IBM® Rational® Team Concert - Jazz

IBM Rational Team Concert クイック・スタート・ガイド
IBM® Rational® Team Concert
クイック・スタート・ガイド
Express-C Version 2.0.0.2 iFix 1
2010 年 3 月
日本アイ・ビー・エム株式会社
Rational 事業部
© 2010 IBM Corporation
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IBM Rational Team Concert クイック・スタート・ガイド
Copyright © International Business Machines Corporation, 2009. All rights reserved.
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この資料に含まれる情報は、可能な限り正確を期しておりますが、日本アイ・ビー・エム株式会社
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おりません。当資料は、資料内で説明されている製品の仕様を保証するものではありません。
•
資料の内容には正確を期するように注意しておりますが、この資料の内容は 2009 年 10 月現在
の情報であり、Rational Team Concert Express-C Version 2.0.0.1 をベースとしています。製品
の新しいリリース、PTF などによって動作、仕様が変わる可能性があるのでご注意ください。
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目次
1
本ドキュメントについて..................................................................................................... 4
2
Rational Team Concertの概要 ....................................................................................... 4
2.1
JazzプラットフォームとRational Team Concert ......................................................... 4
2.2
Jazzにおけるプロジェクト管理の概念........................................................................ 6
3
Rational Team Concertインストールと構成...................................................................... 7
3.1
概要 ........................................................................................................................ 7
3.2
Rational Team Concert Express-Cのインストール ................................................... 7
3.3
サーバーの起動....................................................................................................... 9
サーバーのセットアップ.................................................................................................. 10
4
4.1
サーバーのセットアップ........................................................................................... 10
4.2
ユーザーの登録..................................................................................................... 14
プロジェクトの設定 ........................................................................................................ 16
5
5.1
プロジェクト・エリアの概要 ...................................................................................... 16
5.2
プロジェクトの作成 ................................................................................................. 16
5.3
チーム・エリアへのメンバーの登録.......................................................................... 19
6
RTCクライアントのセットアップ ....................................................................................... 22
6.1
クライアントの起動 ................................................................................................. 22
6.2
プロジェクト・チームへの参加.................................................................................. 25
6.3
Eclipseプロジェクトの準備・共有 ............................................................................. 28
6.4
共有されたEclipseプロジェクトへのアクセス ............................................................ 31
6.5
Javaコードの共有 .................................................................................................. 36
リリース計画の策定....................................................................................................... 39
7
7.1
リリースのためのスケジュール確立......................................................................... 39
7.2
