授業評価システムガイドライン

教育課程指導資料 20
小学校・中学校
授業評価システムガイドライン
平成19年度
愛媛県教育委員会
は
じ
め
に
「えー、もう終わるの?もっとしたかったのに…」
このように、子どもたちが、自らの学習課題に取り組み、学習に熱中するような授業をつくりたいとい
う願いは、すべての教師に共通のものではないでしょうか。
私たち教師にとって、教材研究に励み、計画通りに授業のねらいが達成されたときは、本当にうれしい
ものです。
「次の授業ではこんなことを試してみよう」
「子どもたちはきっとこんな反応を示すだろう」と、
授業改善に向けての意欲も高まるでしょう。
また、一方で、授業がうまくいったと思っていても、子どもたちに身に付けたい力が付いていなかった
といった経験もあるのではないでしょうか。
授業評価は、このような「ズレ」や「ギャップ」を把握し、より良く授業を改善していくためにきわめ
て有効な方法です。
平成 20 年1月 17 日に公表された「幼稚園、小学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領の改善
について」
(中央教育審議会答申)において、基礎的・基本的な知識・技能の習得とともに、それらを活
用する学習活動を充実させることにより思考力・判断力・表現力等の確かな学力をはぐくむ必要性が示さ
れており、授業改善の推進が求められています。
また、平成 16 年度から3年間実施した「確かな学力定着向上調査研究事業」の取組の中では、
「確かな
学力向上のためには、一時間一時間の授業はもちろん、定期的に授業の評価を積極的に行い、指導改善に
生かすことが大切である」と、授業評価の必要性が報告されています。
そこで、各学校において、組織的・継続的に授業改善を行う授業評価システムを構築し、授業改善が円
滑にかつ効果的に実施されるよう、授業評価システムガイドラインを作成いたしました。
本ガイドラインは、次の2点を柱に具体例等を示しながら作成しております。
○ 組織的、計画的な取組を通して、全校体制で授業改善を行う。
○ 同じ学校内の他の教師、児童生徒、保護者、学校関係者等多面的な評価を活用し、授業改善を行
う。
なお、授業評価システムの構築は、教師の授業力の向上を通して子どもたちの確かな学力の定着・向上
を図ることを目的としており、教員評価を目的とするものではありません。
各学校において、本ガイドラインを活用して授業評価システムを構築し、授業改善を通して子どもたち
に確かな学力が身に付くことを切に願っております。
平 成 20 年 3 月
愛媛県教育委員会
目
次
第 1章
1
2
なぜ授業評価システムが必要なのでしょう?
授業評価システムの必要性 …………………………………………
授業評価システム構築 ………………………………………………
1
2
第 2章
授業力とは何でしょう?
……………………………………………
6
第 3章
1
組織的に授業評価を進めるにはどうすればよいのでしょう?
組織的な授業評価の推進 ……………………………………………
14
2
3
4
5
6
研究推進委員会(授業評価システム委員会)と研修グループ …
研修グループを中心とした研修活動と個人への支援 ……………
各教師のPDCAサイクル …………………………………………
個人及び校内サポート体制のPDCAサイクルの例 ……………
具体的実践事例 ………………………………………………………
16
17
19
20
22
第 4章
1
2
3
どのように授業評価を活用すればよいのでしょう?
評価情報を収集する方法 ……………………………………………
評価シート活用の目的 ………………………………………………
評価シート活用のポイント …………………………………………
28
29
29
第 5章
1
2
3
4
授業力を高める校内研修にしましょう
授業力向上のための授業研究 ………………………………………
研究協議の課題 ………………………………………………………
研究協議を行う際のポイントの整理 ………………………………
研究協議の在り方 ……………………………………………………
48
48
49
49
第 6章
1
2
授業評価や授業改善に関する用語・Q&A
授業評価や授業改善に関する用語 …………………………………
授業評価や授業改善に関するQ&A ………………………………
56
61
【
【
【
【
様 式 集 】 ……………………………………………………………
参考文献 】 ……………………………………………………………
教育課程指導資料一覧 】 ……………………………………………
作成委員 】
64
75
76
第1章 なぜ授業評価システムが必要なのでしょう?
1 授業評価システムの必要性
確かな学力の定着・向上のためには、教師の授業力を向上させるとともに、日々の授業
を改善することが重要である。そのためには、授業を評価し改善点を明らかにして、授業
改善に生かすことが大切である。
今までにも、各教師がそれぞれの取組によって、授業力の向上や授業改善への努力を行
ってきたが十分な成果が上がっているとはいえず、次のような課題が考えられる。
○
○
○
○
授業評価を取り入れた授業改善が、学校全体としての組織的な取組となっていない。
授業の評価方法や、評価結果の活用方法が十分確立されていない。
し
授業評価が、感覚的、主観的、恣意的になりがちである。
教師によって、授業改善への意欲に差がある。
そこで、効果的な評価方法を用いて、より客観的な授業評価を行い、その結果を生かし
ながら学校全体で組織的、計画的に授業改善を行うといった授業評価システムの構築が求
められる。
授業評価システムとは、各学校における授業評価を核としたPDCA(Plan 目標設定-
Do 実行-Check 評価-Action 改善)サイクル全体や、それを実施するための校内体制、評
価手法や評価の活用方法など様々な要素を含んだものである。
また、授業は教育活動そのものであり、授業評価は学校評価の重要な柱の一つである。つ
まり、授業評価システムを構築し、各教師が授業改善に取り組むことは、学校教育目標の
具現化を図ることであり、積極的に学校運営に参画することであると言える。
確かな学力の定着・向上
授 業 力 の 向 上
評価を生かした授業の工夫・改善
授業評価システムの構築
(授業評価を核としたPDCAサイクルの確立)
※ 確かな学力は、たくましく生きるための健康・体力や、豊かな人間性とあわせて育ま
れることにも留意することが大切である。
- 1 -
2 授業評価システムの構築
(1) 基本的な考え方
授業評価システムを構築するためには、次に示すような校内体制づくりが望まれる。
【 授業評価システムの校内体制(例) 】
校 長
学校の教育目標
学校、地域の実態
研究主題
児童生徒の実態
研究推進委員会
(授業評価システム委員会)
学校組織におけるPDCAサイクル
計画(Plan)
・目標、評価項目の作成
・研修計画、研修体制の立案
改善(Action)
実行(Do)
各先生の授業実践のサポート
・評価を基に、改善への方策の検討
・評価カードの様式
評価(Check)
等の例示
・評価資料の提供
・研究授業等の支援
・授業評価を取り入れた実践の振り返り、
等
各教師、研修グループ等からの評価
サポート
情報提供
各教師におけるPDCAサイクル
研修グループ等
研究授業等での協力
授業評価の意見交換
目指す授業の明確化、授業実践&授業改善
児童生徒
(必要に応じ研究授業等を実施)
保護者
相互研修
集計等の協力
計画(Plan)
情報提供
学校関係者
授業アドバイザー
改善(Action)
実行(Do)
評価(Check)
多様な評価資料、多面
的な評価資料の活用
- 2 -
等
(2) 校内体制の整備(→P14)
授業評価を基に授業改善をする場合、学校全体の計画立案、成果や課題の分析、公表等
のほか、学校組織におけるPDCAサイクルのそれぞれの過程における連絡・調整など、
多岐にわたる仕事がある。そのため、学校は、授業評価システムの中心的な役割を担う
「研究推進委員会(授業評価システム委員会)」等を設置するなど、研究推進体制を整え
ておくことが望ましい。
また、授業改善を進める場合には、授業研究が大切である。学校の実情に応じ、4~5
人の研修グループを組織することで、その効率化が図られるとともに、各教師がお互いに
支え合う関係を築き、連帯感を育み、学校の組織力を強化することができる。
各教師の指導力を高め、授業改善を図るためには、このような校内体制の整備が、重要
である。
研究推進委員会の構成員
校長、教頭、教務主任、学年主任、研修主任等
※ 「企画委員会」や「運営委員会」等、既存の組織を活用して評価体制を整えてもよ
い。
なお、研修グループ(→P15)を作る場合は、その代表者も入れるとよい。
研究推進委員会の具体的な役割
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
評価計画全体にかかわる原案の作成(基本方針等)
授業改善の共通の目標や視点、評価項目等原案の作成
具体的な評価方法の原案の作成(評価シート(→P67)等の作成)
研修計画の立案
校内研修会の実施
自己評価チェックリスト(→P65)の作成
自己評価チェックリストを基にした各教師の授業力の課題の把握
研修グループ等の組織づくり
各教師、研修グループへのサポート・研修グループからの情報収集
校外の授業アドバイザー(→P60)等との連絡調整
授業評価の説明資料の作成(保護者用ガイダンス資料(→P73))
各種評価資料の集計や分析
各教師、研修グループの実践状況の把握
研究推進の評価の実施及び改善策等の提案
- 3 -
(3) 学校組織におけるPDCAサイクル
【Plan】
目標設定
○ 学校の教育目標を基に、研究主題を設定する。
○ 目指す授業のイメージを明確にする。
○ 授業改善の目標、研修計画や研修体制を作成・提案
する。
<ポイント>
・ 教師の授業力の課題や児童生徒の実態を把握、整理する。
・ 学校として育てたい児童生徒の資質や能力を明らかにして
共通理解を図る。
・ 校内外の人的資源を有効に活用できるよう研究組織、サポ
ート体制を立案する。
○ 目標や計画に基づいて、授業研究などの研修、参観
授業等を実施する。
○ 評価資料を収集する。
【Do】
実行
【Check】
評価
<ポイント>
・ 授業を改善する方策を各教師が身に付けるよう、状況に
応じてサポートを行う。
・ 多面的な評価資料を各教師に提供する。
(外部の授業アドバイザーの依頼や保護者アンケートの実施
など)
・ 各教師の授業改善や授業力向上への営みの成果を校内で共
有する。
○ 授業評価を取り入れた実践が適切であったか評価す
る。
○ 研修計画や研修体制が適切であったか評価する。
<ポイント>
・ 自己評価チェックリストの集計、分析により、各教師の授業
力の課題を知る。
【Action】
改善
○ 評価シートや授業記録などを基に、授業の成果や
改善点を分析する。
○ 授業評価の分析結果に基づき、学校全体として、
授業の改善策を検討し、公表する。
○ 各教師の授業力について、構成要素や評価の視点
を基に分析し、さらに努力すべき点を検討する。
○ 研修計画や研修体制等の改善方策を検討する。
<ポイント>
・ 学校として取り組むべき改善点を、できるだけ具体的に
提案する。
- 4 -
(4) 各教師におけるPDCAサイクル(→P19)
○ 自分の授業の現状を把握する。
○ 目指す授業のイメージを明確にする。
○ 授業改善や授業力向上の目標や計画を立てる。
【Plan】
目標設定
<ポイント>
・ 全校体制で共通理解を図った授業改善や評価の視点を基
に、自分の授業の現状を把握、整理する。
・ 校内でのアドバイスを生かしながら、授業改善や授業力向
上の目標や計画を具体的に作成する。
○ 目標や計画に基づいて、授業の準備をする。
○ 児童生徒の学習状況に応じて、適切な修正を加えな
がら実施する。
【Do】
実行
<ポイント>
・ 全教職員が共有している視点を盛り込み、その授業に応じ
た評価の視点を設問として具体化し、評価シート(→P67)
を作成することで目指す授業を再確認する。
・ 児童生徒の学習状況や評価の視点に応じて、学習指導計画
を見直す。
○ 適切な評価資料を基に、授業者が自己評価を行
う。
○ 多面的な評価(→P28)を通して、自己評価を見
直す。
【Check】
評価
【Action】
改善
<ポイント>
・ 自己評価の根拠となる学習評価資料(児童生徒の作品や記
録物、学習態度や発言、各種テストなど)を収集し、適切な
ものを選択する。根拠を明確にすることで、感覚的な評価に
なるのを防ぐ。
・ 評価シートを活用し、授業評価を行う。
・ 多面的な評価を積極的に活用することで、自己評価が
「自己満足」や「独りよがり」になるのを防ぐ。
○ 評価シートや授業記録などを基に、授業の成果や
改善点を分析する。
○ 自分の授業力について、構成要素や評価の視点を
基に分析し、さらに努力すべき点を検討する。
<ポイント>
・ 目指す子どもの姿や授業のねらいに即して、具体的な事実
と子どもの活動や変容を基に、分析を行う。
・ 数値化できる評価結果は、グラフ化など分析を容易にする
工夫をする。
・ 各教師の授業改善のポイントを学校全体に改善に生かす
・ 共有している評価の視点が妥当なものであるか検証し、
研究推進委員会に情報提供をする。
- 5 -
第2章 授業力とは何でしょう?
授業力とは、「授業を通して、子どもたちに確かな学力を
定着・向上させる力」と考えます。
では、どのような授業を行えば、学力が定着・向上するの
でしょうか。目指したい授業のイメージを明確にして共有す
るために、授業力の構成要素を分析してみました。
授業力の構成要素は、「児童生徒理解力」「教材解釈力」「授業構成力」「授業実践力」
の四つに分類できる。
また、常に謙虚な姿勢をもち、授業をよりよいものにしていこうとする意欲や、具体的な
せいさつりょく
事実に基づいて授業を冷静に振り返ることのできる能力(省察力)が、授業力向上の基盤であ
り、児童生徒への深い愛情や、教職に対する使命感や情熱、豊かな人間性などが、授業力の構
成要素を支え、PDCAサイクルのエネルギー源となる。
授業力
【児童生徒理解力】
【教材解釈力】
【授業構成力】
【授業実践力】
授業力を支えるもの
【授業改善への意欲、省察力、児童生徒への深い愛情
や、教職に対する使命感や情熱、豊かな人間性など】
- 6 -
次の表1のように、各構成要素の具体的な場面を考えることにより、身に付けたい授業力
や目指したい授業の姿が明らかになってくる。これらは、授業評価を行うときに、評価の視点
となるものである。
【 表 1 授業力の構成要素が表れる具体的な場面 】
構成要素
【児童生徒理解力】
学習意欲やレディネスなど、
児童生徒の状況を把握する能力
具体的な場面(評価の視点)例
○ 児童生徒の到達度や意欲などの学習状況を的確に把握し、授
業改善のために整理する。
○ 各児童生徒の思考スタイルや性格の特徴を理解し、教材の選
択や指導計画立案に生かすために整理する。
【教材解釈力】
教材や資料の分析を的確に行
○ ねらいを達成するのにふさわしい教材や教具を選択し、適切
な使い方をする。
い、ねらいに合った教材や資料 ○ 教材について正しく理解したり、深く理解したりする。
を選択・開発したり活用したり
する能力
【授業構成力】
単元や各時間のねらいを明確
○ 単元目標や授業目標を明確にし、児童生徒の状況に応じて単
元の指導計画や一単位時間の授業を計画する。
にし、その達成にふさわしい展 ○ 学習過程を工夫し、体験的な学習や問題解決的な学習を積極
開や学習形態の工夫を行う能力
的に取り入れる。
○ 一斉学習とグループ学習や個別学習など、適切な学習形態を
工夫する。
○ 適切な学習評価や授業評価の場を設定する。
【授業実践力】
板書を構造化したり、発問、 ○ 児童生徒の理解や思考に役立つような構造的な板書を行う。
指示を適切に行ったりする能力
○ 児童生徒の思考を促したり焦点化したりするために適切な発
問を行う。
○ 的確な指示を行ったり、分かりやすく説明を行ったりする。
児童生徒の学習状況等に応じ ○ 児童生徒の反応や状況を把握し、適切に対応できる。
て、臨機応変に対応できる能力
○ 個別指導の中で、個の学習状況を把握し、適切に対応する。
○ 児童生徒の思いや考えを引き出す。
学習習慣、学習態度を育成す ○ 先生や友達の話をしっかり聞ける状況を作り出す。
る能力
○ 支持的風土づくりに努め、発言しやすい状況を作り出す。
○ 児童生徒の興味関心を高め、課題意識や学習意欲を持たせ
る。
学習環境を整備する能力
○ 学習活動とリンクした掲示物を掲示したり、学習に集中でき
るように教室環境を整えたりする。
○ 練り合い高め合う場を作る。
○ ICTを効果的に活用する。
- 7 -
授業力の構成要素は、実際の授業では、次のように表されることが多い。
(各学校や各教科の特性に応じて、学習指導案の様式は異なる。)
第5学年社会科学習指導案
1 日 時
平成○年○月○日(○)
○○:○○~○○:○○
2 単元名
「住んでみたいのはどっち?」-暖かい地方と寒い地方のくらし-
3 本単元の概要
⑴ 単元の目標
◎ 気候条件からみて特色ある地域とそれに適応しながら生活している人々の様子について多
様な方法で調べ、その工夫や努力について考える。
○ 暖かい地方と寒い地方それぞれ選択した地域別に、友達と追究成果を比較・検討するとと
もに、相互の相違点や共通点を見いだす。
○ 最初のイメージと追究後の認識の比較や、対象地域間の共通点・相違点を基に学習を振り
返り、各地域のよさや人々の営みのすばらしさを感じる。
⑵ 指導観
今冬は、予想に反し厳冬となった。北海道では、最低気温が-20℃を下回る日がある地域も珍しくな
い。ところが沖縄では、最低気温は、15℃前後である。日本列島の北と南では実に大きな開きがある。子
【児童観】← 児童生徒理解力
指導や指導改善に役立てるために、学習に対
えられていないのが現実であろう。一方、子どもたちは、これまでに食料生産の学習や第4学年の「県内の
する子どもたちの知識、興味・関心、能力など
地形から見て特色ある地域の学習等を通して、自然環境と人々の生活や産業のかかわりについて調べ、考え
の状況を把握・整理したものが表される。
る経験をしている。その中で、各地域の人々が自然条件をうまく生かしたり、克服したりしながらよりよく
どもたちは、天気予報やニュースでこのような情報をよく見聞きしているものの、その違いを実感的にとら
生活していることに気付き始めている。
そこで本単元では、わが国の気候条件から見て特色ある地域として、北海道と沖縄県を取り上げ、そこに
暮らす人々の生活の様子について調べ、自然環境と人々の生活や産業とのかかわりについて考えさせること
【教材観】← 教材解釈力
単元の目標や育てたい資質や能力を明確にし
どもたちは、冬の寒さの厳しい北海道、夏「台風銀座」と呼ばれる沖縄などの具体的な実態に触れること
た上で、どのような教材を開発、選択、準備す
で、松山との違いに強い題意識をもつであろう。また、「住んでみたいのはどっち?」を決めさせたり、で
れば、ねらいを達成できるかを吟味した結果が
きるだけ現地に暮らす人々の生の声を反映できる手立てを工夫したりすることで、子どもたち当事者意識を
表される。
もち、相互作用を活性化させながら意欲的に追究活動に取り組むであろう。このような活動を通して、そこ
をねらっている。松山は、気候は温暖で災害も尐なく、水不足除けば、住みやすい地域と言われている。子
に暮らす人々の思いや願いを共感的にとらえさせ、様々な自然環境に適応していく人々の営みのすばらしさ
を感得させたいと考える。
第1次では、まず「住んでみたいのはどっち?」と問いかけることで、学習対象となる地域に対する
漠然とした思いを全員が共有化する。次に、両地域の冬や夏の様子を象徴するいくつかの資料と出合わ
せ、両者の違い、そして松山との違いを顕在化して学習問題をつくらせる。学習計画を立てる場面では、
【指導観・単元構想・本時の指導計画】
資料収集の方法をしっかりと吟味させたい。本次では、各地域の気候と生活や産業とのかかわりついて調
← 授業構成力
べようとする強い課題意識をもてたか、課題解決へのしっかりとした見通しがもてたかを、発言内容やワ
ねらいを達成するために、単元・授業の流れ
ークシートに書いた内容によって評価する。第2次では、自分たちが集めた資料を効果的に活用しながら
具体的に調べさせる。その際、後にプレゼンテーションを位置づけることで、こだわりをもって追究活動
を計画したり、学習形態を工夫したりするな
に取り組ませたい。そして、練り合い・高め合いの場面では、比較する観点を明確にし、それぞれの地域
ど、単元や授業を設計・構築したものが表され
の共通点や相違点をつかませ、自然環境に適応する人々の営みのすばらしさを感得させたい。本次では、
る。
追究活動や練り合い・高め合いの活動に積極的に取り組んだかや、自他の追究成果や見方・考え方を比べ
ながら認識を深めたかを観察やノート、ワークシートなどを基に評価する。
- 8 -
⑶ 単元構想(全12時間)
子どもの課題意識と主な学習活動
時
間
評 価 規 準
北海道と沖縄の気候を比べ、各地域の様子を
調べる学習問題をつくろう。
2
・ 北海道の冬の厳しさ、沖縄の暖かさ等、松山との違い
に驚きや関心をもつ。
1 ○ 北海道、沖縄と松山の気候の違いに強い関心を 本時
もち、学習問題をつくる。
その
○ 調べる方法を吟味し、学習計画を立てる。
1
・ 気候に応じた人々のくらしを調べる学習問題をつく
る。
・ 追究へ向けての具体的な見通しをもつ。
学習計画に基づいて調べ、それぞれの地域の
共通点や相違点を話し合おう。
・ 様々な気候条件に適応する人の営みに関心をもって追
究に取り組む。
・ 自他の追究成果を比較し、気候と生活や産業のかかわ
○ 学習計画に基づき、気候に応じた人々の生活の
りについて考える。
様子について調べる。
2
10
○ 調べた成果を基に、各地域のよさを報告し合う
・ 友達の見方や考え方のよさやおもしろさに気付く。
プレゼンテーションを行い、互いの共通点や相違
・ 気候条件に適応する人の営みのすばらしさを感得す
点を話し合う。
る。
4 本時の指導(1/12)
⑴ めあて 北海道や沖縄と松山の気候や生活の様子の違いに強い関心をもち、気候に応じた
人々のくらしを調べる学習問題をつくる。
⑵ 準備物 北海道や沖縄の気候や生活に関する資料、ワークシート、ビデオレター等
⑶ 展開
学習活動
予想される子どもの意識の流れ
1 北海道や沖
もし引っ越しをするなら、北海道と沖縄どっちがい
縄に対するイ
いだろうか。またそのわけは?
