日本版コーポレートガバナンス・コード PRI について 責任投資原則(PRI)は、世界全 54 カ国、運用資産総額 45 兆米ドルに達する 13501のアセットオーナ ー、運用機関、ファイナンシャルサービスプロバイダーが賛同するグローバルネットワークです。 コーポレートガバナンス・コードについて 2013 年 12 月に開催された有識者検討会にて、スチュワードシップ・コードの日本語版原案が策定され、 意見募集(パブリックコメント)が行われました2。政府が主導する成長戦略では、機関投資家が投資先企 業のガバナンスにおいてより積極的な役割を果たすことが推奨されており、スチュワードシップとコーポレ ートガバナンスが重要な位置づけとなっています。 2014 年 2 月に、日本版スチュワードシップの最終草案が発行されて以来、既に 100 社以上の機関投資 家が受け入れを表明しています。コーポレートガバナンスドは、スチュワードシップ・コードと非常に密接 な関係にあり、より活動的な株式所有者になるために必要な情報へのアクセスを投資家に確保し、ガバ ナンス・プラクティスを強化するための共通フレームワークを企業に提供します。 PRI は、PRI 第 2 原則及び第 3 原則に即するコーポレートガバナンス・コードを支援し ます。 第 2 原則「私たちは活動的な所有者となり、所有方針と所有習慣に ESG 問題を組入れます。」に基づ き、以下のアクションが可能と考えられます。 ■ 政策、規則並びに基準策定への参画(株主権の促進及び保護等) ■ 議決権の行使または議決権行使方針にかかるコンプライアンスのモニタリングの実施(委託の場 合) 1 2015 年 1 月現在。 2 スチュワードシップ・コードについては、PRI 報告書「公共政策における投資家エンゲージメントのための事例(The Case for Investor Engagement in Public Policy)」に掲載しております。 第 3 原則「私たちは、投資対象の主体に対して ESG の課題について適切な開示を求めます。」に基づ き、以下のアクションが可能と考えられます。 ■ 規範、基準、国際規範または国連グローバルコンパクトのような国際的なイニシアチブの実践・遵守 にかかる情報開示を企業に対し要求 PRI 報告及び評価結果 アセットを管理する PRI 署名機関は、責任投資活動にかかる報告を年に一度公開することが求められ ています。2014 年には、830 の署名機関が報告しており、2015 年には、950 以上の署名機関からの報 告が予想されています。各署名機関には透明性レポートが発行されており、非署名機関及び政策立案 者を含め、ウェブ上で誰でも無制限にアクセスができるようになっております 3。PRI は進捗報告書を年に 一度発行しており、本報告書の中では、署名機関の報告データ結果が要約されています4。 PRI は、報告を提出した投資家によるコーポレートガバナンス・コード関連のプラクティスを明らかにする ため PRI 報告の枠組みのデータを分析しました。 PRI 署名機関は活動的な所有者であり、企業との対話を重視しています。 ■ (直接または間接的に)上場企業株を保有する 587 の署名機関のうち、523(90%)の署名機関が、 直接または外部プロバイダーを通じて ESG 課題においてエンゲージメントを行っているか議決権を 行使しています。日本の署名機関については、100% が直接またはサービスプロバイダーを通じて ESG 課題においてエンゲージメントを行っているか議決権を行使しています。 PRI 署名機関は、優れたコーポレートガバナンスが株主価値を保護する基盤であると回答しています。 ■ 企業とエンゲージメントを行う最も一般的な理由としてコーポレートガバナンスがあげられています。 最も関心のあるエンゲージメントについてデータを共有した 298 の署名機関のうち、285(96%)が、 コーポレートガバナンスを課題として報告しています。 情報公開と透明性も同様に優先課題としてあげられています。 ■ 環境・社会・ガバナンス(ESG)データに着目すると、上場企業株を所有する 359(62%)の署名機関 が ESG データにかかる情報開示を改善するよう努めています。日本の署名機関では全体の 58% となっています。 その他の情報 PRI はコーポレートガバナンス・コード案を支持します。また PRI は、積極的なスチュワードシップととも に、本コーポレートガバナンス・コードが高水準なコーポレートガバナンスを推進し、延いては、長期的か つ持続可能な成長に貢献すると確信しています。 3 www.unpri.org/signatories を参照 4 www.unpri.org/publications を参照 2 お問い合わせ先 ■ 森澤みちよ(日本ネットワークマネージャー): [email protected] ■ Will Martindale (政策チームリーダー): [email protected] ■ Alyssa Heath (報告評価チームシニアマネージャー): [email protected] 3
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