例 Ⅰ類 海上工事施工報告書

1
例
Ⅰ類
海上工事施工報告書
資格分類
■Ⅰ類
ふりがな
氏
名
かいじょう たろう
・保有資格
1。工 事 名
2。発注者名
3。工
期
4。技術者立場
海上
□Ⅱ類
□Ⅲ類
登録番号
所属組織
住
所
太郎
□技術士
受付番号-
登録年度
081234
■1級土木施工管理技士
■管理技術者
平成
21 年度
海上土木株式会社
○○県○○市○○町○○番地
□
○○港△△地区泊地(-14m)浚渫工事
国土交通省 ○○地方整備局
平成○年○月○日 ~ 平成○年○月○日
□現場代理人
-
□主任技術者
その他:
CORINS登録番号
1234-56789
□工事係員
□工事監督(発注者)
役割の具体的内容:
工事全体の技術的責任者及び下請監理の責任者
5.工事概要
5-1概要:
本工事は、○○港△△地区において、航行船舶の支障とならないよう、-14m泊地浚渫を行い、土砂処分
場へ排送する工事である。
5-2主要工種及び主要数量
浚渫土量 750,000m3
(砂質土:500,000m3、粘性土:100,000m3、泥岩:150,000m3)
5-3主要船舶機械
・ポンプ式浚渫船(D8,000PS)
・揚錨船(自航式 35t 吊)
・交通船(D120PS)
・引船(D1,500PS)
: 1 隻 (浚渫)
: 1 隻 (アンカー打替え)
: 1 隻 (兼監視船)
: 1 隻 (緊急避難)
6.技術的課題
Ⅰ.浚渫方法について ≪分類:イ≫
施工時期が冬期であることから、一般的なスパッド方式では高波浪等により、スパッドなどの船舶機械
の破損のおそれや施工能力(稼働率)により、工期内の完了ができないことが懸念された。
Ⅱ.泥岩の浚渫について ≪分類:ハ≫
施工区域の浚渫土質は砂質土、粘性土、泥岩が混在しており、泥岩部では浚渫機械にかかる負荷が急激
に増加するため、機械の破損や施工精度の低下が懸念された。
Ⅲ.騒音管理について ≪分類:ホ≫
土砂処分場が民家に隣接していることから、作業船舶や排砂管を流れる土砂等の音が、地域住民への不
快感をおよぼす影響があると予想された。
2
ふりがな
かいじょう たろう
氏
海上
名
登録番号
太郎
081234
Ⅰ.浚渫方法に関する問題点
当現場は施工時期が冬季になるため稼動率が悪く施工方法の検討が必要となった。工期内に施工完了す
ることを目的とし、浚渫作業の稼働率を高めるため、浚渫船の掘進方式についてスパッド方式と、クリス
マツリー方式を比較検討した。
①本施工現場においての、スパッド方式の問題点
スパッド方式の掘進作業は、前進方向に打設される2本のスイングアンカーと船尾の2本のスパッド
を打替えながら行う。前進に当たって、ポンプ浚渫船は2本のスパッドの働きで、所定の作業位置を保
ちながら、掘進できるようになっている。この方法は、海底地盤の凹凸が激しく、スパッドが届かない
場合、軟岩などでスパッドが貫入しない場合、波浪条件が厳しく、スパッドによる作業が困難な場合は
適さないが、今回の場合、気象・海象条件が悪く稼働率の大幅低下が懸念された。
②解決策と結果(施工性、効果、費用、発注者の見解等)
波浪条件が厳しい当現場においては、スパッド方式と、3本のアンカーワイヤーによりポンプ船の位
置の固定と移動を行うクリスマスツリー方式との比較検討を行った。クリスマスツリー方式は、ポンプ
船の位置固定・移動方法がスパッドでなくアンカーワイヤーであり、高波浪状態での施工が可能である
が、浚渫船船体の動揺が大きく施工精度が低下ものの、施工可能日数を確保することとした。
施工方法別の性能比較表
施工方法
スパット方式
クリスマスツリー方式
①作業限界波高(H=1/3)
0.5m以下
0.9m以下
②月当り平均稼動日数
12 日(波浪観測データ)
25 日(波浪観測データ)
③土厚区分能力係数
1.00(普通)
0.65(悪い)
