50 - 一般社団法人 新エネルギー導入促進協議会

平成26年度地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助金 構想普及支援事業(Ⅰ事業化可能性調査)
補助事業の名称
事業者名:
対象地域:
実施期間:
成果報告書要約版
登米市地産地消型再生可能エネルギー面的利用等事業化可能性調査
平成28年2⽉発⾏
3.調査の結果
株式会社パスポート
宮城県登米市
平成27年9月~平成28年2月
事業化の可否の結論:
検討項目
1.事業の背景・目的
①EMSの構成
平成28年4⽉から開始となる電⼒の⾃由化に伴う、地域電⼒の全国的な広がりと、FITによる再生可
能エネルギーの普及、さらに東⽇本⼤震災以降の地域内での電⼒の⾃給等、登⽶市での地産地消型
エネルギーの⾒直しの時期となってきた。
それらに伴い、登⽶市の豊かな地域資源を活用した再生可能エネルギーの導入と、これらの地産地消
を可能とする面的なエネルギーシステムを構築することにより、域内の経済循環、次世代産業の育成、⾃
然と共生した持続性ある地域づくりを実現する。また、エネルギーの地産地消を通じた、地域振興及び市
⺠生活の質の向上に向けて、地域新電⼒事業を核とした、地域内での新規事業・サービスの展開を目
指す。
2.補助事業の概要
本事業を活用して、登⽶市における再生可能エネルギーの有効活用、地産地消を図るべく、需要家お
よび地域エネルギーマネジメントシステムについての検討を⾏う。また、エネルギーの地産地消を通じた地
域内での新規事業・サービスの展開に向けて、地域新電⼒および地域コミュニケーション・生活サービス提
供事業の導入可能性を検討する。あわせて、新規の再生可能エネルギーの導入可能性およびこれらの
熱利用についての調査を⾏う。
調査項目は以下の通り。
(1)地域でのエネルギー需給の管理(エネルギーマネジメント)に関する調査
1)需要家エネルギーマネジメントシステムの検討
2)地域エネルギーマネジメントシステムの検討
3)地域新電⼒事業の検討
②EMSの効果
可
検討結果
○⾼圧需要家、低圧需要家に最適なEMSの検討を⾏っ ○本事業では、京セラ製スマートリーチHEMSの採用を検討
することとした。
た。
○⾼圧需要家(登⽶市公共施設)のうち70施設を対
象に、事業可能性を検討した。
○登⽶市総務課、市⺠活動⽀援課等にヒアリング
を⾏い、⾼齢者・⼦育て・地域コミュニティーの課
題とニーズの把握を⾏った。
○⾼圧需要家側のメリットが認められることから、具体的な事
業化に向け更に検討を進めることとした。
○⼀般家庭に向けては「基本プラン・市⺠割」「⼦育て世帯
応援割引」等の電気料⾦負担軽減効果が期待できる。
○「⾼齢者⾒守りサービス」「新たな⼦育て⽀援サービス」「ヘ
ルスケアサービス」等への効果が⾒込まれ、現状の10倍程度
の利用者増が期待される。
≪太陽光エネルギー≫
○調査結果を基に、登⽶市において追加的に導入すべき再
○平成21年度に策定した「登⽶市地域新エネルギービ 生可能エネルギーは、「太陽光発電」と「畜産バイオマス」が
ジョン」の調査結果を基に採取可能量、利用状況を算出し、有効と考える。
今後の導入について検討した。
≪バイオマスエネルギー≫
≪太陽光エネルギー≫
○⽊質バイオマス:気仙沼の事例の詳細調査を
○固定価格買取制度の⾒直しにより導入ペースは落ちるも
実施し、今後の導入について検討した。
のの、引き続き市の補助⾦が継続して実施されることが⾒込
③再生可能エネルギー ○畜産バイオマス:畜産糞尿の調査と、市内堆肥
まれる家庭用を中心に、導入は続くものと考えられる。
センター6か所での⽀出状況調査し、FIT収入
に関する調査
を加味して、効率化できるか検討した。
≪畜産バイオマスエネルギー≫
(任意)
○登⽶市内には、6箇所に有機センターが整備されている。
≪地中熱エネルギー≫
○岩⼿県盛岡市事例を調査し、導入可能性の試算
この有機センターは、敷地も広く市内に分散しており活用可
を⾏い、今後の導入について検討した。
能性が⾼く、経済計算を⾏っても有効な結果が出ていること
≪⼩⽔⼒エネルギー≫
