テキストファイルをDAISY風に表示するリーダーの

社団法人 電子情報通信学会
THE INSTITUTE OF ELECTRONICS,
INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS
信学技報
IEICE Technical Report
テキストファイルを DAISY 風に表示するリーダーの開発
小山 智史†
†弘前大学教育学部 〒036-8560 青森県弘前市文京町 1
E-mail:
あらまし
†[email protected]
録音音声と画面のハイライト表示が同期するマルチメディア DAISY 図書はディスレクシア(読字障害)の児童生徒
の学習に効果的とされ,教科書や教材として学校教育で利用されつつある.しかしながら,教師が対象児用のマルチメディア
DAISY 教材を日常的に作成するのは,容易ではない.そこで,テキストファイルを直接マルチメディア DAISY 図書のスタイル
で表示し,合成音声で読み上げるシステムを開発した.改訂のための作業が簡素化され,教師は対象児のことを考えながら教材
のブラッシュアップを繰り返すことができる.また,この中で独自に「追加表示」のルールを定めた.これにより,従来の DAISY
図書では表現できなかった学習教材が制作できるようになることを例とともに示した.
キーワード
ディスレクシア,DAISY,テキストファイル, 合成音声
A new text reader playing text files directly in the style of DAISY
Satoshi KOYAMA†
†Faculty of Education, HirosakiUniversity
E-mail:
Abstract
1 Bunkyo-cho, Hirosaki-shi, Aomori, 036-8560 Japan
†[email protected]
DAISY multimedia contents are effectively used for the dyslexic now.
However, these contents cannot be produced easily.
So, we developed a new text reader which plays text files directly in the style of DAISY.
Highlighted text and synthetic speech are
synchronized. Only plain text files are required for production, so teachers will be expected to concentrate on refining the contents for
students.
Some new rules are introduced in this system.
Especially by use of the Additional-Display rule, it is possible to create a new
type of contents, which is shown with an example.
Keyword
DAISY,Print disabled,Dyslexia,DAISY,Text file,Synthetic speech
1. は じ め に
の 図 書 を DAISY 化 す る の で は な く , 新 た に DAISY 教
DAISY(Digital Accessible Information System) は , 当
材を制作する場合には,改訂を繰り返しながら完成度
初視覚障害者用の録音図書の規格として定められ,そ
を 高 め て い く こ と に な る . そ の 際 , (1)に 伴 い (2)(3)も
の後規格が拡張され,今日では文字の読みを困難とす
やり直す必要があり,熟練した者にとっても相当に大
る さ ま ざ ま な 人 が 対 象 者 と し て 想 定 さ れ て い る [1][2].
変な作業であることがわかる.
録音音声と画面のハイライト表示が同期するマル
これを改善するための様々な方策が検討されてい
チ メ デ ィ ア DAISY 図 書 は デ ィ ス レ ク シ ア (読 字 障 害 )
る .DAISY 図 書 の 中 核 と な る XHTML コ ン テ ン ツ の 制
の児童生徒の学習に効果的とされ,教科書や教材とし
作 を 容 易 に す る ツ ー ル [5][6],録 音 音 声 の 代 わ り に 合 成
て 学 校 教 育 で 利 用 さ れ つ つ あ る [3][4].
音 声 を 用 い た マ ル チ メ デ ィ ア DAISY 図 書 を 制 作 す る
しかしながら,教師が対象児用のマルチメディア
方 法 (図 1(b))[7],音 声 を 含 ま な い テ キ ス ト DAISY 図 書
DAISY 教 材 を 日 常 的 に 作 成 す る の は , 容 易 で は な い .
を 作 成 し ,再 生 時 に 合 成 音 声 で 読 み 上 げ る 方 法 (図 1(c):
マ ル チ メ デ ィ ア DAISY 図 書 を 制 作 す る に は ,
AMIS[8])な ど で あ る .ま た 文 献 [3]で は ,制 作 方 法 に よ
(1) 表 示 用 の XHTML コ ン テ ン ツ を 作 り
(2) 朗 読 音 声 の 録 音 ・ 編 集 を 行 い
(3) 音 声 と ハ イ ラ イ ト 箇 所 の 同 期 を と る
ってコストがどう変化するかが比較検討されている.
