平成27(2015)年7月21日 生徒、PTA会員の皆様 湘南高校教職員とPTA役員・委員がお薦めする 神奈川県立湘南高等学校 PTA会長 河合 恒ニ 校長 時乗 洋昭 PTA 図書委員会 夏のまぶしい陽射しに負けないくらい溌剌とした湘南生の姿が頼もしく見える今日この頃、 会員の皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。 夏休みに向けて、PTA図書委員会から 『湘南生に読んでほしい本』 (推薦図書リスト)を お届けいたします。 今回は校長先生、副校長先生、教頭先生をはじめ、今年度着任された 先生方とPTA役員・委員の皆様にご協力いただきました。 最近読んで感銘を受けた本、高校時代に是非読んでほしいと思う本、一生の友となる本など、 推薦いただいた本を多数ご紹介いたします。このリストがみなさんの読書の時間を充実させる 参考になれば幸いです。 ■教職員推薦図書 湘 湘南高校図書館内に蔵書があります 時乗洋昭 校長先生 1 『ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)(下)』 湘 『困ります、ファインマンさん』 R.P.ファインマン 大貫昌子[訳] 岩波書店 ちょっと古い本であるが、経路積分という新しい量子化の手法やファインマン・ダイアグラムの考案を通 して量子電磁気学の発展への功績が評価され、朝永振一郎らとともにノーベル物理学賞を受賞したリ チャード・P・ ファインマンの数々のエピソードを回想録としてまとめたもの。どのような状況でも「その状 況を思いっきり楽しんでやろう」というファインマンの生き方は湘南生に相通じるところがあり、物理学 者っていったいどんな人種なのかを知ることのできる一冊(原書があれば原書を読んでも面白い)。ま た、『物理法則はいかにして発見されたか』も一読に値する。 市川誠人 副校長先生 2 『名著講義』 藤原正彦 文藝春秋 湘 著者はお茶の水女子大学誉教授。 新田次郎・藤原てい夫妻の二男で、数学者。内容は、お茶の水女 子大で十数年行われてきた、毎週1冊の文庫を読み、レポートを書き、議論する読書ゼミの記録であ る。「国家の品格」や「日本人の誇り」に通じる著者の思考の根幹(やや危うさがあるが)の形成過程が よくわかる。歴史・芸術・文学などの教養を身に付け、成熟した判断力を持つことの重要性を、湘南生 に訴えかけてくれる「名著」である。巻末の最終講義も必読。さらに言うと、解説は本校55回生、エッセ イストの岸本葉子氏。ちなみに私は彼女と2,3年で同じクラスでした。 宇田雅則 教頭先生 3 『下町ロケット』 池井戸潤 小学館 湘 人生には簡単に解決できない困難・苦痛がつきものです。そのような局面にどう対処し、どう乗り切るの か。そんなことを考えている方におススメします。読後の爽快感は池井戸小説ならではです。 立花義司先生 (保健体育) 4 『「和」の行事えほん 1(春と夏の巻) 2(秋と冬の巻)』 高野紀子 あすなろ書房 由来と意味を知れば、季節の行事はますます楽しくなる!日本人なら知っておきたい「和」の伝統行事 と季節の楽しみをわかりやすく紹介します。 1 甘糟哲夫先生 (数学) 5 『入試数学伝説の良問100』 安田亨 講談社(BLUE BACKS) 湘 高校3年生のとき、受験勉強の息抜きに読んでいました。息抜きで本気で悩みました。数学が楽しくなり ました。 喜屋武翔太先生 (国語) 6 『ハリー・ポッター』シリーズ J.K.ローリング 松岡佑子[訳] 静山社 湘 成熟してから読む『ハリー・ポッター』シリーズは、幼い時とは異なる感銘を我々に与えてくれる。散りば められた布石を回収しながら、『死の秘宝』へと物語が収斂していく様は圧巻と言わずして何と言おう。 