講義資料 − T.Hashiba 「ITの効用と危険性」− 講義概要 1.はじめに−なぜインターネットについて考えるのか? IT(Information Technology)≧インターネット、しかしI Tの基盤にはインターネットあり 1.1. 理由1−新たなメディアとしてのインターネットの急速な普及 1) 生活の利便化 ・電子メール、ウェブによる情報検索・インターネットショッピング・情報発信など 2) 対面コミュニケーションの問題点の解消 ①身体的制約 社会的地位、ハンディキャップ、年齢、性別、人種偏見、外見の好悪の解消 ②距離的制約 居住場所による格差の解消 ③心理的緊張感 対人的な緊張感の解消 1.2. 理由2−インターネットをめぐるトラブルの発生 ①ショッピング業者の雲隠れ ②買った覚えのない請求書が届く ④危険物販売 ⑤個人情報の漏洩や名誉毀損 → 倫理的(モラルの)問題だけでなく、法的問題もある 1.3. ③有害情報の氾濫 ⑥ウィルス ネットワーク上の倫理を構築してゆく必要性 1) 技術/マナー ・公園で自転車に乗れるから、すぐに街路を走らせてよいのか? (運転技術は十分でも、交通法規やマナーが不十分。引き起こす事故の重大さの知識) 2) ネットワーク世界も技術のみでは不十分 ・効用+危険性の両側面を知る(当事者=子供+管理者=親) ・インターネット上の倫理(メディアリテラシー) 2. インターネットの効用−何ができるか? 2.1. 電子メール ①方法の多様性 ②付加情報 2.2. 一対一・一対多・多対多(メーリングリスト) 画像・映像・音声の添付 ウェブページ ①情報検索 ②情報発信 ③その他 http://www.sagami-wu.ac.jp、URL、サーチエンジン、リンク、HTMLなど ホームページ(ウェブページ)の作成、自己出版 インターネットショッピング、電子掲示板とチャット 3. インターネットの危険性−何が起こっているか? 3.1. 個人情報の漏洩 1) プロバイダ会員のカード番号、住所、氏名、電話番号が公開 2) 懸賞つきアンケートに回答したユーザー個人情報が別ページで公開 3) 閲覧記録から、個人(含む子供)の嗜好をデータベース化し販売戦略に(参考:クッキー) 3.2. インターネットショッピング ・ページの閉鎖、電話連絡が取れない、商品が送られてこない、違う商品が送られてくる 3.3. メール関連 ・迷惑メール(チェーンメール、DM、嫌がらせメール)、なりすまし(他人に成りすましたメール) 3.4. その他 1) コンピュータウィルス(データ破壊、情報漏洩、不当自動架電ソフト:国際電話、Q2) 2) 危険物の販売(薬物の無許可販売、爆発物の作り方の紹介) 3) 有害情報の公開(わいせつ、暴力、誹謗・中傷、ネズミ講への勧誘) 3.5. 加害者にならないために 1) IDの不正使用(他人のIDを使う・教える・売る) 2) 著作権の侵害(著作物・他人のページの無断利用、肖像権侵害、ソフト違法コピー) ・新聞社・雑誌の文章を無断公開、童謡「赤とんぼ」の詩や曲を自分のページに載せる 1 講義資料 − T.Hashiba 4. インターネットの特殊性−なぜ起こっているか? 4.1. ネットワークへの熱中はなぜ異様に見える−外側から見た情報行動 1) 相手の見えないコミュニケーションへの不安 A) 電話 声=身体性の証拠 B) ネットワーク 文字主体、本当は誰か分からない=身体性欠如 身体性を基盤とするコミュニケーションへの素朴な信頼あり 2) 時間感覚の相違 ・過度に長時間の没頭、主観的時間(あっという 間)/客観的時間の差異 3) 現実と異なる倫理観の氾濫 ・現実では特殊な場所に限定される情報(言葉遣い、画像など)が誰でもアクセス可能 【疑問】 それではネットワークとの付き合いは内側(意識)にどう影響するのだろうか? 4.2. ネットワークと倫理観の変容−内側から見た情報行動 1) あらためてネットワークの特徴を分析すると ①時間・距離の制約なし 内/外、公/私の区別の曖昧さ ②身体性の欠如 匿名性、他者の視線の欠如、痛みなどの欠如 ③対人関係の複雑性なし いやならすぐ止められる → ネットワーク上での制約の緩さ 2) 制約と倫理観の変容 ・制約条件が変容→倫理観も変容? 