「ヤマハシステムソリューション」 ネットワークオーディオ入門

「ヤマハシステムソリューション」
ネットワークオーディオ入門
本書のテーマは「ネットワークオーディオ」です。
オーディオ機器をネットワーク化すると、プロオーディオ業界では様々な可能性が生
まれてきます。同時に、オーディオシステムの設計、構築、使用方法が大きく変化し、
ネットワークオーディオシステムへ投資する際に技術上、戦略上の課題も新たに考
慮する必要が生じます。
本書では、オーディオネットワークの基本について、わかりやすく、総括的に説明し
ています。本書で想定している読者は、アナログオーディオシステムについての高
度な知識とデジタルオーディオシステムについての基本的な知識を持っているが、
コンピュータネットワークの知識は持っていないという人です。本書はネットワーク
オーディオについての入門編です。更に詳しい情報は、世界各国 IT 機器メーカー
がインターネット上に掲載している数多くのドキュメントをご参照ください。
ネットワークオーディオ入門
1. ネットワークオーディオとは?
2.
ネットワークオーディオについて知っておきたい 3 ヶ条
3.
ネットワークオーディオで考慮したい 3 ヶ条
4.
Ethernet ネットワークとは?
5.
ネットワークトポロジー・・・ネットワークの構成形態
6.
リダンダンシー
7. ケーブル接続
8.
CobraNet ™についての詳細
9.
EtherSound ™についての詳細
10.
システムエンジニアリング
11.
ネットワークオーディオシステムへの投資
12.
ネットワークオーディオ用語集
The complete package
1. ネットワークオーディオとは?
ネットワークオーディオ
P2P (Point to Point)
デジタル技術の導入によって、1 本のケーブルで転送できる情報量が
1 本の銅線または光ファイバーケーブルでオーディオデータを伝送し、A
60 年代の数キロバイトから 2006 年には数ギガバイトまで飛躍しました。
地点と B 地点を接続する “ポイント・ツー・ポイント接続” に対応する
一般的な情報システムのケーブル接続では、数キロメートルにわたる光
MADI などの多くのシステムが市販されています。この形態は「P2P」シ
ファイバーケーブル 1 本で毎秒1ギガビットの情報を転送できます。
ステムと呼ばれ、A 地点と B 地点の 2 つのロケーションを接続する音響
こういった情報システムの仕組みを利用すると、数百チャンネルもの高
システムを設計する際に、コストパフォーマンスの高いソリューションを
品位なオーディオデータを送信できるため、従来のアナログシステムで
提供します。
どのネットワーク技術でもバンド幅がひとつの制約要素となりますが、現
在のシステムではギガビット Ethernet テクノロジーを使用して、数百チャ
ンネルもの高品位なオーディオデータをネットワーク上で転送できます。
このバンド幅内では、オーディオ接続を物理的なケーブル接続から完全
に独立させることができるため、例えばライブツアー用のシステムにおい
て「誰でも」簡単に接続/セットアップが可能で、会場全体に自由に入
出力ポイントを配置できます。
必要とした総重量にして数百キロの多数のケーブルが、たった 1 本で済
んでしまいます。さらに重要な点は、ネットワークオーディオにおける機
オープンシステム
能面での接続が、ネットワークの物理的なケーブル接続とは完全に独立
EtherSound ™
して設計できることです。このことによって、オーディオ業界では様々な
Digigram 社が開発した EtherSound ™プロトコルは、Ethernet を使って、
可能性が開けてきました。かさばるケーブルに制約されずに、システム
64 チャンネルのオーディオをきわめて低レイテンシーで伝送できます。
内の何ケ所でも任意の入出力ポイントからネットワークに接続でき、実
EtherSound ™機器はデイジーチェーン接続し、ネットワーク上の双方向
際の接続は使いやすいソフトウェアを使って管理します。ネットワーク
バスにオーディオ信号を乗せることにより任意の機器にオーディオ信号を
オーディオシステムはデジタルなので、オーディオ接続はすべてデジタル
届けます。最新の EtherSound ™ ES-100 対応システムでは、リング接続
領域内で行われ、アナログオーディオの音質劣化の原因となる電磁干渉
も可能となり、リダンダンシー機能が備わっています。
やケーブルの静電容量と無縁です。また、コントロール信号のために別
のケーブルを追加しなくても、オーディオデータと同じケーブルで転送で
きます。またコンピュータを使って、ネットワーク経由でデジタルミキサー
CobraNet ™
や DSP エンジンなどのオーディオ機器をコントロール/モニターできま
Cirrus Logic 社 の 一 部 門 で あ る PeakAudio の CobraNet ™ は、
す。安価な IP カメラなどを使ってビデオ接続も可能です。
CobraNet ™機器を Ethernet スイッチを使ってスター接続し、オーディオ
信号を任意の機器から任意の機器へバンドルと呼ばれる単位で伝送する
プロトコルです。
入力 8 系統のステージラック
150 メートルのライブツアー
用光ファイバーケーブル
アンプ用ラック
150 メートルのライブツアー
用光ファイバーケーブル
EtherSound ™と CobraNet ™は標準の Ethernet ネットワークアーキテク
チャを採用しています。これらのプロトコルを使用すると、市販の IT 機
器を使ってネットワークを構築できるため、コスト面はもちろん、機能面
や信頼性でも IT 業界の技術進歩を享受できます。どちらのプロトコルも
世界で最先端の多くのプロオーディオメーカー各社にライセンスされてお
り、同じプロトコルを使用した他社製品をひとつのシステムの中で混在さ
せることができます。
YAMAHA のアプローチは?
ヤマハはオープンかつ包括的なアプローチを採用しており、システム要
件に適したネットワークプラットフォームが選択できることを提唱していま
す。ヤマハのオーディオ製品のラインナップには、CobraNet ™および
EtherSound ™対応製品が含まれています。
入力 24 系統/出力 8 系統
のステージラック
Networked audio touring solutions
150 メートルのライブツアー
用光ファイバーケーブル
デジタルミキサー
2. ネットワークオーディオについて知っておきたい 3 ヶ条
第 1 条:ケーブルの重量と柔軟性
従来のアナログオーディオシステムでは、接続にアナログマルチケーブ
ルを使います。チャンネル数が多かったり、
ケーブルが長かったりすると、
ケーブルの重量も 100 キログラムを越えてしまいます。プロオーディオ
業界ではデジタルミキサーの評価が高まるにつれて、AES/EBU 用など
ため、150 メートルのケーブルを巻いた状態での重量はほんの数キログ
ラムです。
エッフェル塔の上にあるレストラン Altitude 95 までケーブルを一人で配
線することさえできます。また、ネットワークケーブルは場所をとらない
ので、すでに設置されている配管内に収納できます。
のデジタルケーブル接続がアナログケーブルに取って代わり、ケーブル
重量が軽くなりました。また、デジタルケーブル接続により、電磁干渉
や静電容量の問題が大幅に減るため、音質も向上します。MADI などの
シリアル オ ー ディオフォー マットや、CobraNet ™、EtherSound ™、
OPTOCORE® などのネットワークプロトコルが近年スタジオやライブでよ
く使われ、アナログマルチケーブルの代わりに軽量の UTP(非シールド
ツイストペア)ケーブルや光ファイバーケーブルが使われるようになりま
した。UTP ケーブルや光ファイバーケーブルはアナログマルチケーブル
に比べて遥かに軽量です。加えて、光ファイバーケーブルではグランド
電位差の問題もありません。
アナログマルチケーブルや、個々のケーブルを束ねたものは太くなり柔
軟性がなくなります。ライブツアーでは、ドラム状に巻かれているケーブ
ルを引き出すだけでもその重さゆえ作業スタッフが必要で、配線経路も
限られてしまいます。
設備音響システムでは、かさばるケーブルを使うと更にかさばる配管が
必要になり、これを会場内に設置しなければなりません。そうなると、
すでに建築されて使用されている会場に配線する場合、特に問題になり
ます。一方、UTP ケーブル、光ファイバーケーブルは細く柔軟性がある
アナログケーブル(16 チャンネル)
第 3 条:コントロール
ネットワーク情報技術を駆使したオーディオデータの配送では、情報技
術の利 点を最 大 限に利 用できます。たとえば、IP ビデオの接 続 や
Ethernet 経由でのソフトウェアからのコントロール、RS422 シリアル端
子を介したマシンコントロールなど、さらにインターネット用のモデムや
ワイヤレスアクセスポイントなども接続することもできます。コントロー
第 2 条:物理面と機能面の分離
CobraNet ™などのオーディオネットワーク製品間の接続は、物理的な
ケーブル接続とは独立しています。つまり、十分なバンド幅のあるネット
ル信号は同じ UTP ケーブルまたは光ファイバーケーブルで伝送できる
ため、GPI/RS232/RS422/RS485 などのケーブル配線の追加は必要あ
りません。
ワークケーブルを配線したら、物理的なケーブル接続を変更せずに機器
同士の接続を変更することができます。ライブツアーで「誰でも」簡単
なセットアップが可能になります。I/O 機器はシステム内の任意のポイン
トに接続し、電源ボタンを押すだけです。設備音響システムでは、たと
えばイベントのオープニングセレモニーの後にシステム変更が必要な場
合でも、短時間のプログラミングだけでネットワーク設定を変更できるた
め、ケーブル配線にかかる時間と手間が省けます。
UTP ケーブル、光ファイバーケーブルが配線されていれば、場所に依存
しないで、任意の信号をやり取りできます。オーディオネットワークに接
続している I/O 機器がどこにあろうと、UTP ケーブルや光ファイバーケー
ブル用の端子があればいいのです。ライブツアーでは、大きな中央集
中型の接続ボックスを使わずに、I/O 機器の小グループをいくつかステー
ジ上のあちこちに配置します。設備音響システムでは、物理的なケーブ
ル配線に拘束されずに、会場内に複数の I/O ロケーションを自由に配置
できます。
UTP ケーブル(128 チャンネル)
バンドル設定ができる
ネットワークオーディオインターフェース
3. ネットワークオーディオで考慮したい 3 ヶ条
第 1 条:レイテンシー
第 2 条:リダンダンシー
第 3 条:新しい役割
Ethernet ネットワークはケーブルとスイッチで構築されます。ネットワーク
アナログシステムではオーディオ信号が個々のケーブルで送信されるた
アナログシステムでは、その接続について、通常は XLR ケーブルの物理
上で情報をやり取りするには、スイッチが情報を受信し、宛先アドレスを
め、ケーブルに障害があると、そのケーブルに接続した機器だけが影響
的な接続状態を見ればすぐにわかります。実際に何本ものケーブルをミキ
チェックして、その情報が正しく転送されるように適切なケーブルに送り出
を受けます。多くの場合、マルチケーブルでは何本かのスペアケーブル
サーのリアパネルからスパゲッティのように接続した経験がある人なら誰で
します。100 メガビットのネットワークではこの処理に最大 120 マイクロ
