平成21年7月10日 担当:地域経済課 尾本 哲朗 TEL(082)224-5684 中国地域から経済産業大臣賞4件ほか受賞! ∼第3回「ものづくり日本大賞」受賞者決定∼ 政府では我が国の産業・文化の発展を支え、豊かな国民生活の形成に大きく貢献してきた「ものづく り」を着実に継承し、さらに発展させていくため、「ものづくり」に携わっている人材のうち、特に優秀と認め られる人材に対して表彰する「ものづくり日本大賞」を平成17年に創設しております。この度、第3回目の 受賞者が下記のとおり決定しましたので、お知らせします。 なお、全国679件あった応募のうち、中国地域から11個人、12グループ、1団体が受賞されます。 1.受賞者の概要 【経済産業大臣賞】 4件 (全国21件) (製造・生産プロセス部門) [受賞テーマ] ベンダ工法による省資源・高歩留りの金属リング製造技術を確立 や し ろ やすひろ [グループ] リーダー:八代 恭 宏 (ベンダ工業株式会社;広島県呉市) メンバー:八代一成、八代公治、大鹿 守、山根 孝(ベンダ工業株式会社) 八代行雄(青島奔達汽車配件有限公司) 金 貞漢、鄭 潤鎬、劉 權範(ベンダ鮮光工業株式会社) (製品・技術開発部門) [受賞テーマ] 革新的厚鋼板製造プロセスを用いた建産機・エネルギープラント用高機能高強度厚鋼板 しかない の ぶ お [ グループ] リーダー:鹿内伸夫(JFE スチール株式会社、岡山県倉敷市) メンバー:諏訪 稔、長尾彰英、上岡悟史、多賀根 章、平田健二、和田典巳、 伊藤高幸、津山青史、崎山哲雄(JFE スチール株式会社) [受賞テーマ] 液晶テレビ顔料を含め電子材料でナノ粒子の実用化を可能とした世界初ナノ粒子分散装置 いんきょ みつぎ [ グループ] リーダー: 院去 貢 (寿工業株式会社;広島県呉市) メンバー:北風俊哉、田原隆志、大年善文(寿工業株式会社) [受賞テーマ] 世界中で利用されるプログラミング言語「Ruby」を開発、地域の産業振興にも貢献 まつもとゆきひろ [個 人] 松本行弘(株式会社ネットワーク応用通信研究所、島根県松江市) 【優 秀 賞】 別記「中国地域の優秀賞及び中国経済産業局長賞一覧」 1.参照 【中国経済産業局長賞】 別記「中国地域の優秀賞及び中国経済産業局長賞一覧」 2.参照 2.表彰式 【経済産業大臣賞】【特別賞】 7月中旬 場所:ザ・プリンスパークタワー東京 (東京都港区芝公園 4-8-1) 【優秀賞】【中国経済産業局長賞】 7月29日(水)14:00∼ 場所:ホテルグランヴィア広島 (広島市南区松原町 1-5) なお、7 月 29 日開催の「ものづくりフォーラム in 中国」(添付チラシ参照)において、優秀賞と中国経済 産業局長賞の授賞式を行います。 ※本件は、経済産業省において全国版を同時発表しています。 (参考) 【ものづくり日本大賞について】 ものづくり日本大賞とは、我が国産業・文化を支えてきた「ものづくり」を継 承・発展させるため、ものづくりを支える人材の意欲を高め、その存在を広く社 会に知らしめることを目的に創設した内閣総理大臣表彰です。 経済産業省、文部科学省、厚生労働省及び国土交通省の4省庁連携により、平 成17年に第1回を開催し、その後2年に一度開催することとしています。 ものづくりの中核を担う中堅人材、伝統の技を支える熟練人材及び将来を担う 若手人材を表彰します。また、チームワークが我が国の強みであることを踏まえ、 個人のみならず、グループも受賞の対象とします。 