ADBはウォーター・ボンド

ADB
全ての人のために水を
ウォーター・
ボンド
ADBの水関連投資承認額(2006~2013年)
単位:10億ドル
4
3
2
1
0
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
注:このパンフレットにおいて、「ドル」は米ドルを意味する。
写真の出所はいずれもADB。
水に関する業務活動
アジア開発銀行(ADB)は「2011~2020年水業務計画」を通じて、ア
ジア・太平洋地域における下水道、衛生および廃水管理の普及に努め
ています。達成すべき成果として重視しているのは、廃水の管理と再
利用の拡大、テクノロジーやイノベーションをより直接的に活用した
知識および能力開発の拡大、そして民間セクターとのパートナーシッ
プの強化です。
2013年、ADBは計20億ドルの水・衛生、灌漑・排水、および河川流
域管理関連のプロジェクトを承認しました。また、ビル&メリンダ・
ゲイツ財団とのパートナーシップに参画し、ウォーター・ファイナン
シング・パートナーシップ・ファシリティの下に1,500万ドルの衛生
ファイナンシング・パートナーシップ信託基金(Sanitation Financing
Partnership Trust Fund)を設置しました。下水道以外の衛生施設および
腐敗槽汚泥管理ソリューションをアジア全体に普及させることを目的
として2017年までに予定されているADBからの2,800万ドル以上の投
資が、この信託基金によって強化されます。
ADB、その開発途上加盟国とパートナーは、基本的な衛生施設を継続
的に利用できない人々の数を半減するというミレニアム開発目標のタ
ーゲットの達成に向けた努力を強化しています。ADBはウォーター・
ファイナンシング・プログラム、水業務計画およびストラテジー2020
の実施の一環として、家庭における衛生施設および環境衛生施設の双
方に関する意識を高め、知識を共有し、投資を増やすために数々の活
動を行っています。
ストックホルム国際水研究所が主催・組織する「世界水週間」
は、1991年以来、水に関連する諸問題を話し合うためのグローバルな
プラットフォームとなっています。2014年の世界水週間は「エネルギ
ーと水」というテーマで、スウェーデンのストックホルムで8月31日
から9月5日にかけて開催されました。ADBが世界水週間の一環として
2008年から主催している「アイ・オン・アジア」(Eye on Asia)とい
う1日の活動プログラムでは、アジアの水セクターが現在直面してい
る、または新たに浮上しつつある問題や課題に加え、それらに対応す
る各国政府や開発機関の努力が紹介されました。
発行実績
2010年の開始以来、ADBはウォーター・ボンドの発行を通じ
てこれまでに10億ドル以上の資金を調達しています。
インド:コルカタ環境改善投資プログラム(ファシリテ
ィ・コンセプト)
アゼルバイジャン:マルチトランシェ融資ファシリテ
ィ―上水・衛生投資プログラム・第3トランシェ
事業期間:2013~2023年
融資総額:4億ドル
事業期間:2013~2018年
融資パッケージ総額:1億5,000万ドル
事業概要
西ベンガル州で最大、インドで7番目に大きな都市であるコル
カタ(カルカッタ)の上・下水サービスは、従来から質、継続
性および普及率という点で優れており、同市はまた、良好かつ
低コストの下水処理システムを有しています。しかし、サー
ビスの提供状況は場所によって違いがあり、経済の拡大に伴
って過度の負担が生じつつあります。このことが同市の投資誘
致、商取引の促進、雇用創出、更には人々の生活の質や福祉と
いった最も重要な側面にも影響を及ぼしています。上・下水
サービスの運営を担うコルカタ市公社(KMC)は、「コルカ
タ都市セクター投資計画(2012~2012年)」において上・下
水のロードマップを示しています。KMCは同投資計画の一部
に対する融資をADBに要請
しました。ADBは2000年
以降、KMCと下水設備に関
して協力していくつかの良
い成果をもたらしているこ
とから、KMCは資金提供と
助言を行う主要なパートナ
ーという役割をADBが継続
することを望んでいます。
この投資プログラムを通じ
て達成を目指す成果は、上
水道に対するアクセスの改
善、下水・排水サービスの
質の改善、およびKMCの特
定分野における業務の持続
可能性の改善です。
事業概要
本投資プログラムの第3プロジェクトは、2つの主なサブプロジ
ェクトからなり、受益者は5万573人に上ります。第1のサブプ
ロジェクトはアグジャベディ地区の上・下水道網を改善し、第
2のサブプロジェクトはナヒチェヴァン市の南および南西に位
置する郊外地区(ブルガン、ハシニイェット、カラチュック、
カラハンベイリおよびトゥンブル)の上・下水道網を改善しま
す。各サブプロジェクトの主な目的は、①水需要を満たすため
に消費者側の計画水量を増やし、家庭内消費量を1人1日当たり
147リットル、家庭外消費量を同29.4リットルにすること、②水
需要を満たすために既存および新たな水源からの取水量を増や
すこと、③配水管網を改善し、安全な水を確実に家庭に供給す
る上水道の普及率を2011年の32%から90~100%に引き上げるこ
と、および④メーターによる地区レベルおよび大口消費者の使
用量計測、水圧ゾーニング、漏水検知、およびメーターによる
消費者の使用量計測を通じて無収水率を生産量の10%に引き下
げることです。
ADBのビジョン-貧困のないアジア・太平洋地域
経済発展のサクセス・ストーリーが脚光を浴びる一方で、アジア・太平洋地域には、世界の貧困層の3分の2が、また生活費が1
日2ドル未満の人々が約16億人、そのうち7億3,300万人は1日1.25 ドル未満で暮らしているとされています。マニラに本部を置く
ADB(加盟国・地域数67、うち域内48)は、アジア・太平洋地域から貧困がなくなる日の実現をめざし、全ての人々に恩恵が
行き渡る(インクルーシブな)経済成長、環境に調和した持続可能な成長、および地域統合の促進を通じて、途上加盟国の貧困
削減と人々の生活の向上を支援しています。
ADB が行う支援の具体的手段は、政策対話、融資、出資、保証、グラント(無償援助)、技術協力などです。
©
アジア開発銀行 出版物番号 ARM157087-3 2014年12月