「リセット症候群」、二分法的思考法、匿名性による二重の人格 ・現実の倫理観は制約の上に積み重ねられてきたのでは? 【疑問】 しかしこのような 倫理変容は仮想世界だけの話では?テレビやゲームとどう 違う? → ゲームと異なるところは、「現実」と関係するかどうかにある 4.3. 特殊な仮想世界としてのネットワーク−仮想/現実の連続性 1) ネットワークと他メディアを比べてみる ・テレビや映画との比較 A) テレビ、映画 インタラクティビティなし:三人称的視点(観客) B) ネット、ゲーム インタラクティビティあり:一人称的視点(行為者) 【疑問】 後者のリアルさ、しかしゲームとどう 違う?所詮は仮想世界の話では? ・ビデオゲームとの比較 A) ゲーム 現実と独立 (ただし混同された傷害事件あり) B) ネットワーク 現実とのリンク (相手は現実存在、商取引も発生する) → ネットワークは「仮想でありつつも現実」という 特殊なメディア(仮想と現実のリンク) 2) 仮想/現実のあいまいさと価値観の変容 A) 従来社会 各々の価値観の棲み分け(XX世界だけで通用する価値観) B) ネットワーク社会 仮想世界/現実世界の連続性(価値観の棲み分けのあいまいさ) → 価値観棲み分けの曖昧さは、われわれの「現実」観、ひいては倫理観の変容を促す 3) 現実/ネットワーク関係の再構築 A) 従来社会 長い歴史の中で倫理観を形成(試行錯誤) B) ネットワーク社会 未だ歴史浅きネットワークコミュニケーション → ネットワークリテラシー(現実/ネットの健全な付き合い方の基礎知識)の必要性 5. ネットワークリテラシーの必要性−どうすればよいのか? 5.1. ネットワークに対するリテラシー 1) メディアリテラシー(情報の一面性の教育)、ネットワークリテラシー(情報発信の仕組みの知識と体験) 2) 個人情報の管理: アドレス、パスワードの変更(自分の事は自分で管理する) 3) 不要な情報から身を守る: 情報のレイティング(フィルタリングソフトの導入) ・情報のレイティング(フィルタリングソフトの導入) 5.2. 子供とネットワーク 1) カナダの「メディア・アウェアネス・ネットワーク」での事例 2) 親がいっしょにいて「共に」判断する 最終的にはその家庭での価値観の問題 2 講義資料 − T.Hashiba 参考文献 1. 哲 学 ・ 心 理 学 的 な も の ・FINEプロジェクト「情報倫理学研究資料集I」,1999.(千葉大、京都大、広島大の情報倫理の構築プロジェクト) http://www.fine.bun.kyoto-u.ac.jp/tr1/ ・加藤尚武「情報倫理とポルノグラフィー 」, 1998.(鳥取環境大学学長:倫理学) http://www.ethics.bun.kyoto-u.ac.jp/kato/info2.html, ・柴崎文一「情報倫理学研究序説」, 2001.(総合研究大学院大学:インターネットの本質である「開放性」と、近 代社会の本質である「プライバシー」が齟齬をきたす。これらを見据えず商業主義的原理で拡散する近代 技術を、人間の活動全体の中での技術の位置付けを再度検討すべきという議論 http://ccre.soken.ac.jp/~bash/papers/ie/i_ethics.htm, ・坂元章「子供を取り巻くテレビとインターネット」他, 1999-2000.(御茶の水女子大:社会心理学。テレビゲーム、 テレビ、ペット型ロボット、インターネットなどと子供の関わりを心理学的実験で分析したもの) http://www.hss.ocha.ac.jp/psych/socpsy/akira/base1.htm, ・Wendy L. Josephson, Ph.D. for the Department of Canadian Heritage: Television Violence:A Review of the Effects on Children of Different Ages.