2012(平成24)年 4月2日発行 46号 第 沖縄国際大学図書館 沖縄県宜野湾市宜野湾二丁目6番1号 〒901-2701 TEL(098)892-1111(代)内線2102・2104 FAX(098)893-3274・0019 http://library.okiu.ac.jp/index.jsp 目 次 大学図書館のニーズと役割 図書館長 原田優也 ………………………………………1∼2 書庫での想い 法学部教授 熊谷久世 …………………………………………3 「極秘文書」の魅力∼瀬長蔵書の寄贈を受けて∼ 経済学部教授 前泊博盛 ………………………………………4 図書館と「真理の追究」 総合文化学部准教授 福島賢二 ………………………………5 図書館利用のすすめ 総合文化学部講師 吉田肇吾 …………………………………6 「真理がわれらを自由にする」 法学部地域行政学科4年次 玉盛実華子 ……………………7 図書館 ライブラリー 経済学部経済学科3年次 宮国翔也 …………………………7 私の図書館利用法 法学部法律学科 金城綾香(平成24年3月卒業) ……………8 「図書館に期待すること」 総合文化学部日本文化学科4年次 平良一登 ………………8 図書館を利用して 地域産業研究科地域産業専攻1年次 陳琦麗 ………………9 学生生活と図書館̶ 地域文化研究科南島文化専攻1年次 島袋寛子 ……………10 学科長が新入生に薦める5冊(種類)の本 …………………………………11 平成23年度 書評・映画評賞 ………………………………………………12 最優秀賞 書評『ベトナム戦記』開高健 地域文化研究科南島文化専攻1年次 鍋田尚子 ………13∼14 優秀賞 ショーペンハウアーの自殺論─それは死から生の認識へ至ること 総合文化学部日本文化学科3年次 比嘉吉成 …………15∼16 優秀賞 癒しのプロセス∼『包帯クラブ』がもたらす希望∼ 総合文化学部英米言語文化学科4年次 田中えみ子 …17∼18 新入生図書館利用オリエンテーション ……………………………………19 2年次図書館ガイダンス ……………………………………………………19 ステップアップガイダンス …………………………………………………19 高校生によるインターンシップ ……………………………………………20 フェア開催 ……………………………………………………………………20 米軍ヘリ墜落事件 壁画の寄贈 ……………………………………………20 「沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事件から7年」開催 …………………………21 「震災と原発に関する図書フェア」 図書課整理業務担当 兼村ゆり香 ……………………………22 本が濡れてしまったら 図書課運用業務担当 與那覇由美 ……………23 救急法講習会 …………………………………………………………………23 2010(平成22)年度 図書館統計 ……………………………………………24 2010(平成22)年度 図書館利用状況 …………………………………25∼26 2011(平成23)年度 図書館活動 ……………………………………………27 2011(平成23)年度 図書館員の研修・出張 …………………………………28 2011(平成23)年度 図書委員会の動向 ………………………………29∼30 選書委員会 ……………………………………………………………………30 人の動き(新旧館長/職員人事異動)………………………………………30 編集後記 ………………………………………………………………………30 第46号 2012(平成 24)年4月1日 大学図書館のニーズと役割 図書館長 原 田 優 也 (産業情報学部教授 ) 第46号 2012(平成 24)年4月1日 ●簡単に利用できること(Easy to Use) :デジタ の利用価値を高めるために、利用者の行動を整理し ル化された資料の検索・閲覧がしやすいのか。 て対応していくこと、大学図書館という貴重な資源 ● 簡 単 に ダ ウ ン ロ ー ド で き る こ と( E a s y t o を活かした職員-利用者間・利用者間の情報交流を Download):デジタル化された資料を素早くダウン 促していくことがより一層必要になるでしょう。 ✝ ✝ ✝ ロードできるのか。 高度情報化社会における大学図書館は、来館する いまや個人が自分でコンテンツを作成し、インタ 利用者と非来館利用者の二つの異なる利用行動に 新入生の皆さん、沖縄国際大学ご入学、おめでと などのスマートフォン、iPad などのタブレット端 ーネットを通じて世界に向けて発信すると同時に、 対応するという難しい役割を求められています。地 うございます。このような多くの新入生をお迎えす 末があれば、だれでもいつでもどこでも簡単に欲し 世界中から様々なコンテンツを受信する時代なの 域に根ざした沖縄国際大学図書館として、従来型図 ることができ、うれしく思います。これからの大学、 い情報にアクセスできる時代です。利用者はわざわ で、 「図書館離れ」が起きやすい状況にあるといえま 書館サービスの向上と、デジタル図書サービスの充 大学院生活は長いようでとても短いものです。近い ざ図書館に出向く必要はなく、情報端末を利用し、 す。印刷媒体にしろ、デジタル資料にしろ、自ら「図 実化とのバランスをどうするのか。みなさんととも 将来、社会人として独り立ちするための教養や専門 図書館のホームページにアクセスすることで、図書 書資料」を検索し多くの資料を読み比べたり、一つ に考えてまいりたいと思いますので、ご利用ととも 知識を身につけ、人格形成する大事な自己研鑽の期 館提供のデジタル資料を検索し閲覧することがで の資料を読み込んだりすることに対して手間を感 にご意見、ご協力をよろしくお願いいたします。 間です。新しい環境に慣れることがその第一歩にな きます。それによって、 「図書館に行かずに図書館サ じやすくなっているのかもしれません。大学図書館 るでしょう。是非、一緒に確かな一歩を踏み出して ービスを利用する人」がますます増えることになり 行きましょう。 ます。 従来型図書館 ✝ ✝ ✝ 沖縄国際大学での学生生活が実り多きものとな るために、本学図書館が重要な役割を担っています。 現代型図書館は来館と非来館の二つの利用者タ そこで、いま求められている大学図書館のニーズと イプに対応するため、従来型図書館に比べ、両利用 役割について少し考えてみたいと思います。 者タイプの幅広いニーズ・好みに応える必要があり、 ✝ ✝ ✝ 図書館運営(予算配分、職員配置や専門スキルなど) 資料収集・保管 ●専門図書 ● 資 料 ( DVD、 CD、 ビ デ オ な ど ) ●レポート・報告書 がより難しくなります。 する従来型図書館と、これに加えてデジタル資料を 来館する利用者は、図書館サービスの充実(資料 蓄積し提供する現代型図書館があります(図を参照 提供・サービス内容、空間提供など)を求める場合が してください) 。 多いでしょう。図書館は最新の資料、閲覧しやすい ●従来型図書館では、利用者が来館しなければ、 空間、人的なレファレンス・サービスなどを十分に 図書館が所有する資料やサービスを利用すること 提供できないならば、来館する利用者は「不満足」を 資料収集・保管 ●専門図書 ● 資 料 ( DVD、 CD、 ビ デ オ な ど ) ●レポート・報告書 ができません。実際のところ、多くの大学図書館で 感じることでしょう。例えば、ある学生は友達と一 ●雑誌など は資料と閲覧場所を利用者に提供するだけでなく、 緒に図書館に来て、調査する課題についてディスカ 様々なサービスを提供しています。例えば、パソコ ッションできる部屋を利用したいけれど、図書館の ン操作の講座、レポート・論文の書き方講座、就職活 中では、そのような場所が設置されていないとしま 動に関する講座、情報リテラシー教育などが開催さ す。このような場合、この学生は空間に対する満足 れることがあります。しかし、利用者は来館してこ を得られないでしょうし、図書館に替わる空間を他 に求めて来館の機会が減るかもしれません。図書館 に良い図書館サービスを提供したとしても、図書館 が、来館する利用者が求めるものに対応できていな の良さがなかなか伝わらないでしょう。そこで、 「来 いと、図書館の実質的な利用価値が低下してしまう 館しない利用者」に対して情報収集が必要になりま のです。 す。なぜ来館しないのか、できないのかという理由 一方、非来館利用者の場合、来館する利用者とは、 を把握し、来館してもらうためにマーケティング活 求めるサービス内容が異なるでしょう。図書館に直 動が必要になるのではないかと思います。 に来るわけではないので、図書館での資料保管、空 ●現代型図書館では、従来型図書館と同様のサー 間提供、人的なサービスに対するニーズは比較的少 ビス・資料を提供しながら、来館しない利用者に対 ないと考えられます。非来館利用者の図書館に対す してもデジタル資料による情報を提供します。高度 情報化社会にともなうインターネットの普及によ るニーズは次の3Eに集約されると考えられます。 : ● 簡単にアクセスできること(Easy to Access) り、ノートパソコン、iPhone やAndroid 携帯電話 図書館ホームページに簡単にアクセスできるのか。 1 大学の 図書館 資料提供する ●雑誌など 図書館といえば、伝統的な印刷媒体を収集し所蔵 のような図書館サービスを体験しなければ、どんな 来館する ●大学生 ●大学院生 来 館 の 利 ●教職員 用者 ●研究者 ●地域の利用者など 現代型図書館 来館する 資料提供する ●大学生 ●大学院生 来 館 の 利 ●教職員 用者 ●研究者 ●地域の利用者など 大学の 図書館 情報交流の場 ●大学生 図書館H Pにア ク セス など 電子資料による情報提供 非 来 館 の ●大学院生 利 用 者 ●教職員 ●研究者 情報提供する ●地域の利用者など 原田優也(旧モンコンノラキット・モンコン)のプロフィール 所属・職名:産業情報学部企業システム学科・教授 専門分野:消費者行動・マーケティング 研究分野: * PB 商品の消費行動 * 若者のオンラインショッピングと顧客満足 * 日本アニメ・漫画・J-pop の海賊版製品の購買意思決定 * キャラクター商品と地域マーケティング * 消費者心理とマーケティング戦略、ブランド戦略など 学歴: * 学士(BBA、経営学、専攻:国際経営) * 修士(MBA、経営管理) * 修士(MA、国際経営、専攻:国際マーケティング) * 博士(Ph.D、経営学、専攻:消費マーケティング) タイ・バンコクの大学を卒業後、オーストラリア、埼玉、東京の大学院で学ぶ。 略歴: * 2002 年 沖縄国際大学商経学部商学科専任講師に採用 * 2003 年 同上助教授 * 2004 年 沖縄国際大学産業情報学部准教授 * 2005 年 沖縄国際大学大学院地域産業研究科准教授を兼任 * 2007 年 沖縄国際大学産業情報学部教授(∼現在) * 2007 年 沖縄国際大学大学院地域産業研究科教授(∼現在) * 2008 年 沖縄国際大学産業情報学部企業システム学科長(∼2010 年 3 月) 2 第46号 2012(平成 24)年4月1日 第46号 書庫での想い 2012(平成 24)年4月1日 「極秘文書」の魅力 法学部教授 熊 谷 久 世 ∼瀬長蔵書の寄贈を受けて∼ 経済学部教授 前 泊 博 盛 院生時代に大学図書館でアルバイトをしていた うわけであった。書庫内はいつもシーンとしていて、 昨年夏、沖縄経済環境研究所の図書室に1万冊近 帰・返還交渉に当たった責任者です。瀬長文書と蔵 ことがある。博士課程の単位修得後研究生となって 書棚の間の通路の先は暗がりになって消えている。 い蔵書が運び込まれました。寄贈したのは元琉球政 書の整理・研究は、なぜ琉球が日本に「復帰」したの いたころ、母校の恩師から少しでも大学内での研究 少し埃っぽい空調の臭いと、周りの暗がりのなか電 府行政副主席の瀬長浩さん。正確には、その奥さん か、当時の琉球政府のリーダーたちの思想や行動を 時間を確保するためにとの配慮であった。今にして 気スタンドで照らされた文献の映像などは、今でも の瀬長信子さんです。 再検証する重要なチャンスにもなりかねません。復 思えば一年あまりの短い期間ではあったが、実に楽 わたしの脳裏には克明に蘇ってくる。本当に大切な 「蔵書を寄贈したい」との依頼を受けて訪ねた那 帰を担った瀬長さんの蔵書が貴重な復帰関連の重 しくもゆったりとした時間を過ごし、多くの人と親 時間を書庫が与えてくれたと思っている。 覇市松川の瀬長邸2階の書斎に足を踏み入れ、分野 要行政文書とともに、復帰を機に開学した沖縄国際 しんだ貴重な経験を味わった。 さて、図書館職員のみなさまとのコミュニケーシ 別に整然と整理された莫大な書籍の数に圧倒され 大学に寄贈されたのも運命的です。 その頃のわたしといえば、図書館ではちょっとし ョンはどうであったか。すでに述べたように、わた ました。