Toward New Goals Moving

日本通運株式会社 ANNUAL REPORT 2009
Toward New Goals
Moving
T o w a r d
N e w
G o a l s
w i t h
Annual Report 2009
2009 年 3月期
〒105-8322 東京都港区東新橋一丁目9番3号
日本通運は1937年、社名にもある通り鉄道貨物のターミナルとお客様先を結ぶ
「通運業」
T E L:03-6251-1111
(日本語)http://www.nittsu.co.jp/
URL:
(英 語)http://www.nipponexpress.com/
からビジネスをスタートさせました。それから70年以上、当社は運輸を中心に事業の幅を
広げ、日本で最大規模のロジスティクス企業へと成長を遂げました。そして陸、海、空の
あらゆる輸送モードにおいて付加価値の高い物流サービスを提供し続けることで、お客様
から厚い信頼をいただいています。
世界へ目を向けたのも早く、2008年7月には初めて海外に拠点を設けてから50年を迎え
ました。現在では世界37ヵ国に382の拠点を展開し、海外関連の売上は全体の30%近く
を占めるまでになっています。
私たちは今、当社グループのビジネスを一層進化させ新たなステージへ上るために、様々
な施策からなる経営基盤強化方針に取り組み始めました。景気環境の厳しさが続く中に
あっても世界的なロジスティクス需要を確実につかみ、より強い日本通運グループへと
ステップアップを果たしていきます。
Contents
Printed in Japan
August 2009
02 財務ハイライト
04 社長インタビュー
特 集:
2009年度日本通運グループ経営基盤強化方針
10 最重要取組課題 1:
ローコスト体制の構築
12 最重要取組課題 2:
営業力強化のための諸施策の実施
16 最重要取組課題 3:
小口貨物事業への的確な対応
海外所在地別セグメントの概況
18 米州
20 欧州
22 アジア・オセアニア
CSRの推進
26 目標と実績
27 コーポレート・ガバナンス
29
30
32
33
57
60
61
取締役・執行役員・監査役
環境保全活動
社会貢献活動
財務セクション
グローバルネットワーク
会社情報
株式情報
日本通運株式会社 ANNUAL REPORT 2009
Toward New Goals
Moving
T o w a r d
N e w
G o a l s
w i t h
Annual Report 2009
2009 年 3月期
〒105-8322 東京都港区東新橋一丁目9番3号
日本通運は1937年、社名にもある通り鉄道貨物のターミナルとお客様先を結ぶ
「通運業」
T E L:03-6251-1111
(日本語)http://www.nittsu.co.jp/
URL:
(英 語)http://www.nipponexpress.com/
からビジネスをスタートさせました。それから70年以上、当社は運輸を中心に事業の幅を
広げ、日本で最大規模のロジスティクス企業へと成長を遂げました。そして陸、海、空の
あらゆる輸送モードにおいて付加価値の高い物流サービスを提供し続けることで、お客様
から厚い信頼をいただいています。
世界へ目を向けたのも早く、2008年7月には初めて海外に拠点を設けてから50年を迎え
ました。現在では世界37ヵ国に382の拠点を展開し、海外関連の売上は全体の30%近く
を占めるまでになっています。
私たちは今、当社グループのビジネスを一層進化させ新たなステージへ上るために、様々
な施策からなる経営基盤強化方針に取り組み始めました。景気環境の厳しさが続く中に
あっても世界的なロジスティクス需要を確実につかみ、より強い日本通運グループへと
ステップアップを果たしていきます。
Contents
Printed in Japan
August 2009
02 財務ハイライト
04 社長インタビュー
特 集:
2009年度日本通運グループ経営基盤強化方針
10 最重要取組課題 1:
ローコスト体制の構築
12 最重要取組課題 2:
営業力強化のための諸施策の実施
16 最重要取組課題 3:
小口貨物事業への的確な対応
海外所在地別セグメントの概況
18 米州
20 欧州
22 アジア・オセアニア
CSRの推進
26 目標と実績
27 コーポレート・ガバナンス
29
30
32
33
57
60
61
取締役・執行役員・監査役
環境保全活動
社会貢献活動
財務セクション
グローバルネットワーク
会社情報
株式情報
株 式情 報
(2009年3月31日現在)
Advancing
O u r
日本国内シェア(2009年3月末、JAFA、JR FREIGHT、MLIT発表)
国際航空貨物
( JAFA )
国内航空貨物
( JAFA )
G l o b a l
P o s i t i o n
21.2
%
23.9
%
日本通運は 1955 年に日本で初めて国内航空貨物の混載業務を
スタートさせた、この分野のパイオニアです。北海道から沖縄まで、
全国どこでも翌日午前中の配達が可能という航空便ならではの
スピードに加え、高度な情報システムやセキュリティ体制により、
「ハイ
スピード&ハイクオリティ」を実現。貴重品や個人情報、機密情報、
特定信書などの輸送でも、お客様から高い信頼を得ています。
37 211 382
カ国
都市
拠点
日本全国はもとより、世界各地へとビジネスを広げる
企業のお客様にとってロジスティクス全体の最良の
パートナーであるために、日本通運は国内・海外で
拠点網の拡充を進めてきました。海外については現在、
世界 37ヵ国、211都市に382の拠点を展開。新興国
の急速な経済発展にもスピーディーに対応し、中国・
東南アジアにおける各国・各地域での体制強化を
はじめ、ロシア・東欧、インドといった近年の注目エリア
においてもいち早く現地法人を設立し、拡大する物流
ニーズをとらえています。グローバルかつ総合的な
ロジスティクス企業を目指す日本通運にあって、その
世界的なネットワークの充実はお客様への提案力、
サービス力の強化に確実に結びついています。
鉄道輸送
( JR 貨物)
42.8
%
株式数
発行可能株式総数 : 3,988,000,000 株
発行済株式総数 : 1,062,299,281 株
株主数
88,350 名
株主名簿管理人
三菱 UFJ 信託銀行株式会社
所有者別株式の分布状況
株主比率
株式比率
88,350
名
倉庫 21社統計
( MLIT )
37.6
%
■ 金融機関
49.4%
■ 個人・その他
20.9%
■ 外国法人等
20.6%
■ 個人・その他
97.7%
■ その他の法人
1.5%
■ 外国法人等
0.5%
■ その他の法人
6.4%
■ 金融機関
0.2%
■ 自己名義株式
1.8%
■ 金融商品取引業者
0.1%
■ 金融商品取引業者
0.9%
1,062,299
千株
氏名又は名称
海外
国内
69
287
合計
356
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)
朝日生命保険相互会社
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
株式会社みずほ銀行
日本興亜損害保険株式会社
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口4G)
株式会社みずほコーポレート銀行
日通株式貯蓄会
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口4)
日本通運の倉庫は単なる在庫保管のための施設にとどまりません。
お客様のニーズに合わせ、受発注処理、入出庫・在庫管理、輸配送の
貨物トレースといった情報システム機能や、検品、値札付け、梱包、
セット組、配送仕分けなどの流通加工機能までを総合的にサポート。
更に多様な輸送モードを組み合わせ、物流全体を適宜最適にコント
(サード・パーティー・
ロールします。こうした機能を進化させた3PL
ロジスティクス)
事業拡大のため当社は倉庫の拡充に取り組んでいます。
61
大株主の状況 (2009年3月31日現在)
日本通運グループの国内・海外子会社、関連会社
日本通運にとって鉄道輸送は創業事業であり、
長年の経験により築い
てきた鉄道会社との信頼関係を基礎に現在もトップシェアを誇る分
野です。鉄道輸送は近年、地球温暖化対策のため自動車中心の輸送・
移動手段を見直すモーダルシフトの一環としてもあらためて注目が集
まっており、当社は運行体制や対応するコンテナサイズの多様化など、
鉄道輸送自体はもとより航空や海運、トラックと組み合わせた複合
一貫輸送の中でも利便性を高め鉄道の更なる活用に努めています。
東京、大阪
w i t h
日本通運海外グループ拠点(2009年3月末)
強固な顧客基盤のもと、日本 No.1の航空貨物フォワーダーとして
事業を展開しています。航空貨物は特にスピードと確実性が求められ
ますが、日本通運では輸送時のきめ細かな配慮とともに、貨物スペース
の安定した確保によって安心・確実な国際航空輸送を実現。日本発
着のみならず海外間の三国間輸送にも力を注ぎ、グローバル物流
企業としての評価を高めてきました。競争環境の厳しさが増す中、
これまでに築いてきた実績と信頼の重みが一層高まっています。
上場証券取引所
日本通運グループは、日本通運と子会社289社
(うち
連結子会社 264 社、持分法適用子会社 1 社)および
関連会社 66 社(うち持分法適用関連会社 21 社)で
構成されています。
株式会社三菱東京UFJ銀行
持株数(千株)
出資比率(%)
65,699
65,464
56,957
51,766
50,294
46,519
41,477
26,261
25,791
20,554
6.2
6.2
5.4
4.9
4.7
4.4
3.9
2.5
2.4
1.9
株価の推移と出来高
(円)
1,000
800
600
400
200
(千株)
0
150,000
120,000
90,000
60,000
30,000
1999
4
2000
4
2001
4
2002
4
2003
4
2004
4
2005
4
2006
4
2007
4
2008
4
2009
4
0
A
N E W
R O A D M A P
F O R
G R O W T H
01
2009年度日本通運グループ経営基盤強化方針(2009年4月1日∼2010年3月31日)
これから10年程度先の将来に照準を定め、グループの全従業員が
「日通グループが今後どの方向に進み、どのような姿を目指すべきか」
を共有するための
具体的な目標像、
日通グループのあるべき姿を示すための
「ビジョン」
を策定しました。策定にあたっては、
「グローバル化」
「
、地球環境保護」
「
、少子高齢化」
への対応をキーワードとしました。このビジョンのもと、足固めとして単年度の経営基盤強化方針 ̶ 新たなる飛躍に向けて ̶を策定いたしました。
ビジョン
(日通グループのあるべき姿)
グローバルロジスティクス企業
地球への責任を果たす企業
人にやさしい企業
世界のお客様に物流を通じて貢献する
環境への配慮と低炭素社会の実現に貢献する
従業員を大切にし、働きがいを実現する
経営基盤強化方針 ̶ 新たなる飛躍に向けて ̶
最重要取組課題
P10
∼
P17
ローコスト体制の構築
1 現場オペレーションの見直しに
よる徹底したコスト削減
営業力強化のための諸施策の実施
小口貨物事業への的確な対応
1 お客様のニーズを先取りした
1 宅配便事業統合の円滑な実施
2 特別積合せ事業の再編成
提案営業の強化
2 固定費の変動費化と変動費の
2 グローバルロジスティクスへの
の最適配置
取組み強化
削減
3 事業構造の変化にともなう拠点
3 専門特化事業
(引越、通運、
3 拠点の統廃合と効率的組織
運営の確立
4 不良債権の撲滅
5 グループ全体での資金の効率化
警備輸送、重機建設、美術品)
におけるシェアアップ
4 地域密着営業への取組み強化
P25
CSRの推進
1 省 エネによる C O 2 削 減 、3 R
(Reduce,Reuse,Recycle)
の
推進
2 コンプライアンスの徹底
3 交通事故・労働災害の撲滅
4 新型インフルエンザに対する
的確な体制整備
6 資産の有効活用
新たなる飛躍に向けた重点推進項目
グループ一体となった
ワンストップ営業体制の確立
お客様本位の品質・
サービスの提供
人材の育成と
活用
M&Aによる経営基盤の
強化
時代の変化をとらえた
新商品の開発
数値目標
環境数値目標
財務数値見通し
営業収益:
営業利益:
1兆5,800億円
313億円
経常利益:
当期純利益:
366億円
213億円
国内における日通グループ全体の2009 年度二酸化炭素排出量は、
2008年度排出量と比較し1.5%削減とする。
次期中期経営計画
財 務ハイライト
02
千米ドル※1
百万円
2007/03
2009/03
¥1,828,946
¥1,901,433
¥1,866,267
$18,619,025
33,513
48,502
50,325
341,178
当期純利益
15,172
36,439
33,208
154,455
484,337
520,823
517,516
4,930,650
1,172,074
1,297,406
1,360,694
11,931,941
純資産※2
会計年度末:
2008/03
営業利益
売上高
会計年度:
2009/03
総資産
米ドル※1
円
1株当たり:
¥
当期純利益
14.55
10.00
配当金
¥
34.94
¥
31.84
10.00
$
8.00
0.15
0.10
※1 米ドルの記載は参考情報です。2009年3月31日のレートである1米ドル=98.23円を換算レートとして採用し、千米ドル単位未満を切り捨てて表示してあります。
※2 純資産額の算定にあたり、2007年3月期連結会計年度から
「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」
(企業会計基準委員会 企業会計基準第5号 2005年12月9日)
および
「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針」
(企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第8号 2005年12月9日)
を適用しています。
売上高
営業利益
(百万円)
2,000,000
当期純利益
(百万円)
60,000
(百万円)
40,000
1,500,000
30,000
40,000
1,000,000
20,000
20,000
500,000
0
10,000
’05
’06
’07
’08
’09
0
純資産
総資産
(百万円)
600,000
(百万円)
1,500,000
’05
’06
’07
’08
0
’09
’05
’06
’07
’08
’09
’08
’09
1株当たり当期純利益
(円)
40
30
400,000
1,000,000
20
200,000
500,000
10
0
’05
’06
’07
’08
’09
0
’05
’06
’07
’08
’09
0
’05
’06
’07
03
事業の種類別セグメント売上高
(連結)
事業の種類別セグメント売上高・営業利益比率
(連結)
05/3
06/3
4.0%
1.6%
07/3
運送事業
販売事業
その他の事業
08/3
09/3
0
500,000
1,000,000
1,500,000
売上高
(外)
運送事業
販売事業
その他の事業
19.2%
17.6%
2,000,000(百万円)
事業の種類別セグメント営業利益(連結)
78.4%
05/3
06/3
営業利益
(内)
07/3
79.2%
運送事業
販売事業
その他の事業
08/3
09/3
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
運送事業
販売事業
その他の事業
60,000 (百万円)
※ 上記売上高と営業利益は、消去又は全社分を含みます。
所在地別セグメント売上高(連結)
所在地別セグメント売上高・営業利益比率(連結)
05/3
06/3
日本
米州
欧州
アジア・オセアニア
07/3
08/3
09/3
0
500,000
1,000,000
1,500,000
売上高(外)
6.0%
3.7%
3.1%
日本
米州
欧州
アジア・オセアニア
5.1%
11.9%
2,000,000(百万円)
6.7%
所在地別セグメント営業利益(連結)
76.3%
05/3
06/3
日本
米州
欧州
アジア・オセアニア
07/3
08/3
09/3
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
営業利益(内)
日本
米州
欧州
アジア・オセアニア
87.2%
60,000 (百万円)
※ 上記売上高と営業利益は、消去又は全社分を含みます。
事業別売上高(個別)
事業別売上高比率(個別)
7.5%
15.0%
鉄道取扱
自動車
海運
倉庫
航空
重量品・建設
付帯事業他
05/3
06/3
07/3
08/3
09/3
0
500,000
1,000,000
40.1%
4.8%
14.0%
1,500,000(百万円)
7.7%
10.9%
鉄道取扱
自動車
海運
倉庫
航空
重量品・建設
付帯事業他
社 長インタビュー
04
Reinforcing
O U R
G R O U P
F O R
C O M P E T I T I V E N E S S
A N D
F U T U R E
G R O W T H
当社は2007 年3月期から、もう一回り大きく、強い 日本通運グループを創ることを
目指す中期経営計画「パワーアップ3ヵ年計画」
の実行に努めてきました。グローバル
事業の推進や当社が強みを持つ商品の拡販など、計画スタート時からの積極的な
取り組みは確実に成果をあげ始めていたものの、最終年度となる2009 年3月期に
入って予想を超える世界規模の景気後退に道を阻まれ、残念ながら数値面では目標
に達することができませんでした。しかし、この3年間の取り組みにより、この先の景気
回復時に活きる体質強化が確実に進んだ手応えを得ることができました。
代表取締役社長
05
Q1
厳しい 1 年になったと思いますが、2009 年 3 月期の経 営 環 境と業 績をお聞かせください。
一昨年の米国でのサブプライムローン問題の顕在化を
Q2
運輸という事業はもともと1 年の中での需要の波
きっかけとした金融不安と景気減速、更に原油価格の
が大きく、繁忙期と閑散期の貨物量の差は2∼3倍に
高騰といった問題もあり、2009年3月期は先行きの見通
も達します。当社を含め物流事業を手がける企業は
しが難しい中でのスタートとなりました。実際の貨物の
通常、閑散期を基準に自社の輸送能力を整え、繁忙
動きは、第2四半期まで航空から海上へのシフトといっ
期の増加分は契約を交わした社外企業の協力を得る
た変化はあったものの、比較的堅調に推移しました。当
ことによりまかなっています。この度の異例ともいえ
社はこの間、燃油費上昇に対して当社グループ全体に
る全般的な貨物量の落ち込みに際し、当社は緊急で
わたる省エネ運行の徹底をはじめとした物流コスト削
社外との委託契約を見直すなどコスト削減に努めま
減対策、トラック運賃に係る燃料サーチャージ制導入、
した。その結果2009年3月期の連結業績は、売上高
お客様との価格交渉・転嫁等の徹底を実施し、収益の
、営業利益335億円
1兆8,289億円(前期比3.8%減)
確保を図ってまいりました。ところが2008年9月に起きた
(同 30.9%減)
、経常利益 420 億円
(同 24.9% 減)
、
リーマン・ショックを節目に金融危機が世界的に広がり、
当期純利益152億円
(同58.4%減)
と、減収減益には
あらゆる業界、すべての地域で貨物の動きが停滞し、
なったものの厳しい環境にあっても黒字を確保するこ
下半期は環境急変への対応を余儀なくされました。
とができました。
当期は 2006 年 4 月から取り組んできた「パワーアップ 3 ヵ年 計 画 」の最 終 年 度でもありました。
今回の中期経営計画の総 括をお願いします。
では もう一回り大
今回の
「パワーアップ3ヵ年計画」
収を達成しています。更にファイナンス機能を持った
きく、強い日本通運グループを創り、更なる躍進を期す
金融子会社・日通キャピタルを設立するなど、より幅
を基本目標とし、その実現のため注力すべき分野と
広い3PLサービスを提供するための基盤を整えました。
して4つの事業をあげました。
3つ目の
「差別化商品の拡販」
では、当社独自の競争
その1つの
「グローバル事業」
における成果としては、
力を備えた4つの商品に特に注力しましたが、そのうち
新たな成長地域として期待されるアラブ首長国連邦の
の鉄道輸送および引越サービスは経済環境が悪化
ドバイやロシア、インドなどへの進出を果たし、グロー
した 2009 年 3 月期は需要が低迷したものの、前期
バルな拠点網の拡充を進めることができました。また、
までは順調に売上を伸ばしました。一方、警備輸送
連結総売上高に対し30%を目指していた海外関連
および重機建設はこの逆風下でも堅調に推移し、当期
事業の比率も順調に伸び、2年目で28.4%まで達しま
も増収となりました。
した。最終年度となる2009年3月期は世界同時不況
更に4 つ目の
「小口貨物事業の改革」については、
の影響もあり、27.1%へ低下しました。
2008年4月に日本郵政および日本郵便との間で宅配
2 つ目の
「3PL事業拡大への布石」
ではこの3年間、積
便事業の統合に関する基本合意書を締結し、改革に具
極的な投資を行い3PL事業の基盤となる倉庫や保管庫
体的な道筋をつけることができました。その後、宅配便
の拡充を図ってきました。その結果、倉庫関連の売上は
の統合新会社として設立したJPエクスプレスは2009
年を追って伸び、2009年3月期も前期より67億円の増
年4月に事業をスタートいたしました。今後、日本郵便
社 長インタビュー
業績見通し
(億円)
20,000
(億円)
1,000
15,000
750
10,000
500
5,000
250
0
06/3 07/3 08/3 09/3 10/3
0
売上高
(連結)
経常利益
(連結)
(想定値)
06
Q3
Q4
よりゆうパック事業の段階的な移行を受け、2009 年
では、2009年3月期に連
「パワーアップ3ヵ年計画」
10月に完全統合を行う予定です。JPエクスプレスが
本格稼働し次第、当社では残るもう1つの小口貨物事
