PDF:616KB - 神戸市海外ビジネスセンター

神戸市産業振興局
第9号(平成27年3月)
項目
2月1日(日)~7日(土)ベトナム・カンボジアビジネスミッション報告
ベトナム・カンボジアビジネスミッション報告
ベトナム、カンボジアに関する最新ビジネス情報の収集及び現地とのネットワークを形成するため、
本年2月1日(日)から7日(土)まで、ベトナム・カンボジアビジネスミッション(団長:当センタ
ー顧問 村元四郎氏、団員 18 名)を実施しました。このミッションの報告をします。
‐2月2日(月)‐
ニョンチャックⅢ工業団地(ドンナイ省)
面積 700ha、設立会社:TIN NGHIA CORPORATION、入居企業数 52 社
《訪問記録》
ニョンチャックⅢ工業団地はベトナムローカルの TIN NGHIA 社が管理開発を行っている。ベトナム
南部のドンナイ省(ホーチミン市から車で1時間以内)に位置し、土地リースのほか、日系企業専用の
レンタル工場の整備運営も行っている。
ドンナイ省は人口 273 万人(2013 年調査)で、労働人口は 180 万人、省内には大学が 4 校あるほか、
日本語塾等、人材教育施設も豊富である。
物流については、陸路はホーチミン市からは国道1号線、高速道路を利用して車で 40 分、海路はカッ
トライ港(内陸にあり、工業団地に近い)を利用する企業が多く、3 万トンクラスの船が入港できるほか、
13 万トンクラスの船が入港できるカイメップ港も利用できる。空路はタンソンニャット国際空港から
40km の位置にあり、2020 年に完成が予定されているロンタン新国際空港からは 10km の位置となる。
工業団地は丘陵地域(海抜約 20m)にあり、地盤も固く、25 トン/㎡の荷重に耐えられる。
電力について、2014 年には計画停電は 3 回あったが、日曜日に計画停電を行ったため、ほとんどの企
業に影響がなかった。
土地のリースは 5,000 ㎡以上からで、60~70 ドル/㎡で提供している。(リース期間は 2058 年まで)
-1-
レンタル工場の最低ロットは 288 ㎡、他に 648 ㎡が 8 区画あるなど小ロットから対応できる。レンタ
ル料金は 4 ドル/㎡月(10%の付加価値税抜き)、レンタル期間は最低 3 年である。
団地内にはサービスセンター、コンサルタントを配置し、視察から法人設立、工場建設、生産開始ま
で一貫してサポートできる。
【A社】
本社:神戸市、設立 2014 年
事業内容:ステンレス製缶ほか
敷地面積 648 ㎡(ニョンチャックⅢ工業団地内レンタル工場)
写真はレンタル工場
《訪問記録》
日本企業向けの製品を製造している。原材料はすべて日本から輸入しており、完成した製品は日本に
持ち帰り、日本でチェックしている。
従業員の採用は、工業団地に募集の張り紙をするだけで集まる。ワーカーの教育については、日本本
社のルールや注意点、日本的な仕事のやり方を覚えるように教育している。ベトナム人は若い人が多く、
熱心で物覚えも早く、ルールもよく守ってくれている。
田舎に帰るなどの理由で従業員の離職もあるが、社員の誕生日会を行うなど福利厚生面で工夫してい
る。ワーカーはドンナイ省内に居住しており、2、3 人でルームシェアして住んでいる。
【B社】
ベトナム資本 100%のローカル企業、設立 1999 年、事業内容:各種機械設備の部品製造(鋳物)
敷地面積 10,500 ㎡、従業員数 100 名
-2-
【C社】
ベトナムの国営企業、設立 1967 年、事業内容:農業用機械等の製造、従業員数 約 300 名
《訪問記録》
当社は、農業用機械のほか、エンジンなどを扱っている。カスタムメイドにも対応している。
2000 年に ISO9001 認証取得、2004 年に ISO14001 認証取得、40 年に渡って、ベトナム政府から優
秀賞をいただいている。
国内の農業機械シェアの 30%を占めているほか、スリランカ、ミャンマー、タイ、フィリピンなど世
界 25 か国に輸出販売も行っている。エンジンは 72,000 台/年、農業用機械は 50,000 台/年の生産能力
がある。JICA のプログラムを利用して教育訓練を行い、3S についても学習した。農家の生産性向上、
機械化はこれからも進展していくので、その需要に対応していきたい。
【D弁護士法人】
《訪問記録》
ベトナムへの日系企業の進出が進んでいるが、課題としては、不透明な法律及びその運用、毎年 10~