蔵書は沖縄県史をはじめ沖縄関連重要本の 昨秋、瀬長文書を整理中に「米 沖縄基地を廃 た嫌われ者で、図書の貸出冊数超過・長期未返却の しは滅多に職員とは会わなかったし、たまにカウン ほとんどが揃い、日本・中国史、日米関係史、防衛、 棄?」 「沖縄基地三∼五年内に撤退」の報道記事を見 常習犯でありながら、レファレンスでは特定のベテ ターでの貸出業務に引っ張り出されても、相変わら 外交、文化史、ケインズなど主要経済論文は原書が つけました。1967 年7月 31 日の共同配信記事と、 ラン司書にしか頼らないという高慢さで、挙げ句、 ず自分の仕事に没頭気味でお客さんには愛想がな ズラリと並ぶなど、読書・研究の幅広さは並大抵で 同年8月4日の読売新聞の転載記事です。当時、核 その人が不在の時などは、 「じゃぁ、いいです!」な いという不遜な若者ではあった。しかし、書庫での はありません。琉球政府の中枢にいた重要人物の知 保有国・中国の脅威が増大し「あまりに中国本土に どと吐き捨てるようにプイッと立ち去る始末であ 仕事ぶりは誰にも引けを取らなかったし、カウンタ 的水準の高さを示すものでした。 近すぎて核攻撃の危険にさらされている」として、 った。そんな学生とアルバイトとはいえ一緒に働く ーでも印象は良くないが仕事は確実にこなしてい 驚いたのは蔵書と一緒に整理され収蔵されてい 在沖米軍基地が「三年ないし五年以内に破棄される ことになると聞いた図書館職員は、さぞや驚愕した たので、図書館職員からは、 「無駄口たたかず淡々と た琉球政府の復帰業務の膨大な重要行政文書の ことになるかもしれない」との米誌報道を伝える記 に違いない。 仕事をこなす古き時代の司書のよう」 ( 当時の図書 数々です。生前のままの執務机の横には風呂敷に包 事でした。その記事を発見する直前の昨年 11 月、 もう20年以上も前のことだが当時はまだ現在の 館職員の後日談)と、意外にも評判はそれほど悪く まれた「重要書類」が三包、書棚には「琉球大学の取 「米海兵隊が豪駐留へ」 (日経)の報道があったばか ようにPCで管理される時代ではなく、長∼い木箱 はなかったらしい。 り扱い」 「米軍基地問題」 「復帰特別措置関連」 「日琉 り。中国の脅威増大で沖縄、グアムよりも遠いオー の中から小さな引出しをとりだし、蔵書カードを引 今からすれば格段に不合理な運営とも思われる 同祖論」など重要テーマがファイリングされていま ストラリアに海兵隊駐留を決めたというもの。45 き当てなければ目指す文献にはたどり着けないと 時代の大学図書館でのお話である。しかし、その不 した。ファイルを開けると「マル秘」という文書がザ 年の時を超えてつながる米軍移転・駐留のニュー いうシステムであった。また、本学の図書館のよう 合理さが許されたからこそ、当時のわたしのような クザクと出てきました。元新聞記者の血が体内で騒 スです。「米軍が全面撤退したら沖縄はどうなるの にほとんどの蔵書が開架されていたわけではなく、 人間にも与えられる仕事があったのだと感じてい ぎまくり、卒倒しそうなほどでした。 か。その場合どうするか」。政治の中枢にいた瀬長さ その多くは許可なく立ち入ることができない地下 る。当時のわたしには将来への不安があり、恐怖が 日本復帰を目前に、 「琉球人のルーツは日本か、そ んの苦悩ぶりを窺わせる切り抜きでした。二つの記 の書庫に設置されていたため、一般の学生が書庫内 あった。それを考えると眠れない夜が続くこともま れとも中国か」「本当に日本に復帰していいのか」 事のコピーを早速「現代沖縄経済史」の講義で配布 の書籍を借り出すためには、職員がその都度地下へ れではなかった。同級生がすでに職場での地位を築 「独立という選択もありか」と自問自答しながら復 し、読み比べてもらいました。200 人の学生たちの 下りなければならないといった具合であった。そこ きつつあり、世がバブルで華やかなりし頃のことで 帰業務に追われる琉球政府のリーダーたちの苦悩 様々な視点と分析は秀逸で、わくわくしながらリポ でわたしに与えられた仕事は、ず∼っと地下に潜っ ある。そんな時に書庫での仕事が与えられたのであ ぶりを窺わせてくれる文書が次々に出てきました。 ートを読みふけりました。 ていて、地上からの指令(例えば、 「324.6 O−64 家 る。そして、まだ若かりしわたしにとって当時自分 瀬長さんの蔵書の中に日本史、中国史、米国史関連 瀬長蔵書・文書の調査研究は、沖縄経済環境研究 族法(第3版)大村敦志」をお願いします。というメ の見据えたものに改めて向きあう覚悟ができたの の書籍が溢れていたのは、琉球人のルーツを懸命に 所のプロジェクトとして4月から 2 年計画で本格 モが送られてくる。)が出たら、数分以内にこれを地 も、そうした俗世とは隔絶された書庫で過ごしたひ 探っていたからのようです。 着手します。研究には本学教授陣に加え外部から復 上へリフトで上げるという作業であった。何しろ、 とときがあったからであり、その暗がりや静謐な空 膨大な蔵書を整理しながらパラパラとめくる本 帰業務を担当した元内閣府幹部、日琉同祖論に詳し 地下の書庫は、誰もいないし暗くて涼しいから、こ 間の中で自らへ問いかける時間を持つことができ の間から手書きのメモが出てきたり、エネルギー関 い研究者も参加予定です。新たな未公開文書発見の んないい仕事場は滅多にない。もちろん机と電気ス たからなのかも知れない。本当に、わたしの人生の 係本に赤線が引かれ、歴史書に書き込みが見つかっ 可能性も含め、瀬長さんの文書を紐解きながら沖縄 タンドはある。指令がないときは自分の仕事ができ 中で、書庫で過ごした時間はかけがえのない貴重な たり、手書きの図表が出てきたりと、瀬長さんの思 戦後史の再検証がスタートします。 るし、すでに何年もこの書庫には通っているので、 ものであった。 索の経過を示すものが続々と出てくるのですから 自分の専門以外の図書についても大凡のめどはつ 参りました。 く。複数の指令が出ても数分あればミッションは完 なにしろ、相手は元琉球政府副主席。しかも沖縄 了できるから、またすぐに自分の仕事に戻れるとい の日本復帰の実務を担い、日米両国政府を相手に復 3 4 第46号 2012(平成 24)年4月1日 第46号 図書館と「真理の追究」 2012(平成 24)年4月1日 図書館利用のすすめ 総合文化学部准教授 福 島 賢 二 (教職課程専任教員) 総合文化学部講師 吉 田 肇 吾 (図書館司書課担当) 教職課程教員である私は、授業の際に心がけて 単に獲得できるものではないという意味をこめて、 大学では自分で作成した時間割の講義を受ける 索の達人」としての基礎能力をも養うことになり いることがあります。それは、この社会で「真理」 今、分かっている限りでの「とりあえずの真理」 だけでなく、1年次からレポートの作成や前・後 ます。 が歪められている現実があること、あるいは歪め という意味にとどめてここでは真理という言葉を 期の筆記試験、4年生になると卒業論文の執筆な さて、皆さんの中には将来図書館で働きたい、 られていなくとも「真理」がみえにくくなってい 使う際に「真理」と表記しています。 どのように、「自ら学ぶ」ということが要求され そのために「司書資格」を取りたいと思って本学 ることを伝えるようにすることです。それはなぜか。 「真理」を追究することの困難性について授業で ます。そのような皆さんの「自ら学ぶ」という学 に入学した人もいるでしょう。そのような司書を 教員は「真理」の伝達者であることを意識し、 「真理」 説明する際に、私は次のような話をします。 習活動を支援する中心的施設が図書館なのです。 めざす人は、1年次から司書資格関連科目を取り に対して誠実・忠実である必要があるからです。 これから4年間の大学生活では、本学図書館の機 始めてください(『履修ガイド』図書館司書資格 仮に、教員が「真理」を歪めたり、隠したりすれば、 今、みなさんがAというものをAであ 能をよく理解して、是非、日常的に活用するよう 取得のための課程のページを参照)。しかし、司 教えられた生徒たちはそれを「真理」だと思い込み、 るという認識をしていることが「真理」 にしましょう。 書を目指す人によっては、「本が好きだから」と 生徒が親になった際に子どもにも誤った情報を流 であるとした場合に、そのAというもの 地上4階、地下2階建ての本学図書館は、約40 いう理由だけを挙げますが、それだけで図書館に します。権力者が教員を利用すれば、「真理」だと を「上から」みたら、同じAというもの 万冊の図書のほか、雑誌・新聞・視聴覚資料など 入ってしまうと、その人にはとてもつらい職場に されることも「真理」ではないという情報に変換し、 になるのだろうか?あるいはAというも それを効率的に伝達することもできます。日本の のを「下から」 、あるいは「右から」 、あ を所蔵しています。そして、館内では本や雑誌の なると思います。図書館は利用者に様々な図書館 戦前・戦中の教育が権力者にこうして利用されま るいは「左から」みたら、みな同じAと 閲覧だけでなく、グループ学習室での勉強、DV サービスを提供する「場」です。多くの場合、司 した。戦後の教育はこうした反省の上に構築され いうものになるのだろうか? Dなどの視聴、利用者用PCでワープロやインター 書は利用者の人達と直接対面します。そのため、 ネット、学外のデータベースなどの利用ができま 資料・情報の探策能力はもちろん、利用者ときち す。また、4階のホールでは映画上映会もあり、 んとコミュニケーションが取れることも重要です。 地下の書庫にも自由に入り、自分で資料を探すこ 人に関わることが嫌い、面倒・億劫という人には ともできます(『学生要覧』図書館のページも参 向かない職種でしょう。人が好きで、人のために 照)。 奉仕することができ、目の前の利用者の満足・喜 このような図書館をより効果的に利用するには、 びを自らの喜びと感じることができる、そのよう 「館内のどこにどのような資料や設備があるか」、 な人が司書としての大切な資質を備えていること また「どのような図書館サービスが受けられる になると思います。司書をめざす人は、ちょっと か」を知ることから始めましょう。そして、実際 自分を見つめてみてください。 たはずなのですが、ある時期からこの反省を忘れ、 何がいいたいのかというと、見る角度をかえれば、 再度、権力者が「真理」をコントロールする事態 が生まれています。 「真理」とされていることも「真理」ではなくなる それでは、「真理」を獲得するためにはどうした 可能性もあるといいたいのです。見る角度によっ らよいのでしょうか。歪められている「真理」の て「真理」も「真理」でなくなる可能性があるのなら、 歪めている部分を捨象したり、みえにくくなって 何を知りたいのかという目的と直接関わらない本 いる「真理」をみえやすくするための道具が必要 でも、最終的には知りたいことを明らかにする道 と な り ま す。こ の 道 具 と な る も の が、知 識 で す。 具にもなり得るということです。このように考え 知識は様々な経験をしたり、人と関わることでも ていけば、「真理」を明らかにするためには、膨大 獲得できますが、最も効率的に獲得する方法が本 な本を読む必要がでてきます。 に図書館でいろいろなサービスを利用したり、わ これからの4年間、図書館利用者として、また を読むことです。読むといっても、ただ読んでい こうした本を取りそろえ、「真理」の追究を可能 からないことがあればカウンターの職員に気軽に 司書をめざす学生として、大いに本学図書館を活 るだけでは意味がありません。何を知りたいのか としてくれている場が、図書館です。 聞いてください。きちんとサポートしてくれます。 用してください。 という目的意識をもって読み、読み終えた結果、 教職に就く/就かないに関わらず、 「学問をする」 なお、図書館は新入生を対象とした「図書館オリ 自分の知りたかった情報のどの程度のことが明ら ことは、人が社会のなかで生活していくうえで欠 エンテーション」での利用方法の説明や、そのほ かになったのか、検証する作業が必要になります。 かすことのできないことだと私は思っています。 か各種のガイダンスを実施していますので、その たったひとつの本を読むだけで自分の知りたいこ 学問を「真理の追究」だと私は言い換えていますが、 ような機会を積極的に活用して資料・情報の探し とがすべて明らかになることはあり得ませんので、 人が社会のなかでよりよく生活していくうえで、 方を学んでください。また、本学図書館のホーム たくさんの本を読みながらこの作業を繰り返して 「真理」を追究することは欠かせません。 ページにも様々な情報機能がありますから情報検 いくこととなります。 皆さんも図書館で「真理」の追究をしませんか? 索や収集に役立ちます。 ところでこの文章のなかで、私は真理という言 そして「真理」を獲得することで生活を豊かにし 在学中に図書館利用の知識と技能を身につける 葉を使用する際に「真理」と表記していることに ませんか? ことは、皆さんにとっては、大学卒業後いわゆる は訳があります。