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基 礎 調 査
Ⅰ 宇 陀 市 の 概 況
1 地勢
宇陀市は奈良県の北東部に位置し、北は旧都祁村、山添村、西は桜井市、南は吉野町、東吉野
村、東は曽爾村、三重県名張市に接している。
面積は 248k ㎡に達し、県全体の 6.7%を占めることになる。
宇陀市は大和高原と呼ばれる高原地帯に位置しており、一定の平野部を有しているものの、山
間部にも集落等が点在している。土地利用の状況は、山林が全体の 72%を占めており、宅地は 4%
弱に過ぎない。
気候は内陸性気候であり、冬は季節風の影響を強く受けるため寒さが厳しい一方で、夏は冷涼
である。降水日数も多く、年間降水量は約 1,500mm となっている。
2 宇陀市の産業
産業構造
宇陀市の就業者総数は、総人口と同程度のペースで減少してきている。
平成 12 年における産業別人口を見ると、第1次産業が 9.6%、第2次産業が 28,4%、第3次産
業が 60,4%となっており、第1次産業就業者の割合が奈良県全体よりも高いのが特徴である。
産業別就業者数の推移(国勢調査)
昭和 60 年
総就業者総数
第1次産業
第2次産業
第3次産業
平成 2 年
平成 7 年
平成 12 年
宇陀市
県全体
19,318
19,298
19,761
18,590
655,663
3,230
2,382
2,137
1,776
21,003
16.7%
12.3%
10.8%
9.6%
3.2%
5,803
5,969
5,854
5,271
191,152
30.0%
30.9%
29.6%
28.4%
29.2%
10,226
10,746
11,697
11,231
432,140
52.9%
55.7%
59.2%
60.4%
65.9%
※下段は就業者総数に占める割合で、就業者総数には分類不能を含んでいるため合計は 100%にはならない。
25
Ⅱ 宇陀市と東和医療圏
1 東和医療圏の現況
(1)東和医療圏の構成と基準病床数
東和医療圏の一般病床・診療病床数を見ると、平成 15 年 3 月 31 日現在、基準病床数 2,422
床に対し、既存病床数が 2,880 床となっており、458 床の病床過剰地域となっている。
そのため、新設病院や既存病院の増床計画は原則として不可能な状況と言える。
医療圏
区域(市町村名)
奈良市
奈良
基 準
既 存
病床数
病床数
3,418
3,077
△341
2,422
2,880
458
3,429
3,382
△47
3,426
3525
99
962
818
△144
差引
天理市、桜井市、山添村、川西町、三宅町、田原本町、
東和
宇陀市(大宇陀、菟田野、榛原、室生)
、曽爾村、御杖村
大和郡山市、生駒市、平群町、三郷町、斑鳩町、安堵町、上牧
西和
町、王寺町、河合町
大和高田市、橿原市、御所市、香芝市、葛城市、高取町、明日
中和
香村、広陵町
五條市、吉野町、大淀町、下市町、黒滝村、天川村、
南和
野迫川村、十津川村、下北山村、上北山村、川上村、東吉野村
※
奈良県保健医療計画より
※
病床数は平成15年3月1日時点
(2)東和医療圏の概要
①人口
東和医療圏の人口は昭和 60 年から平成 13 年までは人口は増加していたが、7 年の 250,442
人をピークに減少に転じ、15 年は 243,097 人となっている。市町村の状況をみると、最も人
口の多いのは天理市の 70,675 人で次に桜井市の 63,145 人となり、旧榛原町は 19,375 人で4
番目となっている。また、人口の増減をみると、平成 13 年以降、13 市町村では減少し、田原
本町が横ばいとなっている。
26
人口の推移
(単位:人、%)
地域名
全
昭和60年
平成2年
7年
12年
13年
14年
15年
121,049
123,611
125,570
126,926
127,291
127,435
国(千人)
対昭和60年
伸び率
127,619
5.4
県 1,304,866 1,375,481 1,430,862 1,442,795 1,460,684 1,457,393 1,454,606
11.5
市
部
880,333
925,959
1,022,908
1,041,233
1,051,926
1,050,633
1,050,018
19.3
郡
△ 4.7
奈
良
部
424,533
449,522
407,954
401,562
408,758
406,760
404,588
東 和 医 療 圏
238,100
239,996
250,442
244,970
246,017
244,576
243,097
2.1
旧大宇陀町
10,541
10,032
9,712
9,104
9,112
9,063
8,898
△ 15.6
△ 12.9
旧菟田野町
5,683
5,477
5,284
4,914
5,055
4,982
4,950
旧 榛 原 町
18,512
19,358
20,230
19,438
19,774
19,546
19,375
4.7
旧 室 生 村
7,138
6,869
6,809
6,306
6,529
6,466
6,340
△ 11.2
4町村
計
41,874
41,736
42,035
39,762
40,470
40,057
39,563
△ 5.5
曽
爾
村
2,975
2,743
2,645
2,472
2,444
2,397
2,345
△ 21.2
御
杖
村
3,287
3,035
2,840
2,623
2,605
2,558
2,522
△ 23.3
天
理
市
69,129
68,815
74,188
72,741
71,051
70,859
70,675
2.2
桜
井
市
58,894
60,262
63,225
63,248
63,916
63,520
63,145
7.2
旧月ヶ瀬村
2,136
2,084
2,015
1,962
1,966
1,963
1,945
△ 8.9
旧 都 祁 村
5,630
5,745
6,806
6,797
6,897
6,880
6,807
20.9
山
添
村
5,933
5,773
5,420
4,967
5,118
5,008
4,904
△ 17.3
川
西
町
9,670
9,650
9,847
9,422
9,544
9,419
9,356
△ 3.2
三
宅
町
8,536
8,620
8,584
8,042
8,211
8,119
8,038
△ 5.8
田 原 本 町
30,036
31,533
32,837
32,934
33,795
33,796
33,797
12.5
東吉野村(圏域外)
4,187
3,723
3,336
2,909
3,180
3,088
3,015
△ 28.0
名張市(三重県)
56,474
68,933
79,913
83,291
83,279
83,191
83,104
47.2
(注)1.昭和60年~平成12年は国勢調査結果である。
2.平成13年以降は総務省、奈良県統計調査課がまとめた推計人口によるものである。
3.調査日は国勢調査、推計人口とも10月1日である。
4.対昭和60年伸び率は平成15年を対象としたものである。
5.総数には、年齢不詳を含む。
将来人口の予測(宇陀市)
区
分
総
人 口
(千人)
17年
22年
27年
32年
(2005年)
(2010年)
(2015年)
(2020年)
数
39,762
37,315
34,805
32,023
5,331
4,457
4,011
3,709
3,085
15~64歳
25,520
23,461
20,767
17,411
14,935
65歳以上
8,898
9,397
10,027
10,903
10,953
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
0~14歳
13.4
11.9
11.5
11.6
10.6
15~64歳
64.2
62.9
59.7
54.4
51.5
65歳以上
22.4
25.2
28.8
34.0
37.8
0~14歳
総
構成比
(%)
平成12年
(2000年)
数
28,973
将来人口の予測(東和医療圏)
区
分
総
人 口
(千人)
17年
22年
27年
32年
(2005年)
(2010年)
(2015年)
(2020年)
数
244,970
229,491
221,362
211,258
35,934
32,341
29,882
27,118
23,640
15~64歳
162,801
149,363
139,391
127,106
118,094
65歳以上
46,051
47,787
52,089
57,034
57,912
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
0~14歳
14.7
14.1
13.5
12.8
11.8
15~64歳
66.5
65.1
63.0
60.2
59.2
65歳以上
18.8
20.8
23.5
27.0
29.0
0~14歳
総
構成比
(%)
平成12年
(2000年)
数
※総数には年齢不詳を含む。
27
199,646
②平均寿命
昭和 60 年から平成 7 年までの推移を奈良県平均と市町村(当時 47 町村)で順位付けを行
ったのが下表である。この結果を見ると、各町村、男女ともに平均寿命が延びていることが
