俺はシャーロッキアン シャーロック ホームズ ? コナン H26-5 ドイル 新居和嘉 赤提灯に書く順番が回ってきたが、書くことがないので、30年ほど前のことを思い出し ながら書いてみる。シャーロッキアンとは、シャーロック・ホームズをアーサー・コナ ン・ドイルの創造した探偵とは考えず、実在の人物と考える人たちのことである。30年 ぐらい前に大いに流行したが、現在はすたっている。 私も30年ぐらい前に、シャーロック・ホームズの探偵談に興味を持ち日本語で出版され た本を買い集めたことがある。本棚には、今も、2,30冊、当時の残骸が眠っている。 本物のシャーロッキアンになるためには、英語で書かれた本も含めて、数百冊を読む必要 があり、面倒臭いので止めた。最近は興味も失せて、本を手に取ることもない。 日本のシャーロックホームズ・クラブの主催者は「小林司」と「東山あかね」だったと思 う。この両人ともたくさんの著書があるが、最近は名前を聞かない。もう死んだのかもし れない。 以下に作者のアーサー・コナン・ドイル、及びシャーロック・ホームズとワトソンの略歴 を書いておく。 アーサー・コナン・ドイル(ワトスンの原稿を出版社に渡す代理人) 1859 エディンバラに生まれる 1876 エディンバラ大学医科に入学 1882 ポーツマス市で医院を開業したが、さっぱりはやらず 1886 「緋色の研究」をウォード。ロック者へ持ち込んだところ、「1年後になら出 版してやる」ということになり、原稿はわずか25ポンド(約30万円)という安さだっ た。その「緋色の研究」は「ビートンのクリスマス・ニュアル」に載ったがたいして注目 されなかった。しかしこれを読んだ米国の雑誌「リッピンンコット」の編集者から依頼さ れた長編の第二作〔四つの署名〕が評判となった。 1891 ロンドンのモンターギュ・プレイスで今度は眼科専門医を開業したが、相変わ らず患者がさっぱり現れないため、ドイルはワトスンの出版代理人として「ストランド・ マガジン」にホームズものの短編を紹介し続けた。 1930 71歳で死去 ・シャーロック・ホームズ 1854 イギリスに生まれる 1877 ホームズ、初めてロンドンのモンターギュ街に私立コンサルタント探偵を開く 1881 ベイカー街221Bの部屋をワトソンと共同で借りる。 1887 「ボヘミアの醜聞」アイリーン・アドラーの登場 1891 モリアーティ教授と組打ちのままスイスのライへバッハの滝に転落、一時行方 不明、奇蹟的に、ホームズだけが生還し、チベットなどを遍歴し三年後再びワトスンの前 へ突然姿を現す。 1903 ロンドンの南百キロのサッセクスに引退し、養蜂と著作に専念 1912 英国政府に乞われてスパイになり、1914年にはドイツのスパイをとらえる 〈最後の挨拶〉 ・ワトスン 1852 生まれる。軍医を志しロンドン医科大学に学ぶ 1878 ノーサンバランド第五フージリア連隊に軍医として着任、インドに出征 1880 アフガニスタンのマインワンドの戦いで負傷したため、二人はベイカー街の貸 室を借りて共同生活に入る。その後、ワトスンは結婚し、ホームズと別れていた時期も (冒)あるが、二人での生活は1902まで続いた。 シャーロック・ホームズ著作一覧 「発表順」(「ストランド・マガジン」に掲載された順序) 題名の後につけた括弧の中の文字は、(長編)長編で、 他は短編、 (冒):シャーロック・ホームズの冒険、 (想):シャ・ロの思い出 (挨):最後の挨拶、 (事):シャ・ロの事件簿という短編集に収録されている。 