2012 年 11 月号 -№213◆「第 19 回 ITS 世界会議ウィーン 世界会議ウィーン 2012」 2012」概要報告 ◆2012 年度第 3 回 ITS Japan コミュニティプラザ 開催報告 ◆インフラ協調 インフラ協調システム 進捗状況について 協調システム委員会 システム委員会の 委員会の進捗状況について ◆「議員の 議員の会」直嶋、 直嶋、山本両共同代表が 山本両共同代表が「ITS 世界会 議 ウィーン 2012」 2012」を視察 ◆第 7 回日本 ITS 推進フォーラム 推進フォーラムのご フォーラムのご案内 のご案内 ◆第 11 回 ITS シンポジウム開催 シンポジウム開催のご 開催のご案内 のご案内 ※写真、図等の著作権は ITS Japan 及び寄稿者に存するので、利用されたい場合は必ず承諾をとるようにしてください。 ◆ 第 19 回 ITS 世界会議ウィーン 世界会議ウィーン 2012」 2012」概要報告 会議テーマ 会場 主催 :“Smarter on the way” 「よりスマートな移動を目指して」 :Messe Wien :Federal Ministry of Transport, Innovation and Technology Austria (BMVIT) オーストリア共和国交通改革科学技術省 運営 :AustriaTech 組織委員会委員長 :Reinhard Pfliegl 「第 19 回 ITS 世界会議ウィーン 2012」は期間中 90 ヵ国から 10,000 人が参画し成功裏に終了しました。セッショ ン、展示、デモンストレーション、テクニカルビジット等は、会議テーマ“Smarter on the way”のもと、オーストリアの ITS アクションプランの目標である安全、効率、環境にかかわる 3 つのトピック “connecting seamlessly、serving customers、encouraging sustainability” を軸に展開し、産官学の専門家を中心とした参加者による活発な議論や 情報交換および交流が行われました。 以下はその模様をイベントごとに振り返ります。 【会期】 【会議テーマ】 【参加者数】 【参加国数】 【会議登録者数】 【出展数】 : : : : : : 2012 年 10 月 22 日(月)-26 日(金) “Smarter on the way” 「よりスマートな移動を目指して」 10,000 人以上 91 ヵ国 3,000 人 304 企業/団体 会場 Messe Wien 1 1.閣僚級ラウンドテーブル Ministerial Roundtable Roundtable: undtable:10 月 22 日(月) 13: 13:3030-15: 15:30 タイトル:”Accelerating ITS deployment – The role of policy making” 開会式に先立って、オーストリア交通技術大臣、欧州委員会、キプ ロス政府(2012 年 EU 議長国)が主催した本イベントには、各国から 約30人の閣僚級スピーカに加え、約 120 人のオブザーバが参加し ました。日本からは若井康彦国土交通大臣政務官と秋山俊行東京 都副知事が出席し、「ITS の導入成功事例」「ITS 導入に向けた必要 性と課題」についての発表や議論が行われました。 若井国土交通大臣政務官 2.開会式: 2.開会式: 10 月 22 日 16:3016:30-17:30 ウィーン少年合唱団による、世界会議のために作られた曲で 始まった開会式は、2009 年ストックホルム ITS 世界会議や 2012 年 ITF(国際交通フォーラム)でも実績のある Melinda Crane 氏の司会で、バレエや弦楽器の2重奏によるエンターテ インメントを挟みながら進められました。今回 Crane 氏は、閉会 式と3つのプレナリ-セッションの進行も務めました。 1)オープニングスピーチ 登壇者 · オーストリア交通技術省大臣 Doris Bures · 欧州委員会輸送担当委員副委員長 Siim Kallas · ERTICO-ITS Europe 会長 Jean Mesqui · 日本国土交通大臣政務官 若井康彦 · ITSAmerica 会長 Peter Sweatman Doris Bures Siim Kallas Jean Mesqui ウィーン少年合唱団と司会の Melinda Crane 若井康彦 大臣政務官 Peter Sweatman 主なスピーチ内容: ・ 欧州勢の Bures 交通技術大臣、EC の Kallas 氏、ERTICO の Mesqui 会長は、R&D から実証実験へます ますシフトしてきている状況とそれに伴い技術が実際の生活へ受け入れられる事、Galileo の活用、クロ スボーダー、マルチモーダルへの考慮と国際標準化の重要性のアピールが見受けられました。 ・ 若井政務官は、AP の代表として開催への祝辞を述べるとともに、AP 地域での交通問題の解決にとって の ITS の重要性、日本での「新たな情報通信技術戦略」をベースとした産官連携による取り組み、震災か ら学んだこと等を述べ、来年の東京大会への参加を呼びかけました。 ・ ITS America Sweatman 会長は、3000 台のテスト車を用いて進められている Safety Pilot プロジェクトへ の期待と2014年開催のデトロイト大会をアピールされました。 2 2)功労者表彰(Hall 2)功労者表彰(Hall of Fame) Fame) ITS への永年の功績をたたえるため、第17回釜山 ITS 世界会議で創設され、今回で3回目になる功労者表 彰は、欧州、米国およびアジア太平洋地域(AP)からそれぞれ1名が受賞し感謝のスピーチが行われました。 欧州の受賞者 Job 氏は残念ながら本大会前に逝去したたため、昨年の受賞者でもある欧州委員会 DG MOVE の Karamitsos 局長が代わりにトロフィーを受け取り、壇上のスクリーンには在りし日の Job 氏が映し 出されました。 受賞者(写真左より): 米国 : Gerry Conover(USA), PRC Associates AP : Xiaojing Wang(中国), China National ITS Center 欧州 : Job J. Klijnhout, Rijkswaterstaat(オランダ)/ ERTICO- ITS Europe 3.基調講演:プレナリーセッション( 3.基調講演:プレナリーセッション(Plenary Session PL) PL) 3セッション 政策立案者、企業のトップレベルの登壇者を中心に、政策的、戦略的なハイレベルの論議として、3 つのプレナ リーセッションが実施されました。 