結売上高2兆円を目指してきました。その目標に達す
ることができなかったのは残念ですが、今後の成長に
業であるB to Bの混載便トラック輸送「アロー便」
の
つながる体質面でのパワーアップは確実に図ることが
再編を具体的に進めていきます。
できたものと考えています。
新たに「 2009 年度日通グループ 経 営 基 盤 強 化 方 針 」を策 定しました。
その中で骨 子の 1 つとした「最 重 要 取 組 課 題 」の内容をご説明ください。
2009 年 3月期までの3ヵ年計画を終了し、通常であ
の変動費化を図り、更にその変動費の圧縮を進めま
れば次の中期経営計画に入るのですが、その策定中
す。支出の中でも特に大きな割合を占めるのが傭車・
に金融危機が発生し、実体経済にも大きな影響を
下請の費用ですが、売上高に対する比率を、個別で
及ぼしています。計画の前提となる経済環境予測が
2009 年 3月期より2.4 ポイント抑えることを具体的
難しくなり、今回は特別に単年度の経営方針とさせ
な数値目標としました。
ていただきました。
一方、需要が低迷する中にあっても売上を伸ばすた
その骨子の1つである
「最重要取組課題」は、現在
めの努力は忘れず 営業力強化のための諸施策の実施
の厳しい環境を乗り越えるため緊急的に取り組むも
に取り組みます。また 小口貨物事業への的確な対応
のであると同時に、厳しい状況だからこそ揺るぎない
も2010年3月期における重要な課題で、まずは2009
経営基盤を築くチャンスだと考え4つの具体的な課題
年10月1日の宅配便事業の完全統合に向けた作業を
を設けました。
着実に進め、その後「アロー便」
の体制再構築を早急に
日通総研による2009 年度の経済と貨物輸送の見
詰めて2010年3月期中には完了させる予定です。
通しでは、国内・国際とも2010年3月期は更に需要が
更にもう1つ、 CSRの推進 を
「最重要取組課題」
に
減少する予測となっています。そうした環境にあって
加えました。当社グループではCSRの推進には従来
も利益を確実に得るため、まず第1の課題にあげたの
から前向きに取り組んできましたが、関連法規の改定
が ローコスト体制の構築 です。これまでの現場オペ
を含め環境の変化もあり、あらためてCSRの徹底を
レーションを徹底的に見直し、固定化されていた費用
図ることとしました。
今回の経営方針のもう一方の柱である「 新たなる飛 躍に向けた重 点 推 進 項目」は
どういった内容なのでしょうか。
現在の景気低迷もいつか必ず上向くはずであり、足も
体制の確立 を重点推進項目の 1 番に掲げました。
とを固めると同時に、次の景気回復の勢いを当社グ
今後の景気回復局面では、産業構造の変化やSCM
ループの成長に活かすために取り組むのが
「新たなる
(サプライ・チェーン・マネジメント)の高度化などに
飛躍に向けた重点推進項目」
です。
より、航空輸送と海上輸送のきめ細かな使い分けをは
成長の力を持ち続けるために欠かせないのが営業
じめ、お客様が自社の物流体制の効率化により厳しく
力の強化で、 グループ一体となったワンストップ営業
取り組むのは間違いありません。特に競争の激化が進む
07
国際航空貨物では、当社ならではの特色を今まで以上
る場所を中心にした拠点網の再編などに取り組んで
に発揮しなければ勝ち抜けません。日本通運グループ
いきます。また、当社がこれから世界的に事業を広げて
は航空、海上、陸上のあらゆる輸送モードで、世界規模
いく上ではより多くのグローバルな人材が必要となり
のサービスを提供できる数少ない企業です。この総合
ます。そのため 人材の育成と活用 も重点推進項目の
力こそが最大の強みだと考え、ロジスティクスに関
1つとしました。国内社員のグローバル人材化を推し
するお客様の様々なニーズを1つの窓口でお受けし、
進めるとともに、現地法人の経営を担うことのできる
グループ全体で対応する体制を築いていきます。
外国人社員の育成にも力を注ぐ考えです。
もう1つの お客様本位の品質・サービスの提供 も
この延長線にあるもので、お客様のいる所、貨物のあ
Q5
Q6
2010 年 3 月期の業績の見込みと、次の中期 経 営 計 画の予 定を教えていただけますか。
2009 年 3月期の後半からの急激な景気の落ち込み
基盤強化方針」の策定にあたり、10 年後の日本通運
は2010 年 3月期も続くと思われます。そうしたことか
グループがどうあるべきかをビジョンとしてまとめま
ら2010 年 3月期の連結業績は、売上高 1 兆 5,800 億
した。
「グローバルロジスティクス企業」、
「 地球への
円(前期比13.6% 減)、営業利益 313 億円(同6.6%
責任を果たす企業」、
「人にやさしい企業」がその姿で
減)
を見込んでいます。
あり、
2009年度中にまとめる次の中期経営計画もその
当社では今回の「 2009 年度日通グループ経営
ビジョンに基づき策定する考えです。
今回の方針にも「最重要取組 課 題 」
として盛り込んだ「 CSR の推 進 」で、
特に力を注ぐテーマなどはありますか。
ビジョンの1つにも
「地球への責任を果たす企業」
を掲
進めます。更にReduce、Reuse、Recycleの3Rを
げましたが、
これからは環境への対応に更に力を注ぐ
より一層推進して資源保護および廃棄物の削減に
必要を感じています。
中でも地球温暖化への対応は喫
貢献する考えです。
緊の課題となっており、
当社もグループ全体の二酸化
また、
コンプライアンスの徹底についてもあらためて
炭素排出量について、2010年3月期は前期より1.5%
取り組みを強化いたします。
当社は2009年3月、公正
削減するという環境数値目標を設けました。当社グ
取引委員会より国際航空貨物利用運送事業に関し
ループは、事業面においても鉄道や船舶など環境負荷
独占禁止法の違反があったとして、排除措置命令およ
のより少ない輸送手段の利便性を高め、利用を促進
び課徴金納付命令を受け、株主の皆様をはじめ関係
することで環境保全に寄与しています。
これに加え社内
者の方々にご心配とご迷惑をおかけしました。今回あ
の環境目標を達成するため、陸上輸送の中心であるト
らためてCSRの推進を
「最重要取組課題」
としました
ラックにハイブリッド車や天然ガス車など環境配慮型
が、社内体制や社員への教育・啓蒙を今一度強化し
車両の採用を広げるとともに、
自社のビルや倉庫建物
て再発の防止と信頼の回復に努めます。
における屋上緑化、太陽光発電設備の設置などを
社 長インタビュー
配当について
(%)
250
(億円)
400
200
300
150
200
100
100
0
50
06/3 07/3 08/3 09/3
0
当期純利益
(連結)
当期純利益
(個別)
配当性向
(連結)
配当性向
(個別)
08
Q7
Q8
2008 年で海外進出から50 周年を迎えました。
これまでの成果と今後の海外 事 業の展 開についてお伺いできますか。
当社初めての本格的な海外進出は、1958 年7月の
ともその目標達成に努めるとともに、将来的には50%
米国ニューヨーク駐在員事務所の開設でした。以来、
を目指す考えです。
日本の製品が世界へ広がり、
日本企業が事業のグロー
2009 年度の海外における主な取り組みとしては、
バル化を進めるのに合わせて当社も海外拠点網の拡充
米州では現在ロサンゼルス、
シカゴ、ニューヨークを
を図ってきました。その結果、現在では日本、米州、
起点にしたトラック輸送網を整えていますが、
これを
欧州、アジア・オセアニアの世界 4 極体制で 37ヵ国
更に拡充し、米国・カナダ・メキシコのNAFTA圏内を
211 都市に382 拠点を展開し、海外勤務の社員数も
1つにする陸上輸送ラインの構築を進めます。一方、
約16,000人を数えるまでになっています。
このように
欧州ではエリア内の陸上輸送網は一定の整備が進ん
早くから海外へ進出し、
お客様のニーズに的確に応える
でおり、
モスクワ近郊などに竣工する物流倉庫を中心に
サービス体制を築いてきたことは、
「何かのときは日通
ロジスティクス業務の拡大を図ります。
また、
アジア・
に相談すれば解決してくれる」
というお客様からの信頼
オセアニア地域ではSS7000(上海からシンガポール
獲得に結びついてきました。
までの約 7,000kmを結ぶ陸上輸送ライン)
をはじめ
少子高齢化の時代を迎えた日本では今後、需要の
とする域内物流の拡販に力を注ぐと同時に、今後の
大きな伸びは期待できず、海外事業はますます重要性
成長が見込まれるインドではデリーなど各地に自社
を増していきます。
当社は連結総売上高での海外関連
倉庫を展開しロジスティクス業務を広げ、
ベトナムでも
事業比率を30%へ高めることを目標としており、今後
物流拠点の整備を進める計画です。
株主の皆様への利益還元方針とメッセージをお願いいたします。
株主の皆様への利益還元は当社にとっての最重要施
こそ株主の皆様への利益還元についても安定した配
策の1つであると認識しています。営業の拡大と企業
当を大切に考えています。
日本通運グループは今後と
体質の強化に努めて株主資本の拡充および利益率の
も社会に受け入れられ、必要とされ、
お客様に喜んで
向上を図り、安定的に配当を続けることを利益還元の
利用していただける企業でありたいと考えています。
方針としています。
2009年3月期については年間10円
株主、投資家の皆様におかれましても変わらぬご支援
の配当とさせていただきました。2010年3月期も年間
を賜りますようお願い申し上げます。
10円の配当を維持していきたいと考えています。
物流を中心とする当社グループは、安定して事業を
続け、
実直に利益を積み上げていく企業であり、
だから
特 集: 2 0 0 9 年 度 日 本 通 運 グ ル ー プ 経 営 基 盤 強 化 方 針
Raising
B U S I N E S S
E F F I C I E N CY
A N D
S A L E S
P O W E R
09
日本通運グループは今年度の経営計画として
「2009 年度 日通グループ経営基盤
強化方針̶新たなる飛躍に向けて̶」
を策定しました。先の3ヵ年計画の終了を受け、
2010年3月期からは新たな中期経営計画をスタートさせる予定でしたが、大幅かつ
急激な経営環境の変化が続き、不確定要素が多いため、今回は特別に単年度の方針と
しました。この中から、厳しい環境下においても確実に利益を上げるため、そして将来
にも活きる経営基盤強化のために取り組む
「最重要取組課題」
についてご紹介します。
10
最重要取組課題
1
ローコスト体制の構築
12
最重要取組課題
2
営業力強化のための諸施策の実施
16
最重要取組課題
3
小口貨物事業への的確な対応
特 集: 2 0 0 9 年 度 日 本 通 運 グ ル ー プ 経 営 基 盤 強 化 方 針
最重要取組課題
1
ローコスト体 制 の 構 築
10
金融危機が世界的に広がった2008年9月以降、
それまで比較的底堅かった貨物の動きが急速に停滞し始め、年が
明けてからは景気減速が顕著となり、国内・海外とも取扱量が大幅に減少に転じるという厳しい状況になりました。
こうした環境の急変に対応すべく、
日本通運グループは2009年3月期の下半期より緊急的にコスト削減に取り組
んできました。
その結果、一定の成果を収めたものの、需要の減少はそれ以上に大きく、2009 年度も市場回復は
難しいと予想されるため、
当社グループは引き続きローコスト体制の構築に努めることとしました。
そして厳しい環境
下にあっても、外部環境に応じた適切な費用コントロールを行い、安定した利益を上げられるように企業体質の
変化を図っていきます。
その実現のため今回の経営基盤強化方針では、以下の具体的な取り組みをあげました。
❶ 現場オペレーションの見直しによる徹底した
コスト削減
❷ 固定費の変動費化と変動費の削減
❹ 不良債権の撲滅
❺ グループ全体での資金の効率化
❻ 資産の有効活用
❸ 拠点の統廃合と効率的組織運営の確立
「現場オペレーションの見直しによる徹底したコスト
「グループ全体での資金の効率化」
では、グループ
削減」
については、社外戦力にすぐに頼りがちであった
全体でのCMS
(キャッシュ・マネジメント・システム)
ものを近在の社有戦力の状況を考慮した上で行う
の拡大・深度化により効率化を図っていきます。
よう、システム構築等も含めて効率性を高め、徹底
「資産の有効活用」では、当社は2006 年 10月に不
したコスト削減を進めていきます。
動産開発部を新設し、社有不動産の有効活用を本格
また
「固定費の変動費化と変動費の削減」では、
化させています。以来、点在する保有資産の開発プロ
ピーク時の需要に合わせて社外と交わしていた固定
ジェクトの企画、実行を進めてきましたが、2009 年
的な契約関係を見直して、需要の変動にきめ細かく
2月には東京・渋谷区の新宿支店跡地に建設していた
地上 10 階・地下 1 階建ての商業テナントビル
「NEX
新宿ビル」
が竣工しました。JR新宿駅から徒歩2分の
対応できる変動費化を図ります。更にこの変動費の
圧縮にも取り組み、2009 年度中に日本通運個別の
売上高に占める傭車費・下請費の比率を前年度より
好立地にあり、屋上緑化や太陽光を利用した照明シス
2.4ポイント抑えることを目標としています。
テムの採用など温暖化対策にも配慮した建物となってい
「拠点の統廃合と効率的組織運営の確立」につい
ます。また同年3月には東京・墨田区の旧ペリカンセン
ては、2009年10月にJPエクスプレスへの宅配便事業
ター跡地に建設していた学生用賃貸マンション
「ライク
の移管が完了するのに合わせ、B to Bを中心にした
菊川イースト/ウエストマンション」
も竣工。7階建ての
物流サービスをより高いレベルで、しかもより低コスト
で提供できるよう拠点網の大幅な再編に着手する
2棟編成、各棟49戸の規模で、JR総武線・東京メトロ
半蔵門線の錦糸町駅に近く、30分圏内に多数の大学
計画です。
があることから学生用マンションとしました。今後とも
「不良債権の撲滅」
については、不良債権の発生を
社有不動産について、市況・立地などの条件を勘案
未然に防止するよう与信管理を強化していきます。
しながら最適な形で有効活用を図っていきます。
NEX 新宿ビル
【施設概要】
所 在 地:東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目34番7号
敷地面積:1,337.17m2
建築面積:963.58m2
2
延床面積:10,076.38m(地下機械駐車場
30台分含む)
建 物 高さ:47.565m
構
造:鉄骨・鉄筋コンクリート 地上10階、地下1階
用
途:1階 店舗、2階∼10階 事務所
11
特 集: 2 0 0 9 年 度 日 本 通 運 グ ル ー プ 経 営 基 盤 強 化 方 針
最重要取組課題
2
営 業 力 強 化 のための 諸 施 策 の 実 施
12
AEO(Authorized Economic Operator )
認証取得
認証取得日
日本通運
2008年1月23日
オランダ日通
2008年4月16日
アイルランド日通
2009年3月10日
イタリア日通
2009年3月23日
風力発電設備専用に独自開発した
トレーラー(ブレード起立装置)
当社は、
1999年から風力発電機の運搬・
設備事業に本格的に参入しました。
現在
国内で建設された風力発電機の約70%
の輸送・据付を行いました。
NITTSU-DMF
(ダイレクト・
マーケティング・
フルフィルメント)
サービス
国内・海外ベンダー様
お客様
(通販会社様)
ご購入者様
入荷・検品
保管
採寸・撮影
複数のお客様がセンターを共有することで
高品質なサービスを低コストで実現
NITTSU-DMFセンター
A 通販会社様
NITTSU-DMF
サービス
B 通販会社様
D 通販会社様
決済代行
NITTSU-DMF
サービス
出荷
配送
返品対応
WMS
倉庫管理
システム
C 通販会社様
13
日本通運グループは2009年3月期までの中期経営計画「パワーアップ3ヵ年計画」
でも、海外事業や3PL(サード・
パーティー・ロジスティクス)事業、差別化商品などの強化・拡充により
「もう一回り大きく強い日通グループ」
となる
ための営業力の増強を図ってきました。2010年3月期もこうした活動を更に広げて売上の確保に努めます。具体的
には以下の施策を推し進めることとしました。
❶ お客様のニーズを先取りした提案営業の強化
❷ グローバルロジスティクスへの取組み強化
(引越、通運、警備輸送、重機建設、
❸ 専門特化事業
美術品)
におけるシェアアップ
❹ 地域密着営業への取組み強化
「お客様のニーズを先取りした提案営業の強化」
にお
サービスを開発。この
「NITTSU-DMFサービス」
は
いて核となるのが3PL事業で、当社グループは2007
EC(Electronic Commerce )サイトの構築、コール
年3月期より3PL事業拡大の基盤づくりとして倉庫・
センターの設 置、決 済 業 務、返 品 処 理などネット
物流センターへの投資を積極化させてきました。この
通販に関するあらゆる業務に対応し、受注単位ごとに
充実させた倉庫を軸に、お客様の物流ニーズに幅広
費用を計上する仕組みとなっていることから、お客様
く応える営業戦略は確実に成果をあげており、倉庫
の負担が軽く、ネット通販の拡大とともに扱いを伸ば
関連売上は2007年3月期の930億円から2009年3月
しています。
期には1,083億円まで伸びました。
物流施設は近年、商品を1ヵ所に集めることができ
今後の展開にもつながる3PL 事業の近年の主な
る大型化のニーズが高まっています。これに対応して
成果としては、教育関連企業のお客様から受注した
当社も大規模な物流センターの建設を進めていま
通販物流センターが 2008 年 5 月に稼働。通信販売
すが、2008年12月には広島県の大竹市に
「大竹物流
の物流で多くの実績を持つ西神奈川の既存施設に
センター」
がオープンしました。同センターは大竹港、
隣接した新拠点を使うことで、培ったノウハウなどが
J R 貨物大竹駅や大竹 I C からも至近の距離にあり、
共有できる点が評価され今回の受注に至りました。
最新鋭の設備・機能を備えるのはもちろんのこと、
カタログ通販からインターネット通販へと進化を遂げる
国内および海外への貨物の荷役作業も余裕をもって
通信販売業界には当社は早くから注目し、2007年5月
行える設計で、広島県南西部エリアの物流拠点として、
に竣工した北砂流通センターでも、ファッション通販
高品質・高効率な保管・荷役作業を提供することが
サイトのお客様より、入出庫から在庫管理までのトータ
可能となりました。
ル物流を請けています。更に単独で物流施設を持つ
この他、新たな取り組みとしてイベントやコンベン
ことが難しいお客様向けに マンション型 とも言える
ションの企画から物流、会場設営、当日の運営などを
特 集: 2 0 0 9 年 度 日 本 通 運 グ ル ー プ 経 営 基 盤 強 化 方 針
最重要取組課題
2
営 業 力 強 化 のための 諸 施 策 の 実 施
14
ワンストップでサービスするイベントサポート事業を
制に不十分な場合があるなど、国境を越えた物流
スタートさせており、営業活動の積極化により展示会
を円滑に行うためには国ごとの細かな知識が欠か
や新製品発表会、竣工式、開業式典などの受注を広
せません。複合輸送担当は国際物流の豊富な経験
げつつあります。
と知識を活かすとともに、常に最新情報の収集を得
「グローバルロジスティクスへの取組み強化」
では、こ
て、お客様の期待に応える陸・海・空の複合一貫輸
れまでも様々な形で体制強化を進めています。航空貨
送サービスを提供していきます。
物では、需要が伸びる日中間輸送に対応すべく、
「超
また、当社グループはフォワーディング業務を行う
級速遞」
、
「快速!虹橋」
、
「虹橋エクスプレス」
など各種
上で有効な各種認可の取得にも積極的に取り組んで
新商品をそろえました。また、輸送品質の更なる向上の
おり、コンプライアンス面などの信頼性を審査し通関
ため、アジア各国と日本間のULDインタクトサービス
手続きの優遇措置が与えられるAEO(Authorized
(ULD:Unit Load Device )
も拡大しました。更に、
Economic Operator )については日本、オランダ、
受注管理、在庫管理、輸送管理を一元的に管理でき、
アイルランド、イタリアで認可を取得しています。物流
SCMの「見える化」を図るシステム「V-SCOPE」の
施設の警備・安全面等の第三者評価であるTAPAの
開発、業界に先駆けてRFIDを利用した国際航空輸
認証も、2008 年 11月の米国マイアミ支店の取得で
送管理などを行ってきました。海上貨物でも2008年
12月、利便性が高く環境負荷が低いことで好評を得
ている上 海 – 博 多 間の定 期 運 航 船「上 海スーパー
エクスプレス
(SSE )
」
に博多– 東京間の内航船を組み
世界19拠点目となりました。
「専門特化事業におけるシェアアップ」では、当社
ならではの優位性を持つ事業である 引越サービス
通運
(鉄道輸送) 警備輸送 重機建設 美術品輸
合わせ、海上輸送を中心とした国際一貫輸送を開始。
送 について、更なるシェアの向上を目指します。
サービス力を更に強化しています。これに先立つ9月
当社の 引越サービス は、再利用可能な梱包資材を
には海運事業部に
「複合輸送担当」を設置。中国や
使うことにより余分な廃棄物の発生を抑える
「えころじ
インド、ロシア等の新興国では通関や国内輸送の体
こんぽ」
の展開で、2006年「第3回エコプロダクツ大賞」
上海スーパーエクスプレス
( SSE )
上海–博多間を26時間で結ぶ高速船
えころじこんぽ
引越サービスでは、食器や靴の他、家電
や家具も日通のオリジナル反復資材で
梱包
TOYOTA LONG PASS EXPRESS
日本物流団体連合会主催の第9回
「物流
環境大賞」
を受賞
差別化商品の売上推移
(億円)
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
重機建設
警備輸送
引越
鉄道
1,000
500
0
06/3 07/3 08/3 09/3
15
(エコプロダクツ大賞推進協議会主催、財務省・厚生
お客様の様々なニーズにお応えしています。更に、銀行
労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境
業務のアウトソーシングへの対応、高度に情報化され
省後援)
での受賞など、社会的に注目を集めるととも
た入出金機の開発等、新たな事業領域の拡大にも取
