エレルサ®/グラジナ®とは

C 型肝炎治療薬として開発された経口直接作用型抗ウイルス薬
エレルサ®/グラジナ®とは
開発の経緯
エレルサ®錠(一般名:エルバスビル)は、C 型肝炎治療薬として開発された経口直接作用型抗ウイルス薬(Direct Acting
Antivirals:DAAs)の非構造蛋白質(NS)5A 阻害薬であり、第二世代 NS3/4A プロテアーゼ阻害薬のグラジナ®錠(一般
名:グラゾプレビル水和物)と共に、Merck Sharp & Dohme Corp., a subsidiary of Merck & Co.,Inc., Whitehouse
Station, N.J., U.S.A.により開発されました。
エレルサ®錠およびグラジナ®錠は、非臨床試験において広範な遺伝子型に抗ウイルス活性を有することが確認され、開
発試験が進められました。米国では、2015 年 4 月に米国食品医薬品局(FDA)より、透析施行中の進行性慢性腎臓病を有
するジェノタイプ(GT)1 の C 型肝炎患者および GT4 の C 型肝炎患者に対する治療として Breakthrough Therapy の指
定を受けて、2016 年 1 月に承認されました。
国内では、GT1 の日本人 C 型肝炎患者を対象としたエレルサ®錠とグラジナ®錠との併用療法による第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験
において、GT1 の C 型慢性肝炎患者および C 型代償性肝硬変患者に対して、優れた有効性および良好な安全性プロファ
イルが確認されました。
その試験結果を受けて、製造承認申請を行い、2016 年 4 月 1 日に厚生労働省より優先審査に指定され、2016 年 9 月、
エレルサ®錠とグラジナ®錠の併用療法は、「セログループ 1(ジェノタイプ 1)の C 型慢性肝炎又は C 型代償性肝硬変にお
けるウイルス血症の改善」を効能・効果として、製造販売承認を得ました。
エレルサ®/グラジナ®併用療法の特徴
1. エレルサ®は HCV NS5A 阻害薬、グラジナ®は HCV NS3/4A プロテアーゼ阻害薬です。(作用機序のページ参照)
2. ジェノタイプ 1 型の C 型慢性肝炎患者、C 型代償性肝硬変患者に優れた SVR12 率*を示します。(臨床成績国内第Ⅲ相
臨床試験のページ参照)
3. 患者背景(年齢、性別、前治療歴、IL28B の遺伝子型、耐性変異)にかかわらず、優れた SVR12 率を示します。(臨床
成績国内第Ⅲ相臨床試験のページ参照)
4. 重度腎機能障害合併 C 型肝炎患者(透析患者を含む)の SVR12 率は 99.1%(115/116 例)でした(海外データ)。(臨床
成績 CKD 合併 海外第Ⅲ相臨床試験のページ参照)
5. エレルサ®/グラジナ®を併用した国内臨床試験において、293 例中 80 例(27.3%)に副作用が認められました。主な副
作用は ALT(GPT)増加 17 例(5.8%)、AST(GOT)増加 14 例(4.8%)、頭痛 7 例(2.4%)、倦怠感 6 例(2.0%)、下痢 6 例
(2.0%)、便秘 5 例(1.7%)、発疹 5 例(1.7%)でした(承認時)。
重大な副作用として肝機能障害が報告されています。(安全性のページ参照)
*:投与終了後 12 週時点の HCV RNA 持続陰性化率
名前の由来は? 【エレルサ®/グラジナ®共通】 エルバスビル/グラゾプレビル併用療法のシナジー効果による C 型肝炎か
らの解放を意図して、ERELSA(エレルサ)は Elbasvir(エルバスビル)+RELease(解放)から、GRAZYNA(グラジナ)は
GRAZoprevir(グラゾプレビル)+sYNergy(シナジー)から命名しました。出典:インタビューフォーム
効能・効果は? 【エレルサ®/グラジナ®共通】
セログループ 1(ジェノタイプ 1)の C 型慢性肝炎又は C 型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善です。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
本剤の使用に際しては、HCV RNA が陽性であることを確認してください。また、肝予備能、臨床症状等により、非代償性肝
硬変でないことを確認してください。
出典:添付文書
作用機序は?
【エレルサ®】 HCV NS5A に対する阻害薬です。
HCV NS5A はウイルス RNA 複製及び HCV の粒子形成に必須の蛋白です。
【グラジナ®】 HCV NS3/4A プロテアーゼに対する阻害薬です。
NS3/4A プロテアーゼはウイルス複製に必要な成熟したウイルス蛋白産生のための HCV ポリ蛋白プロセシングに関与して
いる。
出典:添付文書
用法・用量は?
【エレルサ®】 通常、成人にはエルバスビルとして 50mg を 1 日 1 回経口投与します。
グラゾプレビルと併用し、投与期間は 12 週間です。
【グラジナ®】 通常、成人にはグラゾプレビルとして 100mg を 1 日 1 回経口投与します。
エルバスビルと併用し、投与期間は 12 週間です。
出典:添付文書
妊婦、産婦、授乳婦等への投与は? 【エレルサ®/グラジナ®共通】
(1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してく
ださい[妊娠中の投与に関する安全性は確立していません]。
(2) 授乳婦には投与しないでください。やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせてください[エルバスビル及びグラゾプ
レビルがヒト乳汁中へ移行するかどうかは不明ですが、動物試験(ラット)で両剤の乳汁中への移行が認められています]。
出典:添付文書
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小児への投与は? 【エレルサ /グラジナ 共通】
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していません[使用経験がありません]。
出典:添付文書
過量投与の場合は? 【エレルサ®/グラジナ®共通】 過量投与に対する解毒剤はありません。
過量投与時には、患者の状態を十分観察し、適切な対症療法を実施してください。
血漿蛋白結合率が高いため、透析は血中濃度を低下させるのに有効ではありません。
出典:添付文書
主な副作用は? 【エレルサ /グラジナ 共通】 国内臨床試験において、293 例中 80 例(27.3%)に副作用が認められました。
主な副作用は ALT(GPT)増加 17 例(5.8%)、AST(GOT)増加 14 例(4.8%)、頭痛 7 例(2.4%)、倦怠感 6 例(2.0%)、下痢 6 例
(2.0%)、便秘 5 例(1.7%)、発疹 5 例(1.7%)でした。(承認時)
出典:添付文書
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エレルサ®錠 50mg 製剤写真
グラジナ®錠 50mg 製剤写真
剤形イラスト
剤形イラスト
表(短径 mm) 裏(長径 mm)
側面(厚さ
mm)
識別コード
表(短径 mm) 裏(長径 mm)
側面(厚さ
mm)
779
220
短径:8.18
長径:14.54
5.14
製剤写真
錠剤
識別コード
短径:6.73
長径:13.89
5.65
製剤写真
錠剤
PTP シート 14 錠(耳付 2 錠)準備中
PTP シート 14 錠(耳付 2 錠): 準備中
PTP シート 14 錠:準備中
PTP シート 14 錠: 準備中
個装箱(PTP14 錠×2)
個装箱(PTP14 錠×4)