1)プレナリーセッション1(PL1) 1)プレナリーセッション1(PL1) : 10 月 22 日 17:3017:30-18:30 タイトル: Smarter on the way -Today's achievements, tomorrow's ambitions 登壇者(写真右より:発言順): ・ 欧州委員会輸送担当委員副委員長 Siim Kallas ・ Kapsch CEO, Georg Kapsch ・ ITS America, President & CEO, Scott Belcher ・ USDOT RITA Deputy Administrator Greg Winfree, ・ ITS China 会長 Zhongze Wu ・ インドネシア運輸省副大臣 Bambang Susantono 主な内容: ・ 司会者からの質問に答える形で議論が進められたプレナリセッションでは、主な論点として、ビジョンや 戦略、民の立場で官に求めること、普及における官民の連携の重要性等が机上に乗せられ、官民それ ぞれの立場で意見が述べられました。 3 2)プレナリーセッション2(P 2)プレナリーセッション2(PL2) (PL2) : 10 月 23 日 9:009:00-10:30 タイトル: Converging Technologies –Converging Mobility 登壇者(写真右より) ・ QUALCOMM 副社長 Alice Tornquist ・ Ford 社 自動車認証・コンプライアンス部門グローバルディレクタ / 持続性・環境・安全技術部門 副社長 Andreas Ostendorf ・ Orange Business Services 社スマートシティプログラムディレクター Nathalie Leboucher ・ Ericsson AB 副社長 & Industry Specific Solutions グローバルヘッド Per-Henrik Nielsen ・ 韓国国土海洋省 ITS 及び道路環境部 室長 Young-Soo Park ・ Intelematics 社 CEO Adam Game 主な内容 ・ スマートフォンの普及が ITS のマーケットの状況を変えてきているという論調から、特に、Intelematics 社(豪州)の Game 氏は、「スマートフォンの台頭によって多くのユーザーを ITS にひきつけるきっかけと なっている。モバイルによるコネクティビティーと位置情報サービスによるエコシステムが創出されるこ とで、複雑なシステムが多くのユーザーにとって使いやすいものになっている。スマートフォン、テレコ ム、コンテンツ/サービス等の業界が新たに ITS へ流れ込んできており、ITS 自体に変革を起こしてい る。」と述べました。 3)プレナリーセッション3(PL3) 3)プレナリーセッション3(PL3) : 10 月 26 日:13:45 日:13:4513:45-14:30 タイトル:Global Connectivity Revolution 欧州委員会のKroesデジタルアジェンダ担当副委員長のスピーチにつづき、ITS Japan渡邉会長とIntel社 Steeman副社長のスピーチおよび司会者との質疑の形式で行われました。 登壇者 ・ 欧州委員会デジタルアジェンダ担当副委員長 Neelie Kroes, ・ ITS Japan 会長 渡邉 浩之 ・ Intel 社アーキテクチャーグループ副社長,インテリジェントシステムグループジェネラルマネー ジャー Ton Steenman Neelie Kroes Melinda Crane 4 Ton Steenman 渡邉会長 主な内容 ・ EC の Kroes デジタルアジェンダ担当副委員長は、デジタル技術を最大限効果的に活用する中で、交通 に関しては 2015 年までに eCall システムを EU 内のすべての自動車に展開することを目標としていると 述べ、スマートシティー推進の必要性についても語りました。 ・ ITS Japan の渡邉会長は、Connectivity が ITS の中核のコンセプトであり、震災を経験することによって、 車とインフラだけでなく、車と人との Connectivity の大きな可能性が見えてきたと述べました。具体的に はプローブカーデータによる通行可能な道路の情報提供がきっかけで情報統合の重要性が認識され、 共通プラットホームにおいてレジリエントな社会の構築につなげるためには、ユーザーの巻き込みと官民 の連携の重要であり、来年の東京大会でこの Connectivity 革命を共に構想しようと呼びかけました。ま た、ギリシャの直接民主主義社会を引用し、ネットワーク社会では、政府主導の社会から変わってきてい ると述べました。 4.セッションプログラム セッションプログラム 1)エグゼクティブセッション( 1)エグゼクティブセッション(Executive エグゼクティブセッション(Executive Session: Session:ES) ES) 12セッション セッションプログラムはすべてを含めて 233 セッション※企画されたましたが、エグゼクティブセッションでは、 官・民・学の有識者が ITS の効果、問題、課題などを取り上げ、政策や戦略の議論が行われました。 (※:以下、セッション数は Final Pligram での掲載値) 以下は全セッションタイトルと日本からの登壇者、モデレータです: ES01:Communication technologies: comfortable and resilient system for the next generation 小 山 敏 一般社団法人 電波産業会 主任研究員 (モデレータ) 田沼 知行 総務省総合通信基盤局電波部 移動通信課新世代移動通信システム推進室長 ES02: ITS and the economy – doing more for less ES03: Mobile devices data as a source of traveler behavior information ES04: Elements of ITS Policy 中島 睦晴 内閣官房 IT 担当室 企画官 ES05: Traffic Management Infrastructure Deployment Models 福田 守雄 警察庁長官官房 参事官 ES06: Future Trends in Urban Mobility 矢野 厚 住友電気工業株式会社常務取締役 ES07: International ITS cooperation – connected vehicles 川嶋 弘尚 慶応義塾大学 名誉教授 (モデレータ) 奥村 康博 国土交通省道路局 道路交通管理課 ITS 推進室長 ES08: Making multimodality, the pillar