No.037 1 http://biotech.nikkeibp.co.jp/ 創刊 3 周年 CONTENTS ノーベル賞のとなり ターゲットタンパク・ゲノムネット アカデミア・トピックス 2 アカデミア・トピックス ノーベル賞のとなり 千島隆司 医学博士 9 リポート ターゲットタンパク ゲノムネットワーク 12 キャリア 民間の研究者表彰 上原賞、安藤百福賞 バイオ関連団体賀詞交歓会 リポート 14 コミュニティ 2008 年間ランキングを発表 食品照射と安全性 18 広告索引 た千島隆司・医学博士に「ノーベル賞のとなり」と題 するエッセイを寄稿していただいた。研究に伴う “汗 と涙と歓び” を参考にしたい。 1 月の第 3 週に連日開催され た文科省プロジェクト成果発 トワーク」に続き 09 年 4 月 17 専門情報サイト「FoodScience」 で、今から 12 年前から GFP の先駆的研究を行ってい 表会をリポート。 「ゲノムネッ 15 BTJ アカデミック・ランキング 2009 08 年ノーベル化学賞を受賞した米国研究者の研究室 開始のセルイノベーションは、 07 年度開始の「ターゲットタンパクターゲット」と合体して「革新的タンパク質・ 細胞解析研究イニシアチブ」という名称になる。 「リンク」について 記事や広告中の URL にリンクを貼っています ので、ぜひお試しください。メールアドレス のリンクからはメーラーが立ち上がります。 研究を奨励する民間の褒賞・顕彰制度を紹介。大 正製薬の上原賞は飯野正光・東大教授と山中伸弥・ 京大教授が受賞、日清食品の安藤百福賞は都甲潔・ 京大教授と伏木亨・京大教授と山本憲二・京大教 授が優秀賞を受賞した。 コミュニティ バイオ研究者のキャリア/スキルアップを支 援する「BTJ ジャーナル」は、全国 5 万人以 上のバイオ研究者のコミュニティ「バイオテク ノロジー・ジャパン」の編集部が毎月 25 日 にお届けします。選りすぐりのバイオ最新情 報を配信する e-mail ニュース・サービス「BTJ/ HEADLINE/NEWS」に会員登録(無料)して いただくと、BTJ ジャーナルの発行のお知ら せを入手できます。 会員登録はこちらから 会員登録 キャリア 「BTJ/HEADLINE/NEWS」会員登録のご案内 1 月の第 3 週に 3 日連続で開催されたバイオ関連団体の賀 詞交歓会をリポート。 「BTJ アカデミック」は 08 年のアク セス Top50、1 位は「世界大学ランキング」の記事だった。 「FoodScience」は食品照射の話題を提供する。 研究開発から実用化までの動向を分析し、2009年のバイオ業界で 成功するための“最重要データ” を一冊に凝縮。 日経バイオ年鑑 2009 研究開発と市場・産業動向 ●2008年12月12日発行 ●編集:日経BP社 日経バイオテク編集部 ●B5判 1176頁/ハードカバー ●ISBN:978-4-8222-3160-6 ●定価:97,500円(本体92,857円+税) 特典/バイオ年鑑2009データベース アクセス権付 ※2009年末までアクセス可能 (予定) http://bio.nikkeibp.co.jp/ 詳細、お申し込みは 目次 好評 発売中! 2009.1 アカデミック・トピックス ノーベル賞のとなり GFPに与えられた 08 年度ノーベル賞、その陰には 米国に留学した若手研究者の努力と辛酸があった 千島 隆司 医学博士 横浜市立大学医学部 消化器・腫瘍外科学 助教(大学講師) 2008 年、オワンクラゲが発光する原因である緑色蛍光たんぱく質(GFP) の発見により米 Boston 大学の下村脩名誉教授がノー ベル化学賞を受賞した。GFP が遺伝子の発現や、がん細胞などの細胞のマーカーとして生物や医学の研究に幅広く活用されてい ることが評価されたためだ。GFP の応用研究の突破口となった、生きたマウスでがん転移を観察する、1996 年には夢のような 研究に、果敢に挑戦した日本人留学生がいたことをまだ知る人は少ない。 掲載の経緯:知り合いのジャーナリス GFP によるがん細胞の標識は今やが だ。科学研究に魅せられている皆さん トから面白い原稿があると連絡を受け んのメカニズムの解明や、抗がん剤の にこそ、この原稿をお届けしたいと思 たのは昨年の 11 月。 「ノーベル賞の スクリーニングに不可欠の技術となっ う。 となり」と題した原稿は、GFP の発見 ている。GFP のノーベル賞受賞の背景 帰国した千島さんは、日米のバイ とそれが医学研究に浸透する黎明期の には、千島さんのような研究者の汗と オ研究に対する温度差もありGFPの研 米国の情況を活写していた。 涙と歓びの歴史があることを忘れては 究は断念した。現在は横浜市立大学 何よりも読み込ませたのは、様々な ならないだろう。 病院で乳がん治療の専門医として活 トラブルに直面しながらも、それを乗 ほとんどの研究者は、ノーベル賞の 躍中だ。 り越え、異国でなんとか研究を成功さ ような社会的な賞賛や認知を受けるこ せた千島隆司さんの奮闘と、世界で初 とはない。しかし、研究者の真摯な努 めて GFP でがんが転移する有様を顕 力が科学研究を前進させ、新たな発見 微鏡で生きながら観察できた科学者と が真理に一歩近づいたという満足に結 して最高に幸せな瞬間の描写だった。 びつく。科学研究に運不運はつきもの (宮田満) 寄稿│ノーベル賞のとなり 第一章:ノーベル賞発表の夜 08 年 10 月 8 日。朝から夕方まで 外来と手術を勤め、夜は医療講座の打 ち合わせ会。そんな過密スケジュール から開放されて自宅にたどり着いた私 に妻が話しかけてきた。「ねえ、GFP がノーベル賞を取ったらしいよ」 「えっ」不意な言葉で初めは何のこ とだかわからなかったが、次の瞬間、 ちしま・たかし 1991 年 3 月福島県立医科大学医学部卒、97 年 3 月横浜市 立大学医学研究科博士課程修了、95 年 4 月から 97 年 3 月 ま で 米 University of California, San Diego 校 Department of Surgery, School of Medicine。97 年 4 月横浜赤十字病院 外科医員、98 年 4 月横浜市立市民病院外科医員、2000 年 4 月済生会横浜市南部病院外科医員、01 年 4 月同外科医 長、05 年 10 月同兼外来化学療法室長、06 年 4 月横浜市立 大学医学部消化器・腫瘍外科学助手、07 年 4 月から現職。 98 年 5 月に横浜医学会医学研究奨励賞(遺伝子導入法を 用いた癌細胞転移機序の解明および転移巣の遺伝子治療) を受賞 アカデミア・トピックス 2009.1 12 年前の米国での思い出が走馬灯の がん研究に大きな影響を与えること 文化、習慣、物事の考え方など、すべ ように頭の中をよぎっていった。 となった。この “大発見” を知ったと て日本とは異なっていたのである。渡 今年 4 人目(うち 1 人は米国へ帰 き、ボス(Robert M. Hoffmann 教授、 米後1週間位は、時差と生活習慣に慣 化)の日本人ノーベル賞受賞者が誕生 University of California, San Diego れることで、労力の 80%以上を費や した。異常気象、不景気、株価暴落な (UCSD) ; Department of Surgery)が していた気がする。しかし、実際には ど暗い話題が多い中、久しぶりの明る 私に言った言葉を今も鮮明に覚えてい そんな悠長なことを言っている時間は い話題に日本国中が沸いていた。 通常、 る。 「Takashi、これは 10 年に一度の なく、ボスは、「すぐに実験計画を相 ノーベル賞受賞者などという人は、は 大発見だぞ」。1996 年夏のことだ。 談しよう」と切り出してきた。日本か るか雲の上の存在であり、その名前は おろか、彼らの研究さえも耳にした事 第二章:GFP との出会い らの荷物を片付ける間もなく、与えら れた課題は “白いマウスの毛を毛根か がない遠い存在の人々である。そんな ところで、なぜ、当時まだ注目され ら黒く変えること” であった。 中、ノーベル化学賞を受賞された下村 ていなかった GFP 遺伝子と出会うこ この研究は、同じラボにいる中国人 脩博士は、私にとって “全く知らない とになったのか。日本で研究をしてい の研究成果が一流科学雑誌に掲載され 人” というわけではなかった。むしろ、 た大学院生の私に、突然、姉妹校であ たため、それをきっかけに新しく立ち ずいぶん昔に、 「へえ、この人日本人 る UCSD への留学話が持ち上がってき 上げられたプロジェクトの一環だっ なんだ」と感銘を受けた人物の一人で た。元々、留学というものにあまり興 た。実験方法は、何種類かの脂質を配 あった。 味は無かったが、日本での研究に行き 合することでメラニンという色素を包 医学研究科の大学院生であった時 詰まりを感じていた私にとって、環境 埋し、毛を剃ったマウスの背中に塗り 代。もう 12 年以上も前の話である。 を変えるには良いチャンスであると考 こむという簡単なものであった。それ 米国留学中に行っていた実験で、実 え、その申し出を受けることにしたの だけで “毛が黒くなる” というのだか は GFP 遺 伝 子 を 扱 っ て い た の で あ である。話が決まると、ことは一気に ら、「化粧品業界が注目する大発見」 る。まだ、無名であったこの遺伝子 動き出し、1 カ月という短い準備期間 という触れ込みは理解できるもの。し をがん細胞に組み込んで、マウスの のうちに渡米する運びとなった。95 かし、生えてくる毛はすべて白かった。 体の中で全身に転移していく過程を 年春のことである。 一瞬、黒い毛が生えてきたと思って 観察したのであった。