マキイマサルファインアーツ企画展のお知らせ 2008年9月 NEAR WEST-LA WEEKS IVA CALRO KOH PRANAY YOUNG NAKAGOMI 本展は南カリフォルニア在住のアーティスト5名と、1年間のロサンゼルス滞在から この秋に帰国した中込靖成との合同企画展です。 「Near West」―カリフォルニアから見ると日本は「Far East」ではない。 ロサンゼルスから太平洋を西に向かうと最初に到着するのは日本。 日本からアメリカ西海岸へは10時間。LA には様々な日本文化が定着している。 「近い」 「違い」「同じ」全部面白い。 コーディネート <開催概要> 【 会 期 】 中込靖成(美術家、今展出品) 2008年10月18日(土)∼10月30日(木) 11:00∼19:00(金曜日休廊) 最終日17:00まで オープニングパーティー 2008年10月18日(土)17:00∼ ※来日作家(4名)によるギャラリートークを予定 【 会 場 】 【 展 示 】 【コーディネート】 【 問 合 せ 】 マキイマサルファインアーツ 平面、立体、インスタレーションなど 中込靖成 マキイマサルファインアーツ 佐藤、木股 〒111-0053 東京都台東区浅草橋1-7-7 tel&fax:03-3865-2211 e-mail:[email protected] http://www.makiimasaru.com マキイマサルファインアーツ企画展のお知らせ 2008年9月 NEAR WEST-LA WEEKS 本展は南カリフォルニア在住のアーティスト5名と、1年間のロサンゼルス滞在から、この秋に帰国した中込靖成との合同企 画展です。中込は2002年より日米を行き来しながら作家活動を展開しています。特にこの1年間は文化庁新進芸術家海外研 修制度により、カリフォルニア州立大学ベイカーズフィールド(CSUB)研究員として滞在、発表活動をしてきました。 「Near West」には複数の意味が込められています。「Far East」-欧米では日本のことをこう呼びます。ヨーロッパを中心に した世界地図では確かに日本は最も東のはずれにあります。ところが、アメリカのウエストコースト(LA)へはわずか10時間 足らずで訪れることができます。これはウエストコーストから見ても同じで、北太平洋を西に向かうと最初にたどり着く国は日 本です。ロサンゼルスやサンフランシスコからは、ロンドンやパリに行くより東京のほうがはるかに近いのです。このように、 日本とカリフォルニアは相互に「Near West」だと言えます。 また、文化的にもカリフォルニアはアメリカの中で、特にイーストコーストと比較しても、アジアの文化と他の様々な文化が 混じりあっていて、我々日本人に親近感を持たせるエリアであるという意味もあります。例えば、イーストコーストではほとん ど見かけませんが、庭を日本庭園のようにしている邸宅をビバリーヒルズなど様々な街で何軒も見かけます。地元の庭師に聞く と、黒松は庭木として近年人気の定番アイテムだそうです。これなども、日本文化を生活の中の一部として組み込んでいるカリ フォルニア文化の一例です。 一方この「近い」は、 Near であって決して Same ではないという点にも注目してほしいのです。今日の日本で生活して いると、日本あるいは日本人は西洋文化の中に存在していると思いがちですが、実はそれらとは明らかに違う面があり、また、 ウエストコーストに住む人々の目から見れば、日本は彼らとは異なる文化を持った国だと認識されているのも事実です。日本イ コール西洋ではなく、西洋文化に非常に近い位置にあって尚かつ特異的なのが日本だと言えます。 片や多様な文化を持ったカリフォルニアは、決してひとつの言葉やイメージだけでは掴みきれません。今回の作家を見ても、 現在はロサンゼルスを中心とした南カリフォルニア在住のアーティスト達ですが、彼らの出身や生育もバラエティーに富んでい ます。共産国時代のチェコスロバキアから20歳で単身アメリカに亡命して来た女性アーティストIVA、イタリア フィレンツェ 生まれテキサスでアートを学んだCALRO、ワシントン州生まれインド系2世で今回最も若いアーティストPRANAY、そして韓国系 アメリカ人が2人いますが、幼児期に家族と移民しロサンゼルスで育ったYOUNG、ソウル(韓国)生まれ、ロサンゼルスの美術 大学に留学しそのまま在米作家となったKOH。詳しくは、彼らのプロフィールをご覧下さい。これら5作家と中込のロサンゼル スで制作された作品が展示されます。 本展がそれぞれの作品を通じ、彼らと「近い」ことを互いに理解し合えたり、今日の状況に対して共通認識を持てたり、また 互いの違いを知ることでむしろ各自のアイデンティティが確認できるよい機会になることと思います。 コーディネート 中込靖成(美術家、今展出品) 中込 靖成 Nakagomi Yasunari 山梨県生まれ(現中央市) 1984 東京造形大学絵画科卒 2007-08 文化庁在外派遣研修員 (カリフォルニア州立Bakersfield大学 研究員) 2002年からの渡米後開始した「Landscapes」のシリーズが制作される様 になった経緯を簡単に紹介させて頂く。 