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日 本 語 版
S at u r day, M ay 3 1 , 2 0 0 8 | I ss u e 1 | C h ic ag o, I L | S e c t i o n A
2008 年 ASCO 年次総会にようこそ
2008年のASCO年次総会にご参加された先
構 築しました 。拡
今回のプログラムを作成しました。この場を借り
者による研究業績、臨床への応用に関する講演
生方に感謝の意を表します。今回でASCOの
大する研究領域に
て、Bruce Johnson, MDおよび Michael Car-
もぜひご聴講ください(特別賞受賞者のプロフ
開催は44回目となりました。ASCOは、がんの
焦点を当てたプロ
ducci, MDを代表者とするCancer Education
ィール、講演時間、会場はASCO Daily News
予防、診断、治療を進歩させるべく努力を続け
グラムを作成する
and Scientific Program Committeesのメンバ
のセクションBに掲載されています)。
て参りましたが、今年は、トランスレーショナル
ことで、がんの生物
ーに謝意を表します。彼らの卓越した努力によ
できる限り多くの先生方が、できる限り多くの
リサーチおよびがんの臨床研究における最近
学の最新知見を理
って、がんの専門医が周辺領域にも興味を抱く
セッションに参加されて、ご興味をお持ちのト
の進歩をテーマとしたフォーラムの発足を契機
解し、専門領域 外
ような魅力的なセッションが構築されました。
ピックスへのご理解を深め、かつ知識領域を広
に、がん患者のケアを強化させることができる
であっても興味深
すべてのがん研究者を啓発し、かつ相互交
げ、今回の年次学術集会に参加した意義を深
と考えております。ASCOはすべての疾患と腫
くかつ重要なテー
流させるという我々の責務を継続させ、かつ促
めていただきたいと思っています。ASCO年次
進していくために、本年の年次総会のプログラ
学術集会は、研究成果を実臨床に活かすこと
ムは強化され、いくつかの変更が行われました
で、がんのコミュニティから高度ケアの提供に
チの統合を目指しており、協力者からの助言を
Nancy Davidson, MD
マについて情報を
2007-2008 ASCO President
得られるように工
いただきながら、腫瘍学の最近の発展に焦点
夫しました。
瘍の話題におけるトランスレーショナルリサー
を当てた価値ある教育および学術プログラムを
INSIDE THIS SECTION
Cancer Prevention/Epidemiology
遺伝子変異でわかるニコチン依存、禁煙の今後
の研究 ....................................................................................11A
Expert Editorials
米国におけるがん治療の Quality、費用対効果を
ので、その点に特に注目して欲しいと思っていま
至るまでの鮮明で真摯な研究内容を広める価
トランスレーショナルリサーチから得られた
す。Professional Development Trackは Fel-
値ある場であります。先生方は、腫瘍学の大変
知見を臨床に応用することの重要性は自明で
lows and Junior Faculty Program に変更さ
貴重な教育的イベントに参加されているとご理
す。ASCO 2008年次総会のプログラムでは、世
れ、フェローから中堅、ベテランの研究者を含
解ください。今回の先生方のご参加が有意義
界中のがん治療の専門医が現在直面している
め、すべての世代のがん研究者にとって有益な
なものとなり、シカゴ滞在を楽しんでいただけ
課題、すなわち「臨床およびトランスレーショナ
セッションが設けられました。さらに、general
ますことを祈念しております。■
ル領域のサイエンスとテクノロジーの進歩がい
ながん研究者を対象としたプログラムとして、特
かにがんの脅威を軽減できるのか」という点に
別セッションを設け、彼らの興味にマッチした
焦点を当てました。今年の年次総会は、33,500
演題を集め、集中的に視聴でき、参加の意義を
名以上が参加した昨年の年次総会の成功を踏
深めてもらえるように配慮しました。
まえて構成しています。毎年、エキサイティング
また、ASCO年次総会は、最先端の研究領
で革新的なプログラムが作成され、実行され
域、患者ケア、がん支援運動など、腫瘍学の研
が必要 多数の新しい治験薬の増加にもかかわ
ることで、学会の成功が継続されているので
究者および指導者の功績を賞する機会を設け
らず、臨床がん研究資金は減少 ................................6A
す。ASCO理事会およびCancer Education and
ています。この特別賞の授与式には、ぜひご出
Scientific Program Committeesは、学術性と
席ください。受賞者の業績を紹介し、その成果
教育のバランスを考慮して共同で作業を行い、
を称える講演と式典が行われます。5名の受賞
検討する:改善に向けての一歩 .................................2A
がんとの闘い:政府の背中を押すには、公的支援
New ASCO Initiatives
Cancer.net の紹介 ............................................................6A
学 会 の 全 体 像を包 括 的 に 紹 介 する General
Oncology Session.............................................................7A
本学会の実況が見られるテレビ放送を導入 .......8A
日本語音声ブログプログラム ......................................10A
Patient Care
新規分子標的治療薬には独特かつ多種多様な
副作用がみられる .....................................8A
Professional Development
ASCO の主導権を形成するボランティア活動は極
めて重要 腫瘍学に関連する問題を国家的な問
題として俎上にのせよ.......................................................4A
Special Awards and Grants
Dr. Jay R, Harris, MD が Gianni Bonadonna
イリノイ州知事は6月を
“Oncology Month”に
2008年のASCO年次総会の開始を機
に、イリノイ州知事Rod R. Blagojevich
氏は6月を“Oncology Month”にすると
宣言した。
Virtual Meeting を使えば ASCO 年次総会のセッション
や包括的な学会資料に簡単にアクセス可能
2008年ASCO年次学術・教育プログラムは、
内容が豊富でかつ価値あるものである。がん研
で網羅されたトピックスに従って、臨床的に関連
を購入されていない先生方には、学会会期中で
するサブトピックスごとに整理されている。
あれば、オンライン登録ページ(www.asco.org/
究者が彼らの専門領域、実地診療、研究分野に
例えば、使用者がbreastca.asco.org のページ
change)で、
“Changes and Cancellations”の
関連したすべてのセッションに参加することは
からVirtual Meetingを選択すると、Highlights
オプションを付けて登録して、学会員は25ドル、
不可能である。学会参加者に、この機会を最大
of the Day、Epidemiology、Pathogenesis、Pa-
非学会員は50ドルで購入できる。また、Virtual
限に活用してもらうために、ASCOは今年も包
thology and Tumor Biology、Prevention and
Meetingは下記の場所でも購入可能である。
括的なプログラム、Virtual
Screening、Diagnosis、Staging、Prognostic
•Registration Desks (Hall E, East Building;
Meetingを提供す
る。このプログラムは、web上で閲覧可能な腫瘍
Factors、Treatment
学関連のマルチメディアとして、最大規模のコン
Care、Other/Special Issuesなど、教育セッショ
•ASCOブース (Exhibit Hallのブース8002)
テンツを有するものである。
ンと学術講演が統合され、テーマごとに分類さ
•Virtual Meeting Multimedia Kiosk (Level2.5,
Stage、Supportive
Gates 3および26, South Building)
Meetingでは、年次総会のすべて
れた2008 Annual Meeting講演のページに誘
の教育および学術セッションの映像やスライド
導され、特殊検索や新規検索の機能にも簡単に
• コンシェルジェサービスのASCO Store (Grand
V e r a M a r a n c i , M D:2 0 0 7 年 G i a n n i
が、講演終了から24時間以内に閲覧可能とな
アクセスできる。
Concourse Lobby, North Building)
Bonadonna Breast Cancerフェロー...................10A
る。Virtual Meetingパッケージの利用者は、オ
この革新的なリソースには、インターネットに
臨 床 試 験 の 向 上を支 援 する新 たな
ーディオ/ビデオ講演、スライド講演、アブストラ
接続したすべてのコンピュータからアクセスが可
Meeting Multimedia Kioskでは、視聴したかっ
Community Oncology Research
クト、2008 ASCO Educational Bookの関連文
能である。利用者は視聴することができなかっ
た講演に出席できなかった参加者が、前日まで
A w a r d ..............................................................................11A
献にアクセスできる。
た前日のセッションをホテルの部屋あるいはイ
に行われたいくつかの演題の視聴が可能であ
ンターネットカフェから視聴することができる。
る。Kioskのどのステーションでも、スピーカーが
スター発表の抄録が閲覧可能である(チケット
また、年次総会終了後には、利用者は自宅やオ
装備されており、学会参加者は音声と全スライド
が必要なセッションでは例外もある)。講演の
フィスのコンピュータからVirtual Meetingにロ
を視聴することができる。全ての学会参加者は
音声やスライドは、Windows Media Playerや
グインすることができる。
“Registration
with
購入しなくても、Virtual Meeting Kioskにおいて
Real Playerなどのメディアを用いて視聴でき、
Virtual Meeting”をご購入いただければ、年次
選択されたセッションにアクセスが可能である。
演者、演題名、キーワード、抄録番号で検索が
総会終了後120日以内は2008 ASCO Annual
なお全セッションは、過去の年次総会やシン
可能である。教育、学術、特別セッションについ
Meetingのコンテンツに独占的にアクセスでき、
ポジウムの講演とともに、2008年10月1日には一
ても、疾患名や臨床テーマだけでなく、ASCO.
プレナリーセッションや毎日のハイライトを収録
般に公開される。■
orgの12領域のがんに特化したポータルページ
したDVDが提供される。まだVirtual Meeting
Awardを受賞 ......................................................................7A
受賞者プロフィールの一部、
ウェブサイトに .........10A
Special Sessions
V i t a l R e s e a r c h に注目した演 題のハイ
ライト ....................................................................................10A
General Meeting Information
本誌エディターより..........................................................2A
最新の抄録情報 .............................................................4A
Late-Breaking Abstract の発表 .....................6A
Virtual
by
Virtual Meetingでは、すべての口演およびポ
South Building)
South
BuildingのLevel
2.5にあるVirtual
“Translation of ASCO Daily News Saturday, May 31, 2008・ISSUE 1・Chicago, IL・Section A © 2008 American Society of Clinical Oncology. All rights reserved.”