“小さなアイデ 米国での新しい生活は、私に大きな も、水で洗い流すとすぐに白い毛に ア” から始めたこの実験が、その後の 衝撃を与えた。言語はいうまでもなく、 戻ってしまった。脂質の配合を変えな がら数カ月にわたり実験を繰り返した が、結局黒い毛を一本も生やすことが 千島隆司氏が発表に用いた図 1 できなかった。当然、結果を重視する 米国社会の風当たりは強く、瞬く間に 「今度来た日本人は何も出来ない」と いう噂が広まった。そしてボスからは 日本への帰国勧告をチラつかされた。 そんなある日、ボスが一冊のパン フ レ ッ ト を 持 っ て き た。 そ こ に は “Green Fluorescent Protein = オ ワ ン クラゲから抽出した緑色の蛍光たん ぱく質” という記事が書かれていた。 62 年 に Shimomura に よ っ て 同 定 さ れたたんぱく質で、生物科学領域で 応 用 さ れ つ つ あ る と 書 か れ て い た。 「Shimomura っていうのは日本人の名 前だろう。このたんぱく質は Made in GFP は 1974 年にクラゲの仲間から分離された。95 年頃から遺伝子マーカーとして活用され始めた。こ の遺伝子を使って細胞全体をマークすることで、微小転移の同定、浸潤過程の観察に応用した アカデミア・トピックス 2009.1 Japan じゃないのか」とボスは冗談交 じりに話しかけてきた。さらに、 「も うメラニンはやめよう。今度はこの 千島隆司氏が発表に用いた図 2 GFP 遺伝子を使ってマウスの毛を緑 に光らせよう」と、これも冗談ではな いかと思うような難題をもちかけて きた。これが GFP との出会いだった。 自分としては、 「メラニンですら毛根 に入れられないのに、ましてや遺伝子 を導入できるはずがない」と、半ば諦 めムードでボスの話を聞いていた。し かし、その時一つのアイデアがひらめ いた。 「GFP で光るがん細胞を利用す れば、がんの転移過程の解明が出来る はずだ」 行き詰まっていた米国での研究に、 新たな光明が見え始めた。早速、実 験用の GFP 遺伝子を購入すると共に、 仲の良かったテクニシャン(実験助 手)にお願いしてがん細胞株を分けて もらった。昼間はボスから与えられた GFP 遺伝子を導入した腫瘍細胞を、蛍光顕微鏡下で観察した。緑色に発光している細胞には GFP 遺伝子 が導入され、GFP の発現が確認された。生体内では single cell レベルでも同定できる マウスの実験をする一方で、夜は深夜 までラボに居残って、培養細胞での実 返事が届いた。改良型 GFP を分けて る。ミスを犯さないように、一つずつ 験を続けた。95年秋のことである。 くれるという。いつまでたっても暗闇 慎重に作業を進めていった。 から脱出できない私にとって、まさに 「よしっ!」二週間後、培養装置か 明暗を分けるような出来事だった。 ら取り出した細胞を顕微鏡下で観察し しかし、実験方法が悪いのか、それ 私にとっての幸運はそれだけではな ていた私は、思わず感嘆の声を上げて とも実験器材が不十分だったのか。期 かった。日本で生物科学の基礎につい いた。まばらではあるが、確かに緑色 待とは裏腹に、何回実験を繰り返して て指導してくださった大学の先輩(宮 の光を発する細胞が私の目に飛び込ん も、がん細胞の中で GFP が発光する 城洋平博士、神奈川県立がんセンター できたのだ。渡米して 1 年、 ついに“緑 のを観察できなかった。日本への帰国 臨床研究所;がん分子病態研究部門) 色に光るがん細胞” を作ることに成功 勧告が現実味を帯びてきたある日、私 が、San Diego の研究所に 1 年間留学 したのだ。しかし、難しくなるのはこ の結果が出ないことに業を煮やした することとなったのだ。早速、悩んで こから先の段階。がん細胞の転移を観 ボスが 1 冊の科学雑誌(Nature 373 いた問題点について相談したところ、 察するためには、光る細胞だけを分離 号)を持ってきた。その中で私の目 細胞内へ遺伝子を導入するためのベク してマウスに移植する必要があった。 を引いたのは、UCSD の研究者が “よ ターが原因であることに気づいた。 「強 何十枚もの培養皿にがん細胞を振り分 り明るい GFP 遺伝子の開発に成功し 制帰国になる前に、何か一つだけ手 けて、緑色に光るがん細胞のみを分離 た” という論文だった。 「これだ!」 伝ってやるよ」先輩のその言葉に、私 していく。毎日毎日夜遅くまで、ひた と思った私は、すぐさま論文の著者 は迷わず「じゃあ、新しいベクターの すら培養液の交換が繰り返された。 であるチェン博士(Roger Y. Tsien 教 作成を手伝ってください」と答えた。 そして、あの事件が起こった。例に 授 UCSD; Howard Hughes Medical しばらくすると、先輩から連絡が よって、昼はマウスの毛染め実験、夜 Institute)へ改良型 GFP 遺伝子のサン あった。 「まあ、これでダメなら日本 は GFP 細胞の実験を繰り返していた プルを分けてほしいと手紙を書いた。 へ帰るんだな」先輩は優しい笑みを浮 ある日、突然私の培養装置に異常が発 このチェン博士こそ、下村博士と共 かべながら新しいベクターを手渡して 生したのだ。通常は 37℃に設定して に GFP でノーベル賞を受賞した 3 人 くれた。ラボに帰った私は、「これに いる培養温度が、90℃に変更されて の科学者の内の 1 人である。そして 2 失敗したら日本へ帰る」と心に決めて、 いたのである。当然、苦労して培養し 週間後、チェン博士から待ちに待った 背水の陣で実験の準備を始めたのであ てきた GFP 細胞は全滅していた。 「誰 第三章:チャンスを掴め アカデミア・トピックス 2009.1 だ、設定温度を変えたのは!」と激高 賞に絡んだ一つのエピソードを話して なふうに見えるのかな」 。早速、マウス する私に、周囲の研究者の目は冷やや くれた。 「10 年位前にノーベル医学賞 を蛍光フィルターの下へ連れて行った。 かだった。私にとっては重大事件でも をとった博士などは、自分の実験を優 その瞬間、私は「えっ、ウソでしょ 他の研究者には関係の無いこと。 先するために、同僚が何日もかけて実 う」と叫んでいた。その腫瘍は、この 結局、この重大事件に対する周囲の 験していた超高速遠心器を勝手に止め 世のものとは思えないほど美しい緑色 見解は、 「掃除夫が誤って設定温度を てしまったことがあるらしいよ。米国 に発光していたのだ。さらに、腫瘍が 変えてしまったのだろう」という結論 の研究者は毎日が競争なんだ。自分よ 発する緑色と、その周囲に絡みつく血 に帰結した。しかし、 私は事件の前夜、 り優れた研究者がいれば、いつ自分が 管の赤色とが相まって、絶妙なコント 掃除夫が帰った後の深夜まで実験を続 首になっても不思議ではない社会。今 ラストを作り出していた。体の中から け、実験の最後に培養器の警告灯が点 回の事件がラボ内部の仕業だとすれ 湧き上がってくる興奮を抑えきれない 灯していないことを確認していた。 ば、それだけお前の研究が他の研究者 まま、さらに実験を続けていった。そ さらに仲の良いテクニシャンの話で の脅威だってことなんだよ。自分の研 して、マウスから取り出した肺を顕微 は、事件当日の早朝、普段は細胞培養 究に自信を持って、もう一度頑張って 鏡で観察した瞬間、信じられない光景 に関係していない某研究者が培養室か 見返してやればいいじゃないか」 が目の前に映し出されたのである。 ら出てくるのを見かけたという。まだ 紆余曲折の末、それから 1 カ月後 「あっ…」私は言葉を失っていた。 この時点で正式なプロジェクトではな に GFP 細胞だけを分離して、がん細 肉眼では発見できなかった多数の微小 かった GFP 細胞の実験は、周囲の研 胞株を樹立することに成功した。いよ 転移が、まるで星空のように、鮮やか 究者にとってむしろ “厄介な実験” で いよ GFP 細胞を生体内で観察する準 な緑色を放っていたのである。どれだ しかなかったのかもしれない。 備が整ったのだ。実験動物担当のテク けの時間が過ぎていったのか。 「ヘイ、 しかし、この実験にすべてを賭けて ニシャンから処分予定のヌードマウス Takashi !」友人のテクニシャンが声 いた私にとっては絶望的な出来事だっ を数匹分けてもらい GFP 細胞をマウ をかけてくれるまで、私はただ呆然と た。成すすべも無く帰宅した私は、こ スの背中に移植した。1 週間後に観察 暗くなった培養室で立ち尽くしてい の事件について宮城博士に相談した。 したところマウスの背中には腫瘍が出 た。世界で初めて、GFP 遺伝子をがん 彼は特に驚いた様子も無く、ノーベル 来ていた。「蛍光を当ててみたらどん 転移の研究に応用した瞬間だった。 すぐさまボスのオフィスをノックし た。「どうした Takashi、何をあせっ 千島隆司氏が発表に用いた図 3 ているんだ」とボスが声をかけてきた。 「すぐに培養室へ来てください」 。踊る 声でボスを暗くなった培養室へ案内し た。顕微鏡をのぞくボスの手が震えて い た。 こ の 時、 「Takashi、 こ れ は 10 年に一度の大発見だぞ」とボスが興奮 気味に言った。この日から急遽、“GFP 細胞によるがん転移過程の視覚化プロ ジェクト” がスタートすることとなっ た。96 年夏のことである。 第四章:ノーベル賞への想い この時から GFP を用いたがん転移 研究が本格的に始まったが、すべてが “初めて” であるが故、その他にも解 決すべき多くの課題が山積していた。 例えば、今でこそ GFP 観察用の実 肺腫瘍をヌードマウスに移植後、18 時間経過してから腫瘍周囲を観察した。