of a future modern urban life ES09: Global Vehicle Safety Systems 赤津 洋介 日産自動車株式会社 (モデレータ) 斧田 孝夫 国土交通省自動車局 技術政策課国際業務室長 関口 守 富士重工株式会社 スバル技術本部電子商品設計部主査 ES10: ITS enabling future sustainable mobility 井上 悟志 経済産業省製造産業局自動車課電池・次世代技術室長・ITS 推進室長 ES11: New Concepts of Smart Mobility 梅村 晋 トヨタ自動車株式会社 FP 部・部長 ES12: The implication for ITS of new GNSS services 野田 浩幸 内閣府 宇宙戦略室企画官 5 2)スペシャルインタレストセッション(Special 2)スペシャルインタレストセッション(Special Interest Sessions :SIS) スペシャルインテレストセッションは、全部で 86 セッションが企画され、各地域の専門家が研究、実用化段 階の ITS に関する個別のテーマについて深く掘り下げ、最新の技術や施策を議論しました。 以下は日本のオーガナイザーによる SIS のタイトルです(カッコ内は企画者): SIS02 “Realisation of New Vehicle Cloud Concept and Smartphone-ITS” SIS11 SIS19 SIS21 SIS26 SIS27 SIS28 SIS47 SIS53 SIS62 SIS70 SIS81 SIS83 SIS87 (インターネット ITS 協議会) “ITS Radio communication for Vehicle Safety and Sustainability” (総務省) “Pedestrian Detection in Various Manners” (東芝) “Fully Automated Platoon System (on Energy ITS project)” (経済産業省) “Development of Vehicle–Infrastructure Cooperation Systems” (警察庁) “Energy management in vehicle and household aspect” (ITS Japan 企画 G) “Which ITS technology works the best for the Asia-Pacific megacities?” (ITS Japan 国際 G) “Driving Behaviours by Aged Drivers and Safety Countermeasures” (高知工科大学) “An Effective Use of an Image-Recording Type Drive Recorder Database” (UK コンサルタント) “Cooperative Safety Applications on Rural Road to Support Policy Decision Makers” (日産自動車) “Challenges for Distribution of Road Related Information” (ITS Japan 普及促進 G) “ITS World Congresses in Tokyo 2013 and beyond” (2013 東京組織委員会) “Cooperative ITS for Now and the Next” (ITS Japan 企画 G) “Future strategy for road transport policy using probe vehicles” (国土交通省道路局) 86 セッションの内訳は、欧州 36 コマ・米国 22 コマ・AP20 コマのほか、ITS 効果評価をテーマとする IBEC4 コマ、さらに Recurrent Session(恒例で実施されるセッション)として「女性 ITS」、「2013 東京世界会議以降 の取り組み」、「2013 年ダブリン ITS 欧州会議」、「PIARC-世界道路協会」の 4 コマでした。 3)テクニカル/ テクニカル/サイエンティフィックセッション(Technical/Scientific サイエンティフィックセッション(Technical/Scientific Session: Session:TS) 118 コマ インタラクティブセッション(Interactive Session: IS) インタラクティブセッション( Interactive Session :IS ) 6 コマ 論文(ペーパー)セッションは、応募論文の分野ごとにあらかじめ専門家の査読を経た上でセッションが編成 されます。テクニカルペーパーは研究開発、実用事例、政策等の幅広いトピックについての一般論文発表、 サイエンティフィックペーパーは、学術性の高い論文で、事後に学会誌への掲載候補となります。一方、対 話形式で質疑に応じるインタラクティブセッションではポスターに替わって電子ディスプレイが用いられまし た。 今年は 1103 編の論文が投稿され、781 編が採用されました。 以上の各セッションに加えて、主催者の独自企画セッションとして 2 コマのホストセッションと6つの Stakeholder Workshop が実施されました。 また、14 の Ancillary Event が実施されました。 5.展示会 : 10 月 23 日(火)~26 日(火)~26 日(金) 一般公開日: 25 日(木) 1)展示リボンカットセレモニー: 10 月 23 日 10:4510:45-11:45 展示会場の開会リボンカットセレモニーは公式イベントとして、欧・ 米・AP の3極よりゲストを招いて行われました。AP からは、若井国 土交通省大臣政務官と ITS China の Wu 会長が参列し、セレモニー の後これらの VIP は主催者による展示会場ツアーに案内されまし た。 展示リボンカットセレモニー 6 2)Japan Pavilion リボンカットセレモニー : 10 月 23 日 11:3011:30-11:45 公式リボンカットセレモニーの後、Japan Pavilion では日本からの出展の御礼と会議の成功を祈念し、出展企業 /団体の代表者、来賓によるご挨拶に続いてリボンカットを行いました。 