上 記 は ,い ず れ も 規 格 に 準 拠 し た DAISY 図 書 を 制 作
し て い る わ け で あ る が ,こ れ は 流 通 と 共 有 が 促 進 さ れ ,
という手順を踏む必要があり,これには相応の熟練と
有効に再利用されることが意識されているからに他な
作 業 量 が 求 め ら れ る か ら で あ る (図 1(a)). 特 に , 既 存
らない.
This article is a technical report without peer review, and its polished and/or extended version may be published elsewhere.
Copyright ©20●●
by
IEICE
(オー サリング ツール)
テキ スト ・画 像
( エグゼキ ュータ)
テキストファイル
Webブ ラウ ザ
テキス トエディ タ
同期
(InternetExplorer)
DAISYプ レーヤ
○ ○.txt
...
朗 読音声 による
マ ルチメ ディア
DAISY図書
音声
データ
ファイル
n cc. js
読み修正ファイル
yomi.csv
(a) マ ル チ メ デ ィ ア DAISY 図 書 (録 音 音 声 )
n cc.wsf
データ作成
プログラム
DAISYプ レーヤ
SAPI/M SSP
音声合成
エンジン
inde x.htm
読 み上げ
プ ログラ ム
図 2. DAISY 風 テ キ ス ト リ ー ダ ー の 構 成
テキ スト・画像
合 成音声による
音声合成 マ ルチメディア
DAISY図書
エンジン
が ブ ラ ウ ザ に 読 み 込 ま れ (指 示 さ れ た 場 合 は 画 像 フ ァ
(b)マ ル チ メ デ ィ ア DAISY 図 書 (合 成 音 声 )
DAISYプ レーヤ
イ ル も 読 み 込 ま れ ), コ ン テ ン ツ フ レ ー ム に DAISY 風
のスタイルで表示される.
ここで重要な点は,テキストファイルや画像ファイ
テキ スト ・画 像
テキス トDAISY図書
音声 合成
エン ジン
(c) テ キ ス ト DAISY 図 書 (合 成 音 声 )
Webブラウザ
テキ スト ・画 像
ルがブラウザに直接読み込まれることである.これに
より,テキストや画像を修正した場合も,ブラウザの
再読み込み操作を行えば直ちに表示に反映される.
2.2 機 能
表 1 に利用環境,表 2 に主な機能と操作を示した.
音声 合成
エン ジン
(d) DAISY 風 テ キ ス ト リ ー ダ ー (合 成 音 声 )
図 1. DAISY 図 書 の 制 作 と 表 示
読み上げは合成音声によるものであるが,日本語合
成 音 声 の 品 質 は ,近 年 急 速 に 向 上 し て い る [9][10][11].
実 際 に DAISY 教 材 を 利 用 し て い る 教 諭 に よ れ ば ,児 童
生徒に提示する音声として考えた場合にも,読み方が
重視される指導場面を除いて,実用に耐える品質では
こ れ に 対 し ,開 発 し た DAISY 風 テ キ ス ト リ ー ダ ー は ,
テ キ ス ト フ ァ イ ル を 直 接 マ ル チ メ デ ィ ア DAISY 図 書
ないかとのことである.それで十分かどうかは,利用
場面によるであろう.
のスタイルで表示し,合成音声で読み上げるものであ
合成音声の読み誤りを修正するには,読み補正辞書
る (図 1(d)).明 示 的 に DAISY 図 書 が 作 ら れ る こ と は な
(yomi.csv ) を 作 成 す る . 準 備 の た め の プ ロ グ ラ ム
い .制 作 さ れ た 教 材 を 広 く 共 有 す る こ と よ り も (も ち ろ
(ncc.wsf)が こ れ を 読 み 込 み , デ ー タ フ ァ イ ル (ncc.js)に
ん 共 有 さ れ て よ い の だ が ),教 師 が 対 象 児 の た め の 教 材
そのデータが作られる.ブラウザで表示する際に,こ
制作を容易にすることを重視したものである.
れを参照し,テキストを修正した読みで読み上げる.
yomi.csv は「 対 象 文 字 列 ,置 換 文 字 列 」か ら な る 行 の 並
2. DAISY 風 テ キ ス ト リ ー ダ ー
2.1 構 成
開 発 し た DAISY 風 テ キ ス ト リ ー ダ ー の 構 成 を 図 2
びで,以下は例である.
忠 敬 ,た だ た か
降 っ て ,ふ っ て
に 示 す .DAISY 風 図 書 の 本 体 は 単 な る テ キ ス ト フ ァ イ
読み方は音声合成エンジンによって異なるため,その
ル な の で ,テ キ ス ト エ デ ィ タ が あ れ ば 制 作 (オ ー サ リ ン
補正は音声合成エンジン毎に行う必要がある.