移植後 12 日目には、横隔 膜へ向かう腫瘍細胞が、リンパ節で転移を形成しているのが観察された アカデミア・トピックス 2009.1 験機材は充実しているが、その当時は 蛍光顕微鏡などの恵まれた機材がな く、普通の顕微鏡に蛍光フィルター 千島隆司氏が発表に用いた図 4 をつけて細胞を観察せざるを得なかっ た。また、ほのかに光るがん細胞を写 真に撮る必要があるため、周囲が暗く なる夜中を待ってから、普段はスナッ プ写真に使っている一眼レフカメラを 転用して、GFP 細胞の写真を撮った。 論文執筆に取り組み始めたある日、 「Takashi、日本では何人くらいノーベ ル賞を受賞したことがあるんだ」とボ スが質問してきた。 「科学関係では確 か 5、6 人だったと思います」 。私が 答えると、 「そうか、私が博士号を取 得したハーバード大学では、常任教授 の多くがノーベル賞受賞者だったよ。 米国では、 ノーベル賞を取った人でも、 状況によっては教授職を首になること があるんだ。むしろノーベル賞はそん なに遠い世界の話ではないんだよ。米 蛍光フィルターと CCD カメラ、蛍光顕微鏡を組み合わせて画像を採取し、画像解析しながら転移部位の 蛍光量や面積測定を行う。マウスを生かしたままで全身の転移部位を経時的かつ視覚的に観察 国で研究している人は、みんなノーベ ル賞を取るつもりで努力しているん れを切らして雑誌の Editor(編集長) 要な研究成果が科学雑誌に掲載された だ。だから、私もいつかはノーベル賞 へ問い合わせたが、「査読中」という 場合、特許権や受賞資格には、その論 を取りたいと思っているのさ」 。ボス 回答だけで、我々のもとへは一向に連 文を投稿した日付が大きく影響して の話は衝撃的なものだった。 「日本の 絡が無かった。3 カ月近く経過して、 くるという。その時、 「ボスはこの研 研究者で、ノーベル賞を目標に頑張っ やっと編集部から回答が来た。そこに 究でノーベル賞を取ろうとしている ている人は何人いるだろうか。日本と は 2 人の査読者の意見が書いてあり、 のかもしれない」と感じたのだった。 比較して米国でのノーベル賞学者が多 1 人はかなり好意的な評価であったに 我々の研究は、米国癌学会が刊行す いのは、単に語学力や研究環境の違い も拘らず、他の 1 人は「従来までの る Cancer Research(1997 May, 15; だけではなく、研究者自身のモチベー 実験方法に比べて優れた点は見出せ Vol. 57: 2042-2047)に掲載される ションが一番違うのではないか」 。自 ず、雑誌掲載の価値はない」との極め こととなった。年が明けた 97 年春の 分の考えを改めざるを得なかった。 て厳しい評価であった。 ことである。 GFP 細胞による研究結果が揃いは “accept” と 期 待 し て い た 結 果 が じめた時点で、特許の申請を開始する “reject” であったため、私はかなり落 と共に、米国系の科学雑誌へ研究成果 胆したのを覚えている。ボスに至って 97 年 3 月、2 年間にわたる留学を を投稿することとなった。この時は、 は、 「やられた」といって私以上に悔 終えて帰国することとなった。米国で あまり深く考えることもなく “Nature しがっていた。彼が言うには、 「おそ の 2 年間は、日本での 10 年分に相当 Biotechnology” という新刊雑誌に投 らく “価値なし” と回答した査読者は、 する経験を与えてくれた。日本に帰っ 稿した。通常、このレベルの雑誌に投 同じような転移モデルを提唱していた てくると、多くの同僚や先輩が、米国 稿すると、“重要な論文ではない” と 研究グループの一人なので、時間稼ぎ での研究について質問してきた。研究 判断された場合、投稿から 2、3 週間 をした上で “reject” を出したに違いな 成果について説明すると、一応その業 で “reject =落選” の報告が来る。し い」とのことだった。彼らも新しい実 績の大きさに驚いてくれた。 かし、この論文に関しては、2 カ月たっ 験を始めている可能性があるので、す しかし、「米国のボスは、この研究 ても回答をもらうことが出来なかっ ぐに次の論文を投稿しなくてはいけな でノーベル賞を取ろうと頑張っている た。我々としては “accept =掲載” へ い」と一層私の研究に拍車が掛かった。 みたいです」という話をすると、 「ほー、 の期待が高まりつつあった。ボスも痺 あとになって分かったことだが、重 それは大変なことだね。じゃあ、もし アカデミア・トピックス 2009.1 第五章:現実の世界 お前がノーベル賞を取ったら俺に飯で た。やはり自分の夢は “研究の最前線” ある日、私と妻はストックホルムの もおごってくれよ」と、ほとんどの人 ではなく “治療の最前線” で頑張るこ 市庁舎 1 階、ブルーホールに立って は冷やかし半分で聞いていた。 「本当? とだと思ったのだ。私が選んだ選択肢 いた。「ここは毎年 12 月 10 日にノー じゃあ、もう少し詳しく話を聞かせ は、“臨床医としての修練を積むこと” ベル賞授賞後の晩餐会が行われる場所 てよ」と興味を示したのはたったの 1 であった。幸い、私が残してきた GFP らしいよ。何か荘厳な雰囲気が漂って 人きりだった。この時も、米国と日本 細胞は、米国のラボで “ONCOBRITE” いるよね。実は米国留学をしていた の研究者では、自分の研究に対する自 という新たなプロジェクトとして動き 頃は、ボスと “いつかはストックホル 信とモチベーションに大きな差がある 出すこととなった。 ムへ” と夢を語ったことがあるんだ」 。 のだと再認識させられた。 その一方で、心の中では “研究の 私がそう話しながら天井を見上げてい その直後、私は大きな人生の岐路に 道 ” も 完 全 に は 捨 て き れ ず に い た。 ると、「あの緑の細胞の研究ね。今は 立たされることとなった。残念なこと そ れ か ら 3 年 間、 夏 期 や 年 末 な ど 誰が引き継いでいるのかしら?」と妻 に、大学内における私の研究に対する 4 日以上の休みがあれば、渡米して が質問してきた。一瞬、留学時代の思 評価は低く、当時の研究者たちからは ONCOBRITE プロジェクトを手伝って い出が走馬灯のように頭の中をよぎっ 「大学の研究室にお前の実験は必要な いた。しかし、生物科学における GFP ていった。「さあ、どうなっているの い」と引導を渡されたのだ。私に与え 細胞の評価が高くなるに従って、共同 かな。研究自体は順調に進んでいるみ られた選択肢は、研究を継続するため 研究施設が増加したため、徐々に私の たいだよ。でも、僕が 12 月 10 日に に米国に戻るか、臨床医として一般病 居場所は無くなっていった。さらに、 ここへ来るというのは、夢のまた夢だ 院で修練を積むかの二つであった。 GFP 細胞自体も、生体イメージングな ね」そう笑い飛ばしながら、市庁舎観 その時、自分の夢についてもう一 どの新しい方向へ進化を遂げたため、 光のメインとなる “黄金の間” へと足 度考えてみた。“がんの研究” なのか、 い つ し か ONCOBRITE プ ロ ジ ェ ク ト を進めていった。 04 年秋のことである。 それとも “がんの治療” なのか。高校 は、私にとって遠い存在となっていっ 生の時に祖母をがんで亡くし、医師を た。2000 年春のことである。 志した時の自分を思い返すと、結論は 思いのほか簡単に導き出すことが出来 第七章:ノーベル賞のとなり そ し て 08 年 10 月 8 日。 つ い に 第六章:回想 GFP に関する研究がノーベル化学賞を 受賞することとなった。ノーベル化学 賞が発表になった翌日の朝、1 本の電 千島隆司氏が発表に用いた図 5 話がかかってきた。「下村博士が GFP でノーベル賞をとったのですが、先生 は GFP を使ってがん細胞が転移する 様子を、世界で始めて観察することに 成功したと伺っています。その時の話 を聞かせていただきたいのですが」と いうテレビ局からの取材依頼だった。 その日は手術が立て込んでいたのだ が、「この手のニュースはタイミング が重要なんです。是非とも今日中に取 材させてください」と説得されて取材 に応じることとなった。テレビ取材と なると世間に対する影響力も大きいの で、取材内容を相談するため米国のか つてのボスへも連絡を入れた。 案 の 定、 米 国 の ラ ボ で も ノ ー ベ ル化学賞のことは話題となってい 腫瘍細胞の増殖を経時的に観察。赤い矢印は移植部位の腫瘍増殖を示し、白い矢印は肝転移を示す。上 のコントロール群では、移植後 21 日目の時点でヌードマウスの肝臓に蛍光が観察されている アカデミア・トピックス 2009.1 た。電話に出たボスは、 「Hi!Takashi. Congratulations!You stood at the next door to Nobel Prize.」 と 祝 福 の 千島隆司氏が発表に用いた図 6 言葉をかけてくれた。 「ノーベル賞の となり…」私にとってはあまりピンと こない言葉であった。その後、ボスは 次のように話をつづけた。 「GFP がノー ベル化学賞を受賞した理由として、ス ウェーデン王立科学アカデミーの公式 ホームページに我々のことが書いてあ るんだ。いいか、読み上げるぞ。 ─ With the aid of GFP, researchers have developed ways to watch processes that were previously invisible, such as the development of nerve cells in the brain or how cancer cells spread. ─ ここに書いてある “がん細胞が広が る過程” については、Takashi が世界 で初めて報告しているんだから、まさ にお前はノーベル賞のすぐとなりにま Dr.Hoffman は現在、University of California, San Diego の外科学教授で、AntiCancer 社の社長。