今回の内容 感覚系の分類 色の心理学 モダリティー 色覚の基礎 可視光(視覚の適刺激) 光の色と物の色 感覚器官 受容器 適刺激 感覚 視覚 眼 視細胞 (桿体・錐体) 可視光 明暗・色など 聴覚 耳 内耳蝸牛基底膜上の コルチ器の有毛細胞 空気の疎密波 音 皮膚感覚 皮膚 パチニ小体,マイス ナー小体,ルフィニ終 末,メルケル細胞,自 由神経終末など 機械的刺激・温度刺 激・侵害性刺激など 触・圧,温・熱, 冷,痛,痒など 嗅覚 鼻腔の嗅粘膜 嗅上皮の嗅受容細胞 揮発性の物質 ニオイ 味覚 舌,一部の口腔 内部位 乳頭の味蕾の味受容 細胞 溶解性の物質 味 生活の中の色 補色残像 色順応 色の恒常性 演色性 対比と同化 などなど この他,深部感覚・内臓感覚・前庭感覚 色の心理学:色覚の基礎 色の心理学:色覚の基礎 光と色覚 光の色 光の物理的性質と色覚 光のうち、波長380~750nmのものが 可視光となる 物体の色 彩度 明度 高 色相環(PCCS:日本色研配色体系; Practical Color Co-ordinate System) 無彩光:全ての成分を含む(真昼の太陽光) 有彩光:特定の波長だけが含まれる光(夕日・信号) 物体の表面色は反射光 である 色の心理学:色の見え方 補色残像 低 ひとつの色を眺め続けると、補色が見える ⇒ 手術着や手術室が緑である理由のひとつ 色順応 ひとつの色を見続けると、その色が見えにくくなる 1 色の心理学:色の見え方 色の心理的効果 心理的な影響:美味しい色と不味い色 演色性:光源によるものの見えの違い 自然光を100として「良い・悪い」で判断する 部屋の照明や商品のライトアップに利用される Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (May 1) http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/colorconstancy.html 色の恒常性 異なる照明のもとで眺めても同じ色に見える 色の同時対比 色相対比 赤を背景にした橙は黄色っぽく、黄を背景にした 橙は赤色っぽく見える(逆に見えることもある) 色の同時対比 彩度対比 あざやかな色を背景にしたときは「くすんで」見え、 くすんだ色を背景にしたときは、あざやかに見える 色の同時対比 明度対比 暗い色を背景にしたときは本来よりも明るく、逆に 明るい色を背景にしたときは本来よりも暗く見える 色の同時対比 補色対比 左の青い四角は、背景が同系色相の緑だが、 右は背景が補色系の赤なので鮮やかに見える 2 色覚心理学:色の見え方 知覚への影響:色の同化 知覚への影響:対比と同化 色相同化 色の間隔が広いと対比、 間隔が狭いと同化になる 色が近づいて見える 明度同化 日常のさまざまな場面でも、 対比や同化の効果を応用 した工夫が用いられている 明度が近づいて見える 彩度同化 彩度が近づいて見える 色の心理的効果 知覚への影響:大きさと距離も変わる 膨張色・進出色 膨らんで(=進出して)見える色 長波長の色や明度の高い色 縮小色・後退色 縮んで(=後退して)見える色 短波長の色や明度の低い色 色の心理的効果 心理的な影響:美味しい色と不味い色 暖色系は食欲を増進させる 色の心理的効果 心理的な影響:時間経過と色 暖色は時間経過を遅く感じる ⇒ ファーストフード店の内装には暖色を使う 寒色は時間経過を早く感じる ⇒ 待合室の内装には寒色を使う 色の心理的効果 感覚への影響:色の暖かさ 寒色と暖色 3 色の心理的効果 色の心理的効果 感覚への影響:色の暖かさ2 感覚への影響:重い色と軽い色 体感温度は、寒色・暖色によって3℃違う 色の心理学 視る心理学 「色」にまつわるエピソード 参考書 武田軍や真田軍の「赤備え」 黒いストッキングは痩せて見える 緑を眺めて目が安らいだ 1. 松田隆夫・八木保樹・土田宣明・福原浩之・ 藤健一・星野裕司・柴田直峰 (1997). 心理 学概説―心と行動の理解.培風館 青いトラックでは記録が良くなる 白衣を着た人は怖い? 2. 松田隆夫 (1995). 視知覚.培風館 部屋を赤やピンクなどにして鬱が改善した 3. 東山篤規・竹澤智美・村上嵩至(訳) (2011). 視覚ワールドの知覚.新曜社 4
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