メージを話し
(北海道)
(沖縄)
合う。
・ 雪が降って楽しそう。
・ 食べ物がおいしい。
・ 夏涼しい。
2 北海道や沖
縄の気候や生
活に関する資
料をみて、話
し合う。
北海道と沖縄の気候や生活に関する資料をみて気付
いたことを話し合おう。
(北海道)
(沖縄)
・ 室内も寒いだろう。
・ 玄関が二重だ。
・ タンクの中身は何?
(松山)
4 自分が住み
たい地域を決
め、学習問題
をつくる。
・ 海がきれい。
・ 一年中暖かい。
・ リゾートみたい。
・ 室内は暖かいだろう。
・ コンクリートが多い。
・ タンクの中身は何?
・ 部屋の写真では、よく分からなかったが、家
のつくりや設備は随分違うな。
北海道と沖縄の気候や生活に関する資料をみて気付
いたことを話し合おう。
・ 寒さをどのように防い
でいるのだろうか。
・ 寒さをうまく利用する
方法はあるのだろうか。
・ 冬の暖かさをどのよう
に生かすのだろうか。
・ 台風や水不足をどのよ
うに防ぐのだろうか。
- 9 -
指導上の留意点(●評価)
○ 自分がその場所を選んだ理
由をはっきりと述べさせる。
○ +面と-面両方の意見を認
め、両地域に対する学習前の
自分たちの認識を確認させ
る。
○ 松山との比較を通して、他
の2地域の様子の違いに着目
させる。
○ 部屋の中の写真など、意外
性のある資料を提示すること
で、関心を高める。
● それぞれの地域の人々のく
らしに関心をもつことができ
たか。
(発言)
○ もう一度、「住んでみたい
地域は?」と問いかけ、対象
地域を選択させる。
● それぞれの気候条件に着目
して、人々のくらしについて
調べる学習問題をつくる。
(ワークシート)
前ページの学習指導案を基にして、授業力の四つの構成要素
について、具体的に見ていきましょう。
児童生徒理解力
単元で扱う社会的事象(学習対象)や学習内容に対して、「子どもは、何をどのくら
い知っているのか」「どんなことを学習したいと思っているのか」など、学習に対する
子どもたちの知識、興味・関心、能力などの状況を把握・整理し、指導やその改善に生
かす。そのことを端的に示したものが、学習指導案の「児童観」である。
子どもの日常生活における、学習対象への漠然とした思い、
知識、経験などの状況を示している。
今年の冬は、予想に反し厳冬となった。北海道では、最低気温が-20℃を下回る日がある地域
も珍しくない。ところが沖縄では、最低気温は、15℃前後。日本列島の北と南では実に大きな開
きがある。子どもたちは、天気予報やニュースでこのような情報をよく見聞きしているものの、そ
の違いを実感的にとらえられていないのが現実であろう。 一方、子どもたちは、これまでに食料生
産の学習や第4学年の「県内の地形から見て特色ある地域」の学習等を通して、自然環境と人々の
生活や産業のかかわりについて調べ、考える経験をしている。その中で、各地域の人々が自然条件
をうまく生かしたり、克服したりしながらよりよく生活していることに気付き始めている。
本学習とのかかわり(内容・系統
性)を踏まえ、子どもの過去の学習の
状況を振り返って示している。
本学習とのかかわりから、既習事
項の中で、どんな知識や力を身に付
けているかを示している。
つかんだこれら児童の状況は、この後の教材選択や指導計画・単元構成の立案に具体的に
生かされていく。
o 子どもの興味・関心
や問題意識を高める教
材を準備しよう。
o 子どもの意識の流れに
沿った、指導計画や単元
構成を作ろう。
- 10 -
o 今の子どもに、このよ
うな資質や能力を身に付
けていく必要がある。
教材解釈力
単元の目標や育てたい資質や能力を明確にした上で、どのような教材を開発、 選択、
準備すれば、ねらいを達成できるかを吟味するなど、周到な準備することが必要である。
本単元で扱う教材は、「どのような特色があるのか」「単元のねらいを達成するため
にどのようなはたらきがあるのか」「子どもたちにどのような資質や能力を身に付けさ
せることができるのか」を明確にしておくことが大切である。そのことを端的に示した
ものが、学習指導案の「教材観」である。
学習指導要領解説などを基に本単元の
ねらいを分析して示している。
用意する教材によって、児童にどの
ような活動をさせることが期待できる
のかを示している。
そこで本単元では、わが国の気候条件から見て特色ある地域として、北海道と沖縄県を取り上
げ、そこに暮らす人々の生活の様子について調べ、自然環境と人々の生活や産業とのかかわりにつ
いて考えさせることをねらっている。ここ松山は、気候は温暖で災害も尐なく、水不足を除けば、
住みやすい地域と言われている。子どもたちは、冬の寒さの厳しい北海道、夏「台風銀座」と呼ば
れる沖縄などの具体的な実態に触れることで、松山との違いに強い問題意識をもつであろう。ま
た、「住んでみたいのはどっち?」か決めさせたり、できるだけ現地に暮らす人々の生の声を反映
できる手立てを工夫したりすることで、子どもたちは当事者意識をもち、相互作用を活性化させな
がら意欲的に追究活動に取り組むであろう。このような活動を通して、そこに暮らす人々の思いや
願いを共感的にとらえさせ、様々な自然環境に適応していく人々の営みのすばらしさを感得させた
いと考える。
本単元を通して、どのよう
な力を身に付けさせることが
期待できるのかを示してい
る。
〈2月の北海道の家の室内〉
〈2月の北海道の家の外観〉
社会科の教材には、次のようなものがあると考える。
① 児童に強い問題意識を喚起させ、価値ある学習問題を設定させる教材
② 児童の社会的な見方や考え方を広めたり深めたりさせる教材
これらの教材を、単元や授業の適切な場面で活用することで、単元のねらいを達成すると
ともに、「確かな社会的な見方や考え方」を育てようとするのである。また、教材を選択す
るに当たっては、網羅的にならず、必要最小限で質の高いものを精選することも大切であ
る。
- 11 -
授業構成力
ねらいを達成するために有効な、単元・授業の流れを計画したり、学習形態を工夫したり
する力、つまり、単元や授業を設計・構築する力である。社会科学習は、次のような問題解決
的な学習で展開されることが多い。
《基本的な問題解決過程》
(事実認知) (問題把握・予想設定)
(検証・深化)
(本質的把握)
(行動化)
社会的事象
学習問題
予想
学習計画
個や小集団
学級集団での練り
個なりの
新たな
との出会い
の設定
設定
の立案
での追究
合い・高め合い
まとめ
問題意識
との出会
上図の流れを基本とし、児童の実態や教材解釈の成果を生かして、まず「単元の流れ図」
い
(単元構想図)を作成する。「単元の流れ図」とは、問題解決の各過程に沿って、主な学習活
動や子どもの意識の流れ、出会わせる教材、学習形態、時数などを綿密に計画してまとめた
ものである。子どもの意識の流れが、最終的に本単元の本質的把握(目標・内容)を十分達成
できるものにする。
一単位時間の授業においては、その時間における目標を児童の立場で「○○について調
べ、□□を考え、△△に気付く。」のように明記し、その目標が達成されるような展開を工
夫する。
《例》○本時の指導
(1)めあて 北海道や沖縄と松山の気候や生活の様子の違いに強い関心をもち、気候に応じた人々のくら
しを調べる学習問題をつくる。
(2)準備物 北海道や沖縄の気候や生活に関する資料、ワークシート、ビデオレター等
(3)展開
学習活動
予想される子どもの意識の流れ
1 北海道や沖
もし引っ越しをするなら、北海道と沖縄どっちがいい
縄に対するイ
だろうか。またそのわけは?
メージを話し
合う。
(北海道)
(沖縄)
・ 雪が降って楽しそう。
・ 食べ物がおいしい。
・ 夏涼しい。
2 北海道や沖
縄の気候や生
活に関する資
料をみて、話
し合う。
北海道と沖縄の気候や生活に関する資料をみて気付い
たことを話し合おう。
・ 室内も寒いだろう。
・ 玄関が二重だ。
・ タンクの中身は何?
(松山)
4 自分が住み
たい地域を決
め、学習問題
をつくる。
・ 海がきれい。
・ 一年中暖かい。
・ リゾートみたい。
・ 室内は暖かいだろう。
・ コンクリートが多い。
・ タンクの中身は何?
指導上の留意点(●評価)
○ 自分がその場所を選んだ理由
をはっきりと述べさせる。
○ +面と-面両方の意見を認
め、両地域に対する学習前の自
分たちの認識を確認させる。
○ 松山との比較を通して、他の
2地域の様子の違いに着目させ
る。
○ 部屋の中の写真など、意外性
のある資料を提示することで、
関心を高める。
● それぞれの地域の人々のくら
しに関心をもつことができた
か。
(発言)
・ 部屋の写真では、よく分からなかったが、家
のつくりや設備は随分違うな。
北海道と沖縄の気候や生活に関する資料をみて気付い
たことを話し合おう。
・ 寒さをどのように防い
でいるのだろうか。
・ 寒さをうまく利用する
方法はあるのだろうか。
・ 冬の暖かさをどのよう
に生かすのだろう。
・ 台風や水不足をどのよ
うに防ぐのだろうか。
- 12 -
○ もう一度、「住んでみたい地
域は?」と問いかけ、対象地域
を選択させる。
● それぞれの気候条件に着目し
て、人々のくらしについて調べ
る学習問題をつくる。
(ワークシート)
授業実践力
授業中には、児童の反応や学習の様子などに応じて、展開の軌道修正を図ったり、臨機応
変に指導に当たったりする必要がある。また、学習意欲を引き出し、分かる授業を行うため
には、板書の構造化や発問の精選などのいわゆる指導技術が必要である。
《例》 前ページ「本時の指導」の学習活動2の場面
2の学習活動ではまず、2月の気温を確認させた後、北海道、松山、沖縄それぞれの冬の部屋の写真
を提示した。北海道の写真は「半袖シャツ、FF式ストーブをつけリビングでくつろぐ様子」、松山は
「半てんをはおって、こたつ、エアコンをつけリビングでくつろぐ様子」、沖縄は「トレーナー姿等で、
リビングでくつろぐ様子」の写真である。そこで、「どの写真がどの地域だろう」と問いかけ、その根
拠も述べさせた。すると、子どもたちの「寒い冬の北海道、どちらかと言えば暖かい松山、暖かい沖
縄」というイメージは、ゆさぶられ迷った。そして、本写真から判断した三つの地域を決めさせた。
「まだ、確かにそうだとは言えないようだね。ほかにどんな写真があれば判断がつく?」と問いかけた。
「家の外の様子」という意見も出されたので、「家の外観を写した3枚の写真」を提示し、自分たちの
考えを確認させた。
その際、松山の写真から自分たちの生活の様子を想起させながら、子どもの関心を高めるように提示
した。また、屋外と屋内の気温を提示することで、その差異から、部屋を暖かくする工夫が秘められて
いることに気付かせた。そして、もう一度、部屋や家の外観の写真を見て気が付いたことを話し合わせ
た。松山では、外観としては「エアコンの室外機以外、気候に備えた備品は特に見られない」ことが特
色である。北海道では、部屋の中には「ファンヒーター」、家の外では、「大きな灯油タンクがある」
ことや「玄関が二重になっている」ことに着目させた。沖縄では、屋内外の気温差がほとんどないこと
から、「暖房が使われていない」ことを確認させた後、「沖縄では、特に寒さ対策は必要なさそうだけ
ど、家は松山と似ているのかな」と問いかけ、沖縄の住宅の写真を提示した。子どもたちは、「大きな
タンクがある」ことにすぐ気付いた。さらに「タンクの中身」「大きさ」などを予想させることにより、
子どもたちは、自分たちの住まい方との違いに関心を高めるとともに、問題意識を高めていった。
学習活動「2」の場面の板書
北海道や沖縄のくらしについて調べる学習問題をつくろう。
ファンヒーター
暖房の必要はない
外より+30℃
25℃
18℃
22℃
コンクリートの家
玄関二重
屋根の上にタンク
大きなタンク
高い床
(北海道)
-5℃
(松山)
6℃
(沖縄)
気候に備えた対応 特になし
- 13 -
22℃
広い窓
進めていくと
第 3 章 組織的に授業評価を進めるにはどうすればよいでしょう?