Dr. Yang は千島氏の仕事を引き継ぐ形で横浜市立大から渡米、現在は AntiCancer 社の主任研究員 で到達していたんだよ」 確かに自分の研究がノーベル賞の選 に関わる人なんて、はるか雲の上の人 考過程で参考にされていたとは驚きで だと思っていたけれど、まさか自分の あった。そして、ボスとの電話を切っ 主治医だなんて。ノーベル賞って意外 下村博士は、ノーベル賞受賞のコメ てから、徐々に興奮が湧き上がってき に身近な存在なんですね。少しだけ友 ントの中で「もっと自分の研究に自信 た。私にとって遠い存在となりつつ 達に自慢できます」と、うれしそうに を持ちなさい。一度何か面白い仕事だ あったノーベル賞が、身近なものに感 話してくれた。「先生、ノーベル賞が と思って始めたら、たとえ難しいこと じられる不思議な瞬間だった。 取れなくて残念でしたね」と、その患 にぶつかってもそれを乗り越えるよう 午前中の手術が終わると、記者とカ 者さんは続けた。「でも先生、私が今 にして最後までやってほしい」と話し メラマンが待っていた。取材では、米 もこうして元気に生きていられるのは ていた。“何事にも全力投球で頑張り 国での成果を示しながら GFP 細胞を 先生のおかげだし、本当に感謝してい なさい” という意味であり、応援メッ 使った実験について説明した。その中 るんですよ。だから、私たちから先生 セージだ。研究者にとってノーベル賞 で、ノーベル賞についてのコメントを にノーベル賞をあげるわ」と言って、 というものは、はるか遠くの世界にあ 求められた時、米国でボスが言ってい 彼女の傍らに立っていた子供の手か るように感じるけれど、自分を信じて た話を思い出した。 「米国で研究して ら、一通の手紙と折り紙で作った “金 一生懸命努力すれば、意外と近く、そ いる人は、自分たちの研究に自信を 色のメダル” が渡されたのである。 れも自分のすぐとなりに存在している 持っていて、いつもノーベル賞を目標 臨床医としての道を選んでから 12 かもしれない。そして信念をもって頑 に頑張っている。最も印象深かったの 年、ひたすら働き続けた私にとって、 張れば、たとえノーベル賞は取れなく は、彼らの研究に対するモチベーショ その成果が評価されたとてもうれしい ても、いつか誰かが、貴方へ “金色の ンの高さでした」この言葉は日本の若 瞬間であった。そして、「自分が目指 メダル” を授与してくれるはずである。 い研究者へのメッセージでもあった。 していたノーベル賞はこれなのかもし 「チャンスがめぐってきたら出来る 翌日、いつものように外来患者を診 れない」 と感じたのである。それはノー 限りの努力をしなさい。努力して掴め 察していると、ある患者さんが前夜の ベル化学賞が発表になってから 2 日 なければ諦めがつく。努力しないで掴 ニュースを見たと話しかけてきた。 目、08 年 10 月 10 日の出来事であっ まなければいつかきっと後悔する。人 「先生、ノーベル賞のニュースに出 た。そしてこの日は、奇しくも私の 生の中で、本当のチャンスは決して多 ていらっしゃいましたね。ノーベル賞 44 歳の誕生日だった。 くはないのだから」 (千島隆司)■ アカデミア・トピックス 2009.1 第八章:研究者へのメッセージ 特集 リポート ターゲットタンパクと ゲノム NW が連日成果発表 2009 年 1 月15 日のターゲットタンパク研究プログラムは 400 人以上、 翌 1 月16 日のゲノムネットワークプロジェクトは 400 人近く─、 文部科学省の主要バイオ施策の成果を発表する公開シンポジウムが 東京国際フォーラムホール B5 で連日開催され、議論が白熱化した。 文部科学省のバイオテクノロジー関 が合体して「革新的タンパク質・細胞 連主要プロジェクトである「ターゲッ 解析研究イニシアチブ」と呼ばれるよ トタンパク研究プログラム」と「ゲ うになるからだ。 ノムネットワークプロジェクト」の 厳密にいうと、09 年 3 月末で終了 成果を発表する公開シンポジウムが、 するゲノムネットワークの後継プロ 2009 年 1 月 15 日 と 翌 16 日、 都 内 ジェクトに相当する(もちろん単純な の同じ会場(東京国際フォーラム ホー 後継ではない)「革新的細胞解析研究 ル B5)で開催された。 プログラム」(通称:セルイノベーショ 1 年前は、ターゲットタンパクの成 ン)が 09 年 4 月から始まり、09 年 るプロジェクト。革新的タンパク質・ 果発表会は 08 年 2 月 12 日に東京国 度が 3 年目に当たるターゲットタン 細胞解析研究イニシアチブ全体の 09 際フォーラム ホール 7 で開催され、 パクと合体するのだ。 年度予算は 58 億円だが、08 年度の その一方で、ゲノムネットワークの成 構造生物学の革新に大きく寄与する 補正予算で 25 億円を確保、セルイノ 果発表会は 08 年 2 月 19 日にお台場 と期待される X 線自由電子レーザー ベーションに先行して次世代シーケン で開催された。場所は異なり、開催日 (XFEL、 本 誌 08 年 7 月 号 P.5 ~ 9) ス拠点の整備を進めることになった。 は 1 週間ずれていた。 や DNA シーケンスなどを超高速化し このような経緯から、成果発表会は 今回、両方の国家プロジェクトの成 て生命科学研究を一変させる新型分析 両日とも、主催者である文部科学省を 果発表会が同じ会場で連日開催された 装 置 の 登 場( 本 誌 07 年 12 月 号 P.7 代表して倉持隆雄・大臣官房審議官 (研 のは、09 年度から、両プロジェクト ~ 11)など、大掛かりな予算を要す 究振興局担当)があいさつした。 平成 20 年度ターゲットタンパク研究プログラム公開 シンポジウム「ターゲットタンパク研究プログラム から見える未来─ 2」の参加者数は 400 人を超えた。 08 年 2 月に開催した 1 回目の成果発表会を上回った という。09 年度からは新規の「セルイノベーション」 と一体となり、 「革新的タンパク質・細胞解析イニシ アチブ」として推進される ゲノムネットワークプロジェクト第 5 回公開シンポジ ウム「ゲノムネットワークが拓く新しい医学・生物学」 には、400 人近くが参加した。理化学研究所ゲノム ネットワークプロジェクト実施会議事務局がこのシン ポジウムの事務局を務めた。この 5 年プロジェクト は 08 年度で終了、09 年度からは革新的細胞解析研 究プログラムが始まる 両方のシンポとも最初に、主催者である文部科学省 を代表して同省大臣官房審議官(研究振興局担当) の倉持隆雄氏が挨拶した。倉持氏は東京都出身で、 東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻専門課 程修士課程修了、79 年度科学技術庁入庁、文科省 大臣官房人事課長、同大臣官房政策評価審議官、理 化学研究所理事を経て、08 年 7 月に現職に就いた リポート 2009.1 文部科学省研究推進局ライフサイエンス課が推進 しているバイオテクノロジーの主要プロジェクト 「ターゲットタンパク研究プログラム」 (2007 〜 2010 年度)と「ゲノムネットワークプロジェクト」 (04 〜 08 年度)の成果発表会は、東京国際フォー ラムの同じ会場(ホール B5)で 2 日続けて、開 催された て飛躍的に正確に大量に高度のプロ ターゲットタンパク研究プロ グラム公開シンポジウムは講 演 が 7 件、 ポ ス タ ー 発 表 が 90 件だった。写真は「フロリ ゲンはいかに花を咲かせるの か?:機能と構造からその謎 に迫る」と題して講演した奈 良先端科学技術大学院大学バ イサイエンス研究科の島本功 教授。食糧やバイオマスの増 産にも寄与しうる成果だ ファイルを解析できた。ncRNA の存 在を明らかにした。最大の成果の 1 つ。新しい技術の開発、改善でも成果 を 挙 げ た。2)ChIP-chip は 白 髭 さ ん (東京工業大学の白髭克彦教授)と東 大の油谷さん(東京大学先端科学技術 研究センターの油谷浩幸教授)らが精 度の高い方法を改善・改良された。例 えば、コヒーシンの関連の成果につな がった。このプロジェクトで初めて、 は)完全に負けている」などと紹介 明らかにした。でもやるべき問題がた した。Stevens 教授と岩田教授は同じ くさんあって、課題はある。最初の手 07 年度から 5 カ年計画で始まった 1963 年 6 月の生まれ。わずか 4 日違 掛かり、突破口を開いた。3)たんぱ ターゲットタンパク研究プログラムの いで、岩田教授の方が先輩という。 く質間の相互作用(PPI)は理研、 日立、 見込みを上回る成果を期待 2 回目の公開シンポジウム「ターゲッ トタンパク研究プログラムから見える ゲノム NW 5年を榊議長が総括 慶應が精度の高い方法を確立した。次 の研究の基盤をしっかり築いた。 未来─ 2」は 1 月 15 日に開催された。 一方、ゲノムネットワークプロジェ ─最初の 3 年は、リソースに取り 倉持審議官は「今 43 の研究課題に取 クトは第 5 回公開シンポジウム「ゲ 組んだ。完全長 cDNA は理研と東大、 り組んでいる。開始してまだ 1 年半 ノムネットワークが拓く新しい医学・ siRNA は東大、抗体はかずさ DNA 研 だが、より小さな結晶で解析できるマ 生物学」は 1 月 16 日に開催された。 究所が取り組み、コミュニティに使っ イクロフォーカスや、10 万種の化合 04 〜 08 年度の 5 年間にわたり研 ていただく基盤を与えた。このほかに 物ライブラリーなど研究基盤の開発整 究費として総額およそ 132 億円(08 も、エピジェネティクスを体系的に解 備が着実に進展している。