JAHIS 会誌 第59号 - JAHIS 一般社団法人保健医療福祉情報システム

一般 社 団 法 人 保 健 医 療 福 祉 情 報システム 工 業 会
会誌
59号
2016. 10
会 誌
CONTENTS
JAHIS 会誌 第59号
巻頭言 会長 山本 正已
2
官公庁等のご挨拶
4
厚生労働省 医政局 研究開発振興課 医療技術情報推進室 室長
経済産業省 商務情報政策局 医療・福祉機器産業室 室長
総務省 情報流通行政局 情報流通高度化推進室 室長
内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室 内閣参事官
一般社団法人日本医療情報学会 代表理事
一般財団法人医療情報システム開発センター 理事長
岡田 就将
遠山 毅
吉田 宏平
上村 昌博
大江 和彦
山本 隆一
役員のご紹介
16
部会長のご挨拶・抱負
運営会議 議長
総務会 会長
標準化推進部会 部会長
医事コンピュータ部会 部会長
医療システム部会 部会長
保健福祉システム部会 部会長
事業推進部 部長
18
下邨 雅一
浅野 正治
大沢 博之
小宮 宏之
藤岡 宏一郎
富田 茂
青木 順
海外視察の報告
HIMSS16視察報告
25
岡田 真一
トピックス
平成27年度 第24回医事コンピュータ部会業務報告会・特別講演
第21回JAHIS講演会&賀詞交換会開催される
平成27年度 医療システム部会業務報告会開催される
平成27年度 保健福祉システム部会業務報告会開催される
平成27年度 標準化推進部会業務報告会開催される
平成28年定時社員総会開催される
平成28年度 戦略企画部業務報告会開催される
ホスピタルショウ委員会報告
HL7セミナー開催
GHSの活動状況と今後の展開に向けて
29
真野 誠
部会から
厚生労働省による医療情報連携ネットワークの標準化推進に関する受託事業について
JAHISホームページのリニューアル
標準類普及へ向けての活動− アンケート実施とパンフレット作成 −
JAHIS臨床検査データ交換規約 Ver.4.0C について
地域医療連携ネットワークの動向と本委員会の活動
56
吉村 仁
鈴木 義規
普及推進委員会
千葉 信行
川田 剛
安田 典弘
表彰受賞者紹介
82
若手受賞者の受賞報告/幹部功労受賞者の感想・抱負
運営状況報告
87
理事会/運営会議/総務会/委員派遣ならびに協賛・後援
全員メール
97
会員紹介
99
株式会社キャロッツシステム/株式会社アイソル/AGS株式会社/
株式会社NTTドコモ/株式会社パシフィックシステム/株式会社NTTデータ東海
事務局新人紹介
102
編集後記
103
巻頭言
巻頭言
会長
山本 正已
(富士通㈱ 代表取締役会長)
JAHIS会員の皆様、平素より当工業会の活動にご理解並びにご支援を賜り、厚く御礼
申し上げます。また、相次いだ自然災害により、今なお厳しい生活を強いられている
地域の皆様には、あらためて心よりお見舞い申し上げます。
わが国の65歳以上の人口割合は2025年に約30%、2060年には約40%に達すると見られ
ており、世界に先駆けて超高齢社会に突入しました。医療を取り巻く環境は大きく変
化しています。高齢化の進展や疾病構造の変化(生活習慣病の増加)に伴い、
「病院完
結型医療」から地域全体で切れ目なく必要な医療を提供する「地域完結型医療」への
転換が求められています。今後は、単に治癒や救命延命を目的とした医療ではなく、
病気と共存しながらQOL(Quality of Life)の維持向上を目指す医療に変わっていきま
す。そのため、
「地域完結型医療」の発展形として、住み慣れた地域で自分らしい暮ら
しを続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供
される「地域包括ケアシステム」の実現を、国をあげて目指しています。
2015年6月の「日本再興戦略」および「世界最先端IT国家創造宣言」の改訂では、
2020年までの5年間を「集中取組期間」として定め、医療等分野におけるICT化を徹底
することが示されました。地域における医師不足・偏在、医療従事者の負担増、超高
齢社会の到来による医療・介護需要の増大といった課題を踏まえ、国民が長く健康で
自立して暮らすことができる社会
(健康長寿社会)
を実現することが宣言されています。
地域を超えた医療情報利活用基盤の構築を目指し、データやシステム仕様の標準化、
運用ルールの検討やシステム関連コストの大幅な低廉化等による費用対効果の向上を
図りつつ、2018 年度までに医療情報連携ネットワークの全国への普及・展開を図るこ
とが求められました。医療・健康情報等の各種データの活用による、個々のライフス
タイルに合わせた適切かつ継続性のある健康増進や発症・重症化予防の取組みも推進
されています。地域医療情報連携ネットワークの全国への普及や電子カルテ導入機関
の拡大、さらには「健康寿命の延伸」に向けた新規イノベーションの創出等の各施策
では相互運用性を担保したヘルスケアICTが非常に重要であり、これを担う本工業会へ
の期待は益々高まっています。
2
巻頭言
また、2016年5月の改訂では、個人の生涯にわたる医療や健康等の情報を経年的に管
理・活用するPHR(Personal Health Record)のあり方を検討することも示されました。
ウェアラブル端末の普及、健康・予防サービスに対する個人の嗜好の高まりや多様化
等を背景に、サービス需要は今後飛躍的に増大していくものと考えられます。レセプ
トや健康診断のデータに加えて、ウェアラブル端末等のIoT/IoE によるデータ収集を
活用すれば、よりリアルタイムで個人の状況に応じた、効果的なサービス提供が可能
になります。
本工業会は、保健医療福祉情報システムに関する標準化の推進、技術の向上、品質
及び安全性の確保を図ることにより、保健医療福祉情報システム産業の健全な発展と
健康で豊かな国民生活の維持向上に貢献することを目的に設立されました。現在では、
会員数は373社(2016年7月末時点)に増え、会員企業の売上高も年間5700億円を超え
るなど、約20年で大きく成長してまいりました。この間、様々な標準化活動をはじめ、
電子カルテシステムや地域医療連携システム、レセプト電算処理システムの普及推進
等、多くの実績を積み上げております。今後もICTを利活用して「健康で安心して暮ら
せる社会」を実現できるよう、会員一同、一層の努力を積み重ねていく所存です。ご
支援ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
なお、第3期(1998〜1999年度)と第7期(2006〜2007年度)の2期にわたり、本工業
会の会長としてご尽力いただきました、
秋草直之様(富士通㈱顧問、
元代表取締役社長、
元代表取締役会長)が本年6月18日にご逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し
ます。突然のことで大きな驚きと悲しみを覚えましたが、秋草元会長や諸先輩方が築
かれた工業会の理念や活動基盤を受け継ぎ、一層激しさを増す環境変化の中、常に先
を見据えて、本工業会のさらなる発展に向け邁進していきたいと存じます。
最後になりましたが、JAHIS会員の皆様の益々のご発展とご健勝を祈念致しまして、
ご挨拶とさせていただきます。
3
官公庁等のご挨拶
ご挨拶
厚生労働省 医政局 研究開発振興課
医療技術情報推進室 室長
岡田 就将
保健医療福祉情報システム工業会及び会員各社の皆様方におかれましては、平素よ
り厚生労働行政の推進にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
現在、急速な高齢化と厳しい保険財政の中で、質の高い医療・介護サービスの提供や、
国民自らの健康管理等のための情報の取得、公的保険制度の運営体制の効率化等を推
進するため、医療等分野の安全かつ効率的な情報連携の基盤の整備に最優先で取り組
むことが求められています。
このような状況の中で、安全かつ効果的な情報連携の基盤を整備する上で欠かせな
い仕組みとして医療等分野の情報連携に用いる識別子(医療等ID)を安全性と利便性
を確保した形で整備し、診療情報等のデータの電子化とネットワークの整備を併せて
推進することで、①地域内や複数地域をまたがる医療機関・介護事業者等の連携や地
域包括ケアの提供、②健康・医療の研究分野での大規模な分析研究、③国民自らが健康・
医療の履歴や記録を確認し、健康増進に活用する仕組み(ポータルサービス)などが、
飛躍的に進むことが期待されています。
このため、日本再興戦略2016(平成28年6月2日閣議決定)において、「医療等分野に
おける番号制度の活用等に関する研究会報告書(平成27年12月10日同研究会取りまと
め)を踏まえ、医療保険のオンライン資格確認及び医療等ID制度の導入について、
2018年度からの段階的運用開始、2020年からの本格運用を目指して、本年度中に具体
的なシステムの仕組み・実務等について検討し、来年度から着実にシステム開発を実
行する。
」こととされました。これを受けて、医療保険のオンライン資格確認の基盤を
活用し、医療等IDを発行・利用する仕組みを検討する調査研究事業を立ち上げ、来年
度から着実なシステム開発を実行できるよう検討を進めています。
併せて、地域を越えた国民への医療サービス提供等を可能とする医療情報利活用基
盤の構築を目指し、各地で医療情報連携ネットワークが構築されていますが、厚生労
4
官公庁等のご挨拶
働省としては、標準規格や運用ルールの普及等を通じて、これを平成30年度までに全
国的な展開を行うことを目標としています。具体的には、企画面及び技術面から構築
を支援することを目的として、新たに医療情報連携ネットワークを構築する際に参考
となる好事例や、医療従事者にとってわかりやすいネットワークの構築手順等の情報
発信を行うほか、引き続き、財政支援等の政策的枠組みと整合性を図りながら普及促
進を進めることとしています。
さらに、
「2020年度までに、地域医療において中核的な役割を担うことが特に期待さ
れる400床以上の一般病院における電子カルテの全国普及率を90%に引き上げる」とい
う目標を掲げ、ベースインフラとなる電子カルテの普及にも引き続き積極的に取り組
むこととしております。
医療情報連携ネットワークやその基盤となる電子カルテの普及にあたっては、医療
機関にその有用性を訴求するとともに、必要な機能を実装した低廉な医療情報システ
ム等を普及させることが重要です。厚生労働省としても継続性のあるネットワーク構
築のため、クラウドを活用した低廉で標準的なシステムの導入支援や、相互運用を可
能とするための標準化にかかる検討を積極的に実施してまいります。
今後も、国民や医療機関がメリットを実感できる形で医療等分野のICT化を進めてい
く必要があるものと考えており、厚生労働省といたしましても、国民の皆様、関係機関・
団体の皆様のご意見をお聞きしながら、各種の施策を着実に進めていきたいと考えて
おります。これらの施策を進めるためには、特に保健医療福祉情報システム工業会及
び会員各社の皆様方のご協力が不可欠でありますので、引き続きのご理解ご協力の程
よろしくお願い申し上げます。
5
官公庁等のご挨拶
ご挨拶
経済産業省 商務情報政策局
医療・福祉機器産業室 室長 遠山 毅
1.はじめに
本年6月20付で医療・福祉機器産業室長に着任しました遠山でございます。JAHIS会
員の皆様に御挨拶申し上げますとともに、最近の取組について御紹介させて頂きます。
2.医療機器産業をとりまく環境
世界的に少子高齢化が進む中、
「健康寿命の延伸」は人類共通の課題であり、我が国
では、国民皆保険制度の下、質の高い医療が提供されることにより、世界最高水準の
長寿国の地位を享受しています。こうした中、我が国が今後とも持続的な成長を続け
るためには、医療に関係する産業分野を成長の原動力の一つとして、戦略的に発展さ
せていくことが重要です。
3.経済産業省の政策
政府が進める「国民の健康寿命の延伸」を確実に実現していくべく、経済産業省と
しては、医療機器産業政策において次の2つの視点に立って取り組んでまいります。
まず、新しい医療機器の開発・実用化を通じて、国民一人ひとりが可能な限り健康
を維持し、安心して暮らすことができる社会づくりに貢献していくことです。
もう一点、引き続きアベノミクスの三本目の矢としての成長戦略を進め、我が国経
済を持続的に成長させることです。ヘルスケア分野は我が国経済の成長にとって期待
の高い分野であり、その中の一つである医療機器分野も含め、継続的、戦略的に発展
させることが課題となります。
こうした観点から、経済産業省は、内閣官房健康・医療戦略室、厚生労働省、文部
科学省と連携し、一昨年設立された国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
を通じ、医療現場のニーズをしっかり汲み上げ、電子技術、ロボット技術などの最先
端技術や日本のものづくりの技を活用した日本発の優れた医療機器の開発・実用化な
どの諸施策を進めてまいります。
4.医療・福祉機器産業室の取組
こうした中で、経済産業省としては、特に以下の施策に力を入れて取り組んでまい
ります。
1つ目に、高度な技術を持ったものづくり中小企業と医療機関との連携(医工連携)
の強化です。ものづくり中小企業の持つ優れた技術と医療現場のニーズをマッチング
させ、こうしたニーズに合致した医療機器の開発と事業化に向けた取組を支援してい
6
官公庁等のご挨拶
ます。具体的には企業、医療機関、製販企業のコンソーシアムによるこうした医療機
器開発・実証の支援を行っています。また、関係各省や関連機関、企業、地域支援機
関が連携し、医療機器の開発初期段階から事業化に至るまで、医療ニーズ・審査・知財・
技術・販路開拓など専門的な知見を有する「伴走コンサル」を通じ、切れ目のないワ
ンストップの支援を進める「医療機器開発支援ネットワーク」を展開しています。
2つ目は、最先端の医療機器の開発・実用化です。日本が得意とする電子技術やロボッ
ト技術を活用し、世界市場をも視野に入れた医療機器開発を進めています。昨年、
AMEDほか関係各省とともに、医療現場のニーズを抽出するスキームを立ち上げまし
た。こうした取組を更に進め、重点分野(手術支援ロボット、人工組織・臓器、低侵
襲治療、画像診断、在宅医療)を中心として、日本発オンリーワンの革新的な医療機
器の開発・展開をより的確に進めてまいります。
5.保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)へ期待すること
今後の医療機器開発において、IoTや人工知能等のシステムとの連携は、重要な要素
となっており、あらゆる物がつながるネットワーク内での利用や、ビッグデータの活
用が想定されています。また、革新的な医療機器を海外へ展開し、普及を進めるため
には、我が国提案による標準化を進めていくことも必要となります。
こうした新たな医療機器の円滑な普及や国際展開においては、
「セキュリティの確保」
及び「データの標準化」は大きな役割を担っており、JAHISの活動による更なる推進に
期待するとともに、経済産業省としても、連携を取りながら進めてまいりたいと考え
ております。
6.おわりに
私は前職では素形材産業という産業をみていました。素形材産業とは具体的には鋳
造、鍛造、金属プレスといった金属を塑性加工する産業やこれに関する金型などの産
業を総称した産業です。この産業の全てが医療機器産業に関係する訳ではありません
が、日本のものづくり産業が持つ技術のすばらしさや課題についてもみてまいりまし
た。日本の医療機器産業はまだまだ市場を拡大する余地があると考えており、今後、
こうした経験も踏まえながら取り組んでいきたいと考えています。
末筆になりましたが、今後とも一般社団法人保健医療福祉情報システム工業会の皆
様の御支援、御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
7
官公庁等のご挨拶
ご挨拶
総務省 情報流通行政局
情報流通高度化推進室 室長
吉田 宏平
このたびは山本会長ご就任おめでとうございます。また東原前会長におかれまして
は、これまでの標準化をはじめとした貴団体のご活動を先導してこられたお取組に、
心から敬意を表させていただきます。
また、会員企業の皆様におかれましては、平素より総務省はじめ政府のICT政策にご
支援・ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、平成28年度も後半にさしかかって参りましたが、健康・医療分野のICT政策に
関しては、総理を本部長とする政府の健康・医療戦略本部の下に、次世代医療ICT基盤
協議会を設け、2020年(平成32年)までを集中改革機関として、ネットワーク化とデー
タの活用に向けて、政府全体として様々な取組を行っているところです。
総務省においては、地域包括ケアの基盤となる地域医療情報連携のためのネットワー
ク(EHR: Electronic Health Record)と、医療・健康データを国民一人ひとりが自ら
管理し、日々の生活・運動データと併せて活用することで一人ひとりの健康状態に応
じた様々なサービスを受けることができるPHR(Personal Health Record)を車の両輪
と捉え、医療・健康・介護情報が流れるインフラとして開発及び普及推進を支援して
います。EHRに関しては、クラウドを活用し、地域の病院や診療所、薬局や介護施設
等を双方向で連携できる基盤の展開と、地域医療圏同士の情報連携も見据えた普及推
進が必要と考えております。全国の地域医療圏で様々なシステムや運用がなされてい
ることから、こうした情報連携を進めるにあたっては、保健医療福祉情報システム工
業会の皆様のお力添えを是非ともお願いしたく、
引き続きのご協力をお願いいたします。
また、PHRに関しては、昨年、総務大臣政務官と厚生労働大臣政務官の共催で開催
した「クラウド時代の医療ICTの在り方に関する懇談会」での検討を踏まえ、本年度よ
8
官公庁等のご挨拶
り、母子保健分野、疾病・介護予防分野、生活習慣病重症化予防分野、医療・介護連
携の4分野において、日本医療研究開発機構の研究事業として、具体のアプリケーショ
ン実装とサービス提供のモデル構築を進めております。この研究事業の成果としての
アプリケーションやサービスを、全国様々な自治体や保険者等が活用することで、幅
広くPHRサービスが普及展開していくことを目指しています。既にこの領域において
も、様々なウェアラブル機器やセンサーなどのIoT機器が存在していることから、これ
らの機器間のデータのやりとりや、利用者の健診データや診療データとの統合にあた
り、貴会のご協力を仰ぐ場面が多くなることは言うまでもありません。
さらに、EHRやPHR等を通じて得られた医療・健康等データを大規模に収集し、匿
名化してビッグデータとして研究機関や様々な産業活用を進める「代理機関(仮称)
」
に関する検討も進められているところです。AIを活用することで、これまでの知見を
大きく超える新たな医療技術やサービスが登場することも考えられます。いずれにし
ても、医療・健康等データをいかに活用し、医療技術の更なる推進や国民福祉の向上、
我が国の産業競争力向上に結びつけるかが今後問われているものと認識しています。
総務省においては、関係府省との連携の下、今後とも、我が国における医療等分野
のICT利活用の推進に尽力して参ります。そのためには、上記に限らず、様々な局面で
保健医療福祉情報システム工業会の会員の皆様のご協力が不可欠であり、これまでの
ご協力に深く感謝いたしますとともに、今後とも一層のご理解とご協力をお願いいた
します。
最後に、山本新会長の下での保健医療福祉情報システム工業会及び会員の皆様方の
ご健勝と更なるご活躍を祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。
9
官公庁等のご挨拶
発刊に寄せて
内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室
内閣参事官
上村 昌博
第59号の発刊を迎えられましたことを、心よりお慶び申し上げます。
保健医療福祉情報システム工業会および会員の皆様方には、20年以上に渡り医療等
分野への発展に貢献されてこられたことに敬意と感謝の意を表します。
最近の出来事ですが、多くの医学論文を学習した人工知能が、専門医でも診断の難
しい特殊な白血病を見抜いたというニュースが話題になりました。ITと医学における
これまでの研究成果やデータを活用することで、医療における新たな価値を生み出せ
ることが実証された出来事であり、また将来への期待が膨らむ出来事のひとつでした。
ITを利活用していくためには、ネットワークによる連携、データ収集・解析が必要
であり、また、互換性、整合性といったことにしっかりと対応することが重要であり
ます。この仕組みを確実に作り上げていくことが、将来への医療等分野での質の向上、
効率化などにつながっていくものであり、データの流通や利活用、人工知能の活用な
どを行うための第一歩でもあります。
政府の成長戦略の中では、
「世界最先端の健康立国へ」を掲げております。健康寿命
延伸を目標とし、ビッグデータ等の活用による診療支援・革新的創薬・医療機器開発、
IoT等の活用による個別化健康サービスなど、新たな有望市場の創出のひとつとして取
組んでおります。そのような中、ITは力強い経済成長をはじめ、社会課題の解決を実
現するための鍵であります。
医療等分野を含むITを活用した政府方針として、今年の5月に世界最先端IT国家創
10
官公庁等のご挨拶
造宣言の改定が閣議決定されました。2013年に最初の世界最先端IT国家創造宣言が閣
議決定されてから3年が経過していることもあり、今年の改定では、これまでの取組
の評価が取りまとめられています。また、IT利活用の更なる推進のため、
「国・地方の
IT化・業務改革(BPR)の推進」
、
「安全・安心なデータ流通と利活用のための環境の
整備」
、
「超少子高齢社会における諸課題の解決」の3つの重点項目が設定されました。
医療等分野におきましては、代理機関(仮称)やPHR、医療等ID制度、医療保険のオ
ンライン資格確認などに関する施策が重点項目として位置付けられています。これら
方針に従い、関係各所と連携しながら積極的に取組んでいきたいと存じます。
医療等分野では、医療情報などの標準化におけるこれまでの皆様方のご尽力により、
IT化が進み、質の向上、効率化が進んできました。IT技術は日々進歩しておりますが、
既存の技術に加え、最新の技術を取り入れながら現場で活用していくことで、さらな
る医療・介護・健康分野などの発展を成し遂げるものと考えるところです。
そのためにも、内閣官房IT総合戦略室といたしましては、機敏かつ適切なPDCAサ
イクルにより各施策を実践する戦略のスパイラルアップを目指してまいります。また
横串機能としての役割を果たし、関係省庁と連携を図り、関係機関の皆様のご協力を
受け賜りつつ、引続き戦略の策定および実行に尽力する所存です。
保健医療福祉情報システム工業会および会員の皆様方におかれましては、これまで
の取組から得られた専門的なご知見を活用いただき、医療・介護・健康分野の発展に
向けて引続きお力添えをいただければと存じます。
11
官公庁等のご挨拶
ご挨拶
一般社団法人日本医療情報学会
代表理事
大江 和彦
本年6月に岡田美保子前学会長の後を受けて学会長を務めております。この場をお借
りしてご挨拶申し上げます。
まず日本医療情報学会について簡単にご紹介させていただきます。日本医療情報学
会は医学医療の情報処理過程を学問として研究する者の学術交流の場として1983年4月
に創設された33歳の学会です。現在、約3500名の会員がおり、会員は医師、看護師、
薬剤師、検査技師、病院事務担当者、情報理工学研究者、企業や民間研究所のコンピュー
タ技術者、行政担当者や法律家、倫理学、図書情報管理者など枚挙にいとまがないほ
ど多様な職種にわたっている学際的な学会です。こうした多職種の専門家と意見交換
をする場として、春と秋の年2回学術集会を開催していますので、是非学会に加入され
て様々な知見を得る機会を持っていただけると幸いです。また学会では医療情報技師、
上級医療情報技師の認定事業も実施していますので、まだの方はこの制度の活用も是
非お勧めします。
さて日本の医療情報電子化の流れはご存知のように検体検査、医事会計(レセプト)
計算に始まり、オーダエントリシステム、電子カルテシステムの導入と発展してきま
した。しかし、米国のここ数年における電子カルテ導入率の急激な上昇に比して、200
ベッド以下の小規模病院の多い日本ではまだ導入率は35%程度と十分ではありません
し、診療所も同様です。地域医療連携やPHRシステムが話題になっていますが、半分
以上の医療機関が検査結果と処方と病名情報と診療経過サマリーを電子化していない
現状では、それらのシステムの効果は限定的でしょう。医療で発生する主要なデータ
が再利用可能な構造化された形で電子化されるICT環境を医療現場に普及させること
は、データに基づく個人健康管理と少子高齢社会における医療最適化にとって必要不
可欠であり、日本の将来の命運を左右するといっても過言ではありません。そのため
には産業界全体がこの問題に多角的に取り組む必要があると思っています。その原動
力となる団体こそ保健医療福祉情報システム工業会であり、皆様の工業会に対する社
会の期待はこれからますます大きくなることでしょう。
12
官公庁等のご挨拶
一方、医療は今、プレシジョンメディシン(精密医療)という名をつけた新しい医
療パラダイムに着実にシフトしようとしています。これは、個人個人の遺伝的特性や
個々の病気の個人毎の違いを精密に分析し、その違いをターゲットにした個々に異な
る精緻な治療を行おうという医療です。従来のように医師が診察中に取得したデータ
と採血検査結果や画像といったある意味アバウトなデータの集合(所詮は病気を起こ
している分子レベルの違いを検査しているわけではないという意味)で患者の状態を
推論判断するのではなく、それらのデータに加えて個人の遺伝子(DNA配列)の違い
を分析して治療薬への反応感度を予測したり、個々の細胞の微妙な性質の違いや分子
レベルの変化を分析して治療対象になり得る細胞や分子を標的にした治療をしたりと
いった、新次元の精密医療です。そのような医療の実現のために、これまた表現は悪
いがある意味アバウトな診療情報を記録して表示するために作られてきた現在の電子
カルテシステムや医療情報システムは大きな変革を迫られることになるでしょう。新
次元の精密医療に対応した、精緻なデータを記録し管理し分析できる能力をもった新
次元の医療情報システムが必要になるというわけです。
日本医療情報学会は、皆様の工業会とともに、この医療のパラダイムシフトに適合
した新次元の医療情報システムのあり方を明確化し、ロードマップを作成したいと考
えています。また電子化診察デスクの実現とでもいうべきクリニックや小規模病院で
の電子カルテの導入率を、
例えば80%以上にする斬新な方策を見つけ出したいものです。
さらにそうした双方の活動と役割を行政や社会一般にもっと広報しなければなりませ
ん。それによって国民の理解も深まることと思います。こうしたことは学会だけでも
工業会だけでも出来ないことではないでしょうか。これまでもそうでしたが、これか
らもさらに協力・協働により日本の医療の改革、変革、次世代化に努力していきたい
と思います。
是非引き続き学会へのご支援とご協力をよろしくお願いいたします。
13
官公庁等のご挨拶
役に立つIT化への正念場
一般財団法人医療情報システム開発センター
理事長
山本 隆一
保健医療福祉情報システム工業会の皆様、一般財団法人医療情報システム開発セン
ター(MEDIS-DC)の理事長を務めております山本隆一です。どうぞよろしくお願い
いたします。
いつも思っていることですが、医療分野へのIT導入は保健医療福祉情報システム工
業会会員各社の努力が実を結び、医事システム・レセコン、部門システム、オーダエ
ントリシステム、EMR、EHRと順調に発展を遂げてきました。EMR、EHRはオーダエ
ントリシステムや医事システムに比べて普及速度は鈍化しましたが、次第に普及しつ
つあります。Innovative技術の普及は、最初は遅いのですが、ある閾値を超えると、普
及速度が急激に上昇するallosteric curveを描くことが知られていますが、そろそろ閾値
を超えるものと考えられます。2016年は医療等IDの実装に向けての検討が本格化し、
また改正個人情報保護法の政令および個人情報保護委員会規則も制定され、2017年に
はいよいよ実施されます。保健医療福祉分野の情報の扱われ方に大きな変化が起こり
始める年とも言えます。一方で、昨年も述べましたが、医療・介護を含む社会保障財
源はいよいよ逼迫し、少子高齢化もピークを迎えようとしています。
私は厚生労働省保険局が運用しているいわゆるNDBと呼ばれるレセプト・特定健診・
保健指導を格納したデータベースの利活用の検討を行う有識者会議の座長を数年前か
ら務めていますが、最初は恐る恐る利活用のあり方を模索していたのですが、最近は
このデータベースをフルに活用し、日本の医療の状況を見える化し、2025年の医療・
介護体制のあり方の検討が進められるなど、レセプトと言えども網羅的に収集しデー
タベース化し分析可能とすることで、大きな力を持つことを実感しています。もちろ
んレセプトはレセプトですから、データ種別によっては精度に問題があり、また、医療・
介護の見える化を出来ることには当然ながら限界があり、さらに情報があればさらに
説得力のある見える化ができるのにと、切歯扼腕することも少なくありません。
14
官公庁等のご挨拶
JAHIS、MEDIS-DC、あるいは日本医療情報学会やその他の団体はこれまで医療・介
護への適切なIT導入に取り組んできましたが、適切なIT導入の重要な要素である標準
化は、網羅的という意味ではレセプト程度しか使い物になっていないというのも認め
ざるをえない状況だと思います。数年前までは、
どちらかと言えば啓発的な要素があり、
「こんなすばらしいITをどうして使わないのか」
という立場であったことは否めません。
しかし、もう待ったなしの状況になったと言えます。多くの医療・介護現場はまだま
だ戸惑いながらではありますが、以前に比べればはるかに積極的であり、今、良いシ
ステムを提供できなければ、
「何をしているのか」と叱られそうな状況になっています。
NDB以 外 に も 全 国 が ん 登 録 の デ ー タ ベ ー ス の 運 用 も 始 ま り、 ま たMID-NETや
J-DREAMSなどのSS-MIX2ベースの診療情報システムに直結した臨床データベースも
数多く稼働しています。診療情報システムに直結したデータベースに、できる限りの
網羅性を与えるためのプロジェクトも始まっており、MEDISもその一旦を担おうとし
ています。問題はこの先にどういう世界が描けるかで、これまでのJAHISをはじめとし
た関係団体の努力が、どれだけ大きな実を結ぶかです。ビッグデータという言葉はす
でに古いと言われていますが、医療介護分野で国民が納得できる形で持続性を確保す
るためにはある程度の網羅性を持つ、リアルデータに基づく研究や政策決定が必要で
す。これまで進めてきた、標準化を基軸とした「利活用できるIT化」を、さらに推し
進める必要があるでしょう。またIoTの進展も加速しそうです。医療介護保健分野の
CPS(Cyber-Physical System)と電子カルテやPHRとの連携も大きなテーマになると
