27農試病防第 8949-7 号 平成27年7月10日 各関係機関長 殿 香川県農業試験場病害虫防除所長 ( 公 印 省 略 ) 平成27年度 病害虫発生調査速報第8号について このことについて,次のとおり発表したので送付します。 平成27年度 病害虫発生調査速報 第8号 1.病害虫名:いもち病(葉いもち、穂いもち) 2.対象作物:水稲(早短期栽培) 3.内 容:葉いもちが早短期栽培で比較的広範囲に発生しており、特に中山間地で 発病株率が高い圃場が見られた。また、今後の気象は葉いもちの発生が助長 される気象条件である。 4.調査結果の概要等 1) 7月7日~9日に実施した巡回調査で、早短期栽培における葉いもちの発生圃場 率は22.2%(平年12.8%)と高く、発病株率も50.1%(平年13.2%)と高かった。 (第1表)特に、中山間地域において発病株率の高い圃場があった。 2) BLASTAMによるいもち病の感染好適日が、6月18日~7月5日に県内の各 地で出現した。(第2表) 3) 気象庁の7月11日からの1か月予報では気温がほぼ平年並、降水量が多い予想で あり、葉いもちの発生に助長的である。 第1表 いもち病発生状況の累年値(早短期栽培) 6月中旬 年次 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 平年 圃場率 0.0 0.0 5.6 0.0 5.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.2 7月上旬 株率 1.0 1.0 1.0 圃場率 5.6 33.3 16.7 5.6 5.6 11.1 16.7 11.1 5.6 16.7 22.2 12.8 株率 100.0 3.9 1.1 1.0 3.0 1.0 1.3 1.0 1.0 18.3 50.1 13.2 第2表 BLASTAM(いもち病発生予察システム)判定結果 引田 内海 高松 香南 6月15日 ? 16日 17日 18日 19日 ● ● 20日 21日 22日 ● 23日 24日 25日 26日 27日 28日 29日 30日 7月1日 ● 2日 3日 4日 5日 ● ● ● ● 6日 7日 8日 9日 注)●:好適条件、?:判定不能 滝宮 多度津 財田 ● ● ● ● ● ● 5.防除実施上の留意点 1)いもち病対象の育苗箱施薬を行っていない圃場や、行ったにもかかわらず葉いも ちが認められる場合は、葉いもち対象の防除を実施する。 2)早期栽培で間もなく出穂期となるところでは、出穂前頃に穂いもち対象の防除を 実施する。 3)いもち病の常発地(特に中山間地)では注意が必要である。 4)防除薬剤は香川県主要農作物病害虫・雑草防除指針に従って選定し、使用に際し ては使用基準を遵守する。(第3表、第4表を参照) 第3表 イネいもち病の防除薬剤(香川県主要農作物病害虫・雑草防除指針より抜粋。平成27年6月24日現在) 葉いもち 防除 時期 使用基準 有効成分の系統名 有機リン系 MBI-R剤 ストロビルリン系 (QoI剤) 農薬名 キタジンP粒剤 コラトップ粒剤5 コラトップ1キロ粒剤12 コラトップジャンボP ラブサイドフロアブル ラブサイド粉剤DL ビーム粉剤DL 希釈倍数または 10aあたり使用量 3~5kg 3~4kg 1~1.5kg 小包装10~13個 1,000~1,500倍 3~4kg 3~4kg オリブライト1キロ粒剤 1kg オリブライト250G 250g イモチエース粒剤 3kg オリザトップパック 小包装10個 嵐粒剤 アミスターエイト カスミン液剤 初発前~ 抗生物質殺菌剤 カスミン粉剤DL 初発頃 オリゼメート粒剤 抵抗性誘導剤 オリゼメート1キロ粒剤 オリゼメートパック フジワン粒剤 フジワン1キロ粒剤 その他の合成殺菌剤 フジワン乳剤 フジワン粉剤DL トライフロアブル ブラシン水和剤 MBI-R剤及びその他の合 ブラシンフロアブル 成殺菌剤の混合剤 ブラシン粉剤DL ノンブラスフロアブル MBI-R剤及び抗生物質殺 ダブルカットフロアブル 菌剤の混合剤 ダブルカット粉剤DL このほか以上を含む混合剤 生育期 3kg 1,000~1,500倍 1,000倍 3~4kg 3~4kg 1~1.3kg 小包装20~26個 3~5kg 1~1.5kg 1,000倍 3~4kg 1,000倍 1,000倍 1,000倍 3~4kg 1,000倍 1,000倍 3~4kg 使用時期 初発7日前~初発時 初発10日前~初発時 初発10日前~初発時 初発20日前~初発時 収穫7日前まで 収穫7日前まで 収穫7日前まで 出穂10日前まで、ただし収穫 45日前まで 出穂10日前まで、ただし収穫 45日前まで 収穫35日前まで 初発10日前~10日後、ただし 収穫45日前まで 初発10日前~初発時 収穫14日前まで 穂揃期まで 穂揃期まで 初発10日前~初発時 収穫14日前まで 収穫14日前まで 初発10~7日前 初発10~7日前 収穫14日前まで 収穫14日前まで 収穫14日前まで 収穫7日前まで 収穫7日前まで 収穫7日前まで 収穫7日前まで 穂揃期まで 穂揃期まで 使用回数 2回以内 2回まで 2回まで 2回まで 3回以内 3回以内 3回以内 1回 1回 1回 1回 1回 3回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 穂いもち 防除 時期 使用基準 有効成分の系統名 有機リン系 MBI-R剤 ストロビルリン系 (QoI剤) 出穂前 抵抗性誘導剤 農薬名 キタジンP粒剤 コラトップ粒剤5 