接続が用意されているため、問題が生じても機能的に重大な影響を受け
も、何がどこにつながっているかが一目で分かります。ネットワークオーディ
秒かかる場合もあります。ネットワークが大きくなるほど、信号が経由す
ることは少なく、修復も簡単です。
オシステムでは、機能的な接続は物理的なケーブル接続とは別なので、
るスイッチの数も増え、スイッチを経由するたびに遅延時間が延びていき
しかしネットワークでは 1 本の長距離ケーブルに障害があると、システム
状況が異なります。メンテナンス担当者がネットワークシステムの外観を見
ます。中規模のライブ用オーディオシステムでは、ネットワーク、AD/DA
全体がダウンすることがあり、これを修復するのはエンジニアにとって大
ても、数本の UTP ケーブルまたは光ファイバーケーブルで機器同士を接
変換、DSP のそれぞれによって、システムレイテンシー全体の約 3 分の
変な作業です。このために、リダンダンシー機能を組み込んだネットワー
続していることがわかるだけで、1 本のケーブルで 2 系統のオーディオ信
1 を生じます。ベストな音質を出すには、このシステムレイテンシーの合
クシステムを設計することが必要です。つまり、障害が起きた時点でシス
号を伝送しているのか、あるいは 368 系統のオーディオ信号を伝送してい
計を慎重に考慮、管理することが必要です。イン・イヤー・モニターを
テムの機能を自動的に引き継ぐリダンダンシー(冗長)接続機能をシス
るのか、わかりません。
使用する場合は条件が最も厳しく、わずかなレイテンシーも許されません。
テムに導入すべきです。
アナログシステムでは、未経験のユーザーでもあれこれ試行錯誤で自分な
レイテンシーが 1 ミリ秒から 5 ミリ秒の間でも、不快なコームフィルター
オーディオ業界のみならず、銀行や原子力発電所、宇宙開発機関などで
りにシステム設計から構築まで可能ですが、ネットワークオーディオシステ
効果を生じてしまい、5 ミリ秒以上のレイテンシーではリバーブのように
もネットワークシステムにリダンダンシーが必要なため、過去数年にわた
ムの設計では、最新のネットワーク技術を持つ経験豊かなシステムエンジ
聴こえ、更に数値が大きくなるとエコーやスラップ効果が生じてしまいま
り、IT 業界では様々な優れたリダンダンシー機能が開発されてきました。
ニアが必要となります。このため、オーディオシステムを購入、設計、構築、
す。PA の FOH /モニタースピーカーのシステムでは、レイテンシーはさ
命綱となるような長距離配線ではケーブルを二重接続することで、片方
保守、操作する際のシステム設計者、システム所有者、システムユーザー
ほど問題にならず、レイテンシーが 1 ミリ秒増加するのは、スピーカーの
のケーブルに障害が生じても、もう片方で対応できるようになっています。
の役割がガラッと変わってきます。その新しい役割に各人がこれから慣れ
位置を 30 センチ遠ざけるのと同等になります。
特に、ライブツアーでは、ネットワーク機器そのものにもリダンダンシー
ていかなければなりません。
EtherSound ™プロトコルのレイテンシーは、ネットワークの経路によって
を組み込むことが望まれます。何故なら、IT 機器は通常、エアコンの効
変動しますが、CobraNet ™プロトコルでは、中/大/超大型のネットワー
いたコンピュータ室などでの使用を想定して設計されており、ライブツ
クオーディオシステムでネットワークの経路によらない固定値となります。
アー先での厳しい環境条件で使用した場合には、故障の可能性が大きく
OPTOCORE や Riedel など、メーカーによっては低レイテンシーで機能す
なるからです。
るよう設計された独自のアーキテクチャを使っているところもあります。こ
れらは、自社商品のみで構成されるクローズドシステムと言えます。
ノード
ノード
外見からは
わからない
ノード
イーサーネットスイッチ
(レイテンシーの考慮が必要)
ノード
ネットワークアーキテクチャ
ネットワークオーディオの設計
4. Ethernet ネットワークとは?
Ethernet
個々のネットワークインターフェースカード(NIC)はアドレスを持ち、 だけを変更してネットワーク上の機器に割り当てるわけです。最初の 3 つ
1970 年代、アメリカ、カリフォルニア州にあるパロ・アルト・リサーチセンター
(www.parc.com)が、コンピュータのマウス、レーザープリンター、ネットワー
クなど、 便利なコンピュータ技術を開発しました。そして、Aloha-Net や
ARPA-Net など、初期のネットワークがインターネットに進化しました。当初
パロ・アルト・リサーチセンターに勤め、のちに 3COM の設立者となったロ
バート・メトカフ氏はオフィス内で使用する Ethernet と呼ばれる実用的なネッ
トワークスタンダードを開発しました。それから 30 年、全世界がこの規格を
採用して情報システムを構築し、今日販売されているほぼすべてのパソコン
に Ethernet ポートが搭載されています。Ethernet プロトコルは IEEE(電気
電子学会)が 802.3 規格として標準化しています。
スイッチのメモリーには、ネットワークへ接続されている機器のアドレス
ます。世界中の NIC ひとつひとつに固有の MAC(メディアアクセスコン とができます。
トロール)アドレスがプログラムされているため(このアドレスはメーカー
ネットワークを機能させるためには、ユーザーが NIC の IP アドレスをマニュ
がプログラム)
、280 兆もの固有の MAC アドレスが存在しています。そ
アルで設定しないといけないこともあります。しかし、ほとんどの場合は、
して、これらのアドレスをメーカーに割り当てるのが、IEEE(電気電子
ダイナミックホストコンフィグレーションプロトコル(DHCP)を使って NIC
学会)という非営利団体です。このため、世界中のすべての NIC の
を接続したときに自動でアドレスが設定されるよう、ネットワークの中心と
MAC アドレスは重複のない固有のアドレスとなります。
なる機器(スイッチ、ルーター、またはコンピュータ)をプログラムするこ
MAC アドレスに加え、「ユーザーが定義できる」もう 1 種類のアドレス とができます。
階層を使って、ローカルネットワークの管理をしやすくします。このユー
ザ ー アドレ ス は「 イン タ ー ネットプ ロトコ ル アドレ ス(Internet
Protocol:IP アドレス)
」と呼ばれます。IP アドレスは通常 4 バイトの
ネットワークの構成
Ethernet ネットワークは、ネットワークインターフェースカード(Network
Interface Card、略して NIC /コンピュータやデジタルミキサーなどの機器
に内蔵されています)
、ケーブル(NIC をネットワークに接続します)
、スイッ
チから構成されています。スイッチはネットワーク内のすべてのケーブルを
互いに接続し、ネットワーク上で情報が正しく転送されるようにする装置です。
これらの動作スピードによってネットワークが扱える情報量が決まります。こ
のスピードは 1972 年には毎秒 10 メガビットだったのが、2006 年には 1
ギガビット以上に向上しました。
アドレス
Ethernet の仕組みは、一連の情報を小さなパケットに分割し、これを送信
側が指定した受信側のアドレスにネットワークを介して送信するというもので
す。
ロバート・メトカフ氏の最初の Ethernet のブロック
図
のバイトは変化せず、これがネットワークアドレスとなります。大型のネッ
リストが保存されていて、送信先によってスイッチがパケットを振り分け トワークではサブネットマスクを変更して、ホストアドレスの数を増やすこ
VLAN
長さで、ネットワークアドレスとホストアドレスに分かれています。どの
Ethernet802.1q 規格によって、ひとつの高速ネットワーク内にバーチャル
部分がネットワークアドレスで、どの部分がホストアドレスかは、「サブ
ローカルエリアネットワーク(略して VLAN)を作成することができます。
ネットマスク」と呼ばれる、やはり 4 バイトの長さのコードによって決定
VLAN を使うと、同一のハードウェアを使用した複数の論理ネットワーク
されます。サブネットマスクで「1」の位置に対応する IP アドレスの各ビッ を共存させることができます。たとえば、複数のオーディオネットワークを
トはネットワークアドレス、「0(ゼロ)
」の位置に対応するビットはホス
作成してチャンネル数を増やすことが可能です。ほとんどの管理型スイッ
トアドレスになります。同じネットワークアドレスを持つ NIC 同士が、情
チは VLAN 規格に対応しています。
報を交換できる仕組みになっています。
通常、小規模のオフィスでのネットワークのネットワークアドレスは 3 バ
イトの長さで、ホストアドレスは 1 バイトです。1 バイト(8 ビット)に
ネットワークオーディオ
は 0 〜 255 までの値が入ります。パソコンのネットワーク設定画面で
CobraNet ™機器や EtherSound ™機器など、Ethernet に対応するネット
IP アドレス / サブネットの値を入力します、このとき、IP アドレス / サブ
ワークオーディオ機器には NIC が内蔵されていて、Ethernet ネットワーク
ネットの 4 バイトに対応する 4 つの十進数(0 ~ 255)を入力します。
上で情報を送受信できます。このようなオーディオプロトコルは MAC アド
小規模のオフィスでのネットワークでは、多くの場合、サブネットマスク レスを使用してデータを送受信します。MAC アドレスは固有なので、世
のデフォルト値が 255.255.255.0 なので、ネットワーク管理者は 255
界中の任意の Ethernet ネットワークで機能します。
個のホストアドレスを使用できることになります。つまり、最後のバイト
NIC の RJ45 端子
Windows XP での NIC
ネットワーク設定画面
5. ネットワークトポロジー・・・ネットワークの構成形態
P2P
リング
ネットワークを使用してポイント・ツー・ポイント(P2P)トポロジーを
リングトポロジーは、最後の機器が最初の機器に接続して環状になって
使用したシステムを構築できますが、この P2P トポロジーは厳密に言え
いるデイジーチェーンです。このリングトポロジーに接続されているすべ
ばネットワークではありません。P2P システムは固定マルチチャンネル接
ての機器がどちら回りの回線を使っても互いに通信できるため、リダンダ
続された2つだけの機器から構成されます。デジタルオーディオで例を
ンシー機能を持ちます。ひとつの機器が故障すると、その機器のみが無
することで完全なリダンダンシー機能に対応しています。CobraNet ™機
挙げると、AES/EBU や MADI です。スプリッターやマトリックスルーター
効となります。さらにリダンダンシーを追加するには、リングを二重にし
などの分配機器を使えば接続機器を 2 つから増やすことができます。
ます。OPTOCORE® は、最高 500 系統のオーディオチャンネル、ビデオ、
シリアル接続が可能な高バンド幅のリングトポロジーを使用した、独自の
器 を 提 供 す る メ ー カ ー に は、Alcorn-McBride, Ashly, Biamp, BSS,
CAMCO, Creative, Crest, Crown, DBX, Digigram, DigiSpider, EAW,
ElectroVoice IED, JBL, LCS Peavy, QSC, Rane, Renkus Heinz, Symetrix,
