2003年2月 第329号のPDFをダウンロード(948KB)

2
JIKEN CENTER NEWS
2003 FEBRUARY
平成15年2月15日発行 毎月1回15日発行(通巻329号) 昭和51年5月27日 第三種郵便物認可
自研センターのインターネット ホームページ
アドレスは、http://jikencenter.co.jp/です。
ご利用下さい。
目次
テクノセミナー:新型ソアラ
[コスモシルバー(1F1)について]・・2
リペアインフォメーションS:
「構造調査シリーズ」新刊のご案内 ・・・・・・・・15
(株)自研センター研修教材のご案内 ・・・・・・16
メーカーへの改善提案活動に取り組んでいます ・・17
qディスチャージヘッドランプは取替か?修理か? ・・・・4
第28回技術顧問懇談会開催 ・・・・・・・・・・18
wコーションプレートとフレームナンバーの取り付け位置 ・・6
自研センター来訪者一覧 ・・・・・・・・・・・18
リペアリポート:マツダ アテンザ
(GG3P型)の作業上の特徴 ・・・・7
海外情報の紹介:スウェーデンにおける過去10年の
樹脂部品修理(概要) ・・・・・10
リサーチング ザ スケルトンズ:三菱コルト(Z25・27系)・・12
指数テーブルマニュアル作業項目の解説_37_ ・・14
第16回自研センター「一般提案」募集 ・・・・・19
日本アウダテックス指数テーブル
「2003年2月号」発行のご案内 ・・・・19
編集後記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
別冊 新型車情報:
1 ∼□
8
三菱コルト(Z25A、26A、27A、28A系) ・・□
TECHNO
SEMINAR
新型ソアラ【コスモシルバー(1F1)】について
1.はじめに
感のない、なめらかな塗装質感を実現しました。いままでに
ソアラ"NOBLE COLOR EDITION"は、多層コートに
ない艶やかなメタリック感は、映り込みにその特徴がよく
超薄膜メタルベースを組み合わせた、量産車で世界初のボ
現れています。自然光の強い日差しの下だけでなく、夜景な
デーカラー"コスモシルバー"を採用しています。このメタ
どが映り込んだときでも、その色・形を忠実に再現。カラー
ルベースの超薄膜化とは、従来の約1/30という極めて薄い
リングというよりも、まるでメタルスキンのような強い金
塗装膜(メタルベース)の中に、表面が平滑な新アルミ顔料
属反射特性で、ソアラの圧倒的な存在感を、より鮮烈に印象
を隙間なく整然と配置。磨き上げた金属の塊のように、粒子
づけます。
2.概要
クリアコート
黒のベースコートに超薄膜メタルベースを重ねる複層構
造を採用。同時に、そのメタルベースの膜厚を均一に保つこ
とにより、塗色を斜め方向から透かし見た際、黒のベースコ
ートがムラなく透過して陰影色が暗く変化していきます。そ
のため、ボデーの立体形状がより強調され、豊かな曲面で構
成されているソアラの美しいスタイリングを、より引き締
まったものにします。
2
自研センターニュース 2003年2月号
クリアコート
超薄膜メタルベース
クリアコート
ベースコート
(ブラック)
中塗り
中塗り
下塗り
新外板色コスモシルバーの特徴
正面からの見え方:アルミ顔料からの強い金属反射
太陽光 等
正反射光
アルミ顔料が隙間なく配列
斜めからの見え方:下層の黒色ベースコートが透過
上層 メタルベースコート
従来のベースコートの約1/30の厚み
下層 黒色ベースコート
クリアコート
上層メタル
ベースコート
(超薄膜)
ベース
コート
下層 黒色
ベースコート
中塗り
外塗り
新外板色コスモシルバー[1F1]
8コート
従来外板色シルバーメタリック[1C0]
5コート
3.補修作業
補修塗料は関西ペイント・イサム塗料の2社で補修要領は通常の3コート塗装と同じです
【コスモシルバー 1F1 ブロック塗装】
1. 旧塗膜の足付け
SUウオッシュコンパウンド/
スコッチブライトP1000∼1200
2. 脱脂・清掃 KARシリコンオフ/
・塗装部全体の足付け
∼
・プラサフ水溶き
∼・エアブローでよく乾燥
タッククロス(汚れの除去/ゴミの拭取り)
3. カラーベース
捨て塗り/色決め2回
・ツヤがでるように全体にwetに塗装
∼
・塗り重ねは指触乾燥を待ってから行う
4. セッティング
指触乾燥 ∼・20℃×20分
5. メタリックベース
色決め3∼5回
・ツヤがでるように全体にwetに塗装
∼
(シルバー系塗色と同じ要領で塗装する)
6. セッティング
指触乾燥
∼・20℃×10分
7. クリヤ
乾燥
∼・磨き仕上げ
下地処理
下塗り色の塗装
中塗り色の塗装
クリヤの塗装
乾燥
(注)トップコートは耐スリ傷クリヤ等ではなく通常のクリヤです
自研センターニュース 2003年2月号
3
S
リペアインフォメーション
1.