「おまえは、ホグワーツの二人の校長の名前をもらっている。その一人はスリザリンで、父さんが知って いる人の中でも、おそらくいちばん勇気のある人だった」このセリフに直面したとき、目頭が熱くなること は間違いなし。 坂倉美由姫先生 (国語) 7 『変身』 フランツ・カフカ 髙橋義孝[訳] 新潮社 湘 『城』 前田敬作[訳] 新潮社 ある朝目覚めたら、突然 巨大な毒虫に変身していた男の話です。人間は誰もが悩みを持って生きて います。生の不条理について考えたい人は読んでください。決して明るい気持ちにはなれませんが… …。さらに『城』を読み、いつかプラハの街歩きをしてみましょう。自分の行く手をふさぐ得体のしれない ものが実感されます! 笠川昭治先生 (司書) 8 『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている』 佐々涼子 早川書房 湘 日本の出版用紙の約4割を製造している日本製紙。その根幹である石巻工場は、東日本大震災で壊 滅的な被害を受けながらも、わずか半年で奇跡的な復興を遂げた。様々な困難を乗り越え、出版社と 本の読者のために力の限りを尽くした、石巻工場ではたらく人々の熱い思いを綴ったノンフィクション。 荒川実先生 (地歴公民) 9 『風と共に去りぬ』 マーガレット・ミッチェル 大久保康雄[訳] 新潮社 湘 映画が有名だが、原作もまた素晴らしい。超ポジティヴなスカーレットが幾多の困難を乗り越え、ようや く真実の愛に目覚めた時、絶望が訪れる。しかしあのスカーレットが「明日また(作戦を)考えよう」と 言っているのだから、見通しは明るい。南北戦争というアメリカ合衆国最大の事件を舞台に、負けた方 の南部から描いているのがよい。「風と共に去った」のは何だったのか?レットか、家族か、愛か。否! 古き良き南部の大農園制度であった。鴻巣友季子訳が2015年出版されました。 平山裕先生 (地歴公民) 10 『点子ちゃんとアントン』 エーリヒ・ケストナー 池田香代子[訳] 岩波書店 この本は私が小学校3年生ぐらいの時に担任の先生からすすめられて読んだ本です。作品が発表され たのは1931年です。他に『エミールと探偵たち』が有名ですが、作者のエーリヒ・ケストナーはナチス の圧迫を受け続けますが、屈服しませんでした。なぜナチスの圧迫を受けたのでしょうか?ぜひ一度読 んでみてください。 義本大友先生 (保健体育) 11 『一瞬の風になれ』 佐藤多佳子 講談社 湘 青春時代を陸上競技にひたすら打ち込む主人公に心打たれること間違いありません。陸上競技の楽し さ、厳しさ、魅力, etc. 陸上競技の全てが詰まった一冊です。この本を読み、ぜひ陸上競技部へ!! 佐々木恵秀先生 (国語) 12 『謎とき村上春樹』 石原千秋 光文社 村上春樹作品の読み方だけでなく、ひいては小説の読み方がなんとなくわかる本です。 2 井上陽介先生 (国語) 13 『果てしなく美しい日本』 ドナルド・キーン 足立康[訳] 講談社 外国人の目から見た日本論です。なぜ日本人は桜を愛するのでしょう。日本の伝統芸能、例えば能や 歌舞伎の何が人々を魅了してきたのでしょう。あるいは「あなたの宗教は何か」と問われてあなたはどう 答えますか。この本は、そういった日本文化の特性・日本人の本質を外の視点から見つめ、創り出し、 我々日本人が知らない様々なことを気付かせてくれます。この本を通して改めて日本や自分自身につ いて考えるきっかけになってくれればと思います。 高森亜紀子先生 (理科) 14 『11人いる!』 萩尾望都 小学館 発表されてから40年たつが、未だにこれを超えるSF漫画は読んだことがない。萩尾望都渾身の一作。 読めばわかる。 