ストーリー(製品機能)の追加................................................................................... 45
7.3
スプリントバックログ(反復計画)の作成 .................................................................... 46
7.4
チーム・メンバーの労働時間、不在予定の入力 ....................................................... 51
7.5
タスクの受け入れと解決 ......................................................................................... 55
7.6
タスクのトラッキングとトレーサビリティの確認 .......................................................... 59
8
Web UIによるプロジェクト・ダッシュボードの確認 ............................................................ 60
9
終わりに ....................................................................................................................... 61
10
学習資料・参考文献................................................................................................... 62
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1
本ドキュメントについて
本ドキュメントは Rational Team Concert の機能を効率よく体験するために提供されるものです。
本ドキュメントのゴールは Rational Team Concert および Jazz のアーキテクチャーを理解するこ
と、Rational Team Concert Express-C で提供される機能について操作を通して体験、理解する
ことにあります。
対象とする利用者のスキルはソフトウェアの開発および管理プロセスにおいて一般的な言葉を理
解していること、IDE(Integrated Development Environment、統合開発環境)を使った Java アプ
リケーションの開発を理解していることです。(コード自体をかけなくとも利用は可能です。)
本ドキュメントでは、日本語にも対応した Rational Team Concert V2.0.0.1 を対象とし、演習をベ
ースとして進めていきます。サーバーとクライアントを 1 台の PC に導入する、スタンドアロン構成
です。
2
2.1
Rational Team Concert の概要
Jazz プラットフォームと Rational Team Concert
Rational Team Concert は Jazz プラットフォームを基盤としたソフトウェア開発支援ツールです。
Rational Team Concert は要求、設計、開発などのソフトウェア開発ライフサイクルを包含的に管
理するソフトウェア製品であり Jazz Team Server、Rational Team Concert クライアントそして
Build System で構成されています。
Jazz Team Server はソフトウェア開発における管理対象物(Artifacts)を統合管理するリポジトリ
ーとフレームワークという二つの側面を持っています。
ソフトウェア開発のライフサイクルでは要求、デザイン、開発、テストなどのフェーズにおいて様々
な情報が管理されており、またそれらが密接に関係しています。
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Jazz Team Server はそれらの情報を関係付けて管理するリポジトリーを持っています。例えばコ
ードはなんらかの作業と関係付いており、そのコードをビルドするという作業結果としてエラーが出
た場合、このエラーと障害チケットが関係を持って管理されます。これらの情報の関係も含めて管
理するためのリポジトリーを Jazz で提供しています。
もう一つの視点は先のリポジトリーを利用するためのフレームワークです。
Rational Team Concertクライアントはユーザーに対してJazzのフレームワークを通してタスク管
理や構成管理の機能を提供しています。またRational Team Concert では独自の構成管理機能
を提供していますがClearCase®やSubversionなどの構成管理ツールとのインテグレーションも行
えます。これはJazzのフレームワークにより構成管理に関する情報が抽象化されているためです。
今後要求管理ツール、テストツールなどIBMの各ツールとの統合も進んでいきますし、サードベン
ダーとの連携もこのフレームワークを通して進めることが可能です。
Artifacts には要求、作業項目、ビルドなどが存在し、それぞれの関係も含めて管理します。管理
対象となるプロジェクトをプロジェクト・エリアという概念、チームをチーム・エリアという概念で管理
します。
Rational Team Concert のアーキテクチャーは、下図のようにアプリケーションサーバーと Eclipse、
Visual Studio .NET、Web ブラウザーのクライアントというインターネット環境のオープンなアーキ
テクチャーを採用しています。
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2.2
Jazz におけるプロジェクト管理の概念
Jazz では個々のプロジェクトをプロジェクト・エリアという概念で管理します。このプロジェクト・エリ
アはいくつかのサブプロジェクトを持つことが可能でありそれをデベロップメント・ラインと呼んでい
ます。また、デベロップメント・ラインでは開発プロセスにあわせて複数のマイルストーン(期間)を
設定できます。これをイテレーションと呼んでいます。
プロジェクトをいくつかのサブプロジェクトとしてデベロップメント・ラインに分割し、各デベロップメン
ト・ラインをマイルストーンごとにイテレーションとして分割するといった形です。
人の観点から見た場合、Jazz は個々の作業チームをチーム・エリアという概念で管理します。
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個々のチーム・エリアは複数のユーザーによって構成されておりチームの構造にあわせて階層化
することも可能です。
そしてチーム・エリアは作業対象として各サブシステムであるデベロップメント・ラインと結びつけら
れます。
開発にかかる実作業はワークアイテムとよばれ、Task(タスク)や Defect(障害)といった属性を付
与し作業内容を分類します。このワークアイテムを各メンバーに割り当てながら作業を管理してい
くことになります。
Rational Team Concert もこの概念を利用してプロジェクトを管理します。
3
3.1
Rational Team Concert インストールと構成
概要
Rational Team Concert は jazz.net(https://jazz.net)からのダウンロードもしくは CD など配布物