それは真理というものはそう簡 情報社会を生き抜いていくことができる「情報探 5 6 第46号 2012(平成 24)年4月1日 「真理がわれらを自由にする」 第46号 2012(平成 24)年4月1日 私の図書館利用法 法学部 地域行政学科 4年次 玉 盛 実華子 これから沖縄国際大学で充実したキャンパスライフを送る皆さんに、 「真理がわれらを自由にする」 という言葉を贈ります。これは、国立国会図書館の理念としてうたわれている言葉です。国立国会 図書館は国会に奉仕すると共に、国民の情報ニーズに応えられる機関として位置づけられています。 沖縄国際大学の図書館も、学生の情報ニーズに応えられる環境が整っています。 1 年生の頃、私は時間があれば図書館に行っていました。入り口から入って、階段を登ると、新書 や文庫のコーナーがあって、気軽に本を手に取る事ができます。2 年生になると、講義内容が徐々に 専門的になってくるので、資料収集やグループでの話し合いなどで利用する機会も増えています。 本だけでなく新聞・雑誌も豊富なので、資料集めに大変役立ちます。『世界』や『中央公論』などの 雑誌では、現代のあらゆる問題を専門家が論じているので、非常に勉強になります。3 年生になると、 勉強はもちろんの事、就職活動でも図書館を活用するようになります。毎日その日の地元紙や全国 紙がすぐ読めるようになっており、少しでも時間がある時は、目を通すようにしています。就職活 動中の学生にとって、新聞を読み、今世界や日本でどのような問題が起こっているのかを把握する ことは、不可欠です。 図書館は学年を問わず、すべての学生にとって大変有意義な場所です。また、図書館で頑張って いる学生を見ると、自分のモチベーションも高まります。是非、自分に合った図書館の利用方法を 見つけて、素敵なキャンパスライフを送ってください。「真理がわれらを自由にする」、この言葉の ように、図書館は真理の探究を通して、みなさんの可能性を広げるステージなのですから。 法学部 法律学科 金 城 綾 香 (平成24年3月卒業) 皆さんこんにちは。突然ですが私は読書家ではありません。でも沖縄国際大学の図書館はそんな 私でも楽しめ、行きたいと思わせてくれる設備が充実しています。そこで今回は私のおすすめする 図書館の設備を紹介したいと思います。 一つめは、AVコーナーです!大学2年生までは講義の間の時間をつぶすために娯楽映画を観てい ましたが、途中から講義に関連する内容のドキュメンタリー番組などを見はじめその効果のおかげ か講義の内容がすんなりと頭に入ってきてとても講義の理解に役立ちました。二つめは、新聞や雑 誌の情報量が豊富なことです。県内新聞社の他に日経新聞などスタンダードな新聞・雑誌がおいて あり就職活動で必要な時事問題の知識を常にチェックできる貴重な場所になっています。三つめは 資格の参考書が充実していることです。公務員関係はもちろん、行政書士、宅建など様々な資格の 二―ズに対応しており自身のスキルアップに繋がります。 本学の図書館設備の充実度は県内でもトップクラスだと思います。皆さん是非この環境を有効に 活用し自分磨きに精をだしてみませんか。 「図書館に期待すること」 図書館 ライブラリー 総合文化学部 日本文化学科 4年次 平 良 一 登 経済学部 経済学科 3年次 宮 国 翔 也 図書館は学生にとってありがたい設備が充実している施設です。レポート作成やグループ学習、 日々の課題や研究に使う目的がほとんどだと思いますが、沖縄国際大学の図書館はそれだけではなく、 CD や DVD、ビデオ鑑賞をすることのできるスペースがあり、一人で DVD などを視聴するだけで はなく、3人でも視聴できるスペースもあります。卒業研究に取り組みたい時に使用できる研究個 室や課題の合間に一息できる休憩室などがあり、利用者にとって有効活用できる場所となっています。 また、沖縄国際大学の図書館は大規模で他の大学の図書館にくらべると、分野によっては多く収 集することができるので、皆さんもぜひ自分の目的にあった図書館 LIFE をすごしてみてはいかがで しょうか? 7 私は大学生活の四年間、図書館をさまざまな場面で利用してきました。自身の好きな本を借りる ことはもちろん、課題のための本を借りる場、自主学習の場、グループ学習の場、雑誌論文を検索 し閲覧する場などです。また幼少の頃から琉球舞踊を習っているので、沖縄関係の資料がとても充 実していることも、自身の学習効果を上げる重要な利用の役割を担っていました。 私が図書館をここまで利用するのは、やはり図書自体の環境が私たち学生にとってとても良いと いうことが挙げられます。また図書館で大きな声で話す人は滅多に見ることはなく、みんながそれ ぞれの時間を有効活用できる雰囲気が整っていることも、図書館を多く利用する理由の一つではな いかと思います。 私は図書館司書の資格を履修して、図書館のことについて学習してきましたが、レファレンスの 環境整備、そして何よりスタッフの対応がよりよい図書館にしていく上で重要になってくると思い ます。後輩たちのためにも、沖国図書館がさらによりよい図書館になることを願っています。 8 第46号 2012(平成 24)年4月1日 第46号 図書館を利用して 2012(平成 24)年4月1日 学生生活と図書館 地域産業研究科 地域産業専攻 1年次 陳 琦 麗 地域文化研究科 南島文化専攻 1年次 島 袋 寛 子 私は、沖縄国際大学日本語科目履修生の時か 用ができると思います。 本稿を執筆している傍らでちょうど、2年次の先 大学院に進んでからも図書館はよく利用している。 らずっと図書館を利用しています。その頃、日 大学院に入学すると、授業ではレポート形式 輩方が修士論文の締め切りを直前に控え、苦しんで 特に、論文を探す際には最新版の雑誌を3階で確 本語の本を借りたり、館内で自習したりしてい などの課題が出されることが多く、新入生はこ いる。「順調ですか」等という質問も迂闊に聞くこ 認し、過去の雑誌を地下1階で探すという作業を行 ました。大学の静かな所で勉強するため、図書 れから頻繁に図書館を利用することになると思 とが出来ない程、緊張感に満ちた空間が院生自習 っている。過去の雑誌も数十年分と保管されている 館を選びました。もちろん勉強はどこででもで います。図書館でよく利用するツールの一つと 室には広がっている。翌年の自身の姿を考えると恐 のだが、地下での長時間の作業は危険だと言ってお きますが、集中できる環境でやりたいものです。 して、蔵書目録検索(OPAC)があります。これは、 ろしい限りであるが、それと同時に、昨年の卒業論 きたい。私がいつものように地下1階の書庫3で、 私は家ではあまりにもくつろぎすぎ、たくさん 大学内に所蔵されている全ての図書を検索する 文に取り組んでいた時のことが思い出される。 教育系の雑誌を見ていたときのことだ。私は雑誌の の誘惑に負けてしまい長く集中力は続きません ことができ、詳細な情報が分からなくても、キ 4年次になれば卒業論文を書き上げなければなら 束ねられた冊子を手に取り、その場でしゃがみなが でした。図書館ならテレビがあるわけでもなく、 ーワードから簡単に検索できるため多くの学生 ない。その作業を、私は図書館内にある研究個室 ら一冊ずつ目を通していた。周囲に私以外の利用者 横になることもなく静かにできる環境が整って が利用しています。論文を作成する上で戦力と を利用して行うことが多かった。研究個室はパソコ はなく、私の紙を捲る音だけが聞こえていた。4年 いますし、わからないところをすぐに調べるこ なるツールもあります。図書館Webサービスの ンが備え付けられており、必要な本を好きなだけ積 分の雑誌に目を通したぐらいだろうか、息苦しさを感 ともできます。また、よく図書館で一生懸命勉 詳細は図書館HPに記載されていますが、オンラ み上げ、集中して学習することが出来るため便利で じて立ち上がると、その瞬間立ちくらみと酸欠状態 強している学生たちの姿を見て、自分もその場 イン上で検索できるため非常に便利です。 あった。さらに、卒業論文提出の数ヶ月前から、自 に陥り動けなくなってしまった。数分後には回復し の雰囲気でやる気がでてきます。大学院に入っ 私は図書館で自分の目的に合った図書を選択 然と研究個室を利用する友人が増えてきたため、互 たが、周りに人がいなかった分、本当に怖い体験で てから、図書館の個室も利用できるようになっ し、読みとる技術を身につけ、自ら学び自ら考 いに励ましあいながら卒業論文を書き上げることが あった。皆さんも気をつけて欲しい。 て、一人落ち着いた雰囲気で一日を過ごすこと えることのできるよう努力しています。図書館 出来た。お昼過ぎから研究個室に入り、数時間パ ところで、皆さんは、地下1階と地下2階の書庫 ができます。 は、学習と教養のためのセンターとしての役割 ソコンと睨めっこして後、同じように卒業論文に取り のアレを押したことはあるだろうか。私が大学に入学 図書館には、自習室、会議室、DVD視聴など を果たしています。このように、図書館は私た 組む友人の研究室のドアをノックし、「終わる気がし し、初めてあのボタンを押した時に感じた衝撃は、 さまざまな利用方法があります。日本語の新聞、 ち留学生の重要な知識教養の吸収の場です。私 ない」「どうしよう」「いや、どうにかなるよね、ど 今もなお鮮明に思い出せる。ぜひ、皆さんも実際に 週刊誌や、中国語の海外版新聞、英語の新聞な たちは精一杯頑張り、留学を通じて習得した知 うにかしよう」等、互いに励ましの言葉をよく囁き 行き確かめて欲しい。そして、出来れば私と同じ感 どを読むことが出来ます。閲覧室では、時々学 識を故郷の発展のため、必ず役立てたいと願っ あった覚えがある。 動を味わって欲しいと思う。 生たちのグループが勉強会を開いています。こ ております。将来、思い出の記憶の中で、沖縄 卒業論文を書き上げる以外でも、レポート提出や れは大変おもしろいと思います。館外貸出しの 国際大学図書館は必ずや私の留学生活の中で一 発表があるため、図書館で調べ物をする機会は多か 図書を返す時1階カウンター前に置かれている 番懐かしい場所になるでしょう。 った。初年次の頃は、どのように目的にあった本を ブックポストに入れるだけでよく、とても便利 探せば良いのか分からず不安だったが、基礎演習 です。また、図書館で所蔵していない資料がほ で調べ物を行う方法を学べたため、「蔵書 検 索 しいならば、職員の方に頼めば、優しく取り寄 OPAC」等を活用し、本を探すことが出来るように せしてくれますし、学生希望図書として購入で なった。しかし、探している本のなかには館内に所 きます。たいへん効率がよく、心から感謝して 蔵されていないものもある。そんな時は、「沖縄県 います。この様なサービスは、自分の国ではま 内横断検索」を用い、他の図書館にその本がない だ行われていませんので、日本の整備と制度を かチェックするようにしている。那覇方面、浦添方 うらやましく思います。このように、図書館の 面へと、至る所に必要な本を探し求め、実際に手に 活用方法は様々であり、個人の目的にあった利 した時の達成感は格別である。 9 10 第46号 2012(平成 24)年4月1日 発 行 所 ① 父と娘の法入門 大村敦志 岩波ジュニア新書 ② 砂上の同盟─米軍再編が明かすウソ 屋良朝博 沖縄タイムス社 ③ 伝える力 池上 彰 PHPビジネス新書 ④ 砂漠 ⑤ 脳に悪い7つの習慣 伊坂幸太郎 新潮文庫 林 成之 幻冬舎新書 ① 基地はなぜ沖縄に 集中しているのか ② 法律の世界地図 ③ ④ ⑤ 定本 山之口貘詩集 発 行 所 ① 統計解析 丹慶勝市 ナツメ社 ② ゲーム理論 渡辺隆裕 ナツメ社 ③ シリコンバレー精神 フェイスブック ④ 若き天才の野望 クラウド グーグルの次世代戦略で ⑤ 読み解く2015年のIT産業地図 梅田望夫 ちくま文庫 デビット・カークパトリック(著) 小林弘人 解説(その他) 滑川海彦(翻訳)・高橋信夫(翻訳) 日経BP社 小池 良次 インプレス R&D 総合文化学部日本文化学科長 西岡 敏 著 者 名 発 行 所 NHK取材班 NHK 出版 新潮社(新潮新書) 文藝春秋 発 行 所 ① 新南島風土記 新川 明 岩波現代文庫 ② 沖縄生活誌 高良 勉 岩波新書 ③ 沖縄の言葉と歴史 外間 守善 中公文庫 ④ 沖縄文化論 忘れられた日本 岡本 太郎 中公文庫 ⑤ 外国語としての日本語 原書房 山之口 貘 著 者 名 書 名 21世紀研究会編 文藝春秋(文春新書) 気骨の判決 清水 聡 東條英機と闘った裁判官 二十歳の君へ 立花隆 ─16のインタビューと立花隆の特別講義 東京大学立花隆ゼミ 著 者 名 書 名 法学部地域行政学科長 上江洲純子 書 名 最優秀賞1編、優秀賞2編、佳作10編に決定 産業情報学部産業情報学科長 又吉光邦 著 者 名 書 名 経済学部経済学科長 宮城和宏 佐々木 瑞枝 講談社現代新書 総合文化学部英米言語文化学科長 素民喜琢磨 書 名 著 者 名 発 行 所 書 名 著 者 名 発 行 所 ① 僕は君たちに武器を配りたい 瀧本哲史 講談社 ① 英語 確実に身につく技術 山田 光顕 KAWADE夢新書 ② 20歳のときに知っておきたかったこと ティナ・シーリング 阪急コミュニケーションズ ② 眼の奥の森 目取真俊 影書房 ③ マネジメント ③ 兎の眼 灰谷 健次郎 角川文庫 P.F.