2A • ASCO Daily News • Saturday, May 31, 2008
Morrow, MD
本誌エディターより Monica
Editor, ASCO Daily News
これらの賞へのノミネートは、Special Awards
Selection Committeeからの推薦によって行わ
れ、各領域で独創性に富んだ業績が評価され
2008年のASCO年次総会が開催される“風の
ョンを設けました。
た方々が受賞します。受賞記念講演は、科学的
街”シカゴにようこそ。
“風の街”の由来はミシガ
この“General On-
なブレークスルーが、どのようにして今日の標準
ン湖から吹き付けるそよ風ではなく、1920年代の
cology”セッション
的な診療法に取り入れられていったのか知るだ
市政担当者によって命名されたものです。
は、乳房、肺、消化
けでなく、腫瘍研究の将来に向けての新しくか
今回の年次総会では、国際的な腫瘍研究者
器、婦人科、中枢神
つエキサイティングな計画に触れるまたとない
に、彼らが直面している挑戦や機会をサポート
経などの領域を網羅
機会です。
するための情報が満載です。標準的な口演、
し、Highlights of the
また、John
示説、教育セッションに加えて、
“コミュニティ
Dayもあります。演題
が、ASCO Daily Newsの副編集長として就任
は1つ、患者ケアの革新を”というテーマを実現
が重複しないこれら
されることをお知らせします。年次総会では学
するために、新しいセッションが追加され、医
のセッションに参加
Monica Morrow, MD
Editor, ASCO Daily News
Sweetenham,
MD,
FRCP
術活動の拡大によって、ASCO Daily Newsの
療レベルをはじめ普遍的な目標設定の重要性
す ることで、今回の
が強調されています。2008年のニュースといえ
年次総会で発表される新しい知見を総見すること
な知識が紙面に反映されることが期待されて
ば、Professional Development trackがFellows
ができます。
います。Dr. Sweetenhamは、Cleveland Clinic
and Junior Faculty trackに変更された ことで、
さらに、ASCOでは学会独自のTVネットワー
Taussig Cancer Center のDirector of Clinical
この新しいセッションには、すべてのステージ、
クであるASCO TVが放映されます。ASCO TV
Researchで、Cleveland Clinic Lerner College
すべてのキャリアの腫瘍研究者の参加が期待さ
では、事前に録画したASCOプログラムに沿っ
of Medicine, Case Western Reserve Univer-
れています。フェローだけでなく、中堅やベテラ
て、さまざまなセッションが放映されることが決
sityのProfessor of Medicineであり、血液腫瘍
ンの研 究者にとっても興味深いセッションにな
まっています。
領域の専門性をASCO Daily Newsの編集スタ
ることでしょう。
毎年、年次学 術集会のハイライトは受賞講
ッフに提供し、総合的な編集作業を支援されて
総ページ数が増大し、Dr. Sweetenhamの豊富
年次総会が提供する多彩なプログラムを網羅
演であり、最も栄誉ある賞はDavid A. Karnof-
います。そのため、2008年版では血液腫瘍領域
することは容易ではなく、特に、複数の臓器にお
sky Memorial Award、The American Can-
の演題の掲載数が増え、内容が充実しました。
ける医療の進歩に興味をもつ総合領域の腫瘍
cer Society Award, Geriatric Oncology分野
最後に、ご来場の先生方がシカゴでの滞在
研究者にとっては、大きな困難を伴います。そこ
のScientific Excellenceを対象とした The B.J.
を楽しまれ、学会参加が意義深いものとなり、
で、今年の総会では、多様ながん腫を治療する
Kennedy Award、 The Pediatric Oncology
多くの知見を得られることを祈念します。■
総合領域の腫瘍研究者を対象とした特別セッシ
Award、The Science of Oncology Awardです。
米国におけるがん治療の Quality、
費用対効果を検討する:改善に向けての一歩
内科医に比べて増加しており6)、Medical Group
説明することも含まれる。なぜなら、検討項目を
Management Association 2006による給与の
多くすることで治療方針は決定しやすくなるから
中央値は$358,453、平均値は$523,360であっ
である15)。がん治療医の39%は患者に予後につ
米 国 に おけるが
た。化学療法を行うと、医師の収入は増える7)。
いて明確に伝えない、39%は死が迫っているこ
ん治療の質は高い
有効性は期待できなくても、死の14日前に化学療
とを伝えないという結果は容認できるものでは
が、がん治療による
法を受けた患者は20〜40%もいる一方で
、有
ない。患者は疾患と進行について、医師よりも他
予後、例えば生存や
効性が期待され安価な放射線照射は行われて
の患者から得る情報の方が多いという報告もあ
disease-free surviv-
いない 。
る16)。こうした実態を変えるためには、我々は、
8-10)
11)
al、患者のQOLは他
我々は治療の質を改善し、医療コストを削減
の先進工業国と同レ
しなくてはならない。
ベルである1)。新し
い治 療 法が 次々と
臨 床 現 場に導入さ
Thomas J. Smith, MD
質の提示と医療費の削減:選択肢を
検討する
可能性、腫瘍縮小の可能性、生存期間の延長効
果、主要な副作用、ホスピス治療を含めた選択
肢の提示)などについて患者に正直かつ明確に
トレーニングによってスキルが習得できるのとは
異なり、化学療法は必ずしも有効ではないこと
を正直に伝える必要がある。多くの患者は担当
医師とは難しい内容の話はしたくないので、ホス
ピスを選択すべきか、治療を継続すべきかなど
れ、この数年間は化学療法、支持療法、診断の
第一に、格差が最も大きいと考えられるプラ
を他の医師に相談するのもよいだろう17)。他の
領域では我々あるいは患者が望む方法を実施
イマリケアにおけるがん治療の質を保証しなく
医師に相談して、ホスピスへの適切な紹介は1%
できるようになった。一方で我々は、他のどの国
てはならない。採用する標準プロトコールから
から20%に増加したという報告もある18)。我々
と比べてもがん治療の結果の評価に時間を割
の逸脱は許容すべきではない。肥満12)、加齢、
は、化学療法を行うことで増大するベネフィット
いている。米国ではGNPの16%を医療分野に使
他の未確定の因子13)に基づいて逸脱するがん
についても患者と明確に話しておいた方がよい。
い、そのうちの多くの予算ががん治療に配分さ
治療医は多く、治療やフォローアップを確実に
なぜなら、一部の患者は治療によってQOLが改
れている。我々は子孫の世代への永続的な負担
実施しない医師も多い14)。情報システムを活用
善することに気づくからである。
増を望んでいるわけでもないし、他の分野への
すれば、がん治療医は治療を決定し、アルゴリ
最後に、医療費について考慮しなくてはなら
予算配分を軽視しているわけでもない以上、現
ズムに従って用法、用量を決定することができ
ない。医療費を削減しうる方法は少なく、すべて
在の方法を続けることはできない。
るようになると考えられる。がん治療における
の方法は明確だが、実現するのは厳しい。
米国のがん治療システムは無制限の治療およ
量と転帰についてのデータはほとんどなく、多
・提供するサービスを低下させる方法。医療サ
び企業家精神の上に成り立ってきた。非現実的
くの外科治療と同様に、用量を上げれば結果
ービスをリアルタイムでモニタリングする。私の
な期待を抱いた患者は、大きなリスクをとりたが
が改善する、という図式が成立するかのように
診療でも実施しており、MRI、PET、一部の化
り2)、ベネフィットが小さくても化学療法を希望す
思われるが、検討が必要である。がん治療医
学療法などの実施が拒絶される。保険機構は患
る 。現実的な情報を受け入れるのは容易ではな
が、National Comprehensive Cancer Network
者に対してもこの方法を実施しており、患者負
い。いくつかの調査結果によると、医師の39%は
(NCCN)や他のガイドラインに合致し、最高の質
担分が増えることになる。
予後について患者に話さず 、医師の39%は入院
を保障する十分量を用いて、適切な治療および
・医療サービスへの対価を下げる方法。最も利潤
患者に死が近いことを知らせていなかった5)。病
診断プランを強く望むようになるのは時間の問
性の高い化学療法を選択できなくなり、利益幅
院の医療経営の観点からは、化学療法や支持療
題である。
の縮小が想定される。ぜひとも実施すべき方法
3)
4)
法を行うために入院させた方がよいということに
第二に、我々の多くが毎日のように行っている
なる。過去10年間に、がん治療医の収入は、他の
疼痛緩和療法の質を改善する必要がある。ここ
The Official Newspaper of the
2008 ASCO Annual Meeting
Vol. 11, No. 1
May 31, 2008
The publication ASCO Daily News
by the American Society of Clinical Oncology
is a service provided to all attendees.
American Society of Clinical Oncology
2007-2008
Nancy E. Davidson, MD
President
ASCO Daily News
Monica Morrow, MD
Editor in Chief
John W. Sweetenham, MD, FRCP
Associate Editor
Joy Curzio
Managing Editor
F. Hill Slowinski, JD
Executive Editor
Lori Alexander, MTPW, ELS
Virginia Anderson
Kate Casano, MHS
Alex Castellino, PhD
Tim Donald, ELS
Peggy Farrell
Carrie Gann
Walter Jones
Lynne Lederman, PhD
Donna Miceli
Allie Moore
KT Porter
Andrea Smiley
Robert Sumner
Melinda Tanzola, PhD
Deb Whippen
Contributing Writers
ASCO Daily News Japanese Edition
ASCO Daily News 日本語版
には、ベネフィットと有害性(治療目標、治癒の
Thomas J. Smith, MD
Professor and Chair, Division of Hematology/Oncology
and Palliative Care, VCU-Massey Cancer
ASCO Daily News
Nagahiro Saijo, MD PhD
Executive Adviser
編集顧問:西條 長宏 医学博士
Kei Muro, MD (ISSUE 1)
Kiyohiko Hatake, MD PhD (ISSUE 2)
Kenji Tamura, MD PhD (ISSUE 3)
Scientific Advisers
監訳者:室 圭 医学博士(ISSUE 1)
畠 清彦 医学博士(ISSUE 2)
田村 研治 医学博士(ISSUE 3)
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8F Towahoridomecho Bldg.,
2-1-1, Nihonbashi Horidomecho,
Chuo-ku, Tokyo, Japan, 103-0012
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発行元
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Shin Yoshimoto
Director of Publication
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編集責任者:宮川 晃 医学博士
Hiromi Harada
Zlatina Zlateva, MD
Japanese Translation & Editing
日本語翻訳&編集:原田 宏美
ゾラティナ ゾラテヴァ 医学博士
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The views expressed in ASCO Daily News do not necessarily reflect those of the American Society of Clinical
Oncology (ASCO). The information contained in this
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であるが、主要な保険加入者である大企業が反
ASCO Daily Newsで述べられた見解は、必ずしも米国臨床腫瘍
学会の見解を反映しているものではない。
この出版物に掲載されて
いる情報は、教育的な目的のためだけに提供されている。腫瘍学の
分野には様々な意見があり、
この出版物の記事は、
ひとつの考え方
にとらわれずに読者に情報を伝えることを目的としている。
これらの
記事は、包括的なものでなく、従来の科学的情報源や医療提供者
の個人的な判断に取り代わるものとして使用されるべきではない。
ASCOは、ASCOにおいて討論され、広告された情報、出版物ある
いはサービスの誤用に対して一切の責任を負わない。
発しない程度で行った方がよいだろう。 4Aへ
© 2008 by American Society of Clinical Oncology. All rights reserved.