Whirlwind, Yamaha などがあります。
トポロジーの選択
システムを提供しています。EtherSound ™ ES-100 規格は、リダンダン
デイジーチェーン
シーリングトポロジーに対応し、64 チャンネルオーディオを伝送します。
デイジーチェーンは機器を直列につないでゆく、シンプルな接続です。
代表的な例である EtherSound ™では、バンド幅固定、64 チャンネルで
どんな環境でも、前述の 4 種類のトポロジーのうちのひとつ、または複数
を組み合わせたものが選択できます。選択の目安は、ロケーション(機
器設置場所)の数、チャンネル数、レイテンシー、望ましいシステムコス
ト、信頼性、拡張性、オープンまたはクローズドアーキテクチャ、標準の
双方向のオーディオデータを送受信する機器をデイジーチェーンで接続
スター
できます。このデイジーチェーントポロジーの利点は、ネットワーク情報
スタートポロジーはネットワークのバンド幅を最も効率よく使用するため、
のルーティングが簡単なのでデータ伝送が速いことです。EtherSound ™
ほとんどの情報ネットワークはスタートポロジーを採用しています。ネット
機器を 1 台ネットワークに接続するごとに加わるレイテンシーは、わず
ワーク情報のトラフィック量が最も多いスターの中心では、処理性能やリ
か 1.4 マイクロ秒です。一方、欠点としては、チェーン内のひとつの機
ダンダンシーを強化し、一番遠い末端のロケーションでは処理性能を抑
Ethernet テクノロジーを使用するか、メーカー独自のシステムを使用する
器が故障したときシステム全体の動作に影響を与えることです。ひとつの
えた設計が可能です。
機器が故障すると、システムは 2 分割され、この 2 つの部分同士の接
スタートポロジーは拡張するのも容易で、ネットワーク内の任意の位置に
続が切れてしまいます。EtherSound ™デイジーチェーンはスイッチを使
新しいネットワーク機器を接続できます。しかし、接続した機器間でやり
用してスタートポロジーの様に分岐できますが、その場合、オーディオ

とりされるネットワーク情報がすべてスターの中心部を通過するため、こ
データはシステムのスイッチを介して単一方向だけに伝送されます。

の中心が非常に重要な役割を占めるというのが欠点です。つまり、
スター
EtherSound ™のライセンスを受けているメーカーには、Allen & Heath,
の中心に故障があると、ネットワークの大部分に影響が及ぶわけです。
Archean, Auvitran, Bitner Audio, Camco, DiGiCo, Digigram, InnovaSon,
スタートポロジーを使用したネットワークは、Ethernet Spanning Tree プ
Martin Audio, Fostex/Netcira, Nexo, Richmond Sound Design, VTG
ロトコルを使用することでリダンダンシー機能を持つことができます。
Audio, Yamaha があります。
CobraNet ™はスタートポロジーを使用し、ネットワークに二重リンク接続

か、などです。トポロジーを選択するには、ネットワーク技術についての
専門知識が必要で、ネットワークオーディオシステムの設計における経験
が豊富なコンサルタントやシステム設計者などがその適任者となります。



 is a patented, synchronous, optical fibre network system specially designed to meet the requirements of the
professional live audio, broadcast, studio, installation and video industries. The system offers a unique, flexible and scalable,
dual redundant ring structure providing maximum safety in an user-friendly network with an exceptionally low latency time
whilst using the least possible amount of optical fibres. Controlling and channel-routing is easily achieved from any point
within the network by computer or media-access device.
 was developed for highest performance, professional audio and video applications requiring a wide dynamic
range, negligible distortion and extremely low noise. Due to its multiple advantages, it can be used everywhere where high
performance, high security networks are required.
is
 conceived to transmit all pro-audio and video signal types, including a wide range of computer data types, in
compliance with highest quality standards and state-of-the-art technology via high performance, high bandwidth optical fibre
cables.
 was conceived and developed by Marc Brunke starting in 1993. Marc Brunke has worked in the field of
communication electronics engineering since 1988.
 has found many friends in the pro-audio industry since the launch of the first available systems in 1996.
 ® is a registered trademark in Europe, USA and other countries.

 ,
 based in Munich, supplies a range of OPTOCORE devices in various configurations. Furthermore we
welcome OPTOCORE licensees to join the ever increasing OPTOCORE community and to share the multiple benefits of the
OPTOCORE network platform. Detailed information on each device can be found in a separate brochure and at our web-site.


The  is a fully synchronous ring network featuring a second
reverse redundant ring. The synchronous ring structure facilitates the transport of (synchronous) audio and video data whilst
keeping latency to an absolute minimum. Alternatively, a network can be reduced to a point to point connection. The network
is self-configuring and addressable using unique device IDs. Data flow between any two points in the network may be
configured from any unit on the ring. Additionally, the excellent word clock capability of the system is available at all nodes on
the ring.

C

OPTOLINK 1
OUT IN
OPTOLINK 2
OUT IN
IN OUT
OPTOLINK 2
IN OUT
OPTOLINK 1
OPTOLINK 2
OUT IN
OPTOLINK 2
OUT IN
2
OPTOLINK 1
OUT IN
1
OPTOLINK 2
OUT IN
B

OPTOLINK 1
OUT IN
IN OUT
OPTOLINK 2
IN OUT
OPTOLINK 1

IN OUT
OPTOLINK 2
IN OUT
OPTOLINK 1


B
BxB
OPTOLINK 2
OUT IN
OPTOLINK 1
OUT IN
A

OPTOLINK 1
OUT IN

 network showing ring connection and redundant ring
 The intrinsic signal delay of an  channel through the fibre is extremely small and is dominated by
P2Pトポロジー(MADI)
デイジーチェーン/スタートポロジー
(EtherSound ™)
the necessary converting times. All data streams transmitted through similar channel types will appear at all outputs on a
network at the same time. Transmission delay is negligible amounting to <200ns for each unit attached to the network. With
OPTOCORE transmission there is no summing of delay throughout the units in a network. The processing of AD converted
audio signals causes typically a delay of 39/FS and the processing of DA converted audio signals causes typically a delay of
28/FS (FS = sample frequency). For synchronisation purposes and data re-arrangement another maximum of 2/FS of delay
needs to be calculated. The result is a delay of only 69/FS from “analog to digital to light to digital and back to analog”, which
calculates to a maximum of 1.44ms @ FS=48kHz and 0.72ms @ FS=96kHz.