ドラッカー ダイヤモンド社 ④ 風景の裂け目 沖縄、占領の今 田仲康博 せりか書房 ④ Huckleberry Finn ⑤ ウシがゆく 知念ウシ 沖縄タイムス社 ⑤ A Christmas Carol 経済学部地域環境政策学科長 小川 護 書 名 著 者 名 書 名 著 者 名 発 行 所 勝方=稲福 恵子 前嵩西一馬 (編) 昭和堂 ① 論文のレトリック 澤田昭夫 講談社学術文庫 ① 沖縄学入門─空腹の作法 ② 大学生の知的勉強術 松野 弘 現代新書(講談社) ② ─戦跡・基地・産業・文化 ③ 考えない練習 ④ 今日よりよい明日はない 地域研究とは何か ⑤ ─フィールドワークからの発想─ 小池龍之介 小学館 玉村豊男 集英社新書 小林浩二 古今書院 新版・観光コースでない沖縄 新崎盛暉ほか(編) ① 考える技術・書く技術 ② GM とともに 著 者 名 ③ 新編・日本のフェミニズム(全12巻) 岩波書店 ④ 社会学 長谷川公一・浜日出夫 藤村正之・町村敬志 有斐閣 筑摩書房 総合文化学部人間福祉学科長 知名 孝 書 名 発 行 所 バーバラ・ミント ダイヤモンド社 ① 八重子のハミング アルフレッド P. スローン, Jr. ダイヤモンド社 ブラックジャックによろしく ② (特に9巻∼13巻) ③「多様な意見」はなぜ正しいのか スコット・ペイジ 高文研 天野正子・伊藤公雄・伊藤るり 井上輝子・上野千鶴子・江原由美子 大沢真理・加納実紀代(編) ⑤ サヨナラ、学校化社会(ちくま文庫) 上野千鶴子 産業情報学部企業システム学科長 木下和久 書 名 Bookworms Mark Twain OxfordLibrary Bookworms Charles Dickens OxfordLibrary 総合文化学部社会文化学科長 澤田佳世 発 行 所 日経BP社 ③ 障害ある人の語り ④ 考える経理 陣川公平 日本実業出版社 ④ この世で一番大切な日 ⑤ 大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 沢田健太 ソフトバンク新書 ⑤ 問題行動の意味にこだわるより 解決志向で行こう 11 2012(平成 24)年4月1日 平成23年度 書評・映画評賞 学科長が新入生に薦める5冊(種類)の本 法学部法律学科長 比屋定泰治 第46号 著 者 名 発 行 所 陽信孝 小学館 佐藤 秀峰 講談社 熊倉伸宏・矢野英雄 誠信書房 十川ゆかり sanctuary books 森俊夫 ほんの森出版 本学学生の読書・映画鑑賞活動の向上を図ること を目的として実施した「平成 23 年度 沖縄国際大学 図書館 書評・映画評賞」には、17 編の応募があった。 12 月 9 日(金)の第4回図書委員会において厳正 に審査した結果、最優秀賞1編、優秀賞2編、佳作 10 編を決定した。この賞は、平成元年度に「論文賞」とし て設けられ、平成9年度から平成 17 年度までは「論 文・エッセイ賞」として実施し、平成 18 年度から「書 評・映画評賞」として内容を新たに募集したもので ある。平成 23 年度の受賞者は次の通り。 (年次は応募 時) 表彰式は 12 月 16 日(金)図書館会議室で開催され、 兼本敏図書館長から受賞者に賞状と副賞が手渡され た。 ○総合文化学部 英米言語文化学科2年次 上 地 真 雄 「視覚障害者と白杖『青い空と白いつえ─訪問編─』か ら学ぶ 視覚障害者の歩き方」 ○総合文化学部 人間福祉学科3年次 譜久村 寛 大 「こんな夜更けにバナナかよ」 ○総合文化学部 人間福祉学科3年次 嘉手納 瑞 紀 「障害をもつ子を産むということ─19 人の体験─」 ○総合文化学部 英米言語文化学科3年次 領 家 紘 子 「抑圧された感情の行方」 ○総合文化学部 英米言語文化学科4年次 大 城 智 樹 「いじめの正しさを証明する『ヘヴン』」 ○総合文化学部 人間福祉学科3年次 高江洲 芹 菜 「障害をもつ子を産むということ ∼ 19 人の体験∼」 最優秀賞 ○大学院地域文化研究科1年次 鍋 田 尚 子 「『ベトナム戦記』開高健」 優秀賞 ○総合文化学部 英米言語文化学科4年次 田 中 えみ子 「癒しのプロセス∼『包帯クラブ』がもたらす希望∼」 ○総合文化学部 日本文化学科3年次 比 嘉 吉 成 「ショーペンハウアーの自殺論−それは死から生の認 識へ至ること」 佳 作 ○大学院地域産業研究科2年次 阿 嘉 宗 紀 「映画ブラッドダイヤモンドから考える世界」 ○総合文化学部 人間福祉学科3年次 福 山 綾 「障害をもつ子を産むということ∼人に手を差し 伸べられる人間でありたい∼」 ○総合文化学部 人間福祉学科3年次 曽 根 みなみ 「逝かない身体−ALS 的日常を生きる−」 ○総合文化学部 日本文化学科4年次) 塩 浜 敦 子 「『とはずがたり』−古典への誘い−」 受賞者と記念写真 表彰式の様子 12 第46号 2012(平成 24)年4月1日 最優秀賞 書評『ベトナム戦記』開高健 地域文化研究科 南島文化専攻 1年次 鍋 田 尚 子 (年次は受賞時) 第46号 2012(平成 24)年4月1日 いていた。開高はサイゴンで頻繁に数名の僧に会っ め、たくさんの日本人が太平洋戦争後ベトナムに ている。有刺鉄線と兵隊の警戒線を越えて寺に入 とどまり、ベトミン5軍に入りインドシナ独立戦争 り込み、仏教徒の動きを聞き、ベトナムの将来を を戦い、ベトナム兵を帝国陸軍の戦法と規律によっ 憂う僧の話に耳を傾ける。僧からベトナムという て鍛え上げたのだという。 国の複雑さや難しさが語られ、仏教徒の動向とと 開高が見てきたベトナム。解説で日野敬三は、 もに駆け回る開高からはサイゴンの街の様子が伝 このルポタージュが敵と味方、正義と悪の大前提 わってくる。大地にひれ伏す寡黙なデモをする尼 なしの、前提そのものを問い続けながら、目の前 僧たち、無期限の断食を決行する僧たち。そのま の苛烈な事実と対峙する精神の作業だったと説明 小説家・開高健、彼は生涯のなかで3度ベトナ 月にアメリカは北爆 を開始した。 わりには何千もの信者やサイゴン市民が取り巻い する。開高は、あとがきで「とにかく私たちは見 ムを訪れている。1964 〜 65 年、朝日新聞の臨時 本著は「ベトナムの匂いはすべて“ニョク・マ ている。非暴力の僧たちに対し政府軍は容赦しな てきた。結論は読者におまかせします。」と締めく 特派員としてベトナムの地に初めて足を踏み入れ ム”」という第一節から始まる。開高にとってベト い。女学生たちもデモ行進をする。次々行われる くった。サ・マック作戦を終えて歩いているとき、 「I た。『ベトナム戦記』は、開高健がこの時期ベトナ ナムはニョク・マムの匂いとともに記憶され、描 デモや抗議行動に先陣をきって走り回る子どもと am sorry」ベトナム人将校が開高に謝った。どう ムで見聞きし体験した戦時下ベトナムにおけるル き出される。ニョク・マムは、塩漬けしたイワシ おばあさん。その同じサイゴンの中心部では戦争 したのかと聞くと、ひとこと「My country is war」 ポタージュである。 などの魚を樽で蒸留・熟成させて上澄み液を取る、 による輝かしい繁栄、ネオンと香りの閃きがある。 とつぶやいた。ベトナム戦争とはなんだったのか。 本著に登場するのは、南ベトナム政府軍、解放 日本でいう魚醤である。かなり独特の匂いを発す この時期、サイゴンでは人々がテト(旧正月)を 『ベトナム戦記』を読む人々がそれぞれの結論を導 民族戦線(ベトコン)、仏教徒、女性や子ども、ア るが、ベトナム人の食には絶対に欠かせないもの 迎えるための準備に入っていた。サイゴンもまた き出してほしいと思う。その際にベトナム戦記を メリカ兵など様々な人たちである。情報が錯綜し である。開高は南ベトナム:ベン・ハイ河からカ 最前線の戦場であり、矛盾と混沌に満ちたサイゴ 基に書かれた小説『輝ける闇』『夏の闇』を読むこ デマが飛びかうなか、ベトナムの戦争の [ 事実 ] を マウ岬まで、どの町どの村の石、木、川、草、新 ンで生きる人々の姿が描き出される。 ともお勧めしたい。 追い求め東奔西走した開高健。観察者として必死 聞紙、すべてに“ニョク・マム”の匂いがしみこみ、 開高がベトナム滞在中、最も衝撃を受け一生消 に冷静さを保ちながら、出会った人々や目にした この国の息の匂いだと言う。この匂いのなかに本 えない精神の傷を負ったのは、ベトナム少年の公 情景・出来事を記録している。戦時下の緊張と興 質があると、『ベトナム戦記』を基に書かれた小説 開処刑とジャングルでの壮絶な銃撃戦であろう。 3 奮、恐怖、好奇心、人間や自分に対する嫌悪と絶望、 『輝ける闇』のなかで語っている。ニョク・マムは 多くの死や死体に遭遇してきた開高。しかし、20 人間への愛が、いたるところに豊かに表現されて 実に様々な場面で登場する。華やかなサイゴンの 歳の青年が広場につれてこられ、柱にくくりつけ いる。時にユーモアを伴って。戦地ベトナムで開 裏通りのドブとニョク・マムの悪臭のなかで暮ら られ目隠しをされ、10 人のベトナム人憲兵に 10 高は大いに酒を飲み、大いに笑った。そうしなけ す娘たち、尿とニョク・マムの匂いで腐った路地 挺のライフルで射たれたのをみたとき、「銃音がと れば、そこにいられなかったのだという。ベトナ で遊ぶはだしの子供たち。ニョク・マムの匂いは どろいたとき、私のなかの何かが粉砕された。膝 ムはすべての場所が最前線の戦場であった。その どこまでもベトナムを形作っている。 がふるえ、熱い汗が全身を浸し、むかむかと吐き なかを駆け巡った開高の息遣いが、戦時下ベトナ そして、ベトナムの空気は酸素と窒素と『死』 気がこみあげた。たっていられなかったので、よ ムの現実の姿をとおして描き出される。そこに秋 で構成されていると開高はいう。17 度線に行く途 ろよろと歩いて足をたしかめた。」公開処刑はただ 元キャパの写真が、日常と戦争が一体となったベ 中でひとつの死体に出会う。ベトナム人がベトナ 《見る》ことだけを開高に強制させた。すべてが静 トナムを鮮明に映し出している。 ム人に射殺された死体。ベトコンか農民だったか 止した広場で、安全な第三者として、特権者として。 ベトナムは東シナ海に面した南北に細長い国で も分からない死体。ここには戦争の英雄賛美はな 開高にとってこの衝撃は生涯消えることのない映 あり、建国から多くの時間を戦争に費やしてきた。 く、ただ死者・武器喪失が%増減で計算されるだ 像として脳裏に焼きついたようである。その後の なかでもベトナム戦争 は複雑かつ過酷で悲惨な戦 けである。また彼は「戦争が村々を強姦している」 彼の小説にこのシーンが登場する。処刑される少 争であった。第一次インドシナ戦争終結後、北緯 と表現する。日常と一体化した戦争のなかで、男 年の写真には無力感と絶望感が漂う。 17 度線でベトナムは南北に分断された。その後、 はみなベトコンか政府軍4になり、からっぽの村で 1965 年 2 月 14 日、アメリカ兵と政府軍に従軍 アメリカ支援で樹立したジエム政権(南ベトナム 女たちは黙って 1 日中毛ジラミを取りあい、子ど していた開高と秋元キャパはジャングルでのベト 政府)に対する反政府組織:南ベトナム解放民族 もたちは「死」に慣れていく。街道沿いの村々や コン掃討作戦サ・マックに参加する。「これからあ 戦線(ベトコン)が結成された。当初の国内の内 サイゴンからわずかしか離れていない田舎の村の との人生はオマケだ」と言わせるほどの体験であっ 戦にアメリカが軍事介入し、国際的な戦争へと拡 姿である。 た。姿の見えないベトコンの包囲、とつぜん銃声 大していった。 1 一方で仏教徒も彼らの方法で戦いをしていた。 が鳴り響き攻撃が始まった。200 人いた兵士が 17 2 開高がベトナムに赴いたのは、トンキン湾事件 ゴ・ディン・ジェム時代、仏教弾圧に反対しアメ 人になっていた。開高と秋本キャパはこの日をふ が起こり、アメリカが本格的にベトナムとの戦争 リカ大使館前でガソリンをかぶり、焼身自殺で抗 たりの命日として毎年弔っているのだと『白いペー に介入し、軍事的緊張の高まっていた時期である。 議した僧の影像が世界で流された。ジェムが倒さ ジ』で語っている。 そして開高がベトナムに滞在していた 1965 年 2 れ新しい政権になっても仏教徒に対する弾圧は続 本著には沖縄出身者が登場する。当間氏をはじ 13 参考文献 開高健 1990『ベトナム戦記』朝日文庫 開高健 1982『輝ける闇』新潮文庫 開高健 1983『夏の闇』新潮文庫 開高健 1978『白いページⅠ』角川出版 桜井由躬雄・桃木至朗編 1999『ベトナムの事典』同朋舎 吉沢南 2009『ベトナム戦争 民衆にとっての戦場』吉川弘文館 1 吉沢南はベトナム戦争の起源を 1954 年として、フランスと の戦争と区分し、アメリカとベトナムとの戦争に限定している。 