言って良いでしょう。JAHISの活躍の場は広がる一方で、MEDISも及ばずながら
JAHISあるいは他の関係団体と連携しつつ頑張っていきたいと考えています。
末尾になりましたが、
貴会のますますの発展を祈念し、
ご挨拶とさせていただきます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
15
役員のご紹介
一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会 役員名簿
JAHISの運営を行う最高機関として、会長、副会長、理事及び監事で構成される理事会があり、
原則として年2回定例理事会が開催されます。現在の役員の皆様をご紹介いたします。
やまもと
まさ み
会 長 山本 正已
富士通㈱ 代表取締役会長
いいじま
かつ み
副 会 長 飯島 勝美
㈱NTTデ-タ 執行役員 第二公共事業本部長
こ まつ
けんいち
副 会 長 小松 研一
東芝メディカルシステムズ㈱ 相談役
たか お
せいいち
副 会 長 高尾 誠一
日本電気㈱ 理事
さ とう
かずよし
副 会 長 佐藤 和喜
日本アイ・ビ-・エム㈱ Watson事業部 理事
こ たに
ひでひと
副 会 長 小谷 秀仁
パナソニック ヘルスケア㈱ 代表取締役社長
16
役員のご紹介
こう だ
かつ や
副 会 長 香田 克也
㈱日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット
ヘルスケアソリューション事業部 事業部長
てらうち
のぶ お
理 事 寺内 信夫
㈱EMシステムズ 常務取締役
ふじ い
きよたか
理 事 藤井 清孝
コニカミノルタ㈱ 執行役 ヘルスケア事業本部長
た なか
けいいち
理 事 田中 啓一
日本事務器㈱ 代表取締役 CEO
は せ がわ
あきら
監 事 長谷川 晃
オリンパス㈱ 技術開発統括本部 本部長
はま の うえ
かずひと
監 事 濱之上 一人
日本コンピューター㈱ 取締役
備考:副会長、理事、監事の順序は会社名の50音順による。
平成28年8月1日現在
17
部会長のご挨拶・抱負
ご挨拶 運営会議
運営会議 議長
下邨 雅一
(富士通㈱)
この度、運営会議議長を拝命いたしました、
ビス)の第一歩になります。お薬手帳も現状は
富士通の下邨です。平素よりJAHISの事業運営
薬局の情報が中心ですが、患者や医療者のニー
にご理解ご協力を賜り、
厚く御礼申し上げます。
ズを踏まえた上で、EHRだけでなく、セルフメ
さて、医療を取り巻く環境は大きく変化して
ディケーションのためのPHRへの展開が急務に
います。高齢化の進展や疾病構造の変化(生活
なっています。様々な利用シーンを想定すると、
習慣病の増加)に伴い、
「病院完結型医療」から
医療機関や薬局はもちろん、異業種連携を視野
地域全体で切れ目なく必要な医療を提供する
に入れた医療情報標準化の普及推進と、業種の
「地域完結型医療」
への転換が求められています。
枠を超えた強固なセキュリティ基盤の構築も重
2015年6月の「日本再興戦略」および「世界最
要になっていくと考えられます。より高品質な
先端IT国家創造宣言」の改訂では、2020年まで
製品と付加価値サービスをお客様に提供し続け
の5年間を「集中取組期間」として定め、医療等
られるよう、健康長寿社会の実現に向けてヘル
分野におけるICT化を徹底することが示されま
スケアICTを変革していきたいと思います。
した。医療情報連携による患者安全への寄与、
また、JAHISはこれまでも行政や外部機関の
医療への貢献も期待されています。さらに、2016
様々な検討会に参画しながら、標準類の策定や
年5月の改訂では、個人の生涯にわたる医療や健
HELICS指針の採択、厚生労働省標準規格の制定
康 等 の 情 報 を 経 年 的 に 管 理・ 活 用 す るPHR
に結びつけてきました。ただ、標準規格は手段
(Personal Health Record)のあり方を検討する
であり目的ではありません。単に標準化を推進
ことや、医療・健康情報等の各種データのさら
するだけでなく、
その有効性をきちんと評価し、
なる利活用を推進し、国民の健康や医療サービ
皆が当事者となり改善しながら普及させていき
スの質の向上を図っていくことも示されまし
たいと思います。
た。ヘルスケアICTへの期待はますます大きく
なっています。
今後も、行政や学会、各標準化団体とも密接
に連携しながら、医療情報標準化の推進、技術
2016年3月末には「電子処方せんの運用ガイド
の向上、品質および安全性の確保を図り、国民
ライン」が策定されました。処方せんの電子化
の保健・医療・福祉に寄与するヘルスケアICTを
は、医療機関と薬局の連携による服薬管理の効
実現すると共に、業界全体の健全な発展に貢献
率化だけでなく、電子版お薬手帳との連携によ
するよう、事業運営をしていく所存です。ご支
り、患者自らが服薬等の医療情報の履歴を電子
援ご鞭撻を賜りますよう、
お願い申し上げます。
的に管理し、健康増進への活用(ポータルサー
18
部会長のご挨拶・抱負
着任のご挨拶
総務会 会長
浅野 正治
(日本アイ・ビー・エム(株))
JAHISの会員の皆様におかれましては、平素
この流れを加速する目的で、
昨年度末までに、
より当工業会の活動にご協力を賜り厚くお礼を
JAHISのホームページを5年ぶりに全面的に改
申し上げます。
修し、より使いやすく、親しみやすいものに致
本年度、新たに山本会長の下で、3期目の総
務会長を仰せつかりました浅野でございます。
しました。特に機能面では従来、会員会社単位
でIDやパスワードを割り振っていたものを、完
日本の経済はアベノミクスの成長路線として
全に個人別に切り替えたことで、よりセキュリ
金融緩和などは刺激策として押し進めているも
ティが高まったことと、各部門での活動で共有
のの、景気の実態は必ずしも盤石とは言えず、
したいファイルについて、従来電子メールで送
安倍総理の決断として消費税+2%の増税は見送
付していたことで会員会社ごとの制限(ファイ
られることになりました。しかしながら、先日
ルサイズ、添付ファイルの暗号化、ブロックや
の参議院議員の補欠選挙では、国民は与党を支
削除等)の課題がありましたが、それを解決す
持する結果となり、総理はその期待を受け、さ
る目的で、
JAHISのサイトでファイルを登録し、
らなるアベノミクスを推進する為に新たな補正
それをダウンロードするような共有方法によ
予算でGDPの押し上げを図ることとなりまし
り、大幅に利便性が高まりました。
た。これにより、各企業の投資が活発になるこ
とを期待したいと思います。
JAHIS調査委員会による売上高調査によりま
すと、JAHIS会員における直接売上高推移は、
総務会としてはこれらの活動を通して、今後
も会員の皆様に、広くJAHISの価値のご提供が
できればと考えております。引き続き、ご指導
ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
昨年度に再び約5,700億円を超え、且つ過去最高
となり、伸び率は前年比約+9.5%と、日本のGDP
目標成長率を大幅に上回り、あらためてこの業
界の力強さを示した結果となりました。
また、会員数の推移をみますと、2016年7月末
現在で過去最高の373社を達成しており、JAHIS
に対する関心の高さと産官学の各方面から見た
ステータスは、ますます向上しているものと推
察しております。
19
部会長のご挨拶・抱負
ご挨拶 標準化推進部会
標準化推進部会 部会長
大沢 博之
(東芝メディカルシステムズ㈱)
標準化推進部会 部会長の東芝メディカルシ
ステムズ(株)大沢でございます。
JAHIS会員の皆様におかれましては平素より
標準化推進にご協力を賜り厚く御礼申し上げま
す。
平成28年6月2日に政府が閣議決定した「日本
再興戦略2016」の中では、“世界最先端の健康立
が極めて重要になってきました。
「繋げる/繋が
る」その実現に向けて、標準化の果たす役割は
極めて大きく、合理的に効率的かつ安全に繋げ
るためには標準化の推進は不可欠であります。
業界のさらなる活性化を図り、会員の皆様が
安心して安全に活用できる標準化を目指してい
きます。
国へ” と謳われており、医療については “世界に
本標準化推進部会は、国内標準化委員会、国
冠たる医療ICT活用基盤を構築していく” とあ
際標準化委員会、普及推進委員会、安全性・品
り、その鍵となる施策のひとつに、
” IoT等の活
質企画委員会より構成され、
用による個別化健康サービス(レセプト・健診・
(1)標準化推進に係わる課題の検討と関係機
関との調整
健康データの集約・活用・分析)
” が挙がってお
ります。また、厚生労働省では、住み慣れた地
(2)国内外の標準化活動の推進
域で安心して質の高い医療サービスを受けなが
(3)保健医療福祉情報システムの標準化の普
及と促進
ら生活していけるような社会を目指し、地域に
おける医療機関等の間で必要な情報連携を進め
(4)システム、ソフトウェアの安全性や品質
に係わる課題の検討
ていくことは重要で、ICTを活用したネットワー
クを構築することで、こうした情報連携を効果
の内容の活動を行っております。
的に進め、地域における質の高い医療の提供に
寄与する取組を進めていくとの方針が出されて
おります。
今後も、標準化の推進と普及活動を通じて、
本会のますますの発展と、JAHIS会員の皆様へ
そのような世の中の要求に応じて、医療での
の貢献に努力してまいりますので、何卒、会員
IoT、ICTの活用が叫ばれており、モノとモノ、
の皆様のご支援の程、よろしくお願いいたしま
システムとシステムを「繋げる/繋がる」こと
す。
20
部会長のご挨拶・抱負
ご挨拶 医事コンピュータ部会
医事コンピュータ部会 部会長
小宮 宏之
(パナソニック ヘルスケア㈱)
本年6月より医事コンピュータ部会の部会長
に活用することにより、変化していく外部環境
を拝命しております、パナソニック ヘルスケア
に対応し、業務の健全な運営と発展を目指して
の小宮でございます。JAHIS会員の皆様におか
参りたいと存じます。
れましては、平素より医事コンピュータ部会の
平成28年度の事業活動については、中期活動
運営に絶大なるご支援を賜り、厚く御礼申し上
計画にのっとり、医事コンピュータの分野にお
げます。
ける標準化の推進、技術基盤の充実等を行い、
さて、本年度は4月の診療報酬改定とそれに伴
う各種通知への対応で始まり、関係機関との連
ITによる医療の構造改革の支援を目的に以下の
3項目に重点的に取り組む予定です。
携によるタイムリーで正確な情報収集と対応、
1)国のIT戦略の中で、IT活用の目的を明確
会員の皆様への情報発信に努めて参りました。
にしながら関係機関と連携を取り課題解
また、
「日本再興戦略2015」の閣議決定事項によ
決に取り組んでいく。
り4月から処方箋の電子化も施行されましたが、
2)医療/介護保険制度改正や診療/介護報
これにつきましてはコンピュータでの処理を念
酬改定等のスムースな対応が実行できる
頭に置いた処方箋の記述様式やメッセージ交換
よう、関係機関・団体との連携を強化す
方式、用法等のコードセットの標準化等が急が
る。
れ、JAHISの各部会との連携・協力と関係機関
3)成熟した医事コンピュータビジネスの活
性化を図るために、新規市場動向や先進
との調整を行いながら推進していく所存です。
医事コンピュータ部会は菊地、高橋、佐藤の3
IT適用状況等を調査し、行政等関係機関
名の副部会長のもと、①医科システム委員会、
に提言を行う。また、会員のビジネス機
②歯科システム委員会、
③調剤システム委員会、
会拡大に努めるとともに、情報発信、教
④介護システム委員会、⑤マスタ委員会、⑥電
育等会員サービスの向上に努める。
子レセプト委員会、⑦DPC委員会の7つの委員会
今後も会員の皆様の発展に寄与できるよう、
で構成されております。それぞれの各委員会で
医事コンピュータ部会の各委員会が一丸となっ
の活発な活動はもちろん、JAHISの各部会との
て取り組んで参りますので、引き続き皆様のご
連携・協力、厚生労働省や審査支払機関との調
支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げま
整等、JAHIS内外の組織・人材・知識を最大限
す。
21
部会長のご挨拶・抱負
医療システム部会 新部会長の挨拶
医療システム部会 部会長
藤岡 宏一郎
(㈱日立製作所)
JAHIS会員の皆様におかれましては、平素か
いきたいと考えます。
ら医療システム部会活動にご協力を賜り、厚く
さて、JAHISはご案内の通り創立20周年を過
御礼申し上げます。この度、医療システム部会
ぎて会員数も過去最大規模となり、その活動規
の部会長を務めることとなりました、日立の藤
模も非常に大きくなっていますが、JAHIS活動
岡です。宜しくお願い致します。
の重要性が高くなる中で、その継続性を確保す
私はこれまで、保健福祉システム部会、標準
ることも非常に重要になってきていると感じて
化推進部会、運営会議議長としてJAHIS活動に
います。そのためには、JAHIS活動を支え推進
係わってまいりましたが、医療システム部会は
してきたベテランエキスパートの方々の活動を
初めてでございます。新たな気持ちで、医療シ
継続していただきながら、並行して若手の人材
ステム部会の運営に務めさせていただきますの
育成することで、継続的な発展を維持していき
で、どうぞよろしくお願い申し上げます。新部
たいと考えています。これには会員皆様のご理
会長としての抱負を以下に述べさせていただき
解とご協力が不可欠であり、かつ数年で達成で
ます。
きるものではないことは言うまでもありません
医療システム部会は、患者安全への寄与と医
療への貢献を目的とした情報活用基盤の拡大を
推進することを今年度の事業方針とし、以下の
活動を行う事業計画としています。
(1)高 品質な医療システム製品と付加価値
サービスの提供
(2)医療情報標準化の策定と普及推進
(3)セキュリティ基盤の整備
(4)品質安全管理とリスクマネジメントの強化
これらはいずれも現在政府主導で進められて
いる医療等分野におけるICT化の徹底に直結す
るものであり、その重要性は益々高まっていま
す。引き続きJAHISの部会活動を通じて、医療
等分野におけるICT化の着実な推進・発展に貢献
し、2025ビジョンに示す社会の実現を目指して
22
が、常にこれを意識した活動を進めていきたい
と考えています。
最後になりますが、会員各位ならびに関係者
の方々の引き続きのご理解とご協力を賜わりま
すことをお願いして、新部会長の挨拶に代えさ
せていただきます。
部会長のご挨拶・抱負
保健福祉システム部会 着任のご挨拶
保健福祉システム部会 部会長
富田 茂
(㈱NTTデータ)
JAHIS会員の皆様には、平素より保健福祉シ
ステム部会の運営にご協力を賜り、厚く御礼申
し上げます。このたび、引き続き、保健福祉シ
ステム部会の部会長を拝命いたしましたNTT
データの富田です。
さて、今年6月に「日本再興戦略2016」が閣
議決定されました。GDP600兆円に向けた「官民
戦略プロジェクト10」のひとつに「世界最先端の
健康立国へ」が明記されています。医療等分野
におけるIDの導入をはじめ、医療ビッグデータ
活用による診療支援、ウェアラブル端末等のIoT
による個別化健康サービス、2018年度までを目
標とした地域医療情報連携ネットワークの全国
普及など医療・介護等分野におけるICT化の徹底
に向けた検討を進めていくことになっています。
保健福祉システム部会は、地域医療情報連携
関連、健康・健診関連、自治体の福祉介護関連
のITベンダー会員で構成されています。日本再
興戦略の実施・達成に向けて、当部会が一翼を
担い、関係機関と協力しながら実施していくこ
とが期待されていると思います。
特に今年度は、厚生労働省より受託した「医
療情報連携ネットワークにおける標準規格準拠
性の検証機関の実現に向けた調査研究事業」を
はじめ、経済産業省が実施している「企業保険
者等が有する個人の健康・医療情報を活用した
行動変容促進事業」など当部会のメンバーが中
心となって、
活動していく事業が目白押しです。
以上のような背景を受け、当部会の今年度の
事業方針は以下のとおりとなっています。
①地域の保健・医療・福祉・介護の連携に不
可欠なITの活用を前提とした地域包括ケア
システムの推進のため、施設間や多職種間
での連携データの標準化・普及やPHRの実
現に向け、関係省庁事業への参加や行政機
関、関係団体への積極的な提言を実施し、
業界のビジネスの創出を図る。
②予防・健康管理の推進のため、引き続き関
係機関・団体と連携し検討会等に委員を派
遣するなど、各種健診関連システムの普及
やデータヘルス計画の効果的な実施に資す
る活動・提言を実施する。またヘルスソフ
トウェア、ビッグデータ分析、PHRの活用
等に関連した調査や提言を行い、健康情報
活用ビジネスの創出・拡大を図る。
③2016年から利用が開始される番号制度への
各種対応に加え、現在検討が進められてい
る医療等分野における番号制度について、
関係機関と連携を図り、情報システム分野
の専門家として効率的なシステム構想を提
言していく。
④当該分野での社会保障制度変更に対応する
とともに、中長期を見据えた新テーマの設
定やそれに対応した部会傘下の委員会・
WG・TF等の組織編成を行う。
⑤J AHIS他部門の委員会等との連携による積
極的な情報収集に基づく会員への情報提
供、関係省庁・関係機関・学会への積極的
提言を実施する。
上記の事業方針のもと、保健福祉システム部
会の活動を通じ、我が国の医療ICT発展ならびに
会員の皆様の事業に寄与できるよう努力して参
りたいと存じます。
最後になりましたが、引き続き、皆様のご支
援・ご協力を賜りますようよろしくお願い申し
上げます。
23
部会長のご挨拶・抱負
ご挨拶 事業推進部
事業推進部 部長
青木 順
(日本電気㈱)
本年6月、JAHIS運営体制の変更がありました
が、引き続き事業推進部部長を務めさせていた
だきますNECの青木でございます。JAHIS会員
の皆様には、事業推進部の運営にご支援・ご協
力を賜り、厚く御礼申し上げます。
事業推進部のミッションは展示博覧会事業と
教育事業です。平成28年度の取り組みについて
以下に紹介したいと思います。
1.展示関連
1)国際モダンホスピタルショウ2016の会員企
業への出展促進活動とJAHISブース出展
及びJAHISプレゼンテーションセミナー
を行い、JAHIS活動アピール、新規入会促
進、JAHIS収益貢献を図ります。本件は実
施 済 と な り ま す が、 初 日7月13日 に は
「JAHISホスピタルショウ交流会」を開催
し、100名を超える関係者の皆様にお集ま
りいただき、盛況のうちに終わることがで
きました。詳細は、本会誌のトピックスを
ご参照願います。
2)第49回日本薬剤師会学術大会(愛知県名古
屋市大会)併設展示OA機器コーナーの出
展取りまとめを行います。大会開催日は10
月9~10日です。また2017年度は東京で第
50回大会として開催されますので、主催者
となる都薬剤師会にJAHIS出展取りまと
めの申し入れを早期に行いました。
3)第36回医療情報学連合大会の実行委員を担
当し、会場運営支援および大会実行に関わ
る企画検討支援を行います。開催日は11月
21~24日、場所はパシフィコ横浜会議セン
ターです。
2.教育・セミナー関連
教育事業として以下のコースの開催を企画検
24
討し、前年の実施結果を踏まえて運営方法やカ
リキュラム内容などの改善を図ります。
1)医療情報システム入門コース(2日間コー
ス)
:6月7月実施済
2)医療情報システム入門コース
(1日集中コー
ス)
:10月開催予定
3)電子カルテシステム導入研修:6月実施済
4)介護請求システム入門コース:8月実施済
5)J AHIS標準・技術文書解説セミナー:6月
実施済
厚生労働省「医療情報システムの安全管理
に関するガイドライン」を支えるJAHIS標
準類というテーマで行いました。
3.新規事業の企画推進
会員へのサービス向上、財政基盤強化のため
の収益確保・拡大、JAHISプレゼンス向上など
を目的として、下記を含む新たな事業の企画・
運営を実施します。
1)JAHIS標準・技術文書解説セミナー、
JAHIS
技術セミナー
2)自主セミナー、新研修コンテンツの調査・
企画検討
3)書籍「新訂版 医療情報システム入門」
(2014
年3月刊行)の次版改訂に向けた情報収集・
検討・改版作業
4)他団体との協調関係強化の一環として、共
同活動・共同事業などの可能性につき、検
討
最後になりますが、事業推進部は「会員企業
のためになる活動」を基本方針とし、JAHIS各
部会の横断的な協力を得ながら活動を推進して
まいります。皆様のご支援、ご協力の程、よろ
しくお願い申し上げます。
海外視察の報告
HIMSS16視察報告
標準化推進部会 国際標準化委員会
委員長 岡田 真一
1.はじめに
Management)等の次世代のシステムを支える
H I M S S(H e a l t h c a r e I n f o r m a t i o n a n d
概念の発表に加え、モバイル、BigData、IoT/
Management System Society)は「医療向上の
IoE、AIといった先端技術の活用、患者の主体的
ため医療ITの最適普及をグローバルにリードす
な自身の健康維持増進への関与の拡大(Patient
る」ことを目的として1961年に米国で設立され
Engagement)等の変遷の中にあって、相互運用
た非営利団体で、毎年春に年次総会および医療
性の確保/拡充を重要視する発表が相次いでい
IT関連で世界最大規模の講演会・教育セッショ
ました。
ン・展示会の総合イベントを開催しています。
こ の 中 で も 特 に 今 年 のHIMSSで は、PHM
HIMSS16は、2016年2月29日から3月4日の5日
(Population Health Management)の名の下に、
間、
ネバダ州ラスベガスのSands Expo Convention
大学附属病院を中心とする大規模医療機関に於
centerで開催されました。
けるPHR型サービスに関する教育セッションや
参加者数は41,712人(3月3日現在、HIMSS15:
展示が一際目立っていました。
42,560人)
、出展企業は1,311社(HIMSS15:1,344
社)と、昨年に匹敵する規模となり依然として
医療ITに対する関心と期待の高さを感じさせる
ものでした。
JAHISで は 例 年 グ ロ ー バ ル の 視 点 か ら、
HIMSS視察を定点観測として実施してきてお
り、本年は3名の有識者による調査を実施しまし
た。
2.HIMSS16調査概要
2.1. 全体概要
今回のHIMSS16では、MU(Meaningful Use)
2.2. 基調講演
保健福祉省長官Sylvia Burwell女史による基
調講演では、保健福祉の目的が「より良いケア
の後継政策となるMACRA(Medicare Access
の提供」
「より賢くお金を使うこと」
「人々をよ
and CHIP Reauthorization Act)によるEHRの
り健康にすること」の3つであるとし、その目的
普及拡大、CDSS(Clinical Decision Support
達成のためになすべきこととして特に相互運用
S y s t e m )、 P H M ( P o p u l a t i o n H e a l t h
性の確保の重要性が強調されていました。相互
25
海外視察の報告
運用性については、米国で最大規模のヘルスケ
・Christiana Care Health System
アシステム5つと全米病院の90%以上に電子カル
・W inona Health、University of Miami
テを提供するCerner、EPICといったシステムベ
Hospital
ンダー、カイザーパーマネンテ、テネット・ヘ
・Sylvester Comprehensive Cancer Center、
ルスケアなどのヘルスケアサービス提供者が広
Bascom Palmer Eye Institute、Jackson
く消費者にデータを提供することができるよ
Memorial Hospital、Holtz Children’ s
う、連邦州政府が認定する相互接続性に合意し
Hospital、Miami VA Medical Center等の提
たことが表明されました。
携病院群により構成されるUHealth
・MAYO CLINIC ……等々
共通的な特徴として、EMR/EHRおよびCDSS
やPhysician/Patient Portal、BigData解析、人工
知能等のシステム/サービスが複数施設横断で
連携される実装形態となっていたことと、以下
に示す “STEPS” というHealth ITのキーワード
を軸に導入価値について評価がされていた点が
挙げられます。
2.3. PHMについて
PHMとは、今年のHIMSSで大々的に注目され
S - Satisfaction
た領域で、EHRやDisease Managementによる
T - Treatment/Clinical
Community Careの側面や、患者自身による自己
E - Electronic Secure Data
の治療・健康維持改善への積極的な取り組み
P - P atient Engagement & Population
(Patient Engagement)を推進するPHRの概念に
属する側面、医療者および患者のポータル、こ
Management
S - Savings
れらの実装に於けるCDSSやBigData解析技術、
人工知能等による予測解析結果の活用等を含
む、新たなシステム概念です。
従来、PHRではB2C型サービスモデルが主に
2.4. E HRインセンティブ・プログラムの方向性
について
(1)Meaningful Useの状況
取り扱われてきましたが、PHMではB2B2C型
Meaningful Useは、2009年のオバマ政権によ
サ ー ビ ス モ デ ル と な っ て お り、 中 間 の B
る米国再生・再投資法律(ARRA)における
(Business)プレイヤーとして医療機関はもとよ
HITECH法(Health Information Technology for
り、健保組合や自治体等、複数のプレイヤーが
Economic and Clinical Health Act)に基づき、
想定されています。
認定を受けた機能を有効に利活用している場合
今回のHIMSSでは、医療機関が提供するサー
ビスとしての実装事例が下記のように多く発表
されました。
26
に一定のインセンティブが得られる制度です。
2011年のStage1のテーマは「データ収集と共
有」
、2014年からのStage2のテーマは「先進診療
海外視察の報告
プロセス」そして2017年からはStage3として「ア
ウトカムの改善」"Improved outcomes"をテーマ
に開始が予定されています。
Stage3の目的は以下の8項目であり、それぞれ
について評価指標が設定されています。
2.5. HIEと相互運用性について
Healthcare Information Exchange(HIE)お
よびInteroperabilityのトピックでは、HIMSS
Interoperability Showcaseのブースを中心に
IHE XDS, RFD, C-CDA, BlueButton on FHIR,
①電子健康情報の保護
ConCert by HIMSS, Carequality などの標準化
②電子処方
技術やフレームワークに関するセッションが開
③診断支援
催されていた他、一般セッションでも様々なHIE
④コンピュータ化したオーダエントリ
の事例が報告されていました。
⑤患者が健康情報に電子的にアクセスすること
例えば、国際的な医療情報連携を行った例と
⑥患者の関与を通したケアの調整
して、昨年9月のローマ法王のフィラデルフィア
⑦健康情報の交換
訪問の際に、多数の外国人訪問客(約200万人)
⑧公的な健康状態と臨床データ登録状況の報告
の救急時の診療情報や所在情報をリアルタイム
に提供するプロジェクトについての報告があり
(2)メ ディケアを対象とした新しいインセン
ティブ・プログラム
ました。このプロジェクトでは、イタリアとカ
ナダからの訪問者を対象に、事前に数カ月かけ
2015年6月、CMS(Centers for Medicare &
てADT情報を登録しておき、救急時にはそれを
Medicaid services) は 最 終 ル ー ル の 中 で、
もとに国際的な診療情報交換をリアルタイムに
MACRA法の発表を行いました。MACRA法の
行って医療従事者に提供する他、患者の所在情
下でメディケアを対象とした新しいEHRインセ
報(入院先)を近親者に提供するサービスを運
ンティブ・プログラムが開始されます。対象は
用していました。IHE, PCS(ヨーロッパの診療
「メディケアのみでありメディケイドや病院に
サマリー文書フォーマット), C-CDA等の標準規
は影響が無い」ということがCMSから繰り返し
格を使用し、PCSからC-CDAへのデータマッピ
説明されていました。
ングを行っていました。
MACRAの下でのインセンティブ・プログラ
ムは、2018年から開始される予定です。
全体を通して、米国ではすでにMeaningful
Useを始めとする政府の施策により様々な運営
EHRのmeaningful useはMIPS(Merit-Based
母体による様々な形態での医療情報連携ネット
Incentive Payments System)という支払いシス
ワークやネットワーク同士のHIEが当たり前に
テムに組み込まれ、医師やプラクティショナー
なっており、今や全米規模のネットワークを目
への支払いは以下の内容を組み合わせたMIPS
指す段階に達していることが印象的でした。
スコアによって調整されることになります。
・質 30%
・資源の使用 30%
2.6. HIMSS Interoperability Showcase
今回も例年通り最大規模の展示会場面積を確
・臨床改善活動 15%
保し、100以上のシステム展示、Interoperability
・認定EHR技術のMeaningful Use 25%
Showcase Theaterでの約40テーマのセッショ
27
海外視察の報告
ン開催、そしてShowcaseツアー(下図参照)が
不明ですし、これまで何かと批判も多いオバマ
催されていました。
ケアではありますが、アメと鞭を駆使し、電子
ユースケースごとに10以上のブースを構え、
カルテを普及させて、データを採取する土台を
ブース入口の液晶モニターでユースケースやシ
整備した点は高く評価できると思います。既に
ナリオの概要が確認できるほか、パネルと実機
多くの出展企業は集まったデータをどのように
を使用したデモンストレーションでシナリオに
ビジネスに活用していくかという未来に向かっ
沿ったシステム間の情報連携の流れやその内容
ており、米国の力強さを感じました。
が紹介されていました。
なお、本稿で紹介したHIMSS16について、よ
り詳細な調査報告を下記JAHIS国際活動のペー
ジに掲載していますのでご参照ください。
h t t p s : / / w w w . j a h i s . j p / s e c t i o n s / i d =68?
