HIRI 技術情報Ｑ＆Ａコーナー Q&A… 「エレクトロニクス関連技術の開発／環境関連技術の開発」当試験場では、皆さんからの技術相談に研究職員がわかりやすく回答、アドバイスをしていますので、どうぞお気軽にご相談ください。以下相談事例をご紹介しますので、ご利用の際の参考にしてください。【相談・照会先：技術支援センター技術支援課技術支援係 TEL：011-747-2348（ﾀﾞｲﾔﾙｲﾝ）】 Q 超解像技術とは何ですか？超解像処理はデジタル画像における画像処理技術の一つで、低解像度の画像から高解像度の画像を推定して映像をきれいにするための技術です。デジタル画像は、ピクセルと呼ばれる格子状の多数の点で画像を分割し、各点の明るさや色をデジタル値で持つことで映像を表現しています。この格子の細かさを解像度と呼び、解像度が高ければ高いほど画像のピクセル数は多くなり、より高精細な映像を表現できます。例えば、横720×縦480ピクセルの DVD映像を横1,920×縦1,080ピクセルのデジタルハイビジョンテレビに映し出そうとすると、解像度が異なりますので、足りないピクセルの情報を何らかの手段で埋め合わせて拡大する必要があります。通常、足りないピクセルの値は、周りにあるピクセルの値から補間処理を用いて推定します。ところが、単純な補間処理では映像の輪郭や細かな模様などは推定できないので、拡大した画像はぼやけた映像になってしまいます。しかし、超解像処理を用いて足りないピクセルの値を推定すれば、拡大した画像を A Q カドミウムの基準値について教えてください。カドミウムは亜鉛に似た性質を持ち、めっき、顔料やニッカド電池などの用途で利用されておりますが、イタイイタイ病の原因物質であり、また発がん性も認められるなど、人体への有害性が問題となり、現在では環境基準や食品、製品など様々なものに基準値が設定されています。また、事故米流通問題に関連しカドミウム汚染米の問題もクローズアップされ、さらに国際的なカドミウム規制の強化を受け、国内の基準値もより厳しくする傾向となっています。カドミウムの基準値について、主なものを次に示します。 ○環境関連・水質汚濁に係る環境基準　0.01mg/L ・土壌の汚染に係る環境基準　0.01mg/L ・水質汚濁防止法に基づく排水基準　0.1mg/L ・水道水質基準　0.003mg/L（H22.4.1に以前の規制値0.01mg/Lから強化された） A 8 工業試験場技術情報　Vol . No . くっきりと違和感なく見せることが出来ます。この超解像処理は様々な計算方法がありますが、１枚の画像から高解像度画像を推定する「単一フレーム型」と、複数枚の画像から推定する「再構成型」に大別されます。「単一フレーム型」は、同一画像上で似たような輪郭や模様を見つけ、その特徴を元に高解像度画像を推定する手法です。また、「再構成型」は、低解像度画像から補間処理を用いて初期の高解像度画像を推定します。次に、位置合わせをした別の低解像度画像と比較して誤差を求め、その誤差を高解像度画像に反映する作業を繰り返すことで、正しい高解像度画像を推定する手法です。超解像処理は複雑な計算が必要であり、どんな場合でも適用できるとは限りませんが、画像による品質評価やセキュリティ監視、高解像度化が進む表示モニタへの適用など、様々な産業分野での利用が期待されています。当試験場では、超解像技術などの画像処理技術や画像認識技術を利用した研究開発および技術支援を行っておりますので、是非ご相談ください。（情報システム部　飯島　俊匡）・土壌汚染対策法　0.01mg/L（土壌溶出量）、 150mg/kg（土壌含有量） ○食品関連・米（玄米）1.0mg/kg未満（H22.4.8に基準値が「玄米および精米中に0.4mg/kg以下」と改正され、H23.2.28に施行予定）・清涼飲料水　原水：0.01mg/L以下、製品：検出してはならない・粉末清涼飲料　検出してはならない・国際基準（コーデックス規格）穀類 0.1mg/kg、小麦 0.2mg/kg、ばれいしょ 0.1mg/kg、豆類 0.1mg/kg、根菜・茎菜 0.1mg/ kg、葉菜 0.1mg/kg、精米 0.4mg/kg、海産二枚貝 2mg/kg、頭足類 2mg/kgなどその他、飼肥料、食器等の器具及び容器包装、おもちゃ、電子機器等にも国内外においてカドミウムの基準値が設定されており、製品の販売、輸出等の際に取引先等からカドミウムなどの有害物質の分析を要求される場合もあります。 (環境エネルギー部　若杉　郷臣)