各省庁は、有識者で構成される第三者委員会の審査等を踏まえて受賞者を選定 し、受賞者には賞状が授与されるとともに、内閣総理大臣賞及び経済産業大臣賞 の受賞者には副賞としてメダル・徽章・楯が授与されます。 ※ 全国では691件の応募があり(うち中国地域は71件応募)、審査・選考 の結果、内閣総理大臣賞5件(中国地域0件)、経済産業大臣賞21件(同4件) 、 特別賞11件(同0件)、優秀賞72件(同9件)、局長賞(同11件)が選出 されました。 (別記) 中国地域の優秀賞及び中国経済産業局長賞一覧 1.【優秀賞】 9件 案件名 受賞者 所属企業等 マイクロギアの歯面仕上げを可能にするオンリーワン技術シ ステムの開発及び実用化 西村順昭 ほか7人 清和鉄工株式会社 (島根県簸川郡斐川町) 水素ロータリーエンジン車の開発 柏木章宏 ほか9人 マツダ株式会社 (広島県安芸郡府中町) 製紙機械の効率化を可能にしたプレスロール用セラミック溶 射皮膜の開発と実用化 田尻登志朗 倉敷ボーリング機工株式会社 (岡山県倉敷市) 卓越したスパッタ法を活用した、有機ELパネルへの封止膜技 田尾鋭司 ほか5人 術の開発と実用化 長州産業株式会社 (山口県山陽小野田市) 耐性に優れる革新的燃料電池用シングルナノNi改質触媒の 開発と実用化 小林斉也 ほか6人 戸田工業株式会社 ほか (広島県大竹市) 薄板難加工ステンレス材の製品精度改善工法の開発 田中清治 ほか9人 株式会社田中製作所 (鳥取県鳥取市) 新しい石州瓦の開発 木村博紀 株式会社木村窯業所 (島根県江津市) 企業OBによる子ども達への「ものづくり意識」と「ものを大切に NPO法人山口県アクティブ NPO法人山口県アクティブシニア協会 シニア協会子供育成部会 子供育成部会(山口県周南市) する意識」の育成活動 タイ・子会社への新工プレス工法技術の普及と定着化を計り 自動車部品産業の発展に貢献 晝田 眞三 ヒルタ工業株式会社 (岡山県笠岡市) 2.【中国経済産業局長賞】 11件 案件名 受賞者 所属企業等 竹を素材とした集成材の開発及び曲面成型加工技術の確立 山口和男 による竹製家具の製品化 TAKE Create Hagi株式会社 (山口県萩市) 紙積層模型を使用する精密鋳造品の製造システム(ロスト ペーパー法)の開発と実用化 株式会社今西製作所 (広島県広島市) 今西寛文 ほか7人 国内初の多品種浸炭焼入れの大量生産を可能にした無人化 日下喜孝 ほか9人 FAラインの構築 福山熱煉工業株式会社 (広島県福山市) 刺繍機により皮レースを連続裁断縫製する刺繍加工技術(モ 苗代次郎 ザイク刺繍)の開発と実用化 株式会社美希刺繍工芸 (広島県福山市) 世界初の、大量に安定的なナノバブル(1ml中に800万個以 上)生成装置の開発 株式会社協和機設 (広島県福山市) 辻 秀泰 お好み焼ほかの量産(機械・ソフト)の開発販売と食品製造ビ 里吉賢司 ほか5人 ジネスの複合的展開 株式会社里吉製作所 (広島県広島市) 「小型無人移動体」への搭載を目的とした「世界最小クラス」3 田原 誠 軸姿勢センサの開発 ヒロボー株式会社 (広島県府中市) コアシェル構造を有するハイブリッド型複合機能粒子粉体の 開発と実用化 戸田工業株式会社 (広島県大竹市) 林 一之 ほか6人 正方形軌跡運動機構の発明による、大型液晶パネルの薄型 門田光史 化用大型片面研磨機の開発 株式会社メックス (広島県府中市) 世界初 次世代材料の超精密微細加工技術の開発と実用化 橋川栄二 株式会社橋川製作所 (広島県広島市) 熊野筆の伝統技術を活かして、アニメのプロフェッショナルが 西田正美 認めるアニメ筆を開発 株式会社松月堂 (広島県安芸郡熊野町) 案件名: 世界初の、大量に安定的なナノバブル(1ml中に800万個以上)生成装置の開発 受賞者: 辻 秀泰(つじ ひでやす) 所属企業: 株式会社協和機設(広島県福山市) 数百ナノメートル以下の微細な気泡であるナノバブルは、界面活性作用・生理活性作用などの特性を有す る。