4A • ASCO Daily News • Saturday, May 31, 2008
2Aより がん治療医の約40%弱は19)、処方制限
あり、患者の33%では6ヵ月以内に治療効果が失
州にある大手ホスピス組織は、きちんとモニタリ
1人あたりおよそ$5,000のコスト削減が可能であ
を守れず、懲罰制度が徹底されれば、職を失う可
われるという事実を直視しなくてはならない21)。
ングが施された対症療法が行われる中での、化
った25)ことが報告された。
能性がある。
治療による予後改善に寄与する因子を明らかに
学療法を可能としたオープンアクセスホスピス
・臨床ガイドラインに則って医療サービスを最適
する必要があることは明白である22)。すぐにで
モデルへと移行した。ホスピスはただ単に通常
に配分する方法。化学療法が反応性の高いと考え
も、我々は疼痛緩和療法の有効性、化学療法に
療法を行っただけではなく、専門医による治療
られる患者に行われているかどうか、死が避けら
$6,000もの費用を投下する前に治療成功の可能
のコーディネートを行い、可能であれば対症療
世の中には、よりよい治療法が存在する可能
れなくなってから化学療法の総量が削減された
性があるのか否かを文書にまとめる必要がある
法としての放射線療法や化学療法を行うが、コ
性がある。正確にいうと、より少ない対症療法と
かどうかをリアルタイムで監視する20)。NCCNガイ
だろう。
ストは決して高くはない。このホスピスでは、こ
しての化学療法と支持療法(bisphosphonatesを
よりよい方向へシフトすることは、患
者にとってはより有益であろう。
ドラインに則って、化学療法から疼痛緩和療法
ベッドサイドの延命療法は社会的な課題であ
れにより患者数と利益が倍増した(Mulder JA,
3カ月毎、少用量赤血球造血刺激因子製剤、少用
へいつどのように切り替えるかを検討することに
り、特に患者が生存を強く希望する患者する場
presented at American Academy of Hospice
量白血球増殖因子などの投与)により、同等もし
なる。
合には対応は難しい。そのため、保険機構およ
and Palliative Medicine)。現在、より大規模な
くはより高い有効性を得て症状の緩和も可能で
び政策決定者は、この大きな問題に取り組む必
Shared-careプログラムが検討されており、もしラ
はないか。もし、患者が余命期間とQOLの低下に
要がある。
ンダム化試験によりSimultaneous care23)あるい
関して知るよしがなければより負担の少ない治療
疼痛緩和化学療法は医療費を削減する現実的
な方法となりうる。余病14日以内の固形がん患者
に投与された化学療法の有効性はない(あるい
は副作用によって死期を早める)と考えても問題
対症療法とのコーディネーション
の有用性が確立されれば、 コスト
法を選択するであろうが、その場合は彼等の見解
削減に大いに役立つであろう。最近の臨床試験
を考慮すべきであろう。その結果、社会に対して
は対症療法
24)
はないと思われる。その費用を他のがん治療に
我々は、もしオープンアクセスホスピスモデル
で、対症療法と通常療法の比較した結果、対症
は負担が減るのであろうが、しかしながら、高収
割り振れば、社会的に大きな動きとなる。乳癌で
のケアをきちんとコーディネートできるならば、
療法でも通常療法と同等の治療効果と生存期間
入のオンコロジストの収入は減るであろう。■
はfourth-lineの化学療法への反応性は不十分で
化学療法を継続できる可能性がある。ミシガン
が得られつつ、死亡前の入院を減らすことで患者
(注:引用に関してはwww.asco.org/dnを参照)
ASCO の主導権を形成するボランティア活動は極めて重要
腫瘍学に関連する問題を国家的な問題として俎上にのせよ
今年のASCO 年
次総会における 教
「幸い、以前と比べてボランティアに
育プログラムとサイ
興味を持つ人が増えているが、我々は
エンティフィックプ
ログラムを充実させ
ることは、非常に重
アの激務と献身なく
Daily Newsのインタビューでこうした考え
ならない。組織のリーダーシップを発
ていることを強調している。また、ASCO
を繰り返した。「腫瘍学者と患者は、予算
が、州レベルで強力な組織を確立・維持
配分の効果的要求のために声を上げる必要
するための資金とサービスを提供してい
があります。ASCOは、こうした体系化さ
ることを明らかにした。患者の最良のが
れた『声』であり、政策決定者は腫瘍学者
ん治療をサポートする方針の確立には、
の声に耳を傾けなければなりません」。
州や地方自治体での発言力が強いことが
ボランティア活動と自発的な声は、世界
重要である。州レベルで提唱ができれ
中の腫瘍学の研究および実務の進歩にとっ
ば、腫瘍学分野での国レベルの代表者と
てのみならず、ASCOの継続的活動とその
してのASCO自体の力が当然のことながら
成功に欠かせない要素である。糖尿病治療
重要視される。
の改善、心疾患研究の懸念の解消、保険で
アを続ける重要性についてディスカッションを行
のである。さらに、腫瘍学における日常臨床に
影響する諸問題が地域レベル、全国レベルの問
題として反映されることも、ASCO会員の協力と
献身なくしては成しえないものである。
本日午後の教育セッション“Enhancing Your
Career: Getting Involved in ASCO and Other
Medical Societies”では、学会内外でのボランテ
ィア活動の価値が強調される。ASCO理事・副
会長で、セッション座長のAllen S. Lichter, MD
は、ASCO Daily News紙のインタビューで、
「学会の将来的な発展は、組織の利益のために
時間を惜しまない優秀な会員ボランティアにか
かっている」と述べた。同氏は「ASCOは、全会
員がボランティアに興味を持ち、その活動を理
解することを確実にしたいと考えている」と述べ
「幸い、以前と比べてボランティアに興味を持つ
人が増えているが、我々は常に新しい人材の関
与を求めなければならない。組織のリーダーシ
ップを発揮する優秀な人材を常に求めている」
と続けた。
セッションでは、パネルの専門家から、ボラ
ンティアサービスの例示とともに印象的な記録
が報告される予定である。the
University
of
MichiganのDouglas W. Blayney, MDは、職業・
個人の両面から、ボランティアサービスの利点を
強調し、ボランティアになることでのキャリアア
ップの側面を強調する予定である。Blayney氏
は、ASCO Daily News紙に「ボランティアは、非
常に興味深い仕事の機会となるばかりでなく、
通常では、仕事上の関係としても友情としても確
立することができない、世界中から来米している
がん研究者に会うことができる」と語った。
ASCO会計担当であるVanderbilt-Ingram
Cancer CenterのBruce J. Roth, MDは、ボラ
定者に知らせ続けなければならないと考え
がこの外郭団体とASCOの橋渡しとなっ
ンティアに関わる方法と生涯にわたりボランティ
しては成しえないも
Representativeとしての活動
常に新しい人材の関与を求めなければ
Allen S. Lichter, MD
Allen S. Lichter, MD
Committee
ているが、Dr.
れには、企画に参画
した会員ボランティ
のあれこれを、一般市民、立法者、政策決
Clinical
について議論し、こうした役割での参加
揮する優秀な人材を常に求めている」
要な作業である。そ
Practice
OncologistのASCO
う。学会内で重要で有意義なボランティア活動
の役割の1つに、年次総会プログラムの一部を作
成することがあげられる。ASCO年次総会の広
範囲にわたる企画プロセスの一部に参加するこ
Blayneyは学会前のASCO
国レベルでの組織の多くは腫瘍学分野
担保されない治療法の改善などの問題に対
の情報を必要としている。New
Mexico
する多くの声のなかから、腫瘍学分野から
Hematology-Oncology Counsultants, Ltd.の
の声が聞き届けられれば、腫瘍学者もテー
Barbara I. McAneney, MDは、American
ブルに着かなければならない。腫瘍学分野
ーダーシップの責務でもある。
Medical Association (AMA) との長年の
の見解が広く聞き届けられれば、医学での
共同作業について、「医療は米国経済で
リーダーシップの質を向上させ、腫瘍学者
ボランティア活動
7番目の領域であり、医療分野外の人間
の懸念が確実に十分に表明されるようにな
が医療の管理を我々だけに押しつけるこ
る。学会前のASCO Daily Newsのインタ
とはできないことを医師は認識すべきで
ビューで、ボランティア活動に対するDr.
す。したがって、我々の職業に影響する
McAnenyの熱意は明らかであった。「ボ
決定に参画する意志があるかどうかが我
ランティア活動に費やす時間からは、人生
々の唯一の決断です。時間、専門知識、
にとって得るものが多く、価値がありま
努力、資金をボランティア活動に提供し
す。それは想像以上に大きいのです。生活
ないとすれば、我々の意志を反映させた
の幅の広い、他人にアピールする人間にな
決定を期待できません」とASCO
れます」。■
とのみがASCO内におけるボランティア活動の
機会ではないが、総会が発展するに伴い、プロ
グラムの内容(質)と出席者数の両面において、
企画プロセスを進化させていくことは、ASCOリ
ボランティアの指導者となることが本
学会の今後の方向性を形作るのにどう役
立つかを、Dr. Rothが解説した。Dr. Roth
は、あらゆる医療システムでがん患者に
正しい治療を確保する地位と方針を確立
し、また、あらゆる局面で腫瘍専門医の
技量をより向上させるために、このこと
が重要と考えている。
「腫瘍学者と患者は、予算配分の効
果的要求のために声を上げる必要が
ある。ASCOは、こうした体系化された
『声』であり、政策決定者は腫瘍学者
の声に耳を傾けなければならない」
-Douglas W. Blayney, MD
ASCO President-Elect
Commonwealth Hematology-Oncologyの
Therese M. Mulvey, MDは、ASCO State/
Regional Affiliates Programの中で長年活
動しており、ボランティア活動(ASCOが
直接行っているものではないが)が極め
て重要で人生を豊かにすることを述べ、
また、Massachusetts Society of Clinical
Daily
Newsのインタビューで語っている。
Dr.
McAnenyは、次の10年、医療提供
体制、医学教育、研究の構造、資金提供が
「大激変」に直面しつつあることを述べ
る。あらゆる専門領域のすべての医師にと
って共通の土台となり得る組織が必要であ
る。Dr.
