事業報告書 - Nice

中長期ボランティア
事業報告書
∼目次∼
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
8)
9)
名前
はじめに
事業の概要
参加者・協力者
活動期間中の日程
事業のねらい、ワーク、その成果
ワーク以外の活動
生活
自分自身の変化
終わりに
:中山謙次郎
1)はじめに
フランスとスイス、イタリアの国境をまたぐ雄大な自然あふれるアルプス山脈の
南に位置するVaunieresという村で、短・中長期のキャンプは45年前から行われて
いる。Vaunieresは、NGOが所有・運営し、年齢やフランス国内・外の垣根を越え
た異文化交流を図れる場所に変わりつつある。他の集落から孤立しており、近隣の
住民とかかわる機会は少ないが、バカンスで来る大勢の観光客や短期的にキャンプ
に参加するメンバーと毎日励まし合ったり、刺激し合ったりしながら充実した生活
を送ることが出来た。
2)事業の概要
2−1)事業名
2−2)開催期間
2−3)開催地
2−4)事業目的
2−5)参加者
2−6)ワーク内容
2−7)他の活動
中長期ボランティア France
2008年3月15日∼8月15日(150日間)
Vaunieres, France
① 荒廃した集落の活性化
② ソーシャルワーク(誰でも参加できる活動)があるコミュニティを
目指す
③ 文化・国境を越えた交流を図れるコミュニティの創造(未知を知る)
*共に活動したボランティア:20ヶ国∼、50名∼
*様々な形で参加した住民 :約10名
詳しくは、「3)参加者と協力者」を参照
NGOが所有しているホテルの運営
建物や道路の修復、建設
団体客(小学生やフリースクールなど)のキャンプへのイベント運
営、補助
ワークキャンプの運営、地域行事への参加、羊飼いの仕事の手伝い、登
山、キャンプ、祭りの運営など
①
②
③
2−8)生活方法
宿泊:ホテルのスタッフルームあるいはテント
食事:毎日当番制で自炊。宿泊客と一緒の食事。
2−9)言語
フランス語
英語(ワークキャンプなどのとき)
3)参加者・協力者
3−1)長期間一緒に活動したボランティア(女30名∼:男20名∼)
姓名:難しい場合ふりがな
Gina
Reunaut
Jiss
Kay
Ilya
Hyeonjeong
Allena
Benjamin
Nicolas
Marvin
Jennifer
Sanja
Clay
在住地
Germany
Belgium
UK
UK
Russia
Korea
Czech
Germany
France
France
France
Germany
USA
性
F
M
F
F
M
F
F
M
M
M
F
F
M
年
23
25
22
35
24
22
19
24
39
27
17
20
26
職業(専攻)
大学生
大学生
大学生(薬学)
フリー
大学院生(建築学)
大学生(韓国文学)
高卒
大卒
フリー
会社員
高校生
高卒
大学生(建築学)
備考
背が高くてノリがいい
かなり天然
とっても優しい
すごいまっすぐな性格
知的な話が大好き
フランス語がうまい
ダンスがうまい
一番気があった
ビール大好き
写真大好き
ちょっとやんちゃ
ナチュラルハイな女の子
元米陸軍兵
他多数
3−2)協力団体・協力者の方々
SJ National office
St Julien en Beauchene(町役場)
Prefecture PACA(県庁)
地元新聞(活動を数回、新聞に載せてもらった)
La Bougeotte(祭りを共同で開催)
Beauvoisin・Beaumotte・la Fai
Frederick(羊飼い)
など
4)開催中の日程と出来事
4-1)大まかなスケジュール
月
3
活動内容
夏に向けてのホテルの準備
村の修復作業
雪かき
友達100人計画
重点事項
積極的なコミュニケーション
フランス語に慣れる
健康管理
出来事
初−10℃突破。
40 人 分 以 上 の 食 事 準 備 ( 新 記
録)
。
4
5
6
7
8
SJ総会
Evaluation(ボランティア
のみ)
3月と同様の活動
友達100人計画
宿泊客のホスト
村の修復作業
リーダートレーニング
祭りを村で開催
友達100人計画
自己目標の再確認
フランス語に慣れる
積極的なコミュニケーション
多文化組織を実感
総会で少しスピーチ。
Vaunieres 代 表 で Evaluation に
参加。
29日にも大雪が降った。
組織運営の勉強
コミュニケーションの充実。
ダメ出し+改善策を。
フランス語に慣れる。
滞在ビザの取得。
健康管理。
真夏に向けてBARの準備
宿泊客のホスト
村の修復作業
ワーキャンの運営
友達100人計画
別の地でヘルプとしてキャ
ンプに参加。
ワーキャンのサポート。
祭りに参加。
友達100人計画。
6月と同様の活動。
BARの営業。
組織運営・維持
自己の活動改善
新しいメンバーをサポート
フランス語に慣れる
車の運転スタート。
スタンプ取得のためにスイスへ。
しかしスタンプもらえずパ
ニック。
祭り期間中に食中毒(?)
