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みほん
第5章 次世代に向けた海外マーケットおよび主要プレーヤーの動向
Ⅳ . 海外主要モバイルベンダーの動向
キーポイント
■世界の盟主ノキア。ウィークポイントの CDMA 分野強化と北米/中国市場を攻略へ
■ 2002 ~ 2003 年の低迷から反転攻勢に転じ、
“超低価”で新興市場開拓するモトローラ
■「Windows Mobile5.0」で Symbian OS に追随、モバイル分野で存在感増すマイクロソフト
1.ノキア
(1)
事業動向
①企業概要および主要経営実績
1990年代以後、
ノキアは事業分野を移動通信に転換し
た。
現在は携帯電話、
無線通信インフラおよび装備、
Mobile/
Fixed-IP Networkを提供しているが、
特に携帯電話および
モバイル・ソリューションが、
ノキアの製品ポートフォリオの大
部分を占めている。
これまで、
ノキアの携帯電話はGSM方式技術中心であった
が、
最近ではCDMAおよびW-CDMA部門にも進出している。
3Gでは、
GSMをベースにしたW-CDMA技術の開発を強化す
ると同時に、
市場を拡大させるために関連技術を公開して、
国
際標準化を主導する積極的な活動を行うことで、
携帯電話、
無
線インフラおよびアプリケーション分野での標準化活動をリー
ドしている。
同社の経営戦略は、
移動通信を広げるために、
①Expand mobile voice
②Drive consumer multimedia
③Bring extended mobility to enterprises
レーヤー数は少なくなって、
新規参入がより一層難しくなるなど、
市場の2極化が進んでいる。
激しい競争が展開される携帯電話市場でノキアの目標は、
マーケットシェア40%の達成であり、
経営戦略は発展途上国で
の新規ユーザー獲得と、
北米や欧州など成熟市場での事業拡
大とブランドパワー強化に焦点が合わせられている。
ノキアブ
ランドは、
世界ランキング第6位、
アジアではソニーに引き続き
第2位である。
ノキアの2004年の売上高は、
前年同期対比0.6%減少して
293億ユーロだったが、
営業利益は約37億ユーロで、
前年同
期より20億ユーロ程度減少した。
この中で携帯電話機部門が
60%を占めている。
最終利益は、
前年同期対比11%減少して32
億ユーロ(約4300億円)であった。
これまで高収益を支えてきた
携帯電話機部門の営業利益は、
前年同期対比33%減少するな
ど、
携帯電話端末事業の不振が全体の収益悪化に影響を及ぼ
した。
しかし、
2005年度第2四半期の実績は、
売上高は80億5900
万ユーロ(前年比25%増加)、
純利益は7億9900万ユーロ(前年
――の3つの活動に焦点を合わせている。
2005年末の20億
比15%増加)へと持ち直した。
携帯電話の販売台数が6080万
加入、
2010年までに30億加入に達すると予想される同市場で、
台
(前年比34%増加)と、
世界マーケットシェアが前年同期の
さらなるプレゼンス強化を図るため、
携帯電話、
マルチメディア、
エ
31%から33%へとアップしたことが大きな要因だった。
ンタープライズソリューション、
およびネットワークの4つの事業
ノキアでは、
今後も新興工業国と北米を中心に、
携帯電話と
グループ領域へと組織の再構築を図っている。
図表1および図表
移動通信インフラ分野で需要増加が続くと予想している。
一方、
2に、
2004年から2005年9月までの同社の主な動きを示した。
世界携帯電話市場での競争が益々激しくなることにより、
携帯
電話の平均小売価格が第1四半期に比べ、
モデルによっては5
②新興工業国と北米市場を中心に業績上昇
ユーロから105ユーロにまで下落した。
新興工業国で生産され
2005年に加入者数が20億人に達すると見込まれる全世
た端末機が普及したことが主な要因であり、
この傾向は今後も
界の携帯電話市場で、
ノキアは第1四半期に32.2%の市場占
続くと予想されるため、
今後の同社の業績に影響を及ぼしてい
有率でトップを走った。
