オリンパス STYLUS1 - So-net

テストレポート
オリンパス STYLUS1
2014.3.16. アップデート
STYLUS1概要
有効画素数
1,200万画素
イメージセンサー
1/1.7型 CMOS
レンズ
6.0mm∼64.3mm(35mm判換算28mm∼300mm)F2.8
本体サイズ(H×W×D)
87×116.2×56.5mm
本体重量
約402g
その他
EVF(電子ビューファインダー)つき
類似機種
ニコンCoo;Pix P7800 パナソニック DMC-LF1
製品情報
http://olympus-imaging.jp/product/compact/1/index.html
Copyright C 2013 2014 橋詰伸一
解像度 ISO100 f5.6
長時間ノイズリダクション: オフ、高感度ノイズリダクション 標準 以下共通
f=6mm (35mm版28mm相当)
c0.5
c0.5
f=19.6mm (35mm版92mm相当)
c4
b5.5
c3
c2.5
f=54.1mm (35mm版240mm相当)
c2.5
c3
c2.5
b5.5
c1.5
解像度
TV本
c1.5
b5
b6
c1
c2
c3
c4
c5
c6
1,678
1,882
2,112
2,370
2,666
2,983
3,347
3,755
c3
c2.5
c3
同心円方向に解像しない
53cm
122nn
38cm
チャート全体
94nn
全体が画面いっぱい写
るように距離を調整
焦点距離別の絞りの効果
6,000
5,000
4,000
6mm
3,000
19.6mm
51.4mm
2,000
左図の縦軸は解像度チャートを写した
画像のファイルサイズ(KB)で、3つの
焦点距離ともに、絞り開放f2.8から最
高、f5.6まで同レベルを維持。f8では
下がる。(絞り開放で使え、絞り過ぎな
いように)
1,000
0
f2.8
f4
f5.6
f8
歪曲収差、シェーディング、倍率色収差
f=6mm (35mm版28mm相当)
f=64mm (35mm版300mm相当)
歪曲、シェーディング(周辺光量落ち)は十分に補正されている。倍率色収差は無視できる。
2
ISO感度の上限は?
1秒でのノイズ (ノイズがなければすべて0になるはず)
3,968×2,976 全11,808,768バイト
ISO100
ISO200
ISO400
ISO800
ISO1600
ISO3200
ISO6400
ISO12800
平均値
1.000
1.064
2.138
3.622
4.980
5.951
11.629
15.004
標準偏差
0.032
0.399
0.892
0.602
1.145
1.595
2.507
3.323
最大値 0の率(%) 0,1の率(%)
5
0.0
99.9
69
4.2
89.9
20
2.3
27.7
36
0.0
0.1
54
0.0
0.0
74
0.0
0.0
125
0.0
0.0
190
0.0
0.0
中央 部の面積にして1% (レベル調整)
ISO100
ISO1600
ISO200
ISO400
ISO800
ISO3200
ISO6400
ISO12800
全20段階グレースケールチャートによる階調再現性
ISO100
ISO200
ISO800
ISO400
ISO800
ISO1600
ISO3200
3
ISO感度 対 解像度
f=19.6mm (35mm版92mm相当) F5.6
ISO100
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
ISO200
ISO400
ISO800
ISO1600
ISO3200
ISO6400
解像度
ランク
TV本
a1
a2
a3
a4
a5
a6
b1
b2
b3
b4
b5
b6
c1
c2
c3
c4
c5
c6
530
595
668
749
840
943
1,058
1,188
1,333
1,496
1,678
1,882
2,112
2,370
2,666
2,983
3,347
3,755
ISO12800
近接撮影での後ろボケ
f2.8 1/2 ISO200 21.2mm
ボケはさておき、レンズのコーティングや内部反射
防止など、しっかりした設計と作り込みが感じられ
る。
4
ISO感度と実際の写り
較べる部分
全体と、較べる部分
ISO100
ISO200
ISO400
ISO800
ISO1600
ISO3200
5
ISO感度とダイナミックレンジ
明るい
暗い
真っ黒
真っ白
写せる範囲
現実の明るさ