研究成果も 年度の補正予算は含まず)を投じて 析する方法や、マウスを使って精度の ジベレリンなど徐々に生まれている。 きたゲノムネットワークプロジェクト 高い抗体を取得する方法を東京理科大 当初の見込みを上回る成果が期待でき (GNP)は今年度が最終年。6 人の講 学が開発するなど、新しい方法論、技 るのでは」 とあいさつを締めくくった。 演の後、GNP 実施会議の議長を務め 術基盤を築けた。 このシンポジウムでは、ヒト GPCR ている榊佳之・理化学研究所特任顧問 ─個別の生命現象の研究では、40 (G たんぱく質共役型受容体)の立体 /豊橋技術科学大学長が総括して 20 近い機関が参加して発表論文は 400 構造解明の第一人者といえる米 The 分ほど講演した。 を超えた。Nature Cell Science などに Scripps Research Institute 分子生物の ─ 40 数機関にプロジェクトに加 Raymond C.Stevens 教授が「Structure わってやっていただいた。5 年をまず and Function of the G-protein Coupled 振り返りたい。ゲノムネットワーク推 Receptor Family」と題した特別講演 進委員会主査の笹月さん(笹月健彦・ を行った。来日は 20 回目くらいとい 国立国際医療センター名誉総長)がさ う。 きほどおっしゃった通り、ヒトゲノム この特別講演の “解説” を担当した 解読が終わった後、総合化学技術会議 京都大学大学院医学研究科の岩田想教 でさんざん議論した。1)転写レベル 授は「220 以上の論文を発表し、創 の制御にまず絞ってやるべき、2)い 薬に貢献している。論文発表したヒト ずれヒトの健康に役立てていく。でき β 2 アドレナリン受容体(β 2AR) 、 るだけヒトに焦点を当てる。ヒトの細 ヒトアデノシン A2A 受容体(A2AR) 胞とか、ヒトの疾患。この 2 つの強 のほか、 あと 2 つ、 構造があるそう。 (同 い要請を受けてスタートした。 じく GPCR など膜たんぱく質の構造解 ─ 5 年 間 を 振 り 返 る と、1) 特 に 析をリードしている岩田教授グループ CAGE などを用いてデジタル情報とし リポート 10 2009.1 「Structure and Function of the G-protein Coupled Receptor Family」と題した特別講演を行った米 国 The Scripps Research Institute の Department of Molecular Biology の Raymond C.Stevens 教授。 こ の ほ ど Receptor Pharmaceuticals 社 を 設 立 し たという。ベンチャーの設立は米 Syrrx 社(現、 Takeda San Francisco 社)など 3 社に続き 4 社目 という 論文を投稿、世の中に大きなインパク は、さながらアウトバーンを疾走する トを与えた。 車内にいるようなスリリングさを味わ ─最後に、阪大の松田さん(大阪大 えた。多くのトピックが発表された中 林崎領域長のホットな発表には質問 学大学院情報科学研究科バイオ情報工 で、ベイスンと tiRNA の成果を少し も多く寄せられた。座長を務めた榊議 学専攻の松田秀雄教授)の話にもあり 紹介してみる。 長の質問に対して、林崎領域長はポリ ましたが、最後の 2 年は動的ネット ベイスン(Basins)は、個々の細胞 A マイナスの CAGE も解析できている ワークに、計算機科学の手法で取り組 の転写制御ネットワークが準安定状態 ことも明らかにした。「米 ENCODE 計 んだ。ウェットの人と、ドライの人が にあることを意味する。「最近、ベイ 画に参加していて、ポリ A マイナル 一緒に研究している。 スンと呼び始めた」という。「たまた の CAGE を別途やっている」とコメン ─こういった成果を学術論文として ま単芽球と単球のベイスンを作ってい トした。 リリースするとともに、あわせてプ る。このベイスンの解析を基に、3 種 米国立衛生研究所(NIH)が進めて ラットフォームで世の中に広く公開す の転写因子の遺伝子をウイルス発現ベ いる ENCODE 計画は、日本の研究グ る。五條堀孝さんの発表がありました。 クターで、ファイブロブラストに入れ ループは第 1 期には参加しなかった 09 年 3 月末で終了、ほとんどすべて たら、単球のマーカー CD14 が出てき が、第 2 期から林崎領域長らは参画 のデータ、一般に公開する。これらの た」と林崎領域長は話した。 している。 基盤を基にさらに研究が進展すること 「iPS は、 ワ ン オ ブ ゼ ム。GNP/ 「ENCODE 計画の会議は 03 年 3 月 を期待している。 FANTOM4 で解析し、ネットワークを 7 日に開催され、日本からは八尾さ 最後に 「このようにリソース、 プラッ 分子レベルで目で見えるケースを少な ん(八尾徹氏=現在、理研と産総研、 トフォームを構築でき、それに研究者 くとも 1 個、作ることができた。iPS JST、東京医科歯科大学、慶應義塾大 も育った。若い方も育ったと思う」と が 要 ら な い 場 合 も あ る。 た だ し iPS 学を兼任)に行ってもらった。全ゲノ 議長は総括を締めくくった。 要らないかというと、そうではない、 ムのアノテーションを進めるという iPS はなんでもできる。必要なケース ENCODE 計画を横目に見ながら、何 もある」と壇上で語った。 をやったらよいか考え、我々は cDNA 6 題の講演のうち特に圧巻と感じた 一方の tiRNA は、平均 18bp という を完全に掌握して一足飛びにネット のは、林崎良英・理化学研究所オミッ 「ちょっと短め」の機能性 RNA。 「CAGE ワークに行こうという方針を決めた」 クス基盤研究領域(OSC)領域長の「転 (Cap Analysis of Gene Expresssion) 「ゲノムネトワークが FANTOM と 写ネットワーク解析の新展開」と題し + 小 分 子 RNA + バ イ オ イ ン フ ォ マ 一緒にネットワークの解析を進めてき た講演だった。 ティクスの成果。オーストラリアとの た。当時は本当にネットワークを解析 「5 年のサマリーを半分。全部吐き 共同研究で、ちょうど論文がアクセプ できるのか疑問で、かなりリスキーと 出して帳尻を合わせる、でも多分、お トされた。生合成過程は今後、調べて 思ったが、『それはできる』が、今の もしろい」と切り出した 50 分の講演 いく」と林崎領域長は解説した。 答えだ」と話した。 (河田孝雄)■ 講演 2 は国立遺伝学研究所の副所長で、生命情報・ DDBJ 研究センターのセンター長も務める五條堀 孝教授が「ゲノムネットワーク時代の生命医科学 ─情報プラットフォームから見えてくる新潮流 ─」と題して講演。米国の ENCODE 計画はゲノ ムの一部で 3 階まで造ってから全体に広げる戦略 なのに対し、GNW はまず 2 階を造ることにした、 と発足時を振り返った 講演 5 は東京工業大学大学院生命理工学研究科の 白髭克彦教授が「コヒーシン病のゲノム学」と題 して講演。写真の「割と色気のある染色体の絵」 は英国の友人にも好評だったが廊下にポスター掲 示していたらセクハラと言われたという。白髭教 授はグローバル COE プログラム「生命時空間ネッ トワーク進化型教育研究拠点」の拠点リーダーも 務める 「全部吐き出して帳尻を」と林崎氏 GNW の講演 1 は理化学研究所オミックス基盤研 究領域(OSC)の林崎良英・領域長が「転写ネッ トワーク解析の新展開」と題して 50 分ほど講演。 「まず 5 年のサマリーを半分で話し、続いて最新 の成果も紹介する。全部吐き出して帳尻を合わせ る、でも多分、おもしろい」と冒頭に語った。「最 初はとてもできるとは思っていなかったが」と懇 親会でコメントした リポート 11 2009.1 米 ENCODE 計画でも CAGE 民間の褒賞・顕彰制度 上原賞は飯野教授と山中教授 安藤百福賞は優秀賞に 3 教授 大正製薬の上原賞は飯野正光・東大教授と山中伸弥・京大教授が受賞した。 日清食品の安藤百福賞は都甲潔・九大教授と伏木亨・京大教授、 山本憲二・京大教授の 3 人が優秀賞を受賞した。 これら民間の表彰制度も、研究の動機付けに大きな役割を担っている。 昨年(2008 年)暮れに、医薬品と 都大学再生医科学研究所所長(56 歳) 食品分野を代表する民間の表彰が相次 の「制御性 T 細胞による免疫応答制 いで発表された。このような民間の表 御の研究」だった。 彰の知識も仕入れておこう。 2 年前の平成 18 年度の上原賞は、 上原記念生命科学財団は 08 年 12 審良静男・大阪大学微生物病研究所教 月 17 日、平成 20 年度の上原賞を決 授の「自然免疫による病原体認識機構 定したことを発表した。飯野正光・東 の解明」と、寒川賢治・国立循環器病 京大学大学院医学系研究科細胞分子薬 センター研究所副所長の「独自の探索 理学教室教授(58 歳)が「カルシウ 法による新規生理活性ペプチドの発見 ムシグナルの時空間制御機構とその生 とその基盤的研究:グレリンを中心と 理的意義の解明」 、山中伸弥・京都大 して」だった。 学物質─細胞統合システム拠点 iPS 細 胞研究センター長(46 歳)が「多能 安藤百福大賞は 13 回のうち 4 回 上)大正製薬本社(東京・豊島)の写真。上原賞 は、上原記念生命科学財団(理事長:上原昭二氏) が、生命科学に関する諸分野の研究を奨励し、国 民の健康と福祉の向上に寄与することを目的・事 業として、大正製薬が創業 70 周年記念事業とし て 1985 年に設立した。