トルコ:大統領選挙でエルドアン氏が勝利

トルコ:大統領選挙でエルドアン氏が勝利
2014年8月11日
<エルドアン氏が当選>
8月10日(現地、以下同様)、トルコでは初の直接選挙方式での大統領選挙の投開票が行われ、選挙管理当
局はエルドアン氏が過半数の得票を獲得して当選したと発表しました。現地の各種報道によると開票が約99%
終了した時点で、野党CHP(共和人民党)とMHP(民族主義者行動党)の統一候補のエクメレッディン・イフサン
オール氏の約38%、クルド系政党のセラハッティン・デミルタシュ氏の約10%に対して、与党AKP(公正発展党)
の擁立するレジェップ・タイイップ・エルドアン氏が約52%得票しました。
トルコでは、従来は議会が大統領を選出していましたが、2007年の憲法改正により、直接選挙方式に変更さ
れました。また任期は従来の7年から5年に短縮されました。
事前の世論調査では、第1回投票での勝利確定に必要な過半数の得票が得られるかは微妙な情勢でしたが、
エルドアン氏の優勢が伝えられていました。
<今後の注目点>
今後は、8月28日に現首相のエルドアン氏が大統領に就任するにあたり、首相およびAKPの党首に誰が就く
のかが注目されます。またエルドアン氏は現在儀礼的な位置づけとなっている大統領の権限について、自身の
就任後は憲法解釈内で最大限行使する方針を表明しています。一部ではエルドアン氏の強権的な政治体制
に対する懸念が出ており、今後の動向が注目されます。
政治面での大きなイベントとして2015年6月までに実施予定の総選挙が挙げられます。エルドアン氏は大統領
の権限拡大を目指しており、憲法改正に必要な議席数(定数の5 分の3(330 議席))を現在313議席のAKPが
確保できるかが一つの焦点となります。またAKPの党内規約では国会議員の4選を禁止しており、これまで政権
運営を担ってきたベテラン議員の一部が次回選挙には立候補できないことから、今後も安定的な政権運営が
維持できるかが注目されます。
<建国100周年に向けて>
昨年末の現政権に対する汚職疑惑による政治的不透明感の高まりや、その後のエルドアン氏の対抗勢力へ
の強権的な対応にもかかわらず、3月末の地方選挙に続き、大統領選挙においても与党AKPへの国民の信認
が確認されました。エルドアン氏が2003年に首相に就任して以降、財政再建や経済改革による持続的な経済
成長を成し遂げてきたことが評価と支持に繋がったと考えられます。エルドアン氏の大統領就任後も、AKPによ
る安定政権下での堅実な政権運営が続けば、目標としている建国100周年となる2023年までに経済規模で世
界トップ10入りを目指した政策に後押しされ、堅調な経済成長が期待されます。
以
上
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