15%の人件費の高騰が挙げられ、本年 7 月に予定されている投資法変更に注視する必要がある。
有限会社の形態を採用して進出している企業が 99%を占めている。輸出加工企業(EPE : Export
Processing Enterprise)として投資ライセンスを取得する企業は、一部国内販売できるが、基本的に輸
出する必要がある。最近はベトナム国内販売を目的として非 EPE で設立する企業も増えてきた。
【E会計事務所】
《訪問記録》
当社は 2003 年にベトナムに設立、ベトナムでは古い会計系のコンサルタントである。中小企業の進出
が急速に進んでいるが、ベトナム進出の落とし穴は4点ある。
①
自己のビジネスのため進出の方向で話をするコンサルタントが多く、進出の是非を本音でアドバイ
スする人が少ない。
②
レンタル工場はリスクが低いと思われがちだが、実態は異なる。多くの工業団地はレンタル料 5~7
ドル/㎡/月、土地使用権購入 70~90 ドル/㎡に設定している。この料金だとレンタル工場に支払う
1 年分の費用で土地使用権を購入できてしまう。レンタル工場でうまくいったので、数年後に、土地使
用権を購入しようとしても、近隣に用地が空いていない場合も多い。
③
個人所得税が非常に高額である。ベトナムの個人所得税は最高税率が 35%であり、日本人駐在員の
-3-
年収であれば、最高税率が適用される。留守宅手当などの各種手当が課税対象となり、駐在員の給与
等は日本で勤務していたときの 2~2.5 倍ぐらいかかる。
④
税務調査が厳しく、罰金は日本の5倍であり、過去に遡って課税される。
ベトナム進出のメリットは、①法人税が安い(現在 22%、来年から 20%予定)、②IT 企業に対する優
遇政策が多い、③現地日系企業向けという新たなマーケットができる、といったことが挙げられる。
勝ち組企業の共通点として、エース人材をベトナムに派遣し、現地法人の人事権も含めた権限を委譲
している。その人物がベトナム好きで、魅力があれば、従業員もついてくる。
-平成27年2月3日(火)-
【 VIE-PAN TECHNO PARK(ビーパンテクノパーク) 】(ホーチミン市)
設立:2014 年、事業内容:マネジメント付レンタル工場運営、レンタル工場、工場用地の分譲リース
《訪問記録》
ビーパンテクノパークはホーチミン市の要請をうけ、同市公社(出資比率 45%)と日系中小企業(出資
比率 55%)の合弁企業である。
メリットはホーチミン市内から車で 30~40 分の位置にあり、ベトナム人従業員の雇用が容易である。
ホーチミン市と連携しているため、法人設立をはじめ、手続きがスムーズである。最大の特徴は「マネ
ジメント付レンタル工場」であり、管理部門の仕事は全て当社が行うので、製造に専念していただくこ
とができる。
入居企業は当社の一事業部に入っていただき、3~4 年で事業の目処がつけば、レンタル工場を借りる
か、用地分譲リースを行い、現地法人を設立して独立運営すればよい。撤退を決めた場合でも、当社の
一事業部が無くなるだけなので、撤退しやすい。
-4-
【 越日専門学校 】(ロンアン省)
運営会社 日越投資コンサルタントほか
対 象 者
高校課程修了者(2 年間教育)
、中学校課程修了者(3 年間教育)
特
5S と QC 手法、日本語を学び、日系企業の現場で即戦力となる人材育成を行う。
徴
《訪問記録》
当専門学校では、
「IT」
、
「金融」
、
「会計」
、
「建築」の4科目を教育している。土日はチャビン省(ベト
ナム南部)の省立大学の法学部を履修することができる。
生徒は約 400 名、男女比は男 3 割、女 7 割である。ロンアン省の人口は 150 万人で、農業が中心の省
であり、生徒の実家は農家が多い。生徒は自宅から通学している。
日本企業の考え方、日本語を教えている。日系企業のマネージャー、ワーカーを育てたい。生徒の希
望する職種は、1位が税関職員、2 位が警察、3 位が教師であるが、この地域の人は農業を継ぐのが、一
般的である。
【F社】(ロンアン省)
設立 2011 年、事業内容:ビール製造
《訪問記録》
世界のビールメーカーのトップ4がベトナムに進出している。ベトナムは若い国で飲酒人口が右肩上
がりで増えている。ベトナムの国営企業との合弁で、工場を建設した。