緋色の研究(長編) 四つの署名(長編) ボヘミアの醜聞(冒) 赤髪組合(冒) 花婿失踪事件(冒) ボスコム谷の惨劇(冒) オレンジの種五つ(冒) 唇の捩れた男(冒) 青いガーネット(冒) まだらの紐(冒) 技師の親指(冒) 花嫁失踪事件(冒) 緑玉の王冠(冒) ぶな屋敷(冒) 白銀号事件(想) ボール箱(最) 黄色い顔(想) 株式仲買店員(想) グロリア・スコット号(想) マスグレーヴ家の儀式(想) ライゲートの大地主(想) 背の曲がった男(想) 入院患者(想) ギリシャ語通訳(想) 海軍条約文書事件(想) 最後の事件(想) バスカヴィル家の犬(長編) 1887.11 1890.10 1891.07 1891.08 1891.09 1891.10 1891.11 1891.12 1892.01 1892.02 1892.03 1892.04 1892.05 1892.06 1892.12 1893.01 1893.02 1893.03 1893.04 1893.05 1893.06 1893.07 1893.08 1893.09 1893.10、11 1893.12 1901.8~1902.4 空家の冒険(帰) 1903.10 ノーウッドの建築師(帰) 1903.11 踊る人形(帰) 1903.12 美しき自転車乗り(帰) 1904,01 プライオリ学校(帰) 1904.02 黒ピータ(帰) 1904.03 犯人は二人(帰) 1904.04 六つのナポレオン(帰) 1904.05 三人の学生(帰) 1904.06 金縁の鼻眼鏡(帰) 1904.07 スリー・コータの失踪(帰) 1904.08 アベ農園(帰) 1904.09 第二の汚点(帰) 1904.12 ウィステリア荘(挨) 1908.09,10 ブルース・パティントン設計書(挨) 1908.12 悪魔の足(挨) 1810.12 赤い輪(挨) 1911.03,04 フランシス・カーファクス姫の失踪(挨)1911.12 瀕死の探偵(挨) 1913.12 恐怖の谷(長編) 1914.09~1915.05 最後の挨拶(挨) 1917.09 マザリンの宝石(事) 1921.10 ソア橋(事) 1922.02,03 這う人(事) 1923.03 吸血鬼(事) 1924.01 三人ガリデブ(事) 1925.01 高名の依頼人(事) 1925.02,03 三破風館(事) 1926.10 白面の兵士(事) 1926.11 獅子のたてがみ(事) 1926.12 隠居絵具氏(事) 1927.01 覆面の下宿人(事) 1927.02 ショスコム荘(事) 1927.04 シャーロック ホームズが実在したように扱い、作品を詳細に調べ 履歴をつくり上げる ことも盛んに行われた。 1909年に隠遁し、1914年の最後のあいさつをして す べてが終了することとなる。 「生起順」(シャーロッキアン(ベアリング=グールド)が推定した生起順序) ・初期のホームズ(1874.07と09、および1879.10.2木曜日) グロリア・スコット号(1874.07.12日曜日から08.04火曜日までと 09.22火曜日) マスグレイヴ家の儀式(1879.10.02木曜日) ・共同生活からワトソン博士の最初の結婚まで(1881初めから1886.11まで) 緋色の研究(1881.03.04金曜日から03.07月曜日まで) まだらの紐(1883.04・06金曜日) 入院患者(1886.10.6水曜日から10.7木曜日まで) 独身貴族(1886.10.08) 第二のしみ(1886.10.12火曜日から10.15金曜日まで) ・ワトソン博士の最初の結婚から最初の夫人の死まで(1886.11.01頃から18 87.12末または1888.01初めまで) ライゲイトの地主(1887.04.14木曜日から26火曜日まで) ボヘミアの醜聞(1887.05.20金曜日から05.22日曜日まで) 唇の曲がった男(1887.06.18土曜日から19日曜日まで) 五つのオレンジの種(1887.09.29木曜日から09.30金曜日まで) 花婿失踪事件(1887.10.18火曜日から19水曜日まで) 赤毛組合(1887.10.29土曜日から同月30日曜日まで) 瀕死の探偵(1887.11.19土曜日) 青いガーネット(1887.12.27火曜日) ・ワトソン博士のベイカー街への帰還からメアリー・モースタンとの結婚まで(1887. 