Japan Pavilion リボンカットセレモニー (写真左から) ㈶道路交通情報通信システムセンター 古賀 光彦専務理事 東京都 秋山 俊行副知事 ITS世界会議東京2013を成功させる議員の会 山本 有二共同代表・衆議院議員(来賓) ITS世界会議東京2013を成功させる議員の会 直嶋 正行共同代表・参議院議員(来賓) 若井 康彦 国土交通大臣政務官(来賓) ITS Japan 豊田 章一郎名誉会長 ITS Japan 渡邉 浩之会長 国立情報学研究所 坂内 正夫所長 富士通㈱ 須山 寛常務理事 3)出展企業 3)出展企業/団体 出展企業/団体 ① 日本から単独出展した企業/団体 9企業8ブース (カッコ)内は、㎡ カッコ)内は、㎡ アイシン+AW(90)、トヨタ自動車(156)、デンソー(99)、富士通(66)、本田技研工業(90)、日本電気(35)、 三菱重工業(42)、パナソニック(63) 多くのブースで、出展企業/団体のコンセプトを中央に配して、来場者に展示全体の理解を深めてもらう 工夫等がなされました。 TOYOTA FUJITSU AISIN, AISIN AW HONDA 7 DENSO Panasonic NEC MHI ② Japan Pavilion へ出展した企業/団体 20企業/団体 道路グループ(国交省、HIDO、道路会社5社)、VICS、UTMS、東京都、ベリサーブ、IHI、 住友電工、三菱電機、長崎県、東芝、日立製作所、フォーラム8、ITS情報通信システム推進会議、 ITS Japan 今年は多くの企業・団体にご出展いただいたためブースを2箇所に設けました。会場入口に隣接したブー スでは(写真左)、入口付近の開口部と中央部をオープンにすることで多くの方々に訪れていただきました。 2つの Japan Pavilion 国土交通省、道路グループ VERISERVE VICS センター Forum 8 8 ITS 情報通信システム推進会議 ③ Asia Pacific 地域から出展した企業/団体 15企業/団体 5ブース ( )内は、㎡ ITS Asia Pacific <ITS Asia Pacific、ITS Singapore、ITS Center、ITS New Zealand>(27)、 ITS Australia(37)、ITS China(50)、ITS Korea(60)、Huawei(72) 出展規模とブース数は前年の Orland 大会と同水準でしたが、出展企業/団体数は倍増しました。 ITS Asia-Pacific ④ 欧州、米州企業/団体の出展状況 地元勢の ITS Austria、Kapsch、SIEMENS ブースを筆頭に欧州勢の出展数、規模に加えてブースデザイ ンでも圧倒しており、今回の会議テーマに即した“Smart”をキーワードとしたコピーが目立っていました。 また、ブース内には、パネル等の展示物を最小限に抑えて、ミニセミナー開催やワイン/軽食などを提 供するネットワーキングを意識した造りが印象的でした。 ITS Austria Kapsch その他の欧州のブース概観 9 SIEMENS 4)国土交通省セミナーおよび ITS 世界会議2013レセプション 10 月 23 日 16: 16:0000日本のITSの取組みについて積極的に世界へ向けて訴求するためのセミナーに続き、ITS 世界会議東京 2013 をPRするレセプションが開催され、恒例となった3極首脳による鏡割りでは海外から多くのVIPもご参加 頂き大盛況に行われました。 国土交通省セミナー風景 ITS 世界会議東京 2013 レセプション風景 6.デモンストレーション 会場内に設けられたデモ出発エリアでは 5 つのテーマで 23 のデモが用意され 3 日間で述べ 2400 人が参加し ました。 o Cooperative Mobility: Mobility: 欧州の通信規格による車車・路車間協調システムの試乗デ モがウィーン市内の公道を使って実施されました。本デモは オーストリアのインフラ・テレマ 14 企業が参画する”Testfeld Telematik”、8 カーメーカ、4 インフラメーカによる Car2Car Communication Consortium が推進し、安全関連のデモは会 場に隣接する駐車場で行われました。 また“FOTsis” プロジェクトによる車載機への交通情報提供 と Kapsch による V2X のデモが実施されました。 10 その他主なデモンストレーションは以下の通りです: o E-Mobility: Mobility: エネルギー効率の良いルート案内や公共交通との連携・課金・決済など、都市の交通環境に対応した EV の、特性にあった情報を提供するナビゲーションを提案するオーストリアの“emporA” プロジェクト。 スマートフォンを使ったパークアンドライドと EV のカーシェアリングで効率性を高めるプロジェクト “eMORAIL”や、充電ステーション等のインフラに関する“BALLADE”プロジェクト。 o Navigation & Sensors: Sensors: 欧州委員会プロジェクト“SCUTUM“での、GNSS と EGNOS で危険品輸送の追跡する技術の開発 “SCUTUM“プロジェクト。 他に事故や緊急時の双方向通信“SafeTRIP”、Valeo による自動駐車システム“Park4U”、Ibeo による“緊 急時ブレーキシステム。 o Network Operations ドイツで導入された GNSS による重量トラックの課金システムをベースとする“Satellic”。 o Public Transport 大規模イベント時の乗客管理や交通弱者への対応、“*コングレスナビゲータ”など ITS で効率・安全性の 改善を目指す公共交通システムのデモ。AIT(オーストリア技術研究所)とウィーン市交通局による”RAVE” プロジェクト(プラットフォームへの乗客の流入を最適化し、プラットフォームにいれば次の電車に確実に乗 れるようにするシステム)。協調モビリティサービスのパイロットプロジェクト(ウィーン他 6 都市で実施) “CoCities”、スマホによる公共交通ルートナビゲーション“Ways4all”。 7.テクニカルビジット 以下の 8 つのメニューが実施されました。 ・ TV1:Austrian National Traffic Management Centre ・ TV2:Siemens AG Austria-World Headquarters for Metro, Coaches and Light Rail ・ TV3:ÖBB (オーストリア国鉄)Train Monitoring Site ・ TV4:ÖBB (オーストリア国鉄)Traffic Management Facility ・ TV5:Vienna Climatic Wind Tunnel ・ TV6:Danube Ground Tour ・ TV7:Austrian Truck Tolling and ITS Tunnel Safety Tour ・ TV8:Bombardier Transportation Vienna Site TV2 TV5 11 8.