アジア開発銀行 年次報告 2 0 0 0 - Asian Development Bank

ア ジ ア 開 発 銀 行
年次報告
2000
我々の目指すところは、地域の貧困を根絶することである。
我々には決意と、貧困削減戦略という指針がある。アジア開発
基金の追加拠出により、そのための資金も得た。
この新たな資金により、今後も貧困との闘いを続ける。アジア
太平洋地域のすべての子どもたちにより明るい未来をもたらす
という約束の実現に向け、今踏み出そうではないか。
アジア開発銀行
総裁・理事会議長
千野 忠男
セン・ホルンは、カンボジアのカンポン・チャムという町の貧しい家庭に暮らす 6 歳の女の子である。
アジア太平洋地域には、セン・ホルンのように貧困の中で暮らす子どもが数百万人もいる。これが、
ADB が域内の貧困削減に取り組む理由である。子どもたちに貧困なき将来を与えなければならない。
ア ジ ア 開 発 銀 行
年次報告
2000
ビジョンから行動へ
理事会議長のメッセージ
2000 年は新たなスタートの年であった。アジア開発銀行(ADB)にとっては、とりわけ重要な年となった。貧困との闘いに
おいて、ビジョンを行動に移す年となったからである。1999 年、ADB は、指針として貧困削減戦略を策定した。そして翌 2000
年、ADB は、貧困者に裨益する持続可能な経済成長、社会開発、グッド・ガバナンス(良き統治)を 3 本柱とするこの戦略の
実現に向け一歩を踏み出した。
ADBは、これまで開発のために活動を展開し、地域の経済
的・社会的発展に寄与してきた。2000 年においては、新たに
採択された戦略に基づき、引続き地域のために貢献した。さ
らに、2015年までに極貧層の割合を半減させるという目標へ
のコミットメントを再確認し、この目標の達成に向け必要な
方策を講じた。
最初のステップとして、域内の貧困についての詳細な分析
に着手した。ステークホルダー(利害関係者)の参加も得て、
ADB が他の機関に比べ豊富に有する域内における知識と経
験を活用し、各国それぞれの貧困の原因と特徴を分析し把握
した。それに基づき、ADB の戦略、プロジェクト及びプログ
ラムの新しい方向付けに着手し、貧困削減を念頭に、多くの
セクターやプロジェクトにまたがる優先事項、さらに各セク
ターの優先事項を再評価した。
これに続いて、貧困パートナーシップ協定の締結を進め
た。既に 2 協定を締結、その他は準備段階にある。これらの
協定は、各国の状況と、ステークホルダーが果たす重要な役
割を重視したものである。国別業務についても、駐在員事務
所に関する政策が承認され、支持が得られた。各国政府、ス
テークホルダー、そして市民社会とのより緊密な協議を図る
ために、駐在員事務所を 2ヵ所、カントリーオフィスを 1ヵ
所、特別連絡事務所を 1ヵ所開設し、さらに他のいくつかの
設置計画も立案した。
ADBの貧困削減戦略の第1の柱である貧困者に裨益する持
続可能な経済成長を促す環境の創出に努める中で、ADB は、
民間セクターこそ貧困削減に不可欠なパートナーであること
を認識し、民間セクター開発に関する新戦略を 2000 年に承
認した。同時に、社会開発とガバナンスの課題も貧困削減に
極めて重要であることを十分承知している。
アジア太平洋地域から貧困を根絶するためには、緊密な協
力が必要である。多くの国の政府及び機関が、現在、貧困削
減の実現に向け重点的に取り組んでいる。2000 年において、
ADBは、各国政府や機関及び他の国際機関との提携を強化し
た。非政府組織(NGO)を含むステークホルダーと一層緊密
に協力を図るための新たな枠組みを開発した。
ビジョンを行動に移すためには、資金が必要である。2000
年、ADBは加盟諸国に支援を求め、加盟諸国は誠意ある対応
を示した。ADB の譲許的援助の主要財源であるアジア開発
基金(ADF)の追加拠出が実現されたことは、2000 年におい
て最も注目される出来事である。また、新たな財源として、
貧困削減日本基金(JFPR)が創設された。これは、無償資金
により、これまでにない新たな形の貧困削減プロジェクトを
支援するものである。
左:千野忠男総裁と面会するメアリー・グレース(9 歳)。
2000 年に、ADB は新しい友人を得た。バングラデシュの
小さな村で仕事をして得たわずかな稼ぎで、子どもを何とか
養っているハフィーズとその家族。生まれて以来その人生の
ほとんどを路上で暮らし、接着剤をかぎ、街角で歌い、いく
らかのルピアを稼いでいるインドネシアの若い女性アミナ。
カンボジアで最も貧しい町のひとつ、カンポン・チャムに暮
らすセン・ホルン(本年次報告の表紙)。毎晩咳に苦しんで
目が覚めるフィリピンの少年ボイェットである。
ADB は、ハフィーズ、アミナ、セン・ホルン、ボイェット
とその家族を念頭に、貧困削減戦略の 3 つの柱を促進するプ
ロジェクトを立案して、彼らをはじめその他同様の境遇にあ
る多くの人々に援助を行った。バングラデシュのチッタゴン
丘陵地帯農村開発プロジェクトによって、ハフィーズのよう
な人々が仕事を得る機会が増大している。アミナのような
人々も、ADBの社会開発プロジェクトにより、今は職と住ま
いを得ることができた。幼いセン・ホルンは、ADB の基礎教
育用教科書プロジェクトによって支給された本を間もなく読
むことができるようになるだろう。そして、ボイェットも、
大気浄化法制定を促進する ADB のプロジェクトによって病
状が回復に向かう日が来るだろう。
ADB は、長年にわたりアジア太平洋地域を援助してきた。
1999年、我々は、今後も域内の人々の支援に全力を傾けるこ
とを再確認し、貧困なきアジア太平洋地域というビジョンを
推進することを表明した。そして、今、ADB は、域内のすべ
ての子どもにより明るい未来を約束するための大きな変革を
実現するという決意をもって、業務を進めている。力を合わ
せれば、目標は達成することができる。
アジア開発銀行
マニラ
2001 年 3 月 29 日
アジア開発銀行
総務会議長殿
総裁・理事会議長
千野 忠男
拝啓
アジア開発銀行協定第39条及び付則第13項に従い、理
事会の支持により作成された特別基金の諸活動に関す
る報告書を含む、2000 年度年次報告書を総務会に提出
いたします。本年次報告にはまた、付則第 15 項に定め
る財務諸表も含まれています。
敬具
業務活動の概要
貸付承認
セクター別貸付
(2000 年)
(単位:パーセント)
0
6
12
18
24
社会基盤整備 24
・ 公共セクター及び民間セクター向けの貸付は合計で、74件のプロ
ジェクトに対して 90 件、総額 58 億 5,000 万ドルに達した。
・ 総貸付額のうち政府保証付貸付は、プロジェクト 70 件に対する
57 億ドルで、うち 41 億ドルが通常資本財源(OCR)、16 億ドル
がアジア開発基金(ADF)からの貸付であった。
運輸及び通信 23
エネルギー 20
農業及び天然資源 18
工業及び非燃料鉱物 6
・ 民間セクターに対する政府保証を伴わない貸付は 4 件、総額 1 億
5,600 万ドルであった。
金融 3
マルチセクター 2
・ 2000 年には、開発途上加盟国(DMCs)22ヵ国及び 1 件の地域プ
ロジェクトに対して貸付を行った。インドに対する貸付が最大で
(13 億ドル、23%)、次いで中国、インドネシア、パキスタンの順
であった。
その他 4
貸付承認及び実行額
(1996 ∼ 2000 年)
・ セクター別では、社会基盤整備への貸付が 14 億ドルと、2000 年
中の総貸付の 24% に相当する最大のシェアを占めた。
(単位:百万ドル)
1996
1997
1998
1999
2000
12,000
10,000
・ 2000 年中に承認された貸付のうち 67 件、総額にして 42 億ドルの
貸付は、技術援助によるプロジェクト準備の結果供与されたもの
である。このうち、29 億ドルは OCR、14 億ドルは ADF からの貸
付であった。
貸付承認
8,000
6,000
4,000
・ 2000 年の 1 件の平均貸付額は 6,500 万ドルであった。
貸付実行
貧困の削減
2,000
0
・ 民間セクター及び技術援助ローンを除き、承認されたプロジェク
トの40%が、貧困の削減を第一次または第二次的目的とするもの
であった。
主な借入国(2000 年)
(単位:百万ドル)
0
インド 1,330
中国 872
インドネシア 800
パキスタン 707
フィリピン 515
300
600
900
1,500
・ ADBの貧困削減戦略に合致した新たな形の貧困削減や、社会開発
のための活動を無償資金(グラント)により支援し、これに関連
する ADB のプロジェクトの効果を高めるため、日本政府からの
当初拠出金 100 億円(9,260 万ドル)により、貧困削減日本基金
(JFPR)が創設された。JFPR からの資金供与として、5 件、総額
750 万ドルのプロジェクト及びプログラムが承認された。
バングラデシュ 275
スリランカ 235
ベトナム 224
ウズべキスタン 177
ネパール 173
その他DMCs 543
・ 2001 ∼ 2004 年の ADB の譲許的貸付の財源として、ADF 第 7 次補
充(ADF Ⅷ)の交渉が 2000 年 9 月に終了した。合意された補充額
は 56 億 5,000 万ドルとなった。このうち 25ヵ国の援助供与国が 29
億 1,000 万ドルを拠出し、残りは既存及び内部財源から充当する
予定である。
貸付実績
・ 2000 年の貸付実行総額は 40 億ドルであった。このうち 63% がプ
ロジェクト・ローンに対するもので、以下プログラム・ローン、
セクター・ローン、民間セクター・ローンの順となった。
財源別無償技術援助
実績(2000 年)
(単位:パーセント)
0
5
10
30
50
技術援助特別基金 45
日本特別基金 45
出資
アジア通貨危機支援資金 4
・ ADB は、民間セクターに対する 7 件総額 7,820 万ドルの出資を
承認した。
技術援助
・ 2000 年には、306 件総額 1 億 7,200 万ドルの無償技術援助が承認
された。
その他 6
合計:1億7,200万ドル
セクター別無償技術援助 a
(1996 ∼ 2000 年)
(単位:百万ドル)
0
35
・ 技術援助総額のうち、7,770 万ドルが技術援助特別基金(TASF)
から、7,710 万ドルが日本特別基金(JSF)の通常及び追加拠出
金から、760 万ドルがアジア通貨危機支援資金(ACCSF)から、
960 万ドルがその他財源からの資金によるものである。
2000 137
・ 技術援助プロジェクトのうち、59件がプロジェクトの準備、174件
が政策助言及びプロジェクト実施、73 件が地域活動のためのもの
であった。
1996 115
・ 技術援助全体の中で最大の割合(18%)を占めたのは、社会基
盤整備で、次いで農業及び天然資源、金融、運輸・通信の順と
なった。
70
105
140
1999 135
1998 114
1997 126
農業及び天然資源
エネルギー
金融
工業・非燃料鉱物
社会基盤整備
運輸・通信
マルチセクター
その他
a 地域技術援助は除く。
・ 2000年における貸付による技術援助は、2億4,500万ドルとなった。
・ 無償技術援助受入国の中では、無償地域技術援助を含め、総額の
9.7%に相当する1,670万ドルの供与を受けた中国がトップであっ
た。他の主要な受入国は、インドネシア、インド及びベトナムで
あった。
無償技術援助の主な受入国
(2000 年)
(単位:百万ドル)
0
6
12
中国 17
インドネシア 13
協調融資
インド 10
ベトナム 9
・ 協調融資は、プロジェクト 41 件、総額約 30 億ドルとなり、ADB
の 2000 年の貸付合計の 51% に相当する額となった。
パキスタン 8
ラオス 8
ネパール 7
スリランカ 7
・ 民間機関との協調融資契約は、総額 22 億 6,100 万ドルとなった。
また、公的機関とは5億5,700万ドル、輸出信用機関とは1億4,800
万ドルの協調融資が行われた。
フィリピン 6
バングラデシュ 5
その他DMCs 47
地域活動 35
合計:1億7,200万ドル
18
50
vi
2000 年 年次報告
目次
1
1
2
2
2
2
2
3
3
3
5
2000 年の概況:理事会報告
44 業務活動
民間セクター開発戦略
ADF:譲許的貸付の財源
JFPR:無償資金協力の財源
長期戦略の枠組みの策定
駐在員事務所に関する政策
マイクロファイナンスに関する開発戦略
一般業務
第 33 回年次総会
加盟国
各種委員会
理事の視察訪問
45
45
45
46
48
51
52
6 特別テーマ:子どもを育てる
7
9
11
15
16
16
18
子どもの発達の重要性
なぜ子どもに投資するのか
域内の子どもの現状
とりわけ脆弱な子どもたち
子どものためのパートナーシップ
子どもに対する ADB の支援
ADB の課題と指針
20 業務活動における優先課題
21
22
23
33
36
39
40
42
ADB の目標:貧困の削減
長期戦略の枠組みの策定
ADB の優先課題
民間セクターの育成
地域協力
法律と政策の改革
開発の社会的側面
非政府組織との協力
貸付
技術援助
資金移転
協調融資と保証業務
案件管理
民間セクター業務
案件の評価と開発インパクト
58 地域の主要動向
59 アジア太平洋地域の開発途上国
61 世界経済
64 戦略策定及び支援活動
65
65
67
68
70
プランニング・プロセス
経済開発企画センター(EDRC)
アジア開発銀行研究所(ADBI)
駐在員事務所、地域事務所及び代表事務所
情報管理
目次
72 組織運営
73
74
74
74
74
人事管理、研修及び人材育成
給与
管理業務
予算
監査と汚職防止
76 ADB の財源及び財務管理
77
80
84
84
通常資本財源(OCR)
特別基金
ADB 研究所特別基金
ADB が管理しているその他の基金
86 財務諸表及び外部監査人報告書
152 統計付録
153
154
194
197
204
記録
ADB 業務データ
財源
経済データ
社会指標
218 ADB 刊行物:最新刊書
220 用語解説
208 付録
総務会
理事会及び各理事に代表される加盟国・地域
アジア開発銀行研究所諮問委員会
組織図
経営陣、上級職員、地域事務所及び駐在員
事務所
217 ADB 元総裁及び副総裁
209
211
212
213
214
221 略語・頭字語
222 ADB の事務所等連絡先
225 加盟国・地域、資本金及び議決権
226 アジア開発銀行概要
vii
viii
2000 年 年次報告
表
特別テーマ:子どもを育てる
9
ADB の保健セクター貸付、国別内訳
15
ADB の教育セクター貸付、国別内訳
業務活動
45
ADB の業務実績
45
51
DMCs への資金移転
民間セクター向け投融資状況(2000 年)
地域の主要動向
60
ADB 加盟 DMCs 及びその他の開発途上国の経済指
標
61
開発途上にあるアジアへの民間資本の純流入額
ADB の財源及び財務管理
77
78
貸付金利
収支状況 ー 通常資本財源
79
81
2000 年中の借入
ADF 約定枠
82
82
技術援助特別基金累計財源
2000 年日本特別基金からの技術援助(セクター別)
83
2000 年アジア通貨危機支援資金からの技術援助
(セクター別)
84
2000 年貧困削減日本基金からの無償資金援助
(セクター別)
目次
グラフ
特別テーマ:子どもを育てる
8
出生時に低体重であった乳幼児(1995 ∼ 1999 年)
8
中程度及び重度の発育不良の 5 歳未満児
(1995 ∼ 2000 年)
8
子どもの栄養に影響を及ぼす要因
(1970 ∼ 1995 年)
9
アジアの微量栄養素摂取の状況
業務活動における優先課題
24
貸付承認のセクター別内訳
24
(1997 年∼ 1999 年の 3ヵ年平均及び 2000 年)
OCR 及び ADF からの貸付承認のセクター別内訳
34
(2000 年)
民間セクターへの貸付及び出資 業務活動
46
ADB 資金の DMCs への貸付実行額と純移転
(2000 年)
47
48
協調融資実績(取極額)
(1996 ∼ 2000 年)
貸付プロジェクトの総コストと資金調達源
50
(2000 年)
契約締結及び貸付実行(1996 ∼ 2000 年)
51
54
民間セクター向け投融資の国別内訳(2000 年)
2000 年カントリーグループ別プロジェクト/
54
プログラム効果比較
2000 年セクター別プロジェクト/プログラム効果
比較
地域の主要動向
61
主要金利
ADB の財源及び財務管理
78
純利益(1996 ∼ 2000 年)
79
借入の推移(1991 ∼ 2000 年)
ix
2000 年の概況
理事会報告
アジア太平洋地域及び ADB にとって、2000 年は、持続的進展の年となった。アジア太平洋地域の開発途上諸国
は、7% 以上の経済成長率を記録し、1997 年のアジア金融危機から引続き目覚ましい回復を遂げた。このような
好調な経済状況の中で、ADB は、再び、開発におけるその基本的な役割に徹し、広範な分野をカバーする開発
機関としての立場を強化することができた。開発途上加盟国(DMCs)数ヵ国において活動を再開したのに伴い、
2000 年の貸付額は、1999 年の 49 億 8,000 万ドルから 58 億 5,000 万ドルに増大した。
1999 年後半に承認された貧困削減戦略が、アジア開
発基金(ADF)の追加拠出の実現と貧困削減日本基金
(JFPR)の創設によって支えられ、本格的な実施に移
された。また、民間セクター業務における活動につい
て新たな政策構想が合意され、長期戦略の枠組みに関
する審議が開始された。
2000 年を通じ、ADB は、とりわけ金融危機の影響
を受けた諸国における、金融・法規制の改革を推進し
た。これらの国では、2000 年末において、資本流出は
約定どおりの債務返済が主となり、対外債務構造及び
返済状況は健全で、また、概ね十分な外貨準備高を維
持した。金融指標も概ね良好で、企業再編においても
ある程度の進展が見られた。しかしながら、構造改革
及び法規制改革は、緊迫感に代わって自己満足感が広
がったことから、その進展は決して十分とは言えない
ものであった。また、世界の動向や政治情勢の影響を
受けて、域内の資本市場及び為替市場は混乱した。
2001年のアジア太平洋地域の経済は、減速しながら
も成長し続けるものと見込まれているが、様々な不確
定要素があり、景気は域外の経済動向に大きく左右さ
れるであろう。先進経済諸国(とりわけ米国)の景気
動向、世界のエレクトロニクス市場の状況、さらに一
部諸国の政治情勢が、大きな影響を及ぼすことが考え
られる。
ADB の直接融資を提供することによって、民間投資
促進のために触媒的役割を果たすことである。
次の 4 つの業務分野が優先される。すなわち、(1)
民間セクターの活動では、
法規制の枠組みにおいて安
定性と確実性を必要とすることから、
官民両セクター
におけるガバナンス、
(2)民間セクター開発にとって
金融へのアクセスが極めて重要であることから、
金融
システムの整備、
(3)開発目標と商業利益とのバラン
スをとるのに役立つことから、
官民のパートナーシッ
プ、
(4)市場拡大、規模の経済、効率的な分業をもた
らすことから、地域協力の 4 分野である。
ADF:譲許的貸付の財源
貧困削減の取り組みにおいて極めて重要な ADF 第 7
次補充(ADF Ⅷ)の交渉が、オーストラリア、イタリ
ア、タイ及び英国での会合を経て、9 月、沖縄で終了
した。2001 年 1 月 1 日からの 4 年間における ADF の
貸付目標予定額は、56 億 5,000 万ドルで、このうち 29
億 1,000 万ドルを新規拠出金で、27 億 4,000 万ドルを
既存及び内部資金で調達する計画である。
ポルトガル
(ADB への加盟手続進行中)及びシンガポールが、新
たな援助供与国となった。
追加拠出の交渉中、援助供与国は、ADFⅧのいくつ
かの優先事項に合意した。これらの優先事項とは、
ADF の貸付に体系的な実績ベースの配分を導入する
民間セクター開発戦略
こと、域内のグッド・ガバナンスへの支援を強化する
こと、男女平等、環境保全及び地域協力に一層重点を
3月、理事会は、民間セクター開発新戦略を承認した。 置くことなどである。援助供与国は、貸付の損失引当
その主な目的は、貧困者を貧困から解放するための手
金及び SDR 建て貸付の廃止を勧告した。また、管理
段として活用できるよう、民間セクターを強化するこ
費に関する ADF 財源と通常資本財源(OCR)の配分
とにある。主眼として以下の 3 点が定められている。 ベースの見直し、援助供与国の確定スケジュール/比
すなわち、
(1)企業が繁栄し、貧困者に裨益する成長
例按分ベースでの拠出金現金化の再検討、さらに
が促進される環境を整備する、(2)ADB の公共セク
ADF Ⅷの中期レビューにおいて技術援助のための資
ター開発が民間セクターを締め出す結果とならないよ
金提供について見直すことを要請した。
うに、また、あらゆる可能な機会が活用されて民間セ
制度的取り組みとして、株主との意思疎通を強化
クターが参画できるように図るためのビジネスチャン
するための業務や措置の効果をさらに高めるために、
スを創出する、
(3)明確な開発への影響やデモンスト
開発評価委員会の設置が、援助供与国によって勧告
レーション効果のある民間セクター・プロジェクトに
された。
2
2000 年 年次報告
JFPR:無償資金協力の財源
新しい財源として、貧困削減日本基金(JFPR)が、2000
年に創設された。日本政府は、アジア金融危機の余波
が依然続いているとの認識の下、ADB の貧困削減戦
略に従い、
無償資金により新たな形の貧困削減及び関
連社会開発プロジェクトを支援するための同資金に
100 億円(9,260 万ドル)を拠出した。JFPR は、ADB
が管理しており、調達、評価及びモニタリング等は、
ADB の手続に沿って実施される。
長期戦略の枠組みの策定
ADBは、貧困なき地域をそのビジョンに掲げ、この目
標に向け、2000 年において、今後 15 年間の ADB の業
務の指針となる長期戦略の枠組みを策定するための包
括的な作業に着手した。加盟諸国、開発のパートナー、
市民社会及び専門家パネルとの多方面にわたる議論が
行われ、ADB スタッフもこれに積極的に参画した。
戦略の重点は、持続可能な経済成長、包括的な社会
開発及びグッド・ガバナンスの達成に置かれる。とり
わけ、新たな長期戦略では、民間セクター開発に関す
る新戦略を重視し、地域開発のための銀行としての
ADBが果たすべき重要な役割を認めている。また、新
長期戦略では、
国際開発目標へのコミットメントを再
確認している。2005 年に向けての基本方針となる中
期貧困削減目標では、DMC 諸国が、持続可能な開発
のための国内政策を実施し、初等及び中等教育におけ
る男女格差を解消することを目指している。この基礎
となる長期目標は、2015 年までに極貧層を 1990 年の
半分に減少させることである。
駐在員事務所に関する政策
ADB はその加盟諸国にとってより身近な存在となる
必要がある。2 月に承認された駐在員事務所に関する
政策は、このための重要な方策である。政策は、可能
な限り、すべての DMC に駐在員事務所を開設するこ
とを定めている。この目標に向けて、2000 年には、中
国及びラオスに駐在員事務所が開設され、
モンゴル及
びタイに駐在員事務所を開設することが承認された。
既存の 13 の事務所に加え、これらの新たな事務所が
開設されることにより、ADB の組織はさらに強化さ
れることになる。
マイクロファイナンスに関する開発戦略
この 20 年間にマイクロファイナンス(小口貸付)は
急速な成長を遂げたものの、多くの DMCs では、貧困
者は、依然信用供与や保険を利用する機会を享受して
いない。6 月に承認されたマイクロファイナンスに関
する開発戦略は、このような状況を変えていくために
役立つものとなるであろう。戦略は、マイクロファイ
ナンス・サービスを発展させるための政策環境の創出
と、
これらのサービスを利用する貧困者の能力向上を
支援する。
一般業務
理事会は、2000 年中、常任理
事会を含め正式会合を66回、
状況説明、ディスカッショ
ン・セミナー、プレゼンテー
ション等の非公式の会合を
30回開催した。理事会は、
プロジェクト 74 件に対
し総額 58 億 5,000 万ドル
理事会(2000 年 12 月)
前列、左から: ジョン・リンチャー副総裁、ビンドゥ・N・ロハニ秘書室長、千野忠男総裁、ミョン = ホー・シン副総裁
2 列目、左から: 成田康郎、カヒット・アキンチ、パトリック・トーマス、C・ラマチャンドラン、N・シナモン・ドーンサイフ、
ジュリアン・H・ペイン、ウエ・ヘンリッヒ、パトリシア・Z・リインゲン、リ・ブクン、チャンタレ・ヨク = ミン・ウォン、
ラム・ビノド・バタライ、オスマン・ジュソー
3 列目、左から: ホセ・ミゲル・コルテス、ジュン = ヒュン・ユン、ジョン・S・ロックハート、M・ファイズール・ラザク、
ジョン・オースティン、エリック・ジョンソン、篠原尚之、ザオ・シャオユ、バリー・ホロウェー、Kh. ザヒール・アーメド、
ステファン・ベーカー、ジュスフ・アンワール
2000 年の概況:理事会報告
の貸付 90 件を承認した。このうち、42 億 6,000 万ドル
が OCR から、15 億 9,000 万ドルが ADF からの貸付で
あった。民間セクター向け及び技術援助のための貸付
を除く理事会が承認したプロジェクト案件の40%が、
貧困削減を第一次または第二次目的に掲げるもので
あった 1。また、理事会は、総額 7,815 万ドルの民間セ
クターへの出資 7 件を承認した。さらに、理事会の直
接承認もしくは総裁への委任により、プロジェクト
306 件に対する総額 1 億 7,199 万ドルの無償技術援助
が承認された。
非公式の会合においては、理事会は、ADB の業務
プロセスを見直し、また、2000 ∼ 2002 年及び 2001 ∼
2003 年の国別援助計画をはじめとする広範にわたる
問題を検討した。
第 33 回年次総会
総務会の第 33 回年次総会は、2000 年 5 月 6 日から 8 日
までタイのチェンマイにおいて開催された。
加盟国
トルクメニスタンが 2000年にADBに加盟し、ADBの
加盟国数は 59ヵ国となった。
各種委員会
監査委員会
監査委員会は、1999 ∼ 2000 年報告の中で、監査役室
(OGA)及び業務評価室(OEO)の独立と客観的監査
の重要性を強調した。委員会は、1999年に採択された
同委員会の新しい所掌事項によって委員会が効率化さ
れ、より活動の対象を絞ったものとなったと報告し
た。委員会は、2000年度の業務のモニターを委員会の
プログラムに加えたにもかかわらず、前年度に比べ少
ない回数の会合で 2000 年のプログラムを実行した。
また、2000 年において、委員会は、委員会の利害の対
立に関するガイドラインを正式に採択した。
ADB の 1999 年財務諸表案を外部監査法人(プライ
1 分類は、ADB の目的に従って行われている。プロジェクトは、
一次目的と場合によって二次目的が定められ、最大2つの目的
を割り当てられる。例えば、経済成長を一次的目的とするプロ
ジェクトは、社会問題への取り組みを二次的目的とすることが
できる。
3
スウォーターハウス・クーパーズ社)とともに検討す
るための会合を含め、16回の会合が開催された。同監
査法人との契約が 2000 年 12 月に終了することに伴
い、委員会は次期監査人の選考をモニターし、最終選
考を理事会に勧告した。
委員会は、OGA の事業計画を検討し、OGA に対し
2000 年に理事会が審議した政策ペーパー及
び報告書
政策、財務及び管理関連ペーパー
・ 2000 年借入プログラム (1 月 25 日)
・ ポルトガルの加盟 (1 月 25 日)
・ 駐在員事務所に関する政策 (2 月 17 日)
・ 中国駐在員事務所の設置 (2 月 24 日)
・ 二国間財源からの無償協調融資の管理手数料の検討
(3 月 14 日)
・ アジア開発銀行の収益見通しと 1999 年純利益の配分
の検討 (3 月 28 日)
・ 民間セクター開発戦略 (3 月 30 日)
・ 部分保証に関する手数料 (4 月 13 日)
・ タイ駐在員事務所の設置 (4 月 19 日)
・ 日本との協力 — 貧困削減日本基金 (5 月 23 日)
・ 貧困者向け金融 — マイクロファイナンスに関する
開発戦略 (6 月 6 日)
・ スペインとの協力 — 無償技術援助基金 (6 月 28 日)
・ デンマークとの協力 — 無償技術援助基金 (7 月 27 日)
・ モンゴル駐在員事務所の設置 (8 月 1 日)
・ 3ヵ年事業計画及び予算案 (2001 ∼ 2003 年)
(10 月 5 日)
・ アジア開発基金第 7 次財源補充 (11 月 2 日)
・ 地球環境基金からのプロジェクト開発基金無償資金
の移転協定 (11 月 21 日)
・ ADB の融資適格基準に基づくパプア・ニューギニア
の分類の検討 (12 月 14 日)
・ ADB 研究所 —2001 年事業計画及び予算 (12 月 15 日)
・ 開発評価委員会の設置 (12 月 20 日)
ワーキング・ペーパー
・ グッド・ガバナンスの促進:ADB の中期アジェンダ
及び行動計画 (4 月 26 日)
・ 民間セクター業務— 戦略的指針とレビュー
(7 月 31 日)
・ アジア開発銀行による部分リスク保証の検討
(8 月 1 日)
・ 万人のための水:アジア開発銀行の水利事業に
関する政策 (9 月 1 日)
・ ADF 資金の実績ベースの配分 (11 月 22 日)
・ アジア開発銀行長期戦略の枠組み(2001 ∼ 2015 年)
(12 月 18 日)
4
2000 年 年次報告
ADB の内部規律について報告するよう要請した。ま
た、OGA に対し、ADB が不正行為で罰則を適用した
企業や個人について不服申立ての機会を与える必要性
を検討するよう要請した。さらに、委員会は、OEO の
業務報告を踏まえ、事業計画を承認した。委員会は、
プロジェクト効果のカテゴリーの数を三段階から四段
階(非常に成功、成功、やや成功、不成功)に増やす
案を承認した。
2000 年に監査委員会が審議した報告書
プロジェクト実績監査報告書
・ 漁業セクター・プログラム(フィリピン)
( 2 月 16 日)
・ 低所得住宅開発プロジェクト(フィジー諸島)
(8 月 9 日)
・ ニューブリテン島西部小自作農地開発プロジェクト
(パプア・ニューギニア) (9 月 13 日)
・ 第 2 次道路改善プロジェクト(スリランカ)
( 9 月 13 日)
・ 第 2 次農業プログラム(ラオス) ( 9 月 27 日)
・ ワラウェ灌漑改良プロジェクト(スリランカ)
(9 月 27 日)
技術援助効果監査報告書
・ モンゴルのエネルギー・セクターに対する諮問的
及び業務無償技術援助 (9 月 27 日)
インパクト評価調査
・ マレーシア、パキスタン、パプア・ニューギニア及び
スリランカにおける技術及び職業教育プロジェクト (8 月 9 日)
・ ADB のメコン河流域地域における準地域経済協力
プログラムのインパクト評価調査 (8 月 16 日)
再評価調査
・ 燃料転化プロジェクト(中国)( 8 月 9 日)
・ 保健及び家族計画サービス・プロジェクト
(バングラデシュ)(9 月 13 日)
特別調査
・ 特定の水力発電プロジェクトの社会及び環境への
インパクト (1月 19 日)
・ 国別援助プログラム評価(ベトナム) (2 月 16 日)
・ 経済危機における ADB のタイ向け貸付の中間評価
(2 月 16 日)
・ 貧困削減に対する ADB のアプローチ及び援助の
有効性 (2 月 23 日)
・ ADB のプロジェクトにおける NGO(非政府組織)
及び CBO(コミュニティーに基盤を置く組織)の
役割 (8 月 16 日)
委員会の年次報告には、ADB が業務評価室の十分
な独立性と客観的な評価の必要性を検討すること、副
総裁(財務・管理担当)を ADB の最高財務責任者に
任命することの勧告が盛り込まれた。これらの勧告
は、ADB において現在検討されている。
予算検討委員会
予算検討委員会は、4月に会合を開き、駐在員事務所に
関する政策の実施がもたらすコスト面での影響を検討
し、また、11 月の会合では、事務局が提出した 2001 年
予算案、ADB の部局の 2000 年業務実績及び 2001 年事
業計画を検討した。
4 月の会合では、委員会は、駐在員事務所に関する
政策の費用・便益面、権限の委譲に向けた本部の組織
調整に注意を払う必要性を確認した。また、委任され
た貸付実行処理が、定められたガイドラインを遵守し
ていることを確認した。
11 月の会合では、委員会は、対外広報活動の調整
を図り、駐在員事務所、地域事務所及び代表事務所を
活用することを提案した。委員会はまた、政策及び戦
略課題を検討し、貧困削減戦略の実施には多くの資
金及び人的資源が必要であることに留意しながら、
実際に十分な効果が上がる形で同戦略を実施するこ
とを勧告した。コーポレート・ガバナンスの重要性を
総務会及び理事会とその機能
ADB は、総務会によって管理運営されており、総務会
は、2000 年末現在、59 名のメンバー(43 の域内加盟国
と 16 の域外加盟国を代表)で構成されている。ADB の
定款第 28 条に基づき、ADB におけるすべての権限が総
務会に授与されているが、定款によって総務会に留保さ
れている一定の権限を除き、総務会はその権限を理事会
に委任することができる。
総務会は、ADBの年次総会の際に年1回正式な会合を
開く。総務会のメンバーは、付録 1 の通りである。
定款第 28 条に従い、総務会は 12 名の理事から成る理
事会を選出し、うち 8 名は域内加盟国から、4 名は域外
加盟国から選出する(付録2を参照)。各理事は理事代理
を指名する。理事会議長は ADB 総裁が務める。
理事は、フィリピンのマニラにある ADB 本部に常駐
してその職務を遂行し、定期会議及び常任理事会を開
く。理事は、ADB の財務諸表の考査、ADB の運営予算
の承認、さらに各種の政策に関するペーパーや貸付、出
資及び技術援助案件の検討・承認を通じて、権限及び職
務を遂行する。
2000 年の概況:理事会報告
5
理事会監査委員会
強調し、資金の適切な活用を確保する上での腐敗防
止政策担当室の役割の重要性を指摘し、法律・政策改
委員会は、7 月に総裁の承認を得た『Action Plan for
革に関する複雑な問題に取り組んでいく必要性を確
Strengthening the Inspection Function(監査機能強化の
認した。
ための行動計画)』に具体的な情報を付加した。監査
委員会は、民間セクター・グループの構成、重要業
に関する情報をより普及させるため、A D B の
務及び業務管理の仕組みが整備されたことにより、民
『Inspection Policy: A Guidebook (監査:ガイドブッ
間セクター業務が ADB の主要業務となることが促さ
ク)』を現地各国の言語に翻訳すること、監査に関す
れ、
民間セクター開発戦略の効果が増大していること
るパンフレット『You Have a Voice (あなたには発言
を確認した。また、業務における社会開発政策と環境
権がある)』の作成(現地各国語にも翻訳予定)、DMCs
への取り組みが本格化し、さらに、非政府組織(NGO)
において政策及び手続に関する概要説明を実施するこ
の協力を促進するための NGO センターの設立におい
となどが提案された。
ても進展が見られたことを確認した。委員会は、経済
2000年においては、監査要請はなかったが、11月に、
調査業務とセクター業務の運営改善と相互調整の必要
監査プロセスに基づき異義申し立てが受理され、それ
性を認め、スタッフの能力開発の推進と知識センター
に対し事務局が要請に応じ対応した。
異義申立人には、
としての ADB の能力拡充を奨励した。委員会は、経
対応に不服の場合は、プロジェクトの監査を理事会監
済開発情報センターと ADB 研究所の業務調整の重要
査委員会に書面により請求する権利が与えられている。
性を強調した。
監査に関する詳細な情報は、ADB のウェブサイト
委員会は、ADB の財源を検討し、部局間の支出予
(http://www.adb.org/inspection)に掲載されている。
定額を調整しながら借入プログラムの準備が進められ
ていることを歓迎した。また、総合コンピュータシス
理事の視察訪問
テム INTEGRA によって、支出プログラムと流動性管
理が改善され、OCR と ADF 財源のコスト分担のため
2000 年中、理事は、3 回の DMCs 視察訪問を行った。
の情報基盤が強化され、スタッフの効率が上がり、資
2 月 19 日から 3 月 4 日までインド、8 月 19 日から 9 月
源が有効に戦略的優先事項に配分されていることが確
1 日までラオスとパプア・ニューギニア、9 月 14 日か
認された。委員会は、その他の効率化のための施策も
ら17日までフィリピンをそれぞれ訪問した。理事は、
実施することを促した。
インドでは、蔵相、州政府閣僚、その他インド政府代
また、委員会は、調達及びコンサルタント選考の
表と協議を行った。また、ADB のプロジェクトの関
メカニズムの合理化、進行中の貸付方式(ロンドン
係者、NGO、女性団体及びビジネス・リーダーとも会
銀行間取引金利案を含む)の見直し、さらに貧困削
合が開かれた。理事は、ADB が資金供与しているプ
減プロジェクトに民間からの協調融資を促していく
ロジェクト及びプログラムが、
概ね順調に進捗してい
上での困難さ等が取り上げられた。委員会は、リス
ることを確認した。理事は、州レベルにおけるプロ
ク管理システムの完成を高く評価した。委員会は、プ
ジェクトの実施と、貸付約定条項の遵守についてイン
ロジェクト評価の対象に、地域技術援助、JFPR によ
ド駐在員事務所によるより厳密なモニタリングを勧告
る業務も含め、さらに、政策評価も行うことを勧告
した。理事は、ラオス及びパプア・ニューギニアでは、
した。また、プロジェクトに必要な資機材及びサー
それぞれいくつかのプロジェクトを視察し、
政府関係
ビスの質を高める技術進歩の利点、さらに DMCs に
者、援助機関及びNGOと広範にわたる協議を行った。
おける情報技術及び通信技術の普及に果たすADBの
理事は、両国政府とも、制度の強化、特にパプア・
役割を確認した。
ニューギニアの場合は、
業績不振の国営企業の整理に
委員会は、長期及び中期戦略の枠組みを実施して
関して、相当程度の援助を必要としていることを確認
いくために、有効で迅速な対応が可能な組織機構の
した。また、パプア・ニューギニアについて卒業の適
重要性を強調した。また、委員会は、ADB の採用方
否を判断する必要性を確認した。理事は、フィリピン
法を、インセンティブも含め、引続き改善するよう
のルソン島北部への視察訪問を通じて、地元レベルに
勧告した。
おける計画立案、関係者の関心事項、実施機関の経験
委員会は、2001 年予算の承認を勧告した。
について、情報を収集した。
6
2000 年 年次報告
特別テーマ
子どもを育てる
子どもを育てることは、すなわち、国を育てることである。社会で最も若く、最も脆弱な構成員のニーズに対
応することが、経済・社会開発への第一歩であり、最も重要なステップである。この考えに同意しない人もい
るかもしれないが、アジア太平洋地域の実態はどうであろうか。ADB の千野忠男総裁は次のように指摘してい
る。
「貧困の矢面に立っているのは、弱者、とりわけ女性と子どもである。」貧困なき地域という ADB のビジョ
ンを実現するためには、まず、今の子どもたちが健康で、必要な栄養や教育を十分に与えられることが必要で
ある。地域では、保健、栄養及び教育の提供において大きな改善が見られるが、残念ながら依然十分ではない。
不幸にも多くの者にとって、現実は今なお過酷である。
・ アジアの開発途上国では毎年 600 万人の 5 歳未満
児が死亡している。これは世界合計の半分以上を占め
る。この死亡者数のうち、低体重児が半数以上を占め
ている。残りの大半は、予防接種で防ぐことのできた
病気が原因である。亡くなった多くの子どもたちは、
出生時に母親が健康でなかったことが原因で、標準体
重に達していなかった。栄養不良と貧困が世代を越え
て悪影響を及ぼしている。
・ 発育の遅れた低体重児の 4 分の 3 がアジアの子ど
もたちである。南アジアの子どもの半数は、標準体重
に達していないか、または発育が阻害されている。こ
の比率は、世界の中で著しく高いものである。
・ ビタミン A、ヨード及び鉄欠乏症の 4 分の 3(そ
のほとんどが幼い子どもとその母親)がアジアの人々
である。人間が正常な成長と発達を遂げ、健康を維持
するためには、微量のビタミンとミネラルを必要とす
る。その欠乏は、命を奪い、精神障害を含む障害を引
き起こす。
・ アジアでは、3,000 万人以上の 6 ∼ 11 歳児が就学
していない。その大半が少女であり、将来の非識字者
予備軍でもある。
・ アジアでは、1 億 5,000 万人の 5 ∼ 14 歳児が働く
ことを余儀なくされている。そのうち半数は、フルタ
イムで働かなくてはならない状況にある。
以上のように、世界の中で標準体重に達しておら
ず、発育が遅れ、ビタミンやミネラル等が不足して
いる状況にある子どもと母親が、アジアに集中して
いる。また南アジアでは、少女の就学率がとりわけ
低い。
栄養不良がもたらす悪影響は、出産時の危険、短命、
障害、生涯にわたる病弱、認知及び学習能力の低下、
学業不振、低賃金、次世代の子どもを教育するための
投資能力の低下等を招き、非常に重大なものである。
栄養不良対策に要する経済コストは高い 1 が、政治
的意思と協力体制さえあれば、
低コストで改善するこ
とができる。賢明な投資を行えば、子どもの健康、栄
養、教育及び生活環境を改善することができる。しか
し域内において、多くの場合、基礎教育と子どもの健
康・栄養に対する国の予算配分は少ない。貧困家庭に
育つ子どもたちは、とりわけ脆弱であり、多くの場
合、基本的なヘルスケアや栄養が不足し、また基礎教
育を受けることもない 2。
地域における生産性の向上と繁栄は、子どもたちが
将来のためにいかに効果的に発育と教育の機会を得ら
れるかに大きくかかわっている。
地域が経済成長の勢
いを持続するためには、
幼い子どもたちが確実に生存
し、成長し、その能力を最大限に伸ばすことが必要で
ある。子どもの学習能力、そして成人してからの生産
能力は、不健康と栄養不良、及び乳幼児期における安
全で愛情豊かな環境の欠如によって、
著しく損なわれ
てしまう。
ADB の課題は明らかである。子どもたちのニーズ
に対応し、貧困の悪循環をうち破ることである。
子どもの発達の重要性
人間の人生の中で最も重要な段階は、3 歳までの時期
である。この段階は、脳が成熟し、個性が発達する時
1 Horton, S.、1999 年、
「Opportunities for Investments in Nutrition in Low-Income Asia (低所得アジアにおける栄養への投資機会)」、
『Asian
Development Review (アジア開発レビュー)』第 17(2)巻: 246-273。
2 基礎教育とは、生活の質を改善し、国の開発に参加するために必要な最低限の知識と技能の習得と定義される。基礎教育期間は、9 年
間(初等教育 6 年と中等教育前半の 3 年)で、通常 6 歳から 15 歳の子どもが対象となる。域内の多くの国でより高いレベルの知識・技
能が必要となるにつれて、義務教育期間は 6 年から 9 年(あるいはもっと長く)に延長されたか、あるいは延長されつつある。
8
2000 年 年次報告
出生時に低体重であった乳幼児
(1995 ∼ 1999 年)
(単位:パーセント)
0
5
10
15
20
25
30
35
南アジア 31
サハラ以南のアフリカ 15
中東及び
北アフリカ 11
ラテンアメリカ及び
カリブ海 9
東アジア及び
太平洋 8
a
CEE/CIS 及び 7
バルト諸国
a 中東欧/独立国家共同体を意味する。
出典:国連児童基金。『The State of the World's Children 2001(世界の子どもの現
状2001年)』
中程度及び重度の発育不良の 5 歳
未満児(1995 ∼ 2000 年)
(単位:パーセント)
0
10
20
30
40
50
南アジア 48
サハラ以南のアフリカ 37
東アジア及び
太平洋 24
中東及び
北アフリカ 24
ラテンアメリカ及び
カリブ海 17
a
CEE/CIS 及び 16
バルト諸国
a 中東欧/独立国家共同体を意味する。
出典:国連児童基金。『The State of the World's Children 2001(世界の子どもの現
状2001年)』
子どもの栄養に影響を及ぼす要因
(1970 ∼ 1995 年)
(単位:パーセント)
国民1人当たりの
食糧供給
26%
女性の学歴
43%
女性の
相対的地位
12%
保健環境
19%
出典:国連行政調整委員会栄養小委員会2000年。
期であり、主たる養護者及びコミュニティ全般との心
理的・社会的な結びつきが確立される時期でもある。
妊娠期間と幼児期は、女性と子どもの保健と栄養
それぞれのニーズが最大となる時期であり、これら
のニーズは、人間の発育を改善する上で非常に重要な
ものである(p.10 の囲み記事 1)。母親が健康である
ということは、子どもの健康にとって極めて重要で
ある。母親の政治的、社会的、経済的権利の法的保護
を含め、母子双方に配慮した戦略は、子どものみに焦
点を置いたアプローチよりもより効果的である。妊
娠期は胎児の神経系と代謝機能が発達し、身体の基本
が確立される時期でもあるので、妊娠時(特に初めて
の場合)のケアは、極めて重要である。やせた栄養不
足の母親は、未熟児あるいは低体重児を出産する可
能性が高くなる。そのような子どもは、3 歳までの発
育が阻害され、発育の遅れや精神障害を起こしやす
く、幼児期には感染症にかかりやすい。また、成年と
なってからは糖尿病や心臓病などの慢性的代謝障害
になりやすい。
就学前の数年間は、社会的能力と認識能力の発達
のため重要な時期である。家庭での能力開発が期待で
きない子どもには、早い段階での専門プログラムが
有用である。多くの国の貧しい子どもたちには、家庭
とコミュニティ・センターでの食事とヘルスケアを
統合した、コミュニティが主体となるプログラムが
役立つであろう。歩き始めたばかりの幼児から就学
前の子どもまでの早期教育プログラムは、対話式で
参加型のものが子どもの成長を促し、社会的仕組み
や協力に関する能力向上に役立つ。小学校の低学年
においても、学習、記憶、推論、学力向上などを妨げ
ている健康や栄養に関する問題を是正する方策が提
供される。
少女には特別な注意が必要である。
少女の心身の発
達と教育水準が次世代の子どもに大きく影響する。少
女に対する差別は、彼女たちへの十分な栄養とヘルス
ケアへのアクセスを制限しかねず、その結果、やせ
細った少女がやせ衰えた母親になるような事態を招い
てしまう。そのような母親の最初の妊娠における死亡
率は、標準的な身長と体重の母親の 10倍にものぼる。
未熟児や低体重(2,500 グラム以下)の 0 歳児につい
ても、同じ確率の危険がある。子どもの潜在能力が母
親の学歴や社会的地位に直接関係していることを踏ま
えて、少女から思春期、若い母親に至るまで、少女た
特別テーマ:子どもを育てる
ちの健康の保護に協力して取り組むことが必要であ
アジアの微量栄養素摂取の状況
(単位:パーセント)
る。開発途上国 63ヵ国を対象とした最近の調査 3 で
0
20
40
60
は、女性の学歴と社会的地位が、食糧供給と環境要因
にもまして、子どもの栄養の重要な決定要素となって
ヨード欠乏症の
危険にある人々
いることが明らかとなった。
女性の学歴と社会的地位は、その子どもの生存と
貧血症の妊婦
将来に強い影響を与える。教育があり、経済活動や政
治活動に積極的に参与し、意思決定に参加する力を
つけたアジアの女性が、幼い子どもの生存と、成長、
貧血症の未就学児
鋭敏な知能や、心理社会的能力の発達の鍵となる。こ
のように女性の地位を改善することが、一生の学習
東アジア
その他アジア
と将来の所得の可能性を高め、家族、コミュニティ、
出典:国連行政調整委員会栄養小委員会2000年。
ひいては国に利益をもたらすことになる。女性の栄
養を改善し、幼い子どもを養育する能力を向上させ
ることが、国の教育水準を引き上げる。そして、女性
ADB の保健セクター貸付 a、国別内訳
の教育と社会的地位を向上させることが、早期の就
職、結婚年齢の上昇、さらに、出産間隔をのばすこと (1978 ∼ 2000 年)(単位:百万ドル)
を促し(これらはすべて、その子どもの生存、成長及
合計
%
び能力向上に資するものである)、女性の死亡率を低
バングラデシュ
134.1
6.6
下させることにつながる。家族計画及びリプロダク
ブータン
10.0
00.5
ティブ・ヘルス(性と生殖に関する保健)サービスが
カンボジア
20.0
1.0
教育のある女性のニーズに対応していけば、理想的
香港
19.5
1.0
な家族の人数に対する認識が変わり、死亡率はさら
インドネシア
743.4
36.7
に低下する。社会開発プログラムにおいて、ジェン
キルギス
4.1
0.2
ラオス
25.0
1.2
ダーの問題に本格的に取り組むことが、貧困の削減を
マレーシア
181.5
9.0
成功させる上で不可欠である。
マーシャル諸島
なぜ子どもに投資するのか
ミクロネシア連邦
モンゴル
貧しい子どもの潜在能力に投資する理由は、正当であ
るとともに自明である。人的資本(頭脳と身体への投
資)は、経済開発にとって不可欠であり、人的資源の
開発強化は、他のいかなる戦略よりも持続可能な貧困
の削減をもたらしうる。ADB は、貧困家庭の子ども
たちの養育と能力向上を図る人的資源開発政策を推進
している。
子どもへの投資は、公共支出を効率性を高める。子
どもたちのニーズへの対応を怠ったがために後に必要
となる公的資金を節約することができる。子どもの学
習能力向上への取り組みは早ければ早いほど良い。子
10.6
0.5
8.0
0.4
15.9
0.8
ミャンマー
63.1
3.1
パキスタン
264.5
13.1
パプア・ニューギニア
119.9
5.9
フィリピン
79.9
3.9
シンガポール
19.0
0.9
スリランカ
35.4
1.7
7.9
0.4
タイ
150.0
7.4
ベトナム
111.3
5.5
2,023.2
100.0
タジキスタン
合計
9
80
小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a マルチセクター・ローン、及びその他ローンの保健に関係する部分を含む。
3 Smith, L. 及び L. Haddad、2000 年、
「Explaining Child Malnutrition in Developing Countries: A Cross-Country Analysis (発展途上国におけ
る子どもの栄養不良の解明: 各国の比較分析)」、Research Report 111、ワシントン DC: International Food Policy Research Institute。
10
2000 年 年次報告
どもの衛生、健康、栄養、教育を改善するための投資
循環を打ち破るものである。早期幼児プログラムに参
は、多くの場合、コミュニティ全体に利益をもたら
加する少女は、就学し、学業を継続する率が高い。健
す。また、母親はそれにより収入を得、教育を受ける
康と栄養の特別プログラムは、娘を学校に入学させ、
という目標を追求することができるようになる。
学業を継続させるインセンティブを両親に与え、ジェ
子どもへの投資は、人間の頭脳と好奇心、推論及び
ンダーの問題が社会保護プログラムに組み込まれるこ
探求の能力を開発することであり、将来の労働力の質
とを促す。
と生産性を向上させる。子どもの学習能力の増大は、
子どもへの投資は、各国が(及び ADB が)同意し
結果としてその家族の収入を増大させ、次世代の能力
た国際開発目標(IDGs)を達成する上で役に立つであ
向上への投資を可能にする。初等教育への投資は、公
ろう。7 つある IDGs のうち 3 つは、子どもに直接関連
平な成長を促す。
するもので、2 つは母親の健康を対象としたものであ
少女の教育への投資は、ジェンダー・バイアス(性
る(p.11 の囲み記事 2)。ADB 及び開発途上加盟諸国
別による偏り)に取り組み、貧困と低い学業成績の悪 (DMCs)は、国連の児童の権利に関する条約も支持し
囲み記事 1. 子どもの栄養への投資は経済的に妥当な策
ADB は、最近、国連児童基金(UNICEF)と共同で、慢性
的栄養不足のコストと、栄養不良根絶の戦略改善の効果を
1
分析するため、7ヵ国を対象に調査 を実施した。ADB と
UNICEF は、優れた計画の下に実施される栄養支援は、極
めて費用効果が高いとの結論に至った。
子どもの栄養不良の経済コスト:調査により、低所得の
アジア諸国における栄養不良のコストは、年間 GDP の少
なくとも 3 ∼ 4% に達することが明らかになった。インド
では、タンパク質・エネルギー栄養不良、ヨード欠乏障害
(IDD)、鉄欠乏性貧血(IDA)による成人の生産性の低下に
よって 3%、ヨード欠乏による認知障害によって 1% の成
長の喪失が生じている。現業労働者の実績によれば、著し
い発育不全が見られる労働者による生産性の喪失は最高
9% に達している。IDA による生産性の喪失は、重労働に
従事する労働者では 17%、軽作業に従事する労働者では
5% となっている。栄養不良の子どもの認知障害による生
産性の喪失は、発育不全の子どもについては 10%、IDA は
4%、IDD は 10% である。栄養不良のコストは驚くほど大
きい。
栄養支援の費用効果:栄養素の欠乏は予防できる。妊婦
1人に対する母乳保育の促進、ヨード塩、必需食品(料理
用油または砂糖)のビタミン A 強化、半年毎のビタミン A
の投与、ヨード注射と毎日の鉄剤の服用は、障害が改善さ
れた後の平均余命 1 年当たり 25 ドルもかからない。この
ような栄養支援は、予防接種、学校の診療所、あるいは健
康・栄養・家族計画に関する情報などとともに提供され得
るものである。これらより費用はかかるが、さらに有効な
投資となる他の栄養摂取の方策としては、子どもに補助的
給食を支給する、子どもと妊婦に栄養補給物を与えること
などがある。対象を定めず、あるいは誤った対象に対して
食糧援助をするという、アジアにおける長年にわたる慣行
は、経費もかかり効率の悪いものであった。乳幼児への必
需食品の栄養強化や補助的給食の 1 人当たりの投資額は、
栄養補給プログラムの 10 分の 1 である。
2
栄養投資の収益 :栄養不足の危険にさらされている
人々に対する目標を絞った栄養補給(妊婦に対する鉄分、
5 歳未満児に対するビタミン A)は、栄養強化よりも費用
効果が高い。ただし、栄養強化の方が収入が増大し、世
帯がより質の高いプライマリー・ヘルスケアへのアクセ
スを得られるので、持続可能性は高い。栄養強化は、臨
床的な栄養不足を解消する最も費用のかからない方法で
あり、適切な公共政策となり得る。栄養強化は、5 歳未満
児に対するビタミン A の補給や妊婦への鉄分の補給より
も生産性の向上に 3 倍効果的であり、一般的なヨードの
補給よりも 4 倍
効果的であり、
出産可能年齢に
ある女性を対
象とする栄
養補給より
同じく 2 倍
効果的で
ある。
1 Mason、John、Joseph Hunt、David Parker 及び Urban Jonsson、
「Investing in Child Nutrition in Asia (アジアにおける子どもの栄養への投資)」
、
『Asian Development Review(アジア開発レビュー)』、1999 年、アジア開発銀行、第 17 巻 1 号及び 2 号。
2 世界銀行、1994 年、『Enriching Lives: Overcoming Vitamin and Mineral Malnutrition in Developing Countries(生活を豊かに:開発途上国のビタ
ミン及びミネラルの栄養不良を克服する)』
、ワシントン DC。
特別テーマ:子どもを育てる
ている。この条約は、各国政府に対し、一人一人の児
童を健全に育てるために努力することを要求してい
る。アジア諸国の政府は、これらの原則(p.12 の囲み
記事 3)に同意することにより、すべての子どもの健
康と栄養を改善し、公平な成長と持続可能な開発に
とっての鍵となる、権利としての基本的教育を提供す
ることを誓約した。
域内の子どもの現状
健康と栄養
この 40 年間に、アジア太平洋地域の子どもの健康水
準は大幅に向上した。乳幼児を含む5歳未満児の死亡
率は、世界の動向と同様に半分以下に低下した。なか
でも東アジアと太平洋地域は最も目覚ましい改善を
見せた。地域全域にわたり、飲料水へのアクセスも改
善され、都市部と農村部の格差が縮まった。就学前児
童の健康と栄養状態も向上したが、しかし地域全体
の改善状況は一様ではない。例えば、バングラデシュ
及び中央アジアでは、子どもの平均的な体格が、1990
年代には低下した。また、南アジアの現在の新生児の
平均余命は、1960 年代に生まれた子どもより 10 年長
いものの、東アジアや太平洋地域の新生児に比べる
と 7 年短い。南アジア諸国の乳幼児を含む 5 歳未満児
の死亡率は、スリランカを除き、世界で最も高い死亡
率のひとつとなっている。南アジアでは衛生状態も
深刻な問題であり、適切な衛生設備へのアクセスを
11
有する者は、総人口のわずか 3 分の 1、農村人口では
5 分の 1 に過ぎない。
また、アジア太平洋地域では、微量栄養素の欠乏が
原因で、死に至ったり、障害を負う子どももいる。ビ
タミン A の欠乏による死亡は、母親及び 5 歳未満児の
死因において大きな割合を占めている。域内のビタミ
ンAの供給状況を改善しようと、大規模な栄養補給プ
ログラムが実施されているが、南アジアにおいては、
このプログラムの恩恵にあずかっている子どもは、4
人に 1 人にすぎないのが実態である。
ヨード欠乏は、世界において精神障害の最大の原
因となっている。ヨード塩の補給は、費用対効果の高
い解決策である。国連児童基金(UNICEF)が主導す
る国際ヨード塩イニシアティブは、世界において
ヨード塩を使用する世帯数の割合を4分の1から1990
年代後半には 3 分の 2 以上に増加させた。しかしなが
ら、アジアにおいては依然 10 億人がヨード塩を使用
しておらず、従前の食生活ではヨードが不足してし
まう。バングラデシュ及び中央アジアでは、触知可能
な甲状腺腫が風土病となっている。このために、これ
らの国の平均的な子どもの知能指数(IQ)は 13 ∼ 14
ポイント低く、これは成人になっても回復されない。
対策としては、胎児の脳の発達が損なわれないよう
に妊婦のヨードの摂取を改善し、また母乳を補完す
る幼児用給食にも十分なヨードを加えることが効果
的である。
鉄欠乏症の症例である貧血は、世界で最も一般的な
囲み記事 2. 国際開発目標の採用
世界子どもサミット、国際栄養会議、国際人口開発会議、
世界社会開発サミットなど、1990 年代前半に開催された
様々な会議の合意及び決議に従い、世界のリーダーは、広
範な国際開発目標を特定した。すべての目標が間接的に
子どもに関わるものであり、そのうち 3 つは直接関係し
ている。また、2 つの目標が母親の健康を対象とするもの
である。
・ 2015 年までに極貧層の割合を 1990 年の半分に減少さ
せる。
・ 2015 年までに小学校の就学率 100% を達成する。
・ 2005 年までに初等及び中等教育における男女格差を解
消する。
・ 2015 年までに乳幼児死亡率を 1990 年の 3 分の 1 に減少
1
させる 。
2
・ 2015 年までに妊産婦死亡率 を 1990 年の 4 分の 1 に減
少させる。
・ 2015年までにすべての人にリプロダクティブ・ヘルス・
サービスへのアクセスを提供する。
・ すべての国が 2005 年までに持続可能な開発のための国
家戦略を実施し、2015 年までに環境資源の喪失を改善
することを確保する。
1
乳児死亡率とは、年間の出生 1000 件に対する 1 歳未満の子供の死亡数である。
2
妊産婦死亡率とは、妊娠、出産、または出産に関係する合併症に起因する、すなわち、出産後 6 週間以内の出生 10,000 件に対する死亡数である。
12
2000 年 年次報告
囲み記事 3. 子どもの権利を認める
国連の児童の権利に関する条約は、1989 年 11 月に国連総
会によって採択され、1990 年 9 月に発効した。
・ 締約国は、児童の生存及び発達を可能な限り確保する。
・ 締約国は、到達可能な最高水準の健康を享受すること、
及び病気の治療と健康の回復のためのサービスを与えら
れることについての児童の権利を認める。締約国は、い
かなる児童もこのような保健サービスを利用する権利が
奪われないことを確保するために努力する。
・ 締約国は、この権利の完全な実現を追求するものとし、
特に次の諸点につき適切な措置をとる:幼児及
び児童の死亡率を低下させること;基礎的な保
健サービスの発展に重点を置いて
必要な医療及び保健サービスを
すべての児童に提供すること
を確保すること;基礎的な保
健サービスの範囲内で行われ
ることを含めて、環境汚染に
も留意しながら特に容易に利
用可能な技術を活用して、
十分に栄養のある食物及び
清潔な飲料水の供給を図
り、疾病及び栄養不良を
防止すること;母親の
ための産前産後の適切
な保健サービスを確保
すること;社会のすべ
ての構成員、特に父母及び児童に、児童の健康及び栄
養、母乳による育児の利点、衛生(環境衛生を含む)
、事
故の防止についての基礎的な情報を提供し、
教育を受け
る機会を与え、その知識の活用を促すこと;予防的な保
健、これに関する父母のための指導、家族計画に関する
教育及びサービスを拡充すること。
・ 締約国は、教育についての児童の権利を認め、この権利
を着実にかつ平等な機会の下で達成するため、特に、初
等教育を義務的なものとし、すべての者に対して無償で
提供する;種々の形態の中等教育(一般教育及び職業教
育を含む)の発展を奨励し、すべての児童に対し、これ
らの中等教育が利用可能であり、かつ、これらを利用す
る機会が与えられるものとする。例えば、無償教育の導
入、必要な場合における財政的援助の提供のような適切
な措置をとる;すべての適切な方法により、能力に応
じ、すべての者に対して高等教育を利用する機会が与え
られるものとする;すべての児童が、教育及び職業に関
する情報及び指導を利用でき、かつ、これらを利用する
機会が与えられるものとする;不登校を防止し、中途退
学率の減少を促すための措置をとる。
・ 締約国は、児童が経済的な搾取から保護され、危険な労
働、児童の教育の妨げとなる労働、または児童の健康や
身体的、精神的、道徳的若しくは社会的な発達に有害と
なるおそれのある労働への従事から保護される権利を認
める。
囲み記事 4. 鉄欠乏性貧血の撲滅
アジア地域では、妊婦の 60%(南アジアは 88%)、出産可
能年齢にある女性の半数、未就学児の 40% が、鉄欠乏性
貧血(IDA)に苦しんでいる。世界の開発途上諸国におけ
る妊産婦の死亡 50万件のうち約 20% が IDAに起因するも
のである。妊産婦の死亡率や子供の知的な障害は、IDA へ
の対策を講ずることによって改善することが可能である
が、しかし、このための明確な戦略はまだ定められていな
い。
ADB では、IDA の問題に取り組む 3 件地域事業を支援し
ている。2 件は、現在実施されてる食品の栄養補強とコメ
の品種改良に関する調査研究で、もう 1 件の取り組みは、
現在準備が進められている。
中国、インド、インドネシア、パキスタン、タイ及びベ
トナムにおいて行われている食品の栄養強化に関する地域
プロジェクトは、小麦粉あるいは醤油や魚醤などの調味料
に鉄分を添加して栄養補強するものである。政府の食品規
制機関や食品メーカーの協力を得て、微量栄養素の欠乏を
改善する計画である。加えて、国別調査に基づき、域内に
おける対策を立案し、食品の技術、規制及び貿易に関する
地域ワークショップも実施する計画である。
コメの品種改良に関する地域プロジェクトは、バング
ラデシュ、インドネシア、フィリピン、ベトナムにおい
て、国際稲作研究所と国際食糧政策研究所と共に ADB 主
導のコンソーシアムによって、実施されている。3ヵ年に
及ぶ研究プログラムでは、鉄と亜鉛の含有量の多い品種
を試作している。この品種は鉄と亜鉛が含まれているだ
けでなく、収穫量も多いので、消費者が進んで消費する
ことによって、新しい品種の生産と普及が国の農業研究
システム及び種子会社により進められよう。この品種に
よって貧困者が適切な価格でコメを入手することが可能
になる。
3 つ目の地域プロジェクトは、栄養強化された小麦粉と
塩の生産システムを確立し、それら小麦粉と塩に関する法
規制、品質管理及び貿易を改善するための能力開発を目指
すものである。
特別テーマ:子どもを育てる
13
入などをまかなう金銭的余裕がなかったり、あ
るいは、家で子どもたちの労働力が必要とされ
たり、働きに出て家計の一端を担わなければ
ならないなどの理由から、中途退学する子ど
ももいる。これらの子どもの大半は、1 年生
か 2 年生で退学してしまう。
中途退学者の大半は少女
栄養に関する問題であ
で、多くの場合、娘を教
る。アジアでは、鉄欠乏
育する価値は低いとい
症の人が 10 億人を上回っ
う認識がその要因と
ている。南アジアでは、妊婦
なっている。フィリピ
の 10 人に 9 人が貧血症で 4、妊
ンでは、小学校入学者
娠中に死亡する危険にさらされてい
1 0 0 人のうち卒業する
る。ADB の調査によれば、低所得のアジアに
者は 70 人足らずで、バ
おいて、毎年、少なくとも 6 万 5,000 人に上る貧
ングラデシュは 100 人
血症の妊産婦が死亡している。また、アジアの乳幼
中 65 人、カンボジアは
児及び学齢児の半数が、貧血症が原因で運動能力に問
100 人中 45 人となって
題があり、また話す能力や読む能力にも遅れがある。
いる。インドネシアで
貧血症を防止するための地域の取り組みが急務である
は、低所得者層の子ど
(p.12 の囲み記事 4)。
もは、他の子どもたちに比べ、中学校への進学率がは
るかに低い。
教育
時に貧困者の間には、学校に行ってもあまり利点は
ないという誤った考え方が見られる。
学校の授業が不
小学校の就学率は、現在、東アジア及び東南アジアで
適切で、最低限の水準すら満たされていなかったり、
はほぼ90%、南アジアでは約70% に達している。しか
学校が資金不足で、運営も劣悪である場合には、この
しながら、3,000 万人以上の 6 ∼ 11 歳児が依然学校に
間違った考え方を取り払うことは難しい。多くの場
通っていない。その大半が少女である。このような子
合、このような状況が現実となっている。域内の多く
どもたちには、両親が教育を受けていない、僻地に暮
の子どもは、
社会で活躍するために必要な技能を身に
らしている、少数民族の出身である、都市のスラム街
つけることなく基礎教育を終える。
(アジア太平洋地
に暮らしている、避難民家族の出身であるなどの特徴
域では、コンピュータを使いこなす基礎能力さえ教え
が多く見られる。
ている学校はほとんどなく、インターネットに接続し
子どもたち、とりわけ僻地に暮らす貧しい子ども
ている学校はさらに少ない。)劣悪な教育は、一般に、
たちは、多くの場合学校まで長い距離を徒歩で通わ
不十分な教員研修、生徒数の過多、内容の悪いカリ
なければならない。幼い、あるいは栄養不良の子ども
キュラム、不十分な教材、施設の不備などが原因と
には無理な場合もある。病気であったり、疲れていた
り、あるいは空腹の子どもは集中力も長時間続かず、 なっている。
幼児育成(ECD)プロジェクトは、母親と子ども
学習能力も低下してしまう。少数民族の言葉を普段
使っている子どもは、さらに多くの問題を抱えてい (一般に出生から 8 歳まで)を対象とし、子どもの健
る。このような状況にある子どもたちには、中途退学
康と栄養、そして、学習に向けた精神的刺激と準備
者も多い。
を確保することを目的とするものである(p.14 の囲
また、両親に交通費、学校に必要な用品や制服の購
み記事 5)。ECD の対象は、栄養補給と教育から、子
塩をヨード化したり、小麦
粉に鉄分とビタミンAを加
えて栄養強化することで、
子どもの健康状態は大幅に
改善する。
4 国連、2000 年、『Fourth Report on the World Nutrition Situation 2000 (世界の栄養状況に関する第 4 回報告 2000 年)』、ジュネーブ:国
連行政調整委員会/栄養小委員会。
14
2000 年 年次報告
囲み記事 5. 幼児育成の支援
幼児育成(ECD)プログラムは、出生から小学校低学年ま
での子どもの身体的及び精神的発達を支援するものであ
る。鋭敏な知能、学習及び学力にとって重要なライフサイ
クルの初段階に当たる妊娠から 3 歳まで、小学校入学前の
幼児期、そして、小学校入学後の初めて社会への対応を経
験する時期を対象としている。
ECDプログラムは、6歳未満児を対象に、子どもの健康、
栄養及び幼児教育の総合的なプログラムを提供するもの
で、多くの場合、これに引続き、小学校低学年において、
ECDに準じた形でカリキュラムと学習環境が提供される。
センターと自宅での統一化されたサービス、ライフサイク
ルにおける個々の必要性に応じた支援、さらに、地方政府、
コミュニティ、家庭の連携を通じて、各々の子どもが潜在
能力を発揮するのを手助けする。
世界子どもサミット及び万人のための教育(EFA)に関
する世界会議において、アジア太平洋諸国の政府は、2000
年までに子どもの健康、栄養及び就学率を大幅に改善する
ことを公約した。しかしながら、これらの目標はほとんど
達成されていない。2000 年の EFA グローバル・レビュー
は、子どもの学習に対するレディネス(学習が十分効果を
発揮するために必要とされる精神的、身体的段階に達して
いること)が十分ではない実情と、就学が遅れていたり、
全く就学しなかったり、あるいは、小学校の中途退学率の
高い貧しい子どもや僻地に暮らす子どもの能力を伸ばすに
は、ECD プログラムが極めて重要であることを指摘して
いる。
ECD プログラムは、セクター別のプログラムでは不可
能な相乗作用を得ることができるので、比較的安いコスト
で効果が期待できる。ECD は、乳児、よちよち歩きの幼
児、幼い子どもを対象に栄養、健康、心理的ケア、認知能
力の向上を(それぞれの年齢層に適切な組み合わせによっ
て)図っている。これらの相乗作用により、効果を最大限
に高め、かつコストを削減する。例えば、幼稚園や保育園
に通った子どもは、その後の社会生活によりよく適合し、
中途退学の可能性も低くなり、学校教育により早く適合す
ることができ、成績も良い。健康で、栄養の行き届いた幼
稚園児や保育園児は、適合性が優れ、成績も良くなる傾向
がある。
幼児の生活が改善された場合、貧困削減の効果は最大
限持続される。ADB と世界銀行の協調融資によって実施
されているフィリピンの E C D プロジェクト(1 9 9 8 ∼
2003 年)は、500 万人の子どもを対象に実施しているも
のである。栄養不足、死亡率及び小学校の中途退学率の
指標に基づき、危険な状況にある子どもが、最も集中し
ている約 170 の地方自治体の担当部門を支援対象として
いる。中央政府及び地方政府とコミュニティによる今ま
でにない協力が実現し、それが、コストの分担にも反映
されている。コストの分担は、各地方自治体の支払い能
力と責任に基づいて決められている。中央政府は、開発
予算や融資収益から、地方機関に支援システムを提供し
ている。
ADB は、子どもたちが遺伝的潜在能力を発揮できるように図り、必
要な技能を身につける手助けをしている。
どものための基本的保健サービス、心理的社会的刺
激や認知能力にまで至るもので、中途退学率を引き
下げ、学習及び学業成績を改善する費用対効果の高
い方法である。しかしながら、ECD の恩恵を得てい
る幼児の割合は低く、中・高所得者層の子どもが中
心である。年齢の低い幼児、とりわけ貧困層の子ど
もたちを支援することが、彼らの学習能力と学校教
育の効果を高めるための有効な戦略である。ADB は
ECD への支援を強化している。
環境
欧米が工業化に踏み出した時代、子どもたちはカナ
リアを入れた鳥かごを手に鉱山の立坑を降りていっ
た。鉱山で岩石の割れ目から漏れ出る無臭のガスを
大人の労働者に警告するためである。カナリアが死
ぬと、労働者らは逃げた。色々な意味で、子どもたち
は、工業化の進むアジアにおいて、犠牲となるカナリ
アのような存在であり、ますます汚染が進む環境の
無言の犠牲者である。呼吸器感染症や精神障害がか
特別テーマ:子どもを育てる
ADB の教育セクター貸付 a、国別内訳
(1970 ∼ 2000 年)(単位:百万ドル)
15
ロジェクトによって有鉛ガソリンの使用が禁止される
ようになったが、それ以前は、マニラで暮らす平均的
な子どもは、鉛汚染のない環境で育つ子どもに比べ、
その成長過程において、知能指数が 5ポイント近くも
低くなる危険にさらされていた。
アジアの多くの都市では、子どもたちは、ゴミ捨
て場でのくず拾いに雇われている。これは、有害な
廃棄物にさらされ、疾病感染の危険の高い仕事であ
る。他の子どもも、衛生施設の不備や健康に害のあ
る水などのさらに広範に及ぶ悪影響を受けている。
これらの子どもたちは、身体や精神の発育に遅れが
生じる場合が多い。学校への入学が遅れがちであり、
また、潜在能力を発揮している子どもたちに比べ、
教わったことを記憶する能力が劣ってしまうことが
多い。
農村地域においては、側溝に流れ出た農薬が子ども
の未発達な呼吸器や肺の機能を損傷し、成人してから
障害を引き起こしている。また、農村部でも都市部で
も、水は、多くの場合、未処理の下水や、化学薬品の
廃棄、有害物質の流出、灌漑設備からの塩、雨水に溶
けた大気汚染物質に汚染されている 5。
合計
%
498.3
9.4
9.9
0.2
47.2
2.7
0.9
0.1
2,167.3
65.0
43.0
1.3
56.7
61.3
1.1
1.2
53.3
258.8
1.1
5.1
モルジブ
マーシャル諸島
6.3
14.8
0.1
0.3
モンゴル
ネパール
15.5
56.1
0.3
1.1
パキスタン
パプア・ニューギニア
571.0
55.9
11.3
1.1
フィリピン
サモア
279.2
7.0
5.5
0.1
シンガポール
スリランカ
22.0
199.9
0.4
4.0
タジキスタン
タイ
7.6
360.7
0.2
7.2
とりわけ脆弱な子どもたち
ウズベキスタン
ベトナム
97.0
129.0
1.9
2.6
5,042.0
100.0
すべての子どもは脆弱であるが、
貧しい子どもはとり
わけ脆弱である。多くの貧しい子どもたちが搾取され
ている。アジア、とりわけ南アジアでは、何百万人も
の子どもが、主として農村地域において、拘束されあ
るいはその他制約的な条件の下で労働者として働かさ
れている。アジアでは、年間推定 380 万人の子どもが
仕事で負傷し、その結果 150 万人が障害を負い、1 万
9,000 人が命を失っている。
また、アジアでは、数十万人の子どもが路上で暮ら
している。その数は、金融危機の結果、1990 年代後半
に増大し、都市化に伴い、さらに増加し続けている。
ADBの調査によれば、インドネシアではその数は4倍
に拡大した。これらの子どもたちは、環境汚染と性的
搾取の危険にさらされている(p.16 の囲み記事 6)。
アジアには、AIDS犠牲者の孤児が100万人いる。多
くは「村八分」の状態に置かれ、また、中には孤児自
身が HIV 感染者である場合もある。
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
クック諸島
インドネシア
カザフスタン
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
合計
小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a マルチセクター・ローン、及びその他ローンの教育に関係する部分を含む。
つてなく多く見られるようになっている。アジアの
都市化が急速に進むのに伴い、環境汚染が子どもの
健康と認知能力の発達に及ぼす悪影響はますます大
きくなっている。
アジア各地の都市や町では、
鉛による大気汚染が進
み、子どもの脳や手足に障害を引き起こしている。中
国の特定の地域で働く子どもの血液中の鉛のレベルを
調べたところ、有害とされているレベルをはるかに上
回っていた。これは、知能と身体の成長に危険をもた
らすものである。フィリピンでは、ADB の資金支援
によって実施された、マニラ首都圏の大気汚染改善プ
5 アジア開発銀行、2000 年、
「Water in the 21st Century (21 世紀の水資源)」、
『年次報告 1999』、マニラ: アジア開発銀行。
16
2000 年 年次報告
そのような中で NGO は、最も積極的に子どもの窮
状改善を訴えている。ADB では、インドネシア政府
と NGO が実施している保健、栄養及び教育支援の取
り組みを通じて、インドネシアのストリート・チルド
レンのための特別プログラムを支援している。
子どものためのパートナーシップ
課題は、地域の子どもたちが潜在能力を十分に発揮す
るために必要な健康、栄養、知識、技能及び機会を彼
らに与えることである。現在の子どもたちへの投資
は、将来の大人に対して力を与えることであり、彼ら
が生産的になることを保証するものである。この課題
は、ADB だけでは成し遂げることはできない。他の
機関もこの課題の実現に取り組んでいる。
UNICEF は、子どもに焦点を絞っている。多くの二
国間及び多国間機関が、児童労働、ストリート・チル
ドレン、貧しい子どもや遺棄された子どもの問題に
理解を深めており、また、より配慮することに努めて
いる。
国際的NGOも、現地のNGOも極めて活発に活動し
ている。現地の NGO は、孤立したあるいは社会的に
阻害されたコミュニティの貧しい子どもたちについて
の知識が最も豊富である場合が多い。また、民間セク
ターは、多くの場合、慈善事業や委託されたサービス
を通じて、
費用対効果の高い基本的な社会サービスを
提供することができる。
最も重要なのは、DMC 政府と地方当局である。彼
らは、教育、ヘルスケア及び上下水道設備の重要なプ
ログラムの責任者である。子どもの問題を国の優先課
題の上位に置くとの理解を共有することが必要であ
る。このためには、現在 ADB と DMCs の間で準備が
進んでいる貧困協定が役立つことになる。
子どもに対する ADB の支援
政策及び戦略の枠組み
ADB は、人的資源の開発を総合的な社会経済開発に
おいて不可欠なものと認識し、
人的資源の開発を促進
するための最も効果的な方法として、女性と子どもへ
の支援を重視してきた。ADB が 1994 年に打ち出した
人口問題に関する政策では、母親と子どもの健康に母
親の学歴と家族の規模が明らかに影響することを指摘
している。また、1998年のジェンダーと開発に関する
政策では、女性の社会インフラ・サービスへのアクセ
ス改善を支援する必要性を強調している。
子どもの健
康と教育への最も効果的な支援は、その母親の健康と
教育への支援である。1999年の貧困削減戦略では、女
性と子どもに役立つプロジェクトを重点的に支援して
いくことを求めている。
また、1999 年に承認された保健セクターに関する
政策は、ADB の保健セクターへの支援の中心を、貧
しい母親と子どもに最も利益をもたらすプライマ
リー・ヘルスケアとすることを承認している。プライ
マリー・ヘルスケアへの支援について、保健セクター
の支援総額に占める割合で見ると、1978 年から 1991
年までの期間は 36% であったのに対し、1992 年以降
には 66% に増大している。
2001 年の理事会で審議される予定の水利セクター
囲み記事 6. 住まいを得たマリアム
マリアムは、インドネシアのジョクジャカルタにある
ギファリ保護施設で暮らしている少女である。この施
設に来る前、マリマムは6年間にわたり路上生活をして
いた。
マリアムが 8 歳の時、父親が何者かに毒殺され、母親
もそのショックで心臓麻痺を起こして亡くなってしまっ
た。孤児となったマリアムはその後叔父に引き取られ
た。10歳でレイプされた彼女は、逃れて路上暮らしをす
るようになったが、そのような状況の中でさらに性的虐
待にあった。警官がマリアムをギファリ保護施設につれ
ていったのは 1999 年のことである。
ジョクジャカルタにはマリアムのような痛ましい過
去を背負った少女が 500 人もいる。インドネシアの 12
都市を対象に 1999 年に ADB が行った調査の結果、推
定 17 万人にのぼるストリート・チルドレンのうち 20%
が少女であることが判明した。しかしストリート・チル
ドレンのためのプログラムは、一般に、少年を対象とし
たものが中心となっている。ADB は新たに少女を主た
る対象とするプログラムを実施している。ADBでは、貧
困削減日本基金(貧困削減日本基金についての詳しい
情報は p.84 を参照)からの支援による 100 万ドルのプ
ロジェクトを通じて、性的虐待や売春の犠牲となって
いる少女のストリート・チルドレンに対し、カウンセリ
ング・サービス、職業訓練及び保健サービスを提供して
いる。プロジェクトの実施には地元の NGO が当たって
いる。
特別テーマ:子どもを育てる
に関する政策案では、家族の健康と福祉を確保する上
で、
水によって媒介される疾病を防止する主役として
の、また、極めて生産的な農民及び灌漑耕作者として
の女性の特別な役割を認めている。
また、2000 年に策定された教育セクターに関する
政策案でも、女性と子どもへの支援を支持している。
ADB の教育に対する支援は基礎教育重視に方向転換
した。教育セクターへの支援に占める割合は、1970年
代及び 1980 年代には 11% であったのに対し、1990 年
代は 40% を超えるまでになった。ADB は、すべての
子どもが基礎教育を受けられるようにするための世界
的な運動である「万人のための教育」の重要なパート
ナーとなっている。
2000 年に策定された ADBの長期戦略の枠組み案で
は、
直接及び間接的な支援を通じて社会開発に一層の
重点を置くことを求めている。枠組みは、また、保健
と教育に十分な支援資金を配分し、貧困者に基本的な
社会サービスへのアクセスを提供するための政策や改
革プログラムを必要に応じ実施していくことを提言し
ている。
ADB の業務
女性と子どもが主たる対象となる教育、保健及び栄養
に関する ADBの支援は、1990年以降の ADBの貸付対
象案件全体の約 8% を占めている。この割合は、他の
17
多国間開発銀行と比較すると低い。しかし、例えば小
口金融、上下水道整備、環境、農村及び都市開発など、
他のセクターへの投資を加えると、ADB の子どもに
対する支援は相当な額になる。ADB が貧困削減に重
点を置くようになったことから、貧困者、とりわけ女
性と子どもを支援するプログラムに対する支援額は増
大している。
最近、A D B は新たな形の子どもに対する支援を
行っている。1998 年と 1999 年におけるインドネシア
に対するセクター開発プログラム・ローン 2 件(囲み