(テレビでの暴力が子供に与える影響を心理学的に分析) http://www.media-awareness.ca/eng/med/home/resource/tvviorp.htm ・「情報倫理に関連するサイト」 http://www.isc.meiji.ac.jp/~sumwel_h/links/link18.htm ・橋場利幸「現実と非現実のあいだのあいだ―ネットワークコミュニケーションにおける相互理解の問題」,相模 女子大学紀要 1998 VOL.62. http://www.sagami-wu.ac.jp/kojin/hashiba/myself/papers/kiyou.html 2. 子 供 と イ ン タ ー ネ ッ ト ( メ デ ィ ア リ テ ラ シ ー ) ・福島章『子どもの脳が危ない』,PHP新書, 2001.(上智大学:犯罪心理学。脳のハードが環境ホルモンによって 変容し、脳のOSが幼児期からのテレビによる絶え間ない情報の洪水にさらされて、最近の子供は言語 情報ではなく、イメージ的な断片情報しか処理できなくなっているし、それゆえ言語的なルールに縛ら れるのは苦手で、倫理観も変容している、という 議論) ・佐伯胖『新・コンピュータと教育』岩波新書,1997.(コンピュータを、「人間に使いやすい道具」として「学びを支 援する道具」にすべきだという議論) ・Media Literacy Project in Japan「メディア・リテラシーの世界」(メディアを批判的に分析してゆこうというもの) http://www.mlpj.org/ ・アルク社『Global EduNET』MEDIA LITERACY(海外でのメディアリテラシーを中心に紹介された雑誌連載) http://www.alc.co.jp/edunet/mdlit/mdlit99.html 3. 事 例 集 ・ 河崎貴一『インターネット犯罪』,文春新書, 2000.(さまざまなネットワーク犯罪事例のレポート。Webでは http://bookweb.kinokuniya.co.jp/ などで検索可能。それによれば「インターネットの普及でハイテク犯罪は 急増の一途。詐欺やワイセツ事件をはじめ、自殺幇助を請け負ったり無許可で薬物を提供したりする危険 なサイトが横行し、オウム真理教もネットを活用して勢力を拡大した。殺人依頼やレイプの勧誘、プライバシ ーを公開した告発や中傷、サイバーテロの危険をはらむ ウイルスや透明人間のごときハッカーの恐怖など、 防止策や法制の対応もまじえ、本書ではその恐るべき実態を紹介する。あなたを守るための一冊です。」 ・警視庁ハイテク犯罪対策総合センター(さまざまな犯罪事例の紹介。ハイテク犯罪対策総合センター の業務、 詐欺商法、誹謗中傷、ダイヤルQ2、国際電話、チェーンメール、ウィルス、ネズミ講、安全なネットの歩 き方、利用料金不正請求、出会い系サイトなど) http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/haiteku/submenu.htm. 4. ガ イ ド ラ イ ン ・「インターネットを利用する方のためのルール&マナー集」, 財団法人日本インターネット協会 (社内版:イン ターネット利用のための社内ルール整備ガイドライン、一般版:インターネットを利用する方のためのル ール&マナー集、子供版:インターネットを利用する子供のためのルールとマナー集、パソコン通信版: 3 講義資料 − T.Hashiba パソコン通信サービスを利用する方へのルール&マナー集、がある) http://www.iajapan.org/rule/ ・日本情報倫理協会のホームページ http://www.janl.net/ ・情報教育学研究会(IEC)・情報倫理教育研究グループ編著「インターネットの光と影 −被害者・加害者にな らないための情報倫理入門−」北大路書房, 2000.