リングトポロジー(OTPOCORE®)
Revision 2.12 / September 2003
www.optocore.com
[email protected]
スタートポロジー(CobraNet ™)
6. リダンダンシー
トランキング
がそのループに入ったまま永久に出られずに、ネットワークに問題を生じ 動的に切り替わります。これによって、ネットワーク自体ではなく機器か
たり、ネットワーク自体の機能を止めてしまったりする危険もあります。こ らネットワークへのケーブル接続が保護されます。デュアルリンク端子に
Ethernet IEEE 802.1.ad Link Aggregation 規格によって、管理型スイッ
のため、スタートポロジーのネットワークではループは通常あってはなら よって、各 CobraNet ™機器を 2 台のスイッチに接続できるため、リダン
チに複数のケーブルを接続し、このケーブルを介して情報トラフィックを
ないものです。ただし、IEEE 802.1w Spanning Tree プロトコル(略し ダンシー用スイッチを使った完全なリダンダンシー STP コンフィグレー
分配できます。この機能はトランキングと呼ばれます。このようなシステ
て STP)に対応する管理型スイッチを使用したネットワークは例外です。 ションが可能となります。
ムの大きな利点は、1 本のケーブルが故障しても、もう片方のバックアッ
STP に対応したスイッチはループを生じるようなポートをブロックでき、
プ用のケーブルが自動的に機能を引き継ぐことです。1 本のケーブルリン
ループ内のアクティブなポートが故障すると、このブロックを解除し、別
クが切れると、バックアップ用のリンクだけでは転送速度が不足すること
の経路を使います。ネットワークの各エリアを保護するために、STP を使っ
が考えられます。このため、バックアップ用のアグリゲーションリンクはゆ
EtherSound ™ ES-100 PPM
てネットワーク内にループを作成することができます。完璧なリダンダン EtherSound ™ ES-100 規格では、リングトポロジーで機器を接続し、そ
とりを持って設計する必要があります。トランキングはケーブル接続での
シー機能を実現するために、二重のネットワークを構築する、つまり接 のうちの 1 台を優先(プリファード)プライマリマスター(略して PPM)
リダンダンシーを構築するだけなので、スイッチ自体が故障すれば、そ
続されているすべてのロケーションでダブルスイッチを使用します。この として指定します。この PPM 機器は通常動作ではリングをブロックし、
のスイッチに接続している各機器も接続が切れてしまいます。
利点は、どんな故障が生じてもシステムを修復できること。欠点は、修 どこかでリング接続が切れると、ブロックを解除するスパニングツリーの
復に時間がかかることです。大型のネットワークでは最高で 30 秒かかり ような機能を持ちます。
リング
ます。近年 IEE802.p Rapid STP プロトコルが開発され、切り替え時間
を 100 ミリ秒まで短縮しました。管理型スイッチのほとんどは何らかの
リングとは基本的に、最初と最後の機器同士が接続された環状のデイ
STP に対応しています。
ジーチェーンです。各機器は 2 本のケーブルでネットワークに接続され
どんな環境でも、前述したリダンダンシーのひとつまたは複数の組み合
ており、システム内の 1 本のケーブルが故障しても、接続は維持されます。
もう 1 本のケーブルが故障するとネットワークは 2 つに分断されます。リ
ングトポロジーはスタートポロジーと比べて少ない本数のケーブルでリダ
ンダンシーが実現されます。
リダンダンシーの実現方法
わせを選択できます。選択の決め手となる要因のひとつは、リダンダン
メッシング
シーの要求されるレベルです。ライブツアーではリダンダンシースイッチ
メッシングは STP を使用した極端な例です。各機器が他のすべての機器 をダブルで使って厳しい使用環境に備えます。この点設備音響システム
と接続されています。このため、故障に強いネットワークが構築できます。 ではスイッチをダブルでなくシングルで使用すれば十分と考えられます。
欠点は、ケーブル本数が多いこと、十分なスイッチ容量が要求されるこ 通常は、最低限、長距離ケーブルをリダンダンシー機能に対応し、ケー
スパニングツリー
とで、構造が複雑になりコストもかかります。
は回復時間、つまり断線やスイッチの故障からシステムが回復するのに
スタートポロジーのネットワークでは、情報パケットは IP アドレスと MAC
アドレスに従って伝送されます。
ネットワークが論理アーキテクチャを持っていることは非常に重要なこと
です。
つまり、
データの送信元と宛先の組み合わせそれぞれに対して、
デー
タの伝送経路がスイッチとケーブルを介してひとつの経路(一通り)し
かないということです。複数の経路があるとループが生じて情報パケット
トランキング
ブルを物理的にできる限り独立させて配線します。もうひとつの選択要因
必要な時間です。
CobraNet ™デュアルリンク
たとえば OPTOCORE® のようなクローズドシステムを使用する場合、リ
各 CobraNet ™機器には 2 系統の Ethernet 端子が搭載されており、そ ダンダンシー実現方法はそのメーカーが選択します。標準の IT 機器を
れぞれ「プライマリ」と「セカンダリ」という名称がついています。セカ 使用する場合、リダンダンシー実現方法の選択や、ネットワークオーディ
ンダリ端子はリダンダンシーのために存在します。通常使用するのはプ オシステム内の全スイッチのプログラムには、高度な知識が必要となり
ライマリ端子ですが、その接続に故障が生じると、セカンダリ端子に自 ます。
リング
ダブルスイッチを使用した
スパニングツリー
メッシング
7. ケーブル接続
UTP ケーブル
UTP コネクタ
Ethernet ネットワークは、通常 8 本の銅線をペアにしてねじったケーブ
Ethernet ネットワークの銅線ケーブルには RJ45 端子を使用します。業
光ファイバーコネクタ
光ファイバーケーブルのコネクタには、SC, ST, LC など様々な種類があり
ルを使って接続します。シールドケーブルは、シールドツイストペアと
界ではケーブルとコネクタを別々に販売していることが多いため、システ
ます。光ファイバーコネクタを製作するのは非常に難しいため、ケーブ
ルにはほとんどの場合、あらかじめコネクタが付いています。スイッチは、
呼ばれ STP という略称を持っています。さらに一般的に使われる非シー
ム設計者や工事者は、簡単なケーブルツールを使ってケーブルを作るこ
ルドケーブルは非シールドツイストペアと呼ばれ UTP と略されます。こ
とができます。設備音響システム用ケーブル(ソリッドコア)と柔軟性の
ほとんどがモジュラーシステムを使用して光ファイバー接続できるタイプ
れらのケーブルとそのコネクタには、用途によって様々な品質の違いが
あるケーブル(スタンダードコア)では、RJ45 コネクタでも異なる仕様
です。これらのモジュールの業界標準は Gigabit Interface Converter(ギ
あり、Telecommunications Industry Association(www.tiaonline.org)
のものが必要です。スイッチメーカーは通常、CAT5 銅線ネットワークコ
ガビットインターフェースコンバータ:GBIC)で、このミニ版が Small
によって、カテゴリ 1 〜 6 に標準化されています。このカテゴリの違い
ネクタを「TX」、たとえば「100BASE TX」と呼んでいます。オーディオ
Formfactor Pluggable(スモールフォームファクタプラガブル:SFP)と
は使用されている材質と、1 メートルごとの銅線ペアのツイスト(ねじれ)
業界では、 耐久性のあるライブツアー用 RJ45 コネクタシステムに、
の程度です。CAT3 は低速(10 メガビット)の Ethernet ネットワーク
Neutrik の EtherCon® がよく使われています。
に使用される低速回線用のケーブルです。100 メガビットの Ethernet
ネットワークでは、CAT5 以上のグレードのケーブルを使うことが必要で
呼ばれています。スイッチメーカーは光ファイバーネットワークの接続を
「FX」
、「LX」
、「SX」と呼び、たとえば「100BASE FX」などと呼んでい
ます。ライブツアー耐久接続用に、Neutrik が開発した OpticalCon® は、
脆弱な光ファイバーコネクタを保護する機構を持っています。Connex は、
す。CAT3 ケーブルは外観が CAT5 ケーブルと類似しているのでご注意
光ファイバーケーブル
ください。使用の際には、必ずケーブルのスリーブに表示されているカ
光ファイバーケーブルは UTP ケーブルに比べてかなり高い周波数領域に
ンズを使用して光ファイバー信号を分散させることにより、傷やホコリな
どに対する耐性を高めています。
Fiberfox® という接続システムを提供しています。このシステムでは、レ
テゴリを確認してください。ギガビットシステムでは、CAT5 でも高グレー
対応し、なおかつ 10 km 以上の長さでも使用可能です。業界では 2 種
ドのケーブル、CAT5E を使用します。近年導入された CAT6 ケーブル
類の光ファイバーシステム、「マルチモード」と「シングルモード」があ
は性能がさらに向上しています。TIA のカテゴリは、高グレードのケー
ります。マルチモードの光ファイバーは最長 2 km のギガビット接続に対