contents_type=27
最後になりましたが、本報告書に協力いただ
いた、木村 雅彦氏、中野 直樹氏にこの場をお借
りして御礼を申しあげます。
2.7. 教育セッション概要
トータルの演題数がHIMSS14の206、HIMSS15
の218に対し、HIMSS16では316と大幅に増えま
した。分類の変更が昨年より大規模に行われて
い ま す。 演 題 数 が 最 も 増 え た も の はHealth
Information Exchange and Interoperabilityで、
昨年の10件から今年は54件でした。一方で最も
減ったのはConsumer Healthで 昨年は6件でし
たが今年は演題がありませんでした。
3.おわりに
HIMSS16の期間中の3/1(火)は、米国の次期
大統領選挙に向けた候補者選定の山場である
Super Tuesdayでした。新しい大統領がどのよ
うな健康・医療政策を打ち出すかは現時点では
28
トピックス
平成27年度
第24回医事コンピュータ部会業務報告会・特別講演
平成27年度の医事コンピュータ部会業務報告会・特別講演は、51社90名の会員様のご参加を頂き、
開催いたしました。
松村運営幹事の司会により、小宮部会長による今年度の部会活動及び次年度に向けた活動の紹介、
7委員会の各委員長から、今年度の委員会活動に係るトピックの報告、岩崎副部会長より米国ニュー
ヨーク州での海外視察の報告が行われました。
特別講演では、厚生労働省 保険局 医療課 林修一郎 課長補佐をお迎えし、
「平成28年度診療報酬改
定に向けた検討について」と題して、ご講演頂きました。
参加者の会員の皆様方は、部会報告から特別講演終了迄、メモ等をとりながら熱心に拝聴されました。
今年度も有意義な業務報告会の開催に向けて、企画・検討していきますので、御期待ください。
◆ 開催日:平成27年12月11日(金)14:00〜17:00
◆ 場所 :JAHIS第1~4会議室
◆ 司会 :松村一世運営幹事
◆ プログラム(報告概要)
【部会業務報告】
1.医事コンピュータ部会の活動状況
部会長挨拶
部会長 小宮 宏之
14:00〜14:20
2.地方単独医療費助成制度への取り組み
医科システム委員会
委員長 野村 英行
14:20〜14:30
3.歯科電子レセプト請求と標準化活動
歯科システム委員会
委員長 大倉 慈
14:30〜14:40
委員長 竹中 裕三
14:40〜14:50
4.
「電子版お薬手帳」について
調剤システム委員会
5.介護保険の今後の改正・改定について
介護システム委員会
委員長 畠山 仁
14:50〜15:00
委員長 二階堂 誠
15:00〜15:10
6.基本マスターの今後について
マスタ委員会
7.病床機能報告 電子レセプトへの病棟コードの記録
電子レセプト委員会
委員長 西口 妙子
15:10〜15:20
委員長 舌間 康幸
15:20〜15:30
8.DPC制度の現状と今後の予定
DPC委員会
9.米国ニューヨーク州における医療保険制度・医療IT化視察調査報告
海外視察調査報告
副部会長 岩崎 孝彦
15:30〜15:50
10.
【特別講演】
平成28年度診療報酬改定に向けた検討について
厚生労働省 保険局 医療課
課長補佐 林 修一郎
16:00〜17:00
29
トピックス
報告会模様
司会の松村 運営幹事
全体模様
小宮 部会長
野村 医科システム委員長
大倉 歯科システム委員長
竹中 調剤システム委員長
◇ 畠山 介護システム委員長
◇ 二階堂 マスタ委員長
30
トピックス
西口 電子レセプト委員長
舌間 DPC委員長
岩崎 副部会長
林 課長補佐
特別講演模様
31
トピックス
第21回JAHIS講演会&賀詞交換会開催される
第21回JAHIS講演会&賀詞交換会を1月14日(木)イイノホール&カンファレンスセンター(東京
都千代田区内幸町)にて開催しました。
第一部のJAHIS講演会では、藤岡運営会議議長より2016年の年頭にあたっての抱負を述べさせてい
ただき、続いて特別講演として中部大学教授の武田邦彦氏より「辛い人生を楽しい時に ~今考えた
い事~」と題してご講演をいただきました。
第二部の平成28年賀詞交換会では、東原会長の挨拶に始まり、関係各省・関係団体様よりご挨拶を
いただきました。新規入会された会員様の紹介コーナーでは、
出席された5社の方より熱い抱負を語っ
ていただきました。
会員並びにご来賓の方々とスタッフを入れて参加者222名を数え盛会裏に閉会しました。
第1部 JAHIS講演会
司会進行
大崎朋子
(1)
開会挨拶
総務会長 浅野正治
(2)
「2016年の年頭にあたって」
運営会議議長 藤岡宏一郎
(3)
特別講演「辛い人生を楽しい時に ~今考えたい事~」
中部大学教授 武田邦彦 様
(4)
質疑応答
(5)
閉会挨拶
総務会副会長 木戸須美子
第2部 賀詞交換会
司会進行
(1)
開会挨拶
大崎朋子
JAHIS会長 東原敏昭
(2)
ご来賓挨拶
経済産業省 商務情報政策局 ヘルスケア産業課
課長 江崎禎英 様
総務省 情報流通行政局 情報流通高度化推進室 室長 吉田宏平 様
内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室
参事官 上村昌博 様
一般財団法人医療情報システム開発センター
理事長 山本隆一 様
一般社団法人日本医療情報学会
理事長 岡田美保子 様
(3)
新規入会会員 ご紹介(5社)
(4)
中締め
(5)
お開き
32
事務局長 鈴木義規
トピックス
講演会 開会挨拶
浅野 正治 総務会長
講演「2016年の年頭にあたって」
藤岡 宏一郎 運営会議議長
特別講演「辛い人生を楽しい時に」
中部大学教授 武田 邦彦 様
講演会 閉会挨拶
木戸 須美子 総務副会長
賀詞交換会 開会挨拶
東原 敏昭 会長
経済産業省 商務情報政策局
ヘルスケア産業課
課長 江崎 禎英 様
総務省 情報流通行政局
情報流通高度化推進室
室長 吉田 宏平 様
内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室
参事官 上村 昌博 様
一般財団法人 医療情報システム開発センター
理事長 山本 隆一 様
一般社団法人日本医療情報学会
理事長 岡田 美保子 様
新規入会会員 ご紹介
33
トピックス
平成27年度 医療システム部会業務報告会開催される
医療システム部会各委員会の平成27年度事業活動内容と、平成28年度事業計画やトピックスを報告
する業務報告会が、平成28年2月3日(水)午後2時から関係者を含めた75名の参加を得て開催され
た。
特別講演として、公益社団法人 日本医師会 常任理事の石川 広己(いしかわ ひろみ)先生に
「医療等IDの動向について」のテーマでお話しいただき、医療等IDの原則と基本的な考え方等、会員
にとっても、関心の高い内容に興味深く聞き入る姿が見受けられた。
以下に、当日の模様とプログラムを紹介します。
●日 時:平成28年2月3日(水)14:00〜17:30
●場 所:JAHIS 第1~第4会議室
●プログラム
司会進行:運営幹事 高橋 俊哉
Ⅰ 業務報告会(14:00〜16:15)
1.部会長挨拶 部会長 下邨 雅一 14:00〜14:05
2.部会全体活動報告 副部会長 菅原 嘉伸 14:05〜14:25
3.電子カルテ委員会 委員長 並川 寛和 14:25〜14:45
4.検査システム委員会 委員長 藤咲 喜丈 14:45〜15:05
5.部門システム委員会 委員長 大串 英明 15:15〜15:35
6.セキュリティ委員会 委員長 茗原 秀幸 15:35〜15:55
7.相互運用性委員会 委員長 木村 雅彦 15:55〜16:15
Ⅱ 特別講演(16:30〜17:30)
◆講演:
「医療ID等の動向について」
◆講師:石川 広己(いしかわ ひろみ)様
公益社団法人日本医師会 常任理事
・閉会挨拶 副部会長 白鳥 栄治
34
トピックス
司会 高橋 運営幹事
部会長挨拶 下邨 部会長
菅原 副部会長
並川 委員長
藤咲 委員長
大串 委員長
茗原 委員長
木村 委員長
公益社団法人日本医師会
常任理事 石川様
閉会挨拶 白鳥 副部会長
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トピックス
平成27年度 保健福祉システム部会業務報告会開催される
78名の参加者を迎え、平成27年度保健福祉システム部会の業務報告会を開催致しました。
部会長による今年度の部会活動内容の報告の後、地域システム委員会、健康支援システム委員会、
福祉システム委員会の各委員長からトピックスを織りまぜながら今年度の活動報告を行いました。
また特別講演として、一般財団法人 医療情報システム開発センター 理事長 山本 隆一様より
「改正個人情報保護法における医療情報の取り扱いについて」と題して、マイナンバーまた医療等ID
など番号制度の話も交えながらご講演頂きました。参加者は最近の最もホットな話題だけに熱心に聞
き入っていました。
プログラムは以下の通りです。
●平成27年度保健福祉システム部会業務報告会プログラム
日 時:平成28年2月15日(月)14:00~17:30
場 所:JAHIS 会議室
【業務報告会】
司会進行
運営幹事 中光 敬
1.部会長挨拶
部会長 富田 茂
「部会概況報告」
2.地域医療システム委員会
委員長 森田 嘉昭
「地域医療連携ネットワークの普及と今後に向けて」
3.健康支援システム委員会
委員長 鹿妻 洋之
「データヘルス計画等保険者を巡る最近の動向」
4.福祉システム委員会
委員長 金本 昭彦
「介護・福祉・国保の制度改正について」
【特別講演】
「改正個人情報保護法における医療情報の取り扱いについて」
一般財団法人 医療情報システム開発センター 理事長 山本 隆一 様
★業務報告会発表資料はJAHISホームページよりダウンロード出来ます。
https://www.jahis.jp/action/id=53?contents_type=20
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トピックス
【業務報告会の様子】
富田茂 部会長
会場の様子
森田嘉昭 委員長
鹿妻洋之 委員長
金本昭彦 委員長
山本隆一 様
会場の様子
中光敬 運営幹事
37
トピックス
平成27年度 標準化推進部会業務報告会開催される
平成28年3月2日(水)14時からJAHISに於いて、平成27年度標準化推進部会業務報告会を69名の参
加を得て開催致しました。
八木運営幹事の司会進行で、大沢部会長による開会挨拶のあと、留奥副部会長の全体活動紹介、4
委員会から平成27年度の活動状況、国内外の動向・トピックスについての報告がありました。
特別講演として、公益財団法人 先端医療振興財団 臨床研究情報センター、CDISC Board of
Directorsの竹之内喜代輝先生より「電子カルテシステムと臨床研究・臨床試験 - SS-MIX2, CDISC -」
と題してご講演頂き、SS-MIX2の概要解説に続き、臨床研究・臨床試験におけるCDISCについて、そ
の初期から携わられた知見を交え、歴史、概要から現在の活動状況までを大変分かり易くご解説頂
き、参加者全員非常に興味深く聞き入っていました。
最後に安藤副部会長から閉会挨拶を行い盛会のうちに報告会を終了致しました。
なお、報告会に関する情報は、JAHISホームページの 活動と報告 >業務報告会 >標準化推進部会
に掲示されていますのでご覧下さい。
■プログラム
司会進行
八木 春行
運営幹事
1.標準化推進部会部会長挨拶
大沢 博之
部会長
2.標準化推進部会全体活動紹介
留奥 修
副部会長
3.医療情報標準化を取りまく動向について
佐々木 文夫 国内標準化委員長
4.国際標準化活動について
丹治 夏樹
国際標準化委員長
5.標準化の普及活動について
岩津 聖二
普及推進委員長
6.患者安全に関する国際・国内動向について
岡田 順二
安全性・品質企画副委員長
7.
【特別講演】
「電子カルテシステムと臨床研究・臨床試験- SS-MIX2, CDISC -」
竹之内 喜代輝 様
(公財 )先端医療振興財団臨床研究情報センター
CDISC Board of Directors
8.閉会挨拶
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安藤 慶祥
副部会長
トピックス
特別講演
竹之内 喜代輝 先生
八木 運営幹事
大沢 部会長
留奥 副部会長
佐々木 国内標準化委員長
丹治 国際標準化委員長
岩津 普及推進委員長
岡田 安全性・品質企画副委員長
安藤 副部会長
会場風景
39
トピックス
平成28年定時社員総会開催される
6月7日(火)10時45分より経団連会館(東京
都千代田区大手町)において、第6期定時社員総
会が開催されました。
当日は、会員277名(うち委任状209)が出席
して総会が成立し、東原敏昭会長(㈱日立製作
所 代表執行役 執行役社長 兼 CEO)の議長のも
と議案が審議され、それぞれ満場一致で原案ど
おりに承認されました。
議事は以下のとおりです。
・第1号議案 平成27年度収支決算報告及び監
査報告の件
・第2号議案 平成28年度事業計画承認の件
・第3号議案 平成28年度収支予算承認の件
・第4号議案 役員選任の件
・報告事項 平成27年度事業報告の件
本年は2年任期のJAHIS役員を改選する年に
あたり、定例理事会および定時社員総会で原案
どおりに役員が選任された後、臨時理事会にて
富士通㈱代表取締役会長の山本正已氏を新会長
に選定しました。
表彰式では「JAHIS会員に対する功績表彰」を
行い8名の方々が表彰され、
「幹部の功労に対す
る表彰」では1名の方が表彰されました。それぞ
れの代表者に東原会長から表彰状と記念品が贈
られました。
その後は同会館にて懇親会が行われ、東原会
長の挨拶・山本新会長の挨拶の後、ご来賓とし
て厚生労働省保険局医療課 眞鍋企画官、経済産
業省商務情報政策局ヘルスケア産業課 富原課
長補佐、一般財団法人医療情報システム開発セ
ンター 山本隆一理事長よりご挨拶をいただき
ました。会員・招待者の皆様や報道関係者を含
めて、総勢180名ほどの参加を得て盛大に懇親会
が行われました。
定例理事会
社員総会
表彰者の紹介
表彰式
40
トピックス
受彰者の皆様
懇親会会場
懇親会 東原会長挨拶
懇親会 山本新会長挨拶
厚生労働省保険局医療課 真鍋企画官
経済産業省商務情報政策局ヘルスケア産業課 富原課長補佐
一般財団法人医療情報システム開発センター 山本隆一理事長
中締め 下邨運営会議議長
41
トピックス
平成28年 第6期定時社員総会・定例理事会等プログラム
開催日:平成28年6月7日(火)
場所:経団連会館 4F
1.定例理事会
10:00〜10:40 (4F 元禄の間)
報告事項:平成27年度事業報告
岸本 芳典 戦略企画部長
司会 藤岡 宏一郎 運営会議議長
議長 東原 敏昭 会長
【表彰式】 発表 西村 寿 運営幹事
議事録署名人 寺内 信夫 監事
大谷 淳 監事
(閉会)
(新役員退席:臨時理事会へ)
1号議案:平成27年度事業報告
報告事項:
岸本 芳典 戦略企画部長
・平成28年度新体制及び役職者
2号議案:平成27年度収支決算報告
小林 俊夫 運営幹事
八木 春行 運営幹事
監査報告
寺内 信夫 監事
3号議案:平成28年度事業計画
高橋 俊哉 運営幹事
4号議案:平成28年度収支予算計画
中光 敬 運営幹事
5号議案:役員選任
藤岡 宏一郎 運営会議議長
2.定時社員総会
10:45〜11:45
(4F ダイヤモンドルーム南)
司会 藤岡 宏一郎 運営会議議長
議長 東原 敏昭 会長
議事録署名人 寺内 信夫 監事
大谷 淳 監事
1号議案:平成27年度収支決算報告
八木 春行 運営幹事
監査報告
大谷 淳 監事
2号議案:平成28年度事業計画
高橋 俊哉 運営幹事
3号議案:平成28年度収支予算計画
中光 敬 運営幹事
42
<臨時理事会>
11:30~11:40 (4F 元禄の間)
司会・説明 藤岡 宏一郎 運営会議議長
議長 香田 克也
(新理事 日立製作所)
議事録署名人 長谷川 晃 監事
濱之上 一人 監事
1号議案:会長・副会長選定
真野 誠 運営幹事
臨時理事会報告 藤岡 宏一郎 運営会議議長
3.懇親会
12:00〜13:15
(4F ダイヤモンドルーム北)
司会 小林 俊夫 運営幹事
会長挨拶 東原 敏昭 会長
新会長挨拶 山本 正已 新会長
厚生労働省挨拶 保険局 医療課
企画官 眞鍋 馨 様
経済産業省挨拶 商務情報政策局 ヘルスケア産業課
課長補佐 富原 早夏 様
乾杯 一般財団法人 医療情報システム開発センター
理事長 山本 隆一 様
――― 懇 談 ―――
4号議案:役員選任
新議長挨拶・中締め 下邨 雅一 運営会議新議長
藤岡 宏一郎 運会議議長
締め 小林 俊夫 運営幹事
トピックス
平成27年度表彰 受賞者
【JAHIS会員の従業員に対する表彰】
【幹部の功労に対する表彰】
戦略企画部 黒野 満夫
所属委員会:ヘルスソフトウェア対応委員会
勤務先 :日本電気株式会社
高橋 弘明 総務会 副会長 株式会社NTTデータ
以上1名
医事コンピュータ部会 大森 政明
所属委員会:調剤システム委員会
勤務先 :株式会社EMシステムズ
濱谷 次郎
所属委員会:DPC委員会
勤務先 :株式会社健康保険医療情報総合
研究所
医療システム部会 高山 和也
所属委員会:電子カルテ委員会
勤務先 :富士通株式会社
吉村 尚郎
所属委員会:検査システム委員会
勤務先 :日本光電工業株式会社
山岡 弘明
所属委員会:セキュリティ委員会
勤務先 :富士通株式会社
保健福祉システム部会 田中 卓
所属委員会:福祉システム委員会
勤務先 :富士通株式会社
事業推進部 田代 哲也
所属委員会:日薬展示委員会 勤務先 :パナソニック ヘルスケア株式会社
以上8名
43
トピックス
平成28年度 戦略企画部業務報告会開催される
戦略企画部各委員会の平成27年度事業活動内容と、平成28年度事業計画やトピックスを報告する業
務報告会が、平成28年7月8日(金)午後2時から関係者を含めた79名の参加を得て開催された。
特別講演として、エス・ピー・ネットワーク株式会社 総合研究室 研究員の佐藤 栄俊(さと
う えいしゅん)先生に「情報漏洩・流出事故の危機対応とその勘所 ~脅威とサイバーセキュリ
ティ対策の視点~」のテーマでお話しいただき、情報セキュリティリスクの現状とその捉え方や取り
巻く動向と脅威、また、事故対応の勘所等、会員にとっても、関心の高い内容に興味深く聞き入る姿
が見受けられた。
以下に、当日の模様とプログラムを紹介します。
●日 時:平成28年7月8日(金)14:00〜17:00
●場 所:JAHIS 第1~第4会議室
●プログラム
司会進行:運営幹事 高橋 俊哉
Ⅰ 業務報告会(14:00〜15:50)
1.JAHIS全体活動紹介
部会長 森本 正幸 14:00〜14:20
2.調査委員会報告
委員長 武田 芳郎 14:20〜14:30
3.企画委員会報告
委員長 石井 雅弘 14:30〜14:40
4.保健医療福祉情報基盤検討委員会報告
委員長 高橋 弘明 14:40〜14:50
5.ヘルスソフトウェア対応委員会報告
委員長 黒野 満夫 14:50〜15:15
6.事業企画推進室報告
室長 吉村 仁 15:15〜15:45
7.コンプライアンス委員会報告
副委員長 鈴木 義規 15:45〜15:50
Ⅱ 特別講演(16:00〜17:00)
◆講演 :「情報漏洩・流出事故の危機対応とその勘所 ~脅威とサイバーセキュリティ対策の視点~」
◆講師:佐藤 栄俊(さとう えいしゅん)様
エス・ピー・ネットワーク株式会社 総合研究室 研究員
・閉会挨拶
44
運営会議議長 下邨 雅一
トピックス
司会 高橋 運営幹事
森本 部会長 武田 委員長
石井 委員長
高橋 委員長 黒野 委員長
吉村 室長
鈴木 副委員長
エス・ピー・ネットワーク㈱
総合研究室 研究員 佐藤様
閉会挨拶 下邨 運営会議議長
45
トピックス
ホスピタルショウ委員会報告
本委員会では、国際モダンホスピタルショウ
への対応を中心に、JAHIS会員への出展案内と
出展取りまとめを実施しています。JAHIS活動
のPRを対外的に広く実施すると共に、JAHIS発
展に貢献するべく、新規入会のご案内を実施し
ています。
開会式の模様
(1)国際モダンホスピタルショウJAHIS展示
(平成23年度~平成28年度)
JAHIS展示ブースにおいて、各年度の開催
テーマに沿ったパネル展示を実施し、来場され
る方々に向けてJAHIS活動の認知度向上のため
の活動を行っています。
平成28年度は、展示場所が奥まった場所でし
たが、3面が壁の2小間スペースという利点を生
かし、展示台と展示壁を拡大し、来場する方々
の目を引くようにしました。
特に、標準化(JAHIS標準・技術文書一覧)タ
ペストリーは面積を拡大したことにより、来場
された先生方からも注目を集めることができま
した。
標準化タペストリーについては、展示会前日
(7月12日)にタイムリーな更新があり、それを
取り入れたことも効果的でした。
展示については、毎年工夫を加えています。
今年は、出展会員のノベルティを集めて、メッ
シュパネル展示を実施しました。JAHIS会員の
出展規模は過去最高を更新し、共同出展を含め
ると72社(74ブース)となったため、出展会員
のノベルティを展示し自由にお持ちいただくと
いう試みを実施しました。
メイン展示である会員紹介タペストリーにつ
いては、毎年バラの花のイベントを行っていま
す。選挙の当選者パネルのような展示ですが、
これは来場されたJAHIS会員自らにバラの花を
貼付けてもらうというイベントです。今年は、
展示位置を少し下げて、
貼付けやすくしました。
また、バラの花を早くから付けられるように、
開催2日前にJAHIS会員プレートの配布とバラ
の花の貼付けのお願いについて、JAHIS全会員
46
テープカット(最前列2人目 宮田委員長)
展示物
標準化タペストリーとメッシュパネル展示
JAHISブース
JAHIS展示ブース
会員紹介タペストリーの前での歓談
トピックス
にお知らせを行い、初日午前中に53社からの来
場をいただきました。
本年度は出展におけるJAHIS会員の占める割
合は過去最高になりました。
・医療情報システムゾーン(面積比)
スタンダードブース:39%
フリーブース:68%
JAHIS会員は開催時370社(2016年8月現在373
社)になっており、今回は約2割の会員様からの
出展がありました。
ご来場のお客様からは「標準化の進展に向け
て様々な活動をしている」
「想像していたよりも
会員数が多く、大きな組織だと再認識した」「標
準化に関する情報を色々と得られそうでありが
たい」など、JAHISへの期待の声をいただくこ
とができました。
当初用意していた配布物もほとんど全てを配
り切ることとなり、ご来場いただいた方々のご
理解の向上につながるのではないかと期待して
います。
今回のホスピタルショウを通じて、改めて
JAHISの活動について多くの方々に広く認知を
していただくようPRしていくことの重要性を再
確認できました。
JAHISでは引き続き、来年度以降も理解の向
上、JAHIS発展に役立つ出展を継続して実施し
ていきます。
JAHIS展示ブース
今年は3面が壁の2小間スペース
JAHIS会員の出展ブース
網掛けはJAHIS会員の展示ブース
表1:国際モダンホスピタルショウ
開催年度
会期・開催日
会場
テーマ・演題
展示面積
出展社数
入場者数(人)
(㎡)
(全体)
2011年
7月13日~15日 東京ビッグサイト いのちの輝きを
!未来を創る健康・医療・福祉
(平成23年)
3日間
東展示棟、会議室
〜さらなる連携を目ざして〜
303
77,130
6,800
2012年
7月16日~18日 東京ビッグサイト いのちの輝きを
!未来を創る健康・医療・福祉
(平成24年)
3日間
東展示棟、会議室
〜さらなる連携を目ざして〜
317
81,550
7,000
2013年
7月17日~19日 東京ビッグサイト
(平成25年)
3日間
東展示棟、会議室
健康・医療・福祉の明るい未来へ
~連携による安心社会の実現を目指して~
380
81,788
8,500
2014年
7月16日~18日 東京ビッグサイト
(平成26年)
3日間
東展示棟、会議室
健康・医療・福祉の明るい未来へ
~連携による安心社会の実現を目指して~
397
80,260
8,500
2015年
7月15日~17日 東京ビッグサイト
(平成27年)
3日間
東展示棟、会議室
健康・医療・福祉の新時代へ
~連携と地域包括ケアの充実を目指して~
356
82,149
8,500
2016年
7月13日~15日 東京ビッグサイト
(平成28年)
3日間
東展示棟、会議室
健康・医療・福祉の新時代へ
~連携と地域包括ケアの充実を目指して~
336
80,942
8,500
47
トピックス
(2)出展者プレゼンテーションセミナー
(平成26年度~平成28年度)
平成28年度セミナー風景
JAHISは毎年出展者プレゼンテーションセミ
ナーの1枠を利用し、一般受講者向けに医療業界
の最近の話題に関するセミナーを実施しています。
平成28年度は、昨年に引き続き「医療をめぐ
る動向ガイダンス2」と題して、医療を取り巻
く環境、国の方針に関する最新の話題などを紹
介するセミナーを実施しました。
内容は、医療業界、医療IT業界に様々な影響
を与える社会保障制度について、
「社会保障と税
の一体改革」
、
「世界最先端IT国家創造宣言」な
どの代表的な国の方針を交えての紹介でした。
さらに、厚生労働省が考えているICT化案
・医療連携や医学研究に利用可能な番号の導入
・医療関連データのデジタル化
・地域医療機関間のネットワーク化
・医療データの利用拡大のための基盤整備
や、平成28年度版「世界最先端IT国家創造
宣言」についても紹介し、
「改正個人情報保護法」
や「IoTセキュリティガイドライン Ver1.0」など
の最近の話題についても解説を加えました。
セミナー時間の関係で、駆け足の紹介になり