1 組織的な授業評価の推進
(1) 共通の目標の設定と教育計画の策定
組織的に授業評価を進めるに当たっては、自校の現状を分析し、課題を明らかにしながら、
それと学校の教育目標とを関連させ、授業改善のために共通の目標を設定する。それを基に、
教育計画を策定し、授業評価を取り入れた授業改善を実践していくことが重要である。
また、すべての教職員が目標設定や評価計画の作成にかかわることにより、共通理解を図
るとともに、目標実現に向けて当事者意識をもつことが大切である。
現状分析・把握
○ 自校の現状や課題を把握する。
・前年度の学校評価結果や改善点等
・自己評価チェックリストの分析から教師の授業力の課題を把握
・児童生徒、教職員、保護者の思いや願い
・全国学力学習状況調査等
共通の目標の設定
○ 「どのような児童生徒を育てたいのか」学校の教育目標と関連させて設定する。
・育てたい資質や能力などを基に、学校として目指す授業を明確にする。
○ 現状分析から目標を具体化・重点化させて設定する。
・教師の授業力の課題を基に、学校としての授業力向上の目標を具体化する。
具体的な目標の設定
○ 授業改善や授業力向上のために、1学期の目標や1年間の目標を具体的に設定する。
○ 共通の目標を基に、授業改善のポイントを明確にする。
教育計画の策定
○ 設定した目標の達成を目指して、具体的な計画や方策を立てる。
・教育課程の編成、全体計画、指導計画、研修計画、教科経営案等
・校務分掌、校内体制(研究推進委員会、研修グループ)
○ 共通の授業評価の視点を定め、評価計画を作成する。
○ 校長のリーダーシップの下、全教職員が共通理解し、具体的な行動の見通しをもつ。
- 14 -
(2) 授業評価推進のためのPDCAサイクル
共通の教育目標と教育計画にしたがい、各教師が授業評価を取り入れた授業改善を実践
していくためには、学校のPDCAサイクルと各教師のPDCAサイクルの関連が重要と
なる。
次の図で示すように、研究推進委員会(授業評価システム委員会)が中心となり、各教
師の実践と関連づけながら、資料提供、研修の実施、評価、改善案の策定などを計画的に
実施することで、全校的な取組が推進される。
また、各教師は、成果や課題、授業改善のポイントや評価の視点が妥当なものであるの
かを検証し、研究推進委員会に情報提供することが必要である。
サポート
・研究推進委員会
各教師
(授業評価システム委員会)
情報提供
計画(Plan)
・研究主題の設定、目指す授業の明確化
課題の明確化、授業実践&授業改善
(毎時間、単元ごと等、必要に応じ授業評価)
・授業評価を取り入れた研修計画の立案
・各教師の目標に対するアドバイス
・研修グループの編成
計画(Plan)
実行(Do)
・評価カードの様式や評価の視点の例示
改善(Action)
実行(Do)
・多面的な評価資料の提供
・研修グループを中心とした研修
評価(Check)
・各教師の授業評価への協力(集計等)
評価(Check)
( →P4,5,19 )
・教師、児童生徒等による全校的な評価と
その集計・分析
・研修グループを中心とする研修の振り返
りとその結果のまとめ
・
改善(Action)
・授業評価活動の改善案の提示
・研修内容や研修システム等の改善
・教育目標・教育課程・研修計画の改善
- 15 -
2 研究推進委員会(授業評価システム委員会)と研修グループ
(1) 研究推進委員会と研修グループの役割
各教師の授業改善や授業力向上をサポートするために、研究推進
委員会や研修グループを中心とした取組が重要となります。
研究推進委員会(授業評価システム委員会)の役割は、学校とし
ての研修全般について企画・運営するとともに、各先生方の研修実
践をサポートすることです。また、実際の運営に当たっては、研修
グループを編成し、相互に検討・協議し合い、深め合うとよいでし
ょう。
研究推進委員会や研修グループが中心となって、授業研究や
校内研修会等で、各先生の課題に基づいた実践をサポートし、
研修し合うことが大切です。また、逆に各先生や研修グループ
からの情報を基に、校内の研修のもち方の検討や見直しを行う
ことも必要です。
(2) 授業評価を生かした研修体制と個人との関連
多面的な授業評価をもとに授業改善に取り組む授業者と、研修グループや研究推進委
員会との関連を次のように表すことができる。
【研修グループ】
・相互評価の実施と考察
・自己評価や相互評価の
集計や分析
・児童生徒評価の集計や
分析
評価方法の提案
研修のもち方等
サポート
の提案
【授業者】自己評価
多面的な評価結果
や各種テスト、学習
者の作品など、多様
な評価資料を基に、
自己評価し、授業改
善を図る。
【研究推進委員会(授業評価システム委員会)】
・ 授業改善システム、評価シートの様式等の提案
・ 各種評価資料の集計や分析
・ 各教師、研修グループの実践状況の把握および改善
評価情報
【児童生徒】
評価情報
【保護者】
評価情報
【学校関係者】
評価情報
【授業アドバイザー】
※ 授業アドバイザー
研究授業等をする際の、特定分
野や教科等に詳しい助言者(教育
委員会指導主事、退職教員、近隣
校の詳しい先生等) … P60 参照
研修グループ
※ 自己評価や相互評価の集計、児童生徒評価の集計等をする際、コンピュータで表計算ソフトを利用
での話し合い
すると効率的に処理することができます。添付のCDに、表計算ソフトを利用したアンケート処理の
方法についてまとめていますので、参考にしてください。
全校体制でPDC
Aに臨むとき、しっ
かりとした体制を校
- 16 内に設置し
3 研修グループを中心とした研修活動と個人への支援
各先生が課題を明らかにし実践していく上で、研修に関する組
織的な取組が必要となります。学校の規模や実態に応じて、研修
グループを組織し、そのグループが中心になって相互に学び合い
高め合うことで、効果的に研修を進めることができます。
(1) 研修グループの組織化
各学校の教育目標、研修計画に応じて、次のような研修グループを組織する。
【個人の課題を基にグループ化】
【学校の組織を基にグループ化】
個人の課題を中心に
学年を中心に
教科を中心に
児童生徒理解力
む
教材解釈力
1年
国語・社会・…
2年
数学・理科・…
授業構成力
3年
音楽・美術・…
(2) 研修グループを中心とした研修活動の推進
授業改善や授業力向上のための研修は、研究授業の際に行われるだけではなく、次の
ように、研修グループが中心となって機会をとらえて研修していくことが大切である。
【個人の目標と実践計画の検討】
○ 自分の目標と実践計画の相互検討
・ 実践上無理がないか、よりよくするために工夫する点は何か、など
○ 研究授業の計画、協力体制などについて
・ 研究授業の日時の調整、学習指導案等の事前協議のもち方の検討
・ 授業評価を生かした指導について(学習指導案の書き方、評価の位置付けなど)
・ 協力体制の検討(児童生徒や教師からの評価処理など)
【研究授業での取組】
○ 授業公開まで
・ 学習指導案の審議(指導のねらいや評価の視点等の明確化、指導の手立ての改善)
・ 評価項目の検討(参観者の評価、児童生徒の評価など)
○ 授業公開時
・ 授業の記録と研究協議のもち方の工夫
・ 参観者の評価、児童生徒の評価などの集計処理、分析
・ 授業を通して明らかになった課題の明確化、改善策の立案
・
・ 当日の協力体制)
- 17 -
【実践を振り返る場面】
○ 各自の振り返りを基に協議する。
・ 各自で実践を基に振り返り、それを相互に発表し合い、検討する。
・ 共通して取り組むべき課題や改善策等を話し合う。
○ グループの協議を全校に反映する。
・ グループでの話し合いを基に、全校体制で取り組むべき課題を明確化する。
・ 改善に向けた具体的な取組を検討する。
(3) 授業改善や授業力向上に生かすために
・
・ 当日の協力体制)
望ましいPDCAサイクルとは、個から全体へ広がり、個へ返るものである。
望ましいPDCAサイクルとは、評価をいかに効果的に生か
すかにつきます。それは、評価のための評価でなく、個に効果
的に返る評価にするということです。評価に振り回されないよ
うに、評価の視点を明確にし、自分だけでなく、研修グループ
等を中心に、検討したり実践を評価し合ったりすることが大切
です。
全校体制でPDCAサイクルに臨むとき、しっかりとした体制を
校内に設置していなければなりません。個の授業力を高めるための
研修グループが有効に働くよう、年度初めから計画的に行うことが
大切です。
また、単に実践するだけでなく、研修グループを中心とした話し
合いによって、「自分はどうすればよいか」と具体的に日々の授業
を改善していくことが、授業力向上につながります。
- 18 -
4 各教師のPDCAサイクル
それぞれの先生が取り組むべき課題を明確にし、研修計画を立
て、実践し、授業評価をはじめとする評価資料を基に単元終了時や
年度末に振り返り、改善していくといったPDCAサイクルが授業
改善及び授業力の向上につながります。
実践するに当たっては、各学校で協力し合って、授業研究を公開
したり、実践したことを基に話し合ったりすることで、互いに研修
し合うことが大切です。
(1) 各教師のPDCAサイクルの流れ(年間(学期、単元)で行うPDCAサイクル)
評価シート 1,2
計画(Plan)
・学校の教育目標、授業力の分析等から
「自分の課題」の明確化
・授業評価を取り入れた実践計画の立案
改善(Action)
実行(Do)
・授業の実施(1時間のPDCAサ
評価を基に、改善への方策の検討
イクル)
・授業評価を取り入れた授業研究
評価(Check)
評価シート 3~8
・多面的な評価資料の活用
児童生徒や授業参観者等のアンケート
同僚や管理職、授業アドバイザー等の評価
・多様な学習評価資料の活用
ノートやワークシート、児童生徒の作品、児童生徒の学習態度等
(2) 単元のPDCAサイクルと1時間のPDCAサイクル
単元のPDCAサイクルは日々の取組(1時間のPDCAサイクル)が集まったもの
である。数単元のPDCAサイクルを総合したものが、年間のPDCAサイクルであ
る。
計
画
・
P
実
行
・
D
1
時
間
の
P
D
C
A
1
時
間
の
P
D
C
A
1
時
間
の
P
D
C
A
・・・・
- 19 -
1
時
間
の
P
D
C
A
1
時
間
の
P
D
C
A
評
価
・
C
改
善
・
A
5 個人及び校内サポート体制のPDCAサイクルの例(学期末に振り返る場合)
個人及び全校の1年間のPDCAサイクルとして、次のような例が考えられる。これは
1学期末に振り返り、それを基に改善し、2学期末に振り返り次年度につなげる例である。
月
個
人
校内サポート体制
【Plan】
【Plan】
4月
・ 学校の教育計画の立案
・ 現状分析
自己評価の実施
自己評価シート
・ 各自の課題の把握
・ 研修計画の立案
・ 個人の目標の設定と実践計画の立案
・ 研修グループの組織
(学校種・規模に応じ、学年、関連教科等
を配慮して組織する。個人の計画を基に
グループ化してもよい)
個人の研修計画
各研修グループ 等
・ 個人の実践計画
個人の目標を設定するとともに実践計画を ・ 個人の実践計画
個人の目標や実践計画に対して、よりよい
立案し、研修グループ等で協議し、よりよい
ものとなるようにアドバイスする。
目標や実践計画にする。
5月
【Do】
【Do】
○ 学年学期を通して継続的に評価・改善
○ 個人の授業実践をサポートする。
○ 1単元・1時間に焦点を当て、評価・改善
(研修グループを中心に授業研究をサポート)
(授業評価を生かした授業研究を)
【授業評価を生かした授業実践】
個人の授業実践&授業改善
(毎時間、単元ごと、必要に応じ授業評価)
個
人
の
実
践
計画(Plan)
を
支
援
6月
改善(Action)
実行(Do)
・ 評価カードの様式や視点の例示
・ 多面的な評価資料の提供
【授業研究の際の協力、意見交換】
・ 授業研究の方法の提案、授業アド
バイザーの依頼等
・ 児童生徒や参観者等の評価の集計
評価(Check)
7月
や分析、研究協議での意見交換等
【Check】
【Check】
○ 1学期の振り返り
○ 1学期の振り返り(校内研修体制、研修グル
ープを中心としたサポート体制について)
1学期の実践の振り返り
各研修グループ 等
個人の実践計画
個人の実践計画
・ 自分の取組を振り返るとともに、研修グル ・ 個人の取組に対して、よりよいものとなる
ープからの意見を参考に、見直す。
ようにアドバイスする。
- 20 -
8月
【Action】【Plan】
【Action】【Plan】
・ 個人の振り返り、研修グループ等での話し ・ 校内研修体制、各研修グループの取組等に
9月
合いを基に、2学期からの実践に向けて、実
ついて見直し、2学期からの研修計画に改善
践計画に改善を加える。
を加える。
【Do】
【Do】
○ 授業実践(授業研究)
○ 改善された計画のもと、個人の授業実践を
サポートする。(研修グループを中心に授業
個人の授業実践&授業改善
研究をサポート)
(毎時間、単元ごと、必要に応じ授業評価)
10 月
計画(Plan)
11 月
改善(Action)
個
人
の
実
践
実行(Do)
を
支
援
評価(Check)
【Check】【Action】【Plan】
【授業評価を生かした授業実践】
・ 評価カードや評価資料の提供
【授業研究の際の協力、意見交換】
・ 児童生徒や参観者等の評価の集計
や分析、研究協議での意見交換等
【Check】
12 月 ○ 2学期を振り返り、3学期への取組に備え ○ 2学期の振り返り(1学期の反省を生かし
る。
たサポート体制について)
2学期の実践の振り返り
各研修グループ 等
実践計画の改善
個人の実践計画
【Do】
1月
【Action・Plan・Do・Check】
○ 授業実践(授業研究)
・ 個人の授業実践へのサポートは継続し、次
年度の実践につなげる。
個人の授業実践&授業改善
(毎時間、単元ごと、必要に応じ授業評価)
計画(Plan)
2月
改善(Action)
3月
実行(Do)
評価(Check)
【Check】【Action】
【Action】
○ 1年間を振り返り、次年度に向けての課題 ・ 全校、各研修グループ等の取組等について、
や改善策について検討する。
次年度に向けて改善点を整理し、研修計画の
素案を作成する。
- 21 -
6 具体的実践事例
(1) 「自分の課題」の明確化と実践計画の立案(具体例Ⅰ)
教師の授業力を向上させ、授業を改善するための第一歩は、
現状を知り、「自分の課題」を明らかにすることです。「自分
の課題」が明確になれば、これからすべきことや進む方向もは
っきりと見えてくるでしょう。
まず、授業実践を振り返ってみます。自分の授業力を把握し、その問題
点をつかむことが大切です。このとき、様々な方法を用いたり、他の先生
方や児童生徒の意見なども参考にしたりすると、より客観的に振り返るこ
とができます。(自分の授業のよさも見つけられると自信につながりますね。)
「自分の課題」が明確になったら、その課題解決のための目標や計画を
立てましょう。
ア 「自分の課題」の明確化と実践計画立案までの流れ(3月~4月)
自分の授業に関する様々な評価資料の集積
教師自身
児童生徒
保護者
他の教師等
・自己評価チェックリスト
・アンケート
・アンケート
・授業研究での意見
・授業記録、週案、…
・成果物、…
・懇談会、…
・教員間の意見、…
授業力についての自己評価・分析 ⇒ 自分の課題
新しい学級の実態
学校の教育目標、研究主題
授業力向上の目標
授業力向上のための
個人目標の設定シート
研修グループ
での話し合い
目標達成の手立て
イ 授業力を把握する方法
自分の授業力を把握する方法は、いろいろある。複数の方法を活用して、様々な視点で
自分を振り返ることが大切である。自分の授業に関する様々な資料をファイルなどに保存
しておくと、根拠がはっきりとした自己評価をすることができる。
- 22 -
○ 自己評価チェックリストの活用((ウ) 参照)
授業力を構成する要素に関するチェック項目をまとめたシートで把握する。
○ 授業研究の際の記録や意見の活用
授業研究の際の授業記録、研究協議記録、ビデオ、授業参観者による評価シート
などを基に把握する。
○ 週案の活用
自分の週案に反省を書き加えておき、それを基に把握する。
○ 児童生徒の成果物等の活用
児童生徒のテストやレポート、作品やノート、学習カード、個人カルテなどから
把握する。
○ アンケートの活用
児童生徒や保護者に、授業後の感想を書いてもらったり、アンケートに答えても
らったりしたものから把握する。
ウ 自己評価チェックリストを活用した「自分の目標」の設定例
視
使命感
児童
生徒
理解
教材
解釈
授業
構成
授業
実践
シート1
自己評価チェックリスト
点
自己診断
1
授業改善のために、教材研究に努めたり、指導技術の向上に努めたりしている。
④ 3 2 1
2
意欲的に授業公開や研究協議の成果を生かしている。
④ 3 2 1
3
学習にふさわしい環境づくりや言語環境の適正化に努めている。
4 3 ② 1
4
ノートやワークシートには、コメントやアンダーライン等の意思表示をして返却している。
4 ③ 2 1
5
一人一人の学習意欲や学習の達成状況を把握している。
4 ③ 2 1
6
つまずきの傾向や原因を分析し、具体的な対策を講じている。
4 ③ 2 1
7
一人一人の思考スタイルや性格の特徴を理解し、整理している。
4 ③ 2 1
8
一人一人の学習状況の記録を収集・整理している。
4 ③ 2 1
9
単元や一単位時間の目標について、分析をしっかりしている。
4 ③ 2 1
10
単元や一単位時間の目標達成にふさわしい教材を選択したり開発したりしている。
④ 3 2 1
11
教材研究をしっかり行い、使用する教材について深く理解し、専門的知識をもっている。
4 3 ② 1
12
学習目標を達成するためにふさわしい教具を準備して授業に臨んでいる。
4 ③ 2 1
13
単元目標や本時の目標を明確にし、児童生徒の反応を予想しながら展開を組み立てている。
4 ③ 2 1
14
体験的な学習や問題解決的な学習を積極的に取り入れている。
4 ③ 2 1
15
一斉学習やグループ学習、個別学習など、学習形態の適切な組み合わせを行っている。
4 ③ 2 1
16
練り合い高め合う場を設けている。
4 3 ② 1
17
一人一人の学習意欲や達成状況に応じて、臨機応変に適切な対応をしている。
②となった項目は3 ④ 3 2 1
18
理解や思考に役立つように、構造的な板書を行っている。
つあるが、「16」を今
4 ③ 2 1
19
思考を促したり、焦点化したりするような発問ができている。
年の重点目標とした。
4 ③ 2 1
20
的確な指示や分かりやすい説明を行っている。
4 ③ 2 1
21
授業中の私語など、授業の妨げになる行為には、毅然とした態度で指導している。
④ 3 2 1
22
学習活動とリンクした掲示を行い、学習意欲を高めるような教室環境にしている。
4 ③ 2 1
(4…そう思う。 3…ややそう思う。 2…あまり思わない。 1…思わない。)
- 23 -
【自己評価チェックリスト】
【自分の授業の課題】
【学校の教育目標】
ともに よりよく 生き
【先生方の意見】
・ 学習環境づくり
・ グループでの話し合
・ 教材に関する専門的知識
ぬく生徒の育成
【授業改善のポイント】
いが表面的
・ コミュニケーション
・ 練り合い高め合う場の充実
能力の育成必要
表現の場の設定、…
【研修グループ】
焦点化
【新しい学級の実態】
お互いの課題や目標に
・ 明るく元気
・ 自分の考えをうま
く表現できない
○
ついて検討し合う。
自分の目標
思考し、表現する力を育てるために、
練り合い高め合
練り合い高め合う場の充実を図る。
う場の充実
エ 課題解決のための実践計画の立案例
「自分の目標」を設定したら、その目標を達成するため
の方法を具体的に考えていく。
平成20年度 授業力向上のための目標と実践計画
学校の教育目標
シート2
授業力向上のための個人目標設定シート
氏名(
)
ともに よりよく 生きぬく子の育成
授業改善のポイント 表現の場の充実 、思考場面の充実、知識・技能の活用場面の充実
(自分の課題)
・ 学習環境づくり
・ 教材に関する専門的知識
・ 練り合い高め合う場の充実
個人の授業力向上
目標
思考し、表現する力を育てるために、練り合い高め合う場の充実を図る。
目標達成のための 【日常的な取組】
手立て
○ 授業の中で、班で話し合いをする場を設定し、自分の考えを発表するとともに
他の人の意見を聞き、一緒に考えることができるようにする。
○ 1単元に最低1回は、児童のアンケート(評価)をとり、児童の授業への取組
や理解の様子などを評価するとともに、自分の授業改善に役立てる。
【研究授業、研修グループとの関連】
○ 算数部でグループ研究を行う。普段の授業実践の反省を週案に記録していく。
○ 実践内容 算数・1学期の実践についての情報交換(夏休み)
授業公開「体積」(11月)、 実践のまとめの報告(2月)
○ 研究授業時に、練り合い高め合いに関する評価の視点を中心に意見を集める。
○ 授業後の児童のアンケートやノートから、児童の状況をつかむ。
※ 計画を立てたら、無理なくできるかを検討しましょう。計画をだれかに見てもらうことも有効です。
- 24 -
(2) 個人が取り組むPDCAサイクルの例(具体例Ⅱ)
ここでは、1単元(題材)におけるPDCAサイクルの実
践例を紹介します。
【教
科】 美術科
【対象学年】 第1学年
【題
材】 「自然物による平面色彩構成」
(デザインや工芸など)
ア 計画(Plan)
○
授業力向上の目標
自分の思いを大切にし、最後まであきらめず追究させるために、個に応じた指導
の充実を図る。
○ 目標達成のための手立て
・ 学習過程に見通しをもたせ、個々の取り組むべき内容や課題を明確にさせる。
・ ワークシートなどを活用し,段階的な理解を図るとともに、多面的な評価活動
を行い、生徒の情報をつかみ授業改善に役立てる。
・ アンケートの内容や実施時期を工夫し、授業改善に生かす。
【授業評価の位置付け】
学 習 内 容
1
評 価 活 動
6
・ ワークシートやスケッチ等を通
して、学習活動を把握する。
自然物をスケッチしよう。
・ 1~6の学習を振り返って、
デザイン化をしよう。
「アンケートA」を実施する。
レイアウトを考えよう。(構成美の要素)
(学習内容、授業の進め方、生徒
色の基本を学ぼう。②
自身の取組の視点で実施)
配色計画を立てよう。
《アンケートA》
7
下描きをしよう。
2
3
4
5
8
9
10
色の基本を学ぼう。①
・ ワークシートやスケッチ等を通
して、個別指導を行う。
着彩順序を決め、色作りをしよう。
・ 1~10 の学習を振り返って、
計画に沿って着彩しよう。
「アンケートB」を実施する。
完成作品を鑑賞しよう。 《アンケートB》
※ ペーパーテストによる評価(知識・理解等に関する定着度を測る)を定期考査時に実施
《アンケートA》
1「自然物による平面色彩構成」の授業について
※【学習内容や指導方法に関すること】
1
「色の三要素」(色相・明度・彩度)を理解することができた。
4 3 2 1
2
「色の感情や機能」(寒暖・軽重など)を理解することができた。
4 3 2 1
3
「構成美の要素」を理解することができた。
4 3 2 1
- 25 -
7
コンピュータを使っての配色練習は、役に立った。
4 3 2 1
8
「変化と統一」を意識して、配色計画を立てることができた。
4 3 2 1
2 これまでの「美術」の授業について
1
2
3
4
5
6
7
※【教師の授業の進め方・姿勢に関すること】
授業の説明や制作方法は、よく分かる。
迷っていることがあれば、いつでも先生に質問できる雰囲気である。
分かりやすく楽しい授業になるよう、いろいろ工夫している。
先生は、理解するまで教えてくれる。
先生の声の大きさや話す速さは、ちょうどよい。
授業は楽しい。
「美術」の授業が自分の生活や将来に役立つと思う。
3 自分の学習活動を振り返って
1
2
3
4
5
6
7
4
4
4
4
4
4
4
3
3
3
3
3
3
3
2
2
2
2
2
2
2
1
1
1
1
1
1
1
※【生徒自身の取組に関すること】
先生の説明を、しっかり聞くことができている。
今、何をしたらよいのかを理解して、制作に取り組めている。
集中して、制作に取り組むことができている。
自分にとって、最高の作品をつくろうと心がけている。
分からないことや迷っていることは、質問するなどして解決しようとしてい
る。
課題や準備物を忘れずに用意できている。
自分に「美術」の力がついてきていると思う。
4
4
4
4
3
3
3
3
2
2
2
2
1
1
1
1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 授業についての感想や意見
《アンケートB》
1 『自然物による平面色彩構成』の授業について
1
2
3
「下描き三原則」を理解し、制作に生かすことができた。
筆を正しく使い、美しく・ムラなく・ていねいに色を塗ることができ
た。
鑑賞会では、進んで作品を鑑賞し、よさを発見することができた。
(以下、後半の学習内容について振り返る項目)
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
2~4 アンケートAと同じ項目で実施
イ 実行(Do)
・ 指導と評価の計画に沿って、自らが定めた「授業力向上の目標と目標達成のための
手立て」を意識して、授業実践に努める。
完成作品をイメージさせ、見通しをもたせて制作できるように指導する。
ワークシートを活用して理解を図るとともに、個別指導に生かす。
・ 個別指導においては、ワークシートや制作途中の作品を通して、生徒の理解度やつ
まずきを把握するとともに、即時対応(補足や深化・変更)すべき内容については、
個もしくは全体に指導しながら進めていく。
- 26 -
ウ 評価(Check)
【アンケートについて】
○ 実施について
・ 追跡調査や継続的な個別指導に生かすため、原則的に記名調査とする。
・ アンケート結果のデータは、コンピュータの表計算ソフトで処理しグラフ化する。
○ 評価結果から
・ 理解不十分と感じている生徒を把握し、指導方法の有効性を確認する。
・ 教師の授業の進め方や姿勢について、生徒がどのようにとらえているか把握する。
・ 生徒自身の授業に取り組む姿勢や意欲について把握する。
【研修グループ等との協力】
・ アンケートの集計や分析等を協力して行う。
・ 研究授業について、学習形態や展開などの指導方法について協議する。
エ 改善(Action)
・ 理解不十分な内容について、全体で再度確認したり、実際の制作の中で個別指導し
たりすることにより、徹底を図る。
・ 生徒の授業に対する評価を基に、授業の進め方を見直し、生徒が主体的に取り組む
学習環境を整える。
・ アンケートAの結果を基に授業改善を図り、それがどの程度有効であったか、アン
ケートBの結果から確認する。
・ 完成作品の評価やアンケートBの結果、また、テスト結果などから、次の題材の指
導方法について検討し、次年度の学習指導計画を立案する際の課題を明確にする。
※ 事前調査を実施し、その結果を学習指導に生かしたり、個別指導の充実に生かした
りすると、よりよい授業展開につながる。
オ 個人の取組を全校で共有
個人の振り返り
学期末や学年末に
右のような振り返り
シートを基に、それ
までの実践を振り返
る。
研修グループでの振り返り
【振り返りシート】
( 美術
○○ ○○ )
目 標
・最後まであきらめず追究
・個に応じた指導の充実
成 果
・ねらいを明確に授業をした結果、粘り強く集中して取り組めた。
・単元途中でアンケートをし、生徒の声を後半の授業に生かせた。
課 題
・集中させようとするあまり、質問しやすい雰囲気作りができなかっ
た。意見を出す場と集中する場を区別して、授業展開する。
・制作の時間が十分取れなかった。知識理解に関する指導の部分を焦
点化し、納得のいく作品作りに努めさせたい。
改善案
・事前調査をして、授業展開を工夫すると更によくなると思う。
各自の取組を相互に話し合い、他教員の取組から自分を振り返る。
校内研修会等で全校へ
各研修グループの話し合いから、課題を共有化し、改善に
生かす。
- 27 -
第4章 どのように授業評価を活用すればよいのでしょう?