ブルを低速のネットワークでも使用できます。各ケーブルカテゴリの中
応します。シングルモードの光ファイバーには高価なレーザーダイオード
メディアコンバーター
でも異なるタイプのケーブルが入手できます。たとえば設備音響システ
が必要ですが、80 km まで対応しています。いずれも設備音響システム
光ファイバーモジュールのないスイッチでも、メディアコンバーターを使
ム用には芯の堅いケーブル、パッチには芯の柔軟なケーブル、ライブ
用光ファイバーとして、IT 関連の店で入手できます。Fiberfox® などのメー
用すれば、光ファイバー接続が可能になります。メディアコンバーターは
ツアー向けに耐久性、耐ノイズ性を高めた保護ジャケット付ケーブルや
カーはライブツアー耐久用としてミリタリー仕様の光ファイバーケーブル
100 メガビット、ギガビットのどちらの接続にも広く使われています。
シールド−ホイルド(S/FTP)ケーブルなどがあります。
を提供しています。
RJ45 コネクタ
NeutrikEtherCon®
SC 光ファイバーコネクタ
Fiberfox® EBC52
メディアコンバーター
8. CobraNet ™についての詳細
バンドル
ミリ秒、大規模のシステムでは 2.66 ミリ秒、超大型システムでは 5.33 ミ の信号に対応します。
CobraNet ™機器は標準の Ethernet ネットワーク上でパケットを使ってオー
ディオデータを送受信します。CobraNet ™のオーディオパケットは「バンドル」
と呼ばれ、各バンドルには、最高 8 チャンネルのオーディオデータと、パケッ
トの送信先を指定したバンドル番号が含まれています。CobraNet ™ネット
ワークで利用できるバンドル番号は 65279 までです。CobraNet ™機器では、
リ秒です。レイテンシーが固定されていると、信号の伝送経路に関係なく、 ネットワーク自体は、もっとバンド幅のあるギガビット機器を使用して構
システム内のすべての接続ポイントでレイテンシーが同じになります。音 築することができます。ユニキャストバンドルは、バンドルが送信機器か
質設定(量子化ビット数、サンプリング周波数)とレイテンシーモードか ら受信機器へ伝送されるときに経由するスイッチおよびケーブルのバン
らパケットサイズが決定されます。ただし、設定不可能な組み合わせも ド幅だけを使用し、その他の機器のバンド幅には影響を与えません。し
あります。
送受信用のバンドル番号を設定する方法が複数あります。CobraNet ™機器
とコンピュータを Ethernet または USB で接続してコンピュータのソフトウェ
アから指定する方法と、CobraNet ™機器のディップスイッチ設定による方法
です。
かし、マルチキャストバンドルの場合は、すべての接続機器に伝送され
るため、ネットワーク内の全機器のバンド幅のうち 8 分の 1 を使ってしま
コンダクタ
います。つまり、CobraNet ™ネットワークで使用できるマルチキャストバ
ンドルは最大 8(64 チャンネル)ですが、ユニキャストバンドルであれば、
システムのワードクロックジェネレータの役目をする CobraNet ™機器を、 この数は更に大きくなるということです。8 つ以上のマルチキャストバン
コンダクタと呼びます。コンダクタは、レイテンシーが非常に短い小さな ドルと IP サービスをシステム内で使用する場合は、管理型ギガビットス
マルチキャストの「ビートパケット」をネットワークの各機器へ送出します。 イッチで複数の VLAN を使用します。
ユニキャストとマルチキャスト
バンドル番号にはユニキャストとマルチキャストのどちらかを選択できます。
バンドル番号 1 〜 255 はマルチキャストで、これは、ネットワーク内のすべ
ての宛先に送信されます。このバンドルはどこでも受信することができます。
バンドル番号 256 〜 65279 はユニキャストで、これらはひとつの宛先だけ
に送信されます。DME Satellite シリーズや MY16-CII などの CobraNet ™機
器の一部は、ユニキャストバンドルを最高 4 カ所の宛先まで送信することが
でき、これをマルチ・ユニキャストと呼びます。
コンダクタ以外の CobraNet ™機器は、このビートパケットに同期するた
め、システム上のすべての信号がコンダクタのタイミングに同期します。
このコンダクタ以外の CobraNet ™機器はビートパケット受信後すぐに、
それに該当するオーディオパケットを送出しますが、すべての CobraNet CobraCAD は CobraNet ™システムを設計する際、ネットワークのバンド
™機器が一定時間受信を遅らせるので、信号経路によってレイテンシー 幅がその設計で扱えるバンドル量に十分かどうかをチェックするソフト
が異なるということはありません。また、
コンダクタ決定機能によって、
ワー ウェアです。このソフトウェアを使うと、グラフィカルユーザーインター
ドクロックジェネレータとなる CobraNet ™機器が自動的に選択されます。 フェースを使ってシステムを設計でき、使用すべきバンドル番号を調べら
このため、コンダクタになっている機器がネットワークから取り除かれる れます。すべての CobraNet ™機器と推奨スイッチが、このソフトウェア
と、新しいコンダクタが数ミリ秒のうちに自動的に決定され、CobraNet のコンポーネントリストに含まれています。
™機器間の同期を維持します。
音質とレイテンシーモード
バンドルには最高 8 チャンネルまでの非圧縮オーディオデータ(量子化ビッ
ト数は 16、20、または 24 ビット)が入ります。サンプリング周波数は 48
kHz が基本で、96 kHz にも対応しています。CobraNet ™機器間のオーディ
オ伝送は固定レイテンシーであり、レイテンシーは中規模のシステムで 1.33
CobraNet ™ LSI
CobraCAD と Discovery
Discovery はネットワークの CobraNet ™機器を監視し、オーディオスト
リームにエラーがあるかどうかをチェックするソフトウェアです。また、
バンド幅
CobraNet ™機器を設定して、その設定をすべて記録したレポートも生成
します。
すべての CobraNet ™機器には、100メガビット の NIC が内蔵されており、 いずれのソフトウェアもフリーウェアで、www.cobranet.info からダウン
双方向で最高 4 バンドル、最大 32 チャンネルまで送受信できます。ネッ ロードできます。
トワークから CobraNet ™機器へのケーブルは双方向最大 64 チャンネル
CobraNet ™インターフェースのブロック図
CobraNet ™ライセンス取得メーカー
9. EtherSound ™についての詳細
トポロジー
ストパケットとして前の機器に送出します(アップストリーム)。
バンド幅
EtherSound ™機器は、小さなパケットに入ったオーディオデータを高速
EtherSound ™はオーディオを小さなブロードキャストパケットで送信しま
で送受信し、100 メガビットリンク上で利用できるバンド幅全体を使い切
レイテンシー
す。つまり、完全 64 チャンネルオーディオのアップストリームとダウンスト
ります。このプロトコルは双方向(ダウンストリームとアップストリーム)
で 24 ビット、48 kHz、64 チャンネルオーディオ、加えて小さなバンド
幅のコントロールチャンネルに対応しています。ダウンストリームの方向
ではオーディオチャンネルはブロードキャストパケットで送信されます。
デイジーチェーンの中の複数個所で、オーディオストリームをユニキャス
トパケットとしてループバックさせることができるため、アップストリーム
として逆に送信元の機器に送り返すことが可能です。
デイジーチェーントポロジーを使う EtherSound ™システムの具体的接続
は、IN コネクタで前の機器と、
また OUT コネクタで次の機器と接続します。
デイジーチェーンの先頭の機器はプライマリマスターと呼ばれ、100 メ
EtherSound ™システムでは、ダウンストリームおよびアップストリームで
パケットを送信する先の機器がそれぞれ1台のため、アドレスを考える
必要がなく、パケット受信後即座に転送します。このため、EtherSound
™機器1台ごとに 1.4 マイクロ秒というかなり低いレイテンシーとなりま
す。EtherSound ™システムではオーディオがネットワークに入ってから出
るまで最低 5 サンプル必要です。これは 104 マイクロ秒のレイテンシー
に相当します。100 メガビットスイッチ 1 台ごとに約 22 マイクロ秒のレ
イテンシーが加算され、ギガビットスイッチ1台ごとに 2.2 マイクロ秒が
リームを転送するには、ネットワーク上で膨大な量のパケットが伝送される
ことになります。EtherSound ™機器はこれを無理なく処理するよう設計さ
れていますが EtherSound ™システムで使用するスイッチもまた、この処
理 に 対 応 で き な け れ ば な りま せ ん。 対 応 ス イッ チ に 関 して は、
www.ethersound.com ウェブサイトで、試験済みのスイッチのリストを確
認することをお奨めします。64 チャンネル以上の双方向伝送と IP サービ
スに対応している長距離リンクを行うには、管理型ギガビットスイッチで複
数の VLAN を使用します。
加算されます。「接続」ごとの合計のレイテンシーはこれらの値すべてを
加算することで求めることができます。
CobraNet ™か EtherSound ™か?