記事7)は、金融危機が貧困者に及ぼす影響を緩和し、
基本的社会サービスの提供を改善するのに役立つ政策
改革を促すものであった。
バングラデシュとパキスタンにおける基礎教育プロ
グラムは、少女の教育へのアクセスを改善し、少女が
学校に留まって学業を続けるインセンティブを与える
ことを目指したものである(p.18 の囲み記事 8)
。フィ
リピンの学校外教育プロジェクトでは、貧しい農村の
女性を中心にこれまでに46万 5,000人の学習者が識字
能力を身につけた。また、このプロジェクトによって、
生徒の実情に柔軟に対応できる仕組みを設け、学校に
通っていない若者に初等・中等教育に相当する教育を
提供する代替的システムが確立された。このプロジェ
クトは、需要に基づき、費用対効果の高いサービスを
確保するために、政府から NGO、コミュニティ・グ
ループ、地方政府部門にその実施が委託されている。
囲み記事 7. 危機的状況にあるインドネシアの子どもを支援
アジア金融危機の結果、インドネシアでは失業が増大し、
インフレが深刻化するとともに、社会サービスへの支出削
減のおそれが生じた。ADBでは、インドネシア政府と緊密
に協力して、社会セーフティ・ネットの提供を支援すると
ともに、栄養不良と増大する疾病に苦しみ、また中途退学
する危険にさらされている子どもたちへの悪影響を防止す
るための支援を行った。
ADBは、2つのセクター開発プログラムを準備した。基
礎教育と保健・栄養サービスを改善するための政策改革
を支援するプログラムと、貧困者の基本的社会サービス
へのアクセスを保証するためのプログラムである。プロ
ジェクトでは、中学校の奨学金を支給するとともに、保健
所の助産婦が妊婦のためのサービスを継続し、妊婦、乳幼
児のための給食プログラムを開始するための支援を提供
した。
迅速に受益者の手元に届くように図るため、ADBの資金
は郵便局を通じてインドネシア中央銀行から直接受益者に
送金された。資金を学校及び保健所にどのように配分する
かについては、地区委員会が決定を行った。学校は、生徒
の親及びコミュニティの代表も交えた委員会を設置し、奨
学生の選出に当たった。また、保健及び栄養補給プログラ
ムでは、村の助産婦、保健所の職員、コミュニティの保健
ボランティアにより、支援対象となる妊婦と幼児の特定が
進められた。NGO によるモニタリングにより、目標の設
定が極めて円滑に行われた。
2 年半に及ぶ実施期間中、総数 194 万 5,868 人の生徒が
中学校奨学金を受給し、12万7,409校の州立小学校が包括
補助金を受給した。また 79 万 3,188 人の妊婦が医療支援
と補助的給食を受け、105 万 1,309 人の乳幼児が補助的給
食を支給された。ADBの支援を受けたこのようなインドネ
シアの女性と子どもに対する投資は、危機にさらされた世
代の救済に貢献するものである。
18
2000 年 年次報告
囲み記事 8. 少女の教育
ADB のいくつかの目的は、少女の教育の拡充をめざすも
のである。少女の教育は、貧困削減と男女平等達成に不可
欠な要素であり、人的資源の開発の基盤であり、持続可能
な経済成長に直接貢献するものである。
ADB は、貸付や技術援助を通じて、少女が学校に通え
る機会を確保されるよう図り、少女が受ける学校教育の質
の改善に努めている。バングラデシュでは、少女を中等学
校に入学させるよう奨励するため、女子生徒を対象とした
76 万 5,000 件の奨学金を支給するプロジェクトを支援し
ている。ADB はまた、教科書におけるジェンダーのバラ
ンスのとれた取り扱いを確保するための活動に資金を供与
しており、現地のコミュニティと協力しながら、現地の言
語と文化を反映した特別な教材の開発に当たっている
NGO に対して支援を行っている。ADB はさらに、少数民
族の子どもたちに地元の教育委員会を通じて基本的な学校
用品を支給している。
ラオスでは、ADBは、伝統的に学校教育を受ける機会が
ADB では、子どもの予防接種という地域のニーズ
への対応を強化している(p.19 の囲み記事 9)。現在、
バングラデシュ、カンボジア、インドネシア、フィリ
ピン及びベトナムにおいて、予防接種プログラムと
幼児期の感染症の防止に資金支援を行っている。ま
た、フィリピンの幼児開発プロジェクトやインドネ
シアの伝染病防止プロジェクトはいずれも、死に至
る惧れのある病気の予防のために保健所やコミュニ
ティにおいて実施されている幼児期の病気に対する
総合的な取り組みを支援するものである。
ADB はまた、女性のための保健サービス、とりわ
けリプロダクティブ・ヘルスケアと家族計画サービス
の向上を目指す、女性の健康に関するプロジェクト
(フィリピン)とリプロダクティブ・ヘルスに関する
プロジェクト(パキスタン)も支援している。これら
のプロジェクトは、家族計画及びリプロダクティブ・
ヘルス・サービスの提供、母親の栄養不良と死亡率を
削減するための方策、
性感染症の予防に重点を置いた
全国規模の家族リプロダクティブ・ヘルス・キャン
ペーンを支援するものである。
ADB の課題と指針
アジア太平洋地域が貧困なき地域となるためには、地
域の将来を担う人々が健康に恵まれ、十分な知識と適
なかった少数民族の少女のための初等教育プロジェクトに
資金を供与している。このプロジェクトは、第 1 段階とし
て、300 の少数民族の村落を対象に、複数学年の合同授業
の実施、少数民族の教員の研修、学校運営へのコミュニ
ティの参加の確保、少女の就学奨励などを展開している。
また、ADB は、パキスタンの女子教育を支援してきた。
パキスタンでは少女の就学率が少年と比較すると大幅に低
い。女子初等教育に関するプロジェクトでは、ADB は、合
計 40 万人の生徒が学ぶことのできる、少女のためのコ
ミュニティ・モデル・スクール 200 校の建設資金を供与し
た。モデル・スクールは、200 万人の少女に対する教育の
質の向上に役立った。モデル・スクールは、また、トイレ、
運動場施設、プライバシーを守るための外壁をはじめとす
る設備を整備し、少女の就学を促進した。ADB はまた、女
子教育における教員を確保するため、1 万人の女性教員の
研修を支援した。
切な生活のための技術を身につけていることが必要で
ある。このためには、今日の子どもへの投資が必要で
ある。
貧困削減戦略は、2015 年に向けた国際開発目標の
実現においてADBが果たすべき役割を提示している。
ADB は、地域の子どもの生存、成長、発達及び学習
能力をよりバランスのとれた形で改善していくため
の、地域の取り組みや国別プログラムを推進してい
く。ADB は、アジア・ワクチン・イニシアティブ、微
量栄養素の栄養不良を根絶するための農工業分野にお
ける官民セクターの提携、とりわけ国際ヨード塩イニ
シアティブや貧血症防止プログラムを支援している。
健康及び栄養に関する問題については、市場原理に基
づいた対策の方が持続可能性が高い。ADBとしては、
地域協議及び追加財源の活用の双方を通じて支援して
いく意向である。
国レベルにおいては、ADB は、コミュニティの健
康と栄養改善のプログラムを重視している。引続き、
幼児の疾病の防止、母性の保護とリプロダクティブ・
ヘルスケアのためのプログラムを支援する。また、母
親と未就学児を対象とした、コミュニティに基盤を置
いた栄養補給事業を奨励する。
ADBは、引続き(国際開発目標のひとつである)万
人のための教育を支援する。貧困層の子どもの教育
特別テーマ:子どもを育てる
機会の享受と学業継続率の向上を支援する。ADB が
目指すところは、すべての子どもの教育の質を向上
させることであるが、とりわけ、貧しい子どもたち
が生活を改善する上で必要な技術を獲得することが
できるよう、その機会の確保に努める。ADB は、教
育への投資を、教育の効率化(これにより過度の財
政負担を回避する)、公平の促進、教育内容の充実を
目的とするより広範なセクター改革と関連させるよ
う努力する。ADB はまた、学校外教育への支援も強
化する。
ADB の環境アセスメントの対象を拡大し、子ども
の環境をも視野に入れていく方針である。農業、上下
水道設備、工業、教育及び保健セクターへの投資は、
子どもの成長と能力開発に貢献するものである。国連
開発計画では、5 歳未満児の死亡率を公正な経済社会
開発の最も敏感な指標として指定することにより、子
どもに関する政策の効果を重視しているが、国別経済
19
報告でも、同じように子どもに関する政策の進展を重
視している。
最大の課題を抱えている地域である南アジアと中央
アジアでは、子どもの能力開発を促進するためには、
地域協力が必要である。文化的及び政治的関係が緊密
な諸国数ヵ国において体系的に解決策を講ずることが
適切である。ADBは、子どもの能力開発のための地域
協力を支援する。
アジア太平洋地域の何百万人の子どもたちの現実の
姿は、経済開発だけでは貧困は削減されないという事
実の暗黙にして悲しい証拠を突きつけるものである。
子どもたちを人的資源開発の政策の最優先課題に位置
付けることが肝要である。子どもたちが自らの潜在能
力を発揮することを支援するコストは決して小さなも
のではないが、彼らの手助けをしないコストの方がは
るかに大きい。子どもを育てることは、すなわち、国
を育てることである。
囲み記事 9. 子どもの予防接種
ADB の保健政策では、アジア太平洋地域のプライマリー・
ヘルスケアの拡充を重要視しており、予防接種プログラム
の普及を優先課題としている。予防接種プログラムは、費
用対効果が高く、公衆衛生の改善に役立ち、貧しい子ども
や女性を中心に、域内において年間 50 万人の命を救って
いる。
域内の子どものワクチン接種率は、1970 年前半に比べ
10% 上昇し、80% を超えた。麻疹の発生率はこの 10 年で
70%も減少した。世界保健機関では、西太平洋地域におけ
る、ポリオ撲滅宣言がなされた。
しかしながら、B 型肝炎とインフルエンザ B 型(子ども
の急性肺炎を引き起こす)の新しいワクチンは、子どもの
場合死亡するケースも大変多いこれらの病気の予防に有
効であり、かつ、安価であるにもかかわらず、普及してい
ない。
ADB は、アジア・ワクチン・イニシアティブを通じて、
カンボジア、カザフスタン、キルギス、ラオス、スリラン
カ、タジキスタン、ウズベキスタン及びベトナムにおいて
調査を実施し、政策立案者が予防接種プログラムを拡充
し、継続するために有用なデータを収集した。ADB は、ま
た、政策協議を通じて予防接種プログラムを積極的に支援
している。インドネシアでの社会保護及び保健・栄養セク
ター開発プログラムでは、金融危機の間も予防接種の実施
規模を維持するための資金を提供した。タイでは、社会セ
クター・プログラム・ローンによって、政府が予防接種へ
の追加資金を配分することが可能となった。同様に、バン
グラデシュ、カンボジア、インドネシア、パキスタン及び
ベトナムのプロジェクトでは、保健関連業務従事者の研修
とともに、予防接種プログラムを強化するための支援が行
われている。
20
2000 年 年次報告
業務活動における優先課題
1999 年に貧困削減戦略を採択して以来、ADB は、貧困者に裨益する持続可能な経済成長、社会開発、及びグッ
ド・ガバナンス(良き統治)という 3 つの柱に沿ったアジア太平洋地域の貧困削減に、業務の重点を置いてき
た。2000 年における ADB の大半のプロジェクトとプログラムは、3 つの柱の 1 つあるいは複数のものを中心に、
様々な補完的目標を設定して実施された。また、ADB は、2000 年に長期戦略の枠組みを策定した。この枠組み
が承認されると、2001 年から 2015 年までの ADB の政策及び業務の指針となる。
ADB の目標:貧困の削減
開発途上にあるアジア太平洋地域は、面積、人口、総
所得の点で、世界最大の開発途上地域である。32億人
にのぼる人口は、世界の開発途上国全体の人口の70%
以上を占めているが、国内総生産(GDP)では、開発
途上国全体の GDP 総額の 47% を占めているに過ぎな
い 1。地域には、中国やインドなどの大規模な経済諸
国から、太平洋上の極めて小さな島国やアジアの内陸
の小国まで存在し、多種多様である。
アジア太平洋地域は、全体として、この 30 年間に、
かつてないほどの持続的成長と発展を遂げた。成長に
伴い絶対的貧困の発生は激減し、1 人当たり所得は大
きな伸びを記録し、主要社会指標は目覚ましい改善を
示した。
しかしながら、総体的な成長の裏には、各国間また
は国内でも開発の進展における差が見え隠れしてい
る。
すべての国が地域の成長の恩恵に等しくあずかっ
ているわけではない。東アジア 2 及び東南アジア 3 で
は、目覚ましい経済成長率に後押しされ、注目すべき
社会経済変革を達成した。南アジア 4 も、大半の経済・
社会指標において東アジアや東南アジアに依然遅れて
はいるものの、長足の進歩を遂げた。中央アジア共和
国諸国 5 とアゼルバイジャンは、旧ソ連の崩壊に伴う
市場経済への移行により混乱が生じたことから、所得
が激減し貧困が増大した。太平洋地域 6 の小国の多く
では、所得が低迷しており、貧困の発生率も高いまま
となっている。
従って、アジア太平洋の開発途上地域の中には、世
界で最も貧しい後発の開発途上国の一部から新興工業
経済諸国に至るまで、
極めて異なった開発段階にある
諸国が含まれている。同様に、社会の重要なグループ
が開発から取り残されているなど、開発の恩恵の不均
等な配分を反映して、
各国内においても開発の進展に
大きな格差が存在している。
アジア太平洋地域が直面している課題は、貧困が広
範囲に存続していることである。世界の貧困者の3分
の 2 近くがアジアに暮らしている。従って、世界の貧
困との闘いにおいても、また、2015年までに国際開発
目標(p.11 の囲み記事 2 を参照)を達成するという面
でも、アジアはその中心に位置付けられる。
これまで、ADB は貧困との闘いにおいて中心的な
役割を果たしており、開発途上加盟諸国(DMCs)の
経済・社会開発に大きく貢献してきた。ADB は、そ
の優先課題、
貸付方式及び組織機構を地域のニーズの
変化に適合させ、従来のプロジェクト資金調達機関と
しての役割から総合開発機関へと、自らの変革を遂げ
てきた。
ADB は、1999 年末に貧困削減戦略を採択し、地域
の貧困削減を主要目標に掲げてきた。2000 年の新た
な業務や支援活動は、この目標に基づいて実施され
ている。例えば、2000 年において、ADB は、あらゆ
るステークホルダー(利害関係者)の参加を得て、
DMCs の貧困に関する詳細な分析に着手し、既存の
データベースや情報の見直しと強化を行った。ADB
は、また、この新しい目標に向けて、国別戦略、プロ
ジェクト及び貸付対象に対する新たな方針の策定を
開始した。そして、貧困の削減を念頭に、横断的な優
先課題及びセクター別優先課題の再検討を行った。
新たな援助方式の策定が始められ、現在も進められ
1 データは 1998 年のもの。
2 東アジアには、中国、香港、韓国、モンゴル、台湾が含まれる。
3 東南アジアには、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムが含
まれる。
4 南アジアには、アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、インド、モルジブ、ネパール、パキスタン、スリランカが含まれる。
5 中央アジア共和国諸国には、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンが含まれる。
6 太平洋地域には、クック諸島、フィジー、キリバス、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、ナウル、パプア・ニューギニア、サモア、
ソロモン諸島、トンガ、トゥヴァル、バヌアツが含まれる。
22
2000 年 年次報告
ている。加えて、貧困削減の成果について、当初は2ヵ
国にすぎなかったが、最終的にはすべての DMCs と
締結された協力協定に基づき、モニタリングが行わ
れている。
長期戦略の枠組みの策定
DMCsが現在直面している課題は、過去のものとは異
なる。とりわけ、貿易と金融の自由化と情報通信技術
の急速な変化に伴い進行しているグローバリゼー
ションは、アジア太平洋地域の経済と社会に重大な
影響を及ぼしている。グローバリゼーションは、市場
の動向ばかりでなく、政府、民間セクター及び市民社
会が機能し、相互に影響し合うあり方にも変化を引
き起こしている。近年においては、開発に関するより
広い見方、ステークホルダーのオーナーシップ(開発
に第一義的責任と役割を果たす主体性)の強化、
DMC 政府、民間セクター、市民社会及び資金調達機
関のパートナーシップ(連携)の拡大などを重視する
新しいアプローチが取り入れられるようになり、そ
れに伴い、開発に関する考え方も変化している。加え
て、地域の生態環境の脆弱性と、不用意な開発と環境
の誤った管理によって引き起こされた生態環境の深
刻な破壊が、地域の生活の質を著し
く損なっている。
これらの重大な問題は、
貧困との闘いを一層
困難なものにして
いる。さらに支援の効果を高め、対応力を強化する
ために、ADB は自らの方向性、アプローチ及び役割
を見直した。
これらの戦略的転換の指針として、ADB は 2000 年
に、長期戦略の枠組み(LTSF)の策定に着手した。
LTSF は、ADB のビジョン、長期戦略目標、業務の基
本原則を定めたものである。この枠組みが承認される
と、これが 2001 年から 2015 年までの ADB の政策及
び業務の指針となる。
LTSFは、理事会及び加盟諸国、開発のパートナー、
さらには市民社会との徹底的な協議を通じ、同時に
ADB のスタッフの能力も活用して策定された。LTSF
の重要な特徴は、外部の有識者9名からなる顧問委員
会が招集されたことである。委員会はマニラにおいて
2 回、ニューデリーにおいて 1 回、合計 3 回の会合を
持った。
ADB のビジョンは、貧困なきアジア太平洋地域で
ある。LTSF は、このビジョンへの貢献を目指したも
のである。ADB は、持続的な貧困の削減を果たすた
めには、貧困者に裨益する成長が不可欠であると認識
している。同時にこのビジョンは、貧困者の潜在能力
を発揮させることによって、すべての人の生活の質を
向上させることができるという考えを反映したもので
ある。従って、ADB の使命は、貧困削減を最優先課
題に掲げ、DMCsにおける生活水準と生活の質の向上
に対する努力を支援することである。
ADB は、持続可能な経済成長、包括的な社会開発、
有効な政策と制度維持のためのガバナンスの強化とい
う 3 つの中核となる戦略的領域に ADB の支援を集中
させることによって、このビジョンを達成しようとし
ている。
持続可能な経済成長の追求は、物的及び社会的イ
ンフラ整備への資金支援をはじめとする成長を促す
諸方策によって具体化されている。他方、包括的な社
会開発では、社会保障プログラムへの支援や、公平と
法制度の整備を促進する政策改革への取り組み等が
行われている。第三の中核的支援領域である有効な
政策と制度維持のためのガバナンスの強化において
は、公共セクターの運営に対する支援、法律及び司法
運輸プロジェクトは、貧困者に直接影響を及ぼす道路の開発・復旧に
当たる。
業務活動における優先課題
の改革に対する支援、一般市民に対する説明責任(ア
カウンタビリティ)とその手続の改善等が行われて
いる。
この3つの中核的領域は、中核となる支援の効果を
広げかつ深める 3 つの横断的な戦略的目標によって
補完されている。第一は、開発における民間セクター
の活用で、これは、開発のプロセスにおいて民間セク
ターと市場が果たす中心的な役割を認め、ますます
複雑さを増している地域開発のアジェンダに民間セ
クターの資源を動員するという課題に対処するもの
である。第二は、開発のための地域の協力と統合で、
これは、資源と市場へのアクセスを増大し、国境を越
えて広がる共通の問題に取り組み、知識と情報を共
有することによって、DMCsにより幅広い政策の選択
肢を提供しようとするものである。第三は、環境保全
である。
LTSF は、地域に重点を置いたアジア太平洋地域唯
一の国際開発銀行であるというADBの立場を反映し
たものであり、総合開発機関としての ADB の役割を
強化することを意図したものである。地域開発の課
題は、個々の機関の能力と資力をはるかに超えるも
のであることから、戦略的アジェンダは、業務におけ
る取捨選択と効率化の基準を提供するためのもので
もある。LTSFの対象期間中、地域及び世界の情勢は、
当然変化することが予想される。ADB は、DMC 各国
の新たな可能性、ニーズ及び要求に対処し、それに応
じて自らの役割と業務を変革する必要がある。これ
に関して、提案された戦略的アジェンダは、今後 15
年間にわたり ADB がすべての DMCs にとって有効な
開発のパートナーであり続けるための基盤となるも
のである。
ADB の優先課題
ADB のプロジェクトやプログラムは、貧困に関する
支援であるか否かを問わず、2000 年においては以下
の優先課題の一つ以上に対処するものとなっている。
すなわち、経済成長、人的資源の開発、ジェンダーと
開発、グッド・ガバナンス、環境保全、民間セクター
の育成、地域協力の 7 つである。それぞれは、貧困削
減戦略の3つの柱である貧困者に裨益する持続可能な
経済成長、社会開発及びグッド・ガバナンスに直接関
係している。また、2000 年に実施された、法律及び政
23
策面の改革や開発における社会的側面の手当てなどの
横断的な優先課題に対処することも、ADB の主要な
目的の達成のために大いに貢献した。
貧困者に裨益する経済成長の促進
経済成長は、
雇用と所得を創出することによって貧困
削減に役立つ。労働集約型の成長は、より効果的であ
る。包括的でより公平な、貧困者に裨益する持続可能
な経済成長の実現は、ADB の貧困削減戦略の柱であ
る社会開発とグッド・ガバナンスが実現できるかどう
かにかかっている。
経済成長が貧困者に裨益するものとなるためには、
包括的な社会開発が経済成長と共に進められることが
必要である。
社会開発の包括的なプログラムに不可欠
な構成要素は、
人的資源の開発に十分な予算手当てを
行うこと、
基本的社会サービスの対象を貧困者とする
こと、ジェンダーに基づく差別を排除すること、効果
的な人口政策を推進すること、
社会保護を提供するこ
と、そして、社会資本の充実を促進することである。
同様に、グッド・ガバナンスも、貧困者に裨益する経
済成長にとって不可欠な前提条件である。グッド・ガ
バナンスと貧困者に裨益する経済成長は、
透明性を確
保した会計及び開示基準と効率的な金融制度によって
促進することができる。グッド・ガバナンスは、土地、
労働、
資本その他要素市場が健全に機能するために不
可欠な法制度の整備を実現する。
これらの要素市場が
効果的に機能すれば、
官民両セクターの投資から最大
の収益を確保するのに役立つ。
ADB は、農村部の道路、農村部の電化及び再生可
能エネルギーの普及、農村地域への輸送や成長の中
心地同士を結ぶ輸送のコスト削減、貧困者の市場、教
育、ヘルスケア及び雇用へのアクセスを増大させる
ための交通機関の提供、持続可能な金融機関の成長
に合わせた政策改革や市場インフラ整備による零細
及び中小企業の育成、貧困者に裨益する成長に極め
て重要な貯蓄や長期資金の活用に不可欠な健全で効
率的な銀行制度及び資本市場の推進など、貧困者に
直接影響を及ぼす成長プロジェクトを優先的に取り
上げている。
2000 年中、ADB は、経済成長を一次的目的とする
公共セクター及び民間セクターのプロジェクト 29 件
に対し総額30億ドルの貸付を行った。その内訳は、運
24
2000 年 年次報告
貧困者に裨益する成長を目指したインフラ整備による支援
運輸・通信:2000年における運輸・通信プロジェクトは、輸
送コストを削減し、市場及び社会サービスへのアクセスを
改善することによって貧困者に直接効果を及ぼす道路の開
発・復旧が中心となった。ガバナンスの問題は、新しい運輸
関連法や制度、鉄道復旧プログラム、そして、分権化を通じ
て対処した。官民両セクターの協力も促進された。バングラ
デシュでは、道路保守整備・改良プロジェクトによって、全
国の幹線道路及び地方の道路が改良され、農村地域の貧困
者に経済的機会やサービスへのアクセスが与えられ、輸出
産業の成長が促進されることになる。中国の ChongqingGuizhou 道路開発プロジェクトでは、高速道路が建設され、
プロジェクト対象地域の貧しい郡や町と高速道路のイン
ターチェンジとを結ぶ道路が整備され、所得の増大と貧困
の削減に貢献することになる。インドでは、インド初の試み
として、将来民間に経営権が委譲される予定のスラト = マ
ノール有料道路の改良に貸付が供与される。財・サービスの
輸送が迅速になることによって、現地の農業及び工業セク
ターの競争力が上がるので、貧困者が大多数を占める近隣
地域住民 1,400 万人の社会経済状況を改善することができ
る。タジキスタンでは、道路復旧プロジェクトにより、首都
と主要都市を結ぶ国道の整備が進んでいる。
エネルギー:1995 年に定められた ADB のエネルギー政
策「エネルギー 2000」の見直しが行われ、1995 年の政策
の妥当性が確認されたが、貧困削減、民間セクターの参入、
地域及び地球環境への影響、域内貿易を重視して再編成す
ることが勧告された。見直しでは、とりわけ貧困者のエネ
ルギーへのアクセスを改善する必要があることが確認され
た。2000 年中の業務では、既存の電力システムの復旧と
再編、及び再生可能エネルギーの開発推進を中心に取り組
んだ。カンボジアでは、8 省都において発電及び配電シス
テムを拡充する省内電力供給プロジェクトによって、10
貸付承認のセクター別内訳
(1997 年∼ 1999 年の 3ヵ年平均及び
2000 年)(パーセント)
0
7
14
21
28
万人以上の住民が電力サービス向上の恩恵を受けることに
なる。また、中国の風力発電開発プロジェクトでは、地球
環境問題への対策の一環として、再生可能エネルギー源の
開発と利用が促進される。インドでは、送電改良プロジェ
クトとグジャラート電力セクター開発プログラムにより、
消費者への電力供給コスト削減を目指している。パキスタ
ンでは、エネルギー・セクター再編プログラムによって、
国の赤字事業である電力事業の民営化が進められる。タジ
キスタンの電力復旧プロジェクトは、既存の水力発電所を
復旧し、送電・配電施設の強化を図り、約 100 万人の貧困
者が恩恵を受けることが期待される。
工業及び金融:ADB は、DMCs におけるアジア危機とロ
シア危機の影響からの回復の維持とガバナンスの強化に対
し、引続き支援を行った。モンゴルでは、安定した経済成
長と貧困削減達成を阻害する最も重大な要因となっている
金融システムの弱体化に対処するため、第二次金融セク
ター改革プログラムが実施されている。ネパールでは、企
業・金融統治改善プロジェクトが、経済成長と貧困者に裨
益する民間セクター発展の前提条件である金融システムを
監督する政府の能力強化を目指す。スリランカでは、民間
セクター育成プログラムが、民間事業の制約を取り除き、
適切な規制と競争の増大によって市場環境を整備すること
を目指している。ADB はまた、産業の付加価値と雇用を増
大し、国有企業の民営化を図るため、中小企業への支援も
行った。インドネシアの産業競争力及び中小企業育成プロ
グラムや、ウズベキスタンの中小企業育成プロジェクトな
どをはじめとする中小企業育成の試みは、経済成長の促進
と持続を目指すものである。パキスタンでは、中小企業貿
易強化金融プログラム及び政治リスク保証の供与によって、
中小企業に対する貿易金融が改善され、国の輸出が増大す
るものと期待される。
OCR 及び ADF からの貸付承認の
セクター別内訳(2000 年)
(パーセント)
35
0
農業及び天然資源
農業及び天然資源
エネルギー
エネルギー
3
金融
金融
工業・非燃料鉱業
工業・非燃料鉱業
社会基盤整備
社会基盤整備
運輸・通信
運輸・通信
マルチセクター
マルチセクター/
その他
その他
1997-1999
2000
OCR
ADF
6
9
12
24
業務活動における優先課題
輸・通信案件 13 億ドル、エネルギー案件 11 億ドル、
金融案件 4億ドル、工業案件 2 億ドルである。加えて、
総額 4,700 万ドルの技術援助を行った。
人的資源の開発に対する支援
ADBの人的資源開発の主たる目的は、DMCsの人々の
健康を守り、生活水準を向上させることによって貧困
を削減することである。具体的な支援は、組織の強
化、能力の開発、政策の改革を通じて、また、教育、
保健・栄養、上下水道整備及び都市開発の各セクター
における貸付や技術援助の供与によって行われる。人
的資源の開発に関する ADB のプロジェクト及びプロ
グラムに関する詳細については、p.6 ∼ 19 の特別テー
マの章を参照。
教育:何よりもまず、基礎教育と保健サービスの普
及なくして、貧困削減の成果を上げている国、地域は
ない。教育は、貧困者が自らの意識と能力を高めるこ
とによって、政治的、経済的、社会的、文化的に力を
持つ存在となるエンパワーメントに役立つ。それが所
得創出能力を高め、生活の質の改善につながる。基礎
教育を受けた者は生産性も高く、より高い所得を得る
可能性が高い。
2000 年中の ADB の教育セクターにおける貸付は、
少女たち、あるいは、社会的、経済的及び地理的理由
から社会的に疎外されているグループを中心に、基
礎教育を拡充することを主眼としている。これら貸
付により、学校内外の教育に対する全般的な支援、教
育の質の向上と効率化、組織の能力開発、人材訓練、
少女たちその他不利益を被っているグループのため
25
のインセンティブ・プログラムへの支援なども行っ
ている。政策協議やステークホルダーの参画も支援
に役立った。2000 年に作成された ADB の教育セク
ター政策案では、新たな情報通信技術を教育に取り
入れる必要性を強調しており、教育サービスの提供
における民間セクターの役割と関与を増大させるこ
とを勧告している。
保健:保健セクターへの支援は、人々の福祉の向
上と、経済・社会開発を推進するために不可欠なも
のである。人的資源の強化は、一般市民の社会への
参加の前提になるので、その国の発展につながる。貧
困者の健康状態は劣悪であることから、貧困者以外
の人々に比べ病気にかかる確率も高い。貧困の中で
暮らす人々が健康を害すれば、その生命に関わるこ
とになる。しかし、その病気の大半は予防しうるも
のである。基本的保健サービスを利用する機会が限
られているとか、感染症の発生率が高いなどの要因
が貧困者の健康状態に重大な影響を及ぼしており、
これらの要因には比較的低いコストで対処可能であ
る。基本的保健サービスに十分な支援を行えば、女
性、子どもその他伝統的に十分な公共サービスを受
けられないグループをはじめ、貧困者に多大な利益
をもたらす。
2000 年における保健セクターの活動は、貧困削減
という目標に対する ADB のコミットメントを実証す
るものであった。疾病の治療、予防及び健康増進のた
めの基本的サービスが重視され、貧困者、女性、子ど
も、さらに社会的、経済的及び地理的要因で社会的に
疎外されているグループに対して、支援が行われた。
2000 年における貸付及び技術援助では、保健サービ
緑の革命を超えて:ADB のアジア農村地域調査研究
アジアの農村地域は、20 世紀に経済的な構造転換を遂げ
た。食糧の供給が劇的に改善し、貧困が削減され、所得が
増大した。これはいずれも、近代科学をアジアの農業に
初めて大規模に適用した「緑の革命」がもたらしたもの
である。
しかしながら、深刻な問題は依然残っている。経済成長
は、福祉の改善を広範にもたらすまでには至っていない。
農村地域では、保健サービスや教育あるいはインフラの整
備がまだ十分になされておらず、6 億 7,000 万人以上の住
民(農村人口の 3 分の 1)が依然極貧の生活を強いられて
いる。
ADB は、2000 年中、今後 20 年間のアジアの農業と農村
開発のビジョンを明らかにするため、アジアの農村地域の
状況について検討を行った。調査研究の結果勧告された以
下の戦略は、概要報告書と 5 件の背景報告書で明らかにさ
れている(p.218 の ADB 刊行物:最新刊書を参照)。
・ 農業研究(特にバイオテクノロジー)、農村のインフラ
整備、
教育及び保健サービスに対する十分な水準の公共
投資を維持する。
・ 効果的なセーフティ・ネットを整備する。
・ グッド・ガバナンスを確保するため、NGO 及び市民社
会が果たす有効な役割を活用する。
26
2000 年 年次報告
貧困者に裨益する成長のための農業及び天然資源開発による支援
2000 年中、農業・天然資源セクターにおいては、総額 10
億ドルの貸付 25 件が供与され、12ヵ国で約 20 件のプロ
ジェクトが実施された。灌漑プロジェクトを含む10件のプ
ロジェクトは、農村の貧困者のための農業開発支援を図る
ものである。すなわち、農村開発による貧困削減を主眼と
するプロジェクト 3 件、貧困者を対象とした農村金融サー
ビスの拡充プロジェクト 3 件、貧困者の生活を支えている
セクターである天然資源管理プロジェクト 3 件、土地登録
穀類通商公社の再編を行うという政策改革を支援するもの
である。
に関するプロジェクト 1 件である。4 件は、セクター開発
プログラムで、プロジェクトとプログラムの両方で構成さ
れている。加えて、バングラデシュ、カンボジア及びベト
ナムに対して、マルチセクター洪水救済緊急援助が承認さ
れた。さらに、37 件の無償技術援助により、15ヵ国におけ
るプロジェクト準備、能力開発、戦略策定、制度改革を支
援した。無償資金協力 2 件は地域技術援助で、1 件は国際
農業研究センターの各種諮問グループの研究支援、もう 1
件は、アジアにおける貧困削減と食糧の安定供給における
バイオテクノロジーの利用の可能性に関する調査研究に対
するものであった。
農業開発:カンボジアにおけるストゥン・チニット灌
漑・農村インフラ整備プロジェクトによって、一毛作の降
雨に頼った収穫高の低い稲作に依存する自給農業又は半自
給農業が中心の人口の多い農村地域の農業の生産性の向上
が図られている。中国の西河南農業開発プロジェクトは、
貧困者が多い西部の省において、園芸や牧畜の発展によっ
て経済成長を達成するモデルとなるものである。
このプロ
ジェクトにより、34 万人の生活が貧困線を上回る水準に
ためのコミュニティ投資基金が創設されることによって、
貧困者が大半を占めている農村住民に雇用がもたらされ、
同時に社会サービスが提供されるようになると期待される。
インドネシアの農村開発のためのコミュニティ強化プロ
ジェクトは、コミュニティ全体が開発に参与するものであ
る。そのこれまでにない新しい考え方が千野忠男ADB総裁
に評価され、2000年の優秀プロジェクトに選定された。プ
ロジェクトは、6 つの貧しい州において、民主的な参加型
のメカニズムを促進するものである。
金融サービス:パキスタンのマイクロファイナンス開発
プログラムは、マイクロファイナンスの開発を促進する政
策環境を構築し、社会資本を強化するメカニズムを確立
し、リスク管理を導入する改革を支援するものである。包
改善されることが期待される。カザフスタンの農業再編セ
クター開発プログラムは、政策改革と制度開発の両方に
よって農業セクターの回復と成長を促進するものである。
ネパールの農産物
多角化プロジェク
トでは、貧困層の割
合が極めて高い2地域に
おいて、とりわけ副次的
農産物の生産と販売を促
進することによって、農
民の所得の増大を図ってい
る。フィリピンの穀類セク
ター開発プログラムは、コメ
とトウモロコシの価格と輸入
の自由化を行い、一般的なコ
メの補助金に代わって目標
を絞った貧困者援助を実
施し、コメの緩衝在庫
管理を改善し、国の
農村開発:バングラデシュのチッタゴン丘陵地域農村開
発プロジェクトは、1997 年に終結した 20 年にわたる内戦
以来初めて大規模に行われる丘陵地の住民支援事業である。
このプロジェクトを通じて、農村の輸送インフラ整備が進
み、マイクロファイナンスや研修など様々なサービスが提
供されるようになる。小規模な開発活動の資金を調達する
括的な政策と資金支援によって、官民協力が推進され、貧
困者、とりわけ貧困の重荷を不当に負っている女性に、
様々な金融及び社会サービスが適切なコストで提供される
ことになる。
天然資源:インドネシアの海洋・沿岸資源管理プロジェ
クトは、資源の枯渇と環境悪化が沿岸の地域社会に悪影響
を及ぼしている現状にあって、分権化の枠組みの中で天然
資源管理の問題に取り組むものである。スリランカの自然
保護区管理・野生生物保護プロジェクトは、国際的にも重
要なスリランカの生物多様性と野
生生物資源を保護するためのスリ
ランカ政府、ADB、世界銀行及び地
球環境基金の共同事業である。
太平洋地域においては、海洋資
源管理を支援するための技術援助
プロジェクトが 2 件実施されてい
る。マーシャル諸島のコミュニ
ティを中心とした沿岸海洋資源開
発プロジェクトは、
信託基金の利用
を促進するものであり、パプア・
ニューギニアの沿岸漁場管理・
開発プロジェクトは、沿岸漁
業資源の維持、管理を推
進するものである。
業務活動における優先課題
スの分権化、保健セクターの組織能力の向上、栄養不
良の削減、健康に対する新たな脅威への対応、官民両
セクターの協力促進を含む保健セクターの改革に対し
て支援が行われた。これらのプロジェクトは、NGOの
参加・協力を得て準備され、実施された。
上下水道整備:2000年におけるADBの上下水道整
備プロジェクトは、人的資源開発及び経済開発の支
援、貧困削減、男女平等の推進、公衆衛生基準の遵
守と環境保全に寄与するものであり、バランスのと
れた包括的な開発の利益を提供することを目指すも
のであった。プロジェクトの効果を確保するため、
ADB は、水道事業の運営及び保守整備への民間セク
ターの参入を奨励した。また、ADB は、サービスの
提供、運営・保守整備、財務管理及びコスト回収の
効率化を図るため、制度及び機関の能力開発を支援
した。
都市開発と住宅整備:急速な都市化による自治体の
行政サービスの低下と住宅不足による貧困の影響を緩
和することが、DMCsにおける重要な課題となってい
る。これに対し、ADBは、都市開発及び住宅整備プロ
ジェクトを通じて支援している。
ADB の都市開発と住宅整備分野における業務の主
たる目的は、
(1)都市部の貧困削減、
(2)都市部の生
活水準の引き上げ、
(3)人的資源の開発の推進、公衆
衛生に関する意識向上と基準の引き上げ、女性の地位
向上を含む、生活の質の向上、
(4)環境保護による持
続可能な都市開発の達成である。2000 年において、
ADB は、中央政府から地方政府諸機関への権限、責
任及び財源の委譲によりグッド・ガバナンスを促進
27
し、都市運営における、コミュニティの参加及び民間
セクターとの連携を促進するための都市開発プロジェ
クトを支援した。また、ADB は、財務の自主性、コス
トの回収、市場ベースの各種サービスの価格形成を推
進した。都市開発には、上下水道整備、都市の総合開
発、固形廃棄物管理、都市部の交通、都市部の住宅整
備に関するプロジェクトが含まれる。
ジェンダーと開発に対する支援及び女性の地位の向上
ADB は、女性の地位向上が、ADB の他の戦略目的を
達成する上で不可欠であると考えている。女性に利益
をもたらす支援は、開発を促進し、人々が健康で暮ら
せることに繋がるため、教育が普及した社会を構築す
る上で、極めて重要である。ADB のジェンダーと開
発に関する政策は、ADB の業務における主要戦略で
あり、男女平等の視点をあらゆる業務の中核に据えて
おくという方針を打ち出している。
2000 年における、ADB のジェンダーと開発に関す
る活動としては、ジェンダーと開発に関する行動計画
が起草され、3 つのセクター別(保健、教育、上下水
道設備)のジェンダー・チェックリストが作成、発表
された。ADB の職員を対象にセクター別のジェン
ダーに関する研修が実施された。
地域技術援助プロジェクトである
「ジェンダーと開
発のイニシアティブ」は、DMCs の女性 NGO による
革新的な試験的取り組みを推進、支援した。プロジェ
クトは、女性の地位向上に取り組むDMCs数ヵ国の女
性 NGO に少額の無償資金援助を供与した。これらの
NGO が取り組んだ活動は、バングラデシュにおける
貧困削減のための教育による支援
2000 年における教育セクターに対する ADB の貸付は、開
発途上加盟諸国(DMCs)の多様なニーズと ADB の貧困削
減という目標を反映するものとなった。
インドネシアの職業技術開発に対する貸付では、大学の
自治を強化して高等教育改革を支援している。キルギスの
技能開発プロジェクトは、技能訓練の方法を改善し、社会
的、経済的に不利な立場に置かれているグループの就業及
び事業参画するものである。マーシャル諸島は、貧困者の
所得創出能力を強化するための広範な技能研修に対し援助
を受けた。フィリピンでは、2 件の貸付を通じて、専門教
育と技能開発の方法が改善されるものと期待される。この
うち 1 件は、専門教育プログラムの改善のため民間の機関
に対して援助を供与するもので、もう 1 件は、学校の運営
を地方政府及び民間セクターに委譲することによって専門
教育・技能開発局の改革を行うものである。スリランカで
は、10 年生から 13 年生の生徒約 100 万人が、国内の中等
教育近代化のプロジェクトの恩恵を受ける見込みである。
また、恵まれない境遇にある 3 万人の生徒に対して、全日
制の学校に通えるよう、プロジェクトから奨学金が支給さ
れる予定である。
ADB はまた、DMCs 数ヵ国に対し、セクター改革、能力
開発、教育サービスの運営・提供の改善、職業訓練、及び
技能開発のための、技術援助を行う計画である。
28
2000 年 年次報告
貧困削減のためのプライマリー・ヘルスケアによる支援
2000年においては、保健セクターに対する貸付及び技術援
助は、貧困者へのプライマリー・ヘルスケアの提供に関す
るものが中心となった。
ブータンでは、ヘルスケア改革プログラムが、保健政策
の改革に取り組む政府を支援し、サービスの拡充を通じて
プライマリー・ヘルスケアの強化を図った。インドネシア
では、保健サービス分権化プロジェクトにより、保健サー
ビスの運営・財務が郡レベルに委譲された。このプロジェ
クトは、地元コミュニティの参加とオーナーシップを確保
する形で進められた。ラオスにおいては、プライマリー・
ヘルスケア拡充プロジェクトによって、疾病の治療・予防
及び健康増進のための基本的な保健サービスに対するアク
セスが改善され、サービスの向上が図られた。住民の 60%
が貧困線以下の生活を余儀なくされている交通の便の悪い
遠く離れた北部の州における専門医などへの照会サービス
も利用しやすくなった。ミクロネシア連邦では、基本的社
会サービス改善プロジェクトが、
貧困世帯及び弱者グループに有
効で、費用対効果の高いサービ
スを提供するための政府の取り
組みを支援した。ベトナムで
は、農村地域保健プロジェ
クトによって、ヘルスケア
へのアクセスが改善され、
貧困者のための保健関
連の金融事業が支援さ
れた。
また、技術援助では、
カンボジアにおいてHIV/
AIDS の予防及びメコン
河流域を支援した。
貧困削減のための上下水道整備による支援
2000 年における上下水道セクターに対する ADB の貸付
は、環境汚染の防止、水資源の保護、農村地域の上下水道
整備によって地域住民の健康状態と生活状況の改善に寄与
した。
中国では、天津廃水処理・水資源保護プロジェクトに
より、未処理の下水を除去し、環境汚染の脅威から同市
で唯一の水源を守ることにより、住民の福利向上を図っ
た。プロジェクトの副次効果として、水を媒介とする感
染症の発病率の低下、飲料水の質の維持、女性に対する
雇用機会の増大などが期待される。中央アジア諸国にお
いては、ADB は、カザフスタン、キルギス及びウズベキ
スタンの水利事業運営管理の分権化と民間セクターが参
加する事業の特定を支援しており、また、タジキスタン
では水利セクターの評価を実施している。ネパールでは、
小都市上下水道プロジェクトによって、主要国道沿いに
ある 40 ∼ 50 の小都市の上下水道の整備が進展する。約
60万人の住民がこの恩恵を受ける見込みである。さらに、
ネパールでは、メラムチ水利プロジェクトが、カトマン
ズ・バレーに住む住民約 150 万人に利益をもたらす。プ
ロジェクトは、建設事業に加え、大幅な制度改革を実施
する計画である。
ADB は、このほか、上下水道設備及び固形廃棄物に関す
る有効な官民協力のためのガイドラインを作成するため、
アジア太平洋諸国 12ヵ国の 15 都市において、調査を実施
している。
貧困削減のための都市開発による支援
ADB は、2000 年中、住宅の質及び供給の改善を目的とす
る貸付や技術援助を供与し、民間セクターの育成を促進す
ることによって、都市部の貧困の削減に努めた。
インドにおいては、住宅金融第 2 次プロジェクトが、低
所得層を対象とする住宅金融の利用枠を設け、住宅供給、
所得創出活動、基本的インフラ及びコミュニティサービス
への貧困家庭のアクセスを改善するためのネットワーク作
りなどのサブプロジェクトを支援した。モンゴルでは、
1990年代前半からの公共住宅建設事業の中断、住宅事情の
悪化、資金不足が、その大半が都市部に暮らしている貧困
者に深刻な問題をもたらしている。ADB は、貧困地区を中
心に、住宅の質と供給を改善するための援助を行い、住宅
金融制度等の強化に当たっている。フィリピンでは、急速
な都市化、マニラ首都圏の人口過剰、
(とりわけ州レベルに
おける)都市サービスの不足、地方政府の資金不足、民間
セクターの不十分な活用、深刻な公害問題にに対処するた
めの支援を行っている。パシグ川環境管理・修復プログラ
ムは、メトロマニラ市圏の都市環境の改善に大きく貢献す
ることが期待される。これに関連する無償技術援助では、
環境管理を担当する諸機関に対し、組織の能力開発を支援
した。
業務活動における優先課題
29
女性の地位向上
パキスタンの北西辺境州バラニ地区開発プロジェクトの第
2 段階の第一の目的は貧困削減にあるが、プロジェクトで
は、ADBの目的のひとつである女性の地位向上にも取り組
んでいる。
プロジェクトの対象地区においては男女格差が大きく、
女性が教育や保健など基本的社会サービスを享受する機会
が、男性に比べ限られている。全体では、プロジェクト対
象地区の女性の識字率は 8.5% と推定され、地区によって
は 1% を下回る。女性は、多くの場合、重労働が原因で栄
養不良である。妊娠の回数も多い。基本的社会サービスへ
のアクセスは極めて限られている。
プロジェクトでは、女性自身が統率する独立した女性組
織の結成支援や、貸付制度の借り手の少なくとも30%が女
性となるよう女性の融資担当官を採用するなど、ジェン
ダーに配慮した支援が計画された。
プロジェクトのプロセス及び支援をモニターするために、
プロジェクトの管理・実施担当部局に、ジェンダーの専門
家を配属する計画である。
ジェンダーへの取り組みの本格化
ジェンダーの視点をあらゆる政策に取り入れる傾向が、
ADBの業務のほとんどの側面においてますます顕著になっ
た。2000年に承認された貸付及び技術援助プロジェクトの
いくつかは、ジェンダーの問題に直接取り組むものであっ
た。ラオスのプライマリー・ヘルスケア拡充プロジェクト
では、貧しい少数民族社会におけるプライマリー・ヘルス
ケアへのアクセスの改善を進めており、女性に対するリプ
ロダクティブ・ヘルス・サービスに焦点を置き、少数民族
の女性にはヘルスワーカーの訓練を施し、基礎教育を受け
ていない女性に奨学金を支給した。また、女性のプライバ
シーが守られるように保健所の建設や復旧を進め、保健従
事者の研修の一環としてジェンダーに対する意識啓発のた
めの研修を行い、プロジェクトの管理レベルに女性職員を
任命し、女性の保健サービスの利用状況をモニタリングす
るためのジェンダーに配慮した指標を開発することなどを
通じて、女性の健康状況改善を支援した。
農産物の生産・販売を促進するネ
パールの農産物多角化プロ
ジェクトでは、管理職レ
ベルにおける女性の雇
用に割当制を設けてい
る。また、プロジェクト
に関わるすべてのス
タッフが、ジェンダー
への配慮について研
修を受けることと
なった。さらに、
プロジェクト
への女性の参
加を推進する
ために、女性が
意思決定者とし
ての役割を果た
せるよう、女性
を対象とした識
字教育クラスが開催される予定である。
インドネシアの農村開発コミュニティ強化プロジェクト
は、貧困世帯の所得を増大することによって貧困を削減す
ることを目的とするものである。プロジェクトでは、計画
立案への女性の参加を推進し、女性の関心事や懸念に取り
組むことを目指している。プロジェクトでは、女性の研修
への参加や貸付制度へのアクセスを促進している。地方公
務員の研修プログラムでは、一定数の参加が確保されるよ
う配慮されている。
パプア・ニューギニアの地方都市上下水道プロジェクト
は、都市住民に低コストの基本的衛生設備を提供すること
を目的とするものである。プロジェクトの計画立案、設計
及び実施に女性の参加を確保するために、女性団体を活用
する。
NGOが雇用する現地調査員の半数はプロジェクト対
象地区のコミュニティの女性から採用する予定である。
女性に利益をもたらす支援は、
開発を促進し、人々が健康で、教
育が普及した社会を構築する上
で、極めて重要である。
30
2000 年 年次報告
女性と子どもの権利に関する情報キャンペーン、イン
ドネシアにおける貧しい女性を対象とする法律相談、
パキスタンにおける持参金制裁(持参金を払わない、
あるいは額が少ないなどの理由で、新郎やその親族が
新婦にやけどを負わせるもの)の防止、被害者女性の
ケアと治療、及びこれらの問題に対する一般市民への
意識啓発と既存のケア・センターの治療施設の改善、
そして、ウズベキスタンの 12 の農村地域における女
性のビジネス教育であった。
新たに、ネパール、パキスタン及びタジキスタンに
おける各国別の女性の現状報告書が出版され、さらに
4 件の報告書の準備が進められた。2000 年にはまた、
業務評価室が、
プロジェクトの処理及び実施において
ジェンダーの視点をより効果的に組み込む方法を研究
するための、ジェンダーと開発に関する特別の評価調
査を実施した。灌漑、小口金融、上下水道整備、保健、
漁業、都市部のインフラ整備など、多種多様な分野を
網羅するバングラデシュ、ネパール及びベトナムのプ
ロジェクト計 9件が評価された。調査は、ADBのプロ
ジェクトやプログラムにジェンダーの課題を取り入れ
るための、
より効果的な戦略を勧告することを目的と
するものであった。
加型の手続を要求することによって、
ガバナンスを改
善する基礎を築くことができた。しかしながら、ガバ
ナンスとそのための組織制度は依然十分であり、政府
の能力を一層高める必要性が確認された。また、民間
セクターでは、サービスに関する顧客の満足度とサー
ビスへのアクセスの容易さを尺度に、その機能の価値
を考える、という「顧客志向」の評価方法が依然理解
されていない点が指摘された。
進展が見られた点は、地域におけるグッド・ガバ
ナンスの重要性が一般に認められるようになり、
グッド・ガバナンスと持続可能な経済・社会開発と
の関連が広く理解され、より多くの人々に受け入れ
られていることである。ガバナンスの質が、今では
多くの DMCs において熱心に議論されている。従っ
て、ADB は、グッド・ガバナンスをこれまで以上に
広範囲にわたり、精力的に促進することが可能に
なった。
これを踏まえて、ADB は、2000 年、ガバナンスの
ための中期アジェンダ及び行動計画の策定に着手し
た。中期アジェンダ及び行動計画は、ガバナンスの問
題を域内の開発アジェンダの最上位に引き上げ、官民
両セクターにわたる地域基準、
行動規範及び最良の慣
グッド・ガバナンスに対する支援
1995 年 10 月、ADB は、国際開発銀行として初めて、
ガバナンスに関する政策を策定し、理事会の承認を得
た。政策は、一連のグッド・ガバナンスに関する各種
政策の基本となった。これらのグッド・ガバナンス政
策とは、調達、法律及び政策の改革、市民社会の参加、
腐敗防止に関する政策である。また、グッド・ガバナ
ンスは、ADBの貧困削減戦略の3つの柱のうちの一つ
に定められている。
ガバナンス政策は、1995 年に定められたとおり、
DMCsとの協議を重視している。これは、ADBが支援
を行う上で最も適切な領域を見極めるために、ガバナ
ンスの問題に関する DMC 政府の理解が不可欠であ
り、域内の研修活動等を通じて、グッド・ガバナンス
の問題に対する幅広い支持者を生み出すことを意図し
ている。
ADB は、2000 年中、政策の進展と実施状況を検討
し、いくつかの成果を確認した。政策面において、予
算手続、監査及び調達などの面で必要な様式を改定
し、法律を起案し、ADB が支援する活動において参
コーポレート・ガバナンスの実践
1994 年、ADB は、インドのグローバル・トラスト・バン
クとセンチュリオン・バンクに資金支援を行った。それぞ
れの支援は、1969 年に銀行の国有化が行われて以来、国
有銀行が支配してきたインド銀行業界への民間セクターの
参入を促進するためのものであった。また、支援は、銀行
業における最良の業務方式の採用を促進することも目的
とした。
1994 年以来、ADB は、上記各行の取締役会にメン
バーを送り、そのコーポレート・ガバナンスの向上を支
援してきた。ADB が任命した取締役は、いずれの場合
も、銀行の取締役会や経営者とコーポレート・ガバナン
スに関する様々な改革について議論し、彼らに健全な
コーポレート・ガバナンスを実施することによる利点を
納得させる手助けをしてきた。取締役会及び経営者の努
力により、両行は、取締役会メンバーの役割、取締役会
に提出すべき情報、独立取締役の定義、業務監査におけ
る取締役会の役割を含む詳細なコーポレート・ガバナン
ス規程を制定して、インド国内における先鞭をつけた。
各行のコーポレート・ガバナンス規程は、2000 年に採
択された。
業務活動における優先課題
行(ベスト・プラクティス)に関するコンセンサスを
得て、グッド・ガバナンスの指標を定め、DMC 各国
のガバナンスの質の向上を目指すものである。
中期アジェンダ及び行動計画が承認されれば、ADB
は、以下の方策を通じてこれらの目的を達成する。
・ DMCsにおける主要なガバナンスの問題にを特定
し、一貫した方法で取り組むことによって、ADB の
業務が貧困削減に及ぼす効果を最大化する。
・ ガバナンスをより重視し、ガバナンスの問題を担
当する地域のフォーカル・ポイントを設ける。
・ ADB 自身の活動において汚職・腐敗を許容でき
ないものとするゼロ・トレランスの実例を示すことに
よって、汚職・腐敗のコストとそれを根絶する価値を
DMCs の借入国において実証する。また、ADBの活動
に関与しているDMCsのあらゆる機関において、優れ
た内部管理システムの活用を奨励し、DMCsへの普及
を促進する。
・ 協力と連携を強化することによって、域内の開
発機関によるガバナンスに関連した活動の協調を進
める。
・ ガバナンスの問題に対処する ADB の能力を強化
する。
・ 行動計画の実施状況と学んだ教訓について、す
べてのステークホルダーに頻繁に定期的な情報提供
を行う。
31
グッド・ガバナンスと民間セクター:公共セクター
においてグッド・ガバナンスが不可欠であるように、
民間セクターにおいては優良なコーポレート・ガバ
ナンス(企業統治)が不可欠である。アジア金融危
機の際に露呈したようなコーポレート・ガバナンス
のシステム破綻は、貧困者への不当な負担を含む広
範な悪影響をもたらす。健全なコーポレート・ガバ
ナンスは、資金の貸し手、投資家及びその企業で働
く人々に信頼感を与え、低コストの資本へのアクセ
スを促進し、限られた資源の活用を最大限に高める
ことができる。例えば、国内資本市場の開発には、多
くの場合、効果的な規制とともに、それが順守され
るコーポレート・ガバナンスを根付かせることが必
要とされる。大半の DMCs では、持続的な回復と成
長を遂げるためには、コーポレート・ガバナンスの
向上が不可欠である。ADBは、技術援助を通じて、商
法及び商業規制を見直し、信頼できる会計・監査基
準、適時の正確な情報開示のルール、健全な環境基
準、労働規準及び社会基準、少数株主の権利の適切
な保護、有効な破産・担保権実行管理制度、企業取
締役の義務など優れたコーポレート・ガバナンスの
重要な要素を導入する支援を行っていく。ADB は、
また、企業の取締役に対し、その義務と責任につい
て、また、株主の利益と他のステークホルダー(従
業員、顧客、取引業者及びコミュニティ)の利益と
環境のガバナンスの促進
グッド・ガバナンスは、環境政策の成功に直接影響を及ぼ
す。国の行政能力が弱かったり、司法の独立性が欠如して
いては、環境法の効果的な実施も阻害されかねない。同時
に、環境及び天然資源管理システムも、ガバナンスの成果
に多大な影響を与える。例えば、森林伐採や採鉱などの天
然資源に係る採掘権料が低すぎると、非効率な生産を促す
インセンティブを与えるだけではなく、過剰な利益を確保
する機会を与えることによって利権を有する資本家の政治
力を増大させてしまう。
ADB は、貸付や技術援助業務を通じて、環境のガバナン
スに取り組み、着実に成果を上げてきた。
・ カンボジアは、
森林の伐採権保有者の資格審査について
支援を受けている。
・ 中国は、ADBの援助を得て、土地管理に関する重要な環
境法案を可決した。フィジー諸島は、環境管理法案を可
決した。フィリピンは、大気浄化法を採択した。
・ 2000 年中、インド、キルギス、タイの環境管理及びモ
ニターに従事する国及び州レベルの職員の能力開発のた
めに、3 件の無償技術援助が承認された。
・ インドネシアは、森林火災及び煙霧汚染を防止するため
の組織機構を創設した。
・ 能力開発に対する無償技術援助により、ADB は、他の
関連機関と協力して、2000 年中、クリーン開発メカ
ニズム等を含む京都議定書、ブエノスアイレス行動計
画の環境、経済及び法的問題をテーマに、アジア 14ヵ
国の代表500名を対象に、11のワークショップを実施
した。
・ メコン河流域地域の環境保全戦略に基づき、早期警告シ
ステムを発動し、同流域地域における開発計画が環境に
及ぼす影響について、
プロジェクト立案の早い段階にお
いて、域内調査を実施した。
32
2000 年 年次報告
環境保全と貧困削減
2000 年における ADB の環境に関連したプロジェクトやプ
ログラムの約半数は、主に農村地域における水、漁業、森
林及び野生生物などの天然資源の管理を対象とするもので
あった。このほか、スラム街の住民を中心に、低所得世帯
を主たる受益者として、都市部の公害その他環境問題に取
り組むプロジェクトも実施された。
地球環境基金(GEF)の無償協調資金を活用した中国で
のプロジェクトは、総発電能力78メガワットの風力発電所
3ヵ所に資金を供与する。
従来の火力発電を使っていればさ
らに汚染負荷が増大することになるが、このプロジェクト
によって、硫黄酸化物や窒素酸化物、浮遊粉塵及び二酸化
炭素の排出が将来的に削減される。スリランカでは、森林
及び水資源に関する資源管理の促進を目的とするプロジェ
クト 2 件、組織の能力強化、設備やインフラの整備等を通
じてスリランカの天然資源と野生生物の保全を図るための
GEFの無償協調資金援助を活用したプロジェクト1件が実
施されている。
のバランスをとる最善の方法について研修等を通じ
て普及を図っていく。
環境保全
健全な環境管理は、持続的な開発、そして、ADB の
目標である貧困削減にとって不可欠のものである。開
発の効果も、自然環境と天然
資源が持続可能な形で活用さ
無償技術援助でも、環境問題への配慮が重視された。環
境に関する計画の立案、運営管理及びモニタリングにおけ
る国、地域及び地方当局の重要な役割を認識し、ADB は、
中国、インド、インドネシア及びタイにおける環境ガバナ
ンスの強化に援助を行った。ADB はまた、キルギスの環境
保護担当機関が効果的な計画立案、政策形成及び意思決定
のためのモニタリング及びデータ管理システムを整備する
に当たり、技術援助を供与した。フィリピンでは、無償資
金援助により、生物の多様性に関する条約を実施する国の
能力強化を支援した。
ADBはまた、環境問題への取り組みにおける協力の推進
にも支援を行った。中央アジア共和国諸国においては、地
域環境行動計画の計画立案及び実施のプロセス及びそのメ
カニズムを支援することによって、環境管理の改善に努め
ている。太平洋地域の DMCs において、天然資源のより持
続可能な活用を促進するために、環境管理の方式や知識及
び価値観の向上を支援している。
れなければ、つかの間のものとなる。ADB は、2000
年中、環境保全と貧困削減という2つの目標の達成に
取り組む DMCs の支援において着実な成果を上げた。
2000年においては、DMCsの環境及び天然資源の保
全または改善を図りながら貧困の削減を目指す貸付プ
ロジェクト及びプログラム 12 件が承認された。この
うち 7 件が環境を第一の目的に掲げている。この数
は、1999 年に承認された同種案件の件数の 2 倍であ
る。環境の改善のための 2000 年の貸付総額は 12 億ド
都市環境の改善
都市の中心部は、円滑に機能すれば、芸術、科
学、技術、ビジネスが盛んな活力あふれる地区
となる。しかし、最悪の場合は、洪水や地滑り
が増加し、地下水が劣化し、環境汚染が広が
り、人口が密集するなど、環境悪化に苦しむ
場所になる。
ADBは、効果的で持続可能な環境改善
に必要な政策の立案、包括的な資金支
援、関係組織の能力開発を図る最近の
プロジェクトにおいて、これらの環境
関連問題に取り組んでいる。インドの
カルカッタ環境改善プロジェクトは、
地方自治体の行政サービスを利用する公
平な機会を提供し、より有効な都市経営を促
進するものである。約 500 万人の住民が、下
水整備、固形廃棄物の管理、スラム改善の恩恵
を受けると見込まれている。フィリピンでは、
2000 年中に、マニラ首都圏大気浄化プログラ
ムをはじめ、それに関連して大気汚染防止の
ための融資や技術援助が供与され、有鉛ガソ
リンは、全国規模で段階的に廃止されている。
パシグ川環境管理・修復プログラムは、政策改
善と環境機関職員の能力開発のための技術援
助を通じて、マニラ首都圏の都市環境の改善、
パシグ川の水質向上に寄与することが期待さ
れる。
ADB の援助による環境改善は、将来の世代に資するものである。
業務活動における優先課題
ルで、貸付承認総額の約 23% に相当し、過去 5 年間の
年平均 13% を大きく上回るものとなった。
環境に配慮した貸付プロジェクトやプログラムで
は、適切なレビューを行い、これにより、プロジェク
トやプログラムが環境に及ぼす影響を緩和し、とり
わけ貧困者に対する環境リスクを最小限に抑えるこ
とができた。例えば、環境・社会モニタリング情報シ
ステムを早期に活用して、支援を行う上で重要な情
報を遅滞なく提供した。環境ネットワークのメン
バーとしてADBの職員も参加するピア・レビュー(同
じ分野の専門家による評価)は、環境影響評価報告書
の改善に役立った。ADB は、また、プロジェクトや
プログラムの実施中に評価ミッションを派遣するこ
とによって、合意された環境管理措置を借り手が遵
守しているかを監視し、同時に環境管理措置の有効
性を評価した。
ADB は、特定の国や地域グループに対する直接技
術援助の供与に加え、新しい出版物『Asian Environment Outlook(アジアの環境見通し)』(2001 年刊行
予定)を制作し、また、初めて正式な環境政策文書
(2001 年理事会による審議予定)を作成して、主要な
開発セクターにおける一貫した環境政策の促進に努
めている。地域内外(中央アジア共和国諸国、日本及
び米国を含む)のステークホルダーと協議を行い、こ
の協議を基に、ADB が政策に基づく貸付やプロジェ
クト・ローン、技術援助あるいは政策協議において
環境の質を向上させ、貧困の削減を促進するために、
どのような種類の支援を行うことが適切かについて
分析を行うことができた。また、借入国及び援助供
与国の意見を反映したテーマ別の資料も作成された。
ADB はまた、地球環境基金(GEF)と提携して新た
な支援を行った。1999 年 5 月に GEF が採択した「地
域開発銀行との協力拡大」のための政策により、国レ
ベルにおける持続可能な開発のためのADBの資金を、
地球環境問題に取り組むための GEF の無償資金と協
調して活用することが可能となった。これにより、
ADB は、借入国により魅力的な貸付条件で加盟諸国
に新たな環境重視の貸付を提供することができた。
2000 年中、プロジェクト 6 件の準備に GEF からの無
償資金協力が供与され、貸付プロジェクト 2件が GEF
からの協調融資を受けた。
ADB は、引続き環境に対する意識向上を目的とす
るセミナー、会議、ワークショップ及び研修を実施
33
し、ADB スタッフ及び DMCs の技術や知識の向上を
図った。ADB は、国連アジア太平洋経済社会委員会
の主催による、日本政府、福岡県・北九州市後援で開
催された「アジア・太平洋環境と開発に関する閣僚会
議」を共催した。貧困は、環境悪化の原因でもあると
同時に、環境悪化がもたらす重大な結果でもあること
から、千野忠男 ADB 総裁は、会議において、域内諸
国が環境の保全を重視することが必要であると強調し
た。会議は、閣僚宣言、2001 ∼ 2005 年を対象とする
環境保全のための地域行動計画、さらにアジェンダ
21 のレビューを行う「リオ +10」
(2002 年に開催予定
の国連地球サミット)
に向けた地域メッセージを採択
した。ADB はまた、環境に関する啓発活動を支援す
る出版物数点も制作した(p.218 の ADB 刊行物:最新
刊書を参照)。
民間セクターの育成
活力ある民間セクターは、持続的貧困削減の必要条
件である長期的経済成長を実施させる上で極めて重
要である。2000 年に承認された ADB の民間セクター
開発戦略は、このことを認識したものである。戦略
は、アジア太平洋地域において貧困を削減するため
にADBがいかにして民間セクター主導の成長をさら
に効果的に促進することができるかを明らかにし、
貧困者に裨益する成長の持続、社会開発の促進及び
グッド・ガバナンスの育成に民間セクターが果たす
役割を認めている。
貧困者に裨益する持続的な経済成長は、貧困との闘
いにおいて最も強力な武器となるものである。成長は
雇用を創出する。民間企業は、何にもまして雇用と投
資の最大の供給源である。経済成長は、また、税収基
盤を強化するものであり、これにより、政府は、グッ
ド・ガバナンスの原則に従い、適切な形で公共資金を
活用し、より高いレベルの基本的社会サービス(とり
わけ保健サービスと教育サービス)を提供することが
できる。これにより貧困者の生産性向上と所得確保の
能力も増大する。また、社会的支出を有効なものとし、
貧困者のために活用されるように図るためには、政府
における透明性と説明責任(アカウンタビリティ)が
重要である。
民間セクターは、他の点でも貧困削減に寄与するこ
とができる。
適切に管理運営されたインフラ整備プロ
34
2000 年 年次報告
民間セクターへの貸付及び出資 (単位:百万ドル)
40
0
80
120
160
は、多くの場合、公共セクターによる運営よりも効率
的であり、低コストでよりすぐれた新しい形のサービ
スを提供することができる。
2000 78.2
156.0
1999
7.4
146.5
1998 42.4
136.1
1997 59.5
45.0
1996 97.2
123.5
出資
貸付
ジェクトへの民間セクターの投資は、公共予算の負担
を軽減する。これにより、政府は、より多くの資金を
他の社会的支出に配分することができる。また、民間
セクターのインフラ整備への参入は、サービスの内容
を改善し、効率化を図ることができるので、貧困者を
含めたすべての人々に効果がより広くもたらされる。
公益事業の民営化による効率化は、すべての所得層に
利益をもたらすものである。
社会セクターも、民間セクターの参加によって恩恵
を受ける。
学校や保健クリニックなどの非営利社会施
設の運営を民間セクターに委託することも可能であ
る。適切な規制下では、民間セクターによる運営管理
民間セクター開発戦略
民間セクター開発戦略は、アジアにおける民間セク
ターの役割強化を目指すものである。戦略は、ADBは
DMCsにおける民間セクターの参加を拡充、強化する
努力を支援する、という考えに基づいており、そのた
めの枠組みを示すものである。戦略は、次の 3 点を目
的とする。
・ 民間セクター育成のための環境整備:ADBは、公
共セクター向け業務を通じて、
企業が繁栄できる適正
な条件を確立し、貧困者に裨益する成長に資する環境
を整備する加盟国政府の努力を手助けする。ADBは、
企業活動を促進し、国内及び外国からの民間企業によ
る投資を促す改革を奨励する。ADB は、政府がその
役割を民間セクターが行い得る業務の「所有者=生産
者」から「促進者 = 規制者」に転換して、公共の利益
を守りながら市場の機能を確保するのを手助けする。
これにより、より多くの無償公的資金を基礎教育、保
健サービス及び社会セーフティ・ネットに投入できる
ことになる。
・ ビジネスチャンスの創出:ADBは、公共セクター
への投資が民間セクターを締め出すような結果になら
民間セクター開発戦略:3 つの目的達成を目指す最近の試み
ADB の民間セクター開発戦略は、加盟諸国政府の民間セ
クター育成のための環境整備、ビジネスチャンスの創出を
支援し、民間投資促進のための触媒的役割を果たすもので
ある。
例えば、中国では、ADB は商工会議所と協力して、現地
及び外国の民間企業の活動を促進する上での障害と機会の
確認を進めている。また、技術援助を通じて、江蘇幹線道路
の建設と民間セクターに対する入札の機会の提供を支援して
いる。このパイロット・プロジェクトでは、道路建設セク
ターへ民間セクターが参入するための法制度の枠組み策定を
支援している。インドネシアでは、メダン新空港プロジェ
クト案を官民共同事業としてまとめるために、ADB の技術
援助が供与された。公共セクターが滑走路の建設と運営、民
間セクターがターミナルの建設と運営を担当する予定であ
る。ネパールでは、制度の改善、組織の法執行能力の向上、
経済成長と民間セクターの育成の前提条件である健全な金融
システム確立の支援に、ADB が貸付 1 件と無償技術援助数
件を供与している。パキスタンでは、ADBの貸付により、マ
イクロファイナンス拡充のための枠組みが定められ、民間
セクター育成のための触媒的役割を果たす小口貸付銀行が創
設される計画である。その目的は、160万件の小規模な所得
創出活動、4,500件のコミュニティに基盤を置く小規模なイ
ンフラ整備プロジェクトに資金供与することである。
パキス
タンに対するもう1件の貸付は、パキスタン輸出金融保証機
関の設置と貿易金融制度の導入を通じて、貿易事業を促進
するものである。貸付には、民間セクター向け融資及び政
治リスク保証が含まれる。ベトナムにおいては、技術援助プ
ロジェクトにより、水利セクターにおいて、料金請求・徴収、
保守整備、保有車両管理、人材管理・訓練を民間に委託する
可能性の検討が進められる。
業務活動における優先課題
ないように図り、民間セクターが参入できる機会を創
出するよう努める。ADBは、民間セクター・プロジェ
クトにおいて、DMCs 開発の責任の一端を民間セク
ターが担うことができるように、企業のビジネスチャ
ンスを創出する施策を講じる。
・ 民間投資促進のための触媒的役割:ADB は、民
間セクター・グループを通じて、開発に明確なインパ
クトを及ぼし、デモンストレーション効果のある民
間セクター・プロジェクトに、引続き直接融資を提供
する。プロジェクトへの ADB の資金支援は一般に少
額であるが、民間から多額の融資を引き出す呼び水
となる。
ADBでは、2つの重要な運営原則に基づき、ADBが
最も貢献できる分野を重点的に支援している。2 つの
原則とは、公共セクター業務において「民間セクター
の育成を考えること」
(すなわちADBのプロジェクト
において民間セクターの活用を検討すること)と、民
間セクター業務において「開発のインパクトを考える
こと」
(すなわち、あらゆる支援が開発に効果をもた
らすことを確認すること)である。
民間セクター業務
多くの DMCs では、民間投資のリスクに対する認識
や、民間投資を促す政策や規制環境の不備が障害と
なって、民間セクターの投資が促進されていない。国
際開発銀行の直接の参加は、そのようなソブリン・リ
スクに対する懸念を軽減するのに役立つ。ADBは、民
間セクター業務を通じて、このようなリスクを軽減す
35
る触媒的役割を果たしてきた。ADB の参加は、取引
を開始することが可能であることを実証するものとな
り、投資家に安心感と信頼感を与える。また、民間セ
クター・プロジェクトへの直接参加は、民間セクター
の育成を阻んでいる障害を直接理解する機会を ADB
に与え、民間投資を促進する環境整備に貢献する公共
政策のアドバイザーとしての ADB の信頼性を高める
ことにもつながる。
このような目的を念頭に、ADB は引続き民間セク
ター・プロジェクトに直接融資を供与した。2000 年
中、ADB は、出資 7,800 万ドル、政府保証のない貸付
1 億 5,600 万ドル、合計 2 億 3,400 万ドルの民間セク
ター・プロジェクト11件を承認した。2件に対しては、
ADBの補完融資制度に基づき4,500万ドルの協調融資
が行われ、他の2件では、ADBの政治リスク保証制度
を初めて利用して商業銀行から 1 億 2,200 万ドルの貸
付を受けた。全体で、11 件のプロジェクトへの ADB
の参加が呼び水となって、総額 16 億ドルの開発投資
が実行された。
ADB の民間セクター業務の中心は、インフラ整備
と金融に置かれている。これら2セクターのプロジェ
クトは、開発への多大なインパクトが期待できるから
である。
官民の協力:インフラ整備において、ADB は、政
府と民間セクターとの提携が行われているプロジェ
クトを支援している。これによって、政府が、コスト
効率の高い民間セクターの資金と運営能力を活用し
て、他の社会事業へ向けられる公共予算の配分増大
を図っている。公共セクター業務と民間セクター業
務を一つの機関で行うことにより、ADB は、民間セ
クターを誘致し、民間の開発業者も参加できるプロ
ジェクトを計画しようという政府の努力を支
援することができる。また、落札者
がプロジェクトの資金を集める
上でも支援することができ
る。例えば、バングラデシュ
では、ADBの支援により、民
間に委託された初のビルド・
ADBは、貧困者に裨益する成長を促
す環境を整備することによって、
DMCsにおける民間セクターの参加
を拡充・強化している。
36
2000 年 年次報告
オペレート・トランスファー方式(BOT)による電力
プロジェクトが実現した。2000 年中、ADB は、この
プロジェクトにノンソブリン・ローンを供与した。プ
ロジェクトは、米国の AES パワー・コーポレーショ
ンの過半数所有子会社である AES メグナガート社が
実施に当たっている。スリランカでも、ADB は、セ
イロン電力庁との 2 0ヵ年の電力購入契約に基づく
BOT 方式による発電能力 163 メガワットの発電所建
設に ADB 貸付を活用して、同様の成果を上げた。こ
れらのプロジェクトに必要とされる資金を調達する
ために、ADBは初めて、政治リスク保証を実行し、為
替リスク及び債務国による契約違反リスクの一部を
カバーした。
ADB の支援は、フィリピンのルソン北部高速道路
復旧・拡充プロジェクトに対する貸付に見られるよう
に、
未開発地域のプロジェクトに限られたものではな
い。
民間セクターの参加を得て国内の道路網を開発す
る政府の事業を支援して、ADB は、官民のコンソー
シアムであるマニラ北部有料道路公団が商業銀行及び
輸出信用機関から資金調達を得る際に主幹事銀行の役
割を務めた。
金融システムの強化:民間セクターの振興には、十
分に機能する金融システムが必要である。
金融機関の
強化を図り、民間セクター主導の成長を支える国内の
資金調達を円滑化することが必要である。
この目的を
果たすため、2000 年中、ADB は、バンク・オブ・ノ
ヴァスコティアとスカンディナヴィスカ・エンスキル
ダ・バンケンと共同で、アジア銀行基金を創設した。
この基金は、金融危機の影響を受け、経営不振に陥っ
ている域内の銀行の資本再編を目的とするものであ
る。銀行システムは、適正なリスク管理政策を導入す
ることによって改善できる。これは、景気を回復し、
雇用を創出するために必要な国内財政の不足を補完す
る機能も有する。
中小企業:中小企業は、貧困削減に必要とされる雇
用と所得の主要な創出源である。ADB は、企業関連
情報の提供を推進し、
民間の資金調達源からの中小企
業に対する信用供与を促し、中小企業のニーズに直接
対応できる株式ファンドへの投資を奨励することに
よって、政策面で中小企業の育成を促進する環境整備
を支援している。中国では、中国の企業を財務上及び
実務上健全な企業に改革するため、香港のニュー・
ワールド・グループと米国のリバティ・フィナンシャ
ル・グループと共同で、製造業とサービス産業に投資
するための基金を創設した。ADB はまた、サモアの
中小企業への支援を通じて民間セクター主導の経済成
長に貢献することを目的とするサモア・ベンチャー・
キャピタル・ファンドの創設を支援した。また、タイ
の中小企業投資・再編基金を通じて、ADB は、パー
トナーとともに、金融危機によって打撃を受けた中小
企業に対し、緊急の課題である流動性資金を提供する
予定である。
地域協力
メコン河流域地域(GMS)、中央アジア共和国諸国、南
アジア、東南アジア及び太平洋地域などの ADB が支
援する地域協力事業は、2000 年中、大きく進展した。
1994年に地域協力政策が承認されて以来、ADBは、地
域協力において重要な触媒的役割を果たし、国境を越
えた投資プロジェクトや物資及び人の流れを促進して
きた。
ADB は、段階的に、GMS をはじめとする地域投資
プロジェクトに多くの技術援助や貸付を供与してい
る。いずれの場合においても、初期の段階において
は、国家間の協力の可能性についてDMCsの理解と認
識を向上させ、協力できる領域を特定し、期待できる
利益を数量化することに重点が置かれた。ADBでは、
地域の優先事項について協議する場に各国の参加を求
め、参加の合意を形成してきた。これに続いて優先プ
ロジェクトに対しプロジェクト準備技術援助が実施さ
れた後、貸付が供与された。
ADB の地域協力事業は、貧困が最も蔓延している
地域に焦点を絞っている。例えば、南アジアにおける
取り組みは、アジアの貧困者の半数以上に相当する約
5 億人の貧困者を抱える地域を対象としたものであ
る。ADB による他の地域協力事業においても、貧困
者が主たる受益者となっている。従って地域協力によ
る開発は、ADB の貧困削減のための戦略的アジェン
ダ全体においても重要な要素となっている。
メコン河流域地域:GMS(カンボジア、中国、ラオ
ス、ミャンマー、タイ及びベトナム)の経済協力は、
1992 年に ADB により開始された。ADB は、協力を推
進する上で、仲介、触媒、そして後には資金提供者の
役割を果たしてきた。当初、GMSプログラムでは、地
域協力の機会を発掘すること、
関係諸国が協力の優先
業務活動における優先課題
37
キルギスの首都ビシュケクを結ぶ連絡道
課題と方式についての協議に参加するメカ
路の復旧が行われる。
ニズムを確立することに重点が置かれた。
2000 年中、ADB は、中央アジアへの支
このような努力により、地域をリンクする
援を強化した。最近の取り組みとしては、
重要なインフラ整備プロジェクト2件とこ
「ADB:
各国政府の政策立案能力の強化、関税局な
れらプロジェクトを補完するため、地域内
アジア
どの重要な機関の改革支援、域内における
における財・サービスの移動を促進する協
太平洋地域
貿易と投資に関する情報交換の促進などが
定が実現した(p.38 の囲み記事を参照)。
の貧困と
ある。その他、農業、農村開発及び金融の
GMS プログラムでは、地域協力の重要領
闘う」
分野における地域プロジェクトに関する協
域として、インフラ整備に加えて人的資源
議、さらに、教育改革における協力の推進
の開発、環境、観光、少数民族のニーズが
や微量栄養素の栄養不良の根絶のための努
選定された。
力も開始されている。
教育改革プロジェクトにおける
DMCs における貧困削減という ADB の使命との整
地域協力では、教育政策と開発戦略の検討や、教育改
合性を図るために、GMS プログラムの修正が2000 年
革の内容とプロセスについての包括的議論が進められ
に行われた。2001 年から 2003 年までの期間中に、プ
ている。
ログラムでは、インフラ整備を拡充して、農村地域や
南アジア:2000 年中、南アジアの地域協力には大
国境地帯にもその恩恵を拡大し、貧困者に裨益する
きな進展が見られた。域内の状況及び域内諸国政府
経済成長が環境及び社会に及ぼす影響にも対処する
の要望により、ADB は、
「南アジア成長の四角形」の
こととした。さらに、ステークホルダーや市民社会の
支援を中心に、プロジェクト別アプローチを重視し
参加を拡大し、民間セクターの育成を推進し、グッ
た。この地域協力プログラムは、バングラデシュ、
ド・ガバナンスを促進する予定である。
ブータン、インド及びネパールによって、これら諸国
中央アジア諸国地域:中央アジア諸国(カザフスタ
が国境を越えたプロジェクトを準備、実施するため
ン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン及び
に、南アジア地域協力のより大きな枠組みの中で開
ウズベキスタン)の開発を推進するためには、これら
始されたものである。
諸国が世界の主要市場から遠く離れ、かつ、内陸にあ
まず、ADB は、2000 年 11 月にカルカッタで開催さ
るという地理的条件を考えると、地域経済協力を強
化することが特に重要である。中央アジアにおいて、 れた民間セクター・フォーラムを支援した。次に、地
域プロジェクトを発掘し、
優先順位を決める地域技術
経済成長と持続可能な貧困の削減を実現するために
援助プロジェクト、インドその他における情報通信技
は、域内及び新たな貿易相手国との新たな関係の構
術の開発で学んだ教訓を普及するための地域会議を支
築と域外市場との交通網の開発が必要である。
援する小規模な地域技術援助が行われた。
ADB は、1997 年前半に、中央アジアにおける経済
現在、南アジア地域プロジェクトの準備がかなり
協力を推進するプログラムを開始した。中央アジア
進んでいる。これは、ラファルゲ・スムラ・セメント
諸国に加え、アゼルバイジャン、中国の新疆ウイグル
が、国境を超えたコンベア・システムを使ってインド
自治区を対象とするこのプログラムは、インフラ開
のマガラヤにある採石場から石灰岩をバングラデ
発における障害及び国境を越えた交通と貿易におけ
シュのセメント工場に輸送するものである。また、バ
る政策上の障害を削減し、解消するための施策を策
定することを目指している。初期の段階においては、 ングラデシュ、ブータン及びネパールの国境の出国
ポイントへの連絡道路を備えたインドの西ベンガル
