答えなし - 日本文理大学

学籍番号:
氏名:
情報メディア概論
第12回講義資料
担当:坪倉篤志
授業日 07/1/12
今回のテーマ
[
1.
]
概論 Web 制作とはどのような分野か
Vannevar Bush 」が発表した概念、
HyperText, HyperMedia の世界を元に構築された。これは人の 知識 、記憶の構成をモデル化
し、具現化した世界。人間には「五感」があると考えられる。
「 視覚 」
「 聴覚 」
「触覚」
「嗅
Web、インターネット関連の世界は、1945 年「
覚」「味覚」である。現在の Web は、この中の視覚、聴覚に注目し構築されている。
インターネットは
1969
年アメリカにて、
日本での商用利用が始まったのは、
1992
軍事・学術研究
目的として開始された。
年、商用プロバイダである
IIJ
等が中心となり
サービスが開始された。
Web ページ(ホームページ)では、
文字情報
、
静止画像
、
動画像
、
音楽
等の様々なメディアを統合的に扱える。また Web サイト管理、構築に必要となるプログラミング技
術、また、利用者が Web ページに対するアクセスプロセス、この対話プロセスに対する設計として、
ヒューマンインタフェース設計能力まで要求される。このように Web 制作は複合領域として、多岐
にわたる知識と共に制作技術、開発技術が要求される。また多くの技術は日進月歩であり、多くの新
しい技術、トライアルがなされており、これからも大きく変貌する分野である。
2.
要素技術・要素スキル
様々なメディアを統合的に扱える Web ページであるが、Web 制作においては、これらを自在に操
るために必要な様々な要素技術がある。ここでは要素技術についてまとめる。
0. 総合力:文章力、構成力、レイアウトデザイン、インフォメーションアーキテクチャーデザイン
1. HTML
(
Hypertext Markup Language
):<>で囲まれるタグにより、ページ
上の情報の構造を記述する。これにより画像、文字、音等の様々な種類の情報を1つのページに
構成する。また
スタイルシート
(CSS)を用いた詳細かつ高精度な Web デザイン技術も
必須とされている。
(マルチメディア演習、ドキュメントデザイン1)
2. 画像処理、素材制作技術
(Adobe Photoshop,Adobe Illustrator):Web ページ制作にお
けるボタン素材、背景素材等の制作技術。制作現場においては、Photoshop や Illustrator を用い、
Web サイトの試作版を作っているデザイン事務所もある。
(マルチメディア基礎)
3. プログラミング( Perl
, JavaScript
):プログラムを用いた Web サイト生成、サイ
ト利用記録の解析等、サーバー管理運営、サーバーコントロール、アンケート取得、サイトにお
ける対話性(マルチメディア演習)
4. Flash
(アニメーション、インタラクション):ベクターアニメーションを用いた Web サイト。
Flash により、アニメーションを用いたサイト、対話型サイトの構築が可能である。対話型サイ
トとは、ボタンの設置とプログラム言語(Action Script)によりユーザー操作に応答するコンテ
ンツを指す。近年では Flash のみを用いたサイトも増えてきており、Web 制作においては必要不
可欠なスキルとなりつつある。また、oracle 等の DB(データベース)との連携、インターネット
ストリーミング(中継)等、統合的にメディアを扱えるプラットホームとなりつつある。(ドキュ
メントデザイン2)
5. コ ン テ ン ツ マ ネ ー ジ メ ン ト シ ス テ ム
System
(CMS:
Content Management
)ポータルサイト、ニュースや Blog で多く利用されている。様々なコンテンツをデ
ータベースで管理。管理されるデータ達をWebページの上に配置し、閲覧できるシステム。代
表的システムとして Xoops, Zope, Wiki 等が多く用いられている。それぞれのシステムの開発言
語構成は様々であるが、Perl, PHP,等の
ス言語
プログラム言語
と SQL 等の
データベー
との組み合わせで構成される。(プログラミング応用)
6. 複合領域:Web 制作では複合領域として様々な知識が要求されます。ネットワーク、データベー
ス、プログラミング(C 言語、Java 他)、ヒューマンインタフェース、知識処理等
3.