。
60人分以上の食事準備(記録更
新)。
敷地すべてを使用して結婚式を
開催(約150人)。
夜は5℃以下の毎日で不調者続
出。
他 の 活 動 ( グ ル ー プ ) を 見 て 帽子祭りに参加。
Vaunieresを客観的に考える。
ボランティア約50人と遊ぶ。
フランス語の活用。
帰国の準備。
日本へ出発。
新しいメンバーへ仕事引き継ぎ。
4-2)基本的な週間スケジュール
曜日
月
予定
活動日
火
活動日
水
活動日
木
活動日
金
活動日
土
活動日
(または休日)
活動日
(または休日)
日
活動内容
村の修復作業
ホスト
村の修復作業
ホスト
村の修復作業
ホスト
村の修復作業
ホスト
村の修復作業
ホスト
ホスト
(または自由行動)
ホスト
(または自由行動)
¾ 月∼日曜日
宿泊客がいれば食事や清潔な環境を提
供するために、朝から夜まで当番がホス
トした。
¾ 金曜日
ディレクターとミーティング。主に1週
間の反省と次週の予定の打ち合わせを
した。
¾ 土・日曜日
休みの日は近くの湖や都市(マルセイユ
など)に行ったり、登山やキャンプをし
たりした。
4-3)基本的な1日のスケジュール
時間
6:30
7:00
行動
起床
8:00
朝食の準備
朝食
午前の仕事開始
12:30
昼食
13:30
午後の仕事開始
16:00
19:30
仕事終了
自由時間
夕食
20:30
自由時間
24:00
就寝
¾ 7:00
朝食の量が少なすぎると最初は思ってい
たが、最後のほうでは胃がその量に慣れ
ていた。
¾ 16:00∼
この時間からは基本自由なので、仕事を
続けたり、本を読んだり、友達としゃべ
ったりしていた。しかし、まち(ものが
買える場所)に行くことはなぜか禁止さ
れていた。
5)事業のねらいワーク、その成果
5-1)本事業のねらいと背景
本事業の目的は主に、以下の3つである。
① 他の集落から孤立しているVaunieresを活性化させる。
② 誰でも作業可能で、かつ活躍できるコミュニティを目指す
③ 文化や国に関係なく、人間の相互理解の機会が生まれる環境を創る。
それぞれの背景は、以下の通りである。
①17世紀から約400年の歴史を持つVaunieresは、南アルプスに位置している小さな村だが、20
世紀まではそこで暮らす人々が、少ないながらも、定住していた。しかし、1950年代から多く
の家庭は仕事(収入)のために、次々と大きな町へ引っ越していった。そして集落として存在す
る限界が見えたとき、SJがそのような村があることを知り、「この場所をまた元気にできないの
だろうか」と考えた。それから、SJはその村を買い取り、試行錯誤しながら、その大きな目
標に向かっている。
②Vaunieresには、
「Benevole」というボランティアが随時数名いる。彼らだけではなく、毎年
フリースクールの子供や障がい者もVaunieresにはたくさん来る。彼らは一般客と同じ立場だが、
数日、数時間ほどボランティアと一緒に作業をしている。そこで前ディレクターは、ボランテ
ィアと同じように(一年中ではなく適切な期間)働き、一緒に遊ぶことを可能にすることを目
指し始めた。この村にはフランス語を話せない人も多数いるが、肉体労働や長時間労働ができ
る。反対にBenevoleや障がい者は長時間労働などが困難なときが多いが、フランス語でコミュ
ニケーションが正確にできる。
つまり、個人の向き不向きを活かした持続的な活動を図ることも目標となった。