合意形成と、運輸及びエネルギー・セクターにおける
のシリグリからハルディアまでの南北幹線道路プロ
優先的地域プロジェクトの検討に重点的に取り組み、
ジェクト、バングラデシュのパンチャガールからバ
その結果を踏まえて、道路及び電力セクターにおけ
ングラバンドまでの北西幹線道路、カカルビタを経
る地域プロジェクトが計画された。例えば、2000 年
由してバングラデシュとインドの幹線道路に連絡す
10 月に承認された中央アジア初の地域協力プロジェ
るネパールの東西幹線道路の第 4 次道路改良プロ
クトであるアルマティ = ビシュケク地域道路復旧プ
ジェクトが実施されている。
ロジェクトでは、カザフスタンの首都アルマティと
38
2000 年 年次報告
東西経済幹線道路
交通網の整備がもたらす利益を最大限にするため、メコン
河流域地域(GMS)の諸国は、経済的幹線道路開発という
アプローチを採用した。これは、近隣の地域や諸国間の経
済協力と開発を推進するインフラの整備を地域全体が協力
して進めていくものである。そのパイロット・プロジェク
トとして、GMS 諸国は、ミャンマーのモーラミャインと
ベトナムのダナンを結ぶ全長約1,500キロにわたる東西経
済幹線道路の建設を進めている。道路は、タイのメソト、
ターク、ピサヌロク、コンケン、カラシン、クチナライ、
ムクダハン、ラオスのサバナケット、ベトナムのクワン
チ、フエを経由する。2004 年までには、幹線道路の 90%
が、全天候型の近代的なハイウェイとして整備され、通行
可能となる予定である。
2000 年 1 月、GMS 諸国は、この幹線道路の開発を最優
先とすることを再確認した。道路の主要部分については、
インフラ整備が現在進行しているか、あるいは計画が進
められており、ラオスとベトナムの区間は、ADB からの
譲許的貸付によって改良が進められている。また、日本の
国際協力銀行からの融資を得て、タイのムクダハンとラ
オスのサバナケットを結ぶ第二のメコン河国際大橋が建
設されており、また、ベトナムでは中部沿岸にあるダナン
東アジア地域:東アジアにおいては、2000 年中、景
気回復ととともに、東南及び北東アジア諸国間の関係
が改善したこともあり、地域協力の復活、あるいは拡
充の機会が増大した。
12 月、ADB は、中国とモンゴルの経済協力を強化
するための様々な案の検討を支援した。
景気回復は、地域協力を開発のツールに活用しよう
という他の諸国にも良い影響を与えた。ブルネイ、イ
ンドネシア、マレーシア及びフィリピン(BIMP)は、
1994 年、各国において特定地域の開発を促進するた
め、東 ASEAN 成長地帯(EAGA)
(BIMP-EAGA とも
いう)を結成、1995 年に ADB の支援を得て、BIMPEAGA構想を計画、実施するための調査研究を準備し
た。しかしながら、このプロジェクトは、アジア危機
により延期された。1999年になって、地域協力を通じ
て景気回復を促進するため、中小企業の育成を支援す
るプログラムが具体化した。ADB の支援を得て、域
内の貧しい地域であるインドネシアのカリマンタンと
スラウェシ及びフィリピンのミンダナオとパラワンを
対象とする計画が策定された。
計画の実施に向け準備
が進められている。
港の復旧が行われている。ラオスにおける幹線道路の改
良は、日本の国際協力事業団から資金支援を受けている。
また、世界銀行は、幹線道路を東の港湾都市ダナンに連絡
するベトナムの国道1号の保守整備資金を供与している。
これらの道路整備を補完するものとして、ラオス、タイ、
ベトナムの 3 国間の物資と人の国境を越えた移動を促進
するため、三国間越境協定がこの3ヵ国によって最近締結
された。
ADB は、また、協力・開発の枠組みを策定するために資
金支援に先立ち実施された東西経済幹線道路の事前調査に
も資金を供与した。調査は、農工業、貿易と投資、物的イ
ンフラ、工業用地/輸出加工区、及び観光の 5 つのセク
ターを対象に実施され、各セクターについて発展の可能性
が大きいことが明らかになった。とりわけ農業その他一次
産品の貿易及び加工等には相乗効果が期待できる。地域の
開発戦略の協調を図り、貿易障壁を解消することによっ
て、国際交易が推進され、ひいては産業間貿易、企業間貿
易に結びつくことになる。さらに、軽工業及び農業以外の
産業も発展する余地があり、観光業も発展の可能性は大で
ある。
第3のグループであるインドネシア、マレーシア及
びタイ(IMT)は、1993 年に地域協力構想をまとめ
た。成長の三角地帯 IMT-GTは、民間セクター主導の
域内経済の成長と開発を促進することを目指すもの
であった。ADB の支援により、IMT-GT 開発戦略が
策定された。
太平洋地域:ADBは、太平洋地域においては、漁業、
民間航空、金融セクター改革、公共セクター運営、及
びガバナンスの分野で地域協力を支援している。
西部及び中部太平洋のマグロ資源の保護・管理に対
する地域技術援助は、重要な漁業資源の将来に関する
政府間合意の達成に貢献した。加えて、ADB は、珊
瑚礁に生息するスズメダイの取引に関して、水産資源
保護のため太平洋地域の DMCs を支援している。
太平洋地域のDMCsの規模及び地理的条件を考慮す
ると、民間航空の果たす役割は大きい。2000年、ADB
は、
航空分野における地域協力の意義についての認識
が高まったことから、太平洋地域における航空管制に
関する地域技術援助を承認した。
太平洋地域では、相対的に脆弱な金融セクターが、
外国からの直接民間投資を制約する要因となってい
業務活動における優先課題
る。ADB の援助を得て太平洋地域DMCs7ヵ国で実施
された金融セクターのレビューが 2000 年に完了し
た。このレビューにより、問題点が指摘されるととも
に、電子的にリンクする地域証券取引所開設の可能
性を含め、地域の活性化を図る提案について太平洋
DMCs間の協議が促進された。もう一つの取り組みと
して、海外の潜在的投資家が利用できるよう、域内の
投資に関するデータベースを構築することが企画さ
れている。
太平洋地域において民間投資を阻んでいるもう一つ
の重大な要因は、電気、ガス、水道などの家庭用及び
産業用公益事業に関する問題である。ADB は、2000
年中、太平洋電力組合と太平洋水道組合を通じて引続
き公益事業者間の地域協力を促進した。これらの組織
と協力して、ADB は、域内の公益事業の業績評価基
準の設定を目指す取り組みに着手している。
太平洋 DMCs 諸国への協力としては、他に、公共セ
クターの運営管理者を対象とする研修(ADB 研究所
と共催)、司法研修、太平洋技術援助センターに対す
る支援(国際通貨基金と共同)などが行われている。
法律と政策の改革
法律及び政策の改革は、予測可能性、透明性、説明責
任(アカウンタビリティ)及び参加に関する法律及び
制度の枠組みを改善するものであり、グッド・ガバナ
ンスの中核を成すものである。ADB は、長年にわた
り、
法律及び政策の改革を内容として含む数多くの貸
39
付及び技術援助プロジェクトを実施してきた。加え
て、金融、銀行業務及び企業統治の向上を目的とする
民間セクターの育成、司法改革、法律研修、法律関連
情報の普及、環境保全に関する法律及び政策の改革を
目指す無償技術援助を供与してきた。
ADB は、2000 年中、DMCs の法制度を確立し、充
実させるために、引続き法律と政策の改革を支援し
た。ADB の重要目標である貧困削減のために、ガバ
ナンスを向上させるプロジェクトに引続き取り組ん
だ。このプロジェクトは、主として、法律に対する理
解力を与える法的エンパワーメントが貧困削減、
グッド・ガバナンスその他開発目標に果たす役割を
実証することを目的としたものである(下記の囲み
記事を参照)。
2000 年には、他に、DMCs の多くが抱える最大の
課題のひとつである体系的な司法及び法律改革への
取り組みが行われた。過去のプロジェクトから得た
教訓に基づき、ADB は、パキスタンにおいて、能力
開発と、裁判所における遅延を緩和するためのプロ
ジェクト等に対する技術援助を承認した。プロジェ
クトでは、国レベルにおける司法政策立案機関の設
置や司法改革基金の創設を含む基本的なガバナンス
及び制度改革に着手する予定である。また、フィリピ
ンにおける司法の独立性と説明責任を強化し、裁判
官の任命プロセスと報奨制度の改善を支援するプロ
ジェクトも進められた。
ADB はまた、ガバナンス戦略と腐敗防止を支援す
るプロジェクトも承認した。アジア太平洋地域にお
法的エンパワーメント:グッド・ガバナンスの推進と貧困削減
社会からの疎外は、貧困の不幸な側面である。ADB は、ガ
バナンスを支援する地域技術援助プロジェクトの下、バン
グラデシュ、インドネシア、モンゴル、パキスタン、フィ
リピン、タイ及びベトナムにおいて社会的に疎外された
人々や不利な立場に置かれている人々を支援する法律に対
する理解力推進活動の効果を調査研究した。ADB はまた、
グッド・ガバナンスを促進し、貧困を削減する上で法律の
理解が果たしうる役割についても検討し、これは、不利な
立場に置かれた人々に力を与えるための大きな目標の一つ
であるとの結論に至った。
法的エンパワーメントは、法の支配を推進することと重
複するが、同じことではない。法的エンパワーメントは、法
の支配を推進する大きな要因にはなるが、不利な立場に置
かれた人々の支援に焦点を絞ったものであり、本来は法の
支配に関連しない多くの開発の分野において、いかにして
法律を活用して権利と利益を確保することができるかを探
求するものである。従って、法的エンパワーメントは、法
の支配と社会経済開発とのギャップを埋めるものである。
適切な場合には、法的エンパワーメントは、法の支配が他
の開発の優先課題の解決を助けることになる。
調査研究では、法的エンパワーメントを開発に役立てる
こと、開発事業において NGO を含む市民社会とのパート
ナーシップをできる限り構築すること、開発に関する知識
を備え、貧困者と協力する意思を持った弁護士を増やすた
めに、実地教育その他法科大学に対する支援を強化するべ
きであることが勧告された。
40
2000 年 年次報告
担保を最大限活用する
担保付取引とは、債権者に対し債務者の支払い又は義務
の履行を保証するために動産(不動産以外の、備品、設
備、物品、証券その他無形財産を含む)の担保権を債務
者が債権者に付与する取引である。担保権の設定、優先
権、公示及び実行を規定する担保付取引法は、動産を担
保とすることを認めるものである。
中国、インド、インドネシア、パキスタン及びタイを
対象とする地域技術援助プロジェクトで最近実施された
ADBの調査研究では、経済成長や貧困削減への貢献の可
能性を含め、担保付取引の重要性が強調されている。担
保付取引は、ADB の開発途上加盟諸国(DMCs)の中小
企業、小口金融機関及び「ニューエコノミー」企業の借
入の道を拡大するものである。担保付取引が債権者の
コーポレート・ガバナンスの強化と担保権の登録の透明
性向上に果たす役割とともに、融資手段を多様化するこ
とによって金融システムの脆弱性を緩和する機能も、調
査の対象となった。調査は、DMC各国が担保取引法の改
革を進めるに当たり直面している課題を指摘している。
国際的な最良の実践例となるものがない中で、調査研究
は、担保債権者や社会的弱者グループ(例えば労働者)の
利益と、更生される企業のニーズとのバランスをとった
有効な担保付取引制度を構築する上での要点を分析して
いる。
『Law and Policy Reform at the Asian Development
Bank, 2000
(アジア開発銀行における法律と政策の改革、
2000)』と題するこの調査研究は、http://www.adb.org/
law でアクセスできる。
けるマネー・ロンダリングを防止するための技術援
助では、マネー・ロンダリングに対処するアジア太平
洋グループとともに、国際基準に準拠する形で、参加
DMCs9ヵ国において進めるべき制度及び規制改革を
立案する。DMC 各国では、マネー・ロンダリングに
関連する制度、刑法及び民法や各種関連機関を中心
に、マネー・ロンダリングを防止するための制度や
組織を検討する。
また、2000 年中、ADB は、ネパールにおける企業・
金融におけるガバナンス・プロジェクトを承認した。
このプロジェクトは、
企業及び金融セクターにおける
法制度及び政策の改善を図り、
弁護士及び裁判官の研
修機関設置を支援するものである。
金融セクターにおける法律及び政策の改革に対する
支援の一環として、ADB は、アジア太平洋地域にお
ける破産と担保付取引に関する法律改革の問題を取り
上げた。ADB は、2000 年中、この問題を検討する報
告書 2 点を刊行した。「Insolvency Law Reforms in the
Asian and Pacific Region(アジア太平洋地域における
破産法改正)」と、
「Secured Transactions Law Reform in
Asia: Unleashing the Potential of Collateral(アジアにお
ける担保付取引法の改革:担保を最大限活用する)」
である(『Law and Policy Reform at the Asian
Development Bank(アジア開発銀行における法律と政
策の改革)』の第Ⅰ巻と第Ⅱ巻)。第Ⅰ巻の報告書で
は、破産法の基本的枠組みのうち 16 の優れた実例を
説明している。これは、DMCs が自国の破産法を検討
する手だてとなり、適切な基準を策定するのに役立つ
であろう。第Ⅱ巻の報告書は、動産に対する担保権を
設定・行使する効率的な担保付取引制度を包括的に分
析している(左記の囲み記事を参照)。
DMCsの法律面の能力を強化することは、ADBの大
きな課題となっている。ADB は、カンボジアの新し
い土地法の起草に支援を行ってきたが、2000 年には
それに引続き、裁判官その他法律関係者の研修を行う
プロジェクトが承認された。プロジェクトでは、法律
に対する理解力の向上に取り組んでおり、
法律に基づ
く正当な権利の認識と行使を促すことになろう。
開発の社会的側面
人々が開発の中心になくてはならない。効果的で持続
可能な開発を行うためには、開発は、その対象となる
人々の利益、ニーズ及び希望をかなえるものでなけれ
ばならない。社会開発は、多くの副次効果を持ち、貧
困の削減と対象となる受益者の福祉と生活の質の改善
に不可欠なものである。
ADB の社会開発活動は、先住民、住民移転、及び
参加型開発を重点分野としている。2000年中、これら
3 つの分野すべてで成果を上げることができた。
先住民:1998 年に採択された ADB の先住民政策で
は、ADB が援助する開発支援においては、影響を受
ける人々が少なくとも開発がない場合と同様に安寧
に生活できるように、また、悪影響が回避できない場
合には適切で納得できる補償が行われるよう保証す
ることを定めている。政策は、ADBの開発事業が、影
響を受ける人々のニーズや希望に適合し、影響を受
ける人々の文化、社会、経済と融和し、影響を受ける
人々及びコミュニティに十分な情報を提供し、その
業務活動における優先課題
参加を得て、構想、計画、実施されるべきことを規定
している。
2000 年中、ADB の社会開発課(SOCD)は、引続き
業務における先住民に関係する諸問題について調査
し、指針を作成した。加えて、SOCD は、先住民の諸
問題に直接取り組んだプロジェクトの調査を続け、先
住民を対象とした又は先住民に影響を及ぼした ADB
のプロジェクトの一覧表を作成した。2000 年 5 月に
は、タイのチェンマイで開かれた ADB の第 33 回年次
総会において、第 1 回先住民フォーラムが開催され
た。2000 年 12 月には、ADB の先住民政策実施のため
41
の業務ガイドラインが総裁の承認を得た。
上記の先住民フォーラムの成果である「先住民/少
数民族支援及び貧困削減のための能力開発」
プロジェ
クトに対して、地域技術援助が承認された。このプロ
ジェクトは、カンボジア、インドネシア、フィリピン
及びベトナムを対象とし、ADB が資金供与するプロ
ジェクトの質を向上させ、政府、先住民及び少数民族
双方の能力を開発することを目的としている。SOCD
は、ADB の業務担当部局がプロジェクトにおいて先
住民を早期に特定できるよう、
特定の諸国の概況をま
とめた。
また、2000 年には、ADB と他の開発機関、先住民
組織、世界銀行や国際労働機関(ILO)を含む資金
調達機関とのネットワークがさらに強化された。
住民移転:1995 年に承認された ADB の住民
移転に関する政策は、ADB が支援する開発
事業の結果生じる所得、資産、サービス及び
資源の損失に対処するものである。政策が
前提としているのは、可能な限り強
制的な住民の移転を回避
し、移転がもたらす
影響を最小限に抑
え、回避できない影
響がある場合には
それを緩和するこ
とである。移転が必
A D B の保健プロジェク
トは、多くの場合、NGO
の参加と協力を得て準
備、実施されている。
ラオスにおける参加型貧困評価
ADB と世界銀行は、ラオス政府とともに、2000 年 5 月から
7 月までの期間をかけて、参加型貧困調査(PPA)を実施し
た。ラオスの支出・消費調査の定量分析に基づき、全国 18
の州から 100 の村落と 40 の郡を PPA 用に選出した。
2000 年 9 月から 10 月まで、現地視察に続いて、調査結果
を市民団体、NGO、各種協力団体と議論するために、情報
普及ワークショップやジェンダー・貧困ワークショップ等を
開催した。
PPA の初期調査結果は、公共支出・投資プログラムとと
もに、2000年11月にビエンチャンで開かれた会議において
発表され、審議された。また、会議では、議論を円滑に進
めるために、ラオス政府と A D B で共同制作したビデオ
「Listening and Learning from the Poor(貧困者の意見を聞
き、学ぶ)
」が放映された。会議は、ADB の貧困削減戦略
で想定されているようなハイレベル貧困フォーラムの役割
を果たした。PPA の結果に基づき、ラオス政府は、貧困者
のニーズをより反映する形で公共投資プログラムを改定す
る予定である。政府は、また、住民を主体とする開発を実
施するために参加型のプロジェクト立案プロセスを策定す
ることを明らかにした。
42
2000 年 年次報告
要とされる場合には、
プロジェクト別の移転計画を作
成、実施し、モニタリングを行うこととしている。
2000 年中、ADB は、国別及び地域技術援助を通じ
て、カンボジア、中国、インド、インドネシア、ネパー
ル、パキスタン、フィリピン、スリランカ及びベトナ
ムにおける住民移転政策の策定に取り組んだ。このよ
うな取り組みは、今後、各国の住民移転政策の改善に
つながるであろう。ADBは、DMCsのプロジェクト実
施機関の職員を対象に、住民移転政策に関する研修を
実施し、また、中国及びインドにおいて住民移転を含
む社会開発がもたらす影響を評価する能力を強化する
ための技術援助を開始した。
また、2000 年中、ADB スタッフは、英国の国際開
発省が資金を援助した都市移住に関するワーク
ショップなど、他の資金調達機関との共催で実施さ
れた住民移転に関する会議やワークショップに、リ
ソースパーソンとして参加した。
1999 年に開始され、2000 年に完了した住民移転政
策の見直しでは、貧困削減に関連した住民移転のため
の能力開発と、
都市部の住民移転問題について検討し
た。また、2000 年には、住民移転政策に関する特別評
価が完了した。現在、住民移転がもたらす貧窮化のリ
スクに関する戦略を策定中である。
参加型開発:ADB のプロジェクトや技術援助活
動、国別プログラムの立案、政策の策定において参
加型開発の推進が重要な課題となっている。参加は、
人々に、彼らと彼らの資源に影響する開発に関する
決定に影響を及ぼす力を与える。開発に対するオー
ナシップ(主体性)の意識は、多くの場合、プロジェ
クトへの関与を持続する動機付けとなるものであり、
開発支援が効果を上げ、長期的に成功を収める上で
一助となる要素である。参加は、地方、地域及び国
レベルの様々な機関、さらに、市民社会、政府及び
民間セクター、すなわち開発のあらゆるパートナー
に関係する。共同の意思決定への参加が拡大するの
に伴い、公共のガバナンスやコーポレート・ガバナ
ンスにおける適格性、誠実性及び説明責任も拡大す
る。多様で、信頼を基盤とし、規準に従って強化さ
れる社会資本は、参加を通じて整備され、貧困者そ
の他弱者のための有効な社会セーフティ・ネットとし
て役立つ。
2000年中、地域技術援助により、プロジェクト立案
へのステークホルダーの参加を促進する研修が 20 件
以上実施された。この種のプロジェクトとしては2件
目のものである。
2000 年にはまた、国別戦略や国別プログラムの策
定、
プロジェクトの企画に参加型アプローチを組み込
むためのガイドラインが作成された。また、アジア太
平洋地域での開発における持続的参加に関する事例研
究を実施するための地域技術援助プロジェクトが着手
された。
非政府組織との協力
非政府組織(NGO)との協力は、ADB が供与する開
発援助の効果、持続可能性及び質を向上させる。ADB
の NGO との協力に関する政策には、ADB の開発援助
が効果的にDMCsの問題や優先課題に取り組むことが
できるよう、NGO と協力し、NGO の経験、知識及び
専門技術を ADB の業務に取り入れるべきであると記
されている。NGO は、多くの場合、現地の人々を代
表し、開発のニーズを特定し、人々にとって効果的な
プログラムを企画し、開発における代替案や意見を提
言する機能を果たしている。NGO と積極的に協力す
ることが、ADB の方針である。
2000 年において、プロジェクト及び技術援助活
動、国別プログラムの作成、政策の策定に関する協
議や対話の場で NGO の参加を得る ADB のプロセス
は、さらに強化されている。ADB の第 33 回年次総会
は、年次総会の枠組みの内外を問わず、市民社会の
代表との意見交換を通じて、NGOと交流する重要な
機会となった。DMCs 及び援助供与国における ADB
とNGOとの協議は、ますます重視されるようになっ
ている。
2000 年中、ADB は、NGO との協力のあり方を検討
した。NGO との協力における新たな目的、NGO と協
力すべき新たな活動分野、ADB と NGO との関係に影
響を及ぼす ADB の組織と NGO 側の状況が検討され
た。また、NGOとの関係を強化する上での課題、ADB
が講ずべき方策が確認された。
このうち最も重要な方
策は、ADB の業務において NGO の参加を確保するた
めのネットワーク作りと、このネットワークの調整に
当たる NGO センターの創設であった。
NGO との協力に関連して、NGO の能力開発が、
ADB の新たな優先課題の一つとなった。2000 年中、
NGOの能力開発を目的とする技術援助プロジェクト
が 2 件実施された。1 件は、アジア財団との協力で実
業務活動における優先課題
施された資金の活用と運営管理の能力向上に取り組
んでいる。ここではさらに、情報を充実させ、国別の
研修教材を作成する予定である。もう一つのプロ
ジェクトは、太平洋地域の DMCs における NGO の能
力開発に対応するものである。2000 年中に太平洋地
域のステークホルダーのためのワークショップが開
催され、優先すべき能力開発のニーズが確認され、こ
れらに対応するための方策が策定された。この他に
も、国際能力開発フォーラムと協力して、NGO の能
力開発のためのアジア太平洋地域ワークショップを
実施した。また、ADB の DMCs においてジェンダー
への配慮を組み込んだ開発を促進するための地域技
術援助の一環として、能力開発に取り組んでいる女
43
性 NGO に対して直接的な資金支援が行われた。
持続可能な開発及び貧困削減を目指して、2000 年
中、地域技術援助を通じて、開発のニーズと新しい取
り組みを検討するための様々な地域別 NGO ワーク
ショップに支援が行われた。これらのワークショップ
では、環境問題に取り組むアジア太平洋地域の NGO
の代表と報道関係者が集まり、
協力が可能な領域につ
いて意見を交わした。プロジェクトの成果は、ADB及
び国連の開発機関による持続可能な開発及び貧困削減
のための活動に取り入れられ、
アジア太平洋経済社会
委員会が主催した環境と開発に関する閣僚会議におい
ても活用された。
非政府組織との協力
2000年中に承認された公共セクター・プロジェクトの64%
に相当する45件のプロジェクトで、非政府組織(NGO)が
大きく貢献している。例えば、バングラデシュ南西部の洪
水被災者に対する援助では、ADB は、小口貸付に関する
NGOの経験を参考にし、
洪水復興プロジェクトの一環であ
る社会復興基金に関してパリ・カルマ・サハヤク財団
(PKSF)と協力した。ADB は、洪水によって家を失った貧
困家庭に融資できるよう PKSF とその提携組織に 1,000 万
ドルを支援した。基金は、回収資金を将来の災害にも活用
できる。パプア・ニューギニアでは、NGO と ADB が協力
して、通常の下水設備が利用できない地域において低コス
トの処理方法を開発している。NGO と国内水利委員会は、
ステークホルダーの参加を得て開発された低コストの対策
を、地方都市上下水道プロジェクトの下で試行する計画で
ある。
利用可能な低コストの対策の大半は既に様々なNGO
によって実施されており、プロジェクトでは、これらの対
策を再度試行する計画である。
44
2000 年 年次報告
業務活動
ADB は 2000 年中、引続き貸付業務の改善を図り、資金の活用とプロジェクト管理の改善に一層努力した。民間
セクター向けの貸付案件は増大している。民間セクター業務の対象は、ADB が経験を積んできたインフラ整備
と金融セクターが引続き中心となった。プロジェクトの効果を増大させ、評価の方法と基準を他の国際金融機
関と整合させるために、ADB は、プロジェクト効果の個別評価に新しい分類システムを採用した。
貸付
ADB の業務実績
百万ドル
官民両セクターに対する貸付は、1999年にはプロジェ
クト 52 件に対し、貸付 66 件、総額 49 億 8,000 万ドル
であったのに対し、2000 年には、プロジェクト 74 件
に対し、貸付 90 件、総額 58 億 5,000 万ドルとなった。
プロジェクト件数の増加により貸付総額も増大した。
このうち政府保証付貸付は、プロジェクト 70 件、
57 億ドルで、うち 41 億ドルが通常資本財源(OCR)、
16 億ドルがアジア開発基金(ADF)からの貸付で
あった。民間セクターに対する政府保証のない貸付
は 4 件、総額にして 1 億 5,600 万ドルであった。貧困
削減戦略の下で、セクター別では、社会基盤整備へ
の貸付が 14 億ドルと、2000 年の総貸付の 24% に相
当する最大の割合を占め、次いで運輸・通信、エネ
ルギー、農業・天然資源の順であった。詳細は、統
計付録の表 1 ∼ 11 を参照。
技術援助
2000 年には、計 306 件、総額 1 億 7,200 万ドルの無償
技術援助が承認された。このうち、社会基盤整備への
技術援助が最大の割合(18%)を占め、次いで農業・
天然資源であった。
1999
貸付
OCR
ADF
総貸付金
2000
増減
3,908.1
4,257.9
9.0
1,070.5
4,978.6
1,592.5
5,850.4
48.8
17.5
7.4
78.2
956.8
173.0
5,159.0
172.0
6,100.6
出資
無償技術援助 a
合計
%
(0.6)
18.2
a 地域的活動を含む。
DMCs への資金移転
(単位:百万ドル)
1999
OCR
貸付実績
元本返済 a
利息/手数料支払
純出資額
正味
ADF
合計
2000
3,710
2,884
(1,130)
(1,671)
(1,835)
(1,818)
16
925
794
1,719
(9)
(778)
782
4
( )内は開発途上加盟国からの資金流入額。
a 6 億 9,300 万ドルの期前償還を含む(7,500 万ドル —1999 年)。
資金移転
ADB から開発途上加盟諸国(DMCs)への資金の純移
転額 1 は、1999 年の 17 億ドルから 2000 年には 370 万
ドルに減少した。2000 年中の ADF 借入国への純移転
額は 7 億 8,210 万ドルであった(1999 年は 7 億 9370 万
ドル)。しかし、1999 年には OCR 借入国への純移転額
が 9 億 2,530 万ドルであったのに対し、2000 年におい
ては、OCR の貸付実行額が減少し(1999 年の 37 億ド
ルに対し 2000 年は 29 億ドル)、一方、OCR 貸付の期
前償還が増加した(1999年の 7,460 万ドルに対し2000
年は6億9,340万ドル)ことから、OCR借入国からADB
に7億7,840万ドルの純資金流入があった。詳細は、統
計付録の表 29 ∼ 30 を参照。
貸付総額は、1999 年の 48 億ドルに対し、40 億ドル
であった。減少の主な要因は、1999 年にはプログラ
ム・ローンの実行額が大きかったことにある。詳細
は、統計付録の表 12 を参照。
1 「貸付実行額」–「原本返済 + 期前償還 + 金利・その他手数料支払い」+「純出資額」
46
2000 年 年次報告
ADB 資金の DMCs への貸付実行額と純移転
(2000 年)
が 2000 年における協調融資総額の 61% を占め、次い
で社会基盤整備が 17%、エネルギーが 13%、工業・非
(単位:百万ドル)
燃料鉱物が 5% を占めた。詳細は、統計付録の表 7 を
–800 –400
0
12
24
200
600 1,000 1,400 1,800 2,200
参照。
グループA
2000 年においては、DMCs16ヵ国のプロジェクト
41 件が協調融資を受け、過去最多のプロジェクト件
グループB1
数となった。ちなみに 1999 年は 14ヵ国 27 件であっ
グループB2
た。協調融資を最も多く受けた国は中国で、約 17 億
グループC
ドル(主に国内の金融機関から)、次いでフィリピン
地域
2 億 4,430 万ドル、ネパール 2 億 2,600 万ドル、バング
ラデシュ 1 億 8,860 万ドルであった。2000 年には、タ
その他DMCs
ジキスタンとウズベキスタンが初めて協調融資を受
純移転
けた。
貸付実行額
DMCグループの分類についてはp.47を参照。
1970 年から 2000 年までの期間における協調融資
は、ADB が援助を行った貸付プロジェクト及びプロ
グラム 557 件に対し、総額約 350 億ドルとなった。そ
の内訳は、公的資金から 217 億ドル、民間資金から 81
2000 年のプログラム・ローンを含む貸付実行率 2
億ドル、輸出金融資金から 52 億ドルであった。この
は、1999年の22.2%から 20.5%にわずかながら低下し
うち、エネルギー・セクターが 150 億ドル(43%)の
た。これは、主として、1999 年にはアジア金融危機へ
協調融資を受け、次いで運輸・通信 75 億ドル(21%)、
の対応策としてプログラム・ローンの実行額が比較的
農業・天然資源 40 億ドル(12%)、社会基盤整備 30 億
大きかったためである。
ドル(9%)、金融 20 億ドル(6%)、その他 35 億ドル
貸付返済額は、1999 年の 31 億ドルに対し、2000 年
(9%)の順であった。
は 40 億ドルに達した。増加の要因は、主に、中国、イ
公的協調融資:2000 年における公的資金からの協
ンド、韓国及びタイからの OCR 貸付の期前償還が行
調融資は、総額 5 億 5,710 万ドルで、1999 年の 20 億
われたことによる。
ドルに対し約 72% の減少となった。しかしながら、
2000 年中の ADB からの純資金移転額が最も大き
2000年に公的協調融資を受けたプロジェクトの件数
かったのは、中国、ベトナム、バングラデシュ及びパ
は、1999 年の 23 件から 29 件に増加した。公的協調
キスタンである。
融資総額の大幅な減少は、主に大型プロジェクト数
件の実施が遅延して2001年にまでずれ込んだことが
協調融資と保証業務
原因である。他方、協調融資のプロジェクト件数の
増加は、ADBが貧困削減に重点を置き、その結果、貧
ADB は、2000 年においても、引続き協調融資に積極
困削減を内容とする ADB のプロジェクトに対する、
的に取り組み、DMCsが二国間及び多国間融資機関や
無償資金協力の形での協調融資が大幅に増加したこ
民間金融機関から無償資金援助や貸付の形で行う追加
とによるものと考えられる。オーストラリア、デン
の資金調達を支援した。
2000年中あらゆる財源から供与された協調融資は、 マーク、フランス、日本、オランダ、ノルウェー、ス
ウェーデン、スイス、英国及び米国から、ADB の貸
約 30 億ドルに達し、これは、ADB の貸付総額 58 億
付プロジェクトに対し、二国間協調融資による支援
5,000 万ドルの約 51% に相当する。2 年連続で協調融
があった。欧州復興開発銀行(EBRD)は、アルマティ
資がADBのプロジェクトの50%以上について実行さ
=ビシュケク地域道路復旧プロジェクトに2,500万ド
れたことになる。運輸・通信セクターのプロジェクト
2 「年初における純貸付可能額」+「その年に新規承認された発効済み貸付額」に対する「年間貸付実行総額」の比率と定義される。民
間セクター貸付は除く。
業務活動
協調融資実績(取極額)(1996 ∼ 2000 年)
(単位:百万ドル)
0
700
1,400
2,100
2,800
3,500
2000 2,966.0
1999 2,859.7
1998 2,939.4
1997 1,291.3
1996 3,172.8
公的融資
民間融資
輸出信用
ルを供与し、プロジェクトは、ADB と EBRD との初
めての協調融資事業となった。その他、地球環境基
金(GEF)、国際農業開発基金、国際開発機関、国際
金融公社、イスラム開発銀行、北欧開発基金、OPEC
国際開発基金などの多国間金融機関からも協調融資
を得た。
2000 年中、無償技術援助に公的資金が活用され
た。日本の日本特別基金(JSF)への例年の拠出に加
え、オーストラリア、ベルギー、デンマーク、フィ
ンランド、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー
47
及びスイスも、技術援助プロジェクトにアンタイド
の無償資金協力を行った。2000 年に ADB が実施し
たアンタイド無償資金協力は、総額 4,020 万ドルと
なった。
日本政府の拠出による JSF を通じて、2000 年中、技
術援助プロジェクト 113 件に対し、総額 7,710 万ドル
がアンタイド・ベースで供与された。これは、承認さ
れた全技術援助の45%に相当する。詳細は、p.82の2000
年日本特別基金からの技術援助(セクター別)を参照。
同様に日本政府の拠出によるアジア通貨危機支援資
金(ACCSF)からも、金融危機の影響を受けた DMCs
に対して引き続き援助を供与した。2000 年中、総額
760万ドルの技術援助プロジェクト7件が承認された。
詳細は、p.83 の 2000 年アジア通貨危機支援資金から
の技術援助(セクター別)を参照。
貧困削減日本基金(JFPR)は、日本政府の 100 億円
(およそ 9,260 万ドル)の当初拠出金をもとに、ADB
の貸付プロジェクトに関連する、
貧困削減及び社会開
発のための活動 5 件に対し、総額 750 万ドルを供与し
た。JFPR が支援を行った活動は、インドネシアの社
会的弱者、フィリピンの農村地域の貧困層、パプア・
ニューギニア及びフィリピンの都市部の貧困層に対す
る支援などである。詳細は、p.84 の 2000 年貧困削減
日本基金からの無償資金援助(セクター別)及び統計
付録の表 35 を参照。
ADB 開発途上加盟諸国の分類
1998年12月の理事会で承認されたADBの開発途上加盟国
(DMCs)に関する分類方式の改定は、1999 年 1 月 1 日より
適用されている。現在の方式では、1 人当たり国民総生産
と債務返済能力の2つの指標により、借入を行うDMCsを、
1
グループ A、B1、B2 及び C に分類している 。この分類シ
ステムに基づき、アジア開発基金(ADF)からの融資の適
格性、ADB 融資の適用上限、技術援助コストの政府拠出の
最低比率が決定される。
グループA(ADF貸付のみ)には、アフガニスタン、ブー
タン、カンボジア、キリバス、キルギス、ラオス、モルジ
ブ、モンゴル、ミャンマー、ネパール、サモア、ソロモン
諸島、タジキスタン、トゥヴァル、バヌアツが含まれる。
グループ B1(ADF と一定額までの通常資本財源 OCR 貸
2
付)には、バングラデシュ、クック諸島 、マーシャル諸島、
ミクロネシア連邦、パキスタン、スリランカ、トンガ、ベ
トナムが含まれる。
グループ B2(OCR と一定額までの ADF 貸付)には、中
3
国、インド、インドネシア 、ナウル、パプア・ニューギニ
アが含まれる。
グループ C(OCR 貸付のみ)には、フィジー諸島、カザ
フスタン、マレーシア、フィリピン、タイ、ウズベキスタ
ンが含まれる。
さらに、通常のADBの支援から卒業するための基準も設
定された。香港、韓国、シンガポール及び台湾の 4ヵ国は、
通常の ADB の支援から卒業している。
1
2
アゼルバイジャンとトルクメニスタンはまだ分類されていない。
対外債務状況が改善した上でのみ、通常資本財源の利用が限定的に認められる。
3
ADF の援助からの卒業検討リスト上にある。
48
2000 年 年次報告
総額 400 万ドル相当のアンタイド無償資金協力に
ついて、デンマーク政府及びスペイン政府とのチャ
ネル・ファイナンス契約が承認された。加えて、オラ
ンダ政府が、当初拠出金600万ドルの再生可能エネル
ギー/エネルギー効率化促進協力基金を創設した。
また、ADB へのプロジェクト準備無償援助資金の提
供に関し、GEF との取極めが締結された。GEF から
の約 200 万ドルのプロジェクト準備無償技術援助が、
やがて、その後の貸付プロジェクトの実施に対する
約7,400万ドルのGEF無償資金援助につながるものと
期待される。
民間協調融資:2000年における民間協調融資は、プ
ロジェクト 14 件に対し、過去最高の総額 23 億ドルに
達し、1999 年実績の 7 億 4,000 万ドルに対しておよそ
200% の増加となった。これには、カンボジア、中国、
インド、カザフスタン、パキスタン、フィリピン及び
ベトナムの国内金融機関からの総額約 17 億ドルの協
調融資が含まれている。また、バングラデシュの電力
プロジェクト及びフィリピンの高速道路復旧・拡充プ
ロジェクトの2件の補完融資制度ローンも取り決めら
れた。
保証業務:2000 年中、ADB は、インドの送電プロ
ジェクト(1 億 2,000 万ドル)に対する部分信用保証 1
件と、バングラデシュの電力プロジェクト(7,000 万
ドル)、スリランカの電力プロジェクト(5,200 万ド
ル)、及びパキスタンの中小企業貿易金融プログラム
(1 億 5,000 万ドル)に対し初の政治リスク保証 3 件を
承認した。
輸出信用機関との協調融資:ADB は、ADB の輸出
信用機関(ECA)に対する協力戦略の一環として、主
要 ECAs の多くと協力協定を締結した。この戦略で
は、多額の輸入調達を必要とする公共セクター・プロ
ジェクトにおいて輸出信用機関との協調融資を活用
することを奨励している。民間セクターのスポン
サーが取り組むプロジェクトに資金提供するために、
ADB と ECAs が一層緊密かつ新たな形で協力する可
能性もある。2000 年中、輸出信用機関との協調融資
は 1 億 4,800 万ドルに達した。これは、フィリピンと
ベトナムのプロジェクト2件に対し、フランス貿易保
険機構(COFACE)、オーストラリア輸出金融保証公
社及びマレーシア輸出入銀行から供与されたもので
ある。
貸付プロジェクトの総コストと資金調達源 a
(2000 年)
ADB
45%
その他
27%
借り手/政府
25%
受益者/転借人
3%
合計:131億ドル
a
公的資金、輸出信用及び民間資金、共同出資者、現地
の参加民間企業及び金融機関からの協調融資を含む。
案件管理
案件の成果:限られた資金を効果的に配分できるよ
う、ADB は、引続き健全なプロジェクト案件の管理・
維持を重視している。
国別案件評価(CPRs)は、対象とする国及び頻度
を次第に拡充しつつある。CPRs は、ADB の駐在員事
務所代表の主導で実施されている。ADB及びDMCの
代表が参加する各国の CPR では、セクター別に当該
国の案件を検討し、問題点を指摘し、定められた基準
に達していない効果指標を明らかにしている。不十
分な成果を是正するための期限を定めた行動計画を
策定し、案件の成果に関するフォローアップの議論
のたたき台としている。可能な場合には、日本の国際
協力銀行や世界銀行と共同で、共同CPRsが実施され
ている。
2000 年中、ADB は、案件管理行動計画(PMAP)の
実施に着手した。これは、報告書『T o w a r d R e a l
Portfolio Management: Final Report of the Working Group
on Spring-Cleaning(実効性のある案件管理を目指し
て:改革作業グループの最終報告)』の勧告を実践し
たものである。PMAP は、案件管理を強化し、ADB 及
び DMCs 双方における案件管理の原則を定め、プロ
ジェクトや技術援助を規律ある形で管理・運営して、
DMCsにおける開発インパクトを高めるための枠組み
を提示するものである。PMAP に従い、成果をモニタ
リングし、評価するための国別、セクター別、プロ
ジェクト別効果指標が策定される。指標には、プロ
業務活動
ジェクトや投資対象案件が効果減少要因を潜在的に抱
えているか否かを測る尺度である「at risk(危険にさ
らされている)」コンセプトが含まれる。
多国間開発銀行及び国際金融機関は、調達契約書
類の整合性を図るため、1998 年に調達協力グループ
を結成した。グループは、1999 年に財及び関連サー
ビスの調達のための標準入札書式に合意した。ADB
は、2000年に、これらの入札書式のADB版を作成し、
ADB のウェブサイトに掲載した。また、工事及びコ
ンサルタントの雇用についても、2000 年中に、標準
事前資格書式の作成作業を進め、2001 年半ばには完
成する予定である。調達協力グループは、調達に関す
るガイドラインとコンサルタント雇用に関するガイ
ドラインの共通の枠組みを設定する必要について議
論を進めている。
プロジェクト実施状況:2000 年には、公共セクター
86 件、民間セクター 4 件、合計 90 件の新規貸付が承認
された。これにより、現在実行中の貸付は、公共セク
ター 496 件、民間セクター49件、合計545 件となった。
公共セクター貸付プロジェクトのうち、極めて良好と
評価された貸付 31 件を含め、393 件の貸付が、財務、
物品の調達、プロジェクト実施の各側面において良好
に進行していると評価された。他方、103 件の貸付が
やや不良と評価され、これらはいずれも実施上あるい
は運営上の問題を抱えていた。開発目的の達成度で
は、
(極めて良好の貸付 8 件を含め)453 件の貸付が良
好と評価されたが、43件の貸付はやや不良と評価され
た。これらの評定は、様々なプロジェクトの内容から
期待される開発の成果、効率性あるいは便益を評価し
たものである。不良及びやや不良の評価を受けた貸付
を合計すると、件数では案件全体の 22.6%、額では
30.1%(102 億ドル)となる。
案件の成果を改善するためには、
不良及びやや不良
のプロジェクトの管理・運営をさらに強化し、効果的
なものとすることが必要である。PMAPに基づく取り
組みでは、プロジェクトの評価報告の透明性と正確性
を高め、
「at risk」コンセプトを活用して、実施の早い
段階で潜在的に問題を抱えるプロジェクトを特定する
ことを目指している。これによって、プロジェクトの
遅れや不十分な成果を防止するための改善措置をとる
予定である。
民間セクター向け貸付及び複合プロジェクトのレ
ビューを含め、総計で723件のプロジェクト実行管理
49
ミッションが派遣され、プロジェクトの実施状況を
評価して問題点を議論し、案件の成果を改善し、世
界銀行やその他多国間開発銀行との合同プロジェク
ト・レビューを含め、国別実績とセクター別実績双
方を結びつけて評価が行われた。これらのプロジェ
クト・レビューには、総計 8,668 人日(プロジェクト
1 件当たり平均 14.4 人日)が投じられた。国別案件評
価ミッションが DMCs19ヵ国に派遣され、プロジェ
クト実施上の問題、監査対象のプロジェクトの会計
報告や財務諸表の提出期限の厳守、様々なセクター
に共通に関連する問題及びその改善策について、各
国政府と議論が行われた。インドネシアとフィリピ
ンの案件について見直しが行われ、評価ミッション
により、2 億 210 万ドルの貸付取り消しが相当との判
断がなされた。
A D B の地域及び駐在員事務所は、引き続きプロ
ジェクトの実施において重要な役割を果たした。
ADB の駐在員事務所に関する政策により、2000 年中
に中国、モンゴル及びタイの 3ヵ所の駐在員事務所が
承認された。さらに、フィリピン国内事務所と東ティ
モール特別連絡事務所の2つの特別事務所が設置され
た。また、国別プログラム立案、プロジェクト実行管
理及び案件管理など主要な業務機能が現地事務所に委
任された。2000年末現在、総数にしてプロジェクト10
件に対する貸付10件の実行管理が、バングラデシュ、
インドネシア及びパキスタンの駐在員事務所に委任さ
れている。
2000 年中、プロジェクト 87 件が完了し、その結果、
完了したプロジェクトの累計総数は、1,382 件となっ
た。51件のプロジェクト完了報告書が作成され、2000
年末現在作成された報告書の総数は 928 件となった。
詳細は、統計付録の表 14 を参照。
契約締結:2000年中、コンサルタントの雇用、物品、
関連サービス及び工事の調達について、総額 34 億ド
ルの契約(技術援助プロジェクトに係る契約を除く)
が、DMCs の実施機関によって締結された。この実績
は前年比 27% の減少で、その原因は、1999 年にはア
ジア金融危機支援関連の契約が多く行われたことと、
2000 年の契約締結が主要借入国数ヵ国において予測
を下回ったためである。
貸付プロジェクトに係るコン
サルティング契約は、312 件、総額 1 億 9,280 万ドルで
あった(97 件が国際契約、215 件が国内契約)。詳細
は、統計付録の表 15 ∼ 23 を参照。
50
2000 年 年次報告
契約締結及び貸付実行
(1996 ∼ 2000 年、年末累計)
(単位:十億ドル)
1996
1997
1998
1999
2000
80
貸付発効額(ネット)
60
調達契約額
貸付実行額
40
20
貸付実績:2000 年の貸付実績は 40 億ドルとなり、
2000 年目標額の 45 億ドルを 11%、1999 年の実績を
16.7% 下回った。そのうち、OCR からの貸付が 29 億
ドル、ADF からの貸付が 11 億ドルで、それぞれ貸付
実績総額に占める割合は、72.5% と 27.5% であった。
2000年の実績が予測を下回った原因は、プログラム・
ローンにおいて条件達成が遅れたことと、
プロジェク
トの実施が予想よりも遅延したことによる。また、
1999 年の実績を下回ったのは、1999 年にはアジア通
貨危機に伴う多数のプログラム貸付が依然実行されて
いたためである。1999 年と 2000 年の貸付形態別貸付
実行額の詳細な比較については、統計付録の表 12 を
参照。
プロジェクトの実施と管理に関するセミナー:
2000 年には、プロジェクトの実施と管理に関するセ
ミナーが 9 件実施され、開催期間 2 週間の各セミナー
には、DMCs からの代表総計 342 名が参加した。9 件
のうち、6 件のセミナーは国別セミナーで、バングラ
デシュ、インド、インドネシア、カザフスタン及びネ
パール各国で各1件ずつ開催され、もう1件はタジキ
スタンとウズベキスタンでの合同セミナーであった。
国別セミナーの受講者は、1ヵ国平均 35 名であった。
一方、ADBの本部及びパプア・ニューギニアでは2件
の地域セミナーが開催され、中国では指導者研修セ
ミナーが開催された。また、コンサルタントの活用に
関する8件のセミナーが、インド、キルギス、ラオス、
ネパール、パキスタン、タイ、ウズベキスタン及びベ
トナムにおいて開催された(参加者数 278 名)。また、
国内のコンサルティング・サービスの開発に関する
セミナーが、タイとベトナムで開催され、153 名の参
加があった。
セミナーは、DMCsにおけるプロジェクトをより円
滑に実施するための長期にわたる体系的アプローチの
一環である。このアプローチには、組織を強化し、人
的資源を開発し、間接的にガバナンスの問題に対処す
る能力開発が含まれている。セミナーでは、調達、コ
ンサルタントの採用、貸付実行、腐敗防止などに関す
る ADB のガイドライン、実務及び政策についての知
識も含め、プロジェクトを実施する基準及び方法につ
いて、プロジェクトの責任者、現地担当者及び主要実
施機関スタッフの研修を行っている。
セミナーの公式な評価及び非公式なフィードバック
などから、研修は、技能強化、さらに、プロジェクト
実施及び管理に関する ADB の規定についての理解促
進に、成果を上げていることは明らかである。セミ
ナーの構成及び内容については、継続的に見直しを行
い、ADB が資金を供与するプロジェクトに対する新
たなニーズやプロジェクトが実施される環境の変化に
対応できるよう努めている。例えば、貧困削減に重点
を置くことに伴い、最近のセミナーでは地方政府の積
極的な参加を得ている。
ビジネス・オポチュニティーズ・セミナー:36 件の
ビジネス・オポチュニティーズ・セミナーが、オース
トラリア、ベルギー、カナダ、中国、デンマーク、フィ
ンランド、フランス、ドイツ、インドネシア、日本、
マレーシア、オランダ、ニュージーランド、ノル
ウェー、シンガポール、スペイン、スウェーデン、英
国及び米国において開催された。セミナーでは、ADB
が資金を供与する貸付及び技術援助の下で提供される
ビジネス・チャンスが紹介され、ADB のガイドライ
ンに従った入札やプロポーザルの準備について助言が
行われ、入札の評価及びコンサルタントのプロポーザ
ルの評価の手順について説明がなされた。このセミ
ナーには、ADB が資金を供与するコンサルティング
契約やプロジェクトの遂行に関心のあるコンサルタン
ト、供給業者、下請け業者、及び企業の責任者が参加
した。
セミナーには、全体で、1,945 名を上回る参加者が
出席し、講演、ディスカッション、個別コンサルテー
ションに参加した。加えて、オーストラリア、カナダ、
イタリア及び米国から訪れたミッションのために、
ADBの本部において4件のセミナーが開催され、毎回
51
業務活動
平均70名の参加があった。セミナーは、これまでADB
のことをあまり知らなかった企業にとって、将来のビ
ジネス・チャンスについての情報を得る場となった。
他方、これまで ADB が資金を供与するプロジェクト
や技術援助に携わってきた企業は、新しい担当者に
ADB の実務を習得させる場としてセミナーを活用し
た。ADB は、また、タイ及びベトナムにおいて、国内
コンサルタントの育成のため、2 件のセミナーを開催
した。
民間セクター業務
2000 年末の ADB の民間セクター向け投融資残高は、
1999 年の 11 億ドルに対し 9.7% 増の 12 億ドルに達し
た。1 億 900 万ドルの増加分は、主に 2 億 3,420 万ドル
の新規承認から貸付返済分を相殺した結果である。
2000 年末の民間セクター向け投融資のうち、64% の 7
億 9,130 万ドルが貸付、36% の 4 億 5,100 万ドルが出資
であった。
1983 年に ADBが初めて民間セクターへの資金支援
を行って以来、承認累計額は、補完融資分約7億5,580
万ドルを含め、プロジェクト 134 件、19 億ドルに達し
た。ADB の関与によって、161 億ドルの協調融資によ
る資金調達が実現し、ADBの資金支援の 8.4倍の投融
資がなされたことになる。2000 年末の貸付実行累計
額は、8,360 万ドル増の 13 億ドルに達した。上記承認
累計額のうち、29% に相当する 5 億 5,390 万ドルが返
済あるいは資金回収済みとなっている。
ADB の民間セクター業務は、引き続きインフラ整
備と金融/資本市場のセクターを中心に展開された。
2000 年中、電力セクターに対し 2 件、有料道路に対
し 1 件、水処理工場に対し 1 件の民間セクター・プロ
ジェクトが承認された。DMCs におけるインフラ整
備プロジェクトは、民間セクター向け投融資の
47.5%(5 億 9,010 万ドル)を占めている。金融セク
ターに対する承認案件には、投資信託のプロジェク
ト6件と輸出金融保証機関のプロジェクト1件が含ま
れている。
2000年末現在、民間セクター投融資の16.9%に相当
する 2 億 1,070 万ドルが、資本市場及び金融市場の発
展・強化をリードする金融機関に対するものであっ
た。また、20% に相当する 2 億 4,630 万ドルは、DMCs
のインフラ整備プロジェクト、中小企業及び金融機関
に投資するファンドと資金運用会社への資金支援で
あった。このような資金支援を通じて、ADB は、利
用可能な自己資金や人材を活用して、
民間投資を支援
している。
民間セクター向け投融資の残りの15.7%(1億9,520
万ドル)は、農業と製造業に対するものである。これ
らの資金支援の大半は、農業や工業の大型ベン
チャー事業への民間投資を奨励している DMCs 数ヵ
国の政府を ADB が支援して、1980 年代半ばに行った
ものである。
2000年におけるADBの民間セクター業務の拡大に
伴い、返済、中止、取消し分を除いた実行中の案件は、
1999 年より 9 件増の 100 件となった。その内訳は、
DMCs13ヵ国の国内企業 82 社、地域金融会社及び基
金18社である。このうち63社は好業績を上げており、
10 社は状況が変動しており、27 社は予想を下回る業
績であった。ADB は、引続き慎重なリスク管理を行
い、これらの業績不振企業の再建や再編を支援して
いる。
民間セクター向け投融資状況(2000 年)a
投融資状況
企業数 百万ドル
19
590.1
インフラ
%
47.5
金融機関
29
210.7
16.9
農業、製造業、その他産業
17
195.2
15.7
投資信託
合計
35
246.3
19.9
100
1,242.3
100.0
a 2000 年の 12 月 31 日現在の為替レートによる。
民間セクター向け投融資の国別内訳
(2000 年)(単位:百万ドル)
0
50
バングラデシュ
127.0
中国
165.1
インド
142.5
インドネシア
40.1
ネパール
49.3
パキスタン
90.3
フィリピン
206.3
スリランカ
81.2
タイ
30.4
ベトナム
65.0
地域
その他 DMCs
242.9
2.2
100
150
200
250
52
2000 年 年次報告
2000 年の民間セクター向け投融資による利息その
査 4 件、セクター別総合分析 1 件、技術援助完了報告
他収入総額は、1999年の 2,900 万ドルに対し、3,100 万
書 2 件、『Twenty-Second Annual Review of Evaluation
ドルであった。受取配当金は、1999年の350万ドル(利
O p e r a t i o n s (第 2 2 次評価報告書年次レビュー)』、
回り 1.3%)に対し、2000 年は 1,140 万ドル(利回り 『Evaluation Highlights of 1999(1999 年評価ハイライ
4.3%)に増加した。2000 年中の株式売却による売却
ト)』、『Report on the Results and Impacts of ADF
益は 1,680 万ドルで、1999 年の 250 万ドルの売却損と
Operations(ADF業務の結果及びインパクト報告書)』、
比較すると業績は大幅に改善した。
『Assessing Impact on Development: Education Sector
(開
資産及び出資の欠損に備える偶発損失引当金額は、 発インパクト評価:教育セクター)』、公共セクター・
1999年末の1億3,750万ドルから2000年には1億4,000
プロジェクト用の『Guidelines for the Preparation of
万ドルとわずかながら増加した。
この損失引当金の額
Project Performance Audit Reports(プロジェクト効果
は、2000 年末現在の投資対象残高の 20.6% に相当す
監査報告書作成ガイドライン)』改訂版の合計40件の
る。1999 年においては 19.9% であった。
報告書を作成した。
案件の評価と開発インパクト
プロジェクト/プログラム効果監査報告書
2000 年中、OEO は、22 件のプロジェクト/プログラ
業務評価室(OEO)は、独立性を持った優れた評価を
ム効果監査報告書を作成した。対象となったのは、21
遂行することによって、貧困なき地域という ADB の
件のプロジェクト及びセクター・ローン、5 件のプロ
ビジョンの実現を支援している。
完了したプロジェク
グラム・ローンである。OEO は、2000 年にプロジェ
ト、
プログラム及び技術援助の効果を評定するという
クト/プログラムの分類方法をこれまでの 3 段階か
従来の機能に加え、OEOは、特定のテーマに関する調
査、ADB の業務、実施方法及び手続の有効性の評価、 ら4段階に分類するよう変更した(p.53の囲み記事を
参照)。DMC グループ別あるいはセクター別の内訳
進行中の業務に関するフィードバック、OEO の勧告
では、大半のプロジェクトやプログラムの評価は真
に対し ADB 及び実施機関が講じた施策のモニタリン
ん中の2つの段階に集中し、明確なパターンが見られ
グ及び報告、自己評価を強化するための ADB 内外の
ない。
評価能力の開発、さらに評価方法に関する多国間及び
総合評価を見ると、非常に成功と評価された2件の
二国間機関との緊密な調整などを行っている。
プロジェクト(8%)を含め、13 件のプロジェクト
OEO は、業務部局の自己評価能力及びプロジェク
(50%)が成功、10
件のプロジェクト/プログラム
トの効果測定の信頼性を高めるために、貸付及び技術
援助の計画案やプロジェクト完了報告書を精査し、よ (38%)が成果不十分、3 件(12%)が不成功と評価さ
れた。2000 年中に検討された 21 件のプロジェクト/
り効果的なフィードバックを行い、学んだ教訓を活か
セクター・ローンのうち、2 件(10%)が非常に成功、
す努力を続けている。
新規プロジェクトの立案に活用
11 件(52%)が成功、6 件(28%)が成果不十分、2 件
することを目的としたプロジェクト効果管理システ
ム、
論理的整合性のある効果指標を活用するための研 (10%)が不成功と評価された。また 5 件のプログラ
ム・ローンについては、4 件(80%)が成果不十分、1
修、進行中のプロジェクトのモニタリング、管理及び
件(20%)が不成功と評価された。
インパクト面の評価を拡充した。また、OEO は、いく
総合評価をセクター別に見てみると、評価結果はま
つかのDMCsにおいて、評価能力の開発を支援してい
ちまちである。成功または非常に成功と評価されたプ
る。OEO は、そのフォローアップ行動報告書を通じ
ロジェクト 13 件のうち、10 件はインフラ整備(エネ
て、ADB のスタッフすべての政策立案プロセス及び
ルギー、運輸、通信)と農業及び社会基盤整備に分散
意思決定プロセスにおいて評価結果が十分活用される
している。運輸プロジェクト 1件と都市開発プロジェ
よう努力している。
クト 1 件が非常に成功との評価を受けた。
2000 年中、OEO は、プロジェクト/プログラム効
成果不十分または不成功と評価された13件のうち、
果監査報告書 22件、技術援助効果監査報告書 3件、再
6 件は農業及び社会基盤整備、もう 6 件はインフラ整
評価調査 1 件、インパクト評価調査 2 件、特別評価調
業務活動
備で、このうちの通信プロジェクト 2 件は、合理性が
乏しく、プロジェクト準備も十分でなかったことか
ら、不満足な結果となった。
グループA及びB1の諸国(国の分類についてはp.47
の囲み記事を参照)における 14 件のプロジェクト/
プログラムのうち、5 件(36%)は成功、8 件(57%)
は成果不十分、1 件(7%)は不成功であった。グルー
プ B2 の諸国のプロジェクト/プログラムの評価結果
はこれよりも良く、11 件のうち 2 件(18%)が非常に
成功と評価された。評価対象となったグループCのプ
ロジェクト 1 件は、成功と評価された。
53
再評価調査
ADB の理事会の要請で実施されたバングラデシュの
保健・家族計画サービスプロジェクトの再評価は、プ
ロジェクト効果監査報告書における「部分的に成功」
という評価結果を再確認するものとなった。調査で
は、プロジェクト策定段階の目的がほぼ達成され、農
村社会における女性と子どもたちを中心とした保健
サービスの改善と、それを利用する機会の増大にプロ
ジェクトが役立っていることが明らかにされた。他
方、プロジェクトに研修面の配慮がなかったこと、適
プロジェクト効果の評価
2000 年 9 月に承認された『Guidelines for the Preparation
of Project Performance Audit Reports(プロジェクト効果
監査報告書作成ガイドライン)』改訂版は、1992 年以降の
ADB の業務の変化と、資金調達機関に共通の、業務評価に
影響を与える諸問題に対処したものである。最新版のガイ
ドラインでは、評価の方法と基準の一致を図ろうという評
1
価協力グループ の取り組みを反映して、プロジェクトの
成果評定の基準を大幅に改定した。新しいシステムは、ま
た、経済協力開発機構の開発援助委員会の基準ともほぼ一
致している。
プロジェクト/プログラム効果監査報告書は、
今後もこれまでと同様、プロジェクトあるいはプログラム
が成果について適正な判断を行うに十分な期間(少なくと
も 3 年間)実施された上で、かつ、プロジェクト/プログ
ラム完了報告書が理事会に配布されたことを条件に作成さ
れる。
新ガイドラインの重要な特徴は、
「総じて成功」、
「部分的
に成功」、「不成功」の 3 段階の総合評価に代わり、4 段階
の評価システムを採用する点である。ガイドライン改定の
目的は、結果を正当に比較できるように評価協力グループ
の他のメンバーのシステムと整合性のあるシステムを整備
することと、とりわけ「部分的に成功」のカテゴリーに分
2
類されるプロジェクト について、評価の透明性を高める
ことにあった。総合実績評価は、5 つの主要基準(計画の
適切さ、有効性、効率性、持続可能性、組織開発及びその
他へのインパクト)に割り当てられたウェートを掛けて算
出した加重評点の合計である。以下に総合評価を簡単に説
明する。
・ 非常に成功:加重平均が 2.5 以上で、5 つの実績基準
のいずれも 2 以上の評点のもの。この評価は、予想を上回
る成果を上げていると共に、プロジェクト実施期間中に目
的や目標が持続可能な形でかつ効率的に達成され、DMCs
及びADBの目標に適合するものであり、意図しない重大な
悪影響を生じることはないと見込まれるプロジェクトに与
えられる。
・ 成功:加重平均が 1.6 以上 2.5 未満で、5 つの実績基準
のいずれも1以上の評点のもの。達成度が「非常に成功」の
評価を下すには不十分、あるいは「非常に成功」の評価を
阻むような問題点が一部にあるものの、重大な欠陥ではな
く、所期の目的・目標は予想経済耐用期間の大半にわたり
持続的にほぼ達成されると見込まれる。プロジェクトは、
DMCs 及び ADB の目標に適うものであり、効率的に実施、
運営され、もたらされる利益に比べ悪影響は少ない。
・ 成果不十分:加重平均が 0.6 以上1.5 以下で、評点 1以
下の評価を得た基準が 2 つ以下。評価では、目的・目標の
達成についてはかなり不十分と予想され、完全な持続可能
性は疑わしいが、重要な便益をもたらす側面もあると期待
される(例えば、元来期待されたレベルの少なくとも半分
程度の達成度)。
・ 不成功:加重平均が 0.6 未満。評価では、設備が稼働
されたとしても、設備の稼働率が低い、あるいは多額の補
助金を必要とするほどコストが高いことなどが見込まれ、
プロジェクトは技術的及び経済的に失敗と考えられる。数
多くの悪影響があるものと見込まれ、効率性が低い。
1
評価協力グループは、1996 年に創設され、加盟機関の評価担当者間の協力を強化し、加盟機関の評価方法の整合性を図ることに取り組んでいる。
加盟機関は、アフリカ開発銀行、アジア開発銀行、欧州復興開発銀行、欧州投資銀行、米州開発銀行、及び世界銀行グループである。
2
これまでのガイドラインでは「部分的に成功」と分類されたプロジェクトでも、その中で評価の高い方のプロジェクトは、
「成功」のカテゴリーに
入ることになる。また、
「総じて成功」と評価されたプロジェクトでも、その中で評価の低い方のプロジェクトは、
「成功」のカテゴリーに分類さ
れ、他方評価の高い方のプロジェクトは、「非常に成功」のカテゴリーに分類されることとなる。
54
2000 年 年次報告
切な情報提供やデータベースが不十分であったこと、
ステークホルダーとの協議が限られていたことなど、
プロジェクト内容の企画が不十分で、期待されたほど
の効果が上がらず、一部効果の持続可能性が低いこと
が調査で明らかにされた。また、スタッフや維持管理
費の不足、運営管理の不備、効果的なモニタリングと
情報システムの欠如など、保健セクターに広く見られ
る問題が、プロジェクトの効果を減殺した。
2000 年カントリーグループ別
プロジェクト/プログラム効果比較
(件数)
0
1
2
3
4
5
グループA
グループB1
グループB2
技術援助効果監査報告書
一定件数の技術援助をまとめて評価することによって
ADB の業務を評価するという OEO の方針に従い、
2000年には、3件の技術援助効果監査報告書が作成さ
れた。検討対象となった 11 件の技術援助のうち、2 件
(18%)が非常に成功、7 件(64%)が成功、2 件(18%)
が成果不十分と評価された。
モンゴルでは、自然環境省の能力開発、環境政策
の策定、特に環境影響評価に関する2件の無償技術援
助が行われた。環境影響評価の強化に関する技術援
助は成功したが、他方、自然環境省の環境管理能力
の強化に対する技術援助は成果不十分との評価で
あった。いずれの援助もフォローアップは行われて
いないので、達成された成果が持続されない惧れが
ある。
道路の安全性に関する調査では、中国とインドにお
ける諮問的技術援助 2 件、地域技術援助 1 件が対象と
なった。調査の結果、安全教育や安全性の検査などの
措置を導入して安全の確保に取り組む必要性が指摘さ
れた。報告書は ADB に対し、すべての DMCs におい
て道路の安全確保に関する地域及び国内の取り組みを
奨励するよう求めている。3 件の無償技術援助は所期
の目的を達成したと評価された。
中国への技術援助と
地域技術援助は非常に成功との評価を得た。
バングラデシュにおける組織強化及び組織改革に
対する 6 件の技術援助についても評価が行われた。
これらは、バングラデシュ鉄道の財務の安定と市場
の需要への対応を目的としたものであった。評価か
ら、次の 3 つの重要な教訓が得られた。
(i)プロジェ
クトの実施に先立ち、また実施中に技術援助を受け
る側にオーナーシップが見られることが必要である、
(ii)助言を与え、実施上の問題に対処するためには、
定期的に運営・管理委員会を開催することが有効で
グループC
不成功
成果不十分
成功
非常に成功
DMCグループの分類についてはp.47を参照。
ある、
(iii)組織改革を目的とする技術援助において
は、新しい措置や改革の手段を制定・運用すること
を明確な目的とし、持続可能性を確保するべきであ
る。5 件の技術援助が成功、1 件が成果不十分と評価
された。
インパクト評価調査及び特別評価調査
ネパールの道路プロジェクトについて、インパクト
評価調査が行われた。調査では、ADB の援助が輸送
機関の効率化とアクセスの改善にとりわけ有効であ
2000 年セクター別
プロジェクト/プログラム効果比較
(件数)
農業及び天然資源
社会基盤整備
エネルギー、工業
及び非燃料鉱物
運輸及び通信
金融
マルチセクター/
その他
不成功
成果不十分
成功
非常に成功
業務活動
り、また、国の統合にも貢献したことが確認された。
調査から明らかになった重要な点は、丘陵地帯の道
路プロジェクトを準備するに当たっては、どのよう
な条件の下であれば道路建設が効果的かを判断する
ために、道路工事区域における生産及び社会的状況
の詳細な調査が必要であるとされたことである。場
合によっては、十分な効果を確保するために、プロ
ジェクトの一部としてまたはプロジェクトに関連し
て、道路以外の補完的開発事業を組み込むことが必
要となる。
また、DMCs7ヵ国における世帯、金融機関及び実施
機関に対する農村信用供与援助の効果を評価する調
査も行われた。調査の結果、ADB の援助によって生
産性、技術、ひいては農家の所得が向上し、金融機関
の貸付対象案件の質も向上したことが明らかになっ
た。しかしながら、所得の再配分、貧困の削減及び健
全な農村金融システムの発展に関してのプロジェク
トの効果については、それほど明白ではなかった。農
村信用供与は、DMCsに一般的に好影響をもたらすも
のの、実施機関の為替差損、設定された条件のために
実施機関が無理な対応を余儀なくされている、ある
いは、深さが十分ではない掘り抜き井戸に資金が供
与されることによって地下水の過剰利用が生じるな
ど、悪影響が生じたケースも認められた。調査から得
られた重要な教訓は、以下の 5 点である。
(i)貧困者
に対象を絞るためには、参加型アプローチが必要で
ある、
(ii)農村信用供与プロジェクトは、主として貧
困者のニーズを満たす健全な農村金融システムの発
展を支援するものでなければならない、
(iii)農村信
用供与プロジェクトを計画する際には、過剰な管理
費と実施上の問題が生じることを避けるために、金
融機関または実施機関の能力と権限を考慮するべき
である、
(iv)技術援助は、能力開発に適切で有効な
手段である、
(v)為替相場の影響を緩和するための手
段が必要とされる。
ADBの住民移転に関する政策のインパクトを検討
する特別評価調査も行われた。調査によって、政策
が包括的なものであり、ADB が資金を供与するプロ
ジェクトの影響を受ける人々に適正な対処を行う上
でほぼ妥当なものであることが確認された。調査で
は、政策がその開発目的を達成し、喪失資産に対す
る補償を促進し、住宅及びインフラを整備し、移転
世帯の暮らしを立て直す上において成果を上げてい
55
ることが実証された。同様に、弱者グループ、とり
わけ貧困者や土地を持たない人々についても対応が
必要なことが明らかとなった。他方、住民移転事業
の監督・モニターについては、ADB 及び実施機関の
いずれもその能力が不十分であることが調査で確認
された。また、DMCsでは政策に即した包括的な法的
枠組みが欠けており、大半の DMCs においては住民
移転住事業を実施する組織能力が弱く、住民移転事
業の監督・モニターが十分に行われていない。計画
された住民移転事業を実施する資金も DMCs 国内で
は不十分である。さらに、プロジェクト準備の初期
段階における社会状況分析が不十分であり、多くの
DMCs においては住民移転事業に対する政府側のコ
ミットメントが欠けているなど、政策の実施に当た
り、いくつかの制約を抱えている。調査では、これ
らの制約を緩和するために、政策実施の合理化、適
切な国内政策の採用、住民移転に対する ADB による
十分な資金供与、住民移転プロジェクトに対する監
督・モニターの強化、ADB 及び DMCs 双方の組織能
力の強化、初期段階における社会状況分析の改善を
勧告している。
また、農業及び天然資源に関する研究における
ADBの役割と支援について評価するための特別調査
が実施された。調査により、ADB が資金を供与して
いる研究プロジェクトによって開発された技術が、
農業及び天然資源の研究におけるADBの政策課題の
達成、恵まれない環境にある貧しい農民をはじめと
する農民の所得改善に貢献していることが明らかと
なった。このような研究への支援は、貧困の削減に貢
献し、急増するアジアの人口を養うという将来の難
題に対処するためには継続されなければならないと
いうことが調査によって実証された。ADB の研究に
関する現行の政策は、貧困削減という ADB の主要目
標に合致しているが、貧しい農民のために持続可能
な農業システムの導入を促進する技術の開発を重視
し、農業及び天然資源の適切な管理を持続し、農業の
生産性を高める必要がある。また、国の農業研究シス
テムを強化し、公共政策と社会経済の研究を促進す
る必要がある。調査は、ADB に対し、引続き国際農
業研究センターによる最先端の研究及び各国の能力
強化のための努力を支援し、技術援助において、農業
及び天然資源研究のプロジェクトの監督・モニター
を強化することを勧告している。また、恵まれない環
56
2000 年 年次報告
境にある貧しい農民のための研究を重視し、国内の
農業研究に十分な注意が払われ、資金が供与される
ようにDMC各国政府との政策協議を促進することも
勧告している。
参加型開発プロセスの特別調査では、プロジェクト
の効果を増大させ、受益者がプロジェクトから十分な
恩恵を受け、貧困を削減することを目的として、プロ
ジェクトのステークホルダーの参加について検討し
た。
社会的弱者や貧しい人々が直接恩恵を得ることが
できる農業・天然資源及び社会基盤整備プロジェクト
の大半については、それらが効果を上げ、持続可能な
ものとなるためには参加型開発プロセスが必要である
ことが調査によって確認された。また、プロジェクト
の進行管理における制約や、主要なステークホルダー
が参加する機会が限られていることなどから、プロ
ジェクトの発掘・準備の段階におけるステークホル
ダーの関与が十分ではないことが明らかにされた。調
査では、参加すべき地方政府、NGO 及び主要ステー
クホルダーの選択が透明性に欠けている場合がほとん
どであることが判明した。同様に、時間、専門知識、
資金及びステークホルダーの能力などが限られている
ことも参加プロセスの制約要因となっている。調査か
ら得られた教訓として、3 つの課題が指摘された。す
なわち、
(i)貧困者に裨益する参加型政策の採用と適
用を促進するためにグッド・ガバナンスを推進するこ
と、
(ii)参加型開発と組織分析に関する作業ガイドラ
インを作成すること、(iii)参加型開発の方法論や実
践例を学ぶ機会が得られるように、ADB スタッフの
内部研修プロセスを改善すること。
諮問的技術援助(ADTA)による政策改革の持続可
能性に関する特別調査では、DMCs5ヵ国の電力及び
水利セクターにおける 30 件の技術援助プロジェクト
の評価を行った。調査から、ADTA は特定の課題(報
告、研修、法案作成など)については短期的に成果を
上げることができたが、持続可能な政策改革のプロ
セスへの貢献に関しては、一般に予想を下回るもの
であることが明らかになった。ADTA が改革のプロ
セスにおいて有効な手段となるためには、政策に関
する問題について技術的な解決策を示すだけでは不
十分である。ADTA を通じて政策改革の有効性と持
続可能性を高めるための留意点として、以下の4点が
指摘された。
(i)政策改革は、1 回限りの政策の変更
や固定的な制度変更としてではなく、一定のセク
ター内における動的プロセスとして扱うことが必要
である、(ii)オーナーシップが成功と持続可能性の
鍵である、
(iii)今後の ADTA が成果を上げることが
できるかどうかは、必要な資金、人材を提供するADB
の能力によるところが大きい、
(iv)ADTA の結果に
対する説明責任を強化することが必要である。調査
から得た最も重要な教訓は、持続可能な政策改革の
極めて重要な前提であるオーナーシップと参加を促
進することによって、ADTA の有効性を高めること
である。
DMCs の評価能力の強化
2000 年中、OEO は、ネパールにおいて推進していた
プロジェクト評価方法の導入に対する援助を完了し、
また、中国及びフィリピンにおけるプロジェクト評
価方法の改善に対する無償諮問技術援助 2 件を開始
した。中国におけるプロジェクト評価の能力改善開
発に対する技術援助では、国家発展計画委員会に新
設された主要プロジェクト監査官室の研修のニーズ
について調査した。また、成果のモニタリング及び評
価システムをフィリピン政府内に制度化するための
技術援助では、上記モニタリングのシステム、及びソ
フトウェアを導入した。2000 年にはまた、2件の技術
援助完了報告が作成された。1 件は、タイの評価能力
強化に対する技術援助に関するもので、技術援助が
成功するためには、実施機関と政府のコミットメン
トが重要であることが指摘された。もう 1 件は、プロ
ジェクト実施上の問題についての特別調査を行う技
術援助に関するもので、インパクト評価調査と特別
評価調査が、過去の援助から教訓を得、それを今後の
援助に生かしていくための有効な手段となることが
指摘された。
業務活動
57
58
2000 年 年次報告
地域の主要動向
ADB は、貧困者に裨益する持続可能な経済成長、社会開発、及びグッド・ガバナンス(良き統治)を通じ、ア
ジア太平洋地域における開発途上国の貧困削減を目指して、様々な活動を展開している。本章では、地域及び
それを取り巻く世界の経済動向について論ずる。なお、ADB の開発途上加盟諸国(DMCs)及び地域は、中国、
中央アジア共和国諸国 1(CARs)・アゼルバイジャン・モンゴル、東南アジア 2、南アジア 3、太平洋 4 など地域
別と、香港、韓国、シンガポール及び台湾の新興工業経済地域(NIEs)に分類されている。
アジア太平洋地域の開発途上国
アジア太平洋地域の開発途上国全体の国内総生産
(GDP)の年間成長率は、1999 年の 6.3% から 2000 年
は 7.2% に増大した。中でも、中国と NIEs は、引続き
域内最大の成長を遂げた。
輸出の好調な伸び、良好な対外収支、内需の回復
が、地域全体で広く見られた。しかしながら、2000
年中の国際原油価格の上昇は、域内で最も石油への
依存度が高いインド経済に影響を及ぼし、成長を阻
害した。インド以外のアジア太平洋地域の開発途上
国においては、為替と株価の変動があったものの、
金融危機の影響を受けた国々及びNIEsが国際収支の
悪化を最小限に止めることができ、景気動向を大き
く左右するまでには至らなかった。大半の国におけ
る為替の変動相場制、低水準の短期債務、十分な外
貨準備高が、地域全体のマクロ経済の安定を下支え
した。
2000 年中の GDP 成長率は上昇したものの、アジア
の開発途上諸国の大半では、半導体や通信関連の株価
が下落したことから、株式市場は低迷した。また、こ
れら諸国の通貨も、2000 年は、原油価格の高騰、イン
ドネシア、フィリピン、台湾及びタイの政治情勢の不
透明感から、下落した。
このような株価や各国通貨の下落にもかかわらず、
総需要と消費マインドは総じて堅調で、株価の下落に
よる資産目減りの影響は、
(NIEs を除き)米国で過去
に経験したほど顕著でなかったことがうかがわれる5。
従って、危機の影響を受けた諸国でも、消費水準は危
機前の水準に回復した。しかし、他方、投資支出は引
続き大幅に減退した。投資の低迷に伴い、貸付も伸び
悩み、設備稼働率も低迷した。
物価上昇率は、1999年の2.5%から2000年には1.5%
に低下した。インフレは、地域では問題とはなってい
ない。大半の国において依然危機前の水準を下回っ
ている貸付を促進するため、金融政策は緩和基調が
続いた。
対外収支については、域内の輸出は引続き増大し、
2000年の伸び率は19.9%を記録した。世界的な情報通
信技術(ICT)の急速な普及が続き、電気・電子製品
が輸出増大の推進力となった。大半の国では、輸出の
増加が 2000 年の成長に寄与したものの、その寄与の
度合いは近年に比して低下した。
輸出の成長への寄与
度は 1998 年の 7% をピークに、2000 年には平均わず
か2%に留まった。輸出は力強い伸びを示したものの、
輸入がそれを上回る伸びを記録したためである。
近年
に比べて輸入が回復した背景には、中間財の在庫積み
増し、内需増大に伴う輸入消費財に対する需要の伸
び、原油価格の高騰などの要因があった。結果とし
て、2000年の地域全体の経常黒字は縮小した。危機の
影響を受けた諸国では必要な構造改革が進められてい
たが、2000年において、その進捗に遅れが生じている
との認識が市場参加者の間に広がり、
投資家の信認が
薄れた。これに、各国の株価が米国の株価低迷に伴い
下落したことが重なり、危機の影響を受けた 5ヵ国か
らの 2000 年中の民間資金の純流出額は、38 億ドルと
1 中央アジア共和国諸国には、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンが含まれる。
2 東南アジアには、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナムが含まれる。
3 南アジアには、アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、インド、モルジブ、ネパール、パキスタン、スリランカが含まれる。ADB
は、アフガニスタンにおいては 1980 年以降業務を行っていない。
4 太平洋地域には、クック諸島、フィジー、キリバス、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、ナウル、パプア・ニューギニア、サモア、
ソロモン諸島、トンガ、トゥヴァル、バヌアツが含まれる。
5 資産効果は、世帯が保有する資産(例えば住宅や株式)の価格が上昇し、消費者が裕福になったと感じて消費性向を強めたときに生
じる。世帯が保有する資産の価格が下落した場合、逆資産効果が生じ、消費者の消費性向は弱まる。
60
2000 年 年次報告
ADB 加盟 DMCs 及びその他の開発途上国の経済指標
DMCsa
1998 1999
GDP 成長率(%)
物価上昇率(%)
0.2
6.3
2000d
西半球 b
1998 1999
7.2
2.2
0.3
2000
4.3
アフリカ
1998 1999 2000
中東欧 c
1998 1999 2000
3.1
2.2
3.4
2.0
1.3
3.1
8.9
2.5
1.5
10.2
9.3
8.9
9.1
11.8
12.7
18.7
20.6
18.8
商品輸出伸び率(%)
(5.9)
6.9
19.9
(4.1)
5.1
17.9
(13.7)
7.2
25.6
...
...
...
商品輸入伸び率(%)
(17.2)
8.9
24.6
(6.0)
13.9
(0.9)
0.7
9.0
...
...
...
対外債務残高(十億ドル) 848.9
債務返済比率 e(%)
13.4
840.0
15.8
...
...