からの導入が可能です。jazz.net からのダウンロードは https://jazz.net へアクセスしユーザー登
録後ダウンロードページから評価版の Rational Team Concert をダウンロードしてください。
Rational Team Concert は Express-C、Express、Standard および Enterprise が存在し、それぞ
れ Linux 版と Windows 版のパッケージが存在します。プロジェクトの規模や必要とする機能によ
って利用するバージョンを選択します。
本ドキュメントでは Windows 版の Express-C を前提とし、配布した CD からのインストール手順を
説明します。
3.2
Rational Team Concert Express-C のインストール
①サポートされる稼働環境を確認する (一部抜粋)
ƒ
サーバー稼働環境
ハードウェア
•
Processor
: Intel® Pentium® Xeon® (32 or 64-bit) (minimum)
Intel® Dual core Xeon® (32 or 64-bit) (recommended)
•
Memory
: 2-4 GB
•
Disk space
: 1 GB
OS
•
Microsoft® Windows® 2003 Server (SP1, SP2)
•
Microsoft Windows 2008 Server (SP2)
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※サポートはされませんが、Windows XP および Vista での稼動も可能です。 (個人も
しくは小規模なチームでの試用のために利用することができます)
ƒ
クライアント
ハードウェア
•
Processor
: Intel Pentium 4 (minimum)
Intel Dual Core with Hyper-Threading Technology
(recommended)
•
Memory
: 1-2 GB
•
Disk space
: 1 GB minimum
OS
•
Windows Vista (SP1, SP2)
•
Windows XP (SP2, SP3)
•
Windows 7 Business, Enterprise and Ultimate Editions (Sun Java 6 Update 14
only)
Web ブラウザー
•
Mozilla Firefox 3.0、3.5
•
Microsoft Internet Explorer 7.0、8.0
以上は、サポートされる稼働環境の抜粋です。詳細については『Rational Team Concert System
Requirements List』を参照してください。
http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?rs=3488&context=SSCP65&context=SS7W3X&context=SS7VZS&context
=SS7W59&context=SSSTY3&q1=system+requirements&uid=swg27015811&loc=en_US&cs=utf-8&lang=en
②RTC のインストール
RTC Express-C のインストールは、ZIP ファイルを任意のディレクトリーに展開するだけで完了で
す。この CD は Zip ファイルの状態で配布しています。CD 内の Zip ファイルを、任意のディレクト
リーに展開してください。この例では C ドライブのルートに展開します。展開すると jazz ディレクトリ
ーの下に 5 つのディレクトリーが構成されています。
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server:
Jazz TEAM Server
client:
RTC クライアント
buildsystem:
スケジュール・ビルド可能なビルドエンジン
scmtools:
コマンドラインからリポジトリーにアクセスするコマンドを提供
repotools:
リポジトリーのバックアップやリストアなどのコマンドを提供
当ドキュメントではこれ以降、C:¥jazz をインストールディレクトリとして説明します。
以上で RTC のインストールは完了です。
3.3
サーバーの起動
インストールが完了したら、次はサーバーのセットアップです。Jazz チーム・サーバーを起動する
には、C:¥jazz¥server¥server.startup.bat を実行します。最後の行に「情報メッセージ Server
Startup in XXXXX ms」が表示されたらサーバーの起動が完了です(XXXXX は環境によって値
が変わります)。停止するときは、C: ¥jazz¥server¥server.shutdown.bat を実行します。
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サーバーのセットアップ
4
4.1
サーバーのセットアップ
サーバーが起動できたら、セットアップ・ウィザードを使ってサーバー構成の設定を行います。設定
はWebの管理画面から行います。管理画面のURLはhttps://localhost:9443/jazz/setupです。
管理画面には、デフォルトのユーザー名とパスワードでログインします。
ユーザー名 :ADMIN
パスワード :ADMIN
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ログインすると、サーバーのセットアップ方法を選択する画面が表示されます。セットアップには以
下の二種類がありますが、このドキュメントでは[ファースト・パス セットアップ]を選択します。
・ファースト・パス セットアップ
デフォルトのサーバー構成を使用。
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ユーザー・レジストリーの設定を行う。
・カスタム・セットアップ
サーバー構成を詳細にカスタマイズする。
データベース、e-mail 通知、ユーザー・レジストリーの設定を行う。
[ファースト・パス・セットアップ]を選択すると、[4.ユーザー・レジストリーのセットアップ]になりま
す。
ステップ 1:ユーザー・レジストリーのタイプを選択
デフォルトの[Tomcat ユーザー・データベース]を選択します。(データベース・ベンダーは DERBY
(接続タイプ:JDBC)、e-mail 通知は無効となります。)
ステップ 2: 管理ユーザーとなるユーザー・アカウントを作成
デフォルトの管理アカウント ADMIN は、使用不可にして自分の管理アカウントを作成します。今回
は、ユーザーID とパスワードを taro で作成します。入力情報は、ユーザーID、名前、パスワード、
E メール・アドレスです。
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ステップ 3: デフォルトの管理ユーザーである ADMIN のアクセスを無効にします。
ステップ 4: クライアント・アクセス・ライセンスの割り当て
管理アカウントにも開発者ライセンスを付与するために、チェックを入れます。Rational Team
Concert Express-C には 10 ユーザー分の Developer ライセンスが含まれています。
最後に[次へ]をクリックし、サーバー構成のサマリーを確認します。