この章では、評価シートの基本的な使い方を紹
介するとともに、教科の特性に合った使い方を実
践例として示しています。
評価シートに表れたデータのまとめ方(添付の
CDを参照)やその考察、そして活用の仕方につ
いてまとめてみました。
1 評価情報を収集する方法
多面的な授業評価を、評価者と評価対象との関係でまとめたものが表2である。自己評価
を確かなものにするためには、多様な評価情報を基にすることが求められる。
【 表2 授業評価の評価者と対象 】
評価対象
評価者
授業者
学習者
授業者
学習集団
(児童生徒)
【授業者による自己評価】
【学習活動の評価】
【学習活動の評価】
・児童生徒理解
・到達度
・到達度
・教材解釈
・学習意欲
・学習意欲
・授業構想
・学習態度
・学習習慣
・授業実践
評価シート3
学習者
(児童生徒)
・協力や高め合い
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
【学習者による授業アンケート】
【学習者による自己評価】
【学習活動の相互評価】
・教材の分かりやすさ
・自分の到達度
・友達のよさ
・説明の分かりやすさ
・自分の学習意欲
・友達からの学び
・学習への満足度
評価シート4~6
Ⅳ
評価シート4~6
Ⅴ
評価シート4~7
【参観者の評価】
【学習活動の評価】
【学習活動の評価】
・児童生徒理解
・到達度
・到達度
(校内の教職員)
・教材解釈
・学習意欲
・学習意欲
(保護者)
・授業構想
・学習態度
・学習態度
(授業アドバイザー)
・授業実践
参観者
評価シート3、8
Ⅶ
Ⅷ
- 28 -
Ⅵ
Ⅸ
本章では、評価結果をどのように活用するのか、次のとおり実践例に沿って紹介したい。
【 表3 多面的な授業評価の実践例一覧 】
多面的な授業評価の実践例
活用する評価シート
ページ
Ⅰ~Ⅸ
授業者による自己評価
評価シート3
67
Ⅰ
教師による相互評価
評価シート3
67
Ⅶ
学習者(児童生徒)による自己評価
評価シート5,6
69,70
Ⅴ
学習活動の相互評価
評価シート7
71
Ⅵ
学習者(児童生徒)による授業アンケート
評価シート4,5,6
68,69,70
Ⅳ
保護者による授業アンケート
評価シート8
72
Ⅶ
参観者(学校関係者)による授業評価
実践校自作シート
(46)
Ⅶ
2 評価シート活用の目的
授業の目的に応じた視点をもって授業評価を行い、
授業評価が目的ではない
よさや課題を分析しよう。
評価結果を活用して授業改善を行い、授業力
アップを目指そう。
授業評価を活用しよう
3 評価シート活用のポイント
学校(自分)バージョンを作ろう!
学校(学年や学級)や児童生徒の実態に合ったものに作り替えて使おう。
項目を選択しよう!
必ず全部の項目を評価するのではなく、必要なものを選んで使おう。
教科の特性に応じて項目を差し替えよう!
万能な評価シートはないので、学習に合う項目を入れよう。
あれもこれもは難しい!
まず改善したい教科に限定して活用することから使い始めよう。
授業研究会で活用しよう!
研究授業を共通した視点から評価し、研究協議で活用しよう。
使う時期を考えよう!
単元終了後や月末、学期末など使い方を工夫しよう。毎時間使う必要はない。
定期的に使って比較しよう!
授業力や児童生徒の変容を確かめるために活用しよう。
- 29 -
授業者による自己評価(表2-Ⅰ)
日々の授業改善のために
シート3(P67)を使って振り返ってみましょ
う。付属のCDの中に、評価質問例がありますか
ら、それを参考にして作成してもよいでしょう。
シート3 授業評価シート
(4・・・そう思う。3・・・ややそう思う。2・・・あまり思わない。1・・・思わない。)
視
点
評 価
メ モ
1
児童生徒の学習状況を把握
4 3 2 1
し、適切に対応している。
2
目標を達成するために、教材
や教具が適切に使用されてい 4 3 2 1
る。
3
目標が明確になっており、学
習形態や展開を工夫してい 4 3 2 1
る。
日々の
授業実践
授業者の
自己評価
授業改善
案の作成
よりよい
授業実践
【 授業者による自己評価 】
自己評価を行いながら授業者自らが授業改善していくための評価シートである。
評価結果から授業の改善に何が必要か方向性を見いだすことができる。また、評価結果
を他の授業評価(児童生徒による授業アンケート、参観者からの授業評価等)と照らし合
わせて自分の評価の客観性を高めることもできる。
自己評価だけにたよると、
評価の客観性が保てません。
多面的な授業評価を生かして
授業改善を図るためには、他
の評価情報と併せて活用しま
しょう。
評価資料を基に評価を
行い、評価が感覚的にな
らないようにしましょ
う。そのためには、評価
の視点を明確にしましょ
う。
- 30 -
学習環境を授業に
応じて変化させるこ
とができていないこ
とが分かりました。
実践例(中学校第2学年英語)
1 評価シート例
視
1
点
評 価
2 1
4 3 ○
学習環境が整えられている。
ねらいを達成するために、教材や教具が適切に、また効果的に
2
使用されている。
3
メ モ
ねらいが明確になっており、学習形態や展開を工夫している。
発問や説明が、生徒の理解や思考のために効果的に行われてい
い。
4 3 2 1
○
3
4 ○
2 1
英語科の重点目標である
「実践的コミュニケーション
能力の育成」を意識した授業
2 1
であるかという視点を入れま
した。
5
板書が構造的で、生徒の理解や思考のために効果的である。
3
4 ○
6
生徒の学習状況や学習進度を把握し、適切に対応している。
4 3 2 1
○
授業である。
「聞く」「話す」「書く」「読む」の 4 技能を生かしたバラン
8
スのとれた授業である。
4 3 2 1
○
2 1
4 3 ○
英語科特有の「聞く」「話す」
世界や日本の生活や文化に触れ、異文化理解を促す授業であ
9
る。
自由記述
ペア、グループと展開を工夫でき
た。
る。
実践的コミュニケーション能力を身に付けさせるために有効な
識していない。
普段使用しているものと変わらな
3 2 1
4 ○
4
7
掲示内容は学習内容をほとんど意
4
「書く」「読む」の4技能がバラ
ンスよく含まれた授業であるかと
いう視点を入れました。
3 2 1
○
悩んでいる生徒の発言を待ってや
ることができた。
実際に使える表現の定着を行うこ
4技能をバランス
よく育てる工夫が必
「聞く」「話す」中心の授業であ
要だと分かりまし
た。
った。
とができた。
英語による「道案内」が独特の表
現であった。
「道案内」という内容であったため、ALTに話しかけたり、質問させたりする活動を取り入れ、実際に役立つ
表現の習得ができたように思う。その背景には、実践的コミュニケーション能力の育成のために、実際の生活で
起こりうる場面を効果的に取り入れた場面設定が功を奏したように感じた。
自分はこのように工夫し、意識して授業を行ったが、生徒の反応はどうだ
ったかなどを書きましょう。また、授業中の生徒の「反応」や自分の「ひら
めき」が功を奏したことなどがあればメモをしておくといいでしょう。
2 授業評価の生かし方
技能をバランスよく生
かすことができるように
ALTと協議できるよう
になった。
学習内容と関連のある
個々の情報を掲示物に取
り入れることができるよ
うに授業改善ができた。
- 31 -
教師による相互評価(表2-Ⅶ)
授業改善に同僚の意見を生かすために
シート3(P67)を使って、研究授業等に参
加した同僚で評価をし、授業改善に生かしま
しょう。
シート3 授業評価シート
(4・・・そう思う。 3・・・ややそう思う。 2・・・あまり思わない。 1・・・思わない。)
視
点
評 価
1
児童生徒の学習状況を把握し、適
切に対応している。
4 3 2 1
2
目標を達成するために、教材や教
具が適切に使用されている。
4 3 2 1
3
目標が明確になっており、学習形
態や展開を工夫している。
4 3 2 1
視点の中に授業研
究の視点や授業者が
希望する視点などを
入れておくと、研究
協議での話し合いの
焦点を絞ることがで
きます。
メ モ
研究授業では、参観者同士
が同じ視点で評価することが
できます。
同僚の評価と自分の評価を
比べることによって、より具
体的に授業改善に生かすこと
ができます。
実践的な活動が主体となる場合、次のような項目を入れるとよいでしょう。
○ 身に付けさせる基礎的な技能を明確にしている。
○ 活動ができやすい場の設定ができている。
○ 安全に対する配慮ができている。
○ 一人一人の見取りを的確にする手立てができている。
- 32 -
実践例(小学校第6学年家庭科)
6年生の家庭科「楽しい食事をくふうしよう~1食分の食
事について考えよう~」の授業について、参観者同士で相互
評価した例について紹介します。この授業では、学級担任と
栄養教諭とでTTを組んで指導しており、その連携の在り方
についても評価しています。
1 評価シート例
視
点
評
価
メ
モ
1
児童生徒の学習状況を把握し、適切に対応している。
2
目標を達成するために、教材や教具、資料が適切に使
3
目標が明確になっており、学習形態や展開を工夫して
④ 3 2 1
いる。
4
発問や説明が、児童生徒の理解や思考のために効果的
ぶ活動を行っている。
資料等の提示が児童にとって適切である
か、客観的に評価することができた。
4 3 2 1
5
板書が構造的で、児童生徒の理解や思考のために効果
6
学習環境が整えられている。
4 ③ 2 1
7
栄養教諭との連携が効果的に行われている。
④ 3 2 1
用されている。
に行われている。
的である。
視 点
児童生徒の学習状況を把握
④ 3 2 1
4 3 ② 1
休みの日の食事の記録から課題を設定している。
1食分の献立の栄養、バランスがとれているかグラフ
を使って、視覚的に理解できるようにしている。
グループで自分の考えを出し合い、最もよいものを選
児童の考えを書いたシートが見えにくいところがあっ
た。
栄養教諭が専門的な立場からよりよい食事になってい
るか判定したのがよかった。
授業者が希望する評価の視点として、栄養教
諭との連携について評価できるようにした。
2 授業評価の生かし方
1
4 ③ 2 1
授業者の自己評価と同僚による
2 教材や教具の適切な使用
相互評価のずれの原因を考える
3 学習形態や展開を工夫
と、黒板にはった児童のシートが
4 発問の工夫
どこからでも見えるか確認してい
板書の工夫
5なかったことが分かりました。
そこで、教育機器(OHC)を
学習環境
6活用し、はっきり見える工夫を行
栄養教諭との連携
7いました。
授業者の自己評価
参観した同僚の評価
4 ③ 2 1
4 ③ 2 1
4 ③ 2 1
④ 3 2 1
4 ③ 2 1
④ 3 2 1
4 ③ 2 1
4 ③ 2 1
4
○
3 2 1
4 3
2
○
1
4 3 ② 1
4 ③ 2 1
④ 3 2 1
④ 3 2 1
自己評価と相互評価のずれを見付けるだけが目的で
はありません。注目して見てほしかった「栄養教諭と
の連携」について、効果的であったことも確認できま
した。
相互評価を評価情報の一つとして自己評価に生かし
ていくことの大切さを実感することができました。
- 33 -
学習者(児童)による自己評価(小学校編)(表2-Ⅴ)
児童生徒による授業評価
学習者による自己評価を授業改善に生かすために
評価シート5(P69)を使って、児童生徒の自
己評価を基に学習を振り返り、児童一人一人の学
習状況を把握しましょう。
シート5
小学校中・高学年用 授業アンケート
(4・・・そう思う。 3・・・ややそう思う。 2・・・あまり思わない。 1・・・思わない。)
1
友達の意見や先生の説明を、しっかりと聞くことができた。
4 3 2 1
2
学習に熱心に取り組むことができた。
4 3 2 1
3
宿題をきちんとやることができた。
4 3 2 1
児童の学習の振り返りを基にして、授業のねら
いの達成度や満足度を把握し、授業改善に役立て
ることができます。児童の振り返りを累積記録し
ておくことで学習評価に役立てることができま
す。
実践例(小学校第6学年理科)
1 評価シート例
1
今日の学習内容が理解できた。
4 3 2 1
2
友達の意見や先生の説明を、しっかりと聞くことができた。
4 3 2 1
教科の特性に応じた評
3
分からないことは、質問をするなどして解決しようとした。
価項目を設定しました。
4 3 2 1
4
友達と協力して観察・実験に取り組み、準備や片付けを分担してできた。
5
今日の学習で新しい発見や疑問があった。
6
水溶液の取り扱いに注意して、安全に実験できた。
本時、特に気を付けた
4 3 2 1
い内容項目を設定しまし
4 3 2 1
た。
授業についての感想や意見
・
・
・
・
4 3 2 1
なぜ蒸発しても、溶けているものは出てこないのだろう。
炭酸水の泡は何か調べたい。
薬品の使い方に気を付けることができた。
次の学習が楽しみだ。
- 34 -
児童の思いや願いを把
握することができまし
た。
2 授業評価の生かし方
56
学習の理解
意見や説明を聞く
問題解決力
23
18
24
31
9
35
24
40%
4
18
65
20%
1
27
37
45
2
30
50
安全な実験
0%
12
46
協力的態度
新しい発見や疑問
30
60%
80%
2
11
4
3
2
1
0
100%
評価結果の集計には、いろいろな方法があります。
たとえば帯グラフを使うと、評価結果を目で見て分かる
ようにすることができます。
評価が「1」「2」であった視点について、次の時間に
役立てていくことが、評価結果の生かし方の基本です。
友達の意見や先生の説
明をしっかり聞いていな
い児童が多いことから、
グループでの話し合いが
十分できていないことが
分かった。
既習事項の関連から実験方
法を話し合わせるなど、グル
ープ内の学習を重視するとと
もに、改善する。
多様な意見が出るような場
の設定を行う。
分からないことは、質問
するなどして解決した児童
が少ない。
実験方法を考えたり、結果
の予想を考えたりするとき
に、意見を出し合う場の保障
をする。
授業の最後に質問の時間を
とるようにする。
自由記述に書かれていた疑
問点などから、児童の興味・
関心が強い内容を把握し、次
時の授業を進めたい。
「なぜだろう?」「こん
なことを調べたい」など自
由記述に、次の学習への意
欲が書かれている。
- 35 -
学習者(生徒)による自己評価(中学校編)(表2-Ⅴ)
学習者の自己評価を授業改善に生かすために
シート6(P70)を使って、学習者が自己評価
したアンケートを授業改善に生かせるようにし
てみましょう。
シート6 中学校用 授業アンケート
(4・・・そう思う。3・・・ややそう思う。2・・・あまり思わない。1・・・思わない。)
Ⅱ 自分の学習活動を振り返って
1
今日(単元)の学習内容が理解できた。
4 3 2 1
2
分からないところは、質問するなどして解決しようとした。
4 3 2 1
3
○○○○ができるようになった。
4 3 2 1
4
先生や友達の話をしっかりと聞くことができた。
4 3 2 1
授業者の育てたかっ
た能力や態度を把握す
ることによって、指導
の成果が実感できま
す。この実感が授業改
善のエネルギーとなり
ます。
学習者のつまずきを確認
し、個別指導に役立てるこ
とができます。また、学習
者の意欲や到達度、成就感
などを授業者が理解し、授
業改善に役立てることがで
きます。
短時間で評価できるよう
簡潔な内容にし、視点の数
についても配慮しましょ
う。
視点は、教科の特性や
学習内容、単元内容等に
よって違いがあります。
改善したい内容に重点を
置くなど、使い方を工夫
しましょう。
視点は、単元目標や学校
の教育目標等との関連で追
加したり削除したりするこ
とができます。
- 36 -
実践例(中学校第1学年保健体育)
1 評価シート例
シート6 中学校用 授業アンケート
(4・・・そう思う。3・・・ややそう思う。2・・・あまり思わない。1・・・思わない。)
Ⅱ 自分の学習活動を振り返って
視
点
評
関心・意欲面を視
1 運動の楽しさや喜びを味わうことができた。
価
4 3 2 1
点としました。
2 課題解決のために積極的に取り組んだ。
4 3 2 1
3 自分(やチーム)の能力に応じた課題を設定することができた。
4 3 2 1
技能の内容には、できたこと
4 技能を身に付けたり、高めたりすることができた。
や分かったこと等の結果的な内
4 3 2 1
5 新しい発見や新たな知識を得ることができた。
容を視点としました。
4 3 2 1
6 友人やチームと協力して活動できた。
7 ルールや勝敗に対して公正な態度がとれた。
8 けがなどの防止のため、安全に注意した。
9
4 3 2 1
態度の内容には、教科の特性か
4 3 2 1
ら視点を設定しました。
4 3 2 1
自分(やチーム)の設定した課題解決のために、練習や学び
方を工夫できた。
学び方の内容には、学習のプロ
10 技術的なポイントを意識して活動できた。
4 3 2 1
セスを中心に視点を設定しまし
11 次の課題を見つけることができた。
た。
4 3 2 1
Ⅲ 授業についての感想や意見
次の授業ではこうしたい。こうすると、もっとよい授業になると思う…など。
自由記述
○ なかなか高く跳ぶということができない。いい方法はないだろうか?