ましたが、
受講者各位には熱心に聴講いただき、
「医療業界を取り巻く環境について幅広い情報
を得られてありがたい」などの声をいただくこ
とができ、改めて医療業界の最近の話題への関
心が高いことを痛感いたしました。
JAHISでは来年度以降も同様のセミナーを継
続して実施していきます。
演目:医療IT業界をめぐる動向ガイダンス2
講師:戦略企画部運営幹事 真野 誠
平成28年度セミナー参加者
JAHIS会員には特別な案内は出さず、会員以外からの
参加を優先させています。
当日は、事前申込者の出席率が伸び悩んだ反面、当日
受付の参加者が多く入りました。
また参加者の内訳としては医療機関・医師会関係者の
方々が多かったのが印象的でした。
表2:出展者プレゼンテーションセミナー
開催年度
会期・
開催日
会場
テーマ・演題
展示面積
出展社数
聴講者数(人)
(㎡)
(全体)
2014年
東京ビックサイト
プレゼンテーションセミナー(JAHIS主催)
・演題
7月18日
(平成26年)
東展示棟、B-13 「ヘルスソフトウェアにおける業界自主ルール活動の解説」
397
69
8,500
2018年
東京ビックサイト
7月16日
(平成27年)
東展示棟、B-8
プレゼンテーションセミナー(JAHIS主催)
・演題
「医療IT業界をめぐる動向ガイダンス」
356
78
8,500
2016年
東京ビックサイト
7月14日
(平成28年)
東展示棟、B-9
プレゼンテーションセミナー(JAHIS主催)
・演題
「医療IT業界をめぐる動向ガイダンス2」
336
67
8,500
48
トピックス
(3)JAHISホスピタルショウ交流会
(平成26年度~平成28年度)
交流会風景
国際モダンホスピタルショウの会期に併せて
JAHIS会員の交流会を実施しています。平成26
年の開始以降、3回目で毎年100名以上の参加者
を迎え、ホスピタルショウの定例行事として定
着してきました。平成28年度は、東京ベイ有明
ワシントンホテル(アイリス)に、
・ホスピタルショウ2016出展企業:46名
・ホスピタルショウ2016非出展企業:27名
・来賓(一般社団法人日本病院会様)
:2名
・JAHIS運営担当者:31名
総計106名を集め開催しました。
昨年、一昨年は、懇親パーティの開催前に、
「プレセミナー」と題してJAHIS運営担当による
15分間のミニセミナーを実施しましたが、今年
は懇親パーティを充実するため、翌日実施する
出展社プレゼンテーションセミナーのご案内に
とどめて
「プレセミナー」
の開催は見送りました。
交流会参加者については「プレセミナー」未
実施でのご案内でしたが、大きな変化はなく、
盛況のうちに開催することができ、会員の方々
との懇親を深めることができました。
一方、
「プレセミナー」のようなイベントがな
かったためか、中だるみ感が出たことは否めま
せんでした。
今後もJAHISホスピタルショウ交流会を通し
て、国際モダンホスピタルショウへの出展促進
を行い、会員の方々との懇親を深め、JAHIS活
動を活性化させる活動を継続して実施したいと
考えていますが、交流会のプログラムの充実に
も取り組んでいきたいと思います。
大道先生、今泉先生と懇談する宮田委員長
来賓の祝辞や乾杯の挨拶
大道先生 今泉先生 下邨議長
国際モダンホスピタルショウ2016の主催者である一
般社団法人日本病院会様から、ホスピタルショウ委員
会委員長の大道久先生(日本大学 名誉教授)と、前副
会長の今泉暢登志先生(福岡赤十字病院 名誉院長)を
お招きし、ご挨拶を賜り、JAHIS運営会議議長の下邨
雅一の乾杯の挨拶により交流会が開始され、活発な交
流がなされました。
表3:JAHISホスピタルショウ交流会
開催年度
会期・
開催日
会場
テーマ・演題
会員社数
入場者数(人)
(全体)
来賓
2014年
東京ベイ有明 保健・医療・福祉情報システム分野最大の工業界です
7月16日
(平成26年)
ワシントンホテル 「ヘルスソフトウェアにおける業界樹種ルール活動の解説(ダイジェスト版」)
55
122
日本
経営協会
2018年
東京ベイ有明
7月15日
(平成27年)
ワシントンホテル
保健・医療・福祉情報システムの明日を築く
「ヘルスソフトウェアにおける業界動向のその後」
45
101
日本
病院会
2016年
東京ベイ有明
7月13日
(平成28年)
ワシントンホテル
保健・医療・福祉情報システムの新時代を拓く
43
106
日本
病院会
49
トピックス
HL7セミナー開催
JAHISが団体会員Aである日本HL7協会主催のHL7セミナーが開催されましたので、紹介いたしま
す。詳細な内容、および一部の発表資料は、次のURLにありますのでご覧ください。
日本HL7協会HP http://www.hl7.jp/
なお、JAHIS会員各社は日本HL7協会の事業法人会員と同等の権利を有しておりますので、日本HL7
協会主催のセミナーに会員価格(無料)で参加出来ます。
第55回HL7セミナー 於 沖縄コンベンションセンター 平成27年11月1日(日)13:30~15:30
テーマ:
「HL7の普及に向けて “e-Learning” のご紹介」
1.HL7入門、SS-MIXストレージ入門
日本HL7協会会長 浜松医科大学教授 木村 通男 先生
2.なぜ、HL7は日本の医療情報システムの標準基盤として定着しているか
日本HL7協会 情報教育委員会 委員長 川崎医療福祉大学教授
岡田 美保子 先生
3.HL7のe-Learningのコース紹介
日本HL7協会 情報教育委員会 委員長 株式会社メディック総研 高坂 定 先生
第56回HL7セミナー 於 JAHIS会議室 平成28年3月10日(木)14:30~16:30
テーマ:
「HL7関連施設間連携文書規格の概要」
1.SS-MIXストレージでの文書の扱い、その他
日本HL7協会会長 浜松医科大学教授 木村 通男 先生
2.各団体エキスパートと共同開発による各種ドキュメントの標準化
日本HL7協会運営会議議長 日本光電株式会社 平井 正明 先生
3. JAHIS及びSS-MIXの関連する医療情報標準の概要
日本HL7協会情報教育委員会委員長 株式会社メディック総研 高坂 定 先生
50
トピックス
第57回HL7セミナー 於 島根県立産業交流会館くにびきメッセ 平成28年6月2日(木)15:30~17:00
テーマ:
「HL7実装事例紹介」
1.HL7入門、SS-MIXストレージ
日本HL7協会会長 浜松医科大学教授 木村 通男 先生
2.生理検査部門システムにおけるHL7標準の実装状況
日本光電工業株式会社 吉村 尚郎 先生
3.病院情報システムにおけるHL7標準の実装状況
日本電気株式会社 檀原 一之 先生
第58回HL7セミナー 於 東京ベイ有明ワシントンホテル 平成28年7月15日(金)15:00~17:00
テーマ:
「HL7実装事例紹介 Ⅱ」
1.HL7入門、SS-MIXストレージ、診療報酬算定要件
日本HL7協会会長 浜松医科大学教授 木村 通男 先生
2.検体検査部門システムにおけるHL7標準の実装状況
株式会社エイアンドティー 千葉 信行 先生
3.病院情報システムにおけるHL7標準の実装状況
富士通株式会社 窪田 成重 先生
51
トピックス
GHSの活動状況と今後の展開に向けて
一般社団法人ヘルスソフトウェア推進協議会(GHS)
普及委員会副委員長
JAHIS運営幹事(事業推進部担当)
真野 誠
(GHS運営会議議長 土居 篤博様 作成の原稿を一部修正して掲載)
1. はじめに
JIRA、JEITA、JAHISの3団体が発起人とな
2. 活動状況
2-1. 設立の背景と活動経緯
り、2014年8月1日に一般社団法人ヘルスソフト
健康・医療等の領域でヘルスソフトウェアの
ウェア推進協議会(GHS)を設立し、患者や利
重要性が高まる中、患者やヘルスソフトウェア
用者の安全を目指し、ヘルスソフトウェア開発
の利用者に対する安全性担保が課題となってい
ガイドライン(法規制対象外のヘルスソフト
る。
ウェアに対する業界自主ガイドライン)を制定
2013年11月27日に公布された「医薬品医療機
するとともに、2015年1月にはGHSが定めた自主
器法」では、
「診断等に用いる単体プログラムを
基準・適合宣言制度等の運用を開始した。2016
医療機器の範囲に加え、製造販売等の対象とす
年8月時点でソフトウェア製品の適合宣言登録
る」ことが定められ、2014年11月25日から施行
が48件を数え、また普及・教育の事業として企
となった。一方、
「医薬品医療機器法」の規制対
画・開催したトレーニングセミナーには延べ200
象外で利用者の安全へのリスクの考慮が必要な
名以上に参加いただき、新たな団体会員、特別
ヘルスソフトウェアについても、産業界として
会員の入会もあり活動が広がり始めている。
優良なソフトウェアを提供することが重要と考
GHSが適合宣言制度の運用を開始して1年半
え、JIRA、JEITA、JAHISの3団体は利用者の安
が経過し、登録状況、セミナー参加者のアンケー
全に対し優良なヘルスソフトウェアの提供を目
ト結果等から、適合宣言の対象となる事業者の
的に設置された経済産業省による「医療用ソフ
GHSの活動に対する考え方、期待等が見えてき
トウェアに関する研究会」に参加し、課題や対
た。今後も事業者による適合宣言とGHSマーク
応の方向性について検討を進めてきた。この経
の更なる普及拡大のための事業活動を展開して
産省による研究会での検討結果は2014年3月に
いくとともに、利用者にも適合宣言制度および
「報告書」
、2014年7月に「ヘルスソフトウェアに
GHSマークが付与された製品についてご理解い
関する開発ガイドライン(手引き)」として公表
ただけるよう、
新たな活動を展開していくので、
され、業界による自主基準・自主ルールの指針
JAHIS会員の皆様にも、より一層のご支援、ご
が示された。
参加をお願いする。
この指針を受け、2014年8月1日に3団体が発起
人となってGHSを設立し、3団体およびそのメン
バーが中心になって協議会の運営体制を構築す
るとともに、ヘルスソフトウェア開発ガイドラ
52
トピックス
イン(法規制対象外のヘルスソフトウェアに対
する業界自主ガイドライン)や適合判定チェッ
2-2. G
HSの活動体制と団体会員、
特別会員の加入
(図3)
クリスト等のツール開発、GHS開発ガイドライ
JIRA、JEITA、JAHISの3団体が幹事会員とな
ンの普及・教育活動、GHS開発ガイドラインに
り、そのメンバーを中心とした「技術教育委員
適合した製品の登録制度およびGHSマークの付
会」
「管理委員会」
「普及委員会」および「運営
与といった活動を事業として立ち上げてきた
会議」によりGHSの活動を推進している。これ
に加えて、団体会員としてパーソナル・コネク
(図1)
。
GHSマークは適合宣言が登録された製品に付
テッド・ヘルス・アライアンス(PCHA)日本地
与されるもので、製品、カタログ等に表示して、
域委員会が2015年2月に、一般社団法人インター
適合宣言した製品であることを示し、利用者が
ホン工業会が2015年5月に入会し、委員会活動へ
購入や導入の選択をする際の判断材料となる
の参加を開始し、それぞれの視点からの新たな
アイディア出しおよび議論が行われ、今後の活
(図2)
。
動の広がりが期待されている。
また、特別会員として一般社団法人臨床医工
情報学コンソーシアム関西が2015年2月に入会
し、関西地区で開催するヘルスソフトウェアセ
ミナーにGHSが協賛して連携した活動を行って
いる。
図1.GHSの主な活動
図3 GHS組織体制
2-3. GHS適合宣言の登録状況と登録者の声
2016年8月時点で48件の製品が登録され、GHS
のホームページで適合宣言および対象製品が公
表されている。
適合宣言はレベルを1、2、3の3段階に設定し
図2.GHSマーク
ているが、4つの要求項目カテゴリ(リスクマネ
53
トピックス
ジメント、品質マネジメント、ヘルスソフトウェ
ソフトウェアについても業界の自主基準と自主
アの製品安全、ソフトウェアライフサイクルプ
ルールが設けられた。これらの運用等の動向が
ロセス)のうちリスクマネジメントについての
注目されている中で、人の健康・医療の向上に
み適合宣言するレベル1が約4割、これに加えて
貢献するためには利用者の安全安心を高めるこ
他の1項目または2項目の要求項目への適合を
とが重要であり、適切な規格・基準を満たした
宣言するレベル2が約6割を占めており、4項目す
製品を提供することが事業者の有るべき姿と考
べての適合を宣言するレベル3の登録について
え、産業界としてGHSの活動を推進していく。
は現時点ではまだ無い。既に適合宣言が登録・
併せて利用者に適切なヘルスソフトウェアを選
公開された製品の種別については、医用画像シ
択・利用していただくために、適合宣言制度の
ステム、電子カルテシステム、部門システムな
目的と価値を正しく理解いただき判断の基準と
どの医療機関で使われるものの登録が進む中
していただけることが重要と考える。
で、個人健康管理向けアプリケーションの登録
GHSの立ち上げおよび運用でご支援いただい
もあり、今後広い領域のヘルスソフトウェアの
ている経済産業省では「経済産業省の医療機器
登録が期待される。
産業政策」の資料の中で「単体ソフトウェア(プ
既に登録した事業者へのヒアリングでは、次
のような意見が聞かれた。
ログラム)に係わる規制の見直し:業界の運用」
として適合宣言の登録製品を示しながらGHSを
• 薬事法改正の動向情報を入手する中でGHS
紹介いただいている(図4)
。今後も経済産業省
開発ガイドラインへの適合宣言の取り組み
と定期的に意見交換をさせていただきながら、
を決めた
国の戦略、施策に呼応した活動を行っていくと
• G HS適合宣言への取り組みにはリーダシッ
プやトップの理解・了解があった
• G HSの制度への取り組みはマークの価値へ
ともに、現在活発な国際標準等の動向にも注視
し、GHSより関連情報の発信を行っていく予定
である。
の期待と医療機器開発への足固め
• ソ フトウェア利用者に認知されて選択の判
断基準となることに期待
これら登録者の声はGHSの今後の施策・活動
の重要な方向付けになるとともに、現在適合宣
言への取り組みを検討されている事業者の方々
にも大いに参考になると考え、今後の普及活動
の中で具体的な事例等を含めて紹介していく予
定である。
3. 今後の課題と取り組み
医療用ソフトウェアが医薬品医療機器法で規
制の対象になるとともに、規制対象外のヘルス
54
図4 経済産業省の資料におけるGHSの解説
トピックス
4. 最後に
・GHSについて(事業内容、組織情報、他)
GHSはJAHISを始め関連工業会がヘルスソフ
・リンク集(関連団体、関連情報、他)
トウェアにおける安全性向上に対する考え方、
実現の方向性を共有して設立し、工業会のメン
バーが委員会活動等の責を担って企画・運営を
行っている。今後とも関連工業会・団体および
その会員企業等の方々により一層のご理解とご
参加をいただきながら、利用者にもGHSを認知・
ご理解いただき、GHSの活動とヘルスソフト
ウェアの利用がスパイラルアップして拡大する
とともに、産業として発展して健康・医療に貢
献する姿の実現を目指していく(図5)
。
改めて関係各位のご支援・ご協力をお願いす
る。
図5 事業者の取り組みと利用者の認知による
スパイラルアップ
5. 参考
GHSがホームページでは以下のコンテンツを
提供しています。
TOPページ(http://good-hs.jp/index.html)か
らご参照ください。
・GHSを知りたい方/初心者の方
・ガイドライン/チェックリスト/様式集
・セミナー/イベント
・適合宣言
・ソフトウェア登録一覧
・よくある質問:FAQ
55
部会から
厚生労働省による医療情報連携ネットワークの
標準化推進に関する受託事業について
事業企画推進室 室長
吉村 仁
はじめに
平成25年6月14日に閣議決定された世界最先
するための規格等策定に関する請負業務」を受託
し、前年度に策定した規格等について、地域間連
端IT国家創造宣言において、医療情報連携ネッ
携を行うための拡張の検討を行い、
「技術仕様」
トワークについて、
「データやシステム仕様の標
および「実装ガイド」について、それぞれV2.0を
準化、運用ルールの検討やシステム関連コスト
策定しました。技術仕様については、HELICS指
の大幅な低廉化等による費用対効果の向上を図
針での改版を行った上で、今年の3月に、JAHIS
りつつ、2018 年度までに全国への普及・展開を
処方データ交換規約やSS-MIX2とともに、厚生労
図る」と宣言されており、主担当となる厚生労
働省標準規格として認められています。
働省では、標準化された医療情報連携ネット
本稿では、平成27年度に受託した「医療情報
ワークの普及のための様々な施策が実施されて
連携ネットワークの検証体制に関する検証請負
います。
事業」の成果について、紹介いたします。
対象製品として医療情報連携ネットワーク関
の施策に協力するために、
平成25年度より毎年、
医療情報連携ネットワークの検証体制に
関する検討請負事業
医療情報連携ネットワーク関連の公募事業を複
この事業では、前述の受託事業で策定した技
連システムを含む工業会であるJAHISでは、こ
数受託し成果を収めて参りました。
術仕様をはじめとする医療情報連携ネットワー
平成25年度には「医療機関間で医療情報を交
クの相互運用性を確保するための規格等に、実
換するための規格等策定に関する請負業務」を
際の医療情報連携ネットワーク関連システムが
受託し、医療情報連携ネットワークシステムを
準拠しているかどうかを検証する方法を策定
構築するための標準規格として「地域医療連携
し、継続的に検証を実施する体制をどのように
のための情報連携基盤技術仕様 V1.0」
(以下、
構築するかの検討を行いました。これは、医療
「技術仕様」とする)を日本IHE協会の規格とし
情報連携ネットワークを「全国への普及・展開
て策定し、HELICS指針に申請、採択されており
を図る」ためには、各地で独自に構築されてい
ます。また、この規格を実装するためのガイド
る医療情報連携ネットワークを相互に接続し、
として「JAHIS IHE-ITIを用いた医療情報連携
患者の医療情報を相互に利用できる相互運用性
基盤実装ガイド 本編 V1.0」
(以下、
「実装ガイド」
を確保することが必要であり、そのためには医
とする)を策定し、JAHIS技術文書として公開
療情報連携ネットワークにおいて標準規格に準
しています。
拠した実装がされていることが必要との考え方
平成26年度には「地域間で医療情報等を交換
56
によるものです。
部会から
本事業ではまず、厚生労働省標準規格として
方法の検討を行い、相互接続性についてはIHEが
認められている規格等を候補として、相互運用
進めているConformity Assessment制度で使用
性を確保するために準拠すべき標準規格の選定
しているCAツールを使う方法を採用しました。
を行いました。その結果、医療情報連携ネット
このツールは、IHE Technical Frameworkで規
ワークの相互接続性を確保するための規格とし
定されている全ての要件をチェックする対向試
て、IHE Technical Frameworkに準拠した「技
験ツールとして作られており、規格への準拠性
術仕様」とその実装のためのガイドである「実
を検証するには最適のものと考えられます。
装ガイド」を選定しました。IHE統合プロファイ
また、医療情報の相互運用性を確保するため
ルのXDS.b、XDS-I.b、XCA、XCA-I、PIX V3、
のHL7V2.5やCDA R2文書に関する規格等への
PDQ V3およびATNAで規定されているアクタ
準拠性の検証には、JAHISが開発したHL7辞書
に対し、実装されているトランザクションに関
ユ ー テ ィ リ テ ィ や、CDA R2に 関 す るXML
する準拠性の検証を行うことになります。
Schemaによる検証が可能であることを示し、こ
また、連携する医療情報の相互運用性を確保
するための規格として、
「SS-MIX2ストレージ仕
れらの検証方法をインターネット環境で実施す
る検証環境を構築することを提案しました。
様書および構築ガイドライン」とSS-MIX2で参
さらに、この検証環境を用いて、医療情報連
照されている「JAHISデータ交換規約類」およ
携ネットワークに関連するシステムや医療情報
び日本HL7協会やJAHISで策定したCDA R2に
連携ネットワークそのものの相互接続性、医療
準拠した診療文書規格類を選定しました。これ
情報連携ネットワークで連携する医療情報デー
らの規格等で規定されているHL7V2.5メッセー
タの相互運用性の検証を行う体制の要件を明確
ジおよびCDA-R2による診療文書のデータファ
にし、継続的に運営を行う方策を提案していま
イルの検証を行うことにしました。
す。準拠性検証体制に関する提案内容の概要を、
次に、これらの規格類への準拠性を検証する
図1に示します。
図1 本事業での提案内容の概要
57
部会から
そのほかに、地域間連携における課題を明確
化するための検討を行い、その一部の問題を解
決し地域間連携をスムーズに行うため、また相
互運用性の検証を継続的に支援していくための
機関として、
「地域間連携を支援する機能」を提
案しました。地域間連携における課題について
は、検討に時間を要する内容もあり、今回の検
討では解決策の提示までには至らないものもあ
りましたが、後述の今年度事業において検討を
深める予定です。
今年度の受託事業について
今年度は、厚生労働省情報化政策担当参事官
室による「医療情報連携ネットワークにおける
標準規格準拠性の検証機関の実現に向けた調査
研究業務」を受託することになり、検討を始め
ています。
この事業は、昨年度提案した医療情報連携
ネットワークの検証体制に基づき、試験的に検
証環境を構築し、実際に運用されている医療情
報連携ネットワークに対して検証を行うこと
で、提案内容の妥当性を確認し、検証体制の計
画をより現実的なレベルにブラッシュアップす
るものです。
この事業では、検証体制だけでなく、地域間
連携をより効率的に行うための方策の検討も行
う予定で、日本医師会で検討されている医療等
分野のクローズドネットワーク構想や、厚生労
働省で検討を進めている医療等IDの知見を取り
入れながら、成果を取りまとめる計画です。
58
部会から
JAHISホームページのリニューアル
JAHIS事務局長
鈴木 義規
1.はじめに
2015年度にJAHISホームページのリニューア
ルを行いましたので、紙面を借りて、その概要
をご報告致します。
されており、サーバ間の密接な連携ができない
ことが最大の課題でした。
JAHISホームページは、図1のように、①一
般向けホームページ、
②会員向けホームページ、
今回のホームページのリニューアルでは、
③各種システムより構成されています。一般向
ホームページのコンテンツのリニューアルのみ
けホームページには、JAHISの紹介、教育やセ
ではなく、ホームページ情報を提供するシステ
ミナーの案内、
入会案内等が掲載されています。
ムの改修や、ホームページリニューアルのプロ
一方、会員向けホームページにはJAHISの各部
セスの改革も行いました。特にホームページリ
会の活動状況や活動計画、法改正等に向けた政
ニューアルのプロセスの改革では、①ホーム
府等の最新動向が掲載されています。また、各
ページ改修検討WGを立ち上げ多面的な分析検
種システムは会員管理システム、会員向け通知
討を行うとともに、②アンケート調査やヒアリ
メールの発信/会議室予約/委員会の出席登録管
ング調査により様々な要望を掬い上げ、③最終
理等を行う事務局支援システム、会員企業の売
仕様案を各部門と検討する場を設けることによ
上高を集計する売上高集計システム、教育の受
り、JAHISホームページを使用する様々な人々
講申込を管理する教育事業システム等により構
にとって使い易いホームページになるように努
成されています。
めました。
本紙においては、ホームページ改修検討WGの
活動概要と、リニューアルによる改善点等につ
いて説明致します。
2.従来のホームページの課題
JAHISの従来のホームページは2009年に全面
リニューアルし、その後種々の改修を行ってき
ましたが、全面リニューアルから時間が経った
こともあり、抜本的な改修を行わないと、対応
できないような課題も出てきていました。特に
ホームページ情報や各種システムを提供する
サーバ類が2つのデータセンタに分離して配置
図1 JAHISホームページの構成
59
部会から
部門にまかされていたこともあり、ページ毎に
異なっていました。そのため、見たいコンテン
ツがなかなか探せない、ホームページが見難い
という問題もありました。
3.ホームページ改修検討WGの活動
ホームページに関する種々の課題を解決する
ため、総務会の下にホームページ改修検討WGを
設置し、ホームページの改修について検討しま
図2 JAHISホームページのシステム上の課題
した。WGメンバーの選定に当たっては、JAHIS
のホームページは種々の立場の人々が利用する
従来のホームページは、これら一般向け/会員
向けホームページや各種システムを段階的に構
築してきたこともあり、図2のように別々の
データセンタにおかれていました。一方、会員
情報等の重要な情報は、セキュリティ確保のた
め、インターネットから直接アクセスできない
内部ローカルネットワーク上のサーバにおかれ
ているため、一般向け/会員向けホームページと
各種システム間での密接な連携ができませんで
した。特に、今回のホームページリニューアル
の目玉の一つであるような会員管理システムの
データを使った個別ID/PWによるアクセス管理
等ができないといった課題がありました。
一方、経費的な問題もあり、図2のデータセ
ンタAでは1台のサーバでWEBサーバ、コンテ
ンツサーバ等を構成していました。このため、
悪意のある第三者等によりインターネットから
