プレスリリース 2006 年 12 月 01 日

プレスリリース
2006 年 12 月 01 日
EBC、日本政府の三角合併に関する姿勢転換に懸念を表明
欧州ビジネス協会(EBC)は本日、日本政府が三角合併における課税繰り延べをめぐり、新規の
対日投資家が実質的にこの制度を利用できなくなるような方向へ姿勢を転換しつつあるように見
受けられることについて、深い懸念を表明しました。日本政府が現在検討している制限は、対日
直接投資の促進という政府自身の政策と矛盾するものです。
EBCはかねてより、在日アメリカ商工会議所(ACCJ)とともに、海外からの直接投資を呼び込む
三角合併を成功させるには、課税繰り延べを利用できるようにすることが不可欠であると主張し
てまいりました。課税繰り延べがなければ、大株主も小株主も、株を売却した時点ではなく、株
を受け取った時点でキャピタルゲイン税を払うという負担に直面します。その結果、現金をまっ
たく手にしていない時点で税金を支払わなければならないことから、投資に手を出しにくくなり
ます。
国内企業に対する現行のルールでは、合併しようとする企業が互いに相乗効果のある事業を営ん
でいるとみなされれば、課税繰り延べが認められます。
経済産業省自身、8月に財務省に提出した税に関する要望事項の中で、新たな三角合併制度にも同
じルールを適用し、外国の親会社と日本企業との合併から得られる潜在的な「相乗効果」が考慮
されるようにするべきであると唱えています。これまで政府専門家やその他関係者は一貫して、
外国企業の日本子会社の設立はもっぱら三角合併を実施するためであるとの前提に立ってきたこ
とから、当協会も経済産業省と同じアプローチを支持しています。かかる取引は、日本政府がこ
の2年半にわたり導入しようとしてきた、真の国境を越えた再編となります。
ところが、国内の産業団体からの強い圧力を受けた日本政府はにわかに、従来の姿勢を変えたよ
うであり、課税繰り延べの対象を純粋な国内の三角合併に限定することを検討しています。この
ルールでは、外国企業がすでに日本国内で事業を営んでいない限り、課税繰り延べは利用できま
せん。これは、日本市場への新規参入者による課税繰り延べの利用を妨げるものであり、対日投
資会議が同意し是認した課税繰り延べに関する日本政府の政策目標に真っ向から矛盾しています。
EBCのリシャール・コラス会長は、「この線に沿って課税繰り延べに制限を課せば、新たな対日
投資家にとって三角合併制度が完全に非現実的なものとなり、日本政府の直接投資促進政策の信
頼性が損なわれかねません」と述べています。
EBC について
欧州ビジネス協会(EBC)は欧州 17 ヶ国の在日商工会議所・ビジネス協会にとっての通商政策部
門であり、 1972 年に設立されて以来、在日欧州企業にとっての通商・投資環境の改善を目指し、
活動を続けている。EBC の会員は法人と個人を合わせ現在 3,000 を超しているが、会員はすべて
各国の商工会議所に所属し、日本で活動している会員企業の中で約 350 社が、EBC の 29 の産業別
委員会に直接参加している。
詳細についてのお問い合わせ先:
Mr. Jakob Edberg, EBC Policy Director: Tel: 03-3263-6222、 E-mail: [email protected]
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