水木久雄先生 (国語) 15 『〈帝国〉-グローバル化の世界秩序とマルチチュードの可能性』 アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート 水嶋一憲[訳] 以文社 全世界を支配する新しい権力として〈帝国〉の出現を主張しています。主権の中心も領土も特にない ネットワーク状に結びついた権力システムがいたる場所から私たちを管理・育成しているという内容で す。資本主義の終焉を考える上での必読書です。 井浦香織先生 (外国語) 16 『そうだったのか!アメリカ』 池上彰 集英社 湘 アメリカと聞くと、何を思い浮かべますか。個人的な話ですが、この本と出合ったきっかけは、2005年7 月に英国留学から帰国後間もなく起きたロンドン同時多発テロ。高校生だった私は、政治経済の中心 であるアメリカのもつ影響力を知りたいという思いから手に取りました。この本からアメリカの歴史的背 景や日々の社会問題が見えてくるかと思います。皆さんも「そうだったのか!」と感じることがあれば嬉 しいです。 3 ■PTA役員・委員(保護者)推薦図書 17 『伝え方が9割』 佐々木圭一 ダイヤモンド社 コピーライターが教える「伝え方の技術」です。伝え方が上手な人は、思いつきで言葉を発しているわけ ではない。「伝え方にはシンプルな技術がある」「感動的なコトバは、つくることができる」なるほど!な 内容ですが、やはり上達するためには試行錯誤が必要です。 湘 18 『チーム』 堂場瞬一 実業之日本社 箱根駅伝で、予選敗退したチームから選ばれた「学連選抜」。所属大学、ユニフォームもバラバラ。一体 感を持つのが難しい一度きりのチームが、キャプテン浦の熱い思いで奇跡をおこします。本番までの葛 藤と、それを乗り越えた先にある栄光と絆。選手一人一人の個性が輝く、青春スポーツ小説です。 19 『幸せへのステップ 世界一小さなアドバイス』 アナ・クィンドレン 相原真理子〔訳〕 集英社 米国の名門女子大マウントホリオーク・カレッジの卒業式で実際に著者がスピーチした内容が本になっ ています。「努力せずに完璧であること」こんな矛盾を叡知のこもった言葉から応援メッセージのように 述べています。これから社会へ向かって歩き出す若い女性や年齢を問わずあらゆる人に、自分らしく生 きることをすすめる励ましの本です。 湘 20 『太郎物語 (高校編)(大学編)』 曽野綾子 新潮社 今の高校生にぜひ読んでほしいです。人に流されず、自分を持ちながら様々な出来事を通して成長し ていく太郎がとても魅力的です。 21 『家庭で楽しむモロッコ料理』 小川歩美 河出書房新社 モロッコ料理を紹介するいわゆるレシピ本ですが、筆者のお気に入りのスポットや、モロッコ料理につい ての詳しい解説のコラムが多く盛り込まれ読み物としても楽しめます。何より初めて訪れたモロッコに魅 了され再訪して修行、現在都内にモロッコレストランを開いた筆者のパワーには驚かされ、それほど魅 惑的なレシピを試したくなることうけあいです。 22 『ヒトのオスは飼わないの?』 米原万里 文藝春秋 犬猫大好きな筆者(ロシア語通訳・作家)のエッセイ。犬と猫に囲まれたにぎやかな毎日の様子がつづら れています。『ヒトのオスは飼わないの?』という書名は「犬猫もいいけど早くヒトのオスを飼いなさい!」 という恩師の言葉に由来します。残念ながらヒトのオスとメスの恋愛に関する話は全く出てきません。 23 『ソロモンの偽証』 宮部みゆき 新潮社 湘 長いお話ですが、面白くて特に後半はかなりハイスピードで読み進めます。ソロモンは誰のことを指す のか、偽証とはどの言葉なのか。冒頭のシーンの本当の意味は何だったのか、ぜひ確かめて欲しいで す。ハードカバー全3巻で読みましたが、先日発売された文庫版の最終巻には事件後の書き下ろし中 編が収録されていると知り、そちらも読んでみたいと思っています。 