McAnenyによれば、「自分以外
の人々なくして、我々は最善を尽くせませ
ん。生検や切除を行う外科医や、スクリー
ニングを行うプライマリケア医や、新しい
治療法を開発する研究者がいなければ、が
ん患者の治療は不可能」なのである。Dr.
McAnenyによると、AMAでは、他者の仕
事を評価し、すべての患者のニーズのバラ
ンスをとることを学ぶフォーラムを開催
している。AMAは、腫瘍学に特有の懸念
最新の抄録情報
ASCO年次総会 Proceedings I 発行以
後の研究発表の中止やデータ・表のエラー
による抄録の変更は、情報のonline版に反
映されています。www.abstract.asco.org
で、ページの一番下にある“2008 Annual
Meeting Proceedings Part I errata”を
クリックすると、変更のリストや抄録自体を
見ることができます。抄録はすべて、ナンバ
ー、著者、キーワードで検索できます。
6A • ASCO Daily News • Saturday, May 31, 2008
Cancer.Net の紹介 患者向けがん情報リソース
アレビューを得て掲載されている。また、ASCO
の患者向けウェブサイトはWeb Marketing As-
設置されている
ASCOが提供する、患者向けaward-winning
6年間にわたり抗がん治療に関する信頼性の高
sociation Web Awards competitionで5回もの
Patient
Infor-
ウェブサイトが 新たな名前とU R Lになりリニ
い情報を提供してきたこのウェブサイトは、120
賞を受賞している。また、Health On The Net
mation
Booth
ューアルされた。患者やその家族向けのがん
種以上にもおよぶ種類のがん、およびがんの症
FoundationのHONcode principlesの定期購読
に て入手 可 能
に関する情報源であるPeople
Living
表玄関口付近に
With
状についての情報はもちろんのこと、臨床試験
もある。
である。E-mail
Cancer(www.plwc.org)は、今回のリニュー
や、副作用のマネジメントの方法、対症療法、生
このASCOが提供する患者向け情報を掲載し
での問い 合わ
アルにより従 来どおりの高いクオリティを有
存率に関しての問題点についても豊富な情報を
たこのウェブサイトは、インターネットサーチエン
せはcontac-
し、Cancer.Netの中で見ることができる。
提供している。また、解剖学的所見や各ステージ
ジンでもやがて上位にランク付けされるであろ
t u s @ c a ncer.
ウェブサイトのデザイン、およびタイムリーで正
におけるがんの病状についてイラストを交えつ
う。さらに、このウェブサイトはASCOの関連ウェ
net、電 話 での
確性の高い内容は、以前と同じままで残ってお
つ、スペイン語でも説明されている。さらに、毎
ブサイトとしてASCO.orgにもリンクされている。
問い 合わせは
り、ASCOが掲げる抗がん治療における“world
週更新される情報記事や専門家を探すための
Cnacer.Netを患者や同僚に奨める際には、紹
703-519-2927。
of difference”を反映している。そして今、患者と
情報も掲載されている。気軽にダウンロードして
介カード、リーフレット、ポスター、マウスパッド
ま た 、明 日 の
共有できる信頼性の高い情報を得られるリソー
聴けるポッドキャストサービスも備えている。
など、オフィスで使用できる便利なものをプロモ
ASCO
全てのコンテンツは、150名以上の専門家から
ーションのためのグッズ類がプレゼントされる。
NewsのSection Cにも続報が掲載される。■
構成されるCancer.Net Editorial Boardによるピ
サンプルやオーダーフォームは、Exhibit Hallの
スとして、Cancer.Netという覚えやすい名称でリ
ニューアルされた。
Robert L. Comis, MD
Daily
がんとの闘い:政府の背中を押すには、公的支援が必要
多数の新しい治験薬の増加にもかかわらず、臨床がん研究資金は減少
がんとの闘いに対し、政府は戦意を喪失したと
った。最終的に、予算はインフレ補正のない状
イエンティフィックなキャリアを育成する役割を担
のセンターは、学 術的、地域的臨床の返済を
見受けられる。基礎試験から臨床試験まで、公
態で既存のレベルの資金提供がなされた。あり
っている。利用できる基礎科学の資金の減少が、
損ない続けている政 府資金提 供試 験におい
的資金による研究援助は、近年減少している。
がたいことに選択的イニシアティブのおかげで、
若い基礎研究者を落胆させ、権利を奪っているの
て、Medicare受益者がサービスを受ける前に科
この減少は、がん患者、特に政府支援の専門家
追加資金も提供された。しかし、それまでに「信
と同様に、新しい研究開発の減速は、若い臨床
学的レビューを行う1層を追加することを決定し
が評価する臨床試験に興味を持ち、参加を希望
頼の危機」が生じることとなった。インフラは解
研究者のキャリアに影響を及ぼしている。
たと見られる。患者保護の責任を負う機関間の
する患者の治療選択肢を狭めることにつながり
体され、遅れたり、中止される研究もみられ、12
臨床試験がより複雑化、高額化しているのに
不協和音は続く。
かねない。
か月で3,000例(12.5%)の患者が減少した。同じ
対し、公的支援は縮小している。多くの試験は、
今後、我々はどこへ向かえばいいのだろうか。
多くのがん治 療 の 進 歩は、基 礎 研 究・臨
ように重大な問題は、新しい研究概念開発の急
多施設共同研究を含んでいる。分子予後・予測
公的セクター、私的セクターのいずれも、NCI
床研究の資金支 援が増加した時期にみられ
激な減少で、過去のどの時点と比べても低い水
マーカーは、大規模全国的試験デザインを統合
が資金提供した臨床試験構造で行われる研究
る。National Institutes of Healthの予算が倍
準となった。概念の減少は、患者の機会を減少
するコンポーネントとして採用されている。NCI
からベネフィットを得ていることから、重要な臨
増した1998年から2003年の間に、新しい研究の
させ、臨床の場により効果の低い治療を選ぶこ
資金は、遂行においても、中心となる研究室レ
床研究が実行され、結果が共有化されるには、
インフラ整備が促進され、新旧研究者へのがん
とにつながりかねない。
ベルでも、そのような仕事に必要なコストを提供
公‐私のパートナーシップの確立が図られるべ
関連補助金資金提供の機会も増加した。この間
試験を待つ多数の新薬が先例のないレベル
できていない。
きである。がんに興味があり急速に成長してい
に、the National Cancer Institute (NCI)資金
で増加している時に、臨床がん研究のための公
提供の共同研究グループの予算も増加し、年に
共資金が減少していることは、非常に皮肉なこ
公的支援
約25,000〜27,000人、30%の増加が示された。
とである。がんパイプラインには、現在、600を
実施された臨床試験と、その返済の隔たり
ザイン、実施、情報工学の導入などにおいて、よ
この期間にNCIが資金提供して行われた試験か
超える薬剤があるが、これらの薬剤の大半は、
は、私的セクターと公的セクターの間で拡大し、
り効率化をめざすべきである。患者の生存に価
ら、thalidomide、5-azacytidine、rituximab、
特異的がん関連細胞プロセスに“標的”とされ
学術ベース、地域ベースの双方の研究者が公的
値を追加できる唯一の調整を確かなものとする
trastuzumab、bevacizumabなどの薬剤におい
た薬剤であり、数十年の公的資金基礎研究に
資金研究から締め出されてしまうことが不可避
ために、歪んだ調整環境に対しては真剣に取り
て、米国食品医薬品局(FDA)の新しい効能認可
より創出されたものである。過去10年以内に公
の事態となっている。
組むべきである。患者、支援団体の患者代表、
につながった。がん臨床試験研究へのサポート
的・私的に資金提供された臨床試験は、血液学
臨床研究者とその患者は、政府機関による
全国の数百万のがん生存患者とのより堅固な協
が減少した2003年以後、公共システムにおける
的疾患、腎がん、肝がんなどのような稀な疾患と
調整の迷路の中で混迷している。政府機関は、
調関係の確立も重要な課題である。結局、がん
がんの新しい治療開発の進歩は危機にさらされ
同様に、肺がん、大腸がん、乳がんなどの主要
本来、がん患者の利益のために働くべきである
治療は、公的支援を必要とする高額の試み、努
ている。共同研究グループの予算は、2003年に
ながんにおいても、これらの分子標的治療の役
が、実際には相反する目的で働いている。損害
力である。その目的に至る最終共通経路は臨床
は1億6千万ドルであったが、その後1億4千万ド
割を明らかにした。これらのポジティブな臨床
を被る研究コストの35%は、調整問題に直接関
試験プロセスにある。ともに連帯し、我々は、政
ルに減少し、インフレ補正ドルで22%の減少が
試験は、基礎的がん研究の進歩ががん治療の
連するとの見方もある。経費削減をめざすNCI
府の行政府、立法府のいずれにも、がん撲滅の
示された。2006年、同グループは、約10%予算
改善につながるという基本的な「原則の証明」
で働く人々は、データ収集の合理化を試みてい
ための意志を、再度吹き込む必要がある。■
を削減した資金計画を作成するように、NCIか
を確認するものだった。
る。一方、公的セクターと私的セクター間の「競
(このトピックの詳細は、月曜日のthe Leadership
ら指導された。臨床研究者と患者に、患者の臨
資金の減少はまた、新しいがん研究者の機会
争の場を公平にする」ことをめざしているFDA
Perspectives article Section Bを参照ください。)
床機会を減少させるという依頼は、不信、抵抗
を狭める。歴史的に、NCI資金による臨床試験シ
は、より詳細なデータ収集とモニタリングを要
を生み、大きなメディアの注目を集めることとな
ステムは、オンコロジー臨床研究のリーダーのサ
求している。Medicare & Medicaid Services
Late-Breaking Abstract の発表
4つのlate-breaking
abstracts(LBA)が発
泌尿生殖器がん領域では、VEGFRおよびチロ
表された。3つの発表は消化器(結腸・直腸)が
シンキナーゼ阻害薬を用いた治療で進行した
ん、1つは泌尿生殖器(睾丸、腎臓、膀胱)がん
転移腎細胞がんに対する対処療法と対処療法
の領域で口頭によるプレゼンテーションが行わ
+RAD001を比較した試験(LBA5026)の発表
れた。消化器がん領域では、進行結腸直腸がん
が行われた。
に対する5-fluorouracil/leucovorin (FULV)
これらの他、日曜日と月曜日にさらに12の
とFULV+oxaliplatinを比較した第III相試験
LBAが発表される予定である。これらのスケジ
(LBA4005)、capecitabine+oxaliplatin+bevac
ュールは、ASCO Daily Newsの別欄に記載され
izumabと同レジメンへのcetuximabの併用の有
ている。また、The 2008 ASCO Annual Meet-
無を比較した試験(LBA4011)、肝臓転移に対
ing Proceedings, Part IIでは、試験の最終集計
するCR後のアジュバント療法としての5-fluorou-
結果と結論が得られる。全てのLate-breaking
racil/folinicacidと同レジメンへのirinotecan
abstractの要旨はASCO.orgへのアクセスで入
の併用有無を比較した試験(LBA4013)が、
手可能である。■
る慈善団体も、そのプロセスに組み入れられる
べきであろう。全体のシステムは、研究開発、デ
本日の Late-breaking abstract の発表予定
口頭発表
消化器(結腸・直腸)がん
3:00PM-6:00PM Hall D1, East Building
3:00 PM
“A phase III trial comparing FULV to FULV + oxaliplatin in
stage II or III carcinoma of the colon: Survival results of NSABP Protocol C-07” (Abstract LBA4005)
Presenter: Norman Wolmark, MD
4:45 PM
“Randomized phase III study of capecitabine, oxaliplatin,
