IRCセイル計測マニュアル 2007 日本セーリング連盟 IRC 委員会 JSAF セイルメジャラー部会 製作 1 Ⅰ.セイル計測 はじめに セイル計測は 3つのルールが基本となります。1.IRCルール (IRC 26.5∼26.8) 2.IRC計測マニュアル 3.ISAFセーリング装備規定(ERS) ルールの解釈,計測方法について疑問がある場合は、JSAFルールオーソリティに問い合わせる等の最大限の 努力をして、公平なルールを維持しなければならない。 * 作業するに当たって 用意するもの:1/500M まで計測できるメジャーテープ(スチール) 1/1000M まで計測できる1M 前後の直定規 直角定規(直角が確認できるもの) 計測値の単位:長さ・・メートル (IRC 12) 1/100の単位まで計測 平らで適度な広さの場所の確保 セイルの状態:乾いた状態か? JSAF登録艇のセイル番号 (IRC 13) セイル番号の確認:位置,大きさ(RRS 付則 G) エンドーズド証書に JSAF IRCメジャラー(セイルメジャラー)の計測が必要です。 又、ノーマル証書では オーナーの自己申告も認められています。 セイル計測を オーナーより要請された時は 計測したデータを下記のインプットシート(ExEL Sheet)をレーティングオフィイスに 送るシステムです。 又、 エンドーズド証書ではセイルに 計測値を記入する必要があります。 2 IRCで 要求されるセイルに関するデータ 及び IMSデータに相当するデータ。 Mainsail MUW = MGT MTW = MGU 3 MHW = MGM Headsail LLmax = JL (艇の搭載する ヘッドセイルで 最大のセイルの値 IMSの計測と ERS LL <= JL では ヘッドポイントが 違う場合があります。 ) (ERS G.4.2(b) ) LP = LPG HHW >= 50%LPG+JR (1/2リーチのLPG) Symmetrical Spinnaker SLU = SL SLE = SL SF = SF SHW <= SMW(IMS計測と異なり ERSでは 広げて測る為) Asymmetrical Spinnaker SLU = not on IMS (IMSの ASL=。6*SLU+。4SLE SLE = not on IMS IMSの セイルメジャメント ワークシートにこの値はあります。 ) SF = ASF SHW = AMG セイルの計測を要求された場合 JL,HHW,SHWは 計測が必要です。 IMSと定義で 大きく異なる点 RRS 50.4 は適用されない。(ヘッドセイルの定義) スピネーカーは一番先のマストの前にセットされ、真中の幅がフットの75%以上(スピネーカーとして計測され)ある セイルとして定義される。一番先のマストの前の取り付けられている他の全てのセイルはヘッドセイルである。 (IRC 26.3.4) 4 1.メインセイル(IRC 26.5) 計測値:MUW, MTW, MHW 1) MUW,MTW,MHW:小数点第二位まで MHWリーチポイント:ヘッドポイントとクリューポイントを重ね合わせる。 MTWリーチポイント:ヘッドポイントと MHWリーチポイントを重ね合わせる。 MUWリーチポイント:ヘッドポイントと MTWリーチポイントを重ね合わせる。 この各リーチポイントからラフ側の最先端までメジャーを振り、最短距離を計る。 注1:リーチのホロー 注2:リーチコードのテンションは十分に抜き、セイル本体にテンションが掛けられるようにすること。 注3:Quater Girthの 計測はありません。 例 申告に関して ルール 26.5.3 のより大きいとしても、ルール 26.5.4 未満としても、申告されない限り、メインセイルの 7/8 幅(MUW)、メ インセイル3/4幅(MTW)とメインセイル半幅(MHW)は、それぞれ、0.22*E、0.38*E、0.65*Eと想定される。(IRC 26.5.2) (IRC 26.5.3)計測で 0.22*E を超える MUW、0.38*E を超える MTW、0.65*E を超える MHW は、申告されなければならな い。 0.22*E より小さく 0.20*E のロワーリミットまでの MUW 計測は申告することが出来る。 0.38*E より小さく 0.35*E のロワーリミットまでの MTW 計測は申告することが出来る。 0.65*E より小さく 0.61*E のロワーリミットまでの MHW 計測は申告してもてもよい。(IRC 26.5.4) 5 2.ヘッドセイル(IRC 26.7) 計測値:LL,LLm、LP,HHW 、HHB (IMSとERCではヘッドポイントが異なる ERS G.4.2) 定義:RRS 50.4 は適用されない。 