2011 年 9 月 (学)産業能率大学 60歳以上のビジネスパーソン対象 仕事に対する意識調査 ● 役職定年制は必要 72.8% ● 上司は年下(75.4%) でも「やりづらさは感じない」8割 ● やりたい仕事「技能・知識等の伝承」 でも 技能伝承できていない 4割弱 ● 若いビジネスパーソンに伝えたい教訓 40選 調査対象:60歳以上の正規従業員・契約社員等の ビジネスパーソン 調査期間:2011年3月23日~26日 調査方法:インターネットリサーチ サンプル:438 この資料に関するお問い合わせ先 企画広報部企画広報課 担当:秋山 電話:03-3704-9040 ファクス:03-3704-9404 〒158-8630 東京都世田谷区等々力 6-39-15 今後、労働人口の減少が見込まれるなかにあって、高年齢層の社員の「活用」は企業にとって 労働力を確保するためにも非常に重要なテーマです。そこで(学)産業能率大学では、60歳以 上の正規従業員・契約社員等(アルバイト除く)に対して、働く意識を調査しました。 調査は3月23日から26日までの4日間、インターネット調査会社を通じて実施、サンプル 数は438です。 ■主な調査結果 「上司は年下」75.4% でも「やりづらさは感じない」 非管理職を対象に上司の年齢を尋ねた結果 n=211 上司は年下対象 n=159 90% 80% 80.5% やりづらさ を感じない 70% 年上上司, 24.6% 60% 50% 40% 年下上司, 75.4% 30% 20% やりづらさ を感じる 19.5% 10% 0% 非管理職を対象にして、上司の年齢が年下か年上かを尋ねたところ、 「年下上司」が 大半を占め75.4%でした。上司は年下と答えた層に対して、「やりづらさ」を感じ るか尋ねた結果、8割はやりづらさを感じないと回答。やりづらさを感じると答えた 2割に、どのように接してほしいかを自由回答で尋ねた質問では「普通に接してほし い」 「気を使いすぎ」 「あまり意識しないでほしい」などの回答がありました。一方、 「言 葉遣いには気をつけてほしい」 「あまり“上から目線”で話さないでほしい」といった 声も見られます。 やりたい仕事は「技能・知識の伝承」 社内でどのような仕事をし やりたい仕事(複数回答) 40.9% 技能・知識等の伝承 たいと思っているかを複数回 答で尋ねたところ、もっとも回 現場の最前線で専門性を発揮して成果を上 げる 答割合が高かったのは「技能・ 社員のメンター役・育成役 知識等の伝承」で40.9%でし 28.5% 25.8% 22.1% 事務的な仕事の処理 た。自分が得てきた経験や知識 職場の管理・マネジメント業務 をできる限り次の世代に引き 継いでいきたいと考えている 18.7% 13.9% 職場の管理・マネジメント業務の補佐 人が多いようです。 その他 1 5.3% ノウハウや技能を伝承できていない 4割弱 自分が過去に得てきた知識や経験、ノウハ ウや技能を社内で伝承できているか 伝承できていないと思う理由 n=267 できていると 思う, 61.0% できていない と思う, 39.0% 伝承する相手がいなかった 44.4% 伝承することを求められなかった 37.4% 自分の技能・知識が複雑で教えづらかった 15.8% 教えられる側に問題があった 14.6% 伝承できていると思う理由 n=171 自然と技能・知識を教えあう風土があった 44.9% 意図して技能を伝承してきたため 43.1% それほど高度な業務な専門性を必要としない業 務に携っていたため 31.1% これまでに働いてきたなかで得たノウハウや技能、知識を社内で伝承できているか を尋ねました。 「伝承できている」が6割強に達する一方、4割弱は「伝承できていな い」と回答。伝承できていない理由は、「伝承する相手がいなかった」「伝承すること を求められなかった」が高い結果でした。 「伝承できている」とした理由では、「自然と技能・知識を教えあう風土があった」 「意図して技能を伝承してきたため」が4割を超えています。 シニア層の埋もれた技能・知識、ノウハウをしっかりと伝承できるような仕組みを、 意図的につくりだしていくことが不可欠だと考えられます。 