『NFS よるファイルサーバを構築しよう!』 - LPI

2008/2/29
2008 年 2 月 29 日開催
オープンソースカンファレンス 2008 Tokyo/Spring
Linux ハンズオンセミナー
『NFS よるファイルサーバを構築しよう!』
日本電子専門学校
杉松 秀利
藤江 広隆
[email protected]
[email protected]
Copyright(c) : Japan Electronics College All Rights Reserved.
Linux ハンズオンセミナー 資 料
Sugimatsu Hidetoshi
29 Feb. 2008
NFS サーバの構築方法について
•
今 回 のセミナーでは、NFS の仕 組 みを理 解 して頂 くとともに、NFS サーバの構 築 方 法 と NFS クラ
イアントの設 定 方 法 について学 習 します。
•
配 布 資 料 は、CentOS 5.1 上 で設 定 操 作 を行 うことを前 提 にして、作 成 してあります。
•
なお、本 日 は CD ブートで利 用 できる Linux ディストリビューションである KNOPPIX を使 用 して、
ハンズオンセミナーを行 います。
準 備 : Linux の起 動
1) PC の電 源 を入 れて、CD をトレイに入 れ、リブートしてください。
2) 左 下 に boot: と表 示 されたら、knoppix 3 vga=789 Enter と入 力 してください。(30 秒 以 内
に入 力 しな いと、デフォ ルトの起 動 動 作 に移 行 されますので、最 初 の kの文 字 だ けでも、まず
入 力 してください。)
3) ターミナルのプロンプトの最 後 の記 号 (# または $)によって、root 権 限 か一 般 ユーザか分 かり
ます。root ユーザでログインされたか確 認 してください。X-Windows が起 動 された場 合 は、一
般 ユーザでログインされていると思 いますので再 起 動 しなおしてください。
[~]#:root 権 限
[~]$:一 般 ユーザ権 限
Ⅰ NFS とは?
•
NFS(Network File System:ネットワーク・ファイル・システム)とは、UNIX(Linux)ネットワーク
で利 用 できるディレクトリ共 有 機 能 のことです。
•
Sun Microsystems(サン・マイクロシステムズ)によって開 発 され、現 在 では、UNIX 系 OS に
おける標 準 的 な分 散 型 ファイルシステムとして、広 く利 用 されています。
•
NFS を使 用 すると、離 れた場 所 にあるホストのディレクトリやファイルを、まるでローカルホスト
のファイルシステム内 のディレクトリやファイルであるかのように操 作 することができます。
•
NFS では、他 のホストに対 してディレクトリを公 開 (エクスポート)するホストのことを NFS サー
バ、公 開 されているディレクトリを利 用 するホストのことを NFS クライアントと言 います。
Ⅱ ハンズオンセミナーの内 容
今 回 のハンズオンセミナーでは、NFS サーバと NFS クライアントの設 定 方 法 について、実 際 に設
定 を行 う手 順 にしたがって操 作 して頂 きます。
① NFS サーバと NFS クライアント共 通 の設 定
2
② NFS サーバの設 定
③ NFS クライアントの設 定
④ エクスポート・テーブルの変 更 操 作
Ⅲ 編 集 する設 定 ファイル
NFS サーバと NFS クライアントを設 定 するためには、次 の 4 つの設 定 ファイルを編 集 します。
① /etc/exports
NFS サーバを設 定 するファイル
② /etc/hosts
名 前 解 決 を行 うための IP アドレス、ホスト名 を定 義 するファイル
③ /etc/hosts.deny
サーバへのアクセス拒 否 を設 定 するファイル
④ /etc/hosts.allow
サーバへのアクセス許 可 を設 定 するファイル
Ⅳ NFS サーバと NFS クライアント共 通 の設 定
NFS サービスを利 用 するためには、RPC サービスプログラムに動 的 に TCP/UDP ポート番 号 を
割 り当 てるためのプロトコル、portmap(ポートマップ)が起 動 していなければなりません。
○RPC(Remote Procedure Call)
•
「遠 隔 手 続 き呼 び出 し」とも呼 ばれる、OSI 参 照 モデルのセッション層 で動 作 するプロトコルで
す。
•
分 散 型 プログラムのためのプロトコルであり、ネットワーク上 の他 のホストで手 続 きを実 行 す
るためのインタフェースを提 供 します。
•
高 級 言 語 における手 続 き呼 び出 しと同 様 の感 覚 で、他 のホスト上 で動 作 する手 続 きを実 行
できます。
•
RPC は、セッション層 よりも上 位 の階 層 にある他 のプロトコル群 の基 礎 となるプロトコルです。
•
このため、NFS サーバに設 定 するホストと、NFS クライアントとして使 用 するホストの両 方 で、
現 在 、portmap が起 動 しているかどうかを確 認 してください。
•
次 のステートメントを実 行 して、確 認 操 作 を行 ってください。
◇portmap の起 動 を確 認 するステートメントの実 行 例
# ps aux | grep portmap
rpc
493
0.0
0.3
1528
600?