研究動向・技術動向
非常に若い分野ではあるが、現在、Web の分野は社会にとって必要不可欠な分野となりつつある。
これは社会を構成するために必要となる、水道、ガス、電気と同じ位置づけとなりつつある。
1.
複合領域へ、社会の
基盤技術化
:個人間のみならず組織間での情報通信、物流管理
に利用される。更なる高速、広帯域情報伝送技術、無線通信技術の発展、情報端末の発達
2.
情報発信の
個人化、容易化
:Web ページを用いた情報発信は個人でも行える情報
発信手法として広く広まった。これまでは Web サイトを構築できる技術者による情報発信であ
った。しかし様々な技術により、Web ページ制作もタグを知らない利用者でも、ある程度の Web
サイト構築が可能となってきている。
3.
動画像
の利用:古くより Web を用いた動画像配信技術はあった。「RealVideo」,
「WindowsMedia」, 「QuickTime」等。しかし様々な技術的問題、インフラの整備状況等の問
題により、あまり利用されてこなかった。そのため、コレまでの Web ページにおいては、静止
画像を用いたサイトが中心であった。近年のインフラの整備と高速、広帯域の情報通信網の普及
による、動画像を用いたサイトの増加されてきている。また地上波デジタルを用いたモバイル放
送の試験運用が開始されている。また、2004 年頃より放送とインターネットとの連携された番
組放送やトライアルが多くなされている。
(Lost,BLOOD+,交響詩篇エウレカセブン等)ま
た、Podcasting による動画配信、動画 Blog 等も始まっている。
4.
インタラクション
迄の設計とデザイン:利用者がサイトを利用する場面を想定し
たサイト設計。芸術作品としての設計やデザインではなく、利用者と Web ページとの対話を視
野に入れた、サイト設計能力が求められている。特に Flash 等を用いた動的な Web サイト構築
においては、ヒューマンインタフェース設計能力、ゲーム的対話型 Web サイトの構築。学術分
野としては認知心理学、Human Computer Interaction。
5.
e-learning
産業へのシフト:コンピュータやインターネットを用いた教育に対する
研究分野はインターネットが開始されたと同時に開始されている。これは遠隔教育を含めたネッ
トワークを用いることによる新たなる教育の可能性に対する研究として行われている。現段階で
の e-learning 産業において用いられている技術は、研究分野における歴史的位置付けでは非常
に初期のモノである。しかしこれからインターネットを用いた教育分野は非常に大きなマーケッ
トになると期待されている。現在、Web を用いた e-learning 分野においては、WebCT, Moodle,
TIES 等の Web アプリケーション/サーバーアプリケーション等の提案と共に、教育コンテンツ
(Web ページ)迄を含めた、ソリューションとしての提案も非常に多くなされている。
(
ユビキタス
6.
ubiquitous
)化:情報端末の小型化、高性能化に伴い、無
線通信技術の発展により、ユビキタス化が進んでいる。〔コンピューターを意識することなく現
実生活のいたるところで利用できるような環境という意味でユビキタス-コンピューティングな
どが注目されている〕携帯電話との融合、生活への密着
4.
関連資格
Web 制作に関連する資格についてまとめる。資格は取得する事が目的では無く、ある種の技能、知
識を持つ人である事の証明である。資格に求められる知識や技術には様々あるが、多くにおいて、現
場では資格以上の知識、技術、そして経験が求められる。
NACSE
1.
: http://www.nacse.co.jp/ 特定のメーカーの技術や知識にとらわれず、世
界中で通用するネットワーク知識、技術理解レベルをはかるベンダー中立の NACSE 認定資格。
アメリカでは約 30 の IT 関連企業、400 を超える大学・教育機関がこの資格を採用しており、
専門学校生から大学、大学院生、企業の即戦力となる IT 技術者まで幅広い層が取得している。
NACSE Web マスターでは1スター(☆)、2スター(☆☆)に分かれており、☆☆では制作技術
(HTML, CSS)、開発技術(Perl, JavaScript, ASP)、e コマース、ソフトエンジニアリング等が求
められる。
.com Master
2.