(以下のURLから、要約「被害者・加害者にならない ためのインターネット利用」をダウンロード可能) http://www.psn.ne.jp/~iec-ken/rinri/ ・Media Awareness Network(Mnet)のホームページ(カナダのメディア・リテラシー関連NPOのなかでも特にイン ターネット上での活動を展開することに専念している) http://www.media-awareness.ca/eng/med/home/medwise.htm ・非営利組織「スクールズオンライン・ジャパン」による上記のページ「メディア・アウェアネス・ネットワーク」の部 分的翻訳 http://www.mediafusion.co.jp/school/media-awareness/m-AwarenessTOP.html ・Media Awareness Network(Mnet)の”Managing the Internet”(上記のうち、インターネットと子供の付き合い方 に関する具体的ガイドライン) http://www.media-awareness.ca/eng/med/home/manmed/manweb.htm ・電子ネットワーク協議会「レイティング/フィルタリング情報」(Webページの内容のランク付けに関するもの) http://www.nmda.or.jp/enc/rating/index.html 5. コ ン ピ ュ ー タ の し く み ・石田晴久『新パソコン入門』岩波新書,2000.コンピュータの使い方、コンピュータの内部構造と動作原理、イン ターネットの仕組み、最近の動向などを解説した初心者向けの文献。 ・佐々木良一『インターネットセキュリティ入門』岩波新書, 1999.(セキュリティに関する専門的解説) 6. そ の 他 ・木暮仁「Web教材テーマ一覧表」(東京経営短期大学経営情報学科の先生のテキスト) http://home.highway.ne.jp/kogure/jugyo/webtext/ ・高等学校 普通教科『情報』の試作教科書(2003年高校に新教科『情報』が設定されすべての高校生が「情 報A」「情報B」「情報C」のうち少なくとも1科目を必ず学ぶことになる。これは情報処理学会での「試作教 科書(仮称)」として1998年10月に公開されたもの) http://www2.ics.teikyo-u.ac.jp/InformationStudy/ 4 講義資料 − T.Hashiba インターネットを管理する Managing the Internet1 訳: 橋場 利幸 多くの親たちはインターネットを家庭に持ち込むことを心配しています。子供たちはいつも電子メディアのヘ ビーユーザー でしたし、その結果として、このエキサイティングなメディアの中におぼれてしまうのは避けられな いでしょう。しかしながら、安全性 とプライバシーに関する理由から、インターネットの魅力的な世界を子供たち が探検する際には、親たちは彼らのガイドとして、アクティブな役割を引き受けなければなりません。 政府や産業界はインターネットを子供たちにとって安全な場所にするよう働いています −例えば、オンライン マーケティングやプライバシー保護のための「行動規範code of conduct」を実施したり、ウェブサイトのレイティン グ2 システムを開発したり、よりよいブロッキングソフト3 を作り出したりといったように 。しかしながら、親たちは、子 供たちを守り、ネットサーフィンを安全で楽しい経験にする最良の防御壁であることに変わりありません。 はじめに ・ウェブを良く知った人になれば、子供たちのオンライン上の経験を指導することができるでしょう。もしあなたが ウェブサーフィンをしたことがないとしても(そうしていまだにJavaのことをコーヒー のことだと思っているとし ても!)、インターネット上で気楽に感じるまでにはそう 長い時間はかかりません。 ・新聞の技術欄 に目を通して、ウェブに関する最新の話題をいつも知るようにしてください。新しい技術は、親 たちに新しいチャレンジを要求します。 ・インターネットのポジティブな側面に焦点を絞ってください。あなたは子供たちを図書館 に連れてゆくときに、 行くべきではないところを先に話すことからスタートはしないでしょう。むしろ、子供たちにとって興味深 い本 のある場所を教えてあげるはずです。インターネットの場合も、同じようにアプローチしてください。あなたの 子供たちが、勉強したり友人達と共通の興味を持てるようなサイトを指導し、あなたの監督のもとで安全に 歩き回れるようにしてください。 