2 授業評価の生かし方
自由記述に、技能面の内容が多
く書かれていました。特に、「前
へ跳ぶことを考えると、どうして
も高く跳べない。」という生徒が
多くいました。
そこで、次の授業では、高く跳
ぶイメージが持てるように、ゴム
や踏み切り板など補助具を考え、
課題別に取り組むことができるよ
うな場を設定しました。
本人はできたと評価し
ているが、教師にとって
はまだまだと思える生徒
がいました。
そこで、次の授業で
は、本人が課題に気付く
ことができるようにアド
バイスを行うようにし
て、指導の個別化を図る
ことができました。
- 37 -
学習者(生徒)による相互評価(表2-Ⅵ)
生徒が互いを高め合うために
シート7(P71)を参考にして、他者とのかかわりを
評価する相互評価シートを作ってみましょう。
相互評価で、友達のよさや友達からの学びが評価でき
ます。また、評価結果から授業改善点を見いだしたり、
一人一人の観点別評価に生かしたりすることもできま
す。
・ 一人の生徒が学級全員の友達を
評価することは難しい。
・ 1対1の相互評価だと、ペアの
選定が難しく、その評価結果を授
業改善に生かしにくい。
ペア学習やグループ、小集
団で活動する場面がある教科
で使える相互評価シートを紹
介します。
シート6 中学校用 授業アンケート
(4・・・そう思う。3・・・ややそう思う。2・・・あまり思わない。1・・・思わない。)
Ⅰ (
学習者による授業者の評価
)の授業について
Ⅱ 自分の学習活動を振り返って
学習者の自己評価
学習者の相互評価
Ⅲ グループの友達の学習のようすについて
1
グループの友達は、みんなと協力して○○○していた。
4 3 2 1
2
グループの友達は、○○○を正しく使っていた。
4 3 2 1
3
グループの友達は、お互いに意見を聞いたり話し合ったりして、学習をよりよいも
のにしていた。
Ⅳ 授業についての感想や意見
【自分のことや先生のことについて】
4 3 2 1
相互評価の自由記述欄
【今日の授業で、グループの友達のよかったところ】
友達のよさを評価したり、
友達からの学びを評価したり
できるように、教科で項目を
工夫して設けましょう。
学習者から見た授業者の評
価や、学習者の自己評価と合
わせた評価シートを作成しま
しょう。
- 38 -
実践例(中学校第2学年理科)
1 評価シート例
授業についてのアンケート
Ⅲ グループの友達の学習のようすについて
1
2
3
グループの友達は、みんなと協力して観察・実験に取り組み、準備や片づけを
4 3 2 1
分担して手伝っていた。
実験や観察を一緒に行
4 3 2 1
うグループの友達につい
グループの友達は、実験器具や薬品を正しく使っていた。
グループの友達は、お互いに意見を聞いたり話し合ったりして、学習をよりよ
いものにしていた。
て、①態度面②操作・安
4 3 2 1
全面③学習面の三つの視
点で相互評価を行う。
Ⅳ 授業についての感想や意見
【自分のことや先生のことについて】
【今日の授業で、グループの友達のよかったところ】
2 授業評価の生かし方
(表中、数字は%を示す)
視
点
4
3
2
1
1
グループの友達は、みんなと協力して観察・実験に取り組み、準備や
片づけを分担して手伝っていた。
72
24
4
0
2
グループの友達は、実験器具や薬品を正しく使っていた。
84
12
4
0
3
グループの友達は、お互いに意見を聞いたり話し合ったりして、学習
をよりよいものにしていた。
60
36
4
0
ほとんどの生徒は「4」か「3」の
評価段階で、「2」の評価段階を選択
した生徒が各項目に1人ずついた。
授業後、「2」の生徒に聞き取りをする
と、自信がないとのことだった。同じグルー
プの生徒に伝えると、声をかけ合う回数が増
え、学び合う雰囲気が高まり、本人は安心し
て授業に取り組めるようになった。
このクラスの生徒たちは学び合うム
ードができている。指導者の指示や支
援も適切であることがうかがえた。評
価項目3の結果から、高め合う関係を
もっと築きたいと考えた。
実験結果の考察の場面で、まず自分の考え
をワークシートにまとめて、その後、グルー
プで話し合えるように、ワークシートを改善
し、授業展開も変えてみた。時間はかかる
が、学習内容の定着が確かなものになった。
「友達はいろいろなことを試して
いたのでよかった。」「準備や片付
けを自分から進んでやっていた人が
いた。」「積極的に実験をしていた
人がいた。」という自由記述があっ
た。
授業後、だれがどのようなことをしていた
のか聞き取りをした。教師の机間相談や観察
だけでは分からなかったことを知ることがで
き、観点別評価に生かすことができた。
相互評価を授業に生かすための聞き取りが、生
徒とのよりよい関係づくりにつながった。
- 39 -
学習者(児童生徒)による授業アンケート(小学校編)(表2-Ⅳ)
学習者による評価を授業改善に生かすために
評価シート5(P69)を使って、児童の声を授業改
善に生かしましょう。教師の授業評価と子どもたちの
授業アンケートを比べて、授業を振り返ってみましょ
う。
シート5
小学校中・高学年用 授業アンケート
(4・・・そう思う。 3・・・ややそう思う。 2・・・あまり思わない。 1・・・思わない。)
1
授業の内容は、よく分かる。
4 3 2 1
2
先生は、分かるまで教えてくれる。
4 3 2 1
3
先生や友達は、話を聞いてくれる。
4 3 2 1
教師が感じている授業の達成度と児童の授業評価
を比較することで、指導に足りなかったところを見
付けることができます。
説明や資料の提示を、児童の目線で振り返り、反
省することができます。
実践例(小学校第6学年理科)
1 評価シート例
1 授業のめあてがはっきりしていた。
4 3 2 1
2 先生の説明はよくわかった。(安全な実験の仕方、実験の進め方)
3 分かりやすく楽しい授業になるよう、いろいろな工夫をしている。
4 授業の内容を、黒板に分かりやすく書いている。
5 先生の声の大きさや話す速さはちょうどよい。
6 先生は、私たちの考えや疑問を大切にした授業をしている。
自由記述
教科の特性に応じ
4 3 2 1
て評価項目を設定し
ました。
4 3 2 1
4 3 2 1
4
3 2 1
本時のねらいとす
る項目を設定しまし
4 3 2 1
た。
児童生徒から授業に関するアンケートを取る場合は、児童生徒の
自己評価(学習の振り返り)とセットで扱うことが大切です。
そのことが、授業者を批判することにつながらないようにします。
児童生徒が教師と授業を作り上げていくという意識をもたせるた
めにも有効です。
- 40 -
2 授業評価の生かし方
視
点
4
3
2
1
1
授業のめあてがはっきりしていた。
29
37
11
1
2
先生の説明はよく分かった。(安全な実験の仕方、実験の進め方)
47
24
5
2
3
分かりやすく楽しい授業になるよう、いろいろな工夫をしている。
15
43
17
3
4
授業の内容を、黒板に分かりやすく書いている。
43
32
3
0
5
先生の声の大きさや話す速さはちょうどよい。
48
26
2
2
6
先生は、私たちの考えや疑問を大切にした授業をしている。
40
29
7
2
自由記述
(※数値は%)
○ 何のための実験をしているのか、よく分からなかった。
結果をグラフに表し、授業改善の方向性を見いだした。
授業のめあて
4
3
児童の考えを大切に
教師の説明
2
1
0
教師の話し方
分かる授業の工夫
分かりやすい板書
「授業のめあてがはっきりして
いた」「分かりやすく楽しい授
業」という視点で、大部分の児童
が理解できていたが、低い評価を
している児童もいることが分かっ
た。
問題解決的な学習が成り立つように、
学習のねらいをしっかり押さえたり、発
問の工夫をしたりすることができるよう
に授業改善を進めた。
自由記述に、「何のために実験
をしているのかよく分からなかっ
た」と書いている児童がいた。実
験の目的が分からないまま授業が
進んでいるという事実も分かっ
た。
実験をする際に、実験の内容や方法を
教師が示すのではなく、方法や予想を考
えたり話し合わせたりする場を設定し
た。
- 41 -
学習者(生徒)による授業アンケート(中学校編)(表2-Ⅳ)
学習者による評価を授業改善に生かすために
シート6(P69)を使って、児童生徒の意
見を参考に、今後の授業改善の手がかりに
していきましょう。
シート 6 中学校用 授業アンケート
(4・・そう思う。3・・ややそう思う。2・・あまり思わない。1・・思わない。)
Ⅰ (
)の授業について
視
点
評 価
1
先生の説明は、よく分かった。
4321
2
黒板にまとめられたことで、学習内容が整理できた。
4321
3
授業の方法が工夫されていて、分かりやすい。
4321
4
先生の声の大きさや話す速さはちょうどよい。
4321
5
楽しく授業に取り組めた。
4321
メ モ
6
実践例(中学校第1学年技術・家庭科)
1 評価シート例
視
1
2
点
評 価
先生の説明は、よく分かった。
メ モ
4321
先生が黒板やプリントにまとめられたことで、学習内容
が整理できた。
4321
3
授業が分かりやすかった。
4321
4
先生の声の大きさや話す速さはちょうどよかった。
題材に応じて作り替えました。
5
先生は、興味を引くような授業づくりを心がけていた。
4321
先生は、学習資料や教材・教具を使い、工夫しながら授
4 3技術・家庭科の特性に応じ
21
6
業をしていた。
て視点を入れました。
- 42 -
2 授業評価の生かし方
視
点
4
3
2
1
1
先生の説明は、よく分かった。
70
30
0
0
2
先生が黒板やプリントにまとめられたことで、学習内容が整理できた。
70
22
8
0
3
授業が分かりやすかった。
48
41
11
0
4
先生の声の大きさや話す速さはちょうどよかった。
70
22
8
0
5
先生は、興味を引くような授業づくりを心がけていた。
33
59
8
0
6
先生は、学習資料や教材・教具を使い、工夫しながら授業をしていた。
48
30
22
0
自由記述
○
(※数値は%)
先生の話すスピードが速くて分かりにくかった。
「学習資料や教材・教具を使っ
て、工夫がある授業だった。」と
思っていない生徒が 22%いた。
授業の準備不足を感じた。
「食品の表示やマークの学習」では、
生徒に家庭から食品の包みや箱を持参さ
せて調べ学習をした。教師もたくさんの
資料を準備し、生徒の活動が意欲的にで
きるようにした。生徒が生き生きと活動
する姿が見られた。
「授業が分かりやすかった。」
と思っていない生徒が 11%い
た。自由記述にも「教師の話のス
ピードが速く、説明も分かりにく
かった。」と書いている生徒がい
た。
もう尐しゆっくりと話すこと、明確な
説明を心掛けた。また、声をかけたり、
ノート整理の様子を観察したりして、説
明したことが十分伝わっているのか確認
するようになった。
生徒の本音を大切に!!
自由記述として、生徒の感想や教師に対
する授業への希望や願いなどを把握する場
合は、氏名を書かせると今後の指導の役に
立ちます。
氏名は目的に応じて書かせるようにしま
しょう。
- 43 -
保護者による授業アンケート(表 2-Ⅶ)
保護者の声を授業改善に生かすために
シート8(P72)を使って、保護者からの授
業評価を積極的に受け、その情報を授業改善に
前向きに活用していきましょう。
また、家庭の様子も尋ね、協力できる体制を
作る意識を持ってもらいましょう。
シート7
保護者からの評価シート
(4・・・そう思う。 3・・・ややそう思う。 2・・・あまり思わない。 1・・・思わない。)
視
点
評
価
1
分かりやすい授業である。
4321
2
先生は、ていねいに教えている。
4321
3
学習のルールが徹底し、落ち着いた学習活動が成立している。
4321
4
分かりやすく楽しい授業になるよう、いろいろな工夫をしている。
4321
最近の家庭でのお子さんの様子はいかがですか。
1
宿題はきちんとやっている。
4321
2
落ち着いて家庭学習に取り組んでいる。
4321
3
朝ごはんを食べて、登校している。
4321
保護者によるアンケートを実施する際には次のよ
うなことに留意しましょう。
・ 授業アンケートの意義や目的について説明し、
理解を得ることが大切です。
・ 教科の特性に応じて、保護者が答えやすい設問
となるよう心掛けましょう。
・ 自由記述欄から保護者の願いや思いを探りまし
ょう。
・ 児童生徒の授業アンケート結果と比較すると考
察が深まります。
- 44 -
実践例(小学校体育)
1 評価シート例
視
4
3
2
1
1 先生は、ていねいに児童生徒に関わっている。
29.4
70.6
0.0
0.0
2 先生は、適切な助言を積極的に与えている。
52.9
47.1
0.0
0.0
3 学習資料やカードが有効に活用されている。
23.5
58.9
17.6
0.0
41.2
52.9
5.9
0.0
5 児童生徒が意欲的に活動している。
41.2
41.2
17.6
0.0
6 児童生徒が積極的に協力している。
52.9
47.1
0.0
0.0
7 運動を行う上でのルールやマナーが身に付いている。
47.1
47.1
5.8
0.0
8 体力向上のための運動量が確保できている。
23.5
58.9
17.6
0.0
47.1
47.1
5.8
0.0
52.9
11.8
0.0
17.6
41.2
5.9
23.5
0.0
0.0
4
9
点
楽しく運動できる環境(教材、場、学習課題)が工
夫されている。
児童生徒が何を学習し、身に付けようとしているの
か、よく分かる。
「1」「2」の評価が多い項目から
運動に関心をもっている。
35.3
1 児童生徒の技能が上達していく姿が見られた。
改善点を考えました。
35.3
2 家庭でも運動に取り組んでいる。
76.5
3 朝ごはんをしっかり食べて、登校している。
授業についての感想や意見
(※数値は%)
○ 先生一人で 35 人を指導するには無理がある。目が行き届いていない子どもがいるのが
気になる。
○ 逆上がりのできない子どもの多さにびっくり!休み時間での練習が必要。
○ 先生のお手本が児童を引き付けていた。
自由記述には、保護者の願いや思いが
2 授業評価の生かし方
具体的に見えてきました。
家庭でも運動に取り組んでい
ることについて、約半数の保護
者が「2」「1」と評価した。
家庭でも手軽に運動に取り組めるような
学習資料・学習カードについて検討した。
家庭での運動の意欲を高める言葉掛けや
課題の与え方について検討した。
「逆上がりのできない子どもの
多さにびっくり! 休み時間で
の練習が必要。」という保護者
の意見があった。
補充指導や休み時間や放課後での練習の
在り方について検討し、可能な範囲で実践
をしている。
効果的な指導法についても研究を進めて
いる。
実施上の留意事項
保護者が先生の授業を
評価するなんて無理です。
保護者用ガイダンス資料(P73)を活用し
て、授業アンケートの趣旨を伝えましょう。
- 45 -
参観者(学校関係者)による授業評価(表2-Ⅶ)
自己評価力を高めるために
自己評価力を高めるために
シート3(P67)、シート8(P72)を
参考に、学校独自のシートを作りましょう。
作成のためのポイント
ポイント1
学校関係者には教育の専門
家でない人が多いので、専門
的な評価視点は設定しない。
ポイント2
1種類の評価シート
で、どの教科にも対応
できるようにする。
ポイント3
数値評価だけでなく、気
付いたことを文章で記入で
きるようにする。
実践例1(小学校参観日の授業公開)
1 評価シート例
学校関係者4名(保護者・地域住民・学識経験者・公民館関係者の4名。内2名は学校評
議員兼務)による授業評価を実施した。学校関係者には、授業公開を行い、研究授業を参
観してもらったり、参観日に学校全体の様子を見てもらったりしている。今回は、参観日
に、全校の授業を短時間(5分程度)参観してもらった事例である。
授業評価シート(平成○年○月○日 第6学年 ○○教諭
教科等○○ )
(4・・・そう思う。3・・・ややそう思う。2・・・あまり思わない。1・・・思わない。)
視
点
評
価
メ
モ
1
声の大きさや話し方が、児童に分か
りやすい。
4 321
○
2
児童の理解や思考を助けるために板
書を丁寧に行っている。
4 3 2 1 時間がかかるがなるべ
○
く思ったことを記述する
授業のねらいを考えて、教材や教
3
具、指導の仕方を工夫している。
4
児童は意欲的に学習している。
先生の声がはつらつと元気だっ
た。
ようお願いしましょう。
4 321
○
4 321
○
簡易な言葉で、
視点の数は尐なめ
に。
子ども自身が思いを積極的に話し合い、考えを深め合う
子どもが思ったことを発言しや
すそうだった。
自由記述
ことができていた。
メモや自由記述欄に記
入された言葉を大切に
しましょう。
- 46 -
2 授業評価の生かし方
学校関係者の評価結果を校内の評価委員会が集計・考察し、個別に授業者へ返した。各教
員はそれを自己評価の資料とし、授業改善に役立てた。
【 集計表の一例 】
教員名
視点1
視点2
視点3
視点4
○○○○
4
3
3.5
4
所 見 等
自由な雰囲気で発言しやすい。
板書の工夫がほしい。
平均点を記入
実践例2 自己評価書に授業評価を生かす
学校評価の中に、教師の授業力に関する評価(自己評価・児童による評価・保護者によ
る評価・学校関係者による評価)を生かす。
平成○年度 前期学校評価 A小学校(一部抜粋) 【評価基準】 A:目標を達成 B:8割以上達成 C:6割以上達成 D:6割未満
項目 重点目標
評価指標及び目標値(期待される姿)
③確かな学力の定着向上に向けて積極
的に学習指導の工夫を行っているか。
目標値:保護者・教職員の90%以上が肯
定
④個人差に応じた指導の工夫改善によ
り、児童に基礎基本を身に付けさせること
ができているか。
確かな学
教
目標値:各教科の単元別テストの正答率
育 力の定着
の平均が85%以上と既習漢字の読み書
課 向上に努
める
き・基礎計算正解率80%以上の両方を達
程
成
・
学
習
指
導
評価
考察(◇)及び改善方策(◆)
授業力に関する指標
4
アンケート結果
3
2 1 ?