基本財産は 884 億円 (2008 年 3 月末)、年間予算は約 13 億円、年間事業費 支出は約 12 億円 下)日清食品ホールディングス本社(東京・新宿) の写真。安藤百福賞は、食創会〜新しい食品の創 造・開発を奨める会〜が授賞している。食創会は、 インスタントラーメンの発明者である故・安藤百 福氏(日清食品の創業者)の理念である「食創為 世(食と創り世のためにつくす)」に基づき、ベ ンチャーを奨励し、新しい食品創造を顕彰するた めに 1996 年に設立された。安藤百福賞を主宰し ているのは、83 年に設立された財団法人 安藤ス ポーツ・食文化振興財団(理事長:安藤宏基・日 清食品ホールディングス社長)だ 性幹細胞の維持と誘導」で受賞するこ 理化学研究所脳科学総合研究セン とが決まった。 ターの特別顧問である伊藤正男氏が会 贈呈式および記念講演会は 09 年 3 長を務める食創会〜新しい食品の創 月 11 日に、大正製薬本社 2 号館「上 造・開発を奨める会〜は、2008 年度 原記念ホール」で開催される。 食創会第 13 回安藤百福賞の受賞者 7 上原賞の副賞は 1 件 2000 万円。上 人(6 件)を決定した。「優秀賞」(賞 原記念生命科学財団(理事長:上原昭 金 200 万円)は、「生体を模倣した味 二氏)は、生命科学に関する諸分野の 覚センサーの開発」で都甲潔・九州大 研究を奨励し、国民の健康と福祉の向 学大学院システム情報科学研究院電子 上に寄与することを目的・事業とし デバイス工学部門教授(55 歳)、「油 て、大正製薬創業 70 周年記念事業と 脂のおいしさの研究」で伏木亨・京都 して 1985 年に設立された。基本財産 大学大学院農学研究科食品生物科学専 は 884 億円(08 年 3 月末) 。年間予 攻教授(55 歳)、「母乳中に存在する 算は約 13 億円、年間事業費支出は約 ビフィズス菌増殖因子の発見とその代 都甲教授は、世界で初めて「味を測 12 億円だ。 謝系の全解明」で山本憲二・京都大 る」という概念を提案し、味を測る装 1 年前の平成 19 年度の上原賞は、 学大学院生命科学研究科教授(61 歳) 置「味覚センサー」の開発に成功。舌 門脇孝・東京大学大学院医学系研究科 の 3 人が受賞した。表彰式は 09 年 3 の細胞の生体膜に相当する人工の膜を 教授(55 歳)の「2 型糖尿病の分子 月 11 日にホテルニューオータニ(東 脂質とたんぱく質で作り上げ、味の計 機構に関する研究」と坂口志文・京 京・千代田)で開催される予定だ。 測を可能とした。受賞者が開発した 「味 民間の表彰制度 12 2009.1 覚センサー」は現在、国内外 200 を 存在することに着目し、ヒトミルクオ 年度)では、森憲作・東京大学大学院 超える食品メーカー、公設の研究所、 リゴ糖の基本骨格の一種であるラクト 医学系研究科細胞分子生理学分野教授 大学等で使われている。また、開発し -N- ビオースがビフィズス菌増殖因子 が「食べ物の香り識別の脳神経機構の た装置・技術を基に、九州大学発のベ であることを突き止めた。同増殖因子 研究」、西野輔翼・立命館大学 COE 推 ンチャー企業 2 社も設立されている。 の発見と、関連する代謝系の全容を解 進機構特別招聘教授が「がん予防に有 伏木教授は、油脂のおいしさと満足 明したことによって、乳幼児の健康と 効な機能性食品の開発」で受賞、第 感のメカニズムを解明し、低カロリー 発育に貢献する新しい食品の創造に大 10 回(05 年度)では阿部啓子・東京 で満足感のある油脂および代替物質の きな可能性を開いた。 大学大学院農学生命科学研究科教授と 開発に独創的な視点を与えた。また、 食創会は、インスタントラーメンの 山本隆・大阪大学大学院人間科学研究 研究の中で、油脂への高い嗜好性(お 発明者である故・安藤百福氏(日清食 科教授の 2 人が「おいしさの解明〜 いしさ) が動物の生命維持 (エネルギー 品創業者)の理念である「食創為世(食 ヒトの味覚と脳機能に関する研究〜」 獲得)のための本能であることを示し を創り世のためにつくす)」に基づき、 で共同受賞した。 た。さらに、ラットの舌の表面に油脂 ベンチャーを奨励し新しい食品創造 第 7 回(02 年度)では光岡知足・ を感知する受容体があることを突き止 を顕彰するために 1996 年に設立され 東京大学名誉教授が「腸内細菌学の開 め、また、 胃などの消化管にはカロリー た。83 年設立の財団法人 安藤スポー 拓と機能性食品の開発・評価への貢 摂取を知らせる機構が存在するという ツ・食文化振興財団(理事長:安藤宏基・ 献」、第 3 回(98 年度)では藤巻正生・ 成果を得た。 日清食品ホールディングス社長)の主 東京大学名誉教授/お茶の水女子大学 山本教授は、善玉菌の代表であるビ 宰で、 「安藤百福賞」表彰を毎年実施 名誉教授と千葉英雄・神戸女子大学家 フィズス菌には整腸作用や免疫賦活作 している。 政学部教授/京都大学名誉教授、荒井 用など有益な作用があることが知られ 賞金 1000 万円の安藤百福賞大賞は 綜一・東京農業大学応用生物科学部教 ている。受賞者は、母乳中に、人工乳 今回は該当者がなかった。これまでの 授の 3 人が「機能性食品科学の創成」 には存在しないヒトミルクオリゴ糖が 大賞受賞は、8 人 5 件。第 12 回(07 で共同受賞した。 (河田孝雄)■ 厚生労働大臣許可[般27-020270][27-ユ-020106] 民間の表彰制度 13 2009.1 賀詞交歓会 バイオ団体の賀詞交歓会 STAFF は 1 月13日、HS 財団は 14 日、JBA 等は 15日 バイオ関連団体の賀詞交歓会が 2009 年 1 月 13 〜 15 日に都内で開催された。 13 日に開催された農林水産省系の STAFF の賀詞交歓会は約 230 人、 14 日に開催された厚生労働省系の HS 財団の賀詞交歓会は約 200 人、 15 日の経済産業省系など関連 8 団体の合同賀詞交歓会は約 600 人が参加した。 父島行きの船から撮った日の出(久保田文・撮影) 新年(2009 年)が明けて第 3 週、 「成 正式名称は「社団法人 農林水産先端 施設認証センターを設置、動物実験の 人の日」の連休明けの 1 月 13 日(火) 技術産業振興センター」で、STAFF は、 外部評価・認証事業を開始した。 〜 15 日(木)に、 バイオテクノロジー その英名「Society for Techno-innovation 15 日昼の賀詞交歓会は、バイオ関 と関連の深い官庁関連の団体が相次 of Agriculture, Forestry and Fisheries」 連 8 団 体 が 合 同 で 開 催 し た も の。8 ぎ、都内で賀詞交歓会を開催した。こ の頭文字を取った略称だ。つくばにあ 団体は、バイオインダストリー協会 れら団体の性格やそのイベントの規模 る STAFF 研 究 所 は 48 人 の 人 員 を 抱 (JBA)、バイオ産業化情報化コンソー と内容を知ることは、キャリアアップ え、新型高速 DNA シーケンサー「454 シアム、かずさ DNA 研究所、全国バ にも役立つので、紹介する。 FLX」が昨年から稼働している。 イオ団体交流会議、地球環境産業技術 一 番 早 く 13 日 昼 に 賀 詞 交 歓 会 を 14 日夕方に賀詞交歓会を開催した 研究機構、日本バイオ産業人会議、日 開催した STAFF は「日本の農林水産 ヒューマンサイエンス振興財団(HS 本バイオプラスチック協会、バイオテ 業、食品産業などの発展に資するため 財団)は「保健医療、医薬品、医療・ クノロジー開発技術研究組合。この に、産学官の連携と広範な業際的交流 福祉機器、生活衛生等に関連する先端 うち中心的な役割を果たしている JBA を通じ、農林水産・食品分野における 的・基盤的科学技術の振興をはかり、 は「産官学と連携し、バイオインダス バイオテクノロジー等先端技術の研究 人類の健康と福祉に寄与することを目 トリーの発展に貢献するため」 、87 年 開発と産業化の促進についての事業を 的」とし、1986 年に創立された財団 に発酵工業協会が改組・改称して発 総合的に推進することを目的」として 法人。現在 103 社が賛助会員になっ 足した財団法人。賛助会員数は現在 1990 年 10 月に設立された社団法人。 ている。08 年 4 月には動物実験実施 104 社だ。 農林水産先端技術産業振興センター(STAFF、会 長:北里一郎・明治製菓最高顧問=写真)の賀詞 交歓会は 09 年 1 月 13 日昼、虎ノ門パストラル で開催された。まず STAFF の岩元睦夫理事長が あいさつし、来賓は代表して農林水産技術会議の 会長である三輪睿太郎・東京農業大学総合研究所 教授があいさつした。乾杯は、STAFF 副会長の原 田宏・バイオインダストリー協会会長・筑波大学 名誉教授が音頭を取った ヒューマンサイエンス振興財団(HS、会長:北 里一郎氏、理事長:下田智久氏)の新春賀詞交歓 会は 09 年 1 月 14 日夕方、虎ノ門パストラルで 開催された。北里会長の挨拶に続き、来賓からは 厚生労働事務次官の江利川毅氏が祝辞を述べ、乾 杯は日本学術会議会長の金澤一郎氏が音頭を取っ た。交歓会に先立ち、財団の事業活動に貢献した 賛助会員の表彰式が行われ、今回表彰された 16 人のうち 12 人が出席した(写真= HS 財団浜中氏) 賀詞交歓会 14 2009.1 (河田孝雄)■ 「2009 バ イ オ 関連団体合同 賀詞交歓会」 は 09 年 1 月 15 日昼、グラ ンドプリンス ホテル赤坂で 開 催 さ れ た。 