④平面形状区分能力係数
1.10(適当)
0.90(悪い)
⑤月当り作業能力
(②×③×④=⑤)
13.2 日
14.6 日
さらに、述べるとスパッド方式については作業限界波高が 0.5m以下である為、月当り平均稼働日数は
12 日程度可能であるが、クリスマスツリー方式では平均稼働日数は 25 日程度可能であることから、施
工能力(精度)を落としても、月あたりの稼働日数が大きいと判断し施工した結果、工期内に完了する
ことができた。
③
評価と今後の課題
今回は稼動日数が過去の波浪観測データとほぼ一致したため、クリスマスツリー方式での施工で工期内
に完了することが出来た。なお、能力係数の補正値については、気象海象条件に大きく影響されることか
ら、より精度を高める必要がある。また施工精度の確保は、気象海象条件に大きく影響されることから、
多少の時間をかけても、十分検討する必要がある。
3
ふりがな
かいじょう たろう
氏
海上
名
太郎
登録番号
081234
Ⅱ.泥岩の浚渫について
①泥岩の浚渫の問題点
砂質土、粘性土の浚渫箇所から泥岩の浚渫箇所に入ると、急激に浚渫機械の負荷が増加し、機器の破
損や施工精度の大幅な変動が予測された。泥岩を浚渫する場合のカッタースピードの検討をおこなった。
②解決策と結果(施工性、効果、費用、発注者の見解等)
あらかじめ泥岩箇所の予測を行い、浚渫船装備の各計器の変化(振れ具合)を注視し、泥岩の兆候が現
れた時点で、カッタースピードを大幅に落として対処した。また、計画の掘削厚さ、スイング速度、カ
ッタースピードなどを、当初計画値と対比し、その差異を入念に確認しながら調整を行った。
運転の状況を示す一般的な計器には、吸入圧計、吐出圧力計、流速計、スイングモータの電流計などが
あり、オペレーターはこれらの計器の振幅をみて許容範囲内で最高の調和がとれるように負荷を調整し
ていく。負荷が変動した場合は、スイング速度や土厚を修正するが、一時的な調整よりも変動の原因を
つきとめることが大切である。変動により主機運転に無理が続くようであれば、基本的にスイング速度、
土厚、カッターの回転数、1スパッドの前進距離などを改めて検討した。
ポンプ浚渫船のカッターは、オープン型とクローズ型(バケット型)とがあり、前者は軟土質用、後者
は硬土質用に適しているといわれ、当工事においては、クローズ型を使用した。
オープンタイプ
クローズタイプ
通常土質の硬軟によって、カッターの掘削する土層厚さ、カッターナイフの型式、スイング速度など
を変化させ対応するが、泥岩を掘削する場合は大幅にカッタースピードを落とし、地盤ボーリングデー
タ及び掘削地点・深さはもとより計器類等を常に監視しカッタースピードを調整して施工した。
③
評価と今後の課題
現地盤状況はボーリングデータのみでは把握できないので、計器類を常に監視し、オペレターの判断
力と経験が重要となる。また、運転には計器を利用しているとはいえ、オペレターの判断に頼ってい
る面も多く、しかも交代による個人差を計器の記録で判断することは難しいので、個人差が出来るだ
け発生しないように現場の状況に合わせた運転方法の基準(各計器の表示する数値に対する判定基準)
をつくり、その方法による出来形を比較検討することが望ましい。
4
ふりがな
かいじょう たろう
氏
海上
名
登録番号
太郎
081234
Ⅲ.騒音管理について
①排砂管からの騒音の問題点
・排砂管を使用して送泥する際に発生する騒音が近隣住民の迷惑となることが予想された為、事前に対
策を検討し、施工時には騒音を測定しながら、浚渫土砂の排送を行った。
②解決策と結果(施工性、効果、費用、発注者の見解等)
・排送管騒音は、浚渫土砂の性状によって大きく変化する。送水時およびシルト以下の粒径では殆ど騒
音の発生はないが、排送管が水面あるいは地表面に露出し、砂以上の粒径を、管路輸送する場合には、