S
15:28
0:00 portmap
◇ portmap が起 動 していない場 合 の設 定
もし、portmap が起 動 していないことが確 認 された場 合 には、次 の操 作 を実 行 してください。
① ntsysv ユーティリティを起 動 して、ipchains と iptables サービスの自 動 起 動 を中 止 します。
◇ntsysv ユーティリティを起 動 する
# ntsysv
3
〇 ipchains と iptables サービスの自 動 起 動 を中 止 する操 作
ntsysv ユーティリティが起 動 したら、iptables のチェックマークをオフにした後 に、 OK ボタンをク
リックして、変 更 内 容 を確 定 します。
② chkconfig コマンドより portmap サービスを管 理 するための設 定 を行 います。
◇chkconfig コマンドにより管 理 するための設 定 を行 うステートメントの実 行 例
# chkconfig
--list
portmap
← portmap サービスの自 動 機 能 の設 定 状 況 の確 認
# chkconfig
--add
portmap
← chkconfig コマンドにより管 理 するための設 定
③ portmap サービスを起 動 する操 作 を実 行 します。
◇portmap サービスを起 動 するステートメントの実 行 例
# /etc/rc.d/init.d/protmap
start
④ 再 度 、portmap サービスが正 常 に起 動 したかどうかを確 認 します。
Ⅴ NFS サーバの設 定
それでは、いよいよ NFS サーバ側 のホストの設 定 を行 うことにします。操 作 手 順 は、次 のとおりで
す。
1. エクスポート・ディレクトリの作 成
2. /etc/exports ファイルの編 集
3. /etc/hosts ファイルの編 集
4. /etc/hosts.deny ファイルの編 集
5. /etc/hosts.allow ファイルの編 集
6. NFS サービスの起 動
7. 起 動 内 容 の確 認
1. エクスポート・ディレクトリの作 成
•
NFS サーバ側 のホストに、public という名 前 の新 しいディレクトリを作 成 します。
•
このディレクトリを使 って、NFS クライアント側 のホストとの間 で、ディレクトリ共 有 を行 います。
•
NFS では、他 のホストと共 有 するために公 開 するディレクトリのことを、エクスポート・ディレクト
リと言 います。
◇エクスポートするディレクトリを作 成 する操 作 例
# mkdir
/public
◇ 確 認 用 のテキストファイルの作 成
作 成 したエクスポート・ディレクトリに、vi を使 ってテキストファイルを1個 作 成 してください。
4
2. /etc/exports ファイルの編 集
•
次 に、NFS クライアントへ公 開 するエクスポート・ディレクトリに関 する情 報 を設 定 します。
•
作 成 または編 集 する設 定 ファイルは、 /etc/exports ファイルです。
/etc/exports ファイルに記 述 する書 式 は、次 のとおりです。
書式
エクスポートするディレクトリ名
アクセスを許 可 するホスト名 | IP アドレス(オプション)
〇主 要 なオプション(ディレクトリ共 有 の権 限 の指 定 )
オプション
機能
ro
ディレクトリを、読 み取 り専 用 でエクスポートする。(デフォルトの設 定 値 )
rw
ディレクトリを、読 み取 り、書 き込 み許 可 で、エクスポートする。
root_squash
root 権 限 によるアクセスを、nobody というユーザからのアクセスとして扱 う。
(デフォルトの設 定 値 )
no_root_squash
root 権 限 でのアクセスを許 可 する。
注 : ro は read only、rw は read write です。
○squash とは
•
squash とは、本 来 は「無 理 に入 り込 む」とか「ぐしゃぐしゃにする」という意 味 。
•
root 権 限 によるアクセスを、強 引 にユーザ nobody からのアクセスとして扱 うことにするオプション
であることから、root_squash という名 称 が付 けられている。
•
squash tennis は、日 本 では「スカッシュテニス」という言 い方 がされているが、正 確 には「スクワァ
ッシュ」と発 音 する。
◇vi などを使 って/etc/exports ファイルを開 き、次 のように記 述 します。
①特 定 のネットワーク上 のホストとの間 で、ディレクトリ共 有 を行 う場 合 の記 述 例
/public
10.24.96.0/255.255.255.0(rw)
ディレクトリ(ファイル)共 有 の権 限 の指 定
アクセスを許 可 するホストの範 囲 の指 定
エクスポートするディレクトリの指 定
②特 定 のホスト との間 で、ディレクトリ共 有 を行 う場 合 の記 述 例
/public
10.24.96.51(rw)
