美術史 - 佐賀大学教員免許更新講習

平成28年度教員免許状更新講習シラバス
講習の区分
【選択領域】受講者が任意に選択して受講する領域
講習の名称
【選択】美術史
開設日
平成28年8月22日(月)
主な受講対象者 小・中・高・特支教諭(美術)
講習の形態
担当講師
講義(一部、グループディスカッション
を含む)
講習時間
6時間
受講人数
50人
会場
佐賀大学:教養教育1号館2階124教室
吉住 磨子
講習のねらい・
到達目標
キリスト教が支配するヨーロッパ社会において、周縁者(社会的マイノリティー)たち
が、支配者や権力者たちからどのような存在とみなされ、彼らによってどのように利用
されてきたかを絵画や彫刻を通して知る。また、時代や地域の美術様式についての知
識を広げる。以上を到達目標とします。
講習内容
社会の中で周縁者とみなされてきた人々(同性愛者、黒人、乞食、娼婦など)の図像を
通して、ヨーロッパ社会の権力や中心を相対化することを試み、それによって、社会に
おける差別―被差別、支配―被支配の構造を明らかにします。講習では、スライドで
古代から現代に至る多くの美術作品を見ていただきます。地域は古代地中海社会と
西ヨーロッパキリスト教社会にほぼ限定します。
評価方法・基準
成績評価は、試験の成績や、講習への出席状況から総合的に判断します。評価基準
は、総合点で60点以上を合格とします。
認定試験
に関して
講習計画/講習内容
開始時刻等
Ⅰ
Ⅱ
9:00~10:30
(90分)
10:45~12:15
(90分)
担当講師
内容
吉住 磨子
ガイダンス。授業の内容、成績評価の方法、その他の諸
注意。
①同性愛者たちの図像について。同性愛が異性愛と同
等であるとみなされていた古代の同性愛者たちの図像
と、同性愛を忌避したキリスト教文化が生み出したそれ
を比較し、宗教や文化と性愛の関係について考える。
吉住 磨子
同性愛者たちの図像の続き。②黒人の図像について。
西アフリカからヨーロッパへ黒人が労働力として大量に
わたってきた15~16世紀と現代の2つの時代に焦点をあ
てる。現代においては、黒人たちが自分たち自身を描く
ようになったが、白人と黒人がそれぞれ黒人を表象する
際の造形語法の位相についても触れる。
13:15~14:45
(90分)
15:00~16:30
Ⅳ
(90分)
補足
昼休み
12:15~13:15
Ⅲ
資料の持ち込みを認めます。
吉住 磨子
黒人の図像の続き。③乞食の図像について。キリ
スト教文化の中で、貧者の図像として乞食が描か
れたことの背景を探る。
吉住 磨子
④娼婦の図像について。キリスト教文化の中で、
Ⅳ校時の後半に筆
売春や娼婦はどのようにみなされてきたか。16世
記試験を行う予定
紀に新しい娼婦の図像が出てくる社会的背景につ
です。
いて考える。
持参するもの
特になし
予習について
美術や現代思想(オリエンタリズム、ポストコロニアリズム、ジェンダーなど)について
の知見を広めておいてください。
受講上の注意
特になし