相当大きな騒音が発生する。
・今施工の騒音対策は、騒音が発生する露出した排砂管を土のうで巻き騒音を吸収する方策をとった。
土のうにつめた砂は、浚渫土砂(細砂)を使用し、1層の厚さは 10 ㎝で、1層~3層積として、騒音
を測定した。
図-1
土のうによる被覆断面
・減音効果は 500HZ以上の周波数域で現れ、騒音レベル(A特性)の差は1層積で 18~19dB、3層積
で 24~25dB であった。また、測点別騒音レベル(1層積)を表-1に示す。
表-1 測点別騒音レベル
測点
音源
10m
50m
100m
200m
管
85
72
65
62
56
被覆管
66
53
46
43
37
管種
裸
・騒音の規制値は、自動車騒音の要望限度値より昼夜とも 55dB に設定した。
。
③
評価と今後の課題
・ 50m地点でも苦情の出ない騒音レベルにするには、土のうをスキ間のないように積む必要がある。
また、騒音調査は土質条件の変化に対応できるよう、対処する必要もある。
1
例
Ⅱ類
海上工事施工報告書
0812345
-
資格分類
□Ⅰ類
ふりがな
かいじょう たろう
所属組織
海上土木株式会社
氏
海上
住
○○県○○市○○町○○番地
名
■Ⅱ類
登録番号
受付番号-
□Ⅲ類
太郎
・保有資格
□技術士
所
■1級土木施工管理技士
1。工 事 名
○○港□□地区◎◎防波堤工事
2。発注者名
国土交通省
3。工
平成
期
4。技術者立場
登録年度
□
その他:
CORINS登録番号
1234-56789
○○地方整備局
○年
□現場代理人
○月
○日~
■監理技術者
平成 20 年度
平成
□主任技術者
○年
○ 月
□工事係員
○日
□工事監督(発注者)
役割の具体的内容:
工事全体の技術的責任者及び下請監理責任者
5.工事概要
5-1概要:
本工事は、○○港○○防波堤の本体工に使用する異形ケーソン1函を製作し、仮置場に仮置する工事で
ある。
5-2主要工種及び主要数量
・ケーソン製作(FD製作)
・ケーソン仮置
・イメージアップ対策
・安全対策
:
:
:
:
1 函(L20.0 * B16.7~12.5 * H14.5)
1函
1式
1式
5-3主要船舶機械
・フローティングドッグ(3,200t積)
・揚錨船(自航式 10t 吊)
・引船(鋼D2,000PS)
・クレーン付台船(100t吊)
・潜水士船(180 PS)
:
:
:
:
:
1隻
1隻
2隻
1隻
1隻
(ケーソン製作)
(アンカー打替え)
(ケーソン仮置)
(ケーソン仮置)
(ケーソン仮置)
6.技術的課題
Ⅰ.異形ケーソンの進水時の安定対策について
≪分類:ハ≫
異形のケーソンをFDから引き出す際に不安定で、FD との衝突によるケーソンの破損が危惧されたた
め、クレーン付台船を使用した補助工法を行った。
Ⅱ.安全対策について
≪分類:イ≫
ケーソン仮置時に使用する 100t 吊クレーン付台船のアンカーワイヤーが、航路内に設置することから
一般船舶の航路に支障をきたす恐れがあったため対策をおこなった。
Ⅲ.イメージアップ対策について
≪分類:ホ≫
・ケーソン製作ヤード周辺は港湾施設利用者が通行するため、フローティングドッグに、工事のイメー
ジアップを図った。
2
ふりがな
かいじょう たろう
氏
海上
名
登録番号
太郎
0812345
Ⅰ.フローティングドッグによるケーソン進水について
①FDからケーソンを引き出す際の動揺についての問題点
通常はケーソンが浮上しFDとのクリアランスが 50cm 程度になったことを確認し引船(2,000PS)に
てゆっくり引き出すが、当工事の異形ケーソンの場合浮上した時点での安定性が悪く、ひき出し時の水
面変動や波などによるケーソン動揺がおさまらず、FD との衝突が危惧された。
②解決策と結果(施工性、効果、費用、発注者の見解等)
ケーソンがFDから完全に離れるまでクレーン付台船にて下記の手順にて施工した。