役職定年制は必要 7割超 役職定年制についてどう思うか 必要だと思う理由 n=319 必要ではない と思う, 27.2% 組織の新陳代謝のため 69.6% 若い人にチャンスを与えるため 28.5% その他 1.9% 必要ではないと思う理由 n=119 必要だと思う, 72.8% 能力は年齢とは関係ないため 89.1% ポストには論功行賞的な意味合いもあるため 8.4% 部下の下で働くことに抵抗があるため 1.7% その他 0.8% 役職定年制について必要だと思うかどうかを尋ねたところ、必要だと思うが7割を 超えて72.8%でした。 必要だと思う理由は「組織の新陳代謝のため」 (69.6%) 、必要ではないと思う理 由は「能力は年齢とは関係ないため」(89.1%)が最も高い結果でした。 2 ■調査概要 調査期間 2011年3月23日~26日 調査対象 60歳以上の正規従業員、派遣社員・契約社員、公務員 (会社役員・自営業・パートアルバイト除く) 調査方法 インターネットリサーチ サンプル 438 属性 性 属 別 性 男性 404 人(92.2%) 女性 34 人( 7.8%) 管理職 非管理職 居住地 北海道・東北 関東 従業員規模 雇用状況 所 属 94 人(21.5%) 344 人(78.5%) 25 人( 5.7%) 現在の役職 211 人(48.2%) 営業 83 人(18.9%) 研究開発 31 人( 7.1%) 製造 37 人( 8.4%) 管理 152 人(34.7%) その他 135 人(30.8%) 部長以上 課長・課長代理 35 人( 8.0%) 北信越・東海 70 人(16.0%) 係長・主任 関西 85 人(19.4%) 一般社員 中国・四国 21 人( 4.8%) その他 九州・沖縄 25 人( 5.7%) 1-99 人 182 人(41.6%) 100-499 人 99 人(22.6%) 500-999 人 42 人( 9.6%) 1,000-2999 人 38 人( 8.7%) 3,000 人以上 77 人(17.6%) 定年前 98 人(22.4%) 定年退職後再雇用(正規従業員) 98 人(22.4%) 定年退職後再雇用(契約・嘱託) 99 人(22.6%) 定年退職後再就職(正規従業員) 37 人( 8.4%) 定年退職後再就職(契約・嘱託) 82 人(18.7%) その他 97 人(22.1%) 24 人( 5.5%) 勤務時間・日数 フルタイム 318 人(72.6%) フルタイムより1日の勤務時間が短い 30 人( 6.8%) フルタイムより1週間の勤務日数が少ない 52 人(11.9%) フルタイムより1日の勤務時間も勤務日数も少ない 20 人( 4.6%) 時間・日数にかかわらず働く 16 人( 3.7%) その他 2 人( 0.5%) 3 25 人( 5.7%) 186 人(42.5%) 95 人(21.7%) データ集 4 Q1 役職定年制についてどう思いますか。(SA) 必要だと思う 必要ではないと思う 72.8% 27.2% Q2_1 必要だと思う理由は何ですか(SA) n=319 69.6% 28.5% 1.9% そ の他 組 織 の新 陳 代 謝 の ため 若 い人 に チ ャ ン ス を 与 え る (育 て る )た め 80 70 60 50 40 30 20 10 0 Q2_2 必要ではないと思う理由は何ですか(SA) n=119 89.1% 8.4% 1.7% 5 0.8% そ の他 部 下 の下 で働 く こ と に抵 抗 が あ る た め ポ ス ト には 論 功 行 賞 的 な 意 味 合 いも あ る ため 能 力 は年 齢 と は関 係 な いた め 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 Q3 あなたの勤務先では役職定年制は導入されていますか。(SA) はい いいえ 50.9% 49.1% Q4 (定年退職後の人対象)定年前と職種・業務内容は変わりましたか。(SA) n=316 変わった 変わらない 51.9% 48.1% Q5 あなたの上司は、年齢があなたよりも年上ですか、年下ですか? 年下 年上 75.4% 24.6% Q6 やりづらさを感じますか n=159 感じる 19.5% 感じない 80.5% Q7 上司にはどのように接してほしいと思いますか(自由回答) ※主な回答 ・普通に接触してくれて良い ・気を遣いすぎる ・あまり意識せずに普通に ・言葉遣いに気を使ってほしい ・上司でも年上の社員という立場に配慮した対応をするべき ・あまり上から目線で話さないでほしい 6 Q8 あなたの上司は、あなたの部下だった人ですか? 