ディスチャージ ヘッドランプは
取替か?修理か?
写真1
今回のケースはマツダ デミオ(写真1)が12時方向から
写真2
の入力によりフロントバンパーが押し込まれ、左ヘッドラ
ンプはフロントバンパーの誘発損傷でヘッドランプ取り付
けブラケットが破損してしまいました。その結果、損傷状
態はヘッドランプハウジング・下側取り付けブラケットに
3cmの裂けがありました。
(写真2)取り替えるのでしょう
か、修理するのでしょうか。
1.取り替える場合
●
ヘッドランプハウジングの価格は8万円(写真 3)
全性を維持しつつ十分修理することもできます。現在当
このヘッドランプハウジングの部品にはHIDコントロ
社はメーカーに対しヘッドランプのみの部品設定を提案
ールユニットが含まれて設定されているため、価格が高
しています。
写真3-1
4
額にならざるを得ません。損傷の程度にもよりますが安
表側
自研センターニュース 2003年2月号
写真3-2 裏側
2 . 修理する場合
(2)溶接修正作業
(1)加熱修正作業
●
●
裂けているヘッドランプ取り付けブラケット周辺を
裂けているヘッドランプ取り付けブラケットをセラミッ
ク電気コテで溶接修正します。
(写真5)
ドライヤーで加熱し変形を修正します。
(写真4)
写真4
写真5
(3)仕上げ作業
●
溶接修正部をヤスリ等で研磨し仕上げます。
(写真6)
今回の補修作業時間は、約12分(参考時間)でした。
写真6
一般的にはディスチャージヘッドランプはハロゲンラン
プに比較しどうしても割高になります。個々の損傷ケース
を修理しユーザーの修理費負担軽減を図ることも大切なこ
とと思います。
に応じ安全性を維持しつつ修復できる場合は、ブラケット
自研センターニュース 2003年2月号
5
2.
コーションプレートと
フレームナンバーの取り付け位置
従来からコーションプレートやフレームナンバーの位置
ています。
は、エンジンルーム内のダッシュパネルに取り付けてあっ
今回はマツダ アテンザ(GG3P 14年式)
(写真1)のコー
たり、打刻してあったりした車両が多く見られましたが、最
ションプレート並びにフレームナンバーの取り付け位置に
近車種によってはそれらの位置がかなり異なるようになっ
ついてご紹介します。
写真1
1.コーションプレートを確認するには(写真2)
●
2.フレームナンバーを確認するには(写真3)
ボンネットを開けると、右ストラットタワー部にコーシ
●
運転席の足元にあるカバーをめくります。
ョンプレートが添付されています。
●
小さな蓋をあけると車体に打刻されたフレームナンバー
を確認することが出来ます。
写真2
このような位置に取り付けられている車両が最近は見受
写真3
イファ( NCP70・75
H14 年)、三菱 コルト( Z25 ∼28
けられます。コーションプレートはメーカーや車種によっ
H14年)などは、カウル パネルの左側のカバーをめくりま
て様々ですが、フレームナンバーの打刻位置がアテンザと
すと打刻されています。ホンダ車では確認できた車種はあり
同じ位置の車両では、同じくマツダ デミオ( DYSW
ません。ただし詳細な調査の結果ではありませんので悪しか
H14年)があります。更に日産 キューブ(Z11 H14年)、
らずご了承願います。いずれにしても今後このようなスタイ
トヨタ イスト(NCP60・61・65 H14年)、同じくWillサ
ルが更に増加するかもしれません。
6
自研センターニュース 2003年2月号
マツダ アテンザ(GG3P型)の作業上の特徴
このレポートは、メーカー修理書を基にして実作業を行い、作業手順、作業上のポイント、特徴
的な構造、作業性などをコメントしたものです。
取材車:4ドアセダン23E
( 2 0 0 2 年 型 )オ プ ション
(ディス チャージ ヘッド
ランプ)
1.フロントバンパの取付け状況
フロントグリル取り外し状態からの作業です。
フロントバンパはボデー側にクリップ、スクリュー、
ボルトで取り付きます。
材質はPPを採用しています。
D
2.フロントバンパ脱着の手順とポイント
qBのクリップおよびCのスクリューを外しマッドガー
ドと縁切ります。