ノキアに続くベンダーは、
米モトローラ
く可能性もある。
(18%)、
韓国サムスン(12.9%)、
韓国LG
(6.4%)
、
ソニー・エリクソ
ン
(6.3%)
の順となっている。
1位と2位を合わせたシェアが50%
③2004年に事業体制を再構築
を越える一方で、
独シーメンスや英Sendoが撤退した。
このよ
従来、
ノキアの組織構造は携帯電話、
ネットワークとベン
うに、
移動通信産業ではトップ企業の寡占化が進む一方で、
プ
チャー組織の3つの主要な事業部門によって構成されていた。
モバイルインターネット要覧 2006
345
みほん
第5章 次世代に向けた海外マーケットおよび主要プレーヤーの動向
図表1 ノキアの主な動き(2004年1月~2004年12月)
年月
概要
2004/1 2003年Q4の売上は前年同期比1%減の88億ユーロ。
携帯電話機の売上は前年同期比4%増の70億ユーロ。
為替差損益調整後の伸び率は15%、
販売台数は同20%増
の5530万台。
2003年通年の携帯電話機の売上は236億ユーロで前年比2%増。
販売台数は18%増。
世界シェアは約38%に
英サイオンが保有するシンビアン株
(シンビアン資本の31.1%)
を1億3600万ポンド
(2億200万ユーロ)
で買収することで合意。
EDGE対応
「Nokia 6620」
を2004年Q2に米国市場投入。
内蔵カメラを使ったビデオ撮影、
RealOneプレーヤーによるストリーミング再生機能を搭載
2004/2 BMと法人モバイル・ソリューションを共同展開。
Symbian OS上で動作するノキアのCommunicatorプラットフォームとIBMのモバイル・ソフトウェアを組み合わせ、
インス
タント・メッセージングなどのエンタープライズ・アプリケーションを提供する
T-モバイルUSAから3億ドル相当の3G/拡張GPRSコア受注。
「NetAct Traffica」
含むネットワーク/サービス管理
「Nokia NetAct」
も提供
キーボードを搭載、
PDAとしても利用可能なトライバンドGSM/GPRS
(EDGE)
端末
「Nokia 9500 Communicator」
を発表、
2004年Q4に出荷。
無線LAN(IEEE 802.11b)
も
新たにサポート。
法人の利用を想定
2004/3 ノキア、
フィリップス、
英ボーダフォン、
米ユニバーサル・スタジオの4社が、
携帯端末上でのテレビ放送のため、
次世代携帯電話ネットワークと地上デジタル放送の間の
統合を図ると発表。
ベルリンで年内に試験サービスを実施
英サイオンが株主総会で、
保有するシンビアンの31.1%資本
(議決権32.75%)
をノキアに売却することを承認。
売却額は1億3570 万ポンド
「Series 60プラットフォーム」
をLG電子にライセンス供与。
同月、
松下がSeries 60を採用した
「X700」
を発表
携帯電話に取り付けてICタグ読み取り機能を持たせる
「モバイルRFIDキット」
を発表。
GSM端末
「5140」
専用で、
2004年半ばに出荷
2004/4 2004年第Q1総売上は前年同期比2%減の66億3000万ユーロ、
うち携帯電話機が43億ユーロ
(前年同期15%減)
、
ネットワーク設備機器14億ユーロ
(同16%増)
、
マルチメ
ディア8億ユーロ
(同60%増)
、
企業ソリューション2億ユーロ
(同95%増)
。
純益は前年同期の9億7700ユーロから8億1600万ユーロに減少
HPとバックエンドサービス契約を結び、
携帯電話で双方向ビジュアル/テキストと同期したFMラジオ放送を受信できる
「Visual Radio」を構築。
HPが携帯サービス会社
とFMラジオ局向けにソリューションを提供
2004/5 北京にCDMA研究開発施設を設立するほか、
北京のNokia Product Creation Centerの製品設計と開発の規模を拡大する意向を表明
2004/6 ガートナーによる2004年Q1の世界携帯電話販売のメーカー別シェアはノキアが28.9%でトップ。
販売台数は前年同期比で約500万台増だがシェアは5.7ポイント減、
端
末バリエーションが少ないことなどが影響