分かる。平成 7 年時点では、奈良県全体と比較すると男性は3町1村ともに平均以下、女性
は旧榛原町、旧室生村が平均以上で、旧大宇陀町、旧菟田野町が平均以下となっている。
昭和 60 年
平均寿命
順位
男
女
奈良県
旧大宇陀町
旧菟田野町
旧榛原町
旧室生村
天理市
山添村
桜井市
川西市
三宅町
田原本町
曽爾村
御杖村
奈良県
旧大宇陀町
旧菟田野町
旧榛原町
旧室生村
天理市
山添村
桜井市
川西市
三宅町
田原本町
曽爾村
御杖村
平成 2 年
平均寿命
順位
平成 7 年
平均寿命
順位
74.9
-
76.1
-
77.1
-
75.0
15
74.6
44
76.9
17
74.1
38
74.8
43
76.3
38
75.1
10
74.9
42
76.5
31
75.2
7
75.8
23
76.0
44
75.2
7
76.7
7
77.4
9
74.0
41
76.7
7
77.3
10
74.8
22
76.2
16
76.2
40
74.8
22
76.3
13
76.5
31
73.8
43
75.3
37
76.3
38
75.1
10
76.8
4
77.6
5
75.0
15
75.8
23
76.9
17
74.8
22
75.8
23
76.2
40
74.9
-
81.9
-
77.1
-
80
36
81.2
37
81.8
44
80.3
23
81.4
31
82.7
28
80.4
20
82.3
9
83.2
11
79.2
46
81.2
37
83.3
7
80.9
10
82
18
83.1
15
79.1
47
82.2
13
82.4
39
80.4
20
81.5
29
82.9
21
80
36
81.7
22
83.1
15
81
4
82.3
9
83.1
15
80.6
14
82.1
17
82.7
28
80.8
12
81.6
26
83.3
7
79.8
40
81.6
26
82.3
40
③医療従事者数
東和医療圏は歯科医師、
薬剤師の人口10,000人当たり人数が奈良県平均と比べて少ないが、
医師、保健師、助産師、看護師、准看護師、歯科衛生士、歯科技工士は奈良県平均より多い
状況である。宇陀市でみると、保健師、助産師、准看護師、歯科衛生士は奈良県平均より少
ない状況である。したがって東和医療圏では、天理市や桜井市など市部に医師、歯科医師、
薬剤師、看護師が偏在しており、町村には少ないという状況が統計データー上でも明確にな
っている。
28
人口1万人当たりの医療従事者
医 師
(単位:人)
歯科医
師
薬剤師
保健師
助産師
看護師
准看護
師
歯科
衛生士
歯科
技工士
奈良県全体
19.4
5.6
17.4
3.0
1.8
49.0
22.6
5.5
2.1
旧大宇陀町
4.4
3.3
6.6
4.4
0
2.2
4.4
5.5
0
旧菟田野町
10.2
6.1
10.2
4.1
0
28.5
63.1
2.0
0
旧榛原町
20.1
5.1
9.8
3.6
4.6
71.5
31.4
7.2
5.7
旧室生村
6.3
3.2
0
4.8
1.6
7.9
15.9
3.2
0
(再掲)宇陀市
13.1
4.5
7.5
4.0
2.5
40.2
26.7
5.5
2.8
東和医療圏
22.6
5.3
14.6
4.1
2.5
61.3
24.5
6.3
2.7
※平成12年国勢調査結果の人口と平成14年10月時点での医療従事者から
④三大疾病の死亡率
死因別死亡率をみると、全国、奈良県等では悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、の順に死亡
率が高くなっており、この3大死因で約 60%を占めている。悪性新生物、心疾患は、奈良県は
全国平均と同じ水準にあるが、脳血管疾患は、奈良県、東和医療圏、旧榛原町は全国平均を下
回っている。
死因別死亡率の状況
( 人 口 10万 対 )
総数
全国
男
死
亡
率
結
核
悪性新生物
食道の悪性新生物
胃の悪性新生物
結腸の悪性新生物
直腸S状結腸移行部
肝及び肝内胆管
胆のう及び他の胆道
膵の悪性新生物
気管、気管支及び肺
乳房の悪性新生物
子宮の悪性新生物
白
血
病
糖
尿
病
高血圧性疾患
心疾患(高血圧性除く
急性心筋梗塞
772
862
687
728
818
645
838
925
758
846
863
2
3
1
1
2
1
2
3
1
-
-
-
239
295
185
236
297
180
258
324
197
270
291
251
8
15
3
8
12
3
7
10
5
5
4
7
40
53
28
42
55
30
51
72
32
59
76
43
19
20
19
17
17
17
20
19
22
36
18
53
10
13
7
8
10
6
7
7
7
5
-
10
27
39
17
30
44
17
29
46
14
19
15
23
12
12
13
12
11
13
13
11
14
14
15
13
16
17
14
14
16
12
16
18
14
24
26
23
44
65
23
48
72
26
52
82
23
43
58
30
8
0
15
7
0
13
7
-
13
4
-
7
4
・
8
4
・
8
3
0
5
2
・
3
6
7
4
4
5
3
4
5
3
2
4
-
10
11
9
8
8
7
9
7
11
-
-
-
その他の虚血性心疾患
不整脈及び伝導障害
心
不
全
脳血管疾患
くも膜下出血
脳内出血
脳
梗
塞
大動脈瘤及び解離
肺
炎
慢性閉塞性肺疾患
喘
息
肝
疾
患
腎
不
全
老
衰
不慮の事故
交通事故
自
殺
選択死因分類
総
女
総数
奈良県
男
東和医療圏
総数
男
女
女
総数
旧榛原町
男
女
830
5
4
6
3
2
4
4
3
6
4
7
-
119
119
118
118
116
120
145
135
154
130
91
165
37
41
32
39
44
35
47
47
46
43
33
53
20
22
18
12
13
11
15
15
15
9
13
13
12
22
23
21
28
29
27
28
44
-
17
13
38
33
42
36
29
42
43
36
49
35
15
53
105
102
107
84
81
87
100
103
97
97
84
109
12
9
14
9
7
10
9
7
12
7
4
10
25
27
22
17
20
14
20
25
16
23
26
20
65
63
67
56
52
60
68
70
66
68
55
79
7
9
6
7
9
5
9
9
8
7
15
69
76
62
68
73
63
80
83
77
92
91
93
10
16
5
13
21
5
13
22
4
10
15
7
3
3
3
2
2
1
2
3
2
2
13
18
8
11
15
6
12
16
7
7
11
14
13
15
12
12
12
17
18
16
12
22
3
18
10
25
17
11
23
22
13
30
50
36
63
31
40
22
29
39
21
32
41
24
33
40
27
10
14
6
9
14
5
9
14
4
12
15
10
24
35
13
20
30
11
25
36
16
36
62
13
-
-
3
3
(注)1.人口動態調査による。
2.死亡率は、総死亡率及び選択死因分類別に算出しているため、選択死因分類別合計
と総死亡率は一致しない。
29
3大疾病死因の死亡率比較
(人口10万対)
300
全国
奈良県
東和医療圏
旧榛原町
250
200
150
100
50
0
悪性新生物
心疾患
(高血圧性除く)
脳血管疾患
⑤人口動態
出生率をみると、全国平均の 9.1 でこれを上回っているのは、天理市の 9.7 だけであり、奈
良県、東和医療圏、その他の市町村のいずれも全国平均を下回っている。65 歳以上の人口が
30%を超えている山添村、御杖村では 5.0 を下回り、全国平均の半分近くとなっている。また、
旧榛原町は 6.1 で全国平均より 3.0 ポイント低くなっている。
死亡率は、全国平均が 7.8 で奈良県は 7.3 で全国平均を 0.5 ポイント下回っている。その
他の地域はいずれも全国平均を上回り、高齢者比率の高い山添村では 14.8、御杖村では 13.5
と全国平均の約2倍となっている。旧榛原町は 8.2 で全国平均より 0.4 ポイント高くなってい
る。
これらの人口動態指標からも東和医療圏における急速な少子高齢化がうかがえる。
乳児・新生児・周産期死亡率については、東和医療圏では乳児死亡数が 17 人で死亡率 2.8、
うち新生児死亡数は 11 人で 1.8、周産期死亡は 27 人で 4.5 となっており、各指標とも全国
平均の率を下回っている。市町村では出生数が少ないため、1、2 件で死亡率が大きく上がっ
ている町村がある。
婚姻率をみると、奈良県は 5.3 で全国平均を 0.8 ポイント下回っている。1 番高いところは
全国平均と同率の天理市で、
もっとも低い御杖村では 3.1 と全国平均の2分の1となっている。
高齢者比率の高い町村では、婚姻率は低くなっている。
離婚率については、桜井市、川西町を除いて、全国平均を下回っている。この指標において
も、高齢者比率が高い町村では低くなっている。
30
人口動態指標の比較(平成13年~平成15年の平均値)
地域名
全
奈
良
出生率
死亡率
乳児死亡率 新生児死亡率 周産期死亡率
婚姻率
離婚率