出します。システム内でスイッチを使用して、デイジーチェーンを複数に
CobraNet ™と EtherSound ™はどちらも Ethernet 対応プロトコルで、これ
分割した場合、オーディオ信号はダウンストリーム方向だけがスイッチを
リダンダンシー
らの技術を採用しているメーカーも多種多様です。いずれのプロトコルに
ガビット、64 チャンネルのオーディオストリームをデイジーチェーンに送
通過し、逆方向には流れません。双方向のセグメントをプログラムする
には、該当機器を Loop Back(ループバック)モード、および End of
Loop(エンドオブループ)モードに設定します。
単純なデイジーチェーントポロジーでは、EtherSound ™はエラー発生に
対して弱いと言えます。ケーブルや機器に問題が生じるとシステムが二
分割されてしまいます。そこで、管理型スイッチを使用し Ethernet トラ
ンキングによって長距離ケーブルの障害対策をします。AuviTran の提供
オーディオチャンネルのルーティング
システム内のすべての機器はダウンストリーム、アップストリームの両方
のオーディオストリームのパケットを読み出し、ネットワークからオーディ
オを取り出したり(スレーブ機器)
、ネットワークにオーディオを送り出し
たり(マスター機器)
、あるいはその両方を行ったり(マスター/スレー
ブ機器)します。読み出したダウンストリーム、アップストリームパケット
を必要に応じて書き換え、送信パケットを作成し、ブロードキャストパケッ
トとして次に接続されている機器に送出し(ダウンストリーム)
、ユニキャ
デイジーチェーントポロジー
も利点と制約があります。以下が基本的な特長です。
分野
CobraNet ™
EtherSound ™
V2.09
ES-100
トポロジー
スター、ツリー
デイジーチェーン
デイジーチェーン
&リング
リダンダンシー
ネットワーク全体
長距離リンクのみ
ネットワーク全体
(リング)
ことができ、ケーブルのリダンダンシーが実現できます。最後の機器の
ルーティング
アドレス式
バス式
OUT コネクタをプライマリマスターの IN コネクタに接続してリングを構成
ネットワークレイ 低
い
非常に低い(0.14 ミリ秒未満)
テンシー
(1.4 ミリ秒未満)
)
する専用ユニットは、高速で回線切り替えのできる長距離ケーブルのリ
ダンダンシー機能を有します。
2006 年に発表された新しい ES-100 規格では、リングトポロジーを使う
します。プライマリマスター機器で優先(プリファード)
プライマリマスター
モードに設定すると、通常動作中ではこの最後の機器からの接続はブロッ
これ以外にも、それぞれの環境に応じて考慮すべき点は多くあります。ど
クされますが、デイジーチェーン内で接続が切れるとブロックが解除され
ちらのプロトコルでも使用できるような設計にしておくことが望ましいでしょ
ます。これはスパニングツリープロトコルでの処理と類似しています。
う。
Auvitran AVY16-ES Mini YGDAI カード
Auvitran AVRed-ES リダンダンシーケーブル接続ユニット
10. システムエンジニアリング
ユーザー
クを構築するための技術を深く理解しなければ、システム仕様が実際に
ユーザーの立場から見て、適切に設計されたネットワークオーディオシ
ステムというのは、手間や面倒のかからないシステムです。つまり接続
が簡単で配置やセットアップのオプションも融通性があること。劇場や
コンサート会場、娯楽施設、コミュニティーセンター、学校での設置等、
非常に複雑で条件の厳しい環境に対応していることです。また、劇団、
ポップコンサート、ミュージカル、オペラなどのライブツアーで独自のシ
ステムを使用したり、レンタル会社からシステムをレンタルしたりする場
合も、ネットワークオーディオシステムの恩恵を得ることができます。
使えるものか否かを判断するのは非常に難しいことです。システム仕様に
は、オーディオチャンネル数、ロケーション数、ロケーション間の距離、
要求される音質の設定、リダンダンシー機能のレベル、コントロール機
能などが含まれます。施設などの設備音響システムに現存の IT インフラ
ストラクチャーを使用するのであれば、IT システムの管理者も仕様決定
時のプロセスに参加すべきです。ライブツアー用のシステムには、ケーブ
ネットワーク機器
クローズドシステムでは、そのメーカーがネットワークのハードウェアを
提供します。オープンシステムでは、ネットワーク機器の選択肢は数限り
なくあります。品数豊富な IT 市場には、様々なメーカーが供給する、品
質や機能レベルが違う多くの製品が出回っています。どんなシステム設
計でもネットワーク試験を念入りに行うことが必要です。
ルやコネクタの品質、接続タイプの標準化なども仕様として含める必要が
システム拡張
あります。
クローズドシステムでは、使用メーカーが提供するハードウェアを使用し
システムエンジニアリング
システムエンジニアリングの段階では、通常、その過程の一部はシステ
ム所有者の技術スタッフが担当し、他の部分は外部のコンサルタントや
システム設計
システム仕様に最も適したネットワークのフォーマット、オーディオフォー
マット、トポロジー、リダンダンシー、接続タイプを選択します。
システム設計者が行います。ネットワークシステムエンジニアリングは、
ネットワーク技術についての深い専門知識を必要とします。オーディオ
エンジニアは、このような知識をあまり持っていないのが通常です。そ
こで、認定を受けたコンサルタントやシステム設計者の役割が大きくな
り、ネットワークオーディオシステムの仕様/設計/プログラミング、ユー
ザーのための簡単な操作とセットアップ手順の提供までを担当するよう
になります。
オ機器を自由に追加できるため、元のシステムで使用したメーカー製品
オーディオ機材
クローズドシステムでは、メーカーが指定したオーディオ機器の選択肢か
ら選びます。オープンシステムでは、使用するオーディオネットワーク規
格と互換性のあるオーディオ機器であれば、どのメーカーの製品でも使え
ます。オープンネットワークのオーディオシステムの例としては、現在、
CobraNet ™と EtherSound ™があります。ヤマハは CobraNet ™対応オー
最初に、
オーディオシステムの仕様を決定します。
オーディオのネットワー
を使用したオープンシステムでは、ユーザーがネットワークの規模を決定
できます。つまり、システムを購入した後で、ネットワーク機器やオーディ
に限られることはありません。
ディオ機器のシリーズを提供しています。ヤマハ Mini-YGDAI 接続標準に
システム仕様
て拡張するため、選択肢は限られます。一方、標準のネットワーク技術
対応する他のオーディオ機器には、EtherSound ™、MADI、A-net ™用
があります。
システム設計者
どんなネットワークオーディオシステム設計でも、認定を受けたコンサル
タントやシステム設計者が膨大な量のシステムエンジニアリングを担うこ
とになります。この資格認定にはこれといって基準はありませんが、ネッ
トワークオーディオエンジニアリングにおいて深い知識と豊かな経験を
持っていて、市場で実際に使われている施設のシステム設計を行った経
歴があることが必須です。
クを構築すると、新たな可能性が大きく開けます。しかし、ネットワー
入力 8 系統の CobraNet ™対応
デジタルミキシングエンジン DME8i
CAD 設計(StarDraw)
CAD 設計(CobraCAD)
11. ネットワークオーディオシステムへの投資
システムのコスト
ワークオーディオシステムの価格は、同等のオーディオ品質を提供するア
ナログミキサー+アナログマルチケーブルシステムに比べてほぼ同額と
システム全体のコストは、機材のコストと、設計/構築/メンテナンスに
言えます。
必要な人件費を加算した合計です。基本的に、ネットワークオーディオ
結論
一般的に、ある程度の規模のアナログ設計のシステムをデジタルミキサー
を使ったネットワークオーディオ設計に変更すると、機材のコストはほぼ
システムでは機材のコストは上昇しても、人件費は減少します。
同額になると言えますが、人件費は明らかに減り、機能的な利点も増え
ネットワークオーディオシステムへの投資により、システムが導入された
ます。従って、中規模の設備音響システムやライブツアー用システムで
人件費
後でこれを使用し維持する費用も変わってきます。ライブツアーでネット
設備音響システムでは、会場内の配線を大量のアナログケーブルを使わ
ワークオーディオシステムを使用すると、システムの配置やセットアップ
ず、数本の CAT5 または光ファイバーケーブルで済ませられるため、配
時間をかなり節約ができます。設備音響システムでは、その場で簡単に
線にかかる人件費をかなり低減できます。ライブツアー用システムにお
システムが変更できるため、たとえ変更工事が必要な場合でも低コスト
はネットワークオーディオを採用した設計を選択するメリットが出て来ま
す。そして、システムの規模が大きく複雑になるほど、そのコスト低減の