直接コンテンツにアクセスされ、会員向けホー
ムページに登録されている情報が漏洩するリス
クがありました。
従来のホームページでは長期間に渡り徐々に
ページを追加し、ホームページ全体の構成を見
直すこともなかったため、どうしても階層が深
くなっていました。また、ページ構成も担当各
60
ことがあるため、
各部門を担当する事務局部長、
会員管理や医事コンマスタ等を担当する事務職
員や総務会メンバーにも入ってもらい、ホーム
ページの課題や要望を多面的に検討し、色々な
立場の人に使い易いホームページになるように
努めました。
一方、WGのメンバーだけでは各部門の要望を
十 分 掬 い 上 げ る こ と は で き な い と も 思 い、
JAHISとしては初めての試みとして、ホーム
ページやITに関する要望や意見をアンケート調
査やヒアリング調査により収集しました。
各部門より提案されたホームページやITに関
する要望は、これまで調査が行われていなかっ
たこともあり、全部で81件と非常に多い件数に
なりました。ホームページならびにITに関する
要望の強さがうかがわれます。要望の内容は
ホームページの機能強化、セキュリティ強化、
見易さの改善、掲載内容、ブラウザの対応強化、
メール機能強化、多地点会議システムの導入等
多岐に渡りますが、大分類すると、表1のよう
になります。 4.ホームページの課題解決に向けて
ホームページ改修検討WGにて各部門から提
部会から
表1 JAHISホームページ及びITに関する主な要望
分類
内容
一般向け/会員向けホームページ及び各種システム
IT
機能強化
・データ保管機能の付加
・委員会/WGの資料等を保管する機能の追加
・検索機能の強化
・日付/件名/資料名等の付帯情報による検索
・ファイルとして登録されたデータの内容を含むキーワード検索
・会員届出の簡易化・迅速化
・会員届出を紙登録からWEB登録に変更
・資料登録の簡略化
・指定フォルダにデータを登録したらホームページ内容を自動更新
・ホームページの追記/改訂の容易化
・HP編集ソフトを使用しないで、直接ホームページの追記/改訂できる機能を強化
・スケジュール管理機能の付加
セキュリティ強化
・共通パスワードから個人ID/PW管理に変更し、きめ細かなセキュリティ管理を行うこ
とで、セキュリティを強化
・許可されたページのみが閲覧可能(登録した部会、委員会等の資料のみが閲覧可能)
・資料ダウンロード時に利用条件等を自動追記
見易さの改善
・ページ構成及びフォーマット等の統一
・クリック数の削減(プルダウン表示機能の活用等)
・トップページ画面にて、どのようなコンテンツがあるか分かり易く表示(ポップアッ
プ表示等)
掲載内容
・コンテンツの分類/整理
・体系的なホームページの構成
・一般向け情報と会員向け情報の切り分けとページの分離
・URL/ファイル名等のネーミングルールの統一
・頻繁に利用するページのトップページへのリンク
・入会案内、各種届出、教育等のトップページからのリンク
・情報発信の強化
・行政動向等のホームページでの掲載
ブラウザ対応強化
・IE10以降のブラウザへの対応
メール機能
・全員メールの半角文字対応(URL等送信)
・ホームページ上のメール送信機能を使用した場合、添付ファイルをホームページ上に
自動保管
管理
・WEBページ及びコンテンツの管理責任者/担当者を決め、ホームページの品質確保、
タイムリーなアップデートを実行
・アップデートのタイミングを統一(部会情報等)
多地点会議
・電話会議システム、WEBデータ共有システム等を使用した多地点会議
プロジェクタ
・会議室プロジェクタを高解像度/最新OSへ対応できるものに更新
61
部会から
案された要望の詳細内容を検討しました。その
者が、ID/PW情報を知らなくとも、機密情報を
結果、コストや開発期間の関係から、提案して
取得してしまうリスクがありました。
頂いた81件の要望の内、69件は今回のホーム
ページリニューアル(2015年度リニューアル)で
対応することにしました。残り12件の内、10件
は2015年度のホームページリニューアルの対象
範囲外である各種システムの改修やITの新規導
入等であることから2016年度以降で対応するこ
ととしました。一方、残り2件は改修費用が高
額となったり、コンテンツを維持するためのマ
ンパワーが常時必要となったりするため当面見
送ることにしました。
〇課題
・データセンタが2つに分かれており、一般向
け/会員向けホームページと各種システムと
の密な連携によるシームレスなホームペー
ジ運用ができなかった。
・コンテンツの一部がセキュリティレベルの低
い領域(DMZ層)に登録されており、情報漏
洩のリスクがあった。
これら課題を解決するため、2つのデータセ
ンタを1つのデータセンタに統合するととも
ホームページ改修検討WGではこれら検討結
に、重要情報を含む多くの情報をインターネッ
果に基づき、新しいホームページの仕様案を策
トからの直接のアクセスができないようなセ
定し、各部門のご意見を伺った後、2015年9月
キュリティレベルの高い “内部ローカルネット
の運営会議で仕様案が承認されました。ホーム
ワーク層” のDBに登録するようなシステム構成
ページ改修検討WGを4月に立ち上げてから最
にすることにしました。さらに、データセンタの
終仕様確定まで半年程掛かりましたが、各部門
“内部ローカルネットワーク層” と事務局の “内
の要望までヒアリングして、最終仕様までまと
部ネットワーク層” をインターネットVPN回線
め上げたこともあり、最終仕様は多くの人々が
で結び、セキュリティを確保した状況で、事務
満足できる内容になったと思っております。
局職員が “内部ローカルネットワーク層” にある
以下では今回のホームページリニューアルに
おける主な改修点を説明致します。
DBを容易に操作できるようなシステム構成を
採用しました。
また、従来からも行っていたことですが、監
4.1 データセンタの統合とセキュリティの強化
視層の監視サーバやデータセンタの作業員によ
従来のホームページではホームページを運用
る監視により、外部からの不正なアクセスが無
するデータセンタが2ヶ所に分かれており、一
いか、
アプリケーションに対する攻撃が無いか、
般向け/会員向けホームページと各種システム
ネットワーク内サーバにウィルス等が入り込み
との密な連携によるホームページ運用ができま
通常時以外のデータ転送が行われていないか、
せんでした。一方、一般向け/会員向けホーム
アプリケーションに異常が無いか等の監視も
ページを運用していたデータセンタは、費用の
行っております。一方、データセンタ内には会
問題もあり、DMZ層(Demilitarized Zone)設
員等に向けたメール受発信用メールサーバもあ
置された1台のサーバで運用していました。
りますが、このメールサーバに悪意のあるメー
DMZ層はFirewallの内部にはありますが、セ
ルが送付されていないか等をチェックし、ウィ
キュリティレベルが低いため、悪意のある第三
ルス添付メールやSPAMメール等を排除する
62
部会から
4.2 ユーザ別ID/PWの導入によるセキュリティの
強化
従来、会員向けホームページの一部の機密性
が高いページや各種システムはID/PWを設定し
ていましたが、ユーザ別のID/PWでなく、共通
のID/PWであったため、一旦ID/PWがどこかで
漏れてしまうと情報が漏洩してしまうというリ
スクがありました。また、ユーザ別ID/PWでな
図3 JAHISホームページのシステム構成
いため、ユーザ別のログが取れず、情報漏洩の
原因特定が困難でした。一方、ID/PWはシステ
ム別あるいはページ別であったため、会員は複
SPAMメール対策サーバも設置し、DMZ層を含
めたネットワーク内の清浄性を確保するような
システム構成になっています。
構築したJAHISホームページのシステム構成
を図3に示します。なお、図中でCMSサーバは
CMS (Content Managing System、コンテンツ
管理システム)を動かすためのサーバで、これ
によりホームページを作成したり、修正したり
するのが非常に楽になり、HTML言語やホーム
ページの構成を知らなくても、まるでWordや
PowerPointの文書を作成するような感覚で簡単
にホームページが作れるようになります。CMS
の利用によりホームページ改修等の運用コスト
削減にも役立っています。
〇解決策
・2つのデータセンタを1つのデータセンタに
統合した。
・重要情報を含む多くの情報をセキュリティレ
ベルの高い “内部ローカルネットワーク層”
のDBに登録するようなシステム構成にした。
・“内部ローカルネットワーク層” へのデータ登
録をJAHIS事務局員が直接しかも容易にで
きるようなネットワーク構成にした。
数のID/PWを覚える必要がありました。
〇課題
・多人数が同一のID/PWを使用しているため、
ID/PWが漏洩し易く、個別ユーザ毎のログが
無いため、情報漏洩の原因特定が困難であっ
た。
・システム別のID/PWのためユーザはシステム
別の複数のID/PWを覚える必要があった。
このような問題を解決するため、システム別
のID/PWを止めて、ユーザ別ID/PWを導入し、
セキュリティを強化しました。さらに、ユーザ
別ID/PWを利用することにより、ユーザがアク
セスを許可されたシステムやページのみにアク
セスできるようにするとともに、アクセスが許
可されていないページは非表示にすることにし
ました。このようなアクセス制御により、コン
テンツの内容はもちろんコンテンツ名まで伏せ
たアクセス管理ができるようになるとともに、
ユーザにとっては自分の関係するコンテンツの
みが表示されるといったメリットも生まれました。
一方、上記のようなアクセス制御を行うため
には、ユーザがどのような部会や委員会等に所
属し、工業会内でどのような役職についている
かを知らないとできません。そこで、アクセス
63
部会から
制御情報として会員登録情報を利用するような
上記のような課題を解決するために、①ホー
仕組みにしました。これは、2つあったデータ
ムページ構成の見直しによるホームページ階層
センタを1つに統合し、会員登録情報データ
の削減(3層化)
、
②最新WEB技術の導入による
ベースサーバとWEBサーバ等との情報のやり
クリック数の削減(2クリック化)
、③各ページ
とりを緊密にすることにより、初めて可能にな
の構成の統一を行いました。以下に各々の内容
りました。
を説明します。
〇解決策
・共通ID/PWを廃止し、ユーザ別ID/PWを導
入することにより、
セキュリティを強化した。
・ユーザ別ID/PWと会員管理情報とを統合して
利用することにより、見たいページやシステ
ムが簡単にアクセスできるようになった。ま
た、これにより複数のID/PWを覚える必要が
無くなった。
〇ホームページ構成の見直しによるホームペー
ジ階層の削減(3層化)
前回のホームページリニューアルから時間が
経ち、ホームページを継ぎ足し・継ぎ足しした
こともあり、従来のホームページは非常に階層
が深くなっていました。そこで今回のホーム
ページリニューアルに際して全面的な構成の見
直しを行いました。その結果、ほとんどのペー
4.3 情報の見つけ易さ
旧JAHISホームページに対するご意見とし
て、“情報が見つけ難い” というものが最も多く
ジで、①トップページ、②中間ページ(リンク
ページ)
、③最終ページの3階層にすることがで
きました。
ありました。この見つけ難さの原因にはいくつ
かの要素があります。すなわち、①JAHISホー
ムページの階層が深く、②ホームページの構造
〇最新WEB技術の導入によるクリック数の削減
(2クリック化)
が分かるような表示も無いので、どこにどのよ
上記のようなホームページ階層の見直しとと
うな情報があるのか俯瞰できず、また運良く見
もに最新のWEB技術をいくつか導入し、クリッ
つけられたとしても必要な情報を見つけるのに
ク数も削減することができました。
多くのクリック数が必要というものです。また、
まず、グローバルメニュー方式の採用です。
③ページ毎に構成が異なり、情報が探しにくい
グローバルメニュー(あるいはグローバルナビ
というものもありました。JAHISのホームペー
ゲーション)とは、ホームページのトップペー
ジは長い歴史があり、部門毎にホームページの
ジ等に設置された案内リンクで、WEBサイト内
構成を修正してきたことが遠因だと思われます。
の主要な構成内容が分かるようにするためのも
〇課題
・情報が見つけ難かった。
・ホームページの階層が深かった
(目的のペー
ジに行き着くまでのクリック数が多かった)
。
・ホームページの内容が俯瞰できるような仕
組みが無い。
・各ホームページの構成に共通性が無い。
64
のです。図4が新しいJAHISホームページの
トップ画面ですが、この内①がグローバルメ
ニューです。このグローバルメニューを見ると
JAHISのホームページがどのように構成されて
いるかが一目で分かります。
その次に採用したWEB技術がプルダウンメ
部会から
図4 JAHISホームページトップ画面
ニューです。図4の②の部分がそうで、グロー
図5 JAHISホームページTab画面
クするとその内容が表示されます。
バルメニューにカーソルを持って行くとその内
グローバルメニュー、プルダウンメニュー、
容が自動表示されます。図4の例ではJAHIS標
Tab画面等のWEB技術を採用することにより、
準と分類されたページにはa)
JAHIS標準とは、
ほとんどのページが2クリックでアクセスでき
b)制定済み標準、c)パブリックコメントよ
るようになり、またどのようなコンテンツが
り構成されているのが分かります。そしてプル
入っているかも俯瞰できるため、従来のホーム
ダウンメニューで表示されている項目をクリッ
ページに比べ、目的のページの探し易さは格段
クすると1クリックでそのページに飛ぶことが
に向上しました。
できます。
〇各ページの構成とフォーマットの統一
そしてもう一つはWEBの定番ですが、よく使
従来、部会情報等は部会毎にページ構成を自
用するページあるいは使用してもらいたいペー
由に任せていたので、ページ構成が部門毎に異
ジのリンクをトップページに張ることです。図
なっており、ホームページを初めて見る人には
4の③がこのトップページのリンクで、a)入
見難いホームページになっていました。そこで、
会案内、b)各種届出書式、c)教育事業、d)
ホームページの基本構成を決めるとともに、部
ID/PWページにこのリンクボタンを押すと1ク
門毎に異なるページは基本構成の後のTabに付
リックで飛ぶことができます。
けるようにしました。また、基本構成部分(お
さらにもう一つ採用したWEB技術がTab画面
知らせ、概要・組織)のフォーマットもJAHIS
です。ホームページ上のグローバルメニューで
ホームページ全体で統一し、ホームページを見
クリックする図5のようなTab画面が表示され
やすくするとともに統一感も出すようにしまし
ます。この例のページでは、“お知らせ”、“概要・
た。
組織”、“議長挨拶” の3つのページより構成され
ていることが一目で分かり、各々のTabをクリッ
65
部会から
〇解決策
・ホームページの構成見直しによるホームペー
ジ階層の削減(3階層化)
・グローバルメニュー、プルダウンメニュー、
Tab画面導入によるクリック数の削減(2ク
リック化)とコンテンツ内容の見える化。
・各部門ホームページの構成の統一による見易
さ改善。
4.4 委員会情報の共有化の仕組み導入
これまで委員会/WG等の資料や議事録等を共
有する仕組みが無く、
メールで資料を送ったり、
紙で配付したりといったような形で対応してき
図6 ファイル共有システム
ました。しかしこれらの方法では資料の送付や
受け取った資料の整理が手間であったり、保管
が面倒だったりといったような課題がありました。
〇課題
・委員会情報等の共有化の仕組みが無く、資料
の送受や管理が面倒であった。
上記のような課題を解決するため、委員会や
WG等の資料を電子的に保管するような仕組み
(ファイル共有システム)を構築しました。図6
がファイル共有システムのトップ画面です。
トップ画面の各組織をクリックするとその組織
化配下の委員会やWGの資料や議事録等のリス
トが表示されます。
なお、図6の例では全ての部門が表示されて
ティ上も安心なシステムになっております。
〇解決策
・ファイル共有システムの導入
4.5 最新情報の提供
これまではホームページコンテンツの明確な
担当者が無く、ややもすると古い情報がホーム
ページに記載されていたり、構成やフォーマッ
トの不統一が起こっていたりしました。
〇課題
・ホームページコンテンツの担当者が明確でな
いこともあり、古い情報がホームページに記
載されていることがあった。
いますが、実際のホームページでは、ホームペー
ホームページコンテンツを定期的に見直し、
ジを閲覧しているユーザのID/PWを用いて、所
ユーザに最新情報を提供するため、ホームペー
属している委員会/WG等のみが表示されるた
ジコンテンツの担当部門を明確にするととも
め、
資料や議事録を簡単に探すことができます。
に、各部門担当の事務局部長が定期的にコンテ
また、ID/PWによるアクセス制御を行っている
ンツの見直しを行うことにしました。表2に新
ため、委員会やWGのメンバーにしか資料は見え
ホームページのコンテンツ内容と担当部門の一
ず、ダウンロードもできませんので、セキュリ
覧表を示します。
66
部会から
表2 ホームページコンテンツの担当部門
〇解決策
・ホームページごとに担当部門を決め、部門担
当の事務局部長がコンテンツを定期的に見
直しすることにした。
5.おわりに
2015年4月にホームページ改修検討WGを設
立し、従来のホームページの問題点を洗い出す
とともにホームページに関する各部門の要望を
掬い上げ、最終仕様にまとめました。アンケー
ト調査やヒアリング調査により各部門の要望を
掬い上げたこともあり、最終仕様承認まで半年
を要しました。最終仕様承認が当初予定より大
幅に遅れたため、ホームページの立ち上げが遅
くなることを危惧しましたが、ホームページ改
修検討WGメンバーやベンダーの献身的な努力
もあり、予定通りに2016年3月に新ホームペー
ジ(医事コンピュータ部会関係を除く)を立ち
上げることができました。医事コンピュータ部
会関連のホームページは大きな法改正があった
皆様の色々な意見を頂くことにより当初思って
いた以上のホームページができたと考えており
ます。皆様のご協力やご支援にこの場を借りて
感謝の意を伝えさせて頂きます。
なお、今回は期間やコストの関係もあり、各
種システムやITの改修には手を付けておりませ
ん。今回の経験を生かすとともに、2015年度に
策定したITの中期リニューアル計画に基づき、
各種システムやITの改修を行っていこうと思っ
ています。
JAHISホームページトップ画面の画像は「情
報システムにより、患者様・医療スタッフ・医
療機関を支え、豊かで明るい光り輝く社会を実
現する」とのコンセプトの基にデザイナーに作
成 し て 頂 き ま し た。 ホ ー ム ペ ー ジ やITの リ
ニューアルにより、JAHISの活動に少しでも役
立ち、トップ画面に込めた願いが実現するよう
頑張っていきますので、引き続き皆様のご協力
宜しくお願い致します。
ため、立ち上げを少し遅くしましたが、こちら
も予定通り2016年6月にはホームページの立ち
上げが完了しました。仕様決定や新ホームペー
ジ立ち上げまでに苦労は絶えませんでしたが、
図7 ホームページトップ画面の画像
67
部会から
標準類普及へ向けての活動
− アンケート実施とパンフレット作成 −
標準化推進部会 普及推進委員会
はじめに
(医療情報の標準化、自社の標準化の取組み、
「現場最前線にいる営業マンが医療情報の標
IHE-J、SS-MIX、JAHIS標準類、標準マスタ、
準化に対する取組みを理解し、積極的に提案で
相互運用性実証事業、
HL7、
DICOM)の理解度、
きるよう普及活動を行う」ために、2010年に発
顧客からの問合せ、自らの話題についてスコア
足した普及推進委員会の活動は「ベンダー担当
(1:知らない、2:単語レベル、3:概要説明、4:目的
営業のヒアリング」
というアンケートであった。
内容説明)で回答してもらうことで見える化を
まずは、現場営業の理解度を認識することから
実施し、100名余りの営業に回答をいただいた。
と考えたからである。
5年以下の若手営業は、中堅以上の営業と比較
して点数が取れておらず、営業の理解度のアン
第一回アンケート実施
ケート結果での平均値は3以上のものはなかっ
標準化に対する現場の声としては、
「取組み団
た。最高でも医療標準、
自社標準、
HL7、
DICOM
体がわからない」
「様々な規格があり、よくわか
が2.5程度(中堅:3.2)
、最低が1.9の相互運用(中
らない」
「自分の扱うプロダクトのどの部分が対
堅:2.5)であった。相互運用の点数は中堅営業
応しているかわからない」が多数であると委員
以 上 で は 増 加 す る が、 最 下 位 の 次 点 で あ る
会は感じていた。
JAHIS標準類が5年以下の若手も中堅以上の営
そのため、第一回目のアンケートは、医療シ
業 も 同 点 数 の 2 点 で あ っ た こ と は、 当 時 は
ステム営業の経験年数と標準化に関する各項目
JAHIS標準類の普及推進が未熟だったとも考え
られる。また、顧客からの問合せの結果からも
JAHIS標準類、相互運用のスコアが相対的に低
く、市場ではまだ普及されていないと考えられ
た。
一回目のアンケートを踏まえて「これだけは
知っておきたい医療情報システムの標準化関連
用語Vol1」というパンフレットが作成された。
パンフレットはスコアが著しく低かった若手営
業マン向けに作成され、
「厚生労働省標準規格」
「HELICS」
「JAHIS標 準 」
「IHE-J」
「SS-MIX」
図-1:アンケート結果
「営業の理解度」
68
「MEDIS標準マスタ」について解説を載せること
にした。また、いつでも見ることができるよう
部会から
にパンフレットにミシン目を入れることによ
読んだ後の理解度(1:全く理解できなかった、2:
り、カード形式にして保管し、携帯できるよう
少ししか理解できなかった、3:なんとなく理解で
に工夫することとした。
きた、4:理解できた、5:かなり理解できた)につ
その結果、パンフレット配布後アンケートと
いてスコアで回答してもらった。
同様のヒアリングを実施したところJAHIS標準
パンフレットの裏表紙にある「標準化にむけ
類、SS-MIX、MEDISといった項目の理解度の若
ての活動」については、中堅営業以上の方々に
年層と中堅の点数差が縮んできた。若年層への
は理解を得ることができたが、5年以下の若手
普及が推進してきたと考えられる。
営業については「なんとなく理解」が大半であ
り、若手の理解しやすい内容への改善が必要で
第二回アンケート実施
あることがわかった。
ここまで、現場の営業担当者が医療情報の標
準化に対する取組みを理解し、積極的に提案で
きるよう標準化関連用語のパンフレットを作成
することで普及活動を行い、一定の成果はあっ
た。しかしながら、
「標準類についてはまだ不足」
「標準類の関連性が知りたい」
「解説だけでなく
課題なども提供してほしい」といった内容への
アドバイスや「フォントが小さい」
「箇条書きに
するなどシンプルにしてほしい」など改版への
ご意見などをいただいた。
こうした標準化普及のために必要な理解を高
め、深めるため、第一回のアンケートに寄せら
れた標準類を解説したパンフレットのVol2を発
行した。
Vol2では、
「HL7」
「ICD-10」
「DICOM」「医薬
品HOTコードマスタ」
「IHE統合プロファイル」
「JLAC10」についての解説を掲載し、カード形
式については継続することとした。
第二回目のアンケートは、医療システム営業
の経験年数と標準化に向けた活動に関する理解
度、パンフレットに記載された各標準類につい
て、パンフレットを読む前の認知度(1:全く知
らない、2:単語を聞いたことがある、3:なん
となく知っている、4:知っていた、5:詳細や
目的を語れるほど知っていた)
、パンフレットを
図-2:パンフレット
「標準化に向けた活動」
69
部会から
図-4:アンケート結果
「標準化関連用語解説による認知度の向上」
図-3:アンケート結果
「標準化に向けての活動の理解」
標準類の用語に関しては、経験年数が長いほ
ど認知度も高い。しかしながら若年層において
は、医薬品HOTコードマスタ、IHE統合プロファ
イル、JLAC10の平均は2以下(聞いたことがあ
アンケートの最後に
「パンフレットを読んで、
顧客へ説明するなどの活動を実施したか」とい
う問いをつけた。回答は「していない」
「してみ
ようと思う」
「行った」の三択とした。
「説明を
行った」
「説明をしてみよう」が全体の約60%を
占めており、標準化を推進しようという意識が
高まってきていたと考えられる。
るレベル)と低調であった。
しかしながら、パンフレットを読んだ後の理
解度については、認知度に比較してかなりのハ
イスコアで向上しており、各用語の理解レベル
も平準化している。
このパンフレットによる標準類の解説による
認知度の向上について、理解度のロースコア人
数が激減したということから認知度があがった
と考えられる。HL7、ICD10、DICOMはロース
図-5:アンケート結果
「標準化に関する営業活動の実施」
コアをほぼ撲滅できており、認知度が低かった
残りの3項目についても大きな成果を挙げるこ
とができている。
第三回アンケート実施。
第二回のアンケートでは、今後解説してほし
い用語の要望が少なく、むしろ実務をするにあ
たり、標準類の関連性を示すことが望まれてい
ることがわかった。そのため、Vol1、Vol2の改
版と、Vol3として「医療情報システムにおける
70
部会から
標準類オーバービューチャート」
をリリースした。
アンケートについては①業務の上で各単語を