(人口千対) (人口千対) (出生千対) (出生千対) (出産千対) (人口千対) (人口千対)
国
9.1
7.8
3.0
1.7
5.4
6.1
2.3
県
8.5
7.3
2.9
1.6
5.5
5.3
2.0
東 和 医 療 圏
8.1
8.4
2.8
1.8
4.5
5.2
2.0
天
理
市
9.7
7.4
3.9
2.4
4.9
6.1
1.7
桜
井
市
8.4
8.4
1.2
1.2
1.9
5.3
2.4
月 ヶ 瀬 村
6.8
11.1
0.0
0.0
0.0
4.3
0.9
都
祁
村
8.3
9.7
0.0
0.0
5.8
3.2
2.0
山
添
村
4.9
14.8
13.7
0.0
0.0
3.5
0.9
川
西
町
7.5
8.4
0.0
0.0
4.7
5.4
2.4
三
宅
町
6.7
8.2
0.0
0.0
6.1
4.6
1.5
田 原 本 町
8.9
7.2
3.3
2.2
3.3
5.2
2.2
旧大宇陀町
5.0
10.7
0.0
0.0
14.6
4.1
1.6
旧菟田野町
5.5
11.9
12.2
12.2
24.1
4.0
1.9
旧 榛 原 町
6.1
8.2
0.0
0.0
8.3
4.2
1.4
旧 室 生 村
5.6
12.3
9.3
9.3
9.3
4.0
2.3
曽
爾
村
5.1
11.3
0.0
0.0
0.0
4.2
1.8
御
杖
村
4.0
13.5
32.3
0.0
0.0
3.1
1.3
(注)1.全国は日本人人口、県内は総人口を使用してある。
2.周産期死亡率は次の算式による。
周産期死亡数
×
(出生数+満22週以後の死産数)
1000
表は東和医療圏の人口動態指標の平成 9 年から 15 年までの推移を表したものである。
これをみると出生率は低下傾向にある一方、高齢化の影響により死亡率は増加し平成 15 年
には死亡率が出生率を上回り人口は自然減の状況となっている。乳児死亡率は、平成 10 年
を除いて全国平均より低い率で推移している。新生児死亡率は、平成 12 年を除いて、いず
れの年も全国平均を上回っており、医療課題の一つといえる。周産期死亡率については、平
成 10 年を除いて、全国平均を下回っている。婚姻率は低下傾向にあり、一方離婚率は微増
している。
東和医療圏における人口動態指標の推移
人口動態指標
10年
11年
12年
13年
14年
15年
2,263
2,228
2,164
2,163
2,054
2,054
1,939
195
177
183
180
163
163
174
1,909
1,908
2,005
1,986
2,021
2,021
2,094
乳児死亡数
6
9
6
1
5
5
5
新生児死亡数
5
8
2
1
4
4
1
11
23
8
10
8
8
6
22週 以 後 の 死 産 数
8
17
6
9
6
6
5
早期新生児死亡数
3
6
2
1
2
2
1
婚姻件数(件)
1,369
1,359
1,335
1,307
1,292
1,292
1,186
離婚件数(件)
411
446
439
426
518
518
457
出
生
率 (人 口 千 対 )
9.1
8.9
8.7
8.8
8.3
8.4
8.0
死
亡
率 (人 口 千 対 )
7.6
7.6
8.1
8.1
8.2
8.3
8.6
乳 児 死 亡 率 (出 生 千 対 )
2.7
4.0
2.8
0.5
2.4
2.4
2.6
新 生 児 死 亡 率 (出 生 千 対 )
2.2
3.6
0.9
0.5
1.9
1.9
0.5
周 産 期 死 亡 率 (出 生 千 対 )
4.8
10.2
3.7
4.6
3.9
3.9
3.1
婚
姻
率 (人 口 千 対 )
5.5
5.4
5.4
5.3
5.3
5.3
4.9
離
婚
率 (人 口 千 対 )
1.6
1.8
1.8
1.7
2.1
2.1
1.9
出生数(人)
(再掲)
2500g未 満
死 亡 数 (人 )
(再掲)
周産期死亡数(人)
(再掲)
平成9年
31
(3) 東和医療圏に属する病院
東和医療圏内には、平成 18 年 2 月 1 日時点で病院が13施設存在している。この中で一般
病床が 200 床を越える病院は、宇陀市立病院、天理よろづ相談所病院、高井病院、済生会中和
病院、国保中央病院の5病院であり、これらが地域中核病院の役割を担っていると考えられる。
病 院 名
許可病床数
診療科
一般
宇陀市
宇陀市立病院
13科
300
辻村病院
11科
26
天理市立病院
9科
173
奈良東病院
8科
天理よろづ相談所病院
24科
療養
精神
結核
感染
総数
300
40
66
173
260
260
815
815
天理市
桜井市
天理よろづ相談所病院白川分院
3科
100
高宮病院
6科
40
40
高井病院
14科
257
50
307
済生会中和病院
13科
292
48
山の辺病院
10科
50
72
桜井病院
3科
50
50
国保中央病院
8科
220
220
10科
100
100
86
186
10
350
122
田原本町
県心身障害者リハビリテーションセンター
※平成 18 年 2 月 1 日現在
(4) 東和医療圏の救急医療体制
救急医療は、基本的に初期救急医療はかかりつけ医が、二次救急は地域ごとの病院群輪番制
に参加している医療機関が、三次救急は都道府県が指定した救命救急センター等が対応するこ
とになっている。奈良県保健医療計画によると、現在の東和医療圏の救急医療は次のように実
施されている。
①休日(夜間)応急診療所
天理市立休日応急心療所、桜井市休日応急心療所、磯城休日応急心療所(田原本町)の3ヶ
所が救急医療サービスを提供している。しかしながら、天理市休日応急心療所が内科・小児科・
歯科、桜井市休日応急心療所が内科・外科・小児科、磯城休日応急心療所が内科・小児科と初
期救急を担う施設であることを勘案しても、一般的な診療科に偏っている状況と言える。
32
②二次救急体制
天理市、山添村を除く東和医療圏内の市町村は桜井地区として、病院群輪番制によって二次
救急に対応している。その参加病院は宇陀市立病院、済生会中和病院、山の辺病院、菟田野辻
村病院、国保中央病院の5病院である。一方、天理市及び山添村については、桜井地区に含ま
れていないだけではなく、病院群輪番制も実施していない状況である。
③小児救急体制
小児の二次救急医療体制として、平成 8 年度から北和と中南和の2つのブロックに分けられ
て 16 病院で小児科病院輪番体制を組み、夜間・休日の救急医療体制の確保を図っている。ま
たその後方支援としての三次救急は県立医科大学附属病院で対応している。
しかしながら初期救急医療機関の体制が整備されていないことから、二次救急の医療機関で
ある小児科病院輪番体制の当番病院に、入院を要さない初期救急医療の対象患者が集中し、本
来の二次救急医療の対象患者の対応に支障が生じている。
そのような状況の中で中南和地区として、宇陀市立病院、済生会中和病院、国保中央病院、
大和高田市立病院、済生会御所病院、奈良友紘会病院、県立五条病院、町立大淀病院の8病院
が小児救急輪番体制に参加しており、毎休日・毎夜間に1日1病院が担当している。
④三次救急体制
奈良県内に三次救急体制が整っている施設は、北和地域では県立奈良病院救命救急センター、
中南和地域では県立医科大学附属病院救急センターがその役割を担っており、近畿大学医学部
奈良病院についても北西部の三次救急医療機関としてその役割を担っている。したがって、東
和医療圏内に救命救急センターなど三次救急を提供できる医療機関は存在しないが、宇陀市か
ら県立医科大学附属救命救急センターまで車で約30分未満の距離であることから、その必要
性はそれほど大きくないと考えられる。
(5) 東和医療圏内の入所福祉施設
奈良県老人保健福祉計画によると、奈良県を下表のように 3 つの老人保健福祉圏に分類され
ている。東和・中和老人保健福祉圏には現在、特別養護老人ホームは 25 施設(1,835 床)
、介
護老人保健施設は 11 施設(1,020 床)が整備されている。宇陀市内に限れば、特別養護老人ホ
、介護老人保健施設は 1 施設(100 床)が整備されている。
ームは 5 施設(345 床)
名
称(福祉圏)
奈良・西和老人保健福祉圏
区
域(市町村名)
奈良市、大和郡山市、生駒市、平群町、三郷町、斑鳩
町、安堵町、上牧町、王寺町、河合町
天理市、桜井市、山添村、川西町、三宅町、田原本
町、宇陀市(大宇陀、菟田野、榛原、室生)、曽爾
東和・中和老人保健福祉圏
村、御杖村、大和高田市、橿原市、御所市、香芝市、
葛城市、高取町、明日香村、広陵町
南和人保健福祉圏
五條市、吉野町、大淀町、下市町、黒滝村、天川村、
野迫川村、十津川村、下北山村、上北山村、川上村、
東吉野村
33
施設
種別
特
別
養
護
老
人
ホ
ー
ム
施設の名称
所在地
1
大宇陀特別養護老人ホーム ラガール
宇陀市大宇陀区拾生250-6
61
2
特別養護老人ホーム やまびこ
宇陀市菟田野区平井135
60
3
特別養護老人ホーム 悠楽園
宇陀市榛原区檜牧584
50
4
ゆぁほうむ榛原
宇陀市榛原区長峯200-1
84
5
特別養護老人ホーム 室生園
宇陀市室生区下田口1216
90
6
社会福祉法人天寿会
特別養護老人ホーム ひびきの郷
天理市岸田町満路1199
84
7
天理市特別養護老人ホーム ふるさと園
天理市遠田町473
30
8
特別養護老人ホーム やすらぎ園
天理市福住町5504
100
9