コラトップ1キロ粒剤12 コラトップジャンボP イモチエース粒剤 希釈倍数または 10aあたり使用量 3~5kg 3~4kg 1~1.5kg 小包装10~13個 3kg 嵐粒剤 2~3kg オリゼメート粒剤 3~4kg オリゼメート1キロ粒剤 オリゼメートパック 1~1.3kg 小包装20~26個 フジワン粒剤 3~5kg フジワン1キロ粒剤 1~1.5kg このほか以上を含む混合剤 ラブサイドフロアブル ラブサイド粉剤DL ビーム粉剤DL デラウス粉剤DL ストロビルリン系 (QoI剤) アミスターエイト カスミン液剤 カスミン粉剤DL 出穂直前 フジワン乳剤 ~穂揃期 その他の合成殺菌剤 フジワン粉剤DL ブラシン水和剤 MBI-R剤及びその他の合 ブラシンフロアブル 成殺菌剤の混合剤 ブラシン粉剤DL ノンブラスフロアブル MBI-R剤及び抗生物質殺 ダブルカットフロアブル 菌剤の混合剤 ダブルカット粉剤DL このほか以上を含む混合剤 抗生物質殺菌剤 使用回数 出穂20~7日前 出穂30~5日前 出穂30~5日前 出穂30~5日前 収穫35日前まで 出穂25~5日前まで、ただし 収穫21日前まで 出穂3~4週間前 収穫14日 前まで 収穫14日前まで 収穫14日前まで 出穂30~10日前、ただし収穫 30日前まで 出穂30~10日前、ただし収穫 30日前まで 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 1回 1,000~1,500倍 3~4kg 3~4kg 3~4kg 収穫7日前まで 収穫7日前まで 収穫7日前まで 収穫14日前まで 3回以内 3回以内 3回以内 2回以内 1,000~1,500倍 収穫14日前まで 3回以内 1,000倍 3~4kg 1,000倍 3~4kg 1,000倍 1,000倍 3~4kg 1,000倍 1,000倍 3~4kg 穂揃期まで 穂揃期まで 収穫14日前まで 収穫14日前まで 収穫7日前まで 収穫7日前まで 収穫7日前まで 収穫7日前まで 穂揃期まで 穂揃期まで 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 その他の合成殺菌剤 MBI-R剤 使用時期 1回 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 2回以内 第4表 第1表掲載農薬の総使用回数 (平成27年6月24日現在) 農薬名 キタジンP粒剤 コラトップ粒剤5 コラトップ1キロ粒剤12 コラトップジャンボP ラブサイドフロアブル ラブサイド粉剤DL ビーム粉剤DL オリブライト1キロ粒剤 オリブライト250G イモチエース粒剤 オリザトップパック 嵐粒剤 アミスターエイト 農薬の有効成分名 IBP ピロキロン フサライド トリシクラゾール メトミノストロビン オリサストロビン アゾキシストロビン カスミン液剤 カスガマイシン カスミン粉剤DL オリゼメート粒剤 オリゼメート1キロ粒剤 オリゼメートパック フジワン粒剤 フジワン1キロ粒剤 フジワン乳剤 フジワン粉剤DL トライフロアブル ブラシン水和剤 ブラシンフロアブル ブラシン粉剤DL ノンブラスフロアブル プロベナゾール イソプロチオラン テブフロキン フェリムゾン+フサライド フェリムゾン+トリシクラゾール ダブルカットフロアブル カスガマイシン+トリシクラゾール ダブルカット粉剤DL デラウス粉剤DL ジクロシメット 有効成分を含む農薬の総使用回数 3回以内(粒剤は2回まで) 3回以内(育苗箱散布は1回以内、本田では2回以内) 3回以内(育苗箱散布は1回以内、本田では2回以内) 3回以内(育苗箱散布は1回以内、本田では2回以内) 3回以内 3回以内 4回以内(育苗箱への処理は1回以内、本田では3回以内) 1回 1回 1回 1回 2回以内(移植前は1回以内、本田では1回以内) 4回以内(育苗箱散布は1回以内、本田では3回以内) 4回以内(種子浸漬は1回以内、育苗箱への処理は1回以内、本田では2回 以内) 4回以内(種子浸漬は1回以内、育苗箱への処理は1回以内、本田では2回 以内) 2回以内(育苗箱への処理及び側条施用は合計1回以内) 2回以内(育苗箱への処理及び側条施用は合計1回以内) 2回以内(育苗箱への処理及び側条施用は合計1回以内) 3回以内(移植前は1回以内、本田では2回以内) 3回以内(移植前は1回以内、本田では2回以内) 3回以内(移植前は1回以内、本田では2回以内) 3回以内(移植前は1回以内、本田では2回以内) 2回以内 フェリムゾンを含む農薬は2回以内、フサライドを含む農薬は3回以内 フェリムゾンを含む農薬は2回以内、フサライドを含む農薬は3回以内 フェリムゾンを含む農薬は2回以内、フサライドを含む農薬は3回以内 フェリムゾンを含む農薬は2回以内、トリシクラゾールを含む農薬は4回以 内(育苗箱への処理は1回以内、本田では3回以内) カスガマイシンを含む農薬は4回以内(種子浸漬は1回以内、育苗箱への処 理は1回以内、本田では2回以内)、トリシクラゾールを含む農薬は4回以内 (育苗箱への処理は1回以内、本田では3回以内) カスガマイシンを含む農薬は4回以内(種子浸漬は1回以内、育苗箱への処 理は1回以内、本田では2回以内)、トリシクラゾールを含む農薬は4回以内 (育苗箱への処理は1回以内、本田では3回以内) 3回以内(育苗土壌への混和及び育苗箱への処理は合計1回以内、本田で は2回以内)
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