教職員
保護者
学習状況
教科テスト
授業力に関する指標
⑤低学年20分程度、中・高学年30分以上
学校関係者が学校評価を実施
の家庭学習の習慣が身に付いているか。
目標値:児童・保護者・教職員の90%以
する場合に、授業力の評価結果
上が肯定
評価委員
会所見
評価資料
を学校全体の傾向として記述し
てもらうとよいでしょう。
※学校関係者の授業評価結果からの所
見が含まれる。
2学期の
漢字・計算
教職員
保護者
児童
学校の対応
例えば、学校評価の評価指標の中に授業力に関するものを組み入れる。評価資料となる
教職員・保護者・児童対象のアンケート項目の中にも授業力に関する項目を設定する。学
校関係者の授業評価結果は、所見欄に学校全体としてまとめた形で記述してもらう。評価
結果を受け、学校は教師の授業力に関する対応策を決定する。
実施上の留意事項
参観時間が短い
教員を評価しにくい
学校評価の中に授業力
に関するものがある
だれにでも分かる評価の視点を設定し、視点数は少
なくしましょう。
4段階評価と記述式の評価を併用しましょう。
従来の学校評価の項目を整理し、構造的で取り組み
やすい評価計画を立てましょう。
- 47 -
第5章 授業力を高める校内研修にしましょう
1 授業力向上のための授業研究
授業をよりよいものにする努力は、学校の内外を問わず続けられている。授業力向上のた
めには、授業公開を基にした研究協議で専門性を持った教職員からアドバイスを得ると大
変効果的である。
第5章では、校内研修の中でも、研究協議の在り方を工夫することで授業力を高めていく
ことについて考えていく。
より効果の上がる研究協議にするために次の2点に
ついて考えてみましょう。
○ 研究協議のポイントを整理しよう。
○ 研究協議の在り方を工夫しよう。
2 研究協議の課題
研究協議では、授業者も参加者も自己課題の解決と今後の授業力向上の糧にしたいという
願いは共通である。今まで、研究協議は、次の展開で流れる場合が多い。
⑴ 授業者の自評
⑵ 授業者への質問
⑶ 参加者からの教材や指導法についての感想・意見
⑷ 指導助言
しかし、⑶では、「今日の授業は、よく工夫されて…
…」「すばらしい学級経営だ」等、研究の視点ではない
感想や通り一遍の発言が多いですね。また、授業者の授
業提供への感謝やねぎらいの言葉に終始してしまいがち
ですよね。
そのため、授業の問題点も明確にな
らないままで終わってしまい、授業者
と参加者の授業力向上につながってい
ないのではないかという意見を聞くこ
とがあります。
授業改善に役立
つ研究協議にして
いく必要がありま
す。
- 48 -
3 研究協議を行う際のポイントの整理
参加者も視点に沿った
発言が大事です。
特に、司会者には、参加者の
意見の中から何を取り上げ、ど
のように焦点化させて、以後の
話し合いの方向性を示し、成果
次のようなことが大切
や改善点をまとめるかなどの大
だと思います。
事な役割があります。
次のようなことが大切だと思
① 授業者の持つ授業評価の視点を共有し、視点に基づいた分析を行う。
います。
(「自分ならこうする」ではなく、「授業者の願いからすると、このようにした方がよい
のではないか」という考え)
② 授業のねらいと児童生徒の姿との関係から、授業の成果や改善点を分析する。
4 研究協議の在り方
参加者が主体的にかかわる研究協議の在り方を工夫する
ことで、協議の質を高めることができると思います。
ここでは、愛媛県の学校の現状から、代表的な次の三つ
の方法を紹介します。
研究協議で明らかになったことを簡単にまとめて、全校
で共有しましょう。
課題とねらい
発言力のあるいつも決まった人の意
見を聞くだけになりやすい。
参加者全員の意見を取り入れたい。
教科や教師によって追究課題が違
う。
全員が集まる時間がとれない。
研修グループの体制を工夫したい。
校内の研修だけでは深まりにくい。
近くの学校で経験を積んだ人の意見
を参考にしたい。
より深まりのある研究協議にするために
⑴ ワークショップ型の研究協議
全員が積極的に発言することができ
るとともに、多様な意見に触れて考え
を深めることができる場を設定する。
⑵ 尐人数のよさを生かす研究協議
課題別、教科別、学年別等の尐人数
グループで研修を行う体制を作る。
⑶ 近隣の学校と連携した研究協議
地域の教科主任会と合同で協議をし
たり、同じ中学校区内で連携したりす
る場面を設定する。
- 49 -
ワークショップ型の研究協議をしてみよう
1 ワークショップ型の研究協議
授業を参観して気付いたことなどをだれもが発言できる全員参加型の研究協議である。す
べての参加者の意見が反映された上で、授業の問題点や課題を焦点化し、改善策について
話し合うことができる。また、授業者だけでなく参加者も自己の実践に生かすことができ
る。
せん
ワークショップ型の研究協議には、付箋紙を使った方法を始め、短冊方式、マトリクス
法等がある。
2 実践例(付箋紙を使った研究協議)
(準備物) 授業評価シート、模造紙、太字黒マジック(グループ数分)、
75mm 正方形の付箋紙を2色(10枚×人数分)、黒サインペン、
マグネット ボード 等
⑴ 授業参観前
ア 授業参観者に授業評価シートや付箋紙を配り、書き方を説明しておく。
イ 授業を見る視点を確認しておく。
⑵ 授業参観中
ア 授業を見ながら、気付いたことなどを授業評価シートに記入する。
イ 授業者も、授業後に授業評価シートに記入する。
⑶ 授業参観後の研究協議(50分)
ア 進め方の説明(2分)
イ 授業評価シートを基に、付箋紙に記入する。(5分)
ウ 模造紙に付箋紙をはり、分類していく。(5分)
エ グループに分かれて、意見を交換する。(20分)
付箋紙の分類をしています。付箋紙
の多い内容から、授業の問題点が明確
になってきます。
この他に、指導案の拡大シートを使
った方法もあります。
- 50 -
部会に分かれて、問題点や改善
策について、話し合っています。
オ
カ
キ
ク
各グループの話し合いの内容をまとめて発表する。(5分)
授業者の感想を聞く。(3分)
各自が自己を振り返る。(5分)
まとめる。(5分)
実践のためのポイント
○ 付箋紙は、見やすいように一枚につき一つ、大きな字で簡潔に書く。
○ 参考にすべき点は青色の付箋紙、疑問点等は桃色の付箋紙というように、色を分け
て掲示する。
○ 協議の仕方・時間は、授業内容や研修目的によって工夫する。
3 成果と課題
授業を参観して気付いたことを付箋紙に書き、分類することで、授業者の立場に立って多
面的に授業を見ようとするようになった。参加者一人一人の意見が取り上げられることで、
満足感や達成感を味わうことができた。また、分類されたボードから、その授業の参考に
なる点や疑問点等を把握でき、焦点を絞って、改善策について話し合うことができた。
今後は、分類しやすいように視点を工夫したり、グループでの話し合いの後に全体での
協議を行ったりすると、更に、充実した研究協議になる。
【授業者の声】
【参加者の声】
付箋紙のはってあるボードを見ることで、自
話し合いの内容が、焦点化されているので、
分の授業のどういうところが問題なのかを、と
意見を出しやすかったです。また、一つのこと
らえることができました。また、多様な意見を
について、多くの意見が出て、自分の授業の参
聞くことができ、これからの研究の方向性を見
考になる内容の話を聞くことができました。こ
付けることができました。
れからの授業で実践したいです。
- 51 -
尐人数のよさを生かした研究協議をしてみよう
1 尐人数グループの研究協議
より効果的な協議を行うためには、研修の内容に応じて方法や形態を工夫し、発展させる
ことが望まれる。4~5人の尐人数グループになれば、建設的な意見が出しやすく、活発
な話し合いとなり、参加者の成就感・連帯感が生まれやすくなる。例えば、一人の教師が
すべての項目において授業評価を行うのではなく、構成要素別にグループを編成したり、
教科別・学年別グループにしたりするなど多様な工夫が考えられる。
編成については意図する目的を明確にして、校内の研究組織を有効に活用しながら、学校
規模や学校の実態に応じて適切に編成していく必要がある。尐人数グループのよさは、参
加者全員に主体的な意識が生まれ、活気のある有意義な研修会になるということである。
2 グループ編成例
【課題別グループ】
教材解釈力
グループ
児童生徒理解力
グループ
授業構成力
グループ
授業実践力
グループ
共通する課題を持った教員によってグループを設置し、それぞれの
視点を絞り話し合うことで、深まりのある協議になる。あらかじめ、
共通する課題を確認しておく。話し合いの内容は、全体の場で報告し、
もっと授
業力をつけ
たいな。
共通認識を図る必要がある。
【教科別グループ】
国語
社会
(中学校の場合)
数学
英語
理科
美術
音楽
保健
体育
技術
家庭
同じ教科の教師がグループを組むことで、より専門的な話し合いと
なり、教科研究を深めることができる。小規模校であれば、複数の教
科を一緒にしてもよい。担当教科が違っていても、授業を参観する視
専門分野
を伸ばした
いな。
点が多様化し、協議が深まるというメリットがある。
【学年別グループ】〈
〉は中学校の場合
低 学 年 グ ル ープ
中 学 年 グ ル ープ
〈1年部〉
〈2年部〉
高 学 年 グ ル ープ
〈3年部〉
低・中・高学年あるいは各学年グループに分かれ、それぞれの学年の実態に合わせながら、話し合
いができる。同じチームの下で研究の視点を明確に設定し、共通理解のもとで指導方法の工夫や改善
の研究を進めていくことができる。
- 52 -
【ペ ア】
管 理 職 ( 各 主任 ) と
授業者
ベ テ ラ ン 教 師と
授業者
同 年 代 の 教 師と
授業者
ペアでの研修は、時間に制限されず、授業外や放課後を使い自由に
研修を行うことができる。感想や意見交換にとどまらず、授業者の悩
○○○先
生、今日の
授業見てほ
しいな。
みや本音を交えた話し合いができる。
実践のためのポイント
○ 参加者の役割を明確にして、共通課題を持つ。
○ 自由な意見が述べられる雰囲気を作る。
○ 授業者のよい点とともに、問題点、改善点も追究する。
○ グループの司会者は、計画的に協議を進め、今後の共通実践事項を確認する。
3 成果と課題
尐人数のよさは、発言の機会が多くなり、主体的に協議に参加しようという意識が高まり、
教員相互の形式的な話し合いに終わることなく、全体の場では聞けないことまで聞くこと
ができるということにある。また、編成によっては協議の時間の確保が容易であることも
挙げられる。単なる意見の交換で終わらせることなく、成果や課題から共通実践事項を明
らかにし、それを次の実践に生かすことが大切である。また、尐人数グループでは司会者
の役割が大切であり、回を重ねるたびに司会者が育成されることを期待したい。
【授業者の声】 各学年グループ形態
【参加者の声】 ペア形態
評価シートを活用することにより、いろいろ
授業参観をすることによって、自分の勉強に
な視点から自分の授業を振り返ることができ、
もなりました。授業後の話し合い(研究協議)
よい刺激になりました。尐人数だったので、参
は、時間や場所を気にせず、本音で話すことが
加者全員にいろいろなアドバイスをいただき、
でき、充実した研修会でした。また、特定の課
また、学習指導案の作成段階からグループで検
題に絞っていたので、深まりのある協議になっ
討していただき、私一人が悩むことなく、共通
た点もいいですね。
認識のもと授業ができたことに感謝していま
す。
- 53 -
近隣の学校と連携した研究協議をしてみよう
1 近隣の学校との連携による研究協議
近隣の学校と連携を図った授業研究を行うことで、校内の研修だけでは深まりにくい研究
協議をより充実させることができる。また、異校種間の研修を実施することで、児童生徒
の成長に合わせた長いスタンスでの計画も可能になる。
地域の教科主任会や同じ中学校区の学校等と協力して実施することができる。
近隣の学校との交流研修会を持つための手順
授
業
力
向
上
の
目
標
設
定
近
隣
の
学
校
で
協
力
校
を
決
定
年
間
計
画
・
チ
ー
ム
編
成
授
業
実
践
・
研
究
協
議
次
の
目
標
設
定
発
見
・
気
付
き
・
修
正
・
2 実践例
【小・中学校の連携による実践例】
研究協議では、前述の付箋紙を使った協議を行い、問題点を明らかにしていった。
小学校の教師にとっては、中学校の英語教師から専門的な指導のアドバイスを受け
ることができ、英語活動の実践に当たっての課題や授業のヒントなど、授業改善の手
がかりを見付けることができた。
中学校の教師にとっては、小学生の発達段階に応じた教師と児童及び児童相互のか
かわりなどの様子を聞くことができたので、実態を参考にした指導計画を作成するこ
とができた。
研究協議の中で、外部の授業アドバイザーか
ら授業改善のための言語活動例を紹介していただ
いた。その後、小・中学校の教師でグループに分
かれて実践を行った。
授業者だけでなく、参加者全員が共通課題を
持ち、授業改善の方向性を見付けることができた。
- 54 -
【同じ教科グループを利用した実践例】
教科の専門的な内容で授業力向上を目指す場合、近隣の学校で同じ教科の指導を行
う教師グループで授業公開、研究協議ができれば、より多面的に授業を評価すること
ができる。地域の教科主任会や同じ中学校区で連携して授業実践、研究協議を行うこ
とで、内容が深まり、授業力向上へつながっていく。
【小・中・高等学校の連携による実践例】
中学校の先生から職場体験活動、高等学校の先生からインターンシップによる実践
に基づいた意見を研究協議で聞くことができ、小学校におけるキャリア教育の在り方
を考えることができる。さらに専門的な研究協議を重ねることで、計画的・系統的な
指導につながり、それぞれの校種で児童生徒の成長に合わせた指導と評価が実施でき
る。
実践のためのポイント
○ 授業力向上の目標設定は、校内で し っかり練り合って お くとともに 、
ポイントを絞っておく。
○ ワークショップ型の研究協議を用いる。
○ 各教科における小・中学校の系統性を理解した上で研究協議に臨む。
3 成果と課題
近隣の学校と連携して研究協議を行うことによって、多面的に授業を検証するこ
とができた。小・中学校ともに、それぞれの利点を取り入れた授業改善のきっかけ
を見付けることができた。
また、同じ校区内の小・中学校の実情を意見交換することにより、それぞれの児
童生徒の実態に合わせた学習計画を立てることができた。
しかし、それぞれ自校の研究主題にせまる内容の授業公開、研究協議となるため、
「授業力向上のための個人目標の設定シート」を活用したり、授業参観のための共
通の視点を持ったりすることが難しくなってしまう。連携していく学校は、前年度
中に研究のための計画を事前に打ち合わせておく必要がある。
【参加者(小学校教員)の声】
【参加者(中学校教員)の声】
中学校の英語の先生が普段使っているゲーム
思っていた以上に児童が積極的に活動してい
的な言語活動を取り入れて、楽しい授業作りを
たので、中学校の導入に取り入れることも考え
考えていきたいです。また、研究協議では、ベ
ていきたいと思います。研究協議の柱に、小学
テランの先生の手法や指導技術を教えていただ
校での英語活動の視点が掲げられていたので、
くことができ、有意義でした。
中学校での英語の授業でどのように生かしてい
くか、次の課題が見つかりました。
- 55 -
第 6 章 授業評価や授業改善に関する用語・Q&A
1 授業評価や授業改善に関する用語
【PDCAサイクル】
PDCAサイクルは、サイクルが次の4段階からなることから、その頭文字をつなげた
ものである。 Plan(計画) → Do(実行) → Check(評価) → Action(改善)
この4段階を順次行って一周したら、最後の Action
計画(Plan)
を次のPDCAサイクルにつなげ、螺旋を描くように
一周ごとにサイクルを向上させて、継続的な改善を行
改善(Action)
実行(Do)
う。この螺旋状の仕組みをスパイラルアップと呼ぶ。
学校においては、このPDCAサイクルの考え方を
評価(Check)
行事や授業の改善に取り入れているところも多い。
特に、このPDCAサイクルを活用し、授業評価を授業の改善、授業力向上に生かすた
めの流れは以下のようになる。
Plan (計画):
Do
(実行):
Check (評価):
Action (改善):
学校教育目標、授業力の分析を基に「自分の課題」を明確にする。
授業を実践する。
授業評価(自己評価・相互評価・児童生徒の評価等)を基に授業を振り返る。
評価を基に、改善への方策を検討する。
【指導と評価の一体化】
指導と評価の一体化とは、評価を指導の終着点とするのではなく、評価して得られた結
果を積極的に活用して、以後の指導改善を図ることである。
単元レベルでは、以下の①~⑥が指導と評価の一体化の基本プロセスである。
① 指導目標が具体化されている。
② 子どもの実態が把握されている。
③ 指導目標を目指した配慮ある指導がなされている。
④ 単元途中に形成的評価がなされている。
⑤ 個人差に対する指導がなされている。
⑥ 子どもの学習状況が観点別に評価されている。
以上の基本プロセスの中でも、特に④の形成的評価においては、PDCAサイクルを活
用した授業評価が有効であると考えられる。
【コーチング】
コーチングとは、コーチと呼ばれる相談役が、相談相手との対話を通して相談相手自身
が自分で考えて行動するような能力を引き出していくことである。コーチはその分野の専
門家である必要はない。必要なのはコーチングスキルと呼ばれる相手の可能性を引き出す
- 56 -
技術である。上の立場から相手を指導するのでなく、対等の立場で互いにコミュニケーシ
ョンをとりながら行うという部分に大きな特徴がある。コーチングに大事なのは、相手の
中に前進への手がかりがあると信じ相手をサポートすることであり、自ら行動したくなる
ような気持ちを起こさせることである。コーチングを導入することで、教師自身の教育へ
の情熱と教師集団の質を高めることが期待でき、授業力を向上させるための有効な手立て
の一つとなる。
【自己評価】
自己評価とは、評価主体と評価客体が同一人物である場合を指す。例えば、教師が授業
での自分の行動を評価する場合や、学習者が自分自身の学習成果を評価する場合などであ
る。特に、自己評価という言葉は、学習者が学習主体の自己評価を指すことが多い。
また、自己評価とは、自分の性質や行為、成し遂げた成果などを把握し、自らの持つ判
断基準によって意味付けるという作業でもあり、その判断を基に、自分の次の行為を改善
していく作業でもある。そこでは、各自が持つ判断基準とメタ認知能力が重要な役割を果
たす。自己評価を行う場合は、そのプロセスや内容に注目する視点を持ちたい。
【メタ認知】
メタ認知とは、認知を認知することである。すなわち、自分の思考や行動を自分自身で
客観的に把握し認識することである。また、それを行う能力を「メタ認知能力」という。
教師が自分の授業を客観的に認識し、改善点を見付けるためには、教師の「メタ認知能
力」の向上が必要である。授業評価を通し、「メタ認知能力」を高めていくことが、授業
改善や教師の授業力向上につながってくる。
【相互評価】
他者評価のうち、評価主体が同じ立場の他者である場合を相互評価と呼ぶ。一般には、
学習者同士が評価し合う場合を指すことが多いが、教師同士が授業を参観し合って研究協
議をすることも含まれる。授業において、児童生徒すべてが知識等を身に付けたとしても、
それに至るまでに同じ考え、同じ理解をしているわけではない。相互評価は、学習過程に
おけるこの違いを明確にして、児童生徒の学習の深まりを求めるものである。
授業評価において、教師相互が評価することは、ともすれば主観的になりがちな自己評
価を補い、授業の現状を客観的にとらえ、改善点を明確にすることができる。
【学校関係者評価(外部評価)と第三者評価】
学校における外部からの授業評価は、学校関係者評価と第三者評価に分けられる。これ
らは、公開された授業を通し、教師の指導や児童生徒の学習活動などを多面的・客観的に
評価するものであるが、評価者によって二つに分けられている。学校関係者評価では、学