オンラインマーケットは子供たちを狙っている 広告主たちは、規制のないインターネットが、子供向けマーケットにとって理想的な媒介であることを発見しま した。子供向けエンタティメントに見せかけた、インタラクティブな4 広告サイトがWWW上で急増しており、マー ケッターの中には、子供たちのオンライン上でのコンピューター の利用のしかたを追跡し、個人情報を収集する ために、これらのサイトを利用しているものもあります。 ワシントンにある研究機関メディア教育センター Center for Media Educationの1996年のレポート『詐欺のウェ ブWeb of Deception』において暴露されたのは、詳細なデータを収集し子供たちの個人プロフィールをまとめる ために、インターネットマーケッター によって開発されたさまざまなテクニックでした。このようなプライバシーの 侵害が、米国において、子供たちからのオンラインデータ収集制限に関する法律制定の導火線となり、続いて は、ビジネス側でも子供へのオンラインマーケティングのための自主行動規制を採用させる圧力となりました。 このレポートのハイライトは、格好良くて子供にとって親しみやすいウェブサイトを運営するマーケッター に使 われた、さまざまな情報取得のテクニックです。その戦略には以下のようなものが含まれています。 ・調査、ゲーム、クラブなどを通して、子供たちから個人情報を引き出す ・よく知られたキャラクターの製品を使って、子供たちとのインタラクティブな関係を発展させる ・将来のセールスのために、子供たちのオンライン上での活動をモニターし、彼らの詳細な個人プロフィールを まとめる ・個々の子供に対してパーソナルな5 広告をすることをもくろむ ・教育的内容とエンターティメントの境界線をぼかしておく 1 2 3 4 5 http://www.media-awareness.ca/eng/med/home/manmed/manweb.htmより、一部省略して試訳。 (訳者注:格付けのこと) (訳者注:一定のページにアクセスできないようにするもの) (訳者注:双方向的なやり取りができる) (訳者注:その子供の嗜好にあった) 5 講義資料 − T.Hashiba ・広告サイトへ移行するアイコンをクリックするように 子供たちを促す あなたの子供たちといっしょにコマーシャルサイトを探検し、子供たちが、それらにマーケット戦略が採用され ているということを理解するようにしてください。あなたの子供たちのプライバシーを守るためには、子供たちが、 インターネット上であらゆる個人情報を提供する前に、常にあなたと一緒にチェックするようにしてください。 チャットルーム、ニュースグループと電子メール 子供たち、とりわけティーンにとって、インターネットの最高のアトラクションのひとつは、そのインタラクティビ ティです。世界中で友達ができるということは、ネットのすばらしい利用になりえます。しかしながら、「チャット友 達」たちは、必ずしも友人としての価値のある人ばかりではない、ということも心にとめておいてください。オンラ イン通信における匿名性は、人々に誤った自己表現をさせがちなのです。 以下にあげる安全のための秘訣を心にとめておいてください。 ・あなたの子供たちに、常にニックネームを使うこと、親であるあなたが受取人のアイデンティティを確信するま では、子供たちが決して個人情報を明かさないようにすることを確認してください。 ・もしもあなたの子供たちが、インターネット上で使うパスワードを持っているなら、それを決して誰にも明かさな いようにすることを確認してください ・不快な言葉や表現を含んだニュースグループへのアクセスをブロックできる「フィルタリング」ソフトを利用する ことを考えてください(フィルタリングソフトに関するさらに詳しい情報は、下記の「憎しみやみだらさに 満ち た内容から子供たちを守るために」の項を参照) ・もしあなたの子供たちが、不快もしくは不要なメールを受け取ったら、そのコピー(送信者の電子メールのアド レスを含む)をあなたのサービスプロバイダ6 に送ってください ・親がいっしょにいることが 安全なネットサーフィンの鍵なのですから、あなたのコンピュータを家族がよく使う場 所に置いておきましょう。