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以上で、サーバーに接続する準備が整いました。
4.2
ユーザーの登録
引き続き、追加のユーザーを登録します。
上記画面で、[ユーザーの作成]をクリックすると RTC のユーザー管理の画面が表示されます。チ
ーム開発用のプロジェクトを作成することもできますが、こちらは後で行います。
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[ユーザーの作成]をクリックするとユーザー作成画面が表示されます。入力情報は、ユーザーID、
名前、パスワード、E メール・アドレスです。オプションで顔写真を登録できます。それからユーザ
ーにクライアント・アクセス・ライセンスを設定します。これを忘れるとユーザーのリポジトリーへの
書き込み権限が設定されません。[保存]ボタンを押すと、ユーザーID と同じデフォルトのパスワ
ードが設定されたユーザーが作成されます。今回は、jiro と hana を追加で作成します。
ユーザーの作成が完了すると次のような画面になっているはずです。
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※デフォルトでパスワードは ID と同じものが設定されます。
5
5.1
プロジェクトの設定
プロジェクト・エリアの概要
次にプロジェクト・エリアを作成します。作成作業に入る前に、今回作成するプロジェクトの構造を
確認します。RTC では、プロジェクト・エリア内に複数のチーム・エリアを階層的に定義することが
可能です。RTC ではチーム・メンバーで共有する成果物、作業項目、変更依頼などの情報をリソ
ースと呼び、リソースはプロジェクトではなくチームに関連付けられ管理されます。今回は、
HelloJazzWorld プロジェクトに 1 つの HelloJazzWorld チームが含まれており、開発プロセスは
Scrum に従って、スクラム・マスターの taro とチーム・メンバーの jiro と hana の 3 名とします。
5.2
プロジェクトの作成
チーム開発用にプロジェクトを作成するにはユーザー管理画面から[プロジェクト・エリア管理]をク
リックしてプロジェクト・エリア管理に移動します。
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[プロジェクト・エリアの作成]をクリックして HelloJazzWorld プロジェクトを作成してみましょう。プ
ロジェクト・エリアの作成画面が表示されますが、プロセス・テンプレートが見つかりませんという表
示があります。RTC ではあらかじめいくつかの開発プロセス・テンプレートを提供しています。初め
てプロジェクトを作成する場合は、プロセス・テンプレートを準備する必要があります。[定義済み
プロセス・テンプレートのデプロイ]リンクをクリックして定義済みテンプレートを準備します。
テンプレートの準備が完了すると使用可能なプロセス・テンプレートが一覧表示され選択できるよ
うになります。今回はプロジェクト名:HelloJazzWorld、テンプレート:スクラム、メンバー:taro を追
加し、[保存]をクリックします。
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これでプロジェクト・エリアが作成されました。同時にプロジェクト・エリア内にデフォルトのチーム・
エリア「チーム 1」が作成されています。チームにメンバーを登録することによって、チームのリソー
スへのアクセスを管理することができます。
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5.3
チーム・エリアへのメンバーの登録
チーム・エリアの階層から[チーム 1]のリンクをクリックしてチーム・エリアを表示し、メンバーを登
録してみましょう。メンバーの[追加]のリンクをクリックします。ユーザーの選択ダイアログが表示
されますので、右上の[すべて表示]をクリックしてすべてのユーザーを表示させます。taro、jiro、
hana を選択して[追加して閉じる]をクリックします。
次のようにメンバーに taro、jiro, hana の 3 名の名前が追加されます。さらに各メンバーに役割を
定義します。今回は開発プロセスにスクラム・テンプレートを選択しましたので、スクラム・マスター
に taro、チーム・メンバーに jiro と hana を指定します。図のように[プロセスの役割]アイコンをクリ
ックします。
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プロセスの役割の編集ダイアログが表示されるのでそれぞれ指定します。
それぞれプロセスの役割を指定すると次のようになります。
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メンバーを登録したらメンバーにチームへの参加の招待を E メールで通知することができます。今
回はサーバーのセットアップで E メールによる通知は設定していませんので、E メールによる通知
は行わないことにします。しかし、E メールに添付される Jazz TEAM SERVER のチーム・エリアへ
のアクセスに必要な情報を利用することによって RTC クライアントの設定が簡単になりますので、
そちらを利用してみましょう。[チームへの参加の招待]アイコンをクリックします。
次のようなチームへの参加の招待用の E メールの編集画面が表示されます。チームの招待を構
成するプロパティーにある 5 つのプロパティーをテキスト・ファイルなどに 3 名分保存しておくと後で
RTC のクライアントのセットアップが簡単になります。コピー後は「キャンセル」をクリックし、画面を
閉じます。
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以上でサーバーのセットアップは一旦完了です。面右上の「保存」をクリックし、チーム・エリアの情
報を保存します。
「新規メンバーにチームへの招待状を送信しますか?」というメッセージが表示されますが、招待
状の送信はしませんので、「選択をすべて解除」をクリックしてから「OK」をクリックします。
Web クライアントをログアウトします。
次はクライアントのセットアップを行います。
6
6.1
RTC クライアントのセットアップ
クライアントの起動
RTC クライアントの起動ファイルは、C:¥jazz¥client¥eclipse ディレクトリーの eclipse.exe です。こ
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のファイルをダブルクリックすると RTC クライアントが起動します。
RTC クライアントは Eclipse 3.4.2 のプラグインとして提供されています。RTC クライアントには、
他に Visual Studio .NET 用、System i や z 用などさまざまなプラットフォームに対応したクライア
ントが用意されています。
[ワークスペースの選択]のダイアログが表示されますので、ユーザーtaro 用に「C:¥Documents
and Settings¥Rational¥workspace¥taro」と入力して、[OK]を選択します。
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RTC クライアントの起動画面が表示されます。この画面からチュートリアルやヘルプが閲覧できま