主要な標準類(規格・規約・マスター等)を
聞いた事があるか②業務の上で各単語を頻繁に
「厚生労働省標準規格(HELICS医療情報標準化
使っているか③第一回、第二回のアンケートで
指針採択含む)
」と「JAHIS標準類」
「JAHIS技
確認した標準類の認知度をスコアで図ることと
術文書」
に分類し理解しやすいように色分けし、
した。
電子カルテシステム、診療支援システム群、地
域医療連携の各システムとの関係を図示した。
図-8:アンケート結果
「各単語を聞いた事がある人の割合」
図-6:パンフレット
「医療情報システムにおける標準類オーバー
業務の上で聞いた事がある割合が少なかった
単語(30%以下)は、すべてのJAHIS技術文書と
ビューチャート」
JAHIS標準規約/仕様である病理・臨床細胞デー
本パンフレットを配布後、会員各社の営業93
イドライン、監査証跡のメッセージ標準規約で
名にアンケートを実施した。若手の認知度をは
タ交換規約、リモートサービスセキュリティガ
あった。
かるとともに、実業務上で使用頻度をスコア化
し、
今後の標準化普及の指標とすることとした。
図-9:アンケート結果
図-7:アンケート用紙
「各単語を頻繁に使用する人の割合」
71
部会から
良いかを委員会一同、微力ながら全力で推進し
ていきたい。
以上
図-10:アンケート結果
「知っている人の中で各単語を頻繁に使用する
人の割合」
業務の上で頻繁に使う単語としては、全般的
に低調ではあるが、ICD10対応標準疾病マス
ター、診療情報提供書、DICOMについては60%
以上の方々が使用している。
使用頻度が少なかった単語(5%未満)は、病
理・臨床細胞データ交換規約、医療情報連携基
盤実装ガイド本編、医療情報連携基盤実装ガイ
ドレセコン編、および監査証跡のメッセージ標
準規約であり、図-8で示した結果とリンクする結
果となった。
しかしながら、聞いた事のある(知っている)
人で使用している人の割合を示す図-9では、医療
情報連携基盤実装ガイド本編(15%)
、医療情報
連携基盤実装ガイドレセコン編(20%)と監査証
跡のメッセージ標準規約(30%)であった。
まとめ
今回の第三回アンケートは、結果を単純集計
して傾向を探るところまでの分析報告となった
が、今後、営業経験年数や標準類の採択日から
の年数など様々な要素を加味した分析を実施し
たいと考える。
分析に伴い、今後、普及をどのようにしたら
72
部会から
JAHIS臨床検査データ交換規約
Ver.4.0C について
検査システム委員会
臨床検査システム専門委員会
検査システム委員会
臨床検査データ交換規約改定作業WG
臨床検査システム専門委員会
リーダ
専門委員長
千葉 信行
川田 剛
((株)エイアンドティー)
1.はじめに
臨床検査の分野では、臨床検査自動分析装置
(以下、分析装置)と情報システム間をはじめ、
(アイテック阪急阪神(株))
-臨床検査センター間をはじめ、様々な医療関
連施設との相互連携とインターフェースができ
ました。
いち早くインターフェース標準化の取り組みが
臨床検査そのものの標準化は1985年より日本
行われてきました。JAHISでは、オーダリング
臨床検査標準協議会JCCLS(Japan Committee
や電子カルテ、臨床検査センターをはじめとす
for Clinical Laboratory Standards)
が設立され、
る様々な医療関連施設間相互に適用できる臨床
検査方法や精度管理を中心に信頼される検査
検査データ交換規約の検討を進め、
「JAHIS臨床
データが流通することを目的として活動されて
検査データ交換規約」を作成し、
以降もHL7改訂
います。
への準拠や、定期的な改訂を行ってきました。
検査項目コードについては、日本臨床検査医
今 回 の 見 直 し で は、
「JAHISデ ー タ 交 換 規
学会(旧:日本臨床病理学会)が1962年より臨
約 共通編Ver.1.1」との整合を取るとともに、
床検査項目分類コードを発表し、1997年の第10
HL7、IHE Laboratory Technical Frameworkの
回改訂にてJLAC10として利用されています。ま
整合性の確認をし、全体にわたる表現・記述の
た、JLAC10をベースとしたMEDIS臨床検査マ
見直し、誤記の修正をしています。
スターがHELICS協議会にて採択され検査項目
コードの標準コードとして利用されています。
2.背景と目的
2012年から、
日本臨床検査医学会(検査項目コー
1970年代には分析装置は、外部接続インター
ド委員会)
、臨床検査項目標準マスター運用協議
フェースを搭載し、現在の臨床検査情報システ
会では、検査項目コードの標準の作成を目的と
ム(以下、
Laboratory Information System:LIS)
して「臨床検査項目分類コード(Ver.11)
」(以
に位置付けられるデータ処理装置による複数分
下、JLAC11)が検討され、2016年6月に発表さ
析装置のデータ管理ができるようになりまし
れ、2年後を目途に対象項目を拡大する予定と
た。これにより、検査データの検証、報告書作
なっています。
成、精度管理などが自動化され、臨床検査の質
また、検査結果コメントについては、コメン
と効率の向上、迅速化に貢献してきました。そ
トの値型はSTやTXが代表的ですがコメント
の後も、コンピュータ、ネットワーク技術の発
コードでの運用しか出来ない場合は二者間の協
展とともに、オンライン接続はなくてはならな
議の上で、値型CWEでコードでの運用やコメン
いものとなり、そのつながりは検査室内にとど
ト内容に制限のないフリーテキストでの利用も
まらず、病院情報システムはもちろん、病医院
可能です。一般財団法人 医療情報システム開発
73
部会から
センター(MEDIS-DC)制定の臨床検査結果コ
期的な改訂を行ってきました。
メントマスターは統一結果コメントを定めてい
ます。
制定
制定
改訂
改訂内容
1990年 第8回
コンピュータで使用する事を前
提とした改訂。
1994年 第9回
第8回改訂の問題点や新規項目な
どを追加し、結果識別コードを組
み込み。
1997年 第10回
英文を併記。HELICS協議会にて
(JLAC10) HS014「臨床検査マスター」とし
て採択。
2016年 第11回
政府の次世代医療 ICT 構想や
(JLAC11) MID-NET などにおけるデータ
統合と2次利用に活用可能な臨床
検査項目コードとする。
医療機関連携システムにおける
共通インターフェースとしての
利用を推奨。
表 日本臨床検査医学会
臨床検査項目分類コードの遍歴
一方、臨床検査データのシステム間でのやり
取りについては、1993年MEDIS-DC臨床検査
データ交換標準化協議会より暫定規約「臨床検
改訂
1993年 臨 床 検 査 デ ー
タ交換規約(暫
定版)
病院・医院ほか保健
医療関連施設(臨床
検査センターを含
む)間で発生する、
検査依託業務に関す
る情報要素をASTM
E-1238及びHL7と対
比し原案検討。
1999年 JAHIS 臨床検
査データ交換
規約<オンライ
ン版>Ver. 1.0
V2.3
病院情報システム
(HIS)と臨床検査シ
ステム(LIS)間のオ
ンライン通信機能を
強化。
2000年 JAHIS 臨床検 V2.3.1 HL7に準拠。
査データ交換
規約 Ver.2.0
2002年 JAHIS 臨床検
査データ交換
規約<オンライ
ン版>Ver.2.0
V2.4
2008年 JAHIS 臨 床 検
査データ交換
規約Ver.3.0
V2.5 「JAHIS 臨 床 検 査
データ交換規約
Ver.2.0」と「JAHIS
臨床検査データ交換
規約<オンライン版
>Ver.2.0」の一本化。
検体容器について記
述することが可能と
なった。
2010年 JAHIS 臨 床 検
査データ交換
規約Ver.3.1
V2.5
しながら、その暫定規約は当時の汎用機やオフ
コンで稼動している臨床検査システムですぐ対
しました。
このため、JAHIS臨床検査システム専門委員
会では、院内オーダエントリーや病医院-臨床
検査センター間をはじめ、様々な医療関連施設
間相互に適用でき、かつワールドワイドに通用
する臨床検査データ交換規約の検討を進め、
「JAHIS臨床検査データ交換規約」を作成し、定
74
MEDIS-DC臨床検査
データ交換標準化協
議会より暫定規約。
V2.3
ではその利用ガイドを作成してきました。しか
ム動向を踏まえた規約については以後の検討と
改訂内容
1998年 JAHIS 臨床検
査データ交換
規約 Ver.1.0
査データ交換規約(暫定版)
」が発表され、
JAHIS
応可能な規約とし、国際情勢や医療情報システ
HL7
HL7V2.4の臨床検査
自動化に関する通信
仕様の追加等の改訂
に準拠。
日本HL7協会の適合
性認定の実施に伴う
指摘事項や他JAHIS
標準のデータ交換規
約との整合性確保。
表 システム間データ連携関連規約の遍歴
2015年 に「JAHIS デ ー タ 交 換 規 約 共 通 編
Ver.1.1」が制定されたことに伴い、臨床検査部
門個別編として今回、
「JAHIS臨床検査データ交
換規約Ver.4.0C」として発行するに至り、以下の
部会から
点について変更しました。
のメンバーがJLAC-10の説明時に提示した依頼
電文のメッセージ例に対し、OBX-3 Observation
(1)J AHISデータ交換規約(共通編)Ver.1.1
との整合
(2)検査項目表記の表現の見直し
(3)全体にわたり、表現・記述の見直し、誤
Identifierに実際の依頼項目を割り当てるのでは
なく、OBR-4に設定すべきと指摘がありました
(アメリカ、ヨーロッパではOBR-4に設定してい
る)
。
記の修正。
(4)HL7、
IHE Laboratory Technical Framework
の整合性の確認
3.概要
1)JAHISデータ交換規約(共通編)Ver.1.1 と
の整合
共通的に記載されたメッセージ、セグメント
などは本規約から省き、臨床検査固有の記載の
みを残したことにより、他のデータ交換規約と
の差異が分かりやすくなりました。
例えば、情報照会(QBP/RSP)は、大方が共
通編への記載となりますが、下記については、
図 検査項目をOBX-3に記載
LISと分析装置、ラベル発行機とのメッセージに
ついては記載されています。
(1)QBP 検査依頼情報照会メッセージ イベン
ト(WOS)
(2)RSP 検査依頼情報応答メッセージ イベン
ト(WOS)
(3)QBP ラベル情報照会メッセージ イベント
(SLI)
(4)RSP ラベル情報応答メッセージ イベント
(SLI)
2)検査項目標記の表現の見直し
ワ ー ル ド ワ イ ド へ の 対 応 の た め、IHE
LaboratoryのTechnical Frameworkを参考にし
てきましたが、2013年10月のIHE Laboratory国
図 検査項目をOBR-4に記載
際会議(開催地:日本JAHIS)において、日本
75
部会から
所は関係者間で確認、調整されることが望まれ
ます(特に、海外で使用されることを前提とさ
れている、装置、システム等。または、海外で
開発・製造された製品と接続する装置、システ
ム等)
。
本規約では国内で通常使用する場合は従来の
記述方法を推奨しますが、国際的な相互運用性
を鑑みて、設定変更等によりどちらのオーダ方
法(OBX-3あるいはOBR-4)にも対応できること
が望ましいです。
4.課題、今後について
JAHIS臨床検査データ交換規約の定期的な見
直しとして、今回、Ver.4.0Cへの改定を行いまし
図 検査項目をOBR-4に記載 結果電文
たが、IHEとIICC(IVD Industry Connectivity
Consortium)によるLAW(Laboratory Analytical
経緯としては、HL7 V2.3の時に項目ごとの優
Workflow)プロファイルの制定や、データの二
先 度( 緊 急 ) を 表 現 す る た め、OBX-11
次利用・地域連携における検査結果の課題など
Observation Result Statusに ’ O’(依頼詳細記
を受けて、更なる検討とデータ交換規約の充実
述:結果なし)を指定することで、OBXセグメ
をはかる必要があると考えます。
ントをOMG、OMLメッセージにおける検査項目
1)コードと結果表記について
の定義として使用し、優先度はOBX-13 User
検査結果値の表現の施設ごとのゆらぎを
Defined Access Checksを利用してきました。こ
解 消 す べ く、 検 査 項 目 コ ー ド の 標 準 化
れらは、V2.3.1で追加記載され、V2.4でも正式採
(JLAC11の 整 備 と、JLAC11のHL7 コ ー
用されました。
HL7 V2.5で、TQ1、SPMセグメントが新設さ
れた以降も同様の使用方法を国内では適用され
てきました(V2.4の記載はそのまま)が、一方
でIHE LaboratoryのTechnical Frameworkで
は、OBX-13を別な目的に使用されていました。
(結果の秘匿フラグ)
ディングシステム名の取得)と、結果値表
現の標準化の推進(定性結果、
不等号付き、
単位などの複合表記)
。
2)IHE Technical Framework LAW プロファ
イル対応
IHEとIICCは、米国の臨床検査標準化団
体である、CLSI(Clinical And Laboratory
本規約V4.0C作成においては、国際的な使用方
Standards Institute)の規格としてLAWを
法を調査した結果、検査依頼項目はOBX-3では
制定しようとしています。これらの新しい
なく、OBR-4に記載されていることを確認して
プロファイルには、HL7 V2.5以上のバー
おり、実装に於いては、検査依頼項目の記載箇
ジョンの一部フィールドが採用されてお
76
部会から
り、V2.5との折り合いを明確にする。
3)部門発生オーダの取り扱い
POCTに代表される、HISからのオーダが
ない場合に検査部門から発生するオーダの
取り扱いに、明確なルールを定める。
4)CDAへの対応
IHE Technical Framework XD-LAB
(Sharing Laboratory Reports)プロファイ
ル の「JAHIS診療文書構造化記述規約共通
編 Ver.1.0」対応。
今後の検討課題を列挙してみました。会員の
皆様におかれましては、これらをはじめとした
課題解決に積極的な参加ご協力をお願いします。
77
部会から
地域医療連携ネットワークの動向と本委員会の活動
地域医療システム委員会
副委員長
安田典弘
(日本電気㈱)
1.はじめに
病床機能分化、医療資源の偏在といった医療
2.国の動向
(1)厚生労働省標準規格の策定
現場の課題を改善する一つの方法として、
「地域
平成28年3月28日付で、4年ぶりに厚生労働
医療連携ネットワーク」があげられています。
省標準規格が改正(追加)されました。追加さ
地域医療連携ネットワークは、平成12年ごろか
れた規格は以下となっています。
ら実証事業として導入が始まり、
平成21年の「地
・HS022 JAHIS 処方データ交換規約
域医療再生基金」をうけて、地域医療連携ネッ
・HS024 看護実践用語標準マスター
トワークが急速に普及し始め、平成26年には新
・HS025 地域医療連携における情報連携基盤
基金と呼ばれる「地域医療介護総合確保基金(新
たな財政支援制度)
」のさらなる後押しもあっ
て、現在では230余りの地域医療連携ネットワー
技術仕様
・HS026 SS-MIX2 ストレージ仕様書および
構築ガイドライン
クが構築・運営されています。そのような業界
この改定の中で、
「地域医療連携における情報
の背景にあたり、国の動向も活発になってきま
連携基盤技術仕様」
、
「SS-MIX2 ストレージ仕様
した。今回は、その動向を整理しながら、本委
書および構築ガイドライン」は地域医療連携
員会での活動について紹介していきます。
ネットワークに関連する規格になります。
「地域医療連携における情報連携基盤技術仕
様 」 は、IHE(Integrating the Healthcare
Enterprise)により定めた国際標準規格のテクニ
カルフレームワークにおいて、日本の地域連携
システムの情報基盤として必要なものを採用し
ています。採用されている統合プロファイルは、
「PIX/PDQ」
をはじめ
「XDS」
「XDS-I」
、
「XCA」
、
、
「XCA-I」などになっています。
「SS-MIX2ストレージ仕様書および構築ガイ
ドライン」は、地域連携システムにおける医療
情報の “レポジトリ” として利用されている「標
図 地域医療連携ネットワーク数の推移
出典元:日医総研ワーキングペーパー 「ITを利用した
全国地域医療連携の概況(2014年度版)
」
78
準化ストレージ/拡張ストレージ」の技術仕様お
よび構築のガイドラインとなっています。
部会から
(2)電子処方せんの運用ガイドラインの策定
トワークの普及に対して一つの課題となってい
平成28年3月31日付で「電子処方せんの運用
ました。その背景の元、厚生労働省標準をはじ
ガイドライン」が厚生労働省より策定されまし
めとした医療業界の標準規格を対象に、適切に
た。このガイドラインは処方せんの電磁的記録
システム実装がされているか検証を行う方法、
による作成、交付及び保存を可能とするととも
検証を遂行する組織体制及び継続した運用方法
に、電子処方せんの円滑な運用や地域医療連携
について検討することを目的とした「医療情報
の取り組みの考え方や要件が記載されていま
連携ネットワークの検証体制に関する検討請
す。このガイドラインでは、
「地域医療連携ネッ
負」事業が昨年度厚生労働省から調達され、
トワークにおいて電子処方せんを積極的に導入
JAIHSが受託しました。事業企画室を事務局と
できるよう、本ガイドラインにおいて要件等を
して、JAHIS内の各部各委員会より構成員を募
整理している」と記述されており、地域医療連
り、ワーキングを構成して検討を行いました。
携ネットワークの利用方法の一つとして位置づ
けられています。
検証対象とした標準規格の選定にあたって、
①医療情報連携ネットワーク間の相互接続性②
医療情報連携ネットワークを構成するシステム
間の相互接続性③医療情報連携ネットワークで
利用する医療情報の相互運用性を対象範囲とし
て定め、検証対象を厚生労働省標準規格にも制
定された「地域医療連携における情報連携基盤
技術仕様」に記載されている統合プロファイル
としました。本事業の検討結果の詳細について
は「事業企画推進室報告」をご参照いただけれ
図 電子処方せんの運用の流れ 概要
ばと存じます。
厚生労働省 電子処方せんの運用ガイドライン(ポイ
ント)から一部抜粋
(3)厚生労働省請負事業
地域医療連携ネットワークが厚生労働省標準
をはじめとした医療業界の標準規格に準じて構
築されていることが前提となっています。しか
し、標準規格の実装テストにおいて、個々のベ
ンダー、個々の事業体でテスティングを行って
いることから、
評価基準が異なる可能性があり、
その結果、異なるベンダー、事業体間で接続す
る際に相互接続、相互運用できないため、その
対応に多額の費用が掛かり、地域医療連携ネッ
図 検証対象の統合プロファイルとその関係
(4)総務省請負事業
地域医療連携ネットワークは医療機関、診療
79
部会から
所間での診療情報の共有が主ですが、在宅医療
ドに準じて実装し、総務省の実証事業や各地域
との連携、介護施設との連携といった「多職種
で稼働させた結果、未検討事項、課題などを
連携」に広がりを見せつつあります。在宅医療
フィードバックするように検討していくことを
と介護の情報連携については、
「平成24年/平成
主な活動としています。主にPIX/PDQ、XDS、
25年度厚生労働省調査事業」等で情報項目の提
XCAを中心に検討となりますが、レセプト情報
案がありますが、標準化には至っていませんで
などのアップローダについても実態踏まえて議
した。平成26年度に総務省から情報連携項目を
論することも想定しています。
医療業界の標準規格として策定することを一つ
(2)地域医療連携 診療文書標準化WG
の要件とした「在宅医療・介護分野における情
地域医療連携を行うにあたって、サマリとレ
報連携基盤に関する請負」が調達され、JAHIS
ポートを連携したいニーズが高く、これら文書
が受託しました。
を、地域連携システムのレポジトリとして広く
対象とするユースケースを①退院(在宅移行)
利用されているSS-MIX2においては、拡張スト
時、②介護サービス開始時、③日々の在宅ケア
レージに格納されることになります。その際、
時、④緊急入院時として、在宅医療介護連携に
これら文書類が標準規格を用いて利用できるよ
必要な項目を定める「在宅医療と介護間の情報
うにするため、HL7 CDAなどへ項目マッピング
連携におけるデータ項目仕様書」の技術文書を
を主に意識して議論することを目的に活動して
策定しました。この技術文書では、
コード仕様、
いきます。
データレイアウト等の詳細定義を行ってきまし
たが、データ連携の出力形式やトランザクショ
(3)地域医療連携 画像検討WG
地域医療連携IHE-ITI検討WGと同様に、医療
ンまでは検討がされていませんでした。今年度、
情報連携基盤実装ガイドのブラッシュアップを
厚生労働省から「老人保健健康増進等事業」を
していく中で、
特に画像情報連携(XDS-I,XCA-I)
受託しており、この技術文書をレベルアップし
について検討していきます。その際、レポート
ていくことを予定しています。
や放射線画像以外のMFER(Medical waveform
Format Encoding Rules)波形画像などの画像の
3.地域連携システム委員会の対応
扱いも議論していく予定です。
上述の国の動向を踏まえて、地域連携システ
ム委員会では細やかな検討が行えるよう、新た
に3つのWGを設立しました。
4.まとめ
平成28年度以降も国の施策の後押しもあり、
・地域医療連携 IHE-ITI検討WG
全国で地域医療連携ネットワークの構築が加速
・地域医療連携 診療文書標準化WG
すると思われます。特に地域医療連携ネット
・地域医療連携 画像検討WG
ワーク間を繋ぐ広域連携や、一つの地域医療連
各WGの活動内容は以下のようになっており
携ネットワーク内で介護、在宅、薬局などといっ
ます。
(1)地域医療連携 IHE-ITI検討WG
IHE-ITIを用いた医療情報連携基盤実装ガイ
80
た連携する施設の種類が増えると予想されま
す。さらに地域包括ケアシステムへの対応や個
⼈が⾃らの情報を管理して健康に活かせるPHR
部会から
の構築も進むと思われます。今後も国の施策の
共有・提言、標準化への対応などJAHISの役割
の重要性が増してきます。地域医療連携ネット
ワークを中心に検討を重ねている地域医療シス
テム委員会は、平成28年度もさらに活発に活動
して、医療業界を盛り上げていく次第です。
以上
81
表彰受賞者紹介
若手受賞者の受賞報告
戦略企画部
医事コンピュータ部会
ヘルスソフトウェア対応委員会
調剤システム委員会
黒野 満夫
大森 政明
(日本電気㈱)
ヘルスソフトウェア対応委員会で活動させて
頂いています黒野です。このたびは表彰を頂き、
(㈱EMシステムズ)
この度は、平成28年定時社員総会におきまし
て表彰を頂き、誠にありがとうございました。
誠にありがとうございます。今回の表彰は、ヘ
調剤システム委員会で6年に渡り調剤改正分
ルスソフトウェア対応委員会の関係者の方々の
科会のリーダをさせていただき、活動を振り
おかげです。この場をお借りして御礼申し上げ
返ってみますと、改善できる点がまだまだあっ
ます。
たのではないかと反省しております。
ヘルスソフト対応委員会は、医療用ソフト
調剤改正分科会では、改正のたびに疑義募集
ウェア対応WGとして発足し、2014年10月からは
を行い、取りまとめ、関係機関へ照会した結果
委員会に改組し、ヘルスソフトウェアに対応し
をタイムリーに展開し、各社が混乱することな
た活動をしてきています。旧薬事法が改正され、
くスムーズに改正対応を行えるよう努めて参り
医薬品・医療機器法として、2014年11月から施
ました。
行されていますが、プログラム単独でも医療機
個別改定項目公開後に行う最初の疑義募集で
器としての規制を受けることとなりましたの
は、毎回100件以上もの疑義があがりますが、通
で、プログラムが医療機器に該当しないと判断
知や事務連絡などにより、回答がある程度は判
されたプロダクト類の関連文書
(製品カタログ、
明します。
ホームページの広告等)の見直しの理解を深め
回答不明の疑義に関しては、関係機関へ照会
てもらうために、留意事項等の説明の場を設け
させてもらうのですが、調剤の場合、件数がか
たりしてきました。
なり多く、
それらを整理しまとめ上げる作業は、
また、JAHIS、JIRA、JEITAの3工業会で設
大変ですがやりがいのある作業でした。
立した一般社団法人ヘルスソフトウェア推進協
疑義の意図や本質を理解し、まとめ上げる作
議会(GHS)の活動と連携した形で、ヘルスソ
業は毎回苦労するところですが、私にとっては
フトウェアに対応した活動を進めています。
非常に良い勉強になり、長きに渡りこうした機
今後は、一段と医療機器との境界的なソフト
会を与えてくださったことに感謝しております。
ウェアが出てくることも想定され、各社の活動
微力ではありましたが、JAHISの一員として
に、ヘルスソフトウェア対応委員会が少しでも
皆様のお役に立てたのではないかと思っており
貢献できればと考えていますので、よろしくお
ます。
願い申し上げます。
機会があれば、また活動させていただき、皆
様へ貢献させていただければと思います。
82
表彰受賞者紹介
医事コンピュータ部会
医療システム部会
DPC委員会
電子カルテ委員会
濱谷 次郎
高山 和也