Benevole:一日中働けないがボランティアとして活動する人(子供を連れていたり、何らかの
病気を持っていたりするため)。そのために毎月定額を団体に支払わなければいけない。
③最近では異文化に触れる機会が10年20年前よりも確実に多くなったが、それでも異なる文化
に深く触れることは簡単ではない。大学では、研究を一緒に行うことで異文化を理解しあうか
もしれない。会社では、仕事を通じて異文化を知ることができるかもしれない。Vaunieresでは、
ワークキャンプを年に8∼10回開催している。それには人数制限がなく、多ければ何十人ものボ
ランティアが参加することがある。これは、「異文化に触れ、未知を知る」ために考えられた一
つの案であり、団体で定めているわけではない。発展途上のVaunieresだからこそ、このように
実験的な行動ができるのだろう。
つまり、新たな交流の場を創ることも目標の一つとなってきた。
5-2)ねらい①への成果
具体的に行った活動は、主に次の5つである。
1. 建物の修復作業(3月∼7月)
2. 水道設備の設置、修理(6月)
3. 山の整備(6月)
4. キャンプ場製作(6月∼7月)
5. BARの修理、運営(5∼6月)
1) 建物の修復作業
この活動によって、観光客だけではなく、ボランティア自身もより快適な日々を過ごすことが
可能になった。Vaunieresには建物が8棟あり、生活設備が整っている建物は、3月の時点では
たった2つしかなかった(ホテルとディレクターの家)
。他には、
z パーティールーム
z ガレージ
z 仕事道具置き場
z 壊 れ た 状 態 の 建 物 3 棟
この活動で行ったことは以下のようなことである。
場所
(おおよその)
期間
作業
Trois Roux(壊れた
建物の1つ)
Auverge(壊れた建
物の1つ)
5ヶ月間
Salle de fete ( パ
ーティールーム)
3週間
Black sanitaire(壊
れた建物の1つ)
Fontaine(噴水)
2ヶ月間
壁のペイント
天井・屋根・ドアの修理
壁の修理
ホテルとして使用するための掃
除や整理
いすの修理
大掃除
アンプなどの設置
トイレ・シャワーの修理
2ヶ月間
1週間
噴水の修理
噴水の清掃、ペイント
人数(1日あ
たりの作業
者数)
2∼5人
結果
完了
3∼4人
完了
3∼6人
完了
2∼4人
完了
1人
完了
2)水道設備の設置、修理
この活動によって、貯水池に侵入するゴミをほぼなくすことに成功し、新しい源泉の確保によ
り、水を豊富にためることが可能になった。そして、仕事の後にプールで遊べるようにもなっ
た。Vaunieresは山の中腹に位置しているので、山の沸き水をそのまま使用している。しかし、
大雨後などは水が濁ることが多々あった。それに、源泉が前までは1ヶ所しかなかった。加え
て、村の中にある防火用に常備されている貯水池をきれいにして、遊べる場所に変えたかった。
(孤立していたので、遊ぶものを増やしたかった。)
場所
水が湧き出てい
る場所
期間
2週間
貯水タンク(山
中)
1週間
貯水プール
1週間
作業
源泉を見つける
源泉と貯水池を
つなぐ
きれいにする
土が混入しない
ように修理
きれいにする
壁のペイント
人数
4人
他
作業場まで約50分
(作業道具と一緒に)
6人
真っ暗でとっても涼しい
10人
おたまじゃくしが?万
匹!!
