情報教育センター研究課題報告書 個人のホームページを利用した英語の

情報教育センター研究課題報告書
個人のホームページを利用した英語の e-learning の構築:その 2
国際英語学科 和栗 了
成果の概要
2009 年度の課題は、電子媒体の教材の蓄積であった。結論としては、ある程度の電子テ
キストはできたと言える。以下にその概要を記す。
実用英語検定準 2 級用テキスト
36 ページ
実用英語検定準 2 級用直前対策テキスト 23 ページ
実用英語検定 2 級用テキスト
46 ページ
実用英語検定 2 級用直前対策テキスト
29 ページ
英文解釈を中心とした総合英語演習
45 ページ
文法を中心とした総合英語演習
82 ページ
上記のテキストのうち、英文解釈を中心とした総合英語演習テキストと文法を中心とした
総合英語演習テキストは、長野県の伊那西高等学校で夏期集中、あるいは春期集中講座で
試験的に使わせていただいた。上記のほぼ完成したテキストに加え、引き続き現在作成中
のテキストを入れると、400 ページ近いテキストを編集したことになり、所期の目的の一つ
は達成したと言える。
成果の活用
この研究のもう一つの課題は作成したテキストを和栗個人のウェブサイトに公開し、受
験生を獲得することであった。現在の状況下で最大の目的である学生確保にどう活用する
かが最大の目的であった。
この点に関しては、和栗の個人ウェブサイトへのテキストの限定的公開と受験生確保と
の間に直接的因果関係は確認できない。和栗の授業を受講している学生で当該のウェブサ
イトを見たという学生は確認できず、本学のホームページにリンクされているとは言え、
個人のウェブサイトが受験生確保につながるとは主張しにくい。ちなみに、2010 年度入試
で文学科に伊那西高校の生徒一名が受験し合格している。
たが、ウェブ上での情報の見せ方を工夫することで受験生のアクセス数を向上させ、学
生確保に貢献できる可能性がある。その一つは、ウェブ上での過去の入試問題の解説と解
答の公開である。これは著作権上の問題が残るが、個人のウェブサイト上であれば可能か
もしれない。あるいは大学のホームページ上でも著作権を明示すれば可能だろう。
もう一つは、高校などの英語の先生が必要としている情報をインターネット上に公開す
る方法である。この部分は未開拓なので十分に考慮し、何人かの高校の教員とも相談しな
がら開発したい。
今後の課題
作成したテキスト類は、現在、
「ウェブファイル」や PDF ファイルで限定的に公開して
いるが、公開するだけではあまり意味がなく、本学学生向けの授業で活用することを考え
たい。特に英検用のテキストなどはそのまま本学で使用できる。その際、以下のような部
分を補完的に作成しながら活用したい。
①単語・熟語テストとの併用
②テキスト間の相互参照の作成
③視聴覚テキストの導入
①に関しては、四択問題のテストが有効か、記述式が有効か、などの検討課題がある。
さらに四択問題の場合にどのような選択肢を用意するのが記憶しやすいか実験する必要が
ある。
②に関しては、個人ウェブサイト内の英語学習サイトに相互参照を膨大な数で張り巡ら
すことになる。同時に常に全体像をも見せねばならず、ウェブデザインの専門家の意見を
聞きたい。
③に関しては、著作権の問題があり、個人が撮った写真等しか使用できないだろう。こ
の点で構築に時間が必要である。
なお、個人のウェブサイトに「小テスト機能」や「アンケート機能」を導入し、それを
限定された人に公開したいが、資金的に困難である。「小テスト機能」の導入には毎年 30
万円ほどの費用が必要である。
結論
限られた予算と時間の中で一定の成果は出せたが、限界も見えた。テキストはある程度
できたが、それをウェブ上で活用するにはまだ検討することがたくさんある。資金も必要
である。個人のウェブサイトではなく学科(専攻)のウェブサイトを拡充することの方が
先決かもしれないし、そこに資金と労力を投入して優れた「英語学習サイト」を構築する
ことが望ましいことだろう。この点を今後の最重要の検討課題としたい。