元部下 元部下でない 22.3% 77.7% Q9 やりづらさを感じますか n=47 感じる 感じない 21.3% 78.7% Q10 上司にはどのように接してほしいと思いますか ・自然体で接して欲しい ・役職についたからといって命令口調にならないこと ・やりずらさを解消するには本人同士がお互いの立場を理解し合わないと無理 ・若手社員とのチーム業務でない個別業務に配慮して欲しい ・割り切って付き合うしかない Q11 あなたは職場でどのような役割を求められていると思いますか?(MA) 35.6% 31.3% 21.9% 29.0% 17.6% 16.7% 6.2% そ の他 事 務 的 な 仕 事 の処 理 社 員 の メ ンタ ー 役 ・ 育成役 技 能 ・知 識 等 の伝 承 現 場 の最 前 線 で専 門 性 を 発 揮 し て成 果 を 上げる 職 場 の管 理 ・マネ ジ メ ン ト業 務 の補 佐 職 場 の管 理 ・マネ ジ メ ン ト業 務 40% 35% 30% 25% 20% 15% 10% 5% 0% Q12 あなたは、会社や職場から、どのような役割を求められているかを示されていますか。(SA) 示されている 59.1% 示されていない 40.9% 7 Q13 あなたは、どのような仕事をしたいと思っていますか。(MA) そ の他 直 接 指 導 でき る 部 下 が いな いた め 、や れ る こ と に限 界 が あ る た め 自 分 の経 験 や 知 識 が 、 今 の時 代 にお い て通 用 し な いた め 自 分 の能 力 が 正 当 に評 価 さ れ て いな いた め 自 分 の能 力 と 現 在 の職 務 内 容 が ア ン マ ッチな ため 8 そ の他 21.5% 78.5% 事 務 的 な 仕 事 の処 理 13.8% 13.8% 活用できていないと思う 活用できていると思う 社 員 の メ ンタ ー 役 ・ 育成役 技 能 ・知 識 等 の伝 承 現 場 の最 前 線 で専 門 性 を 発 揮 し て成 果 を 上げる 職 場 の管 理 ・マネ ジ メ ン ト業 務 の補 佐 職 場 の管 理 ・マネ ジ メ ン ト業 務 35.1% 31.9% 5.3% 40 35 30 25 20 15 10 5 0 18.7% 22.1% 25.8% 28.5% 40.9% 13.9% 5.3% 45% 40% 35% 30% 25% 20% 15% 10% 5% 0% Q14 あなたの勤務先は、あなたがこれまでに得てきた経験や知識を活用できていると思いますか。(SA) Q15 活用できていないと思う理由 n=94 Q16 あなたは、あなたが過去の経験から得た知識や知恵、ノウハウや技能を 社内で伝承できていると思いますか。(SA) 15.8% 14.6% 39.0% 61.0% そ の他 自 分 の技 能 ・知 識 等 が 複 雑 で教 え づ ら か った ため 自 分 の技 能 ・知 識 等 を 他 人 に教 え た く な か っ たた め 伝 承 す る ことを 求 めら れ な か った た め 教 え ら れ る 側 に問 題 が あ った た め 伝 承 す る 相 手 が いな か った た め 9 そ の他 自 然 と 技 能 ・知 識 を 教 えあ う 風 土 が社 内 にあ った た め 意 図 し て技 能 を 伝 承 し てき た た め それ ほど 高 度 な 専 門 性 を 必 要 と し な い業 務 に携 って いた た め 44.4% 37.4% 9.9% 0.0% 50% 45% 40% 35% 30% 25% 20% 15% 10% 5% 0% 44.9% 43.1% 31.1% 1.9% 50% 45% 40% 35% 30% 25% 20% 15% 10% 5% 0% できていないと思う できていると思う Q17_1 伝承できていると思う理由 n=267 Q17_2 伝承できていないと思う理由 n=171 Q18 あなたは、いま、仕事に対する意欲はありますか。(SA) ある ない 83.6% 16.4% Q19 意欲がないのはなぜですか。(MA) n=72 59.7% 31.9% 22.2% 6.9% そ の他 年 齢 ・体 力 的 に 意 欲 的 に働 き た いと は 思 わ な い から や り た い仕 事 が で き な いか ら 会 社 ・職 場 か ら 期 待 さ れ て いる 実 感 が な いか ら 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% Q20 あなたは、今後の会社生活をどう過ごしたいと思っていますか。 