3)山の整備
この活動によって、コケくさかった場所から匂いが消えたり、そして冬に必要な薪も十分確保
できた。
これには3つの理由がある。山に囲まれた場所なので、山火事というのは最悪な災害であり、
憂慮しなければならない。そこで、万一火事になったときのために、木を適度に伐採する必要
があった。それに、木が生い茂りすぎてしまっていて、地面の植物に直射日光が当たらず成長
できないという一面もある。加えて、冬には薪を毎日大量に使用するので、雪が降る前に確保
しておく必要もあった。
場所
近くの林
期間
1週間
村の中
1週間
作業
伐採
木の運搬
適度な大きさに
木を切る
人数
20人
他
みんな筋肉痛
4人
切断コンペティ
ション開催
4)キャンプ場製作
この作業によって、ホテルに宿泊だけでなくキャンプ生活も可能にし、客層の拡大と景観をよ
くすることができた。もともとキャンプ場に適した場所があったのだが、上下水道やトイレ、
テントを張るスペースが(放置されすぎていて)機能しない状態だった。それに加えて、長年
手をつけていない場所だったので、自然といえば自然だが、あまり長居をしたくない場所であ
った。
場所
キャンプ場
期間
2週間
作業
休憩室の修復
人数
4∼5人
休憩室の横
5週間
5∼7人
キャンプ場と村
の間
休憩室の前
5日間
石壁の道沿い
2週間
ベンチ製作
水道の設置
トイレ設置
橋の修復
橋のペイント
道の整備
石壁の修理
テントスペースの清掃
階段の建設
下水道の修復
3週間
10人
4∼6人
10人
5)BARの修理、運営
この作業によって、BARでパーティーが週1でできるようになり、イベント会場としても使
用可能になった。その部屋は、以前は使われていたそうだが、ここ何年かは誰も使用どころか
入りもしていなかった。しかし、Vaunieresから他の町までみんなで飲みに行くことは、とても
難しいことであった(時間や移動手段の問題)。
場所
BARの中
期間
3週間
作業
いす・テーブルの修理
カウンターの修理
デコレーション
人数
3∼5人
5-3)ねらい②の成果
「誰でも参加可能な仕事環境を創り、維持していくこと」が、運営者にとって以下に大変なこ
とであるかを私たち(ボランティア)は理解することができた。
実際、自分が活動していた期間中には、ボランティアだけでなく多くの団体が参加した。
団体
小学校1(Marseille)
中学校(Paris)
小学校2(Marseille)
小学校3(Marseille)
障がい者施設(Marseille)
中学校(Paris)
高校(Becanson)
人数
8
9
50
20
6
8
10
期間
1週間
2週間
1週間
1週間
1週間
1週間
2週間
目的
授業の一環
授業の一環
サマースクール
サマースクール
休暇
休暇
ボランティア体験
上記以外にも週末だけ参加した団体も多数あり、のべ150人以上の人たちが何かしらの形で
活動に一緒に参加することができた。
しかし、その時点ではまだ十分な収入と豊富な労働が整っておらず、みんなが参加できる活動
はほとんどなかった。5−1の成果で述べたように、肉体労働、長時間労働が多かった。
だから、仕事のあとに一緒に話したり、村すべてを使った宝探しをしたりした。とても楽しか
った。
5-4)ねらい③への成果
お互いの異なる考えをぶつけ合い、理解するきっかけができた。ワークキャンプに参加したメ
ンバーそれぞれは、異なる目的を持ってキャンプに参加しているので、ぶつかり合うことも多々
あった。しかしそんな大変な状況を乗り切ったメンバーは、異なる文化や言語に興味を持ち、
人によっては興味を持った国へキャンプ後に行った人もいた。
大学生や社会人だけではなく、大学に入る前にこのような経験をしたいという人も多く、それ
だけで大きく考えが違うことに気づき、共感しあうことができた。
以下の国はワークキャンプで一緒に活動したメンバーの国。(28カ国)
国名
国旗
国名
国旗
Republic
of
Japan
Angora
Azerbaijan
Republic
Republic of Korea
Republic
Belarus
of
Republic of Lebanon
Kingdom
Belgium
of
United
States
Bosnia
Herzegovina
and
Mexican
Kingdom
of
Netherlands
the
The
republic
Czech
Federal Republic of
Nigeria
Republic
Finland
of
Republic of Poland
French Republic
Russian federation
Georgia
Republic of Serbia
Federal Republic
of Germany
Spain
Hellenic Republic
(Greece)
Republic of Turkey
India
U.K.