バイオインダ ストリー協会 (JBA) 理 事 長 の北里一郎氏 が主催者挨拶 し た 後、 来 賓 の方々からは 経済産業大臣政務官の松村祥史氏、ライフサイエ ンス推進議員連盟会長の尾身幸次氏、同連盟会長 代理の谷垣禎一氏、同連盟幹事長の細田博之氏に 続いて、総合科学技術会議議員の本庶佑氏(写真 = JBA 撮影)が挨拶した。乾杯は、JBA 会長の原 田宏氏が音頭を取った BTJ テーマサイト「BTJ アカデミック」 08年アクセスTop50発表 1 位は「世界の大学ランキング」 Biotechnology Japan(BTJ)が 08 年 2 月に開始した BTJ アカデミック。 今号では通常の直近 1 カ月のアクセス・ランキングに加え、 08 年の年間アクセス・トップ 50 の記事をリンク付きで紹介する。 世界の大学ランキング、乳酸菌、個別化医療、iPS がトップ 5 を占めた。 日 経 BP 社 バ イ オ 部 が 運 営 す る 導、乳酸菌初の成果を Immunobiology 10 位)1 時間で 1000 億塩基読める、 Biotechnology Japan(BTJ)は、アカ 誌に論文発表 米 PacBio 社が 2010 年製品化を発表 デミア関連報道記事をオンラインで提 3 位)訂正、CSK が東大・中村教授と した DNA シーケンサーが 2 月 19 日の 供する新サービス「BTJ アカデミック」 共同研究、個別化医療分野に 30 億円 ゲノムネットワークシンポでも話題に を 2008 年 2 月 に 開 始 し た。 日 本 最 投入 11 位 ) 三 菱 化 学 生 命 科 学 研 究 所、 大のバイオポータル、BTJ のコンテン 4 位)iPS 細胞ブームに警鐘、理研が 2010 年 3 月末で解散、田辺三菱製薬 ツのうち、大学・研究機関や政府関連 報道陣に異例の要請 誕生の副作用か? の報道記事を、1 カ月 500 円で何度 5 位)米有力ベンチャーキャピタル、 12 位)続報、スーパー特区に 24 プ でも購読できるサービスだ。 iPS 細胞ベンチャー企業設立、日米の ロジェクトが採択 今 号 で は、2008 年 の 1 年 間 に ア 知財囲い込みを図る 13 位)コヒーシンがインシュレーター クセスされた数が多かった BTJ アカ 6 位 )Times 世 界 の 大 学 ラ ン キ ン グ の構築に必要、白髭克彦・東工大教授 デミックのトップ 50 のニュースを、 2007 年版、上位 500 校に日本は 35 らが文科省ゲノムネットワークの成果 BTJ アカデミックの記事リンク付きで 校がラン ク イ ン、「BTJ ジ ャ ー ナ ル 」 を Nature 誌に発表 まとめて掲載する。 07 年 11 月号に詳細を掲載 14 位)世界の大学ランキング 2007 7 位) 「糖鎖サプリには気をつけよう」、 年 版、 上 位 200 校 に 日 本 は 11 校 が 米糖鎖生物学学会に続き、日本糖質学 ランクイン、日本トップは 17 位の東 1 位)続報、Times 世界の大学ランキ 会が注意勧告を夏にも公開へ 大、本州の旧帝大は 5 校ともランク ング 2008 年版、トップ 200 に日本 8 位)検証:東大医科研論文偽造(1)、 アップ は 10 校、東工大が大躍進、慶應義塾 報道はフェアだったか? 15 位)激化する博士の経済支援競争、 が外れる 9 位)女子医大鎌谷教授、定年まで 5 身を削り、院生確保に走る大学 2 位)八村敏志・東大准教授、カルピス、 年余し、ベンチャー企業へ転出、統計 16 位)スーパー特区の採択先は 20 L-92 株が Th2 細胞のアポトーシスを誘 学に残りの 15 年を投入 件程度、評価項目は主に 6 つ 【2008 年間アクセス・トップ 50】 BTJ アカデミック 直近 1 カ月(08/12/25-09/1/23)のアクセス・トップ 10 1 位 2009 年・記者の目、宮田満、バイオに技術革新はまだ続くのか?ムー アの法則を上回る変化が始まった 6 位 経産省の 09 年度バイオ関連予算、補正予算含め、幹細胞の基盤技術 開発に 20 億円 2 位 文部科学省、がん・ゲノム・脳特定領域の後継研究へ 2010 年度科研 費の配分額を明らかに、総額は激減 3 位 Bayer Schering Pharma 社の iPS 特許が公開、京大・Whitehead 研ほ かとの違いは? 4 位 文科省の 09 年度のバイオ関連予算、近く次世代シーケンス拠点の公募を 開始へ 5 位 産総研、バーチャルスクリーニングが実用化段階に、薬理活性化合物の 発見続く 7 位 スーパー特区の 3 次元複合再生組織製品開発プロジェクト、3 次元の 骨、軟骨、複合型再生皮膚の開発目指してシンポ開催 8 位 海外発表、米 MIT、微小サイズの培養皿を用いた細胞融合の効率の良 い手法を確立 BTJ アカデミック 9 位 文部科学省、09 年の iPS 細胞研究の方針を検討 10 位 先端医療特許検討委、「海外出願との整合性」「特許で医療は制限され ない」の両立 15 2009.1 17 位)ひっそりと成立した「研究開 32 位)ノーベル賞有力候補研究者を 6 月 10 日に創設、その真の目的は? 発強化法」はライフサイエンス立国へ 米 Thomson Reuters 社 が 発 表、 審 良 47 位)榊原康文・慶大教授ら、世界 の一歩 静男・阪大教授を選出 初、実用的時間でゲノム 3 種を比較、 18 位)慶応義塾大学、国立長寿セン 33 位)写真更新、未来のノーベル賞 並列化で大幅に時間短縮 ター、メタボローム解析で、アルツハ 候補者を顕彰する第 4 回日本学術振 48 位)国立遺伝学研などが 454 活用 イマー病早期診断開発へ、抗体医薬、 興会賞の受賞者 23 人が決定、うちバ で哺乳類初の内在性 siRNA 発見、偽 ワクチンの評価も イオ関連は 12 人と前年より比率増大 遺伝子が遺伝子を制御、Nature ウェ 19 位)多比良・元東大教授の懲戒処 34 位)文部科学省、2009 年度予算 ブ公開早まる 分巡る裁判、和解交渉が開始 の新規課題で次世代シーケンサー拠点 49 位)たんぱく質間相互作用の可視 20 位)沖縄県、補正予算で次世代シー 整備を要求 化が容易に、インタラクトーム統合解 ケンサー 3 台購入決定、 産総研も進出、 35 位)政府が 08 年度から先端医療 析プラットフォーム「eXpanda」を慶 ギガシーケンスでバイオ振興へ のスーパー特区設置へ、臨床研究への 大が開発 21 位)英 Times 誌の別冊「世界の大 開発品提供や混合診療が可能に 50 位)海外重要発表、Genome Insti 学ランキング」が、論文引用データ 36 位)文科省の超大型委託研究で神 tute of Singapore、ES 細 胞 の 維 持 に として Elsevier 社「Scopus」を採用、 戸大学が進めるのは…? Klf4 は必須ではない、iPS 細胞基本特 Thomson 社から切り替え 37 位)続報、日経 BP 技術賞表彰式 許に波紋か 22 位)iPS 細胞の特許について報道 で山中伸弥京大教授が講演、「NAIST が過熱、その発端と実際のところは? で PAD を治した」「NAIST の山中研の 一方、直近 1 カ月の BTJ アカデミッ 23 位)続報、東工大の生命理工に新 1 人めは私ではない」 ク記事のアクセス・トップ 10(P. 教授が相次ぎ就任、4 月に徳永万喜洋 38 位)政府、骨太方針 2008 でイノ 15 下の別掲参照)では、新春展望や 氏と村上聡氏、5 月に黒川顕氏 ベーション創造機構の創設へ、バイオ バイオ予算の記事が上位を占めた。 24 位)超高速シーケンサーは情報基 ベンチャー救済の切り札となるか? 1 位は、「今年最大の問題は、わが 盤の整備が必須、 「電子レンジとは違 39 位)沖縄に高速シーケンサーが集 国のバイオ産業再興である」で始まる う」と白髭克彦・東工大教授 積、沖縄科学技術研究機構も 2 台を 宮田満 BTJ ウェブマスターの「記者 25 位)検証:東大医科研論文偽造(2) 、 購入 の目」記事。「09 年に創設されるイノ 東大ブランドに報道が過熱 40 位)3 報、NIH、2 型糖尿病患者で ベーション創造機構によるバイオベ 26 位)伊藤園「おーいお茶」や大塚「ポ 循環器疾患発症抑止検証する大規模臨 ンチャーの支援は、わが国全体の産業 カリ」がアクリルアミドの害を抑制、 床試験 ACCORD、高度血糖値低下グ 基盤の維持と発展とために不可欠なの 三輪錠司・中部大学教授らが線虫バイ ループで死亡率増加、一部試験を中止 だ」と締めくくっている。 オセンサーの成果を論文発表 41 位)人工塩基対を本格商用化、理 2 位 は、 文 部 科 学 省 が 2010 年 度 27 位)MIT の Broad 研究所など、脱 研発ベンチャーが米社と提携 の科学研究費補助金から、がんの研 メチル化と特定の転写因子抑制が iPS 42 位 ) 再 生 医 療 学 会、 名 古 屋 大 学 究、ゲノム関連研究、脳研究に配分す 細胞作製効率を高める の 上 田 実 教 授、 再 生 医 療 の 実 用 化、 る 30 億円の配分の大枠を固めたとい 28 位)京大山中教授、 英 Wellcome 研、 「J-TEC1 社で終わらせてはならない」 う記事。科学技術・学術審議会学術分 スコットランド再生研、 「核移植研究 43 位)殺到しそうな応募、スーパー 科会科学研究費補助金審査部会が決め は必要」 「iPS 特許で恐ろしいのはオ 特区応募締め切り 9 月 12 日、規制緩 た。正式な審議結果は 09 年 1 月末に リジナルな研究」 和が肝 も発表になる。 29 位)訂正、スーパー特区の公募件 44 位)文部科学省、オーダーメード 3 位は、昨年末の 12 月 25 日に公開に 数は 143 件に 医療実現化プロジェクトの後継プロ なったドイツ Bayer Schering Pharma 社 30 位)文部科学省、08 年度都市エリ ジェクトが 08 年度より始動、疾患関 の iPS 特許の記事。