A
wAのスクリュー、DのクリップおよびEのボルトを外
します。
C
E
B
eフロントバンパ後端(ホイールアーチ部)を外側に引
き離し、バンパスライダ(フロントフェンダ側)との
かん合を外し、ボデー本体に傷を付けないように取
A
E
D
り外します。
B
C
自研センターニュース 2003年2月号
7
3.バンパリーンフォースメント脱着の手順とポイント
qバンパリーンフォース取り付け部前面に被る左右シ
ールプレートを取り外します。
wフロントサイドフレームに左右4本ずつ、シュラウド
パネルに左右2本ずつ、中央のロックステーに2本の
計14本のボルトを取り外し、バンパリインホースメ
ントを取り外します。
バンパリーンフォースメント
4.ヘッドランプの取付け状況
フロントグリルおよびフロントバンパ取り外し状態
からの作業です。
上部はボルト2本でシュラウドパネル、クリップにて
フロントフェンダに、サイドはボルト1本でフロントフ
ェンダに、下部はフロントバンパブラケットを介して
シュラウドパネルおよびバンパリーンフォースメント
フロントバンパブラケット
にボルト2本で固定されています。
ヘッドランプハーネスには集中コネクターが採用さ
れており、縁切り作業が容易です。
※下記イラストはディスチャージタイプ
5.ヘッドランプの部品補給形態
ASSY部品の設定はありません。
バルブなど各構成部品の補給は設定されていますが、
ヘッドランプユニットはHIDコントロールユニットを
含んだ補給のみとなります。
6.フロントフェンダの取付け状況
+(プラス)
ビス型ボルト
フロントフェンダは、ボルト7本でボデー側に取り付
くほか、上部が+(プラス)ビス型のボルト1本にてボン
フロントフェンダ
モール
ネットヒンジに取り付きます。また、上部のボルトを取
り外すために、フロントフェンダモールの取り外しが
必要です。
+(プラス)ビス型のボルトは工具(ドライバー)を
入れにくく、+(プラス)溝を傷めやすいので注意が
必要です。
8
自研センターニュース 2003年2月号
A
A
7.シュラウドパネルの構造紹介
シュラウドパネルはガラス繊維を混入した樹脂製(PP)
一体成型で、ボデー側にボルトで取り付けられています。
ボンネットロック、ロックステーは一体で脱着する
ことが出来ます。
左右フロントフェンダは取り外す必要はありません。
8.シュラウドパネル脱着の手順とポイント
qフロントバンパ、バンパリーンフォースメントを取
り外します。
w左右ヘッドランプを取り外します。
ボンネットロックワイヤ
eボンネットロックのワイヤを縁切ります。
rエアバッグセンサのコネクターを縁切り、アンビエ
ントセンサーと一体でハーネスを取り外します。
アンビエントセンサ
エアバッグセンサ
A
A
B
9.シュラウドパネル脱着の手順とポイント
B
tシュラウドパネルよりラジエータブラケットを取り
外します。
yBのラジエータマウンティングラバーを外し、ラジ
ラジエータ
マウンティング
ラバー
エータと縁切ります。
uAのボルトを外し、Cのラジエータとのはめ込み部を
A
外してシュラウドパネルを取り外します。
B
ラジエータ
ブラケット
C
B
C
A
シュラウドパネル
10.リヤバンパの取付け状況
リヤバンパはボデー側にクリップ、スクリューで取
り付きます。
取り外しの際、左右リヤコンビネーションランプお
よびトランクエンドトリムの取り外しが必要です。
材質はPPを採用しています。
自研センターニュース 2003年2月号
9
11.リヤバンパ脱着の手順とポイント(その1)
qリヤコンビネーションランプ下に、リヤバンパ取り
付けクリップおよびスクリューがあります。
ランプ本体は、ボデー側にナット2本、かん合1個所で
取り付きます。ナットは室内側からの作業になるた
め、リヤエンドトリムの脱着が必要です。
12.リヤバンパ脱着の手順とポイント(その2)
wBのクリップを外しマッドガードと縁切ります。
eA、C、Dのスクリュー、クリップ、ボルトおよび中央
C
のかん合4個所を外します。
A
B
D
rリヤバンパ後端(ホイールアーチ部)を外側に引き離
D
し、バンパスライダ(リヤフェンダ側)