20世紀の西洋絵画の大きな潮流となった抽象画の世界に魅せられていた私 は、こちらへ来た当初長年描いてきた抽象画を進化させるつもりでいた。 ところが、その抽象美術の現場で「自分を表現する」というテーマに直面し た時、ルネッサンスでも印象派でもアメリカ抽象表現主義でもなく、自身の 出自をベースにして制作することでしか自分の真実は描けないと感じた。 それは、昨今流行の自分探しの旅というような悠長なものではなかった。 こちらでは常に自分は何者なのかと言う問いを突きつけられていると同時に、 この国では自分が自分である事を主張し続けなければ押し潰されるか、押し 流されてしまう。他の何にも置き換えられないオリジナリティを形にする為 には、今日まで生きて来た自身の人生を抵当にするしかない。借り物ではす ぐに見破られるか見透かされてしまう。私の絵に幼児期に見た風景の記憶が 繰り返し現れてきた。こうして「Landscapes」が始まった。 マキイマサルファインアーツ企画展のお知らせ Iva Hladis イヴァ・ハラディス 1965 年 チェコスロバキア生まれ 愛、喪失、孤独、恐れ、希望・・・私の仕事の焦点は、人が人生で直面するこれ らに対して常に向けられています。 私は最も人間的な経験というものを尊重 します。自分の中の隠された感情、我々が時々直面するのを恐れている内面 の真実。これが私の絵のテーマです。 作品を通して、私は人間関係の多様性とそれらが生み出す感情について調査 し続けています。私の仕事は激しく個人的ですが、私の意図は私自身の内面 を解き明かすのではなく、むしろ人間関係の中に起こる普遍性について明ら かにすることです。 Carlo Marcucci カルロ・マルクッチ 1962年 フィレンツェ(イタリア)生まれ 「Wheatfields-小麦畑」は、イタリアのスパゲッティと日本の蕎麦で作られ 壁に取り付けられることを特徴とする一連の彫刻作品です。隠喩的に、スパ ゲッティが入っていた箱はスパゲッティによって作られた箱として生まれ変 わっています。 社会とテクノロジーが進化するのに従い、我々は食物の自然な成り立ちにつ いての親しみからかけ離れて来ました。我々の多くは、マーケットで食物を 買い求めますが、実はそのほとんどが我々がよく知らない成分で出来ていま す。我々が買う大部分の食物はパッケージの中にあり、我々はそれがどこで 作られ加工されているのかも知りません。大部分の加工食品は、原料の最初 の形や素材そのものが何であったのかさえ分らない様になってしまいました。 Koh Byoung Ok コウ・ビョンオク 1966年 ソウル(韓国)生まれ 私は人々がかつて見たことのない作品でありながら日常生活で経験している ことを作品化したいと思っています。 謎めいたり意味の不明瞭なものはありえません。観客は見ること、聞くこと、 においを嗅ぐこと、触ることなどができます、願わくば観客が彼ら自身と作 品である物体との間に関連性を見いだしてほしいと思います。私はすでに結 論がある作品には興味がありません。 2008年9月 マキイマサルファインアーツ企画展のお知らせ Young Chung ヤング・ジョン 1972年 ソウル(韓国)生まれ ポルノ写真からの切り抜き 屍のイメージから切り離された断片 断片化と反-状況 祈りにひざまずく汚れた足 精神性に対する身振り ひざまずく人間の姿 欲望と崇拝に完全にさらされる 骨盤はシスティナ礼拝堂のアーチをかたどる 宗教の構造を支えること 至聖所に収まる最後の審判 男女の差をつけられた身体の動きと姿勢は献身の聖像の姿をどの様に表しま すか? 崇拝のイメージが肉体の言語を通して見られる時どのように変わりますか? 目は旅する 地上を愛撫しながら それは肉体 目は航行する 肉体を透過しながら それは地球 私の両手はなぞる 地球の輪郭を示す その手は肉体の外形を切りとる Pranay Reddy プラネイ・レディ 1981年 ワシントン州(アメリカ)生まれ 最近の作品は、アートワークを再構成するということにアートの探求の方向 性を見出しています。 ロサンゼルスに引っ越して来て、私はこの都市が完璧なまでにこの問題に対 しての具体例を持ち同時に実験場であると感じました。膨大な量のイメージ の生産、消費と処分が繰り返されるこの社会での自分自身を観察します。 私は以下のことについて関わりを持つ様になりました。リサイクルのプロセ スに対しての正当的また芸術的な関わり、自己創出(生命、抽象、その他)、 ハイブリッド(交配)、そして生命にまつわる社会的で文化的な変化を記録 する手段としてのイメージの再構成。私は、これらのイメージの構成が新し い関係性によって拡張された意味に満ち溢れるよう望んでいます。 マキイマサルファインアーツ TEL&FAX:03-3865-2211 〒111-0053 東京都台東区浅草橋1-7-7 http://www.makiimasaru.com MAKII MASARU FINE ARTS 1-7-7 Asakusabashi Taitou-ku Tokyo Japan ●JR総武線 浅草橋駅 東口より 徒歩2分 ●都営地下鉄浅草線 A3出口より 徒歩2分 ●銀座より地下鉄で15分・有楽町よりJRで15分 2008年9月
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