どちらか近いほうを選んでください。(SA) 出来るかぎり会社に貢献したい 出来るかぎり波風立てずにやり過ごしたい 66.2% 33.8% 10 若いビジネスパーソンに伝えたい“教訓” 11 40選 Q:多くのお仕事経験を踏まえ、若いビジネスパーソンに伝えたいような、仕事への心構えのあり方、 身につけるべき能力、教訓などがあれば自由にお書きください。 1. 何事も上辺だけを覚えるのではなく、なぜこうなるのかを考えよう(60歳・男性・大阪) 2. 仕事は頭で覚えるのではなく体で覚えるもの(61歳・男性・北海道) 3. 年齢とともに体力は減少するが、知恵はアップする(63歳・男性・奈良) 4. 挨拶のできる社員に成長してもらいたい(62歳・男性・岡山) 5. 解らない・出来ないと思うことでも、努力してやりこなせ(61歳・男性・東京) 6. 貪欲に物事に対峙し、通常業務において問題のない事に対しても、常にこれでよいか疑問 をもって仕事にあたれば進歩する(63歳・男性・石川) 7. 何かに取り組む場合、慎重であることは悪いことではない。だが、逡巡するばかりで何も 結論を出さないのは最悪の事態だと思う(60歳・男性・埼玉) 8. 自分の力だけで出世したと勘違いしないこと(60歳・男性・山口) 9. 会社人間にならずに自分のスキルを磨くこと(63歳・女性・東京) 10. 遠くを見つめながら、足元の問題を解決していくこと(62歳・男性・神奈川) 11. 自分の仕事に情熱を持ち続けること(61歳・男性・福岡) 12. 行動の第一歩は知ること(61歳・男性・神奈川) 13. 仕事を好きになること(62歳・男性・東京) 14. 人をけなすより自分がそうならないこと(61歳・男性・群馬県) 15. 自分の能力にあわせて、他人を評価しない(72歳・男性・神奈川) 16. とにかく率先垂範(61歳・男性・東京) 17. 技能向上よりも、人間力を高める努力を忘れないで(61歳・女性・兵庫) 18. 組織に流されすぎるな(61歳・男性・埼玉) 12 19. 個人の知識や能力には限界がある。周囲の人たちの協力を得よう(60歳・男性・静岡) 20. 部下を育てることが一番大事(61歳・男性・神奈川) 21. 日々の努力が、自分の成長と職場の改善と組織の発展につながる(61歳・男性・大阪) 22. 身に付けられることはなるべく多く身に付けるべし(62歳・女性・北海道) 23. 面倒くさがらずに学ぶこと、謙虚さの一方で積極性をもつこと(61歳・男性・神奈川) 24. 仕事に追われるよりも、仕事を追うことを意識する(63歳・男性・三重) 25. 企業名と職位ではなく、自分の姓名で仕事ができるようになることがファーストステップ (64歳・男性・三重) 26. 自分自身が会社のオーナーであったらどうするか、どうあるべきかを常に念頭において対 処すれば、自分がやるべきことはおのずとはっきりする(61歳・男性・広島) 27. 必要以上に上司の目を気にしない(60歳・男性・千葉) 28. 常に、すべてについてマンネリ化を意識的に防止すること(76歳・男性・北海道) 29. 仕事は人のためにすることで、後に自分のためになるもの(60歳・男性・北海道) 30. 不向きと思われる部署に配属されても、果敢に取り組んでいけば将来必ず役に立つし会社 も評価してくれる。自分の経験として言える(70歳・男性・神奈川) 31. コミュニケーションが事務的にならないようにしよう(64歳・男性・三重) 32. 納得するまでやってみる(61歳・男性・神奈川) 33. 自分の能力に謙虚であり、他人の能力に対し尊敬の念を持つこと(66歳・男性・神奈川) 34. 得意な仕事を最低一つは持つこと(61歳・男性・埼玉) 35. 自ら苦しさを求めていかなければよい仕事はできないと思う(69歳・男性・埼玉) 13 36. 自分で意思決定できるように心掛けること(63歳・男性・東京) 37. 経験者の意見を素直に受け止め、その上で自分の考えを取り入れ、創意工夫して仕事を発 展的に行う(68歳・男性・石川) 38. 報告・連絡・相談をしっかりと実践することが大事(61歳・男性・東京) 39. 他人から見て目標になる人になる(61歳・男性・埼玉) 40. 決断と実行はタイミング勝負。遅延するほど困難になる(63歳・男性・東京) 14
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