and bevacizumab with or without cetuximab in advanced
colorectal cancer (ACC), the CAIRO2 study of the Dutch Colorectal Cancer Group (DCCG)” (Abstract LBA4011)
Presenter: Cornelius J. Punt, MD, PhD
5:30 PM
“Randomized phase III trial comparing infused 5-fluorouracil/folinic acid (LV5FU) versus LV5FU + irinotecan
(LV5FU+IRI) as adjuvant treatment after complete resection
of liver metastases from colorectal cancer (LMCRC). (CPT-
GMA-301)” (Abstract LBA4013)
Presenter: Marc Ychou, MD
Oral Abstract Session, Genitourinary Cancer (Testes,
Kidney, and Bladder)
3:00 PM–6:00 PM • W375E, West Building
4:30 PM
“RAD001 plus best supportive care (BSC) vs. BSC plus placebo in patients with metastatic renal cell carcinoma (RCC),
that has progressed on VEGFr-TKI therapy: Results from a
randomized, double-blind, multicenter phase-3 study” (Abstract LBA5026)
Presenter: Robert J. Motzer, MD
Saturday, May 31, 2008 • ASCO Daily News • 7A
学会の全体像を包括的に紹介する
General Oncology Session
学会への登録数は年々増加の一途をたどり、
た。2006年、同Committeesは、特定領域のオン
出席者はASCOの規模の大きさに圧倒される
コロジストが、全演題から最も大事なセッション
であろう。多数の様々な演題がある中で、学会
に参加でき、会場内の巡回をより簡単にするた
出席者をナビゲートするための数々の資料が提
めの“Meeting within a Meeting”というコン
供されてはいるが、去年までは特定の領域の専
セプトの構築を試み た。そして、Cancer Educa-
門医が興味を持つような演題などに関しては特
tion Committee meeting 2007では、学会参加
に強調されることはなかった。そこで、本年の
者は何百もある演題の中から、このセッション
ASCO 2008では、一般オンコロジストから一般
で紹介された演題を主に選択していた。この試
開業医まで、それぞれが巡回スケジュールを作成
みにより、一般オンコロジストでも幅広い演題の
できるような新たな資材を提供している。
中から代表的な演題へのアクセスが簡単に行え
General Oncology Sessionは、キーとなる医
るようになった。
学的所見に関しての説明があるので、初めて学
これら14のセッションで紹介される演題に
会を訪れた人でも、また特定の領域の専門医で
は、様々なタイプのものがある。臨床上の問題を
も、興味を持てるような重要な所見を考慮に入
扱った演題は、Education Sessions、Oral Ab-
れ、それぞれが理想的なスケジュールを組むこ
stract Sessions、Clinical Science Symposiaで
とができるであろう(General Oncology Ses-
も発表される。このセッションで紹介される演
sionsについては別欄を参照)。
題は、同時間開催の演題の紹介はされないた
General Oncology Sessionではまた、本総
会で報告される、より高度な研究結果に関する
め、学会出席者はより簡単に巡回スケジュールを
作成することが可能である。
情報を入手できる。14のEducational Sessionと
これらのセッションは一般オンコロジストや一
Scientific SessionsをはじめPlenary Sessionや
般開業医、さらには始めて学会に参加する人を
Highlights of the Day Sessionsでは、乳房、婦
対象にしたものであるが、学会参加者全員にと
人科、消化器、中枢神経、肺などの主要な領域
って有意義な情報を得られる場でもある。
をカバーしている。
Scientific Program Committee ChairのMi-
これらの各セッションでは、ASCO
Educa-
chael A. Carducci, MD(Johns Hopkins Uni-
tion and Program Executive Group、Cancer
versity)は、ASCO Daily Newsに対して「これ
Education
Program
らのセッションは、始めて学会に参加される方や
Committeeの専門家により、一般オンコロジス
一般オンコロジストの方以外でも、大まかな全
トが興味を持てるような演題が選定されてい
体像をとらえる場として活用できる」とコメントし
る。学会規模の拡大とともに演題数も多くなっ
た。■
Committee、Scientific
本日から火曜日にかけて開催される General Oncology Sessions
Saturday
Advances in the Management of
Ovarian Cancer
1:15 PM–2:30 PM, Room S406
(Vista Room), South Building
Adjuvant Chemotherapy for Non-small Cell
Lung Cancer: Who, What, and When?
3:00 PM–4:15 PM, Room E451A,
East Building
Measuring Quality of Care and Effecting
Practice Improvement
4:45 PM–6:00 PM, Room S100B,
South Building
Sunday
Upper Gastrointestinal Overview 2007-2008:
Practice Implications of
the Newest Data
8:00 AM–9:15 AM, Hall D2, East Building
Highlights of the Day I including Clinical Trials
Participation Awards
8:00 AM–9:30 AM, Hall B1, North Building
2007-2008 Lower Gastrointestinal Overview:
Practice Implications
9:45 AM–11:00 AM, Hall D2, East Building
The Growing Challenge of CNS Metastases: New
Therapeutic Approaches
11:30 AM–12:45 PM, Room S406
(Vista Room), South Building
Plenary Session including Science of Oncology
Award and Lecture
1:00 PM–4:00 PM, Hall B1, North Building
Integrating the Humanistic and Scientific
Aspects of Patient Care: The Perspective of
Seasoned Surgical, Medical, Pediatric, and
Radiation Oncologists
4:45 PM–6:00 PM, Room S404A,
South Building
Monday
Rational Strategies for the Choice of Therapy
for Patients with Metastatic Kidney Cancer
8:00 AM–9:15 AM, Room W375D,
West Building
Highlights of the Day II
8:00 AM–9:30 AM, Hall D1, East Building
Endocrine Therapy of Breast Cancer in the
Adjuvant Setting
11:30 AM–12:45 PM, Hall D1,
East Building
Adjuvant Chemotherapy for Non-small Cell
Lung Cancer: Who, What, and When?
3:00 PM–4:15 PM, Room E451A,
East Building
Tuesday
Highlights of the Day III
8:00 AM–9:45 AM, Hall D1, East Building
Dr. Jay R, Harris, MD が Gianni Bonadonna Award を受賞
乳がん研究の草分け、臨床研究の実施について語る
乳がん研究者Dr. Jay R, Harrisにとって、Gianni
究契機であった。1973年に研修医となったころ
Women’s Hospital
は多くの役割を担ってきた。1985〜1988年に
Bonadonnaはなじみのある名前であり、今年のGi-
は、治療オプションとして乳房温存を検討し始
の放射線腫瘍学部
はJCOの編集委員を務め、1997〜2000年には
anni Bonadonna Awardの受賞者に選ばれたこ
めた時期であった。
「これは研究テーマとしてす
の教授兼部長であ
ASCO理事を務めた。American Society for
とはうれしい驚きであった。Dr. Harrisも、また
ばらしいチャンスだと思いました」。祖母に会っ
る。また、Harvard
Therapeutic Radiology and Oncologyの理事
妻のNancy Lee Harris, MD(リンパ腫の病理学
たことはなかったが、祖母の病気は彼の心に種
Radiation Oncolo-
会会長および議長、ならびにAmerica
の国際的権威)も、Dr. Bonadonnaを自分たちの
をまき「この2つのことが私を研究に導いたので
gy ProgramのResi-
of Radiologyの評議員も務めた。自身の研究、
領域の偉人と認識している。Gianni Bonadonna
す」と、Dr. Harrisは言う。
dency Program Di-
指導、それに腫瘍学の分野での4誌の編集委員
の他、Diseases of the Breast(Marc Lippman.
Board
Awardは、9月5〜7日にワシントンDCで開催され
Dr. Harrisは、Cornell Universityで数学を
rectorでもある。Dr.
るASCO’s Breast Cancer Symposiumで、Dr.
専攻し、後にStanford University School of
Harrisは、個人的な
Harrisに贈呈されることになる。この賞は、乳が
Medicineの奨学金を得て統計学の修士号を取
研究だけではなく、
ん分野のDr. Harrisの卓越した業績記録をとど
得、Harvard Medical SchoolのJoint Center for
若い研究者にキャリアを積ませることも心がけ、
めるものである。Dr. Harrisの研究といえば、乳
Radiation Therapyで研修を修了した。Dr. Har-
非浸潤性乳管がんおよび乳房切除後の浸潤性
Gianni Bonadonna, MDはInstituto Nazi-
がんの治療における放射線治療の利用である。
risが乳がんの臨床 研究への関わったのは、数
がん双方の乳がんでの放射線使用の最適化の
onale Tumori(イタリア)のがん研究者であり、
中でも浸潤性乳がんおよび非浸潤性乳管がん患
学および統計学への興味のためだとしている。
「
ための臨床研究に大きく関与している。最近、
その業績を基に、現在広く用いられている乳が
者の乳房温存療法の開発と最適化にかかわっ
こうした研究に関わるのが非常に刺激的だとい
研修医Paul Nguyen, MDと共著(筆頭著者)
ん治療レジメンが開発された。Dr.
てきた。このシンポジウムで、Dr.
