放射能の基礎知識Q&A 問1 放射線、放射能、放射性物質はどう違うのですか。 答 放射線を出す能力を「放射能」といい、この能力をもった物質のことを「放射性物質」 といいます。懐中電灯に例えてみると、光が放射線、懐中電灯が放射性物質、光を出す能 力が放射能にあたります。 一般に「放射能漏れ」とは「放射性物質漏れ」のことであり、放射線を出す放射性物質 が原子力施設の外部に漏れだすことです。 (消費者庁ホームページ 食品と放射能 Q&A より URL http://www.caa.go.jp) 問2 放射能の単位「ベクレル」と「シーベルト」の違いは? 答 1Bq(ベクレル)は、1 秒間に 1 個の原子核が崩壊して放射線を出す放射能の強さで、数 値が大きいほど、放射線を放出して崩壊する原子核の数が多いことになります。 ただし、放射性物質の種類によって放出される放射線の種類や強さが異なりますので、 同じ 1,000Bq(ベクレル)の放射能を有していても、放射性物質の種類が違えば、人の体 に与える影響の大きさは異なります。そこで、人間が放射線を受けた場合の影響度を示す 共通の単位が別にあります。これが、Sv(シーベルト)です。計測結果が同じ1Sv(シー ベルト)であれば、人体に与える影響の程度は同じだということになります。 Bq(ベクレル)と Sv(シーベルト)は以下のように換算されます。 (例1) 500Bq/㎏の放射性セシウム 137 が検出された飲食物を1kg 食べた場合 の人体 への影響の大きさは、500×1.3×10-5※=0.0065mSv=0.0000065μSV となります。 (例2) 300Bq/㎏の放射性ヨウ素 131 が検出された飲食物を1kg 食べた場合の 人体へ の影響の大きさは、300×1.6×10-5※=0.0048mSv=0.0000048μSV となります。 注:μSv(マイクロシーベルト)は、Sv(シーベルト)の 1/1,000,000 になります。 ※実効線量係数(mSv/Bq) :放射能の単位であるベクレルから生体影響の単位である mSv (ミリシーベルト(シーベル トの 1/1,000))に換算する係数。核種(放射性物質の種類)、化学形、摂取経路別に国際放射線防護委員会(ICRP)など で示されています。上の例では、原子力安全委員会の指針(発電用軽水炉施設周辺の線量目標値に対する評価指針)で示 された数値 (経口摂取・成人)を用いています。なお、同指針では、ヨウ素(131)については、成人のほかに 幼児及び乳 児向けの係数がそれぞれ、7.5×10-5、1.4×10-4 と示されています。 (消費者庁ホームページ 食品と放射能 Q&A より URL http://www.caa.go.jp) 問3 答 日常生活での放射線の影響は? 文部科学省では下記の表のとおり一般公衆の線量限度(年間)(医療を除く)を 1,000 マイクロシーベルトを目安としています。 (文部科学省ホームページ 日常生活と放射線 放射線モニタリング情報(放射線関連情報)より URL www.mext.go.jp) 放射線の量 相当する例(目安) 250,000 マイクロシーベルト/ 引き上げ後の上限 年 100,000 マイクロシーベルト/ 緊急作業従事の場合に認められている上限 年 50,000 マイクロシーベルト/ 放射線業務従事者及び防災に係る警察・消防従事者に認められている上限 年 10,000 マイクロシーベルト/ ブラジル・ガラバリの放射線(年間、大地などから) 年 6,900 マイクロシーベルト/回 胸部 X 線コンピュータ断層撮影検査(CT スキャン)(1 回) 2,400 マイクロシーベルト/年 1 人当たりの自然放射線(年間)(世界平均) 宇宙から 0.39 ミリシーベルト、食物から 0.29 ミリシーベルト、大地から 0.48 ミリシーベ ルト、空気中のラドンから 1.26 ミリシーベルト 1,000 マイクロシーベルト/年 一般公衆の線量限度(年間)(医療は除く) 600 マイクロシーベルト/回 胃の X 線集団検診(1 回) 400 マイクロシーベルト/年 国内放射線量の差(年間)(県別平均値の差の最大) 200 マイクロシーベルト/往復 東京-ニューヨーク航空機旅行(往復)(高度による宇宙線の増加) 50 マイクロシーベルト/回 胸の X 線集団検診(1 回) 50 マイクロシーベルト/年 原子力発電所(軽水炉)周辺の線量目標値(年間) (実績ではこの目標値を大幅に下回っています) 22 マイクロシーベルト/年 再処理工場からの放射線物質の放出による評価値(年間) 10 マイクロシーベルト/年 クリアランスレベル導出の線量目安値(年間) Sv【シーベルト】=放射線の種類による生物効果の定数(X 線、γ線では 1)×Gy【グレイ】 資源エネルギー庁「原子力2002」をもとに文部科学省において作成 お問い合わせ先 原子力災害対策支援本部 堀田(ほりた)、奥(おく) 電話番号:03-5253-4111(内線 4604、4605)
© Copyright 2024 Paperzz