4.9
748.6
51.3
764.5 774.8 299.7 303.8
59.7
50.5 21.8
20.7
301.3 175.7
17.5 16.4
180.4 189.2
19.6
17.8
... データが入手不能。
( ):マイナス
a ADB の開発途上加盟国。
b アティグア・バーブーダ、アルゼンチン、バハマ、バルバドス、ベリーズ、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、コスタリカ、ドミニカ、ドミニカ共和国、エクアドル、
エルサルバドル、グレナダ、グアテマラ、ガイアナ、ハイチ、ホンジュラス、ジャマイカ、メキシコ、オランダ領アンティル、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、
セントクリストファー・ネビス、セントルシア、セントビンセント及びグレナディーン諸島、スリナム、トリニダード・トバゴ、ウルグアイ、及びベネズエラを含む。
c アルバニア、ベラルーシ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、チェコ共和国、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、マケドニア、モルドバ、
ポーランド、ルーマニア、スロバキア共和国、スロベニア、ウクライナ、及びユーゴスラビア連邦共和国を含む。
d 各国の資料からの暫定推定値。
e 商品及びサービスの輸出に占める割合。
出典:国際通貨基金、『World Economic Outlook(世界経済見通し)』(2000 年 10 月、http: //www.imf.org)、及び ADB データファイル。
なった(上記の表を参照)。
外貨準備高が適正であり、短期対外債務の対 GDP
比率が低いことから、2000年においては、公的債務や
対外債務は地域において重大な問題とはならなかっ
た。域内の短期名目金利は、インドネシアを除き、危
機前の平均水準を依然下回った。
域内各国の中央銀行
は、金融セクターの改革を促し、内需拡大を図って成
長を持続するために、
短期金利については低金利を維
持した。
アジアの開発途上国からの対米輸出は、工業製品が
中心であり、ICT及びエレクトロニクス関連製品がそ
の大半を占める。米国が世界のICT消費の半分を占め
ているが、東南アジア(インドネシアを除く)及び
NIEs 諸国の輸出は、世界経済減速の影響を受けやす
い。貿易の低迷をもたらす国内 GDP 成長率の低下に
加え、消費と投資による間接的な連鎖により、世界的
な景気減速の影響は、
資本流出と金利上昇の形で各国
の国内経済にも及んでいる。
大半のアジア開発途上諸国では、域内貿易への依存
度が非常に大きい。従って、域内貿易の好調は、内需
の増大と実質所得の伸びをもたらすことになり、それ
が再び域内貿易の好調を招く、
という好循環につなが
る可能性がある。しかしながら、この好循環を地域が
享受するには、
外部環境が良好であり続けることが必
要である。輸出増加の勢いを維持するためには、世界
全体の GDP が成長し続け、国際貿易が拡大するとと
もに、原油その他商品価格が安定していることが不可
欠である。従って、世界的な経済成長の鈍化は、懸念
される問題である。
61
地域の主要動向
地域の持続可能な成長は、個々の国が、世界的な景
気後退の影響を緩和させるために必要な企業及び金融
セクターの改革を成し遂げることができるかどうかに
もかかっている。
開発途上にあるアジアへの民間資本の純流入額
(単位:十億ドル)
1998
1999
2000
73.3
(1.1)
31.3
49.4
4.9
68.4
(38.7)
37.6
(5.2)
36.5
(3.8)
53.2
出資
対外直接投資
57.9
52.0
61.0
55.8
72.8
53.7
64.8
49.9
証券投資
民間の信用の流れ
5.8
15.4
5.2
(62.1)
19.1
(41.5)
14.9
(15.3)
民間資本の純流入総額
73.3
(1.1)
31.3
49.4
アジア太平洋地域
最も影響を受けた
世界経済 6
2000 年中、世界経済は、アジア金融危機による 1997
年から 1998 年にかけての景気低迷から引続き順調な
回復を遂げ、過去 13 年間で最高の 4.8% の成長率を記
録した。1998 年から 2000 年にかけて世界経済の最大
の牽引役を務めた米国の GDP 成長率は、2000 年には
5.0% に達した。また、アジアの開発途上諸国、ユーロ
圏 7、ラテンアメリカ、そして、ロシア及び中東ヨー
ロッパの移行期経済諸国も、力強い経済成長を遂げ
1997
アジアの 5ヵ国 a
その他のアジア諸国
( ):マイナス
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ。
出典:
『新興市場経済地域への資本の流れ(Capital Flows to Emerging Market Economies)』
(2001 年 1 月 24 日、国際金融研究所 http://www.iif.org)。
主要金利
(単位:パーセント)
1995
1996
1997
1998
1999
2000
8
10年物米財務省証券
6
6ヶ月物LIBOR
(ロンドン銀行間取引金利)
4
2
10年物日本政府国債
0
た。ロシアの経済成長は、2000 年中、原油とガスの国
際価格の上昇に支えられ加速した。
しかしながら、2000年後半になると、世界経済の持
続可能な成長の見通しについて不透明感が生じてき
た。世界の金融市場や政策立案者の間には、当時 9 年
連続の景気拡大局面にあった米国の再利上げと景気の
6 世界経済に関する論考に使用したデータは、国際通貨基金、『World Economic Outlook(世界経済の見通し)』、2000 年 10 月(http://
www.imf.org)、公式情報源、及び ADB のデータファイルから流用したものである。
7 ユーロ圏には、1999 年 1 月 1 日にユーロを単一通貨として採用した 11ヵ国(オーストリア、ベルギー、フィンランド、フランス、ド
イツ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ポルトガル、スペイン)及び 2001 年 1 月 1 日にユーロを採用したギリ
シャが含まれる。
62
2000 年 年次報告
鈍化に対する懸念が広がった。
ハイテク部門の景気軟
化で米国経済が減速に転じるのではとの観測から、ハ
イテク株が中心の米国のナスダック総合株価指数は約
33%も下がった。アジアの株式市場とナスダック総合
株価指数は高い相関関係にあり、また、アジアの大半
の開発途上諸国の経済はエレクトロニクス製品の対米
輸出に大きく依存していることから、アジアの通貨と
株価は低迷した。ユーロは、最安値をつけ、G7 諸国
(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国
及び米国)と欧州中央銀行は、ユーロの一段の下落を
抑えるため、金融市場への介入を余儀なくされた。
2001 年に向けてのインフレ懸念とユーロに対する不
安から、主要先進諸国は、2000 年中、金融政策の引き
締めを図った。
アジア、ヨーロッパ及びラテンアメリカにおける内
需回復、米国の冬季における石油在庫不足に伴って原
油価格は高騰した。1999 年 12 月の 1 バレル =25 ドル
から 2000 年 11 月には 1 バレル =36 ドルにまで急騰し
て、
世界的な景気後退に対する不安に一段と拍車をか
けた。
消費者物価上昇率は、多くの国で財政と金融を引締
めたことから、先進国、途上国とも、総じて低い水準
に留まった。原油価格は 70% 以上の高騰を記録した
が、非燃料価格は、1999 年の水準で横這いとなり、製
品価格の上昇を抑える一因となった。しかしながら、
資産価格は、大半の先進工業諸国で大きく変動した。
2000 年の世界貿易は 12% 強の増大を示し、1999 年
の 2 倍以上の伸びを記録した。これは、1997 年の金融
危機の影響を受けた開発途上諸国
(ラテンアメリカと
アジアの開発途上諸国)の貿易が大幅に回復したこと
による。
2000 年における世界の資本の流れでは、米国への
資本流入が目立ち、米国には多額の直接投資と証券投
資が流入した。
流出分を差し引いたネットの資本流入
により、米国の2000年のGDP 4.4%に相当する経常赤
字が補填された。欧州連合 8 からの純資本流出の多く
は、外国企業の合併・買収と地域銀行が発行した債券
の購入に充てられた。
先進諸国は、全体として成長を記録したものの、
個々の国の状況には大きなばらつきが見られた。
2000 年の日本の GDP 成長率は、輸出と情報技術関
連の消費及び投資に支えられ、1.7% となった。
米国では、GDP 成長率が 1999 年の 4.2% から 2000
年には 5.0% に上昇したが、2000 年の消費者物価の上
昇率は 3.4% に留まった。この数年にわたって米国で
顕著に見られた、資産価格上昇が誘因となった消費の
伸びも、ハイテク関連株価の下落により、2000年には
鈍化し始め、個人消費の伸びも 5.3% で横這いとなっ
た。対外収支では、消費需要の増大が輸入を増加さ
せ、その結果、米国の経常赤字は、対 GDP 比で、1999
年の 3.6% から 2000 年は 4.4% に増大した。
ユーロ圏は、2000 年中、過去 10 年間で 3 度目の景
8 欧州共同体としても知られている欧州連合は、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、
アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、英国をいう。
地域の主要動向
気回復期に入り、GDP 成長率は、1999 年の 2.6% か
ら 2000 年には 3.4% に上昇した。この成長は、ユー
ロ安による輸出の急増と国内の消費及び投資の増大
によるものである。2000 年の失業率は、9.0% と依然
高い水準にあったものの、1999年の9.9%からは若干
低下した。欧州中央銀行(ECB)は、8 月と 10 月に
2 回利上げを実施したが、インフレ率は、ECB の中
期目標である2%を依然上回るものとなった。ユーロ
圏諸国間のインフレ率には、引続き大きな格差が存
在する。
総体的に見ると、世界経済の主な懸念材料は、米国
の景気減速と、先進工業諸国の対外不均衡である。米
63
国で、これまでのコンピュータ分野の急速な生産性
向上とあらゆるセクターにおける労働生産性の伸び
を持続できるかによって、
今後の成長は大きく左右さ
れる。先進諸国全体に関しては、対外不均衡、とりわ
け米国の経常赤字が、引続き増大している。米国の輸
入が減少して経常赤字の相当分が是正されると、ア
ジア開発途上諸国の工業製品の輸出に悪影響が及ぶ
ことになる。さらに、大幅な赤字調整が必要になれ
ば、主要通貨に対する米ドル相場が下落し、アジア太
平洋地域の輸出に対する米国の需要は一層落ち込む
ことになる。
64
2000 年 年次報告
戦略策定及び支援活動
ADB はアジア太平洋地域の貧困の一掃を目標に掲げ、1999 年には、その達成に向け貧困削減戦略を承認し、貧
困削減という目標及びそれを支える知的バックボーンを画定した。また、2000 年には貧困削減戦略を支える幅
広い事業の枠組みの作業が完了した。戦略の長期的枠組みは、承認されると今後 15 年間 ADB の事業運営の指
針となる。本章では、アジア太平洋地域の貧困を一掃する活動のほか、研究開発、情報管理、駐在員事務所、広
報といった、主要業務を支援する活動について論じる。
機動的に貢献できるよう、3 部門で業務の見直しを
行った。
ADB の貧困削減戦略に合わせ、プロジェクト評価
ADB のプランニング・プロセスは、拡大する開発援
部は、プロジェクトの評価において、プロジェクト
助サービスに見合う実施体制を備えたものとなってい
の効果分析における貧困への影響評価を重視し、プ
る。ADB は、各国の業務計画のもととなる戦略的枠
ロジェクト開始時における分析と助言を行うことと
組みの定期的更新、開発途上加盟国(DMCs)の経験
した。
や新しいニーズを背景にした政策の見直しや調整、こ
経済分析研究部も業務を見直し、ADB の戦略推進
うした戦略や政策にもとづく業務実施計画の策定を定
を促した。ADB のプログラムやプロジェクトと、戦
期的に行っている。このプランニング・プロセスで、
略・政策部門、あるいは開発機関や研究機関との関係
長期、中期及び年間の事業目標が決まり、加盟国全体
を強化した。さらに、経済展望評価の質も向上させ
及び各国の事業の優先順位が設定され、援助受入国で
た。同部は、
「Asian Development Outlook 2000 Update
あるDMC及びADB内での承認を受けてプログラム実
(最新版 2000 年アジア開発の見通し )」の情報通信技
施の指針となる実行計画が作成される。
術開発の章を担当した。また、2001 年 2 月に予定され
1999 年と 2000 年の両年、ADB は、DMC が直面し
ているアジア太平洋貧困フォーラムの準備も行った。
ている課題により適切に対処するため、大規模な戦略
EDRC は、ADB の知識や情報の基盤を強化すると
改定に踏み切った。業務プロセスを改良し、国別事
ともに、開発における課題に対応する政策研究能力
業、ステークホルダーの参加拡大、各 DMC のプログ
を拡充するため、開発機関や域内の研究機関との
ラムに対する選択的かつ焦点を絞った取り組みをより
ネットワーク作りに着手し、協議グループを作った。
重視するようになった。また、2000 年には、2001 年
また、事業や研究の成果の途上国への普及推進を目
から2015年にわたるADBの業務指針となる長期戦略
指し、部局間会議で EDRC の出版プログラムの検討
の枠組みを策定する広範な作業も行われている。これ
が行われた(最新刊書の書名については218ページを
が承認され、持続可能な経済成長の実現、包括的な社
参照)。その結果、ADB の最も重要な出版物である
会開発、グッド・ガバナンスに重点的に取り組むこと
になった。ADBはこの広い枠組みの中で各 DMCと協 「Asian Development Outlook 2000(2000年アジア開発
展望 )」及びその最新版の経済予測分析の充実が図ら
力し、貧困削減を目標に掲げた国別の戦略やプログラ
れた。
ム及び戦略を実施する 3ヵ年行動計画を策定する。援
統計データ・システム部も貧困削減戦略を支援する
助受入国を中心にしたこうした計画が ADB の 3ヵ年
ため、業務を見直した。この目的を達成するため、
行動計画の基本、ひいては予算の枠組みとなる。
ADBの統計データベース・システム(SDBS)の内容、
範囲を貧困・社会関連のデータにまで広げるととも
経済開発企画センター(EDRC)
に、
マクロ経済支援やセクター業務及びそれらに必要
な予測をタイムリーに提供するためにデータ収集の回
2000 年、経済開発企画センター(EDRC)は、開発に
数を増やしている。また、2000年の統計面の能力開発
関する政策、方法論の研究、国別の経済調査や予測な
活動では、貧困に関する分析とデータ収集を重視し
どを実施し、ADB の業務やサービスを支援した。そ
の他にも、EDRCは、統計、プロジェクトの経済分析、 た。9 月には、統計の利便性を高めるため、ADB の統
計データベースの構造や内容の見直しを行う技術作業
財務管理を中心に職員や DMCs の能力開発を促進す
グループが編成された。見直しは、2001年に完了する
るとともに、他の開発機関や域内の研究機関と協力
予定である。
して研修活動を実施した。EDRCは、貧困削減目標に
プランニング・プロセス
66
2000 年 年次報告
成、資本市場開発に関する能力開発も実
2000 年に行われた主な方法論や政策の
施した。
研究は次の11件である。
(i)DMCsにおけ
研修活動を通じて、域内の研究機関と
る貧困層を重視した成長及び貧困削減に
の協力体制も強化された。2000年に企画・
対する制度的制約、(ii)貧困の測定とモ
実施された主な会議・セミナーとしては、
ニタリング、
(iii)ADB プロジェクトの貧
アジア開発フォーラム(6 7 ページを参
困影響評価、
(iv)運輸その他のインフラ
アジア太平洋
照)、開発融資に関するアジア太平洋地域
投資が貧困や成長に与える影響、(v)経
地域を変える 協議会のための経済社会委員会への参加、
済政策策定における参加プロセスを重視
アジア経済展望に関する ADB・経済協力
する政策ベースの貸付を立案・実施する
ADB
開発機構(OECD)合同会議、第 13 回ア
枠組みの作成、
(vi)政策ベースの貸付と
ジア経済展望ワークショップ、経済調査
貧困削減の関係、
(vii)プロジェクトの財
の方法改善に関するワークショップ、金融・財政統
務分析の作成・発表ガイドラインの更新、(viii)ア
計と国民経済計算統計の改定と相互関連に関する
ジア経済の国際競争力、
(ix)一部 DMCs における国
ワークショップ、国際環境統計研修プログラムなど
債市場の開発、
(x)一部 DMCs の効果的な学校教育
がある。
推進における教育分権化の意義、
(xi)情報通信技術
講演プログラムは、情報通信技術とデジタル・
の発展。
ディバイドを中心に実施された。また、研究活動や
主な能力開発活動には、DMC担当官を対象とした
研修の拡充のため、東アジア経済協会、香港経済協
プロジェクトの経済分析及びガバナンスに関する組
織内研修やワークショップなどがある。研修では、 会、アジア経済研究に関するアメリカ委員会に対し
少額ではあるが資金支援も行った。また、国際会議
「プロジェクトの経済分析のガイドライン」の CDに上級スタッフを派遣する回数を増やし、開発政策
ROM、グッド・プラクティス(優れた実務方式)例
その他の関連資料が研修効果を高めるのに役立った。 に関する国際的な討議の場におけるADBの立場を強
D M C s の統計関連の能力開発及び制度強化では、 化した。
EDRC は緊急政策や業務のサポート、ADB 研究所
DMC の調査能力の向上、データの集計、及び貧困や
は長期開発の問題に重点を置き、相互に業務を補完
環境、財政、金融関連の統計の作成が主な対象分野
している。また、EDRC と ADB 研究所は能力開発で
となった。また、EDRC は、ADB 研究所やコロンボ
も密接に協力し合っている。2000 年には、EDRC の
計画事務局と協力し、税制、国際金融、中小企業育
地域経済モニター(2000 年)
アジア経済危機を受けて 1999 年に設立された地域経済モ
ニター室は、悪影響を避けながら、DMCs が世界的な金融
統合及び国際的に流れる資金の恩恵を十分に受けることを
支援する。また、東南アジア諸国連合(A S E A N )及び
ASEAN プラス 3(中国、日本、韓国)のモニター・プロセ
スを支援している他、アジア経済回復情報センター
(ARIC)のホームページを開設している。
2000 年、地域経済モニター室は、官民セクターで作成
された情報をもとに、「ASEAN 経済見通し」や「東アジ
ア経済見通し」等様々な報告書を作成した。「アジア再生
レポート(Asia Recovery Report)」の創刊号は、ARIC の
ホームページに掲載された。2 号と 3 号もインターネット
で閲覧が可能である。また、東アジアにおける民間資本の
流れのモニターに関するワークショップを開催し、その
議事録及び資本の流れのモニターに関する協力体制を設け
る提案も作成した。
また、2000 年には、ASEAN 諸国の財務省や中央銀行の
担当官 6 名に経済モニターの研修を行った他、インドネシ
ア、フィリピン、タイの財務省が経済モニター課を設立す
るための支援を行った。これにより、ASEAN モニタリン
グ・プロセスで定められた業務の遂行に必要な体制が各国
で整備された。
ARIC のホームページの作業は 2000 年中継続し、知識の
入口としての機能を強化するため、「ARIC 政策フォーラ
ム」と「論説/意見」という 2 つの新しいセクションを立
ち上げた。このホームページは2000年5月にフォーブス誌
の「ベスト・オブ・ザ・ウェブ(最優秀ホームページ)」の
一つに選ばれた。
戦略策定及び支援活動
スタッフが ADB 研究所において講演を行うととも
に、EDRC の政策研究や分析作業の成果が ADB 研究
所の能力開発活動の参考資料に使用された。また、
EDRC と ADB 研究所は、(i)第 10 回租税会議、
(ii)
第 10 回国際金融セミナーの 2 つの能力開発を協同で
行った。
アジア開発銀行研究所(ADBI)
ADB 研究所は東京に本拠を置き、新たな形の開発研
究を行うとともにADBのDMCの開発機関に所属する
政策決定者や担当官を対象に能力開発や研修を実施し
ている。2000年には、アジアの幅広い開発パラダイム
を盛り込んだ包括的なマトリクスを用いた危機後のア
ジアの展開、金融及び為替市場の強化、アジアの競争
力の持続、公共セクターの新たな課題に関する調査を
継続した。ADB 研究所は、アジア通貨危機直後に業
務を開始したこともあり、金融や為替市場が研究テー
マの中心になっている。2000 年に実施された研究は、
危機の再発を防ぎつつ危機の本質を明らかにする研
究、金融市場の構造及び開発と通貨危機の関係の評
価、危機に見舞われた諸国の銀行や資本市場の強化、
金融市場自由化の進め方、危機に見舞われた東アジア
の企業統治改革などがある。
危機の再発防止:アジア政策フォーラム(1999年12
月設立)は、アジアの政策決定機関の分析指導力を強
化する域内全体の取り組みである。このフォーラムに
は、専門の研究者が集まり、アジアの政策決定者が直
面している最も難しい開発の問題について政策面の提
言を行う。
ADB 研究所が事務局を務めているこのフォーラム
は、政策問題の選択やそれに関する文献検索、分析、
国際ワークショップの実施から、フォーラム会員の見
解を反映する政策提言の取りまとめまで、6ヵ月サイ
クルで行っている。各サイクルの最後には、政策提言
が出されるとともに、背景説明やカントリーレポート
といった追加資料も作成される。
フォーラムの第1回サイクルでは、金融危機の再発
防止策が対象となった。最終的な政策提言が、ADB年
次総会(2000 年 5 月にタイのチェンマイで開催)、ア
ジア開発フォーラム(6月にシンガポールで開催)、国
際金融セミナー(ADB とシンガポール外務省技術協
力担当最高責任者の共催で 10 月にシンガポールで実
67
施)で検討・発表された。この他、中国、インド、イ
ンドネシア、パキスタン、フィリピンでも政策決定者
レベルの研究会を実施した。
ADB研究所は、第1回サイクルの成功を受けて、
「社
債市場の育成」をテーマとする第 2 回フォーラムを
2000年9月に開始した。最終報告書及び関連の背景説
明は、2001 年 5 月にハワイ(アメリカ)で開催される
ADB 年次総会で発表される予定である。
金融市場の構造と開発:2000 年 5 月、ADB 研究所
はペンシルベニア大学ワートン校と共同で、
アジアに
おける金融市場開発に関するハイレベル・ワーク
ショップを開催した。24 名の政策決定者や学識者が、
通貨危機の本質、通貨危機を防ぐとともにダブル・ミ
スマッチを緩和する対策、
銀行本位の金融システムと
市場本位の金融システムの比較、社債市場の役割、さ
らに、投資家保護、金融市場開発、経済成長を含む法
律や企業統治について検討した。また、ADB 研究所
は、
東アジア再生を取り巻く対外環境と持続可能性に
関するワークショップを 2000 年 9 月に企画・開催し
た。このワークショップには、危機に見舞われた諸国
の政府関係者20名が集まり、グローバル・エコノミー
のシナリオ及びそれがアジアの経済再生に及ぼす影響
について検討した。
資本市場と銀行改革:アジア資本市場改革の構想
について検討する2 回目の会議が、2000 年 4月に東京
で開催され、証券監督者国際機構(IOSCO)に加盟す
るアジアの監督機関及びOECD やADB 加盟諸国の関
係スタッフが出席した。この会議では、改革の進捗状
況及び証券市場の動向を中心に話合いが行われ、銀
行融資(特に短期銀行融資)への過度の依存を脱却す
るための国内証券市場の育成、証券の発行や取引、手
形の交換・決済、市場の監視・取締り、信用格付けを
行う効果的なシステムの構築、その他銀行改革をは
じめとする金融改革の遂行の必要性などの重要な
テーマが取り上げられた。年半ばには、日本の金融監
督庁と協力して、危機に見舞われた諸国の銀行規制
に関する第 2 回ハイレベル会議を企画・実施した。こ
の会議では、アジアの銀行の経済責任者らがヨー
ロッパ、日本、アメリカ及び国際決済銀行(BIS)の
政策決定責任者とともに危機後の銀行再編の進捗状
況を確認し、アジアの銀行の同族経営や企業統治、情
報技術を取り入れて銀行業務を行う時代の監督に関
する問題を協議した。
68
2000 年 年次報告
能力開発と研修: 2000 年には予定通り 17 件の能力
駐在員事務所、地域事務所及び
開発及び研修活動の他、
(i)アジア危機から得られた
代表事務所
教訓とカンボジアへの示唆に関するハイレベル政策セ
ミナー(ADB カンボジア駐在員事務所と共催)、
(ii)
ADB には、駐在員事務所、地域事務所、カントリー・
アジア開発フォーラムの提言にもとづくアジアの金融
オフィス、拡大事務所、代表事務所などの現地事務
システム強化に関するワークショップ(ADB、世界銀
所があり、2000 年においても、それぞれが域内外の
行研究所、東南アジア研究所、シンガポール政府と共
加盟諸国においてADBの代表機関としての役割を果
催)の 2 つの追加プログラムが実施された。
たすとともに、より直接的に所在国の人々にアクセ
以上19件の能力開発及び研修活動には、先進諸国・
スすることによって、貧困削減への取り組みを推進
途上国合わせて45ヵ国から約860名が参加した(その
した。
20%は女性)。また、これまでに完了した活動の参加
延べ人数は、当初見込んだ 3,000 名を上回り、約 4,500
駐在員事務所
名となった。
ADB の駐在員事務所に関する政策(2000 年 2 月理事
より多くの人に ADB 研究所の仕事を知ってもらう
会承認)には、駐在員事務所の枠組みと活動方針が
ため、全ての能力開発及び研修活動の記録を作成し配
記されている。この方針では、駐在員事務所がDMCs
布するとともに、ADB 研究所のホームページに掲載
した(最新刊については 218 ページを参照)。また、 に対する ADB の支援の効率化に資するよう、DMC
のステークホルダーとの交流の緊密化等を提唱して
ADB 研究所は、プログラム実施において ADB 本部の
部局と初めて協力し、ADBとの協力関係を強化した。 いる。
2000 年、駐在員事務所は、ADB と支援受入国であ
貧困の削減:ADB研究所は、3周年を記念して12月
る DMC 間の主要な接点となるとともに、DMCs にお
に開発のパラダイムと貧困削減に関するハイレベル・
ける貧困削減への ADB の取り組みを支援し、また、
シンポジウムを開催した。このシンポジウムでは、開
DMCs との政策協議も強化した。駐在員事務所は、
発目標に関連する新しい問題を明らかにし、貧困研究
DMCsにおける開発に関する情報源として重要である
分野で研究所が取り組むべきテーマを探った。
ことが認められた。また、政府、民間セクター、一般
2000 年に実施された能力開発の多くは、貧困削減
社会などDMC開発のステークホルダーと強力なパー
問題を取り上げており、中には貧困削減のみに焦点を
トナーシップを築き、現地のニーズや問題に対する
絞っているものもあった。都市部の貧困との戦いを
ADB の適応能力を高め、可能な場合には、域内協力
テーマに上海で開催された市長フォーラムもそうした
の調整役としての役割を果たした。
活動の一つである。また、11 月には、政府の担当官を
駐在員事務所の業務は、通常業務と特定業務の 2
対象とした貧困削減特別セミナーを ADB の貧困削減
つに大別できる。通常業務とは、駐在員事務所が
課と共催した。
ADB の代表機関として現地で行う業務であり、政府
その他:2000 年、ADB 研究所の図書館と情報検索
や民間セクターとの関係の強化、政策協議や支援の
機能は着実に向上した。1,500 件以上の記事が手元で
実行、国別活動の報告、援助の調整、広報の支援な
閲覧できる雑誌/ニュースのオンライン・ライブラリ
どである。カンボジア、インドネシア、ベトナムの
が設置された。ライブラリは、オンライン・カタログ
駐在員事務所では、非政府組織や研究機関との協力
も導入している(ADB研究所の出版物はすべてhttp:/
が成果を上げた。ベトナムでは駐在員事務所の支援
/www.adbi.org で無料で閲覧可能)。
により、ADB が初めて「2001 年ベトナム開発報告書
2000 年 12 月 31 日現在、ADB 研究所の職員は 30 名
(うち 14 名が専門職員、16 名が補助職員)である。ま (Viet Nam Development Report 2001)」を共同執筆す
ることになり、同報告書は、2000 年にハノイで開催
た、年間を通じて客員研究職が 11 名、準研究員が 13
された援助国会議に提出された。 広報の面では、
名在籍していた。また、2年の任期で新しい評議員(付
ホームページを開設したり、ニュースレターを発行
録 3 を参照)が指名された。
している駐在員事務所(バングラデシュ、インド、カ
戦略策定及び支援活動
ザフスタン、パキスタン)の他、国内外のメディア
を通じた広報活動を行っている駐在員事務所(中国
とネパール)などもある。
駐在員事務所の特定業務とは、ADB プロジェクト
の実行関連の業務である。複雑で労力と時間を要す
る、国別プログラムの作成、プロジェクト/技術援助
の実施支援、案件管理/プロジェクト管理、マクロ経
済及びセクター関連業務等が含まれる。2000 年には、
バングラデシュ、カンボジア、中国、インドネシア、
ラオスの駐在員事務所が、国別プログラム作成の責任
を担った。バングラデシュ駐在員事務所は、2001年∼
2003 年の国別援助計画の全体を策定した。インドネ
シア駐在員事務所は、国別計画やプログラム策定の全
責任を担い、駐在員事務所主導の初めてのプロジェク
トである「専門技術育成プロジェクト」に取り組ん
だ。カザフスタン駐在員事務所は、国別援助計画を立
案し、諮問的技術援助を実施した。
2000 年現在、ADB は、バングラデシュ、カンボジ
ア、中国、インド、インドネシア、カザフスタン、キ
ルギス、ラオス、ネパール、パキスタン、スリランカ、
ウズベキスタン、ベトナムの 13ヵ国に駐在員事務所
を、パプア・ニューギニアとタイには臨時駐在員事務
所を設置している。また、モンゴルとタイに駐在員事
務所を開設する準備作業も進行している。
地域事務所
バヌアツのポートヴィラに設置された南太平洋地域事
務所は、クック諸島、フィジー、キリバス、サモア、
ソロモン諸島、トンガ、トゥバル、バヌアツの加盟8ヵ
国との連絡・調整を行っている。2000 年、同地域事務
所は、貸付及び技術援助プロジェクトの実行支援、政
府や二国間/多国間融資機関との関係強化、国別プロ
グラム作成の支援、案件管理、さらに、
域内におけるADBの政策やプ
ロジェクト、業務についての
情報提供、ADBの活動に関す
る広報、民間セクターの開
発促進などを行った。
中国駐在員事務所の事務所開き
にて(2000 年、北京)。
中国の Jin Liqun 財務省次官
(左)と千野忠男 ADB 総裁。
69
カントリー・オフィス
2000 年、ADB は、政府、ステークホルダー等との協
力関係の強化及びフィリピンにおける業務の効率化を
目指して、マニラのADB本部内にカントリー・オフィ
スを開設した。この事務所は、フィリピンの問題のみ
を担当し、
同国のニーズに即応することを目指してい
る。同事務所では、ADB プロジェクトの企画・実施
の調整、経済・社会状況のモニターと分析、同国の貧
困削減戦略の策定、政府やステークホルダーとの政策
協議などを行う。
特別連絡事務所
2000 年、ADB は、東ティモールに出張する ADB 職員
を現地でサポートし、
プロジェクトの実施支援を行う
ために、同地に特別連絡事務所を開設した。この事務
所は、東ティモールにおけるADBの活動を助け、ADB
プロジェクトの実施機関を支援するため、
暫定政権や
東ティモールの指導層との協議を促進し、
関係協力機
関との連携を進めた。
代表事務所
ADB は、ヨーロッパ(フランクフルト)
、日本(東京)
、
北米(ワシントン DC)に代表事務所を設置している。
2000 年において、代表事務所は、主要関係団体や広く
一般市民に対するADBの広報活動を行うことで、開発
関連機関、関連企業、学界、NGO と ADB のより効果
的かつタイムリーなコミュニケーションを図った。こ
の他、ニュースレターを通じた情報の普及や広報、講
演、記者発表等も行っている。また、各代表事務所は、
援助供与加盟国におけるADBの立場を強化するととも
に、公的金融機関や民間金融機関との協
調融資を推進し、資金の活用を図ってい
る。また、アジア太平洋地域に
おける開発とビジネス・チャ
ンスに関する情報を民間セ
クターに提供することによ
り、域内及び ADB のプロ
ジェクトやプログラムに対
する民間投資の促進を図っ
ている。
70
2000 年 年次報告
情報管理
情報システム/情報技術(IT)
ADB の 1998 年∼ 2002 年情報システム/技術戦略
(ISTS)は、2000 年も続行され、1999 年に ADB の本
部に導入された高速光ファイバー網や最先端のネッ
トワーク設備の稼動及び調整が行われた。ファイル
/印刷、E メール、文書保存を行うサーバーが一元化
されるとともに、予測できない作業量の増加に備え
た拡張が可能になった。INTEGRA プロジェクト(下
記の囲み記事)に必要なハードウェア及び拡張可能
で強力なイントラネットとインターネットのサー
バーも導入された。また、国際銀行間金融通信協会
(SWIFT)の電子資金振替システムのアップグレード
が行われるとともに、セキュリティのためのハード
ウェアとソフトウェアが導入され、ADB のネット
ワークに接続された。
SLA(サービス保守契約)と低価格化を実現する
ため、全ての通信事業者と正式な契約を結び、ADB
のインターネット接続容量は 4 倍になった。本部に
はテレビ会議設備が整備され、ADB のネットワーク
INTEGRA
INTEGRA は、ADB の主要コンピュータシステムを、イ
ンターネットを利用した統合型システムに変えるプロ
ジェクトであり、ADB の 1998 年∼ 2002 年情報システ
ム/技術戦略(ISTS)の重要な部分を占める。INTEGRA
が整備されれば、ADB の開発業務実施能力が強化され
る。INTEGRA では、最新技術を採用しただけでなく、
ADBの業務プロセスの合理化、自動化、一元化も目指し
ている。最終的には、ADB 内の意思決定者及び外部の
ユーザーがより迅速に最新情報を得られることになる。
また、スタッフ、借入国、援助供与国その他の外部ユー
ザーは、コンピュータを利用し、データ通信リンクを通
じて世界中のどこからでも欲しいデータを取り出すこと
ができるようになる。
INTEGRA は、人事、財務、プロジェクト業務を対象
とした総合ソフトウェア・ソリューションを実現するた
めに1999 年に開始された。2000 年には業務プロセスの
見直しと設計を行う第 1 段階が完了した。2001 年には
人事と財務のモジュール、2002 年にはプロジェクト関
係のモジュールを導入し、新しいシステムの強化がさら
に促進される。
を利用したテレビ会議システムが導入された。ネッ
トワークとの直接のリンクがない出張者や駐在員事
務所によるネットワークへの接続の利便性も向上さ
れた。
駐在員事務所に関する政策を踏まえて、本部と
7ヵ所の駐在員事務所を結ぶデータリンクが新たに導
入または更新された。また、11ヵ所の駐在員事務所
で、サーバーと現地ネットワーク設備が新たに導入
または更新された。9ヵ所の駐在員事務所及び代表事
務所でテレビ会議の設備が利用できるようになり、
専用電話回線システムも 6ヵ所に導入された。全て
の駐在員事務所及び代表事務所に、本部の電話交換
システムと直接接続する直通電話システムが配備さ
れた。
記録及び資料室
ADB の記録センターには、ファイルや記録が保管さ
れている。記録センター内では記録保護プログラムに
より、重要度が極めて高い記録のマイクロフィルム作
成や外部遠隔地保管を行い、不測の事態が生じても
ADB の業務が続行できるように手当てされている。
資料室は、ADB の歴史に関する永久的な価値のあ
る記録を保存し、利用するために設置されたもので
ある。2000 年現在、資料室には、文書記録約 15,000
点、写真やスライド、ネガフィルム 33,000 点、視聴
覚資料 300 点、録音記録 1,300 点が保管されている。
スタッフは、コンピュータを使って、オンラインの資
料検索サービスにより、資料にアクセスすることが
できる。
図書館
図書館には約 20 万冊の蔵書があり、印刷物及び電子
情報も豊富で、ADB の情報に関する知識資料セン
ターの役割を果たしており、ADB の戦略、プログラ
ム及びプロジェクトに関する、
あらゆる分野での調査
をサポートしている。収蔵図書は、開発経済、主要セ
クター、アジア太平洋地域諸国に関する専門図書であ
る。また、セクター別では、農業、エネルギー、金融、
環境、法律、輸送・通信、社会基盤整備などが中心で
ある。
図書館は、各種サービスによって、ADB の貧困削
減への取り組みを支援している。また、世界各国の教
戦略策定及び支援活動
育機関や研究者も、インターネットや電話、ファクス
で問い合わせたり、直接本人が来訪して図書館の蔵書
やサービスを利用している。2000年も引続き、オンラ
イン・サービスへのアクセスは増加した。
2000 年 10 月には、全ての資料への同時アクセスを
可能にし、ADB スタッフの継続的な研究を支援する
ため、図書館と学習資料センター(LRC)が統合され
た。この統合によって、E- ラーニング(電子学習)や
遠隔学習が促進されるものと考えられる。
広報活動
広報室(OER)の主な役割は、広く人々に情報を提供
し、アジア太平洋地域の貧困削減への ADB の取り組
みをはじめ、業務に関する人々の認識や理解を深め
ることにある。広報室は、1994 年に理事会が承認し
た情報公開に関する政策に沿って業務を行っている。
この政策では、ADB の政策及び民間セクター業務に
関するほぼ全ての情報を公開することが義務付けら
れている。
2000 年、ADB は広報機能を拡充し、ADB の国際的
な立場を強化するために、多くの局面でさらなる努
力が重ねられた。ADB のメッセージを正しく伝える
上で、広報活動は重要である。OER は定期的に記者
会見を行い、メディア対応の研修を受けたスタッフ
が対応している。また、ニュース・リリースの発行や
記者会見の他、新聞、雑誌などへの寄稿も行ってい
る。非政府組織(NGO)との連携も強化した。タイ
で開催された ADB の年次総会では、460 名以上の報
道関係者のためにメディア・センターを設置した。
「Asian Development Outlook 2000(2000年アジア開発
展望)」の発刊に当たっては、バンコクをはじめとす
るアジアの複数の都市やヨーロッパで記者会見とプ
レゼンテーションを行った。また、アジア開発基金の
追加拠出交渉も、広報活動を通じて支援した。
ADB のホームページ(http://www.adb.org)が ADB
の広報において重要性を増しており、2000年には、改
訂と拡充が行われた。現地事務所も各々のホームペー
ジを開設するとともに、ADB の貧困対策業務に関す
71
る特別セクションが設けられた。過去3年の年次報告
書の全文、その他国別援助計画や報告書・提言のほぼ
全てを含む ADB の出版物及び資料がインターネット
上に掲載された。
OER は、講演を通じた広報活動も行った。講演者
の選定、派遣のほか、本部を訪れる多くの学術団体や
ビジネス団体にブリーフィングも数多く実施した。
また、OER は、各種ブックフェアや展示会にも参加
した。
ADBの業務に関する認識と理解を深める上で、OER
の出版課と広報センター(PIC)が引続き重要な役割
を果たしている。2000年には、55冊の出版物が市販さ
れたのに加えて、多数のパンフレット、季刊のニュー
ス誌「ADB Review」
、加盟諸国の統計資料などが作成
された。また、出版課は、情報公開の方針に沿って、
ADB の資料の配布も行った。2000 年には、NGO に対
してだけでも 2,000 件以上の資料が送付されている。
最近の ADB 出版物については 218 ページを参照。
また、出版課は、ADB の資料や出版物を広く人々
に無料で提供するための、世界の約146の出版物寄託
図書館(詳しくは ADB のホームページを参照)への
発送拠点にもなっている。2000年には、これに新たに
7 つの図書館が加わった。
また、OERは、ビデオや写真を利用した広報活動も
幅広く行った。2000年には、貧困削減に関する新しい
ビデオが 4 本制作された他、約 90 件の広報
用写真も制作された。
さらに、OER は、スタッフ向
けのニュースリリースの配布
だけでなく、
「Bank Forum」
(季
刊)、プレス・レビュー(週刊)、
ニュース・ダイジェスト(日刊)
を発行するなど A D B 内部のコ
ミュニケーション促進でも重要な
役割を果たしている。また、
ADB の創立記念日の祝典など、
ADB内外のイベントに関する助
言や支援も行った。
アジア太平洋地域で貧困と闘う ADB
72
2000 年 年次報告
組織運営
ADB の業務を成功に導くには、プログラムや活動の効率的な運営が不可欠である。2000 年は、業務手順の合
理化と強化が進められ、スタッフのスキル構成の幅を広げるとともに、現地事務所が増設された。これらは、
いずれも「開発途上加盟国(DMCs)の貧困削減」という ADB の目標を実現するためのものである。本章では、
内部監査や汚職防止機能など、効率的業務を確保する対策について検討する。
人事管理、研修及び人材育成
2000 年、人材育成のプログラムや活動は以下を重点
対象として行われた。
(1)貧困削減、民間セクター開
発、各種政策の策定と改革、能力開発に関する ADB
の業務上の課題に対する支援、
(2)駐在員事務所に関
する政策の下での現地事務所のニーズの増大に対する
対応、
(3)専門分野や国籍、性別、年齢などのバラン
スが取れたスタッフ構成を実現する方策の策定・実
施、
(4)研修・能力開発プログラム等の実施状況の改
善、
(5)人材管理情報システムにおける状況即応機能
の向上。
特に求められたのは、各地域で貧困削減という
ADB の目標を実現するために必要な専門知識を明ら
かにし、その必要を満たすことであった。この課題
は、ADB の人事課と業務担当部署との密接な調整及
び選考過程に、業務担当スタッフも参加することに
よって解決できるものである。そこで、貧困削減の指
標を使用したマクロ経済に関するセミナー・シリー
ズ、貧困関連のテーマに関する短期セミナー、ADB全
体を対象とした貧困削減戦略に関するスタッフを対象
とする一連のフォーラムなどの研修や能力開発プログ
ラムが実施された。
2000 年 2 月には駐在員事務所に関する政策が承認
され、現地事務所の役割が拡大した。この方針によっ
て、現地事務所のスタッフの役割や責任の明確化、本
部から事務所に配属されるスタッフの選考過程の改
善、研修や人材育成実施など、人材確保のための政策
を立てることが求められている。2000 年には、2001
年の実施に向けた行動計画が立てられた。
ADB は、専門職員の男女のバランスを達成するた
めの9項目のジェンダー行動計画、透明性を確保する
ための専門職員の外部登用・選考方法の改正や補助職
員採用制度の改正、適切な異動、貧困削減、経済、財
務管理に関する幅広い専門知識を備えたスタッフの採
用を通じて人材確保に努めた。
スタッフの育成のため、各種のニーズに沿って研修
を行った。スタッフは、民営化、財務分析・管理、駐
在員事務所の財務管理、財務分析研修プログラム、
ミッション・リーダー指導プログラム、協調融資、財
政改革及びマクロ経済に関するセミナーを受講し、専
門能力を強化した。不正行為の摘発、ジェンダーと貧
困、インターネットのホームページ・デザインなどの
新しい研修も実施された。また、上級補助職員のため
の監督研修、ミッション・リーダーシップ・プログラ
ム、管理職の集中研修、新任マネージャ研修、コミュ
ニケーション研修など、
専門職員及び補助職員を対象
とした管理・監督の能力向上のためのプログラムも整
備された。研修を拡充する方策として、所定の現地事
務所で実施される研修に、
その地域内の他の現地事務
所も参加するハブ研修なども行われた。人材開発のた
めに、行内経営管理学修士プログラムも進行中であ
る。また、スタッフは、2001 年に導入予定の総合ソフ
トウェアに対応するための研修も受けた(70 ページ
の囲み記事を参照)。
また、DMCs の政府との関係を強化し、各国の担当
官に ADB の政策や手続を学んでもらうため、約 30 名
を対象にオリエンテーション・プログラムを実施した。
2000 年末現在、ADB のスタッフは、加盟 59ヵ国の
うち 47ヵ国出身の 2,058 名である。構成は、専門職員
が 732 名 1、補助職員が 1,326 名 2 となっている。その
うち約 11%に相当する 228 名 3 が 18ヵ所の現地事務
所に配属されている。この年、専門職員は 92 名が新
規採用され、同じく 45 名が退職した。補助職員は採
用が 91 名、退職が 53 名であった。2000 年末現在、女
性の専門職員は前年末の 151 名(22%)から 184 名
(25.1%)に増加した。
1 総裁、副総裁、理事顧問、無給で一時異動・特別休暇中の職員、ADB 研究所への一時出向職員を含む。
2 無給で特別休暇中の職員を含む。
3 内訳は、専門職員 54 名、現地職員(現地採用の専門職員)57 名、補助職員 117 名。
74
2000 年 年次報告
給与
ADB は、専門職員については 6.1%の昇給(2001 年
1 月 1 日より実施)を承認した。また、補助職員につ
いては給与体系の包括的見直しが完了し、10.2%の
昇給(2000 年 4 月 1 日より実施)が承認された。
専門職員の現地事務所への派遣条件についても
2001 年 1 月実施を目指して見直しが完了した。また
2000 年は、職員に対する保健教育と医療サービスの
拡充も引続き実施された。
管理業務
業務プロセスの合理化、簡素化、自動化の強化という
ADB の継続的努力と並行して、次の対策が講じられ
た。すなわち、(1)記録センターや資料室にデータ
ベースを集約し、情報へのアクセスを加速する、
(2)
スタッフの海外異動の場合等に、家財等の輸送方法
を改善する、
(3)事務用品の在庫管理の合理化と輸送
の外部委託により経費節減を実現する。また、ソフト
ウェア・システムの更新により、在庫・調達管理が改
善された。他にも、セキュリティ対策の強化、デジタ
ル印刷技術の導入、消耗品調達に関する長期納入契
約など様々な面でプロセスやシステムの改善が見ら
れた。
予算
2000 年の一般管理費は 2 億 490 万ドルで、当初予算 2
億 1,540 万ドルを 1,050 万ドル下回った。この節減が
実現した主な原因は、フィリピン通貨の下落、第33回
年次総会や人件費が予算を下回ったこと、最終的
に様々な運営費や管理費が節減できたこと、1%
の臨時費を使わずに済んだことなどである。効果
的な予算モニターや効率化対策が、予算や経費の
合理化に役立った。
ADB が戦略的優先課題を実施する能力を拡
充し、悪影響を及ぼさずに迅速に関連の活
動や業務が実施できるように、2001 年の
ステークホルダーは、開発プロジェクトに参加して、
プロジェクトの管理、実施、維持に協力する。ラオス
の女性から話を聞く ADB スタッフ。
一般管理費として2億2,690万ドルの予算が組まれた。
2001 年度と 2000 年度の予算額の差は、主に専門職員
30 名の増員に伴うものである。また、2001 年度予算
は、駐在員事務所に関する政策の実施、情報通信技術
サービスの改善、検査機能の充実を盛り込んだ予算に
なっている。ADB は、スタッフの増員を行う一方で、
引続き費用対効果の改善、スタッフの適正配置、人材
確保、業務プロセスの改善に努めている。
ADB は、資本予算を 2001 年から年間予算編成に組
入れている。これは、既存の資本支出プログラムを補
足することになる。2001 年の資本予算は 350 万ドル
で、本部ビル改修、コンピュータ及び周辺機器の交
換、
ネットワークや情報通信技術インフラのアップグ
レードに主に充てられる。
監査と汚職防止
監査役室(OGA)は、ADB の活動について定期的か
つ独立した客観的な監査を行い、適切かつ効果的に
業務が運営されていることを確認し、ADB の開発事
業の効率性を確保しようとしている。また、OGA は
汚職防止の中心となり、プロジェクト関係者やス
タッフに関する汚職/不正疑惑を処理している。
OGA の報告は、直接総裁に提出されることになって
おり、OGA 自身の活動は、理事会の監査委員会が監
査する。
2000年に実施されたプロジェクト関連の監査では、
次の諸点が勧告された。
(1)実行機関から提出された
監査済みプロジェクト会計書類(APAs)や財務諸表
(FSs)審査の効果・効率
の改善、
(2)APA/FS
組織運営
75
2000 年、汚職防止課では、DMC1ヵ国の調達関連の監
のモニタリング、監査報告書中の重大な情報公開に関
査を行っている。また、ADB の人事課と協力し、新
する実施機関のフォローアップ、プロジェクト実行中
入スタッフ向けの汚職防止セミナーを実施するととも
におけるプロセス完了のモニタリングなどの方法を改
善し、プロジェクト実績報告書を改定すること、
(3) に、ADB スタッフ向けの不正行為に関する教材の作
成やセミナーを実施した。
技術援助プロジェクトのための車両その他設備の調
OGA は、アジア最高監査機関協会及び
達、利用、処分に関する適切なガイドライ
南太平洋最高監査機関協会による2件の長
ンの作成。2000 年、OGA は、監査機関の
期地域研修プログラムや中国政府の会計・
協力を得て複数のコンサルタント契約の監
監査能力を向上させる技術援助の監督を継
査を実施し、ADB の技術援助プロジェク
続した。2000 年には、中央アジア 3ヵ国の
トにおけるコンサルタント選考手続がより
政府監査機関の監査能力や ADB プロジェ
合理化された。
アジア
クトにおける不正/汚職行為の防止を図る
ADB の管理及び財務部門の監査も行わ
太平洋地域で 域内技術援助が承認された。また、国際会
れ、次の諸点が勧告された。
(1)より合理
貧困と闘う
議や多国間開発銀行(MDBs)の最高監査
的かつ経済的な調達の実施及び在庫の会
役が集まる年次会議において、最高監査機
計・管理の改善、
(2)調達された図書館資
ADB
関や MDBs との密接な連携を維持した。
料の受領及び支払い請求に関する内部管理
国別援助計画やプログラムの作成及び
の強化及び ADB 図書館の資料の貸出/返
却手続の自動化推進、
(3)契約業者に対する支払い、 プロジェクトの業務評価に固有のリスクや問題を明ら
棚卸、消耗品調達関連の手順の合理化・効率化、
(4) かにする、ADB 全体の内部管理に関するスタディが
完了した。一方、OGA は、以下を積極的に推進した。
ADB 研究所の出張費請求に対するモニタリングと清
(1)プロジェクトのリスク分析、設計全体の検討、安
算手順の改善。
全・管理に重点を置いた、財務管理及び人材管理情報
メインフレーム・コンピュータ設備の見直しが行
システムの継続的導入、
(2)内部管理とセキュリティ
われ、本部ビルで不測の停電が生じた場合に予備施
の分野における問題点を検討し、
リスク管理を重視し
設でメインフレーム・コンピュータのサービスを復
た、
財務リスク管理システムのソフトウェアを導入す
旧させるシステムの採用及び予備施設を火災や無断
ること、
(3)国際銀行間金融通信協会(略称 SWIFT。
アクセスから守る適切なセキュリティ対策の実施が
電子資金振替システム)及び ADB のメインフレーム
勧告された。
設備の予備設備のテスト。
ADBが融資しているプロジェクトまたはADBのス
OGAは、ADBの外部監査機関が年間を通じてADB
タッフに関し不正行為や汚職の疑いがある場合は、
の年間財務諸表の監査を継続し、ADB が様々な債券
ADB の汚職防止課(1999 年設置)に報告が提出され
を発行する際に暫定財務諸表を認証するための措置
る。汚職防止課は、これまで複数の不正行為や汚職容
を講じた。また、OGA は、2001 年度から 2004 年度に
疑を調査した。容疑の情報源の秘密は最大限守られて
ついて監査する外部監査機関の入札と選考手続を完
いる。汚職防止課が行った調査やその結果については
http://www.adb.org/anticorruption に掲載されている。 了した。
76
2000 年 年次報告
ADB の財源及び財務管理
2000 年には、貧困削減日本基金(JFPR)が設立され、社会開発を通じて貧困を削減するという ADB の活動が
強化された。本章では、貧困削減戦略に沿った社会開発に無償資金を供与するために新設された、この JFPR に
ついても触れる。また、2000 年には、アジア太平洋地域のニーズに限定して譲許的援助を行う唯一の多国間基
金であるアジア開発基金の第 7 回追加拠出が合意された。
通常資本財源(OCR)
通常資本財源(OCR)の資金源は以下の3種類である。
(i)民間資本市場からの借入金、
(ii)各国政府資金に
よる払込資本、(iii)業務上のリスクの緩衝剤となる
累積利益剰余金(準備金)。
財務政策:1997 年に理事会が ADB の収入と準備金
の政策を見直し、インタレスト・カバレッジ・レシオ
(ICR)及び準備金:融資比率(RLR)が ADB の収益
の有効な指標となることが明らかになった。ICR は、
財務諸経費に対する純利益の比率に1を加算したもの
であり、
「ADB の財務の健全性を損なわずに、現在の
収入から、どの程度まで純利益を落すことが可能か」
を示すものである。見直しの結果、ICR の最低限目標
を約 1.31 とすることが決定された。RLR は、貸付残
高と株式投資、保証の現在価値の合計に対する総準備
金の割合であり、この数値をもとに融資資産に対する
ADB の収益ベースの健全性を見る。1997 年の見直し
で承認された政策では、RLR を 25%に維持すること
になっている。
1999 年に実施された OCR の融資関連手数料の見直
しについて理事会が承認した勧告が2000年1月1日か
ら実施され、貸付スプレッドは0.4%から0.6%に引き
上げられ、プール方式貸付残高全てに適用された。ま
た、新規貸付については、新たに 1%の前払手数料が
導入されるとともに、新規プログラム・ローンの約定
料は、一律年 0.75%が適用されることになった。
2000年にはOCR融資の大々的な見直しが開始され
た。この見直しは、貸出先の諸国の優先課題と現在
ADB にある貸付方式を勘案し、ADB が借入国のニー
ズにより適切に対応できるようにすることを目的と
している。この見直しは、2001 年に終了する予定で
ある。
資本組入:2000 年 12 月 31 日現在、ADB の授権資本
は 455 億ドル(349 億 SDR)、応募済資本は 453 億ドル
(347 億 SDR)となった。
また、2000年には、トルクメニスタンの加盟が発効
した。
実績と純利益の配分
2000 年末、ADB の ICR は 1.4%、RLR は 27.3%を示し
た。この年、ADBは、1997 年に承認された収益と準備
金に関する政策に基づき、収益見通しと1999年度純利
益の処分を検討した。その結果、総務会は、以下を承
認した。
(1)1999 年の純利益 4 億 4,990 万ドルは全額
準備金に繰り入れる。
(2)現在剰余金勘定に計上され
ている 8,000 万ドルを技術援助特別基金(TASF)に振
り替える。
また、理事会は以下を承認した。
(i)ADB は、2000
年に3億ドル相当のドル以外の運用通貨を米ドルに切
り替えることができる。(ii)OCR の融資関連手数料
は、現行のまま据え置く。
貸付金利:ADB の通常資本財源(OCR)の貸付に
は、プール方式複数通貨建て貸付、プール方式米ドル
単一通貨貸付、市場ベース貸付 (MBL)の 3 つの形
式がある。プール方式複数通貨建て貸付、プール方式
米ドル単一通貨貸付の貸付金利は、前期の借入の平均
コスト及び貸付スプレッド(2000 年 1 月 1 日から 0.6
%)を基本に決定される。MBL は、民間セクターの
借り手及び政府が保証した金融機関に、貸付時の条件
で米ドル、日本円、スイスフランのいずれかの単一通
貨の貸付を行うものである。MBL の金利は、固定金
利あるいは変動金利である。
貸付金利 a
(年利 %)
1999
2000
1月1日
5.84
6.38
5.72
6.46
(複数通貨建て)
(米ドル建て)
7月1日
5.65
6.24
5.68
6.53
(複数通貨建て)
(米ドル建て)
a 貸付金利は毎年 1 月 1 日及び 7 月 1 日に設定され、6ヵ月間有効。
78
2000 年 年次報告
2000 年上半期、ADB のプール方
収支状況 ー 通常資本財源
(単位:百万ドル)
式変動貸付金利は、複数通貨建て貸
付が年率 5.72%、米ドル貸付が年率
時価ベース
1996
1997
1998
1999
2000
6.46%であった。同年下半期、複数
総収入
1,561.7
1,449.7
1,832.5
2,027.8
2,300.9
通貨建て貸付の年利が 5.68%に下
貸付から
1,170.0 1,127.9 1,440.9 1,674.6 1,861.3
がったのに対して、米ドル貸付の年
投資から
359.8
311.7
382.9
344.0
399.9
利は 6.53%に上昇した。
その他財源から
31.9
10.1
8.7
9.2
39.7
MBL の貸付金利は、6ヵ月物ロン
マイナス:費用
ドン銀行間取引金利(LIBOR)に貸
利息その他財務経費
877.9
853.2 1,206.5 1,447.2 1,576.7
付スプレッドを加算したものを基本
管理費 a
108.8
95.7
121.7
105.9
92.6
に決定される。公共セクターの金融
損失引当金
2.9
32.9
37.4
24.8
5.9
機関に対する MBL の貸付スプレッ
費用合計
989.6
981.8 1,365.6 1,577.9 1,675.2
ドは、OCRのプール方式貸付と同じ
純利益 b
572.1
467.9
466.9
449.9
625.7
ものが適用される。民間企業の貸付
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a ADF に分配される管理費差引後。
スプレッドは、当該借り手やプロ
b 保証手数料の特別準備金への引当て前。
ジェクトにおいて ADB が負担する
リスクを補填できるように個別に決
定される。
収支状況:2000 年には、貸付や投資からの収入、そ
貸付
の他の利益が増大し、全体での総収入は前年の20億ド
OCR 貸付の承認、実行、返済及び期限前償還:2000
ルから13.5%増えて23億ドルに達した。総収入の内訳
年の OCR 貸付は、41 件総額 43 億ドルが承認された。
は、19 億ドルが貸付、4 億ドルが投資、4,000 万ドルが
前年の OCR 貸付の承認は、34 件総額 39 億ドルであっ
その他財源によるものである(上記の表を参照)。
た。2000年の貸付総額のうち78.7%が、インド、中国、
貸付対象案件の平均利回りは、貸付スプレッドが上
インドネシア、フィリピンに対するものであった。
昇したことを主因に、前年の 6.4%に対して 2000 年は
2000 年の貸付実行総額は 29 億ドルで、前年度の 37 億
6.6%となった。2000年の投資対象案件の利回りは、前
ドルに対して22.3%減となった。2000年の元本返済は
年の 3.9%から 5%に上昇した。これは、同年に、世界
19億ドルで、うち6億9,340万ドルが期限前償還であっ
の債券市場が押しなべて好調だったことに起因するも
た。2000 年、全額期限前償還された貸付は 14 件、一
のである。運用資産の平均利回りは、前年の 1.3%に
対して 2000 年は 1.7%となった。
総営業経費は、前年度比 9,730 万ドル増(6.2%増)
の 17 億ドルであった。財務経費が 1 億 2,950 万ドル
増加したのに対し、管理費は 1,330 万ドル減少、損失
引当金も 1,890 万ドル減少したが、合計では増加と
なった。1999 年には、複数の投資先企業が経営に行
き詰ったために異例の損失引当金が設定されていた
が、これが通常に戻ったため、2000 年の損失引当金
(590 万ドル)は、前年(2,480 万ドル)を下回った。
総営業経費は、総収入の 72.8%だった。ちなみに、前
年度は 77.8%であった。
保証手数料を特別準備金へ引き当てる前の純利益
は、前年度比 39.1%増の 6 億 2,570 万ドルであった。ち
なみに、1999年の純利益に比べると、3.6%減となった。
純利益(1996 ∼ 2000 年)
(単位:百万ドル)
0
2000 625.7
1999 449.9
1998 474.3
1997 467.9
1996 572.1
140
280
420
560
700
ADB の財源及び財務管理
部期限前償還された貸付は 1 件であった。2000 年 12
月 31 日現在、偶発損失引当金差引後の累積貸付残高
は 282 億ドルとなった。
貸付状況:ミャンマーの公共セクター向け OCR 貸
付 2 件及び民間セクター向け貸付 12 件が 2000 年末現
在利払停止状態にある。利払停止状態の貸付の残高
は、公共セクター向け貸付が総額 86 万 4,000 ドル、民
間セクター向け貸付が 7,770 万ドルで、OCR の貸付残
高総額の約 0.3%に相当する。
79
借入の推移(1991 ∼ 2000 年)
(単位:百万ドル)
1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000
30,000
25,000
20,000
15,000
年末現在の
債務残高
年間借入額
10,000
借入
5,000
0
2000 年、ADB は、グローバル債を 1 回発行したのに
加え、約定借入/私募債発行を 3 回実施し、総額約
17 億ドルの資金を調達した。また、平均償還期間は、
1 件の借入でプットオプションの行使を引き受け、
約 5.6 年であった。ちなみに、前年の平均償還期間は
約4.5年であった。スワップ後の借入資金のうち米ド
ル建て固定金利の借入は約 16 億ドルで、年間の平均
総コストは年間7.5%、平均償還期間は5年となった。
ちなみに、前年の平均総コストは5.6%で平均償還期
間は 5.2 年であった。残りは償還期間 15 年の米ドル
建て変動金利借入であった。借入資金総額のうち、
プール方式米ドル単一通貨貸付に約16億ドル、MBL
に約 9,300 万ドルが充てられた。
2000 年、ADB は、私蓄債や指標銘柄となる公債発
行のいずれかを選択し、効率的な資金調達を行った。
また、望ましい金利や通貨で借入を行うために通貨ス
ワップを行ったほか、貸付の実行や債務返済に必要な
通貨が一時的に不足する事態を回避するため、短期の
つなぎ融資も利用した。
また、2000 年、ADB は、主要資本市場において、
10 億ドルのグローバル債の発行を完了し、借入のプ
レゼンスを維持した。これらの債券は、主要市場に
広く出回り、米国のグローバル債市場で流動性があ
る債券指標銘柄になった。この他にも、ADB は、債
券市場における資金調達を図り、総額 6 億 9,300 万ド
ルの調達 3 件を実現した。内訳は、グローバル・プッ
ト債の発行 3 億ドル、ユーロドル債の発行 3 億ドル、
仕組み私募債の発行約 9,300 万ドル相当である。こ
れらは、コスト効果の高い資金調達を実現するばか
りでなく、ADBに投資している投資家の拡大に貢献
した。
また、ADB は、ユーロ建てのコマーシャルペー
パー(ECP)を発行し、短期資金 2 億 5,000 万ドルを
調達した。この ECP は、6 月に長期借入に借り替えら
れた。
2000 年中の借入
(金額の単位は百万)
種類
借入
グローバル
公募
公募
2005 年満期 7.50%5 年もの債券
2015 年 b 満期 7.50%15 年もの債券
ユーロ市場
私募
2015 年 c 満期 15 年もの債券
公募
2005 年満期 7.00%5 年もの債券
合計
a ADB が借入条件を決定した日の ADB の適用為替レートによる。
b 5 年ものプット・オプション付
c 金利は、利息支払日の 15 営業日前の米ドル対円為替レートに基づき決定される。
元本
US$1,000
US$300
米ドル換算 a
1,000.0
300.0
¥10,000
92.6
US$300
300.0
1,692.6
80
2000 年 年次報告
流動資産管理
流動資産は、現金収入が悪化した際に緩衝剤の役割を
果たす。ADB は、年末の流動資産水準を未実行貸付
残高の 40%以上に維持する方針である。これにより、
貸付実行、債務返済、その他の経費に充当する資金が
滞りなく確保されることになる。また、流動資産(短
期運用資産)は、ADB の収益にも寄与する。
流動資産の管理は、理事会によって承認された投資
要項に従って行う。投資要項の主な目的は、投資資金
の安全性と流動性の確保であり、
この目的を満たすこ
とを条件に、ADB は、投資収益を最大限にするよう
に努めている。
ADB の投資は、受領した通貨と同じ通貨で行われ
る。ADB は、協定の規定に従い、投資目的での通貨
交換は行わない。現在、流動資産投資は 18 種類の通
貨建てとなっている。
1999 年に承認された新しい投資戦略は、予測され
るリスクとポートフォリオの収益のバランスの最適化
を図るものである。この戦略を遂行する一環として、
OCRの流動性ポートフォリオを、中核投資部分、即時
利用可能資金、現金クッション・ポートフォリオの 3
つに分け、投資効率の最大化、ポートフォリオの収益
を各別に把握することによる透明性の向上、現金クッ
ション・ポートフォリオの資金調達コストの算定が図
られた。
2000 年には、中核投資部分の見直しがほぼ完了し
た。この見直しでは、中核投資部分の期間延長及び
(米ドルの投資対象で)格付け AAA– と AA– の社債を
少量組入れることにより、リスクに見合った投資構成
とした。
また、米ドル建ての中核投資部分の 3 億ドルが、抵
当証券(格付け AAA)、資産担保証券(格付け AAA)、
社債(格付け A)に配分された。これらは、徹底的か
つ透明な選考過程を経て決定された外部の機関が管理
している。
2000 年 12 月 31 日現在、OCR における投資は、前
年末の 82 億ドル相当から 75 億ドル相当に減少した。
OCR 投資全体の実現収益率は、前年の 3.5%に対して
6.1%となった。
リスク管理:財務リスク管理のガイドライン、手
続、システム戦略の策定・実施は、ADB 財務局リス
ク管理課が担当している。リスク管理課は、市場リス
クや信用リスクの特定、計数化、モニタリングを行
う。また、リスク測定方法の有効性の確認や改善の導
入を行うほか、実際に発生したリスクの算定やモニタ
リング、外部資産管理プログラム及び職員退職金制度
を担当する外部の資産管理機関の選考やモニタリング
も同課が担当している。
資金管理業務:1997年のアジア通貨危機以後、貸付、
特にその中でもプログラム・ローンや早期実行ローン
が急増し、貸付実行額と計画額に大きな開きが生じる
例が相次いだ。そして、ADB の業務において、危機後
の変動要因を考慮する必要があることが明らかになっ
た。そこで、月毎に貸付実行の見積りができる方式を
導入することを目的に部局間会議が2000年に開催され
た。データがさらに正確かつタイムリーに作成、普及
されるようにADB内部の業務計画立案プロセスが強化
され、ADB の資金管理業務の効率化が図られた。
特別基金
設立協定により、ADB は、特別基金の設
置を認められており、現在、アジア
開発基金 (ADF)、技術援助特
ADB の財源及び財務管理
別基金(TASF)、アジア通貨危機支援資金を含む日本
特別基金(JSF)及びADB研究所特別基金を管理運用
している。
アジア開発基金(ADF)
ADF は、一人当りの GNP が低く、債務支払能力が限
られている開発途上加盟国(DMCs)を対象とする譲
許的貸付制度である。ADF には(域内外の)援助供与
加盟国 26ヵ国の政府が拠出している。この基金は、ア
ジア太平洋地域のみを対象とした譲許的援助の唯一の
多国間財源である。ADFは、ADBに加盟している最も
貧しいDMCsにおける貧困削減及び生活水準の向上を
支援する。ADFは、アジア太平洋地域の最も貧しい諸
国における公正かつ持続可能な開発を通じて、貧困削
減を実現する国際協力の重要な手段となっている。
ADF Ⅷ:2000 年 9 月、ADB が 2001 年∼ 2004 年に
実施する譲許的貸付の財源を準備することを目的とし
た、第 7 回 ADF 追加拠出(ADF Ⅷ)の交渉が完了し
た。追加拠出の合意額は 56 億 5,000 万ドル(1999 年
10 月 1 日から 2000 年 3 月 31 日までの平均為替レート
換算)であった。このうち 29 億 1,000 万ドルは追加拠
出に応じた25ヵ国が拠出し、残りの27億4,000万ドル
は、
過去の貸付の返済で発生した約定枠から充当され
る。拠出額が最も多いのは日本である(11億ドル)。拠
出額は、アメリカが 4 億 1,200 万ドル、ヨーロッパ諸
国が合計 8 億 5,980 万ドルになる。追加拠出全体のほ
ぼ半分はアジア太平洋地域からの拠出である。今回、
ポルトガル(新たに ADB に加盟予定)とシンガポー
ルが初めて拠出する。
交渉では、援助供与国は、ADF と ADB の業務上の
優先課題とその取り組み方に関して合意した。その内
容は、ADF 財源をさらに実績に即して配分する仕組
み、域内のグッド・ガバナンスの強化や男女共同参画
の推進、環境改善、DMCs 間の協力強化に対する支援
の拡大などである。
2000 年 12 月 13 日、追加拠出の条件について定めた
決議 276 号が総務会で採択された。この決議は、追加
拠出の対象期間である 4年間にわたり 4 回分割で同額
を ADB に拠出し、貸付約定に使用できるようにする
ことを規定している。
ADF Ⅶ:1997 年 3 月 22 日、1997 年から 2000 年に
いたる 4 年間に ADB が譲許的貸付業務を行うための
資金調達を目的としたアジア開発基金の第6回追加拠
出(ADF Ⅶ)が、総務会決議第 247 号で認可された。
2000 年 3 月、アメリカの第 2 回拠出の残り 77%が貸付
約定に利用可能となった。これを受けて、オーストリ
ア、フランス、ドイツ、マレーシア、トルコも 3 回目
の残り 77%を拠出した。イタリアとニュージーラン
ドは、2000 年 2 月に 3 回目の拠出を済ませた。また、
援助供与国18ヵ国が第4回目の分割金を全額拠出した1。
オーストラリアが 4 回目の分割金、アメリカが 3 回目
と4回目の分割金を拠出しなかったため、オーストリ
ア、フランス、ドイツ、マレーシアの 4ヵ国が比例按
分権を行使して貸付約定のための第4回目の分割金を
拠出しなかった。
ADF 貸付の承認、実行及び返済: 2000 年中、ADF
貸付は、49件総額16億ドルが承認された。前年度は、
32 件 11 億ドルであった。2000 年の貸付承認額の約
41%は、パキスタン、バングラデシュ、スリランカに
対するものである。2000年の貸付実行総額は、前年度
の 11 億 1,380 万ドルに比べ 1.9%増の 11 億 3,500 万ド
ルであった。年末現在、ADF財源からの貸付実行累積
総額は 165 億ドルとなった。同年の貸付返済額は 2 億
840万ドル、返済累積額は 14億ドルとなった。2000 年
12 月 31 日現在、ADF 貸付残高は、670 万ドルの偶発
損失引当金差引後 155 億ドルであった。
貸付の状況:年末現在、対アフガニスタンの公共セ
クター向け貸付4件、対ミャンマーの公共セクター向
け貸付 28 件及び民間セクター向け貸付 1 件が利払停
ADF 約定枠
(単位:百万ドル)(年末)
1999a
2000a
ADF VII 拠出金
1,601.6
1,978.2
b
ADF Ⅵ拠出金
拡大繰上げ融資約定枠
430.1
1,500.0
417.0
2,231.4
ADF 資金総額
マイナス:
3,531.7
4,626.6
3,367.9
132.1
4,471.0
155.7
31.8
0.0
約定融資
貸付実行リスク引当金
合計
1 イタリアも、2001 年 2 月に第 4 回目の分割金を全額拠出した。
81
a 小数点以下の処理により合計と一致しない。
b ADF Ⅶ期中における貸付約定用に拠出された ADF Ⅵ拠出金額。
82
2000 年 年次報告
止状態にある。これらアフガニスタン、ミャンマー、
民間セクターに対する貸付残高は、それぞれ 3,050 万
ドル、4億6,070万ドル、600万ドルで、合計するとADF
貸付残高総額の約 3.2%に相当する。
運用投資の状況: 2000 年末の ADF における運用投
資は、前年末の 21 億ドルに対し、23 億ドルに達した。
そのうち約 47%は銀行預金、53%は変動性又は確定
所得証券に投資した。2000年のADF投資の収益率は、
前年の 3.8%に対して 5.2%であった。
投資は14種類の通貨建てで、日本円と米ドルが35%
を占めている。
ADF の収支: 2000 年、ADF の支出に対する収入の
超過額(純利益)は、1 億 6,360 万ドルで、年末の積
立剰余金は 15 億ドルとなった。
主に投資収益と貸付手数料から成る総収入は、2 億
6,590 万ドルとなった。支出は、OCR から割り当てら
れた管理手数料 1 億 230 万ドルと損失引当金 2 万 1000
ドルが主なものである。
技術援助特別基金累計財源
(単位:百万ドル)
1999
2000
定期的補充拠出金
238.0
238.0
OCR 純利益からの分配
直接任意拠出金
421.0
87.2
501.0
87.3
投資その他財源からの収益
TASF から ADF への移転
66.5
(3.5)
76.7
(3.5)
合計
809.2
899.5
( ):マイナス
1 億 1,630 万ドルから 1 億 1,550 万ドルに減少した。
2000 年に承認された技術援助全体の資金の 45.2%は
TASF から支出されている。
2000 年末現在、TASF における投資額は、前年度比
10.5%増の 2 億 3,880 万ドルとなった。この他、銀行
預金、コンサルタントへの前払いなどで構成される資
産は総額1,290万ドル、OCR への支払勘定その他は50
万 5,000 ドルとなった。
技術援助特別基金(TASF)
日本特別基金(JSF)
活動の概要:2000 年 5 月、総務会は OCR の剰余金勘
定から技術援助特別基金(TASF)への 8,000 万ドルの
再配分を承認した。2000 年、インドが 10 万 3,000 ドル
相当の直接任意拠出金(第 16 次)を TASF に拠出し
た。この拠出金は完全にアンタイドであった。
2000 年末現在、TASF の財源は総額 8 億 9,950 万ド
ルで、そのうち7億8,400万ドルは約定済みとなり、残
りの 1 億 1,550 万ドルが未約定であった。詳細は、統
計付録表 32 を参照。
業務及び財源状況:2000 年、前年 6,310 万ドルだっ
た技術援助に対する約定額(承認済みで有効)は
8,050 万ドルに増加した。同年実施された技術援助プ
ロジェクトは 199 件となった。2000 年、完了した技
術援助プロジェクト及び中止された技術援助プロ
ジェクトの合計 1,340 万ドル(1999 年は 700 万ドル)
は、同年の技術援助の減少分として計上され、対応す
る未実行約定は削除された。2000年の投資収益は、前
年の 710 万ドルから 970 万ドルに増加した。これは、
カナダ及びユーロ向けの投資収益改善が大きく影響
したものである。技術援助の増加や為替変動による
目減りにより、同時期の OCR からの資金配分や収入
が相殺され、2000 年に約定利用できる残高は前年の
活動の概要:日本特別基金(JSF)が資金を提供する
無償技術援助は、引続き貧困削減を目指した ADB の
業務を支えた。2000 年 5 月、日本政府は、JSF に対す
る定期拠出金として 41 億円(3,760 万ドル相当)を拠
出した。2000 年 12 月 31 日現在、1988 年に JSF が創
設されて以来の日本の拠出金累計額は、906 億円(約
7 億 8,260 万ドル相当)となった。内訳は、定期拠出
金726億円、追加拠出金180億円である。2000年、ADB
2000 年日本特別基金からの技術援助(セクター別)
百万ドル
%
社会基盤整備
19.3
25.0
農業及び天然資源
14.7
19.1
その他
14.1
18.3
運輸及び通信
11.7
15.2
金融
8.9
11.5
エネルギー
5.1
6.6
マルチセクター
2.9
3.8
工業及び非燃料鉱物
0.4
0.5
77.1
100.0
合計
ADB の財源及び財務管理
83
感謝される JSF の援助
2000 年、JSF は、カンボジア、中国、インドネシア、モン
ゴル、フィリピン、スリランカ、ウズベキスタンの社会基
盤整備への資金提供を継続し、アジア太平洋地域の貧困削
減を目指す ADB の業務を支援した。JSF 技術援助は、農
業・天然資源、運輸・通信、環境、エネルギー分野にも提
供されており、受益者及び受益国政府から高く評価されて
いる。
JSFによるモンゴルの都市開発セクターに対する技術援
助は、同国初の住宅融資プロジェクトとなり、同国に住宅
融資制度を導入することになると考えられるが、この JSF
の技術援助を心から歓迎する声が、同国の低中所得層の住
民から上がっている。
インドネシアでは、プロジェクト許可制度における環境
影響評価(EIA)の強化のための能力開発が円滑に実施され
は、JSF が資金を提供する無償技術援助 113 件総額
7,710 万ドルを承認した。2000 年 12 月 31 日現在、未
約定残高は 5,110 万ドルであった。詳細は、統計付録
表 33 を参照。
部門別活動:2000年、同年に承認されたプロジェク
ト準備技術援助総額の 85%を含め、ADB が承認した
技術援助総額の38%の資金がJSFから支出された。セ
クター別のJSFの承認額及び内訳はp.82の下の表の通
りである。
アジア通貨危機支援資金(ACCSF)
たことを、政府機関である BAPEDAL が高く評価した。こ
の技術援助により以下が実現し、EIA のプロセスの統合と
簡素化が図られた。
(1)環境影響評価の導入と対策の優先
順位の決定、
(2)EIA プロセスの透明性や同プロセスへの
ステークホルダー(利害関係者)の参加を推進する仕組み
の構築、
(3)地域や市のレベルで環境保護を進めることに
関する中央政府と地方自治体との合意。
中国では、安徽省の住民が、JSF の資金支援による酸性
雨防止・環境改善プロジェクトへの参加に意欲を示した。
この技術援助は、次の 3 つの重要な施策で構成されてい
る。
(i)総合環境政策、
(ii)二酸化硫黄の削減、酸性雨の
防止、環境改善、(iii)一般市民の意識向上のための施策
実施。
7 件総額 760 万ドルを承認した。2000 年 12 月 31 日現
在、IPA と技術援助資金の未約定残高は 1 億 2,590 万
ドルとなった。詳細は、統計付録表 34 を参照。
ACCSF からの支援は、政策協議、人材育成、制度
強化、その他銀行再編や企業債務再編、財政制度や銀
行監督制度の整備、公共セクター/企業のガバナンス
の強化、社会セーフティ・ネットの整備、環境保護な
どを対象に行われている。
また、日本政府は、3,600 億円(32 億ドル相当)の国
債を ACCSF に寄託した。この国債は、ACCSF による
保証に基づく請求の担保となるものである。2000年に
は、ACCSFの支援対象となるDMCsにおいて、ADBか
らの支援に関連する案件で ACCSF の保証の利用が検
討されたが、ACCSF の保証は供与されなかった。
部門別活動:2000 年、ADB に承認された技術援助
総額の4%の資金がACCSFから支出された。セクター
別 ACCSF 技術援助承認額及び内訳は下記の表の通り
である。
活動の概要:アジア通貨危機支援資金(ACCSF)は、
JSF の独立した資金として、3 年間の期間を定めて
1999 年 3 月に設立された。ACCSF は ADB が管理する
が、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、
タイなどアジアの通貨危機の影響を最も大きく受けた
域内諸国に対する、新宮沢構想に基づく支援の一環と
して日本政府が全額拠出して設立されたものである。
ACCSF の援助方式には、利払い支援(IPA)、無償技
2000 年アジア通貨危機支援資金からの技術援助
術援助、保証がある。ACCSF による援助は、ACCSF
設立後 3 年内(つまり、2002 年 3 月 22 日まで)に承 (セクター別)
認される必要がある。
百万ドル
%
2000 年 3 月、日本政府は、第 3 次拠出金 150 億円
工業及び非燃料鉱物
3.5
46.1
(1 億 3,660 万ドル相当)を ACCSF に拠出した。2000
社会基盤整備
2.8
36.8
年末現在、ACCSF の IPA と技術援助に対する日本の
農業及び天然資源
1.1
14.5
拠出金累計額は、275 億円(2 億 4,100 万ドル相当)と
その他
0.2
2.6
なった。2000 年、ADB は、ACCSF の無償技術援助
合計
7.6
100.0
84
2000 年 年次報告
ADB 研究所特別基金
ADB 研究所の運営費用には、ADB 研究所規則に則り
ADBが管理するADB研究所特別基金が充てられてい
る。2000 年 3 月、日本政府は第 4 次拠出金として 9 億
900 万円(830 万ドル相当)を拠出した。
2000 年 12 月 31 日現在、拠出約定累計額は、為替
変動分を除き 53 億円(4,300 万ドル相当)となった。
2000 年 12 月 31 日現在、拠出金総額のうち 3,740 万
ドルが、シンポジウムや研修の企画・実施、研究報
告書の作成・発行などの研究及び能力開発活動や関
連管理経費等に利用された。
2000 年 12 月 31 日現在、ADB 研究所の将来のプロ
ジェクトやプログラムに使用できる流動資産残高は、
約 590 万ドルである。
ADB が管理しているその他の基金
この他にADBが管理している基金としては、貧困削減
日本基金(JFPR)や日本奨学生プログラム(JSP)
、そ
の他様々なチャネル・ファイナンシング協定がある。
貧困削減日本基金(JFPR)
貧困削減日本基金(JFPR)は、ADB の貸付プロジェ
クトに関連する、新たな形の貧困削減及び社会開発の
ための活動に対し無償援助を提供するために、ADB
の貧困削減戦略の下で、2000 年 5 月に設立された。
2000 年貧困削減日本基金からの無償資金援助
(セクター別)
百万ドル
%
社会基盤整備
3.7
49.6
農業及び天然資源
その他
2.8
1.0
37.1
13.3
合計
7.5
100.0
JFPR には、次の 4 つの目標がある。
(i)貧困層及び社
会的・経済的弱者のための貧困削減及び社会開発活動
の支援、(ii)貧困層の自助努力の促進、(iii)コミュ
ニティ・レベルにおける幅広いステークホルダーの参
加強化、(iv)貧困削減に向けた DMCs の取り組みに
持続的な効果をもたらすこと。
JFPR は、直接貧困削減を目的とし、貧困削減に対
し目に見える効果をもたらす活動を支援する。
2000 年、日本政府は、JFPR に 100 億円(9,260 万ド
ル)を拠出した。同年、JFPR は、以下の新たな形の
貧困削減及び社会開発活動 5 件に対して総額 750万ド
ルの資金援助を行った。
(i)インドネシアにおける少
女売春の犠牲となる危険がある少女のストリート・チ
ルドレンに対する支援(100 万ドル)、
(ii)フィリピン
南部の貧困層の生計維持の支援(280 万ドル)、(iii)
フィリピン、パヤタスのスラム地域を対象とした生活
改善(100 万ドル)、
(iv)パプア・ニューギニアにお
ける低コストの衛生設備、情報普及、保健教育プログ
ラム(170 万ドル)、
(v)フィリピン、モンテンルパ市
インドネシアにおける少女のストリート・チルドレンの支援
貧困削減日本基金(JFPR)が100万ドルの資金援助を行う
プロジェクトが実施され、性的虐待や売春の犠牲となった
ジョクジャカルタの子どもたちが、カウンセリングや医療
保健サービスを受けている。
これは、約 500 人の女児を対象に試験的に行われている
プロジェクトで、インドネシアの他の都市にも拡大される
予定である。性的虐待を受けるおそれがある、又は性的虐
待を受けた少女のストリート・チルドレンを対象としたカ
ウンセリング・プログラムが整備されつつあるとともに、
様々な予防やリハビリの取り組みが検討されている。
また、
このプロジェクトでは、政府、非政府組織(NGOs)、ソー
シャルワーカーが、インドネシア国内に約34,000人いる少
女のストリート・チルドレンのニーズに対応できる持続可
能なプログラムの開発も行っている。このプログラムは、
文化的に受け入れることができ、コスト効果が高いもので
ある。少女の妊婦や幼い母親を収容する低価格の宿泊施設
も用意される。政府、NGOs、民間セクターが提携すれば、
持続可能な形でプロジェクトを実施することが可能と考え
られる。
このプロジェクトは、2000 年 11 月に開始され、社会的
弱者を直接支援する、これまでにない新しい方式が、
NGOs
をはじめとするステークホルダーの賛同を集めている。
このプロジェクトは、ADB がインドネシアのストリー
ト・チルドレンを対象に基礎教育、カウンセリング、職業
訓練を行うことを目的として行っている社会保護セクター
開発プログラム、保健・栄養セクター開発プログラムを補
完するものである。
ADB の財源及び財務管理
のスラム地域住民の移転(100万ドル)。貧困への直接
支援及びコミュニティの参加強化を図る JFPR の支援
方式は、ステークホルダーから十分に受け入れられる
とともに受益者からも感謝されている。詳細は、統計
付録表 35 を参照。
日本奨学生プログラム(JSP)
日本奨学生プログラム(JSP)は、DMCs の才能ある
学生に対し、アジア太平洋地域にある精選された教育
機関で、経済学、経営学、科学技術、その他開発に関
連する分野で大学卒業後の研究の機会を提供するため
に、1988 年に設立された。このプログラムは、日本政
府が資金を拠出し、ADB が管理運営している。現在、
10ヵ国 18 の教育研究機関が JSP の対象に指定されて
いる。
1988 年から 2000 年の間、日本政府は、JSP に対し
4,000 万ドル以上を拠出している。また、33 の加盟諸
国の奨学生に対する奨学金の供与は合計 1,164 件に
達し、そのうち、871 名がすでに課程を修了してい
る。また、女性に対する奨学金の供与件数は 335 件
となっている。2000 年には、1998 年に 49 件であっ
た年間の新規奨学金供与件数が、135 件に増加して
いる。
チャネル・ファイナンシング協定
TASF及びADFの財源が逼迫している中で、各国から
供与される無償資金は、ADB の業務において極めて
重要な役割を果たしている。こうした無償資金は、
ADB の技術援助プログラムを支援し、ローン・プロ
ジェクトのソフト部分の所要資金をまかなっている。
こうした無償供与の大半は、
二国間で援助を行う援
助供与国が、チャネル・ファイナンシング協定(CFA)
により供与している。ADB は、資金の管理者の役割
を果たしており、コンサルタントの登用や調達、プロ
ジェクトの実行、監督については ADB のガイドライ
ンが適用される。
85
奨学金を高く評価する JSP の奨学生ら
JSP の奨学生が集まった会合で、奨学生らから JSP に対
する感謝の声が聞かれた。JSP の奨学金により授業料、
書籍代、生活費、住宅費、医療保険、交通費、研究助成
金が支給され、奨学生は高等教育が受けられるだけでな
く、様々なDMC出身者と交流することができた。奨学生
は、研究プログラムを終了すると、自国の経済・社会の
発展に寄与することが期待されているが、奨学生らは、
「是非その期待に添いたい」と語っている。
CFA では、援助供与国が ADB と次のような包括的
取り決めを結ぶ。
(i)援助供与国は、ADB が管理する
アンタイドの無償資金を提供する(ただし、資金は
ADB 自体の財源には組み入れない)、
(ii)援助供与国
は、
資金の支出先として希望するセクターや被援助国
を提示する、
(iii)ADB は、援助供与国の希望を満た
す、
無償技術援助プロジェクト案の一覧及び案件概要
を定期的に援助供与国に提出する、(iv)当該資金が
供与される具体的な案件について、援助供与国と
ADB の双方が合意する。CFA に基づいて提供される
資金は、運用口座に振り替えられ、支援が実行される
まで ADB が運用する。援助供与国には、資金の利用
に関する定期的な財務諸表及び進捗状況報告書が提出
される。プロジェクトの準備、実行、管理の責任は
ADB が負う。CFA では、援助供与国の裁量により追
加拠出も可能である。
CFAの主な利点は、一回の取極めで複数の技術援助
プロジェクトへの資金提供が可能なことにある。つま
り、案件毎の細部の交渉が最小限で済み、効率的であ
る。ADB は、1980 年に行われた第 1 回目の CFA 交渉
以来、オーストラリア、ベルギー、デンマーク、フィ
ンランド、フランス、イタリア、オランダ、ニュージー
ランド、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、スイ
スの12ヵ国とCFA 取極めを結び、140件の無償技術援
助に対して総額約 6,600 万ドルを供与している。
86
2000 年 年次報告
財務諸表及び
外部監査人報告書
I.
通常資本財源 (OCR)
外部監査人報告書
OCR − 1
貸借対照表 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
OCR − 2
損益計算書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
OCR − 3
キャッシュフロー報告書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
OCR − 4
資本及び準備金の変化報告書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
OCR − 5
貸付概要報告書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
OCR − 6
借入概要報告書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
OCR − 7
応募済資本と議決権に関する報告書 2000 年 12 月 31 日
OCR − 8
財務諸表の注 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
87
88
90
91
92
94
96
98
100
II. 特別基金財源
アジア開発基金 (ADF)
外部監査人報告書
ADF − 1
貸借対照表 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
ADF − 2
損益計算書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
ADF − 3
キャッシュフロー報告書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
ADF − 4
未使用残額及び資本の変動に関する報告書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
終了年度
ADF − 5
貸付概要報告書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
ADF − 6
財源報告書 2000 年 12 月 31 日
ADF − 7
財務諸表の注 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
119
120
122
123
技術援助特別基金 (TASF)
外部監査人報告書
TASF − 1
財務状況報告書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
TASF − 2
活動及び純資産増減報告書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
TASF − 3
キャッシュフロー報告書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
TASF − 4
資金報告書 2000 年 12 月 31 日
TASF − 5
承認・発効済み技術援助の概要報告書 2000 年 12 月 31 日終了年度
TASF − 6
財務諸表の注 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
128
129
130
131
132
133
134
日本特別基金(JSF)
外部監査人報告書
JSF − 1
財務状況報告書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
JSF − 2
活動及び純資産増減報告書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
JSF − 3
キャッシュフロー報告書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
JSF − 4
財務諸表の注 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
136
137
138
139
140
アジア開発銀行研究所特別基金 (ADBISF)
外部監査人報告書
ADBISF − 1 財務状況報告書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
ADBISF − 2 活動及び純資産増減報告書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
ADBISF − 3 キャッシュフロー報告書 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
ADBISF − 4 財務諸表の注 2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
144
145
146
147
148
115
116
117
118
財務諸表
外部監査人報告書
アジア開発銀行
我々は、添付の貸借対照表並びに関連する損益計算書、キャッシュフロー、資本・準備金の増減に関
する諸表は、2000 年及び 1999 年 12 月31日現在のアジア開発銀行通常資本財源の財務状況並びに
該当年の当銀行の業務、キャッシュフロー、資本・準備金の増減の結果を、全ての重要な点において、
公正に、米ドル建てで表わしたものであり、米国で一般に認められている会計原則に則っているものと考
える。これら財務諸表についてはアジア開発銀行のマネジメントが責任を持つものであり、
我々の責任は、
これら財務諸表に関して、監査に基づき、意見を述べることにある。 我々は、財務諸表に重要な不実
記載がないという合理的確信を得るために監査を計画・実施することを定めた米国で一般に認められて
いる監査基準に従い、これら諸表の監査を実施した。 監査では、財務諸表に記載された金額や開示
事項を裏付ける証拠を試験的に検証した。更に、監査では、マネジメントが採用した会計原則と算定し
た重要な見積りの検討、及び財務諸表の記載全体の評価も行った。我々は我々が実施した監査が上
記意見の合理的根拠になるものと考える。
監査は、基本財務諸表全体に関する意見を形成する目的で実施された。後述の 2000 年及び 1999 年
12 月31日現在の貸付及び借入、2000 年 12 月31日現在の資本持分の引受と議決権に関する要約報
告は、更に分析を進めるためのものであり、基本財務諸表の必須事項ではない。それら資料にも、基
本財務諸表の監査で用いた監査方法が適用されている。我々は、全体として、基本財務諸表関連の
全ての重要部分において公正な記載がなされていると考える。
2001 年 3 月 7 日
マサチューセッツ州ボストン
(訳注) 本外部監査人報告書の原典は英文であり、日本語訳との間で解釈に疑義が生じた場合は、
すべて原典が優先される。
87
88
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−通常資本財源
貸借対照表
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
単位:千米ドル(注 B)
資産
2000
現金・短期銀行預金(注 B 及び C)
$
1999
62,546
$
72,972
投資(注 B、C、D 及び J)
政府及び政府保証債務
定期預金
その他証券
$ 3,623,338
2,065,190
1,844,480
貸付残高(OCR − 5)(注 A、B、及び E)
加盟諸国向け及び加盟諸国による保証付貸付
民間セクター向け貸付
27,825,302
405,424
差引:貸倒引当金
28,230,726
75,610
28,155,116
28,344,141
72,991
28,271,150
株式投資(注 A、B、及び F)
差引:投資損失引当金
265,272
61,775
203,497
272,616
61,522
211,094
未収収益
投資関連
貸付関連
87,313
408,735
496,048
86,564
372,502
459,066
加盟国からの未収金(注 I)
譲渡不能、無利息の要求払い債務(注 C)
保有通貨の価値維持に必要な金額
分割拠出金
384,045
8,725
1,169
393,939
381,576
5,495
1,943
389,014
その他資産
通貨スワップに係る未収金(注 H)
5,942,697
6,666,875
保有通貨の価値維持に必要な名目金額(注 I)
677,808
708,431
不動産、家具、設備(注 B 及び G)
156,256
155,395
投資関連未収金 86,026 4,431
債券の未償還発行経費
46,613
56,135
その他(注 L)
103,003
7,012,403
101,403
7,692,670
合計
財務諸表(OCR − 8)の注を参照。
7,533,008
$ 2,295,714
3,643,433
2,259,544
8,198,691
27,936,529
407,612
$ 43,856,557
$ 45,294,657
財務諸表
89
OCR − 1
債務、資本及び準備金
2000
借入(OCR − 6)(注 H)
借入の未払利息
1999
$ 25,367,175
$ 26,285,451
378,140
405,960
未払金その他債務
通貨スワップに係る未払金(注 H)
保有通貨の価値維持に必要な名目金額(注 I)
投資関連未払金
前払拠出金(注 I)
その他(注 G)
$ 6,633,736
279,051
222,646
102
142,072
資本及び準備金(OCR − 4)
資本(OCR − 7)(注 B 及び I)
授権資本(SDR34,909,940,000)
応募済資本
(SDR34,746,270,000 − 2000 年、
SDR34,656,690,000 − 1999 年)
差引:応募済資本の「要求払」 相当分
45,271,263
42,087,172
47,596,805
44,249,150
応募済資本の「払込」 相当分
差引:期限未到来分割払込金
3,184,091
72,232
3,347,655
160,426
期限到来済分割拠出金
差引:アジア開発基金への資本移転
3,111,859
62,031
3,187,229
65,386
3,049,828
3,121,843
7,166,484
181,608
116,645
625,716
(306,646)
6,688,873
181,608
196,645
449,873
(75,606)
通常準備金(注 J)
特別準備金(注 J)
剰余金(注 J)
割当て・引当て後の純利益(OCR − 2)(注 J)
その他収入総累積額(OCR − 4)(注 J)
合計
7,277,607
10,833,635
$ 43,856,557
$ 7,484,515
340,351
79,405
8,802
126,937
8,040,010
10,563,236
$ 45,294,657
90
2000 年 年次報告
OCR − 2
アジア開発銀行−通常資本財源
損益計算書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
単位:千米ドル(注 B)
2000
収入(注 K)
貸付収益(注 B 及び E)
利息
約定手数料
その他
投資収益(注 B 及び D) 利息
売却純損失
その他収益−純額(注 E 及び P)
$1,807,955
46,860
6,519 $1,861,334
403,490
(3,628)
支出合計
純利益
特別準備金への保証料の割当て(注 J)
特別準備金への割当て後の純利益
財務諸表(OCR − 8)の注を参照。
$1,625,654
47,789
1,192 $1,674,635
386,426
(42,475)
399,862
39,734
収入合計
支出(注 K)
利息、その他金融関連費用(注 H)
一般管理費(注 M)
引当金(注 B 及び E)
1999
343,951
9,233
$2,300,930
1,576,745
92,559
5,910
$2,027,819
1,447,218
105,894
24,834
1,675,214
1,577,946
625,716
449,873
−
−
$ 625,716
$ 449,873
91
財務諸表
OCR − 3
アジア開発銀行−通常資本財源
キャッシュフロー報告書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
単位:千米ドル(注 B)
2000
業務活動のキャッシュフロー
受取利息その他貸付手数料
受取投資利息
支払利息その他金融経費
支払一般管理費
その他−純額
$
業務活動における現金受取純額
投資純額
資金調達におけるキャッシュフロー
新規借入の純受取額
買入債券償還及び借入償還
期限到来済資本拠出受取1
債券発行経費支払
加盟諸国要求払債務受取
通貨スワップ受取純額
TASF への移転資金
資金調達における受領(使用)純額
銀行預金純増加(減少)
年初銀行預金
業務活動における現金受取純額
1
1,958,287
5,493,655
39,502,521
(46,389,783)
1,856,437
(2,640,125)
(10,570)
511
(2,246,019)
8,300,935
87,602,260
(93,773,186)
1,151,803
(3,492,014)
(3,754)
(20,013)
(229,067)
(2,479,988)
1,944,312
(1,969,637)
20,301
(6,491)
23,967
(172,193)
(80,000)
7,508,639
(5,523,641)
35,207
(10,708)
25,413
61,446
(80,000)
2,016,356
7,771
7,497
(10,426)
10,355
72,972
62,617
$
62,546
$
72,972
$
625,716
$
449,873
1,752
(299,873)
96,218
3,628
33,653
5,910
(16,393)
$
450,611
このほか、合計 47,508 ドル(56,697 ドル− 1999 年)の譲渡不能、無利息の一覧払い約束手形を加盟諸国から受領。
財務諸表(OCR − 8)の注を参照。
1,425,823
407,745
(1,257,541)
(121,937)
12,400
466,490
(239,741)
銀行預金の為替換算率変更による変動
業務活動における受取純額に対する純利益の調整:
純利益(OCR − 2)
業務活動による現金受取純額に対する純利益を調整するための修正:
経過利息その他経費の変動
貸付に加算される利息や約定料などの未収収益の変動
減価償却及び割賦償却
投資持分売却による純損失
管理料未収金の増減
引当金引当て
その他−純額
$
450,611
投資活動のキャッシュフロー
定期預金その他銀行預金、社債その他の解約(投資)による現金受取純額
投資証券の売却
投資証券の満期償還
投資証券の購入
貸付元本回収
貸付実行
取得不動産、家具、設備
株式投資購入純額
年末銀行預金
1,570,741
400,347
(1,485,833)
(56,385)
21,741
1999
32,432
(228,254)
153,303
42,475
(39,643)
24,834
31,470
$
466,490
92
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−通常資本財源
資本及び準備金の変化報告書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
単位:千米ドル(注 B 及び I)
資本金
残高−
1999 年 1 月 1 日
1999 年総収入(注 J)
払込資本の SDR 価格の変化
同年の追加払込資本
期限未到来分割拠出資本の変化
アジア開発基金へ移転した
資金の SDR 価格の変化
通常準備金への 1998 年
純利益の割当て(注 J)
技術援助特別基金への
剰余金の割当て(注 J)
資本金の SDR 価格変化に伴う
通常準備金の取崩し(注 J)
残高−
1999 年 12 月 31 日
(次へ)
$3,102,543
通常準備金 特別準備金 剰余金
$6,211,102
$181,608 $276,645
割当て・
その他
引当て後の
収入総累積額
純利益
$464,257
449,873
$(172,908) $10,063,247
97,302
(66,367)
15,417
68,600
1,650
547,175
(66,367)
15,417
68,600
1,650
464,257
(464,257)
−
(80,000)
(80,000)
13,514
$3,121,843
合計
$6,688,873
13,514
$181,608 $196,645
$449,873
$ (75,606)
$10,563,236
93
財務諸表
OCR − 4
資本金
残高−
1999 年 12 月 31 日
(次へ)
$3,121,843
2000 年総収入(注 J)
払込資本の SDR 価格の変化
同年の追加払込資本
期限未到来分割拠出資本の変化
アジア開発基金へ移転した
資金の SDR 価格の変化
通常準備金への 1999 年
純利益の割当て(注 J)
技術援助特別基金への
剰余金の割当て(注 J)
資本金の SDR 価格変化に
備えた通常準備金への
引当て(注 J)
残高−
2000 年 12 月 31 日
割当て・
その他
通常準備金 特別準備金 剰余金 引当て後の
収入総累積額
純利益
$6,688,873
$181,608 $196,645
$449,873
625,716
$ (75,606) $10,563,236
(231,040)
(157,007)
7,600
74,037
3,355
394,676
(157,007)
7,600
74,037
3,355
449,873
(449,873)
−
(80,000)
(80,000)
27,738
$3,049,828
合計
$7,166,484
27,738
$181,608 $116,645
$625,716
$(306,646) $10,833,635
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度のその他収入総累積額(注 J)
単位:千米ドル(注 B)
為替換算の
累積調整
未実現投資
保有収益(損失)
残高:1 月 1 日
同年のその他総収入
2000
$ (78,329)
(297,673)
1999
$ (200,036)
121,707
$
残高:12 月 31 日
$(376,002)
$ (78,329)
$ 69,356
財務諸表(OCR − 8)の注を参照。
2000
2,723
66,633
その他
収入総累積額
1999
$ 27,128
(24,405)
2000
$ (75,606)
(231,040)
1999
$ (172,908)
97,302
$
$(306,646)
$ (75,606)
2,723
94
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−通常資本財源
貸付概要報告書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
単位:千米ドル(注 B)
貸付残高1
借入国/保証国
バングラデシュ
中国
フィジー
インド
インドネシア
カザフスタン
韓国
マレーシア
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
スリランカ
タイ
ウズベキスタン
ベトナム
$
13,333
5,113,655
52,053
4,214,919
6,982,572
283,133
3,981,042
497,694
864
2,300
43,703
2,223,435
150,061
2,534,363
15,314
2,002,264
74,782
41,239
発効済貸付の
未実行残高2
$
未発効
貸付
85,334
2,819,622
34,272
1,684,409
2,973,848
61,503
3,353
107,007
−
2,700
1,381
463,065
101,506
1,618,232
30,000
584,093
112,915
28,761
$ 138,000
974,300
−
825,000
435,000
110,000
−
−
−
−
−
150,000
20,600
249,003
15,000
−
177,000
35,000
$
貸付総額
合計に占める
割合(%)
236,667
8,907,577
86,325
6,724,328
10,391,420
454,636
3,984,395
604,701
864
5,000
45,084
2,836,500
272,167
4,401,598
60,314
2,586,357
364,697
105,000
0.56
21.16
0.20
15.98
24.69
1.08
9.47
1.44
n.a.3
0.01
0.11
6.74
0.65
10.46
0.14
6.14
0.87
0.25
地域向け(複数国対象)
28,226,726
4,000
10,712,001
16,000
3,128,903
−
42,067,630
20,000
99.95
0.05
合計− 2000 年 12 月 31 日
28,230,726
10,728,001
3,128,903
42,087,630
100.00
貸倒引当金
(75,610)
(75,610)
純残高− 2000 年 12 月 31 日
$28,155,116
$10,728,001
$3,128,903
$42,012,020
内訳:
加盟諸国向け及び加盟諸国の保証付貸付
民間セクター(貸倒引当金差引後)
$27,825,302
329,814
$10,657,925
70,076
$2,822,903
306,000
$41,306,130
705,890
純残高− 2000 年 12 月 31 日
$28,155,116
$10,728,001
$3,128,903
$42,012,020
合計− 1999 年 12 月 31 日
$28,344,141
$11,674,073
$1,919,574
$41,937,788
貸倒引当金
(72,991)
(72,991)
純残高− 1999 年 12 月 31 日
$28,271,150
$11,674,073
$1,919,574
$41,864,797
内訳:
加盟諸国向け及び加盟諸国の保証付貸付
民間セクター(貸倒引当金差引後)
$27,936,529
334,621
$11,533,289
140,784
$1,769,574
150,000
$41,239,392
625,405
純残高− 1999 年 12 月 31 日
$28,271,150
$11,674,073
$1,919,574
$41,864,797
1
2
3
貸付残高の金利は、政府に対する貸付または政府保証付き貸付については年利 5.75%から 11.00%、民間セクターに対する貸付については年利 6.33%
から 13.73%である。プール方式変動貸付金利制度に基づいて行われた貸付及び市場ベース変動金利貸付の残高は、合計 27,298,476 ドル(27,113,648
ドル− 1999 年)となった。2000 年の貸付の平均利回りは、6.59%(6.41%− 1999 年)となった。
未実行残高のうち、ADB は、合計 165,122 ドル(309,432 ドル− 1999 年)の貸付実行につき、取消不能の約定を行っている。
0.01%未満。
財務諸表(OCR − 8)の注を参照。
95
財務諸表
OCR − 5
発効済貸付の償還期日到来額
金額
金額
2001 年 1 月 1 日∼ 12 月 31 日
$ 1,270,571
2006 ∼ 2010 年
13,770,360
2002 年 1 月 1 日∼ 12 月 31 日
2003 年 1 月 1 日∼ 12 月 31 日
1,460,540
1,595,928
2011 ∼ 2015 年
2016 ∼ 2020 年
10,096,491
5,594,599
2004 年 1 月 1 日∼ 12 月 31 日
