Liイオン電池材料のin situ XAFS・・・・・・・・・・・寺田靖子、中井 泉

放射光第 14巻第 1 号
5
5
(2001 年)
<1XAFS シリーズ(10)[:>
Li イオン電池材料の in
寺田
1
.
靖子,中井
s
i
t
uXAFS
泉(東京理科大学理学部*)
様々な電池材料の解析に応用した。このセルは XAFS 測
はじめに
ノートパソコンや携帯電話,ビデオカメラ等携帯用電子
定時に X 線の光路上には窓材のカブトンフィルム,測定
機器の電源として繰り返し充放電可能である 2 次電池は
対象である正極材料を塗布した Al 集電体,負壌の金属
必要不可欠なものとなっている。この 2 次電池の中でも
Li しか存在しないように作られている。塗布電極を用い
1990年に登場した Li イオン電池は,小型軽量化,高エネ
るため単位部積あたりの正極材料の重量を調節することで
ルギー密度化をキーワードとして急速な発展を遂げ,
XAFS 測定に適した厚みにすることができ,透過法によ
1998年には電池の総販売額の中で第一位 (2500億円以上)
るデータ収集が可能である。また,スペクトルに悪影響を
を記録するまでになっている 1) 。
与えるものをできるだけ避けるために電極関の距離を 1
Li イオン電池は,正極,電解液,負極から構成されて
cm 程度としてセバレーターを使わない構成にした。電解
おり,市販の電池では正撞活物質として LiCo0 2 あるいは
液は XAFS 測定時には液だめに退避させ,測定後再び充
LiMn 2 04 が,負極にはグラファイトが用いられている。
電を開始する際にセル内に戻すという工夫を行っている。
その動作原理は正極活物質中の Li の可逆的なインターカ
このようにして電池の動作を損なうことなく,かっ,泉質
レーション反応であり,充電では正埋から負極ヘリチウム
の XAFS データを任意の充放電電位において得ることが
イオンが移動し放電時には負極から正極へ移動する。こ
でき,電気化学的に Li 量を制御した状態での in situ 測定
の時,正・負極材料の複雑な構造変化と構成元素の電子状
を実現している。
態の変化を伴う。例えば正極材料を LiCo0 2 とした場合,
3
. 電池材料の in s
i
t
uXAFS測定例
1
1)
3
.1 L
i(Ni , C
O
)02
充電時に正極から Li がデインターカレートされ,電荷補
償により C 0 3+ →C04+ への酸化(放電時では C04+ →C 0 3 十)
LiNi0 2 は LiCo0 2 と同様の層状構造をもち ,
が起きることになる。すなわち,特定の金属元素に着自す
Co の資源
れば, Li 電池の充放電は金属の酸化還元反応を利用して
的問題や製造コストの抵減を狙った材料であるが,化学量
いることになる。このような現象の追跡には XAFS 法が
論性や充放電に伴う構造相転移によるサイクル特性の劣化
大変有用である。そこで我々は,電池セルを解体せず,任
に対して懸念が指摘されている 12) 。その改善策として Ni
意の電位状態を保ったまま XAFS 測定を実現するような
の一部を Co で置換する方法があるが,特性改善の理由は
セルを開発し,充放電プロセス中における Li イオン電池
不明のままであった。そこで in
材料の in situ 測定を試みた 2-6) 。本稿では研究成果の一例
放電中に国溶体中の Ni および Co がそれぞれどのような
として,現行の材料に対して資源的あるいは電池特性にお
挙動を示すかを明らかにした。
いて改善が期待される Lh-x(Ni, CO)02 と Lh-x (Mn ,
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uXAFS 法により,充
(b) に Li1-xNio.5COO.502 の Ni 及び Co の
XANES スベクトルを示す。 Ni の場合,充電して Li をデ
0 4 について得られた知見を述べる。
インターカレートさせると x=0.5 までは吸収端のシフト
2
.