ここでは吉沢のベトナム戦争区分を使用した。また、ベトナム 人はこの戦争を抗米救国戦争「Chiến Tranh Cứu Nước Chống Mỹ」 と呼ぶ。これは、北ベトナムからみた名称で、ベトナム全土で 呼ばれているものではない。 2 1964 年 8 月ベトナム北部沖合のトンキン湾の公海上で、ア メリカ海軍艦艇が北ベトナム側から相次いで爆撃されたと発 表。報復として、北ベトナムを空爆。しかし、この真相は謎に 包まれている(『ベトナムの事典』) 3 トンキン湾事件の報復としてベトナム北部へのアメリカ軍に よる爆撃(『ベトナムの事典』) 4 サイゴンの南ベトナム政府の軍隊 5 ベトナム独立同盟会。ホー・チ・ミンに率いられた独立運動 組織。フランス植民地からの独立のために戦った。 14 第46号 2012(平成 24)年4月1日 優秀賞 ショーペンハウアーの自殺論 ──それは死から生の認識へ至ること 総合文化学部 日本文化学科 3年次 比 嘉 吉 成 (年次は受賞時) 象としての世界』正編全四巻が完成する。 一 はじめに 今回、筆者が取り上げるのはショーペンハウ アーの『自殺について 他四篇』である。本書は 岩波書店から文庫本として出版されている。本書 ではショウペンハウエル著となっているがこの書 評では、現在一般的に日本語で表記されている ショーペンハウアーの表記で統一することとす る。 まず始めに、筆者がこの本を取り上げるのは死 について今まで以上に身近に感じるような環境で 2011年を過ごしているからだ。著名人の訃報もそ うだが、3月11日には東日本大震災もあり、身辺 でもそのようなことが重なり従来は明確に意識し にくかった死というものが少なからず心身に染み 込むような感覚を覚えたのである。生への絶望が 実感として迫ってくるのは、このような環境に触 れたためであろう。その中で再び生への希望とで もいうべきかはわからないが生と死の考えを整理 しようと思い立ち、「死」で想起するショーペン ハウアーの自殺論を採り上げることにしたのであ る。 三 ショーペンハウアー哲学の受容について それではショーペンハウアーの哲学がどのよう に受容されているかをみていくとしよう。 西尾幹二訳『意志と表象としての世界Ⅰ』では 「生を苦痛とみるそのペシミズムは日本でも大正 期以来、熱心に読みつがれてきた」とある。同書 の解説を担当している鎌田康男は「厭世主義、非 合理主義、自殺の哲学、女性の敵、反動主義、性 愛の哲学、頽廃の哲学——ショーペンハウアー哲 学にはさまざまなレッテルが貼られ」ており、 「ショーペンハウアーの哲学は、19世紀半ば頃、 1848年革命から世紀末に至る近代市民社会の確 立期に再発見され、脚光を浴び」て「人々の先入 観によって誤解され、脚色され、受け売りされ」 たが、「そのレッテルのおかげで有名になるとい う皮肉な運命をたどった」のであり、「これらの レッテルが貼られなかったら、ショーペンハウ アー哲学もさほどの知名度を得られなかったかも 知れない」とある。 確かにショーペンハウアーの哲学といえば—— ショーペンハウアーの研究者も含めた哲学者 が——直ぐにペシミズムや厭世主義、生の否定を 想起する。しかし、従来のショーペンハウアー像 は様々な原因によって正しく研究されていなかっ た結果であり、現在では新しいショーペンハウ アー像の形成を目指している。その成果は齋藤智 志・高橋陽一郎・板橋勇仁編『ショーペンハウ アー読本』などにみられるだろう。 二 本書と著者の簡略な説明 この本は書名のとおり五篇の自殺に関する論 稿——タイトルに自殺がつくものは一篇のみ—— が収められており、この五篇は『付録と補遺』 (1851)の中の一部である。 アルトゥール・ショーペンハウアー(17881860)はハンザ同盟の自由都市ダンツィヒ(現 グダニスク)に生まれる。父親のハインリヒ・フ ローリス・ショーペンハウアーはハンザ同盟に属 する豪商の一人で、ショーペンハウアーは幼少期 からヨーロッパ諸国を旅する。父親はショーペン ハウアーが17歳の時に精神錯乱の結果、自殺し、 母親のヨハンナ・ショーペンハウアーは夫の死 後、作家として成功する。9歳下の妹アデーレがい る。 1819年にショーペンハウアーの主著『意志と表 四 ショーペンハウアーにとっての生と死 ショーペンハウアーの哲学が現在の研究の中で 新しく構築されていく中で、自殺についての様々 な観点を提示する『自殺について 他四篇』は生 きるための哲学だということを読者に伝えられる と筆者は考えている。 本書に収められた「我々の真実の本質は死に 15 第46号 2012(平成 24)年4月1日 ウアーが自殺を推奨しているかのように感じられ るだろうが、注意しなければならないのは「自発 的にこの世から去っていったような知人や友人や 親戚をもっていない人がいるだろうか」という部 分である。この文章をよく精読しない人々は、単 に従来どおりショーペンハウアーは自殺を推奨し ているだけだと捉えるだろう。しかし、そうでは ないのだ。この文章はまさしく現代に生きる我々 の意識を揺さぶるものなのだ。 現代の自殺は経済的・精神的な苦痛による自殺 ばかりがクローズアップされ、且つ自殺というカ テゴリーに含まれるのはそのようなものだという 先入観がある。だが、筆者にはそれだけではない と思われてならない。患者が延命治療を拒否し、 医療技術でもう少し長く生きるよりもそのままで いることを決定した場合は、自殺の一つのモデル ではないだろうか。他にも安楽死や尊厳死なども 自殺のモデルとして考えられないだろうか。現代 の我々は「自発的にこの世から去っていったよう な知人や友人や親戚を」もつことがありえないこ とではないのだ。寧ろ、いつそうなっても不思議 ではないことは確かである。 よって破壊せられえないものであるという教説に よせて」にある「誤った観念というのは、我々の 個人的な意識の全部が、死後も、個体的に存続す るというあの観念」や「始まりがあるような種類 の存在に終りがあってはならないとするような要 求の愚かさが指摘されている」と書かれ、『世界 哲学体系Ⅲ 近代西洋哲学』の「死によって消滅 する一切の価値を、生の欲望が形造った幻影にす ぎないと見なす」という考えはショーペンハウ アーがリアリストであることを物語っている。そ の原因ともいえるのは『概念と歴史がわかる 西 洋哲学小事典』にある「1年半に及ぶ両親の欧州一 周旅行に一緒に連れて行くこと」によって「15〜 16歳で世界各地の現実に触れること」で「書物や 学校から学ぶ前に、世界諸地方の人間の生の悲惨 さに心を深く揺さぶられたこと」である。この経 験によってショーペンハウアーが厭世主義になっ たと考えるのは妥当だろう。現実にあるものを見 たからこそ、楽観できないのが人生であり、苦痛 に満ちているとまで言ったのだろう。 『世界哲学体系Ⅲ 近代西洋哲学』では「彼は 自分の考えが悲観的であることを否定しない。慰 めを欲しい人は教会へ行けばいいという。彼に見 えるのは、教会の手が届かない人生の苦悩であ り、生の結果の死である。これは人生の否定を意 味している。彼は自殺について、それを禁ずべき 何らの理由も見出されないという」のだ。本書に は「私の知っている限り、自殺を犯罪と考えてい るのは、一神教の即ちユダヤ系の宗教の信者達だ けである。ところが旧約聖書にも新約聖書にも、 自殺に関する何らの禁令も、否それを決定的に非 認するような何らの言葉さえも見出されない」と し、自殺そのものを悪や犯罪と考えることは愚か でしかないという。さらに「知人がある種の犯 罪、たとえば殺人とか暴行とか詐欺とか窃盗とか の犯罪を犯した場合」と「知人が自発的な死を遂 げた場合」の倫理的感情の判定の例を挙げ、前者 を「なまなましい憤激やこの上もない腹立たしさ を覚え、処罰や復讐の念に駆られ」るとし、後者 を「呼び覚まされてくるものは哀愁と同情」で 「これらの人たちを一体誰もが犯罪者に対するよ うな憎悪の念をもって回想しているとでもいうの であろうか。否、断じて否!」と強く主張してい る。確かにショーペンハウアーは本書の「自殺に ついて」では自殺を否定せずそれは個人が持つ権 利であるとまでいう。ここまでならショーペンハ 五 まとめ 我々は死によって生について深く考える機会を 得るのである。それは『死を考える事典』にある ロバート・フルトンが1963年にミネソタ大学で初 めてデス・エデュケーションを正規の講座として 開設したことからも確かなことではないか。我々 はいずれ死を迎えねばならない。だが、我々は死 を退けることはできないが抵抗することはできる のである。このことを今一度、ショーペンハウ アーの哲学から学ぶことができるのではないかと いうのが筆者の考えである。 参考・引用文献 金森誠也・前田敬作・徳永恂ほか訳『ショーペンハウアー全集 別巻』白水社 1975年 ショウペンハウエル著・斎藤信治訳『自殺について 他四篇』 岩波書店 1979年 山中栄一著『世界哲学体系Ⅲ 近代西洋哲学』東方出版 1995年 ショーペンハウアー著・西尾幹二訳『意志と表象としての世界 Ⅰ』中央公論新社 2004年 齋藤智志・高橋陽一郎・板橋勇仁編『ショーペンハウアー読 本』法政大学出版局 2007年 グレニス・ハワース、オリヴァー・リーマン編 監訳荒木正 純・訳幸野良夫、武井摩利『死を考える事典』東洋書林 2007年 生松敬三・木田元・伊東俊太郎ほか編『概念と歴史がわかる 西洋哲学小事典』筑摩書房 2011年 16 第46号 2012(平成 24)年4月1日 優秀賞 癒しのプロセス∼『包帯クラブ』がもたらす希望∼ 総合文化学部 英米言語文化学科 4年次 田 中 えみ子 (年次は受賞時) 第46号 2012(平成 24)年4月1日 る。彼女は傷ついているのは自分だけではないと 代わっても、気づかれないし、気にもされない」 悟り、孤独感から抜け出せたのである。クラブの (175)、自分がいなくなっても「世界は少しも変 活動は、自分ばかりを見つめてしまいがちな部員 わらない」 (175)とワラに話す。これに対しワラは、 達に、他者を通じ外の世界へと目を向けさせてい 中止していた「包帯クラブ」の活動を再開すると る。 言い出す。部員達の絆が強まれば、テンポがした また「包帯クラブ」が依頼を受けているという ことは意味を持つことになり、彼女が自分を否定 ことも重要である。なぜならそのことに彼らが自 せずに済むからである。街中に巻かれた包帯を見 身の存在意義を見出しているからである。依頼者 てテンポが涙するのは、ひとつひとつは誰かのた 2011 年 3 月 11 日。東日本大震災が発生した。 傷という非常に抽象的な概念が、包帯を巻くこと にとって傷を打ち明けるのが「包帯クラブ」であ めでありながらも、最終的には彼女のために包帯 かつてない規模の地震により、多くの人の命や生 によって具体化する。本来であれば見えないはず る必然性はなかったかもしれない。しかし彼らを が巻かれたからだと言えよう。彼女の涙は、集団 活の基盤などが奪われた。親しい人や大切な物を のものを目にすることで、よりはっきりと「自覚 頼ったという事実は「包帯クラブ」および部員一 の一人ではなく「テンポ」という存在が認められ、 失った人の精神的ダメージは計り知れない。仙台 することができ」(59)るのである。つまり抱い 人一人が、なくてはならない存在だと認められて アイデンティティが回復されたことを表している。 市出身の私も被災者の一人である。震災後、私は た不快感を自ら受容することが、それを癒す第一 いることを意味する。存在を肯定された人は、自 「包帯クラブ」の部員達が互いをあだ名で呼び合う 喪失感や無力感に苛まれた。また被害の有無に関 歩となるのである。 分が必要とされる存在であると自信を持つことが のも、互いの存在を肯定するという意味が隠され わらず、私と同様の想いを抱いた人は数多くいる 人は、自分の存在を認めて欲しいと思いながら できる。それゆえ痛みに共感し腹を立てたり涙す ている。あだ名は本名以上にその人を表すもので だろう。これから我々は、どのように自分の心を 生きている。しかしそれを実感するよりも、存在 ることがあっても、彼らは「活き活きして」(174) ある。なぜならあだ名は本名とは違い、性格など 癒し他人のそれと接していけば良いのだろうか。 を否定されることが目についてしまいがちである。 いるのである。命や性に関わる深い傷を知ること その人ならではのものから由来していることが多 そのヒントになり得るものが、天童荒太が書いた 自分の傷つき方、つまり物事の捉え方を他人に肯 になっても包帯を巻くことを止めないのは、彼ら いからである。彼らはあだ名を使うことにより精 『包帯クラブ』の中にある。『包帯クラブ』は、ワ 定してもらうことは、自分の存在そのものへの肯 を必要とする人がいるからである。また共感する 神的距離を縮め、相手と真摯に向き合っていると ラと呼ばれる女子高生とその友人達との物語であ 定感へと繋がる。すなわち包帯を巻くことは、傷 ことの大切さを実感し、彼ら自身が他者の痛みを いうことを暗に伝えているのである。 