特別養護老人ホーム 清寿苑
天理市中之庄町532-1
54
10 社会福祉法人 大和桜井園
桜井市阿部1073
11 国見苑
御所市柏原1594-1
12 さうす国見
御所市柏原1320
109
13 テンダーヒル御所
御所市船路415
50
14 桃寿園
橿原市北越智町345
50
15 特別養護老人ホーム 香久山インパレス
橿原市戒外町7
80
130
46
16 特別養護老人ホーム かなはし苑
橿原市雲梯町28
114
17 特別養護老人ホーム 慈光園
大和高田市池田444
134
18 特別養護老人ホーム すばる
香芝市鎌田157-1
50
19 特別養護老人ホーム 大和園白鳳
香芝市尼寺594-1
54
20 特別養護老人ホーム 田原本園
磯城郡田原本味間523-1
21 特別養護老人ホーム せせらぎ苑
山辺郡山添村広瀬823
63
22 特別養護老人ホーム 光明園
高市郡高取町清水谷150-5
50
23 特別養護老人ホーム あすかの里
高市郡明日香村越280
50
24 特別養護老人ホーム あまがし苑
高市郡明日香村栗原421-2
50
25 特別養護老人ホーム 大和園
北葛城郡広陵町三吉169
84
特別養護老人ホーム
1
介
護
老
人
保
健
施
設
入所
定員
総計
宇陀市介護老人保健施設 さんとぴあ榛原
宇陀市榛原区萩原801-1
108
1,835
100
2
介護老人保健施設 ならふくじゅ荘
天理市中之庄町493-1
3
老人保健施設シルバーケア まほろば
桜井市阿部323
100
4
介護老人保健施設 やまのべグリーンヒルズ
桜井市大豆越104-1
100
5
老人保健施設 鴻池荘
御所市池之内1064
162
6
介護老人保健施設 ケアステージみみなし
橿原市常磐町158-1
80
7
介護老人保健施設 花橿
橿原市古川町395-1
80
8
老人保健施設 リンク橿原
橿原市雲梯町28
80
9
介護老人保健施設 ふれあい
大和高田市日之出町13-15
88
10 老人保健施設 サンライフ田原本
磯城郡田原町小阪305-1
70
11 老人保健施設 竹取の丘
北葛城郡広陵町馬見5-13-11
80
介護老人保健施設
総計
80
1,020
(6) 東和地域保健医療計画の課題
「東和地域保健医療計画」は、奈良県保健医療計画の二次医療圏計画であり、東和医療圏の
特性を踏まえた保健医療を総合的に推進するもので、平成 15 年度から 19 年度を目標年次とし
ている。
この計画における医療提供体制の整備に関して、主として次のことが課題となっている。
34
① かかりつけ医・かかりつけ歯科医・かかりつけ薬剤師を中心とした在宅医療提供体制を支
援するため、病院群輪番制などを活用しながら、地域の中核となる病院を中心とした支援体
制づくりを図る。
② 地域の医療機関相互の連携強化と機能分担を推進するため、かかりつけ医や医師会等の協
力を得て、圏内に1か所以上、地域医療支援病院またはこれと同等の機能を持つ地域医療の
中核的な病院の整備を図る。
③ がん、循環器、救命救急などの高度専門医療について、県立医科大学附属病院をはじめと
した高度専門医療機能を担う病院とその他の医療機関との連携を推進する。
④ 二次救急医療体制について、病院群輪番制の未実施市村についても輪番体制への参加を推
進するとともに、眼科、耳鼻咽喉科等の特殊診療科については、県内全域を対象とした体制
整備を検討する。
⑤ 小児救急医療体制について、休日応急診療所での小児科医確保、診療時間拡大等の体制整
備を検討するとともに二次保健医療圏を単位とする体制整備を検討し、後方支援病院である
県立医科大学附属病院との連携を図る。
⑥ 地域災害医療センターが指定されていない東和医療圏に、新たに1か所指定を行う。
⑦ 高齢者や障害者等が、地域で急性期から維持期に至る全過程を通じて必要なリハビリテー
ションを継続的に実施できる連携システムを整備することに努める。
⑧ 生活習慣病対策として、検診の受診率向上及び精度管理を進める。
35
Ⅲ 宇陀市の地域住民の受療動向
1 宇陀市民の受療動向
調査方法:平成 17 年 5 月分の国民健康保険レセプトを用いて、分析を行った。
国民健康保険に加入している地域住民が平成 17 年 5 月中に医療機関を受診したデータ
ーを解析することによって受療動向を把握する。診療単価が高ければ高いほど手術等の
急性期の医療サービスを受けたことを意味する。なお、調査時点では宇陀市合併前であ
るため、4町村それぞれのデーターを合算することで宇陀市民の受療動向とした。
(1)受療動向
①入院患者
宇陀市で入院が必要となった国保患者の 26.6%が宇陀市立病院を、10.4%が辻村病院を受
診しており、宇陀市内で国保患者の 37.0%に対して入院医療サービスを提供していることが
分かる。東和医療圏内に限れば、この2病院に次いで済生会中和病院・天理よろづ相談所病
院・高井病院が続くが、医療圏内その他も含めると東和医療圏内で宇陀市民の入院患者の
53.3%に対して医療サービスを提供していることになる。
しかしながら約2人に1人が医療圏外の医療機関に入院していることが明確になった。
また入院単価の状況を見ると、天理よろづ相談病院・済生会中和病院・高井病院・奈良県立
医科大学附属病院が診療単価 30,000 円を超えており、これらの病院が急性期医療の中核的
存在と考えられる。宇陀市立病院では幅広い患者層を獲得しており、また高齢者の入院患者
が多いため診療単価は決して高くはなっていないが、地域密着の医療サービスを提供してい
るとも言える。
(単位:件、日、%、円)
医療機関
宇陀市立病院
診療日数
比率
件数
1件/日
診療単価
2,155
26.6
154
14.0
26,150
辻村病院
840
10.4
41
20.5
14,113
天理よろづ相談所病院
385
4.8
29
13.3
43,205
済生会中和病院
465
5.7
34
13.7
32,937
高井病院
197
2.4
16
12.3
50,751
医療圏内その他
277
3.4
15
18.5
28,699
県立医科大学附属病院
651
8.0
42
15.5
46,397
1,795
22.2
74
24.3
17,767
奈良県内不明
318
3.9
12
26.5
13,318
名張市立病院
72
0.9
6
12.0
28,926
三重県その他
377
4.7
22
17.1
23,678
奈良・三重県以外
571
7.0
35
16.3
32,018
医療圏外その他
36
②外来患者
宇陀市民で病院の外来を受診した国保患者のうち、52.4%が宇陀市立病院を、11.0%が辻
村病院を受診しており、宇陀市内で 63.4%の病院外来患者へ医療サービスを提供しているこ
とが分かる。これは、外来という性質上、近隣の医療機関を受診する傾向が強いことがその
まま結果として現れていると言える。東和医療圏で見ると、79.0%の患者が東和医療圏内の
病院を受診していることになり、基本的に病院外来の医療は東和医療圏内で対応できている
と言える。
医療機関
診療日数
比率
件数
診療単価
1件/日
宇陀市立病院
5,693
52.4
3,702
1.5
11,009
辻村病院
1,193
11.0
605
2.0
4,828
天理よろづ相談所病院
731
6.7
598
1.2
15,432
済生会中和病院
709
6.5
487
1.5
11,087
高井病院
118
1.1
71
1.7
12,024
医療圏内その他
137
1.3
76
1.8
9,291
県立医科大学附属病院
662
6.1
504
1.3
19,505
医療圏外その他
440
4.1
240
1.8
10,206
奈良県内不明
0
0
0
-
-
名張市立病院
61
0.6
46
1.3
8,039
三重県その他
353
3.3
241
1.5
16,162
奈良・三重県以外
761
7.0
462
1.6
9,865
(2)将来患者数予測
国保レセプトの受診状況から国保加入者の受療率を算出し、それを用いて宇陀市の将来患
者数予測を行った。
① 入院患者数
平成 17 年時点で入院患者数の推計値は約 470 人であり、うち約 260 人(約 55%)が
65 歳以上の高齢者と予測される。患者数は地域の高齢化に伴って平成 22 年まで増加した
後に減少を始め、平成 27 年には約 480 人と平成 17 年とほぼ同数、平成 32 年には約 455
人と平成 17 年より少なくなると予測されるが、
65 歳以上の高齢者数は約 318 人
(約 70%)
と平成 17 年より患者数と割合の増加が予測される。
しかしながら、患者数が減少する事由は、最も患者数が多い「精神及び行動の障害」
の患者数が減少するためであり、一般的な病院が対象とする疾病の患者数は増加すると
予測される。
37
年少
生産年齢
65歳~74歳
75歳以上
(人/日)
500
450
30.1
25.6
400
350
21.1
20.5
16.9
143.0
120.2
91.2
93.6
214.1
225.6
224.2
平成22年
平成27年
平成32年
170.9
186.6
191.8
300
78.5
250
200
77.7
82.3
150
100
152.7
181.4
50
平成12年
平成17年
感染症及び寄生虫症
新生物
血液及び造血器の疾患
内分泌,栄養及び代謝疾患
精神及び行動の障害
神経系の障害
眼及び付属器の疾患
耳及び乳様突起の疾患
循環器系の疾患
呼吸器系の疾患
