をかわしたり、格闘技を用いて敵にダメージを与えたり、と
瞬時の判断で切り抜けていく。プレイヤーには巧緻性が要求され、ゲームの流れが拡散型
であることから、繰り返してプレイすることにより面白さが増すゲームであるといえる。
他に、キャラクターを自由に操作する楽しみ、敵を倒す楽しみ、敵の攻撃をかわす楽しみ
が与えられる。
・アドベンチャーゲーム
代表的なものとして「ポートピア連続殺人事件」「かまいたちの夜」がある。
プレイヤーには、ゲームの世界の主人公として判断行動する役割が与えられ、製作者が
設定したゲームの最終目標を目指すことになる。プレイヤーはゲームの最中に与えられた
条件に対して、あらかじめ設定されている選択肢の中から適当なものを選択することによ
ってゲームは進行する。プレイヤーに巧緻性は要求されず、ゲームの流れがルート指定型
であることから、繰り返しの面白さではなく、登場人物の疑似体験をする面白さや判断を
重ねていく面白さを持っているゲームであるといえる。他の特徴としてプレイヤーに対す
る情報提示が、主に文字と静止画で行われることがあげられる。サウンドノベルと呼ばれ
るジャンルもこの範疇に入る。
・ロールプレイングゲーム
代表的なものとして「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」がある。
プレイヤーには、ゲームの世界の主人公として判断行動する役割が与えられ、敵のボス
を倒すという目標が与えられる。ゲームはフィールドシーンとバトルシーンとが別れてい
るのが普通である。
フィールドシーンとは、ゲーム世界の中をある程度自由にプレイヤーキャラが移動でき
る場面のことである。ただし、このシーンではプレイヤーに巧緻性は要求されないことや、
特定の条件(アイテムを手に入れる、特定の敵を倒すなど)を満たさなければゲームが進
行しないこと、あらかじめ設定されている選択肢の中から適当なものを選択することによ
って活動を行うことから、このシーンはルート指定型であるといえる。
バトルシーンとは、プレイヤーキャラと敵とが戦う場面のことで、プレイヤーはあらか
じめ設定されている選択肢の中から適当なものを選択し活動を行う。プレイヤーに巧緻性
は要求されない。通常は敵を繰り返し倒すことでキャラクターを成長させてゲームを進行
させることから、ゲーム終了までにバトルシーンは繰り返しプレイされる。しかし、繰り
13
返しプレイする過程では、プレイヤーの能力そのものよりも、キャラクターの能力の成長
がより強い敵を倒すということ反映されるといった側面が強い。よってコンピュータゲー
ムの面白さのうち「④プレイヤーの能力が反映される面白さ」や「⑤自分に挑戦する面白
さ」はほとんど持っていないと考えられる。
以上からロールプレイングゲームは繰り返しプレイすることを要求するが、繰り返しの
面白さをもっているとはいえず、登場人物の疑似体験をする面白さや判断を重ねていく面
白さを持っているゲームであるといえる。また、ゲームの進行は主にフィールドシーンに
て行われることから、このゲームの中心はフィールドシーンであるといえる。
他にこのジャンルの特徴としてプレイヤーに対する情報提示は主に文字と数字、静止画
で与えられることがあげられる。
アクションロールプレイングゲームと呼ばれるものも存在するが、それらは巧緻性を要
求されるものであることから、ここでは前出のアクションゲームに分類する。
・シミュレーションゲーム
現実世界をモデル化し、それを題材として利用しているゲームで、プレイヤーにはその
モデルを操作(シミュレート)する役割が与えられるゲームである。現実世界をモデル化
したものを利用するため、ゲームには複雑な要素が含まれ、ルート拡散型の特徴をもつ。
このジャンルは大きく2つに分類することができる。20)
①「プレイヤー:現実、ゲーム世界:仮想」型
代表的なものとして他に「電車でGO!」「リッジレーサー」があげられる。
プレイヤーに疑似体験をさせることができうるゲームである。普通、コンピュータゲー
ムをプレイする時には、ゲームを進行させるためにコントローラやジョイスティック、キ
ーボードといった入力機器を使用する。しかし、このタイプのゲームは入力機器が現実世
界のそれと同等のものであり、体験をすることができうるものである。
実際に操縦桿を握ってプレイするフライトシミュレータゲームを例にとって考える。プ
レイヤーには飛行機の操縦士としての役割が与えられ、実際に操縦桿を握り飛行機を飛ば
す動作を体感するのだが、そこでの行動に失敗しても安全である。ゲームの世界の外から