校評議員・保護者・地域住民・接続する学校の教職員等の学校関係者が評価を行う。また、
第三者評価では、専門性を有する有識者等が専門的な評価をおこなう。第三者評価は、評
価者が学校と直接の関係を有しないため、より客観性が高い評価を得ることができる。
- 57 -
【オーセンティック評価】
オーセンティック評価(authentic assessment)は、「確実な評価」「信頼できる評
価」といった意味を持つ。従来のペーパーテストで得られる評価は、知識伝達型の教育成
果の検証が中心となっている。問題解決能力のような学力を測っているのかという疑問が
持たれ、その解決方法として使われ始めた。実生活に役立つ学力を評価しようとするもの
であり、何を知っているかだけでなく、何ができるかを評価しようとするものである。評
価方法としてはパフォーマンス評価やポートフォリオ評価などいくつかある。
【パフォーマンス評価】
この評価はペーパーテスト中心の評価に対する見直しの中から生まれた評価方法である。
教科の特性や学習すべき内容、学習者の能力によっては、ペーパーテストでは間接的にし
か評価できない場合がある。また、ドリルによって知識やスキルを持っていると評価され
た学習者が、現実の場面では、それらを使って課題を遂行できない場合がある。例えば、
理科の実験・観察技能をペーパーテスト上で評価しても、その評価結果は、必ずしも実験
観察活動ができることを意味しない。そこで、一部の学習内容や能力に関しては、求める
能力を用いる活動自体を用いて評価すべきであると考えられるようになった。
具体的な方法としては、レポート、芸術作品など「完成品の評価」、口頭発表、操作な
ど「実技・実演の評価」、活動の様子の観察、面接・検討会、ノート・日誌などを通して
行われる「観察や対話による評価」(ポートフォリオを用いた対話的評価など)がある。
ただし、一人一人の子どもについて評価するため、多くの時間を要するので、TTでの役
割分担(全体指導と個別評価)の工夫、自己評価や相互評価の活用の工夫などが大切であ
る。
【ポートフォリオ評価】
書類入れやファイルを意味するポートフォリオ(portfolio)を学習に用いたもので、テ
ストでは測定できない学力を評価する方法として研究・開発されたものである。ポートフ
ォリオの作成を通してメタ認知能力の育成を図ることができる。総合的な学習の時間の設
定を契機として紹介されることが多くなった評価方法であり、結果より過程を重視し、学
習と評価が一体化している。次の三つの大きな特徴がある。
① 学習成果の収集
学習活動で成し遂げたことの中で、価値あるものと判断される事例を選択し、ポートフ
ォリオに保管(記録)する。この評価の最も大きな特徴である。
② 選択基準の設定
価値あるものとは何かという選択基準が必要となる。通常は学習の発達段階を考慮して
教師が設定する。
③ 子ども自身の参加による評価の過程
判断から保管(記録)まですべてを教師が行うわけではない。教師が子どもに選択基準
を提供し、事例の選択について必ず話し合い、両者の合意の上で保管(記録)していく。
さらに、学習の次の目標についても話し合いで決めていく。そうすることで、子どもは自
- 58 -
分で自分の学習や成長の状態を理解し、能動的な学習態度を身に付けていくことになる。
授業評価への利用を考えるならば、授業日誌や週案などを利用して評価情報を蓄積し、教
師自身のポートフォリオ評価を行っていくことがあろう。その際、蓄積した評価情報を定期
的に研修グループ内で確認し、改善の様子や今後の課題等を助言してもらうようにするとよ
い。
【ワークショップ】
体験型の講座の意味でのワークショップは、問題解決やトレーニングの手法として企業
研修や体験的・実践的な話し合いの場面で用いられることが多い。参加者が自発的に作業
をする環境を事前に整え、参加者全員が「自由討議」の基に意見を出し合う方法(ブレイ
ンストーミング)が一般的である。授業研究や校内研修にも有効に活用されている。
KJ法や マトリクス法などの方法があり、短冊や付箋紙を使った方法もある。
授業評価にワークショップを取り入れることで、公開授業の研究協議では、より活発な
意見が出されるようになり、授業研究の質を高めることが期待できる。
【KJ法】
多種多様なデータをいかに整理するか、また、そのデータ自体の交互関係から創造的に
まとめていくにはどうしたらよいかという課題を解決する有効な方法として生み出された
ものである。KJとは川喜田二郎のイニシャルから本人により命名されたものだが、今で
は企業や教育界で広く使用されている。
この方法を実施すると、参加者の小さな意見も大切に扱われ、データがすべて生かされ
てつながっていく利点がある。具体的な手順は次の通りである。
① 準備物
紙片多数・ペン・色ペン・クリップ多数・輪ゴム・文書まとめ用の用紙
② ラベル作り
解決すべき課題に関係している具体的な事象を、できるだけ広い視野を持って収集
する。集まった多くの事象をブレインストーミングを行って、紙片1枚につき一つの
事象を文や単語で書き込んでいく。
③ グループ編成
書き込まれた紙片をテーブルの上にカルタのように広げる。次にその内容でお互いに
「関連性のある」紙片同士を、一か所に集めていく。その後、感覚的に集めたものを吟
味して、その関連性を見つめ直していく。その上で再編成し、第二段階のグループ編成
を行い見出しを付ける。いくつかの見出し付きのグルーピングを行う。
④ 図解・文章作り
グループ化した見出しを読み取っていくことで、グループ相互の関係を考えていき、
文章化や図解化を行う。
⑤ 発表
出来上がった図解や文章を基に口頭発表を行う。
- 59 -
学校の教育目標の設定や教科等における目標の構造分析、教材研究を行う等の場面での
活用が可能である。また、授業中の学習者の発言を記録し、KJ法を使って整理すること
で、学習者の思考過程や発言に対する教師のアプローチの妥当性などを評価することもで
きる。
【ルーブリック】
ルーブリックとは、絶対評価のための判断基準表である。多肢選択法や正誤法などのテス
ト問題ならば、正解か不正解かで目標に到達したかどうかが判定される。しかし、判断力
や表現力、問題解決力などの技能や能力、さらに実技教科の実演や作品などを評価する場
合には質的な判断が求められる。この場合に用いられるのがルーブリックである。ルーブ
リックは、成功の度合いを示す数値的な尺度と、それぞれの尺度に見られる認識や行為の
特徴を示した記述語からなる評価指標から作成する。
絶対評価の導入に伴い、「子どもが頑張った」とか「目が輝いた」という現われや、一部
の学習物のみで主観的に評価されがちだった思考・判断や表現を、より客観的に評価する
道具として導入されるようになった。そのためには、序列付けや統計的な得点分布を重視
するのではなく、学習者が具体的に何ができ、何ができないのかを明らかにしておく基準
が必要である。場合によっては、ルーブリックを学習者に事前に示して、学習の目当てと
して活用することもある。また、絶対的な評価指標の内容については、教科の特性や学校
の教育目標等を考慮し、絶えず見直しをする必要がある。
教師の授業評価に導入した場合、ルーブリックとは授業評価指標を指す。授業評価を行っ
た場合、人によって授業の評価が異なることがある。その教師の教育観・授業観によって、
判断基準が異なるからである。そのため、授業評価を行う場合に、評価の基準を共有化す
る必要が生まれてくる。共有した基準に基づいて評価し、その理由を述べ合えれば、授業
の問題点や改善点が、より鮮明になってくる。
教師の授業評価については、添付したシート3(公開授業時の授業評価シート)も、評
価指標を簡略化したルーブリックにあたる。
【授業アドバイザー】
授業改善や研究推進をする際の、特定分野や教科等に詳しい助言者を指す。単に1
時間の授業だけを見てアドバイスをするのではなく、研究への取組、単元、学期など
ある程度の期間を通して、授業を参観したり授業者とともにアイデアを練ったりしな
がらアドバイスを行うこともある。この点で研究授業における従来の指導助言者と大
きく異なる。授業改善を行うにあたっては、教育委員会の指導主事や専門性を有する
近隣の学校教職員、専門性を有する退職教員等の協力を得ることも考えられる。その
例として、愛媛大学教育学部では、愛媛県教育委員会と連携協力して、「地域の教育
改善のための教育支援事業」としてアドバイザー派遣事業を行っている。
- 60 -
2 授業評価や授業改善に関するQ&A
Q1 授業評価は、何のためにするのですか。
A1 授業評価は、教師の授業力を向上させ、児童生徒にとって「魅力的な授業」「分かる授
業」を実践し、児童生徒に確かな学力を定着・向上させることを目的としています。本県
における授業評価は、人事考課などの教師個人を評価するためのものではありません。授
業評価を行うことで、多面的で客観的な評価をすることができます。また、評価資料を分
析することで、各自の課題が明確となり、その課題を改善することで、教師の授業力の向
上を図ることができます。授業評価を通して教師の授業力を向上させることが、教師力、
学校力を高めていくことにつながっていくと考えられます。
詳しくは、第1章「なぜ授業評価システムが必要なのでしょう?」
1 授業評価の目的 P1~P2をご参照ください。
Q2 授業評価システムの構築に当たって、事前に実施しておくことは何ですか。
A2 授業評価に関する校内研修会を実施し、授業評価の意義や目的、各教科に合った項目の
設定、自己評価、児童生徒による評価、外部評価等の実施方法などについて、十分に教職
員の共通理解を図ることが必要です。また、学校の実態に合わせ、校内に「授業評価シス
テム委員会」を設置し、授業評価について個人だけが行うのではなく、学校組織としてサ
ポートするシステムを整えておくことが大切です。
詳しくは、第1章「なぜ授業評価システムが必要なのでしょう?」
2 授業評価システム構築の方法 P3~P5をご参照ください。
Q3 児童生徒や保護者による客観的な授業評価は難しいのではないですか。
A3 授業評価は専門性を必要とするので、児童生徒や保護者に客観的な授業評価を求める
ことは難しいと思います。しかし、授業に対する児童生徒や保護者の思いを知ることは重
要なことであり、授業をよりよくするためのアンケートという形で意見を聞くことは、大
切なことだと思います。
なお、アンケートを行う際には、その趣旨や目的について十分に理解してもらえるよう、
前もって説明しておくことが大切です。時間がないときには、学習者による授業アンケー
トや保護者による授業アンケートの説明シートを添えるなどの工夫をしましょう。
詳しくは、第4章「どのように授業評価を活用すればよいのでしょう?」
学習者による授業アンケート P40~P43
保護者による授業アンケート P44~P45 をご参照ください。
- 61 -
Q4 児童生徒による授業評価は、教師が児童生徒に迎合したり、児童生徒への教育
指導がしにくくなったりするなど、マイナス面もあるのではないですか。
けんさん
A4 教師には「分かりやすい授業」を行う「教えるプロ」として不断の研鑽を積むことが求
められています。そのためには、日々の授業が児童生徒にとって本当に分かりやすく充実
したものになっているかどうかを知ることが必要です。
なお、この授業評価は、授業改善、指導力の向上を目的とするものであることを、児童
生徒及び教職員が理解した上で実施することが大切です。教師が自分の授業を見直し授業
改善することにより、授業力が大きく向上します。また、授業評価を通し、児童生徒に授
業への取組を振り返らせるよい機会となりますし、教師と児童生徒がともに授業をつくり
あげていくこともできます。これらのことが、児童生徒の確かな学力の定着・向上や生き
る力につながるものと考えます。
詳しくは、第4章「どのように授業評価を活用すればよいのでしょう?」
学習者による授業アンケート P40~P43 をご参照ください。
Q5 授業評価を行うと、その集計や考察に時間がかかり、教師の大きな負担になるので
はないですか。
A5 指導と評価の一体化という視点からとらえると、授業評価における集計や考察は、最も
有効な授業研究になるのではないでしょうか。授業評価を実施し、その結果を考察するこ
とで、教師の授業力を問い直し、スキルアップにつなげることができます。授業評価は継
続して行い、その評価情報は、次の授業に生かされなければなりません。そのためには、
集計や考察等で教師に負担がかからないようにする必要があります。評価シートや集計方
法等を工夫することで、教師の負担は軽減されると思います。
巻末に、資料として授業評価システム検討委員会で作成した評価シートや集計シートの
各種実例を添付しています。教科の特性に応じて、項目を設定し直すなど、使い方を工夫
してみてください。
詳しくは、第4章「どのように授業評価を活用すればよいのでしょう?」
1評価情報を収集する方法 2評価シート活用の目的 P28~P29 をご参照ください。
Q6 自分の教科は一人だけで、専門的な立場から授業評価をしてくれる同僚がいないの
ですがどうすればよいですか。
A6 他校の教師や他教科の同僚に協力を求めましょう。市や町の教科主任会や研究ブロック
等での授業研究を行ってはどうでしょうか。また、各学校では、教科の担当が自分だけの
場合でも、複数教科の研修グループを作り、各教科等の特性や目標を踏まえて、授業研究
を行うなどの校内研究推進体制の工夫も考えられます。その際、授業研究においては、評
価シートを用いて、参観者に同じ観点で評価をしてもらうことが大切です。
詳しくは、第5章「授業力を高める校内研修にしましょう」
1 近隣の学校との連携による研究協議 P54~P55 をご参照ください。
- 62 -
Q7 全校体制で授業評価に取り組むためには、どのようなことを工夫すればよいです
か。
A7
① 一番大事なのは目的意識
「授業評価は授業改善や授業力向上のために行う」という目的意識を各自にもって
もらうことが一番大事です。また、授業力向上のために個人の課題や目標を明確にし、
計画的に実践していくことも大切です。
② 小さな集団から
個人のPDCAサイクルをうまく回すために、まずは、目的に適した4~5名の研
修グループを構成し、その中での相互評価から始めるとよいでしょう。その際、あれも
これもと一度に評価するのではなく、具体的に観点を絞り段階を踏んで進めていくのが
よいと思います。個人のPDCAサイクルと研修グループ内でのサポートが順調に進む
ようなら、校内研修部会によるサポートへと大きくするとよいでしょう。
③ みんなの声が生かされる活発な研究協議を
校内研修では、参加者の意見ができるだけ聞けるよう、ワークショップや目的に応じ
た尐人数グループ編成など、研究協議の形態を工夫しましょう。
④ 積極的な授業公開を
積極的に授業を参観し合うために、研究授業を計画的に実施することが必要です。経
験豊かな教師の授業、他教科の教師の授業から学ぶことも多いと思います。その際、添
付の授業評価シートを利用して、授業者にも参観者にも学ぶための具体的な観点をはっ
きりさせましょう。見ること・見られることで互いに得ることは多いはずです。
詳しくは、第3章「組織的に授業評価を進めるにはどうすればよいでしょう?」
P14~P16 をご参照ください。
Q8 授業評価の結果をどのように生かしていけばよいですか。
A8 まず、授業評価の結果を考察し、自分の授業の改善点を明らかにすることです。そして、
改善の方策を練り、次の授業に生かしていくことが大切です。このことが、次の個人のP
DCAサイクルへつながっていきます。評価結果を基にした授業改善を積み重ねていくこ
とが授業力を大きく向上させます。また、教師一人一人が授業評価の結果を謙虚に受け止
め、授業に対する意識を改革し授業改善に向けて日々努力することが大切ではないでしょ
うか。
詳しくは、第4章「どのように授業評価を活用すればよいのでしょう?」
P28~P47 をご参照ください。
- 63 -
様 式 集
【使用上の留意点】
o この様式は、作成例です。各学校の実情に合わせて作成し、使用してください。
o 様式例と設問例は、付属CDの中に保存しています。
o 集計を行うための方法も、付属CDの中に保存しています。
o 評価シートを使って集計することが目的ではありません。結果をもとに考察をし、授業
改善や授業力向上に生かしてください。
o 集計結果で全体の傾向を把握するだけでなく、個への対応を忘れないでください。
目
シート1
シート2
シート3
シート4
シート5
シート6
シート7
シート8
シート9
シート10
次
自己評価チェックリスト
授業力向上のための個人目標の設定シート
公開授業時の授業評価シート
小学校低学年用 授業アンケート
小学校中・高学年用 授業アンケート
中学校用 授業アンケート
授業アンケート(学習活動の相互評価を含む)
保護者からの評価シート
保護者へのアンケート依頼例
アンケート集計結果報告例
- 64 -
シート1
自己評価チェックリスト
自己評価シート
(4…そう思う。 3…ややそう思う。 2…あまり思わない。 1…思わない。)
要素
視
1
A
使命感
2
3
4
B
児童
生徒
理解
5
6
7
8
9
C
教材
解釈
10
11
12
13
D
授業
構成
14
15
16
17
E
授業
実践
18
19
20
21
22
23
点
自己診断
授業改善のために、教材研究に努めたり、指導技術の向上に努めたりして
いる。
意欲的に授業公開や研究協議の成果を生かしている。
学習にふさわしい環境づくりや言語環境の適正化に努めている。
ノートやワークシートには、コメントやアンダーライン等の意思表示をし
て返却している。
一人一人の学習意欲や学習の達成状況を把握している。
つまずきの傾向や原因を分析し、具体的な対策を講じている。
一人一人の思考スタイルや性格の特徴を理解し、整理している。
一人一人の学習状況の記録を収集・整理している。
単元や一単位時間の目標について、分析をしっかり行っている。
単元や一単位時間の目標達成にふさわしい教材を選択したり開発したりし
ている。
教材研究をしっかり行い、使用する教材について深く理解し、専門的知識
を持っている。
学習目標を達成するためにふさわしい教具を準備して授業に臨んでいる。
単元目標や本時の目標を明確にし、児童生徒の反応を予想しながら展開を
組み立てている。
体験的な学習や問題解決的な学習を積極的に取り入れている。
一斉学習やグループ学習、個別学習など、学習形態の適切な組み合わせを
行っている。
練り合い高め合う場を設けている。
一人一人の学習意欲や達成状況に応じて、臨機応変に適切な対応をしてい
る。
理解や思考に役立つように、構造的な板書を行っている。
思考を促したり、焦点化したりするような適切な発問ができている。
的確な指示や分かりやすい説明を行っている。
授業中の私語など、授業のさまたげになる行為には、毅然とした態度で指
導している。
学習活動とリンクした掲示を行い、学習意欲を高めるような教室環境にし
ている。
(自分で付け加えたい設問)
利用のポイント
o まず、年度初めに、今までの授業を振り返って、自分の
課題を把握しましょう。それを基に、今年度の授業につい
ての目標を具体的に設定しましょう。(シート2を使用)
o レーダーチャートを使うなど、課題を把握しやすい工夫
をしましょう。
(右図の例では、教材解釈力に課題があるので、教材研究
のやり方を改善するための具体的方法などが、目標とし
て設定される可能性がある。)
o 月あるいは学期に1回程度、このシートを利用して自己
評価し、授業改善の進み具合を確認しましょう。
- 65 -
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4
4
4
4
4
3
3
3
3
3
2
2
2
2
2
1
1
1
1
1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
自己評価グラフ例
年度初め
… 1学期末
シート2
授業力向上のための個人目標の設定シート
平成
年度 授業力向上のための目標
氏名(
)
学校の教育目標
(自分の課題)
個人の授業力向上
目標
目標達成のための
手立て
利用のポイント