とのかん合を外
C
A
し、ボデー本体に傷を付けないように取り外します。
B
海外情報の紹介
スウェーデンにおける過去10年の樹脂部品修理(概要)
(Plastic Repairs in Sweden after 10 years of practice)
2003年RCAR会議におけるフォルクサムの題記発表の概要をお伝えします。
全般
スウェーデンでは1990年から1992年にかけて保険
2002年5月時点で修理コンセプトに適合する業者数は
業界と自動車販売・修理協会が協力して、小規模なが
213になっています。
ら樹脂部品の修理をはじめました。協力グループは修
車に使われる樹脂
理くずの廃棄ルールと共に「樹脂部品修理コンセプト」
カーボンスチール製部品が樹脂材料に代替されるこ
と呼ばれる高品質修理のための方針を作りました。
とが段々と増えてきました。添加物はグラスファイバ
樹脂部品修理コンセプトは以下の内容を含んでいます。
のような生物学的分解性のないものから、環境にやさ
*修理についての研修
しい椰子や麻のような天然繊維への代替が進んでいま
*機器および健康対策の要件
す。また環境に対して疑問のある塩化ビニールを他に
*認定した修理用材料の使用
代替するカーメーカーが増えています。燃費向上の要
*修理くずの廃棄に関する、修理業者と輸送業者間
求に基づく車の軽量化により部品間のスペースが小さ
の環境協定
*修理業者からの修理件数に関する月次報告
10
1992 年当時の樹脂部品修理業者数は12 でしたが、
自研センターニュース 2003年2月号
くなり、これが樹脂部品に寸法公差を減らす方向をも
たらしています。タルクのような新材料はバンパー成
型工程での冷却中の収縮コントロールを必要とします。
2001年の樹脂部品の修理件数は55,014件で、修理比率
タルク含有量が40%になると溶着修理性が悪くなり、
は14 %でした。同年の平均樹脂部品修理コストは
接着で修理を行う必要があります。今後も適切な修理
107USドルで、交換と比べて平均160USドルの節約を
方法を選択するためには、以上のような変化を追いか
もたらしています。
(図1)
けて行くことが必要です。
1992年∼2001年の数字
毎年衝突で約400,000台の車が損傷を受け、またそ
また2001年に行われた樹脂部品修理の92%がバン
パーでした。したがって修理をバンパー以外の部品に
拡大する余地があります。
れぞれの事故で最低1個の樹脂部品が損傷します。
図1 樹脂部品修理件数
樹脂部品修理を増やすための方策
図2
衝突で損傷した車の修理においてそれぞれ1個の樹
脂部品は修理できる可能性があり、既にこの目標を達
成している修理業者もあります。樹脂部品修理を増や
す方法はバンパー以外の部品にも修理を拡大すること
です。カーメーカーがヘッドランプ修理用ブラケット
やリテーナーを設定したことは、修理業者の修理を容
易にするでしょう。
(図2)トヨタとレクサスは2000年
以降生産の全モデルに交換用ブラケットを設定した最
初のメーカーです。
ヘッドランプにはファイバーグラスやタルクなどの
写真はオペルベクトラB2000の修理用ブラケット。
修理用ブラケットはアウディA6、VWゴルフ 4/
ボーラ、オペルザフィーラおよびVWパサートにも
設定されている。
充填材が以前よりも多く使われるようになりました。
その結果修理方法は溶着から接着に変わっています。
われています。この数字は以下のような方策により、各
3MのDP8005は、従来の接着剤では困難であった純粋
事故修理で最低1件の樹脂部品修理が行われるところ
なポリプロピレンやポリエチレンのような表面エネル
まで高めることが可能です。
ギーの低い樹脂用の新しい接着剤です。ヘッドランプ
*保険請求検査員がきちんとコストを管理すること
のレンズは熱可塑性樹脂で作られており、入念な研磨
*修理業者と保険会社が十分に協力すること
によって細かい引っかき傷はある程度まで修復が可能
*高品質修理と修理くずの適切な廃棄のための修理
です。
結論
現在は衝突損傷修理の7件に1件は樹脂部品修理が行
コンセプトを順守すること
*バンパー以外の樹脂部品に修理を拡大すること