にお客様からもご好評をいただいています。2008年7
り組んでいきます。今後もお客様の課題解決のため、
月には郵便局株式会社殿が展開する総合生活取次ぎ
「運ぶ」
だけではなく、コスト削減・利便性向上などを
サービス
「郵便局のお取次ぎ」
とも提携し、受付窓口の
実現するサービスを提案していきます。
拡大を図りました。
重機建設 については、重電設備の輸送・据付
通運
(鉄道輸送)は近年、環境にやさしい物流と
工事、石油化学プラント定期修理工事および海外
して注目が集まっており、当社が運用を担うトヨタ自
工事などを行ってきましたが、近年は風力発電設備
動車殿の生産用部品輸送列車「TOYOTA LONG
の輸送、据付工事や半導体、液晶製造装置の輸送、
–盛岡)は2008年の第9回
」
PASS EXPRESS(名古屋
据付工事など、事業の幅を広げています。
「物流環境大賞」<
(社)日本物流団体連合会主催>
美術品輸送 も当社ならではの分野で、そのスター
を受賞しました。あらゆる企業にとって地球温暖化の
トは1951 年に日米講和条約締結の記念にサンフラ
要因となるCO2の排出削減が重要な課題となる中、
ンシスコで開かれた
「日本古美術展」まで遡ります。
以来、ミロのヴィーナス
(1964 年)
、ツタンカーメン
当社は環境負荷低減の輸送モードとしての鉄道輸送
(1965 年)
、モナリザ
(1974 年)等の輸送を手がけ、
の利用拡大に努めていきます。
警備輸送 は1965年に事業を開始以来、貴重品運
貴重な美術品の輸送は 日通美術 との評価を確立
搬警備のパイオニアとして、現在に至るまで国内No.1
しました。最近でも
「フェルメール展」
「国宝・薬師寺展」
のシェアを占めています。貴重品輸送での豊富なキャリ
「国 宝・阿 修 羅 展」などの梱 包・輸 送・展 示を担当
アと当社ならではのネットワークを活かし、オンライン
しており、より貴重な美術品にスポットを当てた展覧
化された入出金機
(CSDサービス)
やバッグによる集配
会が増える中、当社ならではの高度な輸送技術への
金サービス、ATMへの現金カセット装填サービス等、
期待はますます高まっています。
警備輸送
金融機関の本店と支店の間や日本銀行
と金融機関の間でやりとりされる現金、
有価証券、小切手等を輸送
海外都市交通システムの運搬・架設
重量品の輸送→架設→建設まで全て
一貫して遂行
美術品輸送
「さわってはいけない」
ものを梱包し、
取り
扱うプロの技術と、振動や空調に細かく
配慮した輸送手段
特 集: 2 0 0 9 年 度 日 本 通 運 グ ル ー プ 経 営 基 盤 強 化 方 針
最重要取組課題
3
小口 貨 物 事 業 への 的 確 な対 応
16
競争環境が厳しさを増す宅配便をはじめとする小口貨物事業の強化は当社にとって、
ここ数年来の大きな課題で
した。
そして様々な可能性を検討した結果、新たに切り拓いたのが当社の
「ペリカン便」
と郵便事業株式会社殿の
「ゆうパック」
との統合により、
スケールメリットを発揮しながらより強力な宅配便事業を展開するという道でした。
2007年10月5日に基本合意書を交わし、2008年6月2日には両社の出資によって宅配便の新事業会社「JPエクス
当初の予定より若干スケジュールが遅れ、
プレス株式会社」
を設立。2009年4月1日より営業を開始いたしました。
2009 年 10月1日のペリカン便とゆうパックの完全統合および引き続き事業を行う特別積合せ事業の再編成に
その具体的な取り組みは以下のものとなります。
向け、
当社はこの1年、確実に作業を進めていきます。
❶ 宅配便事業統合の円滑な実施
❷ 特別積合せ事業の再編成
❸ 事業構造の変化にともなう拠点の最適配置
「宅配便事業統合の円滑な実施」
については、当社の
て業務の効率化を図ります。このアロー便の再編につ
「ペリカン便」
に関わる人員および物流拠点のJPエク
いても着実に作業を進め、宅配便事業の完全統合後、
スプレスへの移管はおおむね終えており、今後「ゆう
可及的速やかに新ネットワークでのオペレーションを
パック」の移管が段階的に進み、10月1日をもって完
開始していくことを検討しております。
全統合となります。それまでの間、当社ではJPエクス
「事業構造の変化にともなう拠点の最適配置」
では、
プレス完全統合後に向けた、新システムの構築や導
JPエクスプレスへの移動対象から外れたターミナル
入テストなどの準備を着実に進めていきます。また、
や集配センターについて、物流拠点として活用するか、
宅配便の新たなブランド名については、環境が整い次
不動産開発に取り組み、難しければ売却の可能性も
第発表いたします。
探ります。通運業からスタートし70年の歴史を持つ当
「特別積合せ事業の再編成」は、当社で引き続き事
社は、貨物駅近くに多くの物流拠点を持ってきました。
業を行うB to Bの小口貨物事業「アロー便」
の再構築
また宅配便のユニバーサルサービスのため、日本全国
を指すものです。
「アロー便」はこれまで
「ペリカン便」
を網羅する拠点網を維持してきました。今回の拠点網
とネットワークの多くを共有してきましたが、完全統合
の再構築により日本通運グループは、B to Bのロジ
後のJPエクスプレスの商品や輸送体制を考慮しつつ、
スティクスサービスをお客様に提供できる体制が整う
アロー便に最適な体制へと再構築すべく選択と集中
ことになります。
を進めます。基本的な方向性としては、当社グループ
の日本トラックを中心にネットワークを最適化するとと
もに、他社と提携協力関係を結ぶことも視野に入れ、
より効率的な運営体制とする考えです。また、商品区
分の簡素化やターミナルからの直集配化なども実施し
今後のスケジュール
分割効力発生
09年4月1日
09年10月1日
事業開始
ゆうパック事業承継準備
完全統合
ゆうパック事業段階的請負
ITシステムの構築作業
両システム連携テスト
17
日本通運本社ビル(中央)
周辺地域への貢献のため武道場や物流
資 料 館などの文 化 交 流 施 設を設け、
地域の皆様にご利用いただいています。
また、十分な耐震性を備え、地域での
防災拠点としての対応も可能です。
海 外 所 在 地 別セグメントの概況(米州)
18
The Americas
2007年の夏頃から顕在化したサブプライムローン問題は米国に金融不安をもたらし、加えて2008年9月のリーマン・
といわれる金融危機が発生して世界経済を揺るがすこととなりました。
こうしたことから
ショックにより
「100年に1度」
米国の景気は急速に悪化して企業活動や個人消費の停滞を招き、
自動車産業の大きな落ち込みは日本車メーカー
およびサプライヤーにも深刻な影響を及ぼしました。
また、2008年末には1ドル=80円台半ばまでになるなど円高
が急激に進み、輸出関連企業に重大な影響を与えました。
現地通貨ベースの業績では、米国は上半期が比較的堅調だったことから、通年での売上高は前期を上回った
ものの、航空貨物の冷え込み等が響き減益となりました。
メキシコは大型の設備輸送案件が終了したため海運貨物
が減収となりましたが、
設備関係の航空輸出や倉庫の荷動きが好調で年度計では増収減益でした。
一方、
ブラジルは
既存顧客の荷動きが好調だったことから、
またカナダでは全社的な構造改革の奏功に加え、航空機や自動車関連
(前期比5.1%減)、営業利益23.3
の輸送も堅調で増収増益を達成しました。米州地域の結果は、売上高568.3億円
億円
(同36.3%減)
となりました。
引き続きトラック運行の効率化、航空・海運の作業共同化、輸出入作業の共同化、拠点・倉庫配備の適正化など
を行いながら、
コスト削減・利益確保を図っていきます。
米国
アンカレッジ
アトランタ
オースティン
ボストン
シャーロット
シカゴ
シンシナティ
クリーブランド
コロンバス
ダラス
デンバー
デトロイト
エルパソ
ホノルル
ヒューストン
インディアナポリス
ラレード
レキシントン
ロサンゼルス
マッカレン
メンフィス
マイアミ
ミルウォーキー
ミネアポリス
は2009年3月期新規開設の拠点です。
ナッシュビル
ニューヨーク
(&ニュージャージー)
ニューポートニューズ
オマハ
フィラデルフィア
フェニックス
ピッツバーグ
ポートランド
ローリー
ロチェスター
ソルトレークシティー
サンアントニオ
サンディエゴ
サンフランシスコ
サンファン
(プエルト・リコ)
サバナ
シアトル
セントルイス
トロイ
テュペロ
ワシントン
メキシコ
アグアスカリエンテス
グアダラハラ
マンサニヨ
メキシコシティー
モンテレー
ティファナ
ケレタロー
カナダ
カルガリー
フォートエリー
モントリオール
トロント
バンクーバー
ウィンザー
ケンブリッジ
チリ
サンティアゴ
ブラジル
カンピナス
マナウス
リオデジャネイロ
サントス
サンパウロ
営業利益の推移
(億円)
60
(億円)
500
400
40
33
36
300
23
22
200
20
100
0
06/3
07/3
08/3
09/3
0
米州
欧州
アジア・オセアニア
日本(右軸)
19
メキシコで米墨国境物流の多様化に対応
をサポートするNEXグローバルロジスティクス メキ
米国日通の子会社、ティファナ日通は、2009 年 6月
シコの2社の機能を活かしながら、あらゆるお客様の
1日から、社名をNEXグローバルロジスティクス メキ
求める物流サービスを構築してまいります。
シコ株式会社(NEX GLOBAL LOGISTICS DE
米国・インディアナポリス営業所を支店として拡充
MEXICO, S.A. DE C.V. )に変更いたしました。
ティファナ日通は、2006 年メキシコ・ティファナ地
区に設立、翌2007年にはサービスIMMEX制度※に
るインディアナポリス市に支店を設置しました。南北
登録、当社の倉庫管理情報システム
「REWARDS」
を
はカナダからメキシコ湾、東西は太平洋から大西洋ま
導入し、日本などアジア各国発を中心とした原材料、
でを結ぶ7本の高速道路の結節点である同州は
「米
部品の輸入や製品、半製品の保管・流通加工を中心と
国の十字路」
とも呼ばれる交通の要所で、日系の自動
したサービスを提供してまいりました。更に、2008年
車関連メーカーが数多く進出して米国有数の産業都
5月モンテレー営業所を開設、従来の米国サンディ
市となっています。1985 年にシカゴ航空貨物支店イ
エゴからメキシコ・ティファナへの物流に加えて、米
ンディアナポリス営業所を開設して以来、航空貨物を
国ラレードからモンテレーへ自社による保税一貫輸送
中心に営業活動を展開してきましたが、米州の域内ト
米国日通は2008 年 7月、インディアナ州の州都であ
体制を構築し、輸送サービスの多様化と拡大を推進
ラック輸送ネットワークにおける役割も増してきたこ
してまいりました。
とから、同営業所を国際(海上・航空)輸送や国内輸
今回の変更は、フェニックス、ツーソン、エルパソ
送を総合的に扱う独立した支店へと変更しました。米
といった他の米国各都市からメキシコへの輸送サー
国日通はこれからも、お客様の利便性を高めるワンス
ビスなど、ティファナだけでなく広範囲で高度な物流
トップ営業体制の強化を進めていきます。
サービスを提供する業務内容にふさわしい名称にし
たものです。
米国・マイアミ支店が世界で19拠点目となる
今年は日本とメキシコが交流を開始してから400年
TAPA認証を取得
の記念の年にあたります。米国市場に加え、今後も成
日本通運グループは、
非営利団体のTAPA
(Transported
長が見込める中南米市場にも注目するお客様企業に
Asset Protection Association )が行っている、貨
とって、両マーケットに至近の生産地となるメキシコ
物輸送の取扱いにおける警備面での安全性評価認証
の重要性は、ますます高まっていくと予想されます。
の取得を積極的に進めており、2008 年 11月には米
当社グループはメキシコ国内で、メキシコ日通が
国日通のマイアミ支店が米国で6 拠点目、世界で19
メキシコシティー、グアダラハラ、モンテレー、マン
拠点目となるTAPA認証を取得しました。TAPA認証
サニヨ、アグアスカリエンテス、ケレタローの6 拠点、
はClass AからClass Cまでの三段階に分かれていま
NEXグローバルロジスティクス メキシコがティファナ
すが、今回マイアミ支店が取得したのは最高ランクの
とモンテレーの2拠点の計8拠点で営業しています。
Class A。中南米地域向け貨物輸送における重要な
今後も、当社グループは、輸出入業務や海外引越な
ゲートウェイ機能を担う同支店は今後、信頼性の高さ
どを含めたお客様に身近な総合物流サービスを提供
を背景に営業活動を一層活発化させていきます。
するメキシコ日通と、米国経由メキシコでの加工貿易
※ サービスIMMEX制度:メキシコ国内にて製品を生産・輸出することを前提に、海外から免税扱いで輸入する原材料・部材への輸送や倉庫保管サービスを
提供する制度。
海 外 所 在 地 別セグメントの概況(欧州)
20
Europe
2007年度から徐々に景気減速傾向へ向かっていた欧州経済ですが、2008年度に入るとその傾向が更に加速しました。
年度半ばにかけては原油や食料品価格の高止まりにともなって企業収益や消費が落ち込み、
更に下半期は金融危機の
深刻化が景気悪化に拍車をかけました。
これに対応し、各国で金融機関の国有化や公的資金の注入といった施策が
打ち出されたものの、
金融市場への不安払拭までには至らず、
景気低迷が深刻化しました。
また、
ドル市況に引きずられる
形でユーロやポンドに対しても円高が進み、2008年末には1ユーロ=116円台、1ポンド=127円台まで高騰しました。
こうした中、現地通貨ベースの業績では、英国で自動車や医療器具、太陽光発電関連などの活発な荷動きがあって
前期より増収増益、
ドイツも倉庫・配送事業の堅調な展開と、
中東欧やロシア向け転送貨物や設備輸送の獲得などに
より、増収増益となりました。
また、
ロシアでは前年9月から稼働した倉庫売上の通年計上や新たに開始した引越業務の
堅調などで増収となりました。急速な景気後退を受け、
オランダ、ベルギー、
フランス、
スペイン、
スイスなどはいずれも
(前期比10.9%減)、営業利益17.8億円
(同42.1%減)
減収減益となり、2008年度の欧州地域は、売上高690.5億円
の結果となりました。
欧州の顧客の物流需要にも変化が生じており、
スペインのバルセロナでは、3ヵ所に展開していた倉庫を1ヵ所に
集約するなど、地域内での施設の統廃合も進める一方で、需要の拡大が見込める地域には、
リスクを考慮しつつ新規
設備も稼働させており、
ポーランドのトルンでは新倉庫建設を進め、2009年春に稼働させました。厳しい環境下では
ありますが、
引き続き収益体質の強化を図っていきます。
英国
ダービー
(イーストミッドランド)
グラスゴー
レスター
ロンドン
マンチェスター
ニューカッスル
スウィンドン
アイルランド
コーク
ダブリン
フィンランド
ヘルシンキ
ベルギー
アントワープ
ブリュッセル
オランダ
アムステルダム
ロッテルダム
フィンライ
ドイツ
ケルン
デュッセルドルフ
フランクフルト
ハンブルク
ハノーバー
ミュンヘン
ニュルンベルク
シュトゥットガルト
フランス
リヨン
ミュルーズ
パリ
イタリア
フィレンツェ
ミラノ
ローマ
トリノ
ハンガリー
ブダペスト
スペイン
バルセロナ
ビルバオ
マドリッド
マラガ
ポルトガル
リスボン
オポルト
オーストリア
ウィーン
スイス
ジュネーブ
チューリッヒ
ポーランド
ブロツラフ
トルン
ワルシャワ
ロシア
モスクワ
サンクト・ペテルブルグ
トルコ
イスタンブール
チェコ
プラハ
ピルゼン
南アフリカ
ヨハネスブルク
ルクセンブルグ
ルクセンブルグ
アラブ首長国連邦
ドバイ
営業利益の推移
(億円)
60
(億円)
500
400
40
32
300
34
30
200
20
17
100
0
06/3
07/3
08/3
09/3
0
米州
欧州
アジア・オセアニア
日本(右軸)
21
ロシアにおいて航空輸送および3PL事業の体制を強化
フィンランド・コトカのロシア向け輸送サービス体制
日本通運は経済成長著しいロシアにおいて、2006年
を強化
にサンクト・ペテルブルグ日通を設立、2007年に同社
欧州 –ロシア貿易の欧州側窓口として多くの実績を
の改変およびロシア日通への社名変更を実施するとと
持ち、今後も物流の活発化が期待されるフィンランド
もにモスクワ支店を開設するなど営業体制の強化を
南部のコトカにおいて、当社は2009 年 2月よりVMI
図ってきました。更に2008 年 12月からは、それまで
(ベンダー主導型在庫管理)を付加したロシア向け
代理店に委託していた混載貨物仕分業務および到着
複合一貫輸送サービスを開始しました。従来、コトカ
案内業務をロシア日通で行う体制を整え、日本発–モ
での当社の業務はフィンランド国内で完結するもので
スクワ・シェレメチェボ空港向け貨物での一貫航空貨
したが、ロシア内陸地での貨物渡しのニーズが高まっ
物輸送サービスをスタートさせています。また、同空
ていることから、他社に先駆けフィンランドでの非居
港近くに建設中だった大型の自社倉庫も2009年6月
住者在庫による調整機能(VMI )
とロシア向け陸上輸
より稼働を始めました。
送を付加した新サービスを提供することとしました。
鉄道輸送を利用したロシア向け一貫輸送サービスの
カ港に保有する30,000m2の施設に当社の在庫管理
販売を開始
システム
「REWARDS」
を導入し、充実したサービス
日本通運は2008年6月より、東アジアからの鉄道利用
を実現しています。
倉庫業務についても、提携先のステラ コロナ社がコト
によるロシア向け一貫輸送サービスの販売を本格開
始しました。これはルースカヤ・トロイカ社が提供する
欧州でのAEO資格取得を積極的に推進
トランスシベリアレールウェイ
(TSR )
ブロックトレイン
欧州の日通グループ各社は近年、通関手続きの優
を使うもので、独自にテスト輸送を行った結果、当社
遇措置が与えられるAEO(Authorized Economic
が1971 年からシベリアランドブリッジ
(SLB )
を利用
Operators)資格の取得に積極的に取り組んでいます。
して提供してきたロシア通過貨物の海上輸送サービ
この資格は、各国税関が通関検査に関わる商業上・
スに比べ、定時制が確保され、安全性・トレース精度
運輸上の管理システムやコンプライアンス、財務の健
など品質面でも優れていることを確認し、今回の本格
全性、セキュリティ・安全基準の体制などを審査し適
販売に至りました。
切と認めた事業者に与えるもので、2008 年 4月にオ
これにあわせ、貨物輸送に特化した梱包ノウハウを
ランダ日通が欧州の日系企業としては初めてAEO資
日通商事がサポート。更に、一般的に高額になりがち
格を取得。更に2009年3月にはアイルランド日通も、
なロシア向け貨物の運送保険について、TSRブロック
同国の日系企業として初の資格取得を果たしました。
トレインならではの安全性の高さを背景に、安価な貨
更に、同年3月にイタリア日通もAEO資格を取得しま
物保険を用意します。なお、この鉄道輸送サービスは
した。当社グループでは今後もAEO資格の取得を推
日本以外に、韓国(釜山)
、中国(香港、上海、塩田、煙
進し、物流のスピードアップなどお客様へのサービス
台)
、台湾の主要港からも利用することができます。
強化につなげます。
海 外 所 在 地 別セグメントの概況(アジア・オセアニア)
22
Asia & Oceania
アジア・オセアニア地域は、
年初から年央にかけてはまだ米国経済の減速が緩やかだったことに加え、
産油国を中心
とする新興国向け輸出の好調や、一次産品価格高騰の恩恵などもあり、欧米に比べると順調な成長を維持していま
した。
しかし次第に、原油価格高騰に起因するインフレの加速や世界的な金融危機の影響が目立ち始め、第 3 四半
および、
これまで旺盛な内需に支え
期以降は輸出産業の比率が高いNIEs諸国、第4四半期に入るとASEAN諸国、
られ高成長を保っていた中国やインドでも勢いが弱まり、世界同時不況が現実のものとなりました。
現地通貨ベースでの各国の業績は、香港は上半期の好調や、航空輸送の減収分を海運・引越がカバーし、通年
では前年並みの売上を維持。
マレーシアは第4四半期に入るまでの堅調、
オーストラリアは日本向け冷凍食品の輸出
や自動車部品・家電関連の輸入好調によりいずれも増収となりました。更に成長の期待が高いベトナムは大幅な
増収・増益を達成しています。
なお第 4 四半期から中国の天宇客貨運輸が連結に加わった結果、最終的なアジア・
(前期比2.7%増)、営業利益41.7億円
(同18.1%減)
となりました。
オセアニア地域の業績は、売上高1,126.5億円
引き続き、成長が見込める中国では、数多くある現地法人により共同セールス、
グループ戦力の有効活用を推進
するとともに倉庫の効率化を行い、
あわせてリスクなども勘案しつつ新興エリアへの拠点拡充を行っていきます。
は2009年3月期新規開設の拠点です。
インド
バンガロール
ニューデリー
チェンナイ
ムンバイ
コルカタ
プーネ
コチン
コインバトール
ハイデラバード
トリヴァンドラム
フィリピン
アンヘレス
ビニャン
カブヤオ
セブ
ラプラプ
リパー
マカティ
マルヴァール
マニラ
パラニャケ
ロサリオ
スービック
パッシグ
タイ
アユタヤ
バンコク
チエンマイ
チョンブリー
ラヨーン
ソンクラー
レムチャバン
シンガポール
シンガポール
ベトナム
ダナン
ハノイ
ホー・チ・ミン
ハイズン
インドネシア
バリ
バンドン
バタム
ジャカルタ
スラバヤ
メラック
マレーシア
イポー
ジョホールバル
クアラルンプール
クチン
マラッカ
ペナン
中国
ハルビン
長春
瀋陽
大連
北京
天津
煙台
青島
常熟
張家港
南通
南京
上海
蘇州
無錫
嘉興
杭州
寧波
福州
厦門
広州
深圳
中山
江門
香港
珠海
西安
襄樊
武漢
長沙
成都
重慶
昆明
ウルムチ
台湾
新竹
高雄
台中
台南
台北
桃園
基隆
韓国
インチョン
マサン
プサン
ソウル
シフン
オーストラリア
シドニー
メルボルン
ニュージーランド
オークランド
Tokyo
Beijing
営業利益の推移
SS7000 輸送ルート概要
(億円)
60
(億円)
500
中越陸路ルート
ハノイ̶広州 、深圳間
約1,500km
50
400
45
中国国内ルート
広州 ̶上海間
約2,000km
東西回廊・陸路ルート
バンコク̶ハノイ 間
約1,500km
300
33
100
0
06/3
07/3
08/3
09/3
0
タイ・シンガポール陸路ルート