スペシャルイベント 1) Gala Dinner and ITS Ball: Ball:10 月 24 日 19:0019:00-25: 25:00 ハプスブルグ新王宮の祝祭ホールでは 900 人近い参加者を得て Gala ディナーとダンスパーティー(ITS Ball) が行われました。 王宮内の複数の部屋に分かれて実施されましたが、多くの参加者が気楽にダンスに参加し、記憶に刻まれる 交流の場となりました。 2) パブリックディ:10 9:00-17:00 パブリックディ:10 月 25 日 9:00一般に開放された展示会場には約 800 人の子供や学生が訪れ、ITS オーストリアのブースではさまざまなイ ベントが催されるとともに、女性参加者を招待したレセプションも行われました。 出展者へ取材する子供たち シミュレータ試乗体験 ITSオーストリアブースでの学生と 企業担当者との交流”Speed Dating” 出展者による LEGO のジオラマを 用いた子供たちへの ITS 解説 12 9.総括セッション(Conclusion .総括セッション(Conclusion): 13:30-13:45 Conclusion): 10 月 26 日 13:3010 月 26 日 14:30閉会式 : 14:30-15:20 総括セッション 最終日のプレナリーセッション 3 および閉会式に先立って行われた総括セッショ ンでは、国際プログラム委員会(IPC)のメンバーで“チーフラポチャー”でもある英 国ニューカッスル大学・シティ大学客員教授 Eric Sampson 氏が大会を通しての 総括報告を行いました。 ラポチャーとは報告者(”Rapporteur”)という意味で、ITS に深い経験や知見を有 するエキスパートが各地域 6 人ずつ選出され、6 つのコングレストピック(第 11項 まとめ参照)の視点からセッション・展示・デモをウォッチし最新の動向や今後の 考察を総括しました。 AP 地域から協力いただいたラポチャーは以下の方々です: 大口 敬(東京大学)、Jason Chang (国立台湾大学)、 Young-Jun Moon(韓国交通研究所:KOTI) Brian Negus (ITS オーストラリア)、 浮穴 浩二(UK コンサルタント)、石 太郎(早稲田大学) Eric Sampson 総括の概要: 1994年の第一回パリ大会からITSの変遷を概観し、ウィーン大会ではITSが論文・展示・デモを通じて「ユーザ ーへのソリューション」を提案できる段階に達したことを再確認した。来年の東京大会にむけて、今後も目が 離せないのは以下のトピックである: 1)Connected Vehicles、2)Integration、3)Interoperability、4)Smart Cities、5)Social Media、6)Modernising our evaluation of benefit、7)Electromobility、8)Cloud Computing、9)A bigger role for smartphones、10)ITS for older drivers 閉会式 1)優秀論文賞 1)優秀論文賞表彰 優秀論文賞表彰 Eric Sampson 氏から、受賞論文 7 編(欧 3 編、米 2 編、AP2 編) が紹介・表彰されました。 AP 地域からの受賞者は以下の通り: Lian Xue 氏 東京大学生産技術研究所 池内研究室 大学院 生 (代理:小野晋太郎氏) 山崎晃由氏 埼玉県警察本部 交通部交通規制課 課長補佐 (左) 山崎晃由氏 2)ビデオコンペティション優秀賞表彰 2)ビデオコンペティション優秀賞表彰 ITS の認知度を高め、広く PR するためのビデオコンテストが行われ、約 50 件の応募の中から審査を経た優 秀作品が表彰されました。 受賞作品: ・general public category: オーストラリア Griffith University “Co-operative Intelligent Transport Systems: Safe and Sustainable Transport” ・ITS community category: 英国 Cubic Transportation Systems:“Making the Vision of Intelligent Travel a Reality” 13 3)2013 3)2013 東京世界会議紹介、2014 東京世界会議紹介、2014 デトロイト世界会議 来年以降の ITS 世界会議の紹介では、2013 年東京大会と 2014 年デトロイト大会の PR が行われました。 東京 ITS 世界会議 2013 は、東京都青少年・治安対策本部の樋口本部長が主催者代表としてスピーチで参 加を呼びかけ、壇上では着物姿の女性 2 名を伴い日本情緒を感じさせるプレゼンを行いました。続いてデト ロイトからは 2014ITS 世界会議組織委員長 Barbaresso 氏が地元デトロイトタイガースのキャップをかぶりス ピーチし閉会式を盛り上げました。 東京大会 樋口本部長(中央) デトロイト大会 Barbaresso 組織委員長 4)パッシング・ザ・グローブ 会議の最後は、シンボルの地球儀をウィーンから 次回開催地の東京へバトンタッチする“パッシング・ ザ・グローブ”で締めくくられました。 AP からは東京大会を代表して渡邉組織委員長と 東京都青少年・治安対策本部の樋口本部長 が登壇し地球儀を受け取りました。 10.まとめ 10.まとめ “Smarter on the way ”をテーマとして開催された今回のITS世界会議では、セッション・展示・ショーケース・デ モ等を通じ、Connectivity、Smarter、相互作用性(interoperability)等をキーワードとし、技術としては、スマート フォン等のモバイル端末による位置情報含めたプローブデータ、衛星測位システム(GNSS)活用等、さらに標 準化の重要性に関する議論が活発に行われ、R&D から実証実験、実用化フェーズへ向け一歩一歩進んでいる ことが見受けられました。欧州は Car2Car コンソーシアムをベースとした協調システムの EC プロジェクト(DRIVE C2X)と、EU 全域にわたるクロスボーダーな eCall の実現をアピールする一方、アメリカも Safety Pilot による協 調システムプロジェクトを取り上げた議論が行われました。また日本は、世界に先駆けて実用化フェーズに入っ たいくつかのシステムの紹介と今後の展望、東日本大震災を経ての災害時への ITS の役割の重要性と具体的 な適用の提案と日本での取り組み、さらに、来年に迫った東京 ITS 世界会議への期待をアジア・太平洋地域か ら発信しました。 