シェア回復を目指して新戦略発表。 シェア低下要因を、
中位機種の乏しさ、
市場ニーズとの齟齬と分析。
全レベルの機種・価格帯をカバーする方針
シンビアン株をサイオンから買い取る計画をドイツの独禁法当局が認可
W-CDMA、
GSM、
EDGEに対応、
有効画素数123万画素のカメラを搭載したトライバンド端末
「Nokia 6630」
を発売。
2004年Q4にも出荷、
価格は500ユーロ以下の見込み
サン・マイクロシステムズとJavaによる高機能携帯電話向けアプリケーションの開発で提携。
ノキアの多人数参加型ゲーム開発用プラットフォーム
「Snap Mobile」に
J2ME Wireless Toolkitなどを組み込む
2004/7 サイオンが保有するシンビアン株買い取りにノキア、
パナソニックモバイル、
シーメンス、
ソニー・エリクソンが参加することで合意。
ノキア出資比率は47.9%にとどまる。
他
方ソニー・エリクソンは1.5%から13.1%に、
パナソニックは 7.9%から10.5%に、
シーメンスは4.8%から8.4%に比率を拡大
Q2
(4~6月期)決算は前期に引き続き減収、
売上高は前年同期比5%減の66億4000万ユーロ、
純利益は7億1200万ユーロ。
携帯電話は売上高が13%マイナスの41億
6700万ユーロ。
欧米で苦戦、
シェア維持のために特定製品で価格調整したことが売上と利益率に影響
STマイクロエレクトロニクスとカメラモジュール用の包括的仕様
「SMIA」
(Standard Mobile Imaging Architecture)
を公開すると発表
2004/8 携帯用音楽プラットフォームでLoudeyeと提携
ボーダフォンと、
オープンな次世代モバイルJavaサービスアーキテクチャ仕様の策定を進めると発表。
サン、
オレンジ、
シーメンス、
ソニー・エリクソン、
T-モバイルなどが
支持表明。
新コンポーネントJSRの策定と既存仕様明確化で、
マルチベンダ携帯端末でアプリケーションの互換性を保証
フィンランドの暗号化システムメーカーPointsec Mobile Technologiesとともに、
携帯でやりとりされるデータを保護する企業ソリューションを共同開発
2004/9 ノキア、
モトローラ、
NEC、
独シーメンス、
ソニー・エリクソンが携帯端末のテレビ受信に関する技術仕様を共同で作成することで合意
仏オレンジが
「プッシュ・トゥ・トーク(Push-To-Talk)
」
サービスを英国で開始。
ノキア、
LG電子などが対応機を発売
ガートナーによる、
2004年Q2
(4~6月期)の世界携帯電話販売のメーカー別シェアはノキアがシェア 29.7%で首位。
前年同期の35.6%よりも低下したが、
前期の28.9%
から回復。
市場の総販売台数は前年同期比で35%増の1億5640万台
フルキーボード搭載のスマートフォン
「Nokia 9300」を2005年Q1にも発売すると発表。
あわせて、
1920年代のファッションをイメージしたデザインのGSM端末
「Nokia
7280」
「Nokia 7270」
「Nokia 7260」
の3機種を発表
Series 80モデルのResearch In Motion(RIM)
のBlackBerryサービスへの対応を発表
携帯電話向けブログサービスで、
米Six Apartと提携
Series 60製品として初めて、
F-Secureのウイルス対策ソフト搭載をした
「Nokia 6670」
を発表
2004/10 インテルがSeries 60の開発コミュニティのメンバーになったと発表。
インテルとシンビアンは、
Symbian OSとインテルのXScaleテクノロジーを組み合わせた3Gのリファ
レンスプラットフォームを共同開発する
Q3
( 7-9月期)決算は、
売上高が前年同期1%増の69億3900万ユーロ、
純利益6億6000万ユーロ。
携帯電話事業の売り上げが前年同期比13%減の44億2900万ドルに落
ち込む一方、
マルチメディア、
ネットワーク、
エンタープライズソリューション事業の売り上げが拡大。
携帯電話の出荷台数は予想を上回る5140万台に達したが、
部品不足
が出荷に響いた