すが、ここでは上に並んだアイコンの一番右の[ワークベンチ]アイコンをクリックし、ワークベンチ
を開きます。
こちらの画面が開いたら RTC クライアントの起動は完了です。
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6.2
プロジェクト・チームへの参加
RTC クライアントが起動しましたが、Jazz TEAM SERVER とはまだ繋がっていません。
まず、Jazz リポジトリーへ接続します。始めて RTC を起動してワークベンチを開くと、チーム成果
物ビューに次のようなリンクが表示されています。
ここで先ほど保存しておいたチームの招待を構成するプロパティーを利用してサーバーにアクセ
スします。[チームの招待を受諾]のリンクをクリックするとチームの招待を受諾ダイアログが表示
されます。今回は、保存していた taro のプロパティーを貼り付けると以下の図のようになります。
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[終了]をクリックするとログインのダイアログが表示されますので。パスワードを入力し[OK]をク
リックしてください。(デフォルトではパスワードは taro です)
※下記のような接続証明書の問題が表示された場合は「受け入れる」を選択してください。
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ログインが完了すると画面左のチーム成果物ビューにはリポジトリー接続と HelloJazzWorld プロ
ジェクトが表示され、画面右には、チーム・エリア・エディターが表示されます。右下には taro が
HelloJazzWorld プロジェクト・エリアにおいてプロジェクトを開始するに当たって必要なワークアイ
テムの一覧表示のビューが表示されます。
※ワークアイテムが一覧表示されていない場合は、[自分に割当てられた項目(未完了)]をクリッ
クします。
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jiro と hana についても同様の手順でクライアントのセットアップを行います。ただし、今回は、3 つ
のクライアントを同じマシン上で立ち上げることになりますので、[ワークスペースの選択]では、そ
れぞれ以下のワークスペースを定義して[OK]をクリックします。
jiro: C:¥Documents and Settings¥Rational¥workspace¥jiro
hana: C:¥Documents and Settings¥Rational¥workspace¥hana
間違って意図していないユーザーのワークスペースで作業しないよう、注意してください。
6.3
Eclipse プロジェクトの準備・共有
実際に開発する Eclipse の Java プロジェクトを準備します。Java プロジェクトの準備は taro が行
いソースファイルの開発は、jiro と hana が担当するとします。Eclipse のプロジェクトと RTC のプ
ロジェクトは同じプロジェクトという名前が付いていますが別のものですので誤解しないでくださ
い。
※次の操作は、taro のワークスペースで行います。
[ファイル]-[新規] -[Java プロジェクト]を選択して、プロジェクト名を「HelloJazzWorld」とします。
この時点では、taro のワークスペース上に Java プロジェクトができただけで、jiro や hana と共有
していません。共有するには HelloJazzWorld を選択してコンテキスト・メニューから[チーム] -[プ
ロジェクトの共用]を選択します。プロジェクト共用ダイアログが表示されるので、Jazz ソース管理
を選択して[次へ]をクリックします。
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Jazz でプロジェクトを共用ダイアログで、デフォルト・コンポーネントを選択して、[終了]をクリックし
ます。これで、jiro や hana と HelloJazzWorld Java プロジェクトを共有できるようになります。
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[終了]をクリックすると保留中の変更ビューが表示され、リポジトリーに保存される候補が右矢印
で表示されます。[発信するすべてのベースラインおよび変更セットの提出]アイコンをクリックする
と、「すべて提出」の確認画面が表示されますので、OK をクリックし、リポジトリーに登録します。
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提出が完了するとパッケージ・エクスプローラーのアイコンにオレンジ色の円柱が表示され、リポ
ジトリーで管理されていることを示します。
6.4
共有された Eclipse プロジェクトへのアクセス
jiro の RTC クライアントに切り替えます。チーム成果物ビューに taro と同じ HelloJazzWorld プロ
ジェクト・エリアが表示されています。
次に共有された Java プロジェクトにアクセスします。チーム成果物ビューで、マイ・リポジトリー・ワ
ークスペースを選択して、コンテキスト・メニューから[新規] -[リポジトリー・ワークスペース]を選
択します。
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新規リポジトリー・ワークスペースのダイアログが表示されますので、ストリームを使用したフロー
からチーム 1 ストリームを選択して[次へ]をクリックしてください。
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リポジトリー・ワークスペースに jiro と分かるように適当に名前をつけて[終了]をクリックしてくださ
い。
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リポジトリー・ワークスペースへの読み取りアクセス権を設定します。限られたユーザーにのみア
クセスを許可することも可能ですが、ここではリポジトリー内のユーザーすべてにアクセスを許可
する public を選択して[終了]をクリックします。
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リポジトリー・ワークスペースに Eclipse プロジェクトをロードするか聞いてくるので Eclipse プロジェ
クトの検索およびロードを選択して、[終了]をクリックします。
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Java パースペクティブに切り替えて(ウィンドウ-パースペクティブを開く-Java)パッケージ・エク
スプローラーを見ると次のように taro が共有した HelloJazzWorld プロジェクトが共有されている
のが分かります。
ユーザーhana についても同様に行います。
これで成果物をチームで共有するというチーム開発のための最低限の環境は整いました。次は実
際に、jiro がコードを作成して hana と共有できることを確認しましょう。
6.5
Java コードの共有
まず、jiro の環境で、demo.HelloJazzWorld.java を作成します。するとパッケージ・エクスプローラ