グ )で き る . エ グ ゼ キ ュ ー タ は , Web ブ ラ ウ ザ で あ る .
あ ら か じ め 準 備 の た め の プ ロ グ ラ ム (ncc.wsf)に よ り ,
機能や表示画面のレイアウトと操作ボタンは
AMIS[8]な ど 既 存 の DAISY プ レ イ ヤ ー を 参 考 に し た .
当該フォルダ中にあるテキストファイルのファイル名
画面の左側はナビゲーションフレームで,テキスト
と タ イ ト ル 情 報 を 抽 出 し ,デ ー タ フ ァ イ ル (ncc.js)を 作
の選択,配色の設定,音声の選択と諸設定,読み上げ
成する.
モ ー ド の 選 択 ,読 み 上 げ の 開 始・停 止 ボ タ ン ,横 書 き ・
テ キ ス ト を DAISY 風 に 表 示 す る プ ロ グ ラ ム は
index.htm の 中 に JavaScript 言 語 で 記 述 さ れ て お り ,ブ
縦書きの選択,そして選択中のテキストファイルの見
出しの一覧が表示される.
ラ ウ ザ に よ っ て 解 釈 さ れ る . プ ロ グ ラ ム は ncc.js の デ
画面右側はコンテンツフレームで,ナビゲーション
ータを参照し,そのデータに基づいて,ナビゲーショ
フレームで選択した見出しの内容が表示される.読み
ンフレームにテキストファイルを選択するためのセレ
上げ箇所は,コンテンツフレーム中でハイライト表示
クタを表示する.そこで選択されたテキストファイル
表 1. 利 用 環 境
OS
Windows(XP/7 で 確 認 )
ブラウザ
InternetExplorer(6/8/9 で 確 認 )
SAPI5 対 応 の も の (VoiceText Misaki, Kate
表 3. 書 式 の ル ー ル
文書の 1 行目はタイトルとして表示する
タイトル
(た だ し 空 行 や 右 寄 せ と 解 釈 さ れ る 場 合 は
青空
次 の 行 ).
音 声 合 成
な ど ) お よ び Microsoft Speech Platform
タイトル行頭の「=」は表示しない.
XConv
エンジン
(Version 11)対 応 の も の (Microsoft Haruka,
[ # ...見 出 し ] の 行 は 見 出 し と す る .
青空
Helen な ど )で 確 認
行 頭 の 「 * 」 ~ 「 ****** 」 ま た は
見出し
とする.
ル ビ 対 象 文 字 列《 ル ビ 文 字 列 》で ル ビ を 表
画面左側はナビゲーションフレームで,
表示画面
テキストの選択
ルビ
示する.
覧が表示される.画面右側はコンテンツ
‘ルビ対象文字列‘ルビ文字列‘でルビ
フレームで,ナビゲーションフレームで
を表示する.
選択された見出しの内容が表示される.
% フ ァ イ ル 名 % 代 替 文 字 列 % で 画 像 (jpg,
同一フォルダに複数のテキストファイル
gif, png)を 表 示 す る .
がある場合は選択できる.
画像・
合成音声の設定
声種・再生速度・音程を選択できる.
サイズは自動調整される.
「 、。,. (日 本 語 )」「 ,.(英 語 )」 を 区 切 り
「動画:ファイル名」からなる行は動画
文字としてフレーズを抽出する.フレー
(mp4)を 表 示 す る .
ズがハイライト単位となる.
┌ ─ ... ┬ ...─ ┐ か ら └ ─ ... ┴ ...─ ┘
なし・合成読上・合成頁読・合成通読を
読み上げモード
休止と再開
ま で を 表 と し て 表 示 す る .│ を カ ラ ム (横 )
選択できる.
「 な し 」は マ ウ ス で ク リ ッ ク
の 仕 切 り 線 ,├ ...┼ ...┤ を 縦 の 仕 切 り 線
したフレーズをハイライト表示する.
「合
とする.
成読上」は,ハイライト表示するととも
^ URL^ 文 字 列 ^ で 文 字 列 に リ ン ク を 設 定
にその箇所を読み上げる.
「 合 成 頁 読 」は
する.
選択されたページをハイライト表示しな
開始と停止
表
リンク
が ら 読 み ,停 止 す る .
