第 章 1 章 第 3 章 ハードウェアの追加とトラブルシューティング 第 第1章 2 ▼ 学習のポイント 4 章 いて学習します。さらに、適切なトラブルシューティングの手順についても 第 この章では、PC ハードウェアの追加、交換の手順及びトラブルの原因につ 学習します。 5 章 やプリンタなどの出力デバイスを加えたコンポーネント全体として、はじ 第 PC は、本体にキーボードやマウスなどの入力デバイスの他、ディスプレイ めて機能します。また本体内部もマザーボード、CPU、メモリ、ドライブ、 第 拡張カードといったパーツで構成され、それぞれが交換可能です。 章 6 2 デバイスの追加、取り外しの準備 1 3 ハードウェアトラブルシューティングツール 1 4 トラブルシューティングの手順 1 5 マザーボード 1 6 拡張カード 1 7 BIOS 1 8 チップセット 1 9 外部接続インターフェイス 1 10 電源装置 1 11 CPU 1 12 メモリ 1 13 ハードディスク 1 14 リムーバブルディスク 1 15 キーボード/マウス 1 16 ディスプレイ装置 1 17 ノート PC やポータブルデバイスのトラブルシューティング 7 INDEX 1 章 1 デバイスの追加、設定の概要 第 1 第 章 1 5 マザーボード 第 1 章 2 5-1 機能及び規格 Essentials 編まとめ 第 1 章 3 ● マザーボードの配置 マザーボードは基盤です。基盤ですので、 背面I/Oパネル FDDコネクタ 第 PCI Express x16スロット サウスブリッジチップ 章 5 IDEコネクタ PCI Express x1スロット SATAコネクタ し た が っ て、 取 り 付 け た い パ ー ツ が マ 後 PCI(2.1)スロット 前 第 図 1-5-1 マザーボードの配置 6 章 ザーボードと合っていなければなりません。 4 ノースブリッジチップ など、すべての PC パーツを直接装着したり ケーブルでつないだりします。 メモリスロット ATX24Pinマザーボード用 メイン給電入力コネクタ C P U ソケット 装着する部品は、CPU、ハードディスク、 メモリ、ビデオカード、電源、光学ドライブ CPUクーラー固定装置取付穴 ケースファン等用ペリフェラ ル追加給電入力コネクタ 章 ことができます。 ATX12V追加給電用入力コネクタ 第 いろいろなケーブルや PC パーツを装着する 一般的なATXマザーボードのパーツ配置図 ケースへのマザーボード取付のためのネジ穴 ● フォームファクタ 第 マザーボードには、フォームファクタとよばれる規格があります。 7 章 また、コネクタの形状から AT 仕様と ATX 仕様とがあります。 第 ■ AT IBM 社の PC/AT に搭載されていたマザーボードの仕様に基づき、PC の標準仕様として 章 8 当初からある規格です。サイズによって FullAT と BabyAT の 2 種類があります。最近で はこのフォームファクタのマザーボードはほとんど見かけることはありません。 12.0 × 13 インチ(305 × 330mm) 最大 8 BabyAT 8.5 × 13 インチ(216 × 330mm) 最大 8 INDEX A T ( F u l l A T) ■ ATX Intel 社が 1996 年 2 月に発表した規格です。AT 仕様では、ボード上の配置に統一した仕 様がありませんでしたが、ATX 仕様では、CPU ソケット、スロットの位置、コネクタ類の 第1章 ハードウェアの追加とトラブルシューティング 35 配線などが統一されています。サイズによっていくつか種類があります。 ATX 12 × 9.6 インチ(305 × 244mm) 最大 7 本 microATX 9.6 × 9.6 インチ(244 × 244mm) 最大 4 本 ■ BTX Intel 社が 2003 年に発表した規格です。当初は ATX 規格の後継と位置づけられていまし た。高発熱化する CPU やグラフィックカードの冷却対策のためケース内全体の空気の流れ を考慮し、設計された規格です。 しかし、CPU の低発熱化、ATX 規格との非互換によるコストの問題などから、一部の メーカー製 PC に使われるのみでほとんど利用されていません。 BTX 12.8 × 10.5 インチ(325 × 267mm) 最大 7 microBTX 10.4 × 10.5 インチ(264 × 267mm) 最大 4 nanoBTX 8.8 × 10.5 インチ(224 × 267mm) 最大 2 picoBTX 8.0 × 10.5 インチ(203 × 267mm) 最大 1 ■ Mini-ITX/Nano-ITX/Pico-ITX VIA 社が発表した規格で、極小フォームファクタで Mini-ITX、Nano-ITX、Pico-ITX の 3 つの規格があります。