る。ある日ワラはディノという少年と出会い、嫌 だけではなく依頼者自身の存在をも認めているこ 知ることを必要としているからでもある。 あの震災から半年以上が経ち、街は徐々に復興 な経験をした場所にある物に包帯を巻くというア とを意味する。ワラが、心の傷を自覚することで 次に方言とあだ名に着目して述べていく。ワラ しつつある。しかし人の心が癒えるには、まだ時 イディアを得る。その方法で心が軽くなったワラ 「ほっとするんじゃないかと思」(59)うのは、考 は中学生時代に、仲の良い友人と「方言クラブ」 間がかかりそうである。親しい人、もしくは名前 が、ディノやその他の友人と共に「包帯クラブ」 え方やその存在も肯定されて得られる安心感から というものを作り、各地の方言を散りばめた言葉 も知らない人の痛みを想像し共感する。それです を結成し、依頼を受けた様々な物に包帯を巻いて もたらされているのである。「包帯クラブ」では、 で話していた。それは「決まった場所に属してい べてが解決するとは言わない。しかし痛みを共有 いくというのがあらすじである。これより「包帯 包帯を巻いた景色を写真や動画で依頼者へと送っ る住人になりたくない想い」(23)に由来してお することにより、わずかでも救われる人は少なか クラブ」の考察を中心に、方言やあだ名について ていた。彼らは、依頼者がそこでどのような傷を り、ディノも同様の理由から日によって各地の方 らず存在するだろう。『包帯クラブ』は、そんな希 も触れながら述べていく。 受けたのかを想像しながら包帯を巻いた。そこに 言を使い分けていた。どこかに属するということ 望を我々に与えてくれる。 そもそもなぜ包帯を巻くことで、人の心が軽く は部員達から依頼者への共感が存在する。他人の は、ある都市の住人、ある学校の生徒というように、 なるのだろうか。人は日々生きていく中で、程度 感情を完全に理解することは不可能である。しか 何か大きな集合の一部となることである。集合体 の差こそあれ傷ついている。しかし自分の感じた し気持ちに寄り添うことが救いになることもある。 が語られる時、それを構成するパーツは見られて 想いを、気のせいだと受け流したり押し込めてし わずかながらでも想いを理解してもらえたと伝わ いないことが多い。つまり、重要視されるのは集 まうことが多い。「包帯クラブ」の部員の一人であ るからこそ、包帯を巻いてもらった人は心が軽く 合という全体そのものであり、それを構成する個 るタンシオはそのような気持ちについて、「包帯を なるのだと言えよう。 人は軽視されているのである。どこにも属したく 巻くことで、名前がつけられたんだよ、〈傷〉だっ 「包帯クラブ」の活動は、依頼者だけではなく ないという想いは、そのように何かの一部として て」 (59)と語っている。つまり包帯を巻くことは、 部員達のためにもなっていた。人は何かに悩むと 見なされてしまうことへの不安や苛立ちからきて その抑圧された想いを正当化する行為となるので 「自分が一番傷つきやすく、一番繊細だ」(121) いると考えられる。つまりそれは、ただ一人の人 ある。たとえ同じことが起こっても、感じ方は千 という想いに囚われてしまいがちである。そこで 間として自分を見て欲しい、という気持ちの表れ 差万別である。それゆえ「包帯クラブ」に寄せら 孤独や絶望を感じてしまうこともあるだろう。ワ なのである。 れる依頼には、他人から見れば「こんなことが傷?」 ラは他人の傷を知ることを「内面のこわばりを、 ワラの友人であるテンポは、警察などへ通報し 人々の傷や痛みが、いつのまにかほぐしてくれる」 「包帯クラブ」の活動を中止に追い込んでしまう。 (153)と思えるものもあった。しかし彼らは「ど んなものでも傷だよって認めてあげる」(122)と (121)と表現している。何かに悩んでいる時、誰 それはテンポが自身の存在意義を見出せないがゆ いう方針のもと包帯を巻いていった。そのように かから悩みを打ち明けられて救われたという経験 えの行動であった。彼女はクラブの活動で存在意 他者から傷ついたことを容認されることで、人は はないだろうか。ワラが他人の傷を知ることで得 義を得たワラ達を見て、嫉妬や焦燥感を抱いたの その傷を受け入れることができるのである。心の た感情は、そのように救われた心理とよく似てい だと考えられる。テンポは、自分が誰かと「入れ 17 【出典】 天童荒太『包帯クラブ』東京:筑摩書房 , 2006 年 . 18 第46号 2012(平成 24)年4月1日 新入生図書館利用 オリエンテーション 第46号 2012(平成 24)年4月1日 高校生による インターンシップ 米軍ヘリ墜落事件 壁画の寄贈 ●平成23年度実施状況 6月28日に南部工業高校3年生3人、11月8日 画家の真喜志 勉氏より米軍ヘリ墜落事件「黒い 壁画」2点を寄贈して頂きました。早速「黒い壁画」 1点は 「米軍ヘリ墜落事件関係資料室」 (図書館2階) にて展示しております。後1点は、8月に開催する企 画展に展示する予定です。 2年次図書館ガイダンス 5月12日から6月8日にかけて、学部2年次を対象と ●平成23年度実施状況 ∼9日に陽明高校2年生4人が図書館でのイン したガイダンスを行いました。ゼミ単位の申込制で18 図書館では、新入生を対象に図書館利用オリエ ターシップを行いました。職員の指導を受けな ゼミ165人が参加、ゼミ発表を行うという設定で、テ ンテーションを行っています。平成23年度は4月13 がら、装備、貸出、返却、配架など一連の業務を ーマ選びから情報の収集・整理、プレゼンテーション 日から5月18日に実施し、新入生1,150人が参加し 体験しました。その後「人と人との繋がりや、コミ の進め方を映像で紹介しました。それからWebcat ました。 ュニケーションの大切さを学びました」、 「大学 Plusで本学以外の図書館の所蔵を検索する方法や、 図書館4階AVホールで館内紹介映像を視聴後、 図書館で学んだ事を、さっそく高校図書館の書 ILL(図書館間相互利用サービス)について説明し、 資料の所在を調べるOPAC(オパック:蔵書目録オ 架整理で活かすことができました」など、就業体 最後に「資料検索実習課題」を提出しました。 験のお礼状が届き、生徒たちにとって就業観・勤 ンライン検索)端末の使い方を説明しました。最後 労観を形成する貴重な機会となりました。 に課題を配付し、実際に自分でOPACで検索する ●平成24年度実施のお知らせ よう、提出期限を設けて取り組んでもらいました。 今年度は10月中旬から実施予定です。日程が決ま り次第お知らせいたしますので、ゼミ単位でお申し込 ●平成24年度実施のお知らせ みください。 今年度の新入生図書館利用オリエンテーション より深く学ぶために、ぜひご参加ください! 「黒い壁画」 は、5月に開始予定です。基礎演習などの講義時 2004 年8月 13 日、TV画面に「臨時ニュース」 のテロップが流れた。目を疑うような“事件”だ。 ボクは、愛車MR-2をフル ・スロットルで走らせた。 沖縄国際大学の近くまで来ると、すでにイエローの ポリスラインが引かれ、M ・Pと県警が交通規制をし いている。急ブレーキをかけ、車を降り、 「ワッツ・ゴー イン・オン!!」と大声で聞く、硬い表情のM ・Pは 「ノー・コメント」と口を閉ざす。県警が、 「これから 先は通れません」という。ボクは車をスピン・ターン させて、右手の小高い丘のアパートの屋上に向かった。 そこにも県警がいて「報道関係者以外は上がれませ ん」という。ボクは間髪入れず「新聞の写真部のチー フだ!!」といって屋上にのぼった。 マスコミ各社のカメラマンの中に知人がいたので 「君 の社の名前を使ったよ!」という。 その友人は「サスガ ・・・」と言って、事件現場の説 明をしてくれた。 真っ黒に焼けた外壁、ヘリのローターがえぐった 生々しい傷、発泡消火剤の泡が残骸を包み、白煙が くすぶっている。 アトリエにもどったボクは、昨日まで描きためてい たエスキースを全部ボツにして、 「黒い壁」の絵を猛 烈なスピードで描き上げた。 この“事件”は、沖縄に「戦後」という文言が欠 落し不在であり、無効であることを物語っている。 沖縄の戦後は、まだ終わっていないのだ。 画家 真喜志 勉 間を利用して行います。詳しい日程が決まり次第、 担当教員へ連絡する他、図書館掲示板やWebサイ トにてお知らせします。集合場所は図書館4階の ステップアップガイダンス AVホールです。 編入生は、各自で日程表を確認し都合の良い日 フェア開催 時にご参加ください。 図書館をより効率よく活用していただくため、ステ 図書館を使いこなして、充実した4年間をスター 2011年3月11日の東日本大震災・原発事故に ップアップガイダンスでは、 トさせましょう! 伴い、本学図書館において、11月21日(月)∼12 ・OPAC(蔵書目録オンライン検索)の詳細検索や 月20日(火)までの1ヶ月間、 「震災と原発に関す 連想検索の使い方 る図書フェア」を開催しました。震災や原発関連 ・論文の探し方(CiNiiを中心に) 図書の他に、震災後の仙台空港の状況写真や、 ・My Library(Webサービス)の使い方 沖縄県内災害対策等のデータを揃え、より関心 ・ILL(図書館間相互利用サービス)の利用方法 を持つように努めました。その結果、震災・原発 ・辞書、年鑑、目録などの参考図書の利用方法 関連図書の貸出件数が増え、フェア開催コーナ ・データベースなどの種類や使い方 ーに立ち寄る学生が数多く、意識の高さがうか ・就活に役立つ図書館活用法 がえました。 などの説明を行います。 論文作成や就活に役立つ内容となっています。個 人でも申込できます。日程が決まり次第お知らせしま すので、どんどん参加しましょう! 19 20 第46号 2012(平成 24)年4月1日 第46号 「沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事件から7年」開催 2012(平成 24)年4月1日 「震災と原発に関する図書フェア」 平和学習の一環として図書館2階において、8月13日(土)午後1時から6時まで企画展を開催しました。本学に 米軍ヘリが墜落して7年になります。事件を風化させないためにも、また、当時の記憶を再現するためにも、資料 図書課整理業務担当 兼 村 ゆり香 の充実に努め、より効果的な運用に向けて準備を進めています。 来場者からは「新聞やテレビでしか見たことがなかったのでとても勉強になった」、「濃い内容の資料と説明を して頂いてよかった」、「沖縄の痛みや苦しみが分かるよう広く理解する場を提供して欲しい」、 「教育現場、 マスコ 昨年の3月11日に起こった東日本大震災。ここ遠く離れた沖縄でもテレビやインターネット、ラジオなどから流 ミ、大学が三位一体となって事件を伝えて行きたい」、「毎年継続して開催して欲しい」など多くの声が寄せられま れてくる映像・ニュースに誰しもが目を、耳を疑ったことでしょう。東北地方太平洋沖地震によって大津波が発生 した。 し、東北地方から関東地方の太平洋沿岸部に壊滅的な被害をもたらしました。また、この震災に伴い、福島第一 原子力発電所事故が発生し、今もなお、避難生活を強いられる人、被害に悩ませられる人が多くいます。 日本中だけでなく世界中をも震撼させた東日本大震災。 「災害が起きた時に命を守るための対処法、そして被 「宜野湾・沖縄国際大学米軍ヘリコプター墜落事件とは ~8月13日に考える~ 」 アンケート集計結果 災地のために何が出来るか。」 「沖縄だって他人事ではありません。沖縄の未来、日本の未来、考えてみません Ⅰ.期 日: 平成23年8月13日(金) Ⅱ.場 所:米軍ヘリ墜落事件関連資料室 (図書館2階) Ⅲ.入場者数: 15人 か?」と、図書館では震災と原発に関する図書を集め、2011年11月21日∼12月20日の1ヶ月間、図書館2階にて 「震災と原発に関する図書フェア」を開催しました。また、2011年10月の仙台空港の様子として、10月8日∼11月5 日まで仙台空港で行われていた「世界からの1000人メッセージ展」の写真や、津波の規模がわかるよう実際に仙 ・性別/年齢 性別/年齢 1.男 2.女 台空港を襲った津波の高さ(3.02m)を示すなどの展示を行いました。その他、沖縄県の災害対策などの資料を 20代 1 0 30代 3 2 40代 3 2 50代 0 1 60代以上 3 0 無回答 0 0 中部 5 南部 7 離島 0 県外・国外 3 無回答 0 計 15 計 10 5 ・住所 北部 0 ・入場者内訳 一般 本学教職員 本学学生 14 0 1 揃えました。 大震災を目の当たりにしたとき、わたしたちには何ができるのか、どのように対処したらいいのか。また、事故が 起こったとき、生態系や人体、そして社会に重大な影響を及ぼす原発は必要なのか。このフェアが、皆さんにとっ て震災と原発について再考する機会になったことを望みます。 計 15 ■性別・年齢 無回答 1.男 60代以上 2.