サンのJ2MEで開発されたアプリケーションをサポートする携帯電話の新アプリケーションプラットフォーム
「Preminet」
を発表
パケットビデオ、
Series 60向けに、
双方向テレビ電話機能を追加するソフトを発表
2004/11「Nokia 7710」
「 Nokia 3230」
「 Nokia 6020」の3モデルを発表。
7710と3230は、
Symbian OSをベースとしたスマートフォン。 7710はフル機能を搭載したSeries 90機。
3230はミッドレンジ向けSeries 60機。
6020は、
PTTやEDGEをサポートしたローエンド端末
2005年以降の経営目標を発表。
今後2~3年の中期目標として携帯端末で17~18%、
インフラで14%の営業利益率を目指す。
2005年は製品ライン幅を拡大、
同年中に新
機種約40モデル投入を計画。
長期的シェアの目標は40%
3G World Congressで、
CDMAデュアルスタック端末を使い、
Mobile IPv6通話を初披露
ETSIによる携帯電話向けテレビ放送規格DVB-Hの発表を受け、
対応端末を世界各地で2006年に発売する計画を発表
2004/12 ガートナーによる2004年Q3
( 7月~9月期)の世界携帯電話販売のメーカー別シェアでノキアが30.9%の1位。
30%超えは3四半期ぶり。
市場の総販売数は前年同期比
26%増の1億6707万台
出典:情報流通ビジネス研究所
しかし、
同社は2004年1月1日付けで、
事業体制を
「携帯電話」
「マ
ルチメディア」
「企業ソリューション」
「ネットワーク事業部門」
の4
グループに再編成している。
各事業グループの目標として、
①携帯端末機事業グループ:3つの世界的なセルラーテクノロ
ションなどモバイルマルチメディア部門に集中
③企業ソリューション事業グループ:企業ユーザーに対するIPネッ
トワーク周辺部のセキュリティ・ゲートウェイや、
エンドユーザーの
業務のために最適化されたモバイル機器ソリューションを提供
④ネットワーク事業グループ:ネットワークインフラ、
通信とネット
ジーに基づいたGSM/EDGE、
CDMAとTDMA携帯電話と
ワークのサービスプラットホームを提供するオペレータ/サー
装置を提供
ビスプロバイダ
②マルチメディア事業グループ:先進のモバイル機器とソリュー
346
モバイルインターネット要覧 2006
――この4グループに加えて、
モバイル機器事業グループの
みほん
第5章 次世代に向けた海外マーケットおよび主要プレーヤーの動向
図表2 ノキアの主な動き(2005年1月~2005年9月)
年月
2005/1
2005/2
2005/3
2005/4
2005/5
2005/6
2005/7
2005/8
2005/9
概要
インドや中国などを対象とした製品に、
TIのワンチップ・ソリューションを採用すると発表
2004年Q4決算発表を発表。
売上高は前期比3%増の90億6300万ユーロで、
純利益が10億1900万ユーロ。
携帯電話部門の売上高は前期比6%減の56億6000万ユー
ロ。
2004年通期での売上高は、
前年比1%減の292億6700万ユーロ、
純利益は32億700 万ユーロ。
携帯機器販売は過去最高の2億770万台を記録。
Series 60プラットフォーム向けにプログラミング言語Pythonの開発環境を提供。
Forum NokiaがSDKを公開
HPとモバイル技術を使ったフォーム処理のための統合型ソリューション
「Mobile Forms Initiative」
を共同開発・提供へ
マクロメディアとのライセンス契約に基づき、
ノキアのSeries 60プラットフォームにFlash技術を組み込むと発表
マイクロソフトと携帯向け音楽配信で提携。
携帯端末でWindows Media Audio/Windows Media Digital Rights Management
( DRM)10/Media Transfer Protocol
(MTP)
をサポート。
Windows Media Playerではプラグインを通じて業界団体OMAのDRMと、
MPEG Advanced Audio Coding
( AAC)
シリーズのコーデックをサポー