実際の明暗に対してデジカメが写せる範囲 ダイナミックレンジ
12V
LED 全13個
電流を決める抵抗
13個の青LEDを組み込んだボード
ISO
シャッタースピード
100
1/50
回路 (抵抗変えて電流を1/2ずつに順次減らす)
200
1/100
400
1/200
800
1/400
1600
1/800
3200
1/1600
6400
1/3200
F5.6でシャッタースピードを変えて露光量を一定にする
イメージセンサーは④のみCCD、他はCMOS
写せた LED
の数
13
STYLUS1
12
11
10
9
100
200
400
800
1600
3200
6400
ISO感度
ISO感度 対 写せたLEDの数 (代表例)
ISO3200での10番目以降
多くのフルサイズ、APS-C、4/3型は図の赤線。
STYLUS1はISO800までは13番目まで写るのでダイナミックレ
ンジは広いといえる。ただし、左のようにISO3200ではノイズま
みれなので、写りを重視した最高ISO感度は前項のノイズ、解
像度、階調再現性で決まる。
6
モニターと
モニターとEVF
EVFの明るさ
EVFの明るさ
明るい
日向
15
モニター
明るさ
日陰
EVF
STYLUS1
晴天屋外
10
STYLUS1
(
EV)
晴天屋外あり
5
明るさ不足
暗くできる例
多数派
多数派
暗闇
0
暗い
モニターやEVFの明るさの例
EVF
15
この領域では光学ファインダーよ
り明るいので隅々までよく見える
の明るさ
EVF
光学ファインダー
10
(
EV)
STYLUS1のEVF
自動調光
5
0
10
5
被写体の明るさ (EV)
測定対象
測定用
EVF明るさの測定
7
15
●1,200万画素
300dpi A4まで余裕をもって印刷できる
●解像度
35ミリ版90mm相当で2,500本レベルの解像度は十分
10倍ズームなので広角端周辺で落ちるが写りとしては気にならなかった
ISO上限を200、プログラムモードで撮って全体としてクリアでシャープな写り
●ISO感度
1秒のノイズデータから分かるように画質を損なわないISO感度は200まで
(参考1にあるように1/1.7型として常識的なレベル)
ノイズの処理が上手くいっているようで、より高い感度にしても写りはそれほど落ちない
●ダイナックレンジ
優秀
●EVF
設定できる明るさの範囲が広く、見やすい(ソニーと富士は特に明るさが不足)
光学ファインダーに較べて環境(被写体)が暗い側で見やすい
全体として現状で最も優れていてオリンパスのEVFは光学ファインダーに代わり得る
●オリンパスの電子水準器は見やすい
●OM-D E-M5では、きつめの輪郭強調が気になることがあるが、こちらは標準的なレベル
●オリンパスやパナソニックの4/3型用10倍ズームレンズだけで60,000円くらいする。対して、1/1.7型で10
倍ズームつきのSTYLUS1は同じくらいなのは微妙な値付けだ。ボディとレンズで倍くらいする4/3型をと
るかどうかは、ISO感度を800まで上げられる4/3型か、200までの1/1.7型の、どちらをとるかである。
●参考2にあるように35mm版f11と同じ被写界深度になるのは1/1.7型ではf2.8で十分なのでISO200でも
多くのシーンで不足ではない。ISO感度上限を200に設定して、絞りを開けてシャッタースピードを上げる
プログラムモードで撮れば多くの場合に満足できる写りが期待できる。その意味で、競合機種では望遠
側で暗くなるのに対してf 2.8で通しているのは理にかなっている。
●シャッターを切った時の振動であるカメラブレとは無縁である。一眼レフではミラーショックによるカメラ
ブレが写りに影響している機種があり、もしそのような機種を使っているのなら、STYLUS1の安定して
シャープな写りとは差が感じられるはずである。
まとめると
EVFが優れている。
大きさと重さは持ち歩いて苦にならない。
写りは、最良ではないが満足できる。
8
参考1 イメージセンサーのサイズと最高ISO感度
代表的なイメージセンサーのサイズと、1/2.3型に
対する面積比は次の次の通りです。
APS-C
23.7×15.7mm
35mmフルサイズ
36×24mm
4/3型
17.3×13.0mm
1/2.3型
6.2×4.6mm
1/1.7型
7.6×5.7mm
1型
13.2×8.8mm
35mmフルサイズ
APS-C
4/3型
1型
1/1.7型
1/2.3型
×30.2
×13
×7.88
×4.07
×1.52
×1
イメージセンサーのサイズ(代表例) と面積比