③複 数 のホスト との間 で、ディレクトリ共 有 を行 う場 合 の記 述 例 (スペースで区 切 って指 定 する)
/public
10.24.96.51(rw) 10.24.96.52(ro)
5
④すべてのホストとの間 で、ディレクトリ共 有 を行 う場 合 の記 述 例
/public
*(ro)
本 日 のセミナーでは、①の特 定 のネットワーク上 のホストとの間 で、ディレクトリ共 有 を行 うように設 定
することにします。ディレクトリ共 有 の権 限 は、rw に指 定 してください。
3. /etc/hosts ファイルの編 集
ローカルホスト(自 ホスト)内 で、NFS サーバにアクセスするホスト(NFS クライアント)について、名
前 解 決 が出 来 るようにするために、IP アドレス、ホスト名 、エイリアス名 を、/etc/hosts ファイル
に定 義 します。
◇vi などを使 って/etc/hosts ファイルを開 き、次 のような1行 を追 加 する。
10.24.96.59
lpi059.jec.ac.jp
lpi059
エイリアス名 (別 名 )
クライアント側 のホスト名 (ホスト名 +ドメイン名 )
クライアント側 ホストの IP アドレス
4. /etc/hosts.deny ファイルの編 集
NFS サーバへのアクセス拒 否 を設 定 するために、/etc/hosts.deny ファイルを編 集 します。
◇/etc/hosts.deny ファイルと/etc/hosts.allow ファイルの書 式
サービス名 : ホストの IP アドレス | ネットワークアドレス/サブネットマスク | ALL , ...
◇portmap サービスについて、すべてのホストからのアクセスを拒 否 する指 定
portmap : ALL
◇すべてのサービスについて、 すべてのホストからのアクセスを拒 否 する指 定
ALL : ALL
【注 意 事 項 】
/etc/hosts.deny の記 述 を最 後 まで確 認 して、上 記 の 1 行 が記 述 されていない場 合 にのみ、追
加 してください。
本 日 のハンズオンセミナーでは、 portmap サービスについて、すべてのホストからのアクセスを拒 否
する設 定 を行 うことにします。
5. /etc/hosts.allow ファイルの編 集
NFS サーバへのアクセス許 可 を設 定 するために、/etc/hosts.allow ファイルを編 集 します。
◇ portmap サービスについて、特 定 のネットワーク上 のホストからのアクセスのみを許 可 する指 定
portmap : 10.24.96.0/255.255.255.0
6
6. NFS サービスの起 動
•
以 上 の設 定 が終 了 したら、NFS サービスを起 動 します。
•
ここでは、NFS サービスに関 するサービス制 御 スクリプトなどによる操 作 を、整 理 しておくこと
にします。
(1) NFS サービスの現 在 の状 態 を確 認 するステートメント
# /etc/rc.d/init.d/nfs status
rpc.mountd is stopped
nfsd is stopped
rpc.rquotad is stopped
RPC とは
RPC(Remote Procedure Call)とは、ネットワーク上 のある 1 台 のホスト上 で動 作 しているプロセ
スが、他 のホスト上 で動 作 しているプロセスの手 続 きを実 行 するための機 能 のこと。
portmap とは
portmap とは、RPC サービスにおいて、サーバとクライアント間 の通 信 に利 用 されるポート番 号 の
調 整 を行 う機 能 であり、具 体 的 には、RPC のプロセス ID を TCP/IP ポート番 号 に変 換 する、サ
ーバ側 で動 作 するプロトコルです。
rpc.mountd とは
NFS クライアントからマウント要 求 を受 け取 り、現 在 エクスポートされているファイルシステムと合
致 するかどうかをチェックするプロセスです。
nfsd とは
NFS サービスのデーモン。Linux カーネルと一 緒 に動 作 して、NFS クライアントからの動 的 要 求 に
応 えるために使 用 されます。
rpc.rquotad とは
エクスポート・ディレクトリへアクセスするためのディスク割 り当 て量 を、リモートユーザに提 供 する
ために使 用 される RPC サーバのプロセスです。
(2) NFS サービスを起 動 するステートメント
# /etc/rc.d/init.d/nfs start
Starting NFS services:
[ OK ]
Starting NFS quotas:
[ OK ]
Starting NFS daemon:
[ OK ]
Starting NFS mounted:
[ OK ]
7
(3) NFS サービスの起 動 後 に、現 在 の状 態 を確 認 した実 行 例
# /etc/rc.d/init.d/nfs status
rpc.mountd (pid 6415) is running . . .