o 自己評価チェックリスト(シート1)に基づいて自分の課題を把握し、学校の教育目標等
とリンクした個人の授業力向上目標と目標達成のための手立てを記入します。
o できるだけ具体的な目標にすると、検証が容易になります。
- 66 -
シート3
公開授業時の授業評価シート
授業評価シート
(4…そう思う。
3…ややそう思う。
2…あまり思わない。
1…思わない。)
視
点
評 価
メ モ
児童生徒の学習状況を把握
1
4 3 2 1
し、適切に対応している。
目標を達成するために、教
2 材や教具が適切に使用され
4 3 2 1
ている。
目標が明確になっており、
3 学習形態や展開を工夫して
4 3 2 1
いる。
発問や説明が、児童生徒の
4 理解や思考のために効果的
4 3 2 1
に行われている。
板書が構造的で、児童生徒
5 の理解や思考のために効果
4 3 2 1
的である。
学習環境が整えられてい
6 る。
4 3 2 1
(授業者が希望する評価の
7
視点)
4 3 2 1
自由記述
利用のポイント
o 授業者と参観者が、同じ視点で授業を評価するために使用します。
o 設問は、校内で統一しておくとよいでしょう。
o 授業者が特に力を入れていることを設問に加えます。
o 授業者の自己評価と、参観者の評価が異なる理由を考察するなど、結果を研究協議などで
活用します。
- 67 -
シート4
小学校低学年用 授業アンケート
じゅぎょうに ついての アンケート
月
日(
)よう日
なまえ
じゅぎょうに ついて、ききます。どれか 一つに まるを して ください。
とてもそうおもう。
そうおもう。
1 じゅぎょうは よく わかる。
あまりおもわない。
まったくおもわない。
せんせい
2 先生は、わかるまで おしえてくれる。
3
せんせい
先生の こえの おおきさや はなす はやさ
は ちょうど よい。
とてもそうおもう。
そうおもう。
あまりおもわない。
まったくおもわない。
とてもそうおもう。
そうおもう。
あまりおもわない。
まったくおもわない。
せんせい
5
あまりおもわない。
まったくおもわない。
とてもそうおもう。
そうおもう。
あまりおもわない。
まったくおもわない。
じゅぎょうは たのしい。
4
とてもそうおもう。
そうおもう。
先生は こくばんに わかりやすく
かいている。
6
せんせい
先生に おねがい したい こと
利用のポイント
o 月に1回程度、あるいは授業公開時に使用します。
o 名前の記入をさせるかどうかは、必要に応じて判断します。
o 低学年は、具体的に説明をして記入させるとよいでしょう。
- 68 -
シート5
小学校中・高学年用 授業アンケート
授業についてのアンケート
平成
年
月
日(
)曜日
名前
授業について、あてはまる番号に1つ○をつけてください。
(4…そう思う。
3…ややそう思う。
2…あまり思わない。
1…思わない。)
Ⅰ (
)の授業について
1 授業の内容は、よく分かる。
4 3 2 1
2 先生は、分かるまで教えてくれる。
4 3 2 1
3 先生や友達は、話を聞いてくれる。
4 3 2 1
分かりやすく楽しい授業になるよう、いろいろな工夫をしてい
4
4 3 2 1
る。
5 授業の内容を、黒板に分かりやすく書いている。
4 3 2 1
6 先生の声の大きさや話す速さはちょうどよい。
4 3 2 1
7 授業は楽しい。
4 3 2 1
8
4 3 2 1
Ⅱ 自分の学習活動を振り返って
1 友達の意見や先生の説明を、しっかりと聞くことができた。
4 3 2 1
2 学習に熱心に取り組むことができた。
4 3 2 1
3 宿題をきちんとやることができた。
4 3 2 1
4 分からないことは、質問をするなどして解決しようとした。
4 3 2 1
5 自分の力がついてきていると思う。
4 3 2 1
Ⅲ 授業についての感想や意見
利用のポイント
o 月に1回程度、あるいは授業公開時に使用します。
o 本音を出させるために、原則的に名前の記入はさせません(匿名性の担保)が、必要に応
じて判断します。後で個別に対応する必要があるときは、記入させます。
o 設問は、校内で共通理解の下で設定するとよいでしょう。もちろん、教科の特質や各教師
の目標に応じて変えることも必要です。
o あまり設問数が多くならないようにしましょう。
o 授業は、教師と児童によって構成していくものです。単なる教師批判や授業批判にならな
いためにも、自分の学習についての自己評価もさせましょう。
o 自分の授業に対する自己評価と、児童の評価を比較し、分析することが必要です。
- 69 -
シート6
中学校用 授業アンケート
授業についてのアンケート
平成
年
月
日(
)曜日
名前
授業について、あてはまる番号に1つ○をつけてください。
(4…そう思う。
3…ややそう思う。
2…あまり思わない。
Ⅰ (
)の授業について
1 先生の説明は、よく分かった。
2 黒板にまとめられたことで、学習内容が整理できた。
3 授業の方法が工夫されていて、分かりやすい。
4 先生の声の大きさや話す速さはちょうどよい。
5 楽しく授業に取り組めた。
6
7
8
Ⅱ 自分の学習活動を振り返って
1 今日(単元)の学習内容が理解できた。
2 分からないところは、質問するなどして解決しようとした。
3 ○○○○ができるようになった。
4 先生や友達の話をしっかりと聞くことができた。
5 宿題や準備物をきちんとして、授業に取り組んだ。
Ⅲ 授業についての感想や意見
1…思わない。)
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
利用のポイント
o 月に1回程度、あるいは授業公開時に使用します。
o 本音を出させるために、原則的に名前の記入はさせません(匿名性の担保)が、必要に応
じて判断します。後で個別に対応する必要があるときは、記入させます。
o 設問は、校内で共通理解の下で設定するとよいでしょう。もちろん、教科の特質や各教師
の目標に応じて変えることも必要です。
o あまり設問数が多くならないようにしましょう。
o 授業は、教師と生徒によって構成していくものです。単なる教師批判や授業批判にならな
いために、自分の学習についての自己評価もさせましょう。
o 自分の授業に対する自己評価と、生徒の評価を比較し、分析することが必要です。
- 70 -
シート7 中学校用 授業アンケート(学習活動の相互評価を含む)
授業についてのアンケート
平成
年
月
日(
)曜日
名前
授業について、あてはまる番号に1つ○をつけてください。
(4…そう思う。
3…ややそう思う。
2…あまり思わない。
Ⅰ (
)の授業について
1 先生の説明は、よく分かった。
2 黒板にまとめられたことで、学習内容が整理できた。
3 授業の方法が工夫されていて、分かりやすい。
4 先生の声の大きさや話す速さはちょうどよい。
5 楽しく授業に取り組めた。
6
7
Ⅱ 自分の学習活動を振り返って
1 今日(単元)の学習内容が理解できた。
2 分からないところは、質問するなどして解決しようとした。
3 ○○○○ができるようになった。
4 先生や友達の話をしっかりと聞くことができた。
5 宿題や準備物をきちんとして、授業に取り組んだ。
Ⅲ グループの学習活動を振り返って
1 それぞれの役割を果たし、協力して活動できた。
2 教え合って活動できた。
3 グループのめあてを達成することができた。
Ⅳ 授業についての感想や意見
1…思わない。)
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
4 3 2 1
利用のポイント
o 月に1回程度、あるいは授業公開時に使用します。
o 本音を出させるために、原則的に名前の記入はさせません(匿名性の担保)が、必要に応
じて判断します。後で個別に対応する必要があるときは、記入させます。
o 設問は、校内で共通理解の下で設定するとよいでしょう。もちろん、教科の特質や各教師
の目標に応じて変えることも必要です。
o あまり設問数が多くならないようにしましょう。
o 授業は、教師と生徒によって構成していくものです。単なる教師批判や授業批判にならな
いために、自分や所属するグループの学習についての自己評価もさせましょう。
o 自分の授業に対する自己評価と、生徒の評価を比較し、分析することが必要です。
- 71 -
シート8
保護者からの評価シート
アンケート
平成
年
月
日(
)曜日
今日の授業について、あてはまる番号に1つ○をつけてください。
(4…そう思う。
3…ややそう思う。
2…あまり思わない。
1…思わない。)
Ⅰ (
)年(
)組 (
)の授業について
1 分かりやすい授業である。
4 3 2 1
2 先生は、ていねいに教えている。
4 3 2 1
3 学習のルールが徹底し、落ち着いた学習活動が成立している。
4 3 2 1
分かりやすく楽しい授業になるよう、いろいろな工夫をしてい
4
4 3 2 1
る。
5 授業の内容を、黒板に分かりやすく書いている。
4 3 2 1
6 先生の声の大きさや話す速さはちょうどよい。
4 3 2 1
7
4 3 2 1
8
4 3 2 1
Ⅱ 最近の家庭でのお子さんの様子はいかがですか。
1 宿題はきちんとやっている。
4 3 2 1
2 落ち着いて家庭学習に取り組んでいる。
4 3 2 1
3 朝ごはんを食べてから登校している。
4 3 2 1
4
4 3 2 1
Ⅲ 授業をさらによくしていくためのご意見があれば、お書きください。
利用のポイント
o 授業や教師に対する、保護者の思いや願いを把握するために活用しましょう。
o 保護者に趣旨を理解してもらった上で実施しましょう。(シート9を参照)
o (
)の中には、学年や組、教科や単元名などを記入します。
o 参観日などを利用して、学校で一斉に実施します。
o 本音を書いてもらうために、原則的に名前の記入欄は設けません(匿名性の担保)が、必
要に応じて判断します。
o 設問は、校内で共通理解の下に設定するとよいでしょう。もちろん、教科の特質や各教師
の目標に応じて変えることも必要です。
o 生徒のアンケートや教師の自己評価と比較したい場合は、それらの設問と対応する設問を
作成します。
o 答えにくい設問は避け、設問数が多くならないようにしましょう。
o 家庭の学習の様子などについて尋ねる設問も入れましょう。
- 72 -
シート9-1 保護者へのアンケート依頼例
平成○○年○月○日
保護者各位
○○立○○中学校長
□□ □□
アンケートのお願い
本日は、ご多用の中、参観をしていただきありがとうございます。○○中学校では、生徒
に分かる喜びや学習する楽しさを実感させることのできる授業を目指して努力しています。つ
きましては、本日の授業を見てのご意見やご感想を、アンケートに記入していただき、各階の
階段にある箱に入れていただきますようお願いいたします。
なお、アンケートには、ご自分のお子さんだけでなく、学級全体の生徒の様子を見てご回
答ください。
シート9-2 授業参観の案内と合わせた例
平成○○年○月○日
保護者各位
○○立○○中学校長
□□ □□
授業参観のお知らせとアンケートのお願い
保護者の皆様には、ご清祥のこととお喜び申し上げます。日頃より、本校の教育活動に対し
てご協力いただいておりますこと、感謝申し上げます。
さて、下記のとおり授業参観日を実施いたしますので、ご案内申し上げます。
ところで、本校では、生徒と一緒に「分かる喜びや学習する楽しさを実感できる授業」を
目指して努力しています。つきましては、保護者の皆様に、授業についてのご意見をお寄せい
ただきたいと思います。アンケートは、保護者の皆様に授業を客観的に見ていただき、よりよ
い授業へ改善するためのものです。ぜひ、ご参観いただき、ご協力くださいますようお願いい
たします。
記
1 日時
平成○○年○月○日(○) 第5校時(午後1時20分~2時10分)
2 場所
各教室(授業一覧表をご覧ください)
3 アンケートの方法
○ アンケート用紙は、当日配布いたします。授業終了後、各階の階段にあ
る回収箱にお入れください。
○ 今回評価いただくポイントは、次の2点です。
① 生徒は、学習する楽しさを感じているか。
② 教師は分かりやすく説明をしているか。
保護者の皆様から建設的なご意見をいただきたいと考えておりますので、よ
ろしくお願いいたします。
- 73 -
シート10 アンケート集計結果報告例
平成○○年○月○日
保護者各位
○○立○○中学校長
□□ □□
アンケート集計結果について
先日行いました参観日には、授業参観およびアンケートにご協力いただきありがとうござい
ました。お寄せいただいたアンケート集計結果について、生徒の回答と合わせて、次のとおり
ご報告いたします。
これからも、子どもたちのよりよい成長を願い、「分かる喜びや学習する楽しさを実感でき
る授業」をめざして全校で取り組んでいきたいと思います。ご家庭でも、お子さんの学習につ
いて頑張りを認め励ます言葉かけをよろしくお願いいたします。
記
1 アンケート集計結果
回答数
生徒:328名
保護者:161名
⑴ 結果(別紙データをご覧ください)
⑵ おもなご意見
2 考察
⑴ 生徒
⑵ 保護者
3 今後の方策
利用のポイント
o できるだけ早く結果を報告します。
o 生徒の回答の集計を併せて報告するかどうかは、学校の実情により判断します。併せて報
告する場合には、互いのアンケートの設問が対応したものにしておくとよいでしょう。
o アンケート結果のデータは、視覚化して分かりやすくします。
o 考察は、全体を要約し、簡潔に記述します。
o 今後の方策には、改善の方向性を示し、保護者の期待にこたえようとする意欲が表れるよ
うに記述します。
o アンケートのデータは、学校評価の評価資料としても利用します。
- 74 -
参
考
文
献
○ 愛媛県教育委員会 『確かな学力の定着向上のための指導改善資料』 2006
○ 文部科学省 「今後の教員養成・免許制度の在り方について(中央教育審議会答申)
」 2006
○ 文部科学省
「新しい時代の義務教育を創造する(中央教育審議会答申)
」 2005
○ 文部科学省
「学校評価の在り方と今後の推進方策について(第1次報告)
」 2007
○ 工藤文三編著 『校長・教頭の授業観察・面談ハンドブック』 教育開発研究所 2006
○ 工藤文三編著 『学力を育てる教師力の向上』 教育開発研究所 2005
○ 小林宏己編集 『子どもの学び・教師の学び』 教育開発研究所 2006
○ 佐竹勝利編著 『教員評価・人材育成』 教育開発研究所 2006
○ 奈須正裕編著 『学力向上・学習評価研修』 教育開発研究所 2006
○ 村川雅弘編著 『ワークショップ型研修のすすめ』 ぎょうせい 2003
○ 葉養正明編著 『
「確かな学力」を保障する新しい学校経営』 教育開発研究所 2003
○ 堀井啓幸・黒羽正見編著 『教師の学び合いが生まれる校内研修』 教育開発研究所 2005
○ 小島宏編著 『これで万全「人事考課・自己申告」への対応』 教育開発研究所 2007
○ 梶田叡一著 『教育評価入門』 協同出版 2007
○ 田中統治編著 『確かな学力を育てるカリキュラムマネジメント』 教育開発研究所 2005
○ 『指導と評価 №637』 図書文化 2008
○ 『指導と評価 №615』 図書文化 2006
○ 『指導と評価 №614』 図書文化 2006
○ 『指導と評価 №592』 図書文化 2004
○ 『指導と評価 №579』 図書文化 2002
○ 『教職研修 第 409 号』教育開発研究所 2006
○ 「高めよう「授業力」!進めよう授業改善」 東京都教職員研修センター 2005
○ 「授業力向上の鍵」 横浜市教育センター 2005,2006
○ 「『授業評価』の在り方に関する研究」 千葉県総合教育センター 2007
- 75 -
教育課程指導資料一覧
1
昭 和 6 3年 度
教育課程指導資料1
「小学校・中学校学習指導要領改訂の趣旨」
2
平成元年度
教育課程指導資料2
「小学校・中学校移行措置の手引」
3
平成2年度
教育課程指導資料3
「生活科の指導」
4
平成3年度
教育課程指導資料4
「個性を生かす教育(小学校)」
5
平成4年度
教育課程指導資料5
「個性を生かす教育(中学校)」
6
平成5年度
教育課程指導資料6
「新しい学力観に立つティームティーチング(小学校)」
7
平成6年度
教育課程指導資料7
「新しい学力観に立つティームティーチング(中学校)」
8
平成7年度
教育課程指導資料8
「コンピュータを活用した学習指導実践事例集(中学校)」
9
平成8年度
教育課程指導資料9
「コンピュータを活用した学習指導実践事例集(小学校)」
10
平成9年度
教育課程指導資料10
「問題解決的な学習指導(中学校)」
11
平 成 1 0年 度
教育課程指導資料11
「問題解決的な学習指導(小学校)」
12
平 成 1 1年 度
教育課程指導資料12
「小学校・中学校
13
平 成 1 2年 度
教育課程指導資料13
「小学校・中学校
14
平 成 1 3年 度
平 成 1 4年 度
平 成 1 5年 度
平 成 1 6年 度
平 成 1 7年 度
平 成 1 8年 度
平 成 1 9年 度
自ら学び自ら考える力を育てる授業の充実
その2」
確かな学力の定着向上のための指導改善資料」
教育課程指導資料19
「小学校・中学校
20
その1」
教育課程指導資料18
「小学校・中学校
19
自ら学び自ら考える力を育てる授業の充実
教育課程指導資料17
「小学校・中学校
18
個に応じた指導の充実」
教育課程指導資料16
「小学校・中学校
17
教育課程編成の考え方」
教育課程指導資料15
「小学校・中学校
16
指導計画作成の手引」
教育課程指導資料14
「小学校・中学校
15
移行措置の手引」
確かな学力の定着向上のための指導改善資料
教育課程指導資料20
「小学校・中学校
授業評価システムガイドライン」
- 76 -
Part 2」
資 料 作 成
授業評価システム検討委員会
会長 愛媛大学教育学部
授
平松 義樹
副 会 長
平野 忠司
委員 愛媛大学教育学部
准 教 授
露口 健司
委員 愛媛県小中学校校長会
常任理事
長井 強
委員 県PTA連合会
副 会 長
山田 由美
委員 県総合教育センター
井上 浩二
委員 県教委保健スポーツ課
教科教育
部
長
課
長
委員 県教委義務教育課
課
堺 雅子
副会長
愛媛県教育研究協議会
教
長
大杉 住子
授業評価システム検討委員会ワーキンググループ
班長 県総合教育センター
長
芝 毅
班員 八幡浜市立八代中学校
教
諭
山村 好克
研究主事
井上 正記
班員 東温市立重信中学校
教
諭
川上 斉睦
班員 宇和島市立三間小学校
教
諭
山田 真理
班員 今治市立玉川中学校
教
諭
原田 周範
班員 松山市立清水小学校
教
諭
仲 公一
班員 大洲市立大洲北中学校
教
諭
上石 容子
班員 西条市立丹原小学校
教
諭
黒河 典彦
班員 新居浜市立角野中学校
教
諭
河村 公寿
班員 新居浜市立泉川小学校
教
諭
合田 信久
班員 愛南町立一本松中学校
教
諭
若木 伯博
班員 愛南町立家串小学校
教
頭
松廣 歩
班員 大洲市立長浜中学校
教
諭
中岡のり子
班員 八幡浜市立宮内小学校
教
諭
森分 芳子
班員 今治市立大西中学校
教
諭
井上 洋
班員 今治市立桜井小学校
教
諭
山本 純子
班員 西条市立河北中学校
教
諭
茎田 篤史
班員 松山市立浮穴小学校
教
諭
高栁喜美子
班員 県総合教育センター
研究主事
山本 國彦
班員 宇和島市立番城小学校
教
諭
川越 芳彦
班員
〃
〃
道上 修二
班員 松山市立内宮中学校
教
諭
田坂 文明
班員
〃
〃
兵頭 弘
指導主事
齋藤 照夫
副班長
県総合教育センター
室
授業評価システム検討委員会事務局
県教委義務教育課
課長補佐
弓削加代子
県教委義務教育課
辻井芽美子
〃
〃
渡部 浩美
安田 智美
〃
〃
松本 光史
県教委保健スポーツ課
教育指導
係
長
幼児教育
係
長
指導主事
松岡誠一郎
〃
〃
川崎ひとみ
県教委義務教育課
指導主事
今西 俊介
〃
〃
岡村 真一
〃
〃
藤田 晋司
〃
〃
山本 浅幸
〃
〃
井藤 留美
〃
〃
中野 公雅
〃
〃
城戸 茂
〃
〃
渡部ゆかり
〃
〃
上村 悦男
〃
県教委義務教育課