【課題シート】 7月中旬のある日午前10時頃、あなた方が乗った小型飛行機は、アメリカ 合衆国の南西部にある砂漠の中に不時着しました。不時着した際、飛行機は爆 発して燃え上がりました。パイロットは焼死しましたが、あなた方は奇跡的に 大きなけがもなく無事でした。 不時着はあまりにも突然で、無線で援助を求める時間もなく、また現在位置 を知らせる時間もありませんでした。パイロットは不時着直前に、最も近くの 町はここから約110km南南西にある、とだけあなた方に告げていました。 この付近は全く平たんで、サボテンが生えている以外はなにもありません。 不時着直前の天気予報ではこれから日中の気温は43℃になるだろうといって います。地面に近い足元では、50℃にもなるでしょう。あなた方は、軽装( 半袖シャツ・ズボン・靴下・タウンシューズという服装)です。ただ、 飛行 機が燃えてしまう前にあなた方は次の品物を何とか取り出すことができました 。これからあなた方がやらなければならないことは、生き残るために最も重要 と思われるものから順番に12の品物に順位をつけることです。 ただし、生き残ったのは、あなた達の班のメンバーだけです。 1.班で相談して、どちらにするか決めてください。 ① その場所にとどまり助けを待つ ② 住居地のあるところまで歩いていく 自分の意見 班の意見 2.12の品物に重要な順に番号をつけてください。 順 位 品 自分 物 班 懐中電灯(乾電池4個入り) この地域の航空写真の地図 大きいビニールの雨具 コンパス(方位磁石) 弾が入っている45口径のピストル 赤と白の模様のパラシュート ガラスびんに入った食塩 一人につき1リットルの水 「食べることのできる砂漠の動物」の本 一人一着のコート 化粧用の鏡 約2リットルのウォッカ(酒) 【解 答】 〈その場で助けを待つか、町まで歩くか〉 正解は「その場で待つ」です。君たちが遭難した砂漠はアメリカにあります。 飛行機はフライトプランに基づいて行動しており、飛行場の管制塔は何時何 分にどの飛行機が到着するか知っています。したがって、予定時間を過ぎても 到着しない場合には、出発した飛行機と連絡を取った上で、遭難の可能性がで てくると、フライトプラン通りのルートを捜索機が飛ぶことになります。だか ら、勝手に自分たちで動き始めて、もしルートからはずれたら、捜索機に発見 してもらうことができなくなります。また、40℃を越える砂漠でやみくもに 行動すれば、水分の消耗が激しく、救助されるまでに体力がつきる可能性が高 くなります。そこで、その場で捜索機の救助を待つというのが、過去2000 のケースからも生き残る確率が一番高い方法だといえます。 〈12の品物の順位〉 過去にあった2000のケースから、正解を示します。 1番は鏡。これは光を反射させて助けにきた捜索機に場所を知らせるためで す。この場合はすぐに救助隊がくることが予想されるので、なによりも救助を 求めるための道具が必要になるのです。2番目はコートです。もし、救助が遅 れて夜になったとすると、砂漠の夜はマイナスまで気温が下がるので、君たち の軽装では凍死の危険があります。3番目は水です。これは飲み水です。4番 目は懐中電灯です。夜に捜索機が きた場合に居場所を知らせるためです。5 番目はパラシュートです。広げておけば居場所を知らせることができるし、雨 水をためることもできます。6番目は雨具です。これも雨水をためることがで きますね。7番目はピストルです。音で居場所を知らせることができます。1 2の品物のうち、ここまでがとどまって助けを待つのに必要な道具です。 8番目はコンパス。9番目は航空写真の地図。10番目は、「食べることの できる 砂漠の動物」という本。11番目は約2リットルのウォッカ。これは 身体を温めるのに必要だと思われがちですが、強いお酒なのでのどが渇いてし まいよくありません。最後はガラスびんに入った食塩となります。
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