従業員は日本人 3 名を含む 100 名体制で、生産量は 4 万 kl/年、将来的には拡張して、15 万 kl/年
の生産量にしたい。ベトナムでは各ビール会社に PR する女性がおり、当社もベトナム全土に約 700 人
雇用している。他にも、懸賞等様々な販売促進活動を行っている。神鋼環境ソリューションベトナムが、
ロンアン工場で地下水をきれいにする水処理と排水処理設備を担当している。
-5-
【 ロンアン省人民委員会】
ロンアン省の人口:約 145 万人、年間 GDP 成長率 12.2%(2011 年)
総面積:4,492 平方キロメートル(うち森林面積 14%)
、
アクセス:タンソンニャット国際空港から車で約1時間
豊富な天然資源:カヤプト、ユーカリの木、銅鉱山、泥炭、年度鉱山など豊富な天然資源がある。
神戸市との関係 官 民 連 携 し て 、 水 イ ン フ ラ 整 備 に 向 け た 取 り 組 み を 進 め て い る 。
《訪問記録》
―
ベトナム社会主義共和国ロンアン省人民委員会
副委員長 Dr. NUGYEN THANH NGUYEN ―
・ロンアン省と神戸市は密接な関係にあり、私も昨年 12 月に神戸市に訪問した。
・ロンアン省には、現在、28 か所に工業団地があり、それ以外にも工場用の用地が 32 か所にある。
ロンアン省はホーチミン市に隣接しており、高速道路等のインフラの整備が進んでいる。
・現在ロンアン省で行われている事業とのプロジェクト 600 案件のうちで日本は 99 案件と台湾に続く
2 位の投資国である。日越友好関係を拡大しており、基本的に「安心・安全・長期的」なパートナー
シップを築いていきたい。
・ジャパンデスクとして日本人の投資アドバイザーを置いているので、気軽にコンタクトをしてほしい。
-平成27年2月4日(水)-
【 メープルツリービジネスシティ(工業団地) 】(ビンズン省)
運営:メープルツリー ビジネスシティ (ベトナム )株式会社、設立:2008 年
《訪問記録》
当工業団地はビンズン新都市内にある。ビンズン省政府の新庁舎(行政センター)も完成し、その前
に商業施設ができる計画である。また、東急電鉄が路線バス事業を行う計画である。
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当工業団地は 30 区画あり、完成している工場は 70%の稼働率である。現在、レンタル工場、レンタル
オフィスの運営を行っているが、土地リース(分譲)は行っていない。
レンタル工場の賃料は管理費も含めると、4.1 ドル/㎡である。これに、VAT(付加価値税)が 10%か
かる。賃貸面積は、1,040 ㎡~で基本的に 3 年契約である。地盤は強く 20 トン/㎡の荷重に耐えられる。
【G社】
本社:兵庫県、所在:メープルツリーのレンタル工場内、業種:業務用品製造、設立:2014 年
《訪問記録》
当社は主にノベルティグッズのポリエチレン製品の製造を行っている。ベトナムで製造した製品はす
べて日本本社に送り、日本国内でパッケージして販売している。
電気は安定している。瞬間停電も最近はない。日本人1名、ワーカー18 名、事務スタッフは 3 名、通
訳兼総務責任者が1名いる。
【H社】
本社:岐阜県、所在:メープルツリーのレンタル工場内、業種:金属製品製造業、設立 2014 年
<写真は、ビンズン省新庁舎>
《訪問記録》
メープルツリーのレンタル工場を選んだ理由は、立地の良さ、賃料が安価であること、地盤の堅さ、
港に近いなどである。当社の従業員は 30 名、ワーカーは求人サイトを利用すればすぐに集まる。
日本語ができるベトナム人は 4 名、毎日、残業をしており、日曜日も働くことがある。従業員は残業
代を稼げるので嫌がらない。原材料は、インドネシア、台湾、日本、台湾、韓国から輸入している。VSIP2
工業団地内の税関を利用している。日本人駐在員はビンズン省内にマンションを借りて住んでいる。
-7-
-訪問日:平成27年2月5日(木)-
【 JICA カンボジア事務所 】
《訪問記録》
カンボジアの人口は、2013 年時点で 1,541 万人(人口増加率 1.38%)
、2005 年時点で 1,382 万人なの
で、着実に増えている。ドル経済で、産業は農業が中心、製造業の輸出は縫製業が中心である。中国・
韓国からの投資は不動産・観光関連、日本の投資は製造業が多い。日本は中国に次ぐ援助国で、インフ