Mini-ITX は ATX 互換のフォームファクタのため、ATX のケース に搭載できますが、Nano-ITX、Pico-ITX は専用のケースが必要になります。 Mini-ITX 6.7 × 6.7 インチ(170 × 170mm) 通常 1 本 Nano-ITX 4.7 × 4.7 インチ(120 × 120mm) − Pico-ITX 3.9 × 2.8 インチ(100 × 72mm) − ■ DTX AMD 社が 2007 年に発表した規格です。ATX 互換の小型フォームファクタ用の規格です。 DTX には Full-DTX と Mini-DTX の 2 つの種類があります。 36 DTX 8.0 × 9.6 インチ(203 × 244mm) 最大 2 本 Mini-DTX 8.0 × 6.7 インチ(203 × 170mm) 最大 2 本 第1章 ハードウェアの追加とトラブルシューティング 第 章 1 ■ LPX 第 IBM 社が PS/2 を開発したときに使用した規格です。ライザーカードを使用して拡張カー ドをマザーボードと水平に配置してあります。マシン全体の高さを低くできるためデスク 章 2 トップ型のケースに広く利用されています。 サイズは、縦 190mm、横 280 〜 330mm です。 第 章 3 ■ MiniLPX LPX を小型化したものです。サイズは、縦 190 〜 229mm、横 254 〜 280mm です。 第 ● フロントパネルコネクタ 章 4 マザーボードからケースの前面にある、電源スイッチ、LED などと接続するコネクタに 第 なります。一般的に次のものがあります。 コネクタのピンには、+と−があります。正しく接続しないと LED が点灯しません。 章 5 第 章 6 第 図 1-5-2 フロントパネルコネクタ 章 7 ■ PowerLED 第 電源スイッチを入れたときに光るランプです。 章 8 ■ IDE LED ハードディスクにアクセスがあった時に光る LED です。マザーボードによっては「HDD INDEX LED」と書いている場合もあります。 ■ IDE LED HDD LED とか書いてあるコネクタを繋ぎます。 ■ Speaker スピーカーを接続するコネクタです。 第1章 ハードウェアの追加とトラブルシューティング 37 ■ PowerSwitch 電源スイッチです。ケースのコネクタに「Power SW」とか「PW」とか「ATX PW」と か書いてあるコネクタを接続します。 ■ ResetSwitch リセットスイッチです。「Reset」と書いてあるコネクタブルを接続します。 38 第1章 ハードウェアの追加とトラブルシューティング 第 章 1 1 5-2 取り付け方法 第 1. マザーボードに付属の背面 I/O ポート用パネルを 章 2 ケースへ取り付けます。 ケースには元々背面パネルが付いていますが、コネ 第 クタの配置はマザーボードごとに違うため、マザー 章 3 ボード付属のパネルに交換します。 取り付け方法は、裏側からはめ込みます。 第 4 章 2. マザーボードマウンタをケースに取り付けます。 第 章 5 第 章 6 マザーボード取り付け面にはたくさんの固定用穴が 空いています。 第 いくつかの規格のマザーボードに対応するために使 7 章 用しない穴もあります。 第 章 8 凸ネジ部をケースにねじ込み、凹ネジ部にネジを使 用してマザーボードを固定します。 INDEX 結果、六角形の部分の高さだけマザーボードが浮い た状態で固定されます。 ※マウンタは必ず取り付けます。取り付けないと、マザーボー ドと PC ケースの接触面でショートしてしまい破損の原因 となります。 第1章 ハードウェアの追加とトラブルシューティング 39 所定の穴に最初は手でねじ込み、最終的にペンチな どでしっかりと締めます。 3. マウンタのセットが完了したら、その上からマザー ボードを乗せます。 その際、背面 I/O ポートパネルの穴の形に合わせる 用にスライドさせます。 4. マザーボードの取り付け穴とマウンタの位置が合う ように調整し、ネジ止めします。 この時、ネジがマザーボード上のプリント配線や部 品などに接していないか念のために確認します。 40 第1章 ハードウェアの追加とトラブルシューティング 第 章 1 1 5-3 トラブルシューティング 第 電源ボタンを押しても、電源ユニットのファンや CPU ファンが回転しなかったりして反 章 2 応が全く無い場合、パーツがショートしているなど組み立てに問題がある可能性の他に、マ ザーボード・電源ユニットのどちらかが原因で起動しない可能性があります。 第 章 3 マザーボードには、CPU、メモリ、I/O コントローラー、BIOS などが実装されています。 POST プログラムによって、マザーボードのテストを行い、故障を検出するとビープ音で通 第 知します。 