Islamic Republic
of Iran
Ukraine
Republic of Italy
U.S.A.
このほかにも、短期間一緒に活動したメンバーがたくさんいた。以下はワークキャンプ参加者
の人数である。
6月:16人
7月:25人(Vaunieres)、51人(Toulouse)
8月:30人
しかし今回は、ボランティアがたくさん来る時期と他の団体や宿泊客がたくさん来る時期があ
まり重なっていなかった。それにより、自分は両方のグループと関わることができたが、ほか
のボランティアはボランティア同士でしか交流する機会がなかった。それでもよい体験ができ
るが、年代の違う人と関わったり、地元の人々と接したりすれば、より記憶に残る体験になる
だろう。実際、自分の中にはボランティア同士の思い出と、地元のおっちゃん・おばちゃんと
の思い出も多く残っている。
6)ワーク以外の活動
6-1)repas international
その時期にいたメンバーで、国別にその国らしい料理を作り、お客さんに振舞った。
ほかに、国別で出し物を披露した。
<ex>1回目の詳細
開催日:6月24日
参加者:15名(メンバー)、20名(お客さん)
国:10(USA, UK, Korea, Ukraine, Russia, Mexico, France, Chezh, Germany and Japan)
日本料理:サケのバター焼き、巻き寿司、カレー(熟カレー中辛)、焼きそば made from Pasta、
ホットケーキ featuring Rice
6-2)山登り
近くの山頂(約2,000m)に知り合いの人が
所有している山小屋があり、そこでご飯を
食べたり、宿泊したりした。
開催日:休みの日や仕事後
参加者:元気のあるメンバーやゲスト
登 頂 回 数 : 5 回 ( 自 己 ベ ス ト )
6-3)ホームステイ
Nico(technical leader)の家に個人的に泊まりに行って、一緒にピクニックに行ったり、彼
らの友達と飲んだりして遊んだ。
実行日:6月28日∼30日、7月25、26日、8月5、6日
参加者:中山謙次郎、Nico、Magie(Nicoの恋人)
、Tito(1歳児、最初の友人)
行き先:プール(3回)
、湖(1回)
、ピクニック(2回)
、祭り(1回)
、UNO(約20回)
6-4)地域行事に参加
6月から多くの祭りが始まり、7,8月は毎日のように祭りが催されている。仕事の後に祭りに
行ってご飯を食べたり、酒を飲んだり、踊ったり、デザート食べたりした。でも多くのイベン
トは、「祭り」というより「パーティー」に近いなと個人的に思っている。
開催日:6月∼
参加者:メンバーと現地の人々
特に印象深い祭り:火祭り(6月20日)、ボウシ祭(7月12日∼14日)、8月を祝う祭り
(8月1日)
入手したもの:写真20枚、揚げパン3個、ちっちゃいボウシ12個
6-5)パーティー with fire
何もすることがない夜は、洞穴で酒を飲ん
で楽しんだ。
開催日:時間のある夕食後
参加者:時間のあるメンバー
内容:酒と仲間とミュージック
割 っ た ビ ン の 数 : 1 2 0 本 以 上
6-6)ミュージックフェスティバル
音楽祭は数多くあったが、印象に残っている祭りの一つである。このパーティーは小さな町に
近隣の住民が集まり、眠くなるまで頑張るというものだったので、リラックスしつつ楽しめた。
開催日:7月19日
参加者:近隣住民とメンバー
内容:音楽とダンスと飲みもん
開始時間:20時
終了時間:約29時
6-7)カヌー
7月に参加したキャンプの休日に、30人くらいで川に行き、カヌーを楽しんだ。ちなみに65)音楽祭の次の日だったので、そのまんまのノリでみんなかなり元気だった。
開催日:7月20日
参加者:メンバー、Auguste (Technical Leader)と彼の家族
カヌーを漕いだ距離:約8キロ
漕いでいた時間:約7時間
7)生活
7−4)宿泊施設
ホテルのスタッフルームに基本的に滞在し
ていたので、快適な環境だった。ワーキャ
ンでは、メンバー全員がテント生活という
のが決まりだったので、テントに宿泊して
いた。思っていたよりも寒くなく、他のメ