湘 24 『りんごかもしれない』 ヨシタケシンスケ ブロンズ新社 りんごかもしれない、りんごではないかもしれない、いろんな可能性を絵で具現化しています。見るだけ で楽しい絵本です。姉妹本で『ぼくのニセモノをつくるには』があります。『リンゴかもしれない』は他者、 『ぼくのニセモノをつくるには』は他者を掘り下げる哲学書みたいな絵本です。 25 『楽しい「仏教生活」入門』 佐々木宏幹(こうかん) 光文社 湘 「日日是好日」を目指そう。この本は日々の過ごし方、仏様(仏像)の種類、仏教用語、仏教行事などに ついて、やさしく解説しています。毎日の家事、寺参り、墓参りなどをより意味のあるものに変えたい人 にお薦めです。 26 『ツルはなぜ一本足で眠るのか 適応の動物誌』 小原秀雄 他2名 草思社 人間から見ると不思議な動物の行動、実は必然なことだったのです。 4 27 『窓から逃げた100歳老人』 ヨナス・ヨナソン 柳瀬尚紀[訳] 西村書店 湘 日本では昨年公開された映画『100歳の華麗なる冒険』の原作です。老人ホームでの100歳の誕生 パーティ-の日に窓から逃げ出した主人公が、道中で知り合った仲間と逃亡するのですが、その中に 主人公の過去のエピソードが折り込まれた痛快な冒険物語です。スペイン内戦から冷戦期にかけての 世界の指導者たちの裏舞台に暗躍する波乱の人生に勇気づけられます。 28 『嫌われる勇気』 岸見一郎 ダイヤモンド社 自己啓発の源流 「アドラー」の教え。 対人関係の悩み・人生の悩みを100%消し去る「勇気」の対話編。 湘 29 『クジラの彼』 有川浩 角川書店 湘 自衛隊の人々の恋愛小説です。自衛官の若者の生活がなんとなくカッコ良いです。恋愛が苦手な人に もオススメかも……。 30 『神聖喜劇 第1巻~第5巻』 大西巨人 光文社 湘 今、これを読むか読まないかで今後の生き方が変わります。 31 『ストラヴァガンザ(仮面の都、星の都、花の都)』 メアリ・ホフマン 乾侑美子[訳] 湘 小学館 ロンドンに住む15歳の少年ルシアンは、ふっとしたことで時空を超える術を身につけ、16世紀のベネ ツィアそっくりのベレッツァへと旅立つ。ベレッツァで出会う不思議な人たちとパラレルワールドの大冒険 が始まる。 32 『十角館の殺人』 綾辻行人 講談社 湘 十角形の奇妙な館が建つ孤島、角島を大学ミステリー研の7人が訪れた。 館を建てた建築家・中村青司は半年前に炎上した青屋敷で焼死。やがて学生達を襲う連続殺人。 ミステリー史上最大級の驚愕の結末が待ちうける。映像化不可能とも言われる。綾辻行人の館殺人シ リーズが読みたくなる。 33 『走ることについて語るときに僕の語ること』 村上春樹 文藝春秋 湘 34 『Sydney! (上)(下)』 村上春樹 文藝春秋 湘 35 『遠い太鼓』 村上春樹 講談社 湘 村上春樹といえば小説のことだけが語られがちですが、随筆や旅行記も秀逸です。 自身もマラソンやトライアスロンをする人なので、その目を通して語られるオリンピック競技の描写も独 特で面白いです。ベストセラー小説の中では見ることの出来ないユーモアあふれる表現は何度も読み 返したくなります。(33・34含む) 36 『フランス人は10着しか服を持たない』 ジェニファー・L・スコット 神崎朗子〔訳〕 湘 大和書房 断定的で潔い表題。その言葉にどんなことが隠れているのか興味を持った。読んでいるうちに自分もパ リにホームスティしている気分になり、楽しく一気に読めます。洋服の話だけでなく日々の暮らしを少な いもので豊かにするヒントがつまっている本です。マダム・シックの美味しそうな料理やスイーツも彩りを 加え忙しい毎日の中、モノであふれている今だから、見失っているものが見つかるかもしれません。 