ト
会長兼CEOが
「中国市場における販売収入が、
2004年にはノキアの10%に達した。
中国は、
3年以内にノキアの最大の市場となる」
と発言
ガートナーによる2004年Q4世界携帯電話メーカーシェアは、
ノキアが33%でトップ。
2004年通期シェアも30.7%で1位だが前年から4.1ポイント減
携帯電話の車載通信システム
「PREMIUM」
が、
フォクスワーゲンの新車
「パサート」
に今年夏から搭載されると発表
携帯電話事業者や放送局と、
携帯電話でテレビ番組を受信できる
「モバイルTV」
の実証実験をフィンランドで実施
インド南部のチェンナイに世界10番目の製造施設となる携帯電話製造工場の建設する計画を発表。
投資額は1億~1億5000万ドル、
稼働は2006年上半期の予定。
フ
ル稼働時の従業員数は約2000人
マルチメディア機能を強化した携帯電話の新ブランド
「Nシリーズ」を発表。
第一陣として、
カールツァイスの光学機構を採用した
「N90」を2005年第2四半期に、
4GBの
ハードディスクドライブ
(HDD)
搭載の
「N91」
を2005年末に、
200万画素カメラ搭載の
「N70」
2005年第3四半期に発売
Series 60のノキア製スマートフォンに、
ヤフーのポータルアプリをプリセットして展開すると発表
携帯電話向けのテレビ放送規格DVB-Hに対応したソリューション
「Nokia mobile TV solution」
の仕様を公開。
DVB-Hは2006年商用化の見込み
Linuxベースの新情報端末
「Nokia 770 Internet Tablet」
を発表。
欧米の一部地域で2005年Q3に発売。
OSは
「Internet Tablet 2005 software edition」
、
GSMなどの携
帯電話用通信モジュールは非搭載、
IEEE 802.11b/gやBluetoothなどを介してインターネットにアクセス
自社が持つ特許のすべてをLinuxカーネルの開発で利用可能にすると発表
ガートナーによる2005年Q1世界携帯電話メーカー別シェアは、
ノキアが30.4%で1位。
同期の総販売台数は同期比17%増の1億8060万台
アフリカ市場向け新端末
「Nokia 1110」
「Nokia
、
1600」
発表。
価格はそれぞれ65ユーロと85ユーロ。
出荷予定は2005年Q3
Series 60 Platformに、
アップルのSafariブラウザに用いられているブラウザコアKHTMLを採用したと発表
台湾・明基電通
(BenQ)
によるシーメンスの携帯電話部門を買収に伴い、
BenQとの提携関係を打ち切ることを決定
2005年Q2決算を発表。
売上高は前年同期比25%増の80億5900万ユーロ。
純利益は前年同期比15%増の7億9900万ユーロと増収増益。
携帯電話部門の売上高は前
年同期比20%増の48億6400万ユーロ
ガートナーによる2005年Q2世界携帯電話メーカー別シェアは、
ノキアが31.9%でトップ。
同期総販売台数は、
前年同期比21.6%増の1億9050万台
ノキアのスマートフォン
(Nokia 6680/6681/6630)
端末から主要検索エンジンに直接アクセスできるモバイル検索ソフトを発表
四川省の成都に中国では2番目となる3G研究開発センターを開設
携帯電話から、
社内メールにアクセスできる、
ビジネスモバイルソフト
「Nokia Business Center」
を発表。
同ソフトは、
Java MIDPI 2.0対応の携帯電話に搭載できる。
2005
年Q4に、
米国および欧州、
中東、
アフリカで提供を開始
オープンソース団体Eclipse Foundationへの加盟を発表。
戦略デベロッパーおよび理事会メンバーとして、
モバイルJava開発ツールのためのフレームワーク策定プロ
ジェクトを主導
音楽機能を強化した3G携帯電話
「Nokia 6630 Music Edition」
を発表。
9月中にEMEA
(欧州、
中東、
アフリカ)
地域向けに発売
新興市場向けの折りたたみ型携帯電話
「Nokia 2652」
を発表。
推定小売価格は100ユーロで、
欧州、
中東、
アフリカ諸国と中国で発売