2005 年 1 月 1 日∼ 12 月 31 日
1,695,367
1,779,956
2021 ∼ 2025 年
2026 ∼ 2028 年
1,586,042
108,873
合計
$38,958,727
貸付残高の償還通貨の概要
通貨
オーストラリアドル
ドイツマルク
ユーロ
日本円
2000
$
122
−
14,350
9,075,555
1999
$
188
7,000
20,370
10,773,863
通貨
ニュージーランドドル
スイスフラン
米ドル
合計
2000
1999
624
121,459
983
978,709
19,018,616
16,563,028
$28,230,726
$28,344,141
96
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−通常資本財源
借入概要報告書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
単位:千米ドル(注 B)
借入
元本残高 1
加重平均コスト(%)
2000
長期借入:
オーストラリアドル
オーストリアシリング
カナダドル
ドイツマルク
ユーロ
香港ドル
日本円
1999
2000
969,000
73,093
172,307
−
773,071
385,976
6,549,570
5.57
8.08
7.88
63,885
296,030
590,717
480,754
844,384
69,777
329,336
622,716
522,615
1,013,278
12.33
7.08
5.73
8.86
4.80
15,490,881
14,418,609
6.38
25,340,378
25,899,348
5.97
−
370,000
−
25,340,378
26,797
26,269,348
16,103
$ 25,367,175
$ 26,285,451
$
韓国ウォン
オランダギルダー
新台湾ドル
英ポンド
スイスフラン
米ドル
小計
838,125
67,578
165,585
−
714,745
256,419
5,531,275
短期借入:
米ドル
元本残高
未償還の割引及びプレミアム
合計
$
借入残高の返済期日到来額
5.55
7.91
4.60
5.972
5
金額
2001 年 1 月 1 日∼ 12 月 31 日
2002 年 1 月 1 日∼ 12 月 31 日
2003 年 1 月 1 日∼ 12 月 31 日
2004 年 1 月 1 日∼ 12 月 31 日
2005 年 1 月 1 日∼ 12 月 31 日
1
金額
$ 1,939,945
5,687,728
4,617,677
4,440,362
2,972,761
2006 ∼ 2010 年
2011 ∼ 2015 年
2016 ∼ 2020 年
2021 ∼ 2025 年
5,061,008
438,520
138,525
43,852
合計
$25,340,378
割引価額で記録されているゼロクーポン借入を含む。これら借入の額面価額総額及び割引価額は次のとおり(米ドル相当額):
額面価額総額
通貨
スイスフラン
米ドル
2000
$
300,313
1,254,591
割引価額
1999
$
307,064
1,254,591
2000
$
138,526
979,258
1999
$
134,565
906,987
97
財務諸表
OCR − 6
通貨スワップ取極額
加重平均コスト
(利益)
(%)
支払(受取)
2000
$
(835,049)
(67,753)
(165,080)
(714,747)
−
(256,393)
$
2,200,546
(219,260)
(63,885)
(295,597)
(590,517)
(333,813)
315,496
(367,283)
4,117,694
(2,033,320)
3
1999
2000
(964,236)
(73,313)
(171,570)
(773,074)
−
(385,801)
(5.57)
(8.08)
(7.88)
(5.55)
−
(7.91)
2,999,202
(146,484)
(69,777)
(328,771)
(622,442)
(362,497)
331,802
(438,057)
4,153,551
(2,330,853)
−
−
支払所要純額
2000
$
5.394
(3.97)4
(12.33)
(7.08)
(5.73)
(7.47)
6.23
(2.70)
5.774
(7.03)4
1999
3,076
(175)
505
(714,747)
714,745
26
$
4,764
(220)
737
(773,074)
773,071
175
7,512,561
9,402,288
−
433
200
146,941
792,597
−
565
274
160,118
907,023
17,575,255
16,241,267
−
370,000
−
金利スワップ取極額 6
平均金利(%)
受取
名目元本
固定金利スワップ受取:
オーストラリアドル 7
ドイツマルク 8
日本円
米ドル
変動金利スワップ受取:
日本円
米ドル
合計
2
3
4
5
6
7
8
$
支払
固定
263,112
87,704
87,704
3,731,840
6.34
4.40
5.50
6.02
4.89
3.62
438,519
20,900
2.01
6.78
4.56
7.06
変動
満期到来期間
0.16
6.34
2001-2005
2010
2004
2002-2004
2002-2004
2007-2014
$ 4,629,779
2000 年 12 月 31 日現在、スワップ取引調整後の借入残高の加重平均コストは 5.81%(5.66%− 1999 年)となった。
2000 年 12 月 31 日現在、通貨スワップ契約の残存期間は 1 ∼ 22 年となった。通貨スワップ受取の約 22.76%及び支払の 23.91%は、期限が 2005 年 12 月
31 日から 2022 年 8 月 1 日までのものである。
関連の金利スワップ取引のコストを含む。
プットオプション付き債券は、最初のプットの日をもって償還期限を迎えるとみなす。
金利スワップ取引の数値は、2000 年 12 月 31 日の金利を基にしている。金利が変われば、変動金利に関連する数値も変化する。
金利の受取がオーストラリア・ドルで、支払が日本円の通貨クーポン・スワップで構成。
金利の受取がドイツ・マルクで、支払が日本円の通貨クーポン・スワップで構成。
財務諸表(OCR − 8)の注を参照。
98
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−通常資本財源
応募済資本と議決権に関する報告書
2000 年 12 月 31 日
単位:千米ドル(注 B)
応募済資本
加盟国・地域
域内
アフガニスタン
オーストラリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
香港
インド
インドネシア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
ニュージーランド
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
トルクメニスタン
トゥバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
域内加盟国計
(次頁へ続く)
出資持分数
全加盟国計に
占める割合(%)
合計
1,195
204,740
15,736
36,128
220
1,750
228,000
94
2,406
19,270
224,010
192,700
552,210
28,536
142
178,246
10,582
492
96,350
142
94
142
532
19,270
142
5,202
54,340
77,080
3,320
84,304
116
12,040
236
20,520
38,540
10,134
48,174
142
8,958
50
23,834
236
12,076
0.034
5.892
0.453
1.040
0.006
0.050
6.562
0.003
0.069
0.555
6.447
5.546
15.893
0.821
0.004
5.130
0.305
0.014
2.773
0.004
0.003
0.004
0.015
0.555
0.004
0.150
1.564
2.218
0.096
2.426
0.003
0.347
0.007
0.591
1.109
0.292
1.386
0.004
0.258
0.001
0.686
0.007
0.348
$
15,570
2,667,578
205,026
470,715
2,866
22,801
2,970,635
1,225
31,348
251,071
2,918,649
2,510,708
7,194,799
371,798
1,850
2,322,385
137,874
6,410
1,255,354
1,850
1,225
1,850
6,931
251,071
1,850
67,777
708,001
1,004,283
43,257
1,098,405
1,511
156,870
3,075
267,357
502,142
132,037
627,664
1,850
116,715
651
310,536
3,075
157,339
2,212,431
63.674
$28,825,985
議決権
持分の額面価額
要求払
$
10,593
2,480,767
190,603
437,752
2,567
18,918
2,762,547
1,147
29,146
233,481
2,714,261
2,334,893
6,690,938
345,753
1,720
2,159,769
128,219
5,720
1,167,433
1,720
1,147
1,720
6,449
233,481
1,720
63,022
658,426
933,952
40,247
1,021,494
1,355
145,887
2,866
248,634
466,989
122,747
583,704
1,720
108,506
599
288,790
2,866
139,294
$26,793,562
払込済
$
票数
全加盟国計に
占める割合(%)
4,977
186,811
14,423
32,964
300
3,883
208,088
78
2,202
17,589
204,387
175,815
503,861
26,045
130
162,616
9,655
691
87,920
130
78
130
482
17,589
130
4,756
49,576
70,331
3,010
76,911
156
10,984
208
18,723
35,153
9,290
43,960
130
8,208
52
21,746
208
18,045
15,918
219,463
30,459
50,851
14,943
16,473
242,723
14,817
17,129
33,993
238,733
207,423
566,933
43,259
14,865
192,969
25,305
15,215
111,073
14,865
14,817
14,865
15,255
33,993
14,865
19,925
69,063
91,803
18,043
99,027
14,839
26,763
14,959
35,243
53,263
24,857
62,897
14,865
23,681
14,773
38,557
14,959
26,799
0.366
5.053
0.701
1.171
0.344
0.379
5.588
0.341
0.394
0.783
5.497
4.776
13.053
0.996
0.342
4.443
0.583
0.350
2.557
0.342
0.341
0.342
0.351
0.783
0.342
0.459
1.590
2.114
0.415
2.280
0.342
0.616
0.344
0.811
1.226
0.572
1.448
0.342
0.545
0.340
0.888
0.344
0.617
$2,032,423
2,845,520
65.515
99
財務諸表
OCR − 7
応募済資本
出資持分数
加盟国・地域
域内加盟国計
(以下へ続く)
全加盟国計に
占める割合(%)
議決権
持分の額面価額
合計
票数
要求払
払込済
全加盟国計に
占める割合(%)
2,212,431
63.674
$28,825,985
$26,793,562
$2,032,423
2,845,520
65.515
域外
オーストリア
ベルギー
カナダ
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
イタリア
オランダ
ノルウェー
スペイン
スウェーデン
スイス
トルコ
英国
米国
12,040
12,040
185,086
12,040
12,040
82,356
153,068
63,950
36,294
12,040
12,040
12,040
20,650
12,040
72,262
552,210
0.347
0.347
5.327
0.347
0.347
2.370
4.405
1.840
1.045
0.347
0.347
0.347
0.594
0.347
2.080
15.893
156,870
156,870
2,411,504
156,870
156,870
1,073,025
1,994,338
833,211
472,878
156,870
156,870
156,870
269,051
156,870
941,509
7,194,799
145,887
145,887
2,242,634
145,887
145,887
997,873
1,854,666
774,854
439,771
145,887
145,887
145,887
250,198
145,887
875,582
6,690,938
10,984
10,984
168,870
10,984
10,984
75,152
139,672
58,357
33,107
10,984
10,984
10,984
18,853
10,984
65,927
503,861
26,763
26,763
199,809
26,763
26,763
97,079
167,791
78,673
51,017
26,763
26,763
26,763
35,373
26,763
86,985
566,933
0.616
0.616
4.600
0.616
0.616
2.235
3.863
1.811
1.175
0.616
0.616
0.616
0.814
0.616
2.003
13.053
域外加盟国計
1,262,196
36.326
16,445,278
15,293,610
1,151,668
1,497,764
34.485
全加盟国計
3,474,627
100.000
$45,271,263
$42,087,172
$3,184,091
4,343,284
100.000
注:端数処理により合計が一致しない場合がある。
財務諸表(OCR − 8)の注を参照。
100
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−通常資本財源
財務諸表の注
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
注 A:業務の性質及び貸付、保証、出資の限度
注 B:重要な会計方針の概要
業務の性質
機能通貨と報告通貨
多国間開発金融機関であるアジア開発銀行(ADB)は、1966
年に設立された。本部はマニラ(フィリピン)にある。ADB 及び
ADBの業務は、アジア開発銀行設立協定(協定)により規定さ
れている。ADBの目的は、アジア太平洋地域の経済開発と協力
を推進すること、及び域内の開発途上加盟諸国(DMCs)全体
及び各国における経済開発プロセスの加速に貢献することにあり、
この目的達成に寄与するプロジェクトやプログラムに資金及び技術
援助(TA)を行う。
協調融資などによる資金の活用は、ADB の業務活動に不可
欠なものである。また、ADBは、単独または共同で、加盟諸国、
加盟諸国の機関その他開発機関などの援助供与機関に代わり、
無償技術援助や域内プログラムなど特定の用途に限定された資
金を管理運用する。
ADBの通常業務は、貸付、出資、保証で構成されている。ま
た、通常業務に要する資金は、借入や払込資本、内部留保に
より調達する。
加盟諸国の通貨は全て機能通貨である。報告通貨は米ドルで、
財務諸表はその時点の千米ドル単位で表示されている。
貸付、保証、出資の限度
協定の第 12 条 1 項では、
「ADB が行う貸付、出資、保証の総
残高は、特別準備金を除いた、ADB の減損の生じていない応
募済資本、準備金、剰余金の総額を超えてはならない」と規定
されている。 2000 年 12 月 31 日現在、かかる貸付、出資、保
証の総額は、所定の応募済資本、準備金、剰余金の総額の約
80.7%(77.4%− 1999 年)であった。
協定の第 12 条 3 項では、
「出資は、特別準備金を除いた、減
損の生じていない払込資本、準備金、剰余金の合計額の 10%
を超えてはならない」と規定されている。2000 年 12月31日現在
の、出資金額は、所定の払込資本、準備金、剰余金の総額の
約 3.7%(3.5%− 1999 年)であった。
資本の評価
ADB の授権資本については、協定第 4 条 1 項で、「1966 年 1
月31日時点で有効な重量及び純度の米ドル建てで」
(1966年ド
ル)、1 持分の価額は 10,000 1966 年ドルと定義されている。歴
史的に、資本は、金で表示された平価を基準にその時点の米ド
ル(ADB の会計単位)に換算されていた。 1973 年から1978
年 3 月31日まで、この基準で算出されたレートは 1966 年ドル当り
1.20635ドルであった。1978年4月1日には国際通貨基金(IMF)
協定の定款に対する第 2 回の修正が発効し、それ以降通貨は
金表示の平価を持たなくなった。 ADB が 1966 年ドルの適切な
後継となるものを選定するまで、
資本は財務諸表作成の目的のた
め、IMF 算出による、その時点の米ドル価格による特別引出権
(SDR)で評価されており、1 持分は SDR 10,000と評価されて
いる。
2000 年 12月31日現在、その時点の米ドル表示によるSDR の
価格は 1.30291ドル(1.37338ドル−1999 年)で、ADB の資本
1 持分の価値は 13,029.10ドル相当(13,733.80ドル− 1999 年)
であった。しかし、ADB は、金表示による米ドルの 1978 年 3 月
31 日時点の平価を基準に、1 持分の価格を 12,063.50ドルに固
定することを決定した。
通貨換算
資産と負債は、原則として、報告期間末日の適用為替レートで機
能通貨から報告通貨に換算される。収支については、半月ごと
に、原則として、各期間開始時の適用為替レートで換算される。
これにより、概ね当該期間に有効な平均為替レートが適用されて
いることになる。 SDR 資本価格の維持に関連したもの以外の換
算調整(注 IとJを参照)は「累積為替換算調整勘定」から
取崩し、あるいは引当てられ、
「その他総収入累計」の一部とし
て「資本金及び準備金」の中に記載される。
財務諸表
101
OCR − 8
続き
投資
ADBが保有する派生商品以外の全ての投資証券は、経営陣に
よって売却可能と考えられ、
未実現利益と損失を純利益から除外
して公正見積価格で報告され、
「その他収入総累積額」の一部
として「資本金及び準備金」に計上される。 金融派生商品は
全て市場価格で計上される。通常、見積公正価格は市場価格
を表わす。 市場で取引されていない一部短期投資商品(定期
預金など)の公正価格の概算値の算出には、原価または償却コ
ストを用いる。実現利益と損失は、投資収益に含め、平均コスト
または償却コストと売買純益の差額で算出する。
貸付
民間セクターへの貸付を除き、ADBの貸付は加盟諸国に対して
行われるか、または加盟諸国が保証を付している。償還期間は
4 年から30 年である。ADBは、貸付実行した通貨の為替リスク
の負担を借り手に義務付けている。元本、利息またはその他費
用が 6ヵ月滞納になっている場合は、延滞貸付に分類するのが
ADBの方針である。延滞貸付の利息その他手数料に関しては、
実際に ADB に支払が行われている場合に限り収益に入れる。
ADB は、公共セクター向け貸付に関しては、債務の繰り延べに
参加しない方針を貫いている。 民間セクター向け貸付の場合、
代替措置が全て取られた後でのみ債務の繰り延べに合意する場
合がある。
ADB は、加盟諸国に対して行われ、または加盟諸国が保証
をした公共セクター向け貸付については(引当の延期又は前倒
しを正当化する明確かつ合理的な証拠がない限り)、元本または
利息が1 年滞納になっている場合、同じく民間セクター向け貸付
については6ヵ月滞納になっている場合は、貸付が正常に機能し
ていないと判断し、引当の対象と決定する。貸付の実効金利で
割り引いた、将来予測されるキャッシュフローの現在価値が、貸
付の簿価を下回る場合、偶発損失に備えて、価格変動準備金
を引当てる。
ADB による引当金が十分か否かの定期的な評価は、過去に
おける貸倒れ、現在の貸付における既知及び固有のリスク、借
り手の返済能力に影響を与えることが考えられる不利な状況を勘
案して行う。
出資
公正な評価価格が簡単に判断できない持ち分有価証券への出資
は、引当金を差し引いた原価で報告される。
価格変動に対する引当は、
出資に関する潜在的損失のマネジ
メントによる判断に基づき四半期ごとに設定される。 公正価格が
簡単に判断できる有価証券は、公正価格で報告される。この時、
未実現利益と損失は純利益には入れず、「その他収入総累積
額」の一部として「資本金及び準備金」に計上される。ADB
は、相当な影響力を行使できる投資には、出資方式の会計を適
用している。
不動産、家具、設備
不動産、家具、設備は、原価で記載し、土地以外は、定額方
式により推定耐用年数の減価償却を行う。保守、修理、小規模
な改良は支出に記載する。
会計上の推定値
一般に認められた会計原則に準じた財務諸表の作成にあたって
は、マネジメントは、年末時点の資産及び債務並びに偶発債務
の開示についての報告額、及び当該年の収支報告額の開示に
影響を与える推定や予測を行わなければならない。実際の結果
と推定値が異なる可能性もある。
キャッシュフロー報告書
キャッシュフロー報告については、ADBは、現金及びそれに相当
するものは、「短期銀行預金」に限定する。
再分類
1999 年の金額の一部は、2000 年の計上方法に合わせて分類
し直した。
102
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−通常資本財源
財務諸表の注
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
注 C:加盟諸国の通貨使用制限及び要求払債務
協定第 24 条 2(i)項により、加盟諸国は、ADBまたは ADB の
被援助国による一定通貨の使用を、加盟諸国内で生産され、使
用されることを意図した財またはサービスの支払いに限定すること
ができる。2000 年は 39ヵ国の DMCs(1999 年は 38ヵ国)の通
貨、合計 54,221,000ドル(63,377,000ドル− 1999 年)の銀行
にある現金(短期銀行預け金勘定)と、2 3 3 , 7 6 7 , 0 0 0ドル
(233,248,000ドル− 1999 年)の要求払債務についてそれぞれ
制限を設けることができるが、現在制限は行なわれていない。
協定第24条2(i)項及び2(ii)項により、加盟2ヵ国が、ADB
またはADBの被援助国による自国通貨の使用を、当該国内で生
産される財またはサービスの支払いに限定している。銀行にある
合計 45,000ドル(23,000ドル−1999 年)の現金(短期銀行預
け金勘定)と2,966,000ドル(3,495,000ドル−1999 年)の加盟
諸国の要求払債務、4,604,000ドル(3,427,000ドル−1999 年)
の投資がそのような制限の対象となっている。
注 D:投資
2000 年及び 1999 年 12 月31日現在、投資ポートフォリオの通貨
構成は、米ドル表示で次のとおりであった。
通貨
2000
オーストラリアドル
カナダドル
ドイツマルク
ユーロ
イタリアリラ
日本円
英ポンド
スイスフラン
米ドル
その他
$
266,777,000
251,606,000
−
387,748,000
−
1,088,950,000
226,308,000
874,819,000
4,117,683,000
319,117,000
合計
$7,533,008,000
1999
$ 301,277,000
321,462,000
23,090,000
476,069,000
17,854,000
1,619,039,000
244,327,000
175,648,000
4,672,815,000
347,110,000
$8,198,691,000
2000 年 12月31日現在、投資の契約満期別の公正と考えられ
る見積価格と償却コストは次のとおりであった。
満期まで 1 年以内
満期まで 1 年超 5 年以内
満期まで 5 年超 10 年以内
合計
公正見積価額
償却コスト
$3,002,161,000
4,243,280,000
287,567,000
$3,002,103,000
4,180,204,000
284,348,000
$7,533,008,000
$7,466,655,000
政府及び政府保証の債務、その他の証券に対する投資関連
の追加情報は次のとおりである。
12 月 31 日現在
償却コスト
公正見積価格
未実現総利益
未実現総損失
12 月 31 日終了の 1 年
未実現純利益(損失)の増減
売却益
実現総利益
実現総損失
2000
1999
$5,401,464,000
5,467,817,000
66,458,000
105,000
$4,572,373,000
4,555,258,000
551,000
17,666,000
83,468,000
5,493,655,000
9,094,000
12,722,000
(37,514,000)
8,300,935,000
14,511,000
56,986,000
投資は、
理事会が承認した投資要項によって運用されている。
投資運用の主目的は、安全性と流動性の維持にある。これらを
維持しながら、ADBは、投資に対し、できる限り高い利益を確保
することを目指している。
1999 年、理事会は新しい投資要項を承認した。新しい投資
要項では、優良な社債、抵当証券、資産担保証券といった、よ
り高利回りの投資が可能となっている。2000 年 12 月31日現在、
「他の証券」には、「社債」、「資産担保証券」、「証券その他
銀行預金」があり、それぞれ 801,978,000ドル(1999 年は 0)、
269,991,000ドル(1999年は0)、772,511,000ドル(2,259,544,000
ドル− 1999 年)である。
103
財務諸表
OCR − 8
続き
ADBは、
投資要項により以下に投資することは禁じられている。
(a)主に、政府、政府保証の債務、多国間銀行、特定の商業
銀行など、一定の機関の発行による証券(b)これら証券に係る
金融派生商品。金利リスクは、所定の幅の中で市況の動きに合
わせて調整することができる。こうした調整は、証券や金融先物
商品、オプションの売買によって行う。ADB は、利回りを上げる
ため、本来の機能通貨以外の通貨建ての証券に投資し、その
上で当初の機能通貨の保有構成を維持するため、
買戻権付き為
替予約を結ぶことができる。このように、金融先物取引、オプショ
ン、買戻権付き為替予約は、取引のためではなく、リスク管理の
ために利用されている。
先物取引:これは、証券または金融市場商品を先日付で受け渡
しを行う契約である。この契約では、所定の金融商品を、将来
の決められた時点に、所定の値または利回りで渡すことに売り手
が合意する。証拠金は現金または証券で差し入れられる。相場
の騰落は毎日決済される。オープン先物取引契約の市場価格の
変動は、変動期間中の利益/損失として認識され、投資収益に
計上される。2000 年 12月31日時点で、売買契約残高はなかっ
た(1999 年もゼロ)。
注 E:貸付と保証
貸付
資産担保証券:資産担保証券とは、キャッシュフローが、信託に
よって管理される原資産のプールのキャッシュフローに基づいてい
るものを言う。
2000年及び1999年 12月31日時点の貸付残高の簿価及び時価
見積は次のとおりであった。
2000
1999
簿価
時価見積
簿価
時価見積
公共セクター向け変動金利貸付
$27,017,745,000
$27,017,745,000
$26,815,606,000
$26,815,606,000
公共セクター向け固定金利貸付
807,557,000
983,315,000
1,120,923,000
1,386,947,000
民間セクター向け貸付
329,814,000
359,132,000
334,621,000
352,283,000
$28,155,116,000
$28,360,192,000
$28,271,150,000
$28,554,836,000
合計
1986 年 7 月1日以前の ADB の貸付は、貸付承認時に定めら
れた金利が貸付期間中変わらない、複数通貨建て固定金利貸
付が適用されていた。1986 年 7月1日以降、プール方式の複数
通貨建て変動金利貸付が採用されるようになった。また、1992
年 7月には、プール方式の米ドル変動金利貸付が導入され、さら
に、1994 年 11 月には、公共セクターの金融機関及び民間セク
ターに対して、市場ベースの変動金利貸付が供与できるように
なった。民間セクターへの貸付は、約 66%(72%−1999 年)が
変動金利である。
1988 年以来、ADB は、民間セクター向け貸付には前払手数
料を請求している。2000 年 1 月1日から、ADBは、同日以降に
貸付交渉が完了する公共セクター向けの新規貸付に対して1%の
前払手数料を請求することになった。また、プール方式の OCR
貸付及び市場ベースの公共セクター向け新規貸付の残高に対し
て適用する貸付スプレッドは 0.4%から0.6%に上昇した。さらに、
同日から、新規プログラム・ローンに一律 0.75%の約定料が設定
されたが、プロジェクト・ローンの累積約定料は0.75%に据え置か
れた。2000 年 12月31日までの1 年の先取り手数料 8,531,000ド
ルは、
貸付開始コストと相殺し、
管理費の減少分として計上した。
104
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−通常資本財源
財務諸表の注
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
2000 年 12月31日現在、未実行の貸付約定及び借入加盟国
への貸付の内訳はOCR−5に表示されている。2000年及び1999
年 12月31日現在の貸出方式別貸付残高の簿価は以下の通り。
2000
公共セクター向け
固定金利複数
通貨建て貸付
プール方式の
複数通貨建て貸付
プール方式の単一
通貨(米ドル)貸付
市場ベースの貸付
(変動金利)
民間セクター向け
プール方式の複数
通貨建て貸付
特定通貨の貸付
民間セクター・
ファシリティー貸付
市場ベース貸付
(変動金利)
市場ベース貸付
(固定金利)
信用枠供与(AFIC)
差引き:貸倒引当金
合計
$
748,078,000
1999
8,617,170,000
$ 1,044,517,000
10,918,735,000
14,215,879,000
11,773,000,000
4,244,175,000
4,200,277,000
27,825,302,000
27,936,529,000
19,221,000
26,746,000
208,729,000
217,899,000
15,672,000
24,673,000
131,588,000
115,203,000
26,214,000
4,000,000
10,917,000
12,174,000
405,424,000
407,612,000
75,610,000
72,991,000
329,814,000
334,621,000
$28,155,116,000
$28,271,150,000
付を同様の借り手に対して行う場合の条件を元に時価を判断し
た。これらの貸付については、簿価が時価とみなされる。 発効
済貸付の未実行残高とまだ有効になっていない貸付については、
契約額が時価とみなされる。
加盟国に対する貸付または加盟国が保証をしている貸付で、
固定金利を採用しているもの(主に 1986 年 7 月1日以前に行な
われた貸付)の残高の時価は、キャッシュフロー割引率法を用い
て決定された。キャッシュフロー割引率法では、貸付の通貨別
に、管理費の要因を含む調達コストを含めて、平均のキャッシュ
フローを勘案する。
加盟国に対する貸付または加盟国が保証をしている貸付の時
価見積は、
ADBと借り手との経験に基づき信用リスクの影響を勘
案していない。
ミャンマーに対する公共セクター向け貸付 2 件が 2000 年 12 月
31日現在、利息計上停止状態であった(1999 年も2 件)。同日
の元本の残高及び延滞額は 864,000ドル(929,000ドル− 1999
年)であった。 利息計上停止状態の貸付により、66,000ドル
(68,000ドル−1999 年)が、2000 年 12 月31日までの一年の公
共セクター向け貸付からの利息収入には計上されないこととなっ
た。 2000 年 12 月 31日現在、これらの貸付で収益として計上さ
れない金利その他の料金の累積額は207,000ドル(141,000ドル
− 1999 年)となった。
民間セクター向け貸付
公共セクター向け貸付
加盟国に対する貸付または加盟国が保証をしている貸付で、
プール方式の変動金利又は市場ベースの変動金利を適用してい
る貸付の残高の時価は、取得原価法(entry value method)を
用いて決定した。この方法に基づき、その時 ADB が同様の貸
民間セクター向け貸付で、プール方式の変動金利又は市場ベー
スの変動金利を適用している貸付の残高の時価は、
取得原価法
(entry value method)を用いて決定した。固定金利を適用して
いる民間セクター向け貸付の残高の時価は、キャッシュフロー割
引法を用いて決定した。
2000 年 12 月31日現在、民間セクター向け貸付 12 件が利息
計上停止状態であった(11 件−1999 年)。同日の元本残高は
77,699,000ドル(72,048,000ドル− 1999 年)で、そのうち延滞
分は 42,116,000ドル(30,770,000ドル−1999 年)であった。利
息計上停止状態の貸付により、7,214,000ドル(6,289,000ドル−
1999 年)が、2000 年 12 月 31日終了年度の民間セクター向け
貸付からの収入には計上されないこととなった。2000 年 12月31
日現在、これらの貸付で計上されない金利その他の料金の累積
額は総額 21,704,000ドル(14,490,000ドル−1999 年)となった。
105
財務諸表
OCR − 8
続き
貸倒引当金(Loan Loss Provision)
ADBは、
公共セクター向け貸付の元本に関し損失を被ったことは
ない。公共セクター向け貸付残高に対して貸倒損失引当金を計
上したことはないが、本年、民間セクター向け貸付については貸
倒損失引当金が計上されている(注 Kを参照)。
2000 年及び 1999 年 12 月31日の貸倒引当金の対象となる貸
付に関する情報は次のとおりである。
貸倒引当対象外の貸付
貸倒引当対象の貸付
合計
貸倒引当対象の
貸付の平均額
当該貸付に係る
利息収益
当該貸付に係る
利息収益の
受取額
2000
1999
$28,148,427,000
82,299,000
$28,267,493,000
76,648,000
$28,230,726,000
$28,344,141,000
$
83,601,000
$
79,534,000
$
6,429,000
$
5,687,000
$
1,506,000
$
1,431,000
2 0 0 0 年及び 1 9 9 9 年の貸倒引当金の増減は次のとおりで
あった。
残高− 1 月 1 日
当該年度の引当額
為替調整
2000
$ 72,991,000
3,045,000
(426,000)
1999
$ 61,507,000
11,014,000
470,000
残高− 12 月 31 日
$ 75,610,000
$ 72,991,000
貸付保証と協調融資
ADBは、加盟諸国のために、財務諸表に計上されない保証を
提供している。この保証には、元本と利息のいずれか一方、ま
たは両方の支払の一部を対象とする部分信用保証が含まれる。
保証付き債務の期限は、一般的には貸付開始日から10年以上
である。 ADB の貸付限度の計算には、2000 年及び 1999 年
12月31日の保証残高合計に対する将来の偶発的支払債務の
現在価値を用いている。これらの金額は当該日現在請求の対
象になっていない。ADB は、2000 年 12 月31日時点の保証残
高の時価は、ほぼ現在の価額に相当すると推定している。 加
盟国に対する貸付または加盟国が保証している貸付の時価見
積は、ADBと借り手との経験に基づき信用リスクの影響を勘案
していない。
2000 年及び 1999 年 12 月31日現在、ADB の保証債務の残
高及び現在の価値は次のとおりである。
2000
1999
保証残高
補完貸付
中国
インド
インドネシア
パプア・ニューギニア
$
28,709,000
65,778,000
24,987,000
1,601,000
現在価値
$
19,361,000
40,849,000
16,709,000
1,515,000
保証残高
$
現在価値
29,358,000
73,242,000
27,822,000
2,695,000
$ 16,361,000
36,876,000
15,395,000
2,419,000
小計
121,075,000
78,434,000
133,117,000
71,051,000
債券発行
フィリピン
105,245,000
42,702,000
117,188,000
34,340,000
期限付貸付
スリランカ
合計
115,268,000
74,103,000
117,568,000
62,051,000
$ 341,588,000
$ 195,239,000
$ 367,873,000
$ 167,442,000
106
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−通常資本財源
財務諸表の注
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
ADB は、公共/民間セクターの借り手に対して資金を提供し
ているADB 以外の金融機関と協調して融資を行う場合、幹事
行として機能する。 ADB は、貸付実行、貸付の回収を含む貸
付管理業務を行っている。 参加金融機関は、貸付債権につい
て ADB に償還を請求する権利はない。
2000 年及び 1999 年 12月31日現在、参加金融機関のために
ADB が管理している貸付は次のとおりであった。
2000
金額
1999
貸付件数
金額
貸付件数
公共セクター向け貸付
民間セクター向け貸付
$1,212,135,000
271,844,000
44
12
$1,617,530,000
253,454,000
44
12
合計
$1,483,979,000
56
$1,870,984,000
56
2000 年 12 月 31 日に終了した年度において、民間セクター向
け貸付の組成及び管理に対する手数料として受け取った額は、
総額 224,000ドル(1999 年−510,000ドル)であった。この金額
は「その他財源からの収入」に記載されている。
注 F:株式投資
ADB がDMCsの民間企業が発行する出資証券に行っている投
資には、持ち分法で計上されるアジア金融投資会社(AFIC)に
対する12,511,000ドル(11,908,000ドル−1999 年)が含まれて
いる。その持ち分は、発行済み普通株式及び純資産の 30.3%
に相当する。また、ADBは、AFIC が発行した転換非累積優先
株の全て、25,000,000ドル(1999 年−25,000,000ドル)も保有
している。 2000 年 9 月、ADB は他の金融機関とともに、レボル
ビング・クレジット・ファシリティーを更新し、元本残高総額の上限
を常時45,000,000ドル(92,000,000ドル−1999年)に設定した。
ADBの引受額は20,000,000ドルで、2000 年 12月31日現在、貸
付残高はそのうちの 4,000,000ドル(1999 年−12,174,000ドル)
であった。この額は「貸付残高」に計上されている(注 Eを参
照)。
2000 年 12 月 31 日に時価で報告された出資の未実現利益は
3,003,000ドル(19,838,000ドル−1999 年)で、
「その他総収入
累積額」の一部として「資本及び準備金」の中で報告されて
いる。
2000 年 12月31日現在、未実行の出資約定は185,377,000ド
ル(149,928,000ドル− 1999 年)であった。
注 G:不動産、家具、設備
1991 年、ADBは、フィリピン(政府)と結んだ協定に基づき、同
政府から提供されていた旧本部の土地・建物を返還した。それ
に伴い合意覚書で付記されていた協定に従い22,657,000ドルの
補償を受けた。この補償金は、協定に基づく土地・建物の提供
に代わるものである。従って、この保証金を保留し、入居費の減
少分として新しい本部ビルの推定耐用年数で償却する。2000年
12月31日終了年度の償却額は567,000ドル(566,000ドル−1999
年)となり、新しい本部ビルの減価償却費は 4,700,000ドル
(4,700,000ドル− 1999 年)から4,133,000ドル(4,134,000ドル
− 1999 年)に減少した。2000 年 12 月31日現在、未償却繰り
延べ補償残高(「支払勘定その他の債務:その他」に記載)は、
17,040,000ドルであった(17,607,000ドル−1999 年)。また、同
日現在、不動産、家具、設備の累積償却額は、78,898,000ドル
(1999 年− 69,910,000ドル)であった。
注 H:借入とスワップ
ADBは、借入の際には、金融派生商品を利用し、公債/民間
債市場、通貨、借入手段全体に資金源を分散している。有利
な条件で借り入れた通貨は、通貨スワップを利用して ADB の主
要な業務通貨の一つに交換し、
様々な金融市場で提供される有
利な条件を活用している。 ADB は、こうした通貨スワップを行う
ことにより、
コスト効果の高い方法で業務上必要な通貨を調達し、
主要な資本市場で主要な資金利用者としての地位を維持するこ
とができる。また、金利スワップは、貸付業務によって生じる貸借
金利のミスマッチを是正するために行われるのが普通である。
ADBは、借入コストを減らすために通貨や金利関連派生商品
107
財務諸表
OCR − 8
続き
通貨スワップ:通貨スワップ契約では、通常、一方の当事者があ
る通貨、相手方が別の通貨で定期的に支払をすることに合意す
る。支払は、契約開始時に固定することもあれば、金利に基づ
いて変動することもある。スワップアウトした通貨については受取
が発生し、スワップインした通貨については支払が発生する。ス
ワップのプレミアム及び割引は繰延べ、スワップの期間中償却す
る。こうした償却は、金利その他の金融費用に加算する。ADB
の通貨スワップ契約の条件は、各借入の条件にそれぞれ対応し
ている。
借入残高の時価は、
一般的な市場価格がある場合にはそれに
より算出する。市場価格が分からない場合は推定再取得価格に
よって算出する。
通貨/金利スワップ契約残高の時価は、ADB が、ディーラー
から得られる市場相場に基づき契約を解約する際に授受する額
の推定値で決める。
2000 年及び 1999 年の 12月31日現在、借入とスワップの簿価
と時価見積は次のとおりであった。
が組み込まれた仕組み債を発行するが、その際同時に、通貨や
金利スワップも行い、このように組み込まれた派生商品の影響を
充分にヘッジしている。
ADBは、スワップの相手方が債務を履行できない場合に損失
を被る潜在的リスクを抱えている(注 Oを参照)。こうした信用
リスクを防止するために、ADB は、相手方の信用格付けをAA
以上とする規定を盛り込んだADBのスワップ指針の条件を満た
した相手方との長期スワップ取引しか行わない。ADBは、相手
方がかかる契約に基づく債務の履行ができなくなることは想定し
ていない。
金利スワップ:ADB が結ぶ金利スワップ契約では、通常、一方
の当事者が、名目元本及び契約開始時に固定された金利に基
づき定期的に支払をすることに合意し、相手方は、同じ名目元本
に基づいて、変動金利で支払うことに合意する。スワップ条件に
基づく受取や支払は契約期間中発生し、関連コスト又は収益は
利息その他金融費用に計上される。ADBの金利スワップ契約の
条件は、各借入の条件にそれぞれ対応している。
2000
貸借対照表上の金融取引:
借入
通貨スワップ受取勘定
通貨スワップ支払勘定
貸借対象表外の金融取引:
金利スワップ
1999
簿価
時価見積
簿価
時価見積
$ 25,367,175,000
5,942,697,000
6,633,736,000
$ 25,937,318,000
6,143,773,000
6,887,112,000
$ 26,285,451,000
6,666,875,000
7,484,515,000
$ 26,315,305,000
6,779,405,000
7,767,028,000
名目元本
未実現利益
(損失)
名目元本
未実現利益
(損失)
$
4,629,779,000
$
36,937,000
$
4,713,402,000
$
(75,534,000)
108
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−通常資本財源
財務諸表の注
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
注 I: 資本、アジア開発基金への資本移転、
通貨保有額の維持、加盟国
資本
2000 年及び 1999 年末現在の ADB の授権資本は 3,490,994 口
で、そのうち 3,474,627 口(3,465,669 口− 1999 年)は加盟諸
国が応募したものである。 応募済資本のうち、3,230,244 口
(3,221,916口−1999年)は請求次第支払われるもので、244,383
口(243,753 口−1999 年)は払込済みである。ADB が要求払
資本の払込みを請求するのは、通常資本財源の資金の借入、
ま
たは通常資本財源による保証に関し、ADBの資金が足りない場
合に限られる。 払込資本は、払込済みか又は、分割で支払わ
れており、一部は交換可能通貨、一部は交換の可能性もある拠
出国の通貨である。ADB は協定第 6 条 3 項に従い、加盟国の
通貨で払込みを行うことができる部分の払込みとして、譲渡不能
で、無利息の債券を受け入れることもある。ただし、ADB が業
務遂行のためにこれらの通貨を必要としないことを条件とする。
こ
の金額は確定できない。従って、こうした受取勘定の時価を決め
るのは事実上不可能である。
2000 年 12月31日現在、2ヵ国(2ヵ国−1999 年)の1,169,000
ドル(1,943,000ドル−1999 年)を除く、合計 3,111,859,000ドル
(3,187,229,000ドル−1999 年)の満期分割払込金全てが受領
された。 払込み期限が来ていない分割払込金 72,232,000ドル
(160,426,000ドル−1999年)の払込み予定は次のとおりである。
各年における払込み予定額:
2001 年
2002 年
$52,550,000
17,630,000
2003 年
$2,052,000
資本分割払込金の前倒し払込金は、実際の払込期限現在に
ADBが用いる交換レートに基づいた完全な評価額が決まるまで、
(「支払勘定及びその他債務」の項目で)「期限前払込資本」
として貸借対照表に計上される。
アジア開発基金への資本移転
協定第 19 条 1(i)項に従い、総務会は、協定第 6 条 2(a)項
に準じて加盟国が支払った減損していない「払込」資本の 10%
及び 1973 年 4 月 28日現在の協定第 6 条 2(b)項に準じて加
盟国が支払った交換可能通貨の 10%を ADB の特別基金の一
部として利用するために留保することを承認した。2000 年 12 月
31日現在、SDRあたり1.30291ドル(1.37338ドル−1999 年)を
ベースとしたSDRで表示された62,031,000ドル(65,386,000ドル
−1999 年)
(1966 年当時のドルあたり1.20635ドルで57,434,000
ドル−注 Bを参照)の留保財源が、アジア開発基金に配分・移
転された。
保有通貨額の維持
国際通貨基金(IMF)協定の第 2 次修正が実施された1978 年
4 月1日より前に、ADB は、協定第 25 条の規定及びそれに伴う
理事会の決議に従い、1966年当時のドル建てによる加盟諸国保
有通貨価値の維持を実施した。
「加盟諸国からの受取勘定」の
保有通貨価値の維持に必要な金額は、それまでADB が保有し
ていた加盟諸国通貨の価額の維持を計算する目的で用いていた
為替レートの変動によって生じる受取勘定総額を表わす。この金
額は確定できない。従って、こうした受取勘定の時価を決めるの
は事実上不可能である。
1978 年 4月1日以後、ADBの資本の評価及び価額維持に係
る変動額の基準を検討中であり、名目元本計算では、SDR 建て
の保有通貨価額を維持するための加盟諸国からの受取勘定又は
加盟諸国への支払勘定として暫定的に算入されている。この金
額の決定・確定の時期は定まっていない。従って、これらの受取
勘定及び支払勘定の時価を決めるのは事実上不可能である。
2000年12月31日現在の名目元本のうち、受取勘定は677,808,000
ドル(708,431,000ドル− 1999 年)、支払勘定は 279,051,000ド
ル(340,351,000ドル− 1999 年)となった。また、
(a)1978 年 4 月 1日から2000 年 12 月 31日までの米ドルに対す
るSDRの価値上昇に伴い、満期及び払込資本金において、
保有通貨価額の維持に必要な額が 239,791,000ドル増加
(369,650,000ドル− 1999 年)し、
(b)同 時 期 、 米ドルに 対 す るか か る 保 有 通 貨 価 額 が
158,966,000ドル減少(1,570,000ドル増−1999 年)した。
加盟国
2000 年 12月31日現在、ADBには、域内 43ヵ国、域外 16ヵ国、
計 59ヵ国が加盟している(OCR−7を参照)。2000 年 12 月31
日現在、トルクメニスタンは ADB の資本株式 8,958 株に応募し
(1999 年はアゼルバイジャンが 15,736 株)、応募額のうち必要な
払込金を支払っている。
財務諸表
109
OCR − 8
続き
注 J:準備金
注 K:収支
通常準備金と純利益
2000 年 12 月 31 日までの 1 年間に貸付から得られた総収入は、
1,861,334,000ドル(1,674,635,000ドル− 1999 年)、貸付案件
の平均利回りは、6.59%(6.41%− 1999 年)であった。
2000 年 12月31日までの1 年間に投資から得られた総収入は、
399,862,000ドル(343,951,000ドル−1999 年)であった。また、
未実現損失・利益を除き、各月初/月末の投資対象を基本とし
た同年の年換算の平均投資収益率は、5.03%(3.96%− 1999
年)であった。 未実現損失・利益を含めた年換算の平均投資
収益率は、6.09%(3.54%− 1999 年)であった。
「他の財源からの収入」には、持分法による株式投資の純資
産増加 667,000ドル(1,573,000ドル−1999 年)および返済を期
限 前に 前 倒しした 借 入 の 再 取 得 価 格と純 簿 価との 差 益
4,530,000ドルなどがある。
(財務費用への請求 1,908,000ドル−
1999 年)
2000 年 12 月31日までの 1 年間の配当収入は、11,354,000ド
ル(3,525,000ドル− 1999 年)であった。
また、2000 年 12月31日までの1 年間に発生した利払いは、合
計 1,560,606,000ドル(1,425,535,000ドル−1999 年)であった。
その他金融費用の内訳は、債券発行費用償却とその他支出
で、16,139,000ドル(19,775,000ドル− 1999 年)であった。
2000 年 12月31日までの 1 年間の管理費(通常業務及び特別
業務に直接関係するものは除く)は、同年承認された貸付件数
と投資件数に応じて、通常資本財源とアジア開発基金に割当て
た。その結果、管理費合計 203,389,000ドル(201,433,000ドル
−1999 年)のうち102,299,000ドル(95,528,000ドル−1999 年)
がアジア開発基金に割当てられた。 割当後の管理費残高は、
2000 年 12月31日終了年の新規貸付の前払い手数料 8,531,000
ドルと相殺した(注 Eを参照)。
2000年12月31日までの1年間の貸倒引当金は、
合計5,910,000
ドル(民間セクター向け貸付3,045,000ドル、株式投資2,865,000
ドル)であった。 1999 年 12 月31日までの 1 年間の貸倒引当金
は、合計 24,834,000ドル(民間セクター向け貸付 14,047,000ド
ル、株式投資 10,787,000ドル)であった。
総務会は、協定第40条の規定に基づき、各種準備金を積立てた
後に、純利益からどれだけを剰余金に配分し、剰余金がある場合
にはそのうちどれだけを加盟諸国に配分するかを毎年決定しなけれ
ばならない。2000 年には、1999 年 12月31日までの 1 年間の純利
益 449,873,000ドルは通常準備金に割り当てた(464,257,000ドル
− 1999 年)。
財務諸表の資本を1966年当時のドルからSDRに置き換えると
(注 Bを参照)、2000 年 12 月 31日までの 1 年間の通常準備金
の純積立て額は27,738,000ドルとなった(13,514,000ドル−1999
年)。積立て額は、理事会の決議に従って、名目価額修正維持
として加盟諸国に配分されない、米ドルに対するSDR の年間変
動によって生じた満期及び払込資本拠出価額の低下相当分であ
る。
特別準備金
特別準備金には、協定第17条により留保される保証手数料や貸
付手数料がある。特別準備金の資産の内訳は、定期預金、政
府及び政府保証債券で、「投資」の項目に計上する。2000 年
の保証手数料収入は604,000ドルであったが、1999 年に発生し
たタイに対する保証手数料の支払い 896,000ドルに満たなかっ
た。したがって、2000 年の特別準備金(1999 年は 0)には充
当されなかった。
剰余金
2000 年、総務会は、剰余金から80,000,000ドル(80,000,000ド
ル−1999 年)を技術援助特別基金に配分した。剰余金は、総
務会が決定する、将来の使用に備えた基金である。
総収入及びその他総収入累計額
総収入には、純利益とその他総収入の 2 つの主要な項目があ
る。その他総収入には、売却できる証券及び上場株式の未実現
損失・利益、外国為替換算調整が含まれている。
110
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−通常資本財源
財務諸表の注
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
注 L:その他資産−その他
その他資産には、2000 年及び 1999 年 12月31日現在の下記の
関連基金からの受取勘定が含まれる。
2000
1999
アジア開発基金(注 K)
技術援助特別基金
日本特別基金
アジア開発銀行
研究所特別基金
$8,823,000
502,000
144,000
$42,476,000
91,000
205,000
115,000
252,000
合計
$9,584,000
$43,024,000
制度に加入する。ただし、加入日において、60 歳の通常定年
に達していないことを条件とする。 制度は、制度に加入するこ
とを選択する理事会のメンバーにも適用される。 退職金は、勤
続年数と、勤務期間における2 年間の最高平均報酬を基に算
出する。 制度の資産は分離し、添付の貸借対照表の対象に
はなっていない。 制度の運営管理費は ADB が負担するが、
投資担当マネージャに対する支払い及び保管料などの関連費
用は制度の負担とする。
制度加入者は給与の9.333%を制度に払込む。自発的に拠出
をしてもよい。ADB の拠出額は、制度の費用のうち、加入者が
支 払う分 担 金 ではカバーできない 部 分を補 填 できる率に
設定される。
退職後医療給付制度
注 M:職員退職金制度及び退職後医療給付制度
職員退職金制度
ADB には、拠出型確定給付職員退職金制度がある。 全ての
職員は、勤務条件として、制度の規定に従い、勤務初日から
1993 年、ADBは、退職者医療保険料分担制度を導入した。こ
の制度では、ADB は、理事会の退職者を含む退職者及びこの
制度に参加を決めた有資格扶養家族の団体医療保険制度保険
料の 75%を支払う義務を負う。 現在、この費用分担制度には、
資金が付いていない。
一般に認められた会計原則では、退職後の医療給付の定期
的費用を数理的に判断し、評価しなければならない。
111
財務諸表
OCR − 8
続き
次の表は、2000 年及び 1999 年 12 月 31 日現在の年金及び退職後の給付を表わしたものである。
年金給付
退職後医療給付
2000
1999
2000
1999
給付義務額の変動:
年初現在の給付義務額
業務コスト
金利コスト
制度加入者の拠出金
修正
保険数理上の損益
給付支払額
$ 530,866,000
17,968,000
42,354,000
21,812,000
−
(12,919,000)
(24,067,000)
$ 505,507,000
19,978,000
34,092,000
23,260,000
64,000
(28,555,000)
(23,480,000)
$ 56,791,000
1,874,000
4,510,000
−
(4,082,000)
3,167,000
(1,029,000)
$ 57,130,000
1,754,000
3,802,000
−
−
(4,700,000)
(1,195,000)
年末現在の給付義務額
$ 576,014,000
$ 530,866,000
$ 61,231,000
$ 56,791,000
制度資産額の変動:
年初現在の制度資産時価
制度資産の実現収益
雇用者拠出金
制度加入者の拠出金
給付支払額
$ 754,458,000
(32,545,000)
10,164,000
21,812,000
(24,067,000)
$ 634,314,000
108,047,000
12,317,000
23,260,000
(23,480,000)
$
$
年末現在の制度資産時価
$ 729,822,000
$ 754,458,000
$
財務状況
未計上の保険数理上の数値(利益)
未計上の事前業務コスト
未計上の移行債務
$ 153,808,000
(146,392,000)
2,775,000
(3,322,000)
$ 223,592,000
(224,303,000)
3,821,000
(4,427,000)
$ (61,231,000)
(272,000)
(4,082,000)
10,115,000
$ (56,791,000)
(3,439,000)
−
12,524,000
計上された純額
$
6,869,000
$
(1,317,000)
$ (55,470,000)
$ (47,706,000)
$
7,144,000
(286,000)
−
11,000
$
−
(1,455,000)
64,000
74,000
$
$
$
6,869,000
$
(1,317,000)
$ (55,470,000)
貸借対照表で計上されている金額の内訳:
前払い給付金コスト
給付義務額
無形資産
その他総収入累計
計上された純額
12 月 31 日現在の加重平均想定値
割引率
制度資産の収益予想値
年齢及び平均年齢で変化する補填増加率
7.50%
8.00%
6.50%
7.75%
8.00%
6.75%
−
−
1,029,000
−
(1,029,000)
−
−
(55,470,000)
−
−
7.50%
N/A
6.50%
$
−
−
1,195,000
−
(1,195,000)
−
−
(47,706,000)
−
−
$ (47,706,000)
7.75%
N/A
6.75%
112
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−通常資本財源
財務諸表の注
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
2000 年 12月31日現在の評価に際しては、計算上、対象とな
る医療給付の一人当たりのコストが年間9.75%ずつ増加すると仮
定した。この率は、徐々に減り、2009 年には4.75%になり、以後
横ばいとなると推定した。
年金給付
当期費用の内訳:
年間業務コスト
金利コスト
制度資産の予想収益
退職後医療給付
2000
1999
$ 17,968,000
$ 19,978,000
42,354,000
(52,559,000)
34,092,000
(44,542,000)
事前業務コストの償却
移行債務の償却
1,046,000
(1,105,000)
982,000
(1,105,000)
計上された保険数理上の損益
(5,726,000)
当期純費用
$ 1,978,000
年金制度は給付累積額が資産を超過しており、給付額、給付
累積額、制度資産時価の見積額は、2000 年 12 月31日現在そ
れぞれ 592,000,000ドル、589,000,000ドル、303,000,000ドル、
1999 年 12 月31日現在それぞれ 574,000,000ドル、572,000,000
ドル、289,000,000ドルであった。
2000
$
1,874,000
9,439,000
$
$
1,754,000
4,510,000
3,802,000
−
−
−
−
2,409,000
2,409,000
−
−
34,000
$
1999
8,793,000
$
7,965,000
医療費の推定変動率が1%変わると次のような影響が出る。
1%増
業務及び金利費用
への影響
退職後給付義務額
への影響
$
1%減
1,379,000
$ (1,081,000)
11,314,000
(9,059,000)
113
財務諸表
OCR − 8
続き
注 N:金融商品の時価
2000 年及び 1999 年 12 月 31日現在、ADB の主な金融商品の帳簿価額と時価見積の概要は次のとおりである。
2000
1999
簿価
時価見積
簿価
時価見積
貸借対照表に記載されている
金融商品:
資産:
現金・短期銀行預金
投資(注 D)
貸付残高(注 E)
株式投資
その他資産
譲渡不能、無利息の要求払い債務
通貨スワップに係る未収金(注 H)
$
62,546,000
$
62,546,000
$
72,972,000
$
72,972,000
7,533,008,000
28,155,116,000
7,533,008,000
28,360,192,000
8,198,691,000
28,271,150,000
8,198,691,000
28,554,836,000
203,497,000
203,497,000
211,094,000
211,094,000
384,045,000
5,942,697,000
384,045,000
6,143,773,000
381,576,000
6,666,875,000
381,576,000
6,779,405,000
25,367,175,000
25,937,318,000
26,285,451,000
26,315,305,000
6,633,736,000
6,887,112,000
7,484,515,000
7,767,028,000
債務:
借入(注 H)
その他債務
通貨スワップに係る未払金(注 H)
未実現利益
名目/契約額
(損失)
未実現利益
名目/契約額
(損失)
オフ・バランス金融商品:
借入(注 H)
金利スワップ
$ 4,629,779,000
保証(注 E)
341,588,000
値を算出する時に用いる方法など、時価に関する詳しい情報
は、付記した注に記載されている。
金融商品の時価は、
強制的な売買や清算による売買以外の状況
で、当事者間で行われる通常取引で売買される金額と定義する。
短期の金融商品の時価は、概ねは帳簿価額に等しいものと推
定している。
$
36,937,000
$ 4,713,402,000
−
367,873,000
$
(75,534,000)
−
市場価格がある場合には、その価格を時価とした。市場価格
が容易に分からない金融商品の価額は、必然的に主観的判断
が必要になる方法論や仮定を用いて算出した。従って、
これらの
金融商品が実際の取引で売買される実際の値段、又は実際に
売買可能か否かについては判断できない。
114
2000 年 年次報告
OCR − 8
アジア開発銀行−通常資本財源
財務諸表の注
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
注 O:オフ・バランス信用リスク
注 P:特別基金・信託基金
ADBは、オフ・バランス金融商品を利用している。オフ・バラン
ス金融商品には、貸借対照表の計上額を超える信用リスクが伴
う。 信用リスクとは、契約条件の下で債務者や相手方による偶
発的不履行に伴い発生する可能性がある会計上の最大の損失
を言う。
ADBは、アジア開発基金、技術援助特別基金、日本特別基金、
アジア開発銀行研究所特別基金で構成されている、
特別基金財
源から資金が供給される特別業務も行っている。
また、ADBは、単独又は資金供与国と共同で、資金供与国、
ADB 加盟国、及びその諸官庁や開発機関に代わって、ADBの
業務を補完しているプロジェクト/プログラムを管理する。これら
のプロジェクト/プログラムには、ADBが管理する外部資金及び
ADBが管理しない外部資金が充てられる。資金使途は、借り手
に対する技術援助や域内プログラムに対する技術援助など、特
定の用途に制限されている。こうした取り決めにおいては、ADB
の責任は、物資やサービスの調達促進を含む、プロジェクトの管
理から実施にまで及ぶ。
特別基金及び供与加盟国の代わりに ADB が管理する基金
は、通常資本財源の資産には記載されない。2000 年及び 1999
年 12 月 31日現在の特別基金と信託基金の内訳は次のとおりで
ある。
12 月 31 日現在の信用リスク:
通貨スワップ(注 H)
金利スワップ(注 H)
保証(注 E)
2000
1999
$ 47,036,000
50,892,000
195,239,000
$ 97,323,000
18,110,000
167,442,000
2000
純資産総額
特別基金
アジア開発基金
技術援助特別基金
日本特別基金
アジア開発銀行研究所特別基金
$
小計
信託基金
ADB が管理する基金
ADB が管理しない基金
小計
合計
$
1999
基金数
純資産総額
20,992,561,000
115,457,000
326,977,000
7,614,000
1
1
1
1
$ 22,086,878,000
116,289,000
218,318,000
15,115,000
1
1
1
1
21,442,609,000
4
22,436,600,000
4
140,310,000
8,234,000
21
1
60,038,000
12,503,000
24
1
148,544,000
22
72,541,000
25
21,591,153,000
26
$ 22,509,141,000
29
2000年12月31日までの1 年間に、信託基金で行うプロジェクト
/プログラムの管理報酬として合計 655,000ドル(911,000ドル−
1999 年)を受領し、「他の財源からの収入」に記載した。
基金数
財務諸表
外部監査人報告書
アジア開発銀行
我々は、添付の貸借対照表並びに関連する損益計算書、キャッシュフロー、未使用残金・資本の増減
に関する諸表は、2000 年及び 1999 年 12月31日現在のアジア開発銀行アジア開発基金の財務状況並
びに該当年の同基金の運用結果、キャッシュフロー、未使用残金・資金を、全ての重要な点において、
公正に、米ドル建てで表わしたものであり、米国で一般に認められている会計原則に則っているものと考
える。これら財務諸表についてはアジア開発銀行のマネジメントが責任を持つものであり、
我々の責任は、
これら財務諸表に関して、監査に基づき、意見を述べることにある。 我々は、財務諸表に重要な不実
記載がないという合理的確信を得るために監査を計画・実施することを定めた米国で一般に認められて
いる監査基準に従い、これら諸表の監査を実施した。 監査では、財務諸表に記載された金額や開示
事項を裏付ける証拠を試験的に検証した。更に、監査では、マネジメントが採用した会計原則と算定し
た重要な見積りの検討、及び財務諸表の記載全体の評価も行った。我々は我々が実施した監査が上
記意見の合理的根拠になるものと考える。
監査は、基本財務諸表全体に関する意見を形成する目的で実施された。後述の 2000 年及び 1999 年
12月31日現在の貸付、2000 年 12月31日現在の財源に関する概要報告書は、更に分析を進めるため
のものであり、基本財務諸表の必須事項ではない。それら資料にも、基本財務諸表の監査で用いた監
査方法が適用されている。我々は、全体として、基本財務諸表関連の全ての重要部分において公正
な記載がなされていると考える。
2001 年 3 月 7 日
マサチューセッツ州ボストン
(訳注) 本外部監査人報告書の原典は英文であり、日本語訳との間で解釈に疑義が生じた場合は、
すべて原典が優先される。
115
116
2000 年 年次報告
ADF − 1
アジア開発銀行−アジア開発基金
貸借対照表
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
単位:千米ドル(注 B)
2000
1999
資産
現金・短期銀行預金(注 B)
投資(注 B 及び C)
政府及び政府保証債務
定期預金
その他証券
$
$
貸付残高(ADF − 5) (注 B 及び D)
差引:貸倒引当金
未収収益
投資関連
貸付関連
590,283
1,072,066
599,069
7,591
$
$
30,151
2,261,418
297,644
1,226,719
562,621
2,086,984
15,531,500
6,667
15,524,833
15,960,241
6,929
15,953,312
27,826
39,536
67,362
18,188
37,062
55,250
拠出国からの拠出(注 B 及び E)
3,154,538
4,066,554
1,345
182
$ 21,017,087
$22,192,433
$
$
その他資産
合計
債務、未使用残額・資本
通常資本財源への未払金
拠出前払い(ADF −6)
その他債務
投資関連未払金
その他
未使用残額・資本
貸付約定に利用可能な金額(ADF −6)
拠出財源(注 B)
留保財源(注 G)
通常資本財源及び
技術援助特別基金からの移転(注 A)
剰余金累積額(ADF−4)
その他収入総累積額(ADF− 4)(注 B 及び H)
合計
財務諸表(ADF − 7)の注を参照。
8,823
2,704
$
12,429
570
29,601
$
12,999
32,729
749
19,319,810
62,031
20,452,212
65,386
232,670
232,855
19,614,511
20,750,453
1,463,144
(85,094)
20,992,561
$21,017,087
42,476
1,299,577
36,848
33,478
22,086,878
$22,192,433
財務諸表
117
ADF − 2
アジア開発銀行−アジア開発基金
損益計算書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
単位:千米ドル(注 B)
収益
貸付収差(注 BとD)
投資収差(注 BとC)
利息
売却純益
その他収益−純額
支出
一般管理費(注 F)
引当金引当て(計上し直し)(注 B 及び D)
収益と支出の差額−純利益
財務諸表(ADF − 7)の注を参照。
$115,148
1
2000
1999
$ 150,327
$ 141,187
115,149
378
102,308
(21)
$ 76,754
193
$ 265,854
76,947
296
$218,430
102,287
95,536
469
96,005
$ 163,567
$122,425
118
2000 年 年次報告
ADF − 3
アジア開発銀行−アジア開発基金
キャッシュフロー報告書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
単位:千米ドル(注 B)
2000
業務活動のキャッシュフロー
受取利息
$
受取投資利息
他の財源からの受取
支払一般管理費
業務活動における現金受取純額
1999
119,869
$
105,748
92,267
479
66,397
307
(135,962)
(55,893)
76,653
116,559
投資活動のキャッシュフロー
定期預金その他銀行預金及び社債の解約(投資)による現金受取純額
投資証券の売却
8,215
1,209,982
(492,118)
504,171
投資証券の満期償還
投資証券の購入
6,975,952
(8,510,592)
11,583,696
(12,240,970)
貸付元本回収
貸付実行
208,442
(1,109,423)
177,296
(1,085,246)
投資純額
(1,217,424)
(1,553,171)
資金調達における現金キャッシュフロー
受領・現金化した拠出金 1
1,121,856
1,462,481
資金調達における現金受取純額
1,121,856
1,462,481
銀行預金の為替換算率変更による変動
銀行預金純増(減)
年初銀行預金
年末銀行預金
(3,645)
(3,611)
(22,560)
22,258
30,151
7,893
$
7,591
$
30,151
$
163,567
$
122,425
業務活動における現金受取純額に対する収益と支出の差額−純利益の調整:
収益と支出の差額−純利益(ADF − 2)
業務活動における現金受取純額に対する収益と支出の差額
−純利益の調整:
投資及び貸付の未収収益の変動
(15,431)
(5,870)
未収/前払い管理費の変動
貸付利息・手数料の資本化
(33,653)
(24,666)
39,643
(27,412)
101
(21)
(9,609)
469
(13,243)
(1)
(2,935)
(193)
未収金/支払勘定の増減
引当金引当て(計上し直し)
割引/プレミアムの償却
証券売却の純利益
その他−純額
業務活動における現金受取純額
1
−
$
76,653
このほか、拠出加盟国から、譲渡不能で、無利息の手形により、拠出金 495,274 ドル(781,718 ドル− 1999 年)を受領。
財務諸表(ADF − 7)の注を参照。
41
$
116,559
119
財務諸表
ADF − 4
アジア開発銀行−アジア開発基金
未使用残額及び資本の変動に関する報告書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
単位:千米ドル(注 B)
OCR 及び
留保
拠出財源
TASF からの
移転
財源
剰余金
その他収入総
累積額
累積額
$1,177,152
$37,532
$20,535,398
122,425
(684)
121,741
合計
残額−
1999 年 1 月 1 日
$19,020,422
$67,036
$233,256
1999 年総収入(注 H)
貸付約定に利用可能な拠出金
財源額の増減
留保財源の SDR 価格の変化
1,431,790
1,431,790
(1,650)
(1,650)
技術援助特別基金からの
移転額の増減
(401)
(401)
残額−
1999 年 12 月 31 日
$20,452,212
$65,386
$232,855
2000 年総収入(注 H)
貸付約定に利用可能な拠出金
財源額の増減
留保財源の SDR 価格の変化
$36,848
$22,086,878
163,567
(121,942)
41,625
(1,132,402)
(1,132,402)
(3,355)
(3,355)
技術援助特別基金からの
移転額の増減
残額−
2000 年 12 月 31 日
$1,299,577
(185)
$19,319,810
$62,031
(185)
$232,670
$1,463,144
$(85,094)
$20,992,561
その他収入総累積額(注 H)
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
単位:千米ドル(注 B)
未実現投資
為替調整の
利益
(損失)
累計額
2000
残高:1 月 1 日
$ 39,830
同年のその他総収入
(126,890)
残額:12 月 31 日
$(87,060)
財務諸表(ADF − 7)の注を参照。
1999
$
35,880
2000
$ (2,982)
3,950
$
39,830
$
累積額
1999
$
その他収入総
2000
1999
$ 37,532
1,652
$ 36,848
4,948
(4,634)
(121,942)
1,966
$ (2,982)
$(85,094)
(684)
$ 36,848
120
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−アジア開発基金
貸付概要報告書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
単位:千米ドル(注 B)
借入国/保証国 1
アフガニスタン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
クック諸島
インドネシア
カザフスタン
キリバス
キルギス共和国
ラオス
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア
モンゴル
ミャンマー
ネパール
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
サモア
ソロモン諸島
スリランカ
タジキスタン
タイ
トゥンガ
トゥバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
残高− 2000 年 12 月 31 日
貸倒引当金
30,560
4,193,804
50,186
191,136
20,167
644,763
44,986
3,997
252,665
574,330
31,618
39,292
26,863
305,071
460,656
1,100,288
3,900,619
269,067
841,504
70,716
46,331
1,533,791
21,968
57,553
35,512
2,800
1,734
45,616
733,907
15,531,500
$
−
803,072
33,809
204,657
1,089
111,772
9,480
8,421
151,042
177,103
18,371
6,779
6,106
91,208
−
143,986
842,979
30,634
129,046
9,966
231
473,514
20,531
−
522
1,223
17,123
3,391
883,184
4,179,239
未発効貸付 2
$
−
205,036
−
53,985
−
166,818
−
−
30,089
60,142
−
6,874
8,077
41,524
−
221,947
208,377
25,201
−
3,514
10,125
201,281
54,995
−
−
−
−
−
190,281
1,488,266
(6,667)
貸付総額
$
0.14
24.54
0.40
2.12
0.10
4.35
0.26
0.06
2.05
3.83
0.23
0.25
0.19
2.06
2.17
6.92
23.36
1.53
4.58
0.40
0.27
10.42
0.46
0.27
0.17
0.02
0.09
0.23
8.53
21,199,005
100.00
(6,667)
$ 4,179,239
$ 1,488,266
$21,192,338
残高− 1999 年 12 月 31 日
$15,960,241
$ 4,662,464
$ 910,378
$21,533,083
(6,929)
$15,953,312
合計に占める
割合(%)
30,560
5,201,912
83,995
449,778
21,256
923,353
54,466
12,418
433,796
811,575
49,989
52,945
41,046
437,803
460,656
1,466,221
4,951,975
324,902
970,550
84,196
56,687
2,208,586
97,494
57,553
36,034
4,023
18,857
49,007
1,807,372
$15,524,833
引当後残高− 1999 年 12 月 31 日
2
$
発効済貸付の
2
未実行残高
引当後残高− 2000 年 12 月 31 日
貸倒引当金
1
貸付残高
(6,929)
$ 4,662,464
$ 910,378
$21,526,154
加盟国又は加盟国の中央銀行に直接行われた以外の貸付は、加盟国が保証している。ただし、合計 9,839 ドル(10,765 ドル− 1999 年)の民間セクター
向け貸付は例外である。
1983 年 1 月 1 日より前に交渉した貸付は、米ドル建てである。同日以後に交渉した貸付は、約定においては特別引出権(SDR)表示になっている。こ
れらの SDR 貸付の未実行分については、報告期間末日現在の為替レートで米ドルに換算する。未実行残高のうち、ADB は、合計 88,474 ドル(105,523
ドル− 1999 年)の様々な金額の実行につき、取消不能の約定を行っている。
財務諸表(ADF − 7)の注を参照。
121
財務諸表
ADF − 5
発効済貸付の償還期日到来額
金額
2001 年 1 月 1 日∼ 12 月 31 日
$
金額
366,816
2006 ∼ 2010 年
2,924,319
2002 年 1 月 1 日∼ 12 月 31 日
2003 年 1 月 1 日∼ 12 月 31 日
327,938
357,197
2011 ∼ 2015 年
2016 ∼ 2020 年
3,722,111
4,061,218
2004 年 1 月 1 日∼ 12 月 31 日
2005 年 1 月 1 日∼ 12 月 31 日
400,354
434,000
2021 ∼ 2025 年
2026 ∼ 2030 年
3,527,924
2,250,893
2031 ∼ 2035 年
2036 ∼ 2038 年
1,132,185
205,784
合計
$ 19,710,739
貸付残高の償還通貨の概要
通貨
オーストラリアドル
オーストリアシリング
ベルギーフラン
カナダドル
デンマーククローネ
ユーロ
日本円
2000
$
1999
383,838
$
通貨
421,550
韓国ウォン
2000
1999
66
73
626
36
677
39
ニュージーランドドル
ノルウェークローネ
21,778
40,984
25,962
49,882
790,524
83,638
761,906
82,942
英ポンド
スウェーデンクローナ
263,517
89,779
297,710
80,481
2,299,201
9,567,705
2,344,711
9,864,985
176,349
1,813,459
175,784
1,853,539
$ 15,531,500
$15,960,241
スイスフラン
米ドル
合計
122
2000 年 年次報告
ADF − 6
アジア開発銀行−アジア開発基金
財源報告書
2000 年 12 月 31 日
単位:千米ドル(注 B)
約定有効額
貸付約定に
決議時の
2000 年 12 月 31 日 貸付約定に
為替レート
の為替レート 利用できない額 利用可能な額
により換算
により換算
拠出済額
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
85
−
−
−
−
−
−
−
$1,139,532
144,706
138,556
1,280,180
154,229
100,391
831,755
1,132,547
20,270
14,960
707,302
6,441,291
77,170
10,000
1,933
413,497
70,473
138,458
103,744
249,844
214,910
31,080
4,000
100,386
725,477
2,924,928
$ 747,865
135,867
119,388
1,044,850
129,737
71,685
679,202
1,065,694
20,270
14,960
429,843
10,459,353
56,831
6,709
1,933
383,286
44,217
97,350
74,400
158,465
224,862
28,936
2,391
100,386
611,017
2,924,928
合計
85
17,171,619
19,634,425
留保財源(注 G)
−
−
62,031
−
62,031
−
−
通常資本財源からの移転
−
−
230,000
−
230,000
−
−
−
−
2,670
−
2,670
−
−
2000 年中の
約定発効額
拠出財源
オーストラリア
オーストリア
ベルギー
カナダ
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インドネシア
イタリア
日本
韓国
マレーシア
ナウル
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
スペイン
スウェーデン
スイス
台湾
タイ
トルコ
英国
米国
$
技術援助特別基金
2
からの移転
合計
1
2
$
85
$17,171,619
$19,929,126
$
32,350
4,107
−
−
−
−
25,036
30,982
−
−
20,446
−
−
1,677
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
200,017
$ 715,515
131,760
119,388
1,044,850
129,737
71,685
654,166
1,034,712
20,270
14,960
409,397
10,459,353
56,831
5,032
1,933
383,286
44,217
97,350
74,400
158,465
224,862
28,936
2,391
100,386
611,017
2,724,911
$ 715,515
131,760
119,388
1,044,850
129,737
71,685
654,166
1,034,712
20,270
14,960
409,397
10,459,353
56,831
5,032
1,433
383,286
44,217
97,350
74,400
158,465
224,862
28,936
2,391
100,386
611,017
2,724,911
314,615
19,319,810
19,319,310
$ 314,615
$19,614,511
2000 年 12 月 31 日現在、前払いとして拠出されているが、まだ貸付約定には使えない 2,704 ドル相当は除外する。
2000 年 12 月 31 日現在、合計 802 ドルの換算調整額を含む。
財務諸表(ADF − 7)の注を参照。
拠出予定額
1
$19,319,310
$
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
500
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
500
$ 500
財務諸表
123
ADF − 7
アジア開発銀行−アジア開発基金
財務諸表の注
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
注 A:業務の性質
アジア開発基金(ADF)は、債務返済能力が限られた開発途
上加盟国(DMCs)に対し譲許的な条件で資金を提供すること
により、アジア開発銀行(ADB)の特別業務をより効果的に遂行
することを目的に 1974 年 6 月 28日に設立された。
ADF の財源は、その後 6 回補充が行われている。 最も最近
では 1997 年 9 月に、1997 年 1 月から4 年間の業務に必要な額
として合計 2,657,777,000 米ドルの補充が実施されている。1997
年、援助供与国の拠出を補足する形で、ADB 通常資本財源の
剰余金に計上されていた未配分の純利益 230,000,000米ドルが
ADF に配分された。
注 B:重要な会計方針の概要
機能通貨と報告通貨
拠出加盟国の通貨は機能通貨である。報告通貨は米ドルで、財
務諸表はその時の千米ドル単位で表示されている。
通貨換算
資産、負債、貸付約定に利用できる金額、及び拠出金の前払
い金は、原則として、報告期間末日の為替レートで機能通貨か
ら報告通貨に換算される。収支は半月ごとに、原則として期間
開始時の為替レートで換算される。これにより、当該期間の平均
為替レートに近い数値が適用されることになる。留保財源関連の
換算調整( 注 Gを参照 )は、通常資本財源との間の受取また
は支払に係る名目金額として計上される。その他の換算調整は、
「換算調整累計額」の貸方又は借方に計上した上、「その他
収入総累積額」 の中の「未使用残額及び資本」に記入され
る。 機能通貨同士の通貨取引の為替差益/差損は、収入に
含まれる。
投資
ADFが保有する投資証券については全て売却可能と考えられ、
その報告は未実現利益・損失を収入から除外し、推定時価で、
「その他収入総累積額」の中の「未使用残額及び資本」に記
入される。通常、時価は市場価格を表わす。市場で取引されて
いない一部短期投資商品(定期預金など)の時価の概算値の
算出には、コストまたは償却コストを用いる。実現利益・損失は、
投資収益に加算し、償却コストと純売却額の差額で算出する。
貸付
借入資格のある開発途上加盟国に対する貸付が、元本又は利
息が 6ヶ月未払いの場合、利息計上停止状態にするのが ADF
の方針である。 利息計上停止状態の貸付の利息は、実際に
ADF が受け取っている場合に限り収入に入れる。 ADB は公共
セクター向け貸付に関しては、
債務の繰り延べに参加しない方針
を貫いている。民間セクター向け貸付の場合、代替措置が全て
取られた後でのみ債務の繰り延べに合意する場合がある。
ADB は、加盟諸国に対して行われ、または加盟諸国が保証
をした公共セクター向け貸付については(引当の延期又は前倒
しを正当化する明確かつ合理的な証拠がない限り)、元本または
利息が1年滞納になっている場合、同じく民間セクター向け貸付
については6ヶ月滞納になっている場合は、貸付が正常に機能し
ていないと判断し、引当の対象と決定する。貸付の実効金利で
割り引いた、将来予測されるキャッシュフローの現在価値が、貸
付の簿価を下回る場合、偶発損失に備えて、価格変動準備金
を引当てる。
ADB による引当金が十分か否かの定期的な評価は、過去に
おける貸倒れ、現在の貸付における既知及び固有のリスク、借
り手の返済能力に影響を与えることが考えられる不利な状況を勘
案して行う。
124
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−アジア開発基金
財務諸表の注
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
拠出財源
加盟諸国からの拠出は、
拠出が行われ関連の手続が完了した日
から約定額として財務諸表に組み入れられる。
拠出は、原則として拠出国の通貨の現金又は手形で支払わ
れ、又は将来支払われることになっている。
会計上の見積
一般に認められた会計原則に準じた財務諸表を作成するには、
マネジメントが、年末現在の資産/負債報告額、当該年の収支
報告額に関係する見積/推定値を出さなければならない。実際
の結果が見積と異なることもあり得る。
2000 年 12月31日現在、投資の契約満期別の公正と考えられ
る見積価格と償却コストは次のとおりであった。
公正見積価額
償却コスト
満期まで 1 年以内
満期まで 1 年超 5 年以内
満期まで 5 年超 10 年以内
$ 1,641,066,000
603,915,000
16,437,000
$ 1,640,563,000
602,693,000
16,196,000
合計
$ 2,261,418,000
$ 2,259,452,000
政府及び政府保証の債務、その他銀行債務に対する投資関
連についての追加情報は次のとおりである。
キャッシュフロー報告書
キャッシュフロー報告においては、ADFはキャッシュ及びそれに相
当するものは、「短期銀行預金」に限定する。
再分類
1999年の金額の一部は、2000年の計上方法に合わせて分類し直
した。
注 C:投資
2000 年及び 1999 年 12 月31日現在、投資ポートフォリオの通貨
構成は、米ドル表示で次のとおりであった。
通貨
2000
オーストラリアドル
カナダドル
デンマーククローネ
ユーロ
日本円
ノルウェークローネ
英ポンド
スウェーデンクローネ
米ドル
その他
$
267,308,000
191,797,000
30,726,000
454,888,000
65,893,000
65,464,000
367,517,000
35,767,000
735,625,000
46,433,000
合計
$ 2,261,418,000
1999
$
251,443,000
173,470,000
29,447,000
401,454,000
233,903,000
54,580,000
318,618,000
41,337,000
551,096,000
31,636,000
$ 2,086,984,000
12 月 31 日現在
償却コスト
公正見積価格
未実現総利益
未実現総損失
12 月 31 日終了年度
未実現純
利益(損失)の増減
売却益
総収益
総損失
2000
1999
$ 1,187,386,000
1,189,352,000
2,088,000
122,000
$ 863,247,000
860,265,000
−
2,982,000
4,948,000
1,209,982,000
13,000
12,000
(4,634,000)
504,171,000
245,000
52,000
未実現損益を除外し、年初、年末現在のポートフォリオをベー
スに、同年保有した平均投資の年換算利益率を計算すると、
4.96%(4.03%−1999 年)になった。未実現損益を入れると利
益率は年率 5.17%(3.79%− 1999 年)になる。
投資は、
理事会が承認した投資要項によって運用されている。
投資運用の主目的は、安全性と流動性の維持にある。これらを
維持しながらADB は、投資に対し、できる限り高い利益を確保
することを目指している。2000 年 12月31日現在、その他の証券
には社債、その他の銀行預金が含まれ、その額はそれぞれ
229,400,000ドル(ゼロ−1999年)、369,669,000ドル(562,621,000
ドル− 1999 年)である。
1999 年、理事会は新しい投資要項を承認した。新しい投資
要項では、高い格付けの社債、抵当証券、資産担保証券といっ
た、より高利回りの投資ができるようになっている。
125
財務諸表
ADF − 7
続き
注 D:貸付及び貸倒引当金
貸付
1998 年 12月14日、理事会は、ADF の貸付条件を次のように修
正することを承認した。
(i) 特定のプロジェクトに対して資金を提供する貸付の償還期
間は、8 年の据置期間を含む 32 年。
(ii) セクター開発を支援するプログラム・ローンの償還期間は、
8 年の据置期間を含む 24 年。
(iii)新規貸付の金利は全て、据置期間中は 1%、その後は
1.5%(元本は均等償還)。
ADF の新しい貸付条件は 1999 年 1 月 1日から実施され、公式
な貸付交渉が 1999 年 1 月1 日以降に完了した新規貸付のみに
適用される。 1999 年 1 月 1日より前に、手数料 1%、支払い期
間が35年から40年のADF 貸付が適格開発途上加盟国に拡大
された。ADF では、貸付実行された通貨の騰落による為替リス
クは借入国が吸収しなければならない。
貸付の時価は、取得原価法(entry value method)を用いて
算出した。この方法では、その時点で ADB が同様の貸付を同
様の借り手に対して行う場合の条件を元に時価を判断する。か
かる貸付については、時価は帳簿記載額とほぼ同額となる。こ
れまでの貸付から判断して重要な影響があるとは考えられないた
め、貸付の時価見積には信用リスクの影響を算入していない。
2000 年 12 月31日現在の国別の未実行貸付約定と貸付の内
訳は ADF − 5 に記載されている。
2000 年 12 月 31 日現在、利息計上停止状態にある公共セク
ター向け貸付の元本残高は 491,216,000ドル(535,727,000ドル
−1999 年)で、そのうち55,693,000ドル(40,152,000ドル−1999
年)が返済遅延となっている。利息計上停止状態の貸付により、
5,162,000ドル(5,045,000ドル−1999 年)が、2000 年 12 月31
日までの一年間の貸付からの収益から除外されることになった。
こ
うした貸付について2000年12月31日現在収益として計上されな
かった累積利息は 18,170,000ドル(13,008,000ドル− 1999 年)
となった。 2000 年 12 月 31 日現在、利息計上停止状態の貸付
は、アフガニスタン向けの 4 件とミャンマー向けの 28 件であった。
(アフガニスタン向け 4 件とミャンマー向け 28 件− 1999 年)
2000 年 12月31日現在、民間セクター向け貸付 1 件が利息計
上停止状態であった(1 9 9 9 年はゼロ)。 同日の元本残高は
6,015,000ドルであった(1999年はゼロ)。利息計上停止状態の
貸付は122,000ドル(1999 年はゼロ)となり、2000 年 12 月31日
終了年の民間セクター向け貸付からの収益に計上されなかった。
2000 年 12 月31日現在、民間セクター向け貸付残高は、同日
現在の貸倒引当金累計額2,724,000ドル(2,986,000ドル−1999
年)を差し引いた後 7,115,000ドル(7,778,000ドル− 1999 年)
となり、未実行貸付約定はなかった(1999 年もゼロ)。
貸倒引当金
ADBは、民間セクター向け貸付については、貸付残高の回収可
能性を評価し、それに基づいて貸倒引当金を引当てる。
公共セクター向け貸付については、引当の延期や積増しを正
当化する明確かつ納得の行く証拠がない限り、元本または利息
の返済が1年以上遅延した時点で引当の対象とする。貸倒引当
金の金額は、
貸付の簿価と当該貸付の実効利率で割り引いた現
在の現金収入予想額を比較して決定する。
2000年度には、公共セクター向け貸付には貸倒引当金の引当
ては行われなかった(1999 年もゼロ)。民間セクターには21,000
ドル(料金 469,000ドル− 1999 年)の引当てが行われた。
2000 年及び 1999 年 12 月31日の貸倒引当金の対象となる貸
付は次のとおりである。
引当て対象外の貸付
引当て対象の貸付
合計
引当て対象の
貸付の平均額
引当て対象の貸付
に係る金利
引当て対象の貸付
に係る金利の受取額
2000
1999
$15,492,067,000
39,433,000
$15,917,379,000
42,862,000
$15,531,500,000
$15,960,241,000
$
41,189,000
$
39,873,000
$
442,000
$
427,000
$
29,000
$
63,000
126
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−アジア開発基金
財務諸表の注
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
2000 年及び 1999 年における貸倒引当金の増減は次のとおりで
あった。
2000
残高− 1 月 1 日
$
年間に引き当てた引当金
(計上し直し)
換算調整
6,929,000
1999
$
6,267,000
(21,000)
469,000
(241,000)
193,000
残高− 12 月 31 日
$
6,667,000
$
6,929,000
内訳:
公共セクター向け貸付
アフガニスタン
$
3,943,000
$
3,943,000
民間セクター向け貸付
合計
2,724,000
$
6,667,000
2,986,000
$
6,929,000
注 E:拠出国の手形
拠出国の手形は、譲渡不能で、無利息である。ADB は、該当
する総務会決議の制限の範囲で、必要に応じて額面で現金化
できる。
現在、2000 年 12 月 31 日時点の手形残高は、2007 年 12 月
31日までの 7 年間に現金化されるものと考えられる。
拠出国の手形の時価は、取得原価法(entry value method)
を用いて算出する。この方法では、現在手形が拠出国により引
き受けられる条件に基づいて時価を決定する。これにより、拠出
国手形残高の時価は簿価とほぼ同額となる。
注 F:管理費及び管理料
管理費には、通常資本財源の合計 102,299,000ドル(95,528,000
ドル−1999 年)の管理料が含まれる。管理料は、ADB全体の管
理費(通常業務及び特別業務に直接関係するものは除く)を、そ
の年に承認された貸付件数と出資数に応じて割当てたものである。
注 G:留保財源
アジア開発銀行設立協定第 19 条 1(i)項に従い、総務会は、
協定第 6 条 2(a)項に準じて加盟国により払込まれ、かつ減損
していない払込資本及び 1973 年 4 月28日現在の協定第 6 条 2
(b)項に準じて加盟国が支払った交換可能通貨の10%をADB
の特別基金の一部として使うために留保することを認めた。この
ように留保した資本は、留保財源として通常資本財源からADF
に配分・移転された。
ADB の資本については、協定第 4 条 1 項で、「1966 年 1 月
31日現在有効な重量及び純度の米ドル建て」(1966 年ドル)と
定義されている。従って留保財源は、従来、金の基準価額を基
にその時点の米ドル(ADB の会計単位)に換算されていた。
1973年から1978年3月31日まで、これに基づくレート換算は1966
年ドル当り1.20635ドルとなった。 1978 年 4 月1日には国際通貨
基金(IMF)第 2 回協定条項修正が実施され、通貨は金本位
ではなくなった。留保財源は、ADBが1966 年ドルの適切な後継
を捜すまで、IMF算出による、現行の米ドルの特別引出権(SDR)
で評価され、添付の財務諸表が作成されている。2000 年 12 月
31 日現在、1SDR は 1.30291 米ドル (1.37338ドル− 1999 年)
であった。これにより算出すると、留保財源は 62,031,000ドル
(65,386,000ドル−1999 年)となる。ADB の 2000 年 12 月31日
現在の資本を1 株 12,063.50ドルとして計算すると、留保財源は
57,434,000ドルになる。
注 H:総収入及びその他収入総累積額
総収入は、純利益とその他総収入の2つに大きく分けられる。そ
の他総収入には、売却できる証券の未実現損益、外国為替換
算調整がある。
注 I:金融商品の時価
金融商品の時価は、強制的な売買や清算による売買以外の状
況で、当事者間で現在行われている取引で売買される金額と定
義する。
短期の金融商品の時価は、帳簿価額と同額とみなす。
市場価格が分かる場合には、その価格によって時価を算出す
財務諸表
127
ADF − 7
る。 市場価格が容易に分からない金融商品の価額は、必然的
に主観的判断が必要となる方法論や仮定を用いて算出している。
従って、これらの金融商品の価額が現在の取引で売買される実
際の価格であるか否か、
又は実際に売買可能か否かについては
判断できない。
当基金の貸借対照表に記載されている全ての重要な金融商
品の価額はほぼ時価に近いものと考えられる。投資、貸付、拠
出国の手形については、それぞれ注B、C、D、Eを参照のこと。
128
2000 年 年次報告
外部監査人報告書
アジア開発銀行
我々は、添付の貸借対照表並びに関連する活動及び純資産増減、キャッシュフローに関する諸表は、
2000 年及び 1999 年 12月31日現在のアジア開発銀行技術援助特別基金の財務状況並びに該当年の
活動及び純資産の増減、キャッシュフローの結果を、全ての重要な点において、公正に、米ドル建てで
表わしたものであり、米国で一般に認められている会計原則に則っているものと考える。これら財務諸表
についてはアジア開発銀行のマネジメントが責任を持つものであり、我々の責任は、これら財務諸表に関
して、監査に基づき、意見を述べることにある。我々は、財務諸表に重要な不実記載がないという合理
的確信を得るために監査を計画・実施することを定めた米国で一般に認められている監査基準に従い、
これら諸表の監査を実施した。監査では、財務諸表に記載された金額や開示事項を裏付ける証拠を試
験的に検証した。更に、監査では、マネジメントが採用した会計原則と算定した重要な見積りの検討、
及び財務諸表の記載全体の評価も行った。我々は我々が実施した監査が上記意見の合理的根拠にな
るものと考える。
監査は、基本財務諸表全体に関する意見を形成する目的で実施された。添付の 2000 年 12月31日現
在の財源報告書、及び同日までの一年に承認・実施された技術援助の概要報告書は、更に分析を進
めるためのものであり、基本財務諸表の必須事項ではない。それら資料にも、基本財務諸表の監査で
用いた監査方法が適用されている。我々は、全体として、基本財務諸表関連の全ての重要部分にお
いて公正な記載がなされていると考える。
2001 年 3 月7 日
マサチューセッツ州ボストン
(訳注) 本外部監査人報告書の原典は英文であり、日本語訳との間で解釈に疑義が生じた場合は、
すべて原典が優先される。
財務諸表
129
TASF − 1
アジア開発銀行−技術援助特別基金
財務状況報告書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
単位:千米ドル(注 B)
2000
1999
資産
現金・短期銀行預金(注 B)
投資(注 B 及び C)
政府及び政府保証債務
定期預金
その他銀行預金
$
$
1,156
26,095
$
$
159,220
53,454
238,769
3,672
50,346
147,977
17,836
216,159
未収収益
3,356
2,138
その他資産
8,457
8,095
$ 251,738
$ 230,064
$
$
合計
負債及び未約定残高
通常資本財源への支払勘定
支払勘定その他負債
502
91
3
3
未払コミットメント(注 B 及び E)
135,776
113,681
未約定残高(TASF − 2 及び TASF − 4)(注 B)
使途無制限純資産
115,457
116,289
$ 251,738
$ 230,064
合計
財務諸表(TASF − 6)の注を参照。
130
2000 年 年次報告
TASF − 2
アジア開発銀行−技術援助特別基金
活動及び純資産増減報告書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
単位:千米ドル(注 B)
2000
1999
使途無制限純資産の増減
拠出金(TASF − 4)(注 B 及び D)
収入
投資から(注 B 及び C) 利息
未実現投資利益(損失)
その他財源から−純額(注 E)
$
$
9,624
112
9,736
388
80,103
$
$
10,124
合計
7,806
(699)
7,107
322
80,070
7,429
90,277
87,499
支出
技術援助(TASF− 5)(注 B 及び E)
財務費用
80,456
4
63,059
2
80,460
63,061
9,767
24,438
(10,599)
(5,336)
合計
拠出金・収入と支出との差額
為替差損−純額(注 B)
純資産の増加(減少)
(832)
年初現在の純資産
年末現在の純資産
財務諸表(TASF − 6)の注を参照。
19,102
116,289
$
115,457
97,187
$
116,289
131
財務諸表
TASF − 3
アジア開発銀行−技術援助特別基金
キャッシュフロー報告書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
単位:千米ドル(注 B)
2000
業務活動のキャッシュフロー
拠出金入金
$
投資利息入金
その他受領資金
1999
80,173
$
80,000
7,937
525
8,374
61
(58,407)
(4)
(46,629)
(2)
30,224
41,804
投資活動のキャッシュフロー
定期預金その他銀行預金の預け入れによる現金純額
投資証券の売却
(57,212)
2,048
(27,637)
839
投資証券の満期償還
投資証券の購入
41,939
(19,423)
6,534
(18,548)
投資活動において使用された現金純額
(32,648)
(38,812)
(92)
(536)
技術援助実行
財務費用支払
業務活動において受領された現金純額
銀行預金の為替変動
銀行預金純増加(減少)
年初銀行預金
年末銀行預金
$
(2,516)
2,456
3,672
1,216
1,156
$
3,672
$
19,102
業務活動において受領された現金純額に対する
純資産増加(減少)額の調整:
純資産の増加(減少)(TASF‐2)
$
(832)
業務活動において受領された現金純額に対する純資産
増加(減少)額を調整するための修正:
拠出金未収額の増減
未払コミットメントの増減
70
22,095
(70)
12,644
換算調整
未実現投資損失(利益)
10,736
(112)
5,075
699
加盟諸国に対する技術援助前払金の増減
割引/プレミアムの償却
(860)
(469)
4,470
497
未収利息その他の変化
(404)
業務活動において受領された現金純額
財務諸表(TASF − 6)の注を参照。
$
30,224
(613)
$
41,804
132
2000 年 年次報告
TASF − 4
アジア開発銀行−技術援助特別基金
資金報告書
2000 年 12 月 31 日
単位:千米ドル(注 B)
2000 年中の
拠出約定額
直接自主拠出
オーストラリア
オーストリア
バングラデシュ
ベルギー
カナダ
中国
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
韓国
マレーシア
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
シンガポール
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
英国
米国
$
合計
TASF 定期財源補充、及び、
通常資本財源純利益とその他財源
からの割当て 1(注 D)
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
103
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
103
−
−
−
−
−
−
−
−
70
−
−
−
−
−
−
−
−
$
2,484
159
47
1,394
3,346
600
1,963
237
1,697
3,315
100
2,763
250
774
47,710
1,900
909
1,338
1,096
3,279
1,387
1,100
190
6
861
1,035
200
5,617
1,500
$
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
87,257
−
80,000
815,101
90,886
700,213
114,888
−
80,103
(3,472)
569
$
899,455
その他財源とは、1980 年 4 月 1 日以降の TASF における収益と資金補充を指す。
合計 10,599 ドルの為替差損を含む。
財務諸表(TASF − 6)の注を参照。
$
拠出
未利用額
173
未実現投資利益
1
2
2,484
159
47
1,394
3,346
600
1,963
237
1,697
3,315
100
2,763
250
774
47,710
1,900
909
1,338
1,096
3,279
1,387
1,100
190
6
861
1,035
200
5,617
1,500
累計拠出
利用額
87,257
−
$
$
2000 年中の
拠出利用額
103
アジア開発基金への移転
合計
拠出約定
累計額
$
−
(3,472)
−
−
−
569
91,0592
$
783,998
$
115,457
133
財務諸表
TASF − 5
アジア開発銀行−技術援助特別基金
承認・発効済み技術援助の概要報告書
2000 年 12 月 31日終了年度
単位:千米ドル(注 B)
被援助国