消化器系の疾患
皮膚及び皮下組織の疾患
筋骨格系及び結合組織の疾患
尿路性器系の疾患
妊娠・分娩及び産褥
周産期に発生した病態
先天奇形,変形及び染色体異常
症状,徴候及び異常臨床所見・異常検査
所見で他に分類されないもの
損傷,中毒及びその他の外因の影響
その他(不明)
平成17年 平成32年
推計値
推計値
(A)
(B)
10.1
11.5
50.4
51.9
4.6
6.2
23.6
25.9
127.5
96.2
26.8
22.1
5.7
6.6
63.8
73.5
40.2
42.1
22.4
23.2
2.2
2.4
20.1
22.6
10.7
8.9
2.2
1.2
8.5
5.8
増減率
(B/A)
114.0%
103.1%
135.1%
109.9%
75.4%
82.5%
115.4%
115.1%
104.6%
103.6%
106.3%
112.3%
83.5%
54.0%
67.9%
3.7
4.3
115.8%
39.0
9.7
40.9
9.8
104.6%
100.6%
② 外来患者数
平成 17 年時点で病院を受診する外来患者数の推計値は約 640 人であり、うち約 330 人
(約 52%)が 65 歳以上の高齢者と予測される。患者数は地域の高齢化に伴って平成 22
年まで増加した後に減少を始め、平成 27 年には約 620 人と平成 17 年とやや減少、平成
32 年には約 590 人へ減少すると予測されるが、65 歳以上の高齢者数は約 390 人(約 65%)
と平成 17 年より患者数と割合の増加が予測される。
38
年少
生産年齢
65歳~74歳
75歳以上
(人/日)
700.0
600.0
53.8
59.8
48.1
43.2
35.6
50 0.0
235.4
197.9
165.8
150.3
175.2
178.0
183.5
204.4
205.9
209.1
平成17年
平成22年
平成27年
平成32年
251.9
261.2
400.0
30 0.0
200.0
10 0.0
148.1
157.1
149.8
平成12年
疾病別の患者数の増減予測では、入院患者数と異なり、多くの疾患において減少が予測
される。しかしながら「循環器系の疾患」については、患者の高齢化によって患者数の
増加が予測されている。
病院の外来患者数は医療行政の変化、例えば患者の自己負担率の変更などによって大き
く増減する。
感染症及び寄生虫症
新生物
血液及び造血器の疾患
内分泌,栄養及び代謝疾患
精神及び行動の障害
神経系の障害
眼及び付属器の疾患
耳及び乳様突起の疾患
循環器系の疾患
呼吸器系の疾患
消化器系の疾患
皮膚及び皮下組織の疾患
筋骨格系及び結合組織の疾患
尿路性器系の疾患
妊娠・分娩及び産褥
周産期に発生した病態
先天奇形,変形及び染色体異常
症状,徴候及び異常臨床所見・異常検査
所見で他に分類されないもの
損傷,中毒及びその他の外因の影響
その他(不明)
平成17年 平成32年
推計値
推計値
(A)
(B)
28.8
25.9
43.4
41.6
4.3
3.8
41.4
39.1
21.2
17.0
20.8
18.1
38.2
37.6
12.1
11.5
103.8
107.6
69.5
54.9
39.9
37.4
24.8
20.4
65.9
65.0
47.9
43.5
3.1
1.8
0.4
0.2
2.3
1.6
増減率
(B/A)
90.2%
95.9%
87.8%
94.4%
80.2%
87.0%
98.4%
94.9%
103.7%
79.1%
93.6%
82.5%
98.6%
90.9%
56.6%
65.4%
66.9%
15.1
13.4
88.6%
49.0
5.3
41.9
6.1
85.5%
116.2%
39
(3)救急搬送状況
平成 16 年消防統計によると、宇陀広域消防組合消防本部が救急搬送した患者数は 1,900 件で
あった。そのうち 40%弱が旧榛原町内に搬送されており、その大半が宇陀市立病院であった。
また搬送先の傾向を見ると、救急患者という性質もあって、基本的に搬送時間が短い病院へ
搬送している状況が分かる。
搬送先施設住所
搬送件数
旧榛原町
750
天理市
325
橿原市
262
桜井市
252
旧菟田野町
96
名張市
58
田原本町
37
大和高田市
28
大和郡山市
21
奈良市
16
大淀町
12
五條市
9
三郷町
7
大阪府内
6
御所市
5
生駒市
4
下市町
3
曽爾村
3
三重県その他
3
吉野町
1
高取町
1
當麻町
1
合
計
救急搬送先割合
名張市
3%
その他
8%
旧菟田野町
5%
旧榛原町
40%
桜井市
13%
橿原市
14%
天理市
17%
1,900
※平成16年消防統計(宇陀広域消防組合
消防本部)より
40
Ⅳ 宇陀市立病院の現況
1 病院の現況
(1) 沿革
宇陀市立病院は、昭和 29 年7月に榛原町立病院として現在の地で 20 床、6診療科で発足
し、平成 16 年7月に 50 周年を迎え、平成 18 年 1 月 1 日には市町村合併により「宇陀市立病
院」に名称変更し現在に至っている。
年
月
事
項
昭和 29 年 7 月 榛原町立病院として診療6科目、病床数20床で開院
(内科、外科、産婦人科、眼科、皮膚泌尿器科、放射線科)
30 年 3 月
31 年 9 月
34 年 4 月
37 年 4 月
39 年 4 月
42 年 3 月
43 年 4 月
53 年 10 月
59 年 5 月
6月
60 年 10 月
63 年 10 月
平成 元 年 4 月
5月
7月
8月
3年 8月
4
6
7
8
11
年 4
年 5
年 4
年 11
年 3
4
月
月
月
月
月
月
年 5
年 5
年 10
年 3
7
18 年 1
4
月
月
月
月
月
月
月
12
13
15
16
一般病床を増設 病床数60床
結核病棟を新設 病床数40床
一般病棟の基準看護実施(第2類)
臨床検査科開設
地方公営企業法財務規定を適用
結核病棟を増床 結核病棟を54床
改増築竣工・中央館完成 一般病床106床、結核病床64床
改増築竣工・東館完成 一般病床209床、結核病床21床
増改築竣工・西館完成 一般病床280床、結核病床20床
創立30周年と増築落成式を挙行
医療事務用コンピュータ業務開始
一般病棟の基準看護特1類となる
神経内科を開設
自治体立優良病院会長賞受賞
増改築竣工・北館完成
榛原総合病院に名称変更 一般病床304床、結核病床20床
創立35周年と増築落成式を挙行 泌尿器科・理学診療科
を開設
人工透析を開始
病棟改造工事竣工、北館2階ほか
一般病床351床、結核病床20床
救急指定病院の告示
基準看護 西3階病棟が特三類に
伝染病棟を閉鎖、外来業務等を委託
MRI稼動
結核病床廃止
榛原町老人保健施設開設に伴い東4階病棟を閉鎖
一般病床300床に、臨床工学科を新設
自治大臣表彰・自治体立優良病院表彰を受賞
X線・検査・薬局の日当直を開始
16列マルチスライスCTスキャナを導入
オーダーリングシステムを導入
病院創立50周年
町村合併により「宇陀市立病院」に名称変更
(財)日本医療機能評価機構から「優良病院」の認定を受ける
41
病床の変遷
一般 結核 伝染
合計
病床 病床 病床
20
20
60
60
40
60
100
60
106
209
280
54
64
21
20
114
170
230
300
304
20
324
351
20
371
351
351
300
300
(2) 基本理念
私たちは、地域住民に対する健康の保持と増進を図るため、常に変わらぬ公正な心でどれ
だけ患者さまの立場に立てるかを問い、優しさ・思いやり・温もりの心を持ち続け、住民に信
頼される安全で質の高い全人的医療の発展に努めます。
行動指針
一、地域医療の拠点として、唯一の公的医療機関の役割を果たす
一、心の通う患者さま中心の医療を展開する
一、良質で効率的な医療の供給体制を構築する
一、これらを支える安定した経営基盤を確立する
(3) 施設・設備の現況
・敷地面積:11,710 ㎡
・用途規制
用 途 地 域
市街化調整区域
許容建ぺい率
70%
許 容 容 積 率
400%
・ 建 物
給食棟等 758 ㎡ (計 14,024 ㎡)
本 館 13,266 ㎡
(4) 運営の概況
・病床数:一般 300 床
・診療科目(13診療科目)
内科、外科、整形外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、泌尿器科、神経内科、
小児科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科
・病棟構成
内
病棟名称
訳
病床数
入院患者診療科目
普通個室
3床室
4床室
5床室
6床室
計
東 2 階
60 整形外科
17
1
4
‐
4
26
西 2 階
45 内科、産婦人科
10
‐
‐
1
5
16
東 3 階
59 内科
21
‐
2
‐
5
28
西 3 階
44 外科、皮膚科、耳鼻咽喉科
8
2
‐
‐
5
15
北 3 階
46 内科
6
‐
1
‐
6
13
北 4 階
46
6
‐
1
‐
6
13
68
3
8
1
31
111
合
(注)
計
休床中
300
1.平成17年6月1日現在
2.北4階は平成17年2月1日から休床
42
(5) 主要医療機器の保有状況
宇陀市立病院が所有する主な医療機器である。
(単位:台)
医療機器名
台数
気管支ファイバースコープ
十二指腸ファイバースコープ