37 『ナンシー関の記憶スケッチアカデミー Ⅰ・Ⅱ』 ナンシー関 角川書店 出されたお題のイラストを記憶のみによって描く。それが「記憶スケッチ」です。この本に載っている数々 の作品はいずれ劣らぬ傑作揃い。そして作品に添えられたナンシー関のコメントが切れ味抜群です。 大笑いして日ごろの憂さ晴らしをしてください。 5 38 『日本の大和言葉を美しく話す こころが通じる和の表現』 髙橋こうじ 東邦出版 毎日何気なく話している日本語には漢語と外来語、そして大和言葉の3つに分けられます。はるか昔か ら日本人が守り伝えてきた美しい言葉「大和言葉」。 そのひとつひとつに込められた想いを感じてみませんか。 湘 39 『火花』 又吉直樹 文藝春秋 お笑い芸人、又吉直樹氏の作品。人間存在の根本を見つめた真摯な筆致が感動を呼ぶ! 『文學界』史上初の大増刷に。 40 『サウスバウンド』 奥田英朗 講談社 湘 元過激派の父に振り回されながら成長する少年二郎ら家族の物語。ユーモアもあり痛快な長編。 41 『世界の美しい鳥』 上田恵介監修 パイインターナショナル 湘 世界各地の色とりどりな鳥を集めた写真集。とにかく鳥たちが美しい!世界にはこんなにもおしゃれな 鳥がたくさんいるんだ!とびっくりしました。そして改めて自然のすごさに感動です。創造主の神の実力に 脱帽。私のお気に入りは、鮮やかな色彩と立派な尾羽が美しいケツァール。ヒヨクドリも可愛い。何度で も眺めたくなる一冊。 湘 42 『雷の季節の終わりに』 恒川光太郎 角川書店 『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞し鮮烈デビューした著者の受賞後第一作。作家の描く異界のとり こになった。それは現実世界とかけ離れたものではなく、ふとした瞬間、ふと何かに気を取られた、そん な時間の狭間に迷い込むような世界。そこに端正で美しい文体で読み手は誘われる。物語世界にのめ り込む楽しさを味わえる作品です。『夜市』もお薦めです。 43 『日本国憲法を口語訳してみたら』 塚田薫・長峯信彦 幻冬舎 カジュアルな若者ことばで日本国憲法全文を紹介した書籍です。護憲か改憲かで世論が分かれてい て、特に若い人は「改憲しても……」という声が多くを占めていますが、憲法全文を読んでいる人は少な いと思います。原文も併記されているので原文の格調高さも分かると思います。この本をきっかけに憲 法に興味を持ってもらい他の憲法本も読んでみるきっかけになればと思います。特典としてインター ネットで配布されている自民党改憲案もぜひ読んでみてください。 44 『沈黙の春』 レイチェル・カーソン 青樹簗一[訳] 新潮社 湘 保護者である私が高校時代に読んで感銘を受けた本なので、少し(かなり?)古い本です。ですが、化 学薬品や農薬がどれほど環境に被害を与えたのか非常に考えさせられる本でした。種々に渡り発展し てきた現代では、この本に書かれている内容に異議が唱えられているようですが、現在一般に市販さ れている「殺虫剤」は元々戦時中に人を殺すのに考案されたものだと知ると、必読本だと思いません か?まずは書店で探してみてください。 45 『ハケンアニメ!』 辻村深月 マガジンハウス 湘 タイトルが『ハケンアニメ!』。これってアニメオタクのための本かと思っていたらとんでもない! アニメ制作に関わる働く人たちの情熱や熱意が伝わることもさながら、アニメに関わる声優さん達の想 い。そして、アニメには関係なく「会社」という企業で働く全ての人達の仕事に対するまっすぐな気持ちな どなどとにかく詰まっているんです。色んな想いや名台詞。そして辻村深月ファンならだれもが知ってい る過去の名作のアノ大物作家も登場。ニヤリとすること間違いなし。 46 『われはロボット』 アイザック・アシモク 小尾芙佐[訳] 早川書房 人工知能の開発が進む今、ロボットと人間の関係を考える「頭の体操」に役立ちます。 