イメージセンサーが取り込める光の量は、その面
積に比例します。例えば1/2.3型は35mmフルサイ
ズの1/30なので、信号を30倍だけ電気的に増幅
すれば画像の明るさを同じになります。
ISO感度を2倍にするには増幅度を2倍にすること
です。サイズが大きいほど、小さな増幅度で感度を
上げることができるので、面積と最高ISO感度とは
比例することになります。
実際にISO感度と解像度と写りを検証した結果と
して4/3型の最高感度はISO800あたり、、あた、
1/2.3型ではISO100もおぼつかないの2点から、他
のサイズを面積比で推定すると次のようになる。
ISO
100
400
200
800
1600
3200
6400
1/2.3型
100
200
400
800
1600
3200
6400
100
200
400
800
1600
3200
100
200
400
800
1600
3200
6400
100
200
400
800
1600
3200
6400
200
400
800
1600
3200
6400
1/1..7型
6400
1型
4/3型,
APS-C
100
35ミリ フルサイズ
イメージセンサーのサイズと、能力が最大限発揮できるISO感度の範囲
9
参考2 フルサイズのf11は、APS-Cではf8、4/3型ではf5.6に相当
て、実用性は十分です。
イメージセンサーが小さいほど同じ画角になるレ
ンズの焦点距離は下表のように短くなります。
1/2.3型ではISO100だけ、1/1.7型ではISO200ま
でとなると、とてもではないが、使い物にならない
と感じられるかも知れません。ところが、さにあら
ず、小型イメージセンサーならでの特質が幸いし
イメージセンサーのサイズ
35mmフルサイズ
APS-C
4/3型
1/1.7型
1/2.3型
焦点距離の倍率
1
1/1.5
1/2
1/4.6
1/5.6
例
28mm
18.7mm
14mm
6.1mm
5mm
同じ画角になる焦点距離の倍率
ば、全体にピントが合った写真が撮れます。
さて35mmフルサイズ以外で同じように撮れるレン
ズ焦点距離と絞り値はどうなるでしょうか?
35mmフルサイズの28mmレンズで絞りをf11とし
て、ピント位置を5mにしておけば1.4mから∞まで
ピントが合います。こうしてスナップ撮影をすれ
35mm版28mmレンズ f11
5m先にピントを合わせる
1.4m
ピントが合う範囲
∞
ピントが合う範囲
イメージセンサーのサイズ
35mmフルサイズ
APS-C
4/3型
1/1.7型
1/2.3型
焦点距離
28mm
18.7mm
14mm
6.1mm
5mm
1.4mから∞までピントが合う絞り値
f11
f8
f5.6
f2とf2.8の間
f2
ントが外してもピンぼけにならずにすむ、そして、
f11位であればレンズ性能のボロが出ないだろうと
いう頭があるからです。
デジカメ時代のレンズは一般に絞り開放から性能
は高く、特に、1/2.3型や1/1.7型なら小型ですむ
ので、まともなレンズならその傾向はさらに顕著で
す。1/2.3型は1/1.7型は余計なことは考えずにプ
ログラムオートで撮れば、低いISO感度で速い
シャッタースピードになるのでクリアでシャープな
写真になります。
35mmフルサイズISO100 f11と同じ被写界深度と
なる絞り値をISO感度に置き換えると
APS-C f8でいいのでISO200相当
4/3型
f5.6でいいのでISO400相当
1/1.7型 f2.8でいいのでISO1600相当
1/2.3型 f2でいいのでISO3200相当
となります。このように小型のイメージセンサーは
ISO100や200であっても、結構いける!というの
が結論となります。
フィルムカメラ時代からのベテランは絞りf11が好
きな傾向があります。この位絞っておけば多少ピ
10
5-5
こんなに違う 画面の情報表示
できるだけ多くの情報を表示しようとすれば文字
やアイコンは小さくなりがちです。その方が良い人
がいる一方で年配者には見づらくなります。
左が撮影画面、右はメニュー画面で、両方を実寸
で並べてみました。上の2機種は見やすい例で、3
機種目は撮影画面が、そして、最後の機種は撮影
とメニュー画面とも見にくい例です。こうして並べる
とメニュー画面はフォントの選択など工夫次第で
改善できそうな感じです。また、機種間で見やすさ
に大きな違いがあり、一貫性に欠けるメーカーが
あります。OM^Dも然りだが文字が小さすぎる。ま
たメニューを常にモニターに表示させるは疑問。
11