作業船舶を所定の位置に配備する(図-2参照)
↓
FDの沈降~浮上確認
↓
クレーン付台船にて吊ワイヤーのたるみをとる
↓
クレーン付台船のウインチにて引き出し
↓
引船の曳航策取り直し~曳航開始
図-2
ケーソン引き出し状況図
引船はケーソンが完全にFDから離れるまでケーソンの位置を保持するため曳航策を軽く張った状態
をキープしながらケーソンに追随する。ケーソンがFDから離舷する際、大きく動揺したが吊ワイヤー
を軽く張ることにより、動揺はすぐにおさまり、ケーソン進水作業の安全性が確保された。
③評価と今後の課題
異形ケーソンの Fd 等と接触を防ぎ安定的な進水を達成する方法として、クレーン付台船での補助作業
は有効であったと考える。さらにより確実で経済的な工法に改良すべく工夫をおこないたい。
3
ふりがな
かいじょう たろう
氏
海上
名
太郎
登録番号
0812345
Ⅱ.安全対策について
①ケーソン仮置場での一般船舶への安全対策の問題点
指定されたケーソン仮置場は、一般航行船舶の航行区域である航路と隣接しているので、一般航行船舶
の安全に留意する必要があった。
②上記の解決策と結果(施工性、効果、費用、発注者の見解等)
ケーソン仮置に使用するクレーン付台船のアンカーを航行区域内に設置すると、航行船舶に危険なた
め、他の工事用に製作されていた方塊を作業用シンカーとして流用し、航行区域より 20m離れた位置
に設置した。
③
評価と今後の課題
作業用船舶のアンカーワイヤーが一般船舶の航行区域内に設置するようなケースは、多々あると思われ
る。仮設の中間シンカーを用意するなど様々な対策が考え、より経済的で、有効な工法を工夫していき
たい。
Ⅲ.イメージアップ対策について
①従来の施工環境の問題点
公共工事においては、その有効性とともに工事内容についても、一般住民の理解を得ることが重要とな
っており、イメージアップを図ることも工事の重要な課題となっている。
②解決策と結果(施工性、効果、費用、発注者の見解等)
港湾を利用する第三者にたいしてイメージアップを図るため、FDの側面に子供が喜ぶ絵柄でシートを
作成した。この絵柄シートは地域の話題となり、報道関係の取材もありイメージアップが図れた。
③評価と今後の課題
港湾工事においても一般住民の支持を得られるよう、常に対策に気をつかっていくことは重要であると
考える。
1
例
海上工事施工報告書
Ⅲ類
受付番号
資格分類
□Ⅰ類
ふりがな
氏
名
事
■Ⅲ類
かいじょう
海上
・保有資格
1.工
□Ⅱ類
登録年度
3.工
平成○年○月○日
□
その他
CORINS 登録番号
1234-56789
◎◎地方整備局
□現場代理人
~
平成20年度
海上土木株式会社
○○県○○市○○町○○番地
○○港○○地区岸壁(-7.5m)築造工事
国土交通省
4.技術者役割
12345
■1級土木施工管理技士
2.発 注 者 名
期
登録番号
所属組織
住
所
たろう
太郎
□技術士
名
□総合
-
平成○年○月○日
■監理技術者
□主任技術者
□工事係員
□工事監督(発注者)
役割の具体的内容:
・工事全体の技術責任者及び下請管理の責任者
5.工事概要
概要:
本工事は○○港○○地区岸壁(-7.5m)の築造工事として・土留工107m・上部工107m・
桟橋工107m・その他を施工するものである。
5-1.主要工種及び主要数量
・鋼管杭Φ1,200mm,L=32m
・受梁据付工
・PC桁据付工
・コンクリート打設
・付属工
:
:
:
:
:
5-2.主要船舶機械
・杭打船(H-150 型)
・台船(1000t 積)
・揚錨船(5t 吊)
・起重機船(500t 吊)
・自航旋回起重機船(150t 吊)
:1 隻
:1 隻
:1 隻
:1 隻
:1 隻
60 本
30 本
100 本
518m3
1式
(鋼管杭打設)