Li イオン電池材料と in situ 測定
が見られ, x 話 0.5 ではスベクトルに変化はほとんど見られ
Li イオン電池材料において XAFS は強力な材料解析の
ない。一方,
C
oK-XANES (Fig.l(b)
においては x=
手段となるが,始めは電池を解体し,目的物質を取り出し
0.8 までは吸収端のシフトが見られる。初期状態 (x=O)
て XAFS 測定が行われていた 7,8) 。また,正極材料を酸と
と X 口 0.5 におけるケミカルシフトを端成分である LiNi0 2
反応させて化学的に Li の脱挿入を行い XAFS データを収
や LiCo0 2 の in situ 測定における同様の結果的と比較する
集することも行われていた 9) 。電池反応は大気に不安定な
と, Co は国溶体,端成分とも 1eV 程度のシフト量を示
電解液の中で行われ,充放電に伴い正極材料は酸化還元反
すが, Ni の場合国溶体で 2.1 eV ,端成分で1. 2eV と同じ
応による複雑な構造変化を伴うことから,電池を分解せず
Li 量であっても窟溶体の方がシフト量が大きいことがわ
に in situ で XAFS 測定することが重要である。そこで我
々は,
i
nsitu 測定が可能な電池セル10) を初めて開発し,
*東京理科大学理学部
宇 162-8601
かった。このことは, Lh-xNio.5COO.502 屈溶体では Ni は
Co に対して先に酸化され, x 主主 0.5 で、その酸化は止まり,
東京都新宿区神楽坂 1-3
T
E
L
: 03-3260-3662 FAX: 03-3235-2214 E
m
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55-
(C) 2001 The Japanese Society for Synchrotron Radiation Research
放射光
5
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第 14巻第 1 号
(2001 年)
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(
x
).
その後, Co は x 口 0.8 まで徐々に酸化されるということを
Ni 原子は電池の初期充電過程に重要な役割を担っている
示している。
事が明らかになった。
Lh-xNio.sCoO.S02 の Ni および Co の動径構造関数を
F
i
g
.2(a) ,
(b) に示す。1. 6Á 付近の Ni-0ピークは初期
状態において異常に低いピーク強度を与え,充電に伴って
その強度が回復している
(Fig.
2(a)) 。一方,
Co-O では
この現象は見られず強度はほぼ一定であった
S
3
.
2 Li(Mn , Nih041
)
スゼネ lレ型構造の LiMn204 の Mn の一部を Cr ,
Ni , Co
などの遷移金属で置換することによって,サイクル特性が
(Fig.
向上することが報告されている。さらに,通常4.2V 程度
2(b)) 。向様な領向は端成分である LiNi0 2 や LiCo0 2 で
である動作電位に加えて新たに 5V 程度の高電位領域が
も認められる 13) 。これは, LiNio.sCoo.sOz では初期状態で
現れることが見い出され 16,17) ,高エネルギー密度化を実現
Ni は NP+ イオンとして存在し,その Ni0 6 八面体は
する材料として注目されている。そこで, 4 V および 5V
Jahn
Teller 効果により歪んでいる。ところが Li のデイン
の 2 つの電位領域における Mn, Ni の酸化プ口セスを in
ターカレーションと共に NP 十は非 Jahn-Teller イオンで
s
i
t
uXAFS
により明らかにした。
ある Ni4+へと酸化され,その結果,等儲な Ni-O 距離を
毘溶体 Li1-xMn1.7Nio.304 を正撞材に用いた時の充電に
もっ Ni4+-0 6 八面体へと変わるので Niー0 ピーク強度は高
伴う Mn および Ni の K 吸収端の XANES スペクトルの
くなると考えられる。一方,
Co3+イオンは非 Jahn-
Teller イオンであるためにこの様な現象は起こらない。
変化を Fig.3 に示す。 Mn の挙動に着目すると
(Fig.
3(a)) 充電が進むにつれてスベクトルが高エネルギー側
また, Ni-O ピークは x 孟 0.5 ではその強度に変化は見られ
(右方向)へとシフトするのが見られる。このシフトは
ない。この現象は XANES スベクトルの傾向と一致して
Mn の Mn 3 十→ Mn4+への酸化を示しており x が O から
おり, Ni は充電時に Co より先に酸化され x=0.5 以上で
0.38 まで,すなわち 4V 領域のみで見られ,それ以上 x
は酸化が止まり, Co はゆっくりと x=0.8 まで酸化されて
が増加しでもシフトが見られないことから, Mn は 4V 領
いるということが明らかになった。この実験結果は,
域でのみ充電に寄与することがわかった。この現象は置換
DV-Xα 法を用いた理論的計算による, Ni の電子が Co の
金属を Cr , Co などに変えても同様で, 4 V の電位は Mn
それと比べて高いエネルギー準位にあるために Ni から酸
の酸化によって出現することがわかる。これに対し,同じ
化されやすいという結果14) と一致する。以上のことから,
正極材について Ni K-XANES スベクトル (Fig.
3(
b
)
)
放射光第 14巻第 i 号
(2001 年)
57
を越えると Ni-O ピーク強度の減少が見られ, x ロ 0.6 付近
2
.