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
プロジェクト準備
$
クック諸島
東ティモール
フィジー諸島
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
キルギス共和国
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア
モンゴル
ネパール
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
サモア
ソロモン諸島
スリランカ
タジキスタン
タイ
トンガ
トゥバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
合計
(144)
−
−
284
プロジェクト実施/諮問
$
61
−
−
−
450
(83)
99
−
−
150
(14)
132
−
−
(135)
(4)
500
(248)
(26)
−
71
44
228
150
−
−
(29)
183
100
$
1,708
1,102
38
(7)
5,008
$
$
958
38
(7)
5,292
61
3,793
1,720
12,121
1,670
(344)
150
2,329
4,755
(253)
1,411
361
791
1,247
1,378
6,828
533
3,731
1,447
462
597
150
2,719
202
(79)
1,256
1,128
2,128
3,793
1,720
12,571
1,587
(245)
150
2,329
4,905
(267)
1,543
361
791
1,112
1,374
7,328
285
3,705
1,447
533
641
378
2,869
202
(79)
1,227
1,311
2,228
58,433
60,141
地域支援
合計
負の数値は、将来の約定に利用可能な残高に算入された未払コミットメントの正味額を表わす(注 B 及び E)。
財務諸表(TASF − 6)の注を参照。
合計
20,315
$ 80,456
134
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−技術援助特別基金
財務諸表の注
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
注 A:業務の性質
報告通貨
技術援助特別基金(TASF)は、加盟開発途上国(DMCs)に
対する技術援助の無償供与及び地域技術援助を目的として設立
された。TASFの財源は、加盟諸国による自主的な直接拠出、通
常資本財源(OCR)の純利益及びアジア開発基金(ADF)か
らの割り当て、投資その他の財源からの収入で成り立っている。
TASF の財務諸表は、その時の千米ドルで表記される。利便性
という点から、米ドルが機能/報告通貨となっている。また、為
替差益/差損の計算にも米ドルが用いられる。
注 B:重要な会計方針の概要
財務諸表の提出
TASF の財務諸表は、無制限及び一時的に制限された純資産
のベースで提出される。
拠出された現金その他の資産の使途を供与国が規定している
場合、TASFは制限がある支援として報告する。供与国が定め
た制限が解除された場合、すなわち、規定された時間が経過し
たり目的が達成されたりすると、一時的に制限された純資産は、
無制限の純資産に振り替えられ、
活動及び純資産増減報告書に
は制限が解除された純資産として報告する。2000 年及び 1999
年 12 月 31日現在、使途制限がある純資産はなかった。
通貨換算
米ドル以外の通貨の資産、負債及び未約定残高は、報告期間
末日の相当する為替レートで換算する。その年の財務諸表に記
入する拠出金には、各約定日現在の為替レートを適用する。米
ドル以外の通貨の収支は、半月ごとに、原則として期間開始時の
為替レートで換算される。これにより、当該期間の平均為替レー
トに近い数値が適用されることになる。換算調整は為替差益/差
損として計上され、業務の貸方/借方に記入される。
会計見積
一般に認められた会計原則に準じた財務諸表を作成するには、
マネジメントが、年末現在の資産/負債額、当該年の収支報告
額に関係する見積/推定値を出さなければならない。実際の結
果が見積と異なる場合もある。
投資
キャッシュフロー報告書
TASFが保有する投資証券は全て、実現・未実現損益を収入に
算入して、推定時価で報告する。通常、推定時価は市場価格
を表わす。 市場で取引されていない一部短期投資商品(定期
預金など)の時価の概算値の算出には、コストまたは償却引きコ
ストを用いる。
TASF は、キャッシュフロー報告書については、現金及びそれに
相当するものは、「短期銀行預金」に限定する。
再分類
1999 年の金額の一部は、2000 年の計上方法に合わせて分類
し直した。
拠出
加盟諸国からの拠出金は、
拠出契約が発効した日から財務諸表
に記入される。供与国が、拠出金の利用を、調達国・地域を指
定した技術援助(TA)
プロジェクト/プログラムに限定する場合、
その拠出金は一時的に制限がある拠出金として分類される。用
途について規定が一切ない拠出金は、無制限拠出金とされる。
加盟諸国に対する技術援助
技術援助は、関連プロジェクトが承認され有効になった時点で、
財務諸表に記入される。技術援助プロジェクト完了時点の未実
行額は、その期間の技術援助の減額分として計上し直され、そ
れに準じて相当する未払コミットメントは消去される。
注 C:投資
2000 年及び 1999 年 12月31日現在、投資対象の通貨構成は米
ドル建てで次のとおりであった。
通貨
2000
1999
オーストラリアドル
カナダドル
ユーロ
スイスフラン
その他
$
5,113,000
129,910,000
18,528,000
81,954,000
3,264,000
$
5,757,000
128,083,000
60,886,000
17,924,000
3,509,000
合計
$
238,769,000
$
216,159,000
財務諸表
135
TASF − 6
各月初/月末に保有されていた投資対象を基本とした 2000
年中の平均投資収益率は、年率 5.18%(1999 年−3.50%)で
あった。 投資は、理事会が承認した投資要項に従って行われている。
投資管理の主目的は、安全確保と流動性の維持にある。ADB
は、こうした目的を考慮し、TASFにおける投資で可能な限り最大
限の収益を上げることを目指している。
1999 年、理事会は、新しい投資要項を承認した。 新しい投
資要項では、優良な社債、抵当証券、資産担保証券といった、
より高利回りの投資が可能となっている。
注 D:資金調達
当基金には、1967年の設立以来、加盟29ヶ国が直接拠出を行っ
ている。1986年と1992年、総務会は、ADFの補充を認め、ADF
借入開発途上国に対する技術援助及び域内技術援助に使用す
ることを目的として、それぞれ総額 72,000,000ドルと140,000,000
ドル相当を TASF に割り当てた。
また、1992 年から1995 年及び 1998 年から2000 年には、OCR
からTASF に総額 501,000,000ドル相当が配分されている。
直接拠出金の中には、物資・サービスの調達先が限定されて
いるもの、技術援助に要した費用を事後償還する形で出されるも
のもある。
1999 年及び 2000 年中に受け取った拠出金には全て制限が
付されていなかった。
注 E:未払コミットメント
未払コミットメントは米ドル建てであり、
継続している有効な無償供
与TAプロジェクト/プログラムで、年末現在未だ実行されていな
いものを言う。 2000 年において、完了又は撤回された TA プロ
ジェクト分合計 13,390,000ドル(1999 年−7,038,000ドル)が当
期の技術援助減少分として計上し直され、それに応じて相当す
る未払コミットメントは減算された。ADB は、無償供与は約定の
対象となっているプロジェクト/プログラム全てに対して行われると
想定しているため、未払コミットメントの時価は未実行額と近似値
である。プロジェクト準備として行われるTA が ADB の貸付につ
ながる場合、250,000ドルを超える無償供与は、借入国が当該
ADB 貸付の中で返済する。2000 年 12月31日までの一年間に、
279,000ドル(1999 年−296,000ドル)が、かかる貸付の回収、
TASF の他の財源からの収入として計上された。
注 F:金融商品の時価
金融商品の時価は、強制的な売買や清算による売買以外の状
況で、当事者間で行われる通常取引で売買される金額と定義
する。
短期の金融商品の時価は、帳簿価額の同額とみなす。
市場価格が分かる場合には、その価格によって時価を算出す
る。 市場価格が容易に分からない金融商品の価額は、必然的
に主観的判断が必要となる方法論や仮定を用いて算出する。し
たがって、これらの金融商品の価額が現在の取引で売買される
実際の価格であるか否か、
又は実際に売買可能か否かについて
は判断できない。
当基金の財務状況報告書に記載されている全ての重要な金融
商品の価額はほぼ時価に近いものと考えられる。 投資、未払コ
ミットメントについては、それぞれ注 B、Eを参照のこと。
136
2000 年 年次報告
外部監査人報告書
アジア開発銀行
我々は、添付の財務状況報告書並びに関連する活動及び純資産増減、キャッシュフローに関する諸表
は、2000 年及び 1999 年 12 月31日現在のアジア開発銀行日本特別基金の財務状況並びに該当年の
活動及び純資産の増減、キャッシュフローの結果を、全ての重要な点において、公正に、米ドル建てで
表わしたものであり、米国で一般に認められている会計原則に則っているものと考える。これら財務諸表
についてはアジア開発銀行のマネジメントが責任を持つものであり、我々の責任は、これら財務諸表に関
して、監査に基づき、意見を述べることにある。我々は、財務諸表に重要な不実記載がないという合理
的確信を得るために監査を計画・実施することを定めた米国で一般に認められている監査基準に従い、
これら諸表の監査を実施した。監査では、財務諸表に記載された金額や開示事項を裏付ける証拠を試
験的に検証した。更に、監査では、マネジメントが採用した会計原則と算定した重要な見積りの検討、
及び財務諸表の記載全体の評価も行った。我々は我々が実施した監査が上記意見の合理的根拠にな
るものと考える。
2001 年 3 月7 日
マサチューセッツ州ボストン
(訳注) 本外部監査人報告書の原典は英文であり、日本語訳との間で解釈に疑義が生じた場合は、
すべて原典が優先される。
137
財務諸表
JSF − 1
アジア開発銀行−日本特別基金
財務状況報告書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
単位:千米ドル(注 B)
2000
ACCSF
1999
JSF 定期/
追加拠出金
合計
JSF 定期/
追加拠出金
合計
73
$ 4,535
$ 4,608
ACCSF
資産
現金・短期銀行預金(注 B)
投資(注 A、B 及び C)
政府及び政府保証債務
定期預金
その他銀行債務
$
61
$
537
$
598
$
103,281
127,616
−
10,676
136,256
145,816
113,957
263,872
145,816
98
116,754
−
−
255,227
39,679
98
371,981
39,679
230,897
292,748
523,645
116,852
294,906
411,758
株式投資(注 A、B 及び D)、正味額
−
338
338
−
709
709
未収収益
46
6,701
6,747
30
5,803
5,833
その他資産(注 E)
71
4,289
4,360
−
4,781
4,781
合計
$231,075
$304,613
$535,688
$116,955
$310,734
$427,689
$
$
$
$
$
$
負債及び未約定残高
支払勘定その他負債
通常資本財源への支払勘定
その他の負債(注 E)
未払コミットメント(注 B 及び F)
技術援助
利息補給
純資産(JSF − 2)(注 B)、内容:
未約定残高(注 G)
使途無制限
一時的使途制限(注 A 及び H)
純累積投資収入
一時的使途制限(注 A 及び H)
合計
財務諸表(JSF − 4)の注を参照。
−
4,807
144
60
144
4,867
11
485
194
59
205
544
4,807
204
5,011
496
253
749
13,099
76,185
114,416
−
127,515
76,185
6,182
84,145
118,295
−
124,477
84,145
89,284
114,416
203,700
90,327
118,295
208,622
−
136,637
136,637
43,469
57,276
100,745
43,469
193,913
237,382
−
26,129
26,129
66,718
54,710
121,428
66,718
80,839
147,557
347
89,248
89,595
3
70,758
70,761
136,984
189,993
326,977
26,132
192,186
218,318
$231,075
$304,613
$535,688
$116,955
$310,734
$427,689
138
2000 年 年次報告
JSF − 2
アジア開発銀行−日本特別基金
活動及び純資産増減報告書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
単位:千米ドル(注 B)
2000
ACCSF
1999
JSF 定期/
追加拠出金
合計
ACCSF
JSF 定期/
追加拠出金
合計
使途無制限純資産の増減
拠出金(注 B 及び H)
$
−
$
37,561
$
37,561
$
−
$
16,781
$
16,781
その他財源からの収入
−
150
150
−
72
72
未実現投資
出資利益(損失)(注 D)
(330)
−
506
506
9,075
95,678
3,463
99,141
−
(330)
制限が解除された(再び使途を制限
された)純資産(注 B 及び H)
9,632
(557)
合計
9,632
36,824
46,456
95,678
20,822
116,500
支出
技術援助(注 B 及び F)
利息補給(注 B)
管理費
9,575
−
57
59,274
−
1,485
68,849
−
1,542
6,628
89,000
50
55,801
−
1,368
62,429
89,000
1,418
合計
9,632
95,678
57,169
152,847
(36,347)
(36,347)
60,759
70,391
拠出金・収入と支出の差額
−
(23,935)
(23,935)
−
為替(差損)差益(注 B)
−
(116)
(116)
−
使途無制限純資産の減少
換算調整前
−
(24,051)
(24,051)
−
(35,815)
(35,815)
換算調整(注 B)
−
−
(538)
(538)
使途無制限純資産の減少
−
−
(36,353)
(36,353)
802
(23,249)
802
(23,249)
532
532
一時的に使途が制限されている純資産の増減
拠出金(注 B 及び H)
投資収益(注 B 及び C)
制限が解除された(再び使途を制限
された)純資産(注 B 及び H)
為替(差損)差益(注 B)
136,587
−
136,587
104,367
31,838
136,205
401
19,823
20,224
53
16,576
16,629
(3,463)
(99,141)
(9,632)
10
557
−
換算調整(注 B)
(16,514)
一時的に制限されている純資産の増加
110,852
21,056
110,852
(2,193)
純資産の増加(減少)
年初現在の純資産
年末現在の純資産
財務諸表(JSF − 4)の注を参照。
676
(9,075)
(95,678)
10
(35)
(15,838)
−
(35)
17,425
418
131,908
26,132
45,369
71,501
108,659
26,132
9,016
35,148
−
183,170
183,170
26,132
$ 192,186
$ 218,318
26,132
192,186
218,318
$ 136,984
$ 189,993
$ 326,977
$
17,843
139
財務諸表
JSF − 3
アジア開発銀行−日本特別基金
キャッシュフロー報告書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
単位:千米ドル(注 B)
2000
ACCSF
業務活動のキャッシュフロー
拠出金入金
投資利息入金
技術援助実行
利息補給払込
支払い一般管理費
その他−純額
$ 136,587
128
(2,684)
(3,736)
(14)
11
業務活動において受領された(使用された)
現金純額
1999
JSF 定期/
追加拠出金
$
37,561
17,731
(60,622)
−
(2,038)
19
合計
ACCSF
$ 174,148
17,859
(63,306)
(3,736)
(2,052)
30
$ 104,367
11
−
(4,855)
−
(35)
JSF 定期/
追加拠出金
$
48,619
13,767
(72,389)
−
(972)
141
合計
$ 152,986 13,778
(72,389)
(4,855)
(972)
106
130,292
(7,349)
122,943
99,488
(10,834)
88,654
投資活動のキャッシュフロー
定期預金その他銀行預金及び社債の
解約(投資)による現金受取純額
投資証券の売却
投資証券の満期償還
投資証券の購入
(21,072)
9,309
298,815
(423,740)
14,048
−
−
(10,696)
(7,024)
9,309
298,815
(434,436)
(108,770)
66,161
174,840
(231,268)
15,159
49,181
−
(47,964)
(93,611)
115,342
174,840
(279,232)
投資活動において受領された(使用された)
現金純額
(136,688)
3,352
(133,336)
(99,037)
銀行預金の為替変動
6,384
銀行預金純増加(減少)
年初銀行預金
年末銀行預金
$
16,376
(82,661)
6,383
(378)
(1,336)
(1,714)
(12)
(3,998)
(4,010)
73
4,206
4,279
73
4,535
4,608
−
329
329
61
業務活動において受領された(使用された)
現金純額に対する純資産増(減)額の調整:
純資産の増加(減少)(JSF − 2)
$ 110,852
業務活動において受領された(使用された)
現金純額と純資産増加(減少)額を
調整するための修正:
未実現投資損失(利益)
7
換算調整
16,514
未払コミットメントの増減
(1,043)
割引/プレミアムの償却
(264)
その他−純額
4,226
業務活動において受領された(使用された)
現金純額
$ 130,292
財務諸表(JSF-4)の注を参照。
(1)
$
$
537
(2,193)
382
(1,478)
(3,879)
(1,245)
1,064
$
(7,349)
$
598
$
73
$
4,535
$
4,608
$ 108,659
$
26,132
$
9,016
$
35,148
389
15,036
(4,922)
(1,509)
5,290
$ 122,943
−
(17,425)
90,327
(13)
467
$
99,488
(506)
120
(15,955)
(284)
(3,225)
$ (10,834)
(506)
(17,305)
74,372
(297)
(2,758)
$
88,654
140
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−日本特別基金
財務諸表の注
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
注 A:業務の性質
日本特別基金(JSF)は、1988 年 3 月に設立され、日本政府が
アンタイドの無償供与を基本として拠出している基金である。JSF
は日本政府の要請により、ADB が運営している。JSF の目的は、
ADB 加盟開発途上国(DMCs)の経済再編支援、新規投資
分野の拡大を行い、それによるDMCsへの資金還流促進を支援
することにある。JSF の財源は、主に技術援助(TA)に供与さ
れる。ADBは、ADBと日本政府間で結ばれた契約に基づき、JSF
資金を承認した案件に払い込むまでの間、
投資運用することがで
きる。これらの投資から発生する収益をADB が得た場合、この
収益は、
JSFの管理で発生した特定可能な直接経費の支払にの
み充てることができる。
1999年 3月、理事会は、アジア通貨危機の影響を受けた加盟
諸国(CAMCs)の支援を目的とした新しいファシリティー「アジ
ア通貨危機支援ファシリティー(ACCSF)」の受け入れ・管理を
承認した。ACCSF は、無償利払い援助(IPA)、無償技術援
助、保証を通じて CAMCs の経済復興を支援することを目的に、
日本から拠出金を得てJSF の独立したファシリティーとして設置さ
れたものである。 ACCSF 基金はファシリティーが設置されてから
3年以内に約定されなければならない。それ以後、残った基金の
使用については、ACCSFの趣旨に沿っていると考えられる場合、
ADBと日本が協議の上決定する。
注 B:重要な会計方針の概要
財務諸表の提出
JSF の財務諸表は、無制限及び一時的に制限された純資産の
ベースで提出される。ACCSFは、別途財務諸表で報告を行う。
拠出された現金その他の資産の使途を供与国が規定している
場合、JSF は制限がある支援として報告する。供与国が定めた
制限が解除された場合、すなわち、規定された時間が経過した
り目的が達成されたりすると、一時的に制限された純資産は、無
制限の純資産に振り替えられ、
活動及び純資産増減報告書には
制限が解除された純資産として報告する。
投資
JSFが保有する投資証券は全て、実現・未実現損益を収入に算
入して、推定時価で報告する。通常、推定時価は市場価格を
表わす。市場で取引されていない一部短期投資商品(定期預
金など)の時価の概算値の算出には、コストまたは償却引きコス
トを用いる。
拠出
日本からの拠出金は、日本から連絡のある基金払込み日に財務
諸表に記入される。供与国が、拠出金の用途を特定の技術援
助(TA)プロジェクト/プログラム又は無償利払い援助(IPA)
に限定している場合、
その拠出金は一時的に制限がある拠出金
として分類される。用途について規定が一切ない拠出金は、無
制限拠出金とされ、そのように記帳される。
技術援助及び利払い援助
技術援助及び利払い援助は、関連プロジェクト/援助が承認さ
れ有効になった時点で、財務諸表に記入される。技術援助プロ
ジェクト完了時点の未実行額は、その期間の技術援助の減額分
として計上し直され、
それに準じて相当する未払コミットメントは消
去される。
機能通貨と報告通貨
JSFの場合、報告通貨は米ドルだが、機能通貨は日本円である。
財務諸表は、その時の千米ドルで表記される。
通貨換算
資産、負債及び未約定残高は、報告期間末日の為替レートで機
能通貨から報告通貨に換算する。その年の財務諸表に記入す
る拠出金には、各約定日現在の為替レートを適用する。日本円の
収支は、半月ごとに、期間開始時の為替レートで換算する。これ
により、
当該期間の平均為替レートに近い数値が適用されることに
なる。プロジェクト/プログラムの約定日と貸付実行日の換算の違
いで、通貨取引の為替差益/差損が生じる。為替差益/差損
は、業務の収入/支出として計上される。
出資
時価が簡単に決められる出資は時価で報告する。ADB は、簡
単に時価が判断できない出資については、マネジメントが四半期
に一度偶発損失を評価し、
それに基づいて偶発損失引当金を準
備する。
141
財務諸表
JSF − 4
続き
会計見積
再分類
一般に認められた会計原則に準じた財務諸表を作成するには、
マネジメントが、年末現在の資産/負債額、当該年の収支報告
額に関係する見積/推定値を出さなければならない。実際の結
果が見積と異なる場合もある。
1999年の金額の一部は、2000年の計上方法に合わせて分類し
直した。
キャッシュフロー報告書
2000 年及び 1999 年 12 月31日現在、投資ポートフォリオの通貨
構成は米ドル建てで次のとおりであった。
注 C:投資
JSF は、キャッシュフロー報告書については、現金及びそれに相
当するものは、「短期銀行預金」に限定する。
2000
通貨
ACCSF
1999
JSF 定期/
追加拠出金
合計
ACCSF
JSF 定期/
追加拠出金
合計
日本円
米ドル
$230,897,000
−
$
−
292,748,000
$ 230,897,000
292,748,000
$116,852,000
−
$
−
294,906,000
$116,852,000
294,906,000
合計
$230,897,000
$292,748,000
$ 523,645,000
$116,852,000
$294,906,000
$411,758,000
各月初/月末に保有されていた投資対象を基本とした 2000
年中の ACCSF 及び JSF 基金の平均投資収益率は、年率各
1.18%と6.42%(0.07%と5.22%− 1999 年)であった。
投資は、理事会が承認した投資要項に従って行われている。
投資管理の主目的は、安全確保と流動性の維持にある。ADB
は、こうした目的を考慮し、JSF における投資で可能な限り最大
限の収益を上げることを目指している。
1999 年、理事会は、新しい投資要項を承認した。 新しい投
資要項では、優良な社債、抵当証券、資産担保証券といった、
より高利回りの投資が可能となっている。
注 D:出資
ADB は、JSF の資金を 1990 年にインドで出資し、2000 年 12 月
31日にはその額が合計 338,000ドルになった(1999 年−709,000
ドル)。出資は、推定時価で報告されている。2000 年は、収益
に対して 330,000ドルの未実現損失(1999 年は 506,000ドルの
利益)が計上されている。
注 E:その他の資産・負債
その他の資産・負債には、JSFとACCSF の間の振り替えが含ま
れている。2000 年 12 月31日現在、584,000ドル(485,000ドル−
1999年)がACCSFからの未収金となっていた。この金額は、JSF
では他の資産、ACCSF では他の負債に計上されている。
注 F:未払約定
未払約定は、米ドル建てであり、TAプロジェクト/プログラムに対
する技術援助や無償利払い援助で、
有効にはなったが未だ実行
されていないものを言う。2000 年は、完了又は中止されたTAプ
ロジェクト分 11,751,000ドル(1999 年は 4,779,000ドル)が当期
の技術援助減少分として計上し直され、それに応じて相当する
未払約定が減算された。JSF では、支払は、プロジェクト/プロ
グラムの全コミットメント額に対して行われると想定しているため、
未実行残高を未払コミットメントの時価とみなす。
142
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−日本特別基金
財務諸表の注
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
注 G:未約定残高
未約定残高は、2000 年 12 月31日時点で ADB が約定していな
い金額である。内訳は、承認されたが未だ実施に至っていない
TA プロジェクト/プログラムである。
2000 年及び 1999 年 12 月31日現在の未約定残高は次のとお
りである。
2000
未約定残高
1999
ACCSF
JSF 定期/
追加拠出金
合計
ACCSF
JSF 定期/
追加拠出金
合計
$136,637,000
$100,745,000
$237,382,000
$ 26,129,000
$121,428,000
$147,557,000
日本政府及び ADB に承認されたが
実施されていない TA プロジェクト
/プログラム
(1,875,000)
(38,725,000)
(40,600,000)
(3,850,000)
(32,859,000)
(36,709,000)
日本政府に承認されたが実施されて
いない TA プロジェクト
/プログラム
(8,865,000)
(10,918,000)
(19,783,000)
(3,000,000)
(18,630,000)
(21,630,000)
新規約定に使える未約定残高
$125,897,000
$ 51,102,000
注 H:拠出金及び一時的に使途が制限されている
純資産
1999 年及び 2000 年 12 月31日の拠出金は、それぞれの年に全
て入金された。入金された拠出金の一部は、使途を特定の TA
プロジェクト/プログラム及び無償 IPAに制限されており、かかる
拠出金は一時的使途制限支援に分類した。
2000 年及び 1999 年 12 月31日現在において、一時的に使
途が制限された拠出金の未約定残高を使用できる目的は次のと
おりであった。
2000
アジア通貨危機支援
ファシリティー
日本特別基金
環境関連活動
金融セクター
民間セクター振興
ジェンダーと開発
研修/シンポジウム
合計
$
$
136,637,000
1999
$
26,129,000
29,113,000
10,997,000
9,676,000
7,096,000
394,000
27,710,000
10,843,000
9,032,000
6,777,000
348,000
57,276,000
54,710,000
193,913,000
$
80,839,000
$176,999,000
$ 19,279,000
$ 69,939,000
$ 89,218,000
管理費累積額差引後の投資収益累積額については、「基金
の管理費支払にのみ使用できる」とADBと供与国で結んだ契約
条件で規定されているため、
一時的に使途が制限された純資産
に分類されている。
制限が解除された純資産は、
供与国が指定する条件を満たす
技術援助や利息補給の約定、
及び投資収益累積額の場合は当
該基金の管理費支払に充てられる。
注 I:保証
CAMC 諸国の経済復興を支援するため、ACCSFに基づき保証
ファシリティーが提供されている。日本政府は、保証ファシリティー
の要請があれば、随時 ADB が現金化することができ、譲渡不
可で無利息の、3,600 億円(32 億ドル)の手形を預託している。
2000 年 12 月31日現在、保証は行なわれていない。
注 J:金融商品の時価
金融商品の時価は、
強制的な売買や清算による売買以外の状況
で、
当事者間で行われる通常取引で売買される金額と定義する。
短期の金融商品の時価は、帳簿価額と同額とみなす。
市場価格が分かる場合には、その価格から時価を算出する。
市場価格が容易に分からない金融商品の価額は、必然的に主
財務諸表
143
JSF − 4
観的判断が必要になる方法論や仮定を用いて算出する。した
がって、これらの金融商品の価額が現在の取引で売買される実
際の価格であるか否か、
又は実際に売買可能か否かについては
判断できない。
当基金の財務状況報告書に記載されている全ての重要な金
融商品の価額はほぼ時価に近いものと考えられる。投資、出資、
未払コミットメントについては、それぞれ注 B、C、D、Eを参照
のこと。
144
2000 年 年次報告
外部監査人報告書
アジア開発銀行
我々は、添付の財務状況報告書並びに関連する活動及び純資産増減、キャッシュフローに関する諸表
は、2000 年及び 1999 年 12月31日現在のアジア開発銀行・アジア開発銀行研究所特別基金の財務状
況並びに該当年の活動並びに純資産の増減、キャッシュフローの結果を、全ての重要な点において、公
正に、米ドル建てで表わしたものであり、米国で一般に認められている会計原則に則っているものと考え
る。これら財務諸表についてはアジア開発銀行のマネジメントが責任を持つものであり、我々の責任は、
これら財務諸表に関して、監査に基づき、意見を述べることにある。 我々は、財務諸表に重要な不実
記載がないという合理的確信を得るために監査を計画・実施することを定めた米国で一般に認められて
いる監査基準に従い、これら諸表の監査を実施した。 監査では、財務諸表に記載された金額や開示
事項を裏付ける証拠を試験的に検証した。更に、監査では、マネジメントが採用した会計原則と算定し
た重要な見積りの検討、及び財務諸表の記載全体の評価も行った。我々は我々が実施した監査が上
記意見の合理的根拠になるものと考える。
2001 年 3 月7 日
マサチューセッツ州ボストン
(訳注) 本外部監査人報告書の原典は英文であり、日本語訳との間で解釈に疑義が生じた場合は、
すべて原典が優先される。
145
財務諸表
ADBISF − 1
アジア開発銀行−アジア開発銀行研究所特別基金
財務状況報告書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
単位:千米ドル(注 B)
2000
1999
資産
現金・短期銀行預金(注 B)
$
940
$
595
投資(注 B、C 及び D)
定期預金及び政府発行有価証券
不動産、家具、設備(注 B)
差引き:減価償却引当金
4,041
$
4,752
$
2,787
1,965
その他資産
合計
10,665
5,291
2,194
3,097
1,869
$
8,815
2,074
$
16,431
負債及び未約定残高
通常資本財源への支払勘定
$
支払勘定その他負債
115
$
252
1,086
1,064
7,614
15,115
未約定残高(ADBISF − 2)
未約定残高
使途無制限純資金
合計
財務諸表(ADBISF-4)の注を参照。
$
8,815
$
16,431
146
2000 年 年次報告
ADBISF − 2
アジア開発銀行−アジア開発銀行研究所特別基金
活動及び純資産増減報告書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
単位:千米ドル(注 B)
2000
1999
使途無制限純資産の増減
拠出金(注 B)
$
8,278
$
6,654
収入
投資収益(注 B 及び C)
他の財源からの収入−純額
12
4
13
4
合計
8,294
6,671
支出
管理費
10,306
9,718
4,379
2,059
合計
14,685
11,777
拠出金・収入と支出の差額
(6,391)
(5,106)
プログラム支出
為替差益(差損)−純額
(57)
73
(1,053)
2,150
換算調整後
(7,501)
(2,883)
年初現在の純資産
15,115
17,998
換算調整(注 B)
使途無制限純資産の減少
年末現在の純資産
財務諸表(ADBISF − 4)の注を参照。
$
7,614
$
15,115
147
財務諸表
ADBISF − 3
アジア開発銀行−アジア開発銀行研究所特別基金
キャッシュフロー報告書
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日終了年度
単位:千米ドル(注 B)
2000
業務活動のキャッシュフロー
拠出金入金
$
投資利息入金
支払経費
業務活動において使用された現金純額
投資活動のキャッシュフロー
定期預金引出現金純額
投資証券の売却
投資証券の購入
投資活動において受領された現金純額
1999
8,278
$
6,654
10
(13,964)
9
(9,981)
(5,676)
(3,318)
4,661
2,815
25,678
(24,908)
49,741
(49,012)
5,431
3,544
為替変動
590
(345)
銀行預金純増加(減少)
345
(119)
年初銀行預金
595
714
年末銀行預金
業務活動において使用された現金純額に対する純資産減少の調整:
純資産の減少(ADBISF‐2)
$
$
業務活動において使用された現金純額と純資産減少額を調整するための修正:
換算調整
940
(7,501)
$
$
1,053
595
(2,883)
(2,150)
割引/プレミアムの償却
減価償却
(3)
864
(3)
813
その他−純額
(89)
905
業務活動において使用された現金純額
財務諸表(ADBISF − 4)の注を参照。
$
(5,676)
$
(3,318)
148
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−アジア開発銀行研究所特別基金
財務諸表の注
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
注 A:業務の性質
1996 年、アジア開発銀行(ADB)は、ADBの付属組織として、
東京(日本)にアジア開発銀行研究所(研究所)を設立するこ
とを承認した。研究所の業務は、1997 年 3 月24日に日本からの
第一次拠出金により開始されたが、設立は同年 12 月 10 日であ
る。研究所の資金の内訳は、自主的拠出金、寄付、ADB 加盟
諸国や非政府組織、財団法人からの無償供与である。研究所
の目的は、定款に明記されているとおり、開発途上加盟国
(DMCs)において健全な開発管理が行われるための、効果的
な開発戦略の探究及び開発事業に従事する機関や団体の業務
能力の向上を支援することである。
通貨の換算
資産、負債及び未約定残高は、報告期間末日現在の為替レー
トで機能通貨から報告通貨に換算する。その期間の財務諸表に
記入する拠出金の換算には、各約定日現在の為替レートを適用
する。米ドル以外の通貨の収支は、半月ごとに、期間開始時の
為替レートで換算する。これにより、当該期間の平均為替レートに
近い数値が適用されることになる。
会計見積
注 B:重要な会計方針の概要
一般に認められた会計原則に準じた財務諸表を作成するには、
マネジメントが、年末現在の資産/負債額、当該年の収支報告
額に関係する見積/推定値を出さなければならない。実際の結
果が見積と異なる場合もある。
財務諸表の提出
キャッシュフロー報告書
研究所の財務諸表は、非営利組織の財務諸表の形式により作
成されている。
供与国からの拠出金その他の資産には、
同研究所の目的を追
求するという以外の使途制限が付帯していないので、研究所は
これらの資産を制限無しの支援として報告する。
研究所は、キャッシュフロー報告書については、現金及びそれに
相当するものは、「短期銀行預金」に限定する。
投資
研究所が保有する投資証券は、全て、実現・未実現損益を収
入に算入して、推定時価で報告する。通常、推定時価は市場
価格を表わす。 市場で取引されていない一部短期投資商品
(定期預金など)の時価の概算値の算出には、コストまたは償却
引きコストを用いる。
不動産、家具、設備
不動産、家具、設備は、原価で記載し、定額方式で耐用年数
に応じて減価償却する。
拠出金
供与国からの拠出金は約定日から財務諸表に記入する。
機能通貨及び報告通貨
拠出国の通貨は機能通貨である。報告通貨は米ドルで、財務諸
表は、その時点の千米ドルで表記される。
注 C:投資
投資対象は、全て日本円建てである。 1999 年及び 2000 年 12
月31日現在、投資の推定時価は、償却費とほぼ等しい。これら
の投資は全て 1 年以内に満期を迎える。
各月初/月末に保有されていた投資対象を基本とした2000年中
の平均投資収益率は、年率 0.12%(0.10%−1999 年)であった。
投資は、理事会が承認した投資要項に従って行われている。
投資管理の主目的は、安全確保と流動性の維持にある。ADB
は、こうした目的を考慮し、可能な限り最大限の収益を上げるこ
とを目指している。
1999 年、理事会は、新しい投資要項を承認した。 新しい投
資要項では、優良な社債、抵当証券、資産担保証券といった、
より高利回りの投資が可能となっている。
注 D:金融商品の時価
金融商品の時価は、強制的な売買や清算による売買以外の状
況で、当事者間で行われる取引で売買される金額と定義する。
短期の金融商品の時価は、帳簿価額と同額とみなす。
全ての重要な金融商品について、研究所の財務状況報告書
に記載されている金額は時価に近いと考える。
財務諸表
149
ADBISF − 4
続き
注 E:職員退職金制度及び退職後医療給付制度
職員退職金制度
アジア開発銀行研究所は、ADBの拠出型確定給付職員退職金
制度に加入している。専門職員は全員、勤務条件として、制度
の規定に従い、勤務初日から制度に加入する。ただし、勤務初
日に職員が 60 歳の通常定年に達していないことを条件とする。
退職金は、勤続年数と、勤務期間における2 年間の最高平均
報酬を基に算出される。 制度の資産は分離し、財務状況報告
書には記載しない。制度の管理費は ADB が負担するが、投資
担当マネージャに対する支払い及び保管料などの関連費用は制
度の負担とする。
制度加入者は給与の9.333%を制度に払込む。自発的に拠出
をしてもよい。 研究所の拠出額は、制度の費用のうち、加入者
が支払う分担金ではカバーできない部分を充分に補填できる率に
設定される。
退職後医療給付制度
研究所は、ADB の退職者医療保険料分担制度に加入してい
る。この制度では、研究所は、退職者及びこの制度に参加を決
めた有資格扶養家族の団体医療保険制度保険料の75%を支払
う義務を負う。現在、この費用分担制度には、資金が付いてい
ない。
一般に認められた会計原則では、退職後の医療給付の定期
費用を数理的に判断し、評価しなければならない。
150
2000 年 年次報告
アジア開発銀行−アジア開発銀行研究所特別基金
財務諸表の注
2000 年/ 1999 年 12 月 31 日
次の表は、2000 年及び 1999 年 12 月 31 日現在の年金及び退職後の給付を表わしたものである。
年金給付
給付義務額の変動:
年初現在の給付義務額
退職後医療給付
2000
1999
2000
1999
$ 560,000
$ 264,000
$ 179,000
$ 110,000
業務コスト
金利コスト
254,000
70,000
298,000
42,000
92,000
21,000
117,000
15,000
制度加入者の拠出金
修正
142,000
−
59,000
−
−
(17,000)
(276,000)
(103,000)
(23,000)
保険数理上の損益
−
−
(63,000)
年末現在の給付義務額
$ 750,000
$ 560,000
$ 252,000
$ 179,000
制度資産額の変動:
年初現在の制度資産時価
$ 330,000
$ 140,000
$
$
−
−
制度資産の実現収益
雇用者拠出金
(22,000)
201,000
37,000
94,000
−
−
−
−
制度加入者の拠出金
142,000
59,000
−
−
$ 651,000
$ 330,000
$
$
(99,000)
$ (230,000)
$ (252,000)
$ (179,000)
(334,000)
−
(119,000)
−
(79,000)
(17,000)
(63,000)
−
$ (433,000)
$ (349,000)
$ (348,000)
$ (242,000)
$ (433,000)
$ (349,000)
$ (348,000)
$ (242,000)
$ (433,000)
$ (349,000)
$ (348,000)
$ (242,000)
年末現在の制度資産時価
財務状況
未計上の保険数理上の数値(利益)
未計上の事前業務コスト
計上された純額
財務状況報告書で計上されている金額の内訳:
給付義務額
計上された純額
−
$
−
2000 年 12 月 31 日現在の加重平均想定値
割引率
制度資産の収益予想値
7.50%
8.00%
7.75%
8.00%
7.50%
n/a
7.75%
n/a
年齢及び平均年齢で変化する補填増加率
6.50%
6.75%
6.50%
6.75%
151
財務諸表
ADBISF − 4
2000 年 12 月31日現在の評価に際しては、計算上、対象とな
る医療給付の一人当たりのコストが年間9.75%ずつ増加すると仮
定した。この率は、徐々に減り、2009 年には4.75%になり、以後
横ばいとなると推定した。
2000 年 12 月31日現在、年金制度は給付累積額が資産を超
過しており、給付額、給付累積額、制度資産時価の見積り額は、
1999 年 12 月 31 日現在それぞれ 560,000ドル、430,000ドル、
330,000ドルであった。
年金給付
当期費用の内訳:
年間業務コスト
2000
1999
$ 254,000
$ 298,000
金利コスト
制度資産の予想収益
70,000
(33,000)
計上済みの保険数理上の損失
(6,000)
当期純費用
$ 285,000
医療費の推定変動率は、医療制度の報告額に重要な影響を与
える。医療費の推定変動率が1%変わると次のような影響が出る。
1%増
業務及び
金利費用への影響
退職後給付義務額への影響
退職後医療給付
1%減
$ 21,000
$ (18,000)
45,000
(36,000)
2000
42,000
(21,000)
−
$ 319,000
$
1999
92,000
$ 117,000
21,000
−
15,000
−
(7,000)
$ 106,000
−
$ 132,000
152
2000 年 年次報告
統計付録
記録
153
ADB 業務データ
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
11.
12.
13.
14.
15.
16.
17.
18.
19.
20.
21.
22.
23.
24.
25.
26.
27.
28.
29.
30.
2000 年中の公共・民間セクター貸付の承認(国別)
セクター別貸付承認:1968 ∼ 1970 年から 1998 ∼ 2000 年までの 3 年間移動平均
2000 年中の貸付の承認(セクター別)
1968 ∼ 2000 年の開発途上加盟国間の貸付配分
2000 年中の貸付のセクター別配分
2000 年中の貸付の承認(国別、基金別)
2000 年中の協調融資プロジェクト
2000 年中の民間セクター貸付の承認及びプロジェクト総費用(国別)
2000 年中の民間セクター貸付の承認及びプロジェクト総費用(セクター別)
1987 ∼ 2000 年の民間セクター貸付及び出資の承認(年別)
1983 ∼ 2000 年の民間セクター貸付の承認累計(国別)
1999・2000 年の貸付実行
2000 年中のプログラムローンの貸付実行
承認済み実行中の貸付及びプロジェクト、発出したプロジェクト完了報告(PCR)の件数 、完了した
プロジェクト、中止した貸付、発出したプロジェクト/プログラム実績監査報告(PPAR)の件数
承認済み貸付、調達契約及び貸付実行の金額
調達契約の原産国別比率 プロジェクトローンとプログラムローンの合計 ― 通常資本財源
調達契約の原産国別比率 プロジェクトローンとプログラムローンの合計 ― アジア開発基金
2000 年中の原産国別調達契約 プロジェクトローン ― 通常資本財源
2000 年中の原産国別調達契約 プロジェクトローン ― アジア開発基金
2000 年中の原産国別調達契約 プロジェクトローン ― 通常資本財源とアジア開発基金の合計
2000 年中のプログラム貸付による海外調達に係る供給国への推定支払額
原産国別調達契約の累計 ― 技術援助
1998 ∼ 2000 年の原産国別調達契約 ― 技術援助
1967 ∼ 2000 年、1999 年、2000 年の国及び地域別無償技術援助
2000 年中の無償技術援助
1967 ∼ 2000 年、1999 年、2000 年のセクター別無償技術援助
2000 年中のセクター別技術援助貸付及び無償供与
2000 年中の地域技術援助
1998 ∼ 2000 年の資金の純移転(通常資本財源及びアジア開発基金)
1991 ∼ 2000 年の資金の純移転(通常資本財源とアジア開発基金の合計)
財源
31.
32.
33.
34.
35.
154
157
158
160
162
162
163
165
165
166
166
167
167
168
170
172
173
174
175
176
177
178
179
180
182
189
189
190
192
193
194
アジア開発基金の資金と約定枠
技術援助特別基金
日本特別基金 ― 定期及び追加拠出金
日本特別基金 ― アジア通貨危機支援基金
貧困削減日本基金による支援(2000 年)
経済データ
36.
37.
38.
39.
40.
41.
42.
154
実質 GDP 成長率(1990 ∼ 2000 年)及び一人当たり GNP(1999 年)
国内総貯蓄、総資本形成及び資金ギャップの GDP 比率(1998 ∼ 2000 年)
消費者物価の変動(1998 ∼ 2000 年)
商品貿易(1998 ∼ 2000 年)
外貨準備高及び準備高の対輸入比(1998 ∼ 2000 年)
資金のネット・フロー(1997 ∼ 1999 年)
対外債務残高及び債務返済比率(1997 ∼ 1999 年)
社会指標
43. 貧困及び不平等に関する指標
44. 環境に関する指標
45. 人的開発に関する指標
194
195
196
196
196
197
197
198
199
200
201
202
203
204
204
205
206
統計付録
153
記録
(単位:百万ドル)
1966 ∼ 2000 年
a
1997 年
1998 年
1999 年
2000 年
88,039b
1,624
63,686
932
41,766
24,353
871
16,528
86,715
1,551
62,377
860
40,868
24,338
866
16,513
1,324
72
1,309
72
898
14
5
14
618
108
40
6
1,899
4,502
34,991
557
9,344
74
7,794
42
5,304
1,550
48
1,154
9,299
72
7,749
40
5,238
1,550
48
1,154
45
2
45
2
66
−
−
−
60
7
−
−
153
293
1,291
33
5,982
57
4,995
39
5,623
987
27
1,144
5,846
51
4,859
32
5,539
987
27
1,144
136
6
136
7
84
−
−
−
42
5
−
−
148
244
2,939
24
4,979
52
3,908
34
3,710
1,070
32
1,114
4,832
48
3,762
30
3,647
1,070
32
1,114
146
4
146
4
63
−
−
−
7
1
−
−
173
314
2,860
27
5,850
74
4,258
41
2,884
1,592
49
1,135
5,694
70
4,102
37
2,823
1,592
49
1,135
156
4
156
4
61
−
−
−
78
7
−
−
172
306
2,966
41
45,485
45,271
41,801
25,340
7,166
182
25,390
8,680
47,102
46,411
5,588
17,542
5,867
179
1,450
468
49,154
48,456
9,617
23,780
6,211
182
1,832
474
47,945
47,597
5,186
26,269
6,689
182
2,028
450
45,485
45,271
1,693
25,340
7,166
182
2,301
626
20,993
18,219
20,535
22,087
20,993
899
637
722
809
899
854
241
658
−
734
−
799
104
854
241
43
12
28
35
43
業務活動
貸付合計(金額)
プロジェクト件数 c
OCR 貸付(金額)
貸付件数
実行額(金額)
ADF 貸付(金額)
貸付件数
実行額(金額)
A. 政府向け貸付及び政府の保証付き貸付(金額)
プロジェクト件数 c
OCR 貸付(金額)
貸付件数
実行額(金額)
ADF 貸付(金額)
貸付件数
実行額(金額)
B. 民間セクター貸付 b(金額)
プロジェクト件数 c
OCR 貸付(金額)
貸付件数
実行額(金額)
ADF 貸付(金額)
貸付件数
実行額(金額)
出資 b(金額)
出資件数
株式引受け b(金額)
約定件数
技術援助 d(金額)
プロジェクト件数
協調融資 e(金額)
プロジェクト件数
財源
通常資本財源(OCR)
授権資本(期末)
応募済資本(期末)
借入(合計)
負債残高(期末)
通常準備金(期末)
特別準備金(期末)
総収入
手数料/保証手数料を特別準備金に充当した後の純利益
特別基金財源
アジア開発基金
財源合計(期末)
技術援助特別基金
財源合計(期末)f
日本特別基金
定期拠出金及び追加拠出金(期末)f
アジア通貨危機支援資金 f
ADB 研究所特別基金 g
財源合計(期末)
a:
b:
c:
d:
e:
f:
g:
小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
金額と件数は、終了した貸付を除外するように調整。
複数の貸付を受けているプロジェクトは 1 件として数えている。追加貸付はプロジェクトの累積件数には含まれていない。
ADB その他の財源が資金を供与している無償技術援助で構成。域内技術援助プロジェクトが含まれる。
協調融資の取極の変化を反映するように調整。
他の財源及びアジア開発基金への振替を含むように数字を修正。
数字は拠出金を表す。
154
2000 年 年次報告
ADB 業務データ
表1
2000 年中の公共・民間セクター貸付の承認(国別)
(単位:百万ドル)
OCR
バングラデシュ
チッタゴン丘陵地帯農村開発
北東部の農作物の多様化
道路保守整備・改善
b
メグナガート(Meghnaghat)電力
南西部の水害復興
小計
ブータン
医療改革プログラム
道路改善
小計
カンボジア
農村の信用供与・貯蓄
Stung Chinit の灌漑及び農村の基盤整備
地方の電力供給
緊急水害復興
小計
中国
Hefei-Xi’an 鉄道
Chongqing-Guizhou 道路開発
(Leichong 幹線道路)
Chongqing-Guizhou 道路開発
(Chongzun 幹線道路)
天津排水処理・水資源保護
河南省西部農業開発
風力発電開発
小計
インド
スラト−メナー(Manor)有料道路
第 2 次住宅融資
- 住宅・都市開発公社
- 国立住宅銀行
- 住宅開発融資公社
- インド産業信用・投資会社
送電改善(セクター)
グジャラート電力セクター開発プログラム
- プログラム・ローン
- プロジェクト・ローン
カルカッタ環境改善
小計
インドネシア
工業競争力・中小企業開発プログラム
農村開発のためのコミュニティ・エンパワーメント
海洋・沿岸資源管理
技術・専門技能育成セクター
道路修復(セクター)
保健/医療サービスの分権化
小計
ADF
合計
プロジェクト
a
総費用
承認日
−
−
22.00
50.00
−
30.00
46.30
72.00
−
54.80
30.00
46.30
94.00
50.00
54.80
60.30
66.20
160.20
300.00
71.90
10 月 26 日
11 月 21 日
11 月 29 日
12 月 5 日
12 月 21 日
72.00
203.10
275.10
658.60
−
−
10.00
9.60
10.00
9.60
10.00
12.80
−
19.60
19.60
22.80
−
−
−
−
20.00
16.00
18.60
55.00
20.00
16.00
18.60
55.00
26.56
23.80
24.20
70.50
−
109.60
109.60
145.06
300.00
−
300.00
2,835.00
120.00
−
120.00
345.00
11 月 21 日
200.00
130.00
64.30
58.00
−
−
−
−
200.00
130.00
64.30
58.00
834.00
340.70
151.30
98.00
11 月 21 日
12 月 11 日
12 月 19 日
12 月 20 日
872.30
−
872.30
4,604.00
180.00
−
180.00
280.00
100.00
40.00
80.00
80.00
250.00
−
−
−
−
−
100.00
40.00
80.00
80.00
250.00
121.00
50.00
246.00
100.00
491.50
150.00
200.00
250.00
−
−
−
150.00
200.00
250.00
150.00
310.20
360.00
1,330.00
−
1,330.00
2,108.70
200.00
65.00
−
180.00
190.00
−
−
50.00
50.00
−
−
65.00
200.00
115.00
50.00
180.00
190.00
65.00
200.00
170.20
70.20
250.00
250.00
87.00
635.00
165.00
800.00
1,027.40
9 月 21 日
10 月 3 日
4 月 27 日
9月5日
12 月 5 日
12 月 21 日
8 月 17 日 7 月 27 日
9 月 21 日
10 月 6 日
12 月 13 日
12 月 19 日
3 月 16 日
10 月 19 日
10 月 26 日
11 月 29 日
12 月 11 日
12 月 14 日
a: プロジェクト総費用には、ADB、政府、借入者、受益者、転借者による融資、公的機関、輸出信用機関、民間機関からの協調融資、株主の出資及びプ
ロジェクトに参加した地元の民間企業と金融機関からの融資が含まれる。
b: 政府保証の付されていない民間セクター貸付。
統計付録
155
表 1 続き
OCR
カザフスタン
農地再編セクター開発プログラム
- プログラムローン
- プロジェクト・ローン
ADF
合計
プロジェクト
a
総費用
11 月 14 日
25.00
20.00
−
−
25.00
20.00
25.00
30.77
45.00
−
45.00
55.77
−
−
36.00
25.00
36.00
25.00
45.00
31.30
−
61.00
61.00
76.30
−
−
−
20.00
15.50
25.00
20.00
15.50
25.00
25.00
24.20
37.50
小計
マーシャル諸島
技能訓練・職業教育
−
60.50
60.50
86.70
−
6.82
6.82
9.10
小計
ミクロネシア連邦
基本的社会サービス
−
6.82
6.82
9.10
−
8.02
8.02
11.71
−
8.02
8.02
11.71
−
−
9.90
15.00
9.90
15.00
12.70
15.00
−
−
7.00
10.00
7.00
10.00
7.00
13.08
−
41.90
41.90
47.78
−
−
−
−
35.00
11.00
7.30
120.00
35.00
11.00
7.30
120.00
53.90
14.04
13.30
464.00
−
173.30
173.30
545.24
−
150.00
52.00
−
52.00
150.00
99.00
302.00
−
−
300.00
−
70.00
80.00
50.00
5.00
70.00
80.00
350.00
5.00
70.00
217.20
350.00
6.00
450.00
257.00
707.00
1,044.20
20.60
−
−
−
9.60
15.34
20.60
9.60
15.34
30.12
20.51
23.30
20.60
24.94
45.54
73.93
小計
キルギス
コミュニティを基盤とするインフラ・
サービス・セクター
技能育成・起業振興
小計
ラオス
一次医療拡充
灌漑開発及び管理セクターの分権化
農村の連絡道路
小計
モンゴル
地籍調査・土地登記
第 2 次金融セクター改革プログラム
農業セクター開発プログラム
- プログラムローン
- プロジェクト・ローン
小計
ネパール
小都市上下水道セクター
農作物の多様化
企業/金融ガバナンス(統治)
メラムチ水道設備
小計
パキスタン
北西辺境地方バラニ地域開発(第 2 段階)
中小企業事業拡充融資
マイクロファイナンス(小口貸付)セクター
開発プログラム
- プログラムローン
- プロジェクト・ローン
エネルギー・セクター再編プログラム
- エネルギー・セクターの能力強化
小計
パプア・ニューギニア
海洋航行標識システムの修復
マイクロファイナンス(小口貸付)
・雇用
地方都市の上下水道整備
小計
承認日
6月8日
11 月 28 日
8 月 24 日
11 月 28 日
12 月 7 日
11 月 29 日
12 月 20 日
1 月 27 日
6 月 22 日
12 月 21 日
9 月 12 日
11 月 9 日
12 月 14 日
12 月 21 日
11 月 28 日
12 月 7 日
12 月 13 日
12 月 14 日
9 月 12 日
10 月 19 日
12 月 14 日
a: プロジェクト総費用には、ADB、政府、借入者、受益者、転借者による融資、公的機関、輸出信用機関、民間機関からの協調融資、株主の出資及びプ
ロジェクトに参加した地元の民間企業と金融機関からの融資が含まれる。
156
2000 年 年次報告
表 1 続き
OCR
フィリピン
穀物セクター開発プログラム
- プログラム・ローン
- プロジェクト・ローン
パシグ川環境管理/再生セクター開発プログラム
- プログラム・ローン
- プロジェクト・ローン
技術教育・技能育成
- 技術教育・技能育成向け資金提供
ルソン島北部幹線道路の復旧・拡大 b
農村の生産性拡大セクターの基盤整備
小計
サモア
教育セクター
零細企業育成
小計
ソロモン諸島
紛争後の緊急復興
小計
スリランカ
森林資源管理セクター
中等教育の近代化
水資源管理
保護地区管理と野生生物保護
民間セクター開発プログラム(サブプログラムⅠ)
ケラニティッサ(Kelanitissa)電力 b
小計
タジキスタン
電力復旧
道路修復
小計
ウズベキスタン
上級中等教育
鉄道の近代化
中小企業育成
小計
ベトナム
トゥドゥク(Thu Duc)水処理施設の BOT
b
(ビルド・オペレート・トランスファー) 農村の健康
茶・果物の振興
農村の企業融資
小計
域内
アルマティ‐ビシュケク域内道路修復
- カザフスタン分
- キルギス分
小計
合計
ADF
合計
プロジェクト
a
総費用
承認日
4 月 24 日
100.00
75.00
−
−
100.00
75.00
100.00
136.20
100.00
75.00
25.00
20.00
45.00
75.00
−
−
−
−
−
−
100.00
75.00
25.00
20.00
45.00
75.00
100.00
150.00
70.00
20.00
377.50
150.00
515.00
−
515.00
1,103.70
−
−
7.00
3.50
7.00
3.50
10.06
4.86
−
10.50
10.50
14.92
−
10.00
10.00
10.00
−
10.00
10.00
10.00
−
−
−
−
15.00
26.00
27.00
50.00
19.70
12.00
85.00
−
27.00
50.00
19.70
12.00
100.00
26.00
40.00
76.00
28.20
34.72
100.00
104.00
41.00
193.70
234.70
382.92
−
−
34.00
20.00
34.00
20.00
62.80
26.80
−
54.00
54.00
89.60
57.00
70.00
50.00
−
−
−
57.00
70.00
50.00
132.20
155.00
100.00
177.00
−
177.00
387.20
35.00
−
−
−
−
68.30
40.20
80.00
35.00
68.30
40.20
80.00
140.00
98.70
57.60
145.51
35.00
188.50
223.50
441.81
65.00
−
−
5.00
65.00
5.00
112.40
6.70
65.00
5.00
70.00
119.10
4,257.90
1,592.48
5,850.38
13,066.54
7 月 20 日
8 月 24 日
10 月 26 日
10 月 31 日
9月5日
11 月 21 日
12 月 21 日
6 月 28 日
9 月 12 日
9 月 19 日
10 月 19 日
12 月 12 日
12 月 19 日
12 月 20 日
12 月 20 日
2月8日
10 月 31 日
12 月 11 日
11 月 9 日
11 月 9 日
11 月 14 日
12 月 12 日
10 月 31 日
a: プロジェクト総費用には、ADB、政府、借入者、受益者、転借者による融資、公的機関、輸出信用機関、民間機関からの協調融資、株主の出資及びプ
ロジェクトに参加した地元の民間企業と金融機関からの融資が含まれる。
b: 政府保証の付されていない民間セクター貸付。
統計付録
157
表2
セクター別貸付承認:1968 ∼ 1970 年から 1998 ∼ 2000 年までの 3 年間移動平均
貸付額合計
(単位:
a
百万ドル)
農業 ・
天然資源
エネルギー
金融
工業・
非燃料鉱業
社会
基盤整備
運輸・通信
マルチ
セクター
/その他
(貸付額合計に占める割合(%))
平均期間
1968 ∼ 1970
128.44
19.48
11.98
23.36
15.06
6.10
24.03
0.00
1969 ∼ 1971
1970 ∼ 1972
199.25
271.92
20.48
15.69
25.38
33.06
19.57
13.97
8.69
5.04
4.20
10.75
21.68
21.48
0.00
0.00
1971 ∼ 1973
1972 ∼ 1974
330.53
428.42
15.78
18.76
32.18
26.71
15.49
15.06
0.42
4.02
12.25
14.12
23.88
21.32
0.00
0.00
1973 ∼ 1975
543.16
27.87
23.03
16.73
4.25
10.44
17.68
0.00
1974 ∼ 1976
661.30
29.27
21.35
17.44
5.48
9.85
16.61
0.00
1975 ∼ 1977
1976 ∼ 1978
774.22
940.36
30.51
27.42
22.02
21.53
15.46
14.37
4.19
7.25
10.85
13.45
16.97
15.98
0.00
0.00
1977 ∼ 1979
1978 ∼ 1980
1,098.92
1,282.01
29.86
30.95
24.03
24.88
11.81
10.96
5.62
3.93
16.55
16.84
12.10
12.39
0.04
0.06
1979 ∼ 1981
1,454.96
32.56
27.21
10.72
0.90
19.11
9.41
0.09
1980 ∼ 1982
1,598.97
34.00
27.71
10.00
0.74
15.97
11.53
0.06
1981 ∼ 1983
1982 ∼ 1984
1,751.46
1,937.03
33.68
34.18
26.60
28.98
10.61
7.01
2.36
1.91
18.26
14.36
7.52
12.12
0.96
1.43
1983 ∼ 1985
1984 ∼ 1986
1,978.52
2,013.77
32.42
35.46
24.63
25.26
6.50
4.65
1.87
0.34
20.30
17.48
12.75
14.40
1.53
2.40
1985 ∼ 1987
2,081.84
30.63
17.47
11.24
3.06
15.24
20.54
1.81
1986 ∼ 1988
2,512.17
26.90
18.76
12.84
7.46
11.32
21.27
1.45
1987 ∼ 1989
1988 ∼ 1990
3,053.71
3,564.93
22.37
25.83
16.41
20.78
17.16
12.67
6.69
4.50
14.60
15.15
21.94
19.37
0.82
1.71
1989 ∼ 1991
1990 ∼ 1992
4,115.48
4,561.39
25.30
21.63
26.04
28.15
10.83
9.53
3.58
3.79
14.86
12.95
17.93
20.82
1.45
3.13
1991 ∼ 1993
4,973.89
13.87
30.33
9.09
5.45
14.30
23.70
3.25
1992 ∼ 1994
4,616.65
10.98
27.80
7.63
4.44
14.16
29.49
5.49
1993 ∼ 1995
1994 ∼ 1996
4,791.51
4,829.86
12.07
14.11
30.62
26.77
6.59
7.62
3.36
2.58
17.56
17.13
26.67
25.40
3.13
6.39
1995 ∼ 1997
1996 ∼ 1998
6,718.20
6,883.75
12.71
10.09
18.15
11.15
29.16
33.86
1.30
1.29
18.37
15.25
16.31
18.47
4.00
9.88
1997 ∼ 1999
6,768.38
9.14
9.00
32.41
2.22
18.70
16.86
11.67
1998 ∼ 2000
5,603.82
11.32
13.68
11.48
4.53
20.77
22.81
15.41
88,089.42
18.72
21.36
14.76
3.57
16.69
19.74
5.21
累計
(1968 ∼ 2000)
0.00: 数値が無視し得るほど小さいもの。
a: 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
158
2000 年 年次報告
表3
2000 年中の貸付の承認(セクター別)
OCR
農業・天然資源
BAN
チッタゴン丘陵地帯農村開発
BAN
北東部の農作物の多様化
CAM
農村の信用供与・貯蓄
CAM
Stung Chinit の灌漑及び農村の基盤整備
PRC
河南省西部農業開発
INO
農村開発のためのコミュニティ・エンパワーメント
INO
海洋・沿岸資源管理
KAZ
農地再編セクター開発プログラム
- プログラム・ローン
- プロジェクト・ローン
LAO
灌漑開発及び管理セクターの分権化
MON
地籍調査・土地登記
MON
農業セクター開発プログラム
- プログラム・ローン
- プロジェクト・ローン
NEP
農作物の多様化
PAK
北西辺境地方バラニ地域開発(第 2 段階)
PAK
マイクロファイナンス(小口貸付)セクター開発プログラム
- プログラム・ローン
- プロジェクト・ローン
PHI
穀物セクター開発プログラム
- プログラム・ローン
- プロジェクト・ローン
PHI
農村の生産性拡大セクターの基盤整備
SRI
森林資源管理セクター
SRI
保護地区管理と野生生物保護
VIE
農村の企業融資
VIE
茶・果物の振興
小計
エネルギー
BAN
メグナガート(Meghnaghat)電力 a
CAM
地方の電力供給
PRC
風力発電開発
IND
送電改善(セクター)
IND
グジャラート電力セクター開発プログラム
- プログラム・ローン
- プロジェクト・ローン
PAK
エネルギー・セクター再編プログラム
- エネルギー・セクターの能力強化
SRI
ケラニティッサ(Kelanitissa)電力 a
TAJ
電力復旧
小計
金融
MON
第 2 次金融セクター改革プログラム
NEP
企業/金融ガバナンス(統治)
PNG
マイクロファイナンス・雇用
SAM
零細企業育成
SRI
民間セクター開発プログラム(サブプログラムⅠ)
UZB
中小企業育成
小計
工業・非燃料鉱物
INO
工業競争力・中小企業開発プログラム
PAK
中小企業事業拡充融資
小計
金額(単位:百万ドル)
ADF
合計
−
−
−
−
64.30
65.00
−
30.00
46.30
20.00
16.00
−
50.00
50.00
30.00
46.30
20.00
16.00
64.30
115.00
50.00
25.00
20.00
−
−
−
−
15.50
9.90
25.00
25.00
15.50
9.90
−
−
−
−
7.00
10.00
11.00
52.00
7.00
10.00
11.00
52.00
−
−
70.00
80.00
70.00
80.00
100.00
75.00
75.00
−
−
−
−
424,30
−
−
−
27.00
12.00
80.00
40.20
626.90
100.00
75.00
75.00
27.00
12.00
80.00
40.20
1,051.20
50.00
−
58.00
250.00
−
18.60
−
−
50.00
18.60
58.00
250.00
150.00
200.00
300.00
−
26.00
−
1,034.00
−
−
50.00
5.00
−
34.00
107.60
150.00
200.00
350.00
5.00
26.00
34.00
1,141.60
−
−
−
−
15.00
50.00
65.00
15.00
7.30
9.60
3.50
85.00
−
120.40
15.00
7.30
9.60
3.50
100.00
50.00
185.40
200.00
150.00
−
−
200.00
150.00
350.00
−
350.00
−:当該データなし
a: 政府保証の付されていない民間セクター貸付。
略語一覧: BAN(バングラデシュ)
、CAM(カンボジア)、PRC(中国)、IND(インド)、INO(インドネシア)、KAZ(カザフスタン)、LAO(ラオス)、
MON(モンゴル)、NEP(ネパール)、PAK(パキスタン)、PNG(パプア・ニューギニア)、PHI(フィリピン)、SRI(スリランカ)、TAJ(タ
ジキスタン)、UZB(ウズベキスタン)
、VIE(ベトナム)。
159
統計付録
表 3 続き
OCR
社会基盤整備
BHU
医療改革プログラム
PRC
天津排水処理・水資源保護
IND
第 2 次住宅融資
- 住宅・都市開発公社
- 国立住宅銀行
- 住宅開発融資公社
- インド産業信用・投資会社
INO
技術・専門技能育成セクター
INO
保健/医療サービスの分権化
KGZ
コミュニティを基盤とするインフラ・サービス・セクター
KGZ
技能育成・起業振興
LAO
一次医療拡充
RMI
技能訓練・職業教育
NEP
小都市上下水道整備セクター
NEP
メラムチ水道設備
PNG
地方都市の上下水道整備
PHI
パシグ川環境管理/再生セクター開発プログラム
- プログラム・ローン
- プロジェクト・ローン
PHI
技術教育・技能育成
- 技術教育・技能育成向け資金提供
SAM
教育セクター
SRI
中等教育の近代化
SRI
水資源管理
UZB
上級中等教育
VIE
トゥドゥク水処理施設の BOT(ビルド・オペレート・トランスファー)a
VIE
農村の健康
小計
運輸・通信
BAN
道路保守整備・改善
BHU
道路改善
PRC
Hefei-Xi’an 鉄道
PRC
Chongqing-Guizhou 道路開発(Leichong 幹線道路)
PRC
Chongqing-Guizhou 道路開発(Chongzun 幹線道路)
IND
スラト−メナー(Manor)有料道路
INO
道路修復(セクター)
LAO
農村の連絡道路
PNG
海洋航行標識システムの修復
a
PHI
ルソン島北部幹線道路の復旧・拡大
TAJ
道路修復
UZB
鉄道の近代化
REG
アルマティ‐ビシュケク域内道路修復
- カザフスタン分
- キルギス分
小計
マルチセクター
BAN
南西部の水害復興
CAM
緊急水害復興
FSM
基本的社会サービス
SOL
紛争後の緊急復興
小計
その他
IND
カルカッタ環境改善
小計
合計
金額(単位:百万ドル)
ADF
合計
−
130.00
10.00
−
10.00
130.00
100.00
40.00
80.00
80.00
180.00
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
65.00
36.00
25.00
20.00
6.82
35.00
120.00
15.34
100.00
40.00
80.00
80.00
180.00
65.00
36.00
25.00
20.00
6.82
35.00
120.00
15.34
100.00
75.00
25.00
20.00
−
−
−
57.00
35.00
−
922.00
−
−
−
−
7.00
50.00
19.70
−
−
68.30
478.16
100.00
75.00
25.00
20.00
7.00
50.00
19.70
57.00
35.00
68.30
1,400.16
22.00
−
300.00
120.00
200.00
180.00
190.00
−
20.60
45.00
−
70.00
72.00
9.60
−
−
−
−
−
25.00
−
−
20.00
−
94.00
9.60
300.00
120.00
200.00
180.00
190.00
25.00
20.60
45.00
20.00
70.00
65.00
−
1,212.60
−
5.00
131.60
65.00
5.00
1,344.20
−
−
−
−
−
54.80
55.00
8.02
10.00
127.82
54.80
55.00
8.02
10.00
127.82
250.00
250.00
4,257.90
−
−
1,592.48
250.00
250.00
5,850.38
−: 当該データなし
a: 政府保証の付されていない民間セクター貸付。
略語一覧: BAN(バングラデシュ)
、BHU(ブータン)、CAM(カンボジア)、PRC(中国)、IND(インド)、INO(インドネシア)、KGZ(キルギス)、
LAO(ラオス)、RMI(マーシャル諸島)
、FSM(ミクロネシア連邦)、NEP(ネパール)、PNG(パプア・ニューギニア)、PHI(フィリピン)、
REG(域内)、SAM(サモア)、SOL(ソロモン諸島)、SRI(スリランカ)、TAJ(タジキスタン)、UZB(ウズベキスタン)
、VIE(ベトナム)。
160
2000 年 年次報告
表4
1968 ∼ 2000 年の開発途上加盟国間の貸付配分
期間中に承認された貸付の金額の割合(%)
1968 ∼ 1972 年
OCR
1973 ∼ 1977 年
ADF
OCR
1978 ∼ 1982 年
ADF
OCR
ADF
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
−
−
−
2.6
−
−
−
−
0.5
7.1
−
27.3
−
−
−
0.9
−
32.8
ブータン
カンボジア
中国
−
−
−
−
0.8
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
クック諸島
フィジー諸島
香港
−
0.6
2.9
−
−
−
−
0.1
1.7
−
−
−
−
0.8
0.8
0.1
−
−
インド
インドネシア
カザフスタン
−
−
−
−
34.6
−
−
17.2
−
−
4.5
−
−
28.4
−
−
2.1
−
キリバス
韓国
キルギス
−
26.2
−
−
1.8
−
−
20.9
−
0.2
−
−
−
18.4
−
−
−
−
ラオス
マレーシア
モルジブ
−
10.6
−
2.2
1.6
−
−
10.9
−
0.8
−
−
−
9.6
−
1.1
−
0.1
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
ミャンマー
ナウル
ネパール
−
−
0.3
−
−
17.7
0.3
−
−
13.6
−
9.1
−
−
−
11.4
−
7.3
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
8.9
−
13.5
9.0
7.1
1.7
12.8
0.8
21.2
19.2
2.2
1.2
5.1
0.8
19.1
27.1
1.9
2.7
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
−
12.1
−
2.7
1.5
−
−
1.4
−
1.4
−
1.0
−
1.1
−
0.7
−
0.2
スリランカ
台湾
タジキスタン
1.7
13.3
−
11.1
−
−
0.1
−
−
8.4
−
−
−
−
−
8.6
−
−
タイ
トンガ
トルクメニスタン
9.9
−
−
−
−
−
11.9
−
−
0.8
0.2
−
15.9
−
−
2.7
0.2
−
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.1
ベトナム
地域
−
−
5.6
−
0.2
−
3.0
−
−
−
−
−
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
貸付(単位:百万ドル)
753.9
201.5
2,326.9
964.9
4,856.2
2,351.1
— : なし
0.0: 0.05 未満の数値。
統計付録
1983 ∼ 1987 年
OCR
ADF
1988 ∼ 1992 年
1993 ∼ 1997 年
1998 ∼ 2000 年
OCR
OCR
OCR
ADF
ADF
161
ADF
−
−
−
−
−
31.7
−
−
−
−
−
25.4
−
−
0.2
−
−
21.2
−
−
1.3
−
−
17.5
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
−
−
2.0
0.8
−
−
−
−
12.3
0.2
1.l
−
−
−
23.4
0.3
2.5
−
−
−
25.3
1.0
5.4
−
ブータン
カンボジア
中国
−
0.2
−
0.1
−
−
−
0.4
−
0.1
−
−
−
0.2
−
0.2
−
−
−
−
−
−
−
−
クック諸島
フィジー諸島
香港
9.5
33.7
−
−
3.7
−
24.9
31.0
−
−
5.7
−
13.0
22.2
1.6
−
3.7
0.8
16.8
26.5
0.3
−
4.5
−
インド
インドネシア
カザフスタン
−
9.2
−
0.0
−
−
−
0.9
−
0.0
−
−
−
18.4
−
−
−
3.5
−
−
−
0.3
−
5.4
キリバス
韓国
キルギス
−
8.3
−
1.9
−
0.2
−
3.1
−
3.5
−
0.2
−
0.9
−
5.8
−
0.2
−
−
−
2.9
−
0.4
ラオス
マレーシア
モルジブ
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.1
−
0.5
−
−
−
0.5
0.5
4.8
−
−
−
0.4
0.2
2.5
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
−
−
−
3.5
−
9.5
−
−
0.0
−
−
7.3
−
−
0.2
−
−
5.2
−
0.0
−
−
−
9.0
ミャンマー
ナウル
ネパール
15.9
1.3
12.1
34.3
1.6
1.4
10.1
0.6
10.9
29.0
2.4
11.7
4.1
0.2
6.7
20.5
0.6
3.1
5.8
0.9
11.0
9.7
1.2
0.2
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
−
−
−
0.4
−
0.6
−
−
−
0.6
−
0.1
−
−
−
0.0
−
0.0
−
−
−
0.5
−
1.0
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
−
−
−
9.8
−
−
−
−
−
11.7
−
−
0.0
−
−
7.8
−
−
0.6
−
−
14.5
−
2.7
スリランカ
台湾
タジキスタン
7.8
−
−
−
0.2
−
5.5
−
−
−
0.3
−
8.5
−
−
−
0.2
−
7.6
−
−
−
−
−
タイ
トンガ
トルクメニスタン
−
−
−
−
−
0.3
−
−
−
−
−
0.1
−
0.3
−
−
0.3
0.1
−
2.3
−
0.1
−
0.6
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
−
−
−
−
−
0.3
−
−
0.1
−
18.2
−
0.6
1.0
14.5
5.5
ベトナム
地域
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
合計
6,755.7
3,617.3
13,978.5
6,428.3
21,853.8
7,139.5
13,161.3
3,650.1
貸付(単位:百万ドル)
162
2000 年 年次報告
表5
2000 年中の貸付のセクター別配分
a
OCR
金額(単位:
貸付件数 百万ドル)
ADF
合計
金額(単位: プロジェクト 金額(単位:
b
貸付件数
百万ドル)
百万ドル)
件数
%
農業・天然資源
7
424.30
18
626.90
20
1,051.20
17.97
エネルギー
7
1,034.00
4
107.60
8
1,141.60
19.51
金融
2
65.00
5
120.40
6
185.40
3.17
工業・非燃料鉱業
2
350.00
−
−
2
350.00
5.98
社会基盤整備
12
922.00
13
478.16
20
1,400.16
23.93
運輸・通信
10
1,212.60
5
131.60
13
1,344.20
22.98
マルチセクター
−
−
4
127.82
4
127.82
2.19
1
250.00
−
−
1
250.00
4.27
41
4,257.90
49
1,592.48
74
5,850.38
100.00
その他
合計
−:当該データなし
a: 民間セクター貸付を含む。
b: 複数の貸付の対象となったプロジェクトは 1 件に数えている。
表6
a
2000 年中の貸付の承認 (国別、基金別)
(金額の単位:百万ドル)
OCR
ADF
合計
%
72.00
−
−
203.10
19.60
109.60
275.10
19.60
109.60
4.70
0.34
1.87
中国
インド
インドネシア
872.30
1,330.00
635.00
−
−
165.00
872.30
1,330.00
800.00
14.91
22.73
13.67
カザフスタン
キルギス
ラオス
45.00
−
−
−
61.00
60.50
45.00
61.00
60.50
0.77
1.04
1.03
−
−
−
−
6.82
8.02
41.90
173.30
6.82
8.02
41.90
173.30
0.12
0.14
0.72
2.96
450.00
20.60
515.00
−
−
41.00
−
177.00
257.00
24.94
−
10.50
10.00
193.70
54.00
−
707.00
45.54
515.00
10.50
10.00
234.70
54.00
177.00
12.08
0.78
8.80
0.18
0.17
4.01
0.92
3.03
ベトナム
35.00
188.50
223.50
3.82
地域
65.00
5.00
70.00
1.20
合計
4,257.90
1,592.48
5,850.38
100.00
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ネパール
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
サモア
ソロモン諸島
スリランカ
タジキスタン
ウズベキスタン
−:当該データなし
a: 政府保証の付されていない民間セクター向け貸付を含む。
統計付録
163
表7
2000 年中の協調融資プロジェクト
(単位:百万ドル)
加盟国
チッタゴン丘陵地帯農村開発
BAN
b
BAN
緊急水害復興
地方の電力供給
農村の信用供与・貯蓄
Stung Chinit の灌漑及び農村の基盤整備
Chongqing-Guizhou 道路開発
(Chongzun 幹線道路)
Chongqing-Guizhou 道路開発
(Leichong 幹線道路)
Hefei-Xi’an 鉄道
天津排水処理・水資源保護
風力発電開発
CAM
CAM
CAM
CAM
PRC
メグナガート電力
PRC
PRC
PRC
PRC
ADB の貸付
OCR
ADF
−
30.00
−
50.00
−
−
−
−
−
−
200.00
−
−
−
−
−
55.00
18.60
20.00
16.00
−
−
120.00
300.00
130.00
58.00
−
250.00
250.00
−
−
−
−
−
−
−
−
−
カルカッタ環境改善
送電改善(セクター)
IND
IND
農地再編セクター開発プログラム
(プロジェクト・ローン)
アルマティ‐ビシュケク域内道路修復
KAZ
KAZ
20.00
65.00
−
−
−
−
アルマティ‐ビシュケク域内道路修復
灌漑開発及び管理セクターの分権化
農村の連絡道路
第 2 次金融セクター改革プログラム
メラムチ水道設備
KGZ
LAO
LAO
MON
NEP
−
−
−
−
−
−
5.00
15.50
25.00
15.00
120.00
−
PAK
−
−
−
−
−
−
−
150.00
−
−
−
−
−
52.00
−
−
PHI
100.00
−
北西辺境地方バラニ地域開発(第 2 段階) PAK
中小企業事業拡充融資
穀物セクター開発プログラム
(プログラム・ローン)
協調融資
の額
15.00
協調融資の資金源
a
デンマーク、デンマーク国際開発庁
(DANIDA)
3.60 バングラデシュ、パリ・カルマサハヤク財団
20.00 商業銀行団。ADB の補完融資制度に基づく。
80.00 インフラストラクチャー・デベロップメント社
70.00 商業銀行団。ADB の政策リスク保証付き。
a
2.00 世界食糧プログラム
2.50a フランス、フランス開発庁(AFD)
3.84 カンボジア、現地金融機関
a
2.60 AFD
164.30 中国建設銀行(CCB)
171.00 中国開発銀行(CDB)
79.30
1,221.70
87.80
12.00c
9.40
a
30.00
16.30
120.00
CCB
CDB
CDB
地球環境基金(GEF)
中国、国内銀行
英国、国際開発省(DFID)
インド、国内銀行
商業銀行。ADB の部分信用保証付き。
3.49 カザフスタン、国内銀行
25.00 欧州復興開発銀行
a
0.40 欧州・コーカサス・アジア輸送回廊
(TRACECA)
0.40a TRACECA
a
2.70 AFD
5.00 OPEC 国際開発基金(OPEC 基金)
32.00 国際開発協会(IDA)
80.00 IDA
52.00 日本国際協力銀行(JBIC)
(政府開発援助[ODA])
a
18.00 日本
9.00 ノルウェー開発基金(NDF)
28.00a ノルウェー開発協力庁
14.00 OPEC 基金
25.00 スウェーデン国際開発協力庁(Sida)
14.80 国際農業開発基金
1.20 パキスタン、関係金融機関
150.00 商業銀行。ADB の政策リスク保証付き。
0.60
a
米国国際開発庁
a: 無償供与。
b: 政府保証の付されていない民間セクター貸付。
c: 600 万ドルの無償供与と 600 万ドルの無利子の臨時貸付枠から成る。
略語一覧: BAN(バングラデシュ)
、CAM(カンボジア)、PRC(中国)、IND(インド)、KAZ(カザフスタン)、KGZ(キルギス)、LAO(ラオス)、
MON(モンゴル)、NEP(ネパール)、PAK(パキスタン)、PHI(フィリピン)。
164
2000 年 年次報告
表 7 続き
加盟国
農村の生産性向上セクターの基盤整備
ルソン島北部幹線道路の復旧・拡大 b
PHI
PHI
パシグ川環境管理/再生セクター開発
プログラム(プロジェクト・ローン) PHI
技術教育・技能育成
PHI
マイクロファイナンス・雇用
地方都市の上下水道整備
海洋航行標識システムの修復
ケラニティッサ電力 b
民間セクター開発プログラム
(サブプログラムⅠ)
保護地区管理と野生生物保護
PNG
PNG
PNG
SRI
中等教育の近代化
電力復旧
SRI
TAJ
道路修復
鉄道の近代化
上級中等教育
農村の健康
TAJ
UZB
UZB
VIE
SRI
SRI
茶・果物の振興
VIE
トゥドゥク水処理施設の BOT (ビルド・
b
オペレート・トランスファー)
VIE
合計
ADB の貸付
OCR
ADF
協調融資
の額
a
協調融資の資金源
75.00
45.00
−
−
−
−
1.00
10.63
30.00
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
10.63
10.63
10.63
55.00
45.00
10.62
10.62
10.62
10.62
75.00
−
25.00
−
−
−
−
20.60
26.00
−
−
−
−
−
9.60
15.34
−
−
2.20
0.50a
10.00
8.00
7.00
0.91a
a
1.80
0.80a
52.00
DANIDA
米国貿易開発庁
DANIDA
NDF
OPEC 基金
オーストラリア国際開発庁(AusAID)
AusAID
AusAID
商業銀行。ADB の政策リスク保証付き。
15.00
−
−
−
−
−
−
70.00
57.00
−
−
−
−
85.00
12.00
−
50.00
34.00
−
20.00
−
−
68.30
−
−
40.20
1.00a
10.20a
a
4.00
7.00
9.30
a
6.00
4.00
5.00
57.00
0.50a
1.00a
a
0.30
4.90
Sida
GEF
オランダ
NDF
イスラム開発銀行
スイス開発公社
OPEC 基金
OPEC 基金
JBIC(日本国際協力銀行)(ODA)
国連人口基金
国連児童基金
世界保健機関
ベトナム、関連金融機関
35.00
−
−
−
48.00
15.00
COFACE
マレーシア輸出入銀行
2,016.60
706.54
2,966.04
a
国際労働機関(ILO)
スイス、ABB 輸出銀行
フランス、フランス貿易保険会社
(COFACE)
フランス、Credit Agricole
日本、第一勧業銀行
ドイツ、Deutsche Genossenschaftsbank
オーストラリア、輸出金融保険公社
国際金融公社
フランス、Indosuez
日本興業銀行
日本、住友銀行
ドイツ、Westdeutsche Landesbank
a: 無償供与。
b: 政府保証の付されていない民間セクター貸付。
略語一覧: PHI(フィリピン)、PNG(パプア・ニューギニア)、SRI(スリランカ)、TAJ(タジキスタン)、UZB(ウズベキスタン)
、VIE(ベトナム)。
統計付録
165
表8
2000 年中の民間セクター貸付の承認及びプロジェクト総費用(国別)
(単位:百万ドル)
ADB の
融資総額
追加貸付
−
50.00
20.00
70.00
300.00
−
25.00
25.00
−
25.00
300.00
−
2.00
2.00
−
2.00
10.00
フィリピン
マニラ・ノーストールウェイ社
45.00
−
45.00
25.00
70.00
377.50
サモア
ベンチャーキャピタルファンド
−
0.40
0.40
−
0.40
1.60
26.00
−
26.00
−
26.00
102.74
タイ
タイ中小企業投資・再編基金
−
25.00
25.00
−
25.00
100.00
タイ中小企業基金管理社
−
0.25
0.25
−
0.25
35.00
−
35.00
−
35.00
140.00
域内
アジア銀行基金
−
25.00
25.00
−
25.00
300.00
アンカー資本管理 LLC
−
0.50
0.50
−
0.50
156.00
78.15
234.15
45.00
279.15
バングラデシュ
AES メグナガート電力社 a
中国
リバティ・ニュー・ワールド中国公司
貸付
出資
50.00
ADB の プロジェクト
承認総額
の総費用
パキスタン
パキスタン輸出金融保証エージェンシー社
b
スリランカ
AES ケラニティッサ(民営)電力
ベトナム
Lyonnaise ベトナム水道社
合計
c
1,631.84
−:当該データなし
a: ADB は 7,000 万ドルの政策リスク保証も承認。
b: ADB は 1 億 5,000 万ドルの公共セクター政策リスク保証も承認。
c: ADB は 5,200 万ドルの政策リスク保証も承認。
表9
2000 年中の民間セクター貸付の承認及びプロジェクト総費用(セクター別)
(単位:百万ドル)
基盤整備 a
投資基金
金融機関
b
農業・製造業・その他工業
合計
ADB の
融資総額
追加貸付
−
156.00
45.00
201.00
920.24
−
76.15
76.15
−
76.15
711.60
−
2.00
2.00
−
2.00
−
−
−
−
−
−
−
156.00
78.15
234.15
45.00
279.15
1,631.84
貸付
出資
156.00
−:当該データなし
a: ADB は、2 件の基盤整備プロジェクトに対して合計 1 億 2,200 万ドルの政策リスク保証も承認。
b: ADB は、中小企業事業拡充融資に対して 1 億 5,000 万ドルの公共セクター政策リスク保証も承認。
ADB の プロジェクト
承認総額
の総費用
166
2000 年 年次報告
表 10
1987 ∼ 2000 年の民間セクター貸付及び出資の承認(年別)
(金額の単位:百万ドル)
プロジェクト
a
件数
貸付
出資 b
ADB の
融資総額
1987
1988
7
12
20.50
58.00
27.61
35.67
48.11
93.67
5.00
−
53.11
93.67
1989
1990
16
17
95.70
78.85
67.59
35.94
163.29
114.79
51.10
24.00
214.39
138.79
1991
1992
10
4
156.80
50.00
20.52
5.42
177.32
55.42
−
81.50
177.32
136.92
1993
1994
9
9
182.10
−
20.70
48.70
202.80
48.60
19.30
−
222.10
48.60
1995
1996
8
8
68.00
123.50
99.41
97.15
167.41
220.65
5.83
191.50
173.24
412.15
1997
1998
6
7
45.00
136.12
59.50
42.44
104.50
178.56
−
151.08
104.50
329.64
1999
2000c
4
11
146.50
156.00
7.40
78.15
153.90
234.15
187.50
45.00
341.40
279.15
追加貸付
ADB の
a
承認総額
−:当該データなし
a: 中止案件を除いた件数。
b: 出資、出資枠、出資引受けを含む。
c: 2000 年、ADB は、民間セクター業務を支援する 2 件合計 1 億 2,200 万ドル、公共セクター事業を支援する 1 件 1 億 5,000 万ドル、合計 3 件の政策リス
ク保証も承認。
表 11
1983 ∼ 2000 年の民間セクター貸付の承認累計(国別)
(金額の単位:百万ドル)
プロジェクト
a
件数
貸付
出資
b
ADB の
融資総額
追加貸付
ADB の
a
承認総額
バングラデシュ
5
117.20
14.46
131.66
20.00
151.62
ブータン
中国
1
7
−
116.50
0.53
72.30
0.53
188.80
−
171.50
0.53
357.30
20
11
160.70
82.00
105.80
26.65
266.50
108.65
105.00
63.50
349.77
164.97
韓国
マレーシア
4
1
−
−
8.96
2.00
8.96
2.00
−
−
7.07
0.18
ネパール
パキスタン
4
22
49.55
241.80
3.26
30.62
52.81
272.42
5.83
129.90
57.62
377.85
フィリピン
サモア
19
9
282.32
−
36.85
0.40
319.17
0.40
233.58
−
548.49
0.40
スリランカ
タイ
7
2
72.00
31.46
13.22
52.07
85.22
83.53
−
−
83.41
77.09
1
21
65.00
105.00
−
291.87
65.00
396.87
26.50
−
91.50
396.87
134
1,323.53
658.98
1,982.51
755.81
2,738.31C
インド
インドネシア
ベトナム
地域
合計
−:当該データなし
a: 中止案件を除いた件数。
b: 出資、出資枠、出資引受けを含む。
c: 2000 年、ADB は、民間セクター業務を支援する 2 件合計 1 億 2,200 万ドル、公共セクター事業を支援する 1 件 1 億 5,000 万ドル、合計 3 件の政策リス
ク保証も承認。
統計付録
167
表 12
1999・2000 年の貸付実行
(金額の単位:千ドル)
1999 年
OCR
OCR
合計に占める
割合(%)
ADF
ADF
合計に占める
割合(%)
貸付実行
合計に占める
割合(%)
プロジェクト a
開発金融機関向け以外
開発金融機関向け
プロジェクト・ローン合計
プログラム b
c
セクター
民間セクター d
1,562,939
267,455
1,830,394
1,544,800
271,811
62,806
42
7
49
42
7
2
824,353
5,187
829,540
129,114
155,175
−
74
−
74
12
14
−
2,387,292
272,642
2,659,934
1,673,914
426,986
62,806
49
6
55
35
9
1
合計
3,709,811
100
1,113,829
100
4,823,640
100
合計
変動率(%)
(2000/1999 年)
2000 年
OCR
OCR 合計に
占める
割合(%)
ADF
ADF 合計に
占める
割合(%)
プロジェクト a
開発金融機関向け以外
開発金融機関向け
プロジェクト・ローン合計
b
プログラム
c
セクター
民間セクター d
1,695,503
96,962
1,792,465
739,500
291,052
61,038
59
3
62
26
10
2
749,765
552
750,317
198,940
185,791
−
66
−
66
18
16
−
2,445,268
97,514
2,542,782
938,440
476,843
61,038
合計
2,884,055
100
1,135,048
100
4,019,103
合計
貸付実行
合計に占める
割合(%)
OCR
ADF
合計
61
2
63
23
12
2
8
(64)
(2)
(52)
7
(3)
(9)
(89)
(10)
54
20
−
2
(64)
(4)
(44)
12
(3)
100
(22)
2
(17)
−:当該データなし
( ):マイナス
a: プロジェクト・ローンは、特定プロジェクトへの融資を目的として供与されるローンである。ADB は、開発途上加盟国(DMCs)内の開発金融機関を
民間セクターの中小規模のプロジェクトに融資するための仲介機関として利用している。
b: プログラム・ローンは、セクター開発に係る政策・制度・投資環境を改善するための DMCs の取り組みを支援する目的で供与されるローンであり、政
策調整に伴う短期的費用に充てられる。
c: セクター・ローンは、特定のセクターまたはサブセクターの開発を目的として供与されるローンであり、単一のセクターまたはサブセクターにおける
多数のサブプロジェクトに融資する。
d: 出資を除く。
表 13
2000 年中のプログラムローンの貸付実行
(金額の単位:百万ドル)
OCR
ADF
合計
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
インド
インドネシア
ラオス
マーシャル諸島
モンゴル
ネパール
パキスタン
フィリピン
タジキスタン
バヌアツ
ベトナム
−
−
−
151.50
270.00
−
−
−
−
228.00
70.00
−
−
20.00
37.78
4.90
13.50
−
−
11.26
2.75
12.21
24.34
50.39
−
9.15
4.80
27.86
37.78
4.90
13.50
151.50
270.00
11.26
2.75
12.21
24.34
278.39
70.00
9.15
4.80
47.86
合計
739.50
198.94
938.44
−:当該データなし
168
2000 年 年次報告
表 14
承認済み実行中の貸付及びプロジェクト、発出したプロジェクト完了報告(PCR)の件数 、
完了したプロジェクト、中止した貸付、発出したプロジェクト/プログラム実績監査報告(PPAR)の件数
(2000 年 12 月 31 日現在)
貸付承認
a
累積件数
貸付発効
累積件数
承認
プロジェクト
累積件数 b
ブレンド
貸付
累積件数
補完
貸付
累積件数
協調融資
プロジェクト
累積件数
9
−
143
8
−
135
8
−
133
−
−
5
1
−
5
2
−
61
ブータン
カンボジア
中国
17
17
85
17
14
78
16
16
83
−
−
−
−
−
−
5
8
33
クック諸島
フィジー諸島
香港
11
13
5
11
13
5
11
13
5
−
−
−
−
−
−
1
5
−
インド
インドネシア
カザフスタン
65
254
13
58
248
10
55
228
8
1
17
2
−
2
−
18
53
2
キリバス
韓国
キルギス
6
81
18
6
81
16
6
80
14
−
−
−
−
−
−
1
8
6
ラオス
マレーシア
モルジブ
49
76
9
46
76
9
45
74
9
−
1
−
3
1
−
28
9
5
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
9
4
25
8
3
21
9
4
21
−
−
−
−
−
−
1
−
5
ミャンマー
ナウル
ネパール
32
1
99
32
1
94
28
1
88
2
−
1
2
−
9
12
−
40
192
53
183
186
50
177
159
42
154
23
10
17
5
−
4
71
11
62
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
28
14
16
26
14
15
24
14
15
−
−
−
4
−
−
9
2
5
スリランカ
台湾
タジキスタン
99
12
5
93
12
3
92
12
5
2
−
−
5
−
−
33
−
2
タイ
トンガ
トルクメニスタン
83
13
−
83
13
−
79
13
−
2
−
−
2
−
−
36
3
−
1
8
9
1
5
9
1
7
8
−
1
−
−
−
1
−
2
3
43
3
37
3
38
e
6
3
1
−
−
15
−
1,803
1,717
1,624
88
44
557
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
合計
−:ゼロ又は当該データなし。
a: プロジェクト実施特別援助貸付、特別援助貸付、民間セクター貸付を含む。借入者が撤回した貸付は除く。
b: ブレンド貸付及びマルチ貸付プロジェクトは 1 案件として計上している。また、補完貸付及びプロジェクト実施特別援助貸付は別個のプロジェクトと
しては計上されていない。
c: 承認済み未発効のプロジェクト/貸付、稼働していない貸付、政府の保証は付されていないが貸付実行済みで運営中の民間セクター貸付を含む。他の
資金源から全面的に融資を受けているプロジェクト/貸付は除外する。
統計付録
169
実行中
実行中
発出した/
2000 年に完了 2000 年に
2000 年に
2000 年に
の貸付 のプロジェクト
準備された したプロジェクト 中止した
発出した
発出した
件数 a, c
PCR の累積件数
の件数 d
貸付の件数 PCR の件数 PPAR の件数
件数 c
−
−
37
−
−
35
−
−
86
−
−
4
−
−
9
−
−
4
−
−
2
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
7
13
48
6
13
46
7
1
30
1
1
6
1
2
9
−
−
7
1
1
2
ブータン
カンボジア
中国
2
1
−
2
1
−
9
10
5
1
−
−
1
−
−
1
−
−
−
−
−
クック諸島
フィジー諸島
香港
40
74
9
29
65
6
21
134
3
4
15
−
4
13
−
4
2
1
2
3
−
インド
インドネシア
カザフスタン
1
1
14
1
1
13
4
59
3
−
−
1
−
−
−
−
−
1
−
−
−
キリバス
韓国
キルギス
20
5
3
20
5
3
22
48
6
5
2
−
−
4
−
3
1
−
1
−
2
ラオス
マレーシア
モルジブ
5
3
15
5
3
13
2
1
6
2
−
2
1
−
2
−
1
3
−
−
1
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
−
1
25
−
1
24
26
−
59
−
−
4
−
−
3
−
−
−
−
−
2
ミャンマー
ナウル
ネパール
51
14
60
47
13
49
98
26
95
13
2
9
8
1
−
7
−
3
2
−
1
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
3
−
2
3
−
2
19
7
13
−
−
2
−
−
1
−
−
−
−
−
−
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
29
−
5
28
−
5
55
1
−
4
−
1
3
−
−
7
−
−
2
−
−
スリランカ
台湾
タジキスタン
13
2
−
12
2
−
46
12
−
2
2
−
1
1
−
3
−
−
−
−
−
タイ
トンガ
トルクメニスタン
1
8
3
1
7
3
−
−
5
−
−
2
−
−
−
−
−
−
−
−
−
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
29
1
28
1
7
2
2
−
1
−
2
1
−
−
ベトナム
地域
545
493
928
87
65
51
22
合計
d: 2000 年中に物理的に完了したプロジェクト。
e: メコン河流域地域(GMS)のプノンペン・ホーチミン幹線道路プロジェクト(カンボジア及びベトナムに対する貸付)、東西回廊プロジェクト(ラオ
ス及びベトナムに対する貸付)及びアルマティ・ビシュケク域内道路修復(カザフスタンとキルギスに対する貸付)の域内プロジェクトを含む。
170
2000 年 年次報告
表 15
承認済み貸付、調達契約及び貸付実行の金額
(2000 年 12 月 31 日現在)
(金額の単位:百万ドル)
承認済み貸付の
累計額 a, b
発効済み貸付
(ネット)の累計額 b, c, d
2000 年中の
調達契約の
金額 b, d, e
調達契約の
累計額 b, d, e
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
トルクメニスタン
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域 g
95.10
−
6,190.71
94.76
485.27
10,297.50
24.47
161.10
101.50
9,158.30
17,828.99
525.00
15.14
6,338.33
452.20
887.54
1,987.54
55.18
59.12
43.12
469.42
530.86
5.00
1,855.68
10,511.24
774.17
7,889.27
107,92
181.08
79.31
2,597.46
100.39
99.00
5,348.07
42.89
−
4.00
387.00
51.25
2,099.18
105.00
27.90
−
5,349.18
87.91
407.74
8,672.45
23.25
153.47
94.50
7,239.02
14,461.85
411.23
13.25
5,562.07
407.41
792.72
1,458.69
54.47
46.61
33.44
413.10
411.83
5.00
1,397.84
9,174.83
652.92
6,664.30
100.89
144.44
54.30
2,185.58
91.14
42.72
4,465.73
41.47
−
4.02
208.87
49.06
1,718.39
105.00
−
−
291.63
10.25
114.42
757.90
0.61
1.20
−
380.84
707.32
13.62
2.04
1.89
9.18
43.50
24.53
7.49
9.71
5.55
36.36
−
−
48.28
384.84
23.07
176.59
0.06
−
−
57.77
−
13.74
29.19
0.74
−
−
49.69
9.54
176.26
−
34.21
−
4,529.42
57.76
288.18
6,158.90
24.57
116.27
94.50
5,830.78
10.671.91
345.96
6.60
5,571.18
282.25
665.60
1,375.27
42.72
41.71
29.40
340.48
418.77
2.30
1,236.48
7,508.76
525.10
4,621.87
94.51
130.22
53.77
1,743.51
90.28
23.61
4,053.13
46.96
−
2.80
102.18
46.40
1,029.44
−
合計
88,039.05
73,228.62
3,387.79
58,237.76
−:当該データなし
a: 特別援助貸付及び民間セクター貸付は含むが、借入者によって撤回された貸付は除外する。米ドル相当額は、貸付調印時に ADB で適用されていた為
替レートにより算定。
b: 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