バンコク̶シンガポール間
約2,000km
米州
欧州
アジア・オセアニア
日本(右軸)
0
1,000
Shanghai
TAIWAN
Hong Kong
Hanoi
PHILIPPINES
THAILAND
Manila
Bangkok
VIETNAM
200
20
JAPAN
Taipei
41
40
Seoul
SOUTH
KOREA
Ho Chi Minh City
Kuala Lumpur
MALAYSIA
Singapore
2,000km
Jakarta
INDONESIA
23
アジアの大動脈「SS7000」
のサービス体制を
バンコク間「メコン・ランド・ブリッジ・エクスプレス」
更に拡充
の中継でも重要な役割を果たしていきます。
「世界の工場」
として急速な発展を遂げ、国境を越えた
サプライ・チェーン・マネジメントの高度化・複雑化が
●
進むアジア地域にあって、日本通運は中国・上海から
業務提携
シンガポールまでの約7,000kmに及ぶ域内トラック
香港日通、タイ日通倉庫、ベトナム日通の 3 社は
ラオスの大手フォワーダー「ラオフレート社」
と
輸送網の整備に取り組み、
「SS7000」
として物流サー
2008 年 12 月、ラオスの大 手フォワーダ ーであ
ビスを提供しています。部分的な開通を重ねながら
るラオフレート社と業務提携契約を結びました。
ルートを延ばしてきたSS7000ですが、2008年4月に
「 S S7000 」ではこれまで、ラオス通 過の際には
はいよいよ上海からシンガポールまでの7,000kmが
タイ日通倉庫やベトナム日通の社員がラオス税関
完成。更に当社は S S7000 をより充実させるため、
に出向いて手続きを行っていましたが、同国の法
営業体制や施設の拡充を進めています。
規制や税制に精通したラオフレート社が取り扱うこ
とで、より安定的かつ迅速なトランジット手続きが
●
ハノイ–バンコク
「メコン・ランド・ブリッジ・エクス
可能になります。また、同社が持つラオス国内のト
プレス」
の販売を開始
ラック輸送網を活かし、成長が見込まれるアパレル
2008 年 4 月、当社はハノイ
(ベトナム)
とバンコク
産業への部材供給や完成品輸出、タイからの食品・
(タイ)
を結ぶ陸送トラックサービス
「メコン・ランド・
日用品の輸入といった輸出入貨物の取り扱いも広
ブリッジ・エクスプレス」の販売を開始しました。
げる計画です。
当社はすでに中国・華南 – ハノイ間の「スターナイト・
エクスプレス」、シンガポール – バンコク間の
「オ
中国・深圳
圳市に新会社「華南日通」
を設立
リエンタル・ランド・ブリッジ・エクスプレス」を商
2008年11月、香港日通は中国・華南地域の深圳市に
品 化しており、今回の新ルート発 売で中国から
「華南日通」を設立しました。華南地区は早くから製
シンガポールまで、6ヵ国 7,000kmを陸路で結ぶ
造業が発展してきましたが、部品調達や生産、製品販
「SS7000」
が完成したことになります。
売などのサプライ・チェーンにおける域外とのゲート
ウェイ機能は主に香港が担ってきました。しかし近年、
●
ベトナム第3の都市・ダナンに事務所を開設
深圳港や広州新空港など大陸側でもインフラの充実
ベトナム日通は2008年10月、ホーチミン、ハノイに
が進み、物流の華南シフトも目立ってきました。華南日
次ぐ同国第3の都市であるダナンに事務所を開設
通の設立はこうした変化に対応するもので、華南各地
しました。ベトナム中部に位置するダナンはインド
域での営業力を強化し、立地や貨物、貿易形態に応じ
シナ半島における交通の要衝で、近年は電子機器
たより最適な物流を提案・提供していきます。
など製造業の進出も活発になってきました。このた
び開設した新事務所は、ダナン空港まで車で5 分、
ダナン港へ30分、ホアカン、ホアカムの両工業団地
までも20 ∼ 30 分という好立地にあり、航空・海運
上海浦東から成田空港への高品質輸送
「Quality+上海」
を発売
当社は2008年10月、業界初となる中国・上海の浦東
輸出入のフォワーディングはもちろん、ベトナム
空港から成田空港向けのULD(航空会社コンテナ)
国内の南北陸送や
「SS7000」
の一部をなすハノイ–
輸送サービス
「Quality+
(クオリティープラス)
上海」
の
海 外 所 在 地 別セグメントの概況(アジア・オセアニア)
24
販売を始めました。これまで上海から到着するULDは、
と、博多 – 東京
「上海スーパーエクスプレス」
(SSE )
通関手続きの関係から日本到着後に空港内共同上屋
間の内航船を組み合わせた複合一貫輸送「中四国エ
で解体する必要がありました。しかし、この度積付元
クスプレス」
をスタートしました。当社は従来から東京
から貨物の情報を入手することで自社の保税上屋ま
発着の貨物で個別に対応してきましたが、これを商
でULDの状態で引き込むことが可能になり、それを受
品化。岡山・宇野、山口・岩国、山口・徳山を寄港地
けていち早く開発したのが
「Quality+上海」
です。この
に加えるとともに、小ロット貨物にも柔軟に対応でき
商品では、当社グループの天宇客貨服務有限公司が
るよう40ft、20ftの他、12ftコンテナの引き受けも可
浦東空港の貨物代理店用エリアで積み付けたULDが
能としました。更に中継ポイントの博多港では、SSE
そのまま成田の自社施設まで届くため、ハンドリング
の入港当日に通関を済ませ、コンテナの積み替えを行
回数が減り貨物へのダメージが少なくなるのに加え、
うことでスピードアップを図っており、例えば、通常
全ての荷役行程を当社グループのスタッフが行うこ
4 ∼ 5日を要していた上海から岩国や宇野向け貨物の
とで、より高品質な輸送サービスを実現します。
リードタイムが最速3日に短縮されます。
中国・長江流域の主要都市から世界各地への
マレーシアでのロジスティクス体制を拡充
複合一貫輸送を強化
マレーシア日通は2008年11月、首都クアラルンプー
当社は2008年12月、中国・長江流域の主要都市であ
ルとケラン港の中間に位置するマレーシア最大の工業
る成都、重慶、武漢から世界各地へ向けた複合一貫
団地シャー・アラム地区に
「ブキ・ジェラトン倉庫」
を、
輸送サービスの強化を図りました。これら地域では従
また同国第 2 の産業都市であるジョホール地区に
来から、中国現地法人の天宇客貨服務有限公司が支
「PTP
(Port of Tanjung Pelepas )
倉庫」
をオープン
店を置き、海運・航空貨物の輸送サービスを提供。し
しました。ブキ・ジェラトン倉庫はマレー半島を南北
かし近年、中西部地域の経済発展は著しく、物流ニー
に貫く高速道路から近く、クアラルンプール市街まで
ズもより多様多彩になってきました。こうした変化に対
も車で30 分。クアラルンプール国際空港やケラン港
応したのが今回の体制強化で、同社が発地での国内
にも近い絶好のロケーションで、幅広い輸送モード
輸送、輸出入通関、コンテナドレージ等のサービスを
に対応します。一方、PTP倉庫はマレーシア随一のコ
実施し、その先は当社が中国海運日本と共同で設立
ンテナ港であるタンジュン・ペラパス港の保税地域
したCNJワールドロジスティクスの海上輸送サービス
に立地。セナイ空港やケラン港、クアラルンプールへ
を利用し、より高品質で安定した輸送サービスをワン
のアクセスも良好で、海運貨物の他、航空貨物、陸上
ストップで提供します。主な仕向地は北米、欧州、豪州、
輸送、倉庫、引越しの各機能を持ち、ワンストップサー
東南アジアおよび日本の主要港で、東南アジアは週
ビスを提供します。また、同倉庫は保税地域内にある
2∼3便、その他の地域も週2便体制を整えています。
ことから非居住者の貨物取り扱いもでき、ハブ機能を
有する倉庫としても活用していきます。
「上海スーパーエクスプレス」
と国内の内航船を組み
合わせた複合一貫輸送を開始
環境負荷の低い輸送モードとしても関心が高まる海
上輸送サービスの更なる強化の一環として、当社は
2008年12月、上海–博多間の高速海上輸送サービス
CSR の推 進
Connecting
B E T T E R
W I T H
T H E
W O R L D
A R O U N D
U S
25
「 THE HUMAN RACE 10K 」をサポート
世界で同日開催される1Dayランニングイベント。2008年
8月31日、ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドン、パリ、上海
など世界の主要25都市で約100万人のランナーが10kmの
距離を走りました。
日本では、山梨県本栖湖で開催されました。東京マラソン
での実績を認められている日本通運は150名のスタッフを動
員し、参加ランナー1万人の手荷物の受付業務を行いました。
公共のインフラを利用する日本通運グループの事業を持続可能なものとするためには、
安全に徹し、環境に配慮することが不可欠です。日本通運グループは、事業活動に
おいて多くの化石燃料を使用し、温室効果ガスを発生させており、地球温暖化防止
対策について継続的に取り組んでいく必要があります。その他、危機管理、雇用や
人権への配慮、多様性の尊重、社会貢献活動など、日本通運グループが社会から
求められているCSRの取り組みの幅が、ますます広がっていることを実感しています。
26 目標と実績
27 コーポレート・ガバナンス
29 取締役・執行役員・監査役
30 環境保全活動
32 社会貢献活動
目標と実 績
C S R の目標と実 績
CSR全般の2008年度目標と実績および2009年度目標
26
2008年度方針
項目
2009年度方針
活動実績
2009年3月期から
内部統制報告書の提出
財務報告にかかる内部統制の評価およ
び監査の仕組みを構築
内部統制報告書の提出
対象者への教育
点検指導による徹底
対象者への教育
本社による支店への点検
実施および改善研究会実施
対象者への教育
点検指導による徹底
個人情報保護の取り組み
対象者への教育
点検指導による徹底
プライバシーマークの更新
対象者への教育
職場交流点検の実施
プライバシーマークの更新
対象者への教育
点検指導による徹底
プライバシーマークの更新
環境配慮車両の導入
3,500台導入
3,468台導入を達成
3,600台導入
関東地方で取得事業所を増やす
事業所における環境認証の取得
(ISO14001/グリーン経営認証) 取り組みのグレードアップを図る
東京コンテナ支店にて取得完了
取り組みのグレードアップを図る
燃費の向上
ディーゼル車 対前年1.0%向上
ディーゼル車 対前年0.6%向上
ディーゼル車 対前年1.0%向上
モーダルシフト化率
50%
49.9%(2007年度)
50%
グリーン購入の推進
グリーン購入率50%以上
事務用品を中心として日通商事からの
グリーン購入実施48.3%
グリーン購入率50%以上
CO2削減
対前年1%削減
日通グループ全体で
2007年度に対して1.9%減
日通グループ全体で
2008年度に対して1.5%減
従業員採用に関する取り組み
継続的な法定雇用率達成
女性の積極的採用
障がい者の雇用率2.08%
新規採用の29.1%が女性
継続的な法定雇用率達成
女性の積極的採用
コーポレート・ガバナンス
コンプライアンスの推進
(事業に関する法令)
次世代育成支援
(育児休業取得促進)
男性4名以上かつ出産した女性の
80%以上が育児休業取得
男女合わせて116名が育児休業取得
(2007年9月)
継続就業率76.5%(2008年10月)
男性4名以上かつ出産した女性の
80%以上が育児休業取得
継続就業率77.5%
安全への取り組み
運輸安全マネジメントの継続
内部監査実施
不適合事項なし
運輸安全マネジメントの継続
地域の美化活動実施
美化活動継続
美化活動参加人数16,278名
美化活動継続
社会貢献活動
年3回飯豊町の森林育成事業実施
新たな森林育成事業決定
教材の改訂開始
年3回飯豊町の森林育成事業実施
新たな育成事業候補地選定
年2回飯豊町の森林育成事業実施
新たな森林育成事業開始
改訂した教材の配布
コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンス体 制
コーポレート・ガバナンスの考え方
日本通運のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は
。その他監査役は、取締役会
28名です(うち13名は取締役兼務)
「迅速な意思決定によるスピード経営の実現」
と
「責任体制の明
をはじめとする重要な会議への出席、重要な書類の閲覧、主要な
確化」
です。具体的な施策としては、2001 年 6月に、取締役会の
事業所への往査、子会社の調査を行い、これらの結果を監査役会
定員を25名以内から15名以内とし、更にその任期を2年から1年
および取締役会に報告することにより、客観的な立場に立った
に短縮することにより、取締役会のいっそうの活性化と意思決定
監督機関として機能しています。2009年6月26日現在の監査役
の迅速化、ならびに取締役の各事業年度の経営に対する責任の
は4名(うち3名は社外監査役)
です。
明確化を図ってきました。
同時に、迅速な業務執行を目的として、執行役員制を導入しま
した。なお、2009年6月26日現在の取締役は14名、執行役員は
内部統制システムの構築について
企業がその業務を適正かつ効率的に遂行するためには、内部統
「有価証券上場規程
また2008 年 4月には、東京証券取引所の
制システムの構築が重要です。日本通運では
「コンプライアンスの
等」
が一部改正されたことにともない、
「反社会的勢力排除に向け
体制」
「リスク管理の体制」
「内部監査体制」
「グループ会社の業務
た基本方針」
を取締役会において決議しました。これは、反社会
の適正を確保するための体制」など、適正な業務遂行のための
的勢力による被害を防止するための社内体制の整備および個々
実効的な統制システムを構築しています。
の企業行動に対する反社会的勢力の介入防止を規定することに
なお、日本通運では新しく制定された
「会社法」の施行にとも
ついて、求められたことによるものです。
ない、2006 年 5 月に
「内部統制システムの整備に関する基本
方針」
を取締役会で決議し制定しました。
コーポレート・ガバナンス体制
株主総会
選任・解任
選任・解任
選任・解任
連携
会計監査人
監査
監査役会
取締役会
報告
選任
社長
顧問弁護士
報告
報告
会計監査
監督
コンプライアンス委員会
執行役員会
危機管理委員会
監査
業務執行
監査部門
監査
執行部門
本社各本部、本社各部、各地域総括(国内・海外)、
各事業部、各支店、グループ各社
27
コーポレート・ガバナンス
危 機 管 理 体 制 、コンプライアンスへの 取り組み
危機管理体制の構築
28
「危機管理規程」
に基づき
日本通運では、2000年1月に制定した
ての本社と支店の報告体制、あるいは支店間の情報共有体制を
危機管理委員会を設置し、万一のときに備えた災害対策、情報シ
整えています。
ステムリスクやテロなどへの対応を定めています。また海外にお
更に災害による停電や、携帯電話も含めた電話回線が遮断
ける事故、災害、テロなど様々なリスクについても同様の危機管
された場合にも対応できるように衛星携帯電話を導入し、本社
理対策を策定しています。
関係部署、主要な支店などに設置しています。
自然災害については、2001年10月に
「日通グループ災害対策
また、阪神・淡路大震災や新潟県中越沖地震といった大規模な
規程」
を制定し、グループ内での連携強化を図っています。社内
地震災害においては、
「災害対策基本法」
により指定された指定公
においてはイントラネットに
「災害管理システム」
サイトを開設し、
共機関として、国や都道府県からの要請に基づく緊急輸送などを
「災害等報告要領」により報告が必要な災害などの基準(例えば
実施しています。
震度4以上の地震が発生した場合など)
を定め、被災状況につい
新型インフルエンザ対策について
鳥型の新型インフルエンザ感染が世界各国で確認されていますが、
場合でも社会機能を維持できるよう、事業継続のために対策を講
今後ウイルスの突然変異によるパンデミック
(爆発感染)が危惧
じていきます。
されています。日本通運ではこの事態に備え、2008年9月に社長
なお、2009年4月から発生している新型インフルエンザ
(H1N1
をトップとする新型インフルエンザ対策委員会を設置し、対策の
亜型由来豚インフルエンザ)に対しては、5月19日に対策委員会
検討、マスクの他、手袋、ゴーグルといった衛生用品の備蓄を推進
を対策本部に格上げし、発生地域への出張や研修等の自粛、マス
しています。
ク等の送付など直ちに対策を講じました。
また、従業員や関係者の感染による組織力
(品質)が低下した
コンプライアンス経営の推進体制
日本通運ではコンプライアンス経営を重視し、2003 年 6 月に
あわせて自動車事業適正化や自動車運送関連法令、その他倉庫
「コンプライアンス部」
を新設して管理体制の強化を図りました。
業務・公正取引にかかわる法令の遵守、指導に関する機能も加え
また同年 10月には
「コンプライアンス規程」を制定した他、内部
て
「法務コンプライアンス部」
を設置しました。
通報制度「ニッツウ・スピークアップ」
を設けるなど、誠実かつ公正
その後、機能を分離して、2007年5月にコンプライアンス担当
な企業活動推進のための施策を講じてきました。更に、2005年2
専任組織として
「コンプライアンス部」
に変更しました。
月
「コンプライアンス部」
に法務・知的財産対応の機能を持たせ、
個人情報保護の推進体制
当初、コンプライアンス部で対応してきた個人情報の保護管理に
置などの体制整備、その他全従業員を対象とした個人情報保護
関する業務を独立させ、より強固で漏れのない推進体制を構築す
教育の実施によって、個人情報に対する全社的な意識の向上を
ることを目的として、2005年2月、CSR部門の創設とともに
「個人
図ってきました。
情報管理部」
を設置しました。個人情報管理部では、当社の個人
なお日本通運は、
(財)
日本情報処理開発協会の厳正な書類審
情報保護管理に対する取り組み姿勢を示した
「個人情報保護方
査および現地審査を経て、2007年3月23日より同協会からプライ
針」や、社内規程である
「個人情報保護規程」
を制定し、また、そ
バシーマークの付与認定を受けました。
の周知徹底を図ると同時に、個人情報管理者・管理担当者の配
取 締 役・執 行 役員・監査役
(2009年6月26日現在)
取締役会長
代表取締役社長 社長執行役員
代表取締役副社長 副社長執行役員
29
岡部 正彦
泉川 正
渡邉 健二
横山 敬一郎
釣 洋一郎
川合 正矩
取締役 常務執行役員
中村 次郎
萩尾 計二
細越 雅雄
取締役 常務執行役員
三井田 實
常務執行役員
取締役 執行役員
植松 榮
守屋 正太郎
執行役員
大日向 明
常勤監査役
監査役
藤田 讓
宮原 敏
長田 行生
渡部 正人
橋本 良一
千田 賢了
石井 吉明
澁澤 登
渡 善治郎
中野 正俊
宮近 清文
山下 正美
南里 賢一郎
井手野 高大
兒嶋 周史
齋藤 充
梶原 景博
島内 技
内田 茂
伊藤 康生
環境保全活動
環境保全活動
環境配慮車両(低公害車)
の導入
(台)
30
日本通運では、法規制を遵守するにとどまらず、新開発の車種を
車種 年度
含めて積極的に各種の環境配慮車両を導入しています。2005年
メタノール車
にこれまで導入を進めてきたクリーンエネルギー車の定義を見
天然ガス車
直し、トラックの製造が中止されたメタノール車や電気自動車の
ハイブリッド車
電気自動車
導入をやめ、大型車の低公害化を重視した導入方針へ転換しま
LPG車
した。2008 年度はハイブリッド車や新長期規制適合車などを中
超低PM車(大型)
心に増強し、2009 年 3月末までに累計 3,500 台の目標に対して
新長期規制車※
合計
3,468台を導入しました。
2003
2004
2005
2006
2007
2008
31
8
1
0
0
0
228
264
300
337
373
430
61
155
229
322
407
539
2
0
0
0
0
0
998
1,079
1,120
1,143
1,140
1,191
1,320
117
339
475
475
475
14
139
467
572
833
1,637
2,128
2,744
2,967
3,468
※2007~2008年度の新長期規制適合車の台数は重量車燃費基準達成車のみ加算した。
天然ガス車(CNG車)
天然ガス車(CNG車)
バイフューエル
ハイブリッド車
LPG車
ISO14001認証の取得
日本通運では1998年6月に東京航空支店の原木地区(千葉県市
川市)
の3拠点(組織改正によって現行では2拠点)
でISO14001
を取得したのを皮切りに、2000年3月に5拠点、2001年3月には
2 拠点、2002 年 3月にも2 拠点で取得しました。更に、航空部門
以外の部門でもISO認証取得の拡充に努めています。
ISO14001認証
グリーン経営認証の推進
グリーン経営認証制度は、国土交通省が所管している交通エコロ
計画」の中で
「運輸事業のグリーン経営普及を促進すること」
と
ジー・モビリティ財団が認証機関となり、環境に配慮した経営
(グ
触れられているだけでなく、2006 年 4月より施行された
「改正省
リーン経営)
を推進している事業者のうち一定以上のレベルに達
エネ法」
の運用方針の中でも、荷主が環境に配慮している貨物輸
している事業者を審査の上、認証・登録する制度です。
送事業者(ISO14001やグリーン経営認証の取得事業者)
を選定
グリーン経営認証は元来、中小トラック事業者向けの簡易版
することを推奨しています。
環境認証として始まった制度ですが、認可事業所ごとに取り組む
2009年3月現在、トラック部門では、全国に約900ヵ所ある日
ことができ、環境パフォーマンス評価が重視される上、第三者の
本通運個別のトラック事業所のうち256事業所で認証を取得し、
審査によって認証されることから、日本通運では事業所レベルで
グループ会社については13社26事業所で認証を取得しています。
行う環境マネジメントシステムとして有効であると位置づけており、
また2005 年 7月から開始された倉庫部門では、日本通運個別で
現在トラックと倉庫の認証を中心に取得を進めています。
33事業所、グループ会社は1社1事業所が取得しています。
なお、2005 年 4 月に閣議決定された「京都議定書目標達成
反復梱包資材の開発
日本通運では、省資源と廃棄物の削減、作業の効率化をテーマに、
31