出典:情報流通ビジネス研究所
活動効率と競争力の強化と規模の経済を極大化するため、
2つ
の水平的な組織として
「顧客と市場」
「テクノロジープラットホー
ム」
が構築されている。
通ネットワーク、
現地化した製品ラインアップ、
ブランドパワーで市
場を攻略している。
こうしたノキアのW-CDMA技術は、
19カ国で
図表3 ノキアの2004年における事業部門別業績
Mobile Phone : 62%
④グローバル組織体制の再構築と運営
ノキアは世界50余国に事業体を保有している。
14ヶ国に54
つのR&Dセンターを、
9つ国に19個の生産工場を保有している。
このような国際組織は、
アメリカ/アジア太平洋/ヨーロッパお
Multimedia : 14%
Enterprise Solution : 3%
Networks : 21%
よび中東・アフリカの3つの地域事業部に編成されている。
各
地域事業本部は、
意思決定において一定の裁量権を持つが、
最
終決定はヘルシンキの本社で行う。
ノキアの世界マーケットシェアは年々、
減少傾向にある。
これ
は、
飽和した移動通信市場と、
熾烈な競争相手であるサムスン
およびモトローラの市場占有率の拡大が、
その要因として挙げ
られる。
これに対する対応戦略の一つとして、
ノキアはCDMA
分野とアメリカおよび中国市場を攻略しようとしている。
特にア
メリカ地域では、
CDMA技術の製品を投入しながら、
他事業者
との緊密な連帯関係を維持している。
中国では、
各省および地域拠点を構築することで、
最適な流
図表4 ノキアの地域別シェア
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モバイルインターネット要覧 2006
347
第5章 次世代に向けた海外マーケットおよび主要プレーヤーの動向
図表5 世界主要市場別にみたノキアの売上高推移(2002年~2004年)
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単位:百万ユーロ
年
北米
前年比
中国
前年比
英国
前年比
ドイツ
前年比
インド
前年比
ブラジル
前年比
ロシア
前年比
UAE
前年比
イタリア
前年比
スペイン
前年比
総 計
前年比
2002
2003
2004
使用されている。
ノキアは、
モバイル機器およびネットワークメー
域でのモバイル機器販売率の成長が増加した。
内訳はラテン
カー、
ゲーム、
エンタテインメント、
プラットフォーム領域に進出す
アメリカで前年増100%、
ヨーロッパ、
中東およびアフリカで同
るために、
多数の企業と提携や競争関係を維持している。
33%、
中国・同32%、
北アメリカ・同22%、
アジア太平洋地域・
同社のグローバル市場での業績を見ると、
2004年度は5地
348
モバイルインターネット要覧 2006
同15%であった。
みほん
第5章 次世代に向けた海外マーケットおよび主要プレーヤーの動向
図表6 ノキアの地域別末販売台数推移(2002年~2004年)
単位:百万台
年
(四半期)
欧州/中東/アフリカ
前年同期比
中東
前年同期比
アジア・太平洋
前年同期比
北アメリカ
前年同期比
南米
前年同期比
総計
前年同期比
2004
(Q2)
17.8
―
4.2
―
8.2
―
7.7
―
7.5
―
45.4
―
2005
(Q1)
27.4
―
7.1
―
10.6
―
4.3
―
4.4
―
53.8
―
2005
(Q2)
27.8
156.2%
7.4
176.2%
10.5
128.0%
6
77.9%
9.1
121.3%
60.8
133.9%
(2) モバイルブロードバンドに向けたインフラ/端
末戦略
サービスとして普及させ、
2006年~2007年にはWi-Fiスポッ
トより広範囲なWiMAXホットゾーンを設置し、
モバイル接続
サービスを提供する。
そして2007年~2008年頃には、
完璧な
ローミング機能を取り揃え、
利用者がホットスポットの間を移動
する時にも接続が維持されるよう、
整備するという3ステップを
計画している。
③新たな3G生産拠点と流通ネットワークを構築へ