ーのアイコンの背景がオレンジ色に変わって変更があったことが表示されます。
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また、保留中の変更ビューで、ファイルが新規作成、あるいは変更されているがチェックインされ
ていないという意味で未解決の変更があることが表示されます。ここで、ビューの右上の[すべて
の保留中のローカル変更のチェックイン]アイコンをクリックします。(保留中の変更ビューを表示
するには、ツールバーから、[ウィンドウ]-[ビューの表示]-[その他]-[Jazz ソース管理]-[保留
中の変更])
リポジトリーへの発信の準備が整います。
コメントとして「jiro 新規登録」と入力後、[発信するすべてのベースラインおよび変更セットの提
出]アイコンをクリックします。これにより、jiro の変更が他のメンバーと共有できます。
※hana のワークスペースに切り替えます
jiro がリポジトリーに変更を発信してしばらくすると、hana の保留中の変更ビューにリポジトリーに
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新しい変更があることが通知されます。[着信]を展開すると jiro が新規登録したことが分かりま
す。
さらに展開して、HelloJazzWorld.java をダブルクリックして中身を確認し、自分の環境に適用する
かどうかを判断することができます。
中身を確認後、[着信するすべてのベースラインおよび変更セットの受諾]アイコンをクリックする
と、hana のパッケージ・エクスプローラーに、jiro が作成した demo.HelloJazzWorld.java が表示さ
れています。(パッケージ・エクスプローラーを表示するには、ツールバーから、[ウィンドウ]-[パー
スペクティブを開く]-[Java])
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以上で、Eclipse プロジェクトを共有するための基本操作手順は完了です。(taro のワークスペー
スでも同様に操作し、Java コードを共有してください。)
ここまで、Eclipse プロジェクトの基本的な共有方法をご説明しました。
ここから先は、プロジェクトにおけるリリース計画の策定や、反復計画(スプリント)の策定、タスクの
実行の流れなどについて説明します。この作業はプロセス定義の担当者(ここではスクラム・マス
ター、ユーザー:taro)が行います。
7
7.1
リリース計画の策定
リリースのためのスケジュール確立
まずプロジェクト計画を立てていきます。スクラム・マスターである必要がありますので、taro のワ
ークスペースを使用します。
プロジェクト・エリアのコンテキスト・メニューから[開く]を選択し、プロジェクト・エリア・エディターを
開きます。
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プロセス反復のエリアに、デフォルトで作成されている反復計画が見えます。リリース 1.0、スプリ
ント 1 などが見えますが、プロジェクト作成の際にスクラム・テンプレートを選択したため、すでに幾
つかの反復がスプリントの形式にあわせて作成されているのです。スクラムでは、反復のことをス
プリントと呼び、通常は一つのリリースの下に、複数のスプリントが計画されます。
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リリース 1.0 とスプリント 1 のところに小さな三角形のアイコンが見えますが、これが現在の位置し
ている時点を示しています。
リリースのプロジェクト・スケジュールを変更してみましょう。リリース 1.0 を選択し、[プロパティーの
編集]をクリックします。反復の編集ダイアログが表示されますので、終了日を変えてみましょう。
終了日を 6 週間後に設定します。終了日の横のカレンダーアイコンをクリックして、カレンダーの中
から該当する日付を選択し、[OK]をクリックします。最後にダイアログで[OK]をクリックすれば終了
です。
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ここで、反復をもう一個増やすことを考えてみます。全てのスプリントを 2 週間にして、6 週間のリリ
ースの中に、3 回のスプリントが計画されるようにします。スプリントを追加するために、スプリント
2 を複製して、スプリント 3 を作成してみましょう。スプリント 2 を選択し、[複製]をクリックします。
反復を重複ダイアログが表示されます。識別子と表示名を下記のように編集して[OK]をクリックし
ます。
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下記のように、リリースの中に、スプリントが 3 回スケジュールされました。では、次は、リリースに
ついてより詳細な情報を定義していく必要があるので、作成されたスケジュールに基づいて、リリ
ースバックログ(リリース計画)を作成してみましょう。
リリース 1.0 の下に計画を作成します。チーム成果物ビューで、リリース 1.0 を選択して、コンテキ
スト・メニューから[新規] →[計画]を選択します。
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新規計画ダイアログが表示されるので、リリースバックログ 1.0 と名前をつけて、計画タイプとして
[製品バックログ]を選択し、[終了]をクリックします。
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計画エディターが表示されます。概要タブでは、Wiki スタイルでリリースバックログについての情
報を編集することができ、ここで編集した情報は Web ユーザー・インターフェースでも見ることがで
きます。このリリースのゴール、範囲などを書いておくと良いでしょう。
7.2
ストーリー(製品機能)の追加
このリリースの範囲で扱うストーリー(スクラムの用語で、ここでは、製品機能と考えてください)を
考えて見ましょう。計画項目タブをクリックします。
新しいストーリーを追加してみましょう。チーム 1 のコンテキスト・メニューから、[ワークアイテムの
追加]-[ストーリー]で、ストーリーを作成します。
チーム 1 の下に、ボックスが表示されるので、そこで、ストーリーの名前として、「Javaアプレットで
のHelloWorld」と入力します。Ctrl+Enterのショートカットを使って次々とストーリーを作っていくこ
とが可能です。新しいストーリーを作った際は、右上の[保存]ボタンで保存すること忘れないように
しましょう。
他にも幾つかストーリーを考えて入れてみましょう。
次に優先順位をつけます。低~高の優先順位をつけることが可能です。ドロップ・ダウン・リストを
用いて、簡単に優先順位をつけることができます。全てのストーリーに優先順位をつけましょう。
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同じ優先順位のワークアイテムは、ドラッグ・アンド・ドロップすることにより順序を設定できます。
「GUI(SWT)でのHelloWorld」と「HelloWorldテキストの色を変更できる」というストーリーの順序を
入れ替えてみましょう。
ストーリーをダブルクリックすることで、エディターを開くことも可能です。必要に応じて、より詳細な
情報を書き込むことが可能です。
7.3
スプリントバックログ(計画)の作成