効果が大きくなります。
いても同じく人件費を低減できます。なぜなら、光ファイバーケーブルの
で済むという利点があります。
保管・移送・配線が、従来のアナログマルチケーブルを使ったシステム
と比べて遥かに効率的だからです。
機材のコスト
ネットワークオーディオでは基本的に、アナログの長距離ケーブル接続の
優れた機能
代わりに、デジタルネットワークを使用します。コスト面で見ると、アナ
ネットワークオーディオシステムは、アナログシステムに比べて、遥かに
ログマルチケーブルやコネクタボックスのコストに代わって、ネットワーク
高品質で高度な機能性を有しています。プロジェクトは年々複雑化して
機器とネットワークケーブル、加えてネットワークオーディオインター
いて、ネットワークオーディオシステムを使用しなければ、増え続ける作
フェース(I/O 機器)のコストとなります。
業量をこなせません。そこで、このようなシステムに投資した場合、アナ
近年、ネットワーク機器やケーブルは比較的安価になっています。主な
出費は、追加するネットワークオーディオインターフェース(I/O 機器)
のコストです。ミキサーも含めて比較すると、デジタルミキサー+ネット
アナログシステムのコスト
アナログマルチケーブルは不要
ブレークアウト、ステージスネーク、スプリッターは不要
ログシステムよりも明らかに優れた利点があります。この利点も、コスト
計算時に考慮すべきポイントです。
ネットワークオーディオシステムのコスト
ネットワーク機器とケーブル接続への投資
I/O 機器への投資
人件費低減
ライブツアー向け:輸送、配線で低減
設備音響システム向け:ケーブル接続で低減
優れた利点
機能性の充実 − 融通性に富む
音質の向上
12. ネットワークオーディオ用語集
AES/EBU
EtherSound ™
Audio Engineering Society および European Broadcasting Union が標
準化したデジタルオーディオフォーマット、AES3 規格。バランス型銅線
ケーブルで接続ごとに 2 チャンネルのオーディオデータを伝送します。
Ethernet を介してオーディオデータ/コントロール/モニターデータを Multichannel Audio Digital Interface( マルチチャンネルオーディオデジ
ネットワーク上で転送するときに使用するネットワークプロトコルです。 タルインターフェース ) の略で、AES が標準化した AES10 規格です。1
EtherSound ™はデイジーチェーントポロジーを使用し、バンド幅は固定 本の接続で、24 ビット、64 チャンネルのオーディオ信号を伝送します。
されています。ディージーチェーントポロジーを使った仕組みにより、小
さなレイテンシーを特長としています。
CAT5
カテゴリー 5 のケーブルで 100 メガビットのネットワーク信号を最長 100
メートルの距離で転送します。
CAT5E
CAT5 の仕様を拡張したケーブルで、更に広域の高周波数に対応してい
ます。
CobraNet ™
Ethernet を使用して、ネットワーク上でオーディオデータ/コントロール
/モニターデータを転送するネットワークプロトコルです。CobraNet ™
はネットワークプロトコルと言うに相応しく、スタートポロジーを使用して
物理的なケーブル接続と機能的な接続をそれぞれ独立させています。
End of Loop(エンドオブループ)機器
ES-100 を含む EtherSound ™バージョン 2.09 以降では、複数の双方向
セグメントをデイジーチェーン内に作ることができます。プライマリマス
ターに加え、任意の機器を End of Loop(エンドオブループ)モードに
設定してアップストリームデータをブロックすることができます。
ES-100
新機能を搭載した EtherSound ™の最新バージョンです。リダンダンシー
リングトポロジーを使用することができます。
EtherCon®
ライブツアー用に耐久性のある XLR 端子ケースを組み合わせた RJ45 コ
ネクタで Neutrik 社が製作しています。
Ethernet
世界中で最も広く使用されているネットワークプロトコルで、Institute of
Electrical and Electronics Engineers( 電気電子学会 ) が IEEE802.3 規
格として標準化しています。
MADI
OpticalCon®
Fiberfox®
光ファイバーケーブルを接続するための耐久性のあるライブツアー用シ
ステムで、レンズを使って光信号を分散させることにより、コネクタの接
触面積を拡大します。この接触面積が大きい程、傷やホコリに強くなり
ます。
GBIC
Giga Bit Interface Converter の略でホットスワップ可能なモジュラー型
ギガビットインターフェースコンバータ。ギガビットの銅線または光ファイ
バーなどの光学ケーブルをスイッチに接続できるようになります。
IP アドレス
LC タイプの光ファイバーコネクタ用の Neutrik XLR 端子ケースで、傷付
きやすい光ファイバーの端を傷やホコリから保護する機構を持っていま
す。
OPTOCORE®
リングトポロジーのオーディオネットワークの代表的なシステムです。500
チャンネル以上のオーディオ、ビデオ、シリアル接続を低レイテンシーで
実現できます。
OSI モデル
International Organization for Standardization(ISO: www.iso.org) から
出版されている、ネットワークプロトコル用の標準化されたモデルです。
OSI モデルは 7 つのレイヤーを定義し、物理層 ( レイヤー 1) から、ネッ
トワークを使用するネットワークサービスアプリケーションの層 ( レイヤー
7) まで分かれています。MAC アドレスはレイヤー 2 に、IP アドレスはレ
イヤー 3 に定義されています。
Internet Protocol( インターネットプロトコル ) アドレスの略で、パケット
をネットワーク上で管理するためのユーザー定義可能なアドレスです。IP
アドレスには、ネットワークアドレス、ホストアドレスが含まれます。IP ア
ドレスを使って情報を含むパケットをローカルエリアネットワーク (LAN、
オフィスネットワーク ) やワイドエリアネットワーク (WAN、
インターネット )
QoS
上でやりとりすることができます。
Quality of Service( クオリティー・オブ・サービス ) の略で、個々のポー
トのバンド幅をスイッチで制限する Ethernet の機能です。
Loop Back(ループバック)機器
EtherSound ™ Loop Back(ループバック)機器はブロードキャストパケッ
トとしてデータを次の機器にダウンストリームで送出するだけでなく、ユ
ニキャストパケットとしてプライマリマスター機器または End of Loop 機
器へアップストリームで送るので、この 2 台間で双方向のデイジーチェー
ンセグメントができあがります。
MAC アドレス
RJ11
電話回線に使用する銅線ケーブルのコネクタです。
RJ45
ネットワークで銅線ケーブル ( 例:CAT5) の接続に使用するコネクタです。
Media Access Control( メディアアクセスコントロール ) の略で、IEEE( 電
気電子学会 ) が割り当てた 48 ビット (6 バイト ) のアドレスシステムです。 RS232
48 ビットで、280 兆もの重複のない固有のアドレスがネットワークイン 電気特性と機構特性を定義する Electronics Industry Alliance(EIA) が標
ターフェースひとつひとつに対して割り当てられます。
準化したシリアル接続です。低ビットレートの P2P 接続に対応します。
RS422
ギガビット
デイジーチェーン
電気特性と機構特性を定義する Electronics Industry Alliance(EIA) が標
準化したシリアル接続です。
10 億ビット (1,000,000,000 ビット;Gb)。ギガビットリンクでは、毎秒
1 ギガビットの情報を転送できます。これは 100 メガビットのリンク ( 毎
秒 100 メガビット、いわゆる fast Ethernet) に比べて 10 倍のデータ量
です。
機器を接続する方法のひとつです。シンプルな接続でレイテンシーの小
さなネットワーク向きですが、1 台の機器が故障すると、システムが 2
つに分断される欠点があります。
RSTP
IEEE802.1w Rapid Spanning Tree プロトコル。IEEE802.1d Spanning
Tree プロトコルの高速版です。
SFP
Small Formfactor Pluggable( スモールフォームファクタプラガブル ) の略
で、GBIC の小型版です。
グローバルアドレス
インターネットに接続するために使用する IP アドレス。グローバルアドレ
スは、それぞれが固有のアドレスを持つように、InterNIC(www.internic.