ラ、技術、法制度、人材育成を中心に援助している。北九州市水道局がプノンペン市内のインフラ整備
を支援した結果、水道水を飲める状況である。
カンボジアは 100%外資で参入可能であり、他国に比べてかなりオープンに進出できる。日系企業会
の登録企業は 2014 年時点で 246 社、2011 年時点の 86 社から増加した。課題は人材育成で、社会人と
しての基本から教育する必要がある。会社への帰属意識がなく、目の前の手取り給与の多寡により、簡
単に転職してしまう。2015 年 1 月からワーカーの最低賃金が 128 ドル/月となり、2012 年から倍増し
た。大卒初任給は 200~300 ドル/月で、プノンペン以外には行きたがらない。
法律のグレーゾーンが多いが、年に1度、SEZ が政府に課題を投げかけて、交渉してくれる。電力料
金はタイ、ベトナムと比較するとプノンペンは割高である。東南アジアの中で最も原材料、部材の現地
調達率の低い国である。
【 JETRO プノンペン事務所 】
《訪問記録》
プノンペンの半径1キロ圏内の平均所得は約1万ドルであり、金持ちが多い。日本の地方へ行くと軽
自動車が 7 割だが、プノンペンは高級車が多い。プノンペン市内にはホーチミン市内の5倍の車が走っ
ている。カンボジア人で日本語のできる人物は、日本人の現地採用よりも給与が高い。日本語を習う場
合、親の許可が必要となる。
特恵関税を活かせる国で、外資への規制が緩く、越境交通も整備されているカンボジアへシフトして
きている日系企業もある。
カンボジア政府との官民合同会議で、賄賂(アドバイスフィーと言う人もいる)の問題をとりあげる
ほか、税関職員への研修も行っている。相談のできるパイプをつくり、本省からトップダウンで改善を
してもらう方向で取り組んでいる。
労働争議については安定してきた。縫製業の最低賃金 100 ドルを 128 ドルに上げた後、労働者からの
クレームは減少した。
イオンなど日本のスーパーマーケットは教育がしっかりしていて、おじぎの指導も行っている。
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カンボジアビジネスセミナー
カンボジアでは、現地に進出されている法律事務所、物流関連企業、会計事務所及びシアヌークビル
港SEZより講師を招き、カンボジアビジネスセミナーを開催しました。
まず、法律事務所からは、
「①カンボジアへの外資参入の自由度は高い、②企業進出手続については、
内規が変わり、窓口ごとに言っていることが違うことが散見される、③日系企業のなかでは、最近、労
働争議があったという話は聞かず、法律に従って賃金を支払えば、労働争議の起こることは考えにくい、
④平均年齢が 23 歳で、定年まで同じ会社で長年働くという意識がない、⑤残業代を支払う場合、紛争防
止のため、しっかりと残業代であることを明確に記載しておくことをお勧めする」ということなどを学
びました。
次に、物流関連企業からは、
「①カンボジア人は簡単に転職する、②当社は、現在、即戦力を中途採用
しているが、人材紹介業者に選別をかけてもらったうえで、採用面接を行っている、③物流の専門知識
を持つ人材は賃金を上げないと離職してしまう、④通関で理由もなく荷物を止められることはない」と
いうことなどを学びました。
また、会計事務所からは、
「①カンボジアの税務申告は、月次申告、年次申告があることに注意する必
要がある、②ミニマム税はカンボジア特有で、収入があれば利益が出なくても税金を支払わなければな
らない、③工場建設費のうち、労賃に付加価値税(VAT)が課せられる。法律上は還付されると書いて
あるが、なかなか還付されず、還付に1年以上かかることもある、④固定資産税を大家が払っていない
場合、借り手に義務が生じる場合がある、⑤進出後、会社の設立登記を終わるとすぐに翌月から税務申
告を行う必要がある。例えば、2013 年 9 月 10 日に登記すると、2013 年 9 月分の税金を 10 月1日~15
日までに支払ってくださいとクメール語で書いた書類が届く。クメール語が読めずに放置し、3か月間、
税務申告を怠っていると、利息が加算されるので要注意である、⑥外部会計監査を受ける必要があると
ころ、政府が要求しないので忘れがちだが、注意する必要がある」ということなどを学びました。
最後に、シアヌークビル港SEZより、