女 50代 40代 30代 20代 0 本学教職員 0% 1 本学学生 7% 2 3 4 5 6 無回答 0% 北部 0% ■来場者内訳 ■住 所 県外・国外 20% 一般 本学教職員 本学学生 中部 33% 離島0% 一般 93% 南部 47% 21 22 第46号 2012(平成 24)年4月1日 第46号 2012(平成 24)年4月1日 2010(平成22)年度 図 書 館 統 計 本が濡れてしまったら 図書館資料構成一覧表 図書課運用業務担当 與那覇 由 美 種 別 区 分 法、AED(自動体外式除細動器)の使い方などの 説明を受けた後、指導を受けながら参加者全員が実 マイクロフィッシュ 習を行いました。 全ての職員が不測の事態に落ち着いて対応できるよ う備えたいと思います。 聴 覚 関 係 資 料 例もあることから、今後も積極的に講習会等を行い、 視 過去に利用者が館内で意識を失い救急搬送した事 ス ラ イ ド カ セットテ ープ ビ デ オ テ ー プ フロッピー・ディスク ピクチ ャ ー・カ ード フ ラ ッ シ ュ・カ ード トランスペアレンシー コンパクト・ディスク レ ー ザ ー・ディスク C D - R O M レ コ ー ド ピクチャー・チャート 電 子 辞 書 D V D D V D - R O M そ の 他 合 計 合 計 (冊) 36,158 51,981 14,602 26,262 129,003 3,999 3,399 3,559 1,301 12,258 2,502 20,483 164,246 44,299 23,508 36,668 13,868 34,127 12,367 45,614 31,672 21,984 18,884 282,991 447,237 (27,911) (40,094) (326) (106) (0) 地 律 域 行 政 経 済 地域環境政策 企業システム 産 業 情 報 日 本 文 化 英米言語文化 社 会 文 化 人 間 福 祉 小 計(B) 合 計(A)+(B) 和 書 575 127 50 65 817 2 3 2 0 7 8 53 885 188 47 204 36 119 31 70 58 89 50 892 1,777 洋 書 27 27 13 14 81 0 3 5 0 8 0 16 105 68 15 65 6 39 6 1 86 45 17 348 453 計(種) 602 154 63 79 898 2 6 7 0 15 8 69 990 256 62 269 42 158 37 71 144 134 67 1,240 2,230 年度別図書館資料構成 500,000 447,237 (R) (5,329冊) 37 1,222 4,899 96 8 6 6 1,563 133 449 0 5 3 3,680 102 18 12,227 429,196 412,317 400,000 394,411 300,000 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 年度別学術雑誌資料構成 2360 2340 2320 2300 2280 2260 2240 2220 2200 2180 2160 ( )内は内数を表す。 マイクロフィルム・マイクロフィッシュは一般図書へ加算される。 23 総 記 人 文 科 学 社 会 科 学 自 然 科 学 計 英 語 独 語 仏 語 そ の 他 計 保 健 体 育 教 職 科 目 小 計(A) 法 (R) (R) (R) (11,835冊)(1,881冊) (13,716冊) (R) (R) (1,758冊)(3,571冊) 36 1 950 272 4,456 443 94 2 8 0 6 0 6 0 1,235 328 94 39 408 41 0 0 5 0 3 0 3,417 263 100 2 17 1 10,835 1,392 学 術 雑 誌 数 種 別 区 分 専 門 科 目 マイクロフィルム 計 洋 書 和 書 4,653 31,505 5,998 45,983 1,661 12,941 2,180 24,082 14,492 114,511 2,532 1,467 1,859 1,540 1,529 2,030 312 989 6,232 6,026 66 2,436 1,248 19,235 22,038 142,208 12,310 31,989 5,989 17,519 8,150 28,518 1,674 12,194 7,649 26,478 741 11,626 1,263 44,351 18,428 13,244 4,206 17,778 2,700 16,184 63,110 219,881 85,148 362,089 (27,459) (452) (34,957) (5,137) (59) (267) (0) (106) (0) (0) (平成23年3月31日現在) 共 通 科 目 開催しました。緊急時の対応や人工呼吸、心肺蘇生 門 科 目 にお越しいただき図書館職員対象の救急法講習会を 専 10月7日の定例休館日に、宜野湾市消防本部の方 一般教育 外 国 語 通 科 目 救急法講習会 総 記 人 文 科 学 社 会 科 学 自 然 科 学 計 英 語 ド イ ツ 語 フランス語 そ の 他 計 保 健 体 育 教 職 科 目 A 合 計 法 律 地 域 行 政 経 済 地域環境政策 企業システム 産 業 情 報 日 本 文 化 英米言語文化 社 会 文 化 人 間 福 祉 B 合 計 A + B 合 計 郷 土 資 料 参 考 図 書 学 位 論 文 科 研 費 研 究 成 果 加 除 式 資 料 共 手に持った本を何かの拍子に落としてしまった。そんな経験、一度はあると思います。では、もし それが図書館から借りた本で、落ちた場所が濡れていたり水が溜まっていたら…みなさんはどうしま すか? 答えはすごく簡単です。できるだけの水分を拭き取ったら、すぐに図書館へ相談に来てください。 少し濡れた程度なら、天日や換気口の風というアナログな方法(!)ではありますが、私たち図書館 員が1ページずつめくりながら一生懸命乾かします。ページがひどく波打っていたり文字がかすんで 読めない程でなければ、また元の書架へ戻すことが出来るのです。 何より残念に思うのは、濡れたままどこかで数日間放置されていたと思われる、カビの生えた本が、 いつの間にか返却ボックスに入れられていることです。こうなると修復は不可能。他の本への悪影響 を考えると廃棄しかありません。 図書館の本は永久的に大学の財産として扱われます(ご存知でした?)。今日借りたその本を、来年 はみなさんの後輩達が読み、20 年後にはお子さんが、50 年後にはお孫さんが読むかもしれないのです。 そんなことを頭の片隅に少しだけでも憶えていただき、これから始まる梅雨、夏のかたぶい(スコール)、 あるいは台風の雨の中、図書館の本を抱えるその手にいつもより強く力を込めていただけたら、嬉し く思います。 学術雑誌等資料構成 (平成23年3月31日現在) 2337 2321 2276 2006年度 24 2007年度 2008年度 2231 2230 2009年度 2010年度 第46号 2012(平成 24)年4月1日 第46号 2012(平成 24)年4月1日 2010(平成22)年度 図 書 館 利 用 状 況 1 学科別図書貸出利用状況 学 部 法 学 部 経 済 学 部 産業情報学部 総合文化学部 大 そ 学 の 院 7 学年別図書貸出状況 2 学外者の図書館利用状況 項 目 学 科 法 律 学 科 地 域 行 政 学 科 法 学 部 計 経 済 学 科 地域環境政策学科 経 済 学 部 計 企業システム学科 産 業 情 報 学 科 産 業 情 報 学 部 計 日 本 文 化 学 科 英米言語文化学科 社 会 文 化 学 科 人 間 福 祉 学 科 総 合 文 化 学 部 計 学 部 計 地 域 文 化 研 究 科 地 域 産 業 研 究 科 法 学 研 究 科 大 学 院 計 研 究 科 目 等 履 修 そ の 他 講 習 学 他 専 任 教 非 常 勤 教 員 事 務 職 員 図 書 貸 出 冊 数 人 数 5,313 4,116 9,429 2,479 2,856 5,335 3,861 2,099 5,960 12,525 8,528 8,040 13,162 42,255 62,979 2,349 442 410 3,201 36 451 262 360 2,425 1,137 1,738 6,409 72,589 生 生 生 外 員 等 等 そ の 他 計 合 計 項 目 他 大 学 学 生 他 大 学 研 究 者 そ の 他 研 究 者 研 究 所 員 本 学 卒 業 生 専 門 学 校 生 司書講習・その他講習生等 一 般 ・ そ の 他 合 計 3,040 2,445 5,485 1,390 1,623 3,013 2,089 1,148 3,237 6,411 4,185 3,962 6,653 21,211 32,946 868 157 144 1,169 17 218 153 229 737 364 930 2,648 36,763 人 数 5,140 172 37 227 20,697 208 195 28,756 55,432 割 合 9.3% 0.3% 0.1% 0.4% 37.3% 0.4% 0.4% 51.9% 100.0% 3 文献複写利用状況 項 目 件 数 3,812 879 4,691 学 内 者 学 外 者 合 計 枚 数 20,796 8,239 29,035 年 次 学生数 貸出冊数 貸出人数 (平成22年5月1日現在) 一人当貸出冊数 一回当貸出冊数 (貸出冊数/学生数) (貸出冊数/貸出人数) 一人当貸出回数 (貸出人数/学生数) 1 年 1,456 12,196 7,093 8.4 1.7 4.9 2 年 1,388 12,418 6,773 8.9 1.8 4.9 3 年 1,439 18,164 9,867 12.6 1.8 6.9 4 年 1,519 20,201 9,213 13.3 2.2 6.1 全学年 5,802 62,979 32,946 10.9 1.9 5.7 4 参考業務状況(比率) 区 分 文献所在調査 事 項 調 査 利 用 指 導 合 計 学 生 264 6 1,421 1,691 教職員 26 1 65 92 学外者 30 0 1,333 1,363 計 320 7 2,819 3,146 比率 10.2% 0.2% 89.6% 100.0% 80,000 65,559 59,887 60,000 開 館 日 数 309 日 入 館 者 数 332,322 人 630 997 相 互 利 用 36,896 32,253 35,000 58,756 30,000 50,000 29,028 34,040 27,609 25,000 20,000 30,000 15,000 計 20,000 10,000 1,627 10,000 5,000 件数 受 付 67,698 40,000 6 相互利用(ILL)状況 依 頼 40,000 72,830 70,000 5 開館日数・入館者状況 年度別図書貸出人数 年度別図書貸出冊数 0 0 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 学部・大学院別利用比率 (学生数5,877人 平成22年5月1日現在) 法学部 0% 学生数 (2010/5/1) 10% 商経学部 20% 19.0% 30% 0.0% 経済学部 産業情報学部 40% 50% 19.6% 総合文化学部 60% 大学院 70% 80% 19.9% 90% 100% 年度別参考業務状況 年度別文献複写利用状況(枚数) 1.3% 40.1% 5,000 50,000 24.5% 入館者数 14.7% 0.00% 12.4% 1.1% 47.3% 45,000 44,423 38,994 40,000 39,367 貸出冊数 PCコーナー 16.1% 14.2% 0.00% 8.8% 0.0% 8.1% 24.2% 9.5% 9.0% 0.0% 12.4% 3.4% 62.2% 10.0% 53.3% 0.1% 22.1% 0.0% 11.6% 12.2% 53.7% 25 3,146 3,000 25,000 2,500 20,000 2,000 15,000 1,500 10,000 1,000 5,000 500 2,528 0 0 2006年度 AVコーナー 3,527 3,500 29,030 30,000 4.8% 63.8% 4,000 33,985 35,000 貸出人数 4,552 4,266 4,500 2007年度 2008年度 2009年度 2006年度 2010年度 0.5% 26 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 第46号 2012(平成 24)年4月1日 2011(平成23)年度 期 間 行 事 4月 1日(金) 4月13日(水)∼ 5月18日(水) 4月25日(月) 5月12日(木)∼ 