章 4 マザーボード上のコンデンサ、チップの故障のほかに、一般的に、マザーボードのトラブ 第 ルとして、以下のことが原因として考えられます。 ● フロントパネルコネクタ 章 5 フロントパネルコネクタが外れていると LED が光らなかったり、電源が入らなかったり することがあります。フロントパネルコネクタが外れていないか確認し、外れている場合は 第 マニュアルを参照し、接続位置を確認して正しい位置に接続します。 章 6 ● CMOS クリアジャンパ 第 CMOS クリアジャンパがクリアの設定になっていると電源が入りませんので、ジャンパ 7 章 が正しい位置にセットされているか確認します。 第 ● CMOS バッテリの寿命 CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)バッテリとは、マザーボードに 章 8 設置されている電池になります。 BIOS では、ユーザーが変更した設定情報などは、揮発性の CMOS に保存されます。この INDEX 設定情報は、電源供給がなくなると消えてしまうため、マザーボード上の、CMOS バッテ リからの電源供給により、外部からの電源供給が止まっても設定情報が消えないように なっています。 次のような場合は、CMOS バッテリの交換が必要になります。 ■ PC をシャットダウンしたのち、再度起動させると、システム時刻が大幅にくるってし まう。 ■ POST の画面で、[CMOS チェックサムエラー]が表示される。 第1章 ハードウェアの追加とトラブルシューティング 41 チェック Q1 コンピューターに二つ目の IDE ハードディスクを新たに追加したとこ ろ、コンピューターでは認識されませんでした。次の内、真っ先に確認 すべき個所はどこですか? A. BIOS B. ケーブルの断線 C. ジャンパーピンの設定 D. HD ドライブ Q2 コンピューターに新しい CPU をインストールしました。しかし、コン ピューターは、自動的にシャットダウンするようになってしまいまし た。可能性が最も高い原因はどれですか? A. CPU がオーバークロックを起こした B. CPU が過熱し、熱暴走を起こした C. 電圧が正しくない D. 間違った CPU がインストールされている Q3 銅線の断線を検査するのに利用されるものは次の内どれでしょうか? A. デジタルマルチメーター B. 圧着ベンチ C. 光学ケーブルテスター D. TDR ケーブルテスター Q4 ハードディスクの障害予防に効果的な保守作業は次の内どれでしょう? A. 空気の流通を良くして、ハードディスクの加熱を防ぎます B. ディスクのキャッシュを増やして、ページスワップの容量を増加させま す C. 帯電防止布で定期的に清掃します D. RAM をアップグレードして、読み書きの効率を上げます 96 第1章 チェック チェック A1 解答・解説 C 新規に IDE を追加する場合、古いハードディスクのジャンパー ピンの設定をやり直さなければならない場合があります。ケー ブルや HD ドライブなどの物理的な障害の可能性は比較的低く なります。HD ドライブが新品であることを考えると、ジャン パーピンの設定の後で確認するのは HD ドライブとなるでしょ う。BIOS によってハードディスクを認識しないように設定する ことは可能ですが、特殊な設定であり、これも可能性としては 低くなります。 A2 B 起動中のコンピューターが自動的にシャットダウンする原因の 代表的なものが CPU の異常加熱です。CPU のオーバークロッ クは、過熱を引き起こす原因となりえますが、問題の直接的な 原因ではありません。 電圧、及び CPU そのものが間違っている場合、コンピューター は正常に起動できないため正しくありません。 A3 A デジタルマルチメーターは、ケーブルの電圧や電流を計測し、 ケーブルの断線を確認するのに利用します。圧着ベンチは RJ45 コネクタにケーブルを結線するときに利用します。工学ケー ブルテスターは光ファイバのテストをするのに利用します。 TDR とは時間領域反射率計(Time-Domain Reflectometer) の略で、TDR 法という伝送効率を測定する手法を利用した検査 装置で、ケーブルの伝送効率を測定することができます。 A4 A ハードディスクの障害の原因で最も大きなものが熱によるもの です。そのための対策として、冷却ファンの設置、及び空気の 流れをよくしてハードディスクが必要以上に加熱しないように することが大切です。 98 第1章 チェック チェックポイント ■ ディスプレイ ★この章は次の試験分野に対応しています。 試験分野 102 第1章 チェックポイント 出題比率 ハードウェア 38% オペレーティングシステム 34% ネットワーク 15% セキュリティ 13%
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