07 年 6 月 15 日に ア産学連携促進事業(発展型)地域選 連遺伝子研究にシフト 出願された「出生後のヒト組織由来未 定発表、バイオが 7 件中 5 件採択 45 位)検証:東大医科研論文偽造(3)、 分化幹細胞から誘導したヒト多能性幹 31 位)ターゲットタンパクの先取り 大山鳴動して… 細胞」という名称の特許だ。iPS の特 成果を論文発表した創晶の村上聡・阪 46 位)慶応義塾大学先端生命科学研 許競争が注目されている。 大准教授が 4 月に東工大教授に就任 究所、メタボロームコンソーシアムを BTJ アカデミック 16 2009.1 (河田孝雄)■ 専門情報ウェブサイト 「FoodScience」 食品照射は是か非か 照射済みジャガイモの流通実態は? 日本では唯一、北海道士幌でジャガイモの芽止め防止を目的とし、 ガンマ線食品照射を実施している。スパイス業界も照射を望むが、 進展は滞っている。安全確保のための照射という意味が伝わらず 消費者の拒否反応ばかりが浮き彫りに。一層の社会的受容が望まれる。 食の安全問題はさまざまあるが、日 付けており、これを反映した国際規格 芽止めジャガイモについては、その旨 本で食品照射の問題はあまり語られて も定められている。 表示されているが、数量が少ないので いない。FoodScience では昨年 12 月 ところが日本では、日本のスパイス 消費者の認識も低い。 26 日、消費生活アドバイザーの瀬古 関連業界が要望しているものの、消費 そんな中、JA 士幌町は 06 年から、 博子氏が「照射食品表示に関する JA 者が原爆とのイメージを重ねて強い拒 表示の徹底、食品照射についての分か 士幌町の前向きな取り組み」 と題して、 否感を示しており、照射導入の議論が りやすい説明リーフレットの配布など 日本における食品照射の現状と問題点 進展しているとはいえない。 に努めていると、瀬古氏は報告してく をまとめてくれた。 とはいえ、国内で全く照射が実施さ れた。表示のみの取り組みだと、意味 世界の 40 カ国以上の国では、食品 れていないわけでない。北海道士幌町 が分からない消費者が照射食品を避け の安全確保のため、菌やウイルスを熱 では、3 〜 4 月頃のジャガイモの発芽 る行為を助長しかねない点で、リーフ で死滅させるだけでなく、ガンマ線 を防ぎ、国内産の安定供給を図ること レットの説明は好ましい。こうした努 照射によって対応している。特に、微 を目的に、73 年からジャガイモを照 力を続けることが、食品照射の社会的 小なスパイスなどは、風味を損なうこ 射して、出荷している。ジャガイモの 受容の向上につながるだろう。 となく殺菌するのに有効とされてい 芽にはソラニンという毒素が含まれ、 ちなみに、消費者の混乱を考えると る。安全性については、FAO(国連食 食べれば重篤な食中毒症状を起こすこ 口が裂けても言えないが、食中毒の原 糧農業機関)/WHO(世界保健機関) とはよく知られている。その被害防止 因やヒト同士の二次感染としても警戒 /IAEA(国際原子力機関)合同専門家 のためでもある。 しているノロウイルスを、照射処理す 会議が 1980 年に「いかなる種類の食 ただ、 芽止めジャガイモの出荷量は、 ることで死滅させれば、生牡蠣を美味 品でも総平均線量が 10kGy(キログ 全国のジャガイモ出荷総量約 236.5 しく安全に食べられることは間違いな レイ)以下で照射された食品には毒性 万 (07 t 年)に対して年間約 4100t(同) いと、ある研究者が教えてくれた。 学的な危険性は認められない」と結論 なので、0.17%とわずか。照射した (Webmaster 中野栄子)■ FoodScience、ウェブとメルマガの登録ページ FoodSicence/News メール(無料)登録ページ: http://passport.nikkeibp.co.jp/bizmail/food-sc/index.html FoodScience プレミアム(有料)登録ページ: http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/foodscience/ 毎週世界のGM最新事情を 解説する「GMO ワールド」 鈴鹿医療科学大学 の長村洋一教授の 連載「多幸之介が 斬る食の問題」 大学や自治体、 企業の多くの食品研究者に読んでいただいている FoodScience は、毎日 5-6 本のニュースを提供しています。中でも、この分野に一家言持つジャー ナリストや研究者のコラムは、食品にとどまらずバイオ研究者が読んでも何かしらお役に立つと自信を持ってお薦めします。ウェブ掲載の記事は、ワンパラグ ラフが無料で読め、続きは有料の FoodScience プレミアムに登録してお読みください。毎週水曜日配信のメールマガジンの FoodSicence/News メールは無料で お届けします。いずれも上のページからご登録いただければ幸いです。皆さんのご登録をお待ちしています FoodScience 17 2009.1 広告索引 ■発行人 古沢美行 ■編集長 河田孝雄 ■バイオ部記者 星 良孝/増田智子/久保田文 ■編集協力 医療局主任編集委員 宮田満 日経バイオテク編集長 橋本宗明 日経バイオテク副編集長 河野修己 日経レストラン編集 中野栄子 ■アシスタント 福井昌代 ■医療局広告部長 高尾肇 ■医療局広告部次長 中川尚之 ■医療局広告部 笹川薫 ■販売部長 成田知之 ■販売部次長 滝本充 ■販売部 湊本芳朗 ■アートディレクション コミュニケーション・エンジニアーズ ■デザイン コミュニケーション・エンジニアーズ ■制作 樋口亜矢子(日経 BP クリエーティブ) アソート……………………………………… 13 BTJ ジャーナルへ広告掲載のお問い合わせは 日経 BP 社 医療局広告部 TEL 03-6811-8036 [email protected] 担当 : 中川までお願いいたします。 BTJ ジャーナルへのご質問、ご意見は、 編集部([email protected])までお寄せください。 〒 108-8646 港区白金 1-17-3 ※掲載記事内容のお問い合わせは、 ■日経 BP 社 読者サービスセンター 〒 134-8729 日本郵便 葛西支店 私書箱 20 号 TEL:03-5696-1111(平日 9:00 〜 17:00) ※広告掲載についてのお問い合わせは、 ■本誌広告部 TEL:03-6811-8036 ⓒ 2009 ●本誌掲載記事の無断転載を禁じます バックナンバー目次 ダウンロードはこちらから http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/ 2008 年 12 月号 2 連載「大学は今」第 12 回 動き出したスーパー特区 規制改革に向け議論開始 2008 年 11 月号 2 連載「大学は今」第 11 回 東京大学医科学研究所の 論文偽造報道騒動を検証 2 連載「大学は今」第 10 回 権威ある世界大学ランキング 日本の大学は 35 校がランクイン 日本が牽引する疲労の科学 脳の分子イメージングが鍵 渡辺恭良・理研センター長・大阪市大教授 6 特集リポート 5 特集リポート 10 論文被引用とキャリア 11 ノーベル賞研究室とキャリア 14 BTJ アカデミック・ランキング 14 BTJ アカデミック・ランキング 生物物理学会・BMB2008 より 若手研究者の支援が焦点 論文の客観的評価と h インデックス 続報、スーパー特区採択がトップ 15 専門情報サイト「FoodScience」 ヨウ素取り過ぎ日本 2008 年 9 月号 2 連載「大学は今」第 9 回 博士の就職率が改善 キャリアパス多様化促進 第 8 回国際大豆シンポジウム 腸内細菌叢の個人差に脚光 菊地和也・大阪大学大学院教授 スーパー特区 24 件採択がトップ 15 専門情報サイト「FoodScience」 バナナダイエット事件の真相 2 連載「大学は今」第 8 回 鎌谷直之・前女子医大教授 第 10 回日本 RNA 学会年会 内藤哲・北海道大学教授 中村義一・東大医科研教授 10 NIH「研究者役人」に学ぶ 黒川顕・東工大教授 川島武士・OIST 研究員 11 BTJ アカデミック・ランキング 5 特集リポート 植物代謝パスウェイ・メタボロミクス 山崎真巳・千葉大准教授 村中俊哉・横浜市大教授 ハウス食品ソマテックセンター 笠岡(坪山)宜代 国立健康・栄養研 上級研究員 12 BTJ アカデミック・ランキング 5 特集リポート 8 ゲノムインフォマティスト バイオマス環境の記事大躍進 スーパー特区の記事が人気 12 専門情報サイト「FoodScience」 13 「FoodScience」事故米とメラミン事件 パンがカビないわけ 広告索引 18 2009.1 7 特集リポート 11 連載「いいともバイオインフォマティスト」 第 4 回 舟橋啓・慶應義塾大学専任講師 14 BTJ アカデミック・ランキング 論文の被引用の関連記事が人気 15 「FoodScience」中国産野菜でまた被害 2008 年 8 月号 2008 年 10 月号 2008 年 7 月号 2 連載「大学は今」第 7 回 研究開発強化法 鈴木寛・参議院議員 林芳正・参議院議員 5 特集リポート 進展する結晶構造解析技術 高エネルギー加速器研究機構(KEK) 理化学研究所播磨研究所 10 海外現地リポート ニュージーランドのバイオ・健康素材 16 BTJ アカデミック・ランキング 中村祐輔・東大教授 鎌谷直之・前女子医大所長
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