nfsd (pid 6407 6406 6405 6404 6403 6402 6401 6400) is running . . .
rpc.rquotad (pid 6395) is running . . .
(4) ps コマンドにより nfsd デーモンのプロセスを確 認 する
# ps aux | grep nfsd
(5) NFS サービスを再 起 動 するステートメント
# exportfs -a
← エクスポートの設 定 を初 期 化 する
# /etc/rc.d/init.d/nfs restart
← nfs サービスを再 起 動 する
〇 exportfs コマンドの主 要 なオプション
オプション
指定内容
-a
all
すべてのディレクトリを、エクスポート(またはアンエクスポート)する。
-r
reexoprt
すべてのディレクトリを再 エクスポートする。
-u
unexport
アンエクスポートする。
-v
verbose
詳 細 を表 示 する
注:
verbose:
「ヴァーボウス」。 本 来 は「多 弁 な、くどい」という意 味 ですが、そ れから転 じて「詳 し
く」という意 味 で使 用 されます。
なお、RedHat 系 OS の場 合 には、サービス制 御 スクリプトの代 わりに、service コマンドを使 用 す
ることもできます。
〇 service コマンドを使 っても、NFS サービスを起 動 できる
# service nfs start
7. 起 動 内 容 の確 認
上 記 の設 定 に基 づき、NFS サーバが正 しく起 動 されたかどうかを確 認 するために、次 の操 作 を
実 行 します。使 用 するのは、showmount コマンドです。
起動
◇NFS サーバが正 常 に起 動 しているかどうかを確 認 する操 作 例
# showmount -e localhost
Export list for localhost:
/public
10.24.96.0/255.255.255.0
◇showmount コマンドの書 式
# showmount
-e
NFS サーバのホスト名 (または IP アドレス)
8
8. エクスポート・テーブルの参 照
•
エクスポート・テーブルを操 作 する場 合 には、/usr/sbin/exportfs コマンドを使 用 します。
•
現 在 のエクスポート・テーブルの内 容 は、exportfs コマンドに -v オプションを指 定 して実 行
すると、詳 細 に表 示 できます。
◇エクスポート・テーブルを参 照 する操 作 の実 行 例
# exportfs -v
/public
10.24.96.0/255.255.255.0 (rw,wdelay,root_squash)
10.24.96.0/255.255.255.0
•
アクセスが許 可 されているホストの範 囲 について表 示 します。
•
/etc/exports ファイルで、アスタリスク(*)を指 定 した場 合 には、<world>と表 示 されます。
ro または rw
•
エクスポート・ディレクトリの ディレクトリ共 有 の権 限 (パーミッション)を表 示 します。
•
NFS サービスでは、ro がデフォルトの設 定 値 です。
wdelay
•
別 の書 き込 み要 求 が発 生 するおそれがあるとき、NFS サーバーはディスクへの書 き込 みを遅
らせます。
•
この結 果 、別 々の書 き込 みコマンドによってディスクをアクセスする回 数 が減 り、書 き込 みオ
ーバーヘッドが少 なくなることで、パフォーマンスが改 善 されます。
•
no_wdelay オプションを指 定 すると、この機 能 をオフにすることができます。
•
wdelay オプションが有 効 に機 能 するのは、sync オプションを使 用 している場 合 のみです。
root_squash
•
root 権 限 によるアクセスを、nobody というユーザからのアクセスとして扱 うことを表 していま
す。
•
NFS サービスでは、root_squash がデフォルトの設 定 値 です。
Ⅵ NFS サーバへマウントできるかどうかの確 認
NFS サーバ設 定 の最 終 作 業 として、サーバ側 のホスト自 身 から NFS サーバへマウントできるか
どうかを確 認 してみることにします。
•
NFS サーバのエクスポート・ディレクトリへマウントすることを、「NFS マウント」と言 います。
•
現 在 、NFS サービスが起 動 している自 ホストで、NFS マウントを行 うことによって、NFS が正 常
に設 定 できているかどうかを確 認 することができます。
•
それでは、この方 法 で、NFS が正 常 に設 定 できているかどうかを確 認 してみることにしましょ
う。
•
本 日 のハンズオンセミナーでは、NFS マウントのマウントポイントとして、/media ディレクトリを
使 用 することにします。
9
① ls コマンドを使 って、NFS マウントを行 う前 のマウントポイント(/media ディレクトリ)を確 認 しま