47 『四十一番の少年』 井上ひさし 文藝春秋 児童養護施設で少年時代を過ごした著者の自伝的短編集。 6 48 『プチ革命 言葉の森を育てよう』 ドリアン助川 岩波書店 湘 背表紙から……どんなに生きづらい世の中でも人生を豊かにしてゆくのはその人の心だ。心が自由な ら希望を持って生きて行ける心の中に言葉の葉を茂らせて、人生を広げていこう。受け身ではなく強制 でもない、一人でできるプチ革命の提案です。5月にNHK Eテレ 東北発未来塾『ドリアンさんと行く!言 葉探しの旅』放映されました。 49 『楽園のカンヴァス』 原田マハ 新潮社 湘 アートミステリーは初めて読みました。絵画にはそれぞれの作者の思いが込められており、どんな物語 なのかを想像しながらどんどんと引き込まれていく小説でした。絵画の魅力と作者の深い理解が交わっ て、この小説を読んでから久しぶりに美術館に足を運ぼうかなと思う一冊です。 50 『泣き虫ハァちゃん』 河合隼雄 新潮社 ハァちゃんの生活を通して、家族のあり方、兄弟のあり方、様々なことを感じることができる一冊です。 人生には四季がある。冬でも春へ続くと考えるとがんばる元気が出てくるはずです。 51 『ぼおるぺん古事記 (一)天の巻(ニ)地の巻(三)海の巻』 こうの史代 平凡社 湘 丁寧に『古事記』の神話を漫画で描き、それが全編ボールペン一本で成り立っているのに驚かされまし た。国を創った神々たちの愛と戦いが絵で表現される面白さ、注釈はついていますがほとんどが原文 で描かれているので、気づけば原文で古事記を読んでいます!!古典が嫌いな人も興味を持てること間 違いなしです。 52 『スタンフォードの自分を変える教室』 ケリー・マクゴニガル 神崎朗子[訳] 大和書房 少し前に、話題になった本です。「自分の潜在能力を確実に引き出す本」と銘打ち、スタンフォードでの 超人気講座を10週間受講するような形式をとっています。テーマは「意志力の科学」。分かりやすく、か つ説得力のある文章は、一気に読めます。自分を変えることに、年齢は関係ないということを、身を以 て証明したいものです。 53 『ルリユールおじさん』 いせひでこ 理論社 絵本ですが、本との出会い、人との出会いの大切さが描かれています。 「ルリユール」とは、フランスの製本、装幀の技術。パリでも製本の60工程すべてを手仕事でできる製 本職人は、今はひとけたになってしまったとか。おじさんと少女ソフィーの交流は、未来へつなぐことの 素晴らしさを感じます。「ルリユール」という言葉には「もう一度つなげる」という意味もあるそうです。 54 『カリスマ体育教師の常勝教育』 原田隆史 日経BP社 著者は陸上競技の指導で、13回の「日本一」を輩出した。日本一をつかむだけでなく、社会に出た後ま で継続して活躍できる人間に育てるため、人生で本当に役立つことは何かを語る。有名選手のエピ ソードも多く、モチベーションの向上におすすめします。 55 『永遠の0(ゼロ)』 百田尚樹 講談社 皆すでに読んだだろうけど、近年一番感動したと言えばこれでしょう。 湘 56 『時をかけるゆとり』 朝井リョウ 文藝春秋 重くなりすぎた時は、平和な時代がしみじみ有難いです。 57 『ケインとアベル(上)(下)』 ジェフリー・アーチャー 永井淳[訳] 新潮社 同年同日にうまれ、生誕地も境遇も全く違う2人の男の数奇な運命を描く長編小説。壮絶な戦いをくり ひろげていく運命になる2人ですが、最後は2人敬意を表しながらも老と死とどんでん返しの結果で終 わる。 58 『あなたの人生が変わる奇跡の授業』 比田井和孝・比田井美恵 三笠書房 「たかが本一冊で人生がかわる!?」と半信半疑のあなた。この本は長野の専門学校で実際に行われて いる比田井和孝氏の「心の授業」を妻の美恵氏が書き留め、紹介したものです。