*樹脂の進歩と車への適用に追従すること
自研センターニュース 2003年2月号
11
リサーチング ザ スケルトンズ
三菱 コルト
(Z25・27系)
この「Researching The Skeletons」では外部から確認する
また、リヤフロアサイドメンバでは図中の実線部で板厚
ことの出来ないフロントサイドメンバおよびリヤフロアサ
が変化しています。これは不等厚鋼板(注1)を採用するこ
イドメンバ内部のリインホースメント等の位置や板厚を分
とでキャビン側の板厚を厚くし、衝突安全性の向上および
かり易く紹介していくもので、データは実際に自研センタ
軽量化を図っています。
ーで調査した内容を記載したものです。
フロントサイドメンバ、リヤフロアサイドメンバのカッ
今回は三菱 コルト(Z25・27系)を取り上げます。
ト位置は三菱自動車の整備解説書ボデー編に記載されてい
この車ではフロントサイドメンバ右側中央部にエンジン
るカット位置(図中:実線部位)です。
マウント取付用の「リインホースメント」が取り付けられて
います。また左側中央部には右側より大型のトランスミッ
ションマウント取付用の「リインホースメント」
(図中:斜
注 1. 厚 さ の 異 な る 鋼 板 を 溶 接 し 、1枚 の 鋼 板 と し た も の
(図中実線部が板厚変化部位およびカット位置)。
線部位)が取り付けられています。
フロント サイド メンバ
左外側
左内側
カット位置
t=1.4mm
t=1.4mm
右外側
右内側
t=1.6mm
t=1.6mm
t=1.4mm
12
自研センターニュース 2003年2月号
カット位置
リヤ正面(リヤエンドパネル取付状態)
リヤ正面(リヤエンドパネル取外し状態)
リヤフロアサイドメンバ位置
リヤフロアサイドメンバ位置
リヤ上側(リヤフロア取付状態)
リヤ上側(リヤフロア取外し状態)
t=1.2mm
板厚変更部位およびカット位置
t=1.0mm
リヤ下側
自研センターニュース 2003年2月号
13
指数テーブル マニュアル作業項目の解説
−37−
前回(本誌1月号)は指数テーブルマニュアル(2002年10
発行)を基本に、メカ系の作業項目『M255リヤサスペンシ
月発行)のM250リヤサスペンションAssy脱着について解
ョンAssy脱着、片側分解・点検・組立・調整』について解説
説しました。今回も指数テーブルマニュアル(2002年10月
します。
(図1)
図1
M255
リヤサスペンション脱着、片側分解・点検・組立・調整
1台
●印の部品は当該作業範囲
前提条件および作業内容
*M250の作業および、片側リヤサスペンションを取外し、補給形態通り分解・点検・組立・
調整を行う作業
指数に含まれる主な作業
*コンソールボックスの脱着(必要な車種)
*パーキングブレーキワイヤの縁切りおよび取付け
*4WD・ABS・可変サスペンション・4WS付車に伴う必要範囲の作業
*ブレーキエア抜き
*リヤホイールアライメント測定・微調整(調整機構付)
*ロードテスト
*タイヤ脱着
除く作業
*エキゾーストパイプ・マフラーの脱着(必要な車種)
*ブレーキキャリパのシリンダ分解
*ハブベアリングの取替
*ショックアブソーバのシリンダ分解
補足
*ショックアブソーバの分解:コイルスプリング・アッパサポート等の分解は含まれるが
ショックアブソーバ本体の分解は除く
*ハブベアリングの取替は指数テーブルにその旨記載している
*点検についてはP138 Q&A Q.30参照
1.基本的な前提条件作業
M250リヤサスペンションAssy脱着の作業および片側リ
ヤサスペンションを取外し、補給形態通り分解・点検・組
*コンソールボックスの脱着(必要な車種)
*パーキングブレーキワイヤの縁切りおよび取付け
パーキングブレーキケーブルはパーキングブレーキイコ
●
立・調整を行う作業です。
ライザ部で縁切り作業を基本とします。その場合、ヒート
2.指数に含まれる主な作業
インシュレータの脱着が必要な車種は含まれます。
14
自研センターニュース 2003年2月号
*4WD・ABS・可変サスペンション・エアサスペンショ
はリヤホイールアライメント測定作業のみ含まれ