1992 年から独自に引越用反復梱包資材を全国で使用し、巻き
ダンボールやエアキャップなどを使用した場合に生じる廃棄物を
大幅に減らしています。中でも女性社員が中心となって開発した
「えころじこんぽ」
(フルパック)
は環境にもお客様にもやさしい引越
さまざまな
「えころじこんぽ」
用梱包資材
サービスで、あらゆる家財の梱包方法を見直して開発した、反復
利用が可能な梱包資材を使用しています。例えば「食器トラン
ク」は、従来のように食器を包装紙で包むことなく簡単に梱包する
ことができます。
またIT 機器輸送用の反復利用が可能な梱包資材である
「パソ
コンポ」
は、発泡スチロールなどの緩衝材使用量の削減を可能に
しました。
2008 年度 CO 2 排出量の削減効果
引越商品名
原単位(kg-CO2)
CO2排出量(t-CO2)
旧来型
87.926
16,990
フルパック
えころじこんぽ
ハーフパック
セルフパック
小計
旧来型
CO2排出量
16,990(t-CO2)
5.506
51
43.129
1,525
67.141
9,976
115.776
11,552
えころじこんぽ
CO2排出量
CO2排出量
11,552(t-CO2)
5,438(t-CO2)
(注)1. 実際に提供した引越サービスにおける排出量と、すべての引越を旧来型で実施した
場合の排出量の差を表した。
2. えころじこんぽ
「フルパック」
:小物の箱詰めから箱出しまで、すべておまかせいただく
プラン
3. えころじこんぽ
「ハーフパック」
:小物の箱詰めから箱出しを、部分的におまかせいただく
プラン
4. えころじこんぽ
「セルフパック」
:小物の箱詰めから箱出しを、お客様に行っていただく
プラン
5. 表中の
「原単位」は、使用資材 1 個(1 枚)
ごとのLCA※
(ライフサイクルアセスメント)
原単位により、日通が取り扱った引越の平均家財分を算出した。
※LCA:life cycle assessmentの略。製造から使用、廃棄にいたるまでの製品が
与える環境負荷を評価する方法。
マニフェスト管理システム
日本通運では2003 年 6月より、自社の各事業所より排出される
産業廃棄物の一元的な管理を目的として、産業廃棄物のマニ
フェスト管理システムを運用しています。このシステムは、事業所
から排出される廃梱包材などの産業廃棄物についてのマニフェ
ストと、契約の内容に相違点がないか、また定められた期限内
にマニフェストが回収されているかなどをチェックするものです。
各事業所と処理業者で契約が締結された場合、もしくは事業所
にてマニフェストが発行された場合は、速やかにその写しがマ
ニフェスト管理センターに送付され、内容を確認の上、データと
して登録されます。これにより、各事業所はその内容をインター
ネット回線を通じて確認することが可能となります。
システム運用の効果として、産業廃棄物の適正処理の徹底、
廃棄物排出量の把握と削減への取り組み、優良委託業者の選別
などが可能となりました。
排出事業所
各支店
1 産業廃棄物
委託契約書の締結
各課
2 マニフェストの起票と
マニフェストの管理
(A・B・D・E票)
運搬事業者
マニフェスト
中間処理事業者
マニフェスト
最終処分事業者
マニフェスト
送付
(B 票)
送付
(D 票)
送付
(E 票)
遅れの通知
遅れの通知
遅れの通知
FAX 送信
マニフェスト管理センター
3 委託契約書の
内容確認と登録
4 マニフェストの
内容確認と登録
5 マニフェストの
経歴登録
マニフェストのファクスイメージデータを厳格に管理し、マニフェストの記入の不備、
送付の遅れなどがあった場合は 関係部署に即座に通知。
社会貢献活動
社会貢献活動
環境教育
32
「youth X change」
(ユース・エクスチェンジ)は、UNESCO
(国際連合教育科学文化機関)
とUNEP(国際連合環境計画)
に
(6クラス)では、日本通運が独自に出前授業を実施しています。
日本通運はこれからもESDを応援します。
よる教育プログラムで、15 歳から25 歳の人たちを対象に、持続
可能な社会実現のために
「どのような消費や生活を行っていくべ
きか」
を理解してもらうことが目的です。日本通運は日本企業とし
て初めてこのプログラムに協賛し、教材の日本語訳を収めたCD
を教師向けに作成しました。また、この「 youth X change 」を
もとに、小学生向けに編集した環境教育用教材「kids X change」
(キッズ・エクスチェンジ)
の制作とその普及事業を社会貢献活動
の一環として開始しました。
「kids X change」
は小学校4∼6年
を主な対象とした児童用教材と教師用指導書から成っています。
2008 年 1月に完成し、2008 年 3月から関東地方を中心に73の
小学校へ配布しました。
また、2008年7月、文部科学省と共催で
「ユネスコ・スクール・
シンポジウム」
を日本通運本社ビル内で実施しました。当日は東
雲小学校(東京都江東区)
の児童による
「kids X change」
のテキ
ストを使用したモデル授業を行った他、持続発展教育
(ESD )
に
関するパネルディスカッションを開催しました。
2009年3月現在、33校で
「kids X change」
のテキストを使用
した授業を実施し、合計2,423名の児童が学んでいます。うち1校
小学校での授業風景
森林育成活動
日本通運では、山形県西置賜郡飯豊町の森林の一部を
「日通の森」
(70ha )
とし、同町中津川財産区の森林育成作業
(不良木の除
2008年度は5月、8月、10月の3回、活動を実施しました。主な
作業は、下刈、間伐、不良木除去、植栽、間伐材を利用した階段・
去)に寄付を行い、支援しています。そのうち2h a については、
作業道作り、きのこの植菌などです。それらに加えて、2008 年
2007年10月より日本通運の従業員とその家族が参加し、森林育
10月には800本のブナの苗木を植林しました。
成活動を行っています。
春 ̶きのこの植菌
夏̶ウッドチップの作成
秋̶ブナの苗木を植林
財 務セクション
33
34 主要経営指標10カ年推移(連結)
45 連結キャッシュ・フロー計算書
36 財政状態および経営成績の分析
46 連結財務諸表注記
40 連結貸借対照表
56 独立監査人の監査報告書(翻訳)
42 連結損益計算書
43 連結株主資本等変動計算書
売上高
営業利益
(百万円)
当期純利益
(百万円)
2,000,000
(百万円)
40,000
60,000
50,000
30,000
1,500,000
40,000
30,000
1,000,000
20,000
20,000
10,000
500,000
10,000
0
’05
’06
’07
’08
0
’09
’05
’06
’07
’08
0
’09
’05
’06
’07
’08
’09
34
主要経営指標10カ年推移(連結)
会計年度:
2009
2008
2007
1,828,946
1,901,433
1,866,267
運送事業
1,524,639
1,597,284
1,580,546
販売事業
291,084
291,923
279,080
13,222
12,225
6,640
日本
1,616,285
1,682,699
1,666,887
米州
45,447
48,009
45,126
売上高
※1
事業の種類別売上高
※2
その他の事業
所在地別売上高 ※2
62,227
69,146
59,422
104,986
101,578
94,831
営業利益
33,513
48,502
50,325
当期純利益
15,172
36,439
33,208
484,337
520,823
517,516
1,172,074
1,297,406
1,360,694
欧州
アジア・オセアニア
会計年度末:
純資産 ※3
総資産
(円)
1株当たり:
比率:
(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー
64,080
90,096
123,058
現金及び現金同等物の期末残高
93,031
144,639
170,109
純資産
454.03
489.26
486.94
当期純利益
14.55
34.94
31.84
自己資本比率
40.40
39.33
37.33
3.08
7.16
6.67
71,352
69,177
67,773
22,801
24,434
23,796
自己資本利益率
その他 :
(名)
従業員数
(平均臨時雇用者数)
※1 売上高には、消費税等は含まれていません。
※2 上記の事業の種類別売上高、所在地別売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を除き表示してあります。
※3 純資産額の算定にあたり、2007年3月期連結会計年度から「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」
(企業会計基準委員会 企業会計基準第5号 2005年12月9日)
および「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針」
(企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第8号 2005年12月9日)を適用しています。
純資産
総資産
(百万円)
(百万円)
(百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー
600,000
1,500,000
150,000
1,000,000
100,000
500,000
50,000
500,000
400,000
300,000
200,000
100,000
0
’05
’06
’07
’08
0
’09
’05
’06
’07
’08
0
’09
’05
’06
’07
’08
’09
35
(金額:百万円)
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1,793,925
1,753,306
1,666,945
1,676,918
1,708,140
1,760,687
1,637,758
1,522,325
1,485,266
1,419,156
1,429,489
1,454,133
1,491,528
1,423,825
266,908
263,216
243,084
242,988
248,898
263,898
208,893
4,690
4,823
4,703
4,440
5,108
5,259
5,039
1,631,402
1,605,602
1,556,828
1,566,037
1,590,309
1,652,365
1,553,058
38,495
33,722
31,297
36,055
45,944
42,520
35,916
49,333
45,525
38,688
37,406
33,997
28,626
21,639
74,693
68,455
40,130
37,419
37,889
37,174
27,144
43,187
43,025
46,156
42,802
33,370
35,283
35,916
18,663
32,190
27,263
23,330
21,180
-26,589
24,040
488,205
444,940
421,128
367,551
375,390
335,730
375,234
1,315,599
1,287,351
1,262,383
1,205,103
1,248,205
1,230,342
1,184,181
63,966
83,139
83,108
48,315
113,752
89,057
75,257
150,615
145,983
138,236
136,149
165,625
140,674
152,823
467.80
426.24
403.38
352.02
353.99
313.76
349.29
17.71
30.64
25.93
22.08
19.97
-24.78
22.38
37.11
34.56
33.36
30.50
30.07
27.29
31.69
4.00
7.43
6.91
6.28
5.96
—
6.75
65,562
65,321
64,699
65,160
66,716
66,219
68,335
24,190
24,400
25,321
25,701
27,263
27,075
22,049
財 政 状 態および経 営成績の分析 (2008 年 4 月1日∼ 2009 年 3 月31日)
現金及び現金同等物の期末残高
1 株当たり純資産
1 株当たり当期純利益
(百万円)
(円)
(円)
200,000
500
35
30
400
150,000
25
300
20
200
15
100,000
10
50,000
100
5
0
’05
’06
’07
’08
’09
0
’05
’06
’07
’08
’09
0
’05
’06
’07
’08
’09
36
企業の概況
携・システム連携による海外ネットワークの強化を図ることで、グ
日本通運グループは、
日本通運㈱とその子会社289社(うち連結子
ローバル事業の拡大に取り組んでまいりました。同時に、
あらゆる輸
会社264社、持分法適用子会社1社)及び関連会社66社(うち持分
送モードの提供に加え、豊富なノウハウと多様な情報システムを活
法適用関連会社21社)
の合計356社(国内287社、海外69社)
で構
かすことで、3PL事業の拡充に努めるとともに、地域に密着したサー
成され、貨物自動車運送業、鉄道利用運送業、海運業、利用航空運
ビスの提供と営業拡大に努めてまいりました。
送業、倉庫業等の
「運送事業」
を主軸とし、
さらに各事業に関連する
また、経営体質の強化を図るため、経営資源の効率的運用、
ロー
「販売事業」及び不動産業他の
「その他の事業」
を展開しています。
コスト構造の確立、資金効率の追求、ITの推進およびグループ経営
運送事業は、
日本国内では日本通運㈱、
日本トラック㈱をはじめと
の効率化推進に努めてまいりました。
さらに、企業としての社会的責
する240社が、
また海外においては米国日本通運㈱以下、英国日本
任を完遂するため、
CSR教育の実施、現場点検指導の強化などを通
通運㈱、
オランダ日本通運㈱、
ドイツ日本通運㈲、香港日本通運㈱、
じて、
コンプライアンス経営の推進に努めるとともに、
より一層の品
シンガポール日本通運㈱等61社が担当しています。
質向上を図るため、社内教育制度の充実や人材の育成に取り組む
販売事業は、国内では日通商事㈱以下26社が、
また海外では日
など、
現場力の強化を推し進めてまいりました。
通商事U.S.A.以下6社が担当しています。
その他の事業では、国内では日通不動産㈱、
日通キャピタル㈱等
経営成績
21社、海外では2社が担当しています。
売上高及び売上原価
以上の結果、売上高は1兆8,289億円と前連結会計年度に比べ724
業績等の概要
億円、3.8%の減収となりました。
経営環境と期中の取り組み
所在地別売上は、
アジア・オセアニアでは前連結会計年度に引続
当連結会計年度のわが国経済は、
サブプライムローン問題に端を発
き2.7 %の増収となりましたが、日本、米州、欧州では、それぞれ
する金融不安が拡大し、世界経済が急速に減速する状況のもと、設
4.2%、5.1%、10.9%の減収となりました。
備投資は低調に推移し、生産も大きく落ち込みました。
また、海外経
売上高減少の主な内容は、運送事業においては、世界経済の急
済の悪化を背景に、
当連結会計年度後半以降、輸出は大幅に減少
速な減速により、航空部門における国際関連貨物の取扱いが大幅
いたしました。
さらに、企業収益の悪化を受け、雇用環境は厳しさを
に減少したことに加えて、円高に伴う為替影響を受けたこと等によ
増し、個人消費も弱めの動きとなりました。
このような内外需要の動
るものであり、販売事業においては、景気後退の影響に伴う輸出梱
向を受け、景気は急速に悪化しながら推移いたしました。
包部門の低迷等によるものです。
物流業界におきましては、
こうした経済情勢を背景に、
好調であっ
売上原価は1 兆 7,145 億円で、前連結会計年度に比べて552 億
た国際貨物の輸送需要が急激な減少に転じるとともに、国内貨物の
円、3.1%の減少となりました。売上総利益は、前連結会計年度から
輸送需要も減少傾向に歯止めがかからないなど、
その状況は厳しさ
172億円、13.1%減少して1,143億円となり、売上総利益率は6.3%
を増しながら推移いたしました。
と前連結会計年度に比べて0.6ポイント低下しました。売上原価減
当社グループは、
このように日々厳しさを増す経営環境のもと、最
少の主な内容は、運送事業での売上高減少に伴う利用運送費、傭
終年度に入った
「パワーアップ3ヵ年計画――改革への挑戦、
お客様
車費・下請費の減少によるものですが、
当連結会計年度前半の燃油
とともに――」
に総力をあげて取り組んでまいりました。
費高騰によるコスト増等により、売上総利益は減益となりました。
当連結会計年度におきましては、設備の拡充ならびにモード連
自己資本比率
自己資本利益率
(%)
(%)
45
10
従業員数(平均臨時雇用者数)
■従業員数 ■平均臨時雇用者数
80,000
8
60,000
40
6
40,000
4
35
20,000
2
30
’05
’06
’07
’08
’09
0
’05
’06
’07
’08
’09
0
’05
’06
’07
’08
’09
37
販売費及び一般管理費及び営業利益
セグメント情報
販売費及び一般管理費は808億円で、前連結会計年度に比べ22億
事業の種類別セグメントの業績概況は以下の通りです。
円、2.7%減となりましたが、
これは主に人件費が減少したこと等に
よるものです。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べて149 億円、
(百万円)
(売上高の明細)
運送事業
販売事業
30.9%減少して335億円となりました。営業利益率も1.8%となり、
その他の事業
前連結会計年度に比べて0.8ポイント低下しました。
合計
その他損益及び当期純利益
2009年3月
増減
増減率
1,600,988
377,964
28,629
2,007,582
1,528,695
369,661
31,002
1,929,359
△72,292
△8,302
2,373
△78,222
△4.5
△2.2
8.3
△3.9
2008年3月
2009年3月
増減
増減率
43,896
5,752
1,061
50,710
28,109
6,316
1,439
35,865
△15,786
564
377
△14,844
△36.0
9.8
35.6
△29.3
(百万円)
(営業利益の明細)
特別利益は15億円で、前連結会計年度に比べて156億円、90.7%
運送事業
減、一方特別損失は109億円で前連結会計年度に比べて14億円、
販売事業
15.7%増となりました。特別利益減少の主な内容は、前連結会計年
その他の事業
度に退職一時金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行したことに
(%)
2008年3月
合計
(%)
伴い、確定拠出年金移行差益として78億円を計上していたこと等に
よるものです。
また、特別損失増加の主な内容は、公正取引委員会
運送事業
課徴金として24億円を計上したこと等によるものです。
国内においては、世界経済の急速な減速により、航空部門における
税金等調整前当期純利益は326億円となり、法人税、住民税及び
国際関連貨物の取扱いを中心に大幅な減少となり、海外において
事業税、法人税等調整額、
さらに少数株主利益を加減した当期純利
は、欧州地域で取扱いが減少したことに加えて、円高に伴う為替影
益は151億円となり、前連結会計年度に比べて212億円、58.4%の
響を受けたこと等から、売上高は1兆5,286億円と前連結会計年度
減少となりました。
また一株当たり当期純利益も14.55円となり、前
に比べ722億円、4.5%の減収となりました。利益面においては、当
連結会計年度に比べて20.39円減少しました。
連結会計年度前半の燃油費高騰によるコスト増などにより、営業利
自己資本当期純利益率は3.08%となり、前連結会計年度に比べ
益は281億円と、前連結会計年度に比べ157億円、36.0%の減益と
て4.08ポイント低下しました。
なりました。
販売事業
景気後退の影響に伴う輸出梱包部門の低迷などにより、売上高は
3,696億円と前連結会計年度に比べ83億円、2.2%の減収となりま
したが、営業費用の削減などもあり、営業利益は63億円と前連結会
計年度に比べ5億円、9.8%の増益となりました。
38
その他の事業
キャッシュ・フロー
売上高は310億円と前連結会計年度に比べ23億円、
8.3%の増収と
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物
(以下
なり、営業利益は14億円と前連結会計年度に比べ3億円、35.6%の
「資金」
という)は、前連結会計年度末に比べ516億円減少し、930
増益となりました。
億円となりました。
この減少額のうち81億円は、資金にかかる負の
また、所在地別セグメントの業績概要は以下の通りです。
換算差額によるものです。
日本
営業活動によるキャッシュ・フロー
世界経済の急速な減速に伴う航空部門における国際関連貨物の取
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は640億円
扱いを中心とした大幅な減少等により運送事業が減収となり、販売
となりました。売上債権の減少などの収入要因があったものの、税
事業においても輸出梱包部門が低迷したこと等により、
売上高は1兆
金等調整前当期純利益の減少310億円、減価償却費の減少218億
6,255億円と前連結会計年度に比べ705億円、4.2%の減収となりま
円などにより、全体では前連結会計年度の900億円から260億円減
した。
営業利益は、
燃油費の高騰によるコスト増などにより、
266億円
少しました。
と前連結会計年度に比べ120億円、
31.2%の減益となりました。
投資活動によるキャッシュ・フロー
米州
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は756億円
航空部門の輸入が減少するとともに、倉庫部門の取扱いが減少した
となり、前連結会計年度の1,052 億円に比べ296 億円減少しまし
こと等から、売上高は568 億円と前連結会計年度に比べ30 億円、