6月 8日(水) 5月23日(月) 図書館報「でいご」第 45 号 平成 23 年度新入生 図書館利用オリエンテーション 上映会 6月 3日(金) 第1回図書館防災訓練 6月20日(月)∼ 6月30日(木) 6月27日(月) 6月28日(火) 7月11日(月)∼ 7月15日(金) 7月25日(月) 8月12日(金)∼ 8月18日(木) 8月13日(土) 8月22日(月)∼ 8月24日(水) 8月29日(月) 9月26日(月) 10月7日(金) 10月24日(月) 11月7日(月)∼ 11月11日(金) 11月8日(火)∼ 11月9日(水) 11月21日 (月)∼ 12月20日 (火) 12月2日(金) 12月16日(金) 1月23日(月) 2月27日(月) 3月26日(月) 図 書 館 活 動 学部2年次向け図書館ガイダンス 上映会 図書館利用オリエンテーション 上映作品:ムーラン・ルージュ ゼミ発表のテーマ選びから情報収集、整理、プレゼンテーションまで 他図書館の所蔵検索方法、ILL(図書館間相互利用サービス) 上映作品:ターミネーター 防災設備の説明、消火機器の使い方、利用者の避難誘導訓練、 消火器実践訓練等 論文検索−データベース CiNii を中心に− 上映会 南部工業高校 高校生インターンシップ(3人) 上映作品:LEON 就業体験学習 本の譲渡会(本のリサイクル) 開催場所:5 号館1階ロビー 上映会 上映作品:千と千尋の神隠し 地下電動書架メンテナンス 定期メンテナンス 上映会 上映会 救急法講習会 上映会 後期図書館ステップアップガイダンス 陽明高校 高校生インターンシップ(4人) 「震災と原発」に関する図書フェア 第2回図書館防災訓練 平成 23 年度沖縄国際大学図書館 書評・映画評賞表彰式 上映会 上映会 上映会 2012(平成 24)年4月1日 2011(平成23)年度 図 書 館 員 の 研 修 ・ 出 張 内 容 前期図書館ステップアップガイダンス 「宜野湾・沖縄国際大学米軍ヘリコプター 墜落事件とは∼8 月 13 日に考える∼」 蔵書点検 第46号 図書館2階 米軍ヘリ墜落事件関連資料室 No. 期 間 場 所 私立大学図書館協会西地区部会 2011(平成23)年度第1回九州地区協議会 4月21日 グランデはがくれ 当番校:別府大学付属 図書館 館 長 兼 本 敏 2 第62回九州地区大学図書館協議会総会 4月22日 グランデはがくれ 当番校:別府大学付属 図書館 館 長 兼 本 敏 金 城 多恵子 與那覇 由 美 名 幸 沙 織 兼 村 ゆり香 3 沖縄県大学図書館協議会研修会 5月26日 琉球大学附属図書館 課長補佐 係 長 主 任 係 員 4 平成23年度第1回沖縄県大学図書館協議会 企画委員会 6月9日 琉球大学附属図書館 主 任 名 幸 沙 織 5 私立大学図書館協会 2011年度西地区部会総会 6月17日 倉敷芸術科学大学 ヘルスピア倉敷 当番校:倉敷芸術科学 大学図書館 館 長 兼 本 敏 6 平成23年度沖縄県図書館協会総会・ 記念講演会 7月5日 沖縄県立図書館 課 長 垣 花 聡 7 沖縄県立図書館貴重資料デジタルアーカイブ 普及活用事業 第1回講演会 8月9日 宜野湾マリン支援センター 課 長 垣 花 聡 9月6日 沖縄工業高等専門学校 館 長 課 長 課長補佐 主 任 係 員 副参事 兼 本 敏 垣 花 聡 金 城 多恵子 名 幸 沙 織 兼 村 ゆり香 門 口 政 秀 就業体験学習 開催場所:図書館2階 防災設備の説明、消火機器の使い方、利用者の避難誘導訓練、 消火器実践訓練等 最優秀賞 鍋 田 尚 子(大学院地域文化研究科1年次 ) 優 秀 賞 田 中 えみ子(総合文化学部 英米言語文化学科4年次) 比 嘉 吉 成(総合文化学部 日本文化学科3年次) 佳 作 阿 嘉 宗 紀(大学院地域産業研究科2年次) 福 山 綾(総合文化学部 人間福祉学科3年次) 曽 根 みなみ(総合文化学部 人間福祉学科3年次) 塩 浜 敦 子(総合文化学部 日本文化学科4年次) 上 地 真 雄(総合文化学部 英米言語文化学科2年次) 譜久村 寛 大(総合文化学部 人間福祉学科3年次) 嘉手納 瑞 紀(総合文化学部 人間福祉学科3年次) 領 家 紘 子(総合文化学部 英米言語文化学科3年次) 大 城 智 樹(総合文化学部 英米言語文化学科4年次) 高江洲 芹 菜(総合文化学部 人間福祉学科3年次) 上映作品:天空の城ラピュタ 上映作品:ぼくらの七日間戦争 上映作品:魔女の宅急便 27 出 席 者 1 点検対象:2階郷土図書、1階参考図書 上映作品:ハウルの動く城 上映作品:紅の豚 AED の使い方、人工呼吸、心肺蘇生法などの実習 上映作品:風の谷のナウシカ Part1:論文検索−データベース CiNii を中心に− Part2:就活に役立つ図書館活用−資料・データベースの紹介− 名 称 8 第39回沖縄県図書館協議会 9 平成 23 年度図書館等職員著作権実務講習会 (文化庁主催) 9月7日∼ 9月9日 名古屋大学 東山キャンパス 係 長 與那覇 由 美 10 平成23年度機関リポジトリ新任担当者研修 10月6日∼ 10月7日 国立情報学研究所 係 長 與那覇 由 美 11 平成23年度沖縄県図書館協会研修会 12月6日 沖縄県立図書館 課 長 垣 花 聡 12 『八重山近世古文書』複製本作成許可依頼に 伴う訪問 3月10日 石垣市立八重山博物館 館 長 兼 本 敏 28 第46号 2012(平成 24)年4月1日 図書委員会の動向 1.平成23年度 図書委員 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 学 科 名 氏 名 任 期 法 律 学 科 末 崎 衛 H22.4.1∼H24.3.31 地 域 行 政 学 科 吉 次 公 介 H22.4.1∼H24.3.31 経 済 学 科 梅 井 道 生 H22.4.1∼H24.3.31 砂 川 かおり H22.4.1∼H23.9.30 地域環境政策学科 前 泊 博 盛 H23.10.1∼H24.3.31 企業システム学科 宮 森 正 樹 H22.4.1∼H24.3.31 産 業 情 報 学 科 又 吉 光 邦 H22.4.1∼H24.3.31 日 本 文 化 学 科 吉 田 肇 吾 H23.4.1∼H25.3.31 英米言語文化学科 柴 崎 礼士郎 H22.4.1∼H24.3.31 社 会 文 化 学 科 江 上 幹 幸 H22.4.1∼H24.3.31 人 間 福 祉 学 科 福 島 賢 二 H23.4.1∼H25.3.31 図書館学担当教員 山 口 真 也 H23.4.1∼H25.3.31 職責委員 図 書 館 長 兼 本 敏 幹 事 図 書 課 長 垣 花 聡 2.平成23年度 図書委員会開催状況 第1回 平成23年4月15日(金) 報告事項 (1)平成22年度図書館利用状況について (2)平成22年度整理業務実績報告について 審議事項 (1)図書委員長に事故あるときの職務代行者の選 出について (2)平成23年度図書発注業者について 連絡事項 (1)「平成23年度図書整備計画申込書」の提出に ついて 第2回 平成23年6月24日(金) 報告事項 (1)2010(平成22)年度契約電子ジャーナル/ データベースの利用状況等について 審議事項 (1)平成23年度沖縄国際大学図書館書評・映画評 賞応募要領(案)について 連絡事項 (1)2012(平成24)年度新規オンラインデータ ベース及び電子ジャーナル購入希望の調査依頼 について (2)2011(平成23)年度学術雑誌購入希望及び 停止の調査依頼について (3)本学図書館に受け入れる紀要の選定について ションについて (2)2011(平成23)年度学部2年次向け図書館ガイ ダンスについて (3)2011(平成23)年度前期図書館ステップアップ ガイダンスについて (4)2011(平成23)年度第1期図書整備計画申込書 の提出状況について (5)2011(平成23)年度前期・後期・通年向け指定 図書申込状況について (6)2011(平成23)年度(4月~9月)図書購入希望 申込状況について (7)2011(平成23)年度(4月~9月)選書委員会活 動状況について (8)紀要の受け入れ及び停止について (9)研究所書籍の整備について (10)米軍ヘリ墜落事件日における資料室開架につ いて 審議事項 (1)平成24年度以降購読停止雑誌・新聞について (2)平成24年度予算 オンラインデータベース及 び電子ジャーナルの新規導入について (3)米軍ヘリ資料室運営委員会の見直しについて (4)ILLの取扱いについて (5)リポジトリの取扱いについて (6)一般研究費で購入した図書の取扱いについて 連絡事項 (1)「平成23年度第2期図書整備計画申込書」の 提出について (2)平成23年度後期図書館ステップアップガイダ ンスについて (3)平成23年度沖縄国際大学図書館書評・映画評 賞について 第4回 平成23年12月9日(金) 報告事項 (1)平成23(2011)年度後期図書館ステップ アップガイダンスについて (2)平成24年度予算オンラインデータベース及び 電子ジャーナルの新規導入について 審議事項 (1)平成23年度沖縄国際大学図書館 書評・映画 評賞の選考について 連絡事項 (1)平成23年度 沖縄国際大学図書館 書評・映画 評賞表彰式 (2)リポジトリの運用について (3)研究個室の利用について(意見聴取) 第5回 平成24年3月9日(金) 報告事項 (1)平成23年度 図書館防災訓練実施報告につい 第3回 平成23年10月14日(金) 報告事項 (1)2011(平成23)年度新入生図書館オリエンテー 29 第46号 2012(平成 24)年4月1日 て (2)図書資料延滞(学部・大学院)について (3)平成23年度蔵書点検の報告について (4)平成23年度私立大学等研究設備整備費等補助 金計画調書について (5)平成23年度私立大学等経常費補助金の内示に ついて (6)禁帯出資料の館外貸出申請および施設利用の 申込について 審議事項 (1)平成24年度図書整備計画について 連絡事項 (1)「平成24年度共通科目関係図書」購入科目群 について (2)平成24年度新入生対象図書館オリエンテー ションについて (3)平成24年度後期学部2年次向け図書館ガイダ ンスについて (4)平成24年度前期ステップアップ講座(論文検 索)について (5)平成24年度後期ステップアップ講座(論文検 索、就活に役立つ図書館活用法)について 人の動き 〔図書館長〕 退任:兼本 敏 総合文化学部教授 (任期:平成 22 年 4 月 1 日∼平成 24 年 3 月 31 日) 就任:原田 優也 産業情報学部教授 (任期:平成 24 年 4 月 1 日∼平成 26 年 3 月 31 日) 〔図書館専任職員〕 2012 年 4 月 1 日付 配置換 氏名 現職名 前職名 髙石 由美子 会計課課長補佐 図書課課長補佐 編集後記 若草もえる季節、新入生も胸を膨らませて入 学し、活気に満ち溢れていることでしょう。こ れからの学生生活を満喫するために、図書館で は、新入生対象に5月1日から「図書館オリエ 選書委員会 ンテーション」、後期 10 月に「2年次向け図書 館ガイダンス」を開催します。また、1年次から 大学院生を対象に「前期・後期ステップアップ 選書委員会は、図書館資料の特に全学・学生向け 図書の収集に関する選書作業を行うことを目的とし、 2006(平成18)年度に新設された。構成員は、図書 講座(論文検索・就活に役立つ図書館活用法) も企画していますので、これからのキャンパス ライフを充実させるためにも、ぜひ受講するこ 館長(委員長)、学科選出の委員4人、図書館学担 とをお勧めします。図書館を効率よく、大いに 当教員2人及び図書館職員4人の計11人である。委 活用してください。 員会では、全学的な観点から、学生や教職員のニー 今号は、原田優也新図書館長はじめ、各学部 ズや専門性に配慮し、本学図書館に必要な図書(特 の図書委員・学科長、学生、卒業生の皆さんに に辞書・辞典類、全集・選集類、双書・叢書類、文 原稿を執筆していただきました。執筆担当され 庫、新書、参考図書、書誌類、講座、入門書、視聴 た皆さん有難うございました。 覚資料など)を選書している。また、購入希望図書 制度によりリクエストされた図書・視聴覚資料も、 学内メールを通じ選書委員によって速やかに購入の 学生からの応募のありました、書評・映画評 賞は、最優秀賞1編、優秀賞2編を掲載しまし た。 可否が決定される。 これからの大学生活に於ける図書館利用の 図書館の資料を系統的に整備し、蔵書バランスを 仕方や、それぞれの思いが紹介されています。 図っていく上で、選書委員会は重要な役割を担って 今後の図書館活用に、次回応募の参考にしてく いる。 ださればと思います。 2011(平成23)年度は7回開催され、1,975冊の 図書課 課長 垣花 聡 選書が行われた。 30
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