す。
# ls /media
cdrom floppy
② df コマンドを使 って、ファイルシステムのマウント状 況 を表 示 します。
# df
注 : NFS サーバのエクスポート・ディレクトリへマウントしていないことを確 認 する。
③ mount コマンドを使 って、自 ホストのエクスポート・ディレクトリ(/public)へ NFS マウントしま
す。
# mount
-t
nfs
lpi059:/public
/media
構文
mount -t ファイルシステム名 NFS サーバ名 :エクスポートディレクトリ名 クライアント側 のマウントポ
イント
注 : NFS サーバ名 は、NFS サーバの IP アドレスを指 定 してもよい。
④ ls コマンドを使 って、NFS マウントを行 った後 のマウントポイント(/media ディレクトリ)を確 認 し
ます。
# ls /media
test
⑤ df コマンドを使 って、ファイルシステムのマウント状 況 を表 示 します。
# df
注 : localhost:/public へのマウントが表 示 されることを確 認 する。
⑥ cat コマンドを使 って、/media/test ファイルを表 示 します。
# cat /media/test
This is a Test File for NFS by Sugimatsu.
上 記 のように表 示 されれば、NFS が正 常 に設 定 され、NFS マウントは成 功 です。
⑦ umount コマンドを使 って、NFS マウントを終 了 します。
# umount /media
⑧ ls コマンドを使 って、NFS マウントのマウントポイントに使 用 した/media ディレクトリを確 認 しま
す。
# ls /media
cdrom floppy
10
⑨ df コマンドを使 って、ファイルシステムのマウント状 況 を表 示 する。
# df
注 : localhost:/public へマウントされていないことを確 認 する。
Ⅶ NFS クライアントの設 定
NFS サーバの設 定 および確 認 操 作 が終 了 しましたので、今 度 は NFS クライアント側 の確 認 と設
定 操 作 を行 うことにします。
操 作 手 順 は、次 のとおりです。
1. /etc/hosts ファイルの編 集
2. NFS クライアントからの NFS サーバへの NFS マウント操 作
3. NFS サーバへの自 動 マウントの設 定
1. /etc/hosts ファイルの編 集
•
ここからの操 作 は、2 人 または 3 人 が 1 組 となって行 ってください。
•
各 自 のローカルホストを、今 度 は NFS クライアントとして使 用 しますので、最 初 に NFS サーバ
をどのホストにするかを決 めてください。
•
NFS サーバが決 まったら、NFS サーバのホストについて、ローカルホスト内 で名 前 解 決 ができ
るようにするために、/etc/hosts ファイルを編 集 します。
◇/etc/hosts ファイルの記 述 例
127.0.0.1
localhost.localdomain
localhost
← ループバックアドレスの記 述
10.24.98.51
lpi051.jec.ac.jp
lpi051
← 自 ホストに関 する記 述
10.24.96.55
lpi055.jec.ac.jp
lpi055
← NFS サーバに関 する記 述
2. NFS クライアントからの NFS サーバへの NFS マウント操 作
•
それでは、各 自 が NFS クライアントとなって、クライアント側 から NFS サーバへ NFS マウント
できるかどうかを、確 認 してみてください。
•
操 作 手 順 の要 領 は、自 ホストから NFS サーバへ NFS マウントを行 ったときと同 じです。
① ls コマンドを使 って、NFS マウントを行 う前 のマウントポイント(/media ディレクトリ)を確 認 します。
# ls /media
cdrom floppy
② df コマンドを使 って、ファイルシステムのマウント状 況 を表 示 します。
# df
注 : NFS サーバのエクスポート・ディレクトリへマウントしていないことを確 認 する。
③ mount コマンドを使 って、NFS サーバのエクスポート・ディレクトリへ NFS マウントします。
# mount
-t
nfs
lpixxx:/public
/media
11
④ ls コマンドを使 って、NFS マウントを行 った後 のマウントポイント(/media ディレクトリ)を確 認 し
ます。
# ls /media
test
⑤ df コマンドを使 って、ファイルシステムのマウント状 況 を表 示 します。
# df
注 : lpixxx:/public へのマウントが表 示 されることを確 認 する。
⑥ cat コマンドを使 って、/media/test ファイルを表 示 します。
# cat /media/test
This is a Test File for NFS by Sugimatsu.