(㈱健康保険医療情報総合研究所)
(富士通㈱)
DPC委員会にてお世話になっております、株
このたび、JAHIS若手表彰を頂き、誠にあり
式会社健康保険医療情報総合研究所の濱谷で
がとうございます。電子カルテ委員に所属して
す。この度は平成27年度総会におきまして表彰
おります富士通株式会社の高山です。
して頂き誠にありがとうございました。ご推挙
JAHIS技術文書「医療情報システムの患者安
頂きましたDPC委員会の皆様およびJAHIS事務
全ガイド(輸血編)Ver1.0」の作成にあたって
局の方々には大変感謝しております。
は、HISベンダーだけでなく、輸血に関する部門
平成22年度よりDPC委員会の活動に参加させ
ベンダーの方々が、積極的に携わって頂いたこ
て頂き、DPC制度の安定的な運用を目指し、ベ
とで、本ガイドを制定出来たものと考えており
ンダー各社の皆様と厚生労働省と連携を取り、
ます。また、
「一般社団法人 日本輸血・細胞治
本事業を進めていくことは非常に良い経験をさ
療学会 安全委員会・病院情報システムタスク
せて頂いております。
フォース」
の先生方からレビュー頂いたことで、
本委員会では、調査様式や診療報酬改定にお
産学一体となった質の高い議論が行えました。
けるDPC制度について、皆様と深く議論をさせ
電子カルテ委員会および患者安全ガイド輸血編
て頂き、実施時期や仕様の取りまとめ等を官民
WGに参加頂いた委員の方々、ならびに日本輸
協力しながら検討実施していくことで有意義な
血・細胞治療学会の先生方等、各皆様の多大な
委員会活動となっていると感じています。
るご協力のもと、大きな成果を挙げることが出
本委員会の役割としては、調査様式の大幅な
変更や改定毎に行われる制度変更に基づく改修
来ましたこと、この場を借りて御礼申し上げま
す。
作業に関して、JAHIS事務局・ベンダー各社の
患者安全ガイドライン(個別編)については、
ご協力の下で、無事に改修変更が行えるように
2013年に注射編、2014年に内服外用編、そして
下支えさせて頂くことが非常に大きな責務であ
2015年に輸血編を制定しております。2016年に
ると実感しております。
は「患者安全ガイドライン 専門委員会」を発
DPC制度が円熟期を迎えた現在、JAHISの活
足させ、業務の広がりと、内容の質の向上の両
動を通じて、今後のDPC制度の在り方や将来に
面で活動をして参ります。これからも日本の医
向けての活用方法等を皆様と共に検討し、DPC
療の質の向上に貢献出来るよう活動して参りま
制度の更なる利便性の向上のためにJAHISの一
すので、ご支援ご協力の程よろしくお願い致し
員として微力ながらも貢献させて頂く所存で
ます。
す。今後ともご指導ご鞭撻の程何卒宜しくお願
い申し上げます。
83
表彰受賞者紹介
医療システム部会
医療システム部会
検査システム委員会
セキュリティ委員会
吉村 尚郎
山岡 弘明
この度は平成28年度表彰をいただき誠にあり
セキュリティ委員会シングルサインオンWG
(日本光電工業㈱)
がとうございました。
検査レポート検討WGでは「JAHIS診療文書構
造化記述規約共通編」と関連する個別編を策定
することができました。WGメンバーだけでなく
各方面の方々のご協力とご尽力もあってJAHIS
標準として制定することができました。厚く御
礼申し上げます。
システム間や施設間等で診療文書を交換して
医療サービスの質を高めるニーズや、疫学的研
究などの二次利用に医療データを用いるための
標準化の要求は医療現場から年々強まっていま
す。その標準形式としてISO/HL7 27932:2009で
あるHL7CDA R2の利用は、日本においても広ま
りつつあります。しかし、各実装者の解釈相違
から同様な診療文書が異なった仕様で実装され
てしまう可能性がありました。そのため可能な
限り共通であるべき情報はできるだけ共通仕様
としてまとめ、各診療文書で固有のものは独自
仕様として分けることで、できるだけ同じ考え
方で実装することができるよう、本診療文書構
造化記述規約を策定いたしました。
これからも、各種診療文書仕様が検討されて
いくことと思います。ぜひ本規約を参照してい
(富士通㈱)
リーダーを務めさせて頂いております、富士通
株式会社の山岡です。
この度は平成28年度総会におきまして、表彰
を頂き誠にありがとうございました。推薦頂き
ましたセキュリティ委員会の皆様、医療システ
ム部会の皆様に感謝申し上げます。
今回の表彰は、JAHIS標準「シングルサイン
オンにおけるセキュリティガイドラン」策定の
主査、及びセキュリティ委員会の教育事業にお
ける活動(カリキュラム作成・講師)を評価頂
いたものと受け止めております。これらの成果
はセキュリティ委員会シングルサインオンWG
の委員の皆様のご協力、ご支援の賜物であり、
この場を借りて御礼申し上げます。
医療情報システムはそれぞれに機微な個人情
報が格納されており、シングルサインオン導入
時も医療機関とベンダー双方がセキュリティ対
策を講じる必要があります。このガイドライン
を参考にすることで、ベンダー各社がシングル
サインオン技術による利便性が高く、かつ安全
なシステムを構築することの手助けとなるよ
う、微力ながら活動して参りました。
ただき、改善点があれば当WGにご指摘いただけ
今後も医療分野でのICT活用が進む中、セキュ
れば幸いです。そして、本規約に沿った実装が
リティ委員会の一員として、様々なシーンで求
行われ、医療現場で広く有効活用されればWGメ
められるシングルサインオンのために必要な技
ンバー一同としても本望です。
術基盤整理をして参りたいと思います。
今後とも規約の整備や普及について、会員企
業皆様のご支援ご協力の程よろしくお願い申し
上げます。
84
表彰受賞者紹介
保健福祉システム部会
事業推進部
福祉システム委員会
日薬展示委員会
田中 卓
(富士通㈱)
田代 哲也
(パナソニック ヘルスケア㈱)
福祉システム委員会介護保険事務処理WGに
このたびは、平成27年度JAHIS若手表彰を頂
てお世話になっております富士通株式会社の田
き、誠にありがとうございます。事業推進部・
中です。
日薬展示委員会では、毎年秋に開催地を変えな
この度は平成27年度総会で表彰をいただき、
がら開催される日本薬剤師会学術大会のOA機
誠にありがとうございました。今回の受賞は、
器展示の出展社取りまとめ~運営を行っていま
JAHIS技術文書「 保険者(市町村)-地域包括
す。当大会は今年の愛知大会(名古屋)で49回
支 援 セ ン タ ー 間 イ ン タ フ ェ ー ス 仕 様 書
目を迎える全国の薬剤師が集う業界最大規模の
Ver.2.0」の改訂作業、および平成27年度介護保
学術大会であり、近年では来場登録者数も1万
険制度改正に関して厚生労働省や国保中央会と
人規模になってきました。縁あって日薬展示委
様々な調整を行い、情報発信、質問取りまとめ
員会に参加させて頂いてからおよそ10年、日薬
等を行った点を評価いただいたと受け止めてい
展示委員長を永く務められた㈱ユニケソフト
ます。これも委員の皆様にご協力いただいたお
ウェアリサーチの亀田様のご指導ご支援を受け
かげです。この場を借りて御礼申し上げます。
ながら、2010年6月からは日薬展示委員長を拝
平成27年度制度改正は、制度創設以来最大規
命しております。会社の職務で販促全般を担当
模で大きな施行が3回あり、関係者が過去に比べ
していることから、イベントでは自社ブースの
多い点に苦労しました。そんな中、各所との意
運営責任者等も経験してまいりましたが、当大
見交換、調整を行うことで、JAHISの意見も多
会では開催地の主催薬剤師会様と1年近くをか
少なりとも反映できたと考えています。
けて調整しつつ、すべての出展社にご満足頂け
さて、私が所属しております介護保険事務処
るように運営することの責任の重さを改めて痛
理WGですが、保険者(市町村)ベンダー約80
感しています。来年の第50回東京大会、第51回
社、260名弱が参加されています。介護保険制度
石川大会(金沢)
、第52回山口大会(下関)と続
は3年に1度大きな見直しを行うことが、法律で
きますが、日本薬剤師会との関係強化を図るべ
定められており、定期的な情報収集・交換が欠
く、楽しみながら精一杯頑張りたいと思います
かせないことから多数の方に参加いただけてい
ので、ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し
ると考えております。
上げます。
次の平成30年度介護保険制度改正に向けて、
引き続き厚生労働省、国保中央会と情報交換、
提言活動を実施し、貢献できるよう意欲的に活
動していきたいと考えております。今後とも、
ご支援ご指導の程よろしくお願いいたします。
85
表彰受賞者紹介
幹部功労受賞者の感想・抱負
㈱NTTデータ
高橋 弘明
このたびは幹部功労表彰をいただき誠にあり
がとうございました。今回の受賞については、
会社を越えて支えていただいた方々、ご指導い
ただいた方々のおかげによるものであり、この
場をお借りして御礼申し上げます。
2010年に戦略企画部長を拝命しJAHIS活動に
参加させていただいたのがきっかけとなり、そ
の後、保健福祉システム部会の副部会長、総務
会の副会長、そして医事コンピュータ部会の副
会長と務めさせていただいております。当初に
比べ近年活動時間が短くなっており心苦しく
思っていますが、一方でJAHISのプレゼンスは
年々高まっておりうれしく思っています。
戦略企画部長で入った時は、法人化を間近に
控えたタイミングであり、試行錯誤で運営を進
めながら、そして一年のサイクルを回し切った
時期でありました。また、
新事務所への移転や、
東日本大震災や医学会総会対応など大きな動き
がいろいろありましたが、ど真ん中で関与させ
ていただたいこと大変有り難く思っています。
その後、コンプライアンス活動や受託事業拡大
など、皆様のご尽力により運営基盤が強化され
JAHISプレゼンス向上が高まったと思っています。
10年後は、きっと国内だけでなくグローバル
からも必要とされるJAHISになっていると思わ
れます。会員数も増え新しい人財が活躍してい
ると思います。微力ながらその一員として少し
でも貢献できるよう取り組んでいきたいと思い
ますので、引き続きご支援の程よろしくお願い
いたします。
86
運営状況報告
運営状況報告
会誌第58号(平成28年1月発行)から本誌発行までに開催された理事会・運営会議・総務会の
会議内容について審議事項を中心にご紹介いたします。JAHISの活動方針が決まる経緯をご理解いた
だくとともに、戦略企画部の運営幹事を始めとするメンバーが、さまざまなJAHIS活動の重責を担っ
ている様子を読み取っていただければ幸いです。
また、併せて現時点での会員数状況をご報告いたします。
■平成28年会員数状況(平成28年7月31日現在)
会員種別
A
B
C
D
E
F
計
*H28・4・1現在
7
3
9
23
125
200
367
3
4
7
−1
−1
203
373
入会
退会
種別変更
H28・7・31現在
7
3
9
23
128
*(注)前年度末退会と4月1日付け種別変更を反映し、4月1日付け入会は含まない
理事会
平成27年度第2回定例理事会、平成28年度第1回定例理事会・臨時理事会と第48回~第51回の書面
理事会が開催されました。その審議結果は次のとおりです。
平成27年度 第2回定例理事会
日時:平成28年2月29日(月)
午前9時00分から10時20分まで
場所:JAHIS事務所 第1、2、3会議室
出席:理事9名、監事2名
議案:第1号議案 中期計画2019策定の件承認
報告事項1 平成27年度 第1・2・3四
半期の活動報告
報告事項2 次期体制の状況報告
平成28年度 第1回定例理事会
日時:平成28年6月7日(火)
午前10時00分から10時30分まで
場所:経団連会館 元禄の間(405号室)
出席:理事8名、監事2名
議案:第1号議案 平成27年度事業報告承認の件
承認
第2号議案 平 成27年度収支決算報告及
び監査報告の件
承認
第 3号議案 平成28年度事業計画承認の
件
承認
第4号議案 平 成28年度収支予算計画承
認の件
承認
第5号議案 役員選任の件
承認
平成28年度 臨時理事会
日時:平成28年6月7日(火)
午前11時20分から11時30分まで
場所:経団連会館 元禄の間(405号室)
出席:理事9名、監事2名
議案:第1号議案 会長・副会長選定の件 承認
第48回書面理事会(平成27年11月16日付け)
議案:第1号議案 入会承認の件
承認
㈱アイソル
F会員
紹介 ㈱医療情報システム
第49回書面理事会(平成28年3月17日付け)
議案:第1号議案 入会承認の件
承認
AGS㈱
F会員
87
運営状況報告
紹介 ㈱RKKコンピュータサービス
㈱NTTドコモ
F会員
紹介 ㈱NTTデータ
第50回書面理事会(平成27年4月15日付け)
議案:第1号議案 第6期定時社員総会招集承認
の件
承認
日時 平成28年6月7日(火)
10:45〜11:45
場所 経団連会館4階
ダイアモンドルーム
議案 第 1号議案 平成27年度収支決
算報告及び監査報告の件
第 2号議案 平成28年度事業計
画承認の件
第 3号議案 平成28年度収支予
算承認の件
第4号議案 役員選任の件
報 告事項 平成27年度事業報
告の件
第2号議案 入会承認の件
承認
㈱パシフィックシステム
E会員
紹介 アイネット・システムズ㈱
㈱NTTデータ東海
F会員
紹介 ㈱NTTデータ
第51回書面理事会(平成27年7月1日付け)
議案:第1号議案 入会承認の件
承認
トレンドマイクロ㈱
E会員
紹介 富士通㈱
㈱イムコア
F会員
紹介 日本電気㈱
帝人ファーマ㈱
E会員
紹介 インフォコム㈱
以上
●運営状況報告(運営会議)
平成27年度 第8回運営会議議事録
③
「医薬品医療機器総合機構 医療情報デー
<日時>:平成27年11月17日(火)15:00~17:10
タベース基盤整備事業の課題協議対応依
<場所>:JAHIS第1~第3会議室
頼」については、本件への参加が承認され、
(1)
対外活動申請
医療システム部会において、会員企業より
①
「厚生労働省委託事業のオンライン資格確
HISベ ン ダ ー、
LISベ ン ダ ー、分 析 器 ベ ン
認に関する調査研究 実務者WGへのオブ
ダー等を募集し、メンバー決定することと
ザーバ参加依頼」については、検討状況の最
なった。
新情報取得を目的として、調剤システム委
④国立研究開発法人情報通信研究機構からの
員会の竹中委員、事業企画推進室の吉村室
委託で、
NTTデータ経営研究所が行う
「重要
長、福祉システム委員会の田中委員の3名参
インフラにおける暗号の利用状況に係るヒ
加が承認された。
アリング調査」にセキュリティ委員会の茗
②「平成27年度日本医師会医療情報システム
88
原委員長が協力することが承認された。
協議会講師派遣依頼」については、
2月13日
⑤
「日本輸血・細胞治療学会へのマスタ標準化
(土) 12:00~14:00、日本医師会館大講堂
活動の支援依頼」については、関連分野の状
において、
「 情報漏えい対策について」と題
況把握や意見提示する事を目的として、医
し、セキュリティ委員会の茗原委員長が講
療システム部会の菅原副部会長、高橋運営
演する件が承認された。
幹事、電子カルテ委員会の並川委員長、宮部
運営状況報告
リーダの4名の参加が承認された。
会議室の使用を許可する件が承認された。
⑥「関西学院大学生田先生からの講義依頼」に
ついては、関西学院大学人間福祉学部の講
平成27年度 第10回運営会議議事録
義「人間福祉情報論」において、
「福祉と介護
<日時>:平成28年1月19日
(火)
15:00~17:30
に関わる情報システムの現状」と題し、福祉
<場所>:JAHIS第1~第3会議室
システム委員会の金本委員長が講義する件
が承認された。
(1)
対外活動申請
「日本輸血・細胞治療学会総会
(京都)での講
演依頼」については、遠隔地への出張旅費の
平成27年度 第9回運営会議議事録
要否の議論があり、本件はJAHIS業務のた
<日時>:平成27年12月15日
(火)
15:00~18:10
め出張旅費についてはJAHIS負担とし、電
<場所>:JAHIS第1~第3会議室
子カルテ委員会の並川委員長、患者安全ガ
(1)
対外活動申請
①
「日本IHE協会主催セミナーへの講師依頼」
イド専門委員会の高山専門委員長が講演す
る件が承認された。
については、
2月6日
(土)
13:25~13:55、
(2)
「 専門職員の契約継続依頼」については、出
シスコシステムズ本社セミナー室におい
席者全員の同意をもって承認された。
て、JAHIS技術文書
「JAHISIHE-ITIを用い
(3)
「総務会事務局部長の契約延長依頼」につい
た医療情報連携基盤実装ガイド本編」の解
ては、出席者全員の同意をもって承認され
説と題し、事業企画推進室の吉村室長が講
た。
演する件が承認された。
②「健康・医療情報を活用した個人の行動変容
に向けた検討委員会へのオブザーバ参加依
頼」については、健康支援システム委員会の
鹿妻委員長が参加する件が追認された。
(2)
「GHS各種委員会の役職連動」については、
(4)
「平成27年度第2回定例理事会」の全体構成
(案)については、出席者全員の同意をもっ
て承認された。
(5)国際標準化委員会より、
5月連休中の国際会
議への出張のため、
「来年度予算の執行に関
する事前了解」についての審議依頼があり、
次回の運営会議において、人選の経緯報告
セキュリティ委員会の茗原委員長、国際標
を前提に承認された。
準化委員会の平井委員の海外出張
(ISO/
(3)
「 医事コンピュータ部会の運営幹事交替の
TC215 Plenary:5 月 2 日 ~ 6 日、
HL7
件」については、パナソニックヘルスケアの
WGM:5月8日~13日)
について、
予算計上
松村氏から西村氏への交代が承認された。
を確認し、
承認された。
(4)
「 標準化推進部会修正予算申請」について
は、普及推進委員会作成の標準化推進パン
(6)
「 派遣法改正対応」については、進め方につ
いては承認された。
フレットVol.3の改訂費用を部会予備費か
ら補填する件が承認された。
(5)
「 総務会副会長の交代」については、日立製
作所の中村氏から島田氏に交代する件が承
認された。
平成27年度 第11回運営会議議事録
<日時>:平成28年2月16日
(火)
15:00~17:10
<場所>:JAHIS第1~第3会議室
(1)
対外活動申請
(6)10月の運営会議でJAMIとの共催が承認さ
①
「オンライン資格確認に関する調査研究実
れた日本医療情報学会
「医療情報化基盤」連
務者WGの再申請」については、運営会議メ
続セミナーの第四回開催場所として、
JAHIS
ンバによるメール審議の結果、総構成員数
89
運営状況報告
40名、有効回答数38名、賛成38名で承認
画推進室、専任の経理担当者を設置し、内容
されたことが報告された。
をクロスチェックする事を条件に承認され
②
「地域医療福祉連携協議会 運営委員会等
へのオブザーバ参加」については、新任とな
た。
(4)
「 契約社員化にともなう規則・規程の改訂」
る地域医療システム委員会の森田委員長が
については、事務局規則
(JAHIS規則201
オブザーバ参加することが承認された。
号)
の改訂が、
承認された。
(2)
「 平成28年度 特別委員の委嘱」について
(5)
「 介護システム委員会・副委員長の選出」に
は、
( 継続)新里氏、長谷川氏、喜夛氏、中村
ついては、株式会社ワイズマンの塚田副委
氏、平田氏、及び
(新規)橋詰氏の計6名
(10
員長が社内異動で退任のため、後任として、
部会)
が承認された。
同社の佐藤氏が委員会で互選され、承認さ
(3)
「 平成27年度 第2回定例理事会向けの資
れた。
料」については、中期予算計画2019
(案)
、
理事会レイアウト
(案1)及び、配布用GHS
平成28年度 第1回運営会議議事録
リーフレットが定例理事会用の資料として
<日時>:平成28年4月19日
(火)
15:00~18:00
承認された。
<場所>:JAHIS第1~第3会議室
(4)
「国際標準化委員会の平成28年度予算の一
部執行承認」については、運営会議メンバー
(1)
対外活動申請
①
「第91回日本医療機器学会大会における教
によるメール審議の結果、総構成員数40
育 講 演 依 頼 」に つ い て は、
6月24日
(金)
名、有効回答数36名、賛成36名で承認され
11:00~11:55、大 阪 国 際 会 議 場 に お い
たことが報告された。
て、教育講演Ⅰ
「医療におけるサイバーセ
(5)
「派遣法改正対応」については、
2016年4月
キュリティの現状と課題」の中で、
「 医療情
1日付で現在JAHISと派遣契約している派
報システムにおけるセキュリティ対策」と
遣社員5名を契約社員に切り替えることが
題し、セキュリティ委員会の茗原委員長が
承認された。
講演する件が承認された。
②
「平成28年度厚労科研 歯科診療情報の標
平成27年度 第12回運営会議議事録
準化に関する実証事業への実行委員会派遣
<日時>:平成28年3月15日
(火)
15:00~17:00
依頼」については、医療システム部会の下邨
<場所>:JAHIS第1~第3会議室
部会長の委員派遣が承認された。
(1)
対外活動申請
「障害者総合支援審査事務勉強会構成員の
選出依頼」については、対外活動申請書の期
(2)
「 医療機器の取扱いに関する都道府県窓口
への連絡」については、会員への周知徹底に
ついて了承された。
間の項で終了日程を
「平成29年3月」から
(3)
「理事会・定時社員総会の件」については、事
「障害者総合支援法の改正法案が成立する
業報告書
(平成27年度)
、収支決算書
(平成
まで」
に変更し、
承認された。
27年度)
、事業計画書
(平成28年度)
、収支
(2)
「 日本HL7協会 マイナンバー関連業務
予算書
(平成28年度)及び第6期定時社員総
委託契約」については、
6月頃からの運用が
会・定例理事会等の運営に関する事項につ
承認された。
いて承認された。
(3)
「 厚生労働省老健局 老人保健健康増進等
(4)
「HEASNETより競争法コンプライアンス
事業への応募」については、事務局は事業企
規程策定協力依頼の件」
については、
JAHIS
90
運営状況報告
版の策定に際してはJIRA殿のご支援を頂
の戦略企画部会議での指摘事項に関する確
いたことを伝え、協力することで承認され
認結果が報告され、審議の結果、承認され
た。
た。
(5)
「診療情報管理協会国際連盟
(IFHIMA)国際
④
「中医協診療報酬調査専門組織・DPC評価分
大会への協賛金の件」については、協賛金を
科会派遣委員交代の件」
については、
DPC委
拠出することが承認された。
員会の竹井副委員長から舌間委員長への交
(6)
「 労災レセプトのオンライン化に向けた普
及推進事業」については、可能な範囲で協力
することで、
承認された。
(7)
「関西健康・医療創生会議よりの分科会参加
代が承認された。
(2)
「 医療機器の取扱いに関する東京都窓口へ
の相談」については、事前に相談用資料の体
裁を整えることを条件に、東京都窓口に対
依頼の件」については、アドバイザーは辞退
し事前相談に行くことが承認された。
し、準の説明等、具体的な事案で要望があれ
(3)
「 部会指名委員リスト
(役職連動表の再整
ば協力することで、
承認された。
(8)
「 表彰候補者の推薦と選考会」については、
理)
」については、役職連動表及び指名委員
リスト
(案)で運営部管理することが承認さ
若手表彰(7名)と幹部功労表彰
(1名)の推
れた。また、
「 OSIに係わる組織識別子の
薦があり、
承認された。
登録」の更新事務は従来の医療システム部
(9)
「次期歯科システム委員会・正副委員長の選
出」については、
E、
F会員の委員長1名、副委
員長2名の部会推薦があり、
承認された。
(10)
「 健康支援システム委員会委員長の選出」
については、部会よりF会員の委員長推薦が
あり、
承認された。
会担当から事務局長に移管することも承認
された。
(4)
「 平成27年度表彰候補者の追加」について
は、ヘルスソフトウェア対応委員会の黒野
委員長の追加が承認された。
(5)
「次期委員会・副委員長の選出」については、
介護システム委員会及びDPC委員会の次期
平成28年度 第2回運営会議議事録
副委員長としてD~F会員のメンバーが互
<日時>:平成28年5月24日
(火)
15:30~17:15
選され、
承認された。
<場所>:高輪和彊館3階会議室
(1)
対外活動申請
①
「看護実践用語標準マスター普及推進作業
班への派遣依頼」については、最新の様式で
再申請することを条件に承認された。
平成28年度 第3回運営会議議事録
<日時>:平成28年6月21日
(火)
15:00~17:10
<場所>:JAHIS第1~第3会議室
(1)
対外活動申請
②
「平成28年度厚労科研
『歯科診療情報の標
「臨床検査結果値を電子的に送受信する際
準化に関する実証事業』
実行委員会WG委員
の考慮事項の検討への参画」については、医
の派遣依頼」については、医事コンピュータ
療システム部会の下邨副部会長、木村相互
部会から佐藤歯科標準化分科会リーダ、医
運用性委員会委員長、川田臨床検査システ
療システム部会から下邨部会長、木村相互
ム専門委員会委員長、千葉リーダを派遣す
運用性委員会委員長の計3名の委員派遣が
る こ と が 承 認 さ れ た。な お、本 件 は 昨 年
承認された。
11/17の運営会議で承認の対外活動(依頼
③
「経済産業省実証事業にかかる交換規約検
討WGへの協力依頼」については、
5月10日
元:PMDA)の実質延長であり、依頼元が学
会系に変更になったものである。
91
運営状況報告
(2)
「 厚生労働省老健局
『老人保健健康増進事
①
「厚生労働省情参室事業への応募」
( 戦略企
業』