「幸せ」とは、資格や就 職といった「目先の幸せ」ではありません。学生達に「自分のチカラで幸せになるチカラ」を身につけても らいたい!!真剣に学生の幸せを願い、生きた言葉で語る和孝氏の情熱は、読者の心を熱くし、奮い立た せます。 7 59 『ふしぎなえ』 安野光雅 福音館書店 子どもの頃、大好きな絵本でした。大人になってから見ても、やっぱり不思議。日本のエッシャーと言わ れている絵本です。 60 『超訳日本国憲法』 池上彰 新潮社 湘 とっつきにくいという印象を受ける日本国憲法をわかり易く説明し、最近の政治・社会的動向と憲法との 関係を理解するうえでの参考になる。 61 『「環境」都市の真実』 根崎光男 講談社 江戸時代の人々の生活を単純にほめるのではなく、環境問題として客観的に説明しており、また、今後 私たちの生活で見習うべきことも書かれている。 62 『ぼくは勉強ができない』 山田詠美 新潮社 湘 素晴らしき淫売(母)と、老いてますます盛んなくそじじい(祖父)と暮らす高校生の秀美くんは、勉強は できないけど女の子にモテモテ。ぼくは確かに成績悪いよ。でも、勉強よりも素敵で大切なことがいっぱ いあると思うんだ――。「いい顔をしていて女にもてる男」を無条件に尊敬する秀美くんの、アイロニカル な人間観察が痛いところを突いてくる。そこには愛とユーモアがある。山田詠美が品の良い文章で書き あげた青春群像。 湘 63 『心を整える。』 長谷部誠 幻冬舎 サッカー日本代表のリーダー長谷部誠が書いた、サッカーだけでなく人・物すべてに対する向き合い方 を示した書です。湘南生には、既に中学時代に読んでいたり、どこかで耳にして「知っている事」も表現 されているかと思います。「迷ったときこそ、難しい道を選ぶ」湘南のモットーにとても近いものも感じま す。「知っている事」だけど、「大切な事」を再認識できるのではないでしょうか。 64 『それでも僕は夢を見る』 水野敬也×鉄挙 文響社 湘 本屋さんで立ち読みして涙。あなたの夢は何ですか?最も困難な道に挑戦することを使命として与えら れた湘南生の皆さんにぜひ。 65 『強く生きる言葉』 岡本太郎 イースト・プレス メッセージ集なので、どこから読んでも構いません。「あっ、すごい!という感動を起爆剤にする」等、岡 本太郎の世界に引き込まれます。心の状態が良くても悪くても考えさせられ、元気になれる、心にしみ る本です。 66 『WORK SHIFT(ワーク・シフト) 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』 リンダ・グラットン 池村千秋[訳] プレジデント社 テクノロジ-の進化、グローバル化の進展、人口構成の変化と長寿化、社会の変化、エネルギー、環 境問題の深刻化によってこれからの働き方の常識は大きく変わろうとしています。この本は働き方の未 来図を裏づけのあるデータをもとに示し、精神的な幸福と経済的な豊かさを得られる仕事に就くため に、今から何を準備しておくべきか、そのヒントを与えてくれます。 67 『ガリレオの苦悩』 東野圭吾 文藝春秋 湘 東野圭吾のガリレオシリーズの第4作目。「落下る」「操縦る」「密室る」「指標す」「攪乱する」の5つの短 編で構成され、面白く読みやすい作品です。天才物理学者・湯川学による謎の解明のための実験がこ のシリーズの醍醐味ですが、背景にある複雑な人間関係も重要なポイントになります。そして「確かに 理論は大事だが、実践することも必要だ。実践して失敗して、そこから新たな発見や着想が生まれるこ ともある」など、ガリレオの名セリフも見逃せません。 8
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