上 記 のように表 示 されれば、クライアントからの NFS マウントは成 功 です。
⑦ umount コマンドを使 って、NFS マウントを終 了 します。
# umount /media
⑧ ls コマンドを使 って、NFS マウントのマウントポイントに使 用 した/media ディレクトリを確 認 しま
す。
# ls /media
cdrom floppy
⑨ df コマンドを使 って、ファイルシステムのマウント状 況 を表 示 します。
# df
注 : lpixxx:/public へマウントされていないことを確 認 する。
○ IP アドレスにより NFS サーバを指 定 して NFS マウントを行 う場 合
⑩ NFS サーバの IP アドレスを指 定 して、NFS マウントを行 います。(IP アドレスによる NFS マウ
ント)
# mount
-t
nfs
10.24.96.xx:/public
/media
⑪ ls コマンドを使 って、NFS マウントを行 った後 のマウントポイント(/media ディレクトリ)を確 認 し
ます。
# ls /media
test
⑫ df コマンドを使 って、ファイルシステムのマウント状 況 を表 示 します。
# df
注 : 10.24.96.xx:/public へのマウントが表 示 されることを確 認 する。
12
⑬ umount コマンドを使 って、NFS マウントを終 了 します。
# umount /media
3. NFS サーバへの自 動 マウントの設 定
•
NFS サーバへマウントするたびに、手 作 業 で NFS マウントを行 いたくない場 合 には、Linux の
起 動 時 に自 動 的 に NFS マウントするように設 定 することができます。
•
/etc/fstab ファイルの末 尾 に、次 のような内 容 の記 述 を追 加 してください。
◇起 動 時 に自 動 的 に NFS マウントするための設 定 例
ws59:/public
/public
nfs
rw,rsize=8192,wsize=8192
書 き込 みバッファサイズ
読 み込 みバッファサイズ
アクセス権 限
ファイルシステムの種 類
マウントポイント
エクスポート・ディレクトリ
NFS サーバのエイリアス名
Ⅷ exportfs コマンドによるエクスポート・テーブルの変 更
それでは、今 回 のハンズオンセミナーの最 後 の操 作 として、exportfs コマンドを使 って、設 定 ファイル
の変 更 内 容 を、エクスポート・テーブルへ反 映 させる操 作 手 順 を、体 験 して頂 きます。
① 現 在 のエクスポート・テーブルの内 容 の詳 細 を、exportfs -v コマンドで表 示 します。
# exportfs -v
/public
10.24.96.0/255.255.255.0(rw,wdelay,root_squash)
② vi を使 って/etc/exports ファイルを開 き、IP アドレスが 10.24.96.200 のホストからのアクセス
のみを許 可 する設 定 に変 更 して、上 書 き保 存 します。
# vi /etc/exprots
/public
10.24.96.0/255.255.255.0 (rw)
→
/public
10.24.96.200 (ro)
③ もう一 度 、exportfs -v コマンドを実 行 し、/etc/exports ファイルを編 集 しただけでは、エクス
ポート・テーブルに変 更 内 容 が反 映 されないことを確 認 してください。
# exportfs -v
/public
10.24.96.0/255.255.255.0 (rw,wdelay,root_squash)
13
④ 変 更 内 容 をエクスポート・テーブ ルに反 映 されるた めに、exportfs -rav コマンドを 実 行 し ま
す。
# exportfs -rav
⑤ exportfs -v コマンドを実 行 し、/etc/exports ファイルの変 更 内 容 が、エクスポート・テーブル
に反 映 されたことを確 認 します。
# exportfs -v
/public
10.24.96.200 (ro,wdelay,root_squash)
⑥ mount コマンドを使 って、自 ホストのエクスポート・ディレクトリ(/public)へ NFS マウントしま
す。
# mount
mount:
-t
nfs
lpi059:/public
/media
lpi059:/public failed, reason given bye server: Permission denied
⑥の操 作 によって、IP アドレスが 10.40.96.200 であるホスト以 外 からは、NFS マウントが出 来 なく
なったことを、確 認 することができます。
以
上
14