受賞者はこのナノバブルを、「気液混合せん断方式」により1ml中に800万個以上生成し、3ヶ月以上存在 させる生成装置を開発した。 同装置は、既に配管・高速道路トンネル壁・トイレ等の洗浄や廃水処理に利用され、効率化、コスト削減、環 境負荷の低減等の効果が確認されているとともに、今後は農業・水産業をはじめ各種産業での活用や健康・美 容・医療分野における応用も期待されている。 案件名: お好み焼ほかの量産(機械・ソフト)の開発販売と食品製造ビジネスの複合的展開 リーダー: 里吉賢司(さとよし けんじ) メンバー: 山本征義、伊藤敦通、吉田祐子、杉田修司、北泰治 所属企業: 株式会社里吉製作所(広島県広島市) 「お好み焼」など鉄板焼き食品の量産技術(機械・ソフトウェア)の開発に成功し、国内のコンビニエンスストア 惣菜工場や国内・国外の冷凍食品工場などに多数納品している。 「他品種の調理品の加熱・焼成に対応できる」「職人技を自動化できる」コンセプトで開発された当装置の特長 は、多種類の食品を製造できる多様性と豊富なアタッチメントであり、ハーフオーダーメイド方式による低価格を 実現した。 同時に『味感工房』ブランドとして、高度な生育管理のもとに栽培された近郊農家との契約栽培キャベツを使 用した「冷蔵パック お好み焼」そのものの製造・販売事業も展開しており、複合的「お好み焼」ビジネスにおい ては、他の追従を許さないトップランナーである。 案件名: 「小型無人移動体」への搭載を目的とした「世界最小クラス」3軸姿勢センサの開発 受賞者: 田原 誠(たわら まこと) 所属企業: ヒロボー株式会社(広島県府中市) 従来の姿勢センサは、大きさ、重さ、価格に難があり、利用範囲が限られていたが、受賞者が開発した3軸姿 勢センサユニットは世界最小クラスの大きさ(60×40×15㎜)と重量(15g)であり、ホビー向けラジコンだけでは なく、これまで搭載スペースの問題で自律制御や姿勢制御が行なえなかった小型移動体への応用も可能と なった。 今後は、高齢者の姿勢を検知することによって、迅速に危険を察知するといった介護機能や車椅子の自律化 といった福祉ロボットの実現など、介護・福祉分野での貢献にも期待できる。 案件名: コアシェル構造を有するハイブリッド型複合機能粒子粉体の開発と実用化 リーダー: 林 一之(はやし かずゆき) メンバー: 岩崎敬介、森井弘子、石谷誠治、大杉峰子、田中康幸、下畑祐介 所属企業: 戸田工業株式会社(広島県大竹市) 酸化鉄、酸化チタンなどの無機酸化物粒子をコアとし、表面にカーボンブラック、各種高彩色有機色素をシェ ル層として設けた複合化粉体の製造技術(ハイブリッド技術)の開発に成功し、磁気記録用途、電子材料用途、 着色用途に展開、実用化した。 微小粒子(無機酸化物等)に数ナノの薄さで有機材料を均一にコーティングする技術により、磁気特性や光学 特性等を制御することを可能にした。それぞれの機能を有する材料をコアシェル構造にすることで、材料の持 つポテンシャルを最大限に発揮させることができ、材料の高機能化とコスト低減につながる。 無機コアと有機シェルの組み合わせは無限にあり、ハイブリッド技術には計り知れない可能性がある。
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