この方法なら、あなたは子供たちのオンライン上での活動に目を配ることができる ようになります。 憎しみやみだらさに満ちた内容から子供たちを守るために インターネット上にある、不快でみだらさに満ちたサイトへのアクセスを制限しようとしている親たちにとって、 助けになるさまざまな技術が入手可能です。 ・ 単体のフィルタリングソフト テレビのVチップ 7 にあたるもので、「フィルタリング」ソフトは、成人向け内容や不快な言葉を含むようなウ ェブサイト、ニュースグループ、チャットルーム、電子メールから防御されるように デザインされたソフトです。 新しいパソコンの中に、搭載されている他のプログラムといっしょについてくることもあります。この種のもの は、Surfwatch, Cyber Patrol, Cybersitter, NetNannyといった製品です。 ・ 商用オンラインサービスで防御する場合の特徴 現在、多くのインターネットサービスプロバイダは顧客にフィルタリングソフトを提供しています。これらの 特徴は、簡単に使えることと、通常のメニューの一部にオプションとしてユーザー に提供されていることで す。 ・ ウェブをベースにしたPICSフィルタリング 現在多くの「ブラウザ」−WWWにアクセスするためのソフト−は、親たちに、ウェブサイトレイティングシ ステムを使 って、ある種のもののアクセスをブロックすることを認 めています 。Net Shepherd, RSACi, SafeSurfなどといった製品は、その内容に従ってサイトをクラス分けし、「子供に安心な」と格付けされたサ イトのアクセスのみを許すようになっています。 これらのフィルタリング技術は、あくまで道具であって、親たちのガイダンスの代わりを意味しているのではあり ません。毎月続出する何百万という新しいウェブサイトをモニターして格付けするのは、実質的 に不可能 です。 6 (訳者注:インターネット接続サービス会社) (訳者注:過激な暴力や性描写のシーンをテレビ画面に写らないようにするマイクロチップの装置。V は violence。あら かじめ設定されたランクと照合し,画面に写すか否かを判断する) 7 6 講義資料 − T.Hashiba 多くのソフトは、難しくで調整するのに時間を浪費してしまいます。ほとんどの人が挫折してしまい、そうでない 人にとっても、多くの価値のある内容のものをブロックしてしまうという 制約があるのです。 子供に適したサイト (略) 子供向けの家庭でのオンラインルール 以下の、子供向けインターネット利用法 のプリントを印刷してください。あなたの家族と一緒にこのルールを読 み、その後、簡単に見られるように 、あなたのコンピュータのそばに貼っておいて下さい。 家庭でのオンラインルール8 ・私は、両親の許可なしでは、決して個人情報 をオンライン上で教えません。教えない個人情報 とは、私の名 前、電話番号、住所、電子メール、私の学校の場所、私の両親の職場の住所と電話番号、クレジットカード の番号などです。 ・私は、インターネットを使うときには、いつも偽の名前かニックネームを使います。 ・私は、パスワードを作るときには、見破られにくいけれど私にとっては覚えやすいような、一枚上手のものにし ます。盗まれるのを避けるために、私は決してそれを誰にも漏らしません。 ・私は、私を不快にするようなどのようなメッセージにも応答しません。私はすぐにログオフして、大人に伝えま す。 ・私は、両親のどちらかに知らせて同席してもらえるような 場合にしか、インターネット上で知り合った友人と直 接会いません。 ・私は、オンライン上の誰にも、侮辱したり無作法 だったりするメッセージを送りません。これは「フレーミング」と 呼ばれ、良いネチケット(訳者注:ネットワーク上のエチケット)ではありません。 ・私は、両親がコンピュータに入れたフィルタリングソフトを無効にしません。 ・私は、インターネット上で読んだすべてのことを 信じるのではありません。私は、いつも情報源 をチェックし、そ れを私の先生、両親や図書館員に確認します。 8 (訳者注:以下はリンク先より転載) 7
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