( 補助金)の受託」については、正式受託
画部事業企画推進室)
(結果)構成員総数42
(交付申請書提出)
することが承認された。
(3)
「 特別委員委嘱願」については、篠田英範氏
を国内標準化委員会の特別委員として委嘱
することが承認された。
(4)
「 メール審議結果」については、
6/15~16
に実施したメール審議の結果報告があった。
名中、出席者39名。出席者全員の賛成で承
認。
②
「対外活動申請 HELICS審査委員会委員派
遣」
(標準化推進部会)
(結果)構成員総数42
名中、出席者39名。出席者全員の賛成で承
認。
総務会
報告事項は割愛させていただき、主な審議事項の要旨を以下に紹介します。
平成27年度 第8回総務会
【日時】
平成27年11月13日
(金)
15:00〜17:10
2)会員コード採番規程について
前回の総務会から継続審議となっていた
【場所】
JAHIS 第5会議室
会員コード採番規程について、文言修正
【審議事項】
して提案された案を審議し原案どおり制
1)会員コード採番規則について
会 員コード採番とOID採番の2種につい
定する事とした。
3)総務会の中期計画2019について
て記載されているので、混乱を招く怖れ
前回の総務会で審議承認して提出した中
があるとの意見があり、文言を見直しし
期計画について、事務局の中期計画も統
て判りやすくするよう再検討する事とし
合するようにとの指針が出たため、双方
た。
を統合した中期計画案を審議して承認し
2)中期計画2019(案)について
総務会の項の記述について、完了目標時
期2019年6月を2019年3月末と修正して、
運営部へ提出する事とした。
た。
4)総務会の事業計画案について
総務会の来年度の事業計画案の提示があ
り検討した結果、一部に文言変更を加え
る事とした。
平成27年度 第9回総務会
【日時】
平成27年12月11日
(金)
15:00〜16:30
5)来年度の総務会予算について
前回の総務会で協議して提出した来年度
【場所】
JAHIS 第5会議室
の予算案について、運営部のヒアリング
【審議事項】
結果とそれを反映した修正予算案の説明
1)個人情報保護管理規程案について
がなされた。この案を平成28年度の総務
前回の総務会で説明して質疑応答を行っ
会の予算として、運営部へ提出する事と
た個人情報保護管理規程案について、事
した。
前に規程案を配布して検討を依頼してい
たが、長文で審議に時間がかかると見込
92
平成27年度 第10回総務会
まれる為、別途、ワーキンググループを
【日時】
平成28年1月8日(金)15:00〜16:30
立ち上げて精査する事とした。
【場所】
JAHIS 第5会議室
運営状況報告
【審議事項】
1)個人情報保護管理規程案について
3)表彰候補者ノミネートについて
平成27年度表彰候補者の推薦と選考会に
総務会のワーキンググループで精査して
ついて説明がなされた。総務会からは本
文言調整した規程案について、前回から
年度の表彰候補者をノミネートしない事
修正した条項を中心に説明がなされた。
とした。
総務会としてこの規程案をコンプライア
ンス委員会に提示する事を承認した。
2)J AHIS規程5014号(特別委員の委嘱に関
する規程)の改定について
当 規程の第1条に記載されている規則番
平成27年度 第12回総務会
【日時】
平成28年3月29日(火)15:00〜16:30
【場所】
JAHIS 第5会議室
【審議事項】
号および各規則の項番号が誤っている為
1)総務会の平成27年度事業報告について
に修正する改定を行う事とした。
1月の総務会で協議した平成27年度事業
の成果(見込み)の文言を調整して、総
平成27年度 第11回総務会
【日時】
平成28年2月19日
(金)
15:00〜16:30
【場所】
JAHIS 第5会議室
【審議事項】
1)規程制定について
コ ンプライアンス委員会で承認された
JAHIS規程5023号(
「取扱いに注意を要
務会の平成27年度事業報告とする事を承
認した。
1月時点では未確定であった数値情報に
ついては、確定値として以下を記載する
事とした。
年度末の会員数の合計378社。
今年度の規程類の新規制定4件、
改定6件。
する情報」に関する規程)案について審
議し、原案どおりに制定する事を承認し
平成28年度 第1回総務会
た。本日をもって施行・発効する事とし
【日時】
平成28年4月15日
(金)
15:00〜16:00
て、
次回の運営会議にて制定を報告する。
【場所】
JAHIS 第5会議室
2)派遣法改正に対応する規程類の制定およ
び改定について
【審議事項】
審議事項なし。協議事項・報告事項のみ。
労働者派遣法の改正に対応し、JAHISに
おける派遣社員の契約社員化を速やかに
平成28年度 第2回総務会
実施する為に以下の規則・規程類の審議
【日時】
平成28年5月13日
(金)
15:00〜16:30
を行い承認した。
【場所】
JAHIS 第5会議室
①J AHIS規則201号(事務局規則)の
改定
②J AHIS規程5006号(職員就業規程)
の改定
③J AHIS規程5008号(会員会社定年退
【審議事項】
1)J AHIS規程1001号「国内標準化委員会規
程」の改定について
標準化推進部会にて改訂原案を作成した
「国内標準化委員会規程」について精査
職者の専門職員雇用に関する規程)
した結果、内容・文言ともに妥当と認め
の改定
られた為、原案どおりの改定を承認する
④J AHIS規程5025号(有期契約労働者
事とした。
就業規程)の制定
93
運営状況報告
平成28年度 第3回総務会
【日時】
平成28年6月28日
(火)
15:30〜17:45
【場所】
JAHIS 第3会議室
【審議事項】
1)J AHIS規程5009号「国内旅費規程」の改
定について
文言の整合性が取れていない箇所を修正
する原案について精査し、一箇所に追加
で文言修正を加えたうえで承認する事と
した。
2)補助金事業の受託に伴う規定改定につい
て
①J AHIS規程5018号「受託、請負に関
する規程」
②J AHIS規程6010号「受託、請負に関
する細則」
事業企画推進室より提出された
「受託、
請負に関する規程」
「受託、請負に関
する細則」
の改定原案について精査し、
文言の追加修正・別紙の追加・施行日
の追記を行って承認する事とした。
平成28年度 第4回総務会
【日時】
平成28年7月26日
(火)
15:00〜16:30
【場所】
JAHIS 第2会議室
【審議事項】
審議事項なし。協議事項・報告事項のみ。
94
運営状況報告
委員派遣ならびに協賛・後援(2016年4月~2016年7月決定)
委員派遣
1.平成28年度厚労科研
「歯科診療情報の標準化に関する実証事業」実行委員会 委員
医療システム部会 部会長 下邨 雅一
2.厚生労働省保険局医療課
「中医協診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会」 委員
医事コンピュータ部会 DPC委員会 委員長 舌間 康幸
3.
一般財団法人医療情報システム開発センター
看護実践用語標準マスター普及推進作業班(継続:3年目)
医療システム部会 部門システム委員会 病棟業務支援システム専門委員会
専門委員長 藤咲 喜丈
4.平成28年度厚労科研
「歯科診療情報の標準化に関する実証事業」実行委員会 WG委員
医療システム部会 部会長 下邨 雅一
医療システム部会 相互運用性委員会 委員長 木村 雅彦
医事コンピュータ部会 歯科システム委員会 歯科標準化分科会 リーダ 佐藤 孝昭
5.経済産業省実証事業
「企業保険者等が有する個人の健康・医療情報を活用した行動変容促進事業交換規約検討のためのワー
キンググループ」
保健福祉システム部会 健康支援システム委員会 委員長 鹿妻 洋之 保健福祉システム部会 地域医療システム委員会 委員 岡田 順二、 委員 三好 康司
6.HELICS協議会
「HS027:処方・注射オーダー標準用法規格審査委員」
標準化推進部会 国内標準化委員会 委員 坂上 純一
7.
一般社団法人日本医療情報学会「第36回医療情報学連合大会」
・プログラム委員:医療システム部会 運営幹事 岸本 芳典
・実行委員: 事業推進部 運営幹事 真野 誠
8.
一般社団法人日本医療情報学会
課題研究会「医療ICTと在宅連携のための標準看護マスタのモデル研究会」 委員
医療システム部会 部門システム委員会 病棟業務支援システム専門委員会
専門委員長 藤咲 喜丈、 委員 谷村 秀規、 委員 木戸 須美子
95
運営状況報告
協賛・後援
1. 診療情報管理協会国際連盟(IFHIMA)国際大会 協賛
2. 一般社団法人日本医療福祉設備協会 「第45回日本医療福祉設備学会」 後援
3. 社団法人日本生体医工学会 ME技術教育委員会 「第38回第2種ME技術実力検定試験」 協賛
4. 一般社団法人日本医療福祉設備協会、および、一般社団法人日本能率協会
「HOSPEX Japan 2016(第45回日本医療福祉設備学会併設展示会)」 協賛
96
全員メール
会員連絡窓口宛てメールと全員宛てメール(2015年11月~2016年7月末)
通知
番号
宛先
50
全員 MEDIS主催 HPKIセミナーのご案内
49
窓口 【お知らせ】NISC重要インフラニュースレター第170号
7月25日
47
窓口 日本病院薬剤師会様より注意喚起情報のご連絡
7月20日
46
全員 HELICS指針に関するパブリックコメント募集について
7月20日
44
全員 【ご連絡】国際モダンホスピタルショウ2016
7月11日
43
窓口 【お知らせ】NISC重要インフラニュースレター第169号
7月7日
42
窓口 【お知らせ】NISCからの情報提供(注意喚起)について
6月29日
41
窓口 【お知らせ】NISC重要インフラニュースレター第168号
6月29日
39
窓口 日本病院薬剤師会様より注意喚起情報のご連絡
6月29日
37
全員 第63回IHE勉強会「地域医療連携を実現するための基本技術と実例」
6月17日
33
全員 JAHISホスピタルショウ交流会(懇親パーティ)開催(ご案内)
31
全員 『戦略企画部 業務報告会・特別講演会の日程ご連絡』
5月25日
32
全員 HIMSS AsiaPac16 JAHIS割引きのご案内
5月23日
30
全員
IHEチュートリアル「医療情報標準化の課題 -地域連携システムに
おける考慮点-」
5月19日
28
窓口 リスクマネジメント・
トレーニング講座- GHS LEVEL-1 スキル習得講座 -
5月12日
27
全員 第57回HL7セミナーのご案内
5月10日
26
全員 JAHIS標準・技術文書解説セミナーのご案内
25
窓口 経産省より『熊本地震』関連の文書を受領(その2)
4月27日
24
窓口 経産省より『熊本地震』関連の文書を受領(その1)
4月27日
23
窓口 経済産業省ヘルスケア産業課よりのご案内
4月22日
22
全員
21
全員 「JAHIS処方データ交換規約」が厚生労働省標準規格に認定
4月6日
20
全員 2016年度JAHIS教育コース開催のご案内
4月1日
19
全員 JAHIS 新ホームページへ移行
3月28日
17
全員 ログインID・パスワードの連絡につきまして
3月22日
18
全員
16
全員 公開シンポジウム「医療知識基盤としての臨床医学オントロジー」のご案内
13
窓口 厚労科研アンケートの協力依頼の件
タイトル
「電子処方せんの運用ガイドラインの策定について」の厚生労働省事
務連絡
厚生労働科学研究「内服薬処方せんの記載方法標準化の普及状況に
関する研究」
送信日
2016年7月27日
6月1日
5月9日
4月6日
3月18日
3月9日
2月15日
97
全員メール
通知
番号
宛先
12
全員 第56回HL7セミナーのご案内
タイトル
送信日
2月12日
8
全員 2016年度JAHIS教育コース開催のご案内
2月1日
3
窓口 「次年度の会費ご請求について」
2月1日
7
窓口 エキスパート・トレーニング講座- GHS LEVEL-2,3 スキル習得講座 -
1月28日
6
窓口 リスクマネジメント・
トレーニング講座- GHS LEVEL-1 スキル習得講座 -
1月28日
5
全員 ホームページリニューアルのご案内とメールアドレス確認の依頼
1月25日
1
窓口 【経済産業省】IoT推進ラボ関連の支援策のご案内
1月6日
95
窓口 【様式訂正】標準マスター等の利用状況に係る調査協力依頼の件
94
窓口
91
全員 JAHIS電子版お薬手帳データフォーマット仕様書Ver.2.0」公開について
12月2日
90
全員 『第6回 保険診療と審査を考えるフォーラム』開催連絡
12月2日
89
窓口 平成27年度上期保健医療福祉情報システム売上高調査入力依頼
12月2日
87
全員 新規セミナーアイデア募集
11月26日
84
窓口 「下請取引の適正化について」
11月18日
98
厚生労働省補助事業 「保健医療福祉分野の公開鍵基盤HPKIセミナー」
のご案内(福岡県開催)
2015年12月24日
12月8日
会員紹介
会員紹介
会誌第58号(平成28年1月発行)での会員紹介以降に、本年6月末日までに6社の新しい会員をお迎え
しました。入会された会社の業務概要やJAHISへの参加目的、活動する上でJAHISに望むことなどについて
自己紹介をしていただきます。このコーナーへ寄稿をいただいた会員の原稿を入会順に掲載しています。
紹介項目
①会社名
②郵便番号、所在地、電話番号
③ホームページURL
④会員連絡窓口の所属、役職、氏名
⑤会社紹介
株式会社キャロッツシステム
〒171-0051 東京都豊島区長崎1-28-23 MUSE西池袋8階
TEL:03-3958-2488
URL:http://www.carrots-system.co.jp/
介護ソフト事業部 後藤 香絵
弊社は主として在宅系の介護事業所向けに介護業務支援用ソフトウェアをご提供させて頂いております。
主力商品である「ケアキャロッツシリーズ」は、介護現場における介護事務業務を少しでも低減してい
ただきたいとの思いから、介護事業所と提携のもと「現場の声を大切にしながら、低価格で高品質な商品
を提供する」をモットーに作成しており、全国の介護事業者の皆様にご利用頂いております。
これからも介護事業所のお役に立てるソフトウェアを通じて、社会に貢献できる企業であるために努力
して参りたいと思っております。
貴会並びに会員の皆様方には、今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
株式会社アイソル
〒540-0025 大阪府大阪市中央区徳井町1丁目4-7 杉本ビル5F
TEL:06-6946-6871
FAX:06-6946-6872
URL:http://www.ai-sol.jp
ソリューション営業部 市川真美
弊社は2001年9月に設立し、医事会計システム/電子カルテシステムの販売を開始いたしました。そ
の後、一体型電子カルテシステムの販売に注力し、診療所全体のITに関する提案を幅広く提案・導入す
べく取り組んでおります。
現在では地域包括ケア時代を見据え、在宅医療向けクラウド型電子カルテ及び電子カルテを核にした在
宅医療地域連携クラウドサービスなどの多職種連携システム等の開発・販売を積極的に行っております。
貴会ならびに会員の皆様方には、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
AGS株式会社
〒330-0075 埼玉県さいたま市浦和区針ヶ谷4-2-11 さくら浦和ビル
TEL:048-825-6057
99
会員紹介
URL:http://www.ags.co.jp/
公共事業本部 公共システム第一部 グループマネージャ 高山 弘規
当社は、金融・公共・法人の各領域でコンサルティングからシステム構築、保守・運用まで幅広い分野
でお客様の経営課題にお応えするサービスを提供しています。
銀行系業務や公共分野のシステム構築・運用業務では、現場で培った豊富な経験とノウハウを有してお
り、特に運用業務では本格的なデータセンターを構えており、ソフトウェア開発とシステム運用が一体と
なった柔軟でスピーディーなサービス(ワンストップサービス)を数多くのお客様に提供しています。
貴会への入会によって、保健・医療・福祉分野における迅速な情報収集とそれを活かした正確なシステ
ム構築をおこなうことを目指しています。
貴会ならびに会員の皆様方には、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
株式会社NTTドコモ
〒100-6150 東京都千代田区永田町2丁目11番1号 山王パークタワー
TEL:03-5156-1111(代表)
URL:https://www.nttdocomo.co.jp/
ライフサポートビジネス推進部 ヘルスケア事業推進・メディカルビジネス担当 主査 板倉 正明
弊社は、主に無線通信サービスを提供する通信事業者です。会員の皆様には、
「携帯電話会社」のイメー
ジを持たれている方も少なくないかと思いますが、医療分野に関する取り組みも行っております。
貴会でまとめられている「電子版お薬手帳データフォーマット仕様書」に関わりの深い、電子お薬手帳
サービスも、その取り組みの一つです。
いつも手元にあるスマートフォンをお薬手帳として活用することで、患者のお薬手帳の持参忘れが解消
され、薬剤師は、患者の服薬状況をより正確に把握することできます。例えばこれにより、薬剤師は、他
の薬局で処方された服薬中のお薬との飲み合わせに問題がないかの確認ができますので、結果的に患者の
治療効果の向上が期待されます。
貴会への加入を契機に、会員の皆様方からは、医療情報分野の標準化についてご指導いただき、電子お
薬手帳をはじめとし、患者、医療従事者の皆様のお役に立てるようなサービスの実現、普及に向け、取り
組んでまいりたいと考えております。
貴会ならびに会員の皆様方には、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。
株式会社パシフィックシステム
〒788-0003 高知県宿毛市幸町5番12号 TEL:0880-63-0730 URL:http://www.pasys.co.jp/index.html
営業部 部長 渡辺 英嗣
弊社は、中小規模病院向け電子カルテを中心に診療所まで利用できる医療情報システムを開発・販売し
ており、ICTで地域医療を支える礎となれる様に医療現場のニーズとシーズを的確に把握しシステム開発を
行っています。
本社は、高知県宿毛市に所在し自然豊かな場所にありますが、これまで製品販売や導入・運用を通じて
医療機関の利用しやすい製品機能およびサービス提供、価格を目指し全国へ販売して参りました。
100
会員紹介
今後は、医療・介護を取り巻く社会環境や情勢において変化に適応できる製品戦略やサービス提供など
ICT技術を活用した取り組みにより弊社の成長が社会貢献となれるように邁進したく考えております。
この度、JAHISに加入させていただき業界の情報収集ならびに交流により医療・介護の発展の一躍を担え
貢献できるとともに自他ともに認められるように活動していきたいと思います。
貴会ならびに会員の皆様方には、今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
株式会社NTTデータ東海
〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦2-17-21 NTTDATA伏見ビル
TEL:050-5556-2874
URL:http://www.nttdata-tokai.co.jp/
第一事業部 第一ソリューション担当 部長 益川 康雄
弊社は、1990年にNTTデータ通信(当時)の100%出資により、東海地域におけるシステム開発子会社
『東海テクシス株式会社』としてスタートしました(その後、2003年に同じく当地域のNTTデータ販売系
子会社であった『東海NTTデータ通信システムズ』、『NTTデータ・東海支社』との合併・統合により、
『株式会社NTTデータ東海』を設立)。現在は、当地域におけるNTTデータグループの事業拠点として、
公共分野をはじめ様々な情報システムの開発・構築、運用を手掛けております。公共分野においては、地
方公共団体の基幹業務システム(住基・税、国保・介護・福祉等)や国保連、医療機関のシステム開発・
運用等を長年にわたり行ってきております。
今後、貴会会員としての活動や交流を通じ、保健・医療・福祉に関する制度や施策、技術の最新動向等
に触れることで、お客様のシステム・運用改善等に寄与するとともに、弊社提供システム・ソリューショ
ンに関する技術向上、品質確保等も図り、保健医療福祉情報システム(医療等分野でのICT)の発展、並び
にICT利活用による「健康で安心して暮らせる社会」の実現に貢献していきたいと考えております。
貴会並びに会員の皆様方には、今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
101
事務局新人紹介
自己紹介
医療システム部長
兼 総務部専任部長
中村 斉
本年1月よりJAHISにお世話になっています
日立製作所の中村です。6月までは会長会社とし
ことはせずに諦めずに頑張って欲しいと思いま
す。
て運営部を担当し、現在は医療システム部会の
私は最高難度の問題を解くのを楽しみにして
事務局部長兼総務会の専任部長等を担当してい
います。必ず序盤から中盤にかけて1回以上の熟
ます。もともとは中央研究所に入社し、材料研
考を迫られ、2-3日考えることもよくあり、問題
究と研究企画で約20年間過ごした後、バイオの
によっては1週間程度悩まされることもありま
新事業、本社での医療関連の取りまとめを行っ
す。ただ、考えているうちに、ふと閃く瞬間が
てきましたが、医療情報に関してはまったくの
あり、その山を越えると一気に解答に近づく、
素人です。医療情報の専門家集団の中で、専門
その達成感に嵌っています。一方、順番に数字
はプロの方にお任せして、自分にできることを
を当てはめることで解ける初級問題について
縁の下の力持ちとして着実に実施していきたい
は、いかに短時間で解けるかを試しています。
と思っています。ご指導のほどよろしくお願い
数字を確認しながら解くのではなく、数字をパ
致します。
ターン化(直線系:1・4・7、曲線系:3・6・8・
話は変わり、
「趣味は?」と聞かれると、今は
9、複合系:2・5;以上は私の勝手な命名・分類
…。昔はいろいろとやっていましたが、仕事最
です)し、ブロック内にない数字が上下、左右
優先でいつのまにか何もなくなってしまいまし
にあるかをパターンで瞬時に判断し、順次数字
た。ただ50歳を過ぎたころから体力と知力の低
を埋めていきます。これにより、通常初級問題
下を抑制するための活動(?)を始め、それが
でも数分かかる回答が、1分以内に回答できる場
今の趣味かもしれません。今回はその知力編に
合もあります。動くものを瞬時に捉える動体視
ついてご紹介します(本邦、初公開!)
。
力とは異なりますが、瞬時に目線を移動させ判
「ナンバープレイス(通称:ナンプレ)
」をご
存知の方は多いと思います。3×3のブロックか
断する逆動体視力(あるのかな?)を鍛えてい
るつもりです。
らなる9×9のパズルが基本形で、普及は90年代
少しは「ナンプレ」に興味を持って頂けたで
半ばからと比較的歴史の新しいものです。最近
しょうか?今では世界選手権も行われる「ナン
では電車内等で50-60代の男性や20-30代の女性
プレ」
。たかが「ナンプレ」
、
されど「ナンプレ」、
が取り組んでいるのをよく見かけます。ただ残
非常に奥の深いものです。さあ、あなたも今日
念なのは、多くの方が消しゴム片手に数字を当
から「ナンプレ」の世界に飛び込んでみません
てはめていることです。
「ナンプレ」は知的ゲー
か。理系の方なら、きっと嵌ること請け合いで
ムです。必ず解はあります。数字を当てはめる
す。
102
編集後記
編集後記
執筆者の皆様にはお忙しい中、ご投稿いただき誠にありがとうござい
ました。お陰様で会誌59号も最後の仕上げに入っています。会誌のWeb
掲載化を検討する中、本号は記憶に残る一冊になるかもしれません。
今年の台風は少し変わっています。今年前半全く発生しなかった台風
が後半は数を増し、しかも日本を目指して迷走しています。11年ぶりに
関東を直撃したかと思えば、北海道にも立て続けに上陸しました。編集
後記を書いている本日、台風崩れの雨雲が関東に近づいて来ています。
オリンピックイヤーの今年、リオデジャネイロでは日本人選手が大活
躍しました。獲得したメダル数は史上最多を更新し、数々の感動の場面
を心に刻みました。さらに、今日からはパラリンピックが開催されてお
り、また新たな感動を味わうことになることでしょう。4年後は東京オ
リンピックです。私のような年配者には、52年前の感動をもう一度とい
う気持ちもありますが、JAHISとしては、東京オリンピック開催に向け
た新たな一歩を踏み出しましょう。JRは新たな駅舎造りを加速させまし
た。JAHISにも何か貢献できることがあるのではないでしょうか。
JAHISの工業会活動が、会員の皆様の益々のご発展とご活躍により、
社会に貢献し続けていくことを祈念して編集後記とします。
C, O 記
103
一般社団法人
保健医療福祉情報システム工業会 会誌 第59号
平成28年10月17日 発行
発 行 人:浅野 正治 編集委員会:編集人 大滝 明
委員 岩本 和則
委員 岸 和彦
委員 木下 善貴
委員 鈴木 義規
委員 千葉 修
委員 中村 斉
委員 平井 健二
委員 吉野 裕夫
発 行:一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会
〒105-0004 東京都港区新橋二丁目5番5号
新橋2丁目MTビル5階
電話 03-3506-8010
FAX 03-3506-8070
URL http://www.jahis.jp
制 作:株式会社イズ・アソシエイツ
2016.10 59号