ウィーン大会の 6 つのコングレストピックごとに報告・議論された内容を以下に概観します。 1)Optimising 1)Optimising provision and use of infrastructure, traffic and travel data and information (インフラ、交通・移動データおよび情報の提供と活用の最適化) · モバイル端末をセンサーとしたモニタリング、都市交通マネージメント、ネットワーク運営等への実験、実 用フェーズの活用が活発に議論された。 · 技術的には、プローブデータ(位置情報ほか)、道路課金、自動車レーダー、可変速度規制、動的レーン 配置。データ収集・発信に関しては、公共データの公開よる交通情報リアルタイムデータの使用。 · スマートフォン向けの安価な交通アプリが数多く報告された。 · また、災害時での対応シナリオや極限状況での交通マネージメント、ソーシャルメディアの使用、衛星を 活用した位置情報、スマホ向けの安価な交通アプリ等が新たな分野として加わってきた。 14 2)Intelligent 2)Intelligent infrastructure (インテリジェントインフラストラクチャー) · モバイル機器の活用、衛星測位システムについて焦点が当てられた。 · 使用燃料の削減方法とコンバインされた自動車税増加の問題への道路課金による解決策が議論された。 · 欧州電子課金サービス FETS について、各々のプロジェクト、特にトラック課金スキーム、インターオペラビ リティー(相互運用可能)プログラム等の報告もあった。 · 流入規制、渋滞・旅行時間の精度向上、車線管理、可変速度制限(VSL)、取締りシステム等のケーススタ ディーが多かった。 · 交通需要管理にも貢献する駐車場管理も注目されつつあり、ビデオによる空車スペース検知が報告され た。 3)Continuity 3)Continuity and interoperability of seamless multimodal services for mobility (シームレスなマルチモーダルサービスの継続性と相互運用性) · この分野に関しては、さまざまな移動関連の交通情報提供サービス(マルチモーダルな交通移動プランナ ー、リアルタイム交通情報、高齢者や身障者向けサービス、クロスボーダーな物流、電子課金システム等 のサービスの事例が多く登場してきた。 · 環境を意識した取り組みも増えた、カーシェアリングやカープール(相乗り)のビジネス化やデータベース 化。 · 貨物輸送やロジスティックスでの安全性や輸出入規制関連での効率向上に関する相互運用性やマルチモ ーダリティーも議論された。 4)Integrated 4)Integrated safety and security for all users (ユーザの安全と安心の統合システム) · 実証実験、V2X 協調システム、クロスボーダーな eCall システムが重点的に取り上げられた。 · ドライバーの行動等のヒューマンファクターに関する論議が活発に行われた。また、車の周辺状況のモニタ ーや衝突防止や警報システムについての実証実験や市場投入された事例の報告がされた。 · さらに高齢者、交通弱者対応、事故等の緊急時通報システム(eCall)、災害時対応システム等について議 論された。 · 協調システムや欧州プロジェクト(ADAS)の実証実験からの多くの結果報告があった。 5)Connected 5)Connected Vehicles, Vehicles, Infrastructure and users for cooperative mobility services (協調システムサービスに合う自動車、インフラ、ユーザの接続性) · モバイル機器の普及を背景とした、路車間および車車間強調システムを伴ったコネクティドビークルに関す る議論が多かった。 · コネクティドビークルには自動車メーカー、インフラ管理、テレコム業界、研究機関、サービスプロバイダー が関係者である。具体的な普及展開やビジネスモデルまでの言及は少なかったが、モバイル通信の最大 限の有効活用を含め国際的な議論と連携の格好のプラットフォームを提供していた。 · 自動運転への関心は継続しており、商業車への活用や特に自動運転の可能性についての議論がより活発 になってきた。 6)Sustainable, 6)Sustainable, clean and energy efficient mobility (持続可能でクリーンでエネルギー効率のよいモビリティ) · 車とインフラ両面から、電動車両(モビリティーの電動化)に関して活発に議論された。 · 実施されているプロジェクトの報告が多く、スマートグリッドに関し、車とエネルギー社会とギャップはどのよ うに埋めるのか?といった議論。や EV のカーシェアリングとグリッド、ハイブリッドバス、南米やアジアのメ ガシティーの持続可能性、CO2 削減効果評価モデル等が報告された。 11. 11.ITS 世界会議報告会のご案内: 今回の世界会議の報告会を 11 月 21 日「第 7 回日本 ITS 推進フォーラム」の国際セッションの中で行います。 皆様の参加をお待ちしています。 (担当:国際グループ) -目次へ戻る15 ◆ 「インフラ協調システム委員会」の進捗状況について 10 月 22 日(火)~26 日(金)に、ウィーン(オーストリア)で開催された「第 19 回 ITS 世界会議ウィーン 2012」で発 表した、“インフラ協調システム委員会”関連2テーマの原稿を下記に掲載します。 発表 1 (全ページの PDF 版はこちら) 16 発表 2 (全ページの PDF 版はこちら) 17 (担当:企画グループ 大見) -目次へ戻る- 18 ◆ 第 7 回 日本 ITS 推進フォーラムのご案内 ITS Japan では、ITS のより一層の普及促進のため、関係省庁、関係団体と連携して「日本 ITS 推進フォー ラム」を毎年開催しています。 ITS 推進フォーラムも、今年で第 7 回を数えます。本年は、災害と交通/将来の交通ビジョンをテーマとし た総合シンポジウムと、ITS 世界会議ウィーン開催報告と海外ゲストによる事例紹介をベースとした国際セッ ションを、11/20(火)~21(水)に行います。 お席に限りがございますので、事前のお申し込みをお願いいたします。ITS Japan ホームページ(下記参照) より、お早めにお申し込みください。 1.開催概要 1.開催概要 ○日程:11 月 20 日(火) 9:45~17:40 11 月 21 日(水) 9:45~17:50 ※懇親会を 11 月 21 日(水) 18:00 より開催します。 ○会場:建築会館ホール(東京都港区芝) ○催事計画: <総合シンポジウム>(11 月 20 日終日、11 月 21 日午前) 災害と交通、将来の交通ビジョン、ITS Japan 取組紹介 <国際セッション>(11 月 21 日午後) 世界会議ウィーン報告、海外ゲスト講演 ※懇親会を 11 月 21 日(水) 18:00 より開催します。 ○参加費:(2 日間通しの会費) 会員 5,000 円 非会員 15,000 円 学生 1,000 円 懇親会 3,000 円 ○定員:250 名 ○申し込み:できる限り、事前申し込みをお願いいたします。 申込期限:11 月 16 日(金) 申込 URL:http://www.its-jp.org/event/its_forum/its_forum07/ 2.プログラム構成 2.プログラム構成 プログラムはこちら <ITS Japan の取り組み> ITS Japan の各委員会で取り組んでいるテーマを掘り下げます。インフラ協調システム、隊列走行、CO2 効 果評価、地域 ITS の取組、地域 ITS 情報センター構想、を取り上げます。また、いよいよ来年に迫った ITS 世界会議東京 2013 に向けた取り組みをご紹介します <災害と交通セッション> 『情報のオープン化とサービス創造への挑戦~災害時の官民情報連携とモビリティサービスに向けて~』 をテーマに、災害時の情報収集、共有、提供の現状(事例)と動向をご紹介し、官民の情報連携の下で、 民間で今後行っていくべきアプローチを議論します。 19 <将来の交通ビジョンセッション> 「地域活性化/都市再生/シームレスな移動」を実現するために必要となる、多彩な移動手段を取り 込んだ将来の交通ビジョンを考えます。 <国際セッション> 世界の ITS の動向を ITS 世界会議ウィーン 2012 の開催報告を行います。海外ゲスト講演として、欧米 の ITS の最新動向と、アジア地域の交通情報配信システムに関する事例の紹介をして頂きます。 (担当:総務グループ 廣井) -目次へ戻る- 20 ◆ 第 11 回 ITS シンポジウム開催のご案内 12 月 12 日(水)~14 日(金)、愛知県立大学にて(12 日はトヨタ博物館でプレイベントを開催)第 11 回 ITS シンポ ジウムを開催します。 会員各企業、団体の皆様のご参加をよろしくお願いいたします。 プログラムはこちら 1. 開催概要 ・期日: 12 月 12 日 プレイベント「ITS Japan 会長 渡邉浩之が語る『ものづくりの魅力、クルマの魅力』」 (シンポジウム申込者対象,無料) 13 日 開会式,企画セッション,対話セッション,バンケット 14 日 企画セッション,対話セッション,閉会式(表彰) ・会場:愛知県立大学 講堂・学術文化交流センター/トヨタ博物館 ・プログラム委員長:岩田 彰 名古屋工業大学大学院教授 2. テーマなど ①企画セッション -1 データセントリック ITS -2 エネルギーITS(仮題) -3 モビリティデバイド・高齢者支援 ITS(愛知県テーマ) -4 スマートコミュニティと ITS ②対話セッション ・投稿論文は 121 編。例年通りショットガンとポスタープレゼン,公開討議にて構成 ・「情報提供・交通管理・都市計画」「交通調査・交通計画・交通政策」「技術革新」「ドライバー支援・ドライバ ー行動」に大別して掲示。 ③ベストポスター賞の選考と表彰 3. 他 ・企業、団体の皆様に参加いただき、対話セッションにおける若手研究者の発表へのアドバイスなどをお願 いします。 ・プレイベントには少しでも多くの若手の方に参加いただきたいと思います。趣旨をご理解いただき社内若手 の方への PR をお願いします。 (担当:渉外・産官学連携担当 井出/吉原) -目次へ戻る- 21 ◆ 2012 年度 第 3 回 ITS Japan コミュニティプラザ 開催報告 ― ウェザーニューズ、エリクソン・ジャパンの取り組み紹介 ― 2012 年度第 3 回目のコミュニティプラザとして、ITS Japan に入会頂いた、ウェザーニューズ、エリクソン・ジャパ ンの 2 社から、各社の取組をご紹介いただきました。 ウェザーニューズは、世界最大の気象情報提供企業として、公共・日常のあらゆる場面での行動を助ける気象 予報配信のサービスを展開しています。地球温暖化の進展により航行可能になると言われている北極海航路の 運行支援などを目的とした、小型人工衛星「WNI 衛星(仮称)」の打ち上げが予定されています。 講演では、『参加型で変わる、天気予報の新たなビジネス・デザイン、ITS も変わる?』のタイトルで、海運船舶 やコンビニの事例を通じた顧客参加型ビジネスの展開や、個人サポーターによるゲリラ雷雨情報の収集によって 減災につなげる取り組みなど、「みんなの天気予報」を「あなたの対応策情報」にする事業展開をご紹介いただき ました。そして、参加型による新たなビジネス・デザインによる ITS のさらなる進化の可能性についてご紹介いただ きました。 エリクソン・ジャパンは、世界有数プロバイダー エリクソン社の日本支社として設立され、グローバルで培った 実績とノウハウを日本市場に提供し続けています。ITS 分野においては、現在、携帯電話網を活用したシステム に取り組んでいます。 講演では、LTE 導入に伴い通信速度を確保できるようになった、携帯電話網を活用した ITS の取り組みをご紹 介いただきました。ジオメッセージングという、携帯電話網ならではのグリッド分割・管理による交通情報配信シス テムの実証実験を東京で行い、今後は ITS スポットと連携した情報提供実験に取り組み、成果を来年の ITS 世界 会議東京 2013 のショーケース案とするといった展望についてご紹介いただきました。 講演後の質疑、そして名刺交換会(懇親会)においても、活発な質疑・意見交換があり、貴重な会員交流の場と なりました。 <開催概要> ○期日 : 2012 年 11 月 2 日(金) 15:30~17:30 ○場所 : ITS Japan 会議室 ○参加者: 45 名 ○プログラム: 1)株式会社ウェザーニューズ タイトル:参加型で変わる、天気予報の新たなビジネス・デザイン、ITS も変わる? 講師:志賀康史 道路管理コンテンツサービス 事業部長 2)エリクソン・ジャパン株式会社 タイトル:携帯電話網を利用した ITS におけるエリクソンの取り組み 講師:高橋正法 技術本部 ビジネス開発担当部長 ※講演終了後に講演者との名刺交換会(懇親会)を開催しました。 ウェザーニューズ 志賀康史氏 エリクソン・ジャパン 高橋正法氏 会場の様子 (担当:総務グループ 廣井) -目次へ戻る- 22 ◆ 「議員の会」直嶋,山本両共同代表が「ITS 「議員の会」直嶋,山本両共同代表が「ITS 世界会議 ウィーン 2012」を視察 2012」を視察 去る 10 月 22 日~26 日にオーストリア共和国の首都ウィーンで開催された「第 19 回 ITS 世界会議 ウィーン 2012」を、「『ITS 世界会議 東京 2013』を成功させる議員の会」(「議員の会」)の直嶋 正行(参議院議員)、 山本 有二(衆議院議員)の両共同代表が視察されました。 