スピネーカーは一番先のマストの前にセットされ、真中の幅がフットの75%以上(スピネーカーとして計測され)ある セイルとして定義される。一番先のマストの前の取り付けられている他の全てのセイルはヘッドセイルである (IRC 26.3.4) 1) LP:クリューポイントからラフ側の最先端までメジャーを振り、最短距離を計る。 (IRC26.7.1(a) ) 2) HHW:リーチの中点からラフ側の最先端までメジャーを振り、最短距離を計る。 (IRC26.7.1(a) ) 3) LL:セイルの Luff でのヘッドポイントからタックポイントまでの長さ。 (IRC26.7.1(a) ) 4) LLm:セイルの Luff でのヘッドポイントからタックポイントまでの長さ。 LLmは 艇に搭載され使用する ヘッドセイルで最大の値(IRC26.7.1(b) ) (LLは最大エリアのヘッドセイルのラフ長さ) 5) HHB:セイルの Luff でのヘッドポイントから直角に測ったヘッドの後方点までの長さ。 HHBは 艇に搭載され使用する ヘッドセイルで最大の値(IRC26.7.1(c)) (IRC26.7.2) 例 申告に関して HSAの計算では HHWはLPの50%より小さいものは 採用されない。 HHBは 0.09m 又は 0.008*LLより大きい場合は その超過分の5倍が LLに加算され HSAが計算されます。 6 ヘッドポイント及びタックポイント 7 3.ファーリング ヘッドセイル (IRC 26.8) ボートは、シングルローラーファーリングヘッドセイルを使用する認定を申請することが出来る。 a)ボートは、少なくともドラム、ファーリングヘッドフォイル、トップスイベルを含む完全なヘッドセイル ファーリングシステムを装備していなければならない。 b)計測された LP は 1.3*J 以上でなければならない。 c)レースの間、スペシャルレギュレーション 4.26(アペンディックス1、IRC Measurement Definitions 参照)によって 定義されているアディッショナルのストームジブ使用して良い場合を除いて、一枚のヘッドセイルしか使用 してはならない。 (IRC 26.8.1 及び IRC 26.8.2) 8 4 スピンネーカー (IRC 26.6) 計測値:SLU,SLE,SHW,SF 定義:スピネーカーは一番先のマストの前にセットされ、真中の幅がフットの75%以上(スピネーカーとして計測され) あるセイルとして定義される。(IRC 26.3.4) 注1:対称、非対称の区別はありません。 1) SLU:スピンネーカーのヘッドポイントからタックポイントまでラフに沿って計った長さ。 2)SLE:スピンネーカーのヘッドポイントからクリューポイントまでリーチに沿って計った長さ。 3)SHW:ラフ、リーチのそれぞれの中点をセイル表面に沿って計った距離(ERS G.7.5(b) ) 4)SF: タックとクリューのセイル表面に沿った最短距離。(ERS G.7.1(b)) 例 申告に関して レース時搭載のスピンネーカー枚数の申告 合計 3 枚を超えるのスピネーカーを載せる船はレーティングの増加を招く。(IRC 26.6.2) 9 Ⅱ.セイルメジャメント事務処理要項 1.計測申し込みについて オーナーよりJSAF事務局へ計測の申し込み(申込書と申込料の確認 及び 艇登録の確認)。 申込書入手先:JSAF事務局, 2.計測データ送付先について 複数からデータが届くのを防ぐために、原則として下記の場合分けにより対処して下さい。 a)新規計測艇の場合:担当する計測員 b)セイル以外の艇関係の変更も行っている再計測艇の場合:担当する計測員 c)セイルデータのみ変更の再計測の場合:オ−ナ−のJSAFへの申込み確認後、 MAILにて送付お願いします。 Rating Office JSAF事務局 b)の場合において、セイル計測と艇関係の計測時期にタイムラグがあると、計測員から届いたデータのみで処 理されてしまうことが考えられますので、艇の責任者と艇関係の再計測をするのかを確認をしておく必要があり ます。 3.証書チェックについて JSAFレーティングオフィスより、仮アウトプットのチェック依頼があった場合には、報告した数値との誤り が無いかを確認し、E−Mailにて結果をお知らせ下さい。 4.セイルインプットシートについて(Sail Rig input sheet) メーカーは、計測データのインプットシートの記録を保存しなければなりません。 計測データの送付にはセイルインプットシートに記載して、計測員またはJSAFレーティングオフィスに送付 して下さい。(E−Mail) セイル計測値は、全て小数点以下第2位までの数値です。 COMMENT は、計測員またはレーティングオフィスへの連絡事項等がある場合に使用して下さい。 以上 10
© Copyright 2024 Paperzz