ン・4WS付車に伴う必要範囲の作業が含まれています。
ます。調整機構の付いた構造には更に微調整作
業が含まれています。
4WD車はプロペラシャフトの縁切り作業を基本と
●
しています。車両構造によりプロペラシャフトの脱
*ロードテスト
着が必要な車種はその作業が含まれています。
*タイヤ脱着
ABS(アンチロックブレーキシステム)付車のセン
●
3.指数では除く作業
サー配線の配線コネクター部での縁切り作業と片
*エキゾーストパイプ・マフラーの脱着(必要な車種)
側サスペンション分のA B S 配線脱着および取替
*ブレーキキャリパのシリンダ分解
作業が含まれています。
*ハブベアリングの取替
可変サスペンションシステム付車の配線・アクチュ
*ショックアブソーバのシリンダ分解
●
エータの脱着作業。
備考 エアサスペンション付車の配管・車高センサー配線
1.ショックアブソーバの分解:コイルスプリング・アッパ
の脱着作業が含まれています(車高調整作業が必要
サポート等の分解作業は含まれていますがショックア
な場合、指数値欄に表示をしてあります)
。
ブソーバ本体の分解作業は除きます。
●
4WS(4輪操舵システム)付車のステアリングシ
●
ャフト(フロントステアリングギヤボックスからリ
ヤギヤボックスまでを繋いでいるシャフトです。)
2.ハブベアリングの取替は指数テーブルにその旨記載し
ています。
3.点検については破損個所、構成部品の機能、部品の状態
の縁切り作業がふくまれます。構造によっては、配
を目視で行う点検です。レッドチェックやダイヤルゲ
管の縁切り・油圧ラインのエア抜き・配線の縁切り
ージ等を必要とする本格的な計測作業は含まれており
作業が含まれています。
ません。
4.リヤサスペンションにはリジットアクスルタイプとイ
*ブレーキエア抜き
●
ンデペンデントタイプが有りますが『M255リヤサスペ
(必要とされるブレーキエア抜き作業が含まれてい
ンションAssy脱着、片側分解・点検・組立・調整』につ
ブレーキ配管により前後配管とX 配管があります
ます)。
いてはインデペンデントタイプのみ作成しています。
*リヤホイールアライメント測定・微調整(調整機構付)
(2002年12月現在)
サスペンションの構造により調整機構のない場合
●
「構造調査シリーズ」
新刊のご案内
自研センターでは新型車について、損傷した場合の復元
No.
車 名
修理の立場から見た車両構造、部品の補修形態、指数項目
とその作業範囲、ボデー寸法図など諸データを掲載した「構
J-319
トヨタ
ランド クルーザ プラド
RZJ120W,125W,
VZJ120W,121W
125W,KDJ120W,
121W,125W
J-320
トヨタ Will サイファ
NCP70,75
J-321
トヨタ
ハイラックス サーフ
RZN210W,215W,
VZN210W,215W
KDN215W
J-322
ホンダ モビリオ スパイク
GK1,2
造調査シリーズ」を発刊しておりますが、今月は右記新刊を
ご案内しますので、ぜひご利用ください。定価は各1,120円
です(税込み、送料別)
。
お申し込みは自研センター総務企画部までお願いします。
TEL 047-328-9111
FAX 047-327-6737
型 式
自研センターニュース 2003年2月号
15
(株)自研センター研修教材のご案内
(株)自研センターでは受講生の方に幅広い知識や技術を習得して頂くための研修教材を豊富に取りそろえています。
●研
修教材●
国産ホワイトボデー
外車ホワイトボデー
トラックホワイトボデー
新型マーチ・スカイラインなどわかり
やすく色付けしています
ベンツのホワイトボデーやカットモデ
ルを用意しています
大型は国内4メーカーのホワイトボデ
ーを用意しています
ブレーキペダル後退抑制機構
エスティマハイブリッド
エクストロイドCVT
日産マーチ・キューブに採用されてい
る装置です
ハイブリッド構造がわかりやすいカッ
トモデルを用意しています
セドリックなどに採用されたCVTカ
ットモデルで用意しています
エアサスペンション
( セルシオ)
アクティブシートクッション
こんなに
たくさんあります!