から、畜産バイオマスを活用した再生可能エネルギー活用を
○落差式の⽔⼒発電の採取可能量の推計に必要な流量 導入できる可能性が⾼い。
及び落差のデータが不明であるため、⽔⼒発電による採取
可能量は推計されていない。
○登⽶市、地元企業、諸団体、コミュニティーなどに対し事 ○事業会社「登⽶電⼒(仮)」として、登⽶市、地元企業
④事業実施体制・事 業化に向けたヒアリングや調査を⾏った。
等と引き続き協議しながら事業化に向け取り組み、2017年
業スキーム・スケジュー 〇EMSメーカー、バイオマス発電事業者など事業化に向け 4⽉〜の事業開始を目指す。
ル
た協業体制について協議を⾏った。
⑤事業採算性評価
≪地域コミュニケーション・生活サービス≫
○市内公共施設への電⼒供給、⼀般家庭への電⼒供給
+市⺠サービスの提供を中心に事業性の評価を⾏った。
≪畜産バイオマス≫
○各有機センターのIRR(Internal Rate of Return:
内部収益率)を基に、採算性についての試算を⾏った。
(2)再生可能エネルギーに関する調査
1)地域における再生可能エネルギーの導入検討
○バイオマスエネルギー ○地中熱エネルギー ○⼩⽔⼒エネルギー
(3)その他
1)熱エネルギーを活用した地域振興事業の検討
2)地域コミュニケーション・生活サービス提供事業の検討
事業化予定時期:2017年4月
実施方法
≪地域コミュニケーション・生活サービス≫
○登⽶市公共施設への提供に対し、登⽶市の理解も得ら
れる⾒通しであることから、事業を開始するために必要な採
算性の⾒通しが⽴つと判断した。
≪畜産バイオマス≫
○IRRは、税引前4%である。そのため、本試算によるIRRが
4%以上であれば、適正な事業といえる。助成⾦を現状のま
ま受け取った場合にIRRが4%以上となる有機センターは、
迫有機センター、とよま有機センター、中田有機センターおよ
び豊⾥有機センターである。また、迫有機センターについては、
助成⾦を現状の半額にしても、IRRが4%以上となった。
⑥他地域への展開
○登⽶市と地勢的に似ていて、登⽶市に隣接している⼤崎 ○人口から想定して、⼤崎市は登⽶市の2倍、栗原市は登
⽶市と同等の規模の取り組みが可能との結論を得た。
市、栗原市への展開を想定して検討を⾏った。
⑦今後の展望・課題・
対策
○調査及び検討委員会での議論等を通して、今後に向け ○本調査を受けて、登⽶市における再生可能エネルギーを
活用した新事業展開の可能性を具体的に⾒出すことができ
ての検討を⾏った。
た。登⽶市で確⽴したモデルを、国内はもとより電気インフラ
の必要な発展途上国等へも波及が⾒込めると考える。
4.地産地消型エネルギーシステムの概要
【エネルギーマネジメントシステムの概要】
EMSを活用した地域新電⼒事業、市⺠サービス事業、再エネ事業の概要は以下の通り。
本事業で採用を検討したEMSの概要は以下の通り。
本システムの特徴は以下のようなものとなっている。
○安定した通信が可能な920MHz帯Z-Wave方式を採用
○簡単施工、簡単設定でユーザー負担軽減
○Smart-CONNECTは分電盤横に接続するので省スペース
○Smart-CONNECT増設タイプを2台まで増設可能で、最⼤10回線の計測が可能
京セラ/EMS資料より
EMSの導入普及により以下の事業を展開する。
○地産地消型地域新電⼒事業
○コミュニティーと協働した市⺠サービス
○畜産バイオマス事業(再生可能エネルギーの普及)
○節電要請による使用電⼒量の削減(CO₂削減)
【エネルギーマネジメントシステムの構成】
アイテム
電源・
熱源
対象需要
EMSシステム
太陽光
風 力
バイオマス
水 力
コジェネ等
蓄電池
その他
導入予定時期
(既設or新設)
設備概要(出力、容量、用途、台数等)
①地域電力高圧需要家(契約電力):5,308kW ②地域電力低圧需要家(契約電力):検討中
京セラ製スマートリーチHEMSの採用を検討している。
【発電容量】49.5kW×21基=1039.5kW 【台数】21基
なし
なし
なし
なし
なし
なし
①2017年4月、新設
②検討中、新設
既設