大腸ファイバースコープ
画像診断用超音波装置
上部消化管ファイバースコープ
医療機器名
1 生化学自動分析装置〈12チャンネル以上〉
1 血液ガス測定装置
2 脳波計
3 人工腎臓(透析)装置
台数
2
1
1
個 人 用
20
5
NMR-CT(MRI)
2 人工呼吸器(成人用)
1 手術用顕微鏡
マンモグラフィー
1 光凝固装置
1
マルチスライスCT
1 長時間心電図分析装置(記録・監視装置は除く)
1
骨塩定量測定装置
1 分娩監視装置
3
心細動除去装置
3
(注)平成17年3月15日現在
(6) 機関指定等
臨床研修指定病院
保険医療機関
労災保険指定病院
労災保険二次健診等給付医療機関
更生医療指定医療機関
育成医療指定医療機関
結核予防法指定医療機関
優生保護法指定医療機関
生活保護法指定医療機関
原爆被爆者援護法指定医療機関(一般・特別)
特定疾患治療研究事業による治療研究に係る医療の給付
母体保護法指定医(在籍)
身体障害者福祉法指定医
公害医療機関
助産施設
43
2
(7) 人員配置状況
① 医 師
医師は、医療法上の標準数を平成 15 年度の患者数で算出すると 27.00 人となり、後述す
る現員数 29.2 人は、標準数を充足している。
診療科別医師数
(単位:人)
診療科
内
外
小
児
整 形 外
泌 尿 器
産 婦 人
耳 鼻 咽 喉
眼
神 経 内
皮
膚
放 射 線
麻
酔
合
正
科
科
科
科
科
科
科
科
科
科
科
科
計
常 勤
規
臨
10
3
2
5
1
1
1
2
1
1
‐
1
28
時
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
非常勤
計
‐
1
‐
‐
1
1
1
‐
‐
1
1
‐
6
10
4
2
5
2
2
2
2
1
2
1
1
34
( 注 ) 平 成 16年 3 月 1 日 現 在
② 看護職員
ア.病棟看護職員
宇陀市立病院は、入院基本料の施設基準(以下、
「看護配置基準」という。
)は、Ⅰ群一
般入院基本料2(以下、
「Ⅰ群2」という。
)を採用しており、患者 2.5 人に看護師1人の
配置になっている。
病棟配置職員数は 132 人でうち、看護師 100 人、准看護師 10 人、看護補助者 22 人とな
っている。勤務体制が2交代制であり、夜勤回数は月5日以下と少ない。
病棟別看護職員配置状況
(単位:人)
病
棟
東2階
西2階
東3階
西3階
北3階
北4階
看護単位ごとの配置職員数
看護配
置基準
看護師
60
44.8 2.5:1
20.0
2.0
5.0
27.0
45
22.8 2.5:1
15.0
1.0
3.0
19.0
59
42.3 2.5:1
21.0
2.0
5.0
44
15.5 2.5:1
14.0
2.0
3.0
46
27.4 2.5:1
14.0
2.0
3.0
46
19.2 2.5:1
病床数
(床)
入院患
者数
合 計
300
172.0
(注)平成16年3月現在
准看護師 看護補助者
夜勤
日数
夜勤
加算
2
3.5
5.0
2
4.8
2.0
28.0
3
4.4
3.0
19.0
2
4.4
2.0
19.0
2
4.4
3.0
4.1
計
2交代
勤務
16.0
1.0
3.0
20.0
2
100.0
10.0
22.0
132.0
13
44
2.0
17.0
イ.部門別看護職員の配置状況
総数 186 人で看護師 114 人、准看護師 34 人、看護補助者 40 人、臨床工学技士5人となっ
ている。部門別構成比は、病棟 70.2%、外来 17.8%、手術室 5.2%、人工透析室が 3.7%で
ある。
部門別看護職員配置状況
(単位:人)
部
門
病
外
看護師
棟
来
准看護師 看護補助者
100
10
1
3
114
総看護師長室
手 術 室
中 材 室
人 工 透 析
合 計
12
14
7
1
34
小計
22
10
5
1
40
計
臨床工学技士
134
34
1
10
5
2
186
5
5
134
34
1
10
5
7
191
構成比
(%)
70.2
17.8
0.5
5.2
2.6
3.7
100.0
(注)平成16年3月31日現在
③ 部門別職員の配置状況
正規職員が 255 人、臨時職 49 人で合計 304 人であり、また、臨時職員を常勤換算した合計
は 290.3 人となっている。
部門別にみると、看護部門が 62.1%と圧倒的な人数を占め、続いて医師 10.1%、事務部門
8.3%などとなっている
部門別職員配置状況
(単位:人)
区
分
実員数
正
部門・職種
医
看
護
部
門
准
看
護
6
-
34
29.2
8
-
114
113.0
2
-
34
32.0
-
38
35.3
159
27
-
186
180.3
薬
剤
師
11
-
-
11
11.0
そ
の
他
-
-
-
-
-
11
-
-
11
11.0
計
10
-
-
10
10.0
10
-
-
10
10.0
8.0
計
査
技
師
計
放 射 線 技 師
8
-
-
8
そ
-
-
-
-
-
8
-
-
8
8.0
3.0
の
他
計
理 学 療 法 士
3
-
-
3
言 語 聴 覚 士
-
-
-
-
-
視 能 訓 練 士
1
-
-
1
1.0
小
学
栄
計
技 士
4
-
-
4
4.0
5
-
-
5
5.0
士
3
-
-
3
3.0
8
9
-
17
15.7
11
9
-
20
18.7
養
調 理 及 び 助 手
小
計
医
事
4
-
-
4
4.0
庶
務
10
1
-
11
10.7
他
5
6
-
11
9.4
19
7
-
26
24.1
255
49
-
304
290.3
そ
の
小
合
28
106
17
工
事
務
部
門
構成比
(%)
換算人員
計
32
小
給
食
部
門
非常勤
時
21
小
リ
部 ハ
門 ビ
リ
臨
師
検
放
射
線
部
門
師
勤
看 護 補 助 者
小
部 検
門 査
床
護
小
薬
剤
部
門
臨
師
看
常
規
計
計
(注)1.非常勤・臨時職員数は常勤換算してある。
2 . 平 成 16年 3 月 31日 現 在 の 配 置 状 況 で あ る 。
45
10.1
62.1
3.8
3.4
2.8
1.4
1.7
6.4
8.3
100.0
(8) 業務委託範囲の状況
宇陀市立病院の現在の業務委託範囲の状況は下表の通りである。
(平成17年4月1日現在)
業務内容
委託状況
施設整備・運営・管理業務
輸送設備(エレベーター、エスカレーター等)
警備設備・システム
その他の建築設備(空調・衛生・電気・防災)
駐車場(機械設備、ゲート等)
病院運営業務(政令8業務)
医療機器
エレベータの保守委託
夜間・休日の警備業務委託
電気・防災の委託
駐車場の誘導業務委託
MR・CT等医療機器の保守委託
医療ガス
全部委託
清掃
洗濯
患者給食
院内清掃業務委託
病衣・シーツ等リース、洗濯業務委託
食器洗浄のみ委託
検体検査
病理等の一部外注委託
消毒滅菌
直営
患者搬送
直営
事務支援サービス業務
医療事務
物品調達・物流管理
看護補助
医療廃棄物処理
情報システム
外来業務、外来レセ及び入院レセの一部委託
直営
直営
全部委託
医事・オーダリングシステム等の保守委託
これらの状況を踏まえると、今後、委託業務範囲の拡大を検討すべき業務内容は下記の
ように考える。
ⅰ.患者給食
現在、洗浄業務のみの業務委託である。調理業務を含めた業務委託化を推進することで、
費用抑制を図る。しかしながら現在の調理スタッフの雇用の問題は継続的な検討が必要と
なる。
ⅱ.消毒滅菌業務
現在よりも手術件数の大幅な増加が実施可能であれば、消毒滅菌業務を外部委託化し、
手術部門へ看護職員の配置を集中させる手法が必要となる。
ⅲ.物品調達・物流管理
物品調達方法及び物流管理業務については、外部委託化することにより、事務部門の人
員抑制と現場スタッフの物品管理に関する業務負担の軽減を期待できる。物品調達につい
ては、かつては特定の業者から一括購買することは問題とされていたが、昨今では特定の
業者から一括購買をした方が購買費用の抑制の可能性があり、自治体立病院でも実施して
いる事例は増えてきている。
46
(9) 医療機能面の主な特色
東和医療圏は、65 歳以上の人口の比率(以下、
「高齢者比率」という。
)が 20%を超え、今
後、高齢化のテンポを一段と速め平成 32 年には 30%を以上の超高齢社会と予測されている。
宇陀市立病院においては、こうした社会構造の変化に対応し、早くから生活習慣病などの高齢
者医療に重点を置いた医療体制を整備し、地域の中核病院としての役割を果たしてきている。
①がん・循環器系医療
死因別死亡統計によると、旧榛原町における胃・結腸の人口 10 万人当たりの死亡率は
100 で、全国平均の 69 に比較し、31 ポイント高く、消化器系のがんは当院の重点医療の一
つといえる。当院では、消化器外科を設置し、医療スタッフの充実や医療機器の整備を進め
てきた。
循環器系疾患は、加齢とともに罹患率が高まり重症化する。奈良県では消化器系疾患に
次いで受療率が高く、当院では、ペースメーカ外来、動脈硬化外来を開設するとともに、
奈良医大や天理よろず相談所病院と連携し、地域の循環器医療の充実に努めている。
②救急医療
宇陀市立病院は、
平成 4 年 4 月に救急告示病院に指定され、
地域の二次救急医療を担い、
また、小児救急の病院輪番制を実施し、地域の救急医療における中核病院となっている。