た。
これは主に、固定資産の取得による支出が503億円減少したこ
5.1%の減収となり、営業利益は23 億円と前連結会計年度に比べ
とによります。
13億円、36.3%の減益となりました。
財務活動によるキャッシュ・フロー
欧州
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は319億円
航空の輸出入が減少し、倉庫部門及び自動車部門の取扱いが減少
となり、前連結会計年度の102億円に比べ217億円増加しました。
したこと等から、売上高は690 億円と前連結会計年度に比べ84 億
短期借入金が前連結会計年度の18億円の純減額から当連結会計
円、10.9%の減収となり、営業利益は17億円と前連結会計年度に
年度は167億円の純増額に転じたことや、長期借入による収入の増
比べ12億円、
42.1%の減益となりました。
加 315 億円などの資金増加要因がありましたが、前連結会計年度
に計上された社債の発行による収入200億円が当連結会計年度は
アジア・オセアニア
なかったこと、一方当連結会計年度は社債の償還による支出401億
連結子会社が増加したこと等から、売上高は1,126億円と前連結会
円が計上されたことなどの資金減少要因がこれを上回りました。
計年度に比べ30億円、2.7%の増収となったものの、航空部門の輸
出の取扱い減少等により、営業利益は41億円と前連結会計年度に
比べ9億円、18.1%の減益となりました。
(注)記載金額には消費税等は含まれておりません。
財政状態
資産の状況
当連結会計年度末の総資産は1兆1,720億円となり、前連結会計年
度末に比べ1,253億円、
9.7%減となりました。
39
流動資産は4,806 億円で前連結会計年度末に比べ 175 億円、
設備投資
これは主に、現金及び預金の減少505億円、
3.5%減となりました。
当社グループの当連結会計年度の設備投資は、物流構造の変革や
売掛金の減少540億円などによるものです。
国際物流に対応した流通拠点、営業倉庫などの整備、車両運搬具
固定資産は6,914億円で前連結会計年度末に比べ1,078億円、
の代替等が主な内容であり、総額756億円の投資を実施しました。
13.5%減となりました。建物の増加128億円等があったものの、期
事業の種類別セグメントごとの設備投資額は以下の通りです。
末時価評価額の減少等による投資有価証券及び出資金の減少371
(百万円)
(%)
億円、無形固定資産の減少122億円などの減少要因がありました。
2008年3月
前年同期比
67,930
6,280
1,645
75,856
△233
75,622
29.1
△88.6
53.0
△32.1
̶
△32.2
運送事業
販売事業
負債及び純資産の状況
その他の事業
当連結会計年度末の負債合計は6,877億円で、前連結会計年度末
計
に比べ888億円、11.4%減となりました。
消去又は全社
合計
流動負債は3,941 億円で、前連結会計年度末に比べ928 億円、
19.1%減となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少
451億円、及び1年内償還社債の償還401億円によるものです。
配当政策
固定負債は2,935 億円で、前連結会計年度末に比べ 40 億円、
当社は、株主の皆様への利益還元を最重要施策の一つとして認識
1.4%増となりました。繰延税金負債の減少114億円等があった一
しており、営業の拡充と企業体質の強化に努め、株主資本の拡充と
方で、
長期借入金及び社債が270億円増加しました。
利益率の向上を図るとともに、安定的配当を重視し、利益還元の充
当連結会計年度末の純資産は4,843億円となりました。
当期純利
実に努める方針です。
益の計上等により、利益剰余金が44億円増加しましたが、
その他有
当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年 2回を基本
価証券評価差額金の減少219億円、及び為替換算調整勘定の減少
的な方針としております。配当の決定機関は、
中間配当は取締役会、
193億円などにより、全体では前連結会計年度末に比べ364億円、
期末配当は株主総会です。
7.0%減となりました。
当連結会計年度末の株主配当金につきましては、普通配当1株に
一株当たり純資産額は454.03円で、前連結会計年度末に比べて
つき5円として、2009年6月26日開催の第103回定時株主総会に提
35.23円減少しました。
案し、原案通り承認可決され、中間配当金5円を含めた年間配当金
自己資本比率は40.4%で、前連結会計年度に比べ1.1ポイント上
は、
1株につき10円となりました。
昇しています。
内部留保資金の使途につきましては、各種輸送商品の拡販なら
びに輸送効率の改善に向けた、物流拠点の整備及び車両の代替な
有利子負債
どの設備投資に活用するとともに、財務体質の強化を図り、経営基
当連結会計年度末における有利子負債は、短期借入金及びコマー
盤の強化に努めてまいります。
シャル・ペーパーの増加のほか、新会計基準の適用により当期より
計上されるリース債務などの増加要因がありましたが、社債の減少
により、全体では前連結会計年度末より168 億円、4.7%減少して
3,378億円となりました。
連結貸借対照表
3月31日に終了した連結会計年度
40
(金額:千米ドル)
(※1)
(金額:百万円)
2009
資産
2008
2009
流動資産:
現金及び預金(※2 ※3 ※4)
¥
97,167
¥
147,739
$
989,181
営業債権(※2 ※4 ※10)
受取手形及び売掛金
242,340
300,357
2,467,072
(1,250)
(1,453)
(12,733)
6,675
6,248
67,955
繰延税金資産(※2 ※8)
12,476
17,091
127,010
リース投資資産(※7)
83,385
—
848,879
貸倒引当金
たな卸資産(※2)
その他流動資産
39,833
28,146
405,510
流動資産合計
480,627
498,130
4,892,876
土地
169,042
168,501
1,720,882
車両運搬具
246,649
242,435
2,510,938
建物及び構築物
584,358
560,491
5,948,882
機械装置、工具器具備品及び船舶
274,034
229,135
2,789,721
—
155,480
—
有形固定資産(※2 ※4 ※7)
貸与資産
リース資産
3,819
—
38,879
建設仮勘定
3,696
7,758
37,627
(755,390)
(778,397)
(7,690,020)
526,209
585,405
5,356,911
投資有価証券及び出資金(※2 ※4)
92,851
129,994
945,246
子会社・関係会社株式及び出資金(※2)
12,512
13,098
127,377
2,168
2,665
22,073
減価償却累計額
有形固定資産合計
投資その他の資産
従業員に対する長期債権
その他(※2)
投資その他の資産合計
※については注記をご参照ください。
57,705
68,111
587,456
165,237
213,870
1,682,153
¥ 1,172,074
¥ 1,297,406
$ 11,931,941
41
(金額:千米ドル)
(※1)
(金額:百万円)
2009
負債及び純資産
2008
2009
流動負債
短期借入金(※4)
一年内に返済予定の長期借入金(※4)
支払手形及び買掛金
従業員預り金
未払法人税等(※8)
その他流動負債(※2 ※4)
流動負債合計
¥
21,289
¥
3,790
$
216,734
47,298
113,916
481,510
133,228
178,365
1,356,287
30,595
31,309
311,463
2,138
8,740
21,765
159,617
150,916
1,624,936
394,167
487,039
4,012,697
221,198
194,178
2,251,842
45,065
54,193
458,779
固定負債
長期借入金及び社債(※4)
退職給付引当金及び役員退職慰労引当金(※2 ※5)
繰延税金負債(※2 ※8)
7,365
18,833
74,983
その他固定負債
19,939
22,337
202,988
固定負債合計
293,569
289,543
2,988,594
負債合計
687,736
776,583
7,001,291
偶発債務(※10)
純資産
株主資本
資本金
70,175
70,175
714,397
資本剰余金
26,908
26,909
273,930
利益剰余金
373,749
369,264
3,804,845
自己株式(※6)
(11,507)
(11,504)
459,326
454,844
4,676,028
28,271
50,194
287,810
0
(7)
0
株主資本合計
(117,145)
評価・換算差額等
その他有価証券評価差額金(※2)
繰延ヘッジ損益
為替換算調整勘定
評価・換算差額等合計
少数株主持分
純資産合計
負債純資産合計
※については注記をご参照ください。
(14,106)
5,221
(143,610)
14,164
55,408
144,199
10,846
10,569
110,422
484,337
520,823
4,930,650
¥ 1,172,074
¥ 1,297,406
$ 11,931,941
連結損益計算書
3月31日に終了した連結会計年度
42
(金額:千米ドル)
(※1)
(金額:百万円)
2009
2008
2009
¥ 1,828,946
¥ 1,901,433
$ 18,619,025
1,714,557
1,769,799
17,454,524
114,388
131,634
1,164,500
販売費及び一般管理費
80,874
83,132
823,322
営業利益
33,513
48,502
341,178
3,682
3,935
37,493
(4,091)
(4,379)
(41,650)
売上高(※2)
売上原価
売上総利益
その他の損益
受取利息及び受取配当金
支払利息
9
投資有価証券売却益(( )
は損)
673
(2,992)
固定資産売却損益(( )
は損)
91
1,474
(30,467)
持分法による投資利益(※2)
729
917
7,423
確定拠出年金移行差益(※5)
—
7,858
—
2,495
—
25,399
公正取引委員会課徴金
(668)
その他
4,740
(6,792)
32,678
63,721
332,677
法人税、住民税及び事業税
8,517
16,991
86,710
法人税等調整額
8,187
9,416
83,349
16,704
26,408
170,059
税金等調整前当期純利益
法人税(※2 ※8)
(801)
少数株主利益
当期純利益
¥
15,172
(874)
¥
36,439
(金額:円)
(8,162)
$
154,455
(金額:米ドル)
1株当たり情報(※2)
1株当たり当期純利益
1株当たり配当額
※については注記をご参照ください。
¥
14.55
10.00
¥
34.94
10.00
$
0.1481
0.1018
連結株主資本等変動計算書
3月31日に終了した連結会計年度
43
(金額:千米ドル)
(※1)
(金額:百万円)
2009
株主資本
2008
2009
資本金
前期末残高
¥
70,175
¥
70,175
$
714,397
当期変動額
—
—
—
当期末残高
70,175
70,175
714,397
26,909
26,909
273,947
資本剰余金
前期末残高
当期変動額
自己株式の処分
当期変動額合計
当期末残高
(1)
0
(1)
0
(16)
(16)
26,908
26,909
273,930
369,264
341,890
3,759,182
利益剰余金
前期末残高
(231)
在外子会社の会計処理の変更に伴う増減
—
(2,360)
(10,428)
(9,386)
(106,167)
15,172
36,439
154,455
当期変動額
剰余金の配当
当期純利益
自己株式の処分
(25)
—
連結範囲の変動
—
33
持分法の適用範囲の変動
—
287
—
4,717
27,373
48,024
373,749
369,264
3,804,845
(11,504)
(11,426)
(117,120)
自己株式の取得
(90)
(111)
(925)
自己株式の処分
88
33
900
(2)
(77)
(24)
(11,507)
(11,504)
(117,145)
454,844
427,548
当期変動額合計
当期末残高
(263)
—
自己株式
前期末残高
当期変動額
当期変動額合計
当期末残高
株主資本合計
前期末残高
(231)
在外子会社の会計処理の変更に伴う増減
4,630,406
—
(2,360)
(10,428)
(9,386)
(106,167)
15,172
36,439
154,455
当期変動額
剰余金の配当
当期純利益
自己株式の取得
(90)
(111)
(925)
自己株式の処分
60
34
620
連結範囲の変動
—
33
—
持分法の適用範囲の変動
—
287
—
4,713
27,296
47,982
454,844
$ 4,676,028
当期変動額合計
当期末残高
※については注記をご参照ください。
¥
459,326
¥
(連結株主資本等変動計算書はP.43­44に掲載しています)
連結株主資本等変動計算書
3月31日に終了した連結会計年度
44
(金額:千米ドル)
(※1)
(金額:百万円)
2009
評価・換算差額等
2008
2009
その他有価証券評価差額金
前期末残高
¥
株主資本以外の項目の当期変動額(純額)
当期末残高
50,194
¥
75,485
$
510,985
(21,922)
(25,291)
(223,175)
28,271
50,194
287,810
繰延ヘッジ損益
(7)
5
(73)
株主資本以外の項目の当期変動額(純額)
7
(12)
73
当期末残高
0
(7)
0
5,221
4,858
前期末残高
為替換算調整勘定
前期末残高
53,154
株主資本以外の項目の当期変動額(純額)
(19,328)
362
(196,764)
当期末残高
(14,106)
5,221
(143,610)
評価・換算差額等合計
前期末残高
株主資本以外の項目の当期変動額(純額)
当期末残高
55,408
80,350
564,066
(41,243)
(24,942)
(419,866)
14,164
55,408
144,199
10,569
9,617
107,603
276
952
2,818
10,846
10,569
110,422
520,823
517,516
5,302,077
少数株主持分
前期末残高
株主資本以外の項目の当期変動額(純額)
当期末残高
純資産合計
前期末残高
(231)
在外子会社の会計処理の変更に伴う増減
—
(2,360)
(10,428)
(9,386)
(106,167)
15,172
36,439
154,455
当期変動額
剰余金の配当
当期純利益
自己株式の取得
(90)
(111)
(925)
自己株式の処分
60
34
620
連結範囲の変動
—
33
—
持分法の適用範囲の変動
—
287
(40,966)
株主資本以外の項目の当期変動額(純額)
(36,253)
当期変動額合計
当期末残高
※については注記をご参照ください。
(23,990)
¥
484,337
3,306
¥
520,823
—
(417,048)
(369,066)
$ 4,930,650
(連結株主資本等変動計算書はP.43­44に掲載しています)
連結キャッシュ・フロー計算書
3月31日に終了した連結会計年度
45
(金額:千米ドル)
(※1)
(金額:百万円)
2009
営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益
減価償却費
貸倒引当金の増減額(△は減少)
退職給付引当金、役員退職慰労引当金の増減額(△は減少)
固定資産売却除却損益(△は益)
確定拠出年金移行差益
宅配便事業統合推進費用
公正取引委員会課徴金
投資有価証券売却・評価損益
持分法による投資利益
確定拠出年金移行に伴う未払金の増加額
売上債権の増減額(△は増加)
たな卸資産の増減額(△は増加)
その他の流動資産の増減額(△は増加)
仕入債務の増減額(△は減少)
その他の流動負債の増減額(△は減少)
その他
小計
利息及び配当金の受取額
利息の支払額
確定拠出年金移行に伴う未払金の支払額
宅配便事業統合推進費用の支払額
法人税等の支払額
営業活動によるキャッシュ・フロー
¥
32,678
63,085
132
(8,697)
3,056
—
930
2,495
2,387
(729)
—
33,996
(473)
(3,299)
(40,095)
7,401
(7,992)
84,877
3,898
(4,316)
(4,050)
(977)
(15,351)
64,080
2008
¥
63,721
84,957
(4)
(25,269)
(1,468)
(7,858)
1,208
—
676
(917)
16,004
10,684
905
387
(9,523)
(17,771)
(2,351)
113,380
4,277
(4,361)
(4,027)
(273)
(18,899)
90,096
2009
$
332,677
642,223
1,353
(88,540)
31,118
—
9,473
25,399
24,301
(7,423)
—
346,092
(4,820)
(33,587)
(408,183)
75,348
(81,363)
864,068
39,689
(43,944)
(41,233)
(9,950)
(156,282)
652,346
投資活動によるキャッシュ・フロー
固定資産の取得による支出
固定資産の売却による収入
有価証券の取得による支出
有価証券の売却による収入
連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出
その他
投資活動によるキャッシュ・フロー
(67,657)
2,117
(3,597)
24
(850)
(5,652)
(75,614)
(118,023)
9,046
(217)
3,905
(852)
841
(105,299)
(688,769)
21,559
(36,619)
250
(8,653)
(57,542)
(769,774)
財務活動によるキャッシュ・フロー
社債の発行による収入
短期借入金の増減
コマーシャル・ペーパーの増減
債権譲渡債務返済による支出
長期借入金による収入
長期借入金の返済による支出
社債の償還による支出
配当金の支払額
自己株式の取得・売却による収支
その他
財務活動によるキャッシュ・フロー
現金及び現金同等物に係る換算差額
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)
現金及び現金同等物の期首残高
連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少)
現金及び現金同等物の期末残高(※2 ※3)
—
16,718
3,700
(1,384)
74,548
(73,985)
(40,100)
(10,428)
—
(996)
(31,927)
(8,144)
(51,607)
144,639
—
93,031
20,000
(1,849)
3,000
(1,367)
43,033
(64,147)
—
(9,487)
(77)
692
(10,203)
(88)
(25,496)
170,109
25
144,639
—
170,202
37,666
(14,095)
758,912
(753,181)
(408,225)
(106,167)
—
(10,140)
(325,030)
(82,914)
(525,372)
1,472,453
—
$ 947,080
※については注記をご参照ください。
¥
¥
連 結 財 務 諸 表注 記
46
01
連結財務諸表作成上の基礎
日本通運株式会社(以下、
「当社」)及び連結子会社による添付の連結財務諸表は、
日本の金融商品取引法により作成を義務
づけられた連結財務諸表を基に作成されたものであります。
これは一般に公正妥当と認められる日本の会計基準によって作成さ
れており、国際財務報告基準で求められているものとは一部相違があります。
海外の読者の理解のために一部の科目について表示の組替えを行っております。
また、一部の注記には一般に公正妥当と認め
られている日本の会計原則では求められていない情報も含まれています。
円貨の記載は金額単位未満切捨として表示しているため、単純に合算しても合計値と一致しない場合があります。
米ドルの記載は参考情報です。2009年3月31日のレートである1USドル=98.23円を換算レートとして採用し、1,000米ドル
単位未満を切捨として表示しております。
この米ドル金額の記載については、
日本円の金額をそのレートで米ドルに交換した、
あ
るいは将来交換できると解釈してはなりません。
02
重要な会計方針の要約
(a)連結範囲
2009年3月期においては国内子会社207社、海外子会社57社を連結の範囲に含めております。
また、2008年3月期にお
いては国内子会社212社、海外子会社55社を連結の範囲に含めております。
のれん及び負ののれんの償却については5年間の均等償却を行っております。
2009年及び2008年3月期においては子会社1社、関連会社21社について持分法を適用しております。
重要性の乏しい子会社及び関連会社は原価法を採用しております。
(連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い)
2009年3月期から当社は、企業会計基準委員会(ASBJ)
の実務対応報告第18号、
「連結財務諸表作成における在外子
会社の会計処理に関する当面の取扱い」
(2006年5月17日公表)
を適用し、連結決算上必要な修正を行っております。
この
変更に伴う影響は軽微です。
(b)現金及び現金同等物
連結キャッシュ・フロー計算書における資金(現金及び現金同等物)
は、手許現金、随時引出可能な預金及び容易に換金
可能であり、
かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資か