c: ネットとは、中止案件の額及び貸付の不使用額を差し引いた金額であることを指す。
d: 米ドル相当額は、2000 年 12 月 31 日現在、ADB で適用されていた為替レートにより算定。以下の理由により、調達契約の累計額は、発効済み貸付
(ネット)の金額を上回る。
(i) 例えばアフガニスタンなど、稼働している貸付がない国では、コンピュータ化される以前に中止した貸付の基本契約額に調達データに関する調
整が反映されていない。
(ii)稼働している貸付がある国では、入力される契約額は、ADB が融資した部分であり、それぞれの契約額は貸付実行が終了次第調整されている。
統計付録
調達契約の
累計額の発効済み貸付(ネット)
累計額に対する比率 d(%)
2000 年の
貸付実行額 b
貸付実行
累計額 b, f
171
貸付実行累計額の
発効済み貸付(ネット)
累計額に対する比率(%)
122.6
−
84.7
65.7
70.7
71.0
105.7
75.8
100.0
80.5
73.8
84.1
49.8
100.2
69.3
84.0
94.3
78.4
89.5
87.9
82.4
101.7
46.0
88.5
81.8
80.4
69.4
93.7
90.2
99.0
79.8
99.1
55.3
90.8
113.2
−
69.6
48.9
94.6
59.9
−
−
−
264.87
6.86
50.83
847.52
0.39
4.65
−
486.98
748.38
28.08
1.07
1.65
21.36
51.01
48.72
1.30
9.77
4.40
32.88
−
−
99.63
522.59
13.01
228.07
0.26
−
0.45
81.03
−
12.32
130.53
2.90
−
−
60.90
10.56
237.45
8.70
27.90
−
4,460.72
54.10
203.08
5,852.83
22.16
119.20
94.50
5,540.28
11,375.04
340.25
4.83
5,558.71
256.37
615.61
1,351.68
36.10
39.84
27.34
321.89
411.83
2.30
1,252.54
7,848.89
520.78
4,916.77
90.92
144.44
54.07
1,682.07
91.14
22.19
3,881.64
40.95
−
2.80
78.83
45.67
813.76
90.08
100.0
−
83.4
61.5
49.8
67.5
95.3
77.7
100.0
76.5
78.7
82.7
36.5
99.9
62.9
77.7
92.7
66.3
85.5
81.7
77.9
100.0
46.0
89.6
85.5
79.8
73.8
90.10
100.0
99.6
77.0
100.0
51.9
86.9
98.7
−
69.6
37.7
93.1
47.4
85.8
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
トルクメニスタン
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域 g
79.5
4,019.10
58,294.10
79.6
合計
e: 政府保証の付されていない民間セクター貸付は除外する。
f: 貸付実行累計額は、例えば建中金利、偶発債務、及び調達を必要としない民間セクター貸付など、調達契約要約表なしの実行額があるため、調達契約
の累計額を上回ることがある。
g: アジア金融投資会社(Asian Finance and Investment Corporation Ltd.)向けの民間セクター貸付。
172
2000 年 年次報告
表 16
a
調達契約の原産国別比率
プロジェクトローンとプログラムローンの合計 ― 通常資本財源
1967 ∼ 1976 年
1977 ∼ 1986 年
1987 ∼ 1996 年
1997 ∼ 2000 年
物品・関連
コンサル
物品・関連
コンサル
物品・関連
コンサル
物品・関連
コンサル
サービス・ ティング・ サービス・ ティング・ サービス・ ティング・ サービス・ ティング・
土木工事
サービス
土木工事
サービス
土木工事
サービス
土木工事
サービス
(単位:%) (単位:%) (単位:%) (単位:%) (単位:%) (単位:%) (単位:%) (単位:%)
アフガニスタン
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
オーストラリア
1.15
3.91
1.43
2.46
1.90
4.09
1.54
11.16
オーストリア
2.38
0.84
0.57
0.30
0.28
0.31
0.45
0.02
アゼルバイジャン
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
バングラデシュ
0.00
0.00
0.00
0.03
0.00
0.00
0.08
0.00
ベルギー
0.22
0.53
0.49
0.04
0.48
0.00
0.24
0.00
ブータン
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
カンボジア
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.04
0.00
カナダ
2.19
2.29
0.91
6.79
0.81
4.48
0.58
2.46
中国
0.00
0.00
0.00
0.00
9.39
0.00
17.02
0.00
クック諸島
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
デンマーク
0.13
1.94
0.29
2.91
0.15
1.89
0.26
1.56
フィジー諸島
0.09
0.00
0.24
0.00
0.16
0.03
0.03
0.00
フィンランド
0.05
0.00
0.04
0.31
0.47
0.32
0.19
0.17
フランス
3.78
6.05
2.02
2.98
2.27
4.39
1.33
6.89
ドイツ
7.57
10.36
4.79
4.34
5.66
6.21
3.14
2.31
香港
0.60
0.00
1.65
0.47
1.17
0.08
0.53
1.18
インド
1.45
3.35
0.67
0.34
9.97
1.29
9.14
3.51
インドネシア
0.00
0.00
8.54
9.58
17.36
29.08
13.10
18.20
イタリア
3.36
11.06
1.35
4.08
3.82
2.27
1.06
3.07
日本
42.33
7.33
22.82
12.58
11.63
7.31
6.83
3.12
カザフスタン
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.45
0.03
キリバス
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
韓国
9.67
1.31
16.74
4.06
6.40
0.79
15.25
1.09
キルギス
0.00
0.00
0.00
0.00
0.01
0.00
0.02
0.00
ラオス
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
マレーシア
3.32
0.17
4.86
0.88
3.42
1.20
2.82
0.19
モルジブ
0.00
0.00
0.00
0.00
0.01
0.00
0.00
0.00
マーシャル諸島
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
ミクロネシア連邦
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
モンゴル
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
ミャンマー
0.00
0.00
0.00
0.00
0.01
0.00
0.02
0.00
ナウル
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.02
0.00
ネパール
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.01
0.00
オランダ
2.17
2.20
0.90
2.60
0.61
5.60
0.45
4.93
ニュージーランド
0.17
1.42
0.42
1.46
0.09
0.17
0.08
1.23
ノルウェー
0.15
0.00
0.03
0.25
0.06
0.00
0.03
1.34
パキスタン
0.01
0.00
0.57
0.04
3.02
0.37
2.33
0.00
パプア・ニューギニア
0.00
0.00
0.25
0.07
0.27
0.19
0.26
0.06
フィリピン
1.14
0.94
8.43
1.59
3.36
4.14
1.23
6.57
サモア
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
シンガポール
0.56
0.00
1.53
0.32
1.56
0.12
2.32
2.52
ソロモン諸島
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.01
0.00
スペイン
0.00
0.00
0.00
0.00
0.19
0.00
0.18
0.00
スリランカ
0.00
0.00
0.00
0.03
0.01
0.02
0.01
0.01
スウェーデン
0.57
0.13
0.54
0.04
0.81
0.15
0.26
0.30
スイス
1.91
1.07
1.51
5.86
1.69
6.19
0.50
5.53
台湾
1.77
0.09
1.70
3.20
0.75
1.01
0.68
1.49
タジキスタン
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
タイ
2.28
0.00
6.94
0.09
3.48
1.64
3.20
2.14
トンガ
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
トルコ
0.00
0.00
0.00
0.00
0.19
0.00
0.11
0.00
トルクメニスタン
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
トゥヴァル
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
英国
4.03
3.61
2.76
11.08
1.53
6.90
1.66
6.30
米国
6.94
41.40
7.01
21.26
6.55
9.76
6.69
12.36
ウズベキスタン
0.00
0.00
0.00
0.00
0.02
0.00
0.41
0.29
バヌアツ
0.00
0.00
0.00
0.00
0.40
0.00
0.00
0.00
ベトナム
0.00
0.00
0.00
0.00
0.04
0.00
0.09
0.00
地域
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
5.37
0.00
国際機関
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
合計
総額(単位:百万ドル)
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
1,151.81
65.59
5,006.38
327.46
17,780.48
825.74
14,943.24
350.55
a: 契約の米ドル相当額により、物品が採掘・生産・成育・製造される原産国を表示。
統計付録
173
表 17
a
調達契約の原産国別比率
プロジェクトローンとプログラムローンの合計 ― アジア開発基金
1967 ∼ 1976 年
1977 ∼ 1986 年
1987 ∼ 1996 年
1997 ∼ 2000 年
物品・関連
コンサル
物品・関連
コンサル
物品・関連
コンサル
物品・関連
コンサル
サービス・ ティング・ サービス・ ティング・ サービス・ ティング・ サービス・ ティング・
土木工事
サービス
土木工事
サービス
土木工事
サービス
土木工事
サービス
(単位:%) (単位:%) (単位:%) (単位:%) (単位:%) (単位:%) (単位:%) (単位:%)
アフガニスタン
0.00
0.00
0.37
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
オーストラリア
4.89
6.10
0.83
3.75
1.18
5.64
0.82
7.09
オーストリア
0.12
0.00
0.34
0.00
0.16
0.00
0.36
0.01
アゼルバイジャン
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
バングラデシュ
0.20
0.00
5.80
0.94
14.03
3.73
14.78
4.66
ベルギー
0.18
0.00
0.58
0.05
0.36
0.00
0.04
0.03
ブータン
0.00
0.00
0.00
0.00
0.18
0.01
0.22
0.00
カンボジア
0.00
0.00
0.00
0.00
0.31
0.00
1.50
0.06
カナダ
0.61
18.30
0.51
7.39
0.40
3.11
0.33
6.82
中国
0.00
0.00
0.00
0.00
5.68
0.00
6.11
0.01
クック諸島
0.00
0.00
0.04
0.00
0.05
0.01
0.03
0.13
デンマーク
0.02
0.93
0.79
0.00
0.33
1.68
0.47
3.15
フィジー諸島
0.12
0.00
0.05
0.00
0.02
0.02
0.07
0.00
フィンランド
0.01
0.00
0.07
1.34
0.18
0.20
0.21
2.13
フランス
0.13
0.00
1.37
2.57
1.43
4.01
2.20
6.30
ドイツ
14.61
22.63
5.08
1.68
3.69
5.35
1.71
5.44
香港
0.27
0.00
0.74
0.00
0.83
0.00
0.31
0.00
インド
4.42
1.63
6.30
9.30
2.27
1.84
2.69
0.33
インドネシア
0.00
0.00
1.14
1.85
3.49
4.70
2.33
0.93
イタリア
5.68
5.49
2.75
0.82
1.68
2.94
2.16
0.06
日本
38.73
21.17
25.35
15.18
5.47
3.56
3.49
10.40
カザフスタン
0.00
0.00
0.00
0.00
0.32
0.00
0.69
0.19
キリバス
0.00
0.00
0.00
0.00
0.01
0.00
0.00
0.00
韓国
5.66
1.84
5.31
2.01
6.79
1.70
5.58
0.00
キルギス
0.00
0.00
0.00
0.00
0.44
0.00
0.92
0.38
ラオス
0.00
0.00
0.05
0.00
0.79
0.08
0.72
1.03
マレーシア
0.57
2.56
0.36
0.54
1.02
0.00
0.98
0.00
モルジブ
0.00
0.00
0.02
0.00
0.00
0.00
0.01
0.00
マーシャル諸島
0.00
0.00
0.00
0.00
0.06
0.00
0.18
0.12
ミクロネシア連邦
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.23
0.00
モンゴル
0.00
0.00
0.00
0.00
0.14
0.00
0.33
0.18
ミャンマー
0.00
0.00
0.78
0.00
0.13
0.00
0.01
0.00
ナウル
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
ネパール
0.82
0.00
2.28
0.50
3.27
1.16
2.72
1.99
オランダ
1.68
5.57
1.22
2.22
1.61
5.22
0.35
2.90
ニュージーランド
0.56
2.46
0.81
2.00
0.46
3.48
0.49
1.26
ノルウェー
0.05
0.00
0.02
0.57
0.36
0.28
0.01
1.26
パキスタン
0.00
0.00
4.76
0.47
15.57
9.91
13.20
5.64
パプア・ニューギニア
2.60
0.00
1.52
0.19
1.16
0.39
0.29
0.17
フィリピン
0.14
1.10
2.74
2.83
4.85
5.04
2.48
3.68
サモア
0.09
0.00
0.28
0.07
0.06
0.07
0.02
0.00
シンガポール
4.83
0.00
1.85
0.11
4.02
0.16
3.67
0.22
ソロモン諸島
0.00
0.00
0.28
0.09
0.10
0.00
0.38
0.00
スペイン
0.00
0.00
0.00
0.00
0.06
0.00
0.08
0.00
スリランカ
0.00
0.12
3.11
0.26
4.38
1.39
5.26
1.18
スウェーデン
0.01
0.14
1.64
0.04
0.57
2.19
0.16
0.97
スイス
0.33
0.00
2.64
6.18
0.93
2.58
0.40
0.41
台湾
0.74
0.11
0.20
0.04
0.76
0.00
0.31
1.48
タジキスタン
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.51
0.33
タイ
1.66
0.20
2.35
0.05
0.94
0.01
1.90
0.00
トンガ
0.00
0.00
0.15
0.00
0.07
0.06
0.11
0.00
トルコ
0.00
0.00
0.00
0.00
0.30
0.00
4.20
0.20
トルクメニスタン
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
トゥヴァル
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
英国
6.96
2.83
6.44
21.11
2.02
17.81
0.59
13.81
米国
3.30
6.82
8.98
15.96
6.28
11.68
2.45
14.27
ウズベキスタン
0.00
0.00
0.00
0.00
0.05
0.00
0.60
0.00
バヌアツ
0.00
0.00
0.01
0.00
0.04
0.00
0.19
0.01
ベトナム
0.00
0.00
0.08
0.00
0.68
0.00
9.72
0.77
地域
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.39
0.00
国際機関
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
合計
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
総額(単位:百万ドル)
260.83
27.69
2,447.95
155.37
9,288.56
568.07
4,136.35
334.24
a: 契約の米ドル相当額により、物品が採掘・生産・成育・製造される原産国を表示。
174
2000 年 年次報告
表 18
a
2000 年中の原産国別調達契約
プロジェクトローン ― 通常資本財源(金額の単位:百万ドル)
アフガニスタン
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
トゥヴァル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
国際機関
合計
物品・
関連サービス・
土木工事
0.00
4.09
6.30
0.00
0.00
2.05
0.00
0.00
3.45
695.59
0.00
1.24
1.19
3.30
36.84
36.33
6.60
155.29
320.60
16.78
19.57
2.83
0.00
44.73
0.00
0.00
26.50
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
5.49
2.39
0.04
0.00
2.06
48.22
0.00
2.17
0.00
4.92
0.00
1.27
6.25
2.66
0.00
12.36
0.00
1.17
0.00
0.00
12.16
27.57
10.35
0.00
0.00
2.03
0.00
1,524.37
%
比率
コンサルティング・
サービス
%
比率
0.00
0.27
0.41
0.00
0.00
0.13
0.00
0.00
0.23
45.63
0.00
0.08
0.08
0.22
2.42
2.38
0.43
10.19
21.03
1.10
1.28
0.19
0.00
2.93
0.00
0.00
1.74
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.36
0.16
0.00
0.00
0.14
3.16
0.00
0.14
0.00
0.32
0.00
0.08
0.41
0.17
0.00
0.81
0.00
0.08
0.00
0.00
0.80
1.81
0.68
0.00
0.00
0.13
0.00
0.00
15.43
0.08
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
3.33
0.00
0.00
0.10
0.00
0.00
11.00
0.00
2.20
10.58
12.51
2.79
0.00
0.10
0.00
0.00
0.00
0.00
0.02
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.42
1.30
0.00
0.00
0.14
2.54
0.00
3.55
0.00
0.00
0.00
0.00
10.35
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
6.92
7.84
1.00
0.00
0.00
0.00
0.00
100.00
92.19
a: 契約の米ドル相当額により、物品が採掘・生産・成育・製造される原産国を表示。
b: 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
調達契約
合計 b
%
比率 b
0.00
16.74
0.09
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
3.61
0.00
0.00
0.11
0.00
0.00
11.93
0.00
2.39
11.48
13.57
3.02
0.00
0.10
0.00
0.00
0.00
0.00
0.02
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.45
1.41
0.00
0.00
0.15
2.76
0.00
3.85
0.00
0.00
0.00
0.00
11.23
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
7.50
8.51
1.08
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
19.52
6.38
0.00
0.00
2.05
0.00
0.00
6.78
695.59
0.00
1.34
1.19
3.30
47.84
36.33
8.80
165.87
333.11
19.56
19.57
2.93
0.00
44.73
0.00
0.00
26.51
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
5.91
3.69
0.04
0.00
2.20
50.76
0.00
5.71
0.00
4.92
0.00
1.27
16.60
2.66
0.00
12.36
0.00
1.17
0.00
0.00
19.07
35.41
11.35
0.00
0.00
2.03
0.00
0.00
1.21
0.39
0.00
0.00
0.13
0.00
0.00
0.42
43.03
0.00
0.08
0.07
0.20
2.96
2.25
0.54
10.26
20.61
1.21
1.21
0.18
0.00
2.77
0.00
0.00
1.64
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.37
0.23
0.00
0.00
0.14
3.14
0.00
0.35
0.00
0.30
0.00
0.08
1.03
0.16
0.00
0.76
0.00
0.07
0.00
0.00
1.18
2.19
0.70
0.00
0.00
0.13
0.00
100.00
1,616.56
100.00
175
統計付録
表 19
a
2000 年中の原産国別調達契約
プロジェクトローン ― アジア開発基金(金額の単位:百万ドル)
アフガニスタン
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
トゥヴァル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
国際機関
合計
物品・
関連サービス・
土木工事
0.00
5.06
6.64
0.00
148.03
0.00
3.89
32.79
0.52
57.54
0.31
11.44
0.00
0.21
8.78
7.40
0.00
13.79
27.09
1.32
24.89
0.78
0.13
23.24
3.87
6.53
5.59
0.53
2.28
1.36
4.76
0.00
0.00
21.85
0.05
4.98
0.12
71.57
1.17
24.77
0.06
2.86
0.00
0.24
42.74
0.72
3.04
0.15
1.44
42.06
0.33
1.22
0.00
0.00
7.82
10.83
2.12
0.33
98.00
0.00
0.00
737.22
%
比率
コンサルティング・
サービス
%
比率
調達契約
b
合計
%
b
比率
0.00
0.69
0.90
0.00
20.08
0.00
0.53
4.45
0.07
7.80
0.04
1.55
0.00
0.03
1.19
1.00
0.00
1.87
3.68
0.18
3.38
0.11
0.02
3.15
0.53
0.89
0.76
0.07
0.31
0.18
0.65
0.00
0.00
2.96
0.01
0.68
0.02
9.71
0.16
3.36
0.01
0.39
0.00
0.03
5.80
0.10
0.41
0.02
0.20
5.71
0.04
0.17
0.00
0.00
1.06
1.47
0.29
0.05
13.29
0.00
0.00
0.00
10.23
0.00
0.00
3.26
0.00
0.00
0.17
0.02
0.02
0.03
2.36
0.00
0.21
0.00
4.56
0.00
0.28
0.52
0.05
15.14
0.17
0.00
0.00
0.58
3.09
0.00
0.00
0.31
0.00
0.01
0.00
0.00
0.20
3.69
0.62
2.30
7.18
0.16
4.24
0.00
0.00
0.00
0.00
2.16
0.67
0.00
0.00
1.09
0.00
0.00
0.67
0.00
0.00
23.34
13.23
0.00
0.04
0.07
0.00
0.00
0.00
10.17
0.00
0.00
3.24
0.00
0.00
0.17
0.02
0.02
0.02
2.34
0.00
0.20
0.00
4.53
0.00
0.28
0.51
0.05
15.04
0.17
0.00
0.00
0.58
3.07
0.00
0.00
0.31
0.00
0.01
0.00
0.00
0.20
3.67
0.61
2.29
7.13
0.16
4.21
0.00
0.00
0.00
0.00
2.15
0.67
0.00
0.00
1.08
0.00
0.00
0.67
0.00
0.00
23.19
13.14
0.00
0.04
0.07
0.00
0.00
0.00
15.29
6.64
0.00
151.29
0.00
3.89
32.95
0.53
57.56
0.34
13.80
0.00
0.42
8.78
11.95
0.00
14.07
27.61
1.37
40.03
0.95
0.13
23.24
4.46
9.61
5.59
0.53
2.59
1.36
4.77
0.00
0.00
22.05
3.74
5.60
2.42
78.74
1.34
29.01
0.06
2.86
0.00
0.24
44.90
1.39
3.04
0.15
2.53
42.06
0.33
1.90
0.00
0.00
31.15
24.06
2.12
0.37
98.07
0.00
0.00
0.00
1.82
0.79
0.00
18.06
0.00
0.46
3.93
0.06
6.87
0.04
1.65
0.00
0.05
1.05
1.43
0.00
1.68
3.30
0.16
4.78
0.11
0.02
2.77
0.53
1.15
0.67
0.06
0.31
0.16
0.57
0.00
0.00
2.63
0.45
0.67
0.29
9.40
0.16
3.46
0.01
0.34
0.00
0.03
5.36
0.17
0.36
0.02
0.30
5.02
0.04
0.23
0.00
0.00
3.72
2.87
0.25
0.04
11.70
0.00
0.00
100.00
100.65
100.00
837.87
100.00
a: 契約の米ドル相当額により、物品が採掘・生産・成育・製造される原産国を表示。
b: 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
176
2000 年 年次報告
表 20
a
2000 年中の原産国別調達契約
プロジェクトローン ― 通常資本財源とアジア開発基金の合計(金額の単位:百万ドル)
アフガニスタン
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
トゥヴァル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
国際機関
合計
物品・
関連サービス・
土木工事
0.00
9.15
12.94
0.00
148.03
2.05
3.89
32.79
3.97
753.13
0.31
12.68
1.19
3.51
45.62
43.72
6.60
169.08
347.69
18.10
44.45
3.61
0.13
67.97
3.87
6.53
32.08
0.53
2.28
1.36
4.76
0.00
0.00
21.85
5.54
7.37
0.16
71.57
3.23
72.99
0.06
5.02
0.00
5.16
42.74
1.99
9.30
2.81
1.44
54.42
0.33
2.40
0.00
0.00
19.97
38.40
12.47
0.33
98.00
2.03
0.00
2,261.60
%
比率
コンサルティング・
サービス
%
比率
0.00
0.40
0.57
0.00
6.55
0.09
0.17
1.45
0.18
33.30
0.01
0.56
0.05
0.16
2.02
1.93
0.29
7.48
15.37
0.80
1.97
0.16
0.01
3.01
0.17
0.29
1.42
0.02
0.10
0.06
0.21
0.00
0.00
0.97
0.25
0.33
0.01
3.16
0.14
3.23
0.00
0.22
0.00
0.23
1.89
0.09
0.41
0.12
0.06
2.41
0.01
0.11
0.00
0.00
0.88
1.70
0.55
0.01
4.33
0.09
0.00
0.00
25.67
0.08
0.00
3.26
0.00
0.00
0.17
3.35
0.02
0.03
2.45
0.00
0.21
11.00
4.56
2.20
10.86
13.02
2.83
15.14
0.27
0.00
0.00
0.58
3.09
0.02
0.00
0.31
0.00
0.01
0.00
0.00
0.20
4.11
1.92
2.30
7.18
0.30
6.78
0.00
3.55
0.00
0.00
2.16
0.67
10.35
0.00
1.09
0.00
0.00
0.67
0.00
0.00
30.26
21.07
1.00
0.04
0.07
0.00
0.00
100.00
192.83
a: 契約の米ドル相当額により、物品が採掘・生産・成育・製造される原産国を表示。
b: 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
調達契約
合計 b
%
比率 b
0.00
13.31
0.04
0.00
1.69
0.00
0.00
0.09
1.74
0.01
0.01
1.27
0.00
0.11
5.70
2.36
1.14
5.63
6.75
1.47
7.85
0.14
0.00
0.00
0.30
1.60
0.01
0.00
0.16
0.00
0.01
0.00
0.00
0.10
2.13
0.99
1.19
3.72
0.16
3.52
0.00
1.84
0.00
0.00
1.12
0.35
5.37
0.00
0.57
0.00
0.00
0.35
0.00
0.00
15.69
10.93
0.52
0.02
0.04
0.00
0.00
0.00
34.81
13.03
0.00
151.29
2.05
3.89
32.95
7.32
753.15
0.34
15.14
1.19
3.72
56.62
48.28
8.80
179.94
360.72
20.93
59.59
3.88
0.13
67.97
4.46
9.61
32.10
0.53
2.59
1.36
4.77
0.00
0.00
22.05
9.65
9.29
2.46
78.74
3.53
79.77
0.06
8.57
0.00
5.16
44.90
2.66
19.65
2.81
2.53
54.42
0.33
3.07
0.00
0.00
50.23
59.47
13.47
0.37
98.07
2.03
0.00
0.00
1.42
0.53
0.00
6.16
0.08
0.16
1.34
0.30
30.69
0.01
0.62
0.05
0.15
2.31
1.97
0.36
7.33
14.70
0.85
2.43
0.16
0.01
2.77
0.18
0.39
1.31
0.02
0.11
0.06
0.19
0.00
0.00
0.90
0.39
0.38
0.10
3.21
0.14
3.25
0.00
0.35
0.00
0.21
1.83
0.11
0.80
0.11
0.10
2.22
0.01
0.13
0.00
0.00
2.05
2.42
0.55
0.02
4.00
0.08
0.00
100.00
2,454.43
100.00
統計付録
177
表 21
2000 年中のプログラム貸付による海外調達に係る供給国への推定支払額
a
(単位:百万ドル)
アフガニスタン
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
トゥヴァル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
国際機関
通常資本財源(OCR)
金額
%
0.00
0.00
25.95
3.54
1.12
0.15
0.00
0.00
10.73
1.46
4.43
0.60
0.36
0.05
5.05
0.69
7.99
1.09
21.46
2.93
0.00
0.00
1.44
0.20
0.00
0.00
3.29
0.45
20.66
2.82
26.76
3.65
9.04
1.23
55.49
7.57
5.47
0.75
11.78
1.61
66.82
9.12
0.00
0.00
0.00
0.00
39.10
5.33
0.00
0.00
0.00
0.00
29.57
4.03
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
1.22
0.17
0.00
0.00
0.72
0.10
5.42
0.74
2.28
0.31
1.87
0.26
109.25
14.91
5.05
0.69
47.34
6.46
0.36
0.05
47.59
6.49
1.80
0.25
4.79
0.65
0.63
0.09
5.58
0.76
6.78
0.92
11.16
1.52
0.00
0.00
15.92
2.17
0.00
0.00
1.51
0.21
0.00
0.00
0.00
0.00
16.08
2.19
87.82
11.98
0.00
0.00
0.36
0.05
12.97
1.77
0.00
0.00
0.00
0.00
アジア開発基金(ADF)
金額
%
0.00
0.00
2.17
1.08
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
6.57
3.28
7.03
3.51
0.00
0.00
2.73
1.36
0.00
0.00
0.00
0.00
2.66
1.33
1.60
0.80
0.00
0.00
6.36
3.17
1.35
0.67
0.00
0.00
2.37
1.18
0.00
0.00
0.00
0.00
1.57
0.78
0.00
0.00
0.00
0.00
2.11
1.05
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.24
0.12
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
1.02
0.51
0.00
0.00
0.00
0.00
50.39
25.15
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
53.05
26.48
0.00
0.00
0.06
0.03
0.00
0.00
0.00
0.00
0.60
0.30
0.14
0.07
9.16
4.57
13.06
6.52
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.44
0.22
12.45
6.22
4.16
2.07
4.80
2.40
11.55
5.76
2.75
1.37
0.00
0.00
OCR と ADF の合計
金額
%
0.00
0.00
28.12
3.01
1.12
0.12
0.00
0.00
10.73
1.15
4.43
0.47
0.36
0.04
5.05
0.54
14.57
1.56
28.49
3.05
0.00
0.00
4.17
0.45
0.00
0.00
3.29
0.35
23.32
2.50
28.35
3.04
9.04
0.97
61.85
6.63
6.81
0.73
11.78
1.26
69.19
7.41
0.00
0.00
0.00
0.00
40.67
4.36
0.00
0.00
0.00
0.00
31.68
3.39
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.24
0.03
1.22
0.13
0.00
0.00
0.72
0.08
6.44
0.69
2.28
0.24
1.87
0.20
159.65
17.10
5.05
0.54
47.34
5.07
0.36
0.04
100.64
10.78
1.80
0.19
4.85
0.52
0.63
0.07
5.58
0.60
7.37
0.79
11.30
1.21
9.16
0.98
28.98
3.11
0.00
0.00
1.51
0.16
0.00
0.00
0.00
0.00
16.51
1.77
100.27
10.74
4.16
0.45
5.16
0.55
24.52
2.63
2.75
0.29
0.00
0.00
合計
733.00
200.36
933.36
100.00
100.00
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a: IMF「貿易相手国統計」における借入国の入手可能な最新の統計数値から算出された輸入データに基づく推定。
100.00
178
2000 年 年次報告
表 22
a
原産国別調達契約の累計
技術援助
(2000 年 12 月 31 日現在)(金額の単位:百万ドル)
アフガニスタン
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
トゥヴァル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
国際機関
合計
ADB
の自己資金
0.00
91.00
0.15
0.00
6.00
2.72
0.06
0.37
52.36
4.47
0.01
9.23
0.38
3.75
13.81
10.96
11.26
23.57
9.73
4.20
15.93
0.14
0.03
4.15
0.15
2.32
6.55
0.05
0.07
0.00
0.34
0.63
0.00
3.97
17.13
40.45
2.34
7.16
0.71
43.87
0.56
10.44
0.41
0.49
8.75
4.59
7.91
1.06
0.04
7.53
0.18
0.09
0.00
0.04
110.77
158.86
0.05
0.72
1.29
0.48
23.23
%
比率
0.00
12.51
0.02
0.00
0.82
0.37
0.01
0.05
7.20
0.61
0.00
1.27
0.05
0.52
1.90
1.51
1.55
3.24
1.34
0.58
2.19
0.02
0.00
0.57
0.02
0.32
0.90
0.01
0.01
0.00
0.05
0.09
0.00
0.55
2.35
5.56
0.32
0.98
0.10
6.03
0.08
1.44
0.06
0.07
1.20
0.63
1.09
0.15
0.01
1.03
0.02
0.01
0.00
0.01
15.23
21.84
0.01
0.10
0.18
0.07
3.19
管理運用する
信託基金
0.00
17.70
0.00
0.00
1.37
0.71
0.02
0.00
26.47
0.90
0.00
1.82
0.00
4.59
10.52
4.91
1.25
3.95
1.29
0.64
5.66
0.00
0.00
0.98
0.00
0.00
0.08
0.00
0.00
0.00
0.00
0.48
0.00
0.89
18.77
3.64
3.16
0.17
0.00
9.29
0.00
0.00
0.00
1.29
1.06
2.85
4.65
0.07
0.00
1.89
0.00
0.08
0.00
0.00
36.32
41.88
0.02
0.00
0.03
0.00
4.07
%
比率
0.00
8.29
0.00
0.00
0.64
0.33
0.01
0.00
12.40
0.42
0.00
0.85
0.00
2.15
4.93
2.30
0.58
1.85
0.61
0.30
2.65
0.00
0.00
0.46
0.00
0.00
0.04
0.00
0.00
0.00
0.00
0.23
0.00
0.42
8.79
1.71
1.48
0.08
0.00
4.35
0.00
0.00
0.00
0.60
0.50
1.34
2.18
0.03
0.00
0.89
0.00
0.04
0.00
0.00
17.01
19.62
0.01
0.00
0.02
0.00
1.91
日本
特別基金
0.02
72.77
0.00
0.00
3.02
0.43
0.02
0.02
46.38
3.84
0.00
13.87
0.04
6.95
14.19
22.29
14.49
10.62
5.41
2.57
17.52
0.02
0.00
3.08
0.02
0.46
2.94
0.00
0.00
0.00
0.31
0.00
0.00
1.15
21.61
39.56
3.20
1.39
0.00
17.87
0.85
5.11
0.00
0.71
2.43
4.99
8.47
2.03
0.01
7.81
0.00
0.00
0.00
0.00
95.46
122.83
0.02
0.93
1.62
0.52
4.90
%
比率
0.00
12.45
0.00
0.00
0.52
0.07
0.00
0.00
7.93
0.66
0.00
2.37
0.01
1.19
2.43
3.81
2.48
1.82
0.93
0.44
3.00
0.00
0.00
0.53
0.00
0.08
0.50
0.00
0.00
0.00
0.05
0.00
0.00
0.20
3.70
6.77
0.55
0.24
0.00
3.06
0.15
0.87
0.00
0.12
0.42
0.85
1.45
0.35
0.00
1.34
0.00
0.00
0.00
0.00
16.32
21.01
0.00
0.16
0.28
0.09
0.84
調達契約
合計
0.02
181.46
0.15
0.00
10.39
3.86
0.09
0.40
125.21
9.20
0.01
24.91
0.41
15.29
38.52
38.16
27.00
38.13
16.44
7.42
39.11
0.16
0.03
8.21
0.18
2.78
9.57
0.06
0.07
0.00
0.65
1.12
0.00
6.01
57.51
83.66
8.70
8.72
0.71
71.03
1.42
15.55
0.41
2.50
12.24
12.43
21.03
3.16
0.05
17.23
0.18
0.18
0.00
0.04
242.54
323.57
0.09
1.65
2.95
1.00
32.19
%
比率
0.00
11.89
0.01
0.00
0.68
0.25
0.01
0.03
8.21
0.60
0.00
1.63
0.03
1.00
2.52
2.50
1.77
2.50
1.08
0.49
2.56
0.01
0.00
0.54
0.01
0.18
0.63
0.00
0.00
0.00
0.04
0.07
0.00
0.39
3.77
5.48
0.57
0.57
0.05
4.66
0.09
1.02
0.03
0.16
0.80
0.81
1.38
0.21
0.00
1.13
0.01
0.01
0.00
0.00
15.90
21.21
0.01
0.11
0.19
0.07
2.11
727.51
100.00
213.48
100.00
584.74
100.00
1,525.74
100.00
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a: 契約の米ドル相当額により、物品が採掘・生産・成育・製造される原産国を表示。
統計付録
179
表 23
1998 ∼ 2000 年の原産国別調達契約
技術援助(金額の単位:百万ドル)
a
1998 年
2000 年 a
1999 年
アフガニスタン
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
トゥヴァル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
国際機関
金額
0.00
16.68
0.00
0.00
0.94
0.01
0.02
0.03
9.76
2.76
0.00
3.22
0.01
2.15
0.59
2.56
3.38
3.26
0.55
1.19
2.79
0.01
0.00
0.35
0.01
0.05
0.30
0.01
0.06
0.00
0.04
0.01
0.00
0.39
8.60
9.04
0.13
0.37
0.19
8.65
0.00
0.56
0.01
0.00
0.80
1.21
0.99
0.04
0.01
2.13
0.00
0.00
0.00
0.00
15.55
33.36
0.02
0.17
0.13
0.00
2.35
%
0.00
12.32
0.00
0.00
0.69
0.00
0.01
0.02
7.21
2.04
0.00
2.38
0.01
1.59
0.43
1.89
2.50
2.40
0.41
0.87
2.06
0.01
0.00
0.25
0.01
0.04
0.22
0.01
0.04
0.00
0.03
0.01
0.00
0.29
6.35
6.67
0.10
0.27
0.14
6.38
0.00
0.42
0.01
0.00
0.59
0.89
0.73
0.03
0.01
1.57
0.00
0.00
0.00
0.00
11.48
24.63
0.02
0.13
0.10
0.00
1.73
金額
0.00
16.38
0.00
0.00
0.40
0.40
0.03
0.03
7.31
1.07
0.00
0.14
0.00
0.57
3.54
3.20
0.92
2.43
1.04
0.48
3.48
0.01
0.03
0.28
0.04
0.12
1.33
0.00
0.02
0.00
0.06
0.15
0.00
0.23
2.37
12.07
0.20
0.84
0.02
5.43
0.02
1.60
0.21
0.02
0.14
0.10
1.41
0.00
0.01
2.36
0.00
0.00
0.00
0.00
22.95
27.44
0.04
1.22
0.91
0.50
0.04
%
0.00
13.26
0.00
0.00
0.32
0.32
0.02
0.02
5.92
0.86
0.00
0.11
0.00
0.46
2.86
2.59
0.74
1.97
0.84
0.39
2.81
0.01
0.02
0.23
0.03
0.09
1.07
0.00
0.01
0.00
0.05
0.12
0.00
0.19
1.92
9.77
0.16
0.68
0.02
4.39
0.02
1.30
0.17
0.02
0.11
0.08
1.14
0.00
0.01
1.91
0.00
0.00
0.00
0.00
18.57
22.21
0.03
0.99
0.73
0.40
0.03
金額
0.00
20.99
0.00
0.00
1.43
0.13
0.02
0.07
12.13
1.28
0.01
1.84
0.03
1.54
0.22
6.45
4.61
1.91
0.68
0.95
2.64
0.02
0.00
0.12
0.05
2.01
0.62
0.03
0.00
0.00
0.17
0.09
0.00
0.32
11.29
6.89
0.69
0.52
0.13
8.68
0.34
1.15
0.18
0.00
3.34
0.63
2.18
0.03
0.00
1.39
0.00
0.00
0.00
0.04
19.22
35.90
0.02
0.09
1.50
0.48
0.01
%
0.00
13.54
0.00
0.00
0.92
0.08
0.01
0.04
7.82
0.83
0.01
1.18
0.02
0.99
0.14
4.16
2.97
1.23
0.44
0.61
1.70
0.01
0.00
0.08
0.03
1.30
0.40
0.02
0.00
0.00
0.11
0.06
0.00
0.20
7.28
4.44
0.45
0.34
0.08
5.60
0.22
0.74
0.12
0.00
2.15
0.41
1.40
0.02
0.00
0.90
0.00
0.00
0.00
0.02
12.39
23.15
0.01
0.06
0.97
0.31
0.01
合計
135.45
100.00
123.53
100.00
155.05
100.00
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a: 契約の米ドル相当額により、物品が採掘・生産・成育・製造される原産国を表示。
180
2000 年 年次報告
表 24
1967 ∼ 2000 年、1999 年、2000 年の国及び地域別無償技術援助
a
(金額の単位:千ドル)
1967 ∼ 2000 年 b
件数
金額
1999 年
%
件数
ADB による JSF による ACCSF による その他
資金供与 資金供与 資金供与 c 資金源
合計
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
16
−
260
2,565.70
−
140,763.33
0.14
−
7.41
−
−
15
−
−
3,979.00
−
−
3,400.00
−
−
−
−
−
3,500.00
−
−
10,879.00
ブータン
カンボジア
中国
71
75
352
26,525.15
54,148.60
183,166.05
1.40
2.85
9.64
5
14
28
550.00 1,650.00
− 2,981.00
5,338.00 14,592.00
−
−
−
−
860.00
−
2,200.00
7,541.00
19,930.00
クック諸島
東ティモール
フィジー諸島
23
12
63
7,495.00
4,942.90
18,916.80
0.39
0.26
1.00
−
−
7
−
−
2,466.50
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
2,466.50
インド
インドネシア
カザフスタン
129
389
34
63,326.86
165,045.27
18,854.00
3.33
8.69
0.99
11
19
2
6,655.00
850.00
−
−
3,636.00
850.00
−
5,788.00
−
500.00
1,000.00
700.00
7,155.00
11,274.00
1,550.00
29
33
42
9,040.00
5,010.15
26,040.50
0.48
0.26
1.37
1
−
6
861.00
−
2,322.50
−
−
600.00
−
−
−
−
−
−
861.00
−
2,922.50
174
92
38
83,517.78
25,202.30
13,478.00
4.40
1.33
0.71
11
−
3
1,270.00
−
995.00
4,040.00
−
810.00
−
−
−
−
−
−
5,910.00
−
1,805.00
36
29
92
14,527.00
18,352.00
45,970.65
0.76
0.97
2.42
2
5
8
600.00
1,300.00
2,201.00
−
−
1,920.00
−
−
−
−
−
−
600.00
1,300.00
4,121.00
ミャンマー
ナウル
ネパール
38
5
214
10,716.00
1,244.00
96,569.70
0.56
0.07
5.08
−
2
10
−
244.00
2,060.00
−
−
2,230.00
−
−
−
−
−
−
−
244.00
4,360.00
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
211
109
273
85,477.40
35,001.60
112,594.25
4.50
1.84
5.93
7
7
10
1,800.00
2,508.00
4,650.00
300.00
1,081.00
1,000.00
−
−
1,690.00
−
−
−
2,100.00
3,589.00
7,340.00
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
66
2
51
17,801.50
577.42
10,900.24
0.94
0.03
0.57
5
−
7
1,290.00
−
990.00
−
−
−
−
−
−
−
−
150.00
1,290.00
−
1,140.00
スリランカ
台湾
タジキスタン
181
1
19
70,284.60
100.00
10,340.00
3.70
0.01
0.54
12
−
7
4,400.00
−
1,045.00
3,530.00
−
2,795.00
−
−
−
−
−
−
7,930.00
−
3,840.00
タイ
トンガ
トルクメニスタン
133
43
−
49,028.60
10,776.50
−
2.58
0.57
−
5
−
−
2,650.00
−
−
−
−
−
3,000.00
−
−
600.00
−
−
6,250.00
−
−
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
12
30
44
118
3,036.00
17,700.00
12,114.76
75,515.46
0.16
0.93
0.64
3.98
1
8
7
13
600.00
2,250.00
2,045.00
2,380.00
−
1,400.00
−
6,568.00
−
−
−
−
−
−
−
1,390.00
600.00
3,650.00
2,045.00
10,338.00
小計
3,539
1,546,666.06
81.43
238
地域
963
352,639.76
18.57
76
4,502
1,899,305.83
100.00
314
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
合計
62,000.00 53,453.00 10,478.00
9,300.00 135,231.00
25,145.00
4,861.60
7,510.00
−
37,516.60
87,145.00 60,963.00 10,478.00 14,161.60 172,747.60
a: ADB の貸付のデータには含まれている貸付による技術援助は除く。
b: 累計の数値は、政府が撤回した技術援助プロジェクトを除外して調整している。
c: アジア通貨危機支援資金。
統計付録
181
2000 年
%
件数
ADB による
資金供与
JSF による ACCSF による
資金供与 資金供与 c
その他
資金源
金額
%
−
−
6.30
−
−
7
−
−
600.00
−
−
4,590.00
−
−
−
−
−
−
−
−
5,190.00
−
−
3.02
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
1.27
4.37
11.54
5
9
25
100.00
1,050.00
5,665.00
1,954.00
3,386.00
11,050.40
−
−
−
−
−
−
2,054.00
4,436.00
16,715.40
1.19
2.58
9.72
ブータン
カンボジア
中国
−
−
1.43
2
12
4
280.00
4,042.90
590.00
−
900.00
−
−
−
−
−
−
−
280.00
4,942.90
590.00
0.16
2.87
0.34
クック諸島
東ティモール
フィジー諸島
4.14
6.53
0.90
16
16
6
9,545.00
3,180.00
100.00
−
2,195.00
3,480.00
−
5,825.00
−
−
2,180.00
−
9,545.00
13,380.00
3,580.00
5.55
7.78
2.08
インド
インドネシア
カザフスタン
0.50
−
1.69
2
−
8
150.00
−
1,185.00
350.00
−
3,090.00
−
−
−
−
−
650.00
500.00
−
4,925.00
0.29
−
2.86
キリバス
韓国
キルギス
3.42
−
1.04
13
−
3
5,350.00
−
750.00
2,300.00
−
700.00
−
−
−
−
−
−
7,650.00
−
1,450.00
4.45
−
0.84
ラオス
マレーシア
モルジブ
0.35
0.75
2.39
4
2
5
548.00
800.00
600.00
340.00
−
2,985.00
−
−
−
−
−
−
888.00
800.00
3,585.00
0.52
0.47
2.08
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
−
0.14
2.52
−
1
9
−
−
3,580.00
−
300.00
3,735.00
−
−
−
−
−
−
−
300.00
7,315.00
−
0.17
4.25
ミャンマー
ナウル
ネパール
1.22
2.08
4.25
8
8
12
7,905.00
736.00
1,393.20
−
1,420.00
3,228.00
−
−
1,775.00
−
1,181.00
−
7,905.00
3,337.00
6,396.20
4.60
1.94
3.72
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
0.75
−
0.66
3
−
2
1,320.00
−
800.00
500.00
−
−
−
−
−
−
−
−
1,820.00
−
800.00
1.06
−
0.47
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
4.59
−
2.22
11
−
10
1,085.00
−
450.00
5,600.00
−
3,800.00
−
−
−
−
−
600.00
6,685.00
−
4,850.00
3.89
−
2.82
スリランカ
台湾
タジキスタン
3.62
−
−
6
2
−
450.00
271.00
−
1,600.00
−
−
−
−
−
500.00
−
−
2,550.00
271.00
−
1.48
0.16
−
タイ
トンガ
トルクメニスタン
0.35
2.11
1.18
5.98
1
5
4
12
−
300.00
1,033.00
1,755.00
250.00
3,020.00
330.00
4,924.00
−
−
−
−
−
−
67.00
2,440.00
250.00
3,320.00
1,430.00
9,119.00
0.15
1.93
0.83
5.30
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
78.28
233
55,614.10
66,027.40
7,600.00
7,618.00
136,859.50
79.58
小計
21.72
73
22,046.00
11,060.00
−
2,022.00
35,128.00
20.42
地域
100.00
306
77,660.10
77,087.40
7,600.00
9,640.00
171,987.50
100.00
合計
182
2000 年 年次報告
表 25
2000 年中の無償技術援助
(単位:千ドル)
プロジェクト準備
バングラデシュ
非公式第 2 次教育
地域鉄道交通拡充
道路網の改善・保守整備
年金・保険セクター・プロジェクト
バングラデシュ鉄道の組織改革(第 3 段階)
証券為替委員会及び特定の資本市場機関の能力開発
国民所得勘定及び貧困モニタリング制度の強化
ブータン
貧困の評価・分析
道路計画・管理強化
公共セクター資源管理
国家技術訓練当局の制度の発展
金融機関のプロジェクト査定及びポートフォリオ管理
600.00a
a
900.00
800.00a
a
600.00
−
−
−
−
−
−
−
−
諮問・実施
−
−
−
−
840.00a
a
850.00
600.00
100.00
954.00a
a
300.00
300.00a
a
400.00
カンボジア
教育セクター開発プログラム
金融セクター開発プログラム
農村開発
輸送の官民提携の能力開発
教育の戦略的支援
地方の電力供給管理の戦略策定
観光の企画の能力開発
HIV / AIDS の予防・防止の能力開発
土地法の実施
800.00a
a
800.00
600.00a
−
−
−
−
−
−
−
−
−
150.00
150.00
150.00
586.00a
a
600.00
600.00
中国
寧夏・Shapotou 水資源開発
貢州・竜岩鉄道
河北省廃水処理施設
四川省南部道路開発
福建省土壌保全・農村開発プロジェクト(第 2 段階)
ハルピン給水設備
社会評価の能力開発
中国における農業研究の資金調達オプションの調査
都市部の固形廃棄物の管理強化
入札法及び関連規則の実施
酸性雨防止・環境改善
中国 2020 年プロジェクトの政策支援(第 3 段階)
中小企業信用支援制度の開発
乾燥地の生態系における土地の劣化に関するグローバルな環境ファシリティー提携
企業のサンプル調査システムの確立
中小都市基盤整備開発の調査
中国開発銀行の制度強化
中小企業向け融資政策・仕組みの開発
民間セクター開発
地域間送電網開発戦略
930.00a
750.00a
850.00a
800.00a
650.00
720.00a
−
−
−
−
964.00a
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
781.40a
150.00
600.00a
565.00
−
900.00
750.00
100.00
600.00
150.00
600.00a
700.00a
600.00
800.00a
a: 日本特別基金(JSF)から資金供与。
統計付録
183
表 25 続き
プロジェクト準備
中国
国内土壌・水質保護戦略の策定
江蘇幹線道路の BOT(ビルド・オペレート・トランスファー)プロジェクト
管轄区を超えた環境管理(技術援助の部分)
第 10 次 5ヵ年計画に基づく社会保障改革の政策支援
中国の新貧困戦略に基づく貧困区域開発計画立案の方法論の作成
諮問・実施
−
−
−
−
−
800.00
a
555.00
2,100.00b
150.00
150.00
クック諸島
経済報告書の作成
退職金・保険制度の見直し
東ティモール
コミュニティ・エンパワーメント・プログラム
輸送セクターの復興
ガバナンス(統治)及び公共セクター管理の能力開発
東ティモールにおける貧困評価・分析(第 1 段階)
電話通信セクターの復旧
マイクロファイナンス(小口貸付)
環境影響評価能力向上
電話通信セクターの復旧(第 2 段階)
経済・社会開発戦略の策定
地方自治体の能力開発
マイクロファイナンス(小口貸付)政策及び法的枠組みの強化
経済政策フォーラム
−
−
180.00
100.00
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
990.00
1,000.00
1,000.00
52.90
150.00
150.00
250.00
150.00
a
650.00
150.00
a
250.00
150.00
フィジー諸島
負債管理の強化
中期国内開発計画の策定
先住民土地信託委員会の土地台帳作成及び土地境界設定の能力開発
フィジー開発銀行の見直し
−
−
−
−
150.00
150.00
140.00
150.00
150.00
150.00
150.00
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
1,000.00
3,620.00
150.00
800.00
600.00
300.00
690.00
85.00
インド
ウェストベンガル回廊開発プロジェクトのための予備エンジニアリング
ウェストベンガル回廊開発プロジェクトのための再定住及び環境影響評価
ウェストベンガル回廊開発プロジェクトのための経済・貧困分析
ケララ州の財政改革支援
州レベルにおける環境管理(技術援助の部分)
ウェストベンガル南北経済回廊開発のための官民合弁会社の設立
保険関連規則・開発担当当局のための政策/業務支援及び能力開発
第 2 公債市場の育成
インド都市部の貧困削減
州レベルにおける参加型貧困評価
インド州改革フォーラム 2000 の支援
a: 日本特別基金(JSF)から資金供与。
b: この金額のうち、200 万ドルは JSF から資金供与。
184
2000 年 年次報告
表 25 続き
プロジェクト準備
インド
財務省の援助アカウント/監査部(Aid Accounts and Audit Division)の制度強化
グジャラート電力委員会再編計画
電力セクター改革における消費者の意識啓蒙及び参加
グジャラート電力委員会の支援
地場金融機関に対する住宅都市開発公社の貸付能力の育成
−
−
−
−
−
諮問・実施
600.00
600.00
50.00
450.00
150.00
インドネシア
保険/医療サービスの分権化
基礎教育分権化プロジェクトの準備
離島の電化
貧農の所得改善
社会保護セクター開発プログラムの監視・評価(補完的)
保健・栄養セクター開発プログラムの監視・評価(補完的)
公費管理・分権化の展望
規制緩和と競争の推進
中小企業育成
公共セクターの調達の改善
公共告訴サービスのガバナンス監査
企業統治改革
財務管理システム
天然資源管理分散化の能力開発
保健/医療セクター改革の支援
政府の汚職防止の努力を支援する広報活動
180.00
150.00b
800.00
420.00c
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
a
−
−
−
−
b
2,000.00
1,000.00d
d
225.00
1,500.00d
d
2,000.00
780.00
1,000.00
300.00
d
1,100.00
775.00c
c
1,000.00
150.00
カザフスタン
イナゴ管理プロジェクトの準備
農村給水セクター
道路セクターの効率改善
農業改革・開発プログラムの高度化
包括的中期貧困削減戦略
公共投資プログラム策定の能力開発
100.00
600.00c
−
−
−
−
−
−
750.00c
800.00c
830.00c
500.00c
キリバス
離島開発プログラム
公共サービス改革
350.00c
−
−
150.00
キルギス
コミュニティを中心とする幼児期の育成
企業統治・企業改革プログラム(第 2 段階)
農業水資源省の能力開発(第 2 段階)
コミュニティを中心とする基盤整備サービスの組織強化
国内貧困削減戦略の支援
環境監視・管理の能力開発Ⅱ
道路セクターの効率改善
技能・起業育成ができる環境改善
700.00c
700.00c
−
−
−
−
−
−
−
−
585.00
650.00c
600.00
650.00e
440.00c
600.00c
a:
b:
c:
d:
e:
この金額のうち、30,000 ドルは ADB が実施機関となり、オーストラリア政府から資金供与。
ADB が実施機関となり、オーストラリア政府から資金供与。
JSF から資金供与。
アジア通貨危機支援基金(ACCSF)から資金供与。
ADB が実施機関となり、フィンランド政府から資金供与。
統計付録
185
表 25 続き
プロジェクト準備
諮問・実施
ラオス
小都市開発
エネルギー・輸送の社会環境管理
ナムヌグム(Nam Ngum)川流域開発
小自作農育成プロジェクト
マネジメント情報システム(第 2 段階)(補完的)
チエンライ・昆明幹線道路のラオス分に対する譲許的協定の評価
農業戦略の実施に向けて
ラオスの参加型貧困評価
農村融資の発展(技術援助の部分)
企業統治及び国営の商業銀行のマネジメント強化
一次医療の能力開発
道路部の社会・環境管理能力の強化
参加型の貧困のモニタリング・評価
700.00a
150.00
850.00a
a
750.00
−
−
−
−
−
−
−
−
−
モルジブ
情報技術開発
科学技術基本計画
モルジブ税関の能力開発
150.00
−
−
−
600.00
a
700.00
マーシャル諸島
離島の輸送基盤整備
財務省の能力強化
コミュニティを中心とする沿岸海洋資源の開発
健康管理情報システムの見直し
340.00a
−
−
−
−
150.00
298.00
100.00
ミクロネシア連邦
成績主体の公共金融マネジメントの能力改善
法へのアクセス改善
モンゴル
農村金融
住宅セクター金融
地籍調査・土地登記の能力開発
金融セクター開発の強化
農業の能力開発
ナウル
財務省の強化及び統計局の支援
ネパール
第 2 中等教育セクター
金融サービス提供改善のための情報/通信技術
女性受益者の集団作り・訓練(補完的)
行政事務改革の行動計画策定(補完的)
a: 日本特別基金(JSF)から資金供与。
−
−
700.00a
600.00a
−
−
−
−
800.00a
565.00a
−
−
−
−
−
−
280.00
150.00
100.00
150.00
2,020.00
900.00
800.00
200.00
600.00
500.00
300.00
−
−
990.00a
600.00
695.00a
300.00a
−
−
200.00a
30.00
186
2000 年 年次報告
表 25 続き
プロジェクト準備
ネパール
国内統計システムの強化
会社・破産・担保付取引法改革
農業セクターの業績見直し
ネパール電力担当当局の経営改革及び能率改善
企業統治・金融統治の強化(技術援助の部分)
諮問・実施
770.00a
250.00
600.00a
a
800.00
3,300.00
−
−
−
−
−
パキスタン
資本市場育成プログラムⅡの準備に向けた資本市場の奥行きの拡充
財務省の負債及びリスク管理の能力開発
国内電力規制担当当局の能力開発
司法改革のための制度力の強化
カラチ電力供給公社の民営化支援
輸出振興局の制度強化(技術援助の部分)
国営生命保険公社の事業の見直し
政府・非政府組織協力の制度強化
150.00
−
−
−
−
−
−
−
パプア・ニューギニア
ガバナンス(統治)及び公共セクター改革プログラム(補完的)
農工業育成
沿岸漁業の管理・育成
コミュニティの水輸送プロジェクト
保健/医療セクターの金融管理強化(補完的)
鉱業及び炭化水素税制度の見直し
インフォーマル・セクター開発に対する制約の見直し
海洋航行標識システムの修復
381.00
500.00a
a
340.00
580.00a
−
−
−
−
b
−
−
−
−
186.00
325.00
225.00
800.00b
998.00a
600.00a
1,000.00a
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
120.00
123.20
100.00
750.00
630.00a
1,000.00c
150.00
775.00c
150.00
フィリピン
教育セクター開発プログラム
農村の電化
農村の道路開発
生物多様性条約の実施
貧困に関する ADB・国連開発プログラム・世界銀行の共同協議
旗艦委員会の中に政府開発援助部を設立
農村の電化関連の制度強化
穀物政策及び制度改革
パシグ川の環境管理・再生のための能力開発支援
住宅都市開発セクターの制度強化
管理能力の強化及び技術教育・技能育成システムの質の向上
貧困層の就学に関する調査
サモア
教育支援
金融・事業諮問機関の能力開発
都市計画・管理の能力開発
a: 日本特別基金(JSF)から資金供与。
b: ADB が実施機関となり、オーストラリア政府から資金供与。
c: ACCSF から資金供与。
−
−
−
−
995.00
1,000.00
2,900.00
1,000.00
800.00
660.00
400.00
820.00
500.00
500.00a
187
統計付録
表 25 続き
ソロモン諸島
非公式の職業教育・訓練
公共セクター管理の強化(第 2 段階)
スリランカ
東部の州の沿岸地域開発
東北部緊急復旧プロジェクトの準備
2 次都市の上下水道設備
大農場育成
中等教育以後の教育近代化
道路セクターの制度再構築(補完的)
鉄道の官民提携の確立
国内上下水道委員会の会計審査
石油・ガス探査への民間セクターの参加推進
民間セクター育成のためのガバナンス(統治)及び制度支援
中小企業育成
プロジェクト準備
諮問・実施
250.00
−
−
550.00
1,000.00
150.00
a
1,000.00
800.00a
a
500.00
−
−
−
−
−
−
a
−
−
−
−
−
360.00
150.00
100.00
325.00
1,900.00a
a
400.00
タジキスタン
地域鉄道の改善
農業復興
水害管理改善戦略
農村の金融システム育成支援
国内貧困削減戦略の策定
バルキタジクの請求/集金システムの改善
バルキタジクにおける国際会計基準の導入
道路セクターの制度・政策支援
環境影響評価・モニタリングの能力開発
援助の調整及び対外債務管理の改善(技術援助の部分)
150.00
a
750.00
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
550.00a
150.00
150.00
a
500.00
500.00a
500.00a
600.00b
1,000.00a
タイ
固形廃棄物管理セクター
サムートプラカン(Samut Prakan)廃水管理のためのコミュニティの評価・育成
地域環境管理のための能力開発
マエモウ(Mae Moh)の環境評価
教育セクター改革
事業再編成・破産の研修
150.00
−
−
−
−
−
トンガ
経済報告書の作成
貧困評価
−
−
トゥヴァル
トゥヴァル海洋研修所の機能向上
250.00a
ウズベキスタン
都市部の社会基盤整備開発
企業統治改革プログラム
上級中等教育制度の中間レビュー
720.00a
700.00a
−
a: 日本特別基金(JSF)から資金供与。
b: ADB が実施機関となり、フィンランド政府から資金供与。
c: ADB が実施機関となり、スイス政府から資金供与。
−
150.00
900.00a
500.00c
700.00a
150.00
124.00
147.00
−
−
−
1,000.00a
188
2000 年 年次報告
表 25 続き
プロジェクト準備
ウズベキスタン
保険業界の育成
鉄道セクターの開発振興
バヌアツ
技能育成
バヌアツ国内女性評議会の制度強化
包括的改革プログラムのための中央諸官庁の制度支援(第 3 段階)
法律セクターの能力開発
ベトナム
中央部地域の貧困削減
地方の道路改善
ベトナムにおける貧困層の人的資本:政策のオプション
国内貧困削減戦略策定の支援
提携構想を通じた政府開発援助の効果改善
食物が原因の疾病を予防するための能力開発
低所得層の住宅及び 2 次都市の都市開発ニーズの評価調査
水資源管理のための能力開発(技術援助の部分)
中等教育セクター基本計画
農村の事業支援
農業・農村開発省の計画能力の強化
破産法改正の支援
合計
a
b
c
d
−
−
諮問・実施
300.00
a
600.00
250.00b
−
−
−
−
150.00
700.00
a
330.00
824.00a
a
1,000.00
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
145.00
150.00
150.00
a
500.00
500.00a
c
3,800.00
600.00d
1,000.00
300.00a
150.00
33,862.00
:日本特別基金(JSF)から資金供与。
:この金額のうち、67,000 ドルは ADB が実施機関となり、ニュージーランド政府から資金供与。
:この金額のうち、180 万ドルは ADB が実施機関となり JSF から、同じく 200 万ドルはニュージーランド政府から資金供与。
:この金額のうち、440,000 ドルは ADB が実施機関となり、ベルギー政府から資金供与。
102,997.50
統計付録
189
表 26
1967 ∼ 2000 年、1999 年、2000 年のセクター別無償技術援助
a
(金額の単位:千ドル)
1967 ∼ 2000 年 b
件数
金額
%
農業・天然資源
エネルギー
件数
1999 年
金額
%
件数
2000 年
金額
%
1,000
383
444,228.14
157,729.05
28.72
10.20
45
19
28,301.00
9,754.00
20.93
7.21
33
15
24,033.00
9,289.00
17.56
6.79
金融
工業・非燃料鉱業
300
121
119,478.36
43,344.70
7.72
2.80
20
3
14,870.00
2,750.00
11.00
2.03
25
4
17,825.00
4,700.00
13.02
3.43
社会基盤整備
運輸・通信
669
449
283,841.97
198,923.95
18.35
12.86
51
26
25,694.50
14,636.00
19.00
10.82
46
31
24,699.00
15,199.00
18.05
11.11
マルチセクター
その他
33
584
25,275.90
273,844.00
1.63
17.71
4
70
2,800.00
36,425.50
2.07
26.94
5
74
2,497.90
38,616.60
1.82
28.22
3,539
1,546,666.06
100.00
238
135,231.00
100.00
233
136,859.50
100.00
合計
c
a: 貸付による技術援助活動(貸付のデータには含まれている)及び地域活動は除く。
b: 累計の数値は政府が撤回した技術援助を除外して調整している。
c: 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
表 27
2000 年中のセクター別技術援助貸付及び無償供与
貸付
農業・天然資源
エネルギー
無償供与 a
合計
%
62.53
11.68
24.03
9.29
86.56
20.97
22.65
5.49
6.46
0.00
17.82
4.70
24.28
4.70
6.35
1.23
社会基盤整備
運輸・通信
66.61
69.03
24.70
15.20
91.31
84.23
23.89
22.04
マルチセクター
その他
15.67
13.30
2.50
38.62
18.17
51.92
4.75
13.59
245.28
136.86
382.14
100.00
金融
工業・非燃料鉱業
合計
a: 域内技術援助は除く。
190
2000 年 年次報告
表 28
2000 年中の地域技術援助
単位:千ドル
会議
貧困削減問題に関する ADB / ADB 研究所能力開発セミナー
南アジア東部地域の経済協力に関する民間セクター・フォーラム第 1 回会議
国際会議:「過去 30 年の貧困に関する研究から何を学んだか」
小口貸付サミット・アジア太平洋地域会議
世界公衆衛生協会連盟第 9 回国際会議
第 33 回年次総会のための域内技術援助:1.貧困削減:基盤整備/ガバナンス会議;
2.金融・経済におけるハイレベル女性セミナー;3.アジア企業統治円卓会議(香港)
第 2 回アジア開発フォーラム
ADB・経済協力開発機構(OECD)共催による「アジアの視点−アジアにおける技術と貧困削減」
に関する第 7 回フォーラム
ADB・OECD 共催による「危機後における開発資源の流動化」に関する第 6 回フォーラム
情報通信技術及び教育の支援
第 10 回 ADB 租税会議
第 3 回アジア開発フォーラム
アジアの経済見通しに関する第 13 回ワークショップ
研究
国際農業研究センター諮問グループにおける第 5 次農業・天然資源研究
調査
車両の排ガス削減行動計画
輸送及びエネルギーの基盤整備が貧困削減に及ぼす影響の評価
先住民/小数民族問題と貧困削減のための能力開発
太平洋地域の開発途上加盟国(DMCs)の伝統的環境管理を推進するための能力開発
アジアにおける砂漠化との闘い
マイクロファイナンス(小口貸付)の商業化
中央アジアの経済発展の比較評価
太平洋地域における協調的空域管理
アジア太平洋地域におけるマネーロンダリング対策
メコン河流域地域における麻薬撲滅
アジアにおける経済協力
電話通信バックボーン・ネットワーク・プロジェクトの立ち上げ(第 1 段階)
南アジア地域プロジェクトの明確化・優先順位の決定
貧困削減に関連する障害問題の改善
太平洋地域の DMCs の貧困評価
移民間のヒト免疫不全ウィルス/後天性免疫不全症候群(HIV / AIDS)の予防
太平洋地域における民間セクター育成
貧困層を対象とした都市サービスにおける官民のコミュニティの提携
中央アジアにおける地域経済協力(第 2 段階の 2 年目)
メコン河流域地域における電力接続に関する指示的域内基本計画
官民提携を通じたアジアにおける微量栄養素不足を撲滅するための域内指示
a
b
c
d
e
:日本特別基金(JSF)から資金供与。
:この金額のうち、280,000 ドルは ADB が実施機関となり、デンマーク政府から資金供与。
:この金額のうち、200,000 ドルは ADB が実施機関となり、国際機構(Global Mechanism)から資金供与。
:この金額のうち、742,000 ドルは ADB が実施機関となり、ノルウェー政府から資金供与。
:この金額のうち、800,000 ドルは ADB が実施機関となり JSF から、同じく 300,000 ドルはデンマーク政府から資金供与。
63.00
30.00
740.00
140.00
50.00
150.00
200.00
145.00
100.00
100.00
150.00a
150.00
200.00
6,080.00b
a
900.00
800.00
400.00
300.00a
450.00c
a
700.00
250.00
350.00
650.00a
150.00
150.00
150.00
785.00
300.00
400.00
160.00
350.00
550.00
a
420.00
d
900.00
1,100.00e
統計付録
191
表 28 続き
単位:千ドル
単位:千ドル
調査
中央アジア共和国諸国における域内送電近代化プロジェクト
アジア太平洋地域における栄養動向、政策、戦略に関する域内調査
道路資産管理
中国と内モンゴル自治区東部間の経済協力の開発オプションに関する戦略調査、都市環境の改善を
通じた中国とモンゴルの貧困削減戦略
都市環境改善による貧困削減戦略
DMCs における貧困者を裨益する経済成長及び貧困削減に対する制度的制約に関する調査
セクター開発と改革活動におけるガバナンスと貧困の関係に関する調査
アジアの貧困削減と食料安全保障実現におけるバイオテクノロジー利用の可能性に関する調査
教育改革管理における地域協力
2000 年の DMCs における ADB 業務の特別評価調査(第 2 段階)
2000 年の DMCs における ADB 業務の特別評価調査のための技術援助(第 1 段階)
250.00a
500.00a
610.00
600.00a
140.00
a
750.00
760.00
840.00
研修
ADB 加盟 DMCs 諸国の公務員のための 2000 年∼ 2002 年オリエンテーション・プログラム
DMCs における 2001 年貸付実行研修セミナー
アジアの途上国のための情報通信技術戦略に関する ADB・ADB 研究所ワークショップ
中央アジア共和国諸国のための監査研修プログラム
金融関連の規則及び監督のための能力開発
東南アジア諸国連合(ASEAN)監視プロセスのための特定 DMCs における財務省の能力開発(第 2 段階)
自治体のサービス提供能力の強化(第 2 段階)
南太平洋最高監査機関加盟諸国のための長期地域研修プログラム(第 2 段階)
太平洋地域のガバナンスと民間セクターマネジメント研修プログラム
中央アジアにおける域内環境行動計画
情報通信技術に関する域内円卓会議
特定 DMCs のためのプロジェクトの経済分析に関する域内ワークショップ
2000 年∼ 2001 年におけるビジネスチャンスに関するセミナー
2000 年∼ 2001 年におけるコンサルティング・サービスの利用に関するセミナー
第 3 回 ADB コロンボ計画研修プログラム
750.00
150.00
50.00
a
500.00
800.00a
300.00
425.00
200.00
300.00
500.00b
90.00
240.00
500.00
500.00
50.00
その他
貧困に関するデータベースの作成
南アジアにおける婦女子の人身売買対策
域内技術援助のホームページの作成
ADB の長期戦略の枠組みに関する外部諮問委員会
貧しい女性を対象とした融資サービス
特定の DMCs における景況調査の調整・強化
国内再定住政策の強化及び能力開発
メコン河流域地域における域内協力の推進(第 4 段階の 2 年目)
水道及び規制担当機関の規制体制とネットワーク作り
メコン河流域地域マラリア撃退構想
メコン地域の中小企業の成長・育成
大型ダムの影響に関する東南アジア・東アジア域内協議
600.00
a
440.00
70.00
700.00
600.00
50.00
500.00a
a
800.00
a
500.00
a
600.00
750.00
100.00
合計
a: JSF から資金供与。
b: ADB が実施機関となり、フィンランド政府から資金供与。
900.00
50.00
150.00
a
35,128.00
192
2000 年 年次報告
表 29
a, b
1998 ∼ 2000 年の資金の純移転(通常資本財源及びアジア開発基金)
(単位:百万ドル)
1998 年
ADF
1999 年
2000 年
−
−
2.35
−
−
146.21
−
−
172.80
−
−
158.38
0.53
−
444.18
(0.07)
−
400.53
3.39
28.42
−
1.10
24.86
−
5.83
49.29
−
−
(5.39)
−
−
(2.90)
−
1.72
−
−
0.55
−
−
0.11
−
−
293.70
590.69
102.01
216.73
684.26
(11.05)
(137.91)
18.11
0.74
−
(7.43)
12.54
−
(6.36)
6.29
−
11.28
3.92
−
1,498.26
−
−
(257.35)
−
−
(320.69)
−
(0.07)
−
42.10
(0.08)
−
77.82
0.97
−
19.02
−
(30.86)
−
−
(47.93)
−
−
(20.05)
−
59.16
−
(0.08)
38.53
−
(0.02)
41.75
−
0.70
−
−
−
−
−
−
−
−
−
7.75
6.14
29.94
3.57
4.76
44.47
9.53
4.14
29.94
−
−
13.1 6
−
2.25
4.99
−
(0.07)
3.20
(0.31)
−
84.09
(0.05)
−
45.86
−
−
64.38
(21.02)
(1.33)
(31.73)
(81.82)
4.82
(292.41)
(39.79)
(15.05)
(191.59)
202.21
0.28
13.77
95.13
0.85
15.34
117.92
(2.54)
13.74
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
−
−
−
−
−
−
−
−
−
2.38
−
13.12
(2.05)
−
(0.98)
(2.09)
−
(0.46)
スリランカ
台湾
タジキスタン
(0.72)
−
−
3.38
−
−
6.10
−
−
92.94
−
−
67.96
−
9.79
40.40
−
12.22
384.13
−
−
209.04
−
−
(574.92)
−
−
(2.25)
4.31
−
(2.43)
1.52
−
(2.71)
2.16
−
−
1.36
−
−
15.58
−
−
55.41
−
−
0.46
11.02
2.80
0.09
5.85
(0.02)
1.19
9.94
(0.03)
48.68
2.50
21.46
38.15
0.06
124.07
−
185.77
−
193.08
−
925.29
(778.40)
875.88
793.74
782.07
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
タイ
トンガ
トルクメニスタン
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
合計
1998 年
OCR
1999 年
−
−
(0.30)
−
−
11.51
−
−
515.56
−
(4.85)
−
3,356.71
2000 年
−:当該データなし
()
: マイナス
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a: OCR における資金の純移転とは、貸付実行額から返済と利子/手数料の受取額を差し引いたものと定義される。民間セクター貸付と出資 (ネット)
を含む。
b: ADF における資金の純移転とは、貸付実行額から返済と利子/手数料の受領額を差し引いたものと定義される。民間セクター貸付を含む。
193
統計付録
表 30
1991 ∼ 2000 年の資金の純移転 (通常資本財源とアジア開発基金の合計)
a
(単位:百万ドル)
1991 ∼ 1995 年
平均
1996 年
1997 年
1998 年
1999 年
2000 年
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
(0.26)
−
249.03
−
−
226.75
−
−
112.65
−
−
145.91
−
−
184.31
−
−
160.73
ブータン
カンボジア
中国
2.52
10.29
293.57
2.09
31.71
547.49
6.34
9.75
375.44
3.39
28.42
515.56
1.63
24.86
444.18
5.76
49.29
400.53
クック諸島
フィジー諸島
香港
1.65
(5.08)
−
3.78
(4.44)
−
2.20
(4.39)
−
インド
インドネシア
カザフスタン
273.93
(7.38)
12.52
279.97
(1,198.26)
26.90
364.38
(115.65)
63.87
キリバス
韓国
キルギス
0.20
(35.06)
6.79
(0.14)
(141.51)
25.80
ラオス
マレーシア
モルジブ
29.56
(77.58)
3.15
0.55
(5.39)
−
0.11
(2.90)
−
293.70
583.26
114.55
216.73
677.90
(4.76)
(137.91)
29.39
4.66
(0.08)
1,912.16
51.24
(0.07)
1,498.26
42.10
(0.08)
(257.35)
77.82
0.97
(320.69)
19.02
80.50
(59.08)
5.68
81.67
(8.45)
2.50
59.16
(30.86)
(0.08)
38.53
(47.93)
(0.02)
41.75
(20.05)
0.70
1.02
0.07
21.39
2.96
0.11
33.00
9.99
11.31
65.91
7.75
6.14
29.94
3.57
4.76
44.47
9.53
4.14
29.94
ミャンマー
ナウル
ネパール
(10.50)
−
49.50
(16.70)
−
55.79
(17.17)
−
83.45
(0.31)
−
97.25
(0.05)
2.25
50.85
−
(0.07)
67.58
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
277.57
12.17
(38.25)
133.24
(14.89)
(122.73)
85.50
(1.18)
6.72
181.19
(1.05)
(17.96)
13.31
5.67
(277.07)
78.13
(17.59)
(177.85)
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
4.68
(5.52)
0.34
(0.97)
−
(0.35)
(1.48)
−
(0.02)
2.38
−
13.12
(2.05)
−
(0.98)
(2.09)
−
(0.46)
スリランカ
台湾
タジキスタン
102.24
(0.29)
−
126.73
−
−
70.61
−
−
92.22
−
−
71.34
−
9.79
46.50
−
12.22
タイ
トンガ
トルクメニスタン
(63.72)
2.65
−
(20.69)
2.40
−
456.69
1.58
−
381.88
4.31
−
206.61
1.52
−
(577.63)
2.16
−
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
−
−
1.50
−
−
0.15
−
−
0.01
−
1.82
11.02
2.80
15.67
5.85
(0.02)
56.60
9.94
ベトナム
地域
6.46
8.68
25.81
2.48
124.04
48.68
188.27
21.46
231.23
0.06
1,127.84
33.55
4,232.59
1,719.02
3.66
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
合計
145.89
(17.54)
3,753.90
1.72
(4.85)
−
−:当該データなし
( ):マイナス
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a: 資金の純移転とは、貸付実行額から返済と利子/手数料の受取額を差し引いたものと定義される。民間セクター貸付と出資(ネット)を含む。
194
2000 年 年次報告
財源
表 31
アジア開発基金の資金と約定枠
ADF(アジア開発基金)拠出金
(単位:百万ドル、2000 年 12 月 31 日現在)
1999 年 12 月 31 日
2000 年中の変動
2000 年 12 月 31 日
現在の額
追加拠出
為替レートの調整
純変動
現在の額
a
(米ドル換算額)(米ドル換算額)(米ドル換算額)
(米ドル換算額)(米ドル換算額)(SDR 換算額)
オーストラリア
オーストリア
ベルギー
カナダ
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インドネシア
イタリア
日本
韓国
マレーシア
ナウル
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
スペイン
スウェーデン
スイス
台湾
タイ
トルコ
英国
米国
827.24
139.09
125.46
1,057.59
136.06
74.14
686.70
1,093.35
16.42
12.46
420.69
11,383.12
50.70
3.74
1.93
402.23
43.35
101.82
77.77
168.94
223.24
25.83
2.02
93.25
637.16
2,647.91
−
3.23
3.25
29.03
4.09
3.01
19.95
24.37
3.85
2.50
21.49
244.37
9.56
1.29
−
11.30
7.47
4.18
2.35
6.62
6.03
3.11
0.62
7.14
25.21
77.00
(111.72)
(10.56)
(9.32)
(41.77)
(10.41)
(5.47)
(52.49)
(83.01)
−
−
(32.78)
(1,168.14)
(3.43)
−
−
(30.24)
(6.60)
(8.65)
(5.72)
(17.10)
(4.41)
−
(0.25)
−
(51.35)
−
(111.72)
(7.33)
(6.07)
(12.74)
(6.32)
(2.46)
(32.54)
(58.64)
3.85
2.50
(11.29)
(923.77)
6.13
1.29
−
(18.94)
0.87
(4.47)
(3.37)
(10.48)
1.62
3.11
0.37
7.14
(26.14)
77.00
715.52
131.76
119.39
1,044.85
129.74
71.68
654.16
1,034.71
20.27
14.96
409.40
10,459.35
56.83
5.03
1.93
383.29
44.22
97.35
74.40
158.46
224.86
28.94
2.39
100.39
611.02
2,724.91
549.17
101.13
91.63
801.94
99.58
55.02
502.08
794.15
15.56
11.48
314.22
8,027.69
43.62
3.86
1.48
294.18
33.94
74.72
57.10
121.62
172.58
22.21
1.83
77.05
468.96
2,091.40
合計
20,452.21
521.02
(1,653.42)
(1,132.40)
19,319.81
14,828.20
1999 年
2000 年
1,601.60
430.11
1,978.21
417.02
1,500.00
3,531.71
2,231.43
4,626.66
ADF 約定枠
(単位:百万ドル、2000 年 12 月 31 日現在)
ADF VII 拠出金
ADF VI 拠出金 b
拡大繰上げ融資枠
ADF 資金総額 d
c
マイナス:約定済貸付
貸出実行リスク引当金
合計
3,367.88
132.06
e
31.77
4,470.97
155.69
0.00
−:当該データなし
()
: マイナス
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a:
b:
c:
d:
e:
f:
f
特別引出権(SDR)を指す。2000 年 12 月 31 日現在の 1SDR あたり 1.30291 ドルの換算レートで評価。
ADF VII の期間中に業務約定のために出された ADF VI の金額。
追加資金を含む。
1997 年 4 月 15 日の理事会で承認のとおり、ADF 資金管理の新財務計画に基づく ADF 融資約定枠組みの決定に係る ADF VII 前 の金額は除く。
1999 年 12 月 16 日以降に条件付きで承認された貸付は除く。
2000 年 12 月 7 日以降に条件付きで承認された貸付は除く。
統計付録
195
表 32
技術援助特別基金
a
(米ドル換算額、単位:千ドル、2000 年 12 月 31 日現在)
拠出総額
利用額
オーストラリア
オーストリア
バングラデシュ
2,484
159
47
2,484
159
47
ベルギー
カナダ
中国
1,394
3,346
600
1,394
3,346
600
デンマーク
フィンランド
フランス
1,963
237
1,697
1,963
237
1,697
ドイツ
香港
インド
3,315
100
2,763
3,315
100
2,763
250
774
47,710
250
774
47,710
韓国
マレーシア
オランダ
1,900
909
1,338
1,900
909
1,338
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
1,096
3,279
1,387
1,096
3,279
1,387
シンガポール
スペイン
スリランカ
1,100
190
6
1,100
190
6
スウェーデン
スイス
台湾
861
1,035
200
861
1,035
200
英国
米国
5,617
1,500
5,617
1,500
87,257
87,257
238,039
238,039
直接任意拠出
インドネシア
イタリア
日本
小計
定期的補充拠出金
b
アジア開発基金への移転
OCR 純利益からの配分,その他の資金
合計
(3,472)
c
(3,472)
577,631
462,175
899,455
783,999
( ):マイナス
a: 拠出額は、各利用日に ADB の適用為替レートで換算した利用額、及び 2000 年 12 月 31 日の ADB の適用為替レートで換算した未利用額の合計として
算定される。
b: 総務決議第 182 号及び第 214 号により認可されたアジア開発基金及び技術援助特別基金(TASF)の補充のための拠出のうち TASF への拠出分を指す。
c: 1980 年以降に TASF に生じた収入、返済、償還を指す。
196
2000 年 年次報告
表 33 日本特別基金 ― 定期及び追加拠出金
実績及び純資産変動
(単位:百万ドル)
1988 ∼ 1994 年 a
1995 年
1996 年
約定拠出
449.1
104.9
79.9
収入
合計
44.3
493.4
6.4
111.3
2.5
82.4
支出
為替差益(差損)
224.2
(0.5)
75.3
(0.1)
77.3
(11.7)
換算調整
純資産変動
63.5
332.2
(8.9)
27.0
(37.7)
(44.3)
1997 年
1998 年
1999 年
2000 年
合計
−
62.5
48.6
37.6
782.6
2.4
2.4
16.5
79.0
17.2
65.8
19.6
57.2
108.9
891.5
73.8
(10.1)
96.8
(1.6)
57.2
0.5
60.8
(0.1)
665.4
(23.6)
(29.0)
(110.5)
(1.8)
(21.2)
(0.1)
9.0
1.5
(2.2)
(12.5)
190.0
−:当該データなし
( ):マイナス
a: 1995 年の表示と平仄をとるため、それ以前の年の額は修正されている。
表 34 日本特別基金 ― アジア通貨危機支援基金
実績及び純資産変動
(単位:百万ドル)
1999 年
2000 年
合計
約定拠出
収入
104.4a
−
136.6
0.4
241.0
0.4
合計
支出
104.4
95.7
137.0
9.6
241.4
105.3
為替差益(差損)
換算調整
−
17.4
−
(16.5)
−
0.9
純資産変動
26.1
110.9
137.0
−:当該データなし
a: 加えて、日本政府は、アジア通貨危機支援資金により供与される保証の履行請求を満たすためにいつでも ADB が現金化することができる 3,600 億円
(32 億ドル)の無利息、譲渡不能の国債を提供した。
表 35 貧困削減日本基金による支援 (2000 年)
単位:千ドル
インドネシア
性的虐待を受ける危険がある少女のストリートチルドレンの支援
1,000
フィリピン
フィリピン南部の貧困層の持続可能な生活の支援
2,800
パヤタの弱者が集まるスラム地域を対象とした現場の都市改善
ムンティンルパ市(Muntinlupa City)の弱者が集まるスラム地域の現場及び市外への移転
1,000
1,000
パプア・ニューギニア
低価格の衛生設備、地域の意識啓発、保健教育プログラム
1,740
合計
7,540
統計付録
経済データ
197
表 36
実質 GDP 成長率(1990 ∼ 2000 年)及び一人当たり GNP (1999 年)
年平均
(1990 ∼ 1997 年)
NIEs(新興工業経済地域)
香港
韓国
シンガポール
台湾
GDP 成長率(%)
1998 年
一人あたり GNP
1999 年
2000 年 b
(米ドル)
1999 年
6.9
5.0
7.3
8.9
6.7
(2.9)
(5.3)
(6.7)
0.1
4.6
7.8
3.1
10.9
5.9
5.4
8.4
10.5
8.8
9.9
6.0
...
24,280
8,490
29,610
13,310
(4.8)
c
(7.6)
c
(6.6)
(11.6)c
...
(1.7)c
...
(1.2)
1.5
(1.9)
2.1
5.3
7.0
4.3
10.0
3.5
4.7
2.7
3.7
3.7
16.0
4.4
7.4
3.2
8.1
9.6
5.0
5.0
17.6
4.0
11.4
0.5
...
1,230
300
290
660
720
550
350
10.3
7.9
7.1
8.0
780
7.2
5.0
7.6
6.6
9.2
5.6
3.1
7.4
7.9
(9.0)
1.8
(13.1)
4.0
(7.4)
5.8
(0.6)
(10.8)
5.8
3.2
5.0
0.8
5.2
5.8
10.9
3.3
4.2
4.8
5.2
4.5
4.8
5.5
8.5
...
3.9
4.2
6.8
...
260
580
280
3,400
...f
1,020
1,960
370
南アジア
d
アフガニスタン
e
バングラデシュ
g
ブータン
インド e, g
モルジブ
ネパール e, g
e, g
パキスタン
スリランカ
5.4
c
(8.0)
4.8
6.0
5.6
8.2
4.9
4.6
5.5
6.0
...
5.2
5.5
6.6
8.9
3.4
3.5
4.7
5.8
...
4.9
5.9
6.4
8.8
4.5
3.1
4.3
5.8
...
5.5
6.1
6.0
4.2
6.4
4.5
6.0
...
f
...
370
510
450
1,160
220
470
820
太平洋地域開発途上加盟国
クック諸島
フィジー諸島 g
キリバス
マーシャル諸島 e
ミクロネシア連邦 e
d
ナウル
パプア・ニューギニア
サモア
ソロモン諸島 g
トンガ e, g
トゥヴァル g
バヌアツ
0.9
2.7
2.4
3.4
(0.9)
2.7
...
5.6
3.1c
4.1
2.0
5.6
4.1
(2.0)
(2.3)
1.4
7.3
(16.0)
(1.7)
...
(3.8)
3.4
1.1
2.5
14.9
(0.1)
4.2
2.7
9.6
2.3
0.8
1.3
...
3.2
5.3
(1.3)
3.5
3.0
(3.0)
(1.8)
3.2
(9.3)
(4.0)
(2.3)
2.5
...
0.8
7.0
(14.0)
5.3
3.0
2.8
...
...
2,210
910
1,560
1,810
...
800
1,060
750
1,720
...
1,170
7.4
0.2
6.3
7.2
中央アジア(諸国), アゼルバイジャン
及びモンゴル
カザフスタン
キルギス
タジキスタン
トルクメニスタン
ウズベキスタン
アゼルバイジャン
モンゴル
中国
東南アジア
カンボジア
インドネシア
ラオス
マレーシア
ミャンマー d, e
フィリピン
タイ
ベトナム
加重平均 h
a
…:データ不明 ( ):マイナス
a: 香港、中国、台湾を除き、世界銀行アトラスの方法論による。当該国と G5 諸国(フランス、ドイツ、日本、英国、米国)とのインフレ率の差を調整
後、1997 年から 1999 年の為替レートを平均して物価と為替レートの変動をならしている。
b: 各国資料に基づく予想値。
c: アゼルバイジャンは 1990 年∼ 1993 年、中央アジア共和国諸国は 1991 年から 1997 年、サモアは 1992 年∼ 1997 年のデータ。
d: 当該国の数値は、各グループ及び全体加重平均から除外される。
e: 会計年度ベースの数値。
f: 低所得 (755 ドル以下)と推定される。
g: 要素費用ベースの国内総生産(GDP)成長。
h: 使用した加重値は 1995 年と 1996 年の GDP(米ドル換算)の平均値を基に算出。
出典:各国資料、ADB データ・ファイル、世界銀行のウェブサイト(http://www.worldbank.org)、世界銀行の公式情報。
198
2000 年 年次報告
表 37
国内総貯蓄、総資本形成及び資金ギャップの GDP 比率(1998 ∼ 2000 年)
国内総貯蓄の GDP 比率(%)
1998 年 1999 年 2000 年 a
NIEs(新興工業経済地域)
香港
韓国
シンガポール
台湾
30.1
34.2
50.5
25.4
総資本形成の GDP 比率(%)
1998 年 1999 年 2000 年 a
資金ギャップの GDP 比率(%)
1998 年 1999 年 2000 年 a
30.5
33.5
49.7
25.4
32.2
32.5
49.6
24.6
29.0
21.2
32.6
24.9
25.1
26.7
32.4
23.4
27.5
28.7
31.3
23.4
(1.1)
(13.1)
(17.9)
(0.5)
(5.4)
(6.8)
(17.3)
(2.0)
(4.7)
(3.8)
(18.3)
(1.2)
中央アジア(諸国), アゼルバイジャン
及びモンゴル
カザフスタン
15.9
17.0
キルギス
(6.1)
3.2
タジキスタン
...
...
トルクメニスタン
...
...
ウズベキスタン
19.9
17.3
アゼルバイジャン
48.4
16.3
モンゴル
...
...
...
...
...
...
16.6
23.1
...
14.3
15.4
...
...
20.9
33.4
...
14.5
18.0
...
...
17.1
30.9
...
...
...
...
...
15.9
22.7
...
(1.7)
21.5
...
...
1.0
(15.0)
...
(2.4)
14.8
...
...
(0.1)
14.6
...
...
...
...
...
(0.7)
(0.4)
...
...
中国
40.8
39.0
...
38.8
38.3
...
(2.0)
(0.7)
東南アジア
カンボジア
インドネシア
ラオス
マレーシア
ミャンマー
フィリピン
タイ
ベトナム
5.4
26.5
...
48.5
11.8
12.8
34.5
21.5
7.3
20.2
...
47.3
13.0
14.9
32.3
24.6
...
25.7
...
46.9
...
17.0
...
27.0
12.0
16.8
...
26.6
12.4
20.2
20.3
29.0
18.4
12.2
...
22.3
13.2
18.6
19.9
27.6
...
17.9
...
27.0
...
17.6
...
29.5
6.6
(9.8)
...
(21.9)
0.6
7.4
(14.2)
7.6
11.1
(8.0)
...
(25.1)
0.3
3.7
(12.4)
3.1
...
(7.8)
...
(19.9)
...
0.6
...
2.5
南アジア
アフガニスタン
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
パキスタン
スリランカ
...
17.3
24.9
22.0
...
13.8
16.7
19.1
...
17.7
23.1
22.3
...
13.6
13.5
19.8
...
17.8
...
...
...
15.5
12.9
...
...
21.6
41.3
23.0
...
24.8
17.7
25.1
...