③人工透析医療
平成元年に人工透析室を開設し、現在、20台の人工透析装置、5人の臨床工学技士を
配備し、年間 7,000 件程度の人工透析を実施している。
(10) 地域別患者数
平成 16 年度中に宇陀市立病院を受診した患者の住所地は下表の通りであり、基本的に旧榛原
町住民が主であることが分かる。宇陀市住民で考えると、入院患者の 70.6%、外来患者の 75.4%
の数値になる。
(単位:人,%)
旧大宇陀町
宇 旧菟田野町
陀
市 旧 榛 原 町
旧 室 生 村
旧
都
祁
村
東和医療圏
桜
井
市
御
杖
村
曽
爾
村
山
添
村
月
ヶ
瀬
村
小 計
吉
野
村
南和医療圏東
そ
の
他
県
内
圏
名
張
市
域 三
重
県
そ
の
他
外
他
府
県
小
計
合
計
入
実患者数
728
415
1,753
523
261
196
205
126
12
0
4,219
194
219
108
4
97
622
4,841
47
院
構成比
15.0%
8.6%
36.2%
10.8%
5.4%
4.0%
4.2%
2.6%
0.2%
0.0%
87.2%
4.0%
4.5%
2.2%
0.1%
2.0%
12.8%
100.0%
外
実患者数
11,137
6,306
34,167
7,978
3,611
2,512
2,670
1,754
71
14
70,220
3,034
3,231
1,731
45
810
8,851
79,071
来
構成比
14.1%
8.0%
43.2%
10.1%
4.6%
3.2%
3.4%
2.2%
0.1%
0.0%
88.8%
3.8%
4.1%
2.2%
0.1%
1.0%
11.2%
100.0%
(11) 年齢階層別患者
下表は平成 16 年度の年齢階層別の患者数を表したものである。
70 歳以上の高齢者の占める割合は、入院約 60%、外来約 45%と高い。今後、高齢者の人口が増
加するに伴い、この比率はさらに高くなると思われる。
年齢別患者構成
年齢階級
院
(構成比)
0
~
9
歳
10
~
19
歳
20
~
29
歳
30
~
39
歳
40
~
49
歳
50
~
59
歳
60
~
69
歳
70
~
79
歳
80
~
89
歳
90
歳
以
上
( 再 掲 ) 70歳 以 上
合
(単位:%)
入
計
7.98
2.67
2.27
2.35
3.21
7.93
13.85
28.75
24.75
6.25
59.75
100.00
48
外
来
(構成比)
9.12
4.24
3.27
3.70
5.52
10.69
18.64
28.83
13.98
2.02
44.82
100.00
(12) 診療状況
入院・外来患者の推移
(単位:人)
入
院
平成6年度を100
とした指数
外
平成6年度
7年度
8年度
9年度
10年度
11年度
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
99,877
99,953
97,590
91,031
87,896
81,646
76,249
70,928
70,851
64,272
61,691
100.0
100.1
97.7
91.1
88.0
81.7
76.3
71.0
70.9
64.3
61.7
189,993 197,236 194,139 189,886 192,800 196,994 200,709 198,531 191,312 189,012 179,346
来
平成6年度を100
とした指数
100.0
103.8
102.2
99.9
101.5
103.7
105.6
104.5
100.7
99.5
94.3
入院診療科別患者の状況
(単位:人、日)
診療科
平成13年度
14年度
15年度
16年度
年間新入 年間入院延 平均在
院患者数
患者数
院日数
年間新入 年間入院延 平均在
院患者数
患者数
院日数
年間新入 年間入院延 平均在
院患者数
患者数
院日数
年間新入 年間入院延 平均在
院患者数
患者数
院日数
総
数
3,410
70,928
19.3
3,600
70,851
19.7
3,456
64,272
18.5
3,005
61,691
20.8
内
科
1,533
33,402
22.3
1,708
34,745
22.3
1,601
30,308
19.9
1,442
31,560
21.3
外
科
221
4,358
17.8
171
4,297
22.4
168
4,870
26.3
218
4,768
24.8
産 婦 人 科
151
2,361
9.9
178
2,059
11.6
158
1,854
11.6
87
673
8.7
整 形 外 科
429
18,124
41.6
463
17,751
39.1
442
17,721
39.7
454
17,301
38.2
神 経 内 科
28
1,833
79.7
37
1,498
44.1
26
849
36.9
17
951
59.1
耳鼻咽喉科
43
284
6.5
67
521
7.7
55
431
7.4
43
408
10.4
皮
科
14
400
30.8
13
498
38.3
15
234
16.7
27
499
20.0
泌 尿 器 科
膚
128
1,906
14.9
149
2,561
16.9
113
1,335
11.8
110
1,079
11.4
眼
科
132
1,952
14.7
155
1,896
12.4
122
1,546
12.8
118
1,402
12.6
小
児
科
723
6,304
8.8
659
5,025
7.6
756
5,124
6.7
489
3,028
7.1
麻
酔
科 (注)
4
0.0
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
22
-
放 射 線 科
-
(注)平成13年度の麻酔科の患者は、12年度からの継続入院である。
外 来 診 療 科別 患 者の 状 況
(単 位 :人 )
平 成 13年 度
診療科
14年 度
年間外来
延患者数
1日 当た り
外来患者数
年間外来
延患者数
15年 度
1日 当た り
外来患者数
年間外来
延患者数
16年 度
1日 当た り
外来患者数
年間外来
延患者数
1日 当 た り
外来患者数
総
数
198,531
738.0
191,312
705.9
189,012
697.5
179,346
661.8
内
科
61,990
230.5
60,127
221.9
60,779
224.2
58,302
215.1
外
科
7,497
27.9
6,502
24.0
6,088
22.5
6,377
23.5
産
婦
人
科
5,077
18.9
4,469
16.5
4,048
14.9
3,450
12.7
整
形
外
科
26,916
100.1
27,536
101.6
26,934
99.4
27,092
100.0
神
経
内
科
6,269
23.3
6,056
22.3
6,200
22.9
6,661
24.6
耳 鼻 咽 喉 科
10,869
40.4
12,348
45.6
13,232
48.8
12,253
45.2
皮
40.6
泌
膚
尿
器
眼
科
13,517
50.2
12,963
47.8
12,003
44.3
11,003
科
8,408
31.3
7,337
27.1
7,539
27.8
6,819
25.2
科
14,947
55.6
13,593
50.2
12,144
44.8
11,869
43.8
19,155
71.2
18,883
69.7
18,147
67.0
15,499
57.2
小
児
科
麻
酔
科
1,353
5.0
1,117
4.1
1,181
4.4
702
2.6
リ ハ ビ リ 科
22,533
83.8
20,381
75.2
20,717
76.4
19,319
71.3
( 注 ) 1 日 当 た り 外 来 患 者 数 は 、 端 数 処 理 の た め診 療 科 別 合 計 と 総 数 は 一 致 し な い 。
49
(13) 経営状況
平成6年度より平成16年度までの経営状況
(単位:千円)
科
総
目
H6年度
7年度
8年度
9年度
10年度
11年度
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
益
4,126,067
4,436,276
4,345,735
4,249,612
4,253,619
4,229,221
4,186,053
4,160,523
4,104,074
3,974,473
3,795,584
医業収益
収
3,945,002
4,264,625
4,182,014
4,081,092
4,087,794
4,083,088
4,035,465
4,022,414
3,960,491
3,852,356
3,686,282
入院収益
2,313,563
2,509,018
2,409,303
2,307,890
2,360,830
2,297,582
2,251,036
2,169,947
2,134,311
1,977,636
1,863,724
外来収益
1,484,995
1,584,787
1,603,928
1,612,738
1,565,973
1,615,369
1,618,311
1,683,547
1,662,966
1,705,800
1,669,975
146,444