うことがわかった」と言う。
で、”Breast Cancer Subtype Approximated
は、doxorubicinの使用を検討するための最初の
Harrisは、最
近の研究と 臨床でのその実践について、
『乳が
Jay R. Harris, MD
MD、Monica Morrow, MD、C. Kent Osborne,
MDと共著)を含む6冊の本を著しており、2009
年に第4版が出る予定の本もある。
Bonadonna
彼の研究は、乳がんの放射線治療の安全性
by Estrogen Receptor, Progesterone Recep-
臨床試験のデザイン・実施を行い、doxorubicin
Treatment
と有効性の向上とに連動しており、最も満足感
tor, and HER-2 Is Associated With Local and
、bleomycin、vinblastine、dacarbazineプロトコ
of Breast Cancer; Looking Backward to Gaze
を味わった職務上の業績は、全国の研究者の教
Distant Recurrence After Breast ?conserving
ルを開発した。このプロトコルは、現在でもホジ
Forward)と題した講演を行う予定である。
育と若い乳がん放射線腫瘍学研究者の指導に
Therapy”という論文を2008年5月10日付のJour-
キン病の治療のゴールドスタンダードである。
んの局所治療:温故知新』
(Local
Dr. Harrisは、1970年代初めにハーバード大
よるものである。「ここで研修を受けた研修医
nal of Clinical Oncology誌(JCO)に発表した
Dr. Harrisは、この草分け研究者名を冠した賞
で研修を始めて以来、乳がんの局所治療に関わ
や、ものごとを前に進めようと取り組んでいる全
(2008;26:2373-2378)。この論文では、従来の
を受賞することを誇りに思っており、今後1年は乳
ってきた。
「私のこれまでの進化と変化には長い
国の若い乳がん研究者の資質を大変誇りに思
病理学的分類ではなく、乳がんの生物学的サブ
がんを主とした翻訳研究に従事することを楽しみ
歴史がある」ASCO Daily Newsのインタビュー
う。またその研修や指導に関われたことが、私
タイプに基づいた乳房温存療法の成績について
とし「Gianni
にこう語ったDr. Harrisは、自身の経験から、乳
にとって非常に重要である」と結んだ。
「このように乳がんを分類すると、これが局所再
いる。Gianni Bonadonna Awardを受賞すること
発の最も重要な決定因子となる」と評価した。
は、大きな名誉です」とDr. Harrisは述べた。■
がん治療の将来に関して楽観的である。
祖母が乳がんと診断されたのが、乳がん研
Dr. Harrisは、Dana-Farber Cancer Institute
およびHarvard Medical SchoolのBrighan and
1980年以来、ASCOの会員であるDr. Harris
Bonadonnaの業績を高く評価して
8A • ASCO Daily News • Saturday, May 31, 2008
新規分子標的治療薬には独特かつ多種多様な副作用がみられる
分子標的治療薬は近年のがん治療において
(FDA)に承認を得ているbevacizumab、sora
いため、出現する副作用との関連が説明できな
したが、副作用に関する情報が不足しています。
非常に有効な治療法であり、従来の治療法と比
fenib、temsirolimus、lapatinib、sunitinib、da
いものも多い」と述べた。また、
「通常、がん専
しかし、これらの薬剤が有する有効性に関して
較するとがん特異性を有することが特徴である。
satinibの6つの分子標的治療薬に関して、どの
門医は薬剤がどのようなメカニズムによって副作
は様々な検討がなされています」と主張した。
「
これらの新規分子標的治療薬は、細胞毒性を発
ような副作用が発現し、どのようにマネジメント
用を来すのか、という点に関しては必ずしも必要
分子標的治療薬の副作用に関する研究が不十
揮する従来の抗がん剤とは異質の副作用を有す
するかに焦点が置かれた。分子標的治療薬の
な知見ではなく、どのような効果と副作用を有し
分なため、臨床試験の情報だけでは薬剤特有の
ることが分かってきた。5月30日(金)に開かれた
副作用には、下痢、皮膚毒性、爪の変形・変色な
ているのか、という点を十分把握しておくべきで
副作用に対する知見やその対応にも限界があり
教育セミナー“The Toxicity of Targeted Thera-
ど、従来の化学療法にみられたものもある。しか
す」とコメントした。
ます。今後も新規分子標的治療薬は幅広く多く
pies: Specific Effects of New Agents”では、分
し、Dr. Brell他、Scot C. Remick,MD.(Mary
Dr.Remickは、「分子標的治療薬では心血
のがん種に承認され、多くのがん専門医が新規
子標的治療薬の副作用のマネジメントがいかに
Babb Randolph Cancer Center)とAlex A.
管系に及ぼす副作用やその他の慢性的な副作
分子標的治療薬を投与することが予想されるた
大切であるかについての講演が行われた。
Adjei, MD, PhD (Roswell Park Cancer In-
用の発現が認められています」と述べた。分子
め、副作用対策が極めて重要であると考えられ
座長を務めたJoanna M. Brell, MD(Univer-
stitute)は「これら分子標的治療薬による治療
標的治療薬による治療を受けた患者では、高
ます」と述べた。さらに、治療を行う前に、既往
sity Hospitals Case Medical Center)はASCO
を受けている患者では、従来の抗がん剤にはみ
血圧、蛋白尿、冠状 血管症候群、左心室機能
や合併症としての高血圧や慢性閉塞性肺疾患な
Daily News誌に以下のようにコメントした。
「こ
られなかった間質性肺炎や、胸水貯留、膵酵素
障害、QT時間の延長などがみられ、これらの
ど、患者の病状を評価して把握しておくべきであ
れらの薬剤は市場に出て間がないものの、実際
の上昇、トリグリセライドの上昇など、特徴的な
副作用はアジュバント療法時にもみられてい
ると強調した。Dr.
に多くの患者に対して使用されています。多くの
新しい副作用がみられています。しかし、通常の
る。ASCO Daily News誌によるインタビュー
把握することは、循環器や腎臓の専門医をはじ
がん専門医は、これらの新規薬剤が患者にどの
抗がん剤治療にみられる悪心・嘔吐、白血球・
で、同氏は、「これらの心血管系の副作用は、
め、他領域の専門家からの協力を得ることが必
ような影響を及ぼすかわかっていません。しか
血小板減少などの副作用は、例えば分子標的治
高齢がん患者においてよくみられます。我々は、
要不可欠です」と述べた。
し、今後もさらに多くの専門医がこれらの新規
療薬であるlapatinibと従来の化学療法である
患者の生存期間を延長させるためにも、心血管
従来の抗がん剤に加えてこのような新規の分
薬剤を投与するようになることから、これらの薬
capecitabineを併用した際以外にはほとんどみ
系の副作用の発現に関してどのように予防して
子標的治療薬が承認され臨床導入されたことに
剤は従来の抗がん剤とは異なる特性を有してお
られません」と警告している。
Remickは、
「患者の病状を
マネジメントすれば良いのかを学ぶ必要があり
よって、より有効な化学療法が施されるようにな
り、副作用のマネジメントに関して細心の注意
Dr.Adjeiは、分子標的治療薬の標的とする分
ます。また、副作用の幅広い知識を有し、さらに
った。Dr. Remickは、
「我々は、治療によりがん
を払う必要があることを認識すべきです。また、
子を阻害することによって発現する毒性および
は、治療のベネフィットと心血管系の副作用のリ
そのものは縮小しなくとも、患者の全生存期間
これらの薬剤は腫瘍縮小よりも、腫瘍を増悪さ
偶発的に発現する毒性の病態生理学に関して
スクに関して精通していなければなりません」と
と無増悪生存期間は確実に延長するという、化
せないという(cytostaticな)特徴を有しているた
報告した。
「例えば、高血圧の副作用に関しては
コメントした。分子標的治療薬はがんに対する
学療法の歴史の中で新たな時代を迎えていま
め、治療を継続させていくことが重要であり、そ
メカニズムとして理解しやすいが、他の副作用
優れた治療効果をもたらしているが、同時に、
す」と述べた。■
のため副作用に関する知見をしっかりと理解し
に関しては分子標的治療薬がどのようなメカニ
がん専門医は患者への投与前にこのような副作
ておく必要があります。」
ズムによって標的とする分子に作用するかにつ
用に対する配慮が必要となる。Dr.Brellは、
「こ
いては、全てが明らかになっているわけではな
こ数年で多数の分子標的治療薬が承認されま
この セミナ ーで は 、米 国 食 品 医 薬 品 局
本学会の実況が見られる
テレビ放送を導入
ASCOは、参加者の教育に役立つように、本年
ASCO TVの放送は、毎日セッション開始の1時
から新しいシステム(ASCO TV)を導入した。
間前からセッション終了1時間後まで。ホテル~
注目のセッションは ASCO TV で
ASCOは、幹部からのメッセージ、ASCOプロ
コンベンションセンター間のシャトルバス内でも
ASCO TVでの本ASCO総会ハイライトの放
グラムだけでなく、2008年年次総会の一部セッ
ASCO TVを見ることができる。
送予定は次のとおり。
ションの録画を放送するネットワーク、ASCO TV
ASCO TVのプログラムの詳細は右欄参照。
を立ち上げた。参加者は、このシステムにより、参
加できなかったセッションを聴講し、復習したか
った部分を再度、聴講することができる。
参加者はMcCormick Place内のASCO TV
カフェで最新のプログラムをチェックできる。
ここでは、セッションの 合間に休 憩を取った
り、ASCO TVモニタでセッションを見たり、他
の参加者と交流したりできる。飲み物(有料)の
提供もしている。
McCormick Place内の
ASCO TVカフェ設置場所
• East Building, Hall E Lobby
• North Building, Grand Concourse Lobby
• South Building, S103
• West Building, W375 Lobby
Saturday
9:00 AM
2007 ASCO Annual Meeting Encore Presentation: Highlights of the Day I
11:00 AM
2008 Gastrointestinal Cancers Symposium
Encore Presentation: Novel Approaches to the
Management of Peritoneal Carcinomatosis
12:00 PM
2007 ASCO Annual Meeting Encore Presentation: Plenary Session
3:15 PM
2008 Genitourinary Cancers Symposium Encore
Presentation: Abstract No. 350 – “CALGB
90206: A phase III trial of bevacizumab plus
interferon alpha versus interferon-alpha monotherapy in metastatic renal cell carcinoma”
3:45 PM
2007 ASCO Annual Meeting Encore Presentation: Science of Oncology Award & Lecture
Sunday
9:00 AM
2008 ASCO Annual Meeting Opening Ceremony
& Karnofsky Award
12:30 PM
2008 ASCO Annual Meeting Highlights of the
Day I
3:15 PM
2008 Gastrointestinal Cancers Symposium Encore Presentation: Current Approaches to the
Management of Pancreatic Endocrine Tumors
and GI Carcinoids
4:30 PM
2008 ASCO Annual Meeting Highlights of the
Day I
Monday
10:30 AM
2008 ASCO Annual Meeting Plenary Session
12:30 PM
2008 ASCO Annual Meeting Highlights of the
Day 1
3:00 PM
2008 ASCO Annual Meeting Plenary Session
4:30 PM
2008 ASCO Annual Meeting Highlights of the
Day 1
Tuesday
8:00 AM
2008 ASCO Annual Meeting Highlights of the
Day II
11:00 AM
2008 ASCO Annual Meeting Plenary Session
10A • ASCO Daily News • Saturday, May 31, 2008
Vera Maranci, MD: 2007 年 Gianni Bonadonna Breast Cancer フェロー
University of MichiganのVera Maranci, MD
れる1年の5 万ドル
が病状とその早期治療に焦点をあてており、もう
研究では、ファルマコゲノミクス、および化学療
は、開会時のGianni Bonadonna Breast Can-
の奨学基金助成の
一方が、より後の、治療の応答後の段階におけ
法時に重要な役割を演じる遺伝子の解明に焦
cer
Awardの奨学基金助成部門の受賞者であ
2部門がある。奨学
る乳がんの解明に関係していることです。両方
点をあてている。
る。Dr. Maranciは、乳がん研究における卓越し
基 金は、臨 床試 験
のプロジェクトで奨学基金をいただけるのはす
「Bonadonna
たキャリアと目覚ましい業績により2007年に受
またはヒト被 験 者
ばらしいと思います」
たし、名誉にも感じています」Dr.Hayesは語る。
賞した、同施設のDaniel F. Hayes, MDによって
対象のトランスレー
Dr. MaranciはWayne State Universityで医
「このAwardの奨学基金部門は、腫瘍学研究を
選ばれた。この奨学基金は現在進行中の研究に
ショナルリサーチを
学の学位を取得し、その後、Wayne State Uni-
始めたばかりの若い人にとってとても重要です。
対し贈られる。
含む患者を対 象に
versity/Detroit Medical Centerの内科で研修
私には、指導してくれた人々に対して恩義があり
「奨学基金受賞と聞いて驚きましたし、光栄
した乳がん研究を
を修了した。2007年7月にUniversity of Michi-
ます。今度は、私が受けたと同じ学習と研究の
に思いました」。学会前のASCO Daily Newsの
行っている研究者を
インタビューで、Dr. Maranciはこのように語って
Vera Maranci, MD
Awardの受賞には興奮しまし
ganでフェローシップを開始し、同8月にASCOに
機会を若い人たちに与える責任があると思って
支援するものである。この奨学基金により、Dr.