ITS Japan は来年東京で開催される ITS 世界会議の成功に向けた活動の一 環として「議員の会」メンバーによるウィーン会議の視察を提案し、今回に至っ たものです。 両議員は 21 日にそれぞれウィーン入りし、翌 22 日の全体開会式とプレナリ ーセッション、23 日には展示会場の開会式を視察、次いで Japan Pavilion(日本 館/ITS Japan が企画・運営)のリボンカットに参加されました。 リボンカットに先立ち、両共同代表からは開催への祝辞と共に「来年 20 回を 迎える節目の会議が東京で行われる。政治家として成功に向けて政治の場で 役割を果たしたい」という決意、「世界会議は過去 2 回日本で開催されている。 来年の東京開催では、愛知・名古屋開催(2004 年)の 6 万人を上回る、過去最多の参加者数を達成することが大 事」「万葉集では“みち”を表す漢字として“道”と共に半分は“未知”が使われている。万葉人は“みち”に“未だ知 らないことの発見”を重ねた。ITS は現代の“未知”であり、日本の産業のお家芸になるように自分たちも頑張りた い」といった力強いご挨拶をいただきました。 日本館テープカット 日本館のリボンカットの後は日本館、会員企業、団体の出展ブースを訪問し、限られた時間ではあったものの最 新技術や製品について各社ご担当者から説明を受けたり、シミュレーターを体験されたりしました。なお各企業、 団体ブースへは国土交通省の若井大臣政務官、東京都の秋山副知事も同行されました。 23 日本の企業、団体ブース訪問を終えた後は、海外から出展されているブースを ITS Japan 天野専務理事の説明 を受けながら視察しました。 ITS America ITS Asia Pacific ITS Korea ERTICO ITS China 今回は両議員共に慌ただしい視察となりましたが、限られた時間の中精力的にスケジュールをこなされ、特に展 示会場では各社のご担当と活発な質疑をする場面も見られました。海外からの出展については、特にアジア(韓 国や中国)のブースの元気な様が印象的だった様子でした。 お二方には各社の取り組みをよく理解いただけたこと、欧米各国の取り組みと比較できたこと、そして全体の雰 囲気を体感していただけたこと等、有益な視察になったとの印象を受けました。 来年の東京での開催に向け、「議員の会」は理解活動などを進めていきます。ITS Japan としてはこれまで同様 「議員の会」の活動に協力をし、東京会議成功へ支援をいただくと共に、その先にある ITS の普及促進、日本の強 みとしての海外展開を「議員の会」と進めたいと考えています。 (担当:渉外・産官学連携 吉原) -目次へ戻る- 24 ◆ 人事異動 11月1日付で下記人事異動がありました。 【新任】 有村 一郎 トヨタ自動車(株) → 総務グループ 世木 隆明 トヨタ自動車(株) → ITS 世界会議東京2013日本組織委員会 事務局 以上 -目次へ戻る- 25 カナディアンロッキー 氷河とオーロラのハーモニー 氷河とオーロラのハーモニー 世界の風景 世界の風景 写真下は、コロンビア大氷原・アスバスカ氷河 写真下は、イエローナイフ郊外 オーロラビレッジから見たオーロラ 写真上は、カナディアンロッキーの宝石 ルイーズ湖 写真上は、イエローナイフの街(オールドタウン) 写真上は、イエローナイフ郊外・キャメロン滝と黄葉 写真上は、イエローナイフ郊外・キャメロン滝と黄葉 26 ブダペスト へ、行ってきました 、行ってきました 世界の風景 世界の風景 写真下は、ドナウ川に架かる くさり橋 写真上は、悠々たるドナウの流れ と 国会議事堂(ネオゴシック様式) 写真上は、ハンガリーの玄関口 ブダペスト駅 写真上は、ブダペスト国立西洋美術館 27 晩秋のウィーンの街並み 晩秋のウィーンの街並み 世界の風景 世界の風景 写真下は、ウィーン美術史博物館内のカフェ 写真下は、ウィーン美術史博物館内のカフェ ゲルトナー 写真下は、天高くそびえるペスト記念柱 写真下は、天高くそびえるペスト記念柱 写真下は、 写真下は、夕暮れのオペラハウス は、夕暮れのオペラハウス 写真上は、 写真上は、夜明け前の街並み は、夜明け前の街並み 写真上は、 写真上は、エリザベートミュージアム は、エリザベートミュージアム( エリザベートミュージアム(伊万里焼) 伊万里焼) 写真上は、閑静な住宅街にある 写真上は、閑静な住宅街にある ウィーン大学 28 11 月 メッセ・ウィーンを背景に 色づく黄葉 木に登るリス(ウィーン郊外) = 写真提供 :塚西 功尚さん 他 = 編集後記 11 月に入り、日毎に寒さが身に染み入る季節となりました。10 月にウィーンで開催された ITS 世界会議 では、明年の東京会議開催を十分に PR することができました。関係された会員企業、団体や政府関係者、 学界の皆様に改めて御礼を申し上げます。これから本番に向かって関係する皆様と共々に緻密な企画を 練り上げていきたいと思いますので引き続きご支援をお願いいたします。 ITS Japan では、11 月号に掲載のとおり、11 月 20 日(火)、21 日(水)に開催する、“第 7 回 ITS 推進フォ ーラム”(東京都港区)や 12 月 13 日(木)、14 日(金)に開催する、“第 11 回 ITS シンポジウム”(愛知県長 久手市)で、日ごろの活動状況や今後の取り組み等活発な議論の場を設定いたします。多くの皆様の参 加をお待ちしています。 (H.Y) ITS Japan からのお知らせ ★ ITS Japan ホームページ トップの、会員の情報コーナー 会員の情報コーナーをご利用ください。 会員の情報コーナー 本コーナーは ITS Japan 会員様の情報、ITS関係のイベント、製品などをPRするコーナーです。 掲載をご希望の方は、下記までお問い合わせ下さい。なお、内容によっては掲載をお断りする 場合もございますので御了承下さい。 ・お問い合せ先 総務グループ:TEL: 03-5777-1011 FAX:03-3434-1755 Web からのご連絡は問合せフォームをご利用下さい。 ★ 世界の風景 日本の風景 の写真提供をお待ちしています。 旅行先、出張先での、世界や日本の風景の写真提供をお待ちしています。 ITS Japan NEWS に掲載させていただき、会員の皆様に季節感を味わっていただきます。 ・お問い合せ先 総務グループ(担当 安川):TEL:03-5777-1012 FAX:03-3434-1755 -目次へ戻る-29
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