: NTT コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ズ イ ン タ ー ネ ッ ト 検 定 :
http://biz.ocn.ne.jp/master/ ビジネスで、生活で、求められる検定:IT 社会は、事業者、行政、
住民において、利用者の IT スキルの向上に伴い、ビジネス、行政サービスの発展、利用者の裾
野拡大を促す拡大スパイラルが形成されることで発展します。インターネット検定は、この拡大
スパイラルにおいて利用者の立場からみたビジネスおよび利用者自身に注目し、インターネット
に関する知識・スキルを対象とした検定です。
3.
Web クリエイター検定:http://www.joho-gakushu.or.jp/ 全日本情報学習振興協会
インター
ネット環境が急速な勢いで進歩するなか、ホームページの持つ情報伝播能力があらためて注目さ
れている。IT 化が進む現代、ホームページの企画から完成までをトータルにクリエイトする能
力と知識を有することを認定する試験
4.
Web プログラミング認定試験:http://sikaku.gr.jp/
会
サーティファイ Web 利用・技術認定委員
Web 上で動作するプログラムを利用して、インタラクティブな Web サイトや業務システム
を制作するための、プログラミング能力を認定する資格。PHP、ASP、JSP 等
5.
CG Creator(Web デザイン部門) CG-ARTS 協会
コンセプトメイキングから情報構造、インタ
フェースまでの Web デザインの基礎から実制作に必要なページデザイン、動きや音などを用い
た効果、公開に向けたテストと評価等の運用に至るまでの全工程の知識
http://www.cgarts.or.jp/kentei/creator/web.html
要素技術に関する資格(マルチメディア、IT に関連する資格全般)
マルチメディア検定、CG 検定、基本情報処理技術者、IC3、Flash クリエイター能力認定試験等
資格に関する情報サイト
ケイコとマナブ.net http://www.keikotomanabu.net/
資格と就職スクールジョブ
http://www.schooljob.jp/
5.
社会(産業・企業・経済等)との接点
Web と社会との接点であるが、現在、非常に多岐にわたる分野において Web が利用されている。こ
こでは、社会、個人生活、経済等と Web との関連について簡単にまとめる。
1.
広報媒体、情報発信媒体
:現在、Web による広告は広告産業においても非常に重
要な位置づけとなっている。これは非常に安価に組織そのものの広報が可能であるためである。
しかし、Web サイトを見てもらう、見に来てもらう為に、様々な手法を用いて、Web を用いた
広告戦略がとられている。
2.
e-business / e-コマース
:Web を用いた商店等である。Amazon が実際の店舗を持
たない書店としてサービスを開始して以来、非常に多くの Web を用いた商店が立ち上がった。
また Web を用いた商店に対するサービスまで出現し、楽天市場等が有名である。
3.
e-learning
:Web を用いた教育に対する可能性が見直されている。現在、様々なサイ
トを用いた教育コンテンツの情報発信が行われている。特に学術研究分野において、大学教員、
研究者による、様々な学術情報の発信が行われている。また商用サイトとして、通信教育などが
Web を用いたサービスを展開しつつある。さらに、Web サイトだけで運営されている大学まで
出現している。
4.
地域の活性化
、コラボレーション
:地域活性化、観光向けの広報媒体、
情報発信媒体として、Web が非常に多く構築されている。特に地方においては、土地の売買、
広報、地元産業の広報等にも利用されており、先の楽天市場等とのコラボレーションにより、生
産者に密着した、食料品などの販売も行われている。
6.情報メディア学科における科目間関係
(知識)
(該当科目)
Web でできること
E コマース、E ビジネス、
マルチメディア演習、ドキュメントデ
ヒューマンインタフェース、認知科
ザイン1、ドキュメントデザイン2
学
デザイン、レイアウト
認知科学、ヒューマンインタフェー
マルチメディア全般、IT 業界全般
ス、ヒューマンインタフェース演習
(技術)
文章作成能力/論理的思考力
マルチメディア基礎、画像表現基礎
プログラム言語
(HTML, CSS,Perl,JavaScript 等)
素材作成技術(Photoshop,Illustrator)
Flash(静止画,アニメーション,ActionScript)
言語メディア表現系科目、情報デザイ
ン
7.