(鋼管杭打設)
(鋼管杭打設)
(受梁・PC桁据付)
(工事全般)
6.技術的課題
Ⅰ.隣接する岸壁が供用中であり、杭打船の錨打設(設置)ができない
・固定沈設アンカー(シンカー)の設置。
≪分類:イ≫
Ⅱ.上部工が、供用開始時期に完成できないと想定された
・上部工にプレキャスト部材を使用した。
≪分類:ロ≫
2
ふりがな
氏
名
かいじょう
海上
た ろ う
太郎
登録番号
12345
7.技術的課題(施工上の問題点を改善したこと)
Ⅰ.隣接岸壁が供用中であり、杭打船の錨打設(設置)ができない
(1)技術的な課題
施工条件に隣接の岸壁の利用者である「港湾荷役業者」との協議事項として次の2項目があった。
①杭打ち作業にあたっては、隣接の供用中の岸壁(桟橋)を使用しないこと”
②陸上部に、杭打船のアンカーとしての、コンクリートシンカーを設置しないこと”
杭打船を固定するため、船長の3倍程度の距離にアンカーを打つのが一般的であるが、本工事は航路
と施工区域の距離が 100m以内と狭いことから、アンカー打設の距離を確保できなかった。
(2)解決策と結果
解決策:杭打船の配置を工夫し、かつアンカー設備の変更により解決した。
①杭打船の配置を岸壁法線に対して 45°とする。海底部に固定沈設アンカーを設置しアンカーワイ
ヤの一部を鎖(チェーン)に変更した。なお、固定沈設アンカーは下図の4ヶ所に設置し、船体
後部からのアンカーを3本として固定能力を向上させた。
供用中の桟橋
図-1 供用中の桟橋に近接する新設杭打設時のシンカー設置状況図
結 果:杭打設時の船体固定が十分にできたこと、航路近傍の水深も比較的確保できたことから施工
性及び安全性が高まった。
(3)技術者としての評価
今後は、港湾施設の老朽化に伴い、維持補修として類似工事の発生が予測される。発注者には、事
業実施に際する施工条件及び施工性に関して、綿密に検討されることを望む。
3
ふりがな
氏
名
かいじょう
海上
た ろ う
太郎
登録番号
12345
Ⅱ.上部工が、供用開始工期に完成できないと想定された
(1)技術的な課題
岸壁は早期供用開始を目標としていたが、当初設計の施工法では、工期短縮が図れず、発注者から
工法の変更を勘案した施工法の検討を依頼された。
(2)解決策と結果
解決策:検討の結果、上部工の一部をプレキャスト化し、現場作業時間を短縮することにより全体工
期を大幅に短縮させた。
下表は、上部工の「従来方式」と「一部プレキャスト方式」の現地作業(工程)日数を対比したも
のである。この表のとおり、施工費用は5%増加したものの、現地作業日数は10日短縮できた。
従 来 方 式
現 地 作 業
杭 打 設
一部プレキャスト方式
日数
現 地 作 業
日数
製 作 ヤ ー ド
日数
30
杭 打 設
30
支保組立
4
プレキャスト部材据
付用受台設置工
2
2
足場設置
2
プレキャスト部材設
置工
2
2
型枠組立
4
間詰コンクリ工
1
1
鉄筋加工組立
4
スラブコンクリ工
1
1
コンクリ打設
2
型枠組外
2
足場撤去
1
支保組外
2
現地作業日数
費用比較
51
100%
プレキャスト製作工
35
計
換算現地作業日数
従来工法を 100%とし
た費用の割合
35
41
105%
結 果:潮待ち間の工事でもあり、実工程で 10 日短縮は工期1月の短縮であった。着工時点での工期
短縮を提示でき、結果的にこの工期にて施工完了できたことに対し、発注者の評価を得ることが
できた。
③技術者としての評価
近年、熟練した型枠工、とび工、鉄筋工等の技能者の確保が困難となっていることから、現場作業
は、少人数、かつ標準化された施工体制が求められる。
また、今後、増大する維持補修工事には新設以上の費用が要することから、コスト縮減を図るため
には、設計・積算・施工を総合的に勘案した建設生産のシステムを構築することが望まれる。