入会した。Dr. Maranciのこのほかの研究上の興
います」
いる。
「Bonadonna Fellowshipのサポートのお
Maranciのような若い研究者が、受賞者の指導
味は、乳がん幹細胞のNotch阻害剤の耐性と効
「Gianni Bonadonna Breast Cancer Awardの
かげで、ポストフェロー後もこの研究を続けてい
のもとに患者を対象とした研究に新たに着手す
果の研究、食事と乳がんリスクの関係の研究、
ような賞は、がん研究の継続プログラムに重要
けると思います」。
「Dr. Maranciの乳がん研究
ることが可能になる。
乳がん生存者における体重と乳がん再発の関係
なものです」と言うのは、ASCOのCEO、Allen
で興味深いのは臨床とトランスレーショナルリサ
奨学基金は、Dr. Maranciの2つのプロジェク
の検討などである。
S. Lichter, MDです。
「乳がん患者、そしてこれ
ーチの双方の面である」とDr. Hayesは言う。
「こ
トに使われる予定である。
「1つめのプロジェクト
University of MichiganでのDr. Maranciの
から乳がんと診断された患者は、Dan Hayesや
の奨学基金はDr. Maranciの研究の貴重な資金
は、病状のモニターと病状進行の確認のため末
指導者は、University of Michigan Compre-
Vera Maranci、それに世界中の彼らのような研
源となり、彼女のキャリアのこの早い時期に重
梢血中のcirculating tumor cellsを対象とした
hensive Cancer CenterのBreast Oncology
究者が、新しい治療や新しい治療レジメンを毎
要なサポートとなります」
もので、この研究の最終目標は、治療が有効か
ProgramのClinical DirectorであるDr. Hayesで
日研究しているということを知って、いくらか気
ASCO
分が楽になるでしょう」■
FoundationとGlaxoSmith
どうかを決定するための、初期の有効性試験で
ある。Dr. Hayesは、その長い乳がん研究歴にお
Kline Oncologyの提携で生まれたGianni Bona-
Cancer
す。もう1つのプロジェクトは、乳がん細胞自体に
いて、基礎研究と臨床研究のギャップの橋渡し
donna Breast Cancer Awardは、卓越した乳が
着目し、治療に応答する乳がんとそうでないも
を対象としてきた。乳がん患者評価に現在世界
ん研究者を称える賞金1万ドルと講演、および受
のがある機序を解析することです」
中で使用されているCA15-3血液検査について
賞者の協力施設の若い乳がん研究者に与えら
「こうしたプロジェクトで興味深いのは、一方
最初に報告したのはDr. Hayesらである。最近の
日本語音声ブログ
プログラム
日本臨床腫瘍学会は、日本語で同僚の医
Vital Research に注目した演題のハイライト
『Highlights of the Day』と称して、本学
現代の臨床に応用できるかということについ
ただきたい。これらと類似したセッションに関
会で発表される全ての報告の中から重要だと
ての発表を聴くことができる。
してのリストがASCO Daily Newsに掲載さ
思われる演題の包括的な全体像が発表され
明日と月曜日には、質疑応答のセッション
れているので、そちらもあわせてご覧いただ
る。このセッションでは、専門家による最先端
が設けられる。本学会で、ぜひともこの重要
きたい。
の研究とこれらの最先端の研究がどのように
な最先端の研究に関しての情報を仕入れてい
Sunday, June 1, 2008
Hall B1, North Building
Co-Chairs
Nancy E. Davidson, MD
The Sidney Kimmel Comprehensive Cancer
Center at Johns Hopkins
Chair
James L. Abbruzzese, MD
M. D. Anderson Cancer Center
音する。ブログはポッドキャストに変換され、
毎日サイトに投稿される。ポッドキャストには、
学会の講演を特集した標準ポッドキャストが
Speakers
Joseph A. Sparano, MD
Albert Einstein Cancer Center
8:00 AM
Center at Johns Hopkins
詳細は、www.asco.org/podcast へ。
Speakers
Giorgio Scagliotti, MD
University of Torino
8:00 AM
受賞者プロフィールの
一部、ウェブサイトに
Joanna M. Brell, MD
University Hospitals Case Medical Center
8:15 AM
Speakers
Alberto F. Sobrero, MD
Oncologia Médica
8:15 AM
Robert Giuntoli, MD
The Johns Hopkins Medical Institutions
8:30 AM
Merrill S. Kies, MD
M. D. Anderson Cancer Center
8:45 AM
Shreyaskumar Patel, MD
M. D. Anderson Cancer Center
8:30 AM
Nancy Bartlett, MD
Washington University in St. Louis
8:45 AM
Margaret A. Tempero, MD
University of California, San Francisco
9:00 AM
Cristina Gasparetto, MD
Duke University Medical Center
8:45 AM
Sarita Dubey, MD
University of California, San Francisco
9:00 AM
Robert S. DiPaola, MD
The Cancer Institute of New Jersey
9:15 AM
Daniel P. Petrylak, MD
Columbia Presbyterian Medical Center
9:00 AM
Question-and-Answer Session
9:15 AM
Linda T. Vahdat, MD
Weill Cornell Medical College
9:30 AM
Monday, June 2, 2008
Hall D1, East Building
加者は電話参加録音システムでブログを録
携帯型 mp3 プレイヤーで、どこでも最新の
Jorge E. Cortes, MD
M. D. Anderson Cancer Center
8:30 AM
Question-and-Answer Session
9:15 AM
ASCO 年次総会で試験的に導入する。参
がん研究を聞くことが可能である。
Jeffrey S. Weber, MD, PhD
H. Lee Moffitt Cancer Center & Research
Institute
8:15 AM
Everett E. Vokes, MD
University of Chicago
る、音声ブログと呼ばれる双方向機能を、
付属している。参加者は、パソコンまたは
Highlights of the Day
All Highlights of the Day sessions are held from 8:00
AM–9:30 AM in the locations listed below:
師と経験を共有したりコメントをつけたりでき
Tuesday, June 3, 2008*
Hall D1, East Building
Chair
Michael A. Carducci, MD
The Sidney Kimmel Comprehensive Cancer
*There will be no Question-and-answer
Session on Tuesday.
ASCO Cancer Foundation は、独
創的研究の奨励と資金提供を通じた医
師の支援に力を入れている。
この支援を
腫瘍学分野に知らせるきっかけのひとつ
が、患者指向の臨床がん研究者に与え
られるAdvanced Clinical Research
Award (ACRA) である。
A C R Aの応 募 資 格は、最 終 研 修 後 5
~10年の経験があり、専門施設の臨床部
門にフルタイムで雇用されており、ポストド
クトラル/ポストフェロー研究を終了してお
り、研究者主導の独立した臨床研究を行
う能力があること、
また、現在、ASCO会員
であり、研究期間の75%を受賞対象研究
に割けることである。
本年のACRAのいくつかは研究を対象
としたものであり、受賞者のプロフィールは
サイトwww.asco.org/dnで見ることがで
きる。
また、ASCO年次総会のオフィシャル
ニュースペーパー、ASCO Daily News
のセクションB、Cにも掲載する。サイトでプ
ロフィールが見られ、受賞者は次のとおり。
Lajos Pusztai, MD, PhD
Raphael E Rousseau, MD, PhD
Scott M. Shuetze, MD, PhD
Saturday, May 31, 2008 • ASCO Daily News • 11A
遺伝子変異でわかるニコチン依存、禁煙の今後の研究
米国では、たばこの値上げと、一般向け健康
向を示唆した。急性のニコチンはニコチン受容
て、経路内の変異の検討と、それを表現型経路
C Y P 2 A 6 中 の 変 異 はニコチン 補 充 療 法
教育の結果、過去30年間に喫煙は減少し続け
体に結合し、これはドーパミンのような神経伝達
内の変動と関連づけがなされるだろう」と、Dr.