org) が割り当てたものです。
サブネットマスク
SNMP
IP アドレスのどの部分がネットワークアドレスで、どの部分がホストアド
レスに該当するかを指定します。
Simple Network Management Protocol( シンプルネットワークマネジメ
ントプロトコル ) の略。ネットワーク内で機器をコントロール/モニター
するために用いられます。
シリアルサーバー
STP
Spanning Tree Protocol( スパニングツリープロトコル ) または Shielded
Twisted Pair( シールドツイストペア ) の略です。
SuperMAC
Oxford Technologies が開発したオーディオネットワークで、AES により
AES50 規格として標準化されています。24 ビット、48 kHz のオーディ
オ 48 チャンネルを CAT5 ケーブルで転送します。
UTP
Unshielded Twisted Pair( 非シールドツイストペア ) の略です。最も一般
的に使用されるカテゴリー 5(CAT5) ケーブルがこのタイプです。
シリアル信号をネットワークで使用できるようにするために RS232 または
RS422 と Ethernet との間で変換を行う機器です。
シリアルブリッジ
CobraNet ™ネットワーク内のシリアル接続で、ネットワークを介してシリ
アル送受信機器同士が通信できる機能を提供しています。
シングルモードの光ファイバー
ネットワークの規格に依存しますが、最長 80 km まで大量のデータスト
リームを転送できる接続方法です。ハイパワーのレイザータイプを使用
する高価な接続方式です。
スイッチ
VLAN
ネットワーク内の機器同士を接続します。スイッチはインテリジェントハ
ブで、入力されたパケットを、パケットの宛先アドレスに接続されたポー
トにのみ転送します。
Virtual Local Area Network( バーチャルローカルエリアネットワーク ) の
略です。管理型スイッチは同一ハードウェアを使用して、ネットワークト
ラフィックを複数の「バーチャル」ネットワークに分割します。
スター
Wi-Fi
ワイヤレスのネットワークスタンダード、IEEE802.11 規格です。最もよく
使用されるのは、802.11.b(11Mb/s) と 802.11.g(54Mb/s) です。
管理型スイッチ
VLAN 対応、
トランキング、
スパニングツリー、QoS(クオリティー・オブ・サー
ビス )、統計収集、エラーレポートなど高度な機能を持つスイッチです。
最も一般的に使用されるネットワークトポロジーです。一般的にスターの
中心は高処理パワーのスイッチを使用して設計し、スターの各末端では
低処理パワーで設計します。「スター・オブ・スター」や「ツリー」構造
もこのトポロジーの変形です。
スパニングツリープロトコル
Ethernet IEEE802.1d 規格。Ethernetスイッチ用プロトコルで、ネットワー
ク内でのループをブロックし、ループ内のアクティブなリンクに故障が生
じたときブロックを解除し新たな経路を作ります。
デュアルリンク
CobraNet ™のリダンダンシー方式で、1 台の機器を 2 系統のリンクでネッ
トワークに接続します。片方のリンクが故障すれば、もう片方のリンクが
引き継ぎます。
トポロジー
ネットワーク内でネットワーク機器が接続されている形態です。基本的な
構造には、リング、デイジーチェーン、スター、ツリーがあります。
トランキング
IEEE802.3ad Link Aggregation 機能に対応するスイッチ同士を複数本
のケーブルを使って接続します。複数の接続により、容量が数倍処理で
きる高度な接続システムとして、あるいはリダンダンシー機能を持つ接続
システムとしても使えます。
ネットワーククラス
ネットワークのサブネットマスクの適用範囲で、IP アドレスのどの部分が
ネットワークアドレスで、どの部分がホストアドレスかを決定します。
クラス A:1 バイト (8 ビット ) のネットワークアドレス、3 バイト (24 ビット ) のホ
ストアドレス
クラス B:2 バイト (16 ビット ) のネットワークアドレス、2 バイト (16 ビット ) の
ホストアドレス
クラス C:3 バイト (24 ビット ) のネットワークアドレス、1 バイト (8 ビット ) のホ
ストアドレス
小規模オフィスのネットワークでは通常クラス C を使用します。
ハブ
( リピーターハブ ) 受信したパケットを、アドレスをチェックせずにすべて
のポートにそのまま転送する簡単なネットワーク機器です。リピーターハ
ブは個々のネットワークセグメントを接続してひとつの大きなネットワーク
を構築するために使用します。リピーターハブはすでに古い技術で、新
しいシステムでは使用するべきではありません。
バンドル
CobraNet ™の情報パケット。24 ビット、48 kHz の音質、1.33 ミリ秒の
レイテンシーの場合、最高 8 チャンネルのオーディオ信号を含みます。
マルチキャスト
光ファイバー
優先(プリファード)プライマリーマスター(PPM)
光を使って情報を転送するための媒体です。シングルモードとマルチモー Ethernet 802.3 規格によって、ネットワーク上で複数の機器に情報をマ
ドがあります。光ファイバーは高バンド幅の伝送が可能で、最長数十キロ ルチキャストパケットとして送信できます。1 台の CobraNet ™機器から
ネットワーク上の他のすべての CobraNet ™機器にバンドルを送信する手
メートルまで伸ばせます。
段です。マルチキャストバンドルはネットワークのどのポイントでも受信
できます。
EtherSound ™ ES-100 機器をリダンダンシーリングトポロジーで使用し、
1 台を優先プライマリーマスターとして設定できます。この機器は通常リ
ングをブロックしてデイジーチェーン接続を形成しますが、リングのどこ
かで接続が切れるとブロックを解除し、新しいデイジーチェーンが形成
されます。
InterNIC の承認を受けなくても、プライベートなネットワーク内で使用で
きる IP アドレスです。
クラス A:10.0.0.0 〜 10.255.255.255
クラス B:172.16.0.0 〜 172.31.255.255
クラス C:192.168.0.0 〜 192.168.255.255
これらのアドレス外にルーティングされず、使用はローカルサブネット内に
限られます。
マルチモードの光ファイバー
ユニキャスト
ネットワークの規格に依存しますが、大量のデータストリームを最長 2
km まで送信できる接続方法です。マルチモード接続は、比較的安価な
レーザー素子を使用した接続方式です。
Ethernet 802.3 規格では、情報をユニキャストパケットとして、MAC ア
ドレスを使用してネットワーク上の特定の 1 台の機器に送信することがで
きます。CobraNet ™を使っていて、ネットワーク上の特定の CobraNet
™機器でオーディオバンドルを送受信したいときにこの方法を使います。
バンド幅は関連リンクだけが使用します。「マルチキャスト」参照。
プライベートアドレス
マルチ・ユニキャスト
一部の CobraNet ™機器は、ユニキャストバンドルを最大 4 箇所の宛先
に送信することができます。4 箇所以上の宛先に送信する場合は、マル
EtherSound ™チェーンの1台目をプライマリーマスターと呼び、64 チャ チキャストを使用します。
ンネルのダウンストリームデータをデイジーチェーンに送出します。双方
向モードでは、アップストリームデータを受信する最後の機器が、この
プライマリーマスターです。ES モニターソフトウエアを起動しているコン メガビット
ピュータをプライマリーマスターの IN コネクタに接続して、ネットワーク内 100 万ビット (1,000,000 ビット;Mb)。fast Ethernet リンクは毎秒 100
のすべての EtherSound ™機器を監視/管理します。
メガビット相当の情報を転送します。本書では、毎秒 100 メガビットの
接続速度またはバンド幅を「100 Mb」と略して使用します。
プライマリーマスター
ブリッジ
リダンダンシー
システム内で生じた故障から自動回復するための機能のことを言います。
リング
デイジーチェーンで最初と最後の機器が互いに接続された環状のネット
ワークです。通常のデイジーチェーンと異なり、どちら回りでもデータ転
送できるため、リダンダンシー機構が内包されたトポロジーです。1ヶ
所で故障が生じてもネットワーク上の機器は接続を維持することができま
す。
複数のネットワーク同士を接続するネットワーク機器。ブリッジは MAC ア メッシング
ドレスを使用し、IP アドレスを無視します。IP アドレスの階層でネットワー ネットワーク上のすべての機器が互いに直接接続しているトポロジーで、
ルーター
クを接続するには、ルーターが必要です。
HP 社が採用しています。機器自体の故障以外は、ケーブルの切断で問
題を生じることはありません。
複数のネットワーク同士を接続するためのネットワーク機器で、IP アドレ
スを使用して、異なるネットワークアドレスを持つネットワーク間でデー
ブロードキャスト
タをやりとりすることが可能になります。
Ethernet 802.3 規格では、情報をブロードキャストパケットとしてネット メディアコンバータ
ワーク上のすべての機器に送信できます。EtherSound ™はこの方法を使っ 光ファイバー接続と銅線による RJ45 接続との間で変換を行う装置で、ほ
レイテンシー
てデイジーチェーンでオーディオストリームを送信します。
とんどの光ファイバーコネクタ、速度に対応します。
( ネットワークレイテンシー、伝送遅延時間 ) 情報パケットが送信機器か
ら受信機器に伝送されるのにかかる時間です。
WWW
www.aes.org
www.aviom.com
www.cisco.com
www.cobranet.info
www.dlink.com
www.ethersound.com
www.hp.com
www.ieee.org
www.iso.org
Audio Engineering Society, AES3, MADI/AES10
A-net™
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CobraNet™
Dlink
EtherSound™
Hewlett Packard
Institute of Electrical and Electronics Engineers
International Organization for Standardization
www.internic.org
www.lightviper.com
www.medianumerics.com
www.optocore.com
www.parc.com
www.sonyoxford.com
www.tiaonline.org
www.yamahaproaudio.com
ICANN Internet Corporation for Assigning Names and Numbers
Lightviper™
RockNet™
OPTOCORE®
Palo Alto Research Center
SuperMAC/AES50
Telecommunications Industry Association
Yamaha
The complete package
すべてを包括するパッケージ
ヤマハのシステムソリューション
ヤマハのコマーシャルオーディオ製品のラインナップは多様で幅広く、
ヤマハでは優れた製品品質を誇りにしています。しかし、
システムソリュー
オーディオの設備音響システムやライブツアー用システムにおける複雑
ションでは単に製品の品質だけでなく、それ以上の要素が関わってきま
な課題を、1 社の製品群で解決できます。デジタルミキサー、デジタル
す。その要素とは、たとえばケーブル接続、ネットワーク技術、デザイン
プロセッサーに加えて、オーディオネットワーク、アンプコントロール・
ツール、品質管理ツールなどです。本書は、他社製品の例を含めてネッ
モニター等、広範囲かつ高度な出力機器を提供しています。
トワークオーディオシステムの設計をサポートするために作成されていま
す。
「ネットワークオーディオ入門」
Yamaha Commercial Audio, 2006
A-Net ™は Aviom inc. の商標です。CobraNet ™は Cirrus Logic の一部門
で ある Peak Audio の 商 標 で す。EtherCon(R)、OpticalCon(R) は Neutrik
Vertrieb GmbH の商標です。 EtherSound ™は Digigram S.A. の商標です。
Fiberfox(R) は Connex Elektrotechnische Stecksysteme GmbH の商標です。
OPTOCORE(R) は OPTOCORE GmbH の商標です。