見ていれば飛行機は仮想であるが、プレイヤーにとっては現実であるともいえる。実際に
体感していることからこの範疇のゲームはプレイヤーには巧緻性が要求され、ゲーム繰り
返してプレイすることが面白いゲームであるといえる。
これらのゲームの中には、コントローラやジョイスティックでもプレイすることができ
るものもあるが本論文では操縦感覚を動的に感じ取らせるものということからこの分類に
含めることとする。
また、このようなゲームはプレイヤーに実際に体験した感覚を与えることから、ゲーム
世界での時間経過を現実と同様に設定する必要がある。よって本論文では、この範疇のゲ
14
ームを「リアルタイムシミュレーションゲーム」と呼ぶことにする。
②「プレイヤー:仮想 ゲーム世界:仮想」型
代表的なゲームとして「信長の野望」「バランス・オブ・ザ・プラネット」がある。
プレイヤーには、現実をモデル化したゲームの世界の中で判断行動する役割が与えられ、
ゲームの最終目標を目指すことになる。プレイヤーはある程度自由に活動できる上、巧緻
性は要求されないことから、登場人物の疑似体験をする面白さや判断を重ねていく面白さ
を持っているゲームであるといえる。また、拡散型であることから繰り返してプレイする
面白さも持っているといえる。
プレイヤーは通常、現実に促した複雑なゲーム世界の中を、ある程度自由に、繰り返し
て活動することによって、良い評価を得る為の活動方法を見出すことになる。
今後は、特に記述がない限り「シミュレーションゲーム」という場合は、こちらを指す
こととする。
・テーブルゲーム
将棋やトランプなど、コンピュータ使用を前提として作られていなかったゲームを、コ
ンピュータゲームとして再構築したもののことをいう。したがってプレイヤーに要求され
る能力や、目標といった観点からの分類を行うことはできない。
・スポーツゲーム
プレイヤーに対して与えられる役割や、目標に関わらず、ゲームのテーマとしてスポー
ツを取り入れたものを言う。したがってプレイヤーに要求される能力や、目標といった観
点からの分類を行うことはできない。
・パズルゲーム
プレイヤーは特にキャラクターを演じることはなく、与えられた役割はパズルを解くと
いうものである。最終目標はゲームにより異なり、製作者が意図した目標に到達すること
を目標とするものもあれば、高得点をあげることを目標としたものも存在する。プレイヤ
ーにはパズルを解く能力が求められる。整理していく気持ちのよさ、考える楽しみなどが
与えられる。
このゲームは大きく2種類に分けることができる。
A)巧緻性パズルゲーム
代表的なものに「テトリス」「ぷよぷよ」があげられる。プレイヤーに巧緻性を要求す
るものである。プレイヤーには巧緻性が要求され、ゲームの流れが拡散型であることから、
繰り返してプレイすることにより面白さが増すゲームであるといえる。
B)非巧緻性パズルゲーム
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代表的なものに「マインスイーパ」「倉庫番」があげられる。主にコンピュータを利用
していなくてもゲームをプレイすることができるものである。これは、テーブルゲームの
範疇に入る。
・クイズゲーム
代表的なゲームとしては「クイズ殿様の野望」「アメリカ横断ウルトラクイズ」があげ
られる。
これは、特殊なジャンルである。プレイヤーには、キャラクターを演じることなく与え
られた問題に対する解答を導き出すという目標が提示される。プレイヤーが与えられた問
題に対する解答を知っているかいないかのみで評価が決定することから、プレイヤーに対
しては知識のみが要求されることになる。
仮に、一つの問題が出題され、プレイヤーはその問題の答えを、与えられた選択肢の中
から選び出す活動を行うとする。プレイヤーが問題の正解を知っていた場合は、選択肢を
選ぶという活動と正解という評価の間に不確定性は存在しなくなる。よって本論文で定義
したゲームの条件に反することになる。
このように厳密な意味ではゲームであるともないとも断定できないが、本論文ではゲー
ムとして扱うこととする。
以上から本論文では
・アクションゲーム
・シューティングゲーム
・挌闘ゲーム
・アドベンチャーゲーム
・ロールプレイングゲーム
・リアルタイムシミュレーションゲーム
・シミュレーションゲーム
・巧緻性パズルゲーム
・クイズゲーム
の9ジャンルを扱うことにする。
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