らなっております。
(c)投資
その他有価証券のうち、
時価のある有価証券は、
連結決算日の市場価格等に基づく時価法
(売却原価は主として移動平均
法)
により評価し、
その評価差額は全部純資産直入法により税効果会計を適用した上で
「その他有価証券評価差額金」
に計
上しております。
また、
時価のない有価証券は、
主として移動平均法による原価法によっております。
(d)たな卸資産
2008年3月期までは、主として移動平均法による原価法によっておりました。
(たな卸資産の評価基準の変更)
2009年3月期から当社及び国内子会社は、企業会計基準委員会が2006年7月5日に公表した企業会計基準第9号「棚卸
資産の評価に関する会計基準」
を適用しました。
この会計基準に従って、通常の販売目的で保有するたな卸資産は、取得原
価と売価から見積追加製造原価及び見積販売直接経費を控除した正味売却価額のいずれか低い方の価格で評価しており
ます。
この変更に伴う影響は軽微です。
47
(e)貸倒引当金
債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回
収可能性を検討し、
回収不能見込額を計上しております。
固定資産に計上した債権に係る貸倒引当金は、投資その他の資産の
「その他」
に含めて計上しており、2009年3月期は22
億2千万円
(2,260万6,000ドル)、2008年3月期は19億92百万円計上しております。
(f) 固定資産及びリース資産
有形固定資産は取得原価を基礎に計上しております。
建物及びリース資産は主として定額法を、
その他の有形固定資産は主として定率法を採用しており、経済的耐用年数に
よって減価償却を行っております。
収用等に伴い譲渡した資産の代替として取得した資産の取得価額は当該譲渡資産の帳簿価額を付しており、譲渡価額と
帳簿価額との差(圧縮損)
について、2009年3月期は13億4百万円
(1,328万2,000ドル)、2008年は17億94百万円計上し
ております。
(追加情報)
2008年の法人税法の改正を契機として、
当社及び国内連結子会社は、経済的耐用年数を見直した結果、機械及び装置
の耐用年数を変更しております。
この変更に伴う影響は軽微です。
(g)リース
2007年3月30日、企業会計基準員会は、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」
を公表し、1993年6月に
公表したリース取引に関する従来の会計基準を改正しました。従来の会計基準ではリース資産の所有権を借手側に実質的
に移転するファイナンス・リースは資産計上することが求められていましたが、
リース資産の所有権移転外ファイナンス・
リース取引については資産計上した場合の情報を注記に開示することを条件として賃貸借取引に準じた会計処理をするこ
とが認められておりました。改正後の会計基準では、借手はすべてのファイナンス・リース取引を資産計上し、
リース資産と
リース債務を貸借対照表に計上することを要求しております。
また、貸手についてはリース資産の所有権を借手側に移転す
るファイナンス・リース取引についてはリース債権として計上し、
所有権移転外ファイナンス・リース取引はリース投資資産と
して計上することを要求しております。
当社は、2008年4月1日以降この改正会計基準を適用しております。
この改正会計基
準に従い、所有権移転外ファイナンス・リース取引も含め、
すべてのファイナンス・リース取引は通常の売買取引に係る方法
に準じた会計処理に変更しております。
所有権移転外リース取引に係るリース資産の減価償却の方法は、
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額
法によっております。
この変更に伴う影響は軽微です。
(h)繰延資産の処理方法
当社の社債発行費については、支出時に全額費用処理をしております。
(i) 法人税
財務諸表上の資産・負債の金額とその税務上の金額との間の差異に起因する将来の税効果について繰延税金資産及び
負債を認識しております。繰延税金資産及び負債は、
これらの一時差異が回収もしくは解消されると予想される年度の課税
所得に適用される税率を使用して測定されております。税率の変更による繰延税金資産及び負債の影響額は、変更時の事
業年度の損益計算書に計上されます。
(j) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、
当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上してお
ります。
48
過去勤務債務は、
その発生時の従業員の平均残存勤務期間の年数による定額法により費用処理しております。
数理計算上の差異は、各連結会計年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間の年数による定額法により按分し
た額をそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理することとしております。
実質的にすべての従業員は、退職時に一時金の支給を受ける権利があります。退職給付引当金は、
当連結会計年度末に
おける退職給付債務の現在価値で計上しております。
一部の連結子会社は、年金数理法に基づいて子会社が拠出する民間非拠出型年金制度である適格企業年金制度を採用
し、過去勤務債務の償却費を費用処理しております。
退職給付債務は、勤続年数にわたって定額法により各連結会計年度に費用処理しております。移行時における退職給付
債務は、発生時に費用処理しております。
数理計算上の差異は、従業員の平均残存勤務期間の年数による定額法により按分した金額をそれぞれ発生の翌連結会
計年度から費用処理することとしております。
一部の連結子会社は、取締役および監査役に対する退職慰労引当金を従業員とは別に計上しており、
そのような慰労金
を実際に支払う場合は、株主総会の承認に基づいて支払われます。経営者が内規に従って見積もった債務の増加額につい
て引当金を繰り入れております。
(k)1株当たり情報
1株当たり当期純利益は、普通株主に帰属する当期純利益を加重平均発行済普通株式数で除して計算しております。
なお、2009年3月期及び2008年3月期について潜在株式はありません。
(l) 消費税等
当社及び国内連結子会社は税抜方式を採用しております。
03
現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている金額との関係は以下のとおりです。
(金額:百万円)
現金及び預金勘定
預入期間が3か月を超える定期預金
担保に供している定期預金
現金及び現金同等物
04
2009
¥ 97,167
(3,973)
(161)
¥ 93,031
短期借入金、
コマーシャル・ペーパー及び長期借入金
(a)短期借入金
短期借入金は運転資金として利用しております。
短期銀行借入金は、大部分が無担保であり、短期手形借入によるものです。
2008
¥ 147,739
(2,905)
(195)
¥ 144,639
(金額:千米ドル)
2009
$ 989,181
(40,453)
(1,647)
$ 947,080
(b)コマーシャル・ペーパー
コマーシャル・ペーパーはその他流動負債に含めて計上しており、2009年3月期は117億円(1億1,910万8,000ドル)、
2008年3月期は80億円計上しております。
49
(c)長期借入金・社債
長期借入金・社債の内訳は次のとおりです。
(金額:百万円)
第3回無担保社債
(最終償還:2018年)
利率1.59%
第2回無担保普通社債
(最終償還:2008年) 利率1.93%
第5回無担保社債
(最終償還:2009年)
利率0.84%
長期借入金(返済期限:2008年∼2016年) 利率0.243%∼3.833%
合計
控除:一年内に返済予定の長期借入金・社債
2009
¥ 20,000
—
—
248,497
268,497
(47,298)
¥ 221,198
(金額:千米ドル)
2008
¥ 20,000
40,000
100
247,995
308,095
(113,916)
¥ 194,179
2009
203,603
—
—
2,529,749
2,733,353
(481,510)
$ 2,251,842
$
2009年3月期の長期借入金の返済予定は次のとおりです。
3月31日に終了する年度
(金額:百万円)
(金額:千米ドル)
¥ 98,339
25,714
40,919
18,363
17,861
$ 1,001,115
261,780
416,573
186,940
181,829
(金額:百万円)
(金額:千米ドル)
¥ 9,924
161
648
639
$ 101,033
1,647
6,606
6,509
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年以降
(d)担保提供資産
担保に供している資産は次のとおりです。
有形固定資産
定期預金
リース債権
投資有価証券
05
退職給付関係
退職給付債務に関する事項は次のとおりです。
(金額:百万円)
退職給付債務
年金資産
未認識数理計算上の差異
未認識過去勤務債務
退職給付引当金
2009
¥ (142,554)
38,577
62,237
(2,751)
¥ (44,490)
2008
¥ (153,331)
64,014
38,970
(3,306)
¥ (53,653)
(金額:千米ドル)
2009
$ (1,451,228)
392,729
633,586
(28,011)
$ (452,923)
退職給付費用に関する事項は次のとおりです。
(金額:百万円)
50
勤務費用
利息費用
期待運用収益
数理計算上の差異の費用処理額
過去勤務債務の費用処理額
退職給付費用
確定拠出年金制度への移行に伴う損益
その他
計
2009
¥ 6,173
3,655
(657)
3,989
(548)
12,613
—
6,704
¥ 19,317
(金額:千米ドル)
2008
¥ 7,722
4,121
(831)
1,553
(548)
12,017
(7,858)
5,443
¥ 9,602
2009
$ 62,849
37,215
(6,690)
40,613
(5,583)
128,403
—
68,252
$ 196,656
退職給付債務等の計算の基礎に関する事項は次のとおりです。
2009
2008
割引率
主として 2.5%
主として 2.5%
期待運用収益率
主として 2.5%
主として 2.5%
15 年
12~15 年
15 年
12~15 年
過去勤務債務の額の費用処理年数
数理計算上の差異の処理年数
上記のほか、連結貸借対照表の退職給付引当金には役員退職慰労金を含めており、2009 年 3月期は575 百万円( 585 万
6,000ドル)、2008年3月期は539百万円が含まれております。
06
07
自己株式
2009年3月期末に保有している自己株式は19,441千株です。
リース取引関係
注02
(g)
に記載したとおり、
当社は2009年3月期からリース取引に関する改正後の会計基準を適用しております。
a. ファイナンス・リース
借主側
当社は、
すべてのファイナンス・リースについて通常の売買取引で購入した場合と同様に資産計上し、
リース資産及びリース債
務を2009年3月31日現在の添付の貸借対照表に計上しました。
(1)2008年3月31日現在のファイナンス・リースに係るリース物件の取得価額相当額、減価償却累計額相当額及び
期末残高相当額
51
(金額:百万円)
2008
取得価額相当額
¥ 2,200
1,449
137
¥ 3,786
車両運搬具
機械装置及び工具器具備品
その他
合計
減価償却累計額
相当額
期末残高相当額
¥ 1,134
904
61
¥ 2,100
¥ 1,066
544
76
¥ 1,686
(2)2008年3月31日に終了した事業年度の支払リース料及び減価償却費相当額
(金額:百万円)
2008
¥ 669
(669)
支払リース料
(減価償却費)
減価償却費相当額はリース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法により算定しております。利息相当額は重要性
がないため認識しておりません。
貸手側
リース取引に係る改訂会計基準に従い、
当社は借手に所有権が移転するファイナンス・リース取引は、
リース債権として、
また
借手に所有権が移転しないその他のファイナンス・リースについては、
リース投資資産として計上しております。
2009年3月31日現在のリース投資資産の要約は、以下のとおりです。
(金額:百万円)
¥ 85,728
933
(3,276)
¥ 83,385
リース債権部分
見積残存価額部分
受取利息相当額
リース投資資産
(金額:千米ドル)
$ 872,734
9,498
(33,354)
$ 848,879
リース債権部分の連結会計年度末日後の回収予定額
(金額:百万円)
3月31日に終了する事業年度
2010
2011
2012
2013
2014
2015以降
リース債権
¥ 1,751
1,534
1,291
1,039
626
510
(金額:千米ドル)
リース投資資産
¥ 28,437
23,553
17,296
10,555
4,457
1,428
リース債権
$ 17,831
15,620
13,144
10,586
6,375
5,196
リース投資資産
$ 289,499
239,778
176,078
107,461
45,373
14,544
(1)2008年3月31日現在のファイナンス・リースに係るリース物件の取得価額相当額、減価償却累計額相当額及び
期末残高相当額
52
(金額:百万円)
2008
取得価額相当額
車両運搬具
機械装置及び工具器具備品
その他
合計
¥ 40,634
112,820
25,432
¥ 178,887
減価償却累計額
相当額
期末残高相当額
¥ 25,618
64,419
12,210
¥ 102,248
¥ 15,015
48,401
13,222
¥ 76,639
(2)2008年3月31日に終了した事業年度の受取リース料、減価償却費及び受取利息相当額
(金額:百万円)
2008
¥ 29,849
26,115
2,763
受取リース料
減価償却費
受取利息相当額
リース料総額とリース物件の取得価額との差額を利息相当額とし、各連結会計年度への配分方法については利息法によって
おります。
b. オペレーティング・リース
2009年及び2008年3月31日現在の解約不能オペレーティング・リースの未経過リース料は以下のとおりです。
借手側
(金額:百万円)
一年以内
一年超
合計
08
2009
¥ 18,848
127,429
¥ 146,277
(金額:千米ドル)
2008
¥ 11,168
77,889
¥ 89,058
2009
191,876
1,297,257
$ 1,489,133
$
税効果会計
法人税等は、
当社及び連結子会社の法人税、住民税及び事業税で構成されております。法定実効税率は2009年3月期及び
2008年3月期とも40.7%であり、実際の税金負担率は2009年3月期が51.1%、2008年3月期が41.4%となっております。
当該差異の原因となった主要な項目別の内訳は次のとおりです。
国内の法定実効税率
永久に損金不算入の費用
受取配当金等永久に益金に算入されない項目
住民税均等割
その他
税効果会計適用後の法人税等の負担率
2009
40.7%
6.8
(3.0)
4.2
2.4
51.1%
2008
40.7%
2.0
(1.4)
2.1
(2.0)
41.4%
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は次のとおりです。
(金額:百万円)
2009
(金額:千米ドル)
2008
2009
繰延税金資産
(流動)
貸倒引当金損金算入限度超過額
¥
賞与引当金計上額
未払事業税認容
売買取引認定リース取引
その他
計
214
7,459
101
1,730
15,273
24,780
¥
269
8,429
792
3,898
4,720
18,110
$
2,181
75,941
1,037
17,620
155,487
252,267
(固定)
貸倒引当金損金算入限度超過額
退職給付引当金損金算入限度超過額
未実現利益の消去に伴う繰延税金
減損損失
その他
評価性引当額
計
繰延税金資産合計
712
44,369
2,025
5,587
8,484
(7,372)
53,806
¥ 78,587
543
48,264
1,985
5,587
10,286
(7,749)
58,918
¥ 77,028
(金額:百万円)
2009
7,248
451,693
20,624
56,879
86,373
(75,054)
547,764
$ 800,032
(金額:千米ドル)
2008
2009
繰延税金負債
(流動)
固定資産圧縮積立金
その他
計
¥
836
11,412
12,249
¥
810
148
959
$
8,515
116,184
124,700
(固定)
固定資産圧縮積立金
退職給付信託設定益
その他有価証券評価差額金
その他
計
繰延税金負債合計
18,208
20,653
19,467
2,897
61,227
¥ 73,476
18,995
20,653
34,568
3,592
77,810
¥ 78,770
185,363
210,260
198,183
29,498
623,305
$ 748,005
¥ 12,476
(7,365)
¥ 5,110
¥ 17,091
(18,833)
¥ (1,741)
$ 127,010
(74,984)
$ 52,026
繰延税金資産・負債の純額
流動資産−繰延税金資産
固定負債−繰延税金負債
合計
53
54
09
セグメント情報
(a)事業の種類別セグメント情報
事業区分の方法は運送事業、販売事業及びその他の事業の3区分としております。
運送事業セグメントには鉄道利用運送業、貨物自動車運送業、海上運送業、利用航空運送業、旅行業、倉庫業、重量物運
搬架設設置業、工場内運搬作業及びその他運送業が含まれております。
販売事業セグメントには車両販売、物流機器、石油・LPガス等の販売、
その他リースや車両整備業を含んでおります。
その他のセグメントには不動産の仲介、設計・管理業、
自動車運転教習業等を含んでおります。
事業の種類別セグメント情報は次のとおりです。
(金額:百万円)
運送事業
販売事業
その他の事業
計
消去又は全社
連結
2009:
売上高
営業利益
資産
減価償却費
資本的支出
¥ 1,528,695
28,109
970,561
52,518
67,930
¥ 369,661
6,316
231,689
10,163
6,280
¥ 31,002
1,439
54,887
641
1,645
¥ 1,929,359
35,865
1,257,138
63,322
75,856
¥ (100,412)
(2,351)
(85,063)
(236)
(233)
¥ 1,828,946
33,513
1,172,074
63,085
75,622
(金額:千米ドル)
運送事業
販売事業
$ 15,562,409
286,162
9,880,497
534,644
691,542
$ 3,763,225
64,301
2,358,639
103,463
63,934
運送事業
販売事業
その他の事業
計
消去又は全社
連結
2009:
売上高
営業利益
資産
減価償却費
資本的支出
$ 315,614
14,654
558,768
6,526
16,752
$ 19,641,248
365,119
12,797,905
644,634
772,229
$ (1,022,223) $ 18,619,025
(23,941)
341,178
(865,963)
11,931,941
(2,410)
642,224
(2,374)
769,854
(金額:百万円)
その他の事業
計
消去又は全社
連結
2008:
売上高
営業利益
資産
減価償却費
資本的支出
¥ 1,600,988
43,896
1,063,027
40,116
55,737
¥ 377,964
5,752
246,274
44,722
54,866
¥ 28,629
1,061
30,304
513
1,075
¥ 2,007,582
50,710
1,339,606
85,352
111,680
¥ (106,148)
(2,208)
(42,200)
(394)
(106)
¥ 1,901,433
48,502
1,297,406
84,957
111,573
(b)海外売上高
海外売上高は次のとおりです。
(金額:百万円)
海外売上高
連結売上高に占める海外売上高の割合
2009
¥ 364,423
19.9%
2008
¥ 402,692
21.2%
(金額:千米ドル)
2009
$ 3,709,901
19.9%
10
偶発債務
偶発債務残高の内訳は次のとおりです。
55
(金額:百万円)
¥
受取手形割引高
保証債務
11
(金額:千米ドル)
66
1,680
$
676
17,103
重要な後発事象
(1)JPエクスプレス株式会社との吸収分割契約に基づく宅配便事業の承継について
当社は、2009年1月30日にJPエクスプレス株式会社との間で締結した吸収分割契約に基づき、
ペリカン便運送約款に
基づいて取り扱われる宅配便事業全般(引受から配送までに必要な一切の業務)
に関する権利義務をJPエクスプレス株式
会社に承継いたしました。
本吸収分割の効力発生日は、2009年4月1日であり、吸収分割により承継した資産の概要は以下のとおりです。
a. 承継資産・負債の概要
(金額:百万円)
流動資産
有形固定資産
無形固定資産
投資その他の資産
資産合計
流動負債
固定負債
負債合計
資産・負債差引合計
¥
192
10,773
1,736
536
13,239
(0)
(0)
(0)
¥ 13,238
(金額:千米ドル)
$
1,956
109,677
17,681
5,465
134,781
(3)
(3)
(7)
$ 134,773
b. 受取対価 株式
なお、
当連結会計年度における、分割した事業に係る営業損益については、他の運送事業と一体で管理しているため、
当
該事業のみでの表示は困難であります。
(2)無担保国内普通社債の発行について
当社は、2009年5月15日開催の取締役会において、無担保国内普通社債の発行に関する包括決議を行っております。
概要は以下のとおりです。
a.
b.
c.
d.
e.
f.