セルシオに採用されたエアサスのカッ
トモデルを用意しています
16
自研センターニュース 2003年2月号
スカイラインに採用されたアクティブ
シートを展示しています
メーカーへの改善提案活動に取り組んでいます
自研センターでは新型車(乗用車)について、その構造調
る部品の補給形態の変更」や「修理方法の改善」、あるいは
査やD&Rを調査研究する過程で明らかになった問題点を
「車両構造の変更」を伴う提案内容となっており、ボデー修
「改善提案」として自動車メーカー各社に対し提案しており
理書に追加されたものや、次回のモデルチェンジ時に採用
ます。
するとされたケースも数多く採用に含まれております。
今までは書面を主体とした提案方法でしたが、今年度か
保険契約者すなわち自動車ユーザーの代弁者である当社
らは「改善提案メール」という形でEメールを利用して、技
の改善提案活動に対し、各自動車メーカーには環境破壊問
術部、指数部両部の統一フォームで、自動車メーカーに発信
題やリサイクルの問題およびお客様第一の観点からも、真
しています。2002年度はすでに95件(9月末まで)の提案を
剣に検討をしていただいております。
行っています。ご参考までに1999年度は改善提案13件に対
以下に改善提案の一例を紹介します(提案中)
し11件が採用、2000年度は23件の改善提案に対し17件が採
これはヘッドランプの補給形態をAssy補給からヘッドラ
用、2001年度は61件の改善提案に対し25件が採用された実
ンプユニットとHIDコントロールユニットの分割単品補給
績を残しており、年々提案件数も増加し内容も質的向上が
でお願いしたものです。
図られています(2002年度は技術部、指数部を合わせての
これにより、ヘッドランプユニット部のみの損傷であれ
提案件数、1999年から2001年までは指数部のみの提案件数
ば、HIDコントロールユニットを再使用することが出来、修
です)。
理費低減につながります。
各自動車メーカーに採用された提案は、
「修理時に使用す
図1 現状
図1 改善案
バルブ
(ディスチャージ)
ヘッドランプバルブ
バルブ
(ディスチャージ)
ヘッドランプバルブ
カバー
No.2ソケット
カバー
ソケット
インテリアミラー
バルブ
カバー
No.2ソケット
カバー
ソケット
インテリアミラー
バルブ
バルブ
バルブ
フロントコンビ
ランプソケット
ヘッドランプユニット
フロントコンビ
ランプソケット
ヘッドランプユニット
ヘッドランプ
Assy
HIDコントロールユニット
自研センターが行う改善提案活動は、当然のことではあ
認の上、各メーカーに改善要望として伝えております。今年
りますが、自動車ユーザーの代弁者という立場に立ち、自動
度も業際企業としての当社の特色を生かし、自動車メーカ
車の安全性を損なうことなく、事故車をいかに合理的で適
ーにとどまらず関連する業界に対し様々な角度から自研セ
正な価格で復元出来るかという観点から提案を行っていま
ンターならではの改善提案活動を積極的に行いたいと考え
す。また、損保、損調社からの改善提案についても、内容確
ております。
自研センターニュース 2003年2月号
17
第28回 技術顧問懇談会開催
2002年12月25日東京パレスホテルにおいて、第28回技
術顧問懇談会を開催いたしました。当日は三菱自動車工業
[懇談会詳細]
1.開催日時:2002年12月25日(水)14:00∼15:45
(株)常務執行役員貴島彰様を始め各自動車メーカー代表の
2.ご出席者(技術顧問)
皆様および(社)日本自動車整備振興会連合会専務理事樋口
三菱自動車工業(株)
忠夫様のご出席を頂いたほか、
(社)日本損害保険協会より
常務執行役員 貴島 彰様
(社)日本自動車整備振興会連合会
専務理事 樋口 忠夫様
損害調査部会長三坂則夫様のご出席も頂き、活発な意見交
日産自動車(株)
換がなされました。
特に、損傷性・修理性(D&R)に関する調査研究結果に
ついては、同一条件下での衝突実験による比較研究結果で
車両システム実験部
主管 岡部 友三朗様
本田技研工業(株)
サービス技術部長
もあり、ご出席頂いた皆様に高い評価を得ることができま
マツダ(株)
した。
また、RCAR国際会議に関する報告では、14カ国24セン
ターにおける各種研究結果ならびに今後の方針を伝え、グ
ローバルな視点での情報交換ができたと思っております。
当社と致しましては、今後ともこのような懇談会を通じ
自動車メーカー各社に様々な情報を提供し、より良い車作
商品サービスプログラム部
部長 釆女 淑史様
3.懇談プログラム
(1)車両盗難の現状と自研センター活動概要
(2)RCARストックホルム総会概要報告
(3)D&R調査・研究概要報告
りのお手伝いができればと考えております。
自研センター来訪者一覧
2002年12月24日(火) 共栄火災損害調査(株)
齋藤代表取締役 他1名
26日(木) 日動火災損害調査(株)