「 合 成 通 読 」は ,全
ン ク : 文 字 列 」 を 表 示 し , 文 字 列 は URL
編を通読する.
にリンクされる.
休 止 / 再 開 ボ タ ン , 休 止 :Ctrl キ ー , 再
追加表
じ め は「 文 字 列 1」の み 表 示 し ,ク リ ッ ク
開 :ス ペ ー ス キ ー
示
さ れ る と そ の 箇 所 が 「 文 字 列 1 文 字 列 2」
に置き換わる.
フレーズの移動
フレーズをクリックまたは ↑↓キー
右寄せを自動判別する.
読み誤りの補正
yomi.csv を 作 成 し て お く
「 右 寄 せ:...」か ら な る 行 は 右 寄 せ す る .
ブ ラ ウ ザ の 機 能 (キ オ ス ク モ ー ド )を 利 用
「 中 央 : ...」 か ら な る 行 は セ ン タ リ ン グ
縦書き・ルビ
ブ ラ ウ ザ の 機 能 を 利 用 (Shift+ + ,
ブラウザの機能を利用
設定の保持
ブ ラ ウ ザ の 機 能 (ク ッ キ ー )を 利 用
書式の指示
(表 3 参 照 )
独自
独自
XConv
独自
独自
独自
する.
(F11)
Shift+ -)
XConv
「 文 字 列 1▼ 文 字 列 2」 か ら な る 行 は , は
開 始 /停 止 ボ タ ン , 停 止 :ESC キ ー
見 出 し を ク リ ッ ク ま た は Shift+↑ ↓ キ ー
拡大・縮小
XConv
「 リ ン ク:URL 文 字 列 」か ら な る 行 は ,
「リ
見出しの移動
全画面表示
青空
(jpg, gif, png)を 表 示 す る . 画 像 の 表 示
背景色・ハイライト色を選択できる.
フレーズ
独自
「画像:ファイル名」からなる行は画像
配色
動画
XConv
とする.
行 頭 が 「 一 」「 1 .」「 1 」 の 場 合 は 見 出 し
表 2. 主 な 機 能 と 操 作
表示や音声のコントロールと見出しの一
「 ■ □ ◆ ◇ ● ○ 」 は レ ベ ル 1~ 6 の 見 出 し
その他
「 ----...」 行 に 挟 ま れ て い る 注 記 は 表 示
しない.
文 書 の 末 尾 の 「 底 本 : ...」 以 降 は 表 示 し
青空
ない.
[ # ...] の 注 記 は 表 示 し な い .
(最 右 列 :青 空 は 青 空 文 庫 の ル ー ル ,XConv は XHTML Converter の ル ー
ルをそれぞれ踏襲,独自は独自に定めたもの)
され,音声に同期して移動する.マウスのクリック操
3. DAISY 風 教 材 制 作 の 手 順
作でフレーズを指定して読み上げることもできる.
DAISY 風 教 材 を 制 作 す る 手 順 は 次 の と お り で あ る .
2.3 読 み上 げモード
(1) フ ォ ル ダ を 作 成 し ,そ の 中 に index.htm と ncc.wsf
読み上げモードを「なし」にすると,マウスでクリ
を入れる.
ックしたフレーズをハイライト表示するだけで,読み
(2) 上 記 フ ォ ル ダ に テ キ ス ト エ デ ィ タ で テ キ ス ト フ
上 げ は し な い .コ ン テ ン ツ を Web サ ー バ に 置 い て 利 用
ァイルを作成する.複数のテキストファイルを
する場合は,このモードでのみ利用でき,合成音声に
作成してよい.画像を含めたい場合は同じフォ
よる読み上げはできない.
ルダに置く.読み誤りを修正したい場合は,同
読み上げモードを「合成読上」にすると,マウスで
じ フ ォ ル ダ に yomi.csv を 置 く . yomi.csv も テ キ
クリックしたフレーズをハイライト表示するとともに
ス ト エ デ ィ タ で 作 成 で き る (表 計 算 ソ フ ト を 用
その箇所を読み上げる.
い て も よ い ).
「なし」や「合成読上」は,教師が児童に学習中の
(3) ncc.wsf を 呼 び 出 し ncc.js を 作 成 す る .こ の 中 に
箇所を示したり,児童が自分のペースで学習すること
はテキストファイルのファイル名とタイトル情
を想定したものである.