170,820
168,783
160,464
160,991
170,137
166,118
168,920
163,214
168,920
152,583
他会計負担金
45,922
48,500
49,452
43,690
46,920
47,897
47,474
55,735
51,526
62,968
53,650
室料差額収益
85,836
88,562
83,122
80,530
82,300
79,712
76,808
72,601
74,685
69,367
58,911
181,065
171,651
163,721
168,520
165,825
146,133
150,588
138,109
143,583
122,117
109,302
2,318
6,928
4,306
3,776
5,593
6,649
5,143
4,194
3,041
2,520
2,804
県補助金
2,061
8,751
6,991
11,080
8,140
5,899
5,846
8,409
10,168
9,586
11,552
他会計補助金
5,351
5,457
30,466
32,462
30,638
21,614
24,097
18,009
24,391
14,871
5,713
他会計負担金
98,727
96,043
70,082
73,848
72,442
70,489
68,429
66,256
64,083
62,161
60,637
その他医業外収益
72,608
54,472
51,876
47,354
49,012
41,482
42,073
41,241
41,900
32,979
28,596
用
4,030,033
4,139,949
4,152,640
4,184,583
4,154,908
4,158,227
4,160,120
4,085,507
4,071,845
3,973,014
3,964,574
医業費用
3,861,576
3,988,295
3,999,563
4,014,471
3,983,636
3,994,540
4,007,495
3,937,042
3,927,696
3,823,512
3,828,270
その他医業収益
う
ち
医業外収益
受取利息配当金
国庫補助金
5,000
特別利益
総
費
給
与
費
1,977,708
1,949,422
2,036,137
2,112,471
2,198,840
2,141,141
2,126,513
2,141,968
2,117,664
2,037,779
2,063,548
材
料
費
1,310,672
1,376,722
1,299,840
1,222,912
1,210,728
1,256,765
1,267,715
1,239,603
1,284,161
1,276,421
1,237,334
減価償却費
189,602
177,673
170,299
186,319
173,870
193,449
190,731
162,756
157,975
134,221
155,288
経
費
381,017
482,061
490,321
474,520
394,245
390,462
411,411
382,452
361,206
367,304
358,707
研究研修費
2,351
2,417
2,966
2,766
3,297
2,933
4,004
3,295
2,948
2,686
7,821
15,483
2,656
9,790
7,121
6,968
3,742
5,101
5,572
150,956
151,735
169,542
171,272
163,252
151,733
147,652
143,343
148,765
135,544
資産減耗費
医業外費用
支払利息
226
168,457
63,539
60,352
56,866
56,237
54,127
51,200
48,111
44,850
41,591
38,708
36,422
63,539
60,352
56,866
56,237
54,127
51,200
48,111
44,850
41,591
38,708
36,422
繰延勘定償却
16,286
12,178
6,978
その他医業外費用
88,632
78,426
87,891
113,305
117,145
112,052
103,622
102,802
101,752
110,057
99,122
698
1,342
570
435
892
813
806
737
760
297,025
194,437
65,599
98,711
71,429
26,825
75,829
33,035
2,196 △ 168,230
1,459 △ 168,990
うち企業債利息
特 別 損 失
経常利益又は経常損失
純利益又は純損失
96,034
96,034
296,327
193,095
65,029
98,711
70,994
25,933
75,016
32,229
前年度繰越利益余剰金
又は前年度繰越欠損金
△ 180,113
△ 84,079
247
643
372
1,083
76
1,009
1,025
当年度未処分利益余剰
金又は当年度未処理欠
損金
△ 84,079
212,248
193,342
65,672
99,083
72,077
26,009
76,025
33,254
他会計繰入金(再掲)
150,000
150,000
150,000
150,000
150,000
140,000
140,000
140,000
140,000
1,254
713
2,713 △ 168,277
140,000
120,000
経常収支比率
102.4%
107.2%
104.7%
101.6%
102.4%
101.7%
100.6%
101.9%
100.8%
101.0%
95.7%
医業収支比率
102.2%
106.9%
104.6%
101.7%
102.6%
102.2%
100.7%
102.2%
100.8%
100.8%
96.3%
他会計繰入金対経常収
益比率
3.6%
3.4%
3.5%
3.5%
3.5%
3.3%
3.3%
3.4%
3.4%
3.5%
3.2%
他会計繰入金対医業収
益比率
3.8%
3.5%
3.6%
3.7%
3.7%
3.4%
3.5%
3.5%
3.5%
3.6%
3.3%
他会計繰入金対総収益
比率
3.6%
3.4%
3.5%
3.5%
3.5%
3.3%
3.3%
3.4%
3.4%
3.5%
3.2%
実質収益対経常費用比
率
98.7%
103.6%
101.1%
98.0%
98.8%
98.4%
97.3%
98.4%
97.4%
96.5%
92.7%
平成 7 年度から平成 15 年度まで9年連続で経営利益の確保を続け、平成 12 年には自治体病院
優良病院自治大臣賞を受賞するなどの実績がある。しかしながら平成 16 年度は前年度に比べて
入院収益が約 100,000 千円、外来収益が 35,000 千円の減少が大きく、赤字経営となる。
50
(14) 患者アンケート調査の結果
平成 16 年4月に入院患者・外来患者を対象に実施したアンケート調査の結果は、次のとお
りである。
当院を選ばれた理由(重複回答あり)
入院患者(回答者 111 人)
外来患者(回答者 451 人)
1
良い医師がいるから
44
1
家や通勤先などから近いから
2
家や通勤先などから近いから
35
2
良い医師がいるから
82
3
すぐ入院できるから
23
3
交通の便がいいから
61
4
救急の受け入れで
19
4
医療施設や設備が良いから
60
5
言葉遣いや態度が良いから
18
5
言葉遣いや態度が良いから
43
6
交通の便がいいから
16
6
救急の受け入れで
30
7
他の医療機関からの紹介
15
7
家族や知人のすすめで
23
8
医療施設や設備が良いから
13
8
他の医療機関からの紹介
20
9
家族や知人のすすめで
10
9
すぐ入院できるから
20
5
10
その他
16
10
その他
184
患者の満足度
ア.入院患者
① 施設面では、
「医療機器の設備」
、
「整理整頓や清掃状態」の満足度が高く、
「トイレや
洗面所施設」
、
「トイレ・洗面所・給湯器等の設備」についての不満が多い。
② 室環境面では、
「ベッド・寝具・ベッド周り設備」の満足度が高く、
「食事内容」への
不満が比較的多い。
③ 接遇面では、医師、看護師、技師、事務職員の「言葉遣い・態度」に対しての満足度
はかなり高く、
「プライバシーへの配慮」も比較的評価されている。
④ 診療サービス面では、
「医師の病状に対する処置の適切化」
、
「医師の病状や検査結果
の説明」
、
「看護師の採血や検査の説明」についての満足度はかなり高いが、
「看護師の説
明のわかりやすさ」への不満が比較的多い。
イ.外来患者
① 施設面では、
「駐車場の広さ・入りやすさ」への不満が高く、
「トイレや洗面所施設」
、
「各科の待合室の設備や雰囲気」への満足度も低い。満足度が比較的高いのは「交通の
便利さ」である。
② 接遇面では、
「医師の言葉遣い・態度」への満足度は非常に高く、看護師、技師、窓
口(会計など)
、各科診療受付に対しても比較的満足している。
③ サービス面では、
「医師の病状や検査結果の説明」
、
「看護師の説明のわかりやすさ」
については比較的満足しているが、
「受付開始時間や診察待ち時間」
、
「診察後の支払い
までの待ち時間」に対する不満が比較的多い。
51