22.2
42.6
23.3
...
20.5
14.9
27.2
...
22.4
...
...
...
23.7
14.9
...
...
4.4
16.4
1.0
...
11.1
1.0
6.0
...
4.5
19.5
1.0
...
6.9
1.4
7.3
...
4.6
...
...
...
8.3
2.0
...
太平洋地域開発途上加盟国
クック諸島
...
フィジー諸島
18.0
キリバス
...
マーシャル諸島
...
ミクロネシア連邦
...
ナウル
...
パプア・ニューギニア
22.4
サモア
...
ソロモン諸島
...
トンガ
...
トゥヴァル
...
バヌアツ
...
...
24.9
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
16.1
...
...
...
...
17.7
...
...
...
...
...
...
12.0
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
(1.9)
...
...
...
...
(4.7)
...
...
...
...
...
...
(13.0)
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
…:データ不明 ( ):マイナス
a: 予想値
出典:各国資料及び ADB データ・ファイル。
統計付録
表 38
a
消費者物価の変動 (1998 ∼ 2000 年)
(%)
1998 年
4.6
2.8
7.5
(0.3)
1.7
1999 年
(0.1)
(4.0)
0.8
0.0
0.2
2000 年 b
1.1
(3.7)
2.3
1.3
1.3
中央アジア(諸国), アゼルバイジャン及びモンゴル
カザフスタン c
キルギス
タジキスタン c
トルクメニスタン
ウズベキスタン
アゼルバイジャン
モンゴル
8.1
1.9
10.4
2.7
...
17.7
(0.8)
9.4
22.6
17.8
35.9
31.0
...
29.1
(8.5)
7.6
15.9
9.8
18.7
24.0
...
24.9
1.8
11.6
中国
(0.8)
(1.4)
0.4
東南アジア
カンボジア d
インドネシア
ラオス
マレーシア
ミャンマー d, e
フィリピン
タイ
ベトナム
26.3
14.8
58.0
90.0
5.3
30.0
9.8
8.1
7.8
南アジア
アフガニスタン e
f
バングラデシュ
ブータン
f, g
インド
モルジブ
ネパール
パキスタン f
d
スリランカ
太平洋地域開発途上加盟国
d
クック諸島
フィジー諸島
d
キリバス
マーシャル諸島 d
ミクロネシア連邦
ナウル e
パプア・ニューギニア
サモア
d
ソロモン諸島
トンガ
d
トゥヴァル
d
バヌアツ
NIEs(新興工業経済地域)
香港
韓国
シンガポール
台湾
加重平均 h
9.2
4.0
20.7
128.4
2.8
21.1
6.7
0.3
4.2
2.7
(0.8)
3.8
23.2
1.6
...
4.4
1.6
...
11.8
...
7.0
10.6
13.1
(1.4)
11.5
7.8
9.8
4.2
...
8.9
6.8
3.4
3.0
6.9
5.7
4.7
1.8
...
3.4
...
...
(1.1)
...
3.6
6.2
10.1
0.7
5.7
4.7
2.9
(2.6)
4.0
13.5
2.2
12.4
3.0
0.8
3.3
10.0
1.4
2.0
0.4
2.0
1.9
6.7
14.9
0.6
8.0
3.9
1.0
2.0
11.5
2.0
1.1
2.0
(1.9)
2.8
7.5
17.9
0.5
6.6
5.3
5.0
2.7
8.9
2.5
1.5
…:データ不明 ( ):マイナス
a:
c:
e:
g:
h:
別途表示がない限り、データは当該国の平均消費者物価の変動を示す。
b: 各国資料を基にした中間予想値。
データは期間の終了時点のもの。
d : データは首都のもの。
当該国の数値は、各グループ及び全体加重平均から除外される。
f : 会計年度ベースの数値。
本文の内容は卸売物価指数(WPI)をもとにしている。1998 年度、1999 年度、2000 年度の WPI の上昇率は、それぞれ 5.9、3.3、7.0。
使用した加重値は 1995 年と 1996 年の GDP(米ドル換算)の平均値をもとに算出。
出典:各国資料及び ADB データ・ファイル。
199
200
2000 年 年次報告
表 39
a
商品貿易 (1998 ∼ 2000 年)
(単位:百万ドル)
輸出(FOB)b
c
1998 年 1999 年 2000 年
輸入(FOB)b
c
1998 年 1999 年 2000 年
528,702
175,841
132,122
110,561
110,178
556,525
174,727
145,164
115,515
121,119
665,168
202,693
175,782
138,928
147,765
469,813
183,674
90,495
95,782
99,862
505,113
117,885
116,793
104,358
106,077
631,806
210,910
159,181
127,528
134,187
58,889
(7,833)
41,627
14,779
10,316
51,412
(3,158)
28,371
11,157
15,042
33,361
(8,217)
16,601
11,400
13,578
中央アジア(諸国),
アゼルバイジャン及びモンゴル 11,727
カザフスタン
5,871
キルギス
535
タジキスタン
586
593
トルクメニスタン d, e
ウズベキスタン
3,030
アゼルバイジャン
678
434
モンゴル e
12,709
5,989
463
666
1,187
2,948
1,025
432
12,682
6,761
505
742
...
2,774
1,900
...
14,380
6,672
756
731
1,007
2,939
1,724
551
12,862
5,645
547
698
1,478
2,589
1,433
471
10,229
4,999
555
793
...
2,382
1,500
...
(2,653)
(801)
(221)
(145)
(414)
91
(1,046)
(117)
(152)
344
(84)
(32)
(291)
359
(408)
(40)
2,453
1,762
(50)
(51)
...
392
400
...
NIEs(新興工業経済地域)
香港
韓国
シンガポール
台湾
1998 年
貿易収支
c
1999 年 2000 年
中国
183,529
194,716
248,937
136,915
158,509
216,842
46,614
36,207
32,095
東南アジア
カンボジア
インドネシア
ラオス e
マレーシア
f
ミャンマー
フィリピン
タイ e
ベトナム
216,176
913
50,371
341
71,823
1,054
29,496
52,878
9,300
241,336
973
51,242
306
83,933
1,505
35,037
56,800
11,540
282,161
...
65,700
311
96,111
...
38,077
67,942
14,000
170,422
1,073
31,942
553
54,174
2,517
29,524
40,559
10,080
184,658
1,170
30,599
554
61,161
2,443
30,742
47,529
10,460
255,252
...
40,800
591
76,551
...
31,387
62,423
13,500
45,754
(160)
18,429
(212)
17,649
(1,463)
(28)
12,319
(780)
56,677
(197)
20,643
(249)
22,772
(938)
4,295
9,271
1,080
56,909
...
24,900
(260)
19,560
...
6,690
5,519
500
53,354
...
5,172
111
34,298
96
445
8,434
4,798
56,469
...
5,324
105
38,285
92
525
7,528
4,610
65,115
...
5,762
114
44,793
104
748
8,163
5,431
72,393
...
6,722
136
47,544
312
1,439
10,301
5,889
80,004
...
7,221
162
55,383
354
1,291
9.613
5,980
89,158
...
7,542
185
62,583
350
1,550
9,598
7,349
(19,039)
...
(1,600)
(25)
(13,246)
(216)
(995)
(1,867)
(1,091)
(23,535)
...
(1,897)
(58)
(17,098)
(262)
(765)
(2,085)
(1,370)
(24,043)
...
(1,780)
(71)
(17,789)
(247)
(803)
(1,435)
(1,919)
2,458
3
423
6
8
13
...
1,800
19
141
12
...
34
2,788
4
534
8
7
11
...
2,019
18
150
12
...
25
2,792
...
427
7
8
23
...
2,178
...
106
11
...
33
2,347
38
615
33
57
122
...
1,083
97
147
78
...
76
2,394
42
653
41
60
129
...
1,082
115
140
56
...
76
2,005
...
479
41
59
145
...
1,023
...
119
63
...
76
111
(35)
(192)
(27)
(50)
(109)
...
717
(78)
(6)
(66)
...
(43)
394
(38)
(119)
(33)
(52)
(118)
...
937
(97)
10
(44)
...
(51)
788
...
(52)
(34)
(51)
(122)
...
1,155
...
(13)
(52)
...
(43)
995,945 1,064,542 1,276,855
866,269
南アジア
アフガニスタン
バングラデシュ f
e, f
ブータン
e, f
インド
モルジブ
ネパール
f
パキスタン
スリランカ
太平洋地域開発途上加盟国
e
クック諸島
フィジー諸島
キリバス
f
マーシャル諸島
f
ミクロネシア連邦
ナウル
パプア・ニューギニア
e
サモア
ソロモン諸島 e
f
トンガ
トゥヴァル
バヌアツ
合計
…:データ不明 ( ):マイナス
a:
b:
c:
d:
e:
f:
別途表示がない限り、データは国際収支の統計に基づく。
FOB とは、本船渡しを指す。
予想値。
対外貿易に関するデータ。
保険、運賃込み(CIF)の金額。
会計年度ベースの数値。
出典:ADB データファイル、国際通貨基金の CD‐ROM 版「収支統計」2001 年 2 月号。
943,540 1,175,292
129,676
121,002
101,563
201
統計付録
表 40
外貨準備高及び準備高の対輸入比(1998 ∼ 2000 年)
外貨準備高 a
(単位:百万ドル)
1998 年
1999 年
2000 年 c
NIEs(新興工業経済地域)
香港
韓国
d
シンガポール
台湾
1998 年
対輸入比 b
(単位:月)
1999 年
2000 年 c
311,678
89,625
52,041
74,928
95,084
358,215
96,256
74,054
76,843
111,061
395,255
107,560
96,198
80,127
111,370
8.0
5.9
6.9
9.4
11.4
8.5
6.5
7.6
8.8
12.6
7.5
6.1
7.3
7.5
10.0
3,489
1,965
188
65
...
1,168
449
103
2,393
2,002
254
...
...
...
674
137
2,560
2,096
262
...
...
...
680
202
3.5
3.5
3.0
1.1
...
4.8
3.1
2.2
4.5
4.3
5.6
...
...
...
5.6
3.5
5.2
5.0
5.7
...
...
...
5.4
...
149,812
158,336
168,856
13.1
12.0
9.3
東南アジア
d
カンボジア
インドネシア
ラオス
マレーシア
ミャンマー
フィリピン
タイ
ベトナム
90,277
324
23,517
117
25,675
326
10,781
29,536
...
108,470
393
27,257
105
30,645
277
15,012
34,781
...
101,498
502
23,314
140
29,576
280
15,026
32,661
...
6.8
3.6
8.8
2.5
5.7
1.6
4.4
8.7
...
7.5
4.0
10.7
2.3
6.0
1.4
5.9
8.8
...
5.7
...
6.9
2.8
4.6
...
5.7
6.3
...
南アジア
アフガニスタン
バングラデシュ
ブータン d
インド
d
モルジブ
ネパール
パキスタン
d
スリランカ
36,559
...
1,928
250
29,833
119
805
1,646
1,980
41,671
...
1,623
274
35,069
127
887
2,054
1,636
46,191
...
1,516
283
40,188
123
981
2,061
1,039
6.1
...
3.4
22.0
7.5
4.6
6.7
1.9
4.0
6.3
...
2.7
20.3
7.6
4.3
8.2
2.6
3.3
6.2
...
2.4
18.3
7.7
4.2
7.6
2.6
1.7
892
...
385
...
...
102
...
221
61
49
29
...
45
942
...
429
...
...
93
...
233
68
51
27
...
41
895
...
410
...
...
63
...
268
64
35
17
...
39
4.8
...
7.5
...
...
10.0
...
2.4
7.6
4.0
4.4
...
7.0
5.0
...
7.9
...
...
8.6
...
2.6
7.1
4.4
5.7
...
6.5
5.6
...
10.3
...
...
5.2
...
3.1
...
3.5
3.3
...
6.2
592,706
670,027
715,255
8.3
8.7
7.4
中央アジア(諸国),
アゼルバイジャン及びモンゴル
カザフスタン
キルギス
タジキスタン e
トルクメニスタン
e
ウズベキスタン
アゼルバイジャン
モンゴル
中国
太平洋地域開発途上加盟国
クック諸島
フィジー諸島 d
キリバス
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦 d
ナウル
パプア・ニューギニア
サモア d
d
ソロモン諸島
d
トンガ
トゥヴァル
d
バヌアツ
合計
…:データ不明
a:
b:
c:
d:
e:
金、特別引出権(SDR)、国際通貨基金(IMF)準備ポジション、外国為替保有高から構成される。別途表示がない限り年末の数値。
比率の計算には国際収支統計の商品輸入の数値を用いた。
予想値。
準備高合計から金を差し引いた数値。
当該国の総公的準備高の数値。
出典:
各国資料、IMF の CD‐ROM 版「国際金融統計」2001 年 3 月号。
202
2000 年 年次報告
表 41
資金のネット・フロー(1997 ∼ 1999 年)
(単位:百万ドル)
長期債務
1997 年 1998 年 1999 年
NIEs(新興工業経済地域)
香港
韓国
シンガポール
台湾
18,280
-18,280
---
3,687
-3,687
---
中央アジア(諸国),
アゼルバイジャン及びモンゴル
カザフスタン
キルギス
タジキスタン
トルクメニスタン
ウズベキスタン
アゼルバイジャン
モンゴル
2,461
1,220
155
13
791
157
34
92
2,611
1,199
121
(5)
466
629
140
60
外国からの直接投資
1997 年 1998 年 1999 年
総フロー a
1997 年 1998 年 1999 年
(12,003)
-(12,003)
---
2,844
-2,844
---
3,218
(2,197)
5,415
---
14,584
5,251
9,333
---
22,381
-22,381
---
17,406
4,204
13,202
---
45,172
35,414
9,758
---
1,517
124
128
6
(38)
925
224
148
2,958
1,321
84
20
108
285
1,115
25
2,650
1,151
109
18
130
200
1,023
19
2,572
1,587
50
24
180
190
510
30
5,724
2,637
283
88
902
461
1,178
175
5,485
2,367
276
70
602
844
1,194
133
4,329
1,729
226
84
150
1,129
783
227
中国
12,450
(61)
(148)
44,237
43,751
38,753
65,381
45,230
42,670
東南アジア
カンボジア
インドネシア
ラオス
マレーシア
ミャンマー
フィリピン
タイ
ベトナム
21,180
36
6,433
120
4,527
74
3,224
6,096
670
3,334
52
(591)
78
2,918
135
389
(364)
716
(2,499)
35
(3,872)
61
1,531
(1)
3,790
(4,101)
58
17,264
204
4,677
91
5,137
387
1,222
3,746
1,800
12,717
121
(356)
46
2,163
315
2,287
6,941
1,200
6,986
126
(2,745)
0
1,553
216
573
6,213
1,050
39,002
410
11,602
341
9,182
532
4,712
9,615
2,628
20,796
343
(442)
242
5,689
517
3,314
8,986
2,147
10,438
282
(4,928)
204
3,616
245
4,955
4,700
1,365
3,557
-302
12
691
9
151
1,984
410
6,412
-332
53
4,176
19
123
1,195
513
948
-390
3
(589)
4
76
992
73
4,899
-141
0
3,577
11
23
716
430
3,542
-190
0
2,635
12
12
500
193
2,910
-179
0
2,169
12
4
370
177
12,523
-1,033
44
6,927
33
313
3,124
1,049
11,884
-1,182
82
7,629
44
251
1,870
826
6,823
-1,247
41
3,351
32
227
1,559
366
(80)
-(26)
----(56)
(3)
2
(1)
-5
115
-16
----29
4
34
3
-30
226
-75
----110
3
9
2
-27
439
-16
----316
11
48
10
-37
613
-71
----441
15
29
10
-45
(12,265)
72,317
66,103
145,470
101,413
南アジア
アフガニスタン
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
パキスタン
スリランカ
太平洋地域開発途上加盟国
クック諸島
フィジー諸島
キリバス
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
ナウル
パプア・ニューギニア
サモア
ソロモン諸島
トンガ
トゥヴァル
バヌアツ
合計
85
-(14)
----101
(1)
(2)
(1)
-0
58,013
130
-(17)
----123
0
10
2
-12
16,113
293
-(33)
----297
0
10
0
-20
66,098
589
-(45)
----568
2
25
6
-32
110,021
--: 報告なし
()
: マイナス
0: 数量が採用単位の半数未満のもの。
a: 長期債務に関する資金のネット・フロー(国際通貨基金を除く)及び純外国直接投資、ポートフォリオ出資フロー及び公的無償援助(技術協力を除
く)の合計値。
出典:世界銀行の CD‐ROM 版「Global Development Finance 2001」(新刊見本)、香港金融局の公式情報(2001 年 3 月 29 日付)。
統計付録
203
表 42
対外債務残高及び債務返済比率(1997 ∼ 1999 年)
(単位:百万ドル)
債務残高 a
1997 年 1998 年 1999 年
NIEs(新興工業経済地域) 136,984
香港
-韓国
136,984
シンガポール
-台湾
--
債務返済額 b
1997 年 1998 年 1999 年
債務返済比率 b (%)
1997 年 1998 年 1999 年
139,097
-139,097
---
129,784
-129,784
---
13,778
-13,778
---
20,624
-20,624
---
43,020
-43,020
---
8.2
-8.2
---
12.9
-12.9
---
24.6
-24.6
---
9,680
4,078
1,341
901
-2,246
507
608
12,865
6,087
1,538
1,071
-2,751
708
711
14,860
6,182
1,699
889
-4,163
1,036
891
1,199
483
78
37
-457
78
66
1,586
989
116
83
-341
24
35
2,198
1,364
117
48
-557
85
26
8.0
6.2
11.4
5.0
-11.5
6.6
10.6
12.2
14.5
19.0
12.8
-10.3
2.3
6.2
16.5
19.4
21.8
6.5
-17.6
6.5
4.8
中国
146,697
154,599
154,223
18,445
18,435
20,655
8.5
8.6
9.0
東南アジア
カンボジア
インドネシア
ラオス
マレーシア
ミャンマー
フィリピン
タイ
ベトナム
370,105
2,129
136,173
2,320
47,228
5,063
45,682
109,731
21,780
381,147
2,210
150,884
2,437
44,769
5,609
47,793
104,943
22,502
378,440
2,262
150,096
2,527
45,939
5,999
52,022
96,335
23,260
44,272
10
19,736
28
7,109
116
4,541
11,818
913
43,772
13
18,302
31
6,275
93
5,202
12,763
1,094
47,231
33
17,848
37
4,695
97
6,732
16,380
1,410
14.7
1.1
30.0
6.4
7.4
7.4
9.2
15.5
7.7
16.2
1.5
31.7
6.3
7.4
5.3
11.9
18.4
9.0
16.0
2.9
30.3
7.7
4.8
-14.3
22.0
9.8
南アジア
アフガニスタン
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
パキスタン
スリランカ
149,888
-15,125
120
94,320
171
2,390
30,069
7,692
157,852
-16,376
171
97,639
194
2,646
32,296
8,531
159,193
-17,534
184
94,393
217
2,970
34,423
9,472
17,765
-708
7
12,415
29
98
4,083
426
15,635
-681
9
12,094
16
88
2,304
443
14,608
-788
7
10,109
18
107
3,045
535
20.9
-10.6
5.9
21.3
6.9
6.9
36.0
6.4
18.0
-9.1
6.3
20.6
3.7
7.0
19.8
6.4
15.5
-9.7
4.8
15.0
3.9
7.9
30.5
7.9
3,208
-219
----2,592
156
135
57
-48
3,365
-193
----2,718
180
149
62
-63
3,491
-163
----2,847
192
160
64
-65
583
-36
----531
5
6
4
-2
239
-35
----182
5
12
4
-2
274
-39
----211
7
11
4
-2
13.2
-2.8
----20.5
3.8
2.5
7.7
-1.6
6.5
-3.5
----8.6
3.9
6.0
7.3
-0.9
7.1
-3.5
----9.6
5.1
4.7
10.8
-1.1
816,562
848,925
839,989
96,042
100,291
127,985
12.1
13.4
15.8
中央アジア(諸国),
アゼルバイジャン及びモンゴル
カザフスタン
キルギス
タジキスタン
トルクメニスタン
ウズベキスタン
アゼルバイジャン
モンゴル
太平洋地域開発途上加盟国
クック諸島
フィジー諸島
キリバス
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
ナウル
パプア・ニューギニア
サモア
ソロモン諸島
トンガ
トゥヴァル
バヌアツ
合計
--:報告なし
a: 債務残高は年末現在のもので、国内の公共・民間機関の長・短期債務、ならびに国際通貨基金(IMF)借款を含む。
b: 債務返済額には長期債務の年間の元本・利子の支払い、IMF への返済及び手数料支払い、短期債務の利子支払いが含まれる。債務返済比率は、債務返
済額が物とサービスの輸出(海外労働者からの送金を含む)に占める比率である。
出典:世界銀行『Global Development Finance 2001』 (新刊見本)CD‐ROM 版。
204
2000 年 年次報告
社会指標
表 43
貧困及び不平等に関する指標
合計
貧困人口(%)a
都市部 農村部
NIEs(新興工業経済地域)
香港
韓国
シンガポール
台湾
...
...
...
0.6d
...
...
...
...
...
...
...
...
中央アジア(諸国),
アゼルバイジャン及びモンゴル
カザフスタン
キルギス
タジキスタン
トルクメニスタン
ウズベキスタン
アゼルバイジャン
モンゴル
34.6
51.0
83.0
...
e
22.0
68.1
35.6
30.0
28.5
...
...
...
...
34.1f
39.0
64.5
...
...
...
...
32.6
...
中国
4.6
最貧困層 20% の所得 b に対する ジニ
b
c
最富裕層 20% の所得 の比率
係数
15.2
5.5
...
5.5
(1996 年)
(1999 年)
(1996 年)
(1997 年)
(1996 年)
(1995 年)
(1998 年)
6.3
9.6
...
...
...
...
...
(1998 年)
0.35
0.40
...
...
...
...
0.35
...
(1998 年)
5.5
(1998 年)
0.32
(1997 年)
(1999 年)
5.4
4.0
...
12.0
...
9.0
9.7i
5.5
(1997 年)
(1999 年)
0.37
0.31
...
0.49
...
0.49
0.44
0.35
東南アジア
カンボジア
インドネシア
ラオス
マレーシア
ミャンマー
フィリピン
タイ h
ベトナム
36.1
23.4
...
8.0
...
36.8
12.9
37.0
29.9g
19.4
...
...
...
21.5
1.5
9.0
40.1
26.0
...
...
...
50.7
17.2
45.0
南アジア
アフガニスタン
バングラデシュ
ブータン j
インド
モルジブ
ネパール
パキスタン k
k
スリランカ
...
47.5
...
...
...
42.0
32.6
26.7
...
49.7
...
...
...
23.0
25.9
13.4
...
47.1
...
...
...
44.0
34.8
28.7
太平洋地域開発途上加盟国
クック諸島
フィジー諸島
キリバス
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦 l
ナウル
パプア・ニューギニア
サモア k
ソロモン諸島
トンガ
トゥヴァル
バヌアツ
...
...
...
...
39.5
...
21.7
48.0m
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
(1999 年)
(1996 年)
(1997 年)
(1999 年)
(1998 年)
(1997 年)
(1998 年)
(1998 年)
(1995 ∼ 1996 年)
(1996 年)
(1998 ∼ 1999 年)
(1995 ∼ 1996 年)
(1998 年)
(1996 年)
(1997 年)
...
8.8
...
5.7
...
5.9
7.1
11.4
...
...
...
...
...
...
12.6
17.0
...
...
...
...
(1998 年)
(1995 年)
(1997 年)
(1999 年)
(1998 年)
(1995 ∼ 1996 年)
(1997 年)
(1995 ∼ 1996 年)
(1996 ∼ 1997 年)
(1995 ∼ 1996 年)
(1998 年)
(1996 年)
(1997 年)
0.52
0.32
...
0.32
...
0.43
...
0.38
...
0.37
0.40
0.48
...
...
...
...
0.41
...
0.51
...
...
...
...
...
…:データ不明
a: 別途記載がない限り、総人口に対する(各国の)貧困ライン未満の人数比率または人口比率を表す。
b: 収入または支出を表す。
c: 所得率の年と同じ年を表し、所得または支出をもとに計算する。ゼロは完全に平等であること、1 は完全に不平等であることを意味している。
d: 総人口に対する低所得人口の比率(%)として定義される。
e: 均等尺度を用いた加重計算に基づく。
f: ウランバートル(首都)のみを表す。地方の中心都市の貧困発生率は、45.1%である。
g: 都市部には 1997 年の貧困発生率が 11.1%のプノンペンは含まれていない。
h: 都市部は自治体、農村部は村を表す。衛生地区の貧困発生率は 7.2%である。
i: データ収集期間は 1999 年 6 月から 9 月であった。
j: 「2000 年世帯収支調査」のデータを分析中。貧困の概要をまとめる予定。
k: 貧困人口のデータは貧困世帯の比率(%)を表す。
l: ADB の予測。政府が独自の予測をしている可能性もある。
m: 食料不足を表す。
出典:各国資料、国連開発計画のウェブサイト(http://www.undp.org)、世界銀行「2000 年版世界開発指標」
。
205
統計付録
表 44
環境に関する指標
森林面積
(国土総面積
に占める%)
1995 年
年平均森林
国が保護して
二酸化炭素
エネルギー使用 安全な水が
いる区域 b
排出量 c
単位あたりの
利用できる
消失率 a
(森林面積
(国土総面積に (一人あたり GDP(石油 1kg 人口の比率
d
に占める%)
占める%)
のトン数) 相当の PPP ドル) (%)
1990 ∼ 1995 年
1997 年
1996 年
1997 年
1998 年 e
NIEs(新興工業経済地域)
香港
韓国
シンガポール
台湾
16.6
77.2
6.6
58.5
0.0f
0.2
f
0.0
(2.4)
33.7
6.9
4.4
12.6
...
9.0
21.6
...
...
3.9
2.9
...
100
93
g
100
90h
中央アジア(諸国),
アゼルバイジャン及びモンゴル
カザフスタン
キルギス
タジキスタン
トルクメニスタン
ウズベキスタン
アゼルバイジャン
モンゴル
3.9
3.8
2.9
8.0
22.0
11.4
6.0
(1.9)
f
0.0
0.0f
0.0f
(2.7)
0.0f
0.0f
2.7
3.6
4.2
...
2.1
5.5
10.3
10.9
1.3
1.0
7.4
4.1
3.9
3.6
1.8
3.8
1.6
1.0
1.1
1.3
...
93
79
60
74
90
...
45
中国
14.3
0.1
6.4
2.8
3.3
67
東南アジア
カンボジア
インドネシア
ラオス
マレーシア
ミャンマー
フィリピン
タイ
ベトナム
55.7
60.6
53.9
47.1
41.3
22.7
22.8
28.0
1.6
1.0
1.2
2.4
1.4
3.5
2.6
1.4
16.2
9.7
...
4.5
0.3
4.9
13.1
3.1
0.0
1.2
0.1
5.6
0.2
0.9
3.4
0.5
...
4.5
...
4.0
...
7.2
4.7
3.2
30
74
44
78
60
85
81
45
南アジア
アフガニスタン
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
パキスタン
スリランカ
2.1
7.8
58.6
21.9
...
33.7
2.3
27.8
6.8
0.8
0.3
0.0f
...
1.1
2.9
1.1
0.3
0.8
21.2
4.8
...
7.8
4.8
13.3
...
0.2
...
1.1
...
0.1
0.8
0.4
...
6.8
...
4.2
...
3.7
3.9
7.6
6
95
58
81
60
71
79
57
太平洋地域開発途上加盟国
クック諸島
フィジー諸島
キリバス
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
ナウル
パプア・ニューギニア
サモア
ソロモン諸島
トンガ
トゥヴァル
バヌアツ
...
45.7
0.0f
...
...
...
81.6
48.1
85.4
f
0.0
...
73.8
...
0.4
0.0f
...
...
...
0.4
1.1
0.2
...
...
0.8
...
1.0
...
...
...
...
f
0.0
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
0.5
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
95
77
...
82
22
...
41
68
...
95
100
77
( ):マイナス
a:
b:
c:
d:
e:
f:
g:
h:
…:データ不明
プラスの数値は森林伐採率を、マイナスの数値は森林再生率を示す。
国際自然保護連合のカテゴリー I から V に分類されている 1000 ヘクタール以上の全保護区域。
化石燃料燃焼及びセメント製造からの二酸化炭素排出量。
購買力平価。
1990 年∼ 1998 年で利用できる最新の値。
0.0 という数値は、数量がゼロか採用単位の半数未満で、正確な数字が不明であることを意味する。
上記で指定された以外の年又は期間。標準的な定義とは異なるか又は国の一部のみが対象。
水道が利用できる人口の比率(%)を示す。
出典:食糧農業機関「1999 年版世界の森林の状況」、国連子供基金「2000 年版世界の子供の状況」、ウェブサイト(http://www.unicef.org/sowc00)、世界銀
行「2000 年版世界開発指標」
、世界資源研究所「1998 年/ 1999 年版世界の資源」、予算会計統計理事会(DGBAS)「2000 年版統計年報」及び過去の
号、DGBAS「1999 年版台湾の社会指標」、香港金融局の公式情報(2001 年 3 月 29 日付)。
206
2000 年 年次報告
表 45
人的開発に関する指標
成人識字率 a
(%)
1985 年 b
就学率 (%)
小学校
1999 年 c
1985 年 b
中学校
1999 年 c
1985 年 b
1999 年 c
女性
男性
女性
男性
女性
男性
女性
男性
女性
男性
女性
男性
NIEs(新興工業経済地域)
香港
韓国
シンガポール
台湾
82
93
79
85
95
98
94
96
88
96
89
91
96
99
97
98
105
98
106
100
106
96
110
99
100
99
97
101
100
98
98
99
73
91
61
91
68
93
63
89
77
98
70
101
76
98
74
98
中央アジア諸国 ,
アゼルバイジャン及びモンゴル
カザフスタン
キルギス
タジキスタン
トルクメニスタン
ウズベキスタン
アゼルバイジャン
モンゴル
96
96
97
...
96
...
68
99
99
99
...
99
...
84
...
98
98
...
99
100
98
...
99
99
...
99
100
98
...
122
...
...
85
...
102
...
123
...
...
88
...
99
100
97
94
...
85
105
104
100
98
97
...
86
108
103
104
107
...
...
97
...
95
102
111
...
...
117
...
87
81
62
74
...
88
81
72
78
79
83
...
100
73
60
中国
61
83
78
91
114
132
123
123
33
46
66
74
東南アジア
カンボジア
インドネシア
ラオス
マレーシア
ミャンマー
フィリピン
タイ
ベトナム
...
66
33
68
72
91
85
83
...
83
60
84
87
92
93
93
61
85
44
78
78
94
91
91
83
93
69
89
89
95
96
97
...
114
100
100
96
107
97
100
...
120
121
101
101
108
100
106
104
110
101
101
117
113
...
111
123
115
123
101
122
115
...
116
22
35
19
53
22
65
28
41
37
47
28
53
24
64
30
44
17
77
23
69
30
78
...
46
31
77
34
59
29
77
...
48
南アジア
アフガニスタン
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
パキスタン
スリランカ
8
20
19
29
92
9
18
82
37
44
46
59
91
34
42
92
15
43
28
41
93
14
32
87
47
59
56
67
93
41
57
93
13
52
...
80
...
50
30
101
27
72
...
111
...
108
56
104
32
82
...
90
127
106
79
108
64
88
...
109
130
141
99
110
5
11
...
26
...
12
10
66
11
27
...
48
...
38
24
60
12
...
...
39
60
30
40
78
32
...
...
59
59
48
55
72
太平洋地域開発途上加盟国
クック諸島
フィジー諸島
キリバス
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
ナウル
パプア・ニューギニア
サモア
ソロモン諸島
トンガ
トゥヴァル
バヌアツ
...
83
...
...
...
...
52
...
...
...
...
...
...
90
...
...
...
...
74
...
...
...
...
...
...
89
...
97
...
...
63
...
...
...
...
...
...
94
...
97
...
...
81
...
...
...
...
...
...
122
...
...
...
...
60
107
71
...
...
...
...
122
...
...
...
...
71
102
86
...
...
...
...
...
...
...
...
...
74
100
89
...
...
...
...
...
...
...
...
...
87
101
103
...
...
...
...
52
...
...
...
...
8
71
14
...
...
11
...
51
...
...
...
...
15
63
24
...
...
17
...
65
...
...
...
...
11
66
14
...
...
...
...
64
...
...
...
...
17
59
21
...
...
...
…:データ不明
a:
b:
c:
d:
e:
成人識字率は、15 歳以上の人口を対象としている。
基準年以外の、基準年に直近の 1980 年から 1989 年までの年のデータの場合もある。
基準年以外の、基準年に直近の 1990 年から 1999 年までの年のデータの場合もある。
データは国の担当当局から報告された最新のもの。妊産婦の死亡の報告漏れや不適切な分類についての調整は行っていない。
データは所定の期間について知りえた最新のもの。
出典: 各国資料、アジア太平洋経済社会委員会「1999 年版アジア太平洋地域のデータ(Asia-Pacific in Figures 1999)」、国連開発計画「2000 年人材育成報
告書」、国連教育科学文化機構(UNESCO)のウェブサイト (http://www.unesco.org)、国連児童基金「2001 年版世界の子どもの状態」、世界銀行
「2000 年版世界開発指標」
。
統計付録
平均寿命
(年)
1985 年 b
産婦死亡率 d
死亡率(出生
避妊普及率
1,000 件あたり) (出産 100,000 件
1999 年 c
女性
男性
女性
男性
79
73
76
76
74
65
72
71
82
76
80
78
77
69
76
72
1999 年
乳幼児
3
5
4
7
5 歳未満
...
5
4
...
1980 ∼ 1999 年
...
20
6
9
訓練を受けた医療
(%)
あたり)
207
関係者による出産
立会い(全体に対する%)
e
1995 ∼ 2000 年
...
...
...
...
e
1995 ∼ 2000 年
...
...
...
...
e
NIEs(新興工業経済地域)
香港
韓国
シンガポール
台湾
73
71
70
...
71
...
60
62
64
70
...
65
...
58
71
71
70
69
73
75
68
60
63
65
62
68
68
65
35
55
54
52
45
35
61
42
65
74
71
58
45
80
70
65
65
65
21
43
150
66
60
...
...
56
...
42
98
98
79
96
98
100
93
中央アジア諸国 ,
アゼルバイジャン及びモンゴル
カザフスタン
キルギス
タジキスタン
トルクメニスタン
ウズベキスタン
アゼルバイジャン
モンゴル
70
68
72
68
33
41
55
91
67
中国
47
58
48
72
55
65
67
66
45
54
45
68
51
61
63
62
55
68
55
75
62
71
72
70
52
64
53
70
59
66
68
65
86
38
93
8
79
31
26
31
122
52
111
9
112
42
30
40
470
450
650
39
230
170
44
160
22
55
...
...
33
47
72
75
34
56
...
96
56
56
...
77
東南アジア
カンボジア
インドネシア
ラオス
マレーシア
ミャンマー
フィリピン
タイ
ベトナム
41
55
49
56
56
47
54
71
40
56
46
55
58
49
54
67
46
59
63
63
64
58
63
76
45
59
60
63
66
58
63
71
165
58
80
70
60
75
84
17
257
89
107
98
83
104
112
19
...
440
380
410
350
540
...
60
...
54
...
...
17
30
24
66
...
13
...
...
...
9
19
94
南アジア
アフガニスタン
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
パキスタン
スリランカ
68
71
54
62
64
62
53
64
62
64
59
57
68
67
52
59
62
62
51
62
60
61
59
55
74
75
65
69
67
64
59
74
74
71
70
70
71
71
59
66
64
57
58
70
70
65
64
66
26
18
53
63
20
25
79
21
22
18
40
37
30
22
72
92
24
30
112
26
26
22
56
46
...
38
...
...
...
...
370
...
550
...
...
...
...
...
...
...
...
...
26
30
...
...
...
...
...
...
...
...
...
...
53
...
...
...
...
...
太平洋地域開発途上加盟国
クック諸島
フィジー諸島
キリバス
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
ナウル
パプア・ニューギニア
サモア
ソロモン諸島
トンガ
トゥヴァル
バヌアツ
208
2000 年 年次報告
付録
1. 総務会
209
2. 理事会及び各理事に代表される加盟国・地域
211
3. アジア開発銀行研究所諮問委員会
212
4. 組織図
213
5. 経営陣、上級職員、地域事務所及び駐在員事務所
214
6. ADB 元総裁及び元副総裁
217
付録
付録 1
総務会
(2001 年 3 月 30 日現在)
PAUL H. O’NEILL
(米国)
(議長)
KEAT CHHON
(カンボジア)
(副議長)
JOHN EHSA
(ミクロネシア連邦)
(副議長)
加盟国・地域
アフガニスタン
総務
空席
総務代理
空席
オーストラリア
オーストリア
Peter Costello
Karl-Heinz Grasser1
Kay Patterson
Thomas Wieser
アゼルバイジャン
バングラデシュ
Avaz Alekperov
Shah A.M.S. Kibria
Vadim Khubanov
Masihur Rahman
ベルギー
ブータン
Didier Reynders
Lyonpo Yeshey Zimba
Gino Alzetta
Sonam Wangchuk
カンボジア
カナダ
Keat Chhon
John Manley2
Ouk Rabun
Bruce Montador
中国
クック諸島
Xiang Huaicheng
Terepai Maoate
Jin Liqun
Kevin Carr
デンマーク
フィジー
Ellen Margrethe Loj
Jone Yavala Kubuabola3
Torben Brylle
Savenaca Narube4
フィンランド
フランス
Satu Hassi
Laurent Fabius6
Pertti Majanen
Jean-Pierre Jouyet7
ドイツ
香港
Uschi Eid
Donald Tsang
Michael Röskau
Joseph Yam
インド
インドネシア
Yashwant Sinha
Prijadi Praptosuhardjo9
Ajit Kumar
Syahril Sabirin
イタリア
日本
Antonio Fazio
Kiichi Miyazawa
Mario Draghi
Masaru Hayami
カザフスタン
キリバス
Zhaxybek Kulekeyev
Beniamina Tinga
韓国
キルギス
Nyum Jin
Temirbek Akmataliev13
Chol-Hwan Chon
Urkaly Toktomovich Isaev
ラオス
マレーシア
BounNhang Vorachith
Tun Daim Zainuddin
Phoupheth Khamphounvong
Dató Dr. Samsudin Bin Hitam15
5
8
10
Erbolat Dosayev
Bureti Williams
12
11
14
1
2000 年 3 月に Rudolph Edlinger の後任に就任。
9
2000 年 8 月に Bambang Sudibyo の後任に就任。
2
2000 年 10 月に Lloyd Axworthy の後任に就任。
10
2001 年 2 月に Pavlov Alexander Sergeyevich の後任に就任。
3
2000 年 8 月に Mahendra Pal Chaudhry の後任に就任。
11
2001 年 2 月に Zhaxybek Kulekeyev の後任に就任。
4
2000 年 8 月に Jone Y. Kubuabola の後任に就任。
12
2000 年 8 月に Hun-Jai Lee の後任に就任。
5
2000 年 11 月に Kirsti Lintonen の後任に就任。
13
2001 年 1 月に Sultan Mederov の後任に就任。
6
2000 年 4 月に Christian Sautter の後任に就任。
14
2000 年 4 月に Phiane Philakone の後任に就任。
7
2000 年 7 月に Jean Lemierre の後任に就任。
15
2000 年 6 月に Dató Othman Mohd. Rijal の後任に就任。
8
2000 年 11 月に E.A.S. Sarma の後任に就任。
209
210
2000 年 年次報告
付録 1 続き
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
加盟国・地域
モルジブ
マーシャル諸島
総務
Ismail Shafeeu
Michael Konelios
総務代理
Ibrahim Mohamed
Amon Tibon16
ミクロネシア連邦
モンゴル
John Ehsa
Ch. Ulaan17
Lorin Robert
O. Chuluunbat18
ミャンマー
ナウル
Khin Maung Thein
Kinza Clodumar
Soe Lin
David Adeang
ネパール
オランダ
Ram Sharan Mahat
Gerrit Zalm
ニュージーランド
ノルウェー
Michael Cullen
Sigrun Mogedal21
Alan Bollard
Age Grutle
パキスタン
パプア・ニューギニア
Shaukat Aziz
Mekere Morauta
Nawid Ahsan
Koiari Tarata
フィリピン
サモア
Alberto G. Romulo
Misa Telefoni Retzlaff23
Rafael Buenaventura
Hinauri Petana24
シンガポール
ソロモン諸島
Richard Hu Tsu Tau
Snyder Rini25
Lim Siong Guan
Leslie Teama26
スペイン
スリランカ
Rodrigo de Rato y Figaredo
Chandrika Bandaranaike Kumaratunga
Juan Costa Climent
P.B. Jayasundara
スウェーデン
スイス
Gun-Britt Andersson
Oscar Knapp
Lennart Bage
Rudolph Dannecker
台湾
タジキスタン
Fai-nan Perng
Murotali Muhammadievich Alimardonov28
Chun Chen
Maruf Saifiev29
タイ
トンガ
Somkid Jatusripitak
Siosiua T.T. ′Utoikamanu32
トルコ
トルクメニスタン
Faik Öztrak
Orazmurad Begmuradov35
Aydin Karaöz
Seitbay Kandymov36
トゥヴァル
英国
Lagitupu Tuilimu
Clare Short
Afelee Falema Pita
Chris Mullin37
米国
ウズベキスタン
Paul H. O’Neill
Bakhtier S. Khamidov
Alan P. Larson
Rustam Sadikovich Azimov
バヌアツ
ベトナム
Stevens Morking Iatika
Le Duc Thuy
Jeffery Wilfred
Duong Thu Huong
19
20
Bimal P. Koirala
Eveline L. Herfkens
22
30
Somchainuk Engtrakul
Aisake Eke
33
31
34
38
2000 年 11 月に Smith Michael の後任に就任。
2000 年 9 月に J. Unenbat の後任に就任。
2000 年 9 月に D. Makhval の後任に就任。
2001 年 2 月に Mahesh Acharya の後任に就任。
2000 年 3 月に Mahesh Acharya が Ram Sharan Mahat の後任に就任。
2000 年 6 月に R.B. Bhattarai の後任に就任。
2000 年 4 月に Leif Lunde の後任に就任。
2001 年 1 月に Jose T. Pardo の後任に就任。
2001 年 3 月に Tuilaepa S. Malielegaoi の後任に就任。
2000 年 5 月に Epa Tuioti の後任に就任。
2000 年 8 月に Alpha Kimata の後任に就任。
2001 年 1 月に George Kiriau の後任に就任。
2000 年 6 月に Elena Pisonero Ruiz の後任に就任。
27
39
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
2000 年 4 月に Anvarsho Muzafarov の後任に就任。
2000 年 4 月に Sharif Rahimov の後任に就任。
2001 年 2 月に Tarrin Nimmanahaeminda の後任に就任。
2000 年 12 月に Suphachai Phisitvanich の後任に就任。
2001 年 1 月に K. Tutoatasi Fakafanua の後任に就任。
2001 年 3 月に Selçuk Demiralp の後任に就任。
2001 年 2 月に Ferhat Emil の後任に就任。
2000 年 10 月に就任。
2000 年 10 月に就任。
2001 年 2 月に George Foulkes の後任に就任。
2001 年 2 月に Lawrence H. Summers の後任に就任。
2000 年 5 月に就任。
付録
211
付録 2
理事会及び各理事に代表される加盟国・地域
(2001 年 3 月 30 日現在)
理事
Jusuf Anwar2
代表される加盟国・地域 1
クック諸島;フィジー;インドネシア;キルギス;
理事代理
John Austin
N. Cinnamon Dornsife
5
Uwe Henrich
John S. Lockhart
3
4
Chantale Yok-Min Wong
6
Cahit Akinci
Miranda Rawlinson7
ニュージーランド;サモア;トンガ
米国
オーストリア;ドイツ;トルコ;英国
オーストラリア;アゼルバイジャン;カンボジア;
香港;キリバス;ミクロネシア連邦;ナウル;
ソロモン諸島;トゥヴァル
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
8
9
Ram Binod Bhattarai
マレーシア;ミャンマー;ネパール;
シンガポール;タイ
Julian H. Payne
Erik Johnsson
カナダ;デンマーク;フィンランド;オランダ;
ノルウェー;スウェーデン
C. Ramachandran
空席
Patricia Z. Riingen
Kh. Zaheer Ahmed
カザフスタン;モルジブ;マーシャル諸島;
モンゴル;パキスタン;フィリピン
篠原 尚之
Patrick Thomas
成田 康郎
Jose Miguel Cortes11
日本
ベルギー;フランス;イタリア;スペイン;
Jeung-Hyun Yoon
Barry Holloway
スイス
韓国;パプア・ニューギニア;スリランカ;台湾;
Zhao Xiaoyu
Li Buqun
ウズベキスタン;バヌアツ;ベトナム
中国
Othman Jusoh
10
各グループ内はアルファベット順。
2000 年 7 月 1 日に Soegito Sastromidjojo の後任に就任。
2000 年 6 月 1 日に Linda Tsao Yang の後任に就任。
2000 年 6 月 19 日に N. Cinnamon Dornsife の後任に就任。
2000 年 7 月 1 日に John Millett の後任に就任。
2000 年 7 月 1 日に Uwe Henrich の後任に就任。
2001 年 3 月 1 2 日に Stephen Baker の後任に就任。
2000 年 8 月 1 日に Prasit Ujjin の後任に就任。
2000 年 7 月 16 日に Sim Cheng Huat の後任に就任。
2000 年 12 月 31 日に M. Faizur Razzaque が辞任。
2000 年 8 月 1 日に Manuel Sanchez Melero の後任に就任。
バングラデシュ;ブータン;インド;ラオス;
タジキスタン
212
2000 年 年次報告
付録 3
アジア開発銀行研究所諮問委員会
(2000 年 12 月 31 日現在)
Magnus Blomström
Sweden
Ronald Duncan
Australia
William P. Fuller
United States
速水 佑次郎
Japan
Y. Venugopal Reddy
India
Zhang Xiao Qiang
People’s Republic of China
Chief Economist
ADB
付録
付録 4
組織図
(2001 年 3 月 30 日現在)
総務会
理事会
総裁
副総裁(西地域担当)
プログラム西局
副総裁(東地域担当)
プログラム東局
副総裁(財務・管理担当)
プロジェクト運営管理課
バングラデシュ
駐在員事務所
中国駐在員事務所
秘書室
カンボジア駐在員事務所
インドネシア
駐在員事務所
法律顧問室
インド駐在員事務所
カザフスタン
駐在員事務所
予算・人事局
ラオス駐在員事務所
キルギス駐在員事務所
地域経済モニター室
監査役室
業務評価室
管理サービス室
ネパール駐在員事務所
モンゴル駐在員事務所
会計局
パキスタン駐在員事務所
フィリピン駐在員事務所
スリランカ駐在員事務所
ウズベキスタン
駐在員事務所
戦略・政策室
財務局
環境・社会開発室
広報室
ベトナム駐在員事務所
農業・社会セクター局
(東地域担当)
農業・社会セクター局
(西地域担当)
インフラストラクチャー・
エネルギー・金融
セクター局(東地域担当)
ヨーロッパ代表事務所
太平洋業務室
駐日代表事務所
情報システム技術室
インフラストラクチャー・
エネルギー・金融
セクター局(西地域担当)
南太平洋地域事務所
民間セクター・グループ
中央業務サービス室
経済開発企画センター
協調融資業務室
北米代表事務所
213
214
2000 年 年次報告
付録 5
経営陣、上級職員、地域事務所及び駐在員事務所
(2001 年 3 月 30 日現在)
総裁室
総裁
総裁特別顧問
地域経済調査部長
地域経済調査担当課長
副総裁室
副総裁(西地域担当)
副総裁(財務・管理担当)
副総裁(東地域担当)
INTEGRA プロジェクト担当課長
プロジェクト管理課課長
秘書室
秘書室長
秘書室次長
法律顧問室
法律顧問
副法律顧問
法律顧問補佐
法律顧問補佐
法律顧問補佐
監査役室
監査役
課長
業務評価室
室長
課長(東地域担当業務評価課)
課長(西地域担当業務評価課)
戦略・政策室
局長
課長(企画調整課)
課長(貧困削減課)
環境・社会開発室
室長
課長(環境課)
課長(社会開発課)
プログラム東局
局長
次長
プログラム課長(東地域担当 1 課−中国、香港、インドネシア、韓国、マレーシア、
モンゴル、シンガポール、台湾)
プログラム課長(東地域担当 2 課−アゼルバイジャン、カザフスタン、キルギス、
トルクメニスタン、タジキスタン、ウズベキスタン)
中国駐在員事務所代表
インドネシア駐在員事務所代表
カザフスタン駐在員事務所駐在代表
キルギス駐在員事務所駐在代表
モンゴル駐在員事務所駐在代表
ウズベキスタン駐在員事務所駐在代表
フィリピン国内事務所所長
1
ウズベキスタン駐在員事務所駐在代表に着任予定。
千野 忠男
J. Antonio M. Quila
岩崎 恵弘
Pradumna B. Rana
Myoung-Ho Shin
John Lintjer
Joseph B. Eichenberger
Silvio R. Cattonar
Yoo Jin Yoon
Bindu N. Lohani
Ferdinand P. Mesch
Gerald A. Sumida
鈴木 英輔
Richard Eyre
Philip Daltrop
空席
Peter E. Pedersen
Rakesh Gupta
Vladimir Bohun
Peter C. Darjes1
Graham M. Walter
西本 昌二
Jean-Pierre A. Verbiest
空席
Rolf Zelius
J. Warren Evans
Anita Kelles-Viitanen
G.H.P.B. van der Linden
Zhang Yuejiao
小西 歩
千賀 邦夫
Bruce Murray
Jan P. M. van Heeswijk
Hong Wang
J.C. Alexander
Barrty J. Hitchcock
空席
Günter Hecker
付録
215
続き
農業・社会セクター局(東)
局長
Nihal Amerasinghe
次長
Hans-Jüergen Springer
課長(農業・農村開発課)
Bradford R. Philips
課長(教育・保健・人口課)
William M. Fraser
課長(森林管理・天然資源課)
Muhammad A. Mannan
課長(水道・都市開発・住宅課)
Asad Ali Shah
インフラストラクチャー・エネルギー・金融セクター局(東)
局長
空席
次長
Khaja H. Moinuddin
課長(エネルギー課)
H. Satish Rao
課長(金融セクター・工業課)
Shamshad Akhtar
課長(運輸・通信課)
Jin Koo Lee
太平洋業務室
(クック諸島;フィジー;キリバス;マーシャル諸島;ミクロネシア連邦;ナウル;
パプア・ニューギニア;サモア;ソロモン諸島;トンガ;トゥヴァル;バヌアツ)
室長
Basudev Dahal
課長(太平洋業務課 A 地域 )
Robert Y. Siy, Jr.
課長(太平洋業務課 B 地域)
Cedric D. Saldanha
南太平洋地域事務所地域代表
Jeffry R. Stubbs
協調融資業務室
室長
Jeremy H. Hovland
次長
Woo Chull Chung
中央業務サービス室
室長
James E. Rockett
課長(コンサルティング・サービス課)
Sarojkumar Thuraisingham
課長(プロジェクト調整・調達課)
Francis Sharpley
プログラム西局
局長
岩崎 恵弘
次長
Rajat M. Nag
プログラム課長(西地域担当 1 課−アフガニスタン;モルジブ;ネパール;パキスタン;
スリランカ)
S.H. Rahman
プログラム課長(西地域担当 2 課 −バングラデシュ;ブータン;インド)
坂井 和
プログラム課長(西地域担当 3 課−カンボジア;ラオス;ミャンマー;タイ;ベトナム)
C.R. Rajendran
バングラデシュ駐在員事務所代表
Phiphit Suphaphiphat
カンボジア駐在員事務所駐在代表
Urooj Malik
インド駐在員事務所駐在代表
Frank J. Polman
ラオス駐在員事務所駐在代表
Paul V. Turner
ネパール駐在員事務所駐在代表
Richard W.A. Vokes
パキスタン駐在員事務所駐在代表
Marshuk Ali Shah
スリランカ駐在員事務所駐在代表
John R. Cooney
ベトナム駐在員事務所駐在代表
John Samy
農業・社会セクター局(西)
局長
関聰
次長
M.E. Tusneem
シニアアドバイザー
Philippe Benedic
課長(農業・農村開発課)
Federick C. Roche
課長(教育・保健・人口課)
Edward M. Haugh, Jr.
課長(森林管理・天然資源課)
渋市 徹
課長(水道・都市開発・住宅課)
Arjun Thapan
アドバイザー(教育担当)
Peter L. Fedon
216
2000 年 年次報告
続き
インフラストラクチャー・エネルギー・金融セクター局(西)
局長
次長
シニアアドバイザー
課長(エネルギー課)
課長(金融セクター・工業課)
課長(運輸・通信課)
民間セクター・グループ
代表
課長
経済開発情報センター
チーフエコノミスト
経済担当シニアアドバイザー
チーフエコノミスト補佐(経済分析・研究課)
チーフエコノミスト補佐(プロジェクト経済評価課)
チーフエコノミスト補佐(統計・データシステム課)
予算・人事局
局長
次長
課長(予算・管理業務課)
課長(給与・給付課)
課長(人的資源課)
総務室
室長
課長(施設管理課)
課長(総務課)
会計局
会計局長
会計局長補(会計課)
会計局長補(支出管理課)
財務局
財務局長
財務局次長
財務局長補(資金調達課)
財務局長補(投資課)
財務局長補(リスク管理課)
財務局長補(財務業務課)
広報室
室長
室長補佐
情報システム技術室
室長
室長補佐
ヨーロッパ代表事務所
代表
駐日代表事務所
代表
北米代表事務所
代表
2
3
2001 年 4 月 9 日に着任予定。
2001 年 4 月 9 日に着任予定。
Christine Wallich
Preben Nielsen
Zhu Xian2
Khalid Rahman
Thomas Crouch
近藤 理
Christine Wallich
Bruce A. Purdue
3
Arvind Panagariya
Charles Adams
Brahm Prakash
David Edwards
V.N. Gnanathurai
坂口 勝一
Sandra A. Lawrence
T.L. de Jonghe
Amarjit Singh Wasan
Robert L.T. Dawson
Zhang Zhixiang
Farrokh E. Kapadia
Normin S. Pakpahan
Ping-Yung Chiu
Ronny E. Budiman
Yoong-Soo Seo
市島 慎二
Ifzal Ali
Peter M. Balon
Jelle C. Mann
Philip C. Erquiaga
David R. Parker
Robert H. Salamon
Ann Quon
Pamela G. Kruzic
Christian E. Perez
Keon-Woo Lee
Jungsoo Lee
Karti Sandilya
付録
付録 6
ADB 元総裁及び元副総裁
(2000 年 12 月 31 日現在)
総裁
渡辺
武
−
1966 年 11 月 24 日∼ 1972 年 11 月 24 日
井上 四郎
吉田 太郎一
−
−
1972 年 11 月 25 日∼ 1976 年 11 月 23 日
1976 年 11 月 24 日∼ 1981 年 11 月 23 日
藤岡 眞佐夫
垂水 公正
−
−
1981 年 11 月 24 日∼ 1989 年 11 月 23 日
1989 年 11 月 24 日∼ 1993 年 11 月 23 日
光夫
−
1993 年 11 月 24 日∼ 1999 年 1 月 15 日
C.S. Krishna Moorthi
A.T. Bambawale
−
−
1966 年 12 月 19 日∼ 1978 年 3 月 31 日
1978 年 4 月 1 日∼ 1985 年 10 月 28 日
M. Narasimham
S. Stanley Katz
−
−
1985 年 11 月 1 日∼ 1988 年 7 月 31 日
1978 年 4 月 1 日∼ 1990 年 9 月 28 日
In Yong Chung
William R. Thomson
−
−
1988 年 8 月 1 日∼ 1993 年 7 月 31 日
1990 年 10 月 1 日∼ 1994 年 6 月 30 日
Günther G. Schulz
Bong-Suh Lee
−
−
1983 年 4 月 1 日∼ 1995 年 6 月 30 日
1993 年 8 月 1 日∼ 1998 年 10 月 9 日
Pierre Uhel
Peter H. Sullivan
−
−
1995 年 7 月 1 日∼ 1998 年 12 月 4 日
1994 年 7 月 6 日∼ 2000 年 9 月 20 日
佐藤
副総裁
217
218
2000 年 年次報告
ADB 刊行物:最新刊書
経済
人的資源の開発
Achieving Financial Stability in Asia (copublished with
Organisation for Economic Co-operation and Development)
(2000)
Asian Development Outlook (annually)1
Asian Exports (2000)
Basic Statistics (annually)
Developing Best Practices for Promoting Private Sector Investment
in Infrastructure (volumes on Power, Water Supply, Roads, Ports,
Airports and Air Traffic Control) (2000)2
Economics and Development Resource Center Briefing Notes
(annually)
Evaluation Highlights of 1998 (1999)
Financial Liberalization in Asia (1999)
Fiscal Transition in Kazakhstan (1999)2
Handbook for the Economic Analysis of Health Sector Projects
(2002)2
Investing in Asia (1999)
Key Indicators of Developing Asian and Pacific Countries
(annually)1
Mortgage-Backed Securities Markets in Asia (2000)2
Rising to the Challenge in Asia: A Study of Financial Markets
(Vol. 1: Overview; Vol. 2: Special Issues; Vol. 3: Sound Practices; Vol. 4: People’s Republic of China; Vol. 5: India; Vol. 6:
Indonesia; Vol. 7: Republic of Korea; Vol. 8: Malaysia; Vol. 9:
Pakistan; Vol. 10: Philippines; Vol. 11: Thailand; and Vol. 12:
2
Socialist Republic of Viet Nam) (2000)
The Role of Central Banks in Microfinance in Asia and the Pacific
(Vol. 1: Overview; Vol. 2: Country Studies) (2000)2
Asian Cities in the 21st Century: Contemporary Approaches to
Municipal Management (Vols. 1, 2, and 3; 1999); (Vol. 4; 2000)2
Development and Management of Cities: Networking and
Cooperation (1999)2
Effectiveness of ADB Approaches and Assistance to Poverty
Reduction (2000)2
Financing Immunization in Cambodia, Lao PDR, and Viet Nam
(1999)2
Handbook on Resettlement: A Guide to Good Practice (1998)2
(English, Bahasa Indonesia, Chinese)
Health Sector Reform in Asia and the Pacific (1999)2
Human Development Brochure
Integrating Poverty Impact into Project Economic Analysis (2000)
Lao People’s Democratic Republic: Education Sector Development
Plan Report (2000)2
The New Social Policy Agenda in Asia (2000)2
Philippine Education for the 21st Century (1999)2
Resettlement Policy and Practice in Southeast Asia and the Pacific
(2000)2
Social Development (1999)
Supporting Growth with Equity in Pakistan (2000)2
Urban Sector Strategy in Cambodia (1999)
環境
Development of Environment Statistics in Developing Asian and
Pacific Countries (1999)2
The Environment Agenda of the Asian Development Bank (1999)
Environment and Economics in Project Preparation (1999)2
Environmental Management of Maldives: An Overview (1999)2
Environmental Profile of Tajikistan (2000)2
Environments in Transition: Cambodia, Lao PDR, Thailand, Viet
Nam (2000)2
Making Cities Work: Urban Policy and Infrastructure in the 21st
Century (2000)2
Mobilizing Broader Support for Asia’s Biodiversity (1999)2
Reform of Environmental and Land Legislation in the People’s
Republic of China (2000)2
Rural Asia: Beyond the Green Revolution (2000)2
Vol. 1: Transforming the Rural Asian Economy: The Unfinished
Revolution (2000)1
Vol. 2: The Growth and Sustainability of Agriculture in Asia
(2000)1
Vol. 3: Rural Financial Markets in Asia: Policies, Paradigms, and
Performance (2000)1
Sustainable Development in Asia (2000)2
女性の地位向上
Women in Malaysia (1999)2
Women in Nepal (1999)2
Women in Sri Lanka (1999)2
Women in Tajikistan (2000)2
法律及び政策改革
Corporate Governance and Finance in East Asia (2000)2
Combating Corruption in Asian and Pacific Economies (2000)2
Governance, Corruption and Public Financial Management (2000)2
Law and Policy Reform at the Asian Development Bank (annually)
Law and Policy Reform at the Asian Development Bank (2000)
Vol. 1: The Need for an Integrated Approach to Secured
Transactions and Insolvency Law Reforms; and Vol. 2: Secured
Transactions Law Reform in Asia: Unleashing the Potential of
Collateral
Law and Policy Reform Bulletin (annually)
Managing Government Expenditure (1999)2
Simplification of Customs Procedures (1999)2
太平洋地域研究シリーズ
2
Reforms in the Pacific (1999)
Republic of the Fiji Islands: 1999 Economic Report2
Samoa 20002
これらの刊行物は、アジア開発銀行広報室出版部を通じて入手可能(住所: Publications Unit, Office of External Relations, Asian Development Bank, P.O. Box
789, 0980 Manila, Philippines)。ファックス(ファックス番号(632) 636-2648)あるいは E メール([email protected]) でも注文可能。脚注のついている刊行
物を除き、すべて無料(船便にて郵送)。また、いずれの刊行物もアジア開発銀行駐日代表事務所を通じて注文可能(連絡先等は p.222 参照)。
付録
219
地域協力
ビデオ
First Workshop on Economic Cooperation in Central Asia—
Challenges and Opportunities in Transportation (1999)2
Second Workshop on Economic Cooperation in Central Asia:
Challenges and Opportunities in Energy (1999)2
Sustainable Development: Asian and Pacific Perspectives (1999)
Asian Development Report2
Fighting Poverty in Asia (2000)2
Poverty in Asia: The Challenge Ahead (2000)2
Resettlement: Improving the Lives of People Affected by Projects
(2000)2
政策と戦略
ADB 研究所(2000 年刊行分)
Anticorruption Policy (1998)
The Bank’s Cofinancing Strategy
The Bank’s Policy on Agriculture and Natural Resources Research
(1995)
The Bank’s Policy on Fisheries (1997)
The Bank’s Policy on Forestry (1994)
The Bank’s Policy on Gender and Development (1998)
The Bank’s Policy on Indigenous Peoples (1998)
Cooperation Between Asian Development Bank and Nongovernment Organizations (1998)
Energy 2000: Review of the Energy Policy of the Asian Development Bank (2000)
Establishment of an Inspection Function (1995)
Fighting Poverty in Asia and the Pacific: The Poverty Reduction
Strategy of the Asian Development Bank (1999)
Governance: Sound Development Management (1995)
A Graduation Policy for the Bank’s DMCs (1998)
Information Policy and Strategy of the Asian Development Bank
(1994)
Involuntary Resettlement (1995)
Microfinance Development Strategy of the Asian Development
Bank (2000)
Policy for the Health Sector (1999)
Policy on Confidentiality and Disclosure of Information (1994)
Private Sector Development Strategy (2000)
Program Lending Policies (1999)
Resident Mission Policy (2000)
Urban Sector Strategy (1999)
Water for All: The Water Policy of the Asian Development Bank
(2001)
ニュースレター
ADB Review
Asian Development Review
News from Bangladesh
News from European Representative Office
News from India
News from Japanese Representative Office
News from Kazakhstan
News from Nepal
News from North American Representative Office
News from Pakistan
News from Uzbekistan
アジア政策フォーラム報告書
Policy Recommendations for Preventing Another Capital Account
Crisis
Technical Background Paper for Policy Recommendations
エグゼクティブ・サマリー・シリーズ
Banking Supervision and Competition Policy
Corporate Governance in Asia
Emerging Issues in International Finance
Emerging Issues in Trade Policy
Exchange Rate Regimes in Emerging Market Economies
Fighting Urban Poverty: Third Asian Mayors’ Forum (Shanghai)
Financial Structure for Sustainable Development in Post-Crisis
Asia (ADB Institute/Wharton)
Improving Corporate Governance in Asia
International Finance Seminar
Lessons from the Asian Economic Crisis and Implications for
Cambodia
Pacific Public Management Executive Program (Module 1)
Pension Fund Reforms for Asia
Policy Issues on Privatization
Policy Issues in Privatization and Enterprise Reform
Public Expenditure Management
Public Expenditure Management: Training-of-Trainers Program
Public-Private Partnerships in Education
Regional Arrangements for Strengthening Financial Architecture in
Asia (Asia Development Forum Seminar)
Round Table on Capital Market Reforms in Asia
Securities Market Regulation
Tax Conference
Tokyo Executive Seminar on Insurance Regulation and Supervision
刊行物
ADB Institute Newsletter
Asian Cities in the 21st Century: Contemporary Approaches to
Municipal Management (Vol. 4: Partnerships for Better
Municipal Management [copublished with ADB]) (2000)
Paradigms Report 2000
Public-Private Partnerships in the Social Sector: Issues and
Country Experiences in Asia and the Pacific (2nd printing)
ワーキング・ペーパー・シリーズ
The Case of the Missing Market: The Bond Market and Why It
Matters for Financial Development
Development of the Financial System in Post-Crisis Asia
Financial Structure and Financial Crisis
From Boom to Crisis and Back Again: What Have We Learned?
The Institutional Foundations of Market Transition in the People’s
Republic of China
1 世界各国のオックスフォード大学出版局(OUP)オフィス、関連会社、代理店からも直接入手できる有料刊行物。
2 有料刊行物。
220
2000 年 年次報告
用語解説
ADF
: アジア開発基金:ADB の譲許的貸付のための資金。
ARIC
: アジア経済回復情報センター:アジア通貨危機からの回復に関する情報センター。
CFS
: 補完融資制度:ADB が自己資金からの融資に加えて、ADB に対する償還請求権なしに、参加民
間金融機関の資金による補完融資を市場ベースの条件で行う方式。
GMS
: メコン河流域地域(カンボジア、中国、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムを含む)
。
INTEGRA
: 総合財務管理・人事管理情報システム。ウェブを利用した総合コンピュータシステム。
JFPR
: 貧困削減日本基金。ADBの貸付プロジェクトに関連する、新たな形の貧困削減及び社会開発活
動を支援するために、ADB の貧困削減戦略を踏まえ、日本政府からの拠出により、2000 年 5 月
に設立された無償供与基金。
JSF
: 日本特別基金:1988 年 3 月に、DMCs の経済再建を支援し、資金の還流による新規投資の拡大を
図るために日本政府からの拠出により設立された資金で、ADB が管理している。
NIE
: 新興工業経済地域:香港、韓国、シンガポール、台湾を指す。
OCR
: 通常資本財源:ADB が通常貸付業務を行うための資金。
PCR
: プロジェクト完了報告:ADB のプロジェクトの完了を証明する。
PPAR
: プロジェクト効果監査報告:プロジェクトの長期間にわたる開発効果を評価する。
REMU
: 地域経済調査部:東南アジア諸国連合の経済調査プロセスを支援し、様々な会合にアジア金
融危機に関する情報を提供し、アジア経済回復情報センターを運営するために 1999 年に設立
された。
SPL
: 特別プログラム・ローン:通常資本財源(OCR)借入の資格を有する通貨危機の影響を受けた
諸国に対し国際救援策の一環として例外的に大規模な支援を提供できるプログラム貸付の方式。
TASF
: 技術援助特別基金:ADB の無償技術援助を行うための財源。
貸付実行率
: 期首における実行可能な貸付額と年度中に発効した新規承認貸付との合計額に対する年度中の総
貸付実行額の比率。民間セクター貸付を除く。
クラスター・アプローチ
: 柔軟性を高め、プログラムの実施期間を拡大できるプログラム貸付方式。
契約締結率
: 期首における調達契約締結可能額に対する年度中に締結された契約額の比率。
年度中に新規承認・
調印された貸付に関する契約可能額は、契約締結可能額の期首残高に加えられる。
信用枠供与
: 民間の中小企業への転貸用に、DMCs の特定の金融機関に供与される貸付(政府保証付)
。
セクター開発
: セクター毎の必要性に対応する総合的、長期的アプローチを促進するため、プログラム・ローン、
セクター・プロジェクト・ローン及び技術援助を結合して、一つの援助として供与する方式。
セクター・ローン
: 特定のセクターまたはサブセクターの開発のために供与される貸付。
ひとつのセクターまたはサ
ブセクターにおける多数のサブプロジェクトに資金を供与する。
複合技術援助
: 開発途上加盟国のセクター、サブセクターにおける問題に包括的、総合的に対処するため、複数
の技術援助を組合わせて実施するもの。
プログラム・ローン
: DMCs のセクター開発の政策、制度、投資環境の改善を支援するために供与される貸付。政策調
整で必要になる短期費用に対応。
プロジェクト・ローン
: 特定のプロジェクトに供与される貸付。
付録
221
略語・頭字語
ACCSF
ADB
ADF
ASEAN
BOT
CARs
CDF
CFA
DMC
ECA
ECP
EDRC
EIA
ESCAP
FDI
FY
GAD
GDP
GEF
GNP
ICR
ICT
IMF
IRM
JFPR
JRO
JSF
JSP
Lao PDR
LIBOR
LTSF
MBL
MDB
NARO
NGO
NPL
NRM
OCR
ODA
OECD
OEO
OER
OGA
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
アジア通貨危機支援資金
アジア開発銀行
アジア開発基金
東南アジア諸国連合
建設/運転/移転方式
中央アジア共和国諸国
開発の包括的枠組み
チャネル・ファイナンシング協定
開発途上加盟国
輸出信用機関
ユーロ建てのコマーシャルペーパー
経済開発企画センター
環境影響評価
アジア太平洋経済社会委員会
対外直接投資
会計年度
ジェンダーと開発
国内総生産
地球環境基金
国民総生産
インタレスト・カバレッジ・レシオ
情報通信技術
国際通貨基金
インドネシア駐在員事務所
貧困削減日本基金
駐日代表事務所
日本特別基金
日本奨学生プログラム
ラオス人民民主共和国
ロンドン銀行間オファー金利
長期戦略の枠組み
市場ベースの貸付
多国間開発銀行
北米代表事務所
非政府組織
不良債権
ネパール駐在員事務所
通常資本財源
政府開発援助
経済協力開発機構
業務評価室
広報室
監査役室
OPEC
PhCO
PMAP
PMU
PNG
PPA
PPAR
PRC
PRCM
PRG
RLR
SDR
SME
SOE
SPRM
TCR
TPAR
UN
US
VAT
WB
WPI
WTO
: 石油輸出国機構
: フィリピン・カントリー・オフィス
: 投資対象管理行動計画
: プロジェクト運営管理部
: パプア・ニューギニア
: 参加型貧困評価
: プロジェクト/プログラム実績監査報告書
: 中華人民共和国
: 中国駐在員事務所
: 政策リスク保証
: 準備金/貸付比率
:(IMF の)特別引出権
: 中小企業
: 国有企業
: 南太平洋地域事務所
: 技術援助完了報告書
: 技術援助効果監査報告書
: 国際連合
: アメリカ合衆国
: 付加価値税
: 世界銀行
: 卸売物価指数
: 世界貿易機関
定義
0.0
データが無視できる程度
...
データが入手不能
−
適用なし
−−
報告なし
( ) マイナス
ドル表示に関する注
ADB の財務諸表は現在の米ドルで表示されている。本
年次報告書のドル表示の金額は、別途記述がない限り、
その時点での米ドル価額である。
1978 年 4 月 1 日、国際通貨基金(IMF)協定の第二回
改正が施行された。以降 ADB の財務諸表に記載される
資本は、SDR(特別引出権)に置き換えて、IMF が算定
した現米ドルでの表示により評価されている。詳細は、
OCR-8, Notes to Financial Statements of Ordinary Capital
Resources (通常資本財源の財務諸表の注)を参照。
222
2000 年 年次報告
ADB の事務所等連絡先
本部
Asian Development Bank 6 ADB Avenue, Mandaluyong City, 0401 Metro Manila, Philippines, P.O. Box 789, 0980 Manila,
Philippines; Telephone (63-2) 632-4444; Facsimile (63-2) 636-2444; Telex 63587 ADB PN (ETPI); E-mail: [email protected];
Web site: http://www.adb.org
駐在員事務所/地域事務所
バングラデシュ駐在員事務所 BSL Office Complex, Second Floor, Sheraton Hotel Annex, 1 Minto Road, Ramna, Dhaka 1000,
Bangladesh; Telephone (880-2) 933-4017; Facsimile (880-2) 933-4012; E-mail: [email protected]
カンボジア駐在員事務所 93 Norodom Boulevard, Sangkat Boeung Raing, Khan Dann Penh, Phnom Penh, Cambodia;
P.O. Box 2436; Telephone (855-23) 215-805/215-806; Facsimile (855-23) 215-807; E-mail: [email protected]
中国駐在員事務所 7th Floor, Block D, Beijing International Finance Building, 156 Fuxingmennei Avenue, Xicheng District,
Beijing 100031, People’s Republic of China; Telephone (86-10) 6642-6600; Facsimile (86-10) 6642-6606;
E-mail:[email protected]
インド駐在員事務所 37 Golf Links, New Delhi 110 003, India, P.O. Box 3019, Lodi Road HPO; Telephone (91-11) 469-2578;
Facsimile (91-11) 463-6175; E-mail: [email protected]
th
インドネシア駐在員事務所 Gedung BRI II, 7 Floor, Jl. Jend. Sudirman Kav. 44-46, Jakarta 10210, Indonesia; P.O. Box 99
JKPSA, Jakarta 10350A, Indonesia; Telephone (62-21) 251-2721; Facsimile (62-21) 251-2749; E-mail: [email protected]
カザフスタン駐在員事務所 Okan Inter-Continental Hotel; 144 Abai Avenue, Astana 473000, Kazakhstan;
Telephone (7-3172) 391-088/391-089; Facsimile (7-3172) 391-087; E-mail: [email protected]
キルギス駐在員事務所 286 Abdymomunov Street, Bishkek, Kyrgyz Republic; Telephone (996-312) 610-071/610-072;
Facsimile (996-312) 610-073
ラオス駐在員事務所 Office Annex of Novotel, Vientiane Samsenthai Road, Vientiane, Lao People’s Democratic Republic;
Telephone (856-21) 219-098; Facsimile (856-21) 219-096
nd
モンゴル駐在員事務所 MCS Plaza, 2 Floor, 4 Natsagdory St., Ulaanbaatar 46, Mongolia;
Telephone/Facsimile (976-11) 311-795; E-mail: [email protected]
ネパール駐在員事務所 Srikunj Kamaladi Ward No. 31; Block 2/597, Kathmandu Metropolis; P.O. Box 5017 K.D.P.O.,
Kathmandu, Nepal; Telephone (977-1) 227-779/227-784/220-305; Facsimile (977-1) 225-063; E-mail: [email protected]
パキスタン駐在員事務所 Overseas Pakistanis Foundation (OPF) Building, Sharah-e-Jamhuriyat, G-5/2, Islamabad, Pakistan;
GPO Box 1863, Islamabad, Pakistan; Telephone (92-51) 825-011 to 17; Facsimile (92-51) 823-324/274-718;
E-mail: [email protected]
スリランカ駐在員事務所 7 Cambridge Terrace, Colombo 7, Sri Lanka, P.O. Box No. 1763; Telephone (94-1) 671-533 to 35;
Facsimile (94-1) 671-382; E-mail: [email protected]
ウズベキスタン駐在員事務所 32 Kulloltuprok Street, Yakkasarai District, Tashkent 700100, Uzbekistan;
Telephone (998-71) 152-5785/152-5786/152-5789; Facsimile (998-71) 100-1390; E-mail: [email protected]
ベトナム駐在員事務所 Unit 701-706, Sun Red River Building, 23 Phan Chu Trinh Street, Hanoi, Viet Nam;
Telephone (84-4) 933-1374; Facsimile (84-4) 933-1373/933-1404; E-mail: [email protected]
南太平洋地域事務所 La Casa di Andrea, Fr. Dr. W.H. Lini Highway; P.O. Box 127, Port Vila, Vanuatu;
Telephone (678-2) 3300; Facsimile (678-2) 3183; E-mail: [email protected]
代表事務所
欧州代表事務所 Rahmhofstrasse 2-4, 60313 Frankfurt am Main, Germany; Telephone (49-69) 9202-1481; Facsimile
(49-69) 9202-1499; E-mail: [email protected]
駐日代表事務所 Second Floor, Yamato Seimei Building, 1-7 Uchisaiwaicho 1-Chome, Chiyoda-ku, Tokyo 100-0011, Japan;
Telephone (81-3) 3504-3160; Facsimile (81-3) 3504-3165; E-mail: [email protected]
北米代表事務所 815 Connecticut Avenue, NW, Suite 325, Washington, DC 20006, USA; Telephone (1-202) 728-1500;
Facsimile (1-202) 728-1505; E-mail: [email protected]
付録
その他
パプア・ニューギニア出張所 The Islander Travelodge, Suite G-1; CNR Waigani Drive and Wards Road; P.O. Box 3196,
Boroko, Papua New Guinea; Telephone (675) 323-9757; Facsimile (675) 323-5771
タイ出張所 5th Floor, Fiscal Policy Office, Ministry of Finance, Rama VI Road, Bangkok 10400, Thailand;
Telephone (66-2) 278-4150; Facsimile (66-2) 278-4151
フィリピン国内事務所 6 ADB Avenue, Mandaluyong City; 0401 Metro Manila, Philippines; Telephone (63-2) 683-1000;
Facsimile (63-2) 683-1030
東ティモール特別連絡事務所 Rua Direitos Humanos, Dili, East Timor; Telephone/Facsimile (770) 390 324 132
ADB 研究所 8th Floor, Kasumigaseki Building, 2-5 Kasumigaseki 3-Chome, Chiyoda-ku, Tokyo 100-6008, Japan;
Telephone (81-3) 3593-5500; Facsimile (81-3) 3593-5571; E-mail: [email protected]; Web site: http://www.adbi.org
ADB のウェブサイト
ADB 研究所
http://www.adbi.org
ADB レビュー
農業
http://www.adb.org/documents/periodicals/ adb_review
http://www.adb.org/agriculture
年次報告書
汚職防止
http://www.adb.org/documents/reports/annual_report
http://www.adb.org/anticorruption
アジア開発基金
バングラデシュ駐在員事務所
http://www.adb.org/finance
http://www.adb.org/brm
ビジネス情報
イベント情報
http://www.adb.org/business/opportunities
http://www.adb.org/news/calendar.asp
カンボジア駐在員事務所
中央アジア共和国諸国
http://www.adb.org/carm
http://www.adb.org/centralasia
協調融資情報
コンサルティング・サービス
http://www.adb.org/cofinancing
http://www.adb.org/consulting
国別援助計画
国別経済レビュー
http://www.adb.org/documents/caps
http://www.adb.org/documents/cers
国別業務戦略調査
国別業務
http://www.adb.org/documents/coss
http://www.adb.org/countries
保管図書館プログラム
開発の話題
http://www.adb.org/publications/depositories
http://www.adb.org/development
東アジア
経済・社会統計
http://www.adb.org/eastasia
http://www.adb.org/statistics
経済開発企画センター
就職情報
http://www.adb.org/edrc
http://www.adb.org/employment
環境
ヨーロッパ代表事務所
http://www.adb.org/environment
http://www.adb.org/ero
財務管理
ジェンダーと開発
http://www.adb.org/finance
http://www.adb.org/gender
ガバナンス
メコン河流域地域
http://www.adb.org/governance
http://www.adb.org/gms
保証業務
インド駐在員事務所
http://www.adb.org/documents/manuals/operations/om31.asp
http://www.adb.org/inrm
先住民
監査
http://www.adb.org/documents/policies/indigenous_peoples
http://www.adb.org/inspection
インターンシップ・プログラム
住民移転
http://www.adb.org/employment/internship.asp
http://www.adb.org/documents/policies/involuntary_resettlement
223
224
2000 年 年次報告
ADB のウェブサイト(続き)
日本奨学生プログラム
http://www.adb.org/documents/brochures/scholarship_program
日本特別基金
駐日代表事務所
http://www.adb.org/documents/reports/japan_special_fund
http://www.adb.org/jro
カザフスタン駐在員事務所
法律・政策改革
http://www.adb.org/karm
http://www.adb.org/law
マイクロファイナンス(小口貸付)
ネパール駐在員事務所
http://www.adb.org/microfinance
http://www.adb.org/nrm
新興工業国・地域
非政府組織
http://www.adb.org/nie
http://www.adb.org/ngos
北米代表事務所
広報室
http://www.adb.org/naro
http://www.adb.org/oer
太平洋業務室
業務評価室
http://www.adb.org/opo
http://www.adb.org/oeo
組織図
太平洋地域
http://www.adb.org/about/orgchart.asp
http://www.adb.org/pacific
政策・戦略
貧困削減
http://www.adb.org/development/policies.asp
http://www.adb.org/poverty
民間セクターの育成
調達
http://www.adb.org/privatesector
http://www.adb.org/procurement
プログラム東局
プログラム西局
http://www.adb.org/ped
http://www.adb.org/pwd
刊行物
域内協力
http://www.adb.org/publications
http://www.adb.org/countries/cooperation.asp
駐在員事務所方針
南アジア
http://www.adb.org/documents/policies/resident_mission
http://www.adb.org/southasia
東南アジア
技術援助
http://www.adb.org/southeastasia
http://www.adb.org/ta
技術援助報告書
ウズベキスタン駐在員事務所
http://www.adb.org/projects/reports.asp
http://www.adb.org/urm
ベトナム駐在員事務所
ヤング・プロフェッショナル・プログラム
http://www.adb.org/vrm
http://www.adb.org/employment/ypp.asp
付録
225
加盟国・地域、資本金及び議決権
(2000 年 12 月 31 日現在)
加盟年
地域
アフガニスタン
オーストラリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
香港
インド
インドネシア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
ニュージーランド
パキスタン
パプア・ニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
トルクメニスタン
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域小計
1966
1966
1999
1973
1982
1966
1986
1976
1970
1969
1966
1966
1966
1994
1974
1966
1994
1966
1966
1978
1990
1990
1991
1973
1991
1966
1966
1966
1971
1966
1966
1966
1973
1966
1966
1998
1966
1972
2000
1993
1995
1981
1966
a
応募済資金 a 決議権 b
(全体の%)(全体の%)
0.034
5.892
0.453
1.040
0.006
0.050
6.562
0.003
0.069
0.555
6.447
5.546
15.893
0.821
0.004
5.130
0.305
0.014
2.773
0.004
0.003
0.004
0.015
0.555
0.004
0.150
1.564
2.218
0.096
2.426
0.003
0.347
0.007
0.591
1.109
0.292
1.386
0.004
0.258
0.001
0.686
0.007
0.348
0.366
5.053
0.701
1.171
0.344
0.379
5.588
0.341
0.394
0.783
5.497
4.776
13.053
0.996
0.342
4.443
0.583
0.350
2.557
0.342
0.341
0.342
0.351
0.783
0.342
0.459
1.590
2.114
0.415
2.280
0.342
0.616
0.344
0.811
1.226
0.572
1.448
0.342
0.545
0.340
0.888
0.344
0.617
63.674
65.515
加盟年
域外
オーストリア
ベルギー
カナダ
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
イタリア
オランダ
ノルウェー
スペイン
スウェーデン
スイス
トルコ
英国
米国
地域小計
合計
1966
1966
1966
1966
1966
1970
1966
1966
1966
1966
1986
1966
1967
1991
1966
1966
b
応募済資金 決議権
(全体の%)(全体の%)
0.347
0.347
5.327
0.347
0.347
2.370
4.405
1.840
1.045
0.347
0.347
0.347
0.594
0.347
2.080
15.893
0.616
0.616
4.600
0.616
0.616
2.235
3.863
1.811
1.175
0.616
0.616
0.616
0.814
0.616
2.003
13.053
36.326
34.485
100.000
100.000
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。他詳細につい
ては p.98 と p.99 の表を参照。
a: 応募済資本とは、ADB の資本持分に対する加盟国の応募済持分を言
う。
b: 各加盟国の総議決権は、基本議決権と比例議決権から成る。各加盟国
の基本議決権は、全加盟国の基本議決権と比例議決権の合計の 20%
を全加盟国で均等に配分した議決権数である。各加盟国の比例議決権
は、当該加盟国が保有する ADB の資本持分に相当する。
226
2000 年 年次報告
アジア開発銀行概要
アジア開発銀行(ADB)は、1966 年に 31ヵ国 1 が多国間協
定を批准し、設立された。2000年にトルクメニスタンが新
たに加盟し、加盟国総数は 59ヵ国となった。うち 43ヵ国
がアジア太平洋地域の諸国である。
ADB 本部はフィリピンにある。また、フィリピン国外
22ヵ所に事務所を設置しており、その数は増加している。
現在、バングラデシュ、カンボジア、中国、インド、イン
ドネシア、カザフスタン、キルギス、ラオス、ネパール、
パキスタン、スリランカ、ウズベキスタン、ベトナムの
13ヵ国に駐在員事務所、フィリピンにカントリー・オフィ
スが設置されている。2001年には、モンゴルとタイにも駐
在員事務所が開設される予定である。また、バヌアツに南
太平洋地域事務所、パプア・ニューギニアとタイに出張
所、東ティモールに特別連絡事務所、フランクフルトに欧
州代表事務所、東京に駐日代表事務所、ワシントン DC に
北米代表事務所が設置されている。概ね 50ヵ国出身の約
2,000 名の職員が勤務している。
ADB は、貧困者に裨益する持続可能な経済成長、社会
開発、グッド・ガバナンスを通じて貧困を削減することを
基本目標に掲げている。そのため、貧困削減を直接支援す
るものであるかどうかを問わず、ADB のプロジェクトや
プログラムは、次の優先課題の一つないしは複数に取り組
むものとなっている。すなわち、
(i)経済成長、
(ii)人材
育成、
(iii)ジェンダーと開発、
(iv)グッド・ガバナ
ンス、
(v)環境保護、
(vi)民間セクター開発、
(vii)
地域協力である。
ADB では、開発目的のための投資
を促進する貸付を行っている。ADB
では、様々な貸付方式や条件を
提供しているが、すべての
貸付において、開発の効果
を高める方策を
盛り込んでい
る。貸付の約
80% は通常資本
財源(OCR)から
のものである。
OCR は、払込資
本金、準備金、借
入金及び留保利
益が原資となっ
1
ている。OCR からの貸付期間は通常 15 ∼ 25 年で、金利
は、貸付実行通貨の基本的な 10 年物国債の金利に相当す
るものとするのが一般的である。OCR からの貸付は非譲
許的で、ある程度高い経済開発レベルに達している加盟
国に供与される。
ADB はまた、アジア開発基金(ADF)をはじめとする
特別基金からも貸付を行っている。ADF は、1 人当たり
の GNP が低く、債務返済能力が限られている加盟国に対
し譲許的な条件で貸付を行う特別基金である。ADF は、
援助供与国からの任意拠出金を財源としている。
このほかADBが管理する特別基金には、技術援助特別
基金、日本特別基金(アジア通貨危機支援資金を含む)及
び ADB 研究所特別基金がある。貧困削減日本基金(2000
年設立)は、ADB の貸付プロジェクトと関連をもつ、新
たな形の貧困削減及び社会開発活動を無償で支援するも
のである。ADB はまた、日本奨学金プログラムの基金を
管理しているほか、技術援助及び貸付のソフト・ローン
部分を支援するため二国間援助機関が供与する無償援助
のチャンネル・ファイナンスを管理している。
ADB は、トリプル A に格付けされており、債券発行に
より通常年間約 40 億ドルから 50 億ドルを調達している。
ADB は、公的資金、民間資金、さらに輸出信用機関から
資金を調達し、協調融資業務を通じて資金の活用を積極
的に進めている。
無償資金協力あるいは貸付によって資金供与される技
術援助は、ADB プロジェクトの効果を最大限に増大する
上で役立っている。大半の無償技術援助は、貸付の準備、
あるいは、法律及び政策改革、財政強化、グッド・ガバ
ナンス、能力開発、天然資源管理などの分野における諮
問、助言、研修等に活用されている。
また、ADB は、民間の投資家や金融機関を支援するた
めの民間セクター・プロジェクトの資金調達に直接参加
している。ADB は、政策協議、技術援助及びプログラム
貸付を通じて、民間セクターの発展を促す環境作りを支
援している。
ADB の最高政策決定機関は総務会である。総務会は、
年 1 回開かれ、加盟国各 1 名の代表で構成される。総務会
は、理事会の理事 12 名を選出し、理事はそれぞれ 1 名の
理事代理を任命する。総裁は、総務会によって選出され、
任期は 5 年である。総裁は、理事会の議長を務める。総
裁は、3 名の副総裁の補佐を得て、ADB の運営に当たる。
ADB が「国」と言う場合、ADB の加盟国/地域を指すものであり、主権や独立に関する ADB の見解を意味するものではない。
表紙デザイン © ADB
写真撮影:
Richie Abrina/OER、Ram Cabrera、Joe Cantrell、Jerry Carreon、Rollie del Rosario/OER、Ian Gill/OER、
Tilak Hettige、Marcia R. Samson/OER、Takeshi Takahara、Matthew Westfall/AWD
編集:
アジア開発銀行 駐日代表事務所
制作:
(株)イデア・インスティテュート
アジア開発銀行
6 ADB Avenue, Mandaluyong City
0401 Metro Manila, Philippines
Postal Address: Asian Development Bank
P.O. Box 789
0980 Manila, Philippines
Telephone:
(63-2) 632-4444
Facsimile:
(63-2) 636-2444
Telex:
63587 ADB PN (ETPI)
E-mail Address: [email protected]
Web Site:
http://www.adb.org
Treasurer’s Department
Direct Telex:
29086 ADBTRES PH
66427 ADBTRES PN
Facsimile:
(63-2) 636-2611
(63-2) 632-4707
(63-2) 632-4120
SWIFT Address: ASDB PH MM
アジア開発銀行 駐日代表事務所
〒 100-0011
東京都千代田区内幸町 1-1-7
大和生命ビル 2 階
TEL:
03-3504-3160
FAX:
03-3504-3165
E-mail: [email protected]
(注)上記のE-mailはすべて、英語のみ送受信できます。