報 , そ し て yomi.csv が あ れ ば 読 み 修 正 デ ー タ が
読み上げモードを「合成頁読」にすると,選択され
たページをハイライト表示しながら読んだ後,停止す
る.これは,たとえば後に示すクイズのような使い方
を想定したものである.
読み上げモードを「合成通読」にすると,全編を通
読する.
作られる.
(4) index.htm を ブ ラ ウ ザ で 表 示 し ,作 成 し た テ キ ス
トが意図した表示になっているかを確かめる.
(5) 改 訂 を 繰 り 返 し , 完 成 度 を 高 め る . 通 常 は (2)と
(4),読 み を 修 正 す る 場 合 は (3)を 含 め て ,こ れ を
繰り返す.
2.4 書 式 のルール
テキストの中で利用できる書式のルールを表 3 に示
(5)の 改 訂 を 繰 り 返 し て 完 成 度 を 高 め て い く 作 業 は
す . XHTML Converter[5]と 青 空 文 庫 [12]の ル ー ル の 一
コンテンツの制作に広く共通する.改訂のための作業
部を取り入れた他,以下のルールを独自に定めた.
が煩雑であれば,限られた時間で洗練されたコンテン
(1) 「 画 像 : フ ァ イ ル 名 」 か ら な る 行 は 画 像 を 表 示
ツ を 制 作 す る こ と は 難 し い .DAISY 風 教 材 の 場 合 ,そ
する.画像の表示サイズは自動調整される.同
の制作の中で多くを占めると思われる操作は,テキス
様に「動画:ファイル名」からなる行は動画を
トファイルの改訂・保存とブラウザの再読み込みであ
表示する.
り ,制 作 者 は 内 容 面 に 集 中 し て 開 発 す る こ と が で き る .
(2) 罫 線 文 字 を 解 釈 し , ┌ ─ ... ┬ ...─ ┐ か ら
└ ─ ...┴ ...─ ┘ ま で を Web ペ ー ジ の 表 と し て
表 示 す る . │ や ├ ...┼ ...┤ は 罫 線 と す る .
(3) 「 リ ン ク:URL 文 字 列 」か ら な る 行 は ,
「 リ ン ク:
文 字 列 」 を 表 示 し , 文 字 列 は URL に リ ン ク さ れ
る.
(4) 「 文 字 列 1▼ 文 字 列 2」か ら な る 行 は ,は じ め は
4. DAISY 風 教 材 の 例
図 3~ 5 に DAISY 風 教 材 の 例 を 示 す .い ず れ も ,(a)
は テ キ ス ト エ デ ィ タ (メ モ 帳 )の 画 面 ,(b)は Web ブ ラ ウ
ザ (InternetExplorer)の 表 示 画 面 で あ る .
図 3(a)は 小 学 校 国 語 の 教 科 書 の 一 部 を 入 力 し た も の
で ,(b)は そ の 表 示 画 面 で あ る .こ の よ う に ,ご く 平 易
「 文 字 列 1」 の み 表 示 し , ク リ ッ ク す る と そ の
に 作 ら れ た テ キ ス ト フ ァ イ ル が DAISY 風 に 表 示 さ れ
箇 所 が 「 文 字 列 1 文 字 列 2」 に 置 き 換 わ る . こ
ることがわかる.画面左のナビゲーションフレームで
の機能をここでは「追加表示」と呼ぶ.
ハ イ ラ イ ト の「 背 景 色 」と 文 字 の「 強 調 色 」を 指 定 し ,
(5) 「 右 寄 せ:… 」か ら な る 行 は 右 寄 せ ,
「 中 央:… 」
からなる行はセンタリングする.
(6) 見 出 し や 右 寄 せ を 自 動 判 別 す る .
また「合成通読」と「縦書き」を選択している.テキ
ス ト フ ァ イ ル の 先 頭 行 は タ イ ト ル と し て 表 示 さ れ ,《 》
の箇所はルビとして表示されている.
図 4 は追加表示を用いた三択クイズの制作例である.
特 に , (4)の 追 加 表 示 に よ り , 従 来 の DAISY 図 書 で
図 の (a)で ,■ か ら 始 ま る 行 は 見 出 し と し て 解 釈 さ れ る .
は表現できなかった新しい学習教材を制作することが
テキスト中には見出しの数だけ問題が記載されている
可能となっている.
の が わ か る .ま た ,画 像 を 含 ん で い る .▼ を 含 む 行 は ,
4 に具体例を示している.