読書案内・学習アドバイス
新しい情報や技術がどんどん出てくる世界です。そのため、Web を用いたニュース系サイト、メルマ
ガ、メーリングリストを読む中で、書籍などに掲載、解説されている情報をよく掴んでください。ま
た非常に範囲が広いです。ざっくりと全体を見るのもよし、特に興味のある分野を中心として見るの
も良いです。
ニュース系サイト
z
Google ニュース
http://news.google.co.jp/
z
IT Media
z
Impress
z
Hotwired
z
スラッシュドットコム http://slashdot.jp/
z
CNET
z
Wikinews
http://www.itmedia.co.jp/
http://www.watch.impress.co.jp/
http://hotwired.goo.ne.jp/
http://japan.cnet.com/
http://en.wikinews.org/
技術の解説
1.
とほほの WWW 入門
http://www.tohoho-web.com/
HTML, スタイルシート, CGI, SSI,
Perl, Java 等、丁寧にまとめられています。書籍としても出版されてます。
2.
SAK Streets http://homepage2.nifty.com/sak/ :様々なプログラミング言語からパソコンの基
礎知識まで、解説されています。プログラミング言語(VB, SQL, CGI-Perl, ASP, JavaScript,
SQL, PHP 等)
3.
Smart!!ウェブ講座 http://www.rfs.jp/ :Perl,JavaScript,HTML,CSS,Flash,SQL 等、色々な
講座を用意されています
書籍
1.IT に関する書籍、雑誌全般
z
WebDesigning 毎日コミュニケーションズ
z
WebCreators
毎日コミュニケーションズ
2.言語:土台
z
インターネットハンディリファレンス
z
10 日でおぼえる Perl/CGI 入門教室
シリーズ、JavaScript,Perl,HTML 等
翔泳社 http://www.shoeisha.com/book/hp/10days/
3.デザイン(画面上のデザイン、情報デザイン)
z
Web デザイン・ハンドブック
z
レイアウトアイデア見本帳
z
レイアウト基礎講座
z
ハイパーテキスト情報整理学
z
情報デザイン
z
ユーザ中心ウェブサイト戦略
MdN
MdN
資格デザイン研究所
構造的コンテンツ作成のすすめ
分かりやすさの設計
ロバート・E・ホーン
グラフィック社
SoftBank Creative
4.仕事関連
z
Web デザイナー1年生
ついての解説
WORKS CORPORATION:業界における仕事の中身と進め方に
z
ウェブサイト制作
ワークフローの基礎知識
MdN
5.読み物
z
メディアの考古学
z
テレビゲーム文化論
z
動物化するポストモダン
∼オタクから見た日本社会∼
z
オブジェクト脳の作り方
翔泳社
z
ネクスト・ソサエティ
z
フラット化する世界(上下)
橋本 典明
工業調査会
∼インタラクティブメディアのゆくえ∼
P.F.ドラッカー
講談社現代新書
講談社現代新書
ダイヤモンド社
トーマス・フリードマン
日本経済新聞社
分野に接するポイント
新しい技術や情報に興味を持つこと
興味を持つ技術や情報に触れること、試してみること、やってみること
こんなのが出来たらな∼と思うこと、そしてやってみること
第12回課題
1.
Web of the year 2006 の中から 1 つ選び、各自の言葉で説明しなさい(200字程度)
•
2.
Web of the Wear 2006 http://www.sbcr.jp/yig/woy2006/index.html
下記のキーワードの中で解らない言葉を 1 つ以上選択し、各自の言葉で説明しなさい。
(技術の利用
されている場所、特徴
•
200字程度
※全てわかる場合、興味のあるキーワードを選択しなさい)
キーワード: CMS, SNS, CGM, Perl/CGI, Ajax, CSS, HTML, Podcast, RSS, xoops, wiki,
Skype, JAJAH
※
Web に掲載の情報、または友人の情報を元とした、コピー&ペーストであると判断できる提出物に関
しては評価いたしません
提出先:坪倉篤志
[email protected]
メールサブジェクト(メールタイトル)
ネチケット
〆切
**さん
1月19日(木)
∼∼です
情報メディア概論
++を提出いたします。
第12回
学籍番号
名前
よろしくお願いします。
18:00 (〆切の翌日に評価します。)