スクラムにおいては、全てのスプリント(反復)がはじまる際に、製品バックログのアイテムを全て見
直し、どのストーリーを次期スプリントで取り組むべきか考えます。そして、次期スプリントに割り振
られたストーリーに対してタスクを作成します。
では、ここでは、スプリントバックログを作成していきましょう。チーム成果物ビューから、スプリント
1 を選択し、コンテキスト・メニューから[新規]→[計画]をクリックします。リリースバックログを作った
際と同じ手順であることがわかります。
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新規計画ダイアログで、スプリントバックログ 1 と名前をつけましょう。[終了]をクリックします。
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スプリントバックログ 1 のためのエディターが開きますが、先ほどのリリースバックログのエディタ
ーに戻って、ストーリーの割り振りを行いましょう。「JavaアプレットでのHelloWorld」ストーリーを
右クリックして、コンテキスト・メニューから、[計画対象]→[スプリント 1]を選択します。
あるいは、表示を「反復」に変更し、リリース 1.0 の「Java アプレットでの HelloWorld」ストーリーを
スプリント 1(1.0)の下にドラッグ&ドロップします。
右上の[保存]ボタン、もしくは、Ctrl+S で保存しましょう。スプリントバックログ 1 のほうに、割り当
てられたストーリーが移動します。通常の開発では、複数のストーリーを一つのスプリントで行えま
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すが、この例では、スプリント 1 では、このストーリーのみを開発する、ということになります。
「Java アプレットでの HelloWorld」ストーリーをスプリント 1 で開発していくわけですが、このストー
リーの実装を行うために、幾つかのより詳細なタスクに分けて管理します。例えば、現在の
HelloJazzWorld クラスをアプレット対応にしたり、アプレットを表示するための HTML ファイルを作
成したり、というタスクが少なくとも必要となります。場合によってはより細かく分けていくこともある
でしょう。
では、スプリントバックログ 1 のエディターに戻って、タスクを追加していきましょう。コンテキスト・メ
ニューから、[ワークアイテムの追加]によりタスクを追加していくことも可能ですが、複数のタスク
を追加するときには、Ctrl+Enter でのショートカットが便利なので、まずは、コンテキスト・メニュー
から、[ワークアイテムの追加]→[デフォルトの設定]をクリックします。
ワークアイテム・タイプの選択ダイアログが表示されるので、タスクを選択し、[OK]をクリックします。
これで、Ctrl+Enter のショートカットにより、新規のタスクが簡単に追加できるようになります。
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ストーリーを選択して、Ctrl+Enter でタスクを追加します。「HelloJazzWorld クラスをアプレット対
応にする」、「アプレットを表示するための HTML ファイルを作成」などをタスクとして追加しましょ
う。
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タスクを追加したら、タスクを選択した状態で Tab を押すことにより、ストーリーの子に紐付けること
ができます。
7.4
チーム・メンバーの労働時間、不在予定の入力
ストーリーのタスクが定義されたので、タスクを見積もり、メンバーをアサインする必要があります。
しかし、チーム内のメンバーのワークロードのバランスを適切にとるために、まずはチーム・メンバ
ーの労働時間や不在予定などを設定しておきましょう。チーム成果物ビュー中で、[マイ・チーム・
エリア]→[チーム 1]→「taro」をダブルクリックして、ユーザー・エディターを開きます。
作業環境タブを選択します。ここで、作業をする場所や、作業日数、などを設定することができま
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す。
今回は、taro は他のチームの作業でも忙しいということにして、25 パーセントしかこのチームに避
けないことに仮定しましょう。作業割り当ての中で、チーム 1 を選択して、[変更]ボタンをクリックし
ます。
割り当ての変更ダイアログの中で、25 パーセントを入力し、[OK]をクリックします。
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また、不在予定を入力しておくこともできます。不在予定タブの中で、不在予定を新規作成します。
[新規]ボタンをクリックし、不在予定ダイアログが表示されるので、不在の概要と、開始日、終了
日を入力します。
タスクが定義され、チーム・メンバーの労働時間も設定されたので、タスクの見積もりをはじめまし
ょう。スクラムの場合は、一般的にチーム・メンバーにタスクをアサインして、そのままチーム・メン
バーが見積もりを立てる、というケースが多いのですが、今回は、taro がチーム・メンバーと相談
の上、全てを決めてしまうことにします。
スプリントバックログ 1 のエディターに戻ります。まずは見積もりを入力しましょう。ドロップ・ダウン・
リストを使うことで簡単に見積もりを入力することができます。
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次に、タスクをチーム・メンバーにドラッグ&ドロップして割り当てを行いましょう。終了したら保存を
忘れないでください。
このようにタスクを割り当てていった際に、チーム・メンバーが現在どれくらいワークを抱えている
のかは、ロードを見ると一目で分かります。taro はこのスプリントで 22 時間働けますが、現在、8
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時間分のタスクを抱えている、ということが分かるでしょう。
さて、ここまでで、反復計画の策定が完了しました。まずは、スプリントバックログを作り、タスクを
このスプリントに割り当てました。そして、チーム・メンバーの労働時間・不在予定を整理した上で、
タスクの見積もりを割り当てました。最後にチームへの割り当て状況を確認して、十分にこのスプ
リントはまわせることを確認しました。まだまだチーム全体では作業に余裕があるので、新しいスト
ーリー、タスクを割り振っても良いのですが、今回は例ということでこのままいきましょう。
7.5
タスクの受け入れと解決
では、taro の視点から、実際にタスクを受け入れて、作業をしていく場面を考えて見ましょう。
一番簡単に自分へのタスクの割り当てを確認するには、マイ・ワーク・ビューの現行作業を確認す
るのが良いでしょう。HTML 作成のタスクがみえます。しかし、今後の作業を見てみると、見たこと
のないタスクが沢山並んでいます。これは、プロジェクトが作成されたときに、スクラム・テンプレー
トに基づいて自動的に作成されたタスクです。taro はスクラム・マスターなので、それらのタスクの
所有者は taro になっていますが、現在どのスプリントにもリリースにも割り振られていないので、
今後の作業のところに出ています。