ンバーと夜も一緒にいれたのでこれもよか
った。あと、たまに極寒の夜もあったので、
そのときはみんなでキャンプファイヤーし
た り し て 遊 ぶ こ と が で き た 。
7−4)食事
毎日日替わりで食事の用意。自分らでメニューを決めることができる。キッチンはホテルのも
のを使用するので、十分な設備・広さが整っており、料理が楽しいと初めて思うことができた。
7−4)シャワー
スタッフルームに1つ、外にテント宿泊者用のシャワー・トイレ室があり、そこには3つあった
ので、快適なシャワータイムを送ることができた。加えて、外のシャワー室は自分らが作った
場所なので特に快適であった。
7−4)その他
洞穴:空き時間に少しずつ整理していき、6月ころからパーティーや何かのイベントで使う場
所としてとても重宝した。
キャンプ場:Vaunieresにはキャンプ場が2つあり、村の中にあるものと、川を越えたところに
あるものである。1つ目の近くにはプールやシャワー室があり、バカンス気分を味わえる。2
つ目の近くには川やキャンプファイヤーをする広い敷地があるので、本格的なキャンプを味わ
える。
山小屋:近くの山頂にある知り合いの山小屋では、夜に流れ星をしばしば目撃することができ
たり、6月まで雪合戦ができたりする、とてもユニークな隠れ家的場所である。ちなみに夏は、
約600匹の羊がその家の近くで羊飼いの人と暮らすので、それも見どころ。
8)自分自身の変化
8-1)モチベーションの変遷
満足度
作業へのやる気
学業へのやる気
3月
4月
5月
6月
7月
8月
8-2)モチベーションの変化の分析
このグラフを見る限りだと、中だるみをしているように見える。しかし、決して中だるみして
いたわけではない。中だるみをしている時間がなかったといえるほど充実していたし、自分の
勉強(組織内のコミュニケーション)をディレクターや他のメンバーとの間で利用できたこと
もいい経験だった。その中で自分の知識・技術の乏しさに驚き、現地の作業への関心しかなか
ったやる気が、少しずつ自分の勉強にも移行して行ったのである。学校の勉強は、何のために
やっているのかということ、実際経験するほうが自分には合っていること、その勉強を応用す
ることが大切だと理解してきていることが、グラフに現れている。
8-3)活動を通じて得たことや気づき
大きく3つ挙げる:
¾ 人は十人十色であることを痛感した。初め、同じ活動をする組織では、
「人間は基本的に同
じで、同じニーズ・欲求を持っている」と無意識に思っていたことから、些細なきっかけか
らトラブルが生じたことがあった。8−2)で書いたように、今まで続けてきた自分の勉
強は役に立つが、それに加えて自分の五感で吸収した現状という2つの情報を融合させる
ことで、自分の考えをより現実的に描くことができると確信した。
¾ 都会で生きてきた者が疎外された環境に長期間いると、人が変わりやすい(exすぐイライラ
する)ことがわかった。これは、長期間活動していた人や自分、ディレクターなどを見てい
て気づいたことである。しかし、話し合い、支えあう人(家族や友達)には、精神的な負
担を大きく和らげる効果があると感じた。
¾ この活動に参加するまで、どんな組織でも人間関係を尊重できるものだと思っていた。し
かし、たとえそれを大事にしたくても、できないあるいは困難な組織があることを理解し
た。たとえば、赤ん坊と一緒に来ているメンバーや、人の話を長く聞けないメンバーとの
関係がそうである。他人事ならば受け入れればいいとカンタンに言えるだろう。しかし、
そこで運営・管理する者、今まで活動してきた者の中にはよく思わない者もいることだっ
てある。そのとき、人間関係や仕事内容を整理することは、簡単ではないことを体験でき
た。
それでも組織がうまく機能しているならば、深く考える必要はないと思う。しかし、そう
でなければ、上に立つ者は人間関係や組織目標といった基本的な問題を考え直す必要があ
ると思う。できることなら、そうなる前に改善、進化していきたい。
8−4)今後どのようにこの経験を生かしていくか
ここでは大きく3つ挙げる:
¾ 言語・非言語コミュ二ケーションの応用。