0
ではピーク強度が著しく低くなっている。さらに充電を進
めると Ni-O ピーク強度が回復することがわかる。 X 口 0.6
つ)
q
c
m1
5
d
的
以降における Ni-O ピークの強度変化は, Lh-x(Ni , CO)02
τロ戸2コω 0.5
いることから X ロ 0.6 付近では,初期状態において d 8 の電
a
5
h
210
における Ni の動径構造関数の変化 CFig. 2)
B
5
N
とよく似て
子配寵をもっ非 J ahn
Teller イオンの 2 価の Ni が充電に
より 3 備に酸化され, low スピンの d 7 の J ahn
Teller イ
オンになるものと考えられる。そこで Ni-O ピークについ
。。
6
.
5
3
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.
5
4
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.
5
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.
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Y/k
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6
.
5
7
6
.
5
8
て逆フーリエ変換し,最小 2 乗フィッティングにより構
造パラメータを求めた。その結果, Ni-O 距離は充電と共
F
に x 口 O の時は Ni2十一02.00 A x6
.x=0.6 では Ni 2 + と
1. 5~ (
b
)
Ni3+が共存し Ni2十一o
司叩
)
{
d
1. 99Ax4 十 Ni3+ -0
x=0.8 では NP+ と Ni 4 十が共存し NP+-O
2q2J、
0
Ni4 十一 0 1. 86 A x2 , x=0.98 では Ni は 4 価に酸化され Ni 4 十
1
.
H
>
1
.91A x2 ,
1
.92A x4 十
一0 1. 86 チ x6 という変化を示すことが明らかになった。
句閣。
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N
6
0
.
5
イオン半径から計算した Ni 2 十一 O , Ni3十一0 , Ni4 +ーO の結合
距離はそれぞれ, 2.07 , 1. 94 , 1
.86A であることから上記
の解析結果と良い一致を訴していることがわかる。以上の
。。
8
.
3
2
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,
8
.
34
8
.
3
5
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k
eV
8
.
3
6
結果から, Lh-xMn1.7Nio.304 は充電プロセスにおいて,
8
.
3
7
Mn は 4V 領域で Mn 3 + →Mn4+へと酸化されるこ
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と, Ni は 5V 領域に到達したあと酸化が始まり,途中 3
価の状態を経由して 4 価まで酸化されることがわかった。
4
.
一一- x詰0.00
おわりに
著者らが開発した Li 電池材料の in si加 XAFS 測定法は,
(
4.
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V
)
(
4
.
8
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)
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.
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)
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5
.
2
0
V
)
町一 x=0.20
究は旭化成工業側電池研との共同研究として実施された
が,産業界のニーズと研究者傑のシーズがうまく合致し
U
材料開発サイドへも有益な多くのデータを提供することが
,
3
七三目立凶国h主
Hト
U
ベ〕ハ
XAFS の産業応用という点でも有用な手法である。本研
一一貯0 .4 0
でき,援数の特許申請も行われた。 Li イオン電池材料の
開発にとって今や XAFS は Rietveld 解析と共に不可欠の
。
解析手段となりつつある。
。
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eNiK嗣edge EXAFSs
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i1-xMnl
参考文献
比較して Ni の価数変化を評価したところ,初期状態では
1
) 芳尾真幸,小沢昭弥編:リチウムイオンニ次電池第二版
(日刊工業新聞社, 2
0
0
0
)
.
.Nakai , K
.Takahashi , Y.S
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.Chem.133 , 587(
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7
)
.
2 価であった Ni が,充電の進行とともに最終的には 4 価
日
へと酸化していることが明らかとなった。
6
)
から眺めると, Li 量 x が O から 0.40 までは吸収端のシフ
トが見られず, x が 0 .40 以上の 5V 領域に入ると 4.2 eV
という非常に大きなシフトが見られた。既知の標準物質と
Figure4 に Lh-xMn1.7Nio.304 の Ni の動径構造関数の充
電に伴う変化を示す。1. 5Á 付近に Ni-O , 2.5A 付近に第
7
)
2 配位閣となる Ni-(Mn , Ni) に起因するピークが現れて
8
)
いる。 XANES と同様に動経構造関数も 4V 領域である
x=0.40 までは変化が見られなかった。
ところが, x ごと 0 .40
9
)
57-
中込達治,中井泉:電気化学および工業物理化学 66 ,
727(
1
9
9
8
)
.
. Nakai , T. Tsubata , T. Himeda and F
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