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マイ・ワーク・ビューの他にも、自分に割り当てられたタスクを確認する方法があります。チーム成
果物ビューの中で、ワークアイテムを展開します。この中には、タスクを見るための様々なクエリー
が用意されています。もちろん、自分でクエリーを作成することも可能です。ここでは、[自分に割
り当てられた項目(未完了)]クエリーをダブルクリックして実行すると、ワークアイテムビューの中
に、taro に割り当てられたタスクが一覧で表示されます。
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では、先ほど割り当てたアプレットのための HTML タスクの作業を開始しましょう。ワークアイテム
ビューで、アプレット対応タスクを選択し、右クリックでコンテキスト・メニューから、[作業開始]を選
択します。もちろん、さきほどのマイ・ワーク・ビューから作業開始を行うことも可能です。
ここから、実際、アプレットを表示するための HTML を作成したと想定しましょう。Java パースペク
ティブに切り替えて、パッケージ・エクスプローラーから、HelloJazzWorld を選択し、コンテキスト・
メニューから[新規]→[ファイル]を選択します。任意のファイル名、内容で HTML を作成します。
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テキスト・エディターで入力して保存を行うと、自動的に保留中の変更ビューにて、変更されたもの
が検知されます。下記の、右上のボタン「すべての保留中のローカル変更のチェックイン」をクリッ
クして、まずは個人用のリポジトリーに、チェックインを行います。
スクラムなどのプロセス・テンプレートを用いると、チェックインしただけで、現在ワーク中のタスクと
変更セットが自動的に紐付くように設定されていますが、もしこのように設定されていない場合は、
画面右下のバーからタスク名を、<コメントを入力>と表示されている部分に、ドラッグ&ドロップす
ることで、現在ワーク中のタスクに紐づいて個人用リポジトリーにチェックされます。
[発信]を選択して、右クリックし、コンテキスト・メニューから、[提出]を選択します。これでチーム
のリポジトリーに提出することができます。
ワークアイテム・タブから「アプレットを表示するための HTML ファイルを作成」タスクをダブルクリッ
クし、タスク・エディターを起動してタスクの状態を[完了]に変更しましょう。これで、このタスクは完
了です。
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7.6
タスクのトラッキングとトレーサビリティの確認
タスク・エディターの中で、リンク・タブ下部のリンクのエリアを見てみると、変更セットが自動的にこ
のタスクに関連づけられていることが分かります。変更セットの下の、HelloJazzWorld チーム デ
フォルト・コンポーネントの変更をダブルクリックしましょう。
変更エクスプローラーの中に、この変更セットによって、どのファイルが変更されたか一覧で表示
されます。今回の場合、一つのファイルのみですが、複数個のファイルが変更された場合はそれ
らが全て表示されます。ここで、HelloJazzWorldApplet.html をダブルクリックします。
比較エディターが開きますので、実際にコードのどの部分を変更したかが明確に表示されます。こ
れによって、どのタスクがどの変更セットを引き起こし、また、その変更セットによって、どのファイ
ルのどの部分が変更されたのかが一目瞭然で分かります。
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また、タスクに費やした時間の情報の入力や、ディスカッション機能を用いて、作業時に出てきた
関連情報を全て記録しておくことができます。
承認タブやヒストリー・タブも参照し、どのような情報が記録されているかを確認してみてください。
8
Web UI によるプロジェクト・ダッシュボードの確認
Webユーザー・インターフェースにて、バーンダウンチャートを確認してみましょう。ブラウザーを起
動して、URLにhttps://localhost:9443/jazz/と入力し、taroでログインします。プロジェクト・エリア
から、HelloJazzWorldプロジェクトを選択し、ダッシュボードを見ます。バーンダウンチャートに注
目すると、見積もり終了後、タスク終了後でバーンダウンチャートが自動的に更新されていること
が分かると思います。このように、RTCで一元的に管理されている情報から、バーンダウンチャー
トのようなグラフが自動的に生成されるため、プロジェクトの見える化がより簡単に可能であること
が分かります。
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他にもどのようなデータが取得できるのかを色々と試してみると良いでしょう。
9
終わりに
ここまで Rational Team Concert のプロジェクト管理機能、構成管理機能を試してきました。本ド
キュメントでは短時間で機能を学習することを目的としたため、実プロジェクトで必要となる様々な
設定には触れていません。
より詳細設定はプロジェクト・エリアにて可能です。マニュアルなどを参考に設定を行ってください。
Jazz や Rational Team Concert に関する情報はすべて jazz.net に集約されています。フォーラ
ムも用意されているためこのコミュニティーを使って IBM の開発者および Jazz の利用者と情報交
換を行うことにより、より効果的に Rational Team Concert を利用することができるでしょう。
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10 学習資料・参考文献
Jazz.net (英語)
https://jazz.net/
このサイトでは以下の内容を提供しています。(ユーザー登録が必要)
ƒ Jazz プロジェクトの紹介
ƒ Jazz プロジェクト製品最新情報
- Rational Quality Manager / Rational Test Lab Manager(統合テスト管理ソリューション)
- Rational Requirements Composer (要求定義ソリューション)
- Rational Team Concert
ƒ 各種学習用資料
-
各種ガイド、テック・ノート、ワークショップ資料、各種プレゼンテーション資料、各種ビデ
オ
ƒ コミュニティー
-
チーム・ブログ、フォーラム(情報交換、Q&A)、イベント、ビジネス・パートナー紹介など
ƒ バグ・トラッキング
-
新規バグのレポート、既知のバグ・トラッキング
-
開発ステータス(Jazz プロジェクト製品の開発状況の確認が可能)
-
メーリング・リスト、ダッシュボード、ワークアイテム、イテレーション・プラン、レポート
ƒ ダウンロード
IBM Rational Team Concert 製品サイト
http://www.ibm.com/jp/software/rational/products/scm/rtc/
IBM Rational Team Concert 2.0 Information Center
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/rtc/v2r0m0/index.jsp
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