(NRT)に対する応答に影響するため、NRTの
ているが、現在でも米国では約4700万人、世界
物質の放出を刺激して幸福感および若干の認識
Swanは語る。
用量やタイプの推奨時には、個体のCYP2A6遺
では10億人が喫煙者である。2002年の喫煙関
機能の増加を引き起こす。長期使用により、ニコ
倫理上・社会的問題から制限されるものの、
伝子型または表現型を考慮する必要があるかも
連による死亡は300万人であった。ニコチン依存
チンおよびドーパミン受容体の機能が低下し、
思春期前の脳の発達経路の研究が、今後の研
しれない。ニコチンパッチは、slow metabolizer
性を低下させ禁煙に成功させることに関しては
その結果、精神安定や認識機能を維持するため
究の重要な領域となるであろう。
に対する高度に有効な禁煙法であることが判明
有効性が立証された治療はない。昨日の教育セ
により多量のニコチンが必要となる。ニコチン離
肝酵素チトクロームP4502A6(CYP2A6)
している(slow metabolizerでは、normal me-
ッション「一塩基多型、臨床試験、たばこ研究:
脱中は、ニコチン受容体の上方制御およびドー
の遺伝子変異とニコチン代謝、および喫煙に
tabolizerよりも同じパッチ投薬量でニコチン血
明白な証拠を探して(Single Nucleotide Poly-
パミン受容体の下方制御が起こる。喫煙者にと
対 するそれらの意 義 に関 する研 究も、今 後
漿濃度が上昇する)。fast metabolizerはブプロ
morphisms, Clinical Trials, and Tobacco Re-
って、離脱の影響(負の増強)の回避とニコチン
重要であると判明する可能性があるとしたの
ピオン(禁煙に有効であることがわかっている
search; The Search for the Smoking Gun)」で
の正の影響の追求(正の増強)が第一の考慮と
は、University of TorontoのRachel F. Tyn-
経口抗うつ薬で、ニコチン欲求の程度を低下さ
は、遺伝子変異、ニコチン摂取、禁煙手法に対
なる。
dale, PhDである。CYP2A6はヒトでニコチンを
せる)によく応答する。
する潜在的影響の関連を探求していた。
Dr.
Swanによると、ニコチン依存および関連
代謝不活性化する主要な酵素であり、ニコチン
slow metabolizerを模倣するようにCYP2A6
座長のM. D. Anderson CancerのMargaret R.
する表現型が関わる25以上の全ゲノム連鎖スキ
をコチニン(本質的に薬理活性のない分子)に
活性を操作する治療は、禁煙補助にも有用であ
Spitz, MDは、ニコチン依存性は双生児の研究で
ャンが報告されていると言う。最近の研究によ
不活性化する。「体内でのニコチン代謝の変動
ろう。CYP2A6阻害剤は、ニコチン濃度を上昇
明示されるとおり明らかな遺伝的要因をもつと説
り、成人の第6、8、15の連鎖ピークが示唆され
が大きいことに興味をもちました。これには遺
させ、その期間を延長して、NRTの有効性を高
明した。別々に育てられた双生児は喫煙する、し
ている(これらのすべてはニコチンおよびオピオ
伝的起源があるのでしょうか」という問いかけ
める可能性がある。メトキサレンは、最近のパイ
ないが高頻度で一致し、その一致率は二卵性双
イド経路中の目的の候補遺伝子に近い)。喫煙
に対し、実際にこれが正しいことが研究で示
ロット試験で有効と判明したこうした薬物の1種
生児より一卵性双生児でより高い。喫煙の開始
者での禁煙に対する薬遺伝学的アプローチの
された。CYP2A6活性の変動は、さまざまな個
である。こうした阻害剤は、点鼻スプレーまたは
と継続に関しても遺伝的である確率が高い。
成功が一定しないのは、受容体レベル、薬物代
人の禁煙能力や禁煙薬に対する応答の差と関
経皮パッチよりは経口ニコチン(そうでなければ
「喫煙は、遺伝子間および遺伝子と環境の相互
謝レベル、または双方の遺伝子変動に関連する
連づけられる。CYP2A6のslow
迅速に代謝されて無効となる)の処方も見込ん
作用、それに表現型と遺伝子型の不均一性を伴
とみられる。例えば、Dr.
は、CYP2A6を正常速度で代謝する者に比べ、
う複雑な遺伝的特質」と、Dr. Spitzは述べた。
究で、1〜2コピーのD2ドーパミン受容体遺伝子
ニコチンの血漿濃
Dr. Spitzは、10年ほど前の候補遺伝子研究か
DRD2のA1 リスクアレルをもつ喫煙女性は、A2
度が長期間高いま
ら、今日のゲノム全体のアプローチが可能になる
非リスクアレルについてホモ接合性の女性よりも
ま持続し、喫煙頻
までの遺伝子研究の進化について、リスクAAの
ブプロピオン治療(一般的禁煙薬物療法)後に
度は低く、喫 煙本
遺伝子型の個体が高レベルのニコチン依存性を
喫煙を再開しやすいことが示された(Dr. Swan
数も少ない。こうし
示すことが研究から明らかとなったと論述した。
とChristina N. Lessov-Schlaggar, PhDによる
たslow metaboliz-
ニコチン依存性の遺伝学に関するこうした発見
2008 ASCO Educational Bookに記載)。しか
erは喫煙者となる
は「研究の興味を超えた、すなわち、禁煙率向
し、こうした第一世代のニコチン嗜癖研究では、
可能 性も低い。代
上という実際的な応用がある。ニコチン嗜癖に
真の薬遺伝学的モデルは検討されていない。
謝速度が遅いと、
対し遺伝的アプローチをとることで薬遺伝学の
今後の研究は、ニコチン嗜癖の根底にある遺
禁煙成功の見込み
領域、すなわち個体の遺伝子プロファイルに基
伝子変異を代謝、受容体双方のレベルで同時
があるだけでなく、
づく個別化介入が可能になる」と述べた。
に検討することが望ましい。
「ゲノムのアプロー
ニコチン依存性か
SRI InternationalのGary Swan, PhDは、現
チにより、経路内および経路を越えた多くの遺
つ進行性の肺がん
在の研究を総説し、
「ドーパミン作動性仮説」の
伝子型バリアントの基盤の利用が可能になり、
となるリスクも小さ
理解に基づくニコチン嗜癖への研究の今後の方
バイオインフォマティクスのアプローチを使用し
い。
Swanのグループの研
metabolizer
でいる。■
臨床試験の向上を支援する新たな Community Oncology Research Award
質の高い臨床試験プログラムの開発を支援す
・臨床試験の多様化
求される。その活動により臨床試験が改善され
対象にデザインしたマーケティングツールに資金
るため、ASCOとASCO Cancer Foundationは、
・活動の著しい推進
る可能性のある領域を特定かつ考察し、その改
を利用する。高度教育標準の公的な維持の確保
本年会にて、第1回のCommunity Oncology Re-
・臨床試験プロセスへの参画(試験の開発、実
善を実行に移すための計画を策定するよう求め
を考えた団体は、助成金予算の一部を臨床試験
られる。活動の効果を評価する評価計画の策定
アシスタントの資格証明の維持に取っておくとし
search Award(CORA)を、Maine Center for
施、解析を含む)
Cancer Medicine & Blood Disorders(メーン州ス
・高度教育標準の公的な管理
も求められる。最後に、3万ドルの助成金の使用
ている。2008年7月に始まったJournal of Clinical
カボロー)、Northern New Jersey Cancer Asso-
・品質保証手段
計画の計算書の作成も求められる。助成金は、
Oncology誌の連載記事には、こうした属性を日
ciation(ニュージャージー州ハッケンサック)、On-
・研究の状況に総合的に関与
活動の一般的な運営費用以外や、ロビー活動に
常実務 に取り入れるための新たな手法について
cology Care Consultants(メリーランド州フレデリ
・臨床試験認識プログラム
使ってはならないとの申し合わせがある。応募団
考察されている。
ック)に贈呈する。この贈呈は、日曜日の午後5:30
「こうした活動は臨床試験実施施設の最低
体には、臨床試験プログラムの現在の質と効果
受賞条件の1つとして提出される、受賞団体か
〜7:30にHyatt Regency McCormick Place(コン
基準にすでに則っていますが、CORA助成金は
を立証する監査報告書の提出も求められた。
らの活動の結果を詳細に記載した報告書を読む
ベンション センター隣)で行われるState Affiliate
こうした活動が最小限度にとどまらず、この声明
3つの受賞団体は「改善対象が現実的であり、
のが楽しみであると述べるDr.
Presitens’Receptionで行われる。
に書かれている例示的属性を取り入れる際に助
計画が達成可能でした。提案されている評価計
団体の活動がうまくいけば、それらを他の地域
各団体には臨床研究プログラムの改善に関
けとなるでしょう」とRobin Zon, MD, FACPは
画は公正であり、予算では助成金を使い切って
研究プログラムのモデルとして利用できます。研
する活動のために3万ドルが贈呈される。2008
ASCO Daily Newsのインタビューで述べてい
います。最後に、こうした研究プログラムが、デー
究事業は多くの難問に直面するため、一定の成
年5月20日付Journal of Clinical Oncology誌
る。Dr. Zonは、ASCO Cancer Research Com-
タの質および時系列に関してすでに高水準で機
果が達成できると判明した新たな方法論や方法
に掲載の『臨床試験実施施設の最低基準およ
mitteeのGrants and Awards Subcomitteeの座
能していることが、監査報告書から確認できまし
が歓迎されるでしょう。多くの地域の研究者は、
び例示的属性に関するASCOの声明(ASCO’s
長で、
『臨床試験実施施設の最低基準および例
た」と述べた。それを聞いてDr. Zonは「非常に
自分たちの地域での臨床研究を改善したいと考
Statement on Minimum Standards and Exem-
示的属性に関するASCOの声明(ASCO’s State-
感銘を受けました。受賞の結果、よい報告がなさ
えています。CORAは、受賞者を支援するだけで
plary Attributes of Clinical Trial Sites)』
(この
ment on Minimum Standards and Exemplary
れることを楽しみにしています」と賞賛した。
なく、最終的にはより大きな地域全体の利益につ
声明の詳細は月曜日のASCO Daily Newsのセク
Attributes of Clinical Trial Sites)』の共著者で
受賞団体が掲げた改善の領域は、例示的属性
ながるかもしれない」と語る。
ションBに掲載)の受賞基準に基づき、ASCOお
ある。
の声明に基づいてはいたが、全体として、提案で
本年のCORAはAstellas U.S.A. Foundation、
よび財団が選定した。応募団体は、声明に記載
CORAに応募するには、まずASCOの47の州/
きる活動の種類に制限を設けていなかった。臨
Astellas Pharma, Inc.(日本)の米国慈善事業部
されている以下のカテゴリーの1〜2の改善対象
地域の支部のどこかに登録しなければならな
床試験の認識向上を目的とした団体は、過小表
門からの恵与による。また2009年のCORAの応募
領域を指定する。
い。4つの中心要素を徹底的に考慮することが要
示されている人口動態、他の研究者、一般市民を
期間については今年晩秋に発表の予定である。■
Zonは「こうした
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