はじめその直前までが表示され,その箇所をクリック
された場合にその直後から行末までが追加表示される.
読み上げ方法を「合成頁読」とすることにより,ナ
(a) テ キ ス ト フ ァ イ ル
(a) 青 空 文 庫 フ ァ イ ル
(b) ブ ラ ウ ザ に よ る 表 示
図 3. テ キ ス ト フ ァ イ ル と そ の 表 示 例
(b) ブ ラ ウ ザ に よ る 表 示
図 5. 青 空 文 庫 と そ の 表 示 例
ビゲーションフレームで選択した問題の画面を表示
(読 み 上 げ )し て 一 旦 停 止 す る . こ こ で 学 習 者 は コ ン テ
ン ツ フ レ ー ム の 選 択 枝 の 中 か ら 回 答 (マ ウ ス ク リ ッ ク )
す る が ,図 の (b)は「 行 基 」を 回 答 し た 後 の 表 示 画 面 で
ある.
「 正 解 で す 」が 追 加 表 示 さ れ る と と も に ,ハ イ ラ
イト表示され読み上げられる.他の選択肢を選んだ場
合は「違います」が追加表示される.
選 択 肢 の 並 び に 「 ヒ ン ト ▼ …」 の 行 を 更 に 追 加 す れ
(a) テ キ ス ト フ ァ イ ル
ば,学習者が必要な場合にヒントを表示させるように
もできる.また,ここではクイズの例を示したが,他
にもさまざまな応用が可能であろう.
図 5 は ,青 空 文 庫 [12]の 表 示 例 で あ る .1 万 冊 を 超 え
る作品を「直接」このように読むことができる.
5. お わ り に
ディスレクシアの児童生徒の教材として実績のあ
る マ ル チ メ デ ィ ア DAISY 図 書 を 見 本 と し ,そ れ と 概 ね
同等の表示と合成音声による読み上げを行うテキスト
リーダーを開発した.コンテンツの制作・改定は容易
(b) ブ ラ ウ ザ に よ る 表 示 (回 答 後 )
図 4. 追 加 表 示 を 用 い た ク イ ズ の 表 示 例
で,教師は内容のブラッシュアップに専念できる.
また,新たに定めた追加表示のルールを用いること
により,新しいタイプの学習教材を制作できることを
具体例で示した.
電 子 化 文 書 に は ,テ キ ス ト や Web コ ン テ ン ツ や 電 子
書籍などのさまざまなものがある.利用者はこれらを
自分に適した読み方で読めることが望ましい.本研究
は,その一端を示すものでもある.
今後,実際の利用場面を通じて更に改良を行ってい
きたい.
開発したテキストリーダーの詳細は下記に公開し
ている.
http://siva.cc.hirosaki-u.ac.jp/usr/koyama/daisy/
文
献
[1] DAISY Consortium, http://www.daisy.org/
[2] 河 村 宏 , デ ジ タ ル ・ イ ン ク ル ー ジ ョ ン を 支 え る
DAISY と EPUB,情 報 管 理 , vol.54, no.6, pp.305-315,
Sep. 2011.
[3] 「 発 達 障 害 等 の 障 害 特 性 に 応 じ た 教 材・支 援 技 術
等の研究支援」最終報告書, 日本障害者リハビリ
テ ー シ ョ ン 協 会 , 2011.
[4] マ ル チ メ デ ィ ア DAISY 教 材 を 使 っ た 実 践 の 広 が
り , 日 本 特 殊 教 育 学 会 第 49 回 大 会 自 主 シ ン ポ ジ
ウ ム 40, 2011.
[5] XHTML Converter, http://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/
software/xhtmlconv.html
[6] 神 山 博 ,DAISY 教 科 書 制 作 者 養 成 の た め の 速 習 カ
リ キ ュ ラ ム の 開 発 , 青 森 公 立 大 学 紀 要 , vol.16,
no.1-2, pp.3-15, 2011.
[7] DAISY Translator, http://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/
software/save_as_daisy.html
[8] AMIS,
http://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/software/
amis3_1_3.html
[9] Microsoft Speech Platform - Runtime, http://www.
microsoft.com/download/en/details.aspx?id=27225
[10] Microsoft Speech Platform - Runtime Languages,
http://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?
id=27224
[11] 電 脳 ス ピ ー チ blog, http://denspe.blog84.fc2.com/
[12] 青 空 文 庫 , http://www.aozora.gr.jp/