「①シアヌークビル港からプノンペンまで片道 230 キロ、車で
4時間、鉄道週3便、航空便週1便である、②シアヌークビル港は水深 10m、1時間 25~30 本のコン
テナを荷役することができ国際水準に近づいている。神戸・大阪・名古屋・横浜・東京まで 750~1200
ドル、14~20 日かかる、③シアヌークビル港の人口は約 20 万人、現状では人を確保しやすい」という
ことなどを学びました。
-9-
-訪問日:平成27年2月6日(金)-
【 プノンペン経済特区(SEZ:Special Economic Zone) 】(プノンペン市内)
立地:プノンペン市内より 18km(車で約 30 分)
、プノンペン国際空港より 8km(車で約 20 分)
運営:Phnom Pen SEZ Co.,Ltd.、設立:2006 年、総開発面積:360ha
団地内施設:発電所、浄水・下水処理施設、通信施設、レストラン、銀行、コンビニエンスストア、
ワーカー用の寮、クリニックなど
写真は SEZ 管理事務所
写真は SEZ 内の社員寮
《訪問記録》
・プノンペン SEZ は㈱ゼファーが 22%出資(本社東京)
、日本人が社長で、5 名が日本語対応可能であ
る。日系企業が入居企業(79 社)の 54%を占める。
・カンボジアからの輸出企業がメインだが、国内向けの企業も多い。
・日本語のできる大卒の初任給は 400~500 ドル/月、2010 年頃は 250 ドル/月であったが、イオンモ
ールができた後、相場が上昇している。
・当社は労務マネジメントの支援を行っている。地方でのリクルートを行うほか、村長など地方の責任
者を招待して、
プノンペン SEZ への理解を求めている。
カンボジアでは親が認めないと就職できない。
・プノンペン SEZ 内に発電所を持っているが、電力が足りているため、ほぼ使用していない。
・当社はタイ国境から 5 ㎞のところにあるポイペトで新工業団地を建設する。
【H社】
本社:神戸市、設立:2014 年 4 月、業種
ワイヤーハーネス製作等
《訪問記録》
・当社はニッチな分野でのワイヤーハーネスを製造している。2013 年 5 月からJETROの新興国進出
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支援サービスによる支援を受けた。
昨年 11 月に稼働開始、この 1 月に日本に向けて製品を初出荷した。
・人件費は数年前の倍に高騰している。カンボジアは休日が多い。
・通勤時間は、プノンペン市内から、往路 1 時間 15 分、復路 2 時間程度かかる。
・大卒、会計の有資格者はプノンペン市内に仕事があるので、なかなか郊外まで来てくれない。
・黒字化して、日本本社への送金ができるようになりたい。
【J社】
本社:東京都、事業内容:多機能素材事業など、従業員数:約 100 名
《訪問記録》
・当社は、衝撃吸収系の部材、床ずれ防止マットなど介護用品も手掛けている。
・カンボジア工場は、昨年 11 月オープンした。元々、中国工場があるが、人件費が進出当初時から比べ
て 30 倍になるなどの背景から、取引先が ASEAN にシフトしていくなかで、当社も若い労働力が豊富
で、人件費が安く、税制面での優遇策のあるカンボジアへの進出を決めた。当初、最低賃金は 2014 年
まで 61 ドルに据え置かれると聞いていたが、本年 1 月で 128 ドルに上昇した。
・カンボジアには金型製造業はなく、中国から金型を輸入している。原材料の国内調達は不可能である。
・電気代は安くない。インフラの改善、渋滞の解消について、官民合同会議に申し入れを行っている。
・カンボジア人のスキルは高くなく、遅刻するなど社会人としての基礎力が足りず、粘り強く教育する
必要があるが、離職も多い。ワーカーの8割は寮生活をしている。
・法律が窓口の役人の俗人的判断で運用されているという面もある。
平成27年3月9日(月)ベトナム・カンボジアビジネスミッションで得た最新情報や肌で感じたこ
とを地元中小企業の皆様にお伝えするため、参加いただいた5名の方に講師をお願いし、帰国報告会・
パネルディスカッションを開催、約60名の方に参加いただきました。
ひょうご・神戸国際ビジネススクエア
http://www.city-kobe-asiabiz.com/
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