森下技能開発部長 他1名
2003年 1月 7日(火) 東京海上火災保険(株)
10日(木) 損調社長懇談会
日本興亜損調(株)業務部
18
小室 明久様
自研センターニュース 2003年2月号
鈴木損害サービス業務部長 真橋あいおい損調社長 他11名
北島部長 他1名
第16回自研センター
自研センターでは、2003年
「一般提案」募集を行います。日
頃、
損害調査業務を進める上で、損傷車の復元修理に関連し
て気づかれた改善策、創意工夫、アイデア、実際の取り組み
例などをご提案願います。
皆さんの現場の体験に基づいたあ
るいは日頃お考えになっているアイデアをお待ちしており
(4)損傷性、修理性の向上に関する提案
補給部品の形態、取り付け方法など。
2 募集期間
平成15年1月6日∼2月末。
送付先
3 応募資格
ます。
1 テーマ
損害保険会社の社員、
損害調査会社のアジャスターお
(1)自由課題
よび社員。
ただし、損傷車の復元修理に関することに限ります。
(2)立会い・見積技法の改善提案
4 送付先
〒272-0001 市川市二俣678-28
損傷部位・範囲の確認方法、見積の適正化、迅速化な
(株)自研センター提案事務局
どに関するもの。
TEL 047-328-9123(総務企画部内)
(3)損傷車の復元修理についての改善提案
合理的な修理方法、工具、機具、治具などの改善案など。
*詳細につきましては本誌2002年12月号をご覧ください。
日本アウダテックス社
指数テーブル「2003年2月号」発行のご紹介
●2003年2月号 指数テーブル(4メーカー・7車種)
メーカー名
車 名
型 式
*「2002年12月号」のみの単独販売は行っておりません。
カルディナ 240系
ランドクルーザープラド
120系
Will サイファ 70系
ハイラックスサーフ
210系
日 産
フェアレディZ
Z33系
ホンダ
モビリオ スパイク
GK1・2系
版」
「2002年版」
となります。
なお、
在庫がなくなり次第販
203235系
売を終了させていただきますのでご了承ください。
トヨタ
ダイムラークライスラー メルセデス・ベンツ Cクラスワゴン
購入を希望される方は、
「2003年版指数テーブル」セット
(年間購読)
〈商品番号:2003 価格18,000円〉
をお求めく
ださい。
*バックナンバーは「96年版」
「97年版」
「98年版」
「2001年
◆「指数テーブル」のご注文およびお問い合わせ◆
日本アウダテックス株式会社
TEL:03-3356-3011(代)
FAX:03-3356-3620
自研センターニュース 2003年2月号
19
自研センターニュース 2003.2(通巻329号)平成15年2月15日発行 昭和51年5月27日 第三種郵便物認可 定価336円(消費税込み、送料別途)
C 発行所/株式会社自研センター Á272-0001 千葉県市川市二俣678-28 Tel(047)328-9111(代表) Fax(047)327-6737
発行人/加田康明 編集人/八束重宣 ⃝
※乱丁、落丁の場合はお取り替えいたします。
http://jikencenter.co.jp/
●編集後記●
先月のことになりますが、横綱 貴乃花が引退しました。マスコミが「平成の大横綱貴乃花引退」と号外を出してま
で大々的に報道したのはついこの前です。確かに力士としての花田光司は平成に生まれ平成の世に去って行きました。
この間の彼の足跡は、今追うまでもなくご存知の通りです。
今回の貴乃花引退に関し各界の方々から様々なコメントが発表されましたが、総じて好意的に、また少し早い引退
を惜しむ声が多く聞かれました。何事につけても最高位を極めた人間はその引き際が難しいと言われます。貴乃花に
ついてもあの右膝の故障が致命傷となったことは残念でなりません。小泉首相をして「感動した」と言わしめたあの
武蔵丸との一戦は素晴らしい感動と感激を我々に与えてくれたと同時に貴乃花の力士生命を決定的にした戦いでした。
結果論と言われるかもしれませんが日本人の感性からすれば、この時期を貴乃花の引退の花道にしても良かったので
はないでしょうか。しかしそうならなかったのは貴乃花自らが望んだのか、周りの環境でそうできなかったのか定か
ではありませんが、休場という代償を払いつつ横綱をはり続けました。ここにもトップの出処進退の難しさを
感じます。
ある著名な人が「貴乃花の引退が日本経済の象徴にならないように」と感想をマスコミに喋っていました。しかし
ながら栄枯盛衰は世の習い、貴乃花が沈む夕日となった今日ではあっても、必ずや相撲界にも日本経済にも「日はま
た昇る」ことを信じたいものです。
2
自研センターニュース 2002年11月号
本誌の一部あるいは全部を無断で複写、複製、あるいは転載することは、法律で認められた場合を除き、著作者の
権利の侵害となりますので、その場合には予め、発行人あて、書面で許諾を求めてください。