当資料は、フランス・パリで 2010 年 3 月 4 日（木）に発表されたプレスリリースの抄訳です。 2010 年度「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」5 人の受賞者決定 ― ロレアル財団とユネスコが協力、女性科学者の地位向上を目指す― 2010 年 3 月 4 日＜参考資料＞ロレアルグループ（本社：フランス・パリ）がユネスコと世界規模で展開する「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」は、 2010 年度の受賞者に世界 5 大陸から生命科学の分野で活躍する 5 人の女性科学者を選出しました。ロレアル財団とユネスコは、同賞を通じて、世界の発展に寄与した受賞者の業績を称えることを目的としています。 3 月 4 日（木）、パリのユネスコ本部にて授賞・授与式が開催され、国際選考委員会委員長を務めるグンター・ブローベル（1999 年ノーベル医学賞受賞）より、受賞者の研究成果が紹介されました。 2010 年「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」受賞者は下記のとおりです。 (詳細は、www.forwomeninscience.com をご覧ください) ● アフリカ/中東諸国：ラシカ・エルリディ（Rashika El Ridi）エジプトカイロ大学理学部動物学科免疫学教授受賞理由感染者 2 億人超 - 熱帯性寄生虫病ビルハルツ住血吸虫症に対するワクチンの開発に貢献 ● アジア/太平洋地域：ルゥールド・J・クルーズ（Lourdes J. Cruz）フィリピンフィリピン大学ディリマン校海洋科学研究所教授受賞理由鎮痛剤および脳機能研究用試薬として有用な海洋性巻貝由来コノトキシンの発見 ● ヨーロッパ：アンヌ・デジャン-アセマ（Anne Dejean-Assémat）フランスパスツール研究所および国立医学研究所ユニット 579 腫瘍分子細胞生物学研究ディレクター受賞理由人体におけるある種の癌の起源に関する分子細胞メカニズムの解明 ● 中南米：アレハンドラ・ブラヴォ（Alejandra Bravo）メキシコメキシコ国立自治大学生物工学研究所教授受賞理由環境に優しい殺虫剤として作用するバクテリア毒素のメカニズムに関する研究成果 ● 北米：エレーヌ・フックス（Elaine Fuchs）米国ロックフェラー大学細胞生物学・発生学教授受賞理由皮膚の発達、維持、修復に関わる幹細胞とその主要プロセスの発見世界に先駆けて、さまざまな分野の発展に貢献した女性科学者を支援ロレアルとユネスコは、1988 年に創設した「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」を通じて、世界の発展に寄与した女性科学者に光を当て、支援しています。受賞者の研究は、医療から、環境、社会貢献活動に至るまで、グローバル規模の課題に取り組んでおり、将来の発展につながる重要な基盤となっています。また、2008 年度「ロレアル‐ユネスコ女性科学賞」の受賞者であるエリザベス・ブラックバーン（米国）と、アダ・ヨナット（欧州）が、それぞれ 2009 年ノーベル医学・生理学賞およびノーベル化学賞を受賞するという快挙を遂げています。名誉ある機関からの両名の研究に対する高い評価は、ロレアル財団とユネスコの今後の協力関係において大きな後押しとなります。過去 12 年の間に同賞は、全世界で約 1,000 人の女性科学者を表彰しており、多くの女性科学者の活躍の場を拡げるとともに、最高峰の科学を奨励する国際的な賞としての地位を確立しています。日本からは、2000 年に、日本の分子生物学の草分け的存在で DNA の不連続複製「岡崎フラグメント」で知られる岡崎恒子氏（名古屋大学名誉教授）、2005 年にアモルファス半導体および液体金属の先駆的理論とコンピューター・シミュレーションによる解明で米沢富美子氏（慶応大学名誉教授）、2009 年に世界で初めて、単一分子性金属の設計と合成に成功し、分子性伝導体の開発研究に貢献した功績により、小林昭子氏（日本大学教授、東京大学名誉教授）の計 3 人の日本人女性科学者が受賞しています。 *** ロレアル財団について 2007 年 10 月に創設され、より良き企業市民を目指すべく、企業の社会的責任に関する様々な活動を助成、推進、支援することを活動目的としています。同財団は、フランスの財団で第 2 位の規模を誇り、約 66 億円を向こう 5 年間のファンドとして拠出しており、「科学」、「教育」、「連帯」の 3 本柱からなる活動を積極的に推進しています。ロレアルグループについて (www.loreal.com) 1909 年にパリで化学者ウージェンヌ・シュエレールによって設立され、世界 130 カ国・地域で事業を展開し、 68,000 人の従業員を擁する世界最大の化粧品会社です。「ヘレナルビンスタイン」「ランコム」「シュウウエムラ」「キールズ」「イヴ・サンローラン」「ロレアルパリ」「ロレアルプロフェッショナル」「メイベリンニューヨーク」など、 23 の主要ブランドをグローバル規模で展開していますロレアルグループは、創立当初から研究活動を最重要視し、化粧品科学を一つの独立した科学分野へと育て上げてきました。また、女性研究者を積極的に登用しており、約 3,300 人の研究者のうち、女性が占める割合は、 55％以上にも上ります。ユネスコについて 1945 年に創設されたユネスコ（国際連合教育科学文化機関）は、本部をパリに置き、諸国民の教育、科学、文化の協力と交流を通じ、国際平和と人類の福祉を促進することを目的とした国際連合の専門機関です。 2009 年現在の加盟国数は 193 カ国あり、また世界 52 カ所に地域事務所を置いて活動を展開しています。 ***