現在、
中国政府は3G携帯電話サービスに関する導入スケ
ジュールや、
どの通信規格を採用するかについて、
その方針を
はっきりと打ち出してない状況が続いている。
ノキアは、
インドで建設中の工場が2005年内に完成すれば、
3G生産を開始する中国での生産を、
インドなどに移転する可
能性が高いと言われている。
すでに同社は、
中国に6ヶ所の研
①法人ユーザー向けの
「6630」
モデルを出荷
ノキアは2004年11月に3Gスマートフォンである
「6630」モ
デルを出荷した。
この端末は、
3G
( W-CDMA)とEDGEおよび
2Gネットワークをサポートする初めてのデュアルモード端末で
ある。
企業ユーザーを狙う同製品は、
デュアルモードに加えて
GSM900/1800/1900MHzトライバンド対応で、
価格は500
ユーロ程度としている。
130万画素のカメラを装着し、
ビデオスト
リーミングとキャプチャ支援などイメージ機能を強化するととも
に、
W-CDMAネットワークでモバイルインターネット利用をサ
ポートし、
企業イントラネットおよび電子メールサーバー接続機
能も利用できるようになっている。
究開発センターを保有しており、
生産拠点を中国以外の地域に
移転するということは、
非効率的或いは非現実的であるという
意見もある。
しかし、
生産拠点の移転地として予定されているインドは、
ノ
キアだけが世界の携帯電話生産拠点として注目しているだけ
ではなく、
モトローラやサムスンも世界的な生産拠点として注目
している。
実際ノキアは、
W-CDMA携帯電話利用者が全世界
的に急増している点を勘案し、
2005年に10種類のW-CDMA
およびGSMデュアルバンドモデルを投入する計画を持って
いるが、
中国市場の場合には3G標準が決まっていないため、
W-CDMAネットワークに対する使用ライセンスを受けることも
できず、
デュアルバンドモデルを販売することができない状況
②WiMAXの普及促進
2005年6月、
ノキアとインテルはFMCの高速アクセスを実
下にある。
このため同社は、
中国市場向けの端末機にはW-CDMA機能
現するために、
WiMAX技術開発に関する提携を発表した。
を除いたモデルを設計している。
また、
北京や広東省で生産され
両社はノートパンコン、
携帯電話器機、
ネットワーク基地局用
た3G携帯電話は中国ではなく全量海外輸出向けに使っている。
WiMAX技術を共同開発する。
この分野でのWiMAXは、
携帯
一方ノキアは、
ドバイのJafza
(Jebel Ali Free Zone)
に、
インドか
電話技術を基本にしたモバイルデータ通信ネットワークと熾烈
ら南アフリカにつながる地域をカバーする、
グローバルネットワー
な競争を展開していくものと予測される。
ク装備流通ハブを構築する構想を掲げている。
急成長している中
Wi-Fiネットワークに匹敵するスピードと、
広帯域インターネッ
東とアフリカの新興通信市場に対するドバイの地域的近接性が、
トアクセスを実現できるWiMAXは、
主に固定インターネット回
ノキアがこの地域にネットワーク流通ハブを構築するようになっ
線の代替として利用されているが、
両社は2010年まで大都市
た主な要因だと考えられる。
このネットワーク流通ハブでは、
携帯
における公共的な場所でノートパンコンや携帯電話を使って、
電話部品から基地局およびアンテナなどのような、
ノキアネット
高速インターネットでアクセスをできるようにする計画を持つ。
ワーク装備のための流通施設が設置される予定である。
ノキアとの提携を通じてインテルは、
ノートパソコン用プロセッ
サの販売が促進されると期待している。
④超高級ブランド展開と次世代技術
「I-HSPA」
の試験
両 社のWiMAX普及 計 画として、
2005年~2006年には
過去5年間、
ノキアは低価携帯電話の代表的なブランドであ
WiMAXをDSLやCATVなどのような固定ブロードバンド
り、
世界で販売された携帯電話の3台の中で1台は同社製品で
モバイルインターネット要覧 2006
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