学校の勉強にだけではなく、日々の生活にも、この経験を効果的・日常的に取り入れていきたい。
非言語コミュニケーション(ジェスチャーや話し方)は人と接するときに話の内容と同様に必
要なことで、社会に出てからもこれを常に心に置き、体全体を利用して「会話」をできるよう
にしていきたい。
¾ 問題発生後に迅速な処理。
食事マナーや時間を厳守するといった、普段気にしないことでも、異文化が集まれば衝突の原
因になり得ることを実感した。何気ないことでも、異なる環境で育ってきた人にとっては大き
な問題になる可能性もある。だからといって臆病になる必要はぜんぜんない−親子間でだって
ケンカするのだから。
大切なのは、衝突した後、いかにそのことについて考え、解決策を探し、実行するかというこ
とだろう。活動中にケンカして失敗したことが多々あったが、その失敗を繰り返さないために
この経験を生かす。
¾ 理論と経験のリンク
大学では国際ビジネスゼミで多国籍組織の基礎・理論を学び、国際ボランティアでは実際に世
界中の人々・考えを自身の五感で感じている。それらをリンクさせることで、それまで気づか
なかった考えや現状により適した案を生み出せると実感し、これを働くときの軸として持って
いきたいと考えている。
それぞれが異なる目的を持ってキャンプに参加しているので、ぶつかり合うことも多々あった。
それも今となってはよい経験となり、それは日本で生活していく上で経験しがたいことであり、
大切な経験になった。
9)提言と今後の構想
プログラムへの提案は、
「より具体的な活動目標をつくる」ことである。この半年間だけで、デ
ィレクターが変わるごとに、目標も変わり、ボランティアや他のワーカーが混乱したことがあ
った。その前にも似たようなことがあったとほかのワーカーから聞いた。そのような混乱は、
軸がしっかりとしていれば発生しない出来事なので、目指すべき将来像、そして日々の明確な
目標が必要だろう。
今後参加するボランティアの方々には、ぜひ自分の具体的な目標と、自分は何のために何がで
きるのかということを考えてから参加してほしい。たとえば、自分は多文化組織のマネジメン
トを勉強しているので、組織運営について現場で理論と現状をリンクさせたり、ディレクター
に客観的な助言ができたりした。しかし、基礎的なことの補助だけであり、決してプロとして
の助言ではない。そしてそのとき自分に勉強がもっと必要だと気づくことができた。
今回、私は漠然とした目標だけを考えて行ったので、最初の数週間は流れに身を任せる形にな
ってしまった。それは、その場に慣れるために必要だと思う。しかし自分の(日本での)生活
を犠牲にして活動しているので、できることならば、はじめから「自分の目標」と「その活動」
に挑戦できるように事前に考えるべきだと痛感している。
あとは「自分本位」で考えず、常に「他」を受け入れる姿勢を忘れないことが重要である。も
しその姿勢を持っていない参加メンバーがいれば、彼らにも浸透させることが、長期的な作業
効率の向上や心に残るいい思い出につながると考えている。
10)おわりに
最初の会議で最初に友達になってくれたNico、Magie、Titi、それから8月まで
ずっとお世話してくれたNico,Magie、Titi、困っていたとき本気で話を聞いて
くれたNico、Magie、Titi、失敗したときにいっぱい励ましてくれたNico、
Magie、Titi、家族同様に最後まで扱ってくれたNico、Magie、Titi、
そしてこれからも付き合っていきたいNico、Magie、Titi。彼らとの思い出は、
ボランティアとしてではなく、1人の日本人と1組のフランス人の物語です。もし、物書きの
才能があれば、感動もんのストーリー大作ができるでしょう。これから大学を卒業して自由な
時間が減り、このような出会いに遭遇することは稀じゃないでしょうか、むしろ今でもなかな
かありません。
今回、ボランティアに参加するためにフランスに行きましたが、得たものは想像をはるかに超
えています。そして、ここからその経験と思いをただの「思い出」にしないで、「きっかけ」と
して現在の生活につなげてこそ、参加を許してくれた親や教授、NGOに対する最高の恩返し
になると思います。
titi