12末または1888.01初めから1889.05.01頃まで) 恐怖の谷(1888.01.07土曜日から01.08日曜日まで) 黄色い顔(1888.04.07土曜日) ギリシャ語通訳(1888.09.12水曜日) 四つの署名(1888.09.18火曜日から09.21金曜日まで) バスカヴィル家の犬(1888.09.25火曜日から10.20土曜日まで) ぶな屋敷(1889.04.05金曜日から04.20土曜日まで) ・ワトソン博士の第二の結婚からシャーロック・ホームズの失跡まで(1889.05. 01水曜日頃から1891.05.04月曜日まで) ボスコム谷の謎(1889.06.08土曜日から06.09日曜日まで) 株式仲買人(1889.06・15土曜日) 海軍条約(1889.07.30火曜日から08.01木曜日まで) ボール箱事件(1889.08.31土曜日から09.02月曜日まで) 技師の親指(1889.09.07土曜日から09.08日曜日まで) せむしの男(1889.09.11水曜日からお9.12木曜日まで) ウィステリア荘(1890.03.24月曜日から03.29土曜日まで) シルヴァーブレイズ(1890.09.25木曜日と09.30火曜日) 緑柱石の王冠(1890.12.19金曜日から20土曜日まで) 最後の事件(1891.04.24金曜日から05.04月曜日まで) ・ホームズの生還からワトソン博士の第三の結婚まで(1894.04・05木曜日から 1902.10まで) 空き家の冒険(1894.04.05木曜日) 金縁の鼻めがね(1894.11.14水曜日から11.15木曜日まで) 三人の学生(1895.04.05金曜日から04.06まで) 一人きりの自転車乗り(1895.04.13土曜日から04.20土曜日まで) ブラック・ピーター(1895.07.03水曜日から07.05金曜日まで) ノーウッドの建築業者(1895.08.20火曜日から08.21火曜日まで) ブルース・パーティントン型設計図(1895.11.21木曜日から11.23まで) 覆面の下宿人(1896.10月のある一日) サッセクスの吸血鬼(1896.11.19木曜日から11.21土曜日まで) スリークオターの失跡(1896.12.08火曜日から12.10木曜日まで) 悪魔の足(1897.03.16木曜日から03.20土曜日まで) 踊る人形(1898.07.27水曜日から08.10水曜日までと08.13土曜日) 退職した絵具屋(1898.07.28木曜日から07.30土曜日まで) チャールズ・オーガスタ・ミルヴァ―トン(18991.5木曜日から1.14まで) 六つのナポレオン(1900.06.08金曜日から06.10日曜日まで) ソア橋事件(1900.10.04木曜日から10.05金曜日まで) プライアリイ・スクール〈1901.05.16木曜日から05.18土曜日まで〉 ショスコム・オールド・プレイス(1902.05.06火曜日から05.07水曜日ま で) 三人ガリデブ(1902.06.26木曜日から06.27金曜日まで) レイディ・フランセす・カーファックスの失跡(1902.07.01火曜日から07. 18金曜日まで) 有名な依頼人(1902.09.03水曜日から09.16火曜日まで) 赤い輪(1902.09.24水曜日から09.25木曜日まで) ・別離(1903.1から10まで) 白面の兵士(1903.01.07水曜日から01.12月曜日まで) スリー・ゲイブルズ(1903.05.26火曜日から05・27水曜日まで) マザリンの宝石(1903年夏のある一日) 這う男(1903.09.06日曜日、09.14月曜日、09.22火曜日) ・シャーロック・ホームズの隠遁生活(1909年) ライオンのたてがみ(1909.07.27火曜日から08.03木曜日まで) ・エピローグ(1914.08.02日曜日) 最後の挨拶(1914.08.02日曜日) で終える
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