発行総額 300億円
(3億540万5千ドル)
発行時期 2009年5月18日から2009年6月30日まで
払込金額 各社債の金額100円につき金100円
(1.01ドル)
年限 10年以下
利率上限 3.0%
資金使途 借入金返済資金、設備資金及び社債償還資金
なお、上記各項目記載の範囲内において、具体的な発行条件の決定及びその他本社債発行に関して必要な事項は、代表
取締役社長に一任することとしております。
独 立 監 査 人の監 査 報 告書
独立監査人の監査報告書
日本通運株式会社
56
取締役会 御中
我々は、
円貨で表示された添付の日本通運株式会社の2009年及び2008年3月31日現在の連結貸借
対照表並びに同日に終了した会計年度の連結損益計算書、連結株主資本等変動計算書及び連結
キャッシュ・フロー計算書について監査を行った。
これらの連結財務諸表の作成責任は経営者にあり、
我々の責任は、監査に基づき連結財務諸表に対する意見を表明することにある。
我々は、
日本において一般に公正妥当と認められた監査基準に従って監査を実施した。
これらの監査
基準は、我々に連結財務諸表に重要な虚偽の記載がないかどうかについて合理的保証を得ることを求
めている。監査は試査を基礎として行われ、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営
者によって行われた見積もりの評価も含め、連結財務諸表全体としての表示を検討することを含んで
いる。我々は、監査の結果として意見表明のための合理的な基礎を得たと判断している。
我々の意見によれば、上記の連結財務諸表は、
日本において一般に公正妥当と認められた会計原則に
準拠し、
日本通運株式会社の2009年及び2008年3月31日現在の連結財政状態並びに同日をもって
終了した会計年度の連結経営成績及び連結キャッシュ・フローの状況を、
すべての重要な点において
適切に表示している。
追記情報
重要な後発事象として、
JPエクスプレス株式会社との吸収分割契約に基づく宅配便事業の承継に関
する事項及び無担保国内普通社債の発行に関する事項が注記11に記載されている。
添付の2008年3月31日に終了した会計年度の連結財務諸表に記載されている米ドル金額は、読者の
便宜のため示したものである。我々の監査は円金額の米ドルへの換算を含んでおり、我々の意見では、
当該換算は注記1に述べられている方法により行われている。
新日本有限責任監査法人
2009年6月26日
※和文アニュアルレポートの連結財務諸表については、監査済英文連結財務諸表の和訳を掲載しております。和訳
された英文財務諸表の日本語の記載自体は、新日本有限責任監査法人の監査対象とはなっておりません。
した
がって、和文アニュアルレポートの監査報告書は英文が正文であり、
日本語の監査報告書はその和訳です 。
グローバルネットワーク
主な海外子会社、海外駐在員事務所
The Americas
アメリカ
57
NIPPON EXPRESS U.S.A., INC.
590 Madison Avenue, 24th Floor,
New York, NY 10022, U.S.A.
NIPPON EXPRESS DO BRASIL
Rua Fortaleza 53, Bela Vista,
São Paulo, SP CEP 01325-010, Brazil
NIPPON EXPRESS TRAVEL U.S.A., INC.
8 California Street, 8th Floor,
San Francisco, CA 94111, U.S.A.
NITTSU DO BRASIL COMERCIAL, LTDA.
Rua Fortaleza 53, Bela Vista
São Paulo, SP, CEP 01325-010, Brazil
NEX TRANSPORT, INC.
13900 State Route 287,
East Liberty, OH 43319, U.S.A.
NEX GLOBAL LOGISTICS DE MEXICO, S.A. DE C.V.
Blvd. Bellas Artes #20240 B & C,
Ciudad Industrial, Delegación
Mesa de Otay, Tijuana,
Baja California, C. P. 22444, Mexico
NIPPON EXPRESS CANADA, LTD.
6250 Edwards Boulevard, Mississauga,
Ontario L5T 2X3, Canada
NIPPON EXPRESS DE MEXICO, S.A. DE C.V.
Avenida Michoacan No. 20, Nave #9 C
Colonia Renovacion, C.P. 09209 Mexico, D.F., Mexico
Europe
ヨーロッパ
NIPPON EXPRESS (IRELAND) LTD.
Unit 1, Northern Cross Buisiness Park,
North Road, Dublin 11, Ireland
NIPPON EXPRESS (DEUTSCHLAND) GMBH
Marie-Bernays-Ring 23, 41199 Möenchengladbach,
F.R. GERMANY
NIPPON EXPRESS (U.K.) LTD.
Heathrow 360
2 Millington Road, Hayes, Middlesex UB3 4AZ, U.K.
NIPPON EXPRESS (SCHWEIZ) AG
Grindel Strasse 19, 8303 Bassersdorf, Switzerland
NIPPON EXPRESS FRANCE, S.A.
1, Rue Du Chapelier, B.P. 18177,
95702 Roissy Aeroport Charles De Gaulle, France
NIPPON EXPRESS (BELGIUM) N.V./S.A.
Brucargo Bldg. 723, 1931 Zaventem, Belgium
NIPPON EXPRESS (ITALIA) S.R.L.
Via Londra 12, 20090 Segrate (Mi), Italy
NIPPON EXPRESS DE ESPA ÑA, S.A.
Centro de Carga Aerea, Aeropuerto de Barajas,
Parcela 2.1, Nave 2, 28042 Madrid, Spain
NIPPON EXPRESS (NEDERLAND) B.V.
Cessnalaan 24, 1119 NL Schiphol-Rijk, The Netherlands
NIPPON EXPRESS PORTUGAL S.A.
Aeroporto De Lisboa, Edificio 125, Piso 3,
Gab 6, 1700 Lisbon, Portugal
NIPPON EXPRESS EURO CARGO B.V.
Cessnalaan 24, 1119 Nl Schiphol-Rijk, The Netherlands
NIPPON EXPRESS (RUSSIA) LIMITED LIABILITY COMPANY
Gapsalskaya street 5, lit. A, St. Petersburg, 198035, Russia
NIPPON EXPRESS TOURS (NEDERLAND) B.V.
Cessnalaan 24, 1119 NL Schiphol-Rijk, The Netherlands
NIPPON EXPRESS (MIDDLE EAST) L.L.C.
Lob21, Room No. 31, P.O. Box 17341, Jebel Ali, Dubai,
United Arab Emirates
グローバルネットワーク
主な海外子会社、海外駐在員事務所
58
Asia & Oceania
NIPPON EXPRESS (H.K.) CO., LTD.
1101 Chinachem Golden Plaza,
77 Mody Road, Tsim Sha Tsui East,
Kowloon, Hong Kong
NIPPON EXPRESS GLOBAL LOGISTICS (SHANGHAI) CO., LTD.
11, De Bao Lu, Wai Gao Qiao
Free Trade Zone, Shanghai, 200131,
The People’s Republic of China
NIPPON EXPRESS (SHENZHEN) CO., LTD.
B 105-36 Futian Free Trade Zone, Shenzhen,
The People’s Republic of China
NIPPON EXPRESS (SUZHOU) CO., LTD.
No.622 Changjiang Rd, Suzhou New District,
Suzhou Jiangsu Province 215011,
The People’s Republic of China
NIPPON EXPRESS (ZHUHAI F.T.Z.) CO., LTD.
No. 27-1-1, Zhuhai Free Trade Zone,
Hong Wan, Zhuhai, Guang Dong,
The People’s Republic of China
NIPPON EXPRESS (CHINA) CO., LTD.
Room 301, Bja Building,
Beijing Tianzhu Airport Industrial Zone,
10 Tianzhu Road, Shunyi District,
Beijing 101312, The People’s Republic of China
SHANGHAI NITTSU PULING LOGISTICS CO., LTD.
No. 333 Ke Yuan Road,
Pudong New Area Shanghai,
The People’s Republic of China
NIPPON EXPRESS (ZHUHAI) CO., LTD.
No. 1 Ping Dong 5 Road,
Nan Pin High-Technology Industry Area,
Zhuhai, Guang Dong, The People’s Republic of China
NIPPON EXPRESS (JIAXING) CO., LTD.
Rm 415, BoYuang Bldg, No. 6 Dong Fang Rd,
ZhaPu Development Zone, JiaXing, ZheJiang, 314201,
The People’s Republic of China
NITTSU SINOTRANS LOGISTIC DALIAN LTD.
No. 6 Haitian Rd, Free Trade Zone Of Dalian,
Dalian, 116600, The People’s Republic of China
NIPPON EXPRESS CARGO SERVICE (SHENZHEN) CO., LTD.
2F, West Side, Nippon Express Warehouse
Yantain Port Free Trade Zone Shenzhen,
The People’s Republic of China
NIPPON EXPRESS (SOUTH CHINA) CO., LTD.
Room 1312, Hongchang Plaza,
Shennan East Road, Luohu, Shenzhen,
Guang Dong, The People’s Republic of China
NIPPON EXPRESS (SHANGHAI) CO., LTD.
C-12-11F, Shanghai Mart No. 2299
Yan-an Road West Shanghai 200336,
The People’s Republic of China
SHANGHAI e-technology CO., LTD.
6F, UC-Tower, 500 Fushan Road,
Pudong New Area, Shanghai, 200122,
The People’s Republic of China
NIPPON EXPRESS (XIAMEN) CO., LTD.
No. 23-1B, Xiangxing 1 Road, Xiangyu Free Trade Zone
Xiamen, 361006, The People’s Republic of China
NIPPON EXPRESS (SINGAPORE) PTE. LTD.
40 ALPS Avenue, Singapore 498781
NIPPON EXPRESS (MALAYSIA) SDN, BHD.
10th Floor, West Tower, Wisma Consplant 1,
No. 2 Jalan Ss16/4, 47500 Subang Jaya,
Selangor Darul Ehsan, Malaysia
NITTSU TRANSPORT SERVICE (M) SDN, BHD.
Lot 4286, Batu 12, Jalan Balakong,
43300 Sri Kembangan, Selangor Darul Ehsan, Malaysia
NIPPON EXPRESS (AUSTRALIA) PTY., LTD.
Airgate Business Park,
291 Coward Street,
Mascot, N.S.W. 2020, Australia
NIPPON EXPRESS (NEW ZEALAND) LTD.
37 Andrew Baxter Drive, Airport Oaks, Mangere,
New Zealand
Nippon Express (INDIA) PTE., LTD.
‘Logistics Park,’ Plot No. 7, Road No. 10,
Export Promotion Indl. Park,
Whitefield. Bangalore-560066., India
NIPPON EXPRESS (TAIWAN) CO., LTD.
14Fl., No. 285, Section 4,
Jhongsiao E. Rd., Da-an, District,
Taipei City 10692, Taiwan, R.O.C.
NIPPON EXPRESS (THAILAND) CO., LTD.
3195/16 11th Floor, Vibulthani
Tower 1, Rama 4 Road, Klong Ton,
Klong Toey Bangkok, 10110, Thailand
アジア・オセアニア
59
HI-TECH NITTSU (THAILAND) CO., LTD.
Lake Rajada Office Complex,193/88,
21st Fl., Rachadapisek Road, Klong-Toey,
Bangkok, 10110, Thailand
PT. NIPPON EXPRESS INDONESIA
Soewarna Business Park Block J lot 12
Bandara International Soekarno-Hatta
Jakarta, 19110, Indonesia
NIPPON EXPRESS ENGINEERING (THAILAND) CO., LTD.
3195/16 11th Floor Vibulthani
Tower 1, Rama 4 Road, Klong Ton,
Klong Toey, Bangkok, 10110, Thailand
NEX GLOBAL LOGISTICS KOREA CO., LTD.
11F Kyobo Securities B/D
26-4 Yeouido-Dong Yeoungdeungpo-Gu,
Seoul, 150-737, Republic of Korea
NIPPON EXPRESS (PHILIPPINES) CORPORATION
No. 8 Johann Street, Bo. Ibayo, Pascor Drive,
Paranaque City, Metro Manila, Philippines
NIPPON EXPRESS (VIETNAM) CO., LTD.
R. 5.2-5.3 ETOWN, 364 Cong Hoa Street,
Tan Binh District,
Ho Chi Minh City,
Socialist Republic of Vietnam
NEP LOGISTICS, INC.
Unit 1 Lot 10 Phase 4, East Science Ave.
Laguna Technopark, Inc. Binan,
Laguna, Philippines
NEP DISTRIBUTORS SYSTEM, INC
Unit 1 Lot 10 Phase 4,
East Science Ave.
Laguna Technopark, Inc.
Binan, Laguna, Philippines
P.T. NITTSU LEMO INDONESIA LOGISTIK
Jl. Raya Cakung Cilincing Kav. 14,
Cakung-Timur, Cakung, Jakarta, 13910, Indonesia
Major Representative Offices
海外駐在員事務所
Moscow Representative Office
Millennium House, Office“ N” (6F)
Trubnaya str.12, Moscow, 103045, Russia
Pusan Representative Office
Korea Express Bldg., Room No. 909, 1211-1,
Choryang-Dong, Dong-Ku, Pusan, 601-714, Republic of Korea
Johannesburg Representative Office
11 Pomona Road, Cnr. Hawthone Road,
Kempton Park 1619, South Africa
New Delhi Representative Office
C/O NIPPON EXPRESS (INDIA) PTE. LTD.
Plot No. 422, Phase- III, Udyog Vihar
Gurgaon Haryana 122016, India
Seoul Representative Office
C/O The Korea Express Co., Ltd.
58-12, Seosomun-Dong, Chung-Ku Seoul,
100-110, Republic of Korea
会社 情報
(2009年3月31日現在)
60
会社名
日本通運株式会社
本社住所
〒 105-8322
東京都港区東新橋一丁目 9 番 3 号
電話番号 03-6251-1111
設立
1937 年 10 月 1 日
資本金
70,175 百万円
従業員数
38,984 名
URL
(日本語)http://www.nittsu.co.jp/
(英 語)http://nipponexpress.com/
主要事業
1. 鉄道利用運送事業
15. 航空運送代理店業
2. 貨物自動車運送事業
16. 損害保険代理業
3. 貨物自動車利用運送事業
17. 荷造包装事業
4. 海上運送事業
18. 医薬品・医薬部外品・化粧品および医療機器の包装、
5. 内航海運業
6. 港湾運送事業
7. 船舶利用運送事業
8. 利用航空運送事業
9. 前各号以外の貨物運送事業および利用運送事業
10. 貨物運送取次事業
11. 倉庫業
12. 建設業
13. 通関業
14. 通運計算事業
表示および保管業
19. 旅行業
20. 重量物の運搬、架設、設置およびこれに付随する事業
21. 不動産の売買、賃貸およびこれに付随する事業
22. 警備業
23. 一般労働者派遣事業
24. 廃棄物処理業
25. 特定信書便事業
26. 物流情報の収集、処理およびこれに付随する事業
27. 前各号に関連する事業
28. 前各号の事業への投資および融資
株 式情 報
(2009年3月31日現在)
Advancing
O u r
日本国内シェア(2009年3月末、JAFA、JR FREIGHT、MLIT発表)
国際航空貨物
( JAFA )
国内航空貨物
( JAFA )
G l o b a l
P o s i t i o n
21.2
%
23.9
%
日本通運は 1955 年に日本で初めて国内航空貨物の混載業務を
スタートさせた、この分野のパイオニアです。北海道から沖縄まで、
全国どこでも翌日午前中の配達が可能という航空便ならではの
スピードに加え、高度な情報システムやセキュリティ体制により、
「ハイ
スピード&ハイクオリティ」を実現。貴重品や個人情報、機密情報、
特定信書などの輸送でも、お客様から高い信頼を得ています。
37 211 382
カ国
都市
拠点
日本全国はもとより、世界各地へとビジネスを広げる
企業のお客様にとってロジスティクス全体の最良の
パートナーであるために、日本通運は国内・海外で
拠点網の拡充を進めてきました。海外については現在、
世界 37ヵ国、211都市に382の拠点を展開。新興国
の急速な経済発展にもスピーディーに対応し、中国・
東南アジアにおける各国・各地域での体制強化を
はじめ、ロシア・東欧、インドといった近年の注目エリア
においてもいち早く現地法人を設立し、拡大する物流
ニーズをとらえています。グローバルかつ総合的な
ロジスティクス企業を目指す日本通運にあって、その
世界的なネットワークの充実はお客様への提案力、
サービス力の強化に確実に結びついています。
鉄道輸送
( JR 貨物)
42.8
%
株式数
発行可能株式総数 : 3,988,000,000 株
発行済株式総数 : 1,062,299,281 株
株主数
88,350 名
株主名簿管理人
三菱 UFJ 信託銀行株式会社
所有者別株式の分布状況
株主比率
株式比率
88,350
名
倉庫 21社統計
( MLIT )
37.6
%
■ 金融機関
49.4%
■ 個人・その他
20.9%
■ 外国法人等
20.6%
■ 個人・その他
97.7%
■ その他の法人
1.5%
■ 外国法人等
0.5%
■ その他の法人
6.4%
■ 金融機関
0.2%
■ 自己名義株式
1.8%
■ 金融商品取引業者
0.1%
■ 金融商品取引業者
0.9%
1,062,299
千株
氏名又は名称
海外
国内
69
287
合計
356
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)
朝日生命保険相互会社
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
株式会社みずほ銀行
日本興亜損害保険株式会社
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口4G)
株式会社みずほコーポレート銀行
日通株式貯蓄会
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口4)
日本通運の倉庫は単なる在庫保管のための施設にとどまりません。
お客様のニーズに合わせ、受発注処理、入出庫・在庫管理、輸配送の
貨物トレースといった情報システム機能や、検品、値札付け、梱包、
セット組、配送仕分けなどの流通加工機能までを総合的にサポート。
更に多様な輸送モードを組み合わせ、物流全体を適宜最適にコント
(サード・パーティー・
ロールします。こうした機能を進化させた3PL
ロジスティクス)
事業拡大のため当社は倉庫の拡充に取り組んでいます。
61
大株主の状況 (2009年3月31日現在)
日本通運グループの国内・海外子会社、関連会社
日本通運にとって鉄道輸送は創業事業であり、
長年の経験により築い
てきた鉄道会社との信頼関係を基礎に現在もトップシェアを誇る分
野です。鉄道輸送は近年、地球温暖化対策のため自動車中心の輸送・
移動手段を見直すモーダルシフトの一環としてもあらためて注目が集
まっており、当社は運行体制や対応するコンテナサイズの多様化など、
鉄道輸送自体はもとより航空や海運、トラックと組み合わせた複合
一貫輸送の中でも利便性を高め鉄道の更なる活用に努めています。
東京、大阪
w i t h
日本通運海外グループ拠点(2009年3月末)
強固な顧客基盤のもと、日本 No.1の航空貨物フォワーダーとして
事業を展開しています。航空貨物は特にスピードと確実性が求められ
ますが、日本通運では輸送時のきめ細かな配慮とともに、貨物スペース
の安定した確保によって安心・確実な国際航空輸送を実現。日本発
着のみならず海外間の三国間輸送にも力を注ぎ、グローバル物流
企業としての評価を高めてきました。競争環境の厳しさが増す中、
これまでに築いてきた実績と信頼の重みが一層高まっています。
上場証券取引所
日本通運グループは、日本通運と子会社289社
(うち
連結子会社 264 社、持分法適用子会社 1 社)および
関連会社 66 社(うち持分法適用関連会社 21 社)で
構成されています。
株式会社三菱東京UFJ銀行
持株数(千株)
出資比率(%)
65,699
65,464
56,957
51,766
50,294
46,519
41,477
26,261
25,791
20,554
6.2
6.2
5.4
4.9
4.7
4.4
3.9
2.5
2.4
1.9
株価の推移と出来高
(円)
1,000
800
600
400
200
(千株)
0
150,000
120,000
90,000
60,000
30,000
1999
4
2000
4
2001
4
2002
4
2003
4
2004
4
2005
4
2006
4
2007
4
2008
4
2009
4
0
日本通運株式会社 ANNUAL REPORT 2009
Toward New Goals
Moving
T o w a r d
N e w
G o a l s
w i t h
Annual Report 2009
2009 年 3月期
〒105-8322 東京都港区東新橋一丁目9番3号
日本通運は1937年、社名にもある通り鉄道貨物のターミナルとお客様先を結ぶ
「通運業」
T E L:03-6251-1111
(日本語)http://www.nittsu.co.jp/
URL:
(英 語)http://www.nipponexpress.com/
からビジネスをスタートさせました。それから70年以上、当社は運輸を中心に事業の幅を
広げ、日本で最大規模のロジスティクス企業へと成長を遂げました。そして陸、海、空の
あらゆる輸送モードにおいて付加価値の高い物流サービスを提供し続けることで、お客様
から厚い信頼をいただいています。
世界へ目を向けたのも早く、2008年7月には初めて海外に拠点を設けてから50年を迎え
ました。現在では世界37ヵ国に382の拠点を展開し、海外関連の売上は全体の30%近く
を占めるまでになっています。
私たちは今、当社グループのビジネスを一層進化させ新たなステージへ上るために、様々
な施策からなる経営基盤強化方針に取り組み始めました。景気環境の厳しさが続く中に
あっても世界的なロジスティクス需要を確実につかみ、より強い日本通運グループへと
ステップアップを果たしていきます。
Contents
Printed in Japan
August 2009
02 財務ハイライト
04 社長インタビュー
特 集:
2009年度日本通運グループ経営基盤強化方針
10 最重要取組課題 1:
ローコスト体制の構築
12 最重要取組課題 2:
営業力強化のための諸施策の実施
16 最重要取組課題 3:
小口貨物事業への的確な対応
海外所在地別セグメントの概況
18 米州
20 欧州
22 アジア・オセアニア
CSRの推進
26 目標と実績
27 コーポレート・ガバナンス
